説明

処理実行装置及び方法、及び処理実行プログラム

【課題】 ユーザの手間を軽減する。
【解決手段】 複数の処理(イメージ補正、OCR、文書変換等)の順番を指示する指示書22に従って、イメージデータに対して処理を実行するジョブフロー実行装置において、第1の処理サービス16において、イメージ補正処理にエラーが発生した場合には、そのエラーレベルの態様に応じて、致命的なエラーの場合には、処理を中止し、問合せレベルであれば、ユーザに以後、このまま継続して処理をしていいのかを問い合わせる。ユーザからの返答に応じて、処理中止の場合には、以後の処理を中止する。一方、このまま継続して処理をしてもよい場合には、処理を継続させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理実行装置及び方法、及び処理実行プログラムにかかり、特に、複数の処理の順番を指示する指示データに従って、データに対して処理を実行する処理実行装置及び方法、及び処理実行プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のジョブ(処理)の実行の順番を示す指示書(指示データ)に基づいて、各ジョブを実行するジョブフロー処理システムが提案されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
ここで、複数の処理の内の一つの処理としては例えば、英文文字認識、日本語文字認識、及び中国語文字認識等がある。従来、ユーザがどの言語の文字認識を実行するのかを指示書に設定していた。このように、従来のジョブフロー処理システムでは、どの処理を実行させるのかをユーザが指示書に設定しなければならず、ユーザにとって煩わしく、手間が大きかった。
【0004】
また、指示データに基づいて、複数の処理を順に実行する際に、1つの処理の処理結果にエラーが発生しても、従来のジョブフロー処理システムでは、エラーの結果を引きずって、後の処理が実行される。よって、ユーザは、最終の処理結果をみて、エラーが発生した処理を判断し、何らかの処理の態様を変更して指示データを再度作成し、再度処理を実行させていた。よって、ユーザにとって煩わしく、手間が大きかった。
【0005】
更に、大量の原稿、例えば100ページの原稿を読み取る場合には、従来、全ての原稿を読み取り、そこに記載された文字を認識し、所定の文書変換をしていた。このように、大量のページの原稿を1度に処理すると時間がかかるので、従来、例えば、前半のページ(1〜50ページ)の文字認識及び文書変換の第1の指示データと後半の原稿(51ページ〜100ページ)の文字認識及び文書変換の第2の指示データを作成し、各原稿を各指示データに従って処理させていた。そして、第1の指示データに基づいて処理された最終のデータと、第2の指示データに基づいて処理された最終のデータとを、最終的にユーザが併合していた。よって、ユーザにとって煩わしく、手間が大きかった。
【特許文献1】特開2004−112636公報
【特許文献2】特開2004−151893公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事実に鑑み成されたもので、ユーザの手間を軽減することの可能な処理実行装置及び方法、及び処理実行プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、複数の処理の順番を指示する指示データに従って、データに対して処理を実行する処理実行装置であって、既に実行された処理により得られた情報に基づいて、複数の処理の内の1つの処理を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された処理が実行されるように、前記指示データに設定する設定手段と、を備えている。
【0008】
即ち、本発明は、複数の処理の順番を指示する指示データに従って、データに対して処理を実行する処理実行装置である。
【0009】
選択手段は、既に実行された処理により得られた情報に基づいて、複数の処理の内の1つの処理を選択する。そして、設定手段は、選択手段により選択された処理が実行されるように、指示データに設定する。
【0010】
例えば、文字認識処理について、日本語認識処理、英語認識処理、及び中国語認識処理等の複数の処理がある場合、従来では、ユーザが何れの処理を実行するのかを指示データに指示していた。よって、ユーザにとって煩わしく、手間が大きかった。
【0011】
これに対して、本発明は、既に実行された処理、例えば、原稿の読取処理や、読み取って得られたデータに対するイメージ処理により得られた情報、例えば、原稿のサイズに基づいて、例えば、原稿サイズがレターサイズの場合には、英語認識処理を選択し、原稿サイズが日本に特有なサイズ(A版、B版)の場合には、日本語認識処理、そして、原稿サイズが中国に特有なサイズの場合には、中国語認識処理を選択し、指示データに選択された処理が実行されるように設定する。
【0012】
このように、既に実行された処理により得られた情報に基づいて、複数の処理の内の1つの処理を選択し、選択された処理が実行されるように指示データに設定するので、ユーザは、何れの処理を実行するのかを指示データに設定する必要がなく、ユーザの手間を軽減することができる。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、複数の処理の順番を指示する指示データに従って、データに対して処理を実行する処理実行装置であって、処理の対象となるデータ、及び既に実行された処理により得られた情報を入力する入力手段と、前記入力された前記情報に基づいて、複数の処理の内の1つの処理を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された処理を、前記入力されたデータに実行する実行手段と、を備えている。
【0014】
即ち、本発明は、複数の処理の順番を指示する指示データに従って、データに対して処理を実行する処理実行装置である。
【0015】
入力手段は、処理の対象となるデータ、及び既に実行された処理により得られた情報を入力する。即ち、他の処理実行装置が所定の処理を実行し、この処理により得られた情報が入力手段により入力される。
【0016】
選択手段は、入力された上記情報に基づいて、複数の処理の内の1つの処理を選択する選択し、実行手段は、選択手段により選択された処理を、入力されたデータに実行する。
【0017】
このように、既に実行された処理により得られた情報を入力し、該入力された、既に実行された処理により得られた情報に基づいて、複数の処理の内の1つの処理を選択し、選択された処理をデータに対して実行するので、ユーザは、何れの処理を実行するのかを指示データに設定する必要がなく、ユーザの手間を軽減することができる。
【0018】
請求項3記載の発明は、複数の処理の順番を指示する指示データに従って、データに対して処理を実行する処理実行装置であって、処理の複数の実行結果各々に対応して次の処理が予め定められ、処理の実際の実行結果に基づいて、次の処理を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された処理を実行する実行手段と、を備えている。
【0019】
即ち、本発明は、複数の処理の順番を指示する指示データに従って、データに対して処理を実行する処理実行装置である。
【0020】
処理の複数の実行結果各々に対応して次の処理が予め定められ、決定手段は、処理の実際の実行結果に基づいて、次の処理を決定し、実行手段は、該決定された処理を実行する。
【0021】
このように、処理の実際の実行結果に基づいて次の処理を決定し、該決定された処理を実行するので、ユーザによる次の処理の設定を排除することができ、ユーザの手間を軽減することができる。
【0022】
例えば、請求項4のように、決定手段は、処理の実際の結果が第1の不良状態の場合には、次の処理として問合せ処理を決定する。また、請求項5のように、決定手段は、処理の実際の結果が第1の不良状態より不良な第2の状態の場合には、次の処理として処理中止処理を決定する。
【0023】
また、例えば、請求項6のように、上記データは、元データに対して他の処理が既に実行されて得られたデータであり、決定手段は、処理の実際の結果が所定の不良状態の場合には、他の処理の実行態様を変更して元データに対して再度実行するように、指示データに設定することを、次の処理として決定する。即ち、元データに対して他の処理が既に実行されて得られたデータに対して処理を実行したとき、その処理の実際の結果が所定の不良状態の場合には、その原因は、当該他の処理の態様が不充分だった場合が考えられ、その態様を変更すれば、処理を実行するデータが良好となり、処理の実際の結果も所定の不良状態でない(良好等)となる場合がある。
【0024】
そこで、決定手段は、処理の実際の結果が所定の不良状態の場合には、他の処理の実行態様を変更して元データに対して再度実行するように、指示データに設定することを、決定する。
【0025】
このように決定されると、実行手段は、他の処理の実行態様を変更して元データに対して再度実行するように、指示データに設定する。よって、再度、当該指示データに対して、実行態様が変更された当該他の処理が実行され、本処理の処理の実際の結果も所定の不良状態とならにようにすることができる。
【0026】
このように、処理の実際の結果が所定の不良状態の場合には、他の処理の実行態様を変更して元データに対して再度実行するように、指示データに設定することを、次の処理として決定するので、実行手段は、他の処理の実行態様を変更して元データに対して再度実行するように、指示データに設定することになり、ユーザによる設定を排除することができ、ユーザの手間を軽減することができる。
【0027】
請求項7記載の発明は、複数の処理の順番を指示する第1の指示データに従って、データに対して処理を実行する処理実行装置であって、前記指示データにより指示された前記複数の処理の1つには、前記第1の指示データと異なる他の第2の指示データに従って処理が実行されたデータと、前記第1の指示データに従って処理が実行されたデータとを併合する処理が含まれることを特徴とする。
【0028】
即ち、本発明は、複数の処理の順番を指示する第1の指示データに従って、データに対して処理を実行する処理実行装置である。
【0029】
そして、本発明では、指示データにより指示された複数の処理の1つに、第1の指示データと異なる他の第2の指示データに従って処理が実行されたデータと、第1の指示データに従って処理が実行されたデータとを併合する処理を含めている。
【0030】
例えば、大量な頁数、例えば、100枚の原稿を読み取り、そこに記載されている文字を認識して、文書変換する場合を考える。
【0031】
従来は、1度に100枚の原稿の読み取り、文字認識、及び文書変換を指示データに設定していた。これでは、処理完了に長い時間を必要としていた。
【0032】
そこで、100枚の原稿の前半の原稿の読み取り、文字認識、及び文書変換を第1の指示データに設定し、また、後半の原稿の読み取り、文字認識、及び文書変換を第2の指示データに設定していた。そして、100枚の原稿の前半の原稿を読み取って得られたデータに対して第1の指示データに基づいて処理を実行し、また、後半の原稿の読み取って得られたデータに対して第2の指示データに基づいて処理を実行していた。最終的には、ユーザがそれぞれのデータを併合していたので、ユーザにとって煩わしく手間が大きかった。
【0033】
これに対し、本願発明は、指示データにより指示された複数の処理の1つに、第1の指示データと異なる他の第2の指示データに従って処理が実行されたデータと、第1の指示データに従って処理が実行されたデータとを併合する処理を含めているので、ユーザによるそれぞれのデータの併合を排除でき、ユーザの手間を軽減することができる。
【0034】
なお、請求項8〜14における処理実行方法、及び請求項15〜21における処理実行プログラムはそれぞれ、請求項1〜請求項7の処理実行装置における上記作用、効果と同様の作用、効果を奏するので、その説明を省略する。
【発明の効果】
【0035】
以上説明したように請求項1、8、及び15記載の発明によれば、既に実行された処理により得られた情報に基づいて、複数の処理の内の1つの処理を選択し、選択された処理が実行されるように指示データに設定するので、ユーザは、何れの処理を実行するのかを指示データに設定する必要がなく、ユーザの手間を軽減することができる、という効果がある。
【0036】
請求項2、9、16記載の発明は、既に実行された処理により得られた情報を入力し、該入力された、既に実行された処理により得られた情報に基づいて、複数の処理の内の1つの処理を選択し、選択された処理をデータに対して実行するので、ユーザは、何れの処理を実行するのかを指示データに設定する必要がなく、ユーザの手間を軽減することができる、という効果がある。
【0037】
請求項3〜6、10〜13、17〜20記載の発明は、処理の実際の実行結果に基づいて次の処理を決定し、該決定された処理を実行するので、ユーザによる次の処理の設定を排除することができ、ユーザの手間を軽減することができる、という効果がある。
【0038】
請求項7、14、21記載の発明は、指示データにより指示された複数の処理の1つに、第1の指示データと異なる他の第2の指示データに従って処理が実行されたデータと、第1の指示データに従って処理が実行されたデータとを併合する処理を含めているので、ユーザによるそれぞれのデータの併合を排除でき、ユーザの手間を軽減することができる、という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0040】
図1に示すように、第1の実施の形態にかかる処理実行装置としてのジョブフローシステムでは、原稿をスキャンしてイメージデートとして入力する入力装置10には、リポジトリ14が接続され、リポジトリ14には、第1の処理サービス装置16が接続され、第1の処理サービス装置16には、第2の処理サービス装置18が接続され、第2の処理サービス装置18には、第3の処理サービス装置20が接続されている。なお、リポジトリ14、第1の処理サービス装置16から第3の処理サービス装置20は、処理実行装置に対応する。
【0041】
リポジトリ14、第1の処理サービス装置16〜第3の処理サービス装置20は、周知のサーバにより構成されている。即ち、リポジトリ14は、図示しないCPU、ROM、RAM、入出力ポートなどで構成された制御部と、後述するイメージデータ及び指示書(指示データ)を記憶する記憶装置を備えている。
【0042】
第1の処理サービス装置16は、CPU、ROM、RAM、及び入出力ポート等を備えて構成された制御部30と、イメージ補正処理部及びノイズ除去処理部を備えた処理モジュール部32とを備えている。
【0043】
第2の処理サービス装置18は、制御部30と同様の構成の制御部34と、英文OCR処理実行部、日本語OCR処理実行部、及び中国語OCR処理実行部を備えた処理モジュール部36とを備えて構成されている。
【0044】
第3の処理サービス装置20は、上記制御部30と同様の構成の制御部38と、PDF変換処理実行部、ワード変換処理実行部、及びエクセル変換処理実行部を備えた処理モジュール群40とを備えて構成されている。
【0045】
指示書22は、図1に示すように、複数の処理の順番を指示するデータによって構成され、データの属性を設定する属性情報部26と、複数の処理の順番及び各処理の実施様態を指示する共通処理記述部28とを備えている。
【0046】
次に、本実施の形態の作用を説明する。ユーザが原稿を入力装置10の所定の原稿裁置台に裁置し、複数の指示書が記憶された指示書プール12から読み出された複数の指示書から所望の指示書を選択し、図示しないスタートボタンがONされると、入力装置10は、裁置台に裁置された原稿を読み取り、イメージデータを得る。このようにイメージデータを取得した入力装置10は、イメージデータと選択された指示書とをリポジトリ14に送信する。リポジトリ14はイメージデータ24N0及び指示書22を受信し、図示しない記憶装置に記憶し、記憶したイメージデータ24N0及び指示書22を、指示書において最初に実行が指示された処理を実行する処理サービス装置に転送する。図1に示す例では、最初の処理は、イメージ補正及びノイズ除去であり、これらの処理は第1の処理サービス装置16が実行可能であるので、リポジトリ14は、イメージデータ24N0及び指示書22を第1の処理サービス装置16に転送する。なお、指示書22における共通処理記述部28の処理サービス1〜3は、第1の処理サービス16〜20を示す。

第1の処理サービス装置16〜第3の処理サービス装置20は、このようにイメージデータ及び指示書を受信すると図2に示す処理実行プログラムをスタートする。本処理実行プログラムがスタートすると、ステップ52で、入力した指示書に基づいて、実行すべき処理を決定する。例えば、図1に示す例では、指示書及びイメージデータが入力された第1の処理サービス装置16は、指示書22の共通処理記述部28を参照し、イメージ補正及びノイズ除去が実行の指示がされているので、イメージ補正及びノイズ除去を実行すべき処理として決定する。
【0047】
次のステップ54で、上記ステップ52で決定された処理を実行する。
【0048】
次のステップ56で、指示書に基づいて、次の処理を実行すべき処理サービスを決定する。即ち、第1の処理サービス装置16では、指示書22の共通処理記述部22を参照し、自身(第1の処理サービス装置16)が実行した処理の次の処理を認識し、次の処理を実行するべき処理サービスを決定する。即ち、例えば、図1に示す例では、イメージ補正及びノイズ除去の次には英文OCR等が指示書22に指示されているので、第1の処理サービス装置16では、指示された英文OCR等が次の処理であることを認識し、英文OCR等を実行可能な第2の処理サービス装置18を次の処理サービスとして決定する。そして、ステップ58で、決定された処理サービスに、自身が処理を実行して得られたイメージデータ14N1と指示書22とを、転送する。
【0049】
次に、図2におけるステップ54の処理実行処理の詳細を、第1の処理サービス16が実行する場合を例にとり説明する。
【0050】
第1の処理サービス16は、図2のステップ52を実行した後、ステップ54を実行する際、図3に示す処理実行サブプログラムをスタートする。本サブプログラムがスタートすると、ステップ62で、イメージ補正処理を実行する。即ち、ステップ52(図2)では、上記のように、イメージ補正及びノイズ除去が順に実行するように指示されていると認識されているので、本ステップ62で、イメージ補正処理を実行する。
【0051】
次のステップ64で、イメージ補正処理の処理結果に基づいて、次の処理を決定し、決定された処理を実行する。
【0052】
次のステップ66で、指示書においてイメージ補正の次に指示されているノイズ除去を処理し、ステップ68で、前処理(この場合には、入力装置12におけるスキャン)によって得られた情報(例えば、原稿のサイズ)に基づいて、次の処理を決定する。
【0053】
次に、図3のステップ64の詳細を、図4を参照して説明する。上記ステップ62でイメージ補正処理が実行されると、図4のステップ72で、イメージ補正処理の処理結果にエラーがあるか否かを判断する。エラーがあると判断された場合には、ステップ74で、エラーのレベルを決定する。本実施の形態では、エラーレベルとしては、レベル1〜レベル5が予め定められており、レベル5は致命的レベルとして、レベル2〜4は後述する問い合わせレベルとして設定されている。
【0054】
ステップ76で、上記決定されたレベルが致命的レベル(レベル5)が否かを判断し、エラーレベルが致命的レベルでないと判断された場合には、ステップ78でエラーレベルが問い合わせレベル(レベル2〜レベル4)が否かを判断する。
【0055】
ステップ76でエラーレベルが致命的レベルであると判断された場合には、中止すべきと決定され、ステップ84で、処理中止処理を実行する。即ち、図3に示す後の処理が実行されないための処理を行う。即ち、入力したイメージデータ24N1や指示書22を消去する処理である。
【0056】
一方、エラーレベルが問い合わせレベルと判断された場合には、問い合わせ処理を行うべきと決定され、ステップ80で問い合わせを行う。即ち、本ステップ80では、入力装置10に、上記原稿のイメージデータの処理に問い合わせレベルのエラーが発生したことを表示させる。その他、指示書22内に、ユーザのパソコンを示すアドレスが設定されている場合には、設定されたパソコンに、問い合わせレベルのエラーが発生したことを報知する。
【0057】
このように、問い合わされたユーザは、以後の処理を継続すべきか否かを判断し、継続すべきと判断された場合には、入力装置10またはユーザのパソコンから継続命令信号を送信し、この場合にはステップ82で、継続指示と判断し、図3のステップ66以降を実施する。一方、継続信号が入力されない、即ち、処理中止信号を受信した場合には、ステップ82が否定判定され、ステップ84に進み、処理中止処理を実行する。
【0058】
次に、図3のステップ68の詳細を、図5に示すサブプログラムを示すフローチャートを参照して説明する。本プログラムがスタートすると、ステップ92で、指示書の属性情報部26に設定されている原稿サイズを取り込み、ステップ94で、原稿サイズかレターサイズか否かを判断する。原稿サイズがレターサイズであると判断された場合には、読み取られた原稿には英文が記載されていると判断でき、ステップ96で、英文OCRの実行を指示書に設定する。一方、原稿サイズがレターサイズでないと判断された場合には、ステップ98で、原稿サイズが日本サイズ(A判またはB判)か否かを判断する。原稿サイズが日本サイズの場合には、ステップ100で、日本語OCRの実行を指示書22に設定する。そして、ステップ98で、日本語サイズでないと判断された場合には、ステップ102で、中国語OCRの実行を設定する。
【0059】
次に、第2の処理サービス装置18による処理を説明する。第2の処理サービス装置18も図2に示す処理実行プログラムをスタートする。本処理実行プログラムがスタートすると、ステップ52で、指示書に基づいて実行すべき処理を決定する。本第2の処理サービス装置18は、文字認識(OCR処理)を実行するものであるが、前述したように、第1処理サービス装置16で、英文OCR、日本語OCR、及び中国語OCRのうちの何れかのOCRを実行するように設定されている。よって、指示書に基づいて第2の処理サービス装置18は、本ステップ52では、その指示に従って、指示されたOCRを実行すべき処理として決定する。
【0060】
次のステップ54で、決定された処理を実行する。即ち、第2の処理サービス装置18は、本ステップ54では、図6に示す処理を実行する。即ち、図6に示すステップ112で、上記のように決定された処理(OCR)を実行する。例えば、英文OCRが設定されている場合にも、英文OCRを実行する。ステップ114で、当該OCR処理によって得られた情報に基づいて、次の処理を決定する。
【0061】
本ステップ114は、詳細には、図7に示す処理を実行する。即ち、図7のステップ116で、イメージデータは表データであるか否かを判断し、イメージデータであると判断された場合には、PDF変換、ワード変換、エクセル変換のうちエクセル変換を実行すべきと指示書に設定する。このように、エクセル変換が指示書に設定されているので、第3の処理サービス装置20は、エクセル変換を実行する。
【0062】
次に、図8を参照して、以上説明した処理において指示書がどのように指示設定されるのかを説明する。リポジトリ14から指示書22及びイメージデータ24N0が第1の処理サービス装置16に入力された場合には、前述したように、第1の処理サービス装置16は、イメージデータ24N0に対し、イメージ補正処理及びノイズ除去処理を実行する。これにより、図8(A)に示すように、指示書22の共通処理記述部28におけるイメージ補正及びノイズ除去に対応して、これらが実行されたことを示す1をそれぞれ設定する。また、第1の処理実行装置16では、第2の処理サービス装置18が実行する英文OCR処理、日本語OCR処理及び中国語OCR処理のいずれかを選択する処理(図5参照)が実行され、指示書に英文OCR、日本語OCR、中国語OCRのいずれかが実行されるように設定される。例えば、英文OCRの実行が選択されると、図8(B)に示すように、第1の処理サービス装置16は、英文OCRに対応して、未処理であることを示す0を設定し、日本語OCR及び中国語OCRには、これらの処理が実行すべきでないことを示すNをそれぞれ設定する。
【0063】
以上のように設定された指示書22及び、第1の処理サービス装置で処理が実行されたデータ、即ち、補正済みイメージデータ24N1は、第2の処理サービス装置18に入力される。ここで、指示書22を参照すると、図8(B)に示すように、英文OCRが未処理(0)であると設定され、即ち、英文OCRを処理すべきであることが設定され、日本語OCR及び中国語OCRを実行すべきではないと設定(N)されているので、第2の処理サービス装置18は、入力した補正済みイメージデータ24N1に対し英文OCRを実行する。
【0064】
また、第2の処理サービス装置18は、上記図6及び図7の処理を実行することにより、第3の処理サービスが実行すべき処理を選択し、選択した処理が実行されるように指示書22に設定する。例えば、第2の処理サービス装置18で、第3の処理サービス装置20がエクセル変換処理を実行すべきと選択され、指示書に設定されると、指示書は図8(C)に示すように、PDF変換及びワード変換に対応して、これらの処理が実行されないようにNが設定され、エクセル変換が処理すべきであることを示す0を設定する。
【0065】
本指示書22及びOCR処理後の文字データ24N2が第3の処理サービス装置20に入力されると、第3の処理サービス装置20は、指示書22(図8(C))を参照して、エクセル変換が未処理である、即ち、エクセル変換処理を実行すべきと判断し、エクセル変換処理を、OCR処理後の文字データ24N2に実行する。
【0066】
このように、既に実行された処理により得られた情報に基づいて、複数の処理の内の1つの処理を選択し、選択された処理が実行されるように指示データに設定するので、ユーザは、何れの処理を実行するのかを指示データに設定する必要がなく、ユーザの手間を軽減することができる。
【0067】
次に、第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は、図9に示すように、第1の実施の形態(図1参照)と同様の構成であるので、その説明を省略する。
【0068】
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態の作用は、第1の実施の形態と同様の作用部分があるので、同様の作用部分はその説明を省略し、異なる作用部分について説明する。
【0069】
本実施の形態の第1の処理サービス装置16〜第3の処理サービス装置20は、前述した第1の実施の形態における処理実行プログラム(図2)を実行する。例えば、第2の処理サービス装置18が処理実行プログラム(図2)を実行する場合を例にとり説明する。第2の処理サービス装置18が処理実行プログラム(図2)を実行すると、ステップ52で、指示書に基づいて実行すべき処理を決定し、ステップ54で、決定された処理を実行する。本ステップ54は、本実施の形態では、図10に示す処理を実行する。
【0070】
図10のステップ122では、OCR処理(決定された処理)を実行する。
【0071】
次のステップ124で、ステップ122によってOCR処理が実行されて、その処理結果である認識率が95%未満か否かを判断する。認識率が95%未満(所定の不良状態)であると判断された場合には、ステップ126で、指示書22から後述するカウント値Cを取得し、ステップ128で、カウント値Cを1インクリメントし、ステップ130で、カウント値Cが所定値C0(本実施の形態では3)以上か否かを判断する。カウント値Cが所定値C0以上でない、即ち、カウント値CがC0未満と判断された場合には、ステップ132で、前処理内で、未実行の処理があるか否かを判断する。第2の処理サービス装置18にとって前処理は、第1の処理サービス装置16により実行される処理である。図9に示すように、指示書22の共通処理記述部28においては、第1の処理サービス装置16が実行すべき処理として、イメージ補正のみが設定されいる。しかし第1の処理サービス装置16では、イメージ補正以外に、輪郭強調処理や、イメージ除去処理も実行可能であるが、指示書においては、イメージ補正のみが実行するように設定されていた。よって、第1の処理サービスはイメージ補正のみを実行している。即ち、前処理(上記例の第1の処理サービス装置16)で未処理の処理(輪郭強調処理やイメージ除去処理)がある。従って、このような場合、上記図10のステップ134では、未実行の処理が実行可能なように指示書を設定し、ステップ136で、前処理自体を未実行に設定し、ステップ138で、前処理サービスに、このように設定された指示書を転送する。
【0072】
一方、カウント値Cが所定値C0以上と判断された場合には、ステップ140で、第1の実施の形態と同様に問い合わせ処理を実行し、問い合わせの結果継続指示がされた場合(ステップ144:肯定)には、図2のステップ56に戻り、継続指示がされなかった場合(ステップ44:否定)には、ステップ146で、前述した第1の実施の形態と同様に中止処理を実行する。
【0073】
以上説明した処理を更に指示書の設定の変化の様子を示す図11を参照して更に説明する。
【0074】
リポジトリ14から第1の処理サービス16に入力される指示書22の内容は、図10(A)に示すように、処理サービス1(第1の処理サービス16)ではイメージ補正、処理サービス2(第2の処理サービス18)では英文OCR,処理サービス3(第3の処理サービス20)ではワード変換がそれぞれ設定されている。なお、指示書22には、第1の処理サービス16〜第3の処理サービス20が未実行であることを示す0が設定されている。
【0075】
このように指示書22(図11(A))が第1の処理サービス16に入力されると、第1の処理サービス16は、指示書22の内容に基づいて、イメージ補正のみを実行すべきと認識し、入力したイメージデータ24N0に対し、イメージ補正のみを実行する。イメージ補正処理を実行すると、指示書22に、図11(B)に示すように、処理サービス1及びイメージ補正が終了したことを示す1をそれぞれ設定し、設定したこの指示書22を第2の処理サービス装置18に転送する。
【0076】
第2の処理サービス装置18は、入力した指示書に基づいて、いずれのOCRを実行すべきか否かを判断する。図11(B)に示すように、処理サービス2が0と設定されているので、第2の処理サービスを実行すべきと判断し、更に、英文OCRが0に設定されているので、英文OCRを処理すべきと判断する。なお、第2の処理サービス装置18は、英文OCR校正モードの処理も実行可能であるが、当該モードが( )でくくられて、第2の処理サービス装置18では、英文OCR校正モードでは実行しないと認識する。このように、英文OCR校正モードではなく通常の英文OCRを実行すべきと判断した第2の処理サービス装置18は、入力した補正済みイメージデータ24N1に対し英文OCR処理を実行する。この英文OCR処理である処理結果である認識率が上記のように95%未満と判断された場合には、処理結果にエラーがあると判断し、カウント値Cを1にセットする。即ち、図11(C)に示すように、カウント値Cに1をセットする。このようにカウント値Cが1にセットされると、ステップ130(図10)が否定判定され、ステップ132で、前処理内で未実行の処理があるか否かを判断するが、図11(C)に示すように、前処理、即ち、第1の処理サービス16では、未実行の輪郭強調処理があると判断されるので、ステップ132が肯定判定され、ステップ134及び136を実行する。即ち、図11(D)に示すように、第1の処理サービス6に対応して未実行の0をセットし、イメージ補正に対しても同様の未実行の0を設定し、更に、未実行であった輪郭強調の( )をはずし、未実行の0を設定する。これにより、図11(D)に示すように、指示書で指示された第1の処理サービス16〜第3の処理サービス20でいまだ実行されていないことが示され、この指示書がステップ138(図10)において、第1の処理サービス12に入力される。第1の処理サービス16は、入力された指示書22を参照し、いずれの処理を実行すべきか決定する。図11(D)に示す指示書を入力した場合には、第1の処理サービス装置16は、イメージ補正及び輪郭強調を実行すべきと判断する。よって、第1の処理サービス装置16は、イメージデータ24N0に対し、イメージ補正及び輪郭強調補正を実行する。これにより、図11(E)に示すように、指示書22には、イメージ補正及び輪郭強調補正が実行したことを示す1が設定され、この設定された指示書22は第2の処理サービス18に入力される。
【0077】
このように、指示書22(図11(E))を入力した第2の処理サービス装置18は、前述した図2の処理実行プログラムを実行する。よって、図10に示すサブプログラムも実行される。上記のように、第2の処理サービス装置18が入力した補正済みイメージデータ24N1が、元データ(イメージデータ24N0)に対し、イメージ補正及び輪郭強調補正が実行されており、この補正済みイメージデータ24N1は、ある程度良好なデータとなっており、図10のステップ122でOCR処理を実行すると、前回実行した場合より認識率が向上されるはすである。しかし、再度認識率が95%未満と判断された場合には、ステップ128で、カウント値Cに1インクリメントされる。よって、図11(F)に示すように、カウント値Cに対して、2が設定される。そして、ステップ132〜136を実行するが、この場合には、前処理においては、ノイズ除去が実行されていないので、図11(F)に示すようにノイズ除去の( )をはずし、第1の処理サービス、イメージ補正、輪郭強調、及びノイズ除去それぞれに0をセットして、この指示書を第1の処理サービス16に入力する。これにより、第1の処理サービス16では、イメージデータ24N0に対し、この指示書に従って、イメージ補正、輪郭強調、及びノイズ除去を実行する。このように、イメージデータ24N0に対して、イメージ補正、輪郭強調、及びノイズ除去が施され、この補正済みイメージデータ24N1に対し、第2の処理サービス装置18は、英文OCRを実行する。このように、イメージデータ24N0に対し、イメージ補正、輪郭強調、及びノイズ除去の全ての処理が施されているので、OCR処理が実行されると、認識率が95%以上となると予想される。しかし、それでも、認識率が95%未満となった場合には、カウント値Cが1インクリメントされ、カウント値Cが3となり(図11(G))、カウント値Cが所定値C0(上記のように3)以上と判断され、ステップ140で、ユーザに以後の処理を継続するか否かが問い合わせされ、ステップ142で、継続の指示がない場合には、処理を中止する(ステップ144)。
【0078】
次に、第3の処理サービス装置20の処理を図12の指示書の変化の様子を参照して説明する。第3の処理サービス装置20に指示書が入力される際において、第1の処理サービス装置16におけるイメージ補正、輪郭強調、ノイズ除去が実行され、更に、第2の処理サービス18における英文OCRが実行されている場合には、図12(A)に示すように、イメージ補正、輪郭強調、ノイズ除去が処理済みであることを示す1がセットされ、英文OCRが処理済みであることを示す1がセットされている。第3の処理サービス装置20では、入力したOCR処理が後の文字データ24N2に対し、ワード変換を行う。行ったワード変換にエラーがある場合には、図12(B)に示すように、カウント値Cを1インクリメントし、図12(C)に示すように、前処理に対し未実行の処理がある場合、例えば、英文OCR校正モードが実行されていない場合には、英文OCR校正モードの( )をはずし、英文OCR校正モードに対応して、0をセットして、この指示書(図12(C)を第2の処理サービス装置18に入力する。この指示書22(図12(C))を入力した第2の処理サービス装置18は、入力した指示書22を参照して、この場合には、英文OCR及び英文OCR校正モードが0がセットされているので、英文OCR校正モードを実行するように認識する。そして、第2の処理サービス18は、補正済みイメージデータ24N1に対し、英文OCR及び英文OCR構成モードを実行する。
【0079】
以上説明したように、処理の実際の実行結果に基づいて次の処理を決定し、該決定された処理を実行するので、ユーザによる次の処理の設定を排除することができ、ユーザの手間を軽減することができる。
【0080】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態と同様の構成であるので、その説明を省略する。
【0081】
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態の作用は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様の構成部分があるので異なる部分を説明する。
【0082】
本実施の形態は、大量の原稿を分割して、それぞれの原稿を第1の入力装置10A、残りの原稿を第2の入力装置10Bにそれぞれ読み取らせる。第1の入力装置10Aにより原稿が読み取られて得られたイメージデータに対する処理をフローA、第2の入力装置10Bにより原稿が読み取られて得られたイメージデータに対する処理をフローBという。第1の入力装置10Aでは、指示書プールから、指示書22(図13参照)を選択する。即ち、図13に示すように、指示書には、処理サービス1、処理サービス2の後に処理サービス3としてフローB処理の終了を待つ、外部処理フローからの取り込み処理マージ処理が更に指示されている。
【0083】
一方、第2の入力装置10Bでは、指示書が選択され、この指示書には、処理サービス1から処理サービス3が指示されている。
【0084】
第1の入力装置10Aでは、原稿を読み取り、この原稿を読み取りによって得られたイメージデータと、選択された指示書とをリポジトリ14に送信し、リポジトリ14は、入力した指示書及びイメージデータを第1の処理サービス10に転送する。第1の処理サービス及び第2の処理サービスにおける処理は、前述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0085】
一方、第2の入力装置10Bで、原稿が読み取られ、これにより得られたイメージデータと指示書とをリポジトリ14に転送し、リポジトリ14は、入力したイメージデータ及び指示書を第1の処理サービスに転送する。第1の処理サービス及び第2の処理サービスにおける処理は上記と同様であるのでその説明を省略する。そして、第1の指示書では、図13に示すように、フローBの処理の終了を待つと設定されているので、第2の指示書に基づいて実行された処理が第3の処理サービス装置20に入力されるのを待つ。
【0086】
第2の指示書に基づいて処理が実行されたデータが、第2の処理サービス装置18から第3の処理サービス装置20に入力された場合には、第1の指示書に基づいて、第1の指示書に従って処理されたデータと、第2の指示書に従って処理されたデータとをマージし、マージした全体のデータをPDFF変換する。
【0087】
以上の処理を更に詳細に説明する。
【0088】
図14に示すように、第1の指示書に基づく処理をフローA、第2の指示書に基づく処理をフローBとする。フローAで原稿(例えば1〜50ページ)をスキャンし、その後、イメージ補正処理、ノイズ除去処理、OCR処理を順に実行する。フローBでは、原稿(例えば51ページ〜100ページ)を、スキャンし、イメージ補正処理し、ノイズ除去処理、OCR処理を順に実行する。そして、OCR処理されたフローBにおけるデータは、第3の処理サービス20に入力(取り込まれ)され、ここで、フローAにおけるデータとマージされ、全体がPDF変換される。
【0089】
図14から理解されるように、従来では、原稿(1〜50ページ)のスキャン、原稿(51〜100ページ)のスキャンをし、それぞれについて、イメージ補正処理、ノイズ除去処理、OCR処理、PDF変換がされるので、本実施の形態は、処理を短時間に済ますことが出来る。
【0090】
図14に示す例では、フローAにおけるスキャンを先にしているが、図15に示すように、フローBにおけるスキャンを先に実行してもよい。これにより、図15に示すように、フローAにおけるOCRが終了すると直ちにフローBにおけるデータを取り込みマージし、PDF変換を完了させることが出来るので、図14に示す例よりも更に短時間に処理を完了させることが出来る。
【0091】
更に、図15に示すようにフローA及びフローBにおいて同時にスキャンを開始するようにしても良い。
【0092】
以上、説明したように、指示データにより指示された複数の処理の1つに、第1の指示データと異なる他の第2の指示データに従って処理が実行されたデータと、第1の指示データに従って処理が実行されたデータとを併合する処理を含めているので、ユーザによるそれぞれのデータの併合を排除でき、ユーザの手間を軽減することができる。
【0093】
以上を説明した第1の実施の形態〜第3の実施の形態では、リポジトリ、第1の処理サービス装置、第2の処理サービス装置、第3の処理サービス装置を、それぞれサーバにより構成するようにしているが、本発明はこれに限定されるものでなく、それぞれを1つのサーバが実行するようにしても良い。即ち、1つのサーバにおいて、リポジトリ機能、第1の処理サービス機能、第2の処理サービス機能、及び第3処理サービス機能を有するようにしてもよい。つまり、プログラムとして実現するようにしてもよい。更に、リポジトリ、第1の処理サービスから第3の処理サービス機能を全て入力装置内に有するようにしても良い。
【0094】
また、第3の実施の形態では、2つの入力装置を備えるようにしているが、本発明はこれに限定されるものでなく、1つの入力装置で実行するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】第1の実施の形態に係る処理実行装置システムのブロック図である。
【図2】処理実行プログラムのフローチャートである。
【図3】図2のステップ54の詳細を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップ64の詳細を説明するフローチャートである。
【図5】図3のステップ68の詳細を示すフローチャートである。
【図6】第2の処理サービス装置が実行する図2のステップ54の詳細を示すフローチャートである。
【図7】図6のステップ114の詳細を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態の作用を示す図である。
【図9】第2の実施の形態に係る処理実行装置システムを示すブロック図である。
【図10】第2の処理サービス装置が実行する図2のステップ54の詳細を示すフローチャートである。
【図11】本実施の形態の作用を説明する第1の図である。
【図12】本実施の形態の作用を説明する第2の図である。
【図13】第3の実施の形態に係る処理実行装置システムのブロック図である。
【図14】本実施の形態の作用を説明する図である。
【図15】本実施の形態の作用の変形例を示す図である。
【図16】本実施の形態の第2の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0096】
10 入力装置
12 指示書プール
14 リポジトリ
16 第1の処理サービス装置
18 第2の処理サービス装置
20 第3の処理サービス装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の処理の順番を指示する指示データに従って、データに対して処理を実行する処理実行装置であって、
既に実行された処理により得られた情報に基づいて、複数の処理の内の1つの処理を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された処理が実行されるように、前記指示データに設定する設定手段と、
を備えた処理実行装置。
【請求項2】
複数の処理の順番を指示する指示データに従って、データに対して処理を実行する処理実行装置であって、
処理の対象となるデータ、及び既に実行された処理により得られた情報を入力する入力手段と、
前記入力された前記情報に基づいて、複数の処理の内の1つの処理を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された処理を、前記入力されたデータに実行する実行手段と、
を備えた処理実行装置。
【請求項3】
複数の処理の順番を指示する指示データに従って、データに対して処理を実行する処理実行装置であって、
処理の複数の実行結果各々に対応して次の処理が予め定められ、処理の実際の実行結果に基づいて、次の処理を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された処理を実行する実行手段と、
を備えた処理実行装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記処理の実際の結果が第1の不良状態の場合には、次の処理として問合せ処理を決定する
ことを特徴とする請求項3記載の処理実行装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記処理の実際の結果が第1の不良状態より不良な第2の状態の場合には、次の処理として処理中止処理を決定する
ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の処理実行装置。
【請求項6】
前記データは、元データに対して他の処理が既に実行されて得られたデータであり、
前記決定手段は、前記処理の実際の結果が所定の不良状態の場合には、前記他の処理の実行態様を変更して前記元データに対して再度実行するように、前記指示データに設定することを、前記次の処理として決定する
ことを特徴とする請求項3記載の処理実行装置。
【請求項7】
複数の処理の順番を指示する第1の指示データに従って、データに対して処理を実行する処理実行装置であって、
前記指示データにより指示された前記複数の処理の1つには、前記第1の指示データと異なる他の第2の指示データに従って処理が実行されたデータと、前記第1の指示データに従って処理が実行されたデータとを併合する処理が含まれる
ことを特徴とする処理実行装置。
【請求項8】
複数の処理の順番を指示する指示データに従って、データに対して処理を実行する処理実行方法であって、
既に実行された処理により得られた情報に基づいて、複数の処理の内の1つの処理を選択するステップと、
前記選択された処理が実行されるように、前記指示データに設定するステップと、
を備えた処理実行方法。
【請求項9】
複数の処理の順番を指示する指示データに従って、データに対して処理を実行する処理実行方法であって、
処理の対象となるデータ、及び既に実行された処理により得られた情報を入力するステップと、
前記入力された前記情報に基づいて、複数の処理の内の1つの処理を選択するステップと、
前記選択された処理を、前記入力されたデータに実行するステップと、
を備えた処理実行方法。
【請求項10】
複数の処理の順番を指示する指示データに従って、データに対して処理を実行する処理実行方法であって、
処理の複数の実行結果各々に対応して次の処理が予め定められ、処理の実際の実行結果に基づいて、次の処理を決定するステップと、
前記決定された処理を実行するステップと、
を備えた処理実行方法。
【請求項11】
前記決定のステップでは、前記処理の実際の結果が第1の不良状態の場合には、次の処理として問合せ処理を決定する
ことを特徴とする請求項10記載の処理実行方法。
【請求項12】
前記決定のステップでは、前記処理の実際の結果が第1の不良状態より不良な第2の状態の場合には、次の処理として処理中止処理を決定する
ことを特徴とする請求項10又は請求項11記載の処理実行方法。
【請求項13】
前記データは、元データに対して他の処理が既に実行されて得られたデータであり、
前記決定のステップでは、前記処理の実際の結果が所定の不良状態の場合には、前記他の処理の実行態様を変更して前記元データに対して再度実行するように、前記指示データに設定することを、前記次の処理として決定する
ことを特徴とする請求項10記載の処理実行方法。
【請求項14】
複数の処理の順番を指示する第1の指示データに従って、データに対して処理を実行する処理実行方法であって、
前記指示データにより指示された前記複数の処理の1つには、前記第1の指示データと異なる他の第2の指示データに従って処理が実行されたデータと、前記第1の指示データに従って処理が実行されたデータとを併合する処理が含まれる
ことを特徴とする処理実行方法。
【請求項15】
複数の処理の順番を指示する指示データに従って、データに対して、以下の処理をコンピュータに実行させる処理実行プログラムであって、
前記処理は、
既に実行された処理により得られた情報に基づいて、複数の処理の内の1つの処理を選択するステップと、
前記選択された処理が実行されるように、前記指示データに設定するステップと、
を備えた処理実行プログラム。
【請求項16】
複数の処理の順番を指示する指示データに従って、データに対して、以下の処理をコンピュータに実行させる処理実行プログラムであって、
前記処理は、
処理の対象となるデータ、及び既に実行された処理により得られた情報を入力するステップと、
前記入力された前記情報に基づいて、複数の処理の内の1つの処理を選択するステップと、
前記選択された処理を、前記入力されたデータに実行するステップと、
を備えた処理実行プログラム。
【請求項17】
複数の処理の順番を指示する指示データに従って、データに対して、以下の処理をコンピュータに実行させる処理実行プログラムであって、
前記処理は、
処理の複数の実行結果各々に対応して次の処理が予め定められ、処理の実際の実行結果に基づいて、次の処理を決定するステップと、
前記決定された処理を実行するステップと、
を備えた処理実行プログラム。
【請求項18】
前記決定のステップでは、前記処理の実際の結果が第1の不良状態の場合には、次の処理として問合せ処理を決定する
ことを特徴とする請求項17記載の処理実行プログラム。
【請求項19】
前記決定のステップでは、前記処理の実際の結果が第1の不良状態より不良な第2の状態の場合には、次の処理として処理中止処理を決定する
ことを特徴とする請求項17又は請求項18記載の処理実行プログラム。
【請求項20】
前記データは、元データに対して他の処理が既に実行されて得られたデータであり、
前記決定のステップでは、前記処理の実際の結果が所定の不良状態の場合には、前記他の処理の実行態様を変更して前記元データに対して再度実行するように、前記指示データに設定することを、前記次の処理として決定する
ことを特徴とする請求項17記載の処理実行プログラム。
【請求項21】
複数の処理の順番を指示する第1の指示データに従って、データに対して、以下の処理をコンピュータに実行させる処理実行プログラムであって、
前記処理は、
前記指示データにより指示された前記複数の処理の1つには、前記第1の指示データと異なる他の第2の指示データに従って処理が実行されたデータと、前記第1の指示データに従って処理が実行されたデータとを併合する処理が含まれる
ことを特徴とする処理実行プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−155054(P2006−155054A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−342537(P2004−342537)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】