説明

処理された多孔質粒子及びその作製と使用方法

外側表面及び内側の孔表面を有する処理された多孔質粒子であって、処理された多孔質粒子の外側表面の少なくとも一部分は疎水基を有し、内側の孔表面は親水性である。処理された多孔質粒子は、例えば乾燥剤として有用であり得る。吸収性物品(例えばおむつ及び生理用ナプキン)、並びに処理された多孔質粒子を含む吸収性物品の吸収性部品もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は2009年11月23日出願の米国特許仮出願第61/263,573号及び2009年11月23日出願の同第61/263,580号の利益を主張し、その開示事項は参照によりその全体が本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
特定の多孔質粒子は化学の技術において幅広く使用されている。例えば、疎水性酸化物材料は、異なる気相及び液相分離プロセスに幅広く使用されている。特に幅広く使用されている例はシリカゲルであり、これはクロマトグラフィー、生物学的に活性な成分及び医薬用調製物の吸着及び精製、並びにマルチコンポーネントシステムの安定を含む、多くの用途に有用である。しかしながら、天然シリカの表面特性は、所望の用途に対して常に適切であるわけではない。表面改質は、例えば疎水基への親水性シラノール基の形質変換によって達成することができ、これは改質されたシリカの、水に対する親和性を全体的に低下させる。概して、シリカゲルの既知の疎水性処理は、外側表面及び内側の孔表面の両方を疎水性にするように設計されている。
【0003】
他の技術では、特定の環境における相対湿度を低下させるために、様々な技法が使用されている。パーソナルケア産業において、使い捨て吸収性衣類の着用中において、過剰な湿度によって引き起こされる不快感及び発疹は既知の問題である。使い捨て吸収性衣類(例えば失禁用下着、おむつ、及び女性用衛生製品)は典型的に、液体透過性身体側カバー、液体透過性外側カバー、及び身体側のライナーと外側カバーとの間に配置された吸収性構成要素を含む。漏れを防ぐために、吸収性衣類は、身体側のライナーの身体に面する表面に液体が過剰にたまるのを避けるために、急速に液体を取り込まなければならない。衣類によって取り込まれ、保持されたいずれかの液体は、ユーザーの皮膚付近で相対湿度の増加の一因となる。ユーザーからの発汗もまた、増加した相対湿度の要因である。ユーザーの皮膚に接触する環境における高い相対湿度は、不快感又は皮膚の発疹(例えばおむつかぶれ)を引き起こす場合がある。
【0004】
衣類の外側からの新鮮な空気が、ユーザーの皮膚付近の環境における高湿度の空気と置き換わるように、かつ外部環境への液体の蒸発を可能にするように、吸収性衣類の外側カバー(すなわちバックシート)を、水蒸気に透過性である通気性材料から作製することは既知である。しかしながら、気化冷却をもたらすバックシートなどの高度に多孔質な膜は、物品における漏れを防止するには十分でない場合がある。湿度を低減する剤(例えば乾燥剤及び/又は保湿剤)を使い捨て吸収性衣類の構成要素内に組み込んで、ユーザーの皮膚に隣接する環境の相対湿度を低減することもまた既知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
使い捨て吸収性衣類における進歩にもかかわらず、一貫して、かつ確実にユーザーの皮膚付近の相対湿度を低減するための必要性が引き続き存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、外側表面の疎水基と親水性の内側を有する処理された多孔質粒子を、及びその作製方法に関する。処理された多孔質粒子は、例えば吸収性物品の環境内の湿度を制御するための乾燥剤として有用であり得る。吸収性物品(例えば生理用パッド及びおむつ)は典型的に流体を吸収し、かつこれを保持するために超吸収性ポリマー(SAP)及び/又は木材パルプをコアに含む。SAP又は木材パルプの存在下において、本明細書に開示される処理された粒子は、吸収性物品のユーザーの皮膚に隣接するのと同様な環境における湿度を低減するのが示されている。
【0007】
一態様では、本開示は、外側表面及び内側の孔表面を含む処理された多孔質粒子であって、処理された多孔質粒子の外側表面の少なくとも実質的な部分は疎水基を含み、内側の孔表面は実質的に未処理である、処理された多孔質粒子を提供する。いくつかの実施形態では、疎水基は、アルキル基又はアリール基の少なくとも1つを含み、アルキル及びアリールはそれぞれフッ素で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子は処理された乾燥剤粒子である。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子は、処理されたシリカゲル粒子、処理されたモンモリロナイト粘土粒子、処理されたゼオライト粒子、処理されたモレキュラーシーブ、又は処理された活性炭粒子である。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子は、処理されたシリカゲル粒子又は処理された活性炭粒子である。いくつかの実施形態では、疎水基はアルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせを有するシロキサンを含む。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子は、X線光電子分光法によって測定されたとき、最高50オングストロームの深さまで最高5原子パーセントのケイ素原子を有する外側表面を備えるシリカゲル粒子である。
【0008】
本開示はまた、外側表面及び内側の孔表面を含む処理された多孔質粒子であって、この処理された多孔質粒子の外側表面の少なくとも一部分は疎水基を含み、疎水基は、アルキル基又はアリール基の少なくとも1つを含み、アルキル基及びアリール基はフッ素で置換されており、内側の孔表面は、少なくとも部分的に親水性である、処理された多孔質粒子を提供する。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子は処理された乾燥剤粒子である。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子は、処理されたシリカゲル粒子、処理されたモンモリロナイト粘土粒子、処理されたモレキュラーシーブ、又は処理された活性炭粒子である。いくつかの実施形態では、疎水基はアルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせを有するシロキサンを含む。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子は、X線光電子分光法によって測定されたとき、最高50オングストロームの深さまで最高5原子パーセントのケイ素原子を有する外側表面を備えるシリカゲル粒子である。
【0009】
本開示はまた、処理された多孔質粒子を含む複数の粒子を提供する。いくつかの実施形態では、複数の粒子は、未処理の乾燥剤粒子(例えば、シリカゲル、モンモリロナイト粘土、モレキュラーシーブ、ゼオライト、又は活性炭)を更に含む。いくつかの実施形態では、この複数の粒子は外側表面及び内側の孔表面の両方とも疎水基で処理された粒子を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、複数の粒子は、超吸収性ポリマー、親水性不織布、又は木材パルプの少なくとも1つを含む吸収性粒子又は繊維を更に含む。
【0010】
本開示に係る処理された粒子又は複数の粒子のいくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子が水面に撒かれて単一層を形成するとき、少なくとも75%の粒子が水面に浮き、処理された多孔質粒子は30℃及び相対湿度50%において、24時間後にそれらの重量の少なくとも20%を吸収する。これらの実施形態の一部では、1gの処理された多孔質粒子が、20mLのバイアル瓶内で10ミリリットル(mL)の水の表面撒かれる。いくつかの実施形態では、粒子は、30℃及び相対湿度80パーセントにおいて、疎水基を含まない比較用の複数の粒子の水蒸気取り込みの少なくとも60%である水蒸気取り込みを有する。いくつかの実施形態では、複数の粒子の少なくとも一部分が水性液体に暴露されたとき、複数の粒子は、疎水基を含まない比較用の複数の粒子より大きく相対湿度を減少させる。
【0011】
別の態様において、本開示は、複数の処理された多孔質粒子と組み合わされた吸収性材料を含む吸収性部品を提供する。いくつかの実施形態では、吸収性材料は、木材パルプ、超吸収性ポリマー、又はアクリル発泡体の少なくとも1つである。
【0012】
別の態様において、本開示は、上記の態様若しくは実施形態のいずれかに記載されているような吸収性構成要素、又は上記の態様若しくは実施形態のいずれかに記載されているような複数の粒子を含む吸収性物品を提供する。いくつかの実施形態では、吸収性物品は腋窩パッド、胸パッド、ドレスシールド、脚パッド、創傷包帯、ベッドパッド若しくはライナー、おむつ、又は生理用ナプキンである。いくつかの実施形態では、吸収性物品は、液体透過性トップシート、液体不透過性バックシート、吸収性構成要素、及び/又はトップシートとバックシートとの間に配置された上記の複数の粒子を含む。
【0013】
一態様では、本開示は、本明細書に開示される処理された多孔質粒子(又は本明細書に開示される複数の粒子)の乾燥剤としての使用を提供する。いくつかの実施形態では、乾燥剤は水性液体に暴露される。いくつかの実施形態では、乾燥剤は吸収性物品内で使用される。
【0014】
他の態様では、本開示は、乾燥方法を提供し、この方法は、本明細書に開示される処理された多孔質粒子を湿度の高い環境に配置することを含み、処理された多孔質粒子は湿度の高い環境から水を吸収する。いくつかの実施形態では、水は水蒸気である。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子は水性溶液と接触する。いくつかの実施形態では、湿度の高い環境は吸収性物品内である(例えば着用者の身体上)。
【0015】
一態様では、本開示は、本明細書に開示される処理された多孔質粒子(又は本明細書に開示される複数の粒子)の悪臭抑制剤としての使用を提供する。いくつかの実施形態では、悪臭抑制剤は水性液体に暴露される。いくつかの実施形態では、悪臭抑制剤は吸収性物品内で使用される。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子は、処理された活性炭粒子である。
【0016】
別の態様では、本開示は、悪臭を抑制する方法を提供し、この方法は、本明細書に開示の処理された多孔質粒子(又は本明細書に開示の複数の粒子)を、所定の量の臭気剤と共に環境に配置することを含み、処理された多孔質粒子は、環境における臭気剤の量を低減する。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子は水性溶液と接触する。いくつかの実施形態では、環境は吸収性物品内である(例えば着用者の身体上)。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子は、処理された活性炭粒子である。
【0017】
他の態様では、本開示は、前述の実施形態のいずれか1つに係る処理された多孔質粒子を作製する方法を提供し、この方法は、多孔質粒子の外側表面を疎水剤で処理することを含み、その一方で多孔質粒子の内側孔表面が少なくとも実質的に未処理のままであるのを可能にする。いくつかの実施形態では、多孔質粒子の外側表面のみが疎水剤で処理される。
【0018】
本開示による、及び/又は本開示を実施するのに有用な処理された多孔質粒子は、少なくとも部分的に疎水性である外側表面を有する。典型的に、処理された多孔質粒子は液体水(及び他の水性液体)を、比較可能な未処理の多孔質粒子よりも非常に低い速度で、又は非常に低い程度まで吸収する。したがって、外側表面の疎水基は水性液体をはじくのに役立つ。内側の孔表面は実質的に親水性であり、水蒸気を吸収する。
【0019】
着用者の皮膚に隣接する環境の相対湿度を低減するために、乾燥剤(例えばシリカゲル)を吸収性物品の構成要素内に組み込むことが既知である一方で、これらの乾燥剤が水性液体に暴露されたとき、それらの有効性は損なわれる又は不均一であり、それらは吸収性物品の着用者にとって、滑りやすい又はぬるぬるした感触を生じさせる傾向がある。水蒸気の浸透を可能にし、かつ水性液体を排除することができる材料で作製されたパウチ内に乾燥剤を封入することは既知である(例えば、熱誘導相分離又は粒子が充填された薄膜で作製された微小多孔性フィルム)。かかるパウチを吸収性物品内に配置することは、特別なプロセス技法を必要とする場合があり、したがって望ましくない場合がある。本明細書に開示される処理された多孔質粒子は、典型的に水性液体をはじき、本開示において、着用者の皮膚付近の相対湿度を、未処理の乾燥剤粒子よりも、より均一かつ信頼性をもって低減するということが示されている。それらはパウチ又は他の面倒な物理的単離技法を使用することなく、吸収性物品に追加することができる。
【0020】
同様に、悪臭抑制剤(例えば活性炭及びシリカゲル)は、それらが水性液体に暴露されたとき、有効性が低下する又は不均一になる場合がある。本明細書に開示される処理された多孔質粒子は、典型的に水性液体をはじき、本開示において、濡れたときに、未処理の乾燥剤粒子よりも信頼性が高く悪臭を低減するということが示されている。それらはまた、パウチ又は他の面倒な物理的単離技法を使用することなく、吸収性物品に追加することができる。
【0021】
定義
本出願では:
「a」、「an」、及び「the」等の用語は、1つの実体のみを指すことを意図するものではなく、具体例を例示のために用いることができる一般分類を含む。用語「a」、「an」、及び「the」は、用語「少なくとも1つ」と同じ意味で使用される。
【0022】
語句「少なくとも1つの」に続く2つ以上の項目の一覧は、一覧中の項目のいずれか1つ、及び一覧中の2つ以上の項目の任意の組み合わせを指す。
【0023】
「親水性」は、表面と接触する水性液体(すなわち水を含む液体)により湿潤性である表面を説明する。湿潤性は、表面の液体の接触角によって測定することができる。典型的に、表面の水の接触角が90°未満であるとき、表面は親水性である。
【0024】
「疎水基」は、表面と接触する水性液体(すなわち水を含む液体)により、表面を非湿潤性する官能基を説明する。典型的に、表面の水の接触角が90°より大きいとき、表面は疎水性である。
【0025】
「外側表面の少なくとも一部分」及び「外側表面の少なくとも実質的な部分」は、粒子の外側表面の疎水基の均一又は不均一な分配を含むことができる。いくつかの実施形態では、疎水基は粒子の外側表面に均一に分配される。いくつかの実施形態では、粒子の全体の外側表面は疎水基によって被覆される。
【0026】
「乾燥剤」は、周囲の大気から水分を吸収することができる材料を指す。本明細書で使用するとき、乾燥剤は、物理的な吸収によって水若しくは水蒸気を多孔質構造体内へと吸収することができる。
【0027】
用語「吸収性構成要素」は、吸収性物品の吸収性コアなど、吸収性物品の主要な吸収性構成要素として一般的に使用される構成要素を指す。それはまた吸収性構成要素、例えば吸い上げ又は保管機能を果たす、本明細書に記載の補助的なトップシートを含む。用語、吸収性構成要素はしかしながら、吸収性物品のトップシート又はバックシートとしてのみ一般的に使用される構成要素は除外する。
【0028】
「使い捨て」は一般的に、その意図された機能を実施するための能力が使い果たされる前に、限定された使用期間を有するものを意味する。衣類に関しては、「使い捨て」衣類は典型的に、洗濯に耐えるようには構成されていない。
【0029】
水性は水を含むことを意味する。用語「水性液体」は、生物学的流体を包含する。
【0030】
「アルキル基」及び接頭辞「アルキ(alk-)」は、直鎖基及び分枝基の両方、並びに環状基を含む。特に指定しない限り、本明細書におけるアルキル基は、最高20個の炭素原子を有する。環状基は、単環式又は多環式であることができ、いくつかの実施形態では、3〜10個の環炭素原子を有する。「アルキレン」は、「アルキル」2価の形態である。
【0031】
用語「フルオロアルキル」は、2個の炭素原子毎に、水素又は塩素のいずれか一方の1個以下の原子が存在しているという条件で、フッ素原子の代わりに、水素原子又は塩素原子が存在している基に加えて、全てのC−H結合が、C−F結合によって置き換えられている、直鎖、分枝状、及び/又は環状アルキル基を含む。フルオロアルキル基のいくつかの実施形態では、水素又は塩素の少なくとも1つが存在する場合、フルオロアルキル基は、少なくとも1つのトリフルオロメチル基を含む。用語「ペルフルオロアルキル基」としては、線状、分枝状、及び/又は環状アルキル基が挙げられ、ここで、全てのC−H結合は、C−F結合によって置き換えられている。
【0032】
「アリールアルキレン」は、アリール基が結合している「アルキレン」部分を指す。
【0033】
用語「アリール」は、本明細書で使用するとき、炭素環式芳香環、又は例えば、1、2又は3個の環を有し、かつ環内に少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、S又はN)を含有する場合のある環構造を含む。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、並びに、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、ピロリル、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、及びチアゾリルが挙げられる。
【0034】
「アリーレン」は、上記で定義した「アリール」基の二価形である。
【0035】
「アルキルアリーレン」は、アルキル基が結合している「アリーレン」部分を指す。
【0036】
「プラズマ処理」は、高周波電界又は高周波磁界を用い、多孔質粒子が存在する雰囲気下で特定のガスのフリーラジカルを生じさせるプロセスを意味する。フリーラジカルは、多孔質粒子の表面を修飾する。用語「プラズマ処理」は「プラズマ蒸着」を包含する場合があり、ここでは、プラズマから形成されたフィルムが表面の少なくとも一部分上に堆積され、かつ、一般的に共有結合によって表面に接着している。
【0037】
全ての数値範囲は、特に明記しない限り、その端点と、端点間の非整数値を含む。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本開示の様々な実施形態についての以下の詳細説明を添付の図面と共に検討することで、本開示はより完全に理解され得る。
【図1】処理された多孔質粒子を作製する方法、及び本開示のいくつかの実施形態に従って生じる処理された多孔質粒子の略図。
【図2A】実施例に記載される吸収性物品内の相対湿度を測定するのに使用される装置の概略的平面図。
【図2B】実施例に記載される吸収性物品内の相対湿度を測定するのに使用される装置の概略的側面図。
【図3A】本開示のいつくかの実施形態に従って処理された多孔質粒子を作製する例示の方法における蒸気相で、多孔質粒子を処理するために使用される装置の概略的側面図。
【図3B】図3Aの装置の粒子攪拌器部分の概略的斜視図。
【図3C】本開示のいつくかの実施形態に従って処理された多孔質粒子を作製する他の例示的な方法における第1及び第2の蒸気相で多孔質粒子を処理するのに使用される他の例示の装置の概略的側面図。
【図4A】処理された多孔質粒子の作成、及び本開示のいくつかの実施形態に従って生じる処理された多孔質粒子の略図。
【図4B】処理された多孔質粒子の作成、及び本開示のいくつかの実施形態に従って生じる処理された多孔質粒子の略図。
【図4C】処理された多孔質粒子の作成、及び本開示のいくつかの実施形態に従って生じる処理された多孔質粒子の略図。
【図4D】処理された多孔質粒子の作成、及び本開示のいくつかの実施形態に従って生じる処理された多孔質粒子の略図。
【図5】本開示による例示的な吸収性物品の分解図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
粒子
本開示のいくつかの実施形態による多孔質粒子1及び処理された多孔質粒子5の処理の概略図が図1に示されている。示されている実施形態では、多孔質粒子1は、親水性の外側表面及び親水性の内側の孔表面を有する。親水性の外側表面及び内側の孔表面は、その複数のヒドロキシル(−OH)基により、本実施形態では親水性であり、これはこの図では、多孔質粒子1を表す円の外側表面及びこの円の内側に示されている。多孔質粒子1が、本開示による方法を使用しながら、疎水剤で処理されたとき、処理された多孔質粒子5が形成される。説明されている実施形態では、処理された多孔質粒子5は、疎水性の外側表面を有し、これは外側表面の複数の疎水性基(R)によって表されている。処理された多孔質粒子5は、しかしながら、その内側の孔表面で親水性のままであり、これは再び、処理された多孔質粒子5を表す円の内側上に示されているヒドロキシル基によって表されている。
【0040】
本開示による処理された多孔質粒子5の実施形態のいずれかにおいて、処理された多孔質粒子の外側表面の少なくとも一部分は疎水基Rを含む。代表的なR基には、最高20、18、15、12、10、又は8個の炭素原子(例えば1〜20、1〜15、1〜10、1〜5、又は1〜3個の炭素原子の範囲において)を有するアルキル基及びフルオロアルキル基が挙げられる。R基の更なる例には、アリール、アリールアルキレニル(arylalklyenyl)、又はアルキルアリーレニル(alkylarylenyl)基が挙げられ、これらのそれぞれは1つ以上のフルオロ基で置換され得る。いくつかの実施形態では、R基はメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、又はフルオロメチル基の少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、疎水基Rは、アルキル基、アリール基、アリールアルキレニル(例えばベンジル)基、アルキルアリーレニル基、又はこれらの組み合わせを有するシロキサンを含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、処理された多孔質粒子5は、処理されたシリカゲル粒子である。シロキサン上のアルキル基は、最高20、18、15、12、10、又は8個の炭素原子(例えば1〜20、1〜15、1〜10、1〜5、又は1〜3個の範囲の炭素原子)を有し、所望により1つ以上のフルオロ基で置換され得る。
【0041】
典型的に、外側表面積の主要部分(例えば、50パーセントより大きい、又は少なくとも51、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95パーセント)は、疎水基によって被覆される。いくつかの実施形態では、外側表面の実質的な部分(例えば、少なくとも90、95、96、97、98、又は99パーセント、最高100パーセント)は疎水基を含む。粒子の外側表面の被覆率を分析する技法は当該技術分野において既知である(例えば、赤外線、ラマン、及び核磁気共鳴分光法);例えばL.A.Belyakovaらの「Colloids and Surfaces A:Physicochemical and Engineering Aspects」(154(1999),pp.285〜294)を参照のこと。粒子の外側表面はまた、化学分析用電子分光法(ESCA)によっても分析することができる。ESCAは表面の様々な要素の原子パーセントを記録するのに使用することができる。結果は、例えば表面の特定の疎水基、及びそれらを表面に適用する方法によって決まる。いくつかの実施形態では、疎水基を含む外側表面の実質的な部分は、ESCAによって測定されたとき、表面にない多孔質粒子を形成する要素を指す。いくつかの実施形態(例えば、処理された多孔質粒子5が処理されたシリカゲル粒子である実施形態)では、外側表面は、X線光電子分光法によって測定されたとき、最高50オングストロームの深さまでケイ素原子を有さない。粒子の外側表面はまた、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)によっても分析することができる。TOF−SIMSは、通常は5〜20オングストロームの範囲の深さで、表面の化学組成を検出するのに使用することができる。結果は、例えば表面の特定の疎水基、及びそれらを表面に適用する方法によって決まる。相対定量は、SIMSを用いて、典型的に参照イオンの数に対する対象の質量の数の比率、又は合計の積分スペクトル数に対する関心の質量の数の比率をとることによって可能である。
【0042】
典型的に、本明細書に開示される処理された多孔質粒子5は、処理された多孔質粒子が水の表面に浮かぶとき、疎水基を含むその外側表面の実質的な部分を有する。液体の表面張力が、気体/液体境界面において粒子上の重力のバランスを取るのに十分であるほど高いとき、粒子は表面に浮かぶと言われる。本開示に係る処理された多孔質粒子5が水の表面に撒かれた場合、処理された多孔質粒子5の湿潤性は、粒子が沈むのにかかる時間と相関し得る。一部の実施形態では、処理された多孔質粒子5は水の表面に無制限に残る。一部の実施形態では、処理された多孔質粒子5は水の表面に、少なくとも8時間、6時間、4時間、2時間、又は30分残る。浮遊粒子法は、粒子の表面湿潤性を評価するための、当該技術分野において既知の技法である;(例えば、M.Lazghabらの「Powder Technology」157(2005)、p.83を参照)。本開示による複数の処理された多孔質粒子5の外側表面の疎水性は、処理された多孔質粒子5を水の表面に撒いて単一層を形成することによって評価され得る。典型的に、粒子の少なくとも75パーセント(一部の実施形態では、80、85、90、又は少なくとも95パーセント)が水の表面に浮く。一部の実施形態では、この評価は1gの処理された多孔質粒子を、10ミリリットル(mL)のバイアル瓶内で20mLの水の表面に配置し、表面に粒子が浮かぶかどうかを観察することによって実施することができる。処理された粒子と水を含むバイアル瓶が振動されたとき、粒子は典型的に凝集する。経時的に、それらは典型的に分裂し、水中に再び浮かぶ。未処理の親水性粒子が水中で振盪されたとき、かかる凝集塊の形成は典型的に観察されない。かわりに、未処理の親水性粒子は典型的に水中に沈む。
【0043】
全ての疎水性の処理が、水の表面に浮く粒子を提供するわけではない。例えば、一部の疎水性の処理(例えば、表面疎水性基がプラズマ処理によってフッ素で置換されている)は、液体水との接触によって加水分解する場合がある。NFプラズマで処理された粒子は、水の表面には浮かばないが、反対に水中に沈むということがここで観察されている。本開示は、堅牢であり、それらが水の表面に配置されたときに、加水分解しない疎水性処理を提供する。
【0044】
本開示に係る処理された多孔質粒子5の疎水性の性質は、例えば当該技術分野において既知の技法を使用して、個々の粒子又はバルク粒子上の接触角測定を使用して評価することもできる。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子5上の液滴の接触角は、少なくとも120、110、100、又は95度(例えば、90〜100度、95〜110度、100〜115度、110〜130度、又は115〜125度)である。
【0045】
本開示に係る処理された多孔質粒子5の実施形態のいずれかにおいて、処理された多孔質粒子5の内側の孔表面は少なくとも部分的に親水性である。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子5の内側の孔表面は、それらが親水性の官能基を有するとき、親水性であるといわれる。親水性官能基には典型的に、粒子の性質によってヒドロキシル基、シラノール基、又は他の金属酸化物基が挙げられる。一部の実施形態では、多孔質粒子1は、ヒドロキシル基又はシラノール基を含む内側の孔表面を有し、処理された多孔質粒子5は、処理の前に多孔質粒子1中に存在していた少なくとも50、60、70、75、80、85、又は90パーセントのヒドロキシル基又はシラノール基を有する。多孔質粒子の内側の孔表面を評価する方法は、当該技術分野において既知である。例えば、吸収技法(例えば、メタノール、エタノール、水、ベンゼン、又は窒素)は一般に使用される。多孔質粒子における表面積の大きな割合は、内側の孔表面内であるため、内側の孔表面の湿潤性が変化したときに、吸収における大きな変化となる。内側の孔表面は、例えば、処理された多孔質粒子5が、一般的な吸収技法を使用して測定されたときに、処理前に多孔質1中に存在していた少なくとも90、95、96、97、又は98パーセントのヒドロキシル基又はシラノール基を有するとき、「実質的に未処理である」ということができる。多孔質粒子は、断面にされてもよく、それらの内部の化学組成は上記のようにESCA又はTOF−SIMSを使用して分析されてもよい。いくつかの実施形態では、これらの技法を使用して、処理された多孔質粒子の内部上では、観察される疎水基はごくわずか又は全くない。これらの実施形態では、内側の孔表面は「実質的に未処理である」ということができる。一部の実施形態では、本明細書に開示の処理された多孔質粒子の内側の孔表面は、TOF−SIMSによって明らかなように、アルキル基又はアリール基をわずかに有するか又は殆ど有さず、任意にフッ素で置換されている。TOF−SIMSの場合では、典型的に、親水基の数に対する疎水基の質量の数の比率をとることによって、親水性官能基に対する疎水性官能基の相対定量が可能である。外側表面からの数の比は、内側表面からの数の比と比較することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される処理された多孔質粒子5は、30℃及び相対湿度50%において、24時間後にそれらの重量の少なくとも20重量%(いくつかの実施形態では、少なくとも22、25、28、30、又は32)の水蒸気を吸収する。一般的に、この吸収は液体水のない状態で湿度チャンバ内において実施され、粒子の重量を測定するために化学天秤が使用されている。本明細書に開示される多孔質粒子1又は処理された多孔質粒子5によって吸収され得る水蒸気の量は粒子のタイプによる。例えば、シリカゲル粒子は典型的に、水中においてそれらの重量の約40パーセントを吸収すると報告されている。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子は、30℃及び相対湿度80パーセントにおいて、疎水基を含まない比較用の複数の粒子の水蒸気取り込みの少なくとも50、55、60、65、70、75、又は80%である水蒸気取り込みを有する。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子の内面は、それらが30℃及び相対湿度80パーセントにおいて、疎水基を含まない比較用の複数の粒子の水蒸気取り込みの少なくとも60、65、70、75、又は80%である水蒸気取り込みを有するとき、「実質的に未処理である」と言われる。疎水基を含まない比較用の複数の粒子は、疎水性処理を有さないことを除き、複数の処理された粒子と同じである複数の粒子を指す。例えば、比較用の複数の粒子は、複数の処理された粒子と同じ寸法及び孔径分布を有し、かつかかる粒子が処理される前に処理された多孔質粒子と同じ化学組成を有する。
【0047】
本開示に係る処理された多孔質粒子5には、シリカゲル粒子、処理されたモンモリロナイト粘土粒子、処理されたゼオライト粒子、処理されたモレキュラーシーブ、及び処理された活性炭が挙げられる。処理された多孔質粒子は、0.075ミリメートル(mm)〜10mm(例えば0.1mm〜10mm、0.5mm〜5mm、又は0.5mm〜1mm)の範囲の平均粒度を有する場合がある。処理された多孔質粒子が乾燥剤として使用されるとき、メジアン孔径は、孔が水分子へのアクセスを可能にするのに十分大きい限り、様々であってもよい。いくつかの実施形態では、内側孔は1ナノメートル(nm)〜10nm(例えば、2nm〜3nm、2nm〜7nm、4nm〜7nm、8nm〜10nm、又は4nm〜10nm)の範囲の中位径を有する。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子は、二峰性多孔質構造を有し、ここでは孔は列挙された範囲の任意から選択された、2つの異なるメジアン径を有する。処理前の多孔質粒子1は、様々な市販の供給源から入手することができる(例えば、AGM Container Controls,Inc.(Tucson,AZ);International Silica Gel Co.,LTD(Shandong,China);及びSIGMA−ALDRICH(St.Louis,MO))。一部の実施形態では、処理された多孔質粒子は、色変化表示(例えば塩化コバルト)を含み、水分を吸収すると、色の変化を示す。
【0048】
シリカゲル粒子の疎水性処理は一般に既知であるが、この疎水性処理は、外側表面及び内側の孔表面を疎水性にするために設計されている。外側表面及び内側の孔表面を疎水性に処理するための方法から得ることができる部分的に処理された粒子は、外側表面が十分な量の疎水基によって被覆されていない場合、又は疎水基が水との接触で加水分解した場合、水中に浮かばない場合がある。かかる部分的に処理された粒子は、外側表面及び内側表面の大半が疎水性にされた場合、例えば水中におけるそれらの重量の少なくとも20パーセントを吸収しない場合がある。典型的に、シリカゲル粒子の疎水性処理のこれまで既知の溶媒及び蒸発技法は、内側の孔表面が処理されていない点における反応を容易に停止させることができない。また、唯一の処理剤としての高周波四フッ化炭素プラズマは、シリカゲルの内側の孔表面及び外側表面を処理する。K.Furukawaらの「Journal of Materials Science Letters」(19(2000),pp.1545〜1547)を参照。
【0049】
反対に、本開示に係る処理された多孔質粒子及び/又は本開示により調製された処理された多孔質粒子は、親水性の内側の孔表面を含み、これは、処理された粒子が例えば乾燥剤として有用であるのを可能にする。外側表面及び内側の孔表面の両方が疎水性である疎水性シリカゲルは、乾燥剤としては有用ではない。いくつかの実施形態では、複数の処理された多孔質粒子は、25パーセント未満(一部の実施形態では、20、15、10、5、4、3、2、又は1パーセント未満)の粒子を含み、ここでは外側表面及び内側の孔表面の両方は疎水基で処理される。この複数の処理された多孔質粒子は、実質的に粒子を含まないものとして呼ぶことができ、ここでは外側表面及び内側の孔表面の両方は疎水基で処理される。
【0050】
粒子の作製方法
上記の実施形態のいずれかによる処理された多孔質粒子5を作製する方法は、多孔質粒子1の外側表面を疎水剤で処理することを含み、その一方で多孔質粒子の内側の孔表面が実質的に未処理のままであるのを可能にする。「実質的に未処理」は、上記と同じ意味を有する。いくつかの実施形態では、多孔質粒子1の外側表面のみが疎水剤で処理される。
【0051】
多孔質材料のプラズマ処理の方法は米国特許第6,878,419号(Davidら)に提供されている。また、粒子のプラズマ処理の方法及び装置は米国特許第6,015,597号(David)及び同第6,197,120号(David)に提供され、その開示は本明細書において参照により組み込まれる。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子を作製する方法は、多孔質粒子の外側表面の少なくとも一部分上にケイ素、水素、及び炭素を含む層をプラズマ蒸着によって形成することを含む。この層を形成することは、アルキルシラン、アルコキシシラン、アルキレンポリシラン、アルキルポリシラン、アルケニルシラン、アリールシラン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択された有機ケイ素化合物を含むガスをイオン化させることによって実施され得る。代表的なアルキルシランには、テトラメチルシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、ジエチルシラン、ジエチルメチルシラン、プロピルシラン、トリメチルシラン、及びエチルシランが挙げられる。代表的なアルコキシシラン及びシロキサンには、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)及びテトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)が挙げられる。代表的なアルキレンポリシランには、ジシラノメタン、ビス(メチルシラノ)メタン、1,2−ジシラノエタン、1,2−ビス(メチルシラノ)エタン、2,2−ジシラノプロパン、ジメチルジシラノエタン、ジメチルジシラノプロパン、テトラメチルジシラノエタン、及びテトラメチルジシラノプロパンが挙げられる。代表的なアルケニルシランには、ビニルメチルシラン、ジビニルジメチルシランが挙げられる。代表的なアリールシランには、フェニルシラン、フェニルジメチルシラン、及びフェニルトリメチルシランが挙げられる。代表的なアルキルポリシランには、1,1,2,2−テトラメチルジシラン、ヘキサメチルジシラン、1,1,2,2,3,3−ヘキサメチルトリシラン、及び1,1,2,3,3−ペンタメチルトリシランが挙げられる。有機ケイ素化合物は、例えばアミノ基、ヒドロキシル基、及び/又はハロ(例えばフルオロ、ブロモ、クロロ)基などの置換基を有してもよいが、典型的にはそれらは非置換である。いくつかの実施形態では、有機ケイ素化合物は、少なくとも1つのC−H結合を有し、これはsp3、sp2、又はsp C−H結合であってもよい。典型的には、有機ケイ素は複数のC−H結合、例えば少なくとも2の、少なくとも3の、少なくとも5の、少なくとも9の、及び/又は更に少なくとも12の、又はそれ以上のC−H結合を有する。典型的には、有用な有機ケイ素化合物は、プラズマが形成されるプラズマ処理条件下で十分な蒸気圧を持つ。
【0052】
処理された多孔質粒子を作製する方法のいくつかの実施形態では、本方法は、ケイ素、水素、及び炭素を含む層の少なくとも一部分をフッ素化化合物で処理することを更に含む(例えば、プラズマ蒸着又は堆積)。フッ素化化合物は典型的に炭化水素であり、ここでは水素原子の少なくとも一部はフッ素原子によって置き換えられている。フッ素化化合物は、直鎖状、分枝状、又は環状であってもよく、かつ十分に飽和されてもよく、又は部分的に不飽和であり得る。フッ素化化合物は典型的に、最高5炭素原子を含有する(例えば最高4、3、又は2)。プラズマ蒸着に関しては、フッ素化化合物は典型的に、少なくとも2又は3つの炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、フッ素化化合物は、過フッ素化されている(すなわち、全てのC−H結合はC−F結合に置換される)。いくつかの実施形態では、フッ素化化合物は、パーフルオロプロパン、四フッ化炭素、トリフルオロメタン、ジフルオロメタン、ペンタフルオロエタン、パーフルオロプロペン、パーフルオロブタン、及びパーフルオロブテン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0053】
いくつかの実施形態では、プラズマ処理は2つの工程で行われる。例えば、処理された多孔質粒子を作製する方法が、プラズマ蒸着によって多孔質粒子の外側表面の少なくとも一部分上にケイ素、水素、及び炭素を含む層を形成することと、ケイ素、水素、及び炭素を含む層の少なくとも一部分を、フッ素化化合物でプラズマ蒸着によって処理することと、を含むとき、第1のプラズマ処理は典型的に真空下で多孔質粒子1をガスで処理すること(例えば、上記のような有機ケイ素化合物)及びプラズマを点火することを含む。理論によって束縛されることを意図しないが、ガスが例えばテトラメチルシラン(TMS)であるとき、処理された多孔質粒子の外側表面は、メチル基を含む層で被覆され、これは疎水性の外側表面をもたらすと考えられる。第2のプラズマ処理は、使用されるとき、典型的に、処理された多孔質粒子5を真空下で第2のガスで処理すること(例えば、上記のフッ素化化合物)及びプラズマを点火することを含む。理論によって束縛されることを意図しないが、第2の工程は、多孔質粒子の表面の水素の一部(例えばC−H結合)をフッ素で置換し、表面にCF、CF、又はCF基を生成すると考えられる。フルオロケミカルプラズマの蒸着が使用される場合(例えば、少なくとも2又は3の炭素原子を有するフルオロケミカルを用いて)、フッ化炭素種を含む層が表面に形成されると考えられる。2つの処理工程のそれぞれは、例えばそれぞれ少なくとも合計5、10、20、30、45、又は60分間、又はそれより長く実施されてもよい。典型的に、プラズマ処理は最高約1000、750、500、250、100、又は75mトール(133、100、67、33、13、又は10Pa)の圧力で実施される。
【0054】
プラズマ処理は一般的に、プラズマに暴露される外側の表面積の量を最大にするために多孔質粒子1の混合を必要とする。プラズマ処理が実験室規模で実施されるとき、この混合は手で行われる場合がある。例えば、上記の2工程のプロセスでは、各工程は、多孔質粒子を攪拌するために何度も(例えば2、3、又は4回)中断される場合がある。ガスはそのとき、再び導入され、プラズマは再点火される。より大きな規模の処理では、混合は、例えばプロセス中に連続的に回転することができる混合パドルを用いて実施されてもよい。
【0055】
本開示に係る、プラズマを使用して処理された多孔質粒子を作製する方法はまた、少なくとも1つの接地された電極と、高周波源を動力とした少なくとも1つの電極を含む、容量的に結合されたシステムを有する反応チャンバを提供することと、反応性種を含むプラズマを少なくとも1つの電極の周囲でイオンシースを形成させるチャンバ内で生成することと、複数の多孔質粒子をイオンシース内に配置することと、を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の多孔質粒子を、それらの外側表面がプラズマ内で反応性種に暴露する方式で攪拌することを更に含む。
【0056】
上記のプラズマ処理では、プラズマ(例えば、シランプラズマ又はフッ素プラズマ)は、ガス状の構成成分が、外側表面が疎水性になるのを防げない限り、他のガス状構成成分、例えば窒素又はアンモニアを含んでもよい。したがって、ガスが使用される実施形態において、用語「ガス」は、単一化合物又は2つ以上の化合物の混合物を指す。
【0057】
プラズマ処理は、それが典型的に粒子の外側表面のみを処理するため、特有の構造体を備える処理された多孔質粒子を提供することができる。典型的に、本明細書で開示される処理された多孔質粒子に関して、孔径は最高で数十ナノメートルの範囲であり、その一方でプラズマ内の反応種の平均自由行程(すなわち種が他の種と衝突する前に、種によって移動される平均距離)は20マイクロメートル未満ではない。また、プラズマ蒸着法は、表面に疎水性種の層を形成することができる。上記の実施形態のいずれかに記載される方法は、外側表面及び内側の孔表面を含む、処理されたシリカゲル粒子を提供することができ、ここでは、X線光電子分光法により測定され、外側表面は最高で50オングストロームの深さまで、最高で5(例えば、4、3、2.5、2、又は1)原子パーセントのケイ素原子を有する。これらの実施形態の一部では、外側表面はケイ素原子を含まない。いくつかの実施形態では、プラズマ処理によって調製された、処理された多孔質粒子は、X線光電子分光法により測定されたときに、その外側表面の外側の50オングストローム上に少なくとも10、20、30、又は40原子パーセントを有する。いくつかの実施形態では、プラズマ処理によって調製された、処理された多孔質粒子は、X線電子分光法により測定されたときに、その外側表面の外側の50オングストローム上に20、15、10、又は5原子パーセント未満を有する。これらの実施形態のいずれかにおいて、内側の孔表面は典型的に少なくとも部分的に親水性である。
【0058】
いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子の上記の実施形態のいずれかに従って処理された多孔質粒子5を作製する方法は、多孔質粒子1を水蒸気、メタノール蒸気、又はエタノール蒸気の少なくとも1つに暴露することと、多孔質粒子をその後に、多孔質粒子を反応性オルガノシラン化合物を含む第2の蒸気に暴露することと、を含む。この方法は以下、「第2の方法」という。シリカの表面を反応性オルガノシラン化合物で処理することは、例えば半導体及び印刷産業では既知である。半導体産業では、シリコンウェーハはジクロロジメチルシラン蒸気で処理されている。プリンタのトナーカートリッジでは、内側の孔表面及び外側表面の両方上で、ジクロロジメチルシランで処理されたシリカゲル粒子が潤滑剤として使用される。非多孔質のシリカ粒子の評価において、ジクロロジメチルシランとシリカ表面との間の反応が、表面水の存在によって強化されるということが示されている。本明細書で開示される方法のいくつかの実施形態では、蒸気相反応性オルガノシラン化合物と多孔質粒子1との間の反応は、粒子の内側の孔表面の乾燥剤容量に影響を与えることなく、多孔質粒子の外側表面に疎水基を優先的に組み込むのが予想外に見出された。
【0059】
処理された多孔質粒子5を作製する第2の方法の第1の工程において、多孔質粒子1は水蒸気、エタノール蒸気、又はメタノール蒸気の少なくとも1つに暴露される。この暴露は、周囲気圧(例えば、湿度チャンバ内にて、例えば相対湿度50〜95%において)又は減圧された圧力において(例えば、図3A及び3Bに示される装置300を使用して)、及び周囲温度又は高温において(例えば、25℃〜40℃、又は25℃〜35℃の範囲)で実施され得る。理論に束縛されるものではないが、いくつかの実施形態では、水蒸気、メタノール蒸気、又はエタノール蒸気の少なくとも一部が、多孔質粒子の複数の孔の少なくとも一部分内で凝縮し、これによって少なくとも部分的に内側孔表面を塞ぐ。
【0060】
処理された多孔質粒子5を作製する第2の方法の第2の工程において、多孔質粒子1は、反応性オルガノシラン化合物を含む第2の蒸気に暴露される。この暴露は典型的に減圧下で実行され(例えば0.5トールから150トールまでの範囲で(67Pa〜2×10Pa))、周囲温度若しくは高温(例えば、25℃〜40℃、又は25℃〜35℃の範囲)で実施される。いくつかの実施形態では、反応性オルガノシランを含む蒸気は、それが粒子と接触するとき、少なくとも400Pa、650Pa、1000Pa、1300Pa、又は少なくとも10000Paの圧力である。反応性オルガノシラン化合物を含む蒸気が少なくとも1000Pa(例えば約1300Pa)だったとき、乾燥剤としての粒子の性能(例えば、水性液体に暴露されたとき)が改善されたと見出されている。理論によって束縛されることを意図しないが、少なくとも1000Paの圧力は、反応性オルガノシラン化合物が、粒子の孔内に拡散するのを最小限にし、よって処理は外側表面に残ると考えられる。都合のよいことに、10トール(1300Pa)のプロセス圧力は、反応性オルガノシラン化合物の蒸気圧が10トール(1300Pa)より高いときに使用することができ、典型的に、粒子の孔の内側の水蒸気、エタノール蒸気、又はメタノール蒸気はこの圧力では排出されない。
【0061】
上記の第1の工程又は第2の工程のいずれかにおいて、本方法は、複数の多孔質粒子を、それらの外側表面が、水蒸気又は第2の蒸気の少なくとも1つに暴露する方式で攪拌することを更に含み得る。
【0062】
この第1の工程及び第2の工程は、例えば図3A及び3Bに示される装置300を使用して実施することができる。図3Aに示されるように、2つの液体ホルダーアセンブリ360(1つは反応性オルガノシラン化合物用、もう1つは水用)は、真空ポンプ350に接続された真空チャンバ340に蒸気を送達するために使用することができる。真空チャンバは典型的に、最高10−6トール(10−4Pa)までのバックグラウンド圧力まで排気することができる中空のシリンダーである。各液体ホルダーアセンブリは、一端で密封された真空対応ガラス管362、364、及び蒸気源のオン/オフを制御するための取り付けられたバルブ366を含むことができる。例えば、上記のように湿度チャンバ内で水蒸気への暴露が実施された場合、2つの液体ホルダーアセンブリのうちの1つ(管362を含むもの)は使用される必要はない。真空チャンバ340の内側は、蒸気のための入口ポート330を有する粒子攪拌器320である。反応性オルガノシラン化合物を含む第2の蒸気は、例えばマスフローコントローラ又はニードル弁を使用して、チャンバ340へと計量され得る。消費された反応性オルガノシランの質量は、従来の技法を使用してモニターされ得る。
【0063】
代表的な粒子攪拌器320は、図3Bにおいてより詳細に示されている。粒子攪拌器320は、矩形の開口部328を備える中空のシリンダーである。攪拌器320は、その軸と位置合わせしたシャフト326に適合され、そこには4つの矩形のブレード322がボルトで固定され、これは粒子のための攪拌器機構、すなわちパドルホイールを攪拌器320に形成する。ブレード322はそれぞれ、ブレード322及び攪拌器シリンダー320によって形成される4つの四分円のそれぞれに含まれる粒子体積間の伝達を促進するために2つの穴44を含む。この装置300の使用のモードは以下の実施例に記載されている。
【0064】
図4A〜4Dは、本明細書に開示される、処理された多孔質粒子の作製の第2の方法の異なる実施形態を示し、ここでは水蒸気への暴露は異なる長さの時間で実施される。粒子420は、水蒸気への暴露の前に、従来の乾燥技法を使用して乾燥されてもよい。図4A〜4Dに図示される粒子401は、異なる長さの時間における水蒸気への暴露から生じる異なる量の吸収された表面水と、異なる量の表面ヒドロキシル基を有する。図4Dは、水蒸気に対して最も長い暴露時間を示し、図4Aは最も短い暴露時間を示し、図4B及び4Cは中間の暴露時間を示す。図4A〜4Dに示される実施形態における粒子440は、反応性オルガノシラン化合物への暴露により生じ、これは表面水及び/又は表面シラノールが粒子401内に存在する領域において反応する。図4A〜4Dにおいて図示される、処理された多孔質粒子405は、残存する吸収された表面水を除去するために乾燥されている。粒子401を生じさせる水蒸気への暴露の長さによって、処理された多孔質粒子405は異なるレベルの被覆率を有し得る。非均一な処理は水蒸気への短時間の暴露から生ずる場合がある一方で、より長い暴露時間は、疎水基のより均一な被覆と、乾燥剤及び粒子のより良く、より安定した性能(例えば液体水に暴露されたとき)を生ずることができる。いくつかの実施形態では、多孔質粒子を水蒸気に暴露することは、少なくとも15、20、25、又は30分から最高約1、2、又は3時間実行される。反応性オルガノシラン化合物に対する暴露の時間はまた、表面の疎水基の量に影響を与える場合がある。
【0065】
いくつかの実施形態では、本開示に係る処理された多孔質粒子を作製する方法は、蒸気が多孔質粒子に到達する前に、蒸気相でオルガノシランを事前に反応させる、又は事前に重合することを含む。本試験方法は以下「第3の方法」と呼ばれる。蒸気相でオルガノシランを事前に重合させて、二量体、三量体、及びより大きなオリゴマーを形成することにより、生じる二量体、三量体、及びより大きなオリゴマーは、事前に重合されたオルガノシランが多孔質粒子の孔内に侵入するのを排除するのに十分な分子の大きさに到達する。この方法は、例えば広い分布の粒径を有する多孔質粒子にとって有利であり得る。しかしながら、DDMSの二量体、三量体、及びより大きなオリゴマーは、周囲条件においてより低い蒸気圧を有し、真空チャンバの内側表面に凝集する傾向があるため、処理時間を著しく長くする必要があるか、又は処理条件(例えば、温度、圧力、オルガノシラン、及び水、メタノール、又はエタノール水蒸気圧等)を最適化させる必要があり得る。
【0066】
多孔質粒子5の外側表面を処理するための第3の方法のいくつかの実施形態では、オルガノシラン蒸気を、真空チャンバ及び表面処理される粒子の表面に送達するための、代替方法が有利なことに採用されてもよい。第3の方法を実施するための1つの代表的な装置301の概略は、図3Cにおいて概略的に示されている。図3Cに示されるように、2つの液体ホルダーアセンブリ360(1つは反応性オルガノシラン化合物用、もう1つは水、メタノール又はエタノール用)は、真空チャンバ340に蒸気を送達するために使用され得る。真空チャンバ340は、約10−6トール(10−4Pa)までのバックグラウンド圧力に真空チャンバ340を排気することができる真空ポンプ350に接続される。真空チャンバ340の内部は、合わさせられた第1及び第2の蒸気流のために単一の入口ポート382を有する粒子攪拌器320(これは全体的に図3Bに示され得る)である。
【0067】
図3Cに示されるように、1つの液体ホルダーアセンブリは、一端で密封された真空対応管364と、反応性オルガノシラン化合物を含む蒸気源のオン又はオフのための取り付けられたバルブ366と、を含むことができる。第2の蒸気源は、流量測定手段(例えば、マスフローコントローラ374及び/又はニードルバルブ372)を介して源376から、液体水、メタノール、エタノールを含むガス泡立て器368に浸漬されたガス分散管370内へ不活性ガス(例えば窒素)を通過させることによって形成さすることができ、これによって水、メタノール、又はエタノール蒸気と平衡にある不活性ガスの泡378を形成する。
【0068】
水、メタノール、又はエタノール蒸気を含有する不活性ガスは、環状の混合ノズル380内へ通過し、そこではそれは、出口管382(これは粒子攪拌器320の入口管330に接続する。図3Bを参照)を通じて粒子攪拌器320内を通過する前に、オルガノシラン化合物と混合する。取り付けられたバルブ366は、第1の蒸気源及び第2の蒸気源のオン又はオフのために使用されてもよい。消費された反応性オルガノシランの質量は、従来の質量平衡技法を使用してモニターされ得る。
【0069】
多孔質粒子を処理する第3の方法では、プロセスパラメータは、第2の方法で使用されるものと類似であるが、しかしながら、第3の方法は、水、メタノール、又はエタノール蒸気と、オルガノシランとの予備混合物を真空チャンバへ送達することが意図されている。蒸気、メタノール蒸気、若しくはエタノール蒸気の少なくとも1つの所定量を、又は環状の混合ノズル380においてメタノール蒸気を生成するために、水/メタノール泡立て器368を通じた窒素の既知の流量を通過することによって、急速にオルガノシランモノマーを重合して、より高い分子量のオリゴマーを形成することが可能である。環状の混合ノズル380において水、メタノール、又はエタノール蒸気の量を制御することによって、所望の二量体、三量体、又はより大きなオリゴマー形成は、多孔質粒子上に反応生成物が蒸着する前に達成することができる。
【0070】
本明細書に開示の処理された多孔質粒子を作製する第2の方法又は第3の方法のいくつかの実施形態では、本方法は、多孔質粒子を水蒸気、メタノール蒸気、又はエタノール蒸気の少なくとも1つ及びオルガノシラン蒸気に暴露する前に、多孔質粒子を、反応性オルガノシランとは非反応的な揮発性化合物を含む第3の蒸気に暴露することを更に含み、揮発性化合物の少なくとも一部分は、多孔質粒子の複数の孔の少なくとも一部分内に凝集し、これによって少なくとも部分的に内部の孔表面を塞ぐ。
【0071】
これらの実施形態のいくつかでは、揮発性化合物は、分子窒素、二酸化炭素、メタン、エタン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。特定のかかる例示の実施形態では、本方法は、反応性オルガノシラン化合物を含む第2の蒸気に、多孔質粒子を暴露させた後に、凝結した揮発性化合物を孔から実質的に除去することを更に含み、任意に、凝結した揮発性有機化合物を孔から除去することは、粒子を加熱すること、粒子を真空に暴露すること、又はこれらの組み合わせによって達成される。
【0072】
上記の第2又は第3の方法の前述の実施形態のいずれかを含め、いくつかの実施形態では、反応性オルガノシラン化合物は、25℃において133Pa〜26,600Paの蒸気圧力を有する。いくつかの実施形態では、多孔質粒子の外側表面を処理することは、1,330Pa〜26,600Paの合計蒸気圧において行う。
【0073】
上記の第2又は第3の方法の前述の実施形態のいずれかを含め、いくつかの実施形態では、複数の孔は、最高4nmまでのメジアン孔径を呈し、反応性オルガノシラン化合物を含む蒸気に対する、多孔質粒子の暴露は1,330Pa〜19,950Paにおいて生じる。他の実施形態では、複数の孔は、4nmを超えるメジアン孔径を呈し、反応性オルガノシラン化合物を含む蒸気に多孔質粒子を暴露することは6,650Pa〜26,600Paにおいて生じる。後者の圧力範囲は例えば、第2の方法が幅広い孔径分布を有する多孔性粒子を処理するのに使用されるときに有用である。
【0074】
上記の第2又は第3の方法の前述の実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、本方法は更に、反応性オルガノシラン化合物を含む第2の蒸気に多孔質粒子を暴露した後に、凝集された水蒸気、メタノール蒸気、又はエタノール蒸気を孔から実質的に除去することを含み、所望により、凝縮された水蒸気、メタノール蒸気、又はエタノール蒸気を孔から実質的に除去することは、粒子を加熱すること、粒子を真空に暴露すること、又はこれらの組み合わせによって達成される。
【0075】
本明細書に記載の方法の前述の実施形態のいずれかを含め、いくつかの実施形態では、本方法は処理された多孔質粒子を酢酸に暴露することを更に含む。得られる粒子は、それらの孔内で酢酸を含む場合があり、これは例えば、処理された多孔質粒子が臭気抑制剤として使用される状態で有用であり得る。
【0076】
上記の第2及び第2の方法の前述の実施形態のいずれかを含め、いくつかの実施形態では、反応性オルガノシラン化合物は式RSiY4−xによって表され、式中、Yはそれぞれ独立して加水分解可能な基であり、これはハロゲン(すなわち−F、−Cl、−Br、又は−I)、アルコキシ(例えば1〜6、1〜4、又は1〜2の炭素原子を有する)、アリールオキシ(例えばフェノキシ)、又はアクリロキシ(例えば1〜6、1〜4、又は1〜2の炭素原子を有する)からなる群から選択されてもよく、各Rは独立してアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキレニル、又はアルキルアリーレニルであり、これらのそれぞれは任意に置換されてもよく(例えばシアノ又はハロゲンで)、xは1、2、又は3である。いくつかの実施形態では、xは、1又は2である。いくつかの実施形態ではYはハロゲン又はアルコキシである。典型的にYはクロロである。いくつかの実施形態では、各Rはアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−オクタデシルシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、又はメチルシクロヘキシル)である。いくつかの実施形態では、各Rは、独立してメチル、エチル、又はフェニルである。いくつかの実施形態では、各Rはメチルである。代表的なアルケニル基は、ビニル、アリル、及び5−ヘキセン−1−イルを含む。代表的なアリール基には、フェニル、ナフチル、アンスリル、及びフェナンスリルが挙げられる。代表的なアルキルアリルエニル基には、o−、m−、p−トリル、キシルイル、及びエチルフェニルが挙げられ、代表的なアリールアルキレニル基にはベンジル及びα−及びβ−フェニルエチルが挙げられる。代表的なフルオロアルキル基には、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル、2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル、8−ヘプタフルオロイソプロピルが挙げられる。式RSiY4−xによって表される多くの反応性オルガノシラン化合物は市販されており(例えば、Huls America,Inc.(Cincinnati,OH)、及びSigma−Aldrichから)、式RSiY4−xによって表される他のオルガノシラン化合物は、既知の方法によって調製することができる。いくつかの実施形態では、反応性オルガノシラン化合物は、ジクロロジメチルシラン、ジクロロジエチルシラン、トリクロロメチルシラン、クロロトリメチルシラン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0077】
理論に束縛されることを意図しないが、式RSiY4−xによって表される反応性オルガノシラン化合物はまず、事前に吸収された表面水と加水分解し、シラノールを形成する。シラノールは、表面の−SiOH基、及び/又は反応性オルガノシラン化合物の他の分子と縮合反応して、短いポリシロキサン単位を作る。末端の−SiOH基を備えるポリシロキサンはまた、縮合反応を通じて表面のシラノール基と反応することができる。得られるシロキサン及びポリシロキサン上で、式RSiY4−xによって表されるオルガノシラン化合物からのR基は、処理された多孔質粒子の表面を疎水性にする。
【0078】
吸収性物品
本開示に係る処理された多孔質粒子は、例えば、吸収性物品内に組み込まれる乾燥剤として有用であり得る。吸収性物品は典型的に、吸収性構成要素と、特にどのように吸収性物品か着用されるか、又は使用されるかという他の構造的構成要素と、を含む。代表的な吸収性物品、生理用ナプキン500が図5に示されているが、他の吸収性物品が検討される(例えば腋窩パッド、胸パッド、ドレスシールド、脚パッド、創傷包帯、おむつ、ベッドパッド若しくはライナー、失禁用下着)。いくつかの実施形態では、吸収性物品は使い捨てである。
【0079】
本開示による吸収性物品は、吸収性材料及び本明細書に記載の複数の処理された多孔質粒子を含む。吸収性材料は典型的に、液体(例えば水性液体)を吸収し、かつ保持することができる天然、合成、又は修飾された天然有機ポリマーである。いくつかの実施形態では、ポリマーは架橋される。用語「架橋される」は、通常は水溶性材料を、実質的に非水溶性であるが膨潤性に効果的にする任意の手段を指す。かかる手段の例には、物理的エンタングルメント、結晶性ドメイン、共有結合、イオン錯体及び会合、親水性会合、例えば水素結合、及び疎水性会合、又はファンデルワース力が挙げられる。かかる吸収性材料は通常、液体を急速に吸収し、通常は開放せずにそれらを保持するように設計されている。本明細書で使用されるとき、用語、吸収性材料は乾燥剤粒子を含むことを意味しない。いくつかの実施形態では、吸収性材料は通常、平方センチメートル当たり少なくとも約0.05gの液体を保持することができ、これは吸収性材料を蒸留水に浸漬し、水から試料を取り除き、試料を30秒間、液滴させることによって測定され得る。いくつかの実施形態では、吸収性材料は、以下の実施例のセクションで提供される試験方法によって測定されるとき、その重量の少なくとも約100パーセント(例えば、少なくとも150、200、250、300、350、又は400パーセント)の水を吸収することができる。
【0080】
吸収性構成要素は、任意の数の形状を有してもよい(例えば、矩形、I形状、又はT形状)。吸収性構成要素の寸法及び吸収能力は、意図された着用者の寸法、及び吸収性物品の意図された使用によって付与される液体荷重と適合性がなければならない。吸収性材料は区分されてもよく、それらの組成物は液体を、侵襲してくる原因のその最初の位置から外へ、より離れた保管場所へ移動するように選択される。かかる設計は、吸収性物品内の空間をより効率的に利用する。いくつかの実施形態において、吸収性材料は複数の処理された多孔質粒子と直接接触する。例えば、処理された多孔質粒子は吸収性物品内に充填されるべきSAP又は木材パルプと混合されてもよい。他の実施形態において、処理された多孔質粒子は吸収性物品内に配置されるウェブ上で固定されてもよい。
【0081】
本開示による吸収性構成要素及び/又は本開示による吸収性材料を含む複数の粒子のいくつかの実施形態では、吸収性材料はセルロース材料、SAP、又はこれらの混合物である。本開示による吸収性構成要素のいくつかの実施形態では、吸収性材料はアクリル発泡体吸収剤(例えば、米国特許第5,817,704号(Shiveleyら)であり、そこに引用されている参照文献は、例えば、高内相エマルションの重合によって調製される)。いくつかの実施形態では、吸収性構成要素は親水性繊維のマトリックス(例えば、木材パルプ羽毛、合成メルトブロー繊維、又はこれらの組み合わせ)及びSAP材料の混合物を含む。SAP粒子は実質的に、親水性繊維と均一的に混合されてもよく、又は非均一に混合されてもよい。同様に、吸収性材料及び本開示に係る処理された多孔質粒子は実質的に、均一的に混合されても、又は非均一に混合されてもよい。親水性繊維及び超吸収体粒子は、身体の排出物をより良く含み、かつこれを吸収するために、吸収性構成要素の所望の区域に選択的に配置されてもよい。SAP粒子の濃度はまた、吸収性構成要素の厚さを通じて様々であってもよい。いくつかの実施形態では、吸収性構成要素は繊維ウェブの積層体及びSAP、又は局限された範囲に超吸収体材料を維持するのに好適な他の手段を含む。
【0082】
本開示による吸収性構成要素及び/又は本開示による吸収性材料を含む複数の粒子のいくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子と吸収性材料の重量比は0.5:1〜1:1.5の範囲である。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子及び吸収性材料の量はほぼ同じである(例えば0.9:1〜1:1.1の範囲である)。しかしながら、吸収性構成要素の構成要素の比率は、一部の用途に関してはこの範囲外であってもよい。
【0083】
いくつかの実施形態(例えば、本明細書に開示される吸収性構成要素又は複数の粒子の実施形態)では、吸収性材料は木材パルプである。これらの実施形態のいくつかでは、吸収性構成要素又は複数の粒子は実質的にSAPを含まない。これらの実施形態では典型的に、本開示に係る処理された多孔質粒子によってもたらされる湿度低減の有益な効果は、乾燥剤を有さない対照試料では、より高い相対湿度が観察されたために、より明白である。木材パルプはより少ない液体を吸収し、かつSAPよりもよりも遅く吸収するため、湿度の基準レベルが上昇する。
【0084】
本明細書に開示の複数の粒子のいくつかの実施形態では、吸収性粒子又は繊維はSAPを含む。本明細書に開示の処理された多孔質粒子を含む複数の粒子及びSAPは、例えば他の吸収性材料(例えば木材パルプ)を含む吸収性物品又は吸収性構成要素において有用であり得る。処理された多孔質粒子に対するSAPの比率は、例えば99:1〜1:99、95:5〜5:95、90:10〜10:90、85:15〜15:85、80:20〜20:80、75:25〜25:75、又は70:30〜30:70の範囲であってもよい。
【0085】
SAP材料の例には、ポリ(アクリル酸)及びポリ(メタクリル酸)のアルカリ金属及びアンモニウム塩、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(ビニルエーテル)、ビニルエーテル及びアルファオレフィンとの無水マレイン酸コポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルモルホリノン)、ポリ(ビニルアルコール)、並びにこれらの混合物及びコポリマーが挙げられる。吸収性構成要素で使用されるのに好適な更なるポリマーには、天然及び修飾された天然ポリマー、例えば加水分解アクリロニトリルグラフト化デンプン、アクリル酸がラフト化デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及び天然ガム(例えば、アルギン酸、キサンタンガム、及びイナゴマメゴム)が挙げられる。天然又は全体として若しくは部分的な合成吸収性ポリマーもまた有用である。SAP材料は当業者に既知であり、広く市販されている(例えば、商品名「DRYTECH 2035」でDow Chemical(Midland,Mich)から、又は商品名「FAVOR SXM 880」でStockhausen Corporation(Greensboro,N.C.)から)。
【0086】
吸収性材料(例えばSAP)は多種多様の幾何学的形体であってもよい。いくつかの実施形態において、吸収性材料は別個の粒子の形体である。しかしながら、吸収性材料はまた、繊維、フレーク、ロッド、球、又は針の少なくとも1つの形体であってもよい。一般的な規則として、高い吸収性材料は、吸収性本体の合計重量を基準として、約5〜約90重量%の量で吸収性本体36内に存在する。
【0087】
いくつかの実施形態では、本開示による吸収性物品は、液体透過性トップシート、液体非透過性バックシート、並びに吸収性構成要素、又は上記の実施形態のいずれかに開示された、トップシートとバックシートの間の複数の処理された多孔質粒子を含む。かかる吸収性物品は典型的に、生理用ナプキン、おむつ、又は他の失禁用物品が挙げられる。本開示の吸収性物品の例示の実施形態の分解組立概略図は図5に示されている。
【0088】
図5を参照すると、吸収性物品500の厚さ方向において、トップシート520は、ユーザーの皮膚に対する層であり、よって液体又はユーザーからの排出物と接触する最初の層である。トップシート520は、吸収性構成要素560に保持される液体から、ユーザーの皮膚を隔離するのに役立ち、典型的に柔軟であり、柔らかい感触で、かつ刺激がない。
【0089】
様々な材料は、孔あきプラスチックフィルム、織物繊維、不織布ウェブ、多孔質発泡体、及び網目状発泡体を含む、本開示による吸収性物品内にトップシートを形成するのに使用することができる。いくつかの実施形態では、トップシートは不織布材料である。代表的な不織布材には、ポリマーフィラメントを形成する繊維のスパンボンド若しくはメルトブローンウェブ(例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、又はポリアミドフィラメント)、並びに天然ポリマー(例えば、レーヨン又は綿繊維)及び/又は合成ポリマー(例えばポリプロピレン若しくはポリエステル繊維に)の結合されたカードウェブが挙げられる。不織布ウェブは界面活性剤で表面処理されてもよく(例えば約0.05〜0.5重量パーセントの量で)、ないしは別の方法で処理されて、所望のレベルの湿潤性及び親水性を付与してもよい。界面活性剤が使用される場合、それは表面に移動する内部添加剤であってもよく、又は任意の従来の手段によってウェブに適用されてもよい(例えば、噴霧、印刷、浸漬、又はブラシコーティング)。
【0090】
バックシート540は、外側カバーと呼ばれることもあり、ユーザーから最も遠い層である。バックシート540は典型的に、薄い熱可塑性フィルム(例えばポリエチレンフィルム)から形成され、これは実質的に液体には不透過性である。バックシート540は、吸収性構成要素560内に含まれる身体の排出物が、着用者の衣類、寝具、又はおむつと接触する他の材料を濡らす又は汚すのを防ぐように機能する。いくつかの実施形態では、バックシートは、約0.5ミル(0.012ミリメートル)から約5.0ミル(0.12ミリメートル)までの初期厚さを有するポリエチレンフィルムである。より審美的に心地よい外観を提供するために、ポリマーフィルムはエンボス加工されてもよく、及び/又はマット仕上げにされてもよい。いくつかの実施形態では、バックシート540は、織布又は不織布の繊維状ウェブを含み、これは所望のレベルの液体不透過性を付与するように構成されているか、又は処理されている。他の実施形態において、バックシート540は織布若しくは不織布で、かつ熱可塑性のフィルムから形成されたラミネートを含む。いくつかの実施形態では、バックシート540は、蒸気又は気体の透過性微小多孔性の「通気性」材料を含み、これは実質的に液体に対して不透過性である。例えばバックシートが不織布を含むとき、バックシート540はまた、機械的締結具の嵌合部材の機能を果たす場合もある。
【0091】
いくつかの実施形態では、本開示による吸収性物品はまた、図5に示されるように獲得層580も含む。獲得層が提供され、侵入してくる侵襲物(incoming insult)を素早く許容し、その液体をいずれか吸収し、保持し、導き、ないしは別の方法で管理し、これによって液体が物品の外に漏れないようにする。獲得層はまた、例えばサージ(surge)層、摂取層、移動層、又は移送層と呼ばれる場合がある。獲得層は一般に、例えば幼児に関して約5〜20mL/秒の侵襲物の体積流量において、約60〜100ミリリットル(mL)の侵入してくる侵襲物を処理することができる。
【0092】
獲得層580は典型的に、トップシート520と他の層(例えば吸収性構成要素560)との間に配置される。獲得層580は、ユーザーの皮膚と反対側の表面において全体的に隣接するトップシート520である。液体の移動を強化するために、獲得層580の上方表面及び/又は下方表面を、トップシート及び吸収性構成要素560にそれぞれ取り付けるのが望ましい場合がある。好適な従来の取り付け技法には、接着剤結合(例えば、水性、溶媒系、又は熱活性接着剤)、熱接着、超音波結合、穿刺、又はピンによる穿刺が挙げられる。例えば、獲得層580がトップシート520に接着剤で接着された場合、追加接着剤の量は、トップシート520から獲得層580内への液体の流れを過剰に制限することなく、所望のレベルの接着を提供するのに十分であるべきである。獲得層580を構築するために様々な織布及び不織布ウェブ、並びに発泡体が使用されてもよい。例えば、獲得層580は、ポリオレフィンフィラメントのメルトブローン又はスパンボンドウェブから構成される不織布層であってもよい。かかる不織布層は、接合、二成分繊維、及びホモポリマー繊維のステープル、又は他のタイプの繊維とかかる繊維の長さ及び混合物を含んでもよい。獲得層580はまた、天然及び/又は合成繊維から構成される結合されたカードウェブ又はエアレイドウェブであってもよい。結合されたカードウェブは、例えば粉末結合されたカードウェブ、赤外線結合されたカードウェブ、又は通気結合されたカードウェブであってもよい。サージ材料の更なる実施例は、米国特許第5,490,846号(Ellisら)及び同第5,364,382号(Latimer)に見出すことができる。獲得層580は、非常に疎水性の高い材料で構成することができ、この疎水性の高い材料は、任意に応じて界面活性剤で処理を施されてもよく、あるいは、望ましいレベルの湿潤性及び親水性が付与するように処理されてもよい。いくつかの実施形態では、獲得層580は、全体的に均一な厚さ及び断面積を有してもよい。
【0093】
図5に示されている実施形態を含め、本開示による吸収性物品のいくつかの実施形態では、実質的に親水性のティッシュシート590が採用されて、吸収性構成要素560のエアレイド繊維状構造の一体性を維持するのに役立つ。1つ以上のティッシュシート590が使用されてもよく、又は1つのティッシュシート590は吸収性構成要素の両面の周囲を包囲してもよい。ティッシュシート590は典型的に、少なくとも2つのその主表面にわたって、吸収性構成要素560の周囲に配置され、かつ吸収性セルロース材料(例えばクレープ加工された詰綿又は高い湿潤強度のティッシュ)から構成される。いくつかの実施形態では、ティッシュシート590はウィッキング層を提供するように構成されてもよく、これは吸収性構成要素560内の吸収性材料にわたって、急速に液体を分配するのに役立つ。これらの実施形態では、ティッシュシート590は分配層と考えられてもよく、これは流体を最初の配置の位置から、保管が望ましい場所(例えば吸収性構成要素560)に移動させる。
【0094】
他のタイプ及び/又は更なる分配層は吸収性物品内に存在してもよい。これらの分配層は、例えば織布又は不織布ウェブから形成されてもよい(例えば、トップシート520及び獲得層580に対して蒸気の材料を使用して)。
【0095】
本開示による吸収性物品のいくつかの実施形態では、複数の処理された多孔質粒子505は、トップシートと吸収性材料(例えば吸収性構成要素内の)との間に配置される。これらの実施形態の一部では、図5に示される実施形態を含め、複数の処理された多孔質粒子505は吸収性材料と直接接触する(例えば、吸収性構成要素560内で)。これらの実施形態の他では、複数の処理された多孔質粒子505は、例えば獲得層580の上に、又は獲得層580とティッシュ層590との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の処理された多孔質粒子505は、例えば吸収性構成要素560の下に配置されてもよく,ここではそれらはユーザーの皮膚近くの相対湿度を低下させるのに更に効果的である。いくつかの実施形態では、吸収性物品は細長い形状、長手方向の中心線、横方向の中心線、及びこの長手方向の中心線と横方向の中心線の交点において中央領域を有し、複数の粒子は、中央領域に配置されないが、長手方向の中心線又は横方向の中心線の少なくとも1つのいずれかの側上に配置される。いくつかの実施形態では、吸収性物品は細長い形状、長手方向の中心線、横方向の中心線、及び長手方向の中心線と横方向の中心線の交点において中央領域を有し、複数の多孔質粒子は、中央領域内に分散される。分散されるとは、例えば粒子間に空間があるということを意味することができる。
【0096】
吸収性物品、吸収性構成要素、及び/又は本開示による吸収性材料を含む複数の粒子のいくつかの実施形態では、複数の粒子の少なくとも一部分が水性液体に暴露されたとき、複数の粒子は相対湿度を、疎水基を含まない比較用の複数の粒子よりも高い程度で(例えば少なくとも5、10、15、20、25、30、40、又は50パーセント、より良く)減少させる。疎水基を含まない比較用の複数の粒子は、疎水性処理を有さないことを除き、複数の処理された粒子と同じである複数の粒子を指す。例えば、比較用の複数の粒子は、複数の処理された粒子のような寸法及び孔径分布を有し、かつかかる粒子が処理される前に処理された多孔質粒子のような化学組成を有する。ユーザーの皮膚に隣接する吸収性物品内の相対湿度は、例えば、以下の実施例に記載され、図2A及び2Bに示されている相対湿度を測定する試験方法に従って測定することができる。
【0097】
未処理の乾燥剤粒子が、ユーザーの皮膚に隣接する吸収性物品内の相対湿度を減少させるために有用であり得る一方で、未処理の乾燥剤粒子は典型的に、吸収性物品へ侵入する液体侵襲物吸収する。乾燥剤の外側及び内側の孔表面はしたがって、吸収性物品の付近において水分の蒸気を吸収するために利用できなくなる。対照的に、本明細書に開示される処理された多孔質粒子は、一般的に水性液体をはじく外側表面を有する。それらは、未処理の粒子ほどは多くの液体を吸収せず、したがって水分蒸気を吸収するためにより多くの内側表面積を有する。
【0098】
本開示による吸収性物品のいくつかの実施形態では、複数の処理された粒子は、導入された水溶性液体の流れを吸収性物品のトップシートへ迂回させる。このやり方では、複数の処理された多孔質粒子は、流体を最初の配置位置から、保管が望ましい場所へと移動させる分配材料(上記)として機能する。処理された多孔質粒子が流れを迂回させる度合いは、例えば外側表面の疎水性の度合いによって決まる場合があり、これは典型的に接触角と関連がある。したがって、処理された多孔質粒子上の疎水性処理は、所与の吸収性物品の所望の量によって流体を迂回させるように選択することができる。いくつかの実施形態では、複数の処理された多孔質粒子上の、水に対する接触角は、90〜100度、95〜110度、又は100〜115度の範囲である。
【0099】
本開示に係る処理された多孔質粒子と未処理の多孔質粒子との混合物を、所与の吸収性物品に対する所望の量によって流れを迂回させように使用することができる。かかる混合物は、例えば、処理された多孔質粒子によってもたらされる流体の迂回及び強化された湿度低減の両方と、未処理の多孔質粒子による液体の吸収との両方を利用することができる。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子と未処理の多孔質粒子の重量比は0.5:1〜1:1.5の範囲である。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子及び未処理の多孔質粒子の量はほぼ同じである(例えば、0.9:1〜1:1.1の範囲)。しかしながら、この範囲外の比率がいくつかの用途では有用であり得る。いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子及び未処理の多孔質粒子の両方がシリカゲル粒子である。
【0100】
いくつかの実施形態では、処理された多孔質粒子が吸収性構成要素の領域内に分散されたとき、又は吸収性材料と混合されたとき、処理された多孔質粒子は吸収性材料内へ流体を向けるのに使用することができる。処理された多孔質粒子間に十分な空間が存在し、液体が、処理された多孔質粒子の周囲で、そして吸収性材料内へ流れるのを可能にすることが典型的に望ましい。例えば、この空間は粒子の寸法によって決まる。
【0101】
乾燥剤粒子は保管中に水分を吸収することができる。本開示に係る処理された多孔質粒子は、保管及び配送のために水分不透過性パウチ内に保管されてもよい。処理された多孔質粒子は、吸収性物品(例えばバリアフィルムで梱包された、又はシリコーンライナー及び3つ折りの構成を有する)に関して標準的な梱包内で水分吸収に対して安定であるということが見出されている。
【0102】
開示の実施形態
第1の態様では、本開示は、外側表面及び内側の孔表面を含む処理された多孔質粒子であって、処理された多孔質粒子の外側表面の少なくとも実質的な部分は疎水基を含み、内側の孔表面は実質的に未処理である、処理された多孔質粒子を提供する。
【0103】
第2の実施形態では、本開示は、第1の実施形態による処理された多孔質粒子を提供し、疎水基は、アルキル基又はアリール基の少なくとも1つを含み、アルキル及びアリールはそれぞれ任意でフッ素で置換されている。
【0104】
第3の実施形態では、本開示は、外側表面及び内側の孔表面を含む処理された多孔質粒子であって、この処理された多孔質粒子の外側表面の少なくとも一部分は疎水基を含み、疎水基は、アルキル基又はアリール基の少なくとも1つを含み、アルキル基及びアリール基はフッ素で置換されており、内側の孔表面は、少なくとも部分的に親水性である、処理された多孔質粒子を提供する。
【0105】
第4の実施形態では、本開示は第1、第2、第3の実施形態のいずれか1つによる処理された多孔質粒子の使用を提供し、処理された多孔質粒子はシリカゲル粒子、処理されたモンモリロナイト粘土粒子、処理されたゼオライト粒子、処理されたモレキュラーシーブ、又は処理された活性炭粒子である。これらの実施形態のいくつかでは、処理された多孔質粒子は、処理されたシリカゲル粒子又は処理された活性炭粒子である。
【0106】
第5の実施形態では、本開示は、第1から第4の実施形態のいずれか1つによる処理された多孔質粒子を提供し、疎水基は、アルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせを有するシロキサンを含む。
【0107】
第6の実施形態では、本開示は、第1から第5の実施形態のいずれか1つによる処理された多孔質粒子であって、X線光電子分光法によって測定されたとき、最高50オングストロームの深さまで最高5原子パーセントのケイ素原子を有する外側表面を備えるシリカゲル粒子である、処理された多孔質粒子を提供する。
【0108】
第7の実施形態では、本開示は、第1から第6の実施形態のいずれか1つによる処理された多孔質粒子を含む複数の粒子を提供する。
【0109】
第8の実施形態では、本開示は、第7の実施形態による複数の粒子であって、複数の粒子が水面に撒かれて単一層を形成するとき、少なくとも75%の粒子が水面に浮き、複数の粒子は30℃及び相対湿度50%において、24時間後にそれらの重量の少なくとも20%を吸収する、複数の粒子を提供する。
【0110】
第9の実施形態では、本開示は、第7又は第8の実施形態による複数の粒子を提供し、複数の粒子は、30℃及び相対湿度80パーセントにおいて、疎水基を含まない比較用の複数の粒子の水蒸気取り込みの少なくとも60%である水蒸気取り込みを有する。
【0111】
第10の実施形態では、本開示は、第7から第9の実施形態のいずれか1つによる複数の粒子を提供し、複数の粒子の少なくとも一部分が水性液体に暴露されたとき、複数の粒子は、疎水基を含まない比較用の複数の粒子より大きく相対湿度を減少させる。
【0112】
第11の実施形態では、本開示は、第7〜第10の実施形態のいずれか1つによる複数の粒子であって、この複数の粒子は外側表面及び内側の孔表面は両方とも、疎水基で処理される粒子を実質的に含まず、複数の粒子を提供する。
【0113】
第12の実施形態では、本開示は、第7から第11の実施形態のいずれか1つによる複数の粒子を提供し、未処理の乾燥剤粒子を更に含む。
【0114】
第13の実施形態では、本開示は、第7から第12の実施形態のいずれか1つによる複数の粒子を提供し、色変化表示剤を更に含む。
【0115】
第14の実施形態では、本開示は、第7から第13の実施形態のいずれか1つによる複数の粒子を提供し、超吸収性ポリマー、親水性不織布、又は木材パルプの少なくとも1つを含む吸収性粒子又は繊維を更に含む。
【0116】
第15の実施形態では、本開示は、第1から第6の実施形態のいずれか1つによる処理された多孔質粒子、又は第7から第11の実施形態のいずれか1つによる複数の粒子を作製する方法を提供し、この方法は、多孔質粒子の外側表面を疎水剤で処理することを含み、その一方で多孔質粒子の内側表面が少なくとも部分的に未処理のままであるのを可能にする。
【0117】
第16の実施形態では、本開示は第15の実施形態による方法を提供し、多孔質粒子の外側表面のみが疎水剤で処理される。
【0118】
第17の実施形態では、本開示は、第15又は第16の実施形態による方法を提供し、多孔質粒子の外側表面を処理することは、多孔質粒子の外側表面の少なくとも一部分上にケイ素、水素、及び炭素を含む層をプラズマ蒸着によって形成することを含む。
【0119】
第18の実施形態では、本開示は、第17の実施形態による方法を提供し、ケイ素、水素、及び炭素を含む層を形成することは、アルキルシラン、アルコキシシラン、アルキレンポリシラン、アルキルポリシラン、アルケニルシラン、アリールシラン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される有機ケイ素化合物を含むガスをイオン化させることを含む。
【0120】
第19の実施形態では、本開示は第17又は第18の実施形態による方法を提供し、ケイ素、水素、及び炭素を含む層の少なくとも一部分をフッ素化化合物で処理することを更に含む。
【0121】
第20の実施形態では、本開示は、第19の実施形態による方法を提供し、フッ素化化合物は、パーフルオロプロパン、四フッ化炭素、トリフルオロメタン、ジフルオロメタン、ペンタフルオロエタン、パーフルオロプロペン、及びパーフルオロブテン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0122】
第21の実施形態では、本開示は、第19又は第20の実施形態による方法を提供し、ケイ素、水素、及び炭素を含む層の少なくとも一部分を、フッ素化化合物で処理することは、ケイ素、炭化水素、及び炭素を含む層の少なくとも一部分上に、フッ素及び炭素を含む層をプラズマ蒸着によって形成することを含む。
【0123】
第22の実施形態では、本開示は第15又は第16の実施形態による方法を提供し、多孔質粒子の外側表面を処理することは、
多孔質粒子を水蒸気に暴露すること、及びその後に、
この多孔質粒子を、反応性オルガノシラン化合物を含む第2の蒸気に暴露すること、を含む。
【0124】
第23の実施形態では、本開示は、第22の実施形態による方法を提供し、反応性オルガノシラン化合物は、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシラン、クロロトリメチルシラン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0125】
第24の実施形態では、本開示は、第22又は第23の実施形態による方法を提供し、反応性オルガノシラン化合物を含む蒸気は、最高30℃までの温度を有する。
【0126】
第25の実施形態では、本開示は、第22から第24の実施形態のいずれか1つに方法を提供し、反応性オルガノシラン化合物を含む蒸気は、少なくとも400Paの圧力である。
【0127】
第26の実施形態では、本開示は、第7から第13の実施形態のいずれか1つによる複数の粒子と組み合わされた吸収性材料を含む吸収性部品を提供する。
【0128】
第27の実施形態において、本開示は、第26の実施形態による吸収性部品を提供し、吸収性材料は、木材パルプ、超吸収性ポリマー、又はアクリル発泡体の少なくとも1つである。
【0129】
第28の実施形態では、本開示は、液体透過性トップシート、液体不透過性バックシート、及びトップシートとバックシートとの間の第26又は第27の実施形態による吸収性部品を含む吸収性物品を提供する。
【0130】
第29の実施形態では、本開示は、液体透過性トップシート、液体不透過性バックシート、及びトップシートとバックシートとの間の第14の実施形態による複数の粒子を含む吸収性物品を提供する。
【0131】
第30の実施形態では、本開示は第28又は第29の実施形態による吸収性物品を提供し、複数の粒子は、トップシートと吸収性材料との間に配置される。
【0132】
第31の実施形態では、本開示は、第28から第30の実施形態のいずれか1つによる吸収性物品を提供し、この吸収性物品は細長い形状、長手方向の中心線、横方向の中心線、及び長手方向の中心線と横方向の中心線の交点において中央領域を有し、複数の処理された多孔質粒子は、中央領域に配置されないが、長手方向の中心線又は横方向の中心線の少なくとも1つのいずれかの側上に配置される。
【0133】
第32の実施形態では、本開示は、第28から第30の実施形態のいずれか1つによる吸収性物品を提供し、この吸収性物品は細長い形状、長手方向の中心線、横方向の中心線、及び長手方向の中心線と横方向の中心線の交点において中央領域を有し、複数の処理された多孔質粒子は、中央領域に分散される。
【0134】
第33の実施形態では、本開示は第28から第32の実施形態のいずれか1つによる吸収性物品を提供し、複数の処理された多孔質粒子は、吸収性物品のトップシートに取り込まれた水性液体の流れを迂回させる。
【0135】
第34の実施形態では、本開示は、第1から第6の実施形態のいずれか1つによる処理された多孔質粒子、又は第7から第14の実施形態のいずれか1つによる複数の粒子の、乾燥剤としての使用を提供する。
【0136】
第35の実施形態では、本開示は第34の実施形態による処理された多孔質粒子の使用を提供し、乾燥剤は水性液体に暴露される。
【0137】
第36の実施形態では、本開示は、第1から第6の実施形態のいずれか1つによる処理された多孔質粒子、又は第7から第14の実施形態のいずれか1つによる複数の粒子の、悪臭抑制剤としての使用を提供する。
【0138】
第37の実施形態では、本開示は第35の実施形態による処理された多孔質粒子の使用を提供し、悪臭抑制剤は水性液体に暴露される。
【0139】
本開示の実施形態を以降の非限定実施例によって更に例示するが、これら実施例において列挙される特定の材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を不当に制限するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0140】
試験方法
浮遊試験
脱イオン水(約10mL)を20mLのガラスバイアル瓶に添加し、処理された粒子の単一層を形成するのに十分な量の粒子を、スプーンスパチュラを使用して、水の表面に慎重に撒く。粒子の実施例1〜18、例示の実施例1〜8、及び比較用の実施例1に関して、処理された粒子の量は約1gであった。処理された粒子は外観検査され、浮遊している処理された多孔質粒子の百分率の推定がなされる。処理された多孔質粒子の少なくとも約75%が水の表面に浮いたとき、処理された多孔質粒子は浮遊試験に合格したと見なされる。
【0141】
直径0.5mm〜1.0mmの粒径を有する未処理のシリカゲル(AGM Container Controls,Inc.(Tucson,AZ)から入手されたタイプAシリカゲル、品番:920014)が本試験に供されたとき、粒子は通常は破裂音と共にバイアル瓶の底に沈んだ。
【0142】
処理された粒子の表面分析
化学分析用電子分光法(ESCA)は、以下の手順を使用して、粒子に実施された。試料の表面の3部の分析が、Kratos Analytical(Chestnut Ridge,New York)から、商標「AXIS ULTRA」で入手されたX線光電子分光計を使用して実施され、これは単色のAlのX線源を使用して光電子を励起する。放出された光電子は、試料表面に対して90度の射出角で検出された。スペクトルは、主なピーク領域を統合することによって、及び適切な感度因子を適用することによって、表面組成物から測定されるところから得られる。ESCAは定量的であり、調査される材料、及び材料内の放出された原子核準位の電子の電気運動エネルギーによって5〜50Åのサンプリング深さを表す。
【0143】
水蒸気取り込み
水蒸気吸収は、処理された粒子、未処理の粒子、木材パルプ(パルプ)、及び高吸水性ポリマー(SAP)に関して測定される。2グラムの試料はバイアル瓶内で重量が計測され、次いでガラス瓶に配置されて30℃及び相対湿度50%にそれらを暴露させる。バイアル瓶はジャーから取り除かれ、キャップされ、重量が測定された。重量における変化は、以下の表に示された時間に測定され、記録された。
【0144】
液体水の取り込み
多孔質のフリットは、フィルタが枝付きの三角フラスコに適合された。三角フラスコの枝は家の掃除機に接続された。フリットは水で濡らされ、それを乾燥させるために掃除機が適用された。粒子(2グラム)がフリット上に配置され、10mLの脱イオン水が、フリットガラスの側部に沿って注入された。水は3分間、粒子と接触した状態に置かれた。3分後に掃除機が枝から引かれ、フラスコに排出された水が計量された。水の取り込み値を次いで算出した。この手順は各タイプの粒子に関して3回繰り返された。
【0145】
粒子の実施例1〜4
市販の平行プレート容量結合反応性イオンエッチング装置(PlasmaTherm(St.Petersburg,Florida)から市販されているモデル2480)が、粒子のプラズマ処理に使用された。電極に近接したイオンシース内に試料がある間、プラズマ処理が生じた。この反応容器は接地されたチャンバ電極及び駆動電極を含んだ。チャンバは、内径762mm(30インチ)及び高さ150mm(6インチ)を備える円筒の形状だった。直径686mm(27インチ)を有する円形の電力は、チャンバ内に設置され、適合するネットワークと、13.56MHzの周波数で動作する3kWのRF供給電源に接続された。チャンバはメカニカルポンプによって支持されたルーツブロワーを用いて真空排気された。特に明記しない限り、チャンバ内の基底圧は5mトール(0.67Pa)だった。プロセスガスは、マスフローコントローラ又はニードル弁のいずれかを通じてチャンバ内に計量された。試料を、プラズマ反応器の駆動電極上のガラスペトリ皿に配置することによって全てのプラズマ処理が行われた。
【0146】
シリカゲルのプラズマ処理は2つの別個の工程で行われた。第1の工程では、粒子はテトラメチルシラン(TMS)プラズマ中で処理されて、粒子の外側表面にメチル基を接着させた有機ケイ素層を堆積させた。第2の工程は、パーフルオロプロパンプラズマを使用して、表面にCF、CF、及びCF基を作るために使用された。
【0147】
シリカゲル粒子(AGM Container Controls,Inc.から入手した約2〜3nmの範囲の平均孔直径を有すると報告されているタイプAシリカゲル、品番920014)が、約0.125〜0.25インチ(0.318〜0.635cm)の深さまで、ガラスペトリ皿内で配置され、PlasmaThermの反応システムの駆動電極上に配置された。チャンバは10mトール(1.3Pa)の圧力まで排気され、テトラメチルシランは150立方センチメートル毎分で導入され、1000ワットの出力でプラズマが生成された。動作は室温で行われ、プロセス圧は50mトール(6.7Pa)だった。第1の工程中にプラズマがオンだった持続時間は10分であり、その後ガスは閉じられ、チャンバは通気され、粒子はペトリ皿内で手動により混合された。チャンバを再び10mトール(1.3Pa)未満まで減圧した。その後、テトラメチルシランの蒸気が150sccmの流量で再導入され、プラズマが点火され更に10分の時間、1000ワットの出力で持続された。この後、チャンバは再び通気され、乾燥剤の粒子が手動で混合され、チャンバは減圧され、テトラメチルシランの蒸気が再導入され、プラズマは最後の10分間持続された。テトラメチルシランの蒸気を用いたプラズマ処理の合計時間は30分だった。テトラメチルシラン蒸気を用いた第3のプラズマ処理の終了後、パーフルオロプロパン(C)ガスが、150sccmの流量でチャンバ内に導入され、プラズマは再点火され、1000ワットで10分間、維持された。プロセス圧は50mトール(6.7Pa)だった。この後、ガスは閉じられ、チャンバは大気に通気された。Cプラズマは、10分のCプラズマ処理工程の間に、手動でペトリ皿内の粒子を攪拌しながら、更に2回繰り返された。Cプラズマの合計時間も、したがって30分だった。
【0148】
実施例2〜4はそれぞれ、以下の表1に示された合計プラズマ処理時間を使用することを除き、実施例1の方法に従ってそれぞれ調製された。実施例2〜4のそれぞれに関して、プラズマが再び等しく3回点火されたが、プラズマを維持する時間は変更され、表に示された合計処理時間を与えた。実施例1〜4のそれぞれは、試験の前に水分を吸収するのを避けるためにガラス瓶に保管された。実施例1〜4のそれぞれは、上記の試験方法のセクションで記載されている浮遊試験に合格し、浮遊している粒子の百分率は表1に示されている。
【0149】
【表1】

【0150】
実施例1〜4は、上記の試験方法に従って、ESCAを使用して評価された。結果を下記の表2に示す。
【0151】
【表2】

【0152】
実施例1〜3、未処理のシリカゲル、SAP(商標「AQUA KEEP SA60S」で住友精化株式会社(大阪、日本)から入手した)、及び商標「BODYFIT」でユニ・チャーム株式会社から入手した生理用ナプキンから取り除いた木材パルプは、上記の試験方法を使用して水蒸気取り込みの評価がされた。結果を下の表3に示す。
【0153】
【表3】

【0154】
SAP及びパルプに関して測定された時間は、0、1.03、2.07、3.13、4.17、5.33、6.42、22.6、及び23.63時間だった。
【0155】
粒子の実施例5及び6
実施例5及び6の両方に関して、シリカゲル粒子(AGM Container Controls,Inc.、品番:920014から入手される)は、プラズマ処理プロセス中の混合を可能にした以下のプラズマ処理方法を使用して処理された。チャンバは、ステンレス鋼から構成され、6回転/分の速度で連続して回転される水平の混合パドルを含んだ。チャンバは、ドライメカニカルポンプ(Edwards、モデルDP40)によって支持されるルートブロワー(Leybold、モデルWSU 150)に、サイクロンセパレータ及び粒子フィルタを通じて接続された。矩形の電極、8.5インチ(21.6cm)×15インチ(38.1cm)はシリカゲル粒子床の上に配置され、40kHzのジェネレータ(Advanced Energy、Model PE5000)に接続されてプラズマを生成する。約1立方フット(5kg)(28.3リットル)の粒子がチャンバ内に充填され、チャンバは200mトール(26.7Pa)未満の基底圧に減圧された。プラズマ処理は、粒子の混合がプラズマ処理の工程中に連続して実施されたということを除き、実施例1のようにテトラメチルシラン及びパーフルオロプロパンプラズマを用いて、連続して2つの工程で実施された。第1にテトラメチルシランの蒸気が300sccmの流量でチャンバに再導入され、プラズマが点火され、4時間、500ワットの出力で持続された。この後に、テトラメチルシラン蒸気の流れは停止され、パーフルオロプロパンの流れは300sccmで確立された。プラズマは再び点火され、パーフルオロプロパンガスを用いて更に2時間、500ワットの電力で維持された。テトラメチルシラン及びパーフルオロプロパンの両方に関して、プラズマ処理中の圧力はほぼ500〜1000mトール(66.7〜133Pa)程度であった。上記の試験方法の項で記載されている実施例5及び6のそれぞれは浮遊試験を合格し、浮遊している粒子の視覚的に予測された量は90%である。
【0156】
実施例1〜3、及び5、未処理のシリカゲル、SAP(商標「AQUA KEEP SA60S」で住友精化株式会社から入手した)、及び商標「BODYFIT」でユニ・チャーム株式会社から入手した生理用ナプキンから取り除いた木材パルプは、上記の試験方法を使用して水蒸気取り込みの評価がされた。それらの結果を下記の表4に示す。
【0157】
【表4】

【0158】
粒子の実施例7
テトランメチレンの蒸気が360sccmの流量でチャンバに再導入され、プラズマが点火され、60分間、500ワットの出力で持続されたのを除き、実施例7は、実施例5及び6に記載されているように調製された。パーフルオロプロパンガスは導入されなかった。実施例7は、粒子の90%が浮遊している状態で、上記の試験方法のセクションで記載されている浮遊試験に合格した。
【0159】
例示の実施例1及び粒子の実施例8〜10
シリカゲル粒子(AGM Container Controls,Inc.、品番:920014)は、図3A及び3Bに示されている装置300を使用して処理された。粒子攪拌器320は、上部に矩形の開口部328(4.5cm×3.5cm)を備える200ccの中空のシリンダー(長さ6cm×直径5.5cm、水平)だった。攪拌機320は、その軸と位置合わせされてシャフト326と嵌合する。シャフトは、混転されている粒子のためのパドルホイール形成する、4つの矩形ブレード322がボルトで固定されている矩形断面(1cm×1cm)を有する。ブレードはそれぞれ、ブレード及び攪拌器シリンダーによって形成される4つの四分円のそれぞれに含まれる粒子体積間の伝達を促進するための2つの穴324を含んだ。ブレードの寸法は、攪拌機の壁と、側綿及び末端部の隙間が4mmになるよう選択された。粒子攪拌器は、シリンダーの底部においてガス入口ポート330を有した。粒子攪拌器320は、機械ポンプ350(Welch Vacuum Technology(Niles,IL)から「WELCH 1374 Mechanical Vacuum Pump」で入手した)に接続された真空チャンバ340内に配置された。
【0160】
2つの液体ホルダーアセンブリ360(1つはジクロロジメチルシラン(DDMS)及びもう1つは脱イオン(DI)水)が使用されて、液体源から真空へ蒸気を送達した。各液体ホルダーアセンブリは、一端で密封された真空対応ガラス管362、364、(MDC Vacuum Products(Hayward,CA)から入手)、及び蒸気源のオン/オフを制御するための取り付けられたバルブ366(Swagelok Company(Solon,OH)から入手)から作製された。
【0161】
シリカゲル粒子は、155°F(68℃)の温度に設定されたオーブン内で一晩乾燥(すなわち12時間超)乾燥させた。オーブンで乾燥させた100gのシリカゲル粒子は、粒子攪拌器に配置され、チャンバはポンプ350を使用して500mトール(66.7Pa)以下まで減圧された。圧力はチャンバ上に設置されたconvectron圧力計によって測定された。チャンバは、チャンババルブを閉じることによって真空ポンプから接続が切られた。DI水源に接続されたバルブは、開放され、チャンバ内に水蒸気を入れた。チャンバの圧力が4〜5トール(533〜667Pa)に到達した後、バルブは閉じられた。粒子攪拌器シャフトは約2rpmで回転された。シリカゲル粒子は20分間、水蒸気に暴露された。20分の水蒸気の暴露の後、チャンバは粒子攪拌しながら1トール(133Pa)以下に減圧された。DDMSバルブが次いで開放された。DDMSは25℃で蒸気圧135トール(1.8×10Pa)を有し、よって液体源はいずれの外部の加熱を必要としなかった。30秒でチャンバの圧力が3トール(400Pa)に到達し、DDMSバルブが閉じられた。シリカゲル粒子は、攪拌器のシャフトの一定の回転によって、チャンバ内のDDMS蒸気に様々な時間、暴露された。所望の処置時間の後、いずれかの残ったDDMS蒸気を取り除くためにチャンバは排気され、再び2分間、水蒸気に暴露された。攪拌プロセス停止後、チャンバは再び排気され、周囲条件に通気された。
【0162】
例示の実施例1、並びに粒子の実施例8、9、及び10に関して、DDMS蒸気への暴露時間はそれぞれ5、10、15、及び20分だった。例示の実施例1及び粒子の実施例8〜10のそれぞれは、一晩155°F(68℃)でオーブン内で乾燥され、評価の前に水分の吸収を避けるために、ガラス瓶内に保管された。
【0163】
例示の実施例1及び粒子の実施例8〜10は、上記の試験方法のセクションで記載されている浮遊試験を使用して評価された。例示の実施例1に関して、40〜50%の処理された粒子が浮遊した。粒子の実施例8及び9に関して、処理された粒子の70〜80%が浮遊し、粒子の実施例10に関しては、処理された粒子の90%が浮遊した。
【0164】
例示の実施例(Ill.実施例)1並びに粒子の実施例8及び10は、上記の試験方法によるESCAを使用して評価された。結果を下の表5に示す。
【0165】
【表5】

【0166】
例示の実施例2及び3、並びに粒子の実施例11及び12
例示の実施例2及び3、並びに実施例11及び12は、以下の変更を伴い、例示の実施例1及び粒子の実施例8〜10の一般的な方法を使用して調製された。オーブンで乾燥されたシリカゲル(40グラム)の単一層は、アルミニウムトレイに配置され、これは、5分のDDMS蒸気処理の前に、以下の表6に示されている様々な時間に関して、30℃及び相対湿度80%において湿度チャンバに配置された。粒子攪拌及び処理の間は水蒸気は使用されなかった。湿度への暴露の時間、及び湿度暴露プロセスの前及び後のシリカゲルの重量が、以下の表6に示されている。
【0167】
【表6】

【0168】
例示の実施例2及び3、並びに粒子の実施例11及び12のそれぞれは、一晩155°F(68℃)でオーブン内で乾燥され、評価の前に水分の吸収を避けるために、ガラス瓶内に保管された。例示の実施例2及び3、並びに粒子の実施例11及び12は、上記の試験方法の項で記載されている浮遊試験を使用して評価された。例示の実施例2に関して、30〜40%の処理された粒子が浮遊した。例示の実施例3に関して、50〜60%の処理された粒子が浮遊した。粒子の実施例11に関して、処理された粒子の80%が浮遊し、粒子の実施例12に関しては、処理された粒子の90%が浮遊した。
【0169】
例示の実施例2及び3、並びに粒子の実施例11及び12、並びに未処理のシリカゲルは、評価は30℃及び相対湿度80%において行われたという変更を伴って、水蒸気取り込みに関して上記の試験方法を使用して評価された。結果を以下の表7に示す。
【0170】
【表7】

【0171】
例示の実施例2及び3、並びに実施例11及び12、未処理のシリカゲル、SAP(商標「AQUA KEEP SA60S」で住友精化株式会社から入手した)、及び商標「BODYFIT」でユニ・チャーム株式会社から入手した生理用ナプキンから取り除いた木材パルプは、上記の試験方法を使用して水蒸気取り込みの評価がされた。結果を下記の表8に示す。
【0172】
【表8】

【0173】
例示の実施例4及び粒子の実施例13〜15
例示の実施例4、及び粒子の実施例13〜15は、以下の変更を伴い、例示の実施例1及び粒子の実施例8〜10の一般的な方法を使用して調製された。オーブンで乾燥されたシリカゲル(50グラム)の単一層は、アルミニウムトレイに配置され、次いで15分のDDMS蒸気処理の前に、以下の表9に示されている様々な時間に関して、30℃及び相対湿度80%に暴露された。粒子攪拌及び処理の間は水蒸気は使用されなかった。湿度の暴露の時間、及び湿度暴露プロセスの前及び後のシリカの重量が、下記の表9に示されている。
【0174】
【表9】

【0175】
例示の実施例4及び粒子の実施例13〜15のそれぞれは、評価の前に一晩155°F(68℃)でオーブン内で乾燥され、評価の前に水分の吸収を避けるために、ガラス瓶内に保管された。
【0176】
例示の実施例4及び粒子の実施例13〜15は、上記の試験方法を使用する浮遊試験を使用して評価された。例示の実施例4に関して、30〜40%の処理された粒子が浮遊した。粒子の実施例13及び15に関して、処理された粒子の95%が浮遊し、粒子の実施例14に関しては、処理された粒子の90%が浮遊した。
【0177】
例示の実施例4及び粒子の実施例13〜15、並びに未処理のシリカゲルは、評価は30℃及び相対湿度80%において行われたという変更を伴って、水蒸気取り込みに関して上記の試験方法を使用して評価された。結果を下記の表10に示す。
【0178】
【表10】

【0179】
例示の実施例4、及び粒子の実施例13〜15、未処理のシリカゲル、SAP(商標「AQUA KEEP SA60S」で住友精化株式会社から入手した)、並びに商標「BODYFIT」でユニ・チャーム株式会社から入手した生理用ナプキンから取り除いた木材パルプは、上記の試験方法を使用して水蒸気取り込みの評価がされた。結果を下記の表11に示す。
【0180】
【表11】

【0181】
粒子の実施例16
実施例16は、以下の変更を除き、例示の実施例1及び粒子の実施例8〜10の方法に従って調製された。受領状態のシリカゲル粒子は、90°F(32℃)及び相対湿度90%に1時間暴露した。重量において4.9%の増加があった。湿らせた粒子(100グラム)は、粒子攪拌器に充填され、真空チャンバは760トール(1.0×10Pa)から10トール(1.3×10Pa)まで減圧された。チャンバが10トール(1.3×10Pa)に到達した後、粗引きバルブを閉鎖することによって真空ポンプから接続が切られる。粒子の回転プロセスが開始され、DDMS蒸気バルブは攪拌器に開放される。5分後、DDMSバルブは閉鎖された。粗引きバルブを開放することによって、HCl蒸気及びいずれかの未処理のシラン蒸気を除去するためにチャンバは2分間排気された。最後にチャンバは空気と通気され、処理された試料が除去された。実施例16は、処理された粒子の99%が浮遊している状態で、上記の試験方法のセクションで記載されている浮遊試験に合格した。
【0182】
例示の実施例5
例示の実施例5は、以下の変更を除き、例示の実施例1及び粒子の実施例8〜10の方法に従って調製された。受領された状態の約100グラムのシリカゲルは真空チャンバ内の粒子攪拌器に充填された。チャンバはスロー粗引きバルブを開放することによって減圧された。一旦チャンバの圧力が10トール(1.3×10Pa)に到達すると、チャンバは粗引きバルブを閉鎖することによって接続が切られる。攪拌器が作動され、DDMSバルブは蒸気処理のために粒子に開放された。5分の処理の後、チャンバは2分間排気され、周囲条件に通気された。処理された粒子を取り除いた。上記の浮遊試験方法に従って評価されたとき、例示の実施例5の処理された粒子はいずれも浮遊しなかった。
【0183】
例示の実施例6
例示の実施例6は、チャンバが100トール(1.3×10Pa)まで減圧され、DDMS処理が100トール(1.3×10Pa)で5分間実施されたことを除き、例示の実施例5の方法に従って調製された。上記の浮遊試験方法に従って評価されたとき、例示の実施例6の処理された粒子の3%が浮遊した。
【0184】
例示の実施例7
例示の実施例7は、以下の変更を除き、例示の実施例1及び粒子の実施例8〜10の方法に従って調製された。受領された状態の100グラムのシリカゲルは粒子攪拌器に充填され、真空チャンバ内に配置された。チャンバは再び120mトール(16Pa)まで減圧された。この時点で、チャンバは真空ポンプシステムから単離された。水蒸気は液体水源から受け入れられた。粒子床を混転するために、粒子攪拌器が作動された。チャンバの圧力は、水蒸気を充填することによって、120mトール(16Pa)から2.50トール(333Pa)まで増加した。水蒸気に暴露させることによって、粒子は10分間、この圧力で混転させた。10分後に、空気がチャンバ内に入れられ、10トール(1.3×10Pa)まで圧力が増加された。一旦チャンバが10トール(1.3×10Pa)に到達すると、通気バルブは閉鎖され、DDMS蒸気バルブは粒子を処理するために5分間、開放される。5分後、チャンバは2分間減圧され、周囲条件に通気された。上記の浮遊試験方法に従って評価されたとき、例示の実施例7の処理された粒子の50%が浮遊した。
【0185】
例示の実施例8
例示の実施例8は、以下の変更を除き、例示の実施例1及び粒子の実施例8〜10の方法に従って調製された。受領された状態の100グラムのシリカゲルは粒子攪拌器に充填され、真空チャンバ内に配置された。チャンバは再び500mトール(67Pa)まで減圧された。粒子の攪拌が開始され、水蒸気はチャンバに受け入れられた。チャンバへの水蒸気送達を増加させるために、液体水を保持するアセンブリは外部のヒータージャケットで加熱された。水が沸騰したとき、11トール(1.5×10Pa)までチャンバの圧力が増加した。この時点で、DDMSバルブは処理のためにチャンバに開放された。5分後にチャンバは2分間排気され、空気と共に通気された。上記の浮遊試験方法に従って評価されたとき、例示の実施例7の処理された粒子の35%が浮遊した。
【0186】
粒子の実施例17
粒子の実施例17は、以下の変更を除き、例示の実施例8の方法に従って調製された。チャンバが25トール(3.3×10Pa)に到達するまでに、水蒸気はチャンバに受け入れられた。15分の、水蒸気へのシリカゲル粒子の暴露の後に、チャンバは10トール(1.3×10Pa)まで減圧され、DDMS処理は10トール(1.3×10Pa)で5分間実施された。処理の後、チャンバは2分間減圧され、空気と共に通気された。実施例17は、処理された粒子の90%が浮遊している状態で、上記の試験方法のセクションで記載されている浮遊試験に合格した。
【0187】
例示の実施例5〜8、粒子の実施例17、及び未処理のシリカゲルは、評価は30℃及び相対湿度80%において行われたという変更を伴って、水蒸気取り込みに関して上記の試験方法を使用して評価された。結果を下記の表12に示す。
【0188】
【表12】

【0189】
例示の実施例5〜8、粒子の実施例16及び17、並びに未処理のシリカゲルは、以下の変更を伴って、上記の試験方法を使用して水の取り込みに関して評価された。フラスコに排出した水の重量は測定されなかったが、代わりに、水への暴露前及び暴露後の粒子の重量が測定された。水への暴露前及び後の粒子の重量における差は、下記の表13に示されている。
【0190】
【表13】

【0191】
粒子の実施例18及び比較用の実施例1
粒子の実施例18及び比較用の実施例1は、以下の変更を除き、例示の実施例1及び粒子の実施例8〜10の方法に従って調製された。受領状態の粒子は、DDMS蒸気処理の前に湿度に暴露された(30℃及び相対湿度80%)。湿度への暴露中に、粒子の一部分の湿度獲得は、それが実施例18に関しては13.0重量%、及び比較用の実施例1に関しては5.9重量%に到達するまで、10〜20分毎にチェックされた。約1000グラムの、湿度に暴露されたシリカゲルは真空チャンバ内の粒子攪拌器に充填された。粒子攪拌器は、7インチ(17.8cm)の直径を有する、長さ12インチ(30.5cm)のシリンダーを備えて、粒子の実施例1〜17及び例示の実施例1〜8に使用された粒子攪拌器の、より大きなバージョンだった。シリンダーは11.25インチ×6.5インチ(28.6cm×16.5cm)の矩形の開口部を上部に有した。各ブレード322は、孔を備えた11.75インチ×3.5インチ(29.8cm×8.9cm)の矩形だった。チャンバは10トール(1.3×10Pa)まで減圧された。次いで、攪拌器は1分当たり4回転(rpm)で作動され、DDMSバルブは5分間の蒸気処理のために粒子に開放された。5分の蒸気処理の後に、DDMSバルブは閉鎖され、粒子はチャンバ内で更に5分DDMSと反応させた。10分の合計処理の後、チャンバは2分間排気され、周囲条件に通気された。処理された粒子が取り除かれ、粒子内の未反応の水分吸着を除去するために、180℃で2時間、後乾燥させた。粒子の実施例18及び比較用の実施例1の両方は、処理された粒子の95%超が浮遊している状態で、上記の試験のセクションで記載されている浮遊試験に合格した。
【0192】
粒子の実施例18、比較用の実施例1、及び未処理のシリカゲルは、上記の試験方法を使用して、水分蒸気取り込み及び水取り込みに関して評価された。水取り込み評価は、以下の変更を伴って実施された。フラスコに排出した水の重量は測定されなかったが、代わりに、水への露出の前及び暴露後の粒子の重量が測定された。水取り込み評価が実施されたとき、水への暴露前及び暴露後の粒子の重量における差は、未処理のシリカゲルで0.81グラム、粒子の実施例18に関しては0.70グラム、及び比較用の実施例1に関しては0.61グラムであった。水蒸気取り込みの評価は、以下の変更を伴って実施された:評価は30℃及び相対湿度80%において実施された。水蒸気取り込みに関する結果は以下の表14に示されている。
【0193】
【表14】

【0194】
粒子の実施例18、粒子の実施例1に類似の粒子、及び未処理のシリカゲルは、商標「TOF.SIMS.5」でITOF GmbH(Munster,Germany)から入手した機器を使用して、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)によって分析された。TMSプラズマを用いた処理時間が60分であったことを除き、粒子の実施例1で記載された方法を使用して、粒子の実施例1に類似の粒子が調製され、パーフルオロプロパンプラズマを用いた処理時間は40分だった。高い質量分解の正イオン及び負イオン分析は、ビーム直径が約3マイクロメートル(μm)、かつ分析面積500×500μmで、パルス状の25keVのBi+の一次イオンビームを使用して実施された。SIMSは、10〜20オングストローム(Å)の範囲の分析深さを備えて、単分子層感度を有した。
【0195】
粒子の外側表面は、両面接着テープ上に各実施例からの粒子、又は未処理のシリカゲルを搭載することによって分析された。粒子の断面は、光学顕微鏡の下で個々の粒子を配置し、清浄なかみそり刃でそれらを分離することによって準備された。この手順は、粒子の無作為な開裂となり、内部を露出させるには十分であった。分析のために、露出された内側をあおむけにして、断面は両面接着テープ上に搭載された。
【0196】
未処理のシリカゲル粒子の外側表面は特徴的なSIMSシリカイオンを示した:Si+、SiOH+、SiO−、SiOH−、SiO−、SiOH−、SiH−、並びに他のSi−タイプの少量のイオン。Na、Fe、Ba、炭化水素、S、及びClもまた表面に存在した。非常に少ないフッ素、又はシラン、又はシロキサンイオンが観察された。
【0197】
粒子の実施例1に類似の粒子の外側表面は、CF+、CFH+、CF+、C+、C+、C+、C+、F−、F−、FH−、CF−、CFO−、C−、C−を含む多数のフッ化炭素イオン、並びにC+及びC−主要でないタイプのイオンを示した。表面のシリカイオンのレベルは極めて低かった。
【0198】
粒子の実施例18の外側表面は、未処理のシリカゲルの粒子上で検出された同じ特徴的なシリカイオンを示したが、更に、シラン処理を示すイオンが存在した:CHSi+、(CHSi+、CHSiO−、CHSiO−、及びポリジメチルシロキサンイオン(117+、133+、147+、207+、221+、281+、325+、149−、223−)。クロリンレベルは、未処理のシリカゲルの外側表面では、約3倍高かった。
【0199】
粒子の実施例1及び粒子の実施例18に類似の粒子の両方の断面は、フッ素又はシランが殆ど又は全くなく、未処理のシリカゲルの外側表面で検出された、同じ特徴的なシリカイオンを示した。未処理のシリカゲル粒子と比較してわずかに高かった内側上のイオンは、実施例5上のm/z 19においてのF−である。内側上には検出可能なフッ化炭素はなかった。
【0200】
処理された粒子を半定量的方式で比較するために、対象とする代表的な種の様々なイオンの数はシリカのバックグラウンドの代表的なイオンに割り当てられた。粒子の実施例1に類似の粒子に関して、CF+/29Si+、F−/SiO−、及びF−/SiO−の比が選択された。正イオンのイオン数の結果は、表面から内側へ行くF−信号において、約1000倍の減少があるということを示した。粒子の実施例18に関して、CHSi+/SiOH+、[CHSiO−+CHSiO−]/[SiOH−+SiO−+SiOH−]、及びCl−/SiO−の比が選択された。正イオンのイオン数の結果は、表面から内側へ約200倍の減少があるということを示した。SIMSにおける質量毎に一部のバックブランド信号が常にあり、これはダイナミックレンジを限定する。同様な結果は負イオンのイオン数にも観察された。
【0201】
粒子の実施例19
実施例19は、以下の変更を除き、例示の実施例1及び粒子の実施例8〜10の方法に従って調製された。シリカゲル粒子は、粒子寸法が0.08mm〜0.6mmの範囲を備える不規則な形状の粒子であった(AGM Container Controls,Inc.から入手した。品番:920010)。粒子は白色で2.5%の青のインジケータを備えた。受領状態の粒子は、DDMS蒸気処理の前に湿度に暴露された(30°F(−1℃)及び相対湿度80%)。湿度への暴露中に、粒子の一部分の湿度獲得は、それが5.8重量%に到達するまで、10〜20分毎にチェックされた。湿度に暴露された約940グラムのシリカゲルは、真空チャンバ内側の、粒子の実施例18に記載の、より大きな粒子攪拌器に充填された。チャンバは10トール(1.3×10Pa)まで減圧された。次いで、攪拌器は6rpmで作動され、DDMSバルブは蒸気処理のために粒子に開放された。最初の10分中に、チャンバ圧力は11トール(1.5×10Pa)に到達し、20.8グラムのDDMSが消費された。次いでDDMSバルブが閉じられ、チャンバは2分間排気され、周囲条件に通気された。粒子の試料がとられ、浮遊している粒子が20%で、浮遊試験を使用して評価された。チャンバは再び10トール(1.3×10Pa)まで減圧された。次いで、攪拌器は6rpmで作動され、DDMSバルブは蒸気処理のために10分間粒子に開放された。チャンバ圧力は12.5トール(1.7×10Pa)に到達し、19.3グラムのDDMSが消費された。次いでDDMSバルブが閉じられ、チャンバは2分間排気され、周囲条件に通気された。粒子の試料がとられ、浮遊している粒子が50%で、浮遊試験を使用して評価された。チャンバは再び10.5トール(1.4×10Pa)まで減圧された。次いで、攪拌器は6rpmで作動され、DDMSバルブは蒸気処理のために10分間粒子に開放された。チャンバ圧力は15.6トール(2.0×10Pa)に到達し、17.2グラムのDDMSが消費された。次いでDDMSバルブが閉じられ、チャンバは2分間排気され、周囲条件に通気された。粒子の試料がとられ、浮遊している粒子が95%で、浮遊試験を使用して評価された。合計30分の暴露時間及び57.3グラムのDDMSが消費された後、処理は停止された。処理された粒子が取り除かれ、ふるいにかけられ、かつ150℃で8時間、後乾燥させて、粒子内の未反応の水分吸着を除去した。
【0202】
粒子の実施例20
粒子の実施例20は以下の変更を除き、例示の実施例1及び粒子の実施例8〜10の方法に従って調製された。シリカゲルは白色で、粒子寸法0.2mm〜1.0mmの範囲を有する不規則な粒子だった(International Silica Gel Co.LTD(Shandong,China)から入手した)。受領状態の粒子は、DDMS蒸気処理の前に湿度に暴露された(30°F(−1℃)及び相対湿度80%)。湿度への暴露中に、粒子の一部分の湿度獲得は、それが6.0重量%に到達するまで、10〜20分毎にチェックされた。湿度に暴露された約1060グラムのシリカゲルは、真空チャンバ内側の、粒子の実施例18に記載の、粒子攪拌器に充填された。チャンバは10トール(1.3×10Pa)まで減圧された。次いで、攪拌器は12rpmで作動され、0.7で設定されたマスフローコントローラはDDMSバルブとして使用された。DDMSバルブは蒸気処理のために32分間、粒子に開放された。チャンバ圧力は12.5トール(1.7×10Pa)に到達し、32.6グラムのDDMSが消費された。次いでDDMSバルブが閉じられ、チャンバは2分間排気され、周囲条件に通気された。処理された粒子が取り除かれ、粒子内の未反応の水分を吸着するために150℃で8時間、後乾燥させた。粒子の実施例20は、処理された粒子の100%が表面に浮遊している状態で、上記の試験方法のセクションで記載されている浮遊試験に合格した。
【0203】
比較用の実施例2
約2kgのシリカゲル(AGM Container Controls,Inc.(Tucson,AZ)から入手の品番:920014)は、1〜1.5トール(130〜200Pa)の圧力で1リットル/分のNFガスを使用することによって処理された。プラズマは、MKS Instruments(Wilmington,MA)、モデルAstex−Astron eXから入手した遠隔のプラズマ源を使用することによって作られた。チャンバ内の基底圧は、ガスの導入前は0.1トール(13Pa)を下回った。シリカゲル粒子は30分間処理された。比較用の実施例2は、いくつかの粒子が、水を含むバイアル瓶内に撒かれたという変更を伴って、上記の試験方法のセクションで記載されている浮遊試験に供された。全ての粒子は水に沈み破裂音を伴って反応した。
【0204】
相対湿度の測定
図2A及び2Bに示されるように、装置200は、吸収性粒子の実際の摩耗条件をシミュレーションするために作られた。装置は4インチ(10cm)×8インチ(20cm)の寸法を備える2つのポリカーボネートフレーム202から作られた。下着のパンツ204(商標「NaturalFIT」でユニ・チャーム株式会社から入手した。Mサイズ、87%綿、13%ポリエステル)に取り付けられた生理用ナプキン206(ユニ・チャーム株式会社(東京港区、日本)から入手した商標「HADAOMOI」)は、露出された生理用ナプキン206と共にフレーム202の間に配置された。Traceable Calibration Control Company(Carrollton,TX)から入手した追跡可能な比重計/温度計(温度/湿度プローブ216)(S/N 80174650)は、環境中の湿度を測定するために生理用ナプキン206上に配置された。トップフレーム202は、ユニ・チャーム株式会社から商標「BODYFIT」で入手した生理用ナプキンのおむつバックシート多孔質フィルム208の一部分で封止された。湿らせたタオル210をフィルムの上の配置し、皮膚からの発汗をシミュレーションした。装置全体は次いで、ポリエチレンフィルム212で被覆された。加熱パッド214を装置の頂部に配置し、作動させ、36℃の温度を提供するように調節した。装置は次いで開かれ、2グラムの粒子205は、生理用ナプキン206の中心部分に配置された。装置は閉鎖され、0分での湿度を提供するために、湿度がすぐに記録された。30分後、1.5mLの液体218(ヒツジの血液又は食塩水)が、プローブ216から離れて35mmのスポットで、注射器を用いて注入された。ヒツジの血液は、40体積%のヒツジの血液と60体積%のBHIバクテリア培地の混合物であり、それらの両方はBiomerieux,Inc.(Durham,NC)から入手された。ヒツジの血液又は食塩水の1.5mLの注入は、以下の表の評価の持続時間中、30分毎繰り返された。プローブ216は、シリアルケーブルでパーソナルコンピュータに接続され、次いで、相対湿度は、商標「DATA ACQUISITION SYSTEM」でTraceable Calibration Control Companyから入手したソフトウェアを用いて30秒毎モニターされた。生理用ナプキン206は、外観検査のために評価の終わりで取り除かれた。
【0205】
吸収性物品の実施例1〜4及び比較用の実施例A
粒子の実施例1〜4の粒子、未処理のシリカゲル、及び粒子を有さない対照は、上記の相対湿度の測定の試験方法を使用して評価された。シリカゲル粒子がその上に配置されていない生理用ナプキンが対照として使用された。ヒツジの血液が、注入された流体だった。結果を下記の表15に示す。
【0206】
【表15】

【0207】
吸収性物品の実施例5〜8及び比較用の実施例B
粒子の実施例1〜3の粒子、未処理のシリカゲル、及び粒子を有さない対照は、「HADAOMOI」生理用ナプキンの代わりに、ユニ・チャーム株式会社から商標「BODYFIT」で入手された生理用ナプキンが使用されたという変更を伴って、上記の相対湿度の測定の試験方法を使用して評価された。シリカゲル粒子がその上に配置されていない生理用ナプキンが対照として使用された。これらの生理用ナプキンはSAPを含まなかった。粒子の実施例1の粒子はまた、2グラムの代わりに3グラムのレベルで評価された。ヒツジの血液が、注入された流体だった。結果を下記の表16に示す。
【0208】
【表16】

【0209】
吸収性物品の実施例9及び比較用の実施例C
粒子の実施例1の粒子、未処理のシリカゲル、及び対照は、上記の相対湿度の測定試験方法を使用して評価された。シリカゲル粒子がその上に配置されていない生理用ナプキンが対照として使用された。評価は上記の吸収性物品の実施例1〜8よりも長い時間、実施された。結果を下記の表17に示す。表中において、「n.d.」は、未測定を意味する。
【0210】
【表17】

【0211】
吸収性物品の実施例10〜12
様々な量の粒子の実施例1は、上記の相対湿度の測定試験方法を使用して評価された。シリカゲル粒子がその上に配置されていない生理用ナプキンが対照として使用された。評価は、以下の表18に示される実施例1の粒子の量を使用して実施された。食塩水、脱イオン水中の0.9重量%の塩化ナトリウムが、注入された流体として使用された。結果を下の表18に示す。
【0212】
【表18】

【0213】
吸収性物品の実施例13〜15
生理用ナプキンにおける様々な場所において、粒子の実施例1の粒子が上記の相対湿度の測定の試験方法を使用して評価された。シリカゲル粒子がその上に配置されていない生理用ナプキンが対照として使用された。場所はパルプの下、パルプの真上、及びトップシートの真下であった。食塩水、脱イオン水中の0.9重量%の塩化ナトリウムが、注入された流体として使用された。結果を下の表19に示す。
【0214】
【表19】

【0215】
吸収性物品の実施例16〜18及び比較用の実施例D
粒子の実施例1、5及び6の粒子、未処理のシリカゲル、並びに対照は、上記の相対湿度の測定の試験方法を使用して評価された。シリカゲル粒子がその上に配置されていない生理用ナプキンが対照として使用された。ヒツジの血液が、注入された流体だった。結果を下記の表20に示す。
【0216】
【表20】

【0217】
吸収性物品の実施例19〜22及び比較用の実施例E
例示の実施例1及び粒子の実施例8〜10の粒子、未処理のシリカゲル、並びに対照は、上記の相対湿度の測定の試験方法を使用して評価された。シリカゲル粒子がその上に配置されていない生理用ナプキンが対照として使用された。ヒツジの血液が、注入された流体だった。結果を下の表21に示す。
【0218】
【表21】

【0219】
吸収性物品の実施例23〜25及び比較用の実施例F
例示の実施例2並びに粒子の実施例11及び12の粒子、未処理のシリカゲル、並びに対照は、上記の相対湿度の測定の試験方法を使用して評価された。シリカゲル粒子がその上に配置されていない生理用ナプキンが対照として使用された。ヒツジの血液が、注入された流体だった。結果を下記の表22に示す。
【0220】
【表22】

【0221】
吸収性物品の実施例26〜29及び比較用の実施例G
例示の実施例4及び粒子の実施例13〜15の粒子、未処理のシリカゲル、並びに対照は、上記の相対湿度の測定の試験方法を使用して評価された。シリカゲル粒子がその上に配置されていない生理用ナプキンが対照として使用された。ヒツジの血液が、注入された流体だった。結果を下記の表23に示す。
【0222】
【表23】

【0223】
吸収性物品の実施例30〜32及び比較用の実施例H
粒子の実施例12、15及び7からの粒子、未処理のシリカゲル、並びに対照は、上記の相対湿度の測定の試験方法を使用して評価された。シリカゲル粒子がその上に配置されていない生理用ナプキンが対照として使用された。ヒツジの血液が、注入された流体だった。結果を下記の表24に示す。
【0224】
【表24】

【0225】
吸収性物品の実施例33及び34、並びに比較用の実施例I
粒子の実施例7及び16、未処理のシリカゲル、並びに対照は、上記の相対湿度の測定の試験方法を使用して評価された。シリカゲル粒子がその上に配置されていない生理用ナプキンが対照として使用された。ヒツジの血液が、注入された流体だった。結果を下記の表25に示す。
【0226】
【表25】

【0227】
吸収性物品の実施例35〜40及び比較用の実施例J
例示の実施例5〜8並びに粒子の実施例16及び17の粒子、未処理のシリカゲル、並びに対照は、上記の相対湿度の測定の試験方法を使用して評価された。シリカゲル粒子がその上に配置されていない生理用ナプキンが対照として使用された。ヒツジの血液が、注入された流体だった。結果を下記の表26に示す。
【0228】
【表26】

【0229】
吸収性物品の実施例41及び42、並びに比較用の実施例K
粒子の実施例18及び比較用の実施例1の粒子、未処理のシリカゲル、並びに対照は、上記の相対湿度の測定の試験方法を使用して評価された。生理用ナプキン(ユニ・チャーム株式会社(東京港区、日本)から商標「BODYFIT」で入手した)は、「HADAOMOI」生理用ナプキンの代わりに使用された。シリカゲル粒子がその上に配置されていない生理用ナプキンが対照として使用された。ヒツジの血液が、注入された流体だった。結果を下記の表27に示す。
【0230】
【表27】

【0231】
吸収性物品の実施例43及び44、並びに比較用の実施例L及びM
粒子の実施例19及び20の粒子、未処理のシリカゲル、並びに対照は、上記の相対湿度の測定の試験方法を使用して評価された。生理用ナプキン(ユニ・チャーム株式会社(東京港区、日本)から商標「BODYFIT」で入手した)は、「HADAOMOI」生理用ナプキンの代わりに使用された。シリカゲル粒子がその上に配置されていない生理用ナプキンが対照として使用された。比較用の実施例Lに関して、未処理のシリカゲルは、粒子の実施例19を作製するために使用されたシリカゲルだった。比較用の実施例Mのために、未処理のシリカゲルは、粒子の実施例20を作製するために使用されたシリカゲルだった。ヒツジの血液が、注入された流体だった。結果を下記の表28に示す。
【0232】
【表28】

【0233】
吸収性物品の実施例45及び比較用の実施例N
粒子の実施例20の粒子、粒子の実施例20を調製するために使用された未処理のシリカゲル、及び対照は、上記の相対湿度の測定の試験方法を使用して評価された。パルプのコア領域内に有意な量のSAPを含む生理用ナプキン(花王(東京中央区、日本)から「LAURIER F」で入手した)は、商標「HADAOMOI」でユニ・チャーム株式会社から入手した生理用ナプキンの代わりに使用された。シリカゲル粒子がその上に配置されていない生理用ナプキンが対照として使用された。ヒツジの血液が、注入された流体だった。結果を以下記の表29に示す。
【0234】
【表29】

【0235】
ティーバッグの水の取り込み
この試験は、いくつかの以下の実施例に関して、処理された多孔質粒子の水の吸収容量を評価するために使用された。ティーバッグは、57マイクロメートル(255メッシュ)のふるいの開口部を備えるナイロン織布から作製され、幅2インチ(5.1cm)×長さ6インチ(15.2cm)に切断され、折り畳まれて、幅2インチ(5.1cm)×長さ3インチ(7.6cm)のバッグを作製した。ティーバッグの側面は熱封止された。内側の寸法は3インチ(7.6cm)×幅1.5インチ(3.8cm)である。以下の手順が使用された。脱イオン水(400mL)が室温(75°F(24℃))においてカップ内に配置された。2グラムの粒子がティーバッグ内に配置された。ティーバッグは、脱イオン水のカップに浸漬され、3分間保持された。ティーバッグは取り除かれ、1分間水切りがされた。内部に粒子を備えるティーバッグの濡れた重量が測定された。この手順は、ティーバッグの濡れた重量を得るために粒子を充填することなく繰り返された。粒子が充填されたティーバッグ及び空のティーバッグは2つの、4つ折のペーパータオルの間で絞られ、次いで「拭かれた(wiped)」重量を見出すために測量された。3つの複製が各試料で使用された。水の吸収容量は、以下の方程式を使用して測定された:
水の吸収容量(g/g)=(粒子を備えるティーバッグの拭きとった重量−粒子を有さないティーバッグの拭きとった重量−乾燥粒子重量)/乾燥粒子重量。
【0236】
アンモニア臭気評価
アンモニア臭基評価は、以下の実施例の一部に関して実施された。1グラムの、処理された又は未処理の活性炭又はシリカゲルが、まずプラスチックカップ(2インチ(5.1cm)直径)内に配置された。次いで、粒子が充填されたキャップは8oz(0.24L)の広口ガラス瓶内に配置された。5ミリリットルの0.1wt%の水酸化アンモニウム溶液は、溶液が粒子に接触しないようにするために、ピペットによって広口ガラス瓶内に内壁に対して添加された。アンモニア臭気試験は、30分間、粒子に臭気を吸収させた後、Drager管の管を使用することによって実施された。乾燥及び濡れた試料がそれぞれ試験された。濡れた試料は以下のように調製された。1グラムの乾燥粒子が、上記のティーバッグに入れられた。次いで、粒子が充填されたティーバッグは3分で0.9重量%の食塩水に浸漬された。次いで、ティーバッグが取り出され、1分間浸漬され、粒子間に閉じ込められた水は、ペーパータオル間でバッグ内の粒子を搾ることによって拭き取られた。拭き取られた試料は、濡れた試料としてアンモニア臭基試験のために回収された。
【0237】
粒子の実施例21及び22
粒子の実施例21及び22は以下の変更を除き、例示の実施例1及び粒子の実施例8〜10の方法に従って調製された。実施例21のためのシリカゲル粒子は、1mm〜3mmの範囲の粒径(豊田化工株式会社から入手、Cas.No.:7631−86−9)を有するタイプBのシリカゲル粒子であり、実施例22のためのシリカゲル粒子は、0.5mm〜1.5mmの粒径を有するタイプBのシリカゲル粒子だった(International Silica Gel Co.Ltdから入手)。
【0238】
電解研磨したステンレス鋼バブラーは、ガラス管の代わりに、液体水素から真空チャンバまで蒸気を送達するために使用された。バブラーは、背の高い円筒形の密閉された容器であり、その頂部はディップポート、蒸気空間ポート、及びディップチューブポートを有した。DDMSは、充填ポートを通じて充填され、充填ポートはメタルシールプラグで密閉された。ディップポートに接続されたバルブはまた、メタルシールプラグで密閉された。バブラーをDDMSで充填した後、ディップチューブへのバルブ及び充填ポートは閉鎖された。DDMS蒸気を反応のために真空チャンバまで送達するために、蒸気空間バルブのみが使用された。追加のバルブが、蒸気源のon/offを制御するために取り付けられた。バブラーは周囲温度(すなわち22〜24℃)に維持された。
【0239】
粒子の実施例21及び22のそれぞれのシリカゲル粒子(表30に示されている重量を備える)は、それらが最高6重量%及び5重量%をそれぞれ取り込むまで、湿度オーブン内で水蒸気に暴露された。粒子は次いで、粒子攪拌器内に充填され真空チャンバ内に配置された。チャンバは回転ポンプを使用して表示された圧力まで減圧され、次いでチャンババルブを閉じることによって真空ポンプから接続が切られた。DDMS容器の最初の重量が記録され、次いでDDMSは粒子を処理するために開放された。所望の処理時間の後に、DDMS容器の最終重量が記録され、以下の表30に報告されている。初期重量及び最終重量の差は、粒子の処理のために消費されたDDMSの量として記載されている。処理された粒子は、評価前に150℃でオーブン乾燥された。
【0240】
【表30】

【0241】
粒子の実施例21及び22、並びに粒子の実施例21及び22の開始材料として使用される未処理のシリカゲルは、0.38重量%及び2重量%の重量増加までそれぞれ湿度に暴露されて、ティーバッグ水取り込み評価ではたった1つの複製のみが使用されたということを除いては、浮遊試験、液体水取り込み評価、及び上記のティーバッグ水取り込み評価を使用して評価された。その結果を以下の表31にまとめた。
【0242】
【表31】

【0243】
粒子の実施例21及び22、並びに粒子の実施例21の開始材料として使用される未処理のシリカゲルは、水蒸気取り込みが30℃及び相対湿度90%において測定されたことを除き、上記の水蒸気取り込み手順を使用して評価された。結果を下記の表32に示す。
【0244】
【表32】

【0245】
ESCAは、上記の方法を使用して実施例22の処理された粒子上に実施された。深さプロファイリングの結果は、外側の粒子表面に厚さ45nmの疎水性コーティングを示し、孔の内面は実質的に未処理かつ親水性のままであった。
【0246】
粒子の実施例23〜24
実施例23及び24で処理されたシリカゲル粒子は、0.5mm〜1.5mmの粒径を有するタイプBのシリカゲル粒子だった(International Silica Gel Co.,Ltd.から入手した)。図3Cに全体的に記載されている装置を使用することを除いて、実施例21及び22に記載されているプロセスが実施された。DDMS蒸気運搬管は、ノズル380を用いて取り付けられた。ノズル380は0.5インチ(1.3cm)の外径を有し、DDMS蒸気運搬管は外径0.25インチ(0.64cm)を有した。内側管は、ノズル380の内側で終端して開いたままにし、最終的にノズル380は、0.25インチ(0.64cm)のポリエチレン管382を通じて粒子攪拌器の底部に接続された。ノズル380は、異なるポートを通じて真空チャンバの外の水蒸気送達源に接続された。表33に示されている窒素の流量は、水バブラー368によって泡立てられ、ノズル380内に水蒸気源を作った。以下の表33に他のプロセスパラメータも示されている。
【0247】
【表33】

【0248】
粒子の実施例25
粒子の実施例25は、表33に示されるプロセスの詳細が使用されたということを除き、粒子の実施例22に関して記載されたように調製された。
【0249】
粒子の実施例23〜25、及び粒子の実施例23〜25の開始材料として使用される未処理のシリカゲルは、1.4重量%の重量増加まで湿度に暴露されて、上記の浮遊試験、液体水取り込み評価、及び蒸気のティーバッグ水取り込み評価を使用して評価された。その結果を以下の表34にまとめた。
【0250】
【表34】

【0251】
粒子の実施例23〜25、並びに粒子の実施例23〜25の開始材料として使用される未処理のシリカゲルは、水蒸気取り込みが30℃及び相対湿度90%において測定されたことを除き、上記の水蒸気取り込み手順を使用して評価された。結果を下記の表35に示す。
【0252】
【表35】

【0253】
粒子の実施例23、及び粒子の実施例23〜25の開始材料として使用される未処理のシリカゲルは、記載されているアンモニア臭気評価手順を使用して評価された。濡れた試料の評価の手順が使用された。結果を下記の表36に示す。
【0254】
【表36】

【0255】
粒子の実施例26
粒子の実施例26で処理されたシリカゲル粒子は、0.5mm〜1.5mmの粒径を有するタイプBのシリカゲル粒子だった(International Silica Gel Co.,Ltd.から入手した)。50グラムの量の、受容された状態のシリカゲルが、例示の実施例1及びの粒子の実施例8〜10に使用された200ccの攪拌器内に充填され、チャンバは100トール(1.3×10Pa)まで減圧された。エタノール蒸気は、攪拌器の底部において蒸気ポートを通じてチャンバに受け入れられた。10分後、試料は攪拌器から取り出され、吸収されたエタノールの含有量は、水分計量器で測定された。エタノール含有量は8.19%だった。55.2グラムの量のエタノールが事前に吸収されたシリカゲルは、200ccの攪拌機内に充填され、チャンバは再び100トール(1.3×10Pa)まで減圧された。DDMS処理は、窒素流量0.1リットル/分を使用することを除いては、上記の粒子の実施例23及び24に記載されている方法を使用して実施された。処理の後に消費されたDDMSの重量は5.6グラムだった。処理された試料は充填されず、10分間、150℃で乾燥された。粒子の実施例26は、上記の浮遊試験、液体水取り込み評価、及びティーバッグ水取り込み評価を使用して評価された。浮遊試験では、試料内の粒子の100%が浮遊した。液体水取り込み評価では、0.92g/2gの水の取り込みが算出された。ティーバッグの水取り込み評価では、0.37g/gの水の取り込みが算出された。
【0256】
粒子の実施例26は、水蒸気取り込みが30℃、相対湿度90%において測定されたことを除き、上記の水蒸気取り込み手順を使用して評価された。結果を下記の表37に示す。
【0257】
【表37】

【0258】
粒子の調製27及び28
粒子の実施例27及び28に関して、2つの異なる活性炭のサンプルが使用された。粒子の実施例27に関して、活性炭は12×20メッシュ(1.68mm×0.85mm)の大きな粒径分布、及び粒子の実施例28に関して活性炭は、30×70メッシュ(0.60mm×0.21mm)の小さな粒径分布を有した。炭素粒子の両方は、クラレケミカル株式会社(日本)から入手された。粒子の実施例27及び28は、以下の表38に示されたプロセスパラメータを用いて、粒子の実施例23及び24の手順に従って調製された。
【0259】
【表38】

【0260】
粒子の実施例27及び28、並びに粒子の実施例27及び28に関して開始材料として使用される未処理の活性炭は、ティーバッグ取り込み評価がたった1つの複製物で実行されたことを除き、上記の液体水取り込み評価、及びティーバッグ水取り込み評価を使用して評価された。その結果を以下の表39にまとめた。
【0261】
【表39】

【0262】
粒子の実施例27及び28、並びに粒子の実施例27及び28の開始材料として使用される未処理のシリカゲルは、水蒸気取り込みが35℃及び相対湿度80%において測定されたことを除き、上記の水蒸気取り込み手順を使用して評価された。結果を下記の表40に示す。
【0263】
【表40】

【0264】
粒子の実施例28、及び粒子の実施例28の開始材料として使用される未処理の活性炭は、記載されているアンモニア臭気評価手順を使用して評価された。乾燥した試料、濡れた試料の両方を評価する手順が使用されている。結果を下記の表41に示す。
【0265】
【表41】

【0266】
本明細書で参照されている全ての特許及び刊行物は、参照として全体が本明細書に組み込まれている。本開示の範囲及び原理から逸脱することなく、本開示の様々な修正及び変更を当業者が行うことができ、本開示は上記で説明した例示的な実施形態に過度に限定して理解すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側表面及び内側の孔表面を含む処理された多孔質粒子であって、前記処理された多孔質粒子の外側表面の少なくとも実質的な部分は疎水基を含み、前記内側の孔表面は実質的に未処理である、処理された多孔質粒子。
【請求項2】
前記疎水基は、アルキル基又はアリール基の少なくとも1つを含み、アルキル及びアリールはそれぞれフッ素で置換されていてもよい、請求項1に記載の処理された多孔質粒子。
【請求項3】
外側表面及び内側の孔表面を含む処理された多孔質粒子であって、前記処理された多孔質粒子の外側表面の少なくとも一部分は疎水基を含み、前記疎水基は、アルキル基又はアリール基の少なくとも1つを含み、前記アルキル基及びアリール基はフッ素で置換されており、前記内側の孔表面は、少なくとも部分的に親水性である、処理された多孔質粒子。
【請求項4】
前記疎水基は、アルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせを有するシロキサンを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の処理された多孔質粒子。
【請求項5】
前記処理された多孔質粒子は、X線光電子分光法によって測定されたとき、最高50オングストロームの深さまで最高5原子パーセントのケイ素原子を有する前記外側表面を備えるシリカゲル粒子である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の処理された多孔質粒子。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の処理された多孔質粒子を含む、複数の粒子。
【請求項7】
前記複数の粒子が水面に撒かれて単一層を形成するとき、少なくとも75%の前記複数の粒子が水面に浮き、前記複数の粒子は30℃及び相対湿度50%において、24時間後にそれらの重量の少なくとも20%の水蒸気を吸収する、請求項6に記載の複数の粒子。
【請求項8】
前記複数の粒子は、30℃及び相対湿度80パーセントにおいて、前記疎水基を含まない比較用の複数の粒子の水蒸気取り込みの少なくとも60%である水蒸気取り込みを有する、請求項6又は7に記載の複数の粒子。
【請求項9】
前記複数の粒子の少なくとも一部分が水性液体に暴露されたとき、前記複数の粒子は、前記疎水基を含まない比較用の複数の粒子より大きく相対湿度を減少させる、請求項6〜8のいずれか一項に記載の複数の粒子。
【請求項10】
前記複数の粒子は、前記外側表面及び前記内側の孔表面が両方とも疎水基で処理された粒子を実質的に含まない、請求項6〜9のいずれか一項に記載の複数の粒子。
【請求項11】
未処理の乾燥剤粒子又は色変化表示剤の少なくとも1つを更に含む、請求項6〜10のいずれか一項に記載の複数の粒子。
【請求項12】
超吸収性ポリマー、親水性不織布、又は木材パルプの少なくとも1つを含む吸収性粒子又は繊維を更に含む、請求項6〜11のいずれか一項に記載の複数の粒子。
【請求項13】
請求項6〜12のいずれか一項に記載の複数の粒子と組み合わされた吸収性材料を含む、吸収性部品。
【請求項14】
液体透過性トップシート、液体不透過性バックシート、及び前記トップシートと前記バックシートとの間に請求項13に記載の吸収性部品又は請求項12の複数の粒子の少なくとも一方を含む、吸収性物品。
【請求項15】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の処理された多孔質粒子又は請求項6〜12のいずれか一項に記載の複数の粒子の乾燥剤としての使用。
【請求項16】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の処理された多孔質粒子又は請求項6〜12のいずれか一項に記載の複数の粒子の悪臭抑制剤としての使用。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−511466(P2013−511466A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540143(P2012−540143)
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/057717
【国際公開番号】WO2011/063370
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】