説明

凝集磁気分離装置

【課題】磁性粉とともに凝集剤の使用量を低減し、処理水質の向上を図った凝集磁気分離装置を提供する。
【解決手段】処理対象の排水に凝集剤及び磁性粉を添加することにより磁性フロックを生成する凝集部と、生成された磁性フロックを磁気力により分離する磁気分離部とを有して、磁性フロックを分離することにより被除去物を排水から除く凝集磁気分離装置において、前記分離された磁性フロックをせん断力により分解して磁性体を回収する磁性体回収部と、回収された磁性体を前記凝集部に返送する回収磁性体返送ラインと、返送された回収磁性体に基づく物理量によって、凝集剤の添加量を制御する制御部を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水に凝集剤や磁性粉を投入し、凝集磁気分離によって排水を処理する凝集磁気分離装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
凝集磁気分離による水処理とは、被処理対象である排水に凝集剤と磁性粉を投入し、攪拌することにより生成させた磁性フロックを磁力で回収することにより、排水から被除去物を除いて処理水を得る方式である。本方式では回収したフロックが産業廃棄物として廃棄されるが、フロックに含まれる磁性粉も一緒に廃棄されるため磁性粉供給コストが高くなり、また、産業廃棄物としての回収フロックが増大してその処分費用が装置のランニングコストを上昇させている。この課題を解決するための技術として、特許文献1および2に、磁性粉を含有する汚泥を水熱反応により分解し、汚泥を減容化する技術が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-123399号公報
【特許文献2】特開平11-207399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1および2に開示された技術では、凝集磁気分離により汚水を浄化し、その際発生する汚泥を高温高圧で水熱処理し、高温高圧ラインのなかで磁性粉を磁気分離により回収している。高温高圧とすることにより、凝集剤の機能を低下させてフロックを分解させ、フロックから磁性粉を分離し回収している。このように回収した磁性粉を再利用することにより磁性粉の使用量低減を図っている。
【0005】
しかしながら、フロックの分解には高温高圧条件が必要であり、分解率を向上させようとするほど、より高い温度と圧力を必要とし、エネルギー使用量が増えてしまう。また、高温高圧とすることにより凝集剤の凝集性能を低下させるので、フロックが分解し易くなる反面、分解された後の凝集剤は再利用できない。
【0006】
更に、回収された磁性粉には、分解しきれなかった被除去物や、性能の低下した凝集剤が不純物としてある程度の割合で付着しているが、回収された磁性粉を再利用する際に、これらの不純物が凝集性能を悪化させるので、凝集剤の追加使用量が増加するという問題もある。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するために、磁性粉とともに凝集剤の使用量を低減し、処理水質の向上を図った凝集磁気分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、処理対象の排水に凝集剤及び磁性粉を添加することにより磁性フロックを生成する凝集部と、生成された磁性フロックを磁気力により分離する磁気分離部とを有して、磁性フロックを分離することにより被除去物を排水から除く凝集磁気分離装置において、前記分離された磁性フロックをせん断力により分解して磁性体を回収する磁性体回収部と、回収された磁性体を前記凝集部に返送する回収磁性体返送ラインと、返送された回収磁性体に基づく物理量によって、凝集剤の添加量を制御する制御部を設けたことを特徴とする。
【0009】
また、上記に記載の凝集磁気分離装置において、前記磁性体回収部は磁性フロックにせん断力を加えるせん断付加手段と、分解された磁性フロックから磁性体を回収する回収手段からなることを特徴とする。
【0010】
また、上記に記載の凝集磁気分離装置において、前記物理量は、返送された回収磁性体の流量、濁度、ゼータ電位の中の少なくとも一つであり、前記制御部はその物理量を基に凝集剤の添加量および前記回収磁性体の注入量を制御することを特徴とする。
【0011】
また、上記に記載の凝集磁気分離装置において、前記物理量は、回収磁性体が返送された前記凝集部内の濁度、粒子の代表粒径、ゼータ電位の中の少なくとも一つであり、前記制御部はその物理量を基に凝集剤の添加量および前記回収磁性体の注入量を制御することを特徴とする。
【0012】
また、上記に記載の凝集磁気分離装置において、前記添加量が制御された凝集剤は、前記凝集部の前記回収磁性体の注入位置より下流側で添加されることを特徴とする。
【0013】
また、上記に記載の凝集磁気分離装置において、前記凝集部が前段の第1凝集部と後段の第2凝集部とからなり、前記凝集剤の添加位置と前記回収磁性体返送ラインの戻り位置は前記第1凝集部であり、前記磁性粉の添加位置は前記第2の凝集部であることを特徴とする。
【0014】
また、上記に記載の凝集磁気分離装置において、前記第1凝集部は上流側凝集部と下流凝集部とからなり、前記回収磁性体返送ラインの戻り位置は前記上流側凝集部であり、前記凝集剤の添加位置は前記下流側凝集部であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、被処理対象である排水を処理するに際し、ランニングコストの低減と、処理水質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1の構成の概略図である。
【図2】本発明の実施例2の構成の概略図である。
【図3】本発明の実施例3の構成の概略図である。
【図4】本発明の実施例4の構成の概略図である。
【図5】本発明の実施例の制御動作のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態として図面を用いて各実施例について説明する。
【0018】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1の構成の概略図である。1は被処理水となる排水を蓄える原水タンク、2はタンク1の排水を凝集部6へ送水する原水ポンプ、3は新たな無機の凝集剤を蓄える凝集剤タンクである。4は新たな磁性粉を蓄える磁性粉タンク、5は高分子の凝集剤を蓄える高分子凝集剤タンク、6は急速攪拌槽の第1凝集部、7は凝集部6の下流側に連通して接続された緩速攪拌槽の第2凝集部である。
【0019】
凝集部6にタンク1から排水が送水され、凝集剤タンク3内の無機の凝集剤、例えばPAC(ポリ塩化アルミニウム)、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム等を、無機凝集剤注入ポンプ23より添加して、急速に攪拌を行う。凝集部6内の排水中には、表面が負に帯電した浮遊物質、あるいは油等のエマルジョンなどの被除去物が分散しており、被除去物の表面電荷を凝集剤が中和することにより凝集がなされる。また、急速攪拌によって衝突頻度が高まることで凝集が進み、マイクロフロックと呼ばれる多数の小さな塊のフロックが形成される。
【0020】
次に、凝集部6で小さなフロックが形成された排水は凝集部7に送水され、凝集部7の排水に磁性粉注入ポンプ24より、磁性粉槽4からマグネタイト粒子等の新たな磁性粉が添加される。また、ほとんど同時に高分子凝集剤ポンプ25を介して高分子凝集剤タンク5から高分子凝集剤も注入され、凝集部7内でゆっくり攪拌することで磁性粉を含んだ状態で凝集が進み、磁性フロックが成長する。凝集部7は2段の槽で構成され、より大きな磁性フロックに成長させる。
【0021】
ここで、高分子凝集剤はアニオン系が望ましく、例えばポリアクリルアミドが適している。ポリアクリルアミドの場合は粉末で保管しておき、フィーダで定量高分子ポリマータンク5に注入して攪拌する構造が考えられる。
【0022】
8は凝集部7の後段に配置された磁気分離部で、例えばネオジウム磁石等の永久磁石を内蔵する磁気ドラム8aと、磁気ドラム8aの外周に接触するスクレーパ8bから構成される。磁気ドラム8aは、下半分が凝集部7から送水された凝集水に浸り、上半分が上方空間に臨んでいる。凝集水が磁気ドラム8aに接触して通過する際に、凝集水中の磁性フロックに含まれた磁性粉が永久磁石の磁気力によって磁気ドラム8aの外周表面に吸着される。吸着された磁性フロックは、磁気ドラム13の回転とともに空中に上げられ、スクレーパ14によって掻き取られる。掻き取られた磁性フロックは、磁性体回収用として磁性体回収部9へ送られる。磁性フロックが取り除かれた凝集水は処理水10として排出される。
【0023】
磁性体回収部9は、前記磁気分離部8と同様な磁気ドラム方式の回収部であり、フロック移送ポンプ9aと磁気ドラム9bから構成される。フロック移送ポンプ9aは磁性フロックにせん断力を与えるせん断付加手段であり、磁気フロックを磁気分離部8の場合より高速で磁気ドラム9b周辺を通過させることにより、大きなせん断力を与えて磁気フロックを分解する。このせん断力による磁性フロックの分解は、加熱することなく常温の環境で行われる。
【0024】
このように分解されたフロックのうち、磁性粉を多く含んだものは回収磁性体として磁気ドラム9bの外周表面に吸着して回収され、それ以外は汚泥11として排出される。回収磁性体は回収磁性体返送ライン12を通じて回収磁性体タンク13に留保される。回収磁性体タンク13に溜められた回収磁性体は、必要に応じて回収磁性体ポンプ29により凝集部6に注入され再利用される。
【0025】
回収された回収磁性体は、前記凝集部7で緩速攪拌によって形成されるフロックと比較して磁性粉を含む割合が多く、分解時に加熱されてないので、磁気特性が劣化してない。したがって、回収磁性体は、磁気分離の性能を向上させるために再使用することができ、新たな磁性粉使用量を低減することができる。さらに、回収磁性体は、依然として凝集剤が付着しているが、磁性フロックの分解時に熱が加えられてないので、表面電位はプラスのままである。したがって、回収磁性体は新たな凝集剤と同様に、浮遊物質やエマルジョン化した油の表面(マイナス電位)を中和させる凝集機能が維持された状態にあり、新たな凝集剤の使用量も低減することが可能となる。
【0026】
本実施例では、回収磁性体返送ライン12を通じて返送された回収磁性体を、回収磁性体タンク13内に攪拌しながら溜めており、制御部14によって溜められた回収磁性体の物理量を測定し、この測定結果に基いて回収磁性体、新たな凝集剤、新たな磁性粉などの凝集部への供給量を制御している。
【0027】
回収磁性体タンク13内の回収磁性体の物理量とは、流量、濁度、ゼータ電位(表面電位)、磁化量の少なくとも一つであり、これらの物理量を制御部14内の測定器14aで測定し、予め設定しているテーブル14bのデータと比較して、凝集剤ポンプ23、磁性粉ポンプ24、高分子凝集剤ポンプ25、回収磁性体ポンプ29の吐出量を決定し、制御信号15によって各ポンプを制御する。本制御系により、新たな凝集剤と回収磁性体を調整することで、表面電位が過剰にプラス側になることを防止できるため、凝集性能を向上させ、凝集剤の使用量を低減することができる。
【0028】
ここで、物理量のゼータ電位は回収磁性体に付着している凝集体の凝集性能を示しており、プラス側に高いとき凝集性能が高いので新たな凝集剤の添加量が少なくてよい。また、磁化量は回収磁性体の磁気特性を示しており、磁化量が大きいとき新たな磁性粉が少なくて済む。なお、高分子凝集剤ポンプ25の吐出量はあまり変化させなくてもよいと考えられるので、本制御系から除いても差し支えない場合が多い。
【0029】
本実施例では、磁性体回収部として、磁気ドラム方式の装置例を示したが、他の装置、例えば高速噴流、攪拌、超音波、マイクロバブル等を利用したせん断力付加手段や、それらを組み合わせた熱を加えない方式を用いた場合でも、同様の効果が得られる。
【0030】
(実施例2)
図2は本発明の実施例2の構成の概略図である。図1に示した実施例1との違いは、磁性粉ポンプ24の吐出量制御を回収磁性体タンク17内の磁性体の物理量ではなく、処理水10のライン中に設けた濁度計または浮遊物質濃度計20の信号21により実施しているところにある。
【0031】
磁性粉の添加量は、凝集性能よりむしろ磁気分離性能に大きく影響を与えるため、磁気分離直後の処理水質の情報により決定すればよい。この場合、前記濁度計または浮遊物質濃度計20の値が所定の閾値を超えて(濁りが多い)磁気力による分離性能劣化が確認された時に、磁性粉注入ポンプ24の吐出量を増加させて磁気分離性能を向上させれば良い。その後、水質が再び向上した後、所定の時間を経て磁性粉注入ポンプ24の吐出量を絞ることにより、磁性粉の使用量を最適に保つことができる。
【0032】
なお、制御部14は、回収磁性粉タンク9の濁度、ゼータ電位等を測定し、磁化量を測定から外し、凝集剤ポンプ23、回収磁性粉ポンプ29の吐出量を決定し、制御信号19によって両ポンプを制御する。
【0033】
(実施例3)
図3は本発明の実施例3の構成の概略図である。図2で示した実施例2と異なる点は、回収磁性体に基づく物理量として、回収磁性体タンク13内の磁性体ではなく、凝集部6内の濁度、粒子径やゼータ電位のうちの一つ、あるいは複数を制御部22で測定している。制御部22は実施例1の制御部14と同一構成であり、測定した物理量と内部のテーブルのデータと比較し、比較結果に基いて信号19により凝集剤注入ポンプ23と回収磁性体注入ポンプ29の吐出量を制御している。
【0034】
原水タンク1からの排水は時間と共に被除去物の状態が変化し、これに対して適切な量の凝集剤と磁性粉の添加が必要である。本実施例によれば、排水に回収磁性体と凝集剤が注入された後の凝集部6内の排水の物理量を測定し、その測定結果に基いて凝集剤注入ポンプ23と回収磁性体注入ポンプ29の吐出量を制御しているので、より実際の凝集状況に即した制御が可能となる。もちろん、図1に示したように回収磁性体タンク9内の物理量も測定してそれらの情報を連携させて制御すれば、より高精度な制御が可能となる。
【0035】
(実施例4)
図4は本発明の実施例4の構成の概略図である。図3で示した実施例3と異なる点は、第1凝集部6を上流側の上流側凝集部6aと下流側の下流側凝集部6bの2つに分け、回収磁性体の返送ライン12による戻り位置(注入位置)を上流側凝集部6a、新たな凝集剤の添加位置を下流側凝集部6bにしている。回収磁性体に基づく物理量として、上流側凝集部6a内の濁度、粒子径やゼータ電位のうちの一つ、あるいは複数を制御部22で測定している。制御部22は実施例3の制御部と同一構成である。
【0036】
本実施例では、まず回収磁性体に付着している凝集剤の凝集効果を上流側凝集部6a内で発揮させてから、それでも足りない分の新たな無機凝集剤を下流側凝集部6bに添加すればよいので、より実際の凝集状況に即した制御が可能となり、新たな凝集剤の添加量を可能な限り低減させることができる。
【0037】
図4では上流側凝集部6aにおける物理量を測定する例を示しているが、下流側凝集部6bや、回収磁性体タンク13のいずれかの物理量を測定して制御する場合でも効果は同様であり、さらに複数の物理量情報を連携させて制御すれば、より高精度な制御が可能となる。
【0038】
図5は上記の各実施例の制御動作のフロー図である。凝集部6内のゼータ電位を測定して新たな凝集剤添加量を制御する場合を説明する。凝集部6内のゼータ電位測定値がζoとすると、ζH(ゼータ電位許容上限界)<ζの時は凝集剤の注入ポンプ23を制御して凝集剤の添加流量を少なくし、ζ<ζ(ゼータ電位許容下限界)の時は凝集剤の注入ポンプ23を制御して制御して凝集剤の添加量を増加させる。これにより、凝集部のゼータ電位をある一定範囲、例えば0〜+20mVに制御することにより、凝集部6内の凝集性能を均一に保つことが可能である。
【0039】
一方、回収磁性体のゼータ電位ζRMを測定することにより、より精密に制御することが可能となる。原水のゼータ電位ζI、磁性粉のゼータ電位ζM、凝集剤のゼータ電位ζとをあらかじめ計っておくと、凝集部6のゼータ電位ζを、ζ=aζ+bζ+cWc・ζ+dζRMで近似できるとすれば、ζ=A+cWc・ζ+dζRMとなる(ここで、Wcは凝集剤注入量)。よって、
【0040】
【数1】

【0041】
となり、ζRM(回収磁性対のゼータ電位)とWc(凝集剤注入量)とは、最適なζoに対して一次関数の関係があると近似することができる。したがって、あらかじめ最適な凝集条件を与える上記の一次関数の実験式をジャーテスト等により求めておけば、この式に基づいた凝集剤注入量に制御すればよいことがわかる。
【0042】
さらに精度を上げるためには、回収磁性体の流量を測定して制御に組み入れることが考えられる。回収磁性体を含む水の流量とその濃度の測定値から、回収磁性体自体の流量WRMを得ることができる。凝集部のゼータ電位ζは、ζ=aζ+bζ+cWc・ζ+d’WRMζRMと近似できるとすれば、上記同様、
【0043】
【数2】

【0044】
である。すなわち、測定した回収磁性粉流量WRMと回収磁性粉ゼータ電位ζRMにより制御すべき凝集剤注入量Wcを得ることが可能である。
【符号の説明】
【0045】
1…原水タンク、2…原水ポンプ、3…凝集剤タンク、4…磁性粉タンク、5…高分子凝集剤タンク、6…凝集部、第1凝集部、急速攪拌槽、7…凝集部、第2凝集部、緩速攪拌槽、8…磁気分離部、8a…磁気ドラム、8b…スクレーパ、9…磁性体回収部、9a…せん断付加手段、9b…回収手段、10…処理水、11…汚泥、12…回収磁性粉返送ライン、13…回収磁性体タンク、14…制御部、14a…測定器、14b…テーブル、23…凝集剤注入ポンプ、24…磁性粉注入ポンプ、25…高分子凝集剤ポンプ、29…回収磁性体ポンプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象の排水に凝集剤及び磁性粉を添加することにより磁性フロックを生成する凝集部と、生成された磁性フロックを磁気力により分離する磁気分離部とを有して、磁性フロックを分離することにより被除去物を排水から除く凝集磁気分離装置において、
前記分離された磁性フロックをせん断力により分解して磁性体を回収する磁性体回収部と、
回収された磁性体を前記凝集部に返送する回収磁性体返送ラインと、
返送された回収磁性体に基づく物理量によって、凝集剤の添加量を制御する制御部を設けたことを特徴とする凝集磁気分離装置。
【請求項2】
請求項1に記載の凝集磁気分離装置において、
前記磁性体回収部は磁性フロックにせん断力を加えるせん断付加手段と、分解された磁性フロックから磁性体を回収する回収手段からなることを特徴とする凝集磁気分離装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の凝集磁気分離装置において、
前記物理量は、返送された回収磁性体の流量、濁度、ゼータ電位の中の少なくとも一つであり、前記制御部はその物理量を基に凝集剤の添加量および前記回収磁性体の注入量を制御することを特徴とする凝集磁気分離装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の凝集磁気分離装置において、
前記物理量は、回収磁性体が返送された前記凝集部内の濁度、粒子の代表粒径、ゼータ電位の中の少なくとも一つであり、前記制御部はその物理量を基に凝集剤の添加量および前記回収磁性体の注入量を制御することを特徴とする凝集磁気分離装置。
【請求項5】
請求項4に記載の凝集磁気分離装置において、
前記添加量が制御された凝集剤は、前記凝集部の前記回収磁性体の注入位置より下流側で添加されることを特徴とする凝集磁気分離装置。
【請求項6】
請求項1〜4の何れかに記載の凝集磁気分離装置において、
前記凝集部が前段の第1凝集部と後段の第2凝集部とからなり、前記凝集剤の添加位置と前記回収磁性体返送ラインの戻り位置は前記第1凝集部であり、前記磁性粉の添加位置は前記第2の凝集部であることを特徴とする凝集磁気分離装置。
【請求項7】
請求項6に記載の凝集磁気分離装置において、
前記第1凝集部は上流側凝集部と下流凝集部とからなり、前記回収磁性体返送ラインの戻り位置は前記上流側凝集部であり、前記凝集剤の添加位置は前記下流側凝集部であることを特徴とする凝集磁気分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−40536(P2012−40536A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186423(P2010−186423)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【出願人】(504117958)独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (101)
【Fターム(参考)】