説明

処理システム、端末装置及びプログラム

【課題】 シンクライアントに対して異なる機種のプリンタのドライバをインストールする場合におけるインストール容量を抑える。
【解決手段】 シンクライアントCの起動に伴って、プリンタ情報取得部21により各プリンタPのプリンタ情報を列挙したプリンタリスト22が生成され、端末側プリンタ作成部24により当該プリンタリスト22とリファレンスドライバ(汎用ドライバ)の構成ファイル23とに基づいて内部アイコンが生成される。内部アイコンには、プリンタPの識別情報及び機種情報とリファレンスドライバとが対応付け設定されており、操作者がサーバSにログインした際に、内部アイコンによる対応付け設定の内容に基づいて、ACCP機能によりプリンタPの識別情報及び機種情報と専用モデルのドライバとを対応付け設定したプリンタアイコンがシンクライアントC用に生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理システム、端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
操作者により入力されたキー操作やマウス操作等の操作情報をサーバに送信し、クライアント端末にて、当該操作情報に対する応答としてその処理結果の表示内容を示す画面情報をサーバから受信し、当該受信した表示情報に基づく画面表示を行うシステムが知られている。このような、クライアント端末から、サーバ側の資源を用いて処理を行うシステムは、サーバ・ベース・コンピューティング(Server Based Computing)システムと呼ばれている。
実体的な処理をサーバ側のハードウェア資源を用いて行うサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおけるクライアント端末は、自己のハードウェア資源を用いて完結した処理を行うクライアント端末に比べて処理負担が少なく、また、液晶パネル等の表示装置、キーボード等の入力装置、サーバとの通信機能、及びこれらの制御に必要なプロセッサやメモリを備えていれば、ローカルディスク(HDD;Hard Disk Drive)等のハードウェア容量を、最低限必要な程度まで簡略化することが可能となり、また場合によっては、HDD等の記憶装置を省いた構成のシステムで動作させることも可能となる。
上記のようなサーバ・ベース・コンピューティング・システムでは、クライアント側のローカルディスクの容量を小さくして、システムの利用後に、ローカルディスク内には必要な文書を残さないように運用したり、ローカルディスクを持たせなくすることにより、データセキュリティ面及びコスト面で有利であり、種々の環境における利用が期待されている。
【0003】
サーバ・ベース・コンピューティング・システムでは、クライアントの端末とサーバが離れた拠点に設置されることがよくあり、クライアント側の拠点にプリンタが新たに設置された場合には、管理者がサーバに当該プリンタの機種に適合するドライバをインストールし、出力ポート・デバイス等のオプション設定や印刷設定などを拠点毎の環境に合わせたプリンタアイコンが作成される。
ここで、プリンタアイコンは、該当するプリンタの識別情報(例えば名称やIPアドレス)、機種情報(例えば機種の名称やID)、対応するドライバ等が設定されたものであり、プリンタを模した図形やプリンタの識別情報などを組にした表示としてクライアント端末の画面上に出力され、クライアント端末の操作者により印刷処理に用いるプリンタの選択に供される。
【0004】
サーバ・ベース・コンピューティング・システム環境においてサーバにおけるプリンタアイコンの作成の手間を軽減する技術として、Auto Create Client Printer機能(以下、ACCP機能と呼ぶ)が知られている。
ACCP機能は、サーバに対して各プリンタに応じたドライバをインストールしておき(プリンタアイコンは作成しない)、クライアント端末に対してその端末側の拠点に設置されたプリンタに応じたドライバをインストールするとともに、当該プリンタについてのアイコンを作成しておけば、クライアント端末の操作者がサーバにログインした際に、当該クライアント端末に作成されたアイコンに対応するプリンタの識別情報や機種情報がサーバに送信され、サーバがこれら情報に基づいて当該クライアント端末用にプリンタアイコンを自動生成するものである。
クライアント端末として、ハードディスク等の記憶装置を有さない、いわゆるシンクライアントを用いる場合、上記のクライアント側に作成されたプリンタアイコンは内部アイコンとして作成される。
ここで、内部アイコンは、該当するプリンタの識別情報、機種情報、対応するドライバ等が設定されたものである点で前記のプリンタアイコンと共通するが、クライアント端末の画面上に表示されるものではない。
なお、シンクライアント環境においては、機能の拡張を図るためにはROM(Read Only Memory)にインストールしておく必要があるが、使用できる容量に制約があるため、数多くのプリンタドライバをインストールすることはできない。
【0005】
シンクライアントシステムにおける印刷に関する発明として、例えば、シンクライアントにはプリンタドライバの代わりにポートドライバをインストールし、クライアントからの各種情報をサーバ上で制御し、サーバ上のモデル専用ドライバで印刷データを作成してプリンタに送信する仕組みが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2007−102308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、クライアント端末に対して異なる機種の出力装置の制御プログラムをインストールする場合におけるインストール容量を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明は、処理装置と端末装置を有し、前記端末装置は、自端末装置と通信可能な出力装置の識別情報及び機種情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された出力装置の識別情報及び機種情報と当該出力装置に関する出力制御プログラムとの対応関係の設定を、当該出力装置に関する出力制御プログラムとして、異なる機種の出力装置に適用可能な汎用の出力制御プログラムを用いて行う端末側設定手段と、前記端末側設定手段により出力制御プログラムとの対応関係が設定された出力装置の識別情報及び機種情報を前記処理装置に送信する送信手段と、を備え、前記処理装置は、前記端末装置から送信された出力装置の識別情報及び機種情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された出力装置の識別情報及び機種情報と当該出力装置に関する出力制御プログラムとの対応関係の設定を、当該出力装置に関する出力制御プログラムとして、当該出力装置の機種に適合した出力制御プログラムを用いて行う処理装置側設定手段と、前記端末装置にて受け付けられた出力指示に基づく出力処理を、前記処理装置側設定手段により設定された対応関係により特定される出力制御プログラムを用いて行うように制御する制御手段と、を備えた、ことを特徴とする処理システム。
【0009】
第2の本発明は、第1の本発明において、前記端末装置は、自端末装置と通信可能な複数の出力装置のうち1以上の出力装置を選択する入力を操作者から受け付ける受付手段を備え、前記端末側設定手段は、前記操作者により選択された出力装置を対象にして、前記取得手段により取得された出力装置の識別情報及び機種情報と汎用の出力制御プログラムとの対応関係を設定する、ことを特徴とする。
【0010】
第3の本発明は、自端末装置と通信可能な出力装置の識別情報及び機種情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された出力装置の識別情報及び機種情報と当該出力装置に関する出力制御プログラムとの対応関係の設定を、当該出力装置に関する出力制御プログラムとして、異なる機種の出力装置に適用可能な汎用の出力制御プログラムを用いて行う設定手段と、前記設定手段により出力制御プログラムとの対応関係が設定された出力装置の識別情報及び機種情報を処理装置に送信して、自端末装置にて受け付けた出力指示に基づく出力処理を当該出力装置の機種に適合した出力制御プログラムを用いて行うように当該出力装置の識別情報及び機種情報と当該出力装置に関する出力制御プログラムとの対応関係を前記処理装置に設定させる送信手段と、を備えたことを特徴とする端末装置である。
【0011】
第4の本発明は、コンピュータに、自端末装置と通信可能な出力装置の識別情報及び機種情報を取得する取得機能と、前記取得機能により取得された出力装置の識別情報及び機種情報と当該出力装置に関する出力制御プログラムとの対応関係の設定を、当該出力装置に関する出力制御プログラムとして、異なる機種の出力装置に適用可能な汎用の出力制御プログラムを用いて行う設定機能と、前記設定機能により出力制御プログラムとの対応関係が設定された出力装置の識別情報及び機種情報を処理装置に送信して、自端末装置にて受け付けた出力指示に基づく出力処理を当該出力装置の機種に適合した出力制御プログラムを用いて行うように当該出力装置の識別情報及び機種情報と当該出力装置に関する出力制御プログラムとの対応関係を前記処理装置に設定させる送信機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
第1の本発明によると、端末装置に対して異なる機種の出力装置の制御プログラムをインストールする場合におけるインストール容量を、本発明の構成を有しない場合と比較して少なくすることができる。
【0013】
第2の本発明によると、本発明の構成を有しない場合と比較して、端末装置に対するインストール対象の出力装置を適切に選択できる。
【0014】
第3の本発明によると、端末装置に対して異なる機種の出力装置の制御プログラムをインストールする場合におけるインストール容量を、本発明の構成を有しない場合と比較して少なくすることができる。
【0015】
第4の本発明によると、端末装置に対して異なる機種の出力装置の制御プログラムをインストールする場合におけるインストール容量を、本発明の構成を有しない場合と比較して少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るサーバベースコンピューティングシステムの概要を例示している。
本例のサーバベースコンピューティングシステムでは、処理装置の一例として拠点XにMetaFrameサーバSが設置され、拠点Yに複数の端末装置C1、C2が設置されている。また、拠点Yには、それぞれの端末装置C1、C2と通信可能な複数のプリンタP1、P2、P3が設けられている。本例における端末装置は、サーバベースコンピューティングシステムで動作する装置であれば特に限定するものではなく、例えば、記憶装置としてのHDDがあるものでも、また、HDD等の記憶装置がないものであってもよい。
【0017】
本例のシステムでは、例えば、端末装置C1の操作者がキー操作やマウス操作等の操作入力を行うと、その操作内容を示す操作情報が端末装置C1からサーバSに送信され、その処理結果の表示内容を示す画面情報がサーバSにより生成されて端末装置C1に応答として返信され、当該画面情報に基づく画面表示が端末装置C1により行われる。
【0018】
図2は、本例のシステムにおける出力処理の一例として印刷処理に関する機能ブロックを例示している。
サーバS、端末装置C、プリンタPの各機能部について、処理の流れに沿って説明する。
【0019】
操作者が端末装置Cの電源を立ち上げて起動すると、これに伴って、端末装置Cのプリンタ情報取得部21により自サブネット上のプリンタPを検索し、これらプリンタPからプリンタ情報を収集する。すなわち、通信可能なプリンタPに対してプリンタ情報の送信を要求し、この要求に応じてプリンタPのプリンタ情報送信部31から送信されるプリンタ情報を取得する。プリンタ情報には、プリンタPの識別情報(例えばプリンタの名称やID)、機種情報(例えば機種(モデル)の名称やID)、出力ポート情報、オプション構成情報などが含まれており、各プリンタPから収集されたプリンタ情報に基づいてプリンタ情報取得部21によりプリンタリスト22が生成される。
図1の例によると、端末装置C1の起動により、プリンタP1、P2、P3のそれぞれから収集されたプリンタ情報を列挙したプリンタリスト22が生成される。
【0020】
図3は、プリンタリスト22の一例を示しており、複数のプリンタPのそれぞれについて、ネットワーク上におけるプリンタPの所在を示す「ポート」、プリンタPの機種を示す「モデル名」、プリンタPに付された名称を示す「名前」、プリンタPが付加的に有する機能を示す「オプション構成」などの情報を含むプリンタ情報が設定されている。
本例では、サブネット上に設置されている全てのプリンタPを対象としてプリンタリスト22を作成しているが、例えば、図4に示すようなプリンタ選択画面を端末装置Cにより表示させ、当該画面において操作者により選択されたプリンタPを対象としてプリンタリスト22を作成してもよい。
また、プリンタリスト22の対象とするプリンタPを選出する条件を予め設定しておき、この選出条件に基づいて選出されたプリンタPを対象としてプリンタリスト22を作成してもよい。選出条件としては、種々な条件を採用することができ、例えば端末装置CとプリンタPの距離に関する条件(距離が予め定められた閾値以内であるプリンタPの選択や、距離が近いほうから予め定められた数のプリンタPの選択など)としてもよく、この場合には、例えばGPS(Global Positioning System)等により各装置の位置情報を検出して距離を求めたり、或いは予め設定された各装置の位置情報から距離を求めたりすればよい。
【0021】
端末装置Cのプリンタ情報取得部21によるプリンタリスト22の作成後、端末装置Cの端末側プリンタ作成部24は、このプリンタリスト22に列挙されているプリンタ情報を順に参照し、以下の手順により各プリンタPについての内部アイコンを作成する。
(ア)リファレンスドライバの構成ファイル23をインストール用一時フォルダにコピーする。
(イ)リファレンスドライバのインストール関数を呼び出して、当該ドライバのインストールを行う。このとき、インストール結果のドライバのモデル名としてプリンタ情報に含まれているモデル名を設定する。
(ウ)上記インストールされたドライバと適当なアイコン名(例えばプリンタの名称やIPアドレス)を指定してプリンタのインストール関数を呼び出し、内部アイコンの生成を行う。
この結果、プリンタPの識別情報(本例ではアイコン名)及び機種情報(本例ではモデル名)とリファレンスドライバとが対応付け設定された内部アイコンが生成される。
【0022】
ここで、一般的に、プリンタドライバ(出力制御プログラムの一例)は、該当するモデルの機能の全てを実装し且つそのモデルに固有の名称が付されたモデル専用のドライバであるか、用紙サイズの指定や印刷の向きの指定などの共通的な機能のみを実装し且つ汎用名称を付された汎用ドライバである。上記のリファレンスドライバは、各モデルに共通して適用可能な汎用ドライバであるが、ドライバインストールの際にモデル名を設定することが可能なものであり、このモデル名の設定により、あたかもそのモデル専用のドライバの如く見せかけるものである。これにより、MetaFrameサーバのACCP機能においてサーバ側でモデル専用のドライバが使用されることになる。
【0023】
なお、(ア)で使用するリファレンスドライバの構成ファイル23は、例えば、システムの管理者が事前に端末装置Cにインストールしていたものをドライバインストールフォルダから読み込むか、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの外部記憶装置から読み込む等されるものであり、同一モジュールが繰り返して使用される。また、インストール一時フォルダにコピーされたドライバ構成ファイル23は、ドライバインストールの実行に伴ってインストール一時フォルダからインストール先のフォルダに移動される(本例では、各モデルで共有される同一フォルダに上書きインストール)。また、(ウ)におけるアイコン名(プリンタPの識別情報)は、利用者が識別し易い情報をもとに生成するものとし、プリンタPのIPアドレスやプリンタPから取得できる属性情報などから生成するのが一般的である。
なお、既にドライバをインストール済みのモデルに対しては、(ア)及び(イ)の処理は省略される。
【0024】
端末装置Cの端末側プリンタ作成部24による内部アイコンの作成後、端末装置Cの操作者がサーバにログインすると、端末装置Cに作成された内部アイコンに対応付け設定されたプリンタの識別情報及び機種情報の組が、端末装置Cの端末側プリンタ情報送信部25により送信され、サーバSの端末側プリンタ情報受信部11により受信される。
【0025】
サーバSのサーバサイドプリンタ作成部12は、端末装置Cから受信したプリンタの識別情報及び機種情報の組に基づいて、端末装置Cに作成された全ての内部アイコンに対応するプリンタアイコンを当該端末装置C用に自動生成する。なお、サーバSには、システム内に設置される可能性のあるプリンタPについてのモデル専用のドライバが管理者により予めインストールされており、端末装置Cにインストールされたドライバのモデル名と一致するドライバ(モデル専用のドライバ)を用いてプリンタアイコンの生成が行われる。
この結果、プリンタの識別情報(本例ではアイコン名)及び機種情報(本例ではモデル名)とモデル専用のドライバとが対応付け設定されたプリンタアイコンが生成される。
【0026】
端末装置Cの操作者がアプリケーションから印刷指示を行う際には、印刷ダイアログに当該端末装置C用のプリンタアイコンが列挙して提示され、印刷出力に用いるプリンタアイコン(プリンタP)が操作者により選択される。プリンタアイコンの選択後、印刷開始が指示されると、選択されたプリンタアイコンに対応付け設定されたモデル専用ドライバを用いた印刷データの生成がサーバSにより行われ、当該プリンタアイコンに対応付け設定されたプリンタの識別情報(アイコン名)により特定されるプリンタ宛として印刷データ送信部13から端末装置Cに送信される。
端末装置Cは、印刷データ転送部26によりサーバSから受信した印刷データを該当するプリンタPのプリンタポートへ出力(転送)する。このとき、端末装置Cにおける内部アイコンに対応付け設定されたインストールドライバ(リファレンスドライバ)による印刷データに対する加工は行われない。
プリンタPは、印刷データ受信部32により印刷データを受信すると、当該印刷データに基づく印刷処理を印刷処理制御部33による制御のもとで実行する。
【0027】
ここで、本例におけるサーバSの端末側プリンタ情報受信部11、サーバサイドプリンタ作成部12、印刷データ送信部13、端末装置Cの端末側プリンタ情報送信部25、印刷データ転送部26の各機能は、MetaFrameのACCP機能に該当するものであるが、本発明をこれに限定するものではない。
【0028】
図5は、端末側プリンタ作成部24の処理フローを例示している。
端末装置Cのプリンタ情報取得部21により作成されたプリンタリスト22からプリンタ情報を1行読み込む(ステップS11)。
最終行のプリンタ情報まで処理済み(内部アイコン作成済み)か否かを判定する(ステップS12)。最終行のプリンタ情報まで処理済みであれば終了し、最終行のプリンタ情報まで処理済と判定されない場合には、以下の処理を行う。
【0029】
プリンタ情報からプリンタのモデル名を抽出し(ステップS13)、端末装置C内にインストール済みのドライバモデルを確認し(ステップS14)、当該プリンタのモデルについてドライバがインストール済みか否かを判定する(ステップS15)。
ステップS15においてインストール済みでないと判定された場合には、リファレンスドライバの構成ファイル23をインストール用一時フォルダにコピーし(ステップS16)、前記抽出したモデル名を指定してドライバインストールを行う(ステップS17)。その後、プリンタ情報に基づいて当該プリンタについての内部アイコンのアイコン名を作成し(ステップS18)、使用するドライバとアイコン名を指定して内部アイコンを作成する(ステップS19)。
ステップS15においてインストール済みと判定された場合には、プリンタドライバのインストール(ステップS16、S17)は行わずに、内部アイコンの作成(ステップS18、S19)を行う。
その後、ステップS11に戻り、プリンタリスト22内の全てのプリンタ情報について上記の処理を繰り返す。
【0030】
図6は、本例の端末装置Cを構成するコンピュータの主要なハードウェアを例示している。
本例では、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)41、CPU41の作業領域となるRAM(Random Access Memory)42、基本的な制御プログラムや本発明に係るプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)43、液晶ディスプレイ等の表示装置やマウス・キーボード等の入力機器とのインターフェースである入出力I/F44、他の装置との間で通信を行うインターフェースである通信I/F45、等のハードウェア資源を有するコンピュータにより構成されている。つまり、本実施例における端末装置は、HDDのような大容量のディスク型記憶装置を具備しない、いわゆるシンクライアントPCとして構成されている。
そして、本発明に係るプログラムを読み出してRAM42に展開し、これをCPU41により実行させることで、上記の各機能を端末装置Cのコンピュータにより実現している。
【0031】
なお、端末装置Cとしては、所謂モバイルPC(Personal Computer)やPDA(Personal Digital Assistants)或いは携帯電話等の携帯型の装置であってもよく、据置型の装置であってもよい。また、プリンタPに代えて、印刷・複写・スキャン・FAX等の機能を複合的に備えた複合機を用いてもよい。また、サーバSは、1台の装置により実現してもよく、複数台の装置により実現してもよい。また、サーバSと端末装置C間、及び端末装置CとプリンタP間の通信は、無線通信又は有線通信のいずれであってもよい。
端末装置は、本実施形態で示したいわゆるシンクライアントPCのような記憶装置を具備しない端末装置である必要はなく、端末装置として通常のPCのようにHDDを有するPCであってもよい。
【0032】
また、本発明に係るプログラムは、例えば当該プログラムを記憶したCD(Compact Disc)−ROM等の外部記憶媒体を配布する形式や通信網等を介して配信する形式等の種々の形式により、本発明に係るプログラムの利用者に提供することができる。
また、本例のようなソフトウェア構成により各機能部を実現する態様に限られず、それぞれの機能部を専用のハードウエアで実現するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態に係るサーバベースコンピューティングシステムの概要を例示する図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るサーバベースコンピューティングシステムにおける印刷処理に関する機能ブロックを例示する図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るプリンタリストを例示する図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るプリンタ選択画面を例示する図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る端末側プリンタ作成部の処理フローを例示する図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るシンクライアントを構成するコンピュータのハードウェアを例示する図である。
【符号の説明】
【0034】
S:サーバ、 C,C1,C2:端末装置、 P,P1,P2,P3:プリンタ、 11:端末側プリンタ情報受信部、 12:サーバサイドプリンタ作成部、 13:印刷データ送信部、 21プリンタ情報取得部、 22:プリンタリスト、 23:ドライバ構成ファイル、 24:端末側プリンタ作成部、 25:端末側情報送信部、 26:印刷データ転送部、 31:プリンタ情報送信部、 32:印刷データ受信部、 33:印刷処理制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理装置と端末装置を有し、
前記端末装置は、
自端末装置と通信可能な出力装置の識別情報及び機種情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された出力装置の識別情報及び機種情報と当該出力装置に関する出力制御プログラムとの対応関係の設定を、当該出力装置に関する出力制御プログラムとして、異なる機種の出力装置に適用可能な汎用の出力制御プログラムを用いて行う端末側設定手段と、
前記端末側設定手段により出力制御プログラムとの対応関係が設定された出力装置の識別情報及び機種情報を前記処理装置に送信する送信手段と、を備え、
前記処理装置は、
前記端末装置から送信された出力装置の識別情報及び機種情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された出力装置の識別情報及び機種情報と当該出力装置に関する出力制御プログラムとの対応関係の設定を、当該出力装置に関する出力制御プログラムとして、当該出力装置の機種に適合した出力制御プログラムを用いて行う処理装置側設定手段と、
前記端末装置にて受け付けられた出力指示に基づく出力処理を、前記処理装置側設定手段により設定された対応関係により特定される出力制御プログラムを用いて行うように制御する制御手段と、を備えた、
ことを特徴とする処理システム。
【請求項2】
前記端末装置は、自端末装置と通信可能な複数の出力装置のうち1以上の出力装置を選択する入力を操作者から受け付ける受付手段を備え、
前記端末側設定手段は、前記操作者により選択された出力装置を対象にして、前記取得手段により取得された出力装置の識別情報及び機種情報と汎用の出力制御プログラムとの対応関係を設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
自端末装置と通信可能な出力装置の識別情報及び機種情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された出力装置の識別情報及び機種情報と当該出力装置に関する出力制御プログラムとの対応関係の設定を、当該出力装置に関する出力制御プログラムとして、異なる機種の出力装置に適用可能な汎用の出力制御プログラムを用いて行う設定手段と、
前記設定手段により出力制御プログラムとの対応関係が設定された出力装置の識別情報及び機種情報を処理装置に送信して、自端末装置にて受け付けた出力指示に基づく出力処理を当該出力装置の機種に適合した出力制御プログラムを用いて行うように当該出力装置の識別情報及び機種情報と当該出力装置に関する出力制御プログラムとの対応関係を前記処理装置に設定させる送信手段と、
を備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項4】
コンピュータに、
自端末装置と通信可能な出力装置の識別情報及び機種情報を取得する取得機能と、
前記取得機能により取得された出力装置の識別情報及び機種情報と当該出力装置に関する出力制御プログラムとの対応関係の設定を、当該出力装置に関する出力制御プログラムとして、異なる機種の出力装置に適用可能な汎用の出力制御プログラムを用いて行う設定機能と、
前記設定機能により出力制御プログラムとの対応関係が設定された出力装置の識別情報及び機種情報を処理装置に送信して、自端末装置にて受け付けた出力指示に基づく出力処理を当該出力装置の機種に適合した出力制御プログラムを用いて行うように当該出力装置の識別情報及び機種情報と当該出力装置に関する出力制御プログラムとの対応関係を前記処理装置に設定させる送信機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−160727(P2010−160727A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3402(P2009−3402)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】