説明

処理容器のための前殺菌を行う前処理チャンバ

本開示は、処理容器(例えば、隔離容器、隔離部屋、隔離キャビネット等)に供給されることになる成分/材料を前殺菌する前処理チャンバに関する。当該前処理チャンバは、成分/材料を受け入れるための開閉可能な入口および材料/成分を隔離容器に供給するための開閉可能な出口と、前記チャンバおよびその内容物を殺菌する殺菌剤蒸気のための、バルブ制御部と、供給管路および戻り管路と、前記殺菌工程の終了時にチャンバから殺菌剤をパージするためのバルブ制御された供給ガス管路およびパージガス管路と、を備えている。前記供給管路および戻り管路は、それぞれ、チャンバに給送されている空気から微粒子を濾過するためのフィルタ、およびチャンバからもとに戻されている空気から微粒子を濾過するためのフィルタを備えている。前記供給管路および戻り管路を制御するための前記各バルブは、前記各フィルタと容器との間に配設されており、その構成は、パージガスのための前記供給管路および戻り管路が、周期的に、殺菌剤蒸気を受け入れて、前記各管路を殺菌するような構成とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各処理工程を無菌状態で行う、例えば、隔離容器、隔離部屋、隔離キャビネット等のような処理容器のための前殺菌を行う前処理チャンバ(ante-chamber)に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、各々、少数ずつの無菌薬剤調剤が必要とされる場合に、それらは、院内薬局または病院の処方箋を取り扱う調剤薬局のいずれかにおいて計量調合される。通常、計量調合に必要とされる成分および材料は、無菌処理のための隔離装置のなかに配置されている。隔離装置内部の各表面を、一般に、ガス処理を用いることによって、生物汚染除去(bio-decontaminated)してから、各薬剤は、隔離装置から計量調合されて取り出される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この技術の問題点としては、殺菌サイクルが長いので、隔離装置内部に、まる一日分の作業のために、十分な成分および材料を配置することが必要であるという点がある。従って、作業量を前日に予想しなければならず、緊急事態および所要量の変化に対応することが難しくなっており、その処理は、非常に柔軟性を欠くものになっている。このため、前殺菌された材料を大量に備蓄することにより、対応の柔軟性を向上させることが多いが、このやり方では、空間を無駄に使うだけでなく、費用がかさみ、万一、備蓄用の隔離装置の無菌性が損なわれた場合に回復するまでに長い時間がかかる。
【0004】
汚染除去プロセスが長い主な理由は、殺菌ガスが、装填材料(load)を形成する成分および材料の表面に吸収されるだけでなく、殺菌された空気流をチャンバに供給するために用いられるHEPAフィルタを含むチャンバの表面に吸収されるためである。装填材料の量を減らすことが可能であって、通常プロセスにおいてガスにさらされないHEPAフィルタが移動(transfer)する場合には、かなり短いサイクル時間となるであろうから、従って、必要とされる柔軟性が得られて、要望に応じて成分および材料が生物汚染除去されることになる。成分および材料とともに、生物汚染除去された空間からHEPAフィルタを取り外すことによって、さらに別の問題が生じる。これは、チャンバに流入する空気またはチャンバから流出する空気と接触することになる全ての表面が殺菌されていなければならないからである。そうでなければ、これらの表面は、チャンバに流入するだけでなく、ひいては生成物を汚染するかもしれない生物汚染の発生源になるであろう。
【0005】
本発明の目的は、チャンバの内部における成分および材料の急速表面ガス殺菌を施すことで、前記成分および材料の表面を殺菌された状態にすることを可能にすることである。これらの成分および材料は、さらに、チャンバから、殺菌された処理領域に、この処理領域の内部における汚染の原因となるという危険を伴うことなく移動させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、処理容器(例えば、隔離容器、隔離部屋、隔離キャビネット等)に供給されることになる成分/材料を前殺菌する前処理チャンバであって、前記前処理チャンバは、成分/材料を受け入れるための開閉可能な入口および材料/成分を前記隔離容器に供給するための開閉可能な出口と、

前記チャンバおよびその内容物を殺菌する殺菌剤蒸気(sterilant vapour)のための、バルブ制御部と、供給管路および戻り管路と、前記殺菌工程の終了時に前記チャンバから殺菌剤をパージするためのバルブ制御された供給ガス管路およびパージガス管路と、を備えており、前記供給管路および戻り管路は、それぞれ、前記チャンバに給送されている空気から微粒子を濾過するためのフィルタ、および前記チャンバからもとに戻されている空気から微粒子を濾過するためのフィルタを備えており、前記供給管路および戻り管路を制御するための前記各バルブは、前記各フィルタと容器との間に配設されており、その構成は、パージガスのための前記供給管路および戻り管路が、周期的に、殺菌剤蒸気を受け入れて、前記各管路を殺菌するような構成とすることができる前処理チャンバを提供する。
【0007】
より大きな程度の柔軟性が、計量調合のための隔離装置の側において比較的小さなチャンバを用いるとともに、チャンバ内部における生成物および成分のための急速表面殺菌プロセスを工夫することによって達成される。殺菌時間を20分未満にまで短縮することによって、その小さなチャンバを通って作業用の隔離装置に向かう材料の流れを生じさせるとともに、これによって、各工程に、より大きな程度の柔軟性を与えることが可能になる。そのような短いサイクル時間を達成するためには、表面汚染除去が、約6分間で達成されるとともに、空気導入、つまり殺菌剤ガスの除去が、14分間で達成されるように構成することが極めて重要である。
【0008】
表面殺菌が、そのような短い周期で達成されることになるのは、ガス注入速度が、高速な場合であって、チャンバの内部におけるガス分布を注意深く管理することで、均一なガス温度における均一なガス分布が達成された場合に限られる。
【0009】
急速な空気導入を達成するためには、高速パージ空気速度が必要とされるが、同様に重要であるのは、装填材料の殺菌中において、ガスと接触している、例えば、HEPAフィルタのような吸収性のある表面が全く存在しないということを確実にすることである。
【0010】
望ましくは、バルブ制御された殺菌剤の供給が、パージガス供給管路に提供されており、これによって、殺菌剤蒸気が、前記管路を通じて、また、前記前処理チャンバを経て前記戻り管路に供給されることで、前記パージガス供給および戻り管路が殺菌される。
【0011】
後者の場合において、前記パージガス供給管路への殺菌剤の供給を制御する前記バルブが、前記管路における前記フィルタよりも上流に配置される場合もある。
【0012】
後者の構成のいずれかにおいて、前記チャンバからのパージガスのための前記戻り管路が、前記フィルタよりも下流に触媒を備えており、これによって、前記殺菌剤を、雰囲気に放出することができる生成物に変える場合もある。
【0013】
さらに具体的には、前記戻り管路において前記触媒よりも下流にさらに別のフィルタが配置されており、これによって、前記触媒から送られてきた前記パージガスに含まれるあらゆる微粒子を取り除く場合もある。
【0014】
上述の構成のいずれかにおいて、前記殺菌剤ガス供給管路チャンバが、ファンを備えており、これによって、前記フィルタおよびバルブを経て前記前処理チャンバに空気を給送することで、前記チャンバから殺菌剤ガスがパージされる場合もある。
【0015】
また、上述の構成のいずれかにおいて、パージガスのための前記戻り管路が、ファンを備えており、これによって、前記バルブ制御部およびフィルタよりも下流に配設された前記チャンバからパージガスが抜き取られる場合もある。
【0016】
さらに、パージガスのための前記供給管路および戻り管路の両方が、一対のフィルタと、前記各フィルタの間に配設された殺菌剤を無害な生成物に変える触媒と、を含んでおり、前記各バルブが、戻り管路および供給管路の両方を雰囲気に対して開放することで、前記前処理チャンバから殺菌剤ガスを給送して、前記供給管路および戻り管路を殺菌するように構成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明に係るいくつかの具体的な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。
【0018】
生物汚染除去されることになる成分および材料は、装填材料(load)として知られているが、チャンバ10内部に、第1のチャンバドア11を通じて配置される。チャンバ10のもう一方の端部には、第2のドア12が、計量調合のための隔離装置(図示せず)つまり処理容器に接続されている。第1のドアおよび第2のドアは、連動機構(インターロック)を備えており、一度に開放することができるドアは1つだけであるように、さらには、ドアを開放することができるのは、チャンバ10内部の雰囲気が安全であるときだけであるようになっていることが望ましい。表示灯が、各々のドア付近に設けられており、これらのドアの開閉状態を表示する。
【0019】
装填材料がチャンバ内部に配置されて、第1および第2のドアが閉鎖されて密封されると、殺菌ガスが、チャンバに、接続口13から注入されるが、接続口13は、バルブ14を介してチャンバに接続されている。このとき、バルブ14は、ガスがチャンバに流入することを可能にするように開弁されていなければならない。殺菌ガスは、チャンバから、バルブ16によって制御される接続口15を通じて取り除かれる。最も一般的に用いられる殺菌ガスは、過酸化水素であり、一般に、市販の過酸化水素ガス発生装置は、ガスが発生装置に戻るループシステムの閉路として動作する。
【0020】
殺菌ガスが循環している間は、チャンバに接続されているさらに別のバルブ17,18は、閉弁されたままである。ガス殺菌段階が完了して、ガスをチャンバから取り除くことが必要とされると、バルブ17,18が開弁されて、ファン19,20のスイッチが入れられる。この時点では、3方向バルブ21は、空気をファン20からバルブ18の方に給送するように設定されている。
【0021】
ファン20は、周囲の環境から空気を取り込み、3方向バルブ21と、HEPAフィルタ22と、バルブ18とを通過させて、チャンバに送り込む。この新鮮な空気が、チャンバ内のガス濃度を希釈によって低下させることになる。同量の空気が、チャンバから、バルブ17、HEPAフィルタ23、触媒フィルタ24、およびさらに別のHEPAフィルタ25を通じて、ファン19によって取り除かれなければならない。重要なのは、ファン20によってチャンバに供給される空気は、HEPAフィルタ22によって濾過されており、確実に、チャンバおよびチャンバ内部の装填材料は、ガス処理後の殺菌された状態のままとなっているということである。また、排出側においては、チャンバに逆流していくとともに、これを、殺菌された状態でなくするあらゆる微粒子を阻止するために、チャンバから取り除かれた空気は、まず、HEPAフィルタ23を通過しなければならない。触媒フィルタ24を用いて、排出ガスを、安全な状態にした上で、さらに別のHEPAフィルタ25を通過させて、あらゆる塵埃微粒子を除去してから周囲の環境に戻す。
【0022】
さらに別のチャンバ接続部26が、チャンバ内部の圧力をモニタする圧力変換器27のために必要とされる。接続部26における小型のHEPAフィルタ(図示せず)によって、チャンバにおけるこの接続部からのあらゆる汚染が防止される。変換器27によって測定された圧力を用いて、ファン19,20を制御することで、チャンバにおいて必要とされる圧力を達成する。ファン19,20を調整することで、殺菌ガスを約15分間で取り除くのに、十分に高い流量でチャンバを通過する空気流を達成する。実験によれば、これには、毎時、約2000回の換気回数(air change rate)が必要とされることになるということが明らかになった。
【0023】
確実に、過酸化水素ガスがHEPAフィルタ22,23と接触しないようにするという必要性のために、フィルタ23とバルブ17との間の管路に空間があり、また、フィルタ22とバルブ18との間にさらに別の空間があり、後者は、殺菌されない。この空間は、このサイクルにおける空気導入(aeration)時に空気経路の一部を形成する。従って、これらの空間において汚染があれば、これは、チャンバに移動させられるおそれがあり、ひいてはチャンバの内部において装填材料を汚染するおそれがある。
【0024】
2つの実行可能な手法が、確実に、これらの空間を生物汚染除去して、ひいては装填材料に危険をもたらさないようにするために利用可能である。1番目について、以下に、図1を参照して説明する。過酸化水素ガス供給路は、3方向バルブ21に接続されており、ガスは、このバルブに流れ込んで、そこからチャンバにHEPAフィルタ22およびバルブ18を経由して流れるが、これらは、開弁されていなければならない。バルブ14,16は、閉弁されており、バルブ17は、開弁されており、ガスが、HEPAフィルタ23と、ガスを安全にする炭素フィルタ/触媒24と、HEPAフィルタ25と、を通って、最終的に、ファン20を通じて排出されることが可能となっている。ガスが、3方向バルブ21からチャンバ1を通って、ファン19から抜けていくことは、確実に、この流路における全ての成分を汚染除去するのに十分な長さの時間、継続することが可能となっている。
【0025】
この周期が終了すると、このシステムは、過酸化水素蒸気を取り除くために、前記のように、空気導入処理に戻される。この空気経路は、HEPAフィルタ濾過によって保護されているので、生物汚染除去が必要とされることになるのは、頻繁ではなく、チャンバの使われ方にもよるが、おそらく、2週間に一回であろう。
【0026】
次に、2番目の手法について、図2を参照して説明する。
【0027】
この手法によれば、過酸化水素ガスが、発生装置からバルブ14を通ってチャンバに供給される。バルブ16は、閉弁されたままであって、バルブ17,18は、開弁されるので、ガスが、チャンバから2つの経路を通って流れることが可能となる。ガスは、バルブ17またはバルブ18のいずれかを通ってチャンバから流出する。バルブ18を通って流出するガスは、HEPAフィルタ22と、ガスを安全にするフィルタ/触媒30と、を通過する。続いて、排出ガスは、さらに別のフィルタ31であるHEPA4を通過して、最終的に、ファン20を通ってこのシステムから出て行く。バルブ17を通って流出するもう1つのガスの流れは、HEPAフィルタ23と、フィルタ/触媒24と、フィルタHEPA25と、を通過する。フィルタ/触媒24を通過することによって、ガスを安全にした後で、ガスは、ファン19を通じて部屋に戻る。このガスの流れは、確実に、流路全体が生物汚染除去されるようにするのに十分な時間周期にわたって維持される。十分な時間が経過すると、続いて、このシステムは、空気導入モードに戻されて、過酸化水素ガスを取り除くことができる。
【0028】
チャンバの内部における装填材料の周囲のガス分布は、非常に重要であるから、チャンバに流入する際に、ガスに対して、何らかの運動エネルギを与える何らかの装置を用いるのが賢明である。これは、回転ノズル32を用いることによって達成できるが、これによれば、ガスがチャンバに高速で流入することが確実となるだけではなく、この気流の方向が変えられる。また、これによれば、静止したガス気流が表面の狭い領域に当たるのに伴って高温の箇所を生じさせることに付随する問題の発生が防止される。
【0029】
代替的に、回転ノズル32は、固定ノズルまたは良好なガス分布を確実にする多数の固定ノズルのいずれかと交換してもよい。
【0030】
装填材料をチャンバに配置したりチャンバから取り出したりするためには、装填システムが必要とされることになる。好適なシステムとしては、チャンバから外ドアを通じて部分的に引き出して、チャンバに装填するのを助けることが可能なトロリー/ラックであろう。殺菌後、トロリー/ラックシステムは、続いて、内ドアを通じて処理容器に引き込まれることが可能であり、そこで、装填材料を降ろすことができる。
【0031】
チャンバおよび関連付けられた構成要素の全ては、様々な処理容器と連係するように移動させることが可能な可動装置として構成することができる1つの一体化された自己内蔵型ユニットを形成するべきである。
【0032】
次に、図3を参照すると、閉ループシステムが図示されている。図1および図2における番号の付け方を図3に用いて、同様の部分には、同一の符号が付されている。閉ループシステムによれば、空気導入段階の間に空気を排出する必要性がなくなる。これには、万一、活性ガスの触媒分解がうまく行われないことがあった場合において、それでも、有毒ガスが、部屋または環境に放出されるということは全くないであろうという利点がある。また、漏れの発生する可能性がある経路の数が減るので、このシステムの漏れ検査を行うことが簡単になる。
【0033】
図3のチャンバは、最高3つまでのドアを有する。前記のように、両端に各1つのドア11,12により、2つの隔離装置に接続することが可能となっており、中央における第3のドア35を通じて、殺菌されることになる成分が装填される。これらのドアの各々には、ドアが開放されているときまたは閉鎖されているときを表示するセンサおよびどのようなときであっても開放されているのは1つのドアだけであることを確実にする機構が取り付けられている。
【0034】
ガス処理(殺菌)プロセスは、図1および図2の場合と同様である。通常のガス処理時には殺菌されない空気導入経路の生物汚染除去が、バルブ7,8を閉弁するとともに、バルブ17,35を開弁することによって達成される。ガス供給路は、さらに、バルブ5に接続されており、帰路は37に接続されている。これによって、殺菌ガスは、チャンバからバルブ5およびHEPAフィルタ13を通過してゆくことになるので、従って、通常サイクルにおいてはガスにさらされないそれらの表面がガスにさらされることになる。
【0035】
ガス処理サイクルに続いて、バルブ8,9が開弁されて、ファン11が始動させられる。これによって、フィルタ23および活性ガスを安全にする分解触媒(catalytic destructor)24を通過する大きな空気流が生じる。ファンを通過した後に、空気は、第2のHEPAフィルタ13を通過して、分解触媒またはファンから立ちのぼったのであろう微粒子状のあらゆる汚染を除去する。分解触媒24を通過する非常に高い空気流量(毎時、約2000〜3000回の換気回数)のために、チャンバ10内におけるガス濃度は、急速に、安全なレベルに低下させられる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】無菌処理容器に入れる前に、成分/材料を前殺菌するための前処理チャンバを示す概略図である。
【図2】材料を前殺菌するための第2の前処理チャンバを示す概略図である。
【図3】閉ループシステムに組み込まれた図1の前処理チャンバを示す概略図である。
【符号の説明】
【0037】
10 チャンバ、11 第1のドア、12 第2のドア、13,15 接続口、14,16,17,18,36 バルブ、19,20 ファン、21 3方向バルブ、22,23,25,31 HEPAフィルタ、24,30 フィルタ/触媒、26 接続部、27 変換器、32 回転ノズル、35 第3のドア、38 チャンバ圧力制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理容器(例えば、隔離容器、隔離部屋、隔離キャビネット等)に供給されることになる成分/材料を前殺菌する前処理チャンバであって、
前記前処理チャンバは、
成分/材料を受け入れるための開閉可能な入口および材料/成分を前記隔離容器に供給するための開閉可能な出口と、
前記チャンバおよびその内容物を殺菌する殺菌剤蒸気のための、バルブ制御部と、供給管路および戻り管路と、
前記殺菌工程の終了時に前記チャンバから殺菌剤をパージするためのバルブ制御された供給ガス管路およびパージガス管路と、
を備えており、
前記供給管路および戻り管路は、それぞれ、前記チャンバに給送されている空気から微粒子を濾過するためのフィルタ、および前記チャンバからもとに戻されている空気から微粒子を濾過するためのフィルタを備えており、
前記供給管路および戻り管路を制御するための前記各バルブは、前記各フィルタと容器との間に配設されており、
その構成は、パージガスのための前記供給管路および戻り管路が、周期的に、殺菌剤蒸気を受け入れて、前記各管路を殺菌するような構成とすることができる前処理チャンバ。
【請求項2】
請求項1に記載の前処理チャンバであって、
バルブ制御された殺菌剤の供給が、パージガス供給管路に提供されており、これによって、殺菌剤蒸気が、前記管路を通じて、また、前記前処理チャンバを経て前記戻り管路に供給されることで、前記パージガス供給および戻り管路が殺菌される前処理チャンバ。
【請求項3】
請求項2に記載の前処理チャンバであって、
前記パージガス供給管路への殺菌剤の供給を制御する前記バルブが、前記管路における前記フィルタよりも上流に配置される前処理チャンバ。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の前処理チャンバであって、
前記チャンバからのパージガスのための前記戻り管路が、前記フィルタよりも下流に触媒を備えており、これによって、前記殺菌剤を、雰囲気に放出することができる生成物に変える前処理チャンバ。
【請求項5】
請求項4に記載の前処理チャンバであって、
前記戻り管路において前記触媒よりも下流にさらに別のフィルタが配置されており、これによって、前記触媒から送られてきた前記パージガスに含まれるあらゆる微粒子を取り除く前処理チャンバ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の前処理チャンバであって、
前記殺菌剤ガス供給管路チャンバが、ファンを備えており、これによって、前記フィルタおよびバルブを経て前記前処理チャンバに空気を給送することで、前記チャンバから殺菌剤ガスがパージされる前処理チャンバ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の前処理チャンバであって、
パージガスのための前記戻り管路が、ファンを備えており、これによって、前記バルブ制御部およびフィルタよりも下流に配設された前記チャンバからパージガスが抜き取られる前処理チャンバ。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載の前処理チャンバであって、
パージガスのための前記供給管路および戻り管路の両方が、一対のフィルタと、前記各フィルタの間に配設された殺菌剤を無害な生成物に変える触媒と、を含んでおり、前記各バルブが、戻り管路および供給管路の両方を雰囲気に対して開放することで、前記前処理チャンバから殺菌剤ガスを給送して、前記供給管路および戻り管路を殺菌するように構成されている前処理チャンバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−500140(P2006−500140A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−539195(P2004−539195)
【出願日】平成15年9月23日(2003.9.23)
【国際出願番号】PCT/GB2003/004087
【国際公開番号】WO2004/028573
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(501468208)バイオケル ユーケイ リミテッド (10)
【Fターム(参考)】