説明

処理されたアルミナ水和物材料及びその使用

ある特別な実施態様において、ある粒状材料はアルミナ水和物を含む。該粒状材料は、少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比を持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般的には、処理されたアルミナ水和物粒状材料及びそのような粒状材料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
無機粒状材料は、よくポリマー材料と混合されて複合材料とされる。例えば、そのような無機粒状材料は、熱硬化性ポリマーと混合され、熱的に安定な、高強度のポリマー複合材料とされ得る。もう1つの例において、そのような無機粒状材料は硬化性の弾性(elastomeric)樹脂と混合され、強化弾性複合材料とされ得る。
【0003】
それ自体として、無機粒状材料は、充填剤として使用され、そして、強化材、着色剤、又は放射線吸収剤として機能し得る。例えば、ジルコニア及びチタニアは、よく白色化剤及び紫外線吸収剤として使用される。もう1つの例において、カーボンブラックは、典型的には、紫外線に耐える暗色複合材を作るのに使用される。特別な例において、無機粒状材料は、タイヤを製造するためのエラストマー複合材料に使用される。カーボンブラックの外、沈降シリカ(precipitated silica)は、低い転がり抵抗性(rolling resistance)を提供するため、例えばガソリン消費量、及び濡れ表面の静止摩擦(wet surface traction)を減らすため、しばしば使用される。
【0004】
燃料消費量を減らすため、低い転がり抵抗性を持つタイヤを得ようとする試みがタイヤ生産者によってなされてきた。更に、生産者は、共役ジエンコーポリマーと芳香族ビニル化合物との熱的−機械的作用により得られ、そして特殊な分散性の高い沈降シリカで強化された、硫黄―加硫ジエンゴム組成物を典型的に志向してきた。分散性の高い沈降シリカは、互いに凝結した球状の1次粒子からなる。これらの1次粒子は、典型的には、一般に1程度の低いアスペクト比を持つ。
【0005】
いわゆる「グリーンタイヤ(green tire)」は、ヨーロッパ及びより近年は北アメリカの乗用車市場で顕著な商業的成功を得た。しかし、トラック用のグリーンタイヤの開発は、主としてカーボンブラックで強化された常用のトラックタイヤよりも耐摩耗性(wear resistance)が低いため、より困難であった。
【0006】
アルミナ性材料については、ナノ―ベーマイト粒子は、ベーマイト材料と極性の強いポリマーマトリックスとの間の高い表面適合性(compatibility)により、ナイロンポリマーマトリックス中に容易に分散され得る。しかし、ナノ―ベーマイト粒子は、タイヤ配合用のジエンゴム組成物のような無極性マトリックス中への分散が困難である。一般に、アスペクト比がより高いナノ―ベーマイト粒子はゴム中への分散がより困難である。
【0007】
無極性ポリマー中へのアスペクト比の高い無機ナノ―粒子の分散を改良する多くの解決策が提案されてきた。例えば、ポリマーとより適合するように粒子の表面化学性を改質する有機表面処理剤が提案されてきた。そのような手法は、例えば、有機表面処理剤として第四アンモニウム化合物を用いてナイロン又はポリプロピレン中にナノ―クレー(clay)を分散するのに使用された。しかし、該有機剤によっても、殊に該充填材の充填量が高い(10容量%より多い)場合、そのような無機粒子の望ましい分散の達成はしばしば困難である。更に、タイヤ配合の場合、有機表面処理は望ましくないことがある。例えば、強化用充填材の表面は配合工程(compounding process)の間に多硫化(polysulfurized)シランカップリング剤と反応するのが望ましい、かくして、有機表面処理剤によって不動体化される(be passivated)ことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それ自体として、分散性充填材及びそれから形成された複合材料が望まれるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
特別の実施態様において、粒状材料はアルミナ水和物を含む。該粒状材料は、少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比(Compaction Volume Ratio)を持つ。
【0010】
もう1つの実施態様において、粒状材料は金属酸化物被覆アルミナ水和物を含む。該粒状材料は、少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比を持つ。
【0011】
もう1つの模範的な実施態様において、粒状材料はアルミナ水和物を含む。該粒状材料は、少なくとも約3.0の累積細孔容積比(Cumulative Pore Volume Ratio)を持つ。
【0012】
更なる模範的な実施態様において、粒状材料はアルミナ水和物を含む。該粒状材料は少なくとも約3.0cc/ccの水銀累積細孔容積指数(Hg Cumulative Pore Volume Index)を持つ。
【0013】
もう1つの模範的な実施態様において、粒状材料は種結晶から形成された(seeded)アルミナ水和物を含む。該粒状材料は約5より大きくない等電点を持つ。
【0014】
更なる模範的な実施態様において、粒状材料を作る方法は、酸化された金属アニオンを含む無機塩をアルミナ水和物懸濁液に添加することを含む。該方法は更に、酸性化剤を該アルミナ水和物懸濁液に添加し、それにより金属酸化物の層が該アルミナ水和物懸濁液のアルミナ水和物粒子上に沈殿し粒状材料となることを含む。
【0015】
もう1つの模範的な実施態様において、粒状材料を作る方法は、無機シリケート塩をアルミナ水和物懸濁液に添加することを含む。該方法は更に、酸性化剤を該アルミナ水和物懸濁液に添加し反応させて、該アルミナ水和物懸濁液中のアルミナ水和物粒子上にシリカの層を沈殿させ粒状材料とすることを含む。
【0016】
もう1つの模範的な実施態様において、粒状材料は転移アルミナを含む。該粒状材料は、少なくとも約3.0cc/ccの水銀累積細孔容積指数を持つ。
【0017】
もう1つの模範的な実施態様において、粒状材料は転移アルミナを含む。該粒状材料は、少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比を持つ。
【0018】
更なる模範的な実施態様において、粒状材料はアルファアルミナを含む。該粒状材料は、少なくとも約3.0cc/ccの水銀累積細孔容積指数を持つ。
【0019】
もう1つの模範的な実施態様において、粒状材料はアルファアルミナを含む。 該粒状材料は少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比を持つ。
【0020】
もう1つの模範的な実施態様において、触媒は粒状材料と該粒状材料の表面上の触媒剤を含む。該粒状材料は少なくとも約4cc/ccの500psi圧縮容積比を持つ。
【0021】
更なる模範的な実施態様において、インクジェット紙は紙支持体と該紙支持体の少なくとも一方の側の上に配置された被覆を含む。該被覆は、少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比を持つ粒状材料を含む。
【0022】
もう1つの模範的な実施態様において、複合材料はポリマーマトリックスと該ポリマーマトリックス中に分散された粒状材料を含む。該粒状材料は少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比を持つ。
【0023】
もう1つの模範的な実施態様において、複合材料はポリマーマトリックスと凝結体を含む。該凝結体は、少なくとも約3.0の幾何学的アスペクト比を持つ粒子を含む。更に、該凝結体は少なくとも約94%の分散性指数(Dispersibility Index)を持つ。
【0024】
もう1つの模範的な実施態様において、粒状材料は凝結体を含む。該凝結体は、少なくとも約3.0の幾何学的アスペクト比を持つ粒子を含む。更に、該凝結体は少なくとも約94%の分散性指数を持つ。
【0025】
更なる模範的な実施態様において、粒状材料は金属酸化物被覆アルミナ水和物を含む。該粒状材料は、少なくとも約90%の分散性指数を持つ。
【0026】
もう1つの模範的な実施態様において、物品を作る方法は、粒状材料をポリマー樹脂と混合することを含む。該粒状材料はアルミナ水和物を含む。更に、該粒状材料は少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比を持つ。
【0027】
更なる模範的な実施態様において、複合材料はシリコーンマトリックスと該シリコーンマトリックス中に分散された粒状材料を含む。該粒状材料はアルミナ水和物を含む。更に、該粒状材料は、少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比を持つ。
【発明を実施するための形態】
【0028】
特別な実施態様において、粒状材料はシリカ被覆アルミナ水和物のような処理されたアルミナ水和物を含む。例として、該粒状材料は少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比(固体が500psiに圧縮されたときの、固体の容積に対する空気の容積の比)、を持ち得、それは比較的高い多孔度と比較的高い圧縮強度を示す。更に、該粒状材料は少なくとも約3.0cc/ccの水銀累積細孔容積指数(10〜1000nmの範囲の孔径に該粒状材料の比密度(specific density)を掛けた多孔度)を持ち得る。特別な実施態様において、該粒状材料はシリカ被覆アルミナ水和物を含み、該アルミナ水和物はベーマイトを含み、そして該シリカ被覆は約10〜約50重量%の該粒状材料を含む。
【0029】
模範的な実施態様において、処理されたアルミナ水和物材料を製造する方法は、無機塩溶液(珪酸ナトリウム塩、タングステン酸ナトリウム塩のような)と酸性化剤とをアルミナ水和物粒子の存在下で反応させ、それにより該アルミナ水和物粒子上に金属酸化物の層を沈殿させて金属酸化物被覆アルミナ水和物材料とすることを含む。更に、該方法は、該金属酸化物被覆アルミナ水和物材料を洗浄して過剰な塩を除去し、そして該金属酸化物被覆アルミナ水和物を乾燥して乾燥した粒状材料を得ることを含む。該金属酸化物被覆アルミナ水和物の被覆を形成する金属酸化物は、約6.0より大きくない等電点を持ち得る。もう1つの実施態様において、該金属酸化物被覆に先立ち該粒子の凝結をよりよく制御するため、クエン酸のような添加物が、該アルミナ水和物粒子の等電点を下げるために該無機塩溶液の添加前にアルミナ水和物粒子の溶液中に添加される。
【0030】
更なる模範的な実施態様において、複合材料はポリマーマトリックスと、該ポリマーマトリックス中に分散した金属酸化物被覆アルミナ水和物材料を含む。該金属酸化物被覆アルミナ水和物材料は、少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比、又は少なくとも約3.0cc/ccの水銀累積細孔容積指数を持ち得、それは比較的高い多孔度と比較的高い圧縮強度を示す。
【0031】
更なる模範的な実施態様において、物品を作る方法は、粒状材料とポリマー樹脂とを混合することを含む。該粒状材料は金属酸化物被覆アルミナ水和物を含む。更に、該方法は、カップリング剤をポリマーと混合することを含み得る。別法として、該方法は、該粒状材料をカップリング剤で前処理することを含み得る。更に、該方法は、該ポリマー樹脂を成形しそして該ポリマー樹脂を硬化することを含み得る。
【0032】
アルミナ水和物粒状物
一般に、該アルミナ水和物粒状物は、不純物を除いて、次の式に従う水和アルミナを含む:
Al(OH)aOb、式中 0≦a≦3、b=(3−a)/2
特別な実施態様において、1≦a≦2. 例として、a=0のとき、該式はアルミナ(Al2O3)に相当する。一般に、該アルミナ水和物粒状材料は、約1〜約38重量%、例えば約15〜約38重量%、の水分含有量を持つ。
【0033】
特に、該アルミナ水和物粒状物は、ATH(3水酸化アルミニウム)のような水酸化アルミニウムを、ギブサイト(gibbsite)、バイヤライト(bayerite)、又はボーキサイト(bauxite)として広く知られている鉱物の型で含み得、又はベーマイト(boehmite)と呼ばれる1水酸化アルミニウムを含み得る。そのような鉱物型水酸化アルミニウムは、該粒状物とするのに有用なアルミナ水和物粒状材料となり得、又は, 以下により詳しく記載する例えば種結晶水熱処理(seeded hydrothermal treatment)、のような更なる加工のためのアルミナ性前駆体として使用され得る。
【0034】
該アルミナ水和物粒子の形態に関しては、針形、楕円体形、及び小板形(platelet-shaped)粒子のような様々な形態が利用可能である。例えば、針形の形態を持つ粒子は、最長寸法と直角な2番目に長い寸法に対する最長寸法の比と定義される1次アスペクト比、及び最長の及び2番目に長い寸法に直角な3番目に長い寸法に対する2番目に長い寸法の比と定義される2次アスペクト比に関して特徴付けられ得る。針形粒子の1次アスペクト比は、一般に2:1より大きく、好ましくは3:1より大きく、より好ましくは6:1又はそれより大きい。2次アスペクト比は、一般に、最長の寸法に直角な平面中の粒子の横断面の形状寸法(geometry)を言う。針形粒子の2次アスペクト比は、一般に約3:1より大きくなく、典型的には約2:1より大きくなく、又は約1.5:1より大きくなく、しばしば約1:1である。
【0035】
もう1つの実施態様によれば、該アルミナ水和物は、一般に、伸びた構造(elongated structure)の板又は小板形粒子であり得る。しかし、小板形粒子は一般に背中合わせの主表面(opposite major surfaces)を持ち、該背中合わせの主表面は一般に平坦(planar)であり且つ一般に互いに平行である。 更に、該小板形粒子は、該針形粒子よりも大きな、一般に少なくとも約3:1、例えば少なくとも約6:1、又は少なくとも約10:1の2次アスペクト比を持つと特徴付けられ得る。典型的には、該背中合わせの主表面又は面に直角な最短寸法又は端寸法(edge dimension)は、一般に50ナノメーターより短い、例えば約40ナノメーターより短い、又は約30ナノメーターより短い。
【0036】
もう1つの実施態様によれば、小板形粒子のクラスターは、一般に、該針形粒子について上記した1次アスペクト比を持つ伸びた楕円体構造をつくることが出来る。更に、該楕円体形クラスターは、約2:1より大きくない、約1.5:1より大きくない、又は約1:1の2次アスペクト比を持つと特徴付けられ得る。
【0037】
ある実施態様によれば、該アルミナ水和物は、一般に少なくとも約3.0、特には少なくとも約4.5、例えば少なくとも約6.0の、より短い2つの直交する寸法の積の平方根に対する最長寸法の比として定義される幾何学的アスペクト比を持つ。一般に、針形の粒子は、同等の径(size)の小板形粒子及び楕円体形粒子より高い幾何学的アスペクト比を持つ。典型的には、該幾何学的アスペクト比は未処理(untreated)アルミナ水和物粒子の分散液に関係する。
【0038】
該アルミナ水和物粒状材料の形態は、更に、粒子径、より特別には平均粒子径に関して定義付けられ得る。ここで用いられる「平均粒子径」は、該アルミナ水和物粒子の平均の最長又は長さ寸法(longest or length dimension)を示すのに用いられる。一般に、該平均粒子径は、約1000ナノメーターより大きくなく、例えば約30〜約1000ナノメーターである。例えば、該平均粒子径は、約800ナノメーターより大きくなく、約500ナノメーターより大きくなく、又は約300ナノメーターより大きくない値であり得る。細かい粒状材料の場合、実施態様は250ナノメーターより大きくない、例えば225ナノメーターより大きくない平均粒子径を持つ。ある実施態様のプロセス上の制限によっては、最小の平均粒子径は一般に少なくとも約30ナノメーター、例えば少なくとも約50ナノメーター、又は少なくとも約100ナノメーターである。特に、該平均粒子径は、約30〜約1000ナノメーター、例えば約50〜約250ナノメーター、又は約100〜約200ナノメーターであり得る。
【0039】
該粒子の伸びた形態によっては、常用の特性決定技術は一般に平均粒子径を測定するには適当でない、何故なら、特性決定技術は、一般に該粒子が球体又はそれに近いという仮定に基づいているからである。従って、平均粒子径は、多数の代表試料を採り、代表試料中に見られる粒子径を物理的に測定することにより決定される。そのような試料は様々な特性決定技術、例えば走査電子顕微鏡(SEM)によるもの、により採られ得る。平均粒子径という用語はまた、分散、凝結(aggregated)、又は凝集(agglomerated)の何れの形においても個々に識別し得る粒子に関する、1次(primary)粒子径を示す。凝結体という用語は互いに強く結合している1次粒子の集合体を示し、凝集体という用語は互いに弱く結合している凝結体の集合体を示す。一般に、該1次粒子の径は、それらが互いに凝結する前に測定するのが、より容易である。典型的には、凝結体及び凝集体は比較的大きな平均粒子径を持つ。例えば、凝結体は約250nm〜約2000nm、例えば約300nm〜約1000nm、又は約300nm〜約600nmの平均径を持ち得る。もう1つの例において、凝集体は約2000nmより大きな、例えば約10ミクロンより大きな、又は100ミクロンのように大きな径を持ち得る。
【0040】
特別な実施態様において、一般式:
Al(OH)aOb、式中 0≦a≦3、b=(3−a)/2
において、aがほぼ1のとき、該アルミナ水和物材料はベーマイトに対応する。より一般的に、「ベーマイト」という用語は、ここにおいて、典型的にAl2O3・H2Oであって水分含有量が15重量%程度である鉱物ベーマイト、及び、水分含有量が15%より多い、例えば20〜38重量%である、擬似ベーマイト、を含むアルミナ水和物を示すのに用いられる。そのものとして、「ベーマイト」という用語は、15〜38重量%、例えば15〜30重量%の水分含有量を持つアルミナ水和物を示すのに用いられるであろう。ベーマイト(擬似ベーマイトを含む)は、特別な同定可能な結晶構造、従って独特のX線回折パターン、を持ち、それにより他の水和アルミナ類を含む他のアルミナ性材料から区別されることが注目される。
【0041】
ベーマイトは、望ましい形態と粒子特性を得るため、種結晶加工経路( a seeded processing pathway)により アルミナ性前駆体のようなアルミナ性鉱物を加工することにより得られ得る。
種結晶プロセスを経て形成されたアルミナ水和物粒子は、下記のような処理されたアルミナ水和物凝集体とするのに特に適する。そのような種結晶加工は有利に望ましい粒子形態を提供出来、そのようなプロセスにより形成された粒子は、現場で(in situ)それらが形成された溶液のような溶液からそれらを除去すること無しに更に処理され得る。
【0042】
種結晶から形成されたアルミナ性粒状材料が製造されるプロセスの詳細については、典型的には、ギブサイト及びバイヤライトのようなボーキサイト鉱物を含むアルミナ性材料前駆体が共有特許(commonly owned patent)である米国特許第4,797,139に一般的に記載されている水熱処理にかけられる。より詳しくは、該粒状材料は、該前駆体と種結晶(ベーマイト種結晶のような、望ましい結晶相と組成を持った)を一緒に懸濁液とし、該懸濁液(別法ではゾル又はスラリー)を熱処理に曝して該原料を種結晶(ベーマイトの場合)の組成物に転換させることにより形成され得る。該種結晶は、該前駆体の結晶転換及び成長のための鋳型(template)を供給する。加熱は、一般に自発性(autogenous)環境中で、即ちオートクレーブ中で、行われ、加工中に高い圧力が発生する。該懸濁液のpHは、一般に7より小さいか又は8より大きい値から選ばれ、そして、該ベーマイト種結晶材料は、約0.5ミクロンより小さい、好ましくは100nmより小さい、より好ましくは10nmより小さい粒子径を持つ。該種結晶が凝集している場合は、該種結晶粒子径は種結晶の1次粒子径を意味する。一般に、該種結晶は、ベーマイト前駆体の約1重量%より多く、典型的には少なくとも約2重量%、例えば2〜40重量%、より典型的には5〜15重量%(Al2O3として計算して)の量で存在する。前駆体材料は、典型的には、60〜98%、好ましくは85〜95%のパーセント固体含有量(percent solid content)で充填される。別法として、該固体材料の全充填量(total loading)は約10〜約50%、例えば約10〜約30%である。
【0043】
加熱は、約100℃より高い、例えば約120℃より高い、又は約130℃より高い温度で行われる。ある実施態様において、該加工温度は150℃より高い。通常、該加工温度は約300℃より低く、例えば約250℃より低い。加工は一般にオートクレーブ中で、約1×105〜約8.5×106ニュートン/m2の範囲のような高圧下で行われる。1例において、該圧力は自発的に発生し、典型的には2×105ニュートン/m2程度である。
【0044】
ボーキサイトのような比較的不純な前駆体材料の場合、該材料は例えば脱イオン水によるリンスのようにして洗浄し、シリコン及び水酸化チタン及びボーキサイト原石の採掘加工過程から残留する他の残渣不純物を洗浄除去する。
【0045】
該粒状アルミナ性材料は、比較的種結晶含有量が少なく且つpHが酸性である拡張された(extended)水熱条件により2次加工され得、ベーマイトの1つの又は2つの軸に沿った優先的な成長がもたらされる。長時間の水熱処理は、より長く且つアスペクト比の大きなベーマイト粒子、又は一般により大きな粒子を生産するのに使用され得る。所要時間は、典型的には約1〜24時間、好ましくは1〜3時間である。
【0046】
熱処理及び結晶転換に続いて、含有液体(liquid content)は一般に、望ましくは凍結乾燥、スプレー乾燥、又はその他の過剰な凝集を防ぐ技術のような、水除去におけるベーマイトの粒子の凝集を制限するプロセスにより、除去される。ある状況では、水を除去するため、限外ろ過加工又は熱処理が使用され得る。その後、得られた塊は、必要なら100メッシュまでのように粉砕され得る。ここにおいて記載される粒子径は、ある実施態様において残留し得る凝結体又は凝集体のそれというよりは、一般に加工により形成される単微結晶(single crystallites)のそれを記載するものであることが注意される。
【0047】
別法として、粒状アルミナ性材料はコロイド懸濁液を形成する懸濁液中に保持され得る。例えば、該粒状アルミナ性材料は現場での(in situ)ゾル中に保持され得る。もう1つの例において、該粒状アルミナ性材料がその中に懸濁している含有液体は、洗浄、液体―液体交換、又はその他の該粒状アルミナ性材料のコロイド懸濁液中への残留をもたらす技術により置き換えられ得る(may be replaced)。特に、そのような懸濁した粒状アルミナ性材料は更に処理されるときに有利である。
【0048】
望ましい形態をもたらすため、該粒状材料の加工の間に幾つかの変数が改変され得る。これらの変数は、特に、重量比、即ち種結晶に対する前駆体(即ち、供給原料である材料)の比、加工の間に使用される特別なタイプ又は種の酸又は塩基(及び関連したpH値)、及び系の温度(自発水熱環境における圧力に直接比例する)、を含む。
【0049】
特に、他の変数を一定にして重量比を改変したとき、該ベーマイト粒状材料を形成する粒子の形と大きさが変化する。例えば、加工が180℃で2時間、2重量%硝酸溶液中、90:10のATH:ベーマイト比(前駆体:種結晶比)、で行われると針形粒子(ATHがベーマイト前駆体の種である)が形成する。対照的に、ATH:ベーマイト種結晶比が80:20に引き下げられると、該粒子はより楕円体形になる。更に、該比が更に60:40に引き下げられると、該粒子は球体に近いものになる。従って、最も典型的には、ベーマイト種結晶に対するベーマイト前駆体の比は、約60:40より小さくなく、例えば約70:30又は約80:20より小さくない。しかし、望ましい微粒子形態を促進するに十分な種結晶含有量を保証するには、ベーマイト種結晶に対するベーマイト前駆体の重量比は、一般に98:2より大きくない。前記に基づいて、重量比の増加は一般にアスペクト比を増加し、一方、重量比の減少は一般にアスペクト比を減少する。
【0050】
更に、他の変数を一定にして酸又は塩基のタイプを変えると、該粒子の形(アスペクト比)と大きさが影響を受ける。例えば、加工が180℃で2時間、ATH:ベーマイト種結晶比90:10、2重量%硝酸溶液中、で行われると該合成された粒子は一般に針形である。対照的に、該酸が1重量%又はそれ以下の濃度の塩酸に置換されると、該合成された粒子は一般に球体に近いものとなる。2重量%又はそれ以上の塩酸が使用されると、該合成された粒子は一般に針形になる。1重量%の蟻酸の場合、該合成された粒子は小板形である。更に、例えば1重量%の水酸化カリウムのような塩基溶液の使用により、該合成された粒子は小板形である。例えば1重量%の水酸化カリウムと0.7重量%の硝酸、のような酸と塩基の混合物が使用されると、該合成された粒子の形態は小板形である。上記の酸と塩基の重量%の値は、夫々の固体懸濁液又はスラリーだけの固体含有量に基づくもので、該スラリーの全重量に基づくものではないことが注意される。
【0051】
適切な酸及び塩基は、硝酸のような鉱酸、蟻酸のような有機酸、塩酸のようなハロゲン酸、及び硝酸アルミニウム及び硫酸マグネシウムのような酸性塩を含む。有効な塩基は、例えばアンモニアを含むアミン、水酸化カリウムのようなアルカリ水酸化物、水酸化カルシウムのようなアルカリ性水酸化物、及び塩基性塩、を含む。
【0052】
更に、他の変数を一定にして温度を変化させたとき、典型的には変化は粒子径に現れる。例えば、加工がATH:ベーマイト種結晶比90:10、2重量%硝酸中、150℃で2時間行われたとき、XRD(X線回折特性決定)からの結晶径は115オングストロームであることが分かった。しかし、160℃では、該結晶径は143オングストロームであった。従って、温度が上がると平均粒子径もまた増加するので、平均粒子径と温度の間には直接の比例関係があることを示す。
【0053】
ここに記載された実施態様によれば、該粒状材料への望ましい形態を図るため、比較的強力(powerful)で且つ柔軟なプロセス方法論が採用され得る。特に重要なのは、実施態様が種結晶からの加工を利用し、それにより、望ましい微細な平均粒子径と制御された粒子径分布をもたらし得る高度のプロセス制御能を持つ、費用―効果のよい加工経路が得られることである。(i)重量比、酸及び塩基の種、及び温度のようなプロセス方法論中の重要な変数を同定し制御すること、及び(ii)種結晶に基づいた技術、の組み合わせが特に重要であり、望ましい粒状材料形態の繰り返し可能で且つ制御し得る加工を提供する。
【0054】
種結晶から得られたアルミナ性粒状材料については、特別な重要性は該種結晶からの加工経路に帰され、それは、種結晶からの粒状材料を形成するために、種結晶からの加工が該前駆体の厳格に制御された形態(それは、最終製品中に大部分維持される)を考慮に入れる(allow for)ばかりでなく、該種結晶からの加工経路が、常用の種結晶を経ない加工経路により形成された粒状材料を越えた、組成上、形態上、及び結晶としての特質を含む最終製品の望ましい物理的性質を証拠づける(manifest)と信じられるからである。
【0055】
更なる特性決定検討が、粒子形態への種結晶の効果をより正確に理解するために行われた。該種結晶からの粒子は団塊状の(nodular)構造を持ち、該粒子は「でこぼこ(bumpy)」又は「こぶだらけ(knotty)」であって一般に荒い外部表面組織(outer texture)を持つ。更なる特性決定が、TEM分析によって行われ、SEMでは一般に一体的な(monolithic)粒子に見える粒子が実際は小板状粒子の堅く且つ密集した集合体からなることが分かった。該粒子は制御された凝結体形態を持ち、該凝結体は常用の凝結体技術を越えたレベルの均一性を示す。該制御された凝結体構造が該団塊状の構造を形成し、そして先に議論した種結晶手法に特異的であることが理解される。
【0056】
種結晶を使用しない手法は、硝酸アルミニウム又は硫酸アルミニウムのようなアルミニウム塩の消費により原料を分解する手法を含んで、粒状材料を形成することが知られてきた。しかし、これらの金属塩分解手法は、種結晶からの形態を欠き、特に団塊状の構造の無い、形態的に別個の粒状物を形成する。典型的な種結晶を使用しない形態は平坦な又は髪のような外部表面組織を持つ。そのような種結晶を使用しない手法は、USP 3,108,888、USP 2,915,475及びJP 2003-054941に記載されたものを含む。
【0057】
処理されたアルミナ水和物粒状物

特別な実施態様において、該アルミナ水和物粒状物は、例えば該アルミナ水和物粒状物を無機被覆剤で被覆することにより、更に処理され得、一般に、被覆されたアルミナ水和物粒子の粒子凝集体が得られる。特に、該アルミナ水和物粒状物は、金属酸化物のようなセラミック酸化物で被覆され得る。例えば、該アルミナ水和物粒状物は、例えばシリカ、酸化錫、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化アンチモン、酸化ニオブ、酸化モリブデン、又はそれらの任意の組み合わせ、のような金属酸化物で被覆され得る。ある模範的な実施態様において、該金属酸化物は、約6.0より大きくない、例えば約5.0より大きくない、又は約3.0より大きくない等電点を持つ金属酸化物から選ばれ得る。更に、該金属酸化物は、例えばナトリウム又はカリウムの酸化された水溶性アニオンを形成する金属を含む塩基性前駆体を持ち得る。更に、該金属酸化物は、実質的に水不溶性であり得る。特別の例において、該被覆は、例えば種結晶から得られたアルミナ性材料を含むコロイドアルミナ性懸濁液を使用して形成され得る。ある模範的な実施態様において、該アルミナ水和物粒状物はシリカで被覆され得る。
【0058】
金属酸化物被覆アルミナ水和物材料を製造し得るプロセスについては、典型的には、該アルミナ水和物粒状物は懸濁液(別法としてはゾル又はスラリー)で供給される。特に、該アルミナ水和物粒状物は、例えば現場で形成された溶液の部分に懸濁しているような、懸濁液である種結晶からのアルミナ水和物粒状物である。該懸濁液は、脱イオン水で希釈され得、該懸濁液の全重量を基準として約1〜約10重量%のアルミナ水和物粒状物を持つ懸濁液となる。別の例において、該アルミナ水和物粒状物は乾燥状で供給され得、脱イオン水(di-H2O)に添加され、少なくとも約20g/l、例えば約30g/l、又は約40g/lのアルミナ水和物粒状物を持つ懸濁液となる。更に、該懸濁液は約50℃、例えば約50〜約99℃、又は約80℃〜約90℃、特に約80℃〜約85℃に加熱され得、そして低い速度で攪拌され得る。一般に、該得られた懸濁液は約6より大きくないpHを持つ。
【0059】
所望により、該アルミナ水和物粒子の表面は、例えば該アルミナ水和物粒子の等電点を下げるために、前処理され得る。ある模範的な実施態様において、弱酸のような表面改質剤が、該アルミナ水和物懸濁液に添加され得る。例えば、該表面改質剤はクエン酸又はDarvan C(アンモニウムポリメタクリレート、PMAA)を含み得る。特に、表面改質剤は、該アルミナ水和物粒子の等電点を9.0より小さい値まで下げることが出来る剤である。例えば、該表面改質剤は、該アルミナ水和物粒子の等電点を、約6.0より小さい値まで、例えば約5.0より大きくない値まで下げ得る。ある例において、該表面改質剤は、該アルミナ水和物粒子の1〜10重量%の量で該アルミナ水和物懸濁液に添加され得る。特に、該表面改質剤は少しずつ添加され得る。例えば、約55%の配分されたクエン酸が該アルミナ水和物懸濁液に添加され、該懸濁液は、該クエン酸が該アルミナ水和物懸濁液中によく分散されるように、例えば少なくとも15分間混合され得る。次いで、残りのクエン酸が該懸濁液に添加され得る。もう1つの例において、クエン酸は3〜5部分に分割され、1部分ずつ添加され、各々の部分が添加された後少なくとも約5分間攪拌する。各々の場合、該懸濁液は、該懸濁液の粘度に合わせた速度で攪拌され得る。例えば、該懸濁液は、粘度を下げそして該表面改質剤を分散するようにより大きな速度で攪拌され得る。
【0060】
更なる例において、該懸濁液のpHは、例えば水酸化ナトリウムのような塩基の添加により、無機塩の添加の前に上昇され得る。例えば、該pHは、少なくとも約5、例えば約5〜約7に調整され得る。
【0061】
シリカのような金属酸化物による被覆を容易にするため、ある量の酸化された金属アニオンを含む無機塩(例えば、無機珪酸塩)が、アルミナ水和物粒状物を被覆するため沈殿する金属酸化物の量が得られる処理されたアルミナ水和物材料の約10〜約50重量%、例えば約15〜約40重量%、例えば約20〜約30重量%であるように、該懸濁液に添加され得る。ある模範的な実施態様において、該無機珪酸塩は希釈された珪酸ナトリウム溶液であり得る。別法として、該無機珪酸塩は、例えば珪酸カリウムのようなI族金属珪酸塩を含み得る。ある例において、該無機珪酸塩は、該アルミナ水和物懸濁液のpHが約6.0〜約8.0、例えば約7.0〜約8.0に上昇するまでゆっくり添加され得る。もう1つの例において、該無機珪酸塩は、該pHが約8.0〜約10.0、例えば約8.5〜約9.5に上昇するまで添加され得る. 一旦該pHが所望の範囲に上昇すれば、残りの無機珪酸塩は、該所望のpHを維持するため、硫酸のような酸性化剤と共に添加され得る。該アルミナ水和物懸濁液は、少なくとも10分間、例えば少なくとも20分間、又は約30分間攪拌され得る。
【0062】
ある模範的な実施態様において、酸性化剤が、該アルミナ水和物溶液のpHを約3.0〜約8.0、例えば約4.0〜約7.0、又は約5.0〜約6.0まで下げるために添加される。該酸性化剤は、無機酸又は有機酸のような酸であり得る。ある例において、無機酸は、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸、又はそれらの任意の組み合わせ、を含む。もう1つの例において、該有機酸は蟻酸を含み得る。ある特別な例において、該酸性化剤は硫酸であり得る。該プロセスの結果として、該処理されたアルミナ水和物材料は、被覆されたアルミナ水和物粒子の小さい凝結体となる。
【0063】
更に、該処理されたアルミナ水和物材料は、所望により、塩を除去するため洗浄され得る。例えば、該懸濁液は、di-H2Oで希釈され、混合され、静置され得る。該上澄み液は除去され得、該プロセス(希釈、混合、上澄み液除去)は少なくとも約90%の見積もったイオンが除去されるに至るまで繰り返され得る。
もう1つの例において、該処理されたアルミナ水和物材料は、遠心分離により洗浄され得、又はイオン交換により処理され得る。
【0064】
ある模範的な実施態様において、該液体内容物は通常、好ましくは例えば凍結乾燥、スプレー乾燥、又は過剰凝集を避けるために採用されるその他の技術、のような、水の除去による該処理されたアルミナ水和物材料の更なる凝集を制限するプロセスにより除去される。ある環境において、水を除去するため、限外ろ過又は熱処理が使用され得る。その後、該得られた塊は、所望により、例えば100メッシュまで粉砕され得る。
【0065】
該処理されたアルミナ水和物材料は、望ましくはベーマイト型で使用されるが、該材料は、該処理された材料の該アルミナ水和物アルミナ水和物部分の結晶構造を変えるために熱処理され得る。ある模範的な実施態様において、該処理されたアルミナ水和物材料は、ある転移相(transitional phase)アルミナ又は複数転移相の組み合わせへの転移(transformation)を起こすのに十分な温度でのか焼(calcination)により熱処理され得る。典型的には、か焼又は熱処理は、約250℃より高く、しかし1100℃より低い温度で行われる。250℃より低い温度では、最低温度型の転移アルミナ、ガンマアルミナへの転移は、典型的には起こらない。ある実施態様によれば、か焼は400℃より高い、例えば約450℃より低くない温度で行われる。最高か焼温度は1100℃又は1050℃より低く、これらのより高い温度は、通常、実質的部分のシータ(theta)相アルミナ、最高温度型の転移アルミナをもたらす。
【0066】
1100℃より高い温度では、典型的には、前駆体はアルファ相に転移するであろう。未処理ベーマイト材料とは対照的に、金属酸化物被覆アルミナ水和物材料は、該か焼プロセスの間のアルミナ結晶成長を妨げ得る該金属酸化物非晶質(amorphous)被覆の結果として、そのナノ構造を失うことなく高温に加熱され得る。
【0067】
もう1つの実施態様において、該処理されたアルミナ水和物材料は、実質的な含有量のデルタアルミナを形成するために、950℃より低い、例えば750℃〜950℃の温度で焼成され得る。特別な実施態様によれば、か焼は、ガンマ相主体への転移をもたらすため、約800℃より低い、例えば約775℃又は約750℃より低い温度で行われる。
【0068】
ある実施態様によれば、該処理されたアルミナ水和物材料は大きな細孔容積を持つ。細孔容積は、水銀ポロシメトリー及びBET法を含む幾つかの方法で測定され得る。水銀ポロシメトリーはDIN 66 133に従って測定される。水銀ポロシメトリーの結果は、水銀累積細孔容積、約300nmより小さい細孔の全容積、を決定するのに用いられ得る。ある模範的な実施態様において、該処理されたアルミナ水和物材料の水銀累積細孔容積は、一般に少なくとも約1.50cc/g、特には少なくとも約1.65cc/g、例えば少なくとも約1.75cc/gである。
【0069】
更に、水銀ポロシメトリーの結果は、水銀累積細孔容積指数を決定するのに用いられ得る。該水銀累積細孔容積指数は、cc/gでの10nm〜1000nmの細孔の全容積に該粒状材料の比密度(例えば、HDシリカでは2.1g/cc、アルミナ水和物では2.9g/cc、シリカ25重量%の処理されたアルミナ水和物では2.7g/cc、そしてシリカ15重量%の処理されたアルミナ水和物では2.78g/cc)を掛けた値である。ある模範的な実施態様において、該処理されたアルミナ水和物材料の水銀累積細孔容積指数は、一般に少なくとも約3.0cc/cc、特には少なくとも約4.0cc/cc、例えば少なくとも約6.0cc/cc、又は少なくとも約6.5cc/ccである。
【0070】
BET細孔容積はISO 5794により決定され得る。BET細孔容積結果はBET累積細孔容積、約300nmより小さい細孔の全容積、を決定するのに用いられる。 該処理されたアルミナ水和物材料のBET累積細孔容積は、一般に少なくとも約0.3cc/gであり得る。
【0071】
更に、累積細孔容積比は、該水銀累積細孔容積と該BET累積細孔容積の比である。ある模範的な実施態様において、該処理されたアルミナ水和物材料の累積細孔容積比は、一般に少なくとも約3.0、特に少なくとも約4.0、例えば少なくとも約5.0である。
【0072】
更に、BET表面積はISO 5794により決定され得る。m2/gで測定されたBET表面積値に該粒状材料の比密度を掛けることによりm2/ccでの値を得る。例えば、該処理されたアルミナ水和物材料のBET表面積は、一般に少なくとも約150m2/cc、例えば少なくとも約300m2/ccであり得る。
【0073】
更に、圧縮前(pre-compression)弛み充填密度(loose packed density) (LPD)は、空洞(cavity)を圧縮無しに満たす凝結体のグラムでの量を該空洞の容積で割り、そして更に該材料の密度(例えば、HDシリカでは2.1g/cc、アルミナ水和物では2.9g/cc、シリカ25重量%の処理されたアルミナ水和物では2.7g/cc、そしてシリカ15重量%の処理されたアルミナ水和物では2.78g/cc)で割った値として定義され得る。例えば、該処理されたアルミナ水和物材料のLPDは、一般に約0.06cc/ccより大きくない、特に約0.05cc/ccより大きくない、例えば約0.04cc/ccより大きくない値であり得る。もう1つの実施態様において、該処理されたアルミナ水和物材料は、該粒状材料の輸送及び取扱いを容易にするため、前圧縮処理されて(pre-compacted)、少なくとも約0.10cc/cc、例えば少なくとも約0.13cc/ccの圧縮後(post compaction)LPD値を持つものとされる。
【0074】
ある実施態様によれば、該処理されたアルミナ水和物材料は該処理されたアルミナ水和物材料は高い圧縮抵抗性を持つ。ある模範的な試験では、該材料は空洞中に置かれそして圧縮される。該固体の容積(cc)は、該材料の重量(g)をはかり、そして該材料の密度(例えば、HDシリカでは2.1g/cc、アルミナ水和物では2.9g/cc、シリカ25重量%の処理されたアルミナ水和物では2.7g/cc、そしてシリカ15重量%の処理されたアルミナ水和物では2.78g/cc)で割ることにより決定される。空気の容積(cc)は、該空洞の容積(cc)と該固体の容積(cc)との差である。100psi圧縮容積比は、固体が100psiで圧縮されたときの該固体の容積に対する該空気の容積の比として定義される。ある模範的な実施態様において、該処理されたアルミナ水和物材料の100psi圧縮容積比は、一般に少なくとも約6.0cc/cc、特に少なくとも約8.0cc/cc、例えば少なくとも約10.0cc/ccであり得る。
【0075】
更に、500psi圧縮容積比は、固体が500psiで圧縮されたときの該固体の容積に対する該空気の容積の比として定義される。ある模範的な実施態様において、該処理されたアルミナ水和物材料の500psi圧縮容積比は、一般に少なくとも約4.0cc/cc、特に少なくとも約5.0cc/cc、例えば少なくとも約6.0cc/ccであり得る。
【0076】
等電点(IEP)は、pHの関数として該材料の電荷を測定することにより決定され得る。粒状物において、該IEPは、該材料の正味(net)電荷が約0であるときのpHである。ある例において、該処理されたアルミナ水和物材料のIEPは、約5.0より大きくない、例えば約2.0より大きくない、特には約1.5よりおおきくない値であり得る。
【0077】
該処理されたアルミナ水和物材料の特別な実施態様は、特別な用途での有利を提供する改良された性質を示す。例えば、該処理されたアルミナ水和物材料の特別な実施態様は、凝結体の強さを示す高い圧縮容積比、及び、粒子径が1ミクロンより小さい孔の数が多いことを示す高い累積細孔容積指数、を示す。そのような凝結体強さ及び多孔性は、例えば、ポリマーマトリックス中への改良された分散をもたらし得る。更に、該処理されたアルミナ水和物材料の実施態様の表面の性質は、被膜への改良された分散、改良された液体吸収、及び改良された受容性をもたらし得る。
【0078】
ポリマー中への分散
ある特別な実施態様において、該シリカ被覆アルミナ水和物材料はポリマーマトリックス中に分散され得る。ある特別な実施態様において、該ポリマーマトリックスは弾性ポリマーを含む。弾性ポリマーは、中程度に(moderately)形くずれさせる(deform)(引張る、捩る(twist)、つぐむ(spindle)、切り裂く(mutilate)、等)と、典型的には元の形に戻る(spring back)ポリマーである。1つの模範的なエラストマーは、軽度に架橋させた天然ゴムである。もう1つの模範的な弾性ポリマーは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ジエン、シリコーン、フッ素系エラストマー、及びそれらのコーポリマー、ブロックコーポリマー、又はブレンドを含む。模範的なシリコーンは液体シリコーンゴム(LSR)又は高コンシステンシーゴム(HCR)を含み得る。弾性材料として配合され得る具体的なポリマーは、アクリロニトリルブタジエン スチレン(ABS)、エチレン プロピレン ヂエン モノマー ゴム(EPDM)、フッ素系エラストマー、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ニトリル ブタジエン ゴム(NBR)、又はそれらの任意の組み合わせ、を含む。
【0079】
ある特別な実施態様において、該弾性ポリマーはジエンエラストマーを含む。 ジエンエラストマー又はゴムは、少なくとも1部分(即ち、ホモポリマー又はコーポリマー)がジエンモノマー(共役或いは非共役の、2つの2重炭素―炭素結合を持つモノマー)から得られたものであるエラストマーを意味する。
【0080】
模範的なジエンエラストマーは、次のものを含む:(a)4〜12個の炭素原子を持つ共役ジエンモノマーの重合により得られるホモポリマー;(b)互いに共役した1種又はより多くの種のジエンの、又は、(これらジエンと)8〜20個の炭素原子を持つ1種又はより多くの種のビニル芳香族化合物との、共重合により得られるコーポリマー;(c)エチレンと、3〜6個の炭素原子を持つアルファオレフィンと、6〜12個の炭素原子を持つ非共役ジエンモノマーとの3元コーポリマー、例えば、エチレンと、プロピレンと、例えば特に1,4-ヘキサジエン、エチリデン ノルボルネン又はジシクロペンタジエンのような前記したタイプの非共役ジエンモノマーとからのエラストマー;及び(d)イソブテンとイソプレンとのコーポリマー(ブチルゴム)、及びまたこのタイプのコーポリマーのハロゲン化、特には塩素化又は臭素化、バージョン。
【0081】
不飽和ジエンエラストマー、特に上記のタイプ(a)及び(b)のものは、タイヤトレッドでの使用に特に適する。模範的な共役ジエンは、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、例えば2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエンのような2,3-ジ(C1-C5アルキル)1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2,4-ヘキサジエン、又はそれらの任意の組み合わせ、を含む。模範的なビニル芳香族化合物は、例えばスチレン、オルト-、 メタ-、及びパラ-メチルスチレン、市販混合物“ビニルトルエン”、para-tartブチルスチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、又はそれらの任意の組み合わせ、を含む。
【0082】
他の例において、該組成物のジエンエラストマーは、ポリブタジエン(BR)、合成ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエン-スチレン コーポリマー(SBR)、ブタジエン-イソプレン コーポリマー(BIR)、ブタジエン-アクリロニトリル コーポリマー(NBR)、イソプレン-スチレン コーポリマー(SIR)、ブタジエン-スチレン-イソプレン コーポリマー(SBIR)、又はそれらの任意の組み合わせ、からなる、高度不飽和ジエンエラストマーの群から選ばれ得る。
【0083】
ある模範的な実施態様において、該処理されたアルミナ水和物材料と該ポリマーマトリックスは組み合わされ、そして、該処理されたアルミナ水和物材料を十分に分散するように混合される。例えば、該ポリマーマトリックスは少なくとも約2分間混合され得る。カップリング剤が該ポリマーマトリックスに添加され得る。別法として、該処理されたアルミナ水和物材料は、更に該カップリング剤で前処理され得る。
【0084】
典型的には、カップリング剤は、該エラストマーと反応し得る少なくとも1種のゴム反応性官能基を含み、そして充填剤と反応し得る少なくとも1種の充填剤反応性官能基を含む。一般に、該カップリング剤は、強化用充填剤と該エラストマーとの間の化学的及び物理的接続を確立し得る。更に、該カップリング剤は、該エラストマー中への該充填剤の分散を容易にし得る。ある特別な例において、該カップリング剤はシランを基材とした(silane-based)充填剤反応性官能基を含む。
【0085】
ある模範的な実施態様において、該ポリマーマトリックスは硬化され得る。該弾性ポリマーは、例えば加硫によるような架橋によって硬化され得る。ある模範的な実施態様において、該弾性ポリマーは、例えば元素硫黄、多硫化物、メルカプタンの少なくとも1種、又はそれらの任意の組み合わせ、のような硫黄を基材とした剤を用いて硬化し得る。他の実施態様において、該エラストマーは、例えば金属過酸化物、有機過酸化物、又はそれらの任意の組み合わせ、のような過酸化物を基材とした剤を用いて硬化し得る。他の実施態様において、該エラストマーは、白金触媒を用いて硬化し得る。更なる例において、該配合物は、アミンを基材とした剤を用いて硬化し得る。
【0086】
特に、ポリマーと該処理されたアルミナ水和物材料を含む複合材料は、ポリマーの重量を基準として約20〜約400%、例えば約30〜約200%の充填量で、該処理されたアルミナ水和物材料を含み得る。一般に、該処理されたアルミナ水和物材料を含む複合材料は、より低い全充填剤充填量において高度に分散し得るシリカを含む複合材と比べて改良された性質を提供し得る。
【0087】
該得られた複合材料の性質は、いかによく該粒状材料が該ポリマーマトリックス中に分散するかにより影響を受ける。例えば、ポリマー中の凝集体の分散は、ASTM 2663により測定され得る。分散性指数は、実施例4においてより詳細に記載される手順に従って典型的な乗用車用タイヤ配合物中の凝集体の分散として定義付けられ得る。ある実施態様において、該処理されたアルミナ水和物材料の分散性指数は、少なくとも約90%、特には少なくとも約94%、例えば少なくとも約95%であり得る。
【0088】
処理されたアルミナ水和物を含む複合材料の特別な実施態様はタイヤ中に有利に使用され得る。特に、該複合材料の実施態様は改良された機械的性質と耐磨耗性を提供する。複合材料のそのような耐磨耗性は、トラックタイヤのような非常に過酷な用途に特別に適する。耐摩耗性における改良は、有効寿命を改良し、又は転がり抵抗性を減らしつつ同じ有効寿命を維持するためトレッドの厚さを減らすために、乗用車用タイヤに有用であり得る。
【0089】
他の使用
ある特別な実施態様において、該処理されたアルミナ水和物材料はインクジェット紙塗膜中に分散され得る。該インクジェット紙塗膜はポリビニルアルコール、ポリマー、又はそれらの適切な組み合わせを含み得る。ある特別な実施態様において、該塗膜は紙基材の少なくとも1面に配置され得る。該インクジェット紙塗膜は高いインク吸収速度、即ち速い乾燥時間、及び該紙基材を膨潤させない像性能(image performance)を提供し得る。該処理されたアルミナ水和物を含む複合材料の特別な実施態様は高度に多孔性の構造中にインクを吸収し得る。特に、高い水銀累積細孔容積指数を示す処理されたアルミナ水和物粒子は、インクのブリードを有利に妨げ得る。
【0090】
他の実施態様において、この発明は、処理されたアルミナ水和物材料又はそのか焼誘導体(calcined derivatives)と該材料の表面上に配置された触媒剤とを含む触媒に向けられる。触媒剤の例は、白金、金、銀、パラジウム、又はそれらの任意の組み合わせ、のような金属を含む。他の例において、該触媒剤は、金属酸化物又は吸着イオン(adsorbed ion)を含み得る。ある特別な実施態様において、処理されたアルミナ水和物粒状物は、触媒粒子に機械的応力をかけるプロセスにおいて望ましい耐久性を示し得る。そのような耐久性は高い圧縮容積比に帰され得る。
【0091】
触媒材料は、未処理の又は処理されたアルミナ水和物、又はそれらのか焼誘導体を含む、異方性のアルミナ材料を有利に含み得る。特に、金属酸化物被覆アルミナ水和物及びその誘導体は、有利な多孔度と機械的性質を示す触媒支持材料となり得る。
【実施例】
【0092】
実施例
実施例1
市販のアルミナ水和物粒状物とシリカとから、比較試料がつくられる。これら比較試料は実施例3に示されるように、多孔度、表面積、及び圧縮強さについて試験され、処理されたアルミナ水和物試料と比較される。
【0093】
例えば、棒形で幾何学的アスペクト比が3程度であるアルミナ水和物(CAM 9010-1、Saint-Gobain Ceramics and Plastics Corporationから入手可能)の水溶液が凍結乾燥され、粉砕されて試料1とされる。
【0094】
他の例として、小板形の形状のアルミナ水和物(CAM 9080、Saint-Gobain Ceramics and Plastics Corporationから入手可能)の水溶液が凍結乾燥され、粉に粉砕されて試料2とされる。
【0095】
更なる例において、棒形で幾何学的アスペクト比が6〜10の範囲であるアルミナ水和物(CAM 9010-2、Saint-Gobain Ceramics and Plastics Corporationから入手可能)の水溶液が凍結乾燥され、粉砕されて試料3とされる。
【0096】
更なる例において、試料3からの、棒形で幾何学的アスペクト比が6〜10の範囲であるアルミナ水和物(CAM 9010-2、Saint-Gobain Ceramics and Plastics Corporationから入手可能)の水溶液がその粘度を下げるため水と混合される。該溶液は、イオン交換樹脂(Dowex Marathon A OH型)が添加され、pHが5程度になるまで攪拌される。該混合物をろ過して樹脂粒を除去する。得られる溶液は凍結乾燥され、粉砕されて試料4とされる。
【0097】
試料5は、市販の高分散性沈降シリカ(Tixosil 68, Rhodiaから入手可能)から誘導される。
【0098】
試料6は、市販の高分散性沈降シリカ(Tixosil 43, Rhodiaから入手可能)から誘導される。
【0099】
試料7は、市販の高分散性沈降シリカ(Ultrasil 7000、Degussaから入手可能)から誘導される。
【0100】
実施例2
更に、実施例1の試料と比較した試験のため、処理されたアルミナ水和物について試料が調製される。
【0101】
例えば、試料8は、イオン交換樹脂で処理(試料4と同様な手順)されたアルミナ水和物懸濁液(CAM 9010-2、棒形で幾何学的アスペクト比が6〜10の範囲であり、Saint-Gobain Ceramics and Plastics Corporationから入手可能)から調製される。該アルミナ水和物懸濁液は、2lのステンレス製反応容器中でdi-H2Oにより5重量%まで希釈される。該懸濁液は、好ましくは200rpm程度で攪拌され、85℃に加熱される。該溶液中のアルミナ水和物粒子の5.2重量%に当たる量のクエン酸が、該アルミナ水和物粒子の等電点を下げるために添加される。先ず、約55%のクエン酸が添加され、15分間攪拌され、次いで残りのクエン酸が添加される。攪拌速度は、クエン酸がよく分散されるように調整される。(使用前に、クエン酸は、水酸化ナトリウムで部分中和され、pHを約5に調整される)。
【0102】
沈殿したシリカが、凝集した固体の全重量の23〜28重量%、好ましくは約25重量%となるような量の珪酸ナトリウムが添加される。珪酸ナトリウムの希釈溶液(珪酸ナトリウム1容量とdi-H2O1容量)が、pHが9-9.5になるまで該混合物にゆっくり添加される。硫酸が、該反応容器中のpHを約8.5〜9.5、
好ましくは約9〜9.5に保持するため、残りの珪酸ナトリウムに同時に添加される。該添加の後、該懸濁液は、攪拌速度を800〜1600rpmの範囲、好ましくは1200rpm程度、として30分攪拌される。該温度は81-82℃程度である。硫酸は、該pHを6より小、好ましくは5〜6に下げるように該懸濁液に添加される。
【0103】
該懸濁液はdi-H2Oと混合され、静置される。該上澄み液は除去され、該プロセスは溶液中のイオンの見積もり量の少なくとも90%が除去されるまで繰り返される。該懸濁液は凍結乾燥され、粉砕されて試料8とされる。
【0104】
試料9は、試料8と対照的にイオン交換樹脂で処理されていないアルミナ水和物懸濁液(CAM 9010-2、棒形で幾何学的アスペクト比が6〜10の範囲であり、Saint-Gobain Ceramics and Plastics Corporationから入手可能)を用いて、試料8に関して記載されたのと同様の仕方で調製される。該ナノ―ベーマイト分散液が該反応容器中に導入されそして濃度5重量%にdi-H2Oで希釈された後、該溶液のpHが水酸化ナトリウムにより約5に調製される。
【0105】
試料10は、該アルミナ水和物が濃度1.5重量%に希釈される他は試料8の場合と同様にして調製される。
【0106】
試料11は、該アルミナ水和物がクエン酸の溶液により、クエン酸が該アルミナ水和物重量の約5.2%となるように、濃度5重量%に希釈される他は試料8の場合と同様にして調製される。
【0107】
試料12は、five equal amountsのクエン酸が該懸濁液に添加される他は試料8の場合と同様にして調製される。該溶液は各々の最初の4つの添加の後5分間、最後の添加の後10分間、攪拌される。更に、該硫酸は該懸濁液への添加の前にdi-H2Oにより希釈される(di-H2O4部に対し硫酸1部)。
【0108】
試料13は、アルミナ水和物懸濁液がイオン交換樹脂で処理されず、該反応がクエン酸無しに行われ、そして珪酸ナトリウムの添加前にpHを6〜7の値に上昇させるため水酸化ナトリウムが用いられる他は試料8の場合と同様にして調製される。
【0109】
試料14は、アルミナ水和物懸濁液がイオン交換樹脂で処理されず、該反応がクエン酸無しに行われ、珪酸ナトリウムの添加前に、水酸化ナトリウムによりpHが約6に調整され、該pHが該珪酸ナトリウム溶液の添加の間約7に保持される他は試料8の場合と同様にして調製される。
【0110】
試料15は、アルミナ水和物懸濁液がイオン交換樹脂で処理されず、該pHが、5重量%のアルミナ水和物への希釈後、水酸化ナトリウムにより約5に調整され、該クエン酸がdi-H2Oにより希釈されそして該クエン酸のpHが水酸化ナトリウムにより約5〜5.5に調製される他は試料8の場合と同様にして調製される。該クエン酸溶液は、5分割して該アルミナ水和物懸濁液に添加され、そして該アルミナ水和物懸濁液のpHが約6〜7になった後、15重量%の珪酸ナトリウムが添加される。
【0111】
実施例3
該試料は、細孔容積、充填密度、及び圧縮下容積につき試験される。特に、該試料は、100psi及び500psiにおける圧縮容積比、水銀累積細孔容積指数、水銀累積細孔容積、BET累積細孔容積、BET表面積、弛み充填密度(LPD)、及び等電点につき試験される。
【0112】
例えば、該固体の容積(cc)は、該粉の重量(g)を該密度(即ち、HDシリカは2.1g/ccそしてアルミナ水和物は2.9g/cc)で割ったものとして定義される。 該空気の容積(cc)は、該空洞の容積(cc)と該固体の容積(cc)との差として定義される。ある例において、100psi圧縮容積比は、固体が100psiで圧縮されたときの該固体の容積に対する該空気の容積の比として定義され、そして500psi圧縮容積比は、固体が500psiで圧縮されたときの該固体の容積に対する該空気の容積の比として定義される。
【表1】

【0113】
より高い圧縮容積比は粒状固体の分散に影響すると信じられている。各々の該処理されたアルミナ水和物試料(試料8-15)は、増加した100psi圧縮容積比及び500psi圧縮容積比を示す。未処理アルミナ水和物試料(試料1-4)についての比より高いことに加えて、試料8-15についての比は、伝統的に使用されるシリカ及びより新しい高分散性沈降シリカ(試料5-7)より高かった。
【0114】
細孔容積は又、凝集した粒状物の分散性に影響し得る。それ自体、試料は水銀及びBETの両方の技術を用いて試験される。該水銀累積細孔容積は、水銀ポロシメーターにより決定された、約300nmより小さい細孔の全容積として定義される。水銀累積細孔容積指数は、該材料の密度と比較した(relative to)、水銀ポロシメーターにより決定された10nm〜1000nmの細孔の全容積として定義される。該BET累積細孔容積は、BET技術により決定された約300nmより小さい細孔の全容積として定義される。該累積細孔容積比は、該水銀累積細孔容積と該BET累積細孔容積との間の比である。
【表2】

【0115】
該水銀累積細孔容積指数に基づき、該処理されたアルミナ水和物試料(試料9及び12)は、該未処理アルミナ水和物試料(試料2及び3)及び該シリカ試料(試料5-7)と同等か又はより高い多孔度を持つように見える。特に、該処理されたアルミナ水和物試料(試料9及び12)は、同様な弛み充填密度を持つにも拘らず、Tixosil 43(試料6)に比較して同等か又はより高い多孔度を持つ。
【0116】
0.3ミクロンより小さい細孔径については、該処理されたアルミナ水和物試料(試料9及び12)は、他の試料と同等の値を持つ。しかし、該処理されたアルミナ水和物試料(試料9及び12)についての該累積細孔容積比は、ある種の用途には有用であり得る他の試料よりも顕著に大きい。該試料14は、より高い水銀累積細孔容積(0.3ミクロンより小さい細孔径について)を持つ。これは、ある種の用途にとり興味あるものであり得る。
【表3】

【0117】
該BET表面積は密度について調整した(adjusted)表面積である。一般に、該処理されたアルミナ水和物試料(試料9及び12)の調整したBET表面積は、未処理アルミナ水和物(試料3)についての値と同じか又は少し高い。特に、処理後洗浄した試料は高い表面積を示す。
【表4】

【0118】
該処理されたアルミナ水和物試料(試料8-15)のLPDは、該未処理アルミナ水和物試料(試料2及び3)より顕著に低い。そのようなLPDの低下は、該処理されたアルミナ水和物試料中のより広がった(more open)凝集構造を示し得、このことはポリマー材料中への改良された分散をもたらし得る。上記のLPD値は圧縮前(pre-compression)のものであるが、該粒状物はまた、取扱い及び運搬をし易くし、LPDを変えるため、圧縮され得る。
【表5】

【0119】
表5に示されたように、該処理されたアルミナ水和物試料(試料8及び11)は、未処理試料(試料3)より低いIEPを示し、このことはシリカ被覆による顕著な被覆範囲(coverage)を示し得る。
【0120】
実施例4
試料配合物はエラストマー樹脂と粒状物試料を用いて調製される。

例えば、配合物1は、カーボンブラックとシリカを充填した乗用車用タイヤのための典型的な配合を基にして調製される。Banbury型回転翼を備えたB350混合ヘッドを持つBrabender PL2000 サイズミキサー(size mixer)が、該配合を行うのに用いられる。混合室は約380mlを持ち、0.7の充填率(fill factor)(266ml)で用いられる。循環油は、80rpmの回転翼速度を用いて約60℃に加熱される。該ミキサーにはポリマー混合物の最初の半分が添加される。
【0121】
該ポリマー混合物は、103pphのVSL 5025(Bayer AGから)、25pphのCB 24(Bayer AGから)、7pphのN220(Degussaから)を含む。試料1から分別した充填剤が該ミキサーに添加される。68〜95pphの充填剤が、該充填剤の密度に応じて同一容積の充填剤を含むように、混合中のポリマー混合物に添加される。グラムとしての量(quantity in grams)は該量(amount)に1.35程度の係数(coefficient)を掛けることにより決定され得る。次いで、残りのポリマーが該ミキサーに添加される。
【0122】
2分間混合した後、5.44pphのSi 69(Degussaから)、6pphのSunpar 2280 Oil、1pphのNanox ZA、及び1.5pphのSunproof Improved Wax(Uniroyal Chemical Co.)が添加される。該混合物は140℃に3分間保持され、次いでシート上に散布して冷却する。
【0123】
硫黄及び加硫促進剤が約30℃において2本ロールミル上の該混合物に添加される。例えば、217.0〜244.9pphの該複合材料、添加された充填剤の量による、が、2.5pphの酸化亜鉛、3pphのステアリン酸(steric acid)、1.4pphの硫黄、1.8pphのCBS(Bayer AG から)、1.6pphのDPG(Bayer AGから)、及び0.2pphのテトラベンジルチウラム ジスルフィド(TBzTD)と、約30℃において2本ロールミル上で一緒にされる。
【0124】
配合物2は、該充填剤が試料3の粒状物から分別される他は、配合物1について記載したようにして調製される。

配合物3は、該充填剤が試料2の粒状物から分別される他は、配合物1について記載したようにして調製される。

配合物4は、該充填剤が試料7の粒状物から分別される他は、配合物1について記載したようにして調製される。

配合物4は、該充填剤が試料7の粒状物から分別される他は、配合物1について記載したようにして調製される。
配合物5は、該充填剤が試料9の粒状物から分別される他は、配合物1について記載したようにして調製される。

配合物6は、該充填剤が試料12の粒状物から分別される他は、配合物1について記載したようにして調製される。
【0125】
様々な配合物の分散性は、ISO 11345 方法B試験に従い、disperGRADERを用いて測定される。この試験は、充填剤分散のパーセンテージを評価するため、像分析(image analysis)の光学顕微鏡に依存する:0%は、非常に劣る分散の指標であり、100%は、比較的完全な(relatively perfect)分散のそれである。沈降シリカについて収集されたデータに基づけば、少なくとも約90%の充填剤分散が望ましい耐摩耗性(abrasion resistance)を達成し得る。試料の分散性指数は、該上記の配合物について記載された乗用車タイヤ配合における分散と連合した(associated with)dispergrader値として定義される。
【表6】

【0126】
示されるように、該処理されたアルミナ水和物試料から作られた配合物(配合物5及び6)は、少なくとも約89%の分散性指数を持ち、高い分散を示す。特に、配合物6は、該シリカ充填配合物(配合物4)のそれより高い分散性指数を示す。そのような改良された分散性は、例えば耐磨耗性(wear resistance)のような、改良された性質をもたらし得る。
【0127】
一般的な記載又は実施例中に上記したアクティビティーの全てが要求されるのではなく、特定のアクティビティー1部は要求されず、そして1つ又はより多くの更なるアクティビティーが、記載されたものに加えて実施され得ることに注意せよ。更に、アクティビティーがリストされている順番はそれらが実施される順番とは限らない。
【0128】
今までの明細書中で、概念が特定の実施態様に関連して記載されてきた。しかし、当業者は、以下の請求項に示されるような発明の範囲から逸脱することなく、様々な改質及び変更がなされ得ることを認識する。従って、明細書と図面は、限定的な意味というよりは説明としての意味とみなされ、全てのそのような改質は、発明の範囲に含まれると意図される。
【0129】
ここで用いる場合、用語「含む」、「持つ」又はそのあらゆる言い換えは、非排除的な包含(non-exclusive inclusion)を意図する。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、それらの特徴だけに限定されず、リストされていない又はそのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の、他の特徴を含み得る。更に、そうでないことが述べられている場合以外は、「又は」は包含的な「又は」であって、排除的な「又は」ではない。例えば、「条件A又はB」は次のいずれを意味する:Aは正しく(又は存在し)Bは誤り(又は存在しない)、Aは誤り(又は不存在)でBは正しい(又は存在する)、及び、AとBは共に正しい(又は存在する)。
【0130】
また、「ある」又は「1つの」が、要素(element)及び成分(components)を記載するのに用いられている。これは、単に便宜のため、そして本発明の範囲についての一般的な意味を与えるためになされる。この記載は、「1つの」又は「少なくとも1つの」を含み、そして、「単一の(singular)」はそうでないことが明らかである以外は「複数の(plural)」を含むと読まれるべきである。
【0131】
利益、他の有利性、及び問題への解決策、は、特定の実施態様に関して上記されてきた。しかし、利益、他の有利性、及び問題への解決策、及び如何なる利益、有利性、又は発生し又はより明白になる解決策をもたらし得る如何なる特徴も、如何なる又は全ての請求項の重大な、必須の、又は本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0132】
この明細書を読んだ後、当業者は、ある特徴が、明確さのために、別の実施態様の文脈において記載され、また単一の実施態様中に組み合わせて提供され得ると認識するであろう。逆に、単一の実施態様の文脈において、簡潔さのために記載された様々な特徴は、別に又は如何なる副次的な組み合わせにおいてもまた提供され得る。更に、範囲によって述べられた値への言及はその範囲の中の各々の及びことごとくの値を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも約4cc/ccの500psi圧縮容積比を持つ粒状材料;及び該粒状材料の表面上の触媒剤、を含む触媒。
【請求項2】
該触媒剤が金属である、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
該金属が、白金、銀、金、パラジウム、及びそれらの任意の混合物からなる群から選ばれる、請求項2に記載の触媒。
【請求項4】
該粒状材料がアルミナ水和物を含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の触媒。
【請求項5】
該粒状材料が転移アルミナを含む、請求項1〜4に何れか1項に記載の触媒。
【請求項6】
該粒状材料がアルファアルミナを含む、請求項1〜5の何れか1項に記載の触媒。
【請求項7】
該粒状材料が、金属酸化物被覆アルミナ性材料を含む、請求項1〜6の何れか1項に記載の触媒。
【請求項8】
該金属酸化物被覆アルミナ性材料が、シリカ、酸化錫、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化アンチモン、酸化ニオブ、酸化モリブデン、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれた金属酸化物を含む、請求項7に記載の触媒。
【請求項9】
該金属酸化物被覆アルミナ性材料が、約10〜約50重量%の金属酸化物を含む、請求項7又は8に記載の触媒。
【請求項10】
金属酸化物被覆アルミナ性材料が、少なくとも約3.0の幾何学的アスペクト比を持つ1次アルミナ粒子を持つ、請求項7〜9の何れか1項に記載の触媒。
【請求項11】
金属酸化物被覆アルミナ性材料が、30nm〜1000nmの平均粒子径を持つ1次アルミナ粒子を持つ、請求項7〜10の何れか1項に記載の触媒。
【請求項12】
該粒状材料が、少なくとも約6.0cc/ccの100psi圧縮容積比を持つ、請求項1〜11の何れか1項に記載の触媒。
【請求項13】
該粒状材料が、少なくとも約150m2/ccのBET表面積を持つ、請求項1〜12の何れか1項に記載の触媒。
【請求項14】
該粒状材料が、少なくとも約0.3cc/gのBET累積細孔容積を持つ、請求項1〜13の何れか1項に記載の触媒。
【請求項15】
該粒状材料が、少なくとも約1.5cc/gの水銀累積細孔容積を持つ、請求項1〜14の何れか1項に記載の触媒。
【請求項16】
該粒状材料が、少なくとも約3cc/ccの水銀累積細孔容積指数を持つ、請求項1〜15の何れか1項に記載の触媒。
【請求項17】
該粒状材料が、少なくとも約3.0の累積細孔容積比を持つ、請求項1〜16の何れか1項に記載の触媒。
【請求項18】
紙支持体;及び
該紙支持体の少なくとも一方の側の上に配置された被膜を含み、該被膜は少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比を持つ粒状材料を含む、インクジェット紙。
【請求項19】
該粒状材料がアルミナ水和物を含む、請求項18に記載のインクジェット紙。
【請求項20】
該アルミナ水和物が、金属酸化物被覆アルミナ水和物である、請求項19に記載のインクジェット紙。
【請求項21】
該、金属酸化物被覆アルミナ水和物が、シリカ被覆アルミナ水和物である、請求項20に記載のインクジェット紙。
【請求項22】
該、シリカ被覆アルミナ水和物が、約10〜約50重量%のシリカを含む、請求項21に記載のインクジェット紙。
【請求項23】
該アルミナ水和物が、少なくとも約3.0の幾何学的アスペクト比を持つ、請求項19〜22の何れか1項に記載のインクジェット紙。
【請求項24】
該アルミナ水和物が30〜1000nmの平均粒子径を持つ、請求項19〜23の何れか1項に記載のインクジェット紙。
【請求項25】
該粒状材料が、少なくとも約6.0cc/ccの100psi圧縮容積比を持つ、請求項18〜24の何れか1項に記載のインクジェット紙。
【請求項26】
該粒状材料が少なくとも約150m2/ccのBET表面積を持つ、請求項18〜25の何れか1項に記載のインクジェット紙。
【請求項27】
該粒状材料が少なくとも約0.3cc/gのBET累積細孔容積を持つ、請求項18〜26の何れか1項に記載のインクジェット紙。
【請求項28】
該粒状材料が少なくとも約1.5cc/gの水銀累積細孔容積を持つ、請求項18〜27の何れか1項に記載のインクジェット紙。
【請求項29】
該粒状材料が少なくとも約3cc/ccの水銀累積細孔容積指数を持つ、請求項18〜28の何れか1項に記載のインクジェット紙。
【請求項30】
該粒状材料が少なくとも約3.0の累積細孔容積比を持つ、請求項18〜29の何れか1項に記載のインクジェット紙。
【請求項31】
ポリマーマトリックス;及び
該ポリマーマトリックス中に分散した粒状材料を含み、
該粒状材料は少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮細孔容積比を持つ、
複合材料。
【請求項32】
該粒状材料が少なくとも約6.0cc/ccの100psi圧縮細孔容積比を持つ、請求項31に記載の複合材料。
【請求項33】
該粒状材料がアルミナ水和物を含む、請求項31又は32に記載の複合材料。
【請求項34】
該粒状材料が、金属酸化物被覆アルミナ水和物を含む、請求項33に記載の複合材料。
【請求項35】
該、金属酸化物被覆アルミナ水和物が、約6.0より大きくないIEPを持つ金属酸化物を含む、請求項34に記載の複合材料。
【請求項36】
該金属酸化物がシリカである、請求項35に記載の複合材料。
【請求項37】
該、金属酸化物被覆アルミナ水和物が、約10〜約50重量%のシリカを含む、請求項36に記載の複合材料。
【請求項38】
該アルミナ水和物が、約30nm〜約1000nmの平均粒子径を持つ、請求項33柄7の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項39】
該アルミナ水和物が少なくとも約3.0の幾何学的アスペクト比を持つ、請求項33〜38の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項40】
該粒状材料が、最大約2.0の等電点(IEP)を持つ、請求項31〜39の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項41】
該粒状材料が少なくとも約150m2/ccのBET表面積を持つ、請求項31〜40の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項42】
該粒状材料が、約0.06cc/ccより大きくない弛み充填密度(LPD)を持つ、請求項31〜41の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項43】
該粒状材料が、少なくとも約0.3cc/gのBET累積細孔容積を持つ、請求項31〜42に何れか1項に記載の複合材料。
【請求項44】
該粒状材料が、少なくとも約1.5cc/gの水銀累積細孔容積を持つ、請求項31〜43の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項45】
該粒状材料が、少なくとも約3.0cc/ccの水銀累積細孔容積指数を持つ、請求項31〜44の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項46】
該粒状材料が、少なくとも約3.0の累積細孔容積比を持つ、請求項31〜45の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項47】
該ポリマーがエラストマーである、請求項31〜46の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項48】
ポリマーマトリックス;及び
少なくとも約3.0の幾何学的アスペクト比を持つ粒子を含む凝結体を含み、
該凝結体は少なくとも94%の分散性指数を持つ、
複合材料。
【請求項49】
該凝結体がアルミナ水和物を含む、請求項48に記載の複合材料。
【請求項50】
該アルミナ水和物が、金属酸化物被覆アルミナ水和物である、請求項49に記載の複合材料。
【請求項51】
該、金属酸化物被覆アルミナ水和物が、約6.0より大きくないIEPを持つ金属酸化物を含む、請求項50に記載の複合材料。
【請求項52】
該金属酸化物がシリカである、請求項51に記載の複合材料。
【請求項53】
該、金属酸化物被覆アルミナ水和物が、約10〜約50重量%のシリカを含む、請求項52に記載の複合材料。
【請求項54】
該アルミナ水和物が、種結晶から形成されたアルミナ水和物である、請求項49〜53の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項55】
該アルミナ水和物が、約30nm〜約1000nmの平均粒子径を持つ、請求項49〜54の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項56】
該凝結体が、少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比を持つ、請求項48〜55の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項57】
該凝結体が、少なくとも約6.0cc/ccの100psi圧縮容積比を持つ、請求項48〜56の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項58】
該凝結体が、少なくとも約150m2/ccのBET表面積を持つ、請求項48〜57の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項59】
該凝結体が、少なくとも約0.3cc/gのBET累積細孔容積を持つ、請求項48〜58の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項60】
該凝結体が、少なくとも約1.5cc/gの水銀累積細孔容積を持つ、請求項48〜59の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項61】
該凝結体が、少なくとも約3.0cc/ccの水銀累積細孔容積指数を持つ、請求項48〜60の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項62】
該凝結体が、少なくとも約3.0の累積細孔容積比を持つ、請求項48〜61の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項63】
該ポリマーマトリックスがエラストマーである、請求項48〜62の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項64】
少なくとも約3.0の幾何学的アスペクト比を持つ粒子を含む凝結体を含み、該凝結体は少なくとも約94%の分散性指数を持つ、粒状材料。
【請求項65】
該凝結体がアルミナ水和物を含む、請求項64に記載の粒状材料。
【請求項66】
該アルミナ水和物が、種結晶から形成されたアルミナ水和物である、請求項65に記載の粒状材料。
【請求項67】
該凝結体が、金属酸化物被覆アルミナ水和物を含む、請求項65又は66に記載の粒状材料。
【請求項68】
該、金属酸化物被覆アルミナ水和物が、約6.0より大きくないIEPを持つ金属酸化物を含む、請求項67に記載の粒状材料。
【請求項69】
該金属酸化物がシリカである、請求項68に記載の粒状材料。
【請求項70】
該、金属酸化物被覆アルミナ水和物が、約10〜約50重量%のシリカを含む、請求項69に記載の粒状材料。
【請求項71】
該アルミナ水和物が、約30nm〜約1000nmの平均粒子径を持つ、請求項65〜70の何れか1項に記載の粒状材料。
【請求項72】
該凝結体が、少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比を持つ、請求項64〜71の何れか1項に記載の粒状材料。
【請求項73】
該凝結体が、少なくとも約6.0cc/ccの100psi圧縮容積比を持つ、請求項64〜72の何れか1項に記載の粒状材料。
【請求項74】
該凝結体が、少なくとも約150m2/ccのBET表面積を持つ、請求項64〜73の何れか1項に記載の粒状材料。
【請求項75】
該凝結体が、少なくとも約0.3cc/gのBET累積細孔容積を持つ、請求項64〜74の何れか1項に記載の粒状材料。
【請求項76】
該凝結体が、少なくとも約1.5cc/gの水銀累積細孔容積を持つ、請求項64〜75の何れか1項に記載の粒状材料。
【請求項77】
該凝結体が、少なくとも約3.0cc/ccの水銀累積細孔容積指数を持つ、請求項64〜76の何れか1項に記載の粒状材料。
【請求項78】
該凝結体が、少なくとも約3.0の累積細孔容積比を持つ、請求項64〜77の何れか1項に記載の粒状材料。
【請求項79】
少なくとも約90%の分散性指数を持つ金属酸化物被覆アルミナ水和物、を含む粒状材料。
【請求項80】
該金属酸化物被覆アルミナ水和物が、種結晶から形成されたアルミナ水和物を金属酸化物で被覆したものである、請求項79に記載の粒状材料。
【請求項81】
該金属酸化物被覆アルミナ水和物が、約6.0より大きくないIEPを持つ金属酸化物を含む、請求項79又は80に記載の粒状材料。
【請求項82】
該金属酸化物がシリカである、請求項81に記載の粒状材料。
【請求項83】
該、金属酸化物被覆アルミナ水和物が、約10〜約50重量%のシリカを含む、請求項82に記載の粒状材料。
【請求項84】
該分散性指数が少なくとも約95%である、請求項79〜83の何れか1項に記載の粒状材料。
【請求項85】
該粒状材料が、少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比を持つ、請求項79〜84の何れか1項に記載の粒状材料。
【請求項86】
該粒状材料が、少なくとも約6.0cc/ccの100psi圧縮容積比を持つ、請求項79〜85の何れか1項に記載の粒状材料。
【請求項87】
該、金属酸化物被覆アルミナ水和物材料が、約30〜約1000nmの平均粒子径を持つ、請求項79〜86の何れか1項に記載の粒状材料。
【請求項88】
該、金属酸化物アルミナ水和物材料が、少なくとも約3.0の幾何学的アスペクト比を持つ、請求項79〜87の何れか1項に記載の粒状材料。
【請求項89】
該粒状材料が、少なくとも約3.0cc/gの累積細孔容積指数を持つ、請求項79〜88の何れか1項に記載の粒状材料。
【請求項90】
該粒状材料が、少なくとも約3.0の累積細孔容積比を持つ、請求項79〜89の何れか1項に記載の粒状材料。
【請求項91】
粒状材料をポリマー樹脂と混合することを含む、物品を作る方法であって、該粒状材料がアルミナ水和物を含み、且つ少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比を持つ、方法。
【請求項92】
更に、該ポリマー樹脂を成形することを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
更に、該ポリマー樹脂を硬化することを含む、請求項91又は92に記載の方法。
【請求項94】
更に、該ポリマー樹脂をカップリング剤と混合することを含む、請求項91〜93に何れか1項に記載の方法。
【請求項95】
更に、該粒状材料をカップリング剤で前処理することを含む、請求項91〜94の何れか1項に記載の方法。
【請求項96】
該粒状材料が、少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比を持つ、請求項91〜95に何れか1項に記載の方法。
【請求項97】
該粒状材料が、少なくとも約6.0cc/ccの100psi圧縮容積比を持つ、請求項91〜96に何れか1項に記載の方法。
【請求項98】
該アルミナ水和物が、金属酸化物被覆アルミナ水和物を含む、請求項91〜97の何れか1項に記載の方法。
【請求項99】
該、金属酸化物被覆アルミナ水和物が、約6.0より大きくないIEPを持つ金属酸化物を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
該金属酸化物がシリカである、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
該アルミナ水和物が、種結晶から形成されたアルミナ水和物を含む、請求項91〜100の何れか1項に記載の方法。
【請求項102】
シリコーンマトリックス;及び
該シリコーンマトリックス中に分散した粒状材料、
を含む複合材料であって、
該粒状材料がアルミナ水和物を含み、且つ少なくとも約4.0cc/ccの500psi圧縮容積比を持つ、複合材料。
【請求項103】
該アルミナ水和物が、金属酸化物被覆アルミナ水和物である、請求項102に記載の複合材料。
【請求項104】
該、金属酸化物被覆アルミナ水和物が、約6.0より大きくないIEPを持つ金属酸化物を含む、請求項103に記載の複合材料。
【請求項105】
該金属酸化物がシリカである、請求項104に記載の複合材料。
【請求項106】
該、金属酸化物被覆アルミナ水和物が、約10〜約50重量%のシリカを含む、請求項105に記載の複合材料。
【請求項107】
該粒状材料が、少なくとも約6.0の100psi圧縮容積比を持つ、請求項102〜106の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項108】
該アルミナ水和物が、30nm〜1000nmの平均粒子径を持つ、請求項102〜107の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項109】
該アルミナ水和物が、少なくとも約3.0の幾何学的アスペクト比を持つ、請求項102〜108の何れか1項に記載の複合材料。

【公表番号】特表2010−512297(P2010−512297A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540392(P2009−540392)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/085877
【国際公開番号】WO2008/070520
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(593150863)サン−ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド (139)
【Fターム(参考)】