説明

処理装置、画像形成システム、処理プログラム

【課題】画像形成装置で発生した異常に関する原因を特定するための判断情報を出力する。
【解決手段】処理装置は、異常を発生した画像形成装置から当該異常にかかわる異常情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記異常情報を履歴情報として記憶する異常情報記憶手段と、異常に関する事象毎に故障部位情報を記憶する故障部位情報記憶手段と、前記異常情報記憶手段に記憶されている異常情報の中の最新の異常情報および当該異常情報に類似する異常情報に対応する故障部位情報を前記故障部位情報記憶手段から抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された抽出結果を前記発生した異常に関する原因の特定の判断情報として出力する出力手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、画像形成システム、処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタが設置されている会社と当該プリンタの状態を取得するサービスセンタとがネットワークを介して接続されるシステムでは、ネットワークオプション機器を介したプリンタ情報遠隔収集の仕組みが存在するものもある。
【0003】
このプリンタ情報遠隔収集の仕組みは次の通りである。すなわち、サービスセンタは、プリンタの状態をネットワーク経由で定期的に取得し、この取得したプリンタの情報を基にトラブルや消耗品の状況をユーザからの連絡前に察知する。次に、サービスセンタでは、プリンタが設置されているユーザ先の会社に対し、例えば電話により前記察知したプリンタのトラブルや消耗品について確認するようにする。これにより、サービスセンタにおいては、サービスマンが現地(ユーザ先の会社)に行って、プリンタのトラブルや消耗品などプリンタの状態を確認する必要が無いので、ユーザへの対応時間が短縮されることとなる。
【0004】
しかし、セキュリティの観点から、プリンタという情報機器とサービスセンタという社外とをネットワークを介して接続することが許されない(接続したくない)会社が多く存在する。このような会社に対しては、上述したプリンタ情報遠隔収集の仕組みを利用することはできない。つまり、サービスセンタは、プリンタのトラブルなどプリンタに関する状況を、当該プリンタを設置しているユーザ先の会社に対し、迅速且つ正確に伝えることは不可能である。
【0005】
なお、ユーザ側からメーカ側へプリンタに関する情報を送信するシステムとしては、ユーザ側のプリンタが、当該プリンタにエラーが発生したときに、そのエラーの内容を記載した電子メールを作成するとともに、該電子メールをメーカへ送信するもの(例えば特許文献1参照。)、が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−309928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、画像形成装置で発生した異常に関する原因を特定するための判断情報を出力することのできる処理装置、画像形成システム、処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の処理装置は、異常を発生した画像形成装置から当該異常にかかわる異常情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記異常情報を履歴情報として記憶する異常情報記憶手段と、異常に関する事象毎に故障部位情報を記憶する故障部位情報記憶手段と、前記異常情報記憶手段に記憶されている異常情報の中の最新の異常情報および当該異常情報に類似する異常情報に対応する故障部位情報を前記故障部位情報記憶手段から抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された抽出結果を前記発生した異常に関する原因の特定の判断情報として出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記異常情報は、少なくとも発生した異常を示す情報および当該異常が発生した箇所を示す情報を含むものであり、前記異常に関する事象毎の故障部位情報は、少なくとも発生した異常を示す情報および当該異常が発生した箇所を示す情報を含むパラメータが条件式に代入され当該条件式が演算された結果に対応するものであり、前記抽出手段は、前記最新の異常情報および当該異常情報に類似する異常情報のそれぞれのパラメータを条件式に代入し当該条件式を演算することにより、当該異常情報に対応する故障部位情報を前記故障部位情報記憶手段から抽出する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の発明において、前記抽出手段は、前記抽出結果が複数の故障部位情報を含んでいるときは、当該複数の故障部位情報に関して前記発生した異常に関する原因であると推測される割合の大小の関係を明確にする、ことを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するため、請求項4に記載の本発明の処理装置は、一つ以上の画像形成装置と、前記一つ以上の画像形成装置と通信回線を介して接続される処理装置と、を有し、前記処理装置は、異常を発生した画像形成装置から当該異常にかかわる異常情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記異常情報を履歴情報として記憶する異常情報記憶手段と、異常に関する事象毎に故障部位情報を記憶する故障部位情報記憶手段と、前記異常情報記憶手段に記憶されている異常情報の中の最新の異常情報および当該異常情報に類似する異常情報に対応する故障部位情報を前記故障部位情報記憶手段から抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された抽出結果を前記発生した異常に関する原因の特定の判断情報として出力する出力手段と、を有する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、上記請求項4に記載の発明において、前記通信回線を介して前記一つ以上の画像形成装置および前記処理装置と接続されるとともに、他の通信回線を介してサービスセンタと接続される情報処理装置、を更に備え、前記出力手段は、前記抽出結果を前記発生した異常に関する原因の特定の判断情報として前記通信回線を介して前記情報処理装置に向けて送信し、前記情報処理装置は、受信した前記抽出結果を、前記他の通信回線を介して前記サービスセンタに向けて送信する、ことを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するため、請求項6に記載の本発明の処理プログラムは、異常を発生した画像形成装置から当該異常にかかわる異常情報を取得する取得処理過程と、前記取得処理過程により取得された前記異常情報を履歴情報として異常情報記憶手段に記憶させる記憶処理過程と、前記異常情報記憶手段に記憶されている異常情報の中の最新の異常情報および当該異常情報に類似する異常情報に対応する故障部位情報を故障部位情報記憶手段に記憶されている異常に関する事象毎の故障部位情報から抽出する抽出処理過程と、前記抽出処理過程により抽出された抽出結果を前記発生した異常に関する原因の特定の判断情報として出力する出力処理過程と、をコンピュータに実行されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、画像形成装置で発生した異常に関する原因を特定するための判断情報を出力することができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、発生した異常にかかわる異常情報と該異常情報に類似する異常情報とに基づき、当該発生した異常の真因の候補を抽出することができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、発生した異常の真因の候補としての最優先の故障部位情報を知ることができる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、画像形成装置で発生した異常に関する原因を特定するための判断情報を出力することができる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、画像形成装置または処理装置が設置されている場所とは異なる遠隔地のサービスセンタにおいて、画像形成装置で発生した異常に関する原因を特定するための判断情報を基に、当該異常に関する原因を特定することができる。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、画像形成装置で発生した異常に関する原因を特定するための判断情報を出力させるソフトウェアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態に係る画像形成システムの構成を示す構成図である。
【図2】実施の形態に係るプリンタの機能構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係るサーバ装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係るサーバ装置の異常情報記憶部に記憶されている履歴情報の一例を示す図である。
【図5】実施の形態に係るサーバ装置の故障部位情報記憶部に記憶されているテーブルの一例を示す図である。
【図6】実施の形態に係るコンピュータの機能構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態に係るサーバ装置による故障部位情報の抽出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態に係るサーバ装置の抽出部による抽出処理の処理過程を説明する図である。
【図9】実施の形態に係るサーバ装置の抽出部による故障部位情報の抽出処理の結果の一例を示す図である。
【図10】実施の形態に係るプリンタにおいて発生したエラーを説明する図である。
【図11】実施の形態に係るサーバ装置の故障部位情報記憶部に記憶されているテーブルにおける故障部位情報の具体例を示す図である。
【図12】実施の形態に係るサーバ装置の抽出部による故障部位情報の抽出処理の結果の具体例を示す図である。
【図13】実施の形態に係るサーバ装置のハードウェア構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0022】
図1は、実施の形態に係る画像形成システムの構成を示している。
【0023】
画像形成システム1では、図1に示すように、複数のプリンタ10,20とサーバ装置30とコンピュータ40とが通信回線61に接続され、コンピュータ40とサービスセンタ50とが通信回線62に接続されている。
【0024】
通信回線61,62としては、ローカルエリアネットワーク(LAN=Local Area Network)や電話回線などの有線通信回線、無線LANなどの無線通信回線、さらには、これらの通信回線を組み合わせたもの、などが挙げられる。なお、通信回線61に関してはLANとする。
【0025】
画像形成装置としてのプリンタ10は、図2に示すように、通信部11、制御部12、記憶部13、プリンタエンジン14、操作パネル部15を有している。
【0026】
通信部11は、通信回線61と接続され、該通信回線61に接続されるサーバ装置30あるいはコンピュータ40との通信を行う。
【0027】
制御部12は、通信部11を介して取得したコンピュータ40からの印刷データを記憶部13に格納し、当該印刷データをプリンタエンジン14で印刷処理可能なデータ形式のデータに変換するとともに、該変換後のデータ(画像データ)をプリンタエンジン14に向けて出力する。
【0028】
また、制御部12は、当該プリンタ10に異常が発生した場合、例えばプリンタエンジン14に印刷処理にかかわる異常が発生した場合、当該異常にかかわる異常情報を記憶部13に格納するとともに、この異常情報を、通信部11を介してサーバ装置30に向けて送信する。
【0029】
なお、異常情報には、発生した異常の内容を示す異常内容、印刷対象とする記録媒体としての用紙の紙質、該用紙のサイズ、当該プリンタの機種、発生した異常の発生箇所を示す異常箇所、印刷速度、解像度、印刷処理の日時が含まれる。
【0030】
実施の形態では、異常情報をエラー情報と定義する。なお、エラー情報においては、上記エラー情報に含まれる各要素情報のうち、「発生した異常の内容を示す異常内容」を「発生したエラーの内容を示すエラー内容」とし、また「発生した異常の発生箇所を示す異常箇所」を「発生したエラーの発生箇所を示すエラー箇所」とする。
【0031】
記憶部13は、上記印刷データ、上記エラー情報(異常情報)を記憶する。
【0032】
プリンタエンジン14は、例えば電子写真プロセスを実行する画像形成手段であり、制御部12からの画像データ(ラスタデータ)を基に画像形成処理を実施し、この画像形成処理の結果としての印刷物(画像が形成された用紙などの記録媒体)を出力する。
【0033】
操作パネル部15は、ユーザに対しての当該プリンタ10の状態を示す情報やメッセージなど表示情報を表示する表示機能と、当該プリンタ10に対する指示情報や、メニューの中の選択肢の指定など入力情報を入力する入力機能とを有している。
【0034】
プリンタ20も、プリンタ10と同様の構成になっているので、その構成の詳細については省略する。
【0035】
処理装置としてのサーバ装置30は、図3に示すように、通信部31、取得部32、異常情報記憶部33、故障部位情報記憶部34、抽出部35、出力部36を有している。
【0036】
通信部31は、通信回線61と接続され、該通信回線61に接続されるプリンタ10,20、コンピュータ40との通信を行う。
【0037】
取得部32は、取得手段の機能を有し、通信部31を介してエラー(異常)が発生したプリンタからのエラー情報(異常情報)を取得し、この取得したエラー情報を異常情報記憶部33に格納する。
【0038】
異常情報記憶部33は、異常情報記憶手段の機能を有し、エラー情報(異常情報)を履歴情報として記憶する。この履歴情報の詳細については後述する。
【0039】
故障部位情報記憶部34は、故障部位情報記憶手段の機能を有し、異常に関する事象毎に故障部位を示す情報(以下「故障部位情報」という。)を予め記憶する。実施の形態では、故障部位情報記憶部34は、異常に関する事象毎に故障部位情報が登録されているテーブルを記憶している。このテーブルの詳細については後述する。
【0040】
抽出部35は、抽出手段の機能を有し、異常情報記憶部33に記憶されている履歴情報としてのエラー情報の中の最新のエラー情報および当該エラー情報に類似するエラー情報に対応する故障部位情報を故障部位記憶部34から抽出する。
【0041】
また、抽出部35は、最新のエラー情報および当該エラー情報に類似するエラー情報のそれぞれのパラメータを条件式に代入し当該条件式を演算することにより、当該エラー情報に対応する故障部位情報を故障部位記憶部34から抽出する。
【0042】
さらに、抽出部35は、抽出結果が複数の故障部位情報を含んでいるときは、当該複数の故障部位情報に関して、発生したエラーに関する原因であると推測される割合の大小の関係を明確にする。
【0043】
出力部36は、出力手段の機能を有し、抽出部35によって抽出された抽出結果を、発生したエラーに関する原因の特定の判断情報として出力する。
【0044】
次に、異常情報記憶部33に記憶されている履歴情報について、図4を参照して説明する。
【0045】
履歴情報330は、図4に示すように、エラー情報E10〜E50から構成されており、エラー情報E50が最新のエラー情報を示し、エラー情報E10が最古のエラー情報を示す。
【0046】
なお、図4において、エラー情報を構成するエラー(エラー内容)、紙質、サイズ、機種、エラー箇所、印刷速度、解像度、および日時の各要素情報に対応する「A」、「B」、「C」は、要素情報毎の値を示す。また、各エラー情報E10〜E50において、同一の要素情報に対応する値「A」、値「B」、値「C」のそれぞれの値は同じ値を示す。
【0047】
例えば、エラーの要素情報の値としては「Fuser(フューザー)エラー」、「JAM(ジャム)」などが挙げられる。また、ジャム(JAM)のエラーの場合、用紙がきれいな状態でのジャム(JAM)、用紙がぐしゃぐしゃになっている状態でのジャム(JAM)などジャム(JAM)の内容に応じて異なるジャム(JAM)の値となる。
【0048】
この場合、例えばジャムの内容(エラー内容)やジャムの発生箇所(エラー箇所)の要素情報の値として、予め設定される識別子を設定するようにする。このように、エラー(エラー内容)やエラー箇所の各要素情報の値に関しては、それぞれに対応する識別子を設定するようにする。
【0049】
また、他の要素情報の一例について説明すると、紙質の要素情報の値としては例えば「普通紙」や「コート紙」などが挙げられる。サイズの要素情報の値としては例えば「A4サイズ」、「B5サイズ」などが挙げられる。エラー箇所の要素情報の値としては例えば「Fuser(フューザー)」、「モータ」、「Exit Roll(出力ロール)」、「Reg Roll」、「Feed Roll(送りロール)」などが挙げられる。
【0050】
次に、故障部位情報記憶部34に記憶されているテーブルについて、図5を参照して説明する。
【0051】
テーブル340は、図5に示すように、エラー情報の要素情報の一つであるエラー(エラー内容)毎に、エラー情報の要素情報である例えば「紙質」、「サイズ」、「エラー箇所」の各値に応じて予め設定される故障部位情報が登録されている。
【0052】
図5に示す例では、テーブル340は、エラー3410(エラーA)に対応して、上述した「紙質」、「サイズ」、「エラー箇所」の各値に応じて4つの故障部位情報「故障部位#1〜#4」が登録されているとともに、エラー3420(エラーB)に対応して、上述した「紙質」、「サイズ」、「エラー箇所」の各値に応じて4つの故障部位情報「故障部位#5〜#8」が登録されている。
【0053】
なお、エラー毎の各故障部位情報のそれぞれの故障部位は異なるものの、エラーAに対応する4つの故障部位情報「故障部位#1〜#4」の何れかの故障部位とエラーBに対応する4つの故障部位情報「故障部位#4〜#8」の何れかの故障部位とが同じ場合も有りえる。
【0054】
実施の形態では、異常に関する事象とは、エラー情報にかかわるエラー内容、紙質、サイズ、エラー箇所の各要素情報の値を組み合わせた内容のことである。なお、異常に関する事象は、少なくとも、エラー情報にかかわるエラー内容(異常を示す情報)およびエラー箇所(異常が発生した箇所)の各要素情報の値を組み合わせた内容であることを前提とする。
【0055】
例えば、図5に示す例では、エラー情報の要素情報の一つであるエラー3410(エラーA)と、エラー情報にかかわる「紙質」、「サイズ」、「エラー箇所」の各要素情報の値から構成される情報3411とで異常に関する事象を示し、この異常に関する事象に対応して故障部位情報3412(「故障部位#1」)が登録されている。またエラー3410(エラーA)と、「紙質」、「サイズ」、「エラー箇所」の各要素情報の値から構成される情報3413とで異常に関する事象を示し、この異常に関する事象に対応して故障部位情報3414(「故障部位#4」)が登録されている。
【0056】
同様にエラー3420(エラーB)に関しても、エラー情報の要素情報の一つであるエラー3420(エラーB)と、エラー情報にかかわる「紙質」、「サイズ」、「エラー箇所」の各要素情報の値から構成される情報3421とで異常に関する事象を示し、この異常に関する事象に対応して故障部位情報3422(「故障部位#4」)が登録されている。
【0057】
上述したように実施の形態では、エラー情報の要素情報の一つであるエラー(エラー内容)と、エラー情報にかかわる「紙質」、「サイズ」、「エラー箇所」の各要素情報の値から構成される情報とで決定される異常に関する事象は、前記エラー情報の各要素情報の値に応じて決定される。このようにして決定される異常に関する事象に対応して故障部位情報が登録されている。
【0058】
このようなことから、故障部位情報は、エラー情報にかかわるエラー(エラー内容)、「紙質」、「サイズ」、「エラー箇所」の各要素情報(パラメータ)からなる条件式に各値(パラメータ値)が代入され、この条件式が演算された結果に対応するものであると言える。ちなみに、条件式へのパラメータ値の代入、その条件式の演算は抽出部35によって実行される。
【0059】
情報処理装置としてのコンピュータ40は、図6に示すように、複数の通信部41,42と記憶部43と制御部44とを有している。また、コンピュータ40には、入力装置45、表示装置46およびプリンタ47が図示しないインタフェースを介して接続される。
【0060】
通信部41は、通信回線61と接続され、通信回線61に接続されるプリンタ10,20、サーバ装置30との通信を行い、通信部42は、通信回線62と接続され、通信回線62に接続されるサービスセンタ50との通信を行う。
【0061】
記憶部43は、通信部41を介してプリンタ10あるいはプリンタ20に向けて送信される印刷データ、通信部41を介して受信されるサーバ装置30からの抽出結果(プリンタのエラーに対応する故障部位情報である抽出結果)などを記憶する。
【0062】
制御部44は、プリンタ10あるいはプリンタ20に対する印刷データの印刷要求、サービスセンタ50へのサーバ装置30からの抽出結果の送信などを実施する。
【0063】
次に、プリンタにおいてエラー(異常)が発生した場合の当該プリンタによるエラー処理について説明する。
【0064】
例えば、プリンタ10(プリンタA)において、プリンタエンジン14が印刷データに対応する画像データ(ページデータ)を基に印刷処理を実施しているときに、当該プリンタエンジン14にエラー(異常)が発生した場合、制御部12は、当該エラーを検知し、当該エラーにかかわるエラー情報を記憶部13に格納するとともに、エラーが発生した旨を操作パネル部15に表示する。
【0065】
ユーザが、操作パネル部15に表示されたエラーが発生した旨を参照し、操作パネル部15に設けられ、エラー情報をサーバ装置へ送信するための予め設定されるボタンを押下すると、制御部12は、そのボタンが押下されたことを受けて、記憶部13に記憶されているエラー情報を、通信部11を介してサーバ装置30に向けて送信する。
【0066】
次に、サーバ装置による故障部位情報の抽出処理について、図7を参照して説明する。
【0067】
なお、図7はその故障部位情報の抽出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0068】
サーバ装置30では、取得部32は、通信部31を通じてプリンタ10(プリンタA)からのエラー情報を取得すると(ステップS101)、この取得したエラー情報を履歴情報として異常情報記憶部33に記憶する(ステップS102)。
【0069】
ここで、今回取得したエラー情報は、図8(a)に示すエラー情報E50であるとする。また、このエラー情報E50が異常情報記憶部33に格納された時点において、異常情報記憶部33に記憶されている履歴情報は、図4に示した履歴情報330であるとする。
【0070】
さて、抽出部35は、異常情報記憶部33に記憶されている履歴情報330の中から、最新のエラー情報(今回取得したエラー情報)E50に類似するエラー情報を抽出する(ステップS103)。
【0071】
ここで、抽出部35は、履歴情報330の中から、最新のエラー情報E50に類似するエラー情報として、図8(b)に示すように、エラー情報E50のエラー内容(エラーA)と同じエラー内容を有するエラー情報E10およびエラー情報20を抽出する。エラーAは例えばJAM(ジャム)であるとする。
【0072】
次に、抽出部35は、故障部位情報記憶部34に記憶されているテーブル340(図5参照)から、最新のエラー情報E50および上記抽出したエラー情報E10,E20に対応する故障部位情報を抽出する(ステップS104)。
【0073】
そして、出力部36は、抽出部35によって抽出された抽出結果(一つ以上の故障部位情報)を、通信部31を通じてコンピュータ40に向けて送信する(ステップS105)。
【0074】
ここで、抽出部35は、エラー情報E10、エラー情報E20およびエラー情報E50のそれぞれにかかわるエラー(エラー内容)、「紙質」、「サイズ」、「エラー箇所」の各要素情報(パラメータ)の値(パラメータ値)を基に、図5に示すテーブル340から故障部位情報「故障部位#1」、「故障部位#2」、「故障部位#3」、「故障部位#4」を抽出する。この抽出した抽出結果の一例を、図9に示す。
【0075】
この場合の故障部位情報の抽出処理に際しては、抽出部35は、条件式に上記パラメータ値を代入し当該条件式を演算することにより、故障部位情報「故障部位#1〜#4」を求めることとなる。
【0076】
抽出部35は、抽出した故障部位情報が複数の場合には、当該複数の故障部位情報に関して、発生したエラーに関する原因であると推測される割合の大小の関係を明確にする処理を実施する。例えば、抽出部35は、複数の故障部位情報を当該割合の大きい順に並べる処理、あるいは複数の故障部位情報のそれぞれに対応して当該割合の大きい順での順番を付与する処理、さらには前記2つの処理、など予め設定された処理を実施する。
【0077】
ちなみに、図9に示す例は、複数の故障部位情報「故障部位#1〜#4」をエラーに関する原因であると推測される割合の大きい順に並べ替えたものである。すなわち「故障部位#1」、「故障部位#3」、「故障部位#2」、故障部位#4」の並び順に、エラーに関する原因であると推測される割合の大きいものになっている。
【0078】
この図9に示すような抽出結果は、コンピュータ40の表示装置46に表示されるので、エラーが発生したプリンタ10(プリンタA)の当該エラーを解除するユーザ(管理者、作業者)は、プリンタ10(プリンタA)に発生したエラーの真因は上記割合の大きい「故障部位#1」であるとして上記エラーの解除を試みればよいことになる。
【0079】
また、上記ユーザ(管理者、作業者)は、「故障部位#1」、「故障部位#3」、「故障部位#2」、「故障部位#4」の全てについて上記エラーの解除を試みたものの上記エラーが解除されないときは、入力装置45を操作して、図9に示す抽出結果をサービスセンタ50へ送信する指示を行う。これにより、コンピュータ40では、制御部44は、図9に示す抽出結果を例えば電子メールデータとして作成し、この作成した電子メールデータを、通信部42を通じてサービスセンタ50に向けて送信する。
【0080】
次に、サーバ装置による故障部位情報の抽出処理について、具体例を挙げて説明する。
【0081】
プリンタ10(プリンタA)において、図10に示すように、給紙装置17に収容されている用紙が、モータ18の駆動により用紙搬送路16に搬送され、さらに「Reg Roll」19a、「Fuser」19b、「Exit Roll」19cを経由して排出される場合を想定する。
【0082】
そして、最初にエラー発生箇所Cつまり「Exit Roll」19cでJAM(ジャム、これをジャムAとする)が発生し、このジャム(ジャムA)が解除された後、次に、エラー発生箇所Bつまり「Fuser」19bでジャム(ジャムB)が発生し、このジャム(ジャムB)が解除された後、今回、エラー発生箇所Aつまり「Reg Roll」19aでジャム(ジャムA)が発生したとする。ここで、ジャムAとジャムBとは性質の異なるジャムであるとする
【0083】
今回、ジャム(ジャムA)が発生したプリンタ10がジャム(ジャムA)にかかわるエラー情報をサーバ装置30に向けて送信すると、サーバ装置30では、抽出部35は、上述したように取得したエラー情報を異常情報記憶部33に記憶した後、異常情報記憶部33に記憶されている履歴情報の中から、最新のエラー情報(今回のエラー情報)に類似するエラー情報を抽出する。
【0084】
ここで、今回のエラー情報つまり「Reg Roll」19aで発生したジャムAにかかわるエラー情報に類似するエラー情報は「Exit Roll」19cで発生したジャムAにかかわるエラー情報のみであるとする。なお、エラー発生箇所B(「Fuser」19b)で発生したジャムBにかかわるエラー情報は、ジャムAとは異なる性質のジャムにかかわるエラー情報なので抽出されない。
【0085】
次に、抽出部35は、故障部位情報記憶部34に記憶されているテーブル340(図5参照)から、上記最新のエラー情報および上記抽出したエラー情報に対応する故障部位情報を抽出する。
【0086】
ここで、テーブル340において、エラー3410(エラーA)がジャムAを示し、このエラー3410(ジャムA)に対応する故障部位情報「故障部位#1〜#4」が図11に示す内容であるとする。つまり「故障部位#1=モータ」、「故障部位#2=Exit Roll」、「故障部位#3=Reg Roll」、「故障部位#4=Feed Roll」であるとする。
【0087】
抽出部35は、図11に示す内容から、ジャムAにかかわるエラー情報の要素情報を基に故障部位情報を抽出するとともに、この抽出した故障部位情報が複数の場合は、発生したエラー(ジャムA)に関する原因であると推測される割合の大小の関係を明確にする処理を実施する。この処理の結果(抽出結果)の一例を、図12に示す。
【0088】
なお、図12に示す抽出結果350においては、複数の故障部位情報が、符号351で示されるように発生したエラー(ジャムA)に関する原因であると推測される割合の大きい順に並べ替えられ、また複数の故障部位情報に対応して、符号352で示されるように当該割合が大きい順に番号(順番)が付与されているとともに符号353で示されるように当該割合(%)が付与されている。
【0089】
実施の形態では、少なくとも符号351で示される形態で複数の故障部位情報を表記するようにする。また、符号351で示される形態と符号352または符号353で示される形態とを組み合わせて複数の故障部位情報を出力する場合には、複数の故障部位情報は、上記割合の大きい順に並んでいる必要はない。なぜなら、符号352または符号353で示される形態での番号(順番)または割合(%)を知ることにより、上記割合の大きい順番を知ることが可能となるからである。しかし、複数の故障部位情報の表記に際し、プリンタで発生したエラーに関する原因(エラーの真因)を特定するという観点からは、図12に示した例の如く、符号351、符号352および符号353のそれぞれで示される形態での表記の方が望ましい。
【0090】
さて、抽出結果350は、サーバ装置30からコンピュータ40に向けて送信され、さらにユーザがコンピュータ40の入力装置45を操作して送信指示を行った場合に、電子メールデータとしてコンピュータ40からサービスセンタ50に向けて送信される。
【0091】
なお、実施の形態では、コンピュータ40は、サーバ装置30からの抽出結果を、表示装置46へ出力するか、あるいは電子メールデータとしてサービスセンタ50に送信するようにしているが、本発明はこれに限定されることなく、次のようにしてもよい。
【0092】
すなわち、コンピュータ40は、サーバ装置30からの抽出結果をプリンタ47で印刷可能なデータ形式のデータ(画像データ)に変換し、その後、プリンタ47に対し、前記画像データを出力して印刷出力させるようにする。
【0093】
また、実施の形態では、サーバ装置30は、抽出結果をコンピュータ40へ送信するようにしているが、本発明はこれに限定されることなく、次のようにしてもよい。
【0094】
すなわち、サーバ装置30は、抽出結果を故障したプリンタ10(プリンタA)へ送信するようにする。プリンタ10では、受信した抽出結果を操作パネル部15で表示するようにする。
【0095】
実施の形態において、エラー情報を履歴情報として異常情報記憶部33に記憶するようにしているのは、次の理由からである。
【0096】
すなわち、図10に示したように、エラー発生箇所A、エラー発生箇所B、およびエラー発生箇所Cのそれぞれで発生したエラーにかかわるエラー情報が履歴情報として異常情報記憶部33に記憶されている場合、抽出部35によって当該履歴情報の中から今回発生したエラーにかかわるエラー情報に類似するエラー情報が抽出される。今回発生したエラーはエラー発生箇所Aで発生したとする。
【0097】
抽出部35は、複数のエラー発生箇所A,B,Cのそれぞれのエラー情報の履歴より、エラー発生箇所C、エラー発生箇所B、エラー発生箇所Aの順番でエラーが発生していることを認識する。すなわち、抽出部35は、新しく発生するエラーほど、そのエラー発生箇所が用紙搬送路16における「Exit Roll」19cからモータ18の方向に向かった位置(箇所)に発生していると認識する。
【0098】
実施の形態では、このように抽出部35がエラー発生箇所(あるいはエラー情報)の遷移を知るために、エラー情報を履歴情報として記憶するようにする。
【0099】
次に、実施の形態に係るサーバ装置(処理装置)のハードウェア構成について、図13を参照して説明する。
【0100】
なお、図13は、サーバ装置(処理装置)30のハードウェア構成を示している。
【0101】
サーバ装置(処理装置)30は、例えばコンピュータであり、図13に示すように、CPU301、ハードディスクなどの記憶装置302、ROM303、RAM304、および通信インタフェース(通信I/F)305を有している。これらの構成要素301〜1305はシステムバス306に接続されている。
【0102】
記憶装置302は、図3に示した取得部32、抽出部35、および出力部36の各機能を実現するためのソフトウェア(プログラム)、上述した故障部位情報の抽出処理の処理手順(図7参照)に対応するソフトウェア(プログラム)、処理プログラム302Aなどインストールされた各種のプログラムを記憶している。
【0103】
また、記憶装置302は、図3に示した異常情報記憶部33および故障部位情報記憶部34の各機能を有し、例えば履歴情報330(図4参照)およびテーブル340(図5参照)を記憶する。
【0104】
処理プログラム302Aは、少なくとも次の(1)〜(4)の各処理過程を含んでいる。
【0105】
(1)異常を発生した画像形成装置から当該異常にかかわる異常情報を取得する取得処理過程。この処理過程は取得部32によって実行される。
【0106】
(2)上記取得処理過程により取得された上記異常情報を履歴情報として異常情報記憶手段に記憶させる記憶処理過程。この処理過程は取得部32によって実行される
【0107】
(3)上記異常情報記憶手段に記憶されている異常情報の中の最新の異常情報および当該異常情報に類似する異常情報に対応する故障部位情報を故障部位情報記憶手段に記憶されている異常に関する事象毎の故障部位情報から抽出する抽出処理過程。この処理過程は抽出部35によって実行される。
【0108】
(4)上記抽出処理過程により抽出された抽出結果を上記発生した異常に関する原因の特定の判断情報として出力する出力処理過程。この処理過程は出力部36によって実行される。
【0109】
ROM303は、読み出し専用メモリであり、通信プロトコル情報などを記憶している。
【0110】
RAM304は、通信部31を介して送受信されるデータ例えばプリンタ10からのエラー情報(受信データ)やコンピュータ40に向けて送信される抽出結果(送信データ)を記憶するとともに、抽出部35による抽出処理の途中結果(例えば図8(b)に示す情報)や最終結果(例えば図9に示す情報)などを記憶する。
【0111】
通信I/F305は、図3に示した通信部31の機能を果たし、通信回線61を介して外部装置、例えばプリンタ10やコンピュータ40との通信を行うものである。
【0112】
CPU301は、中央演算処理装置であり、記憶装置302からRAM304へ、処理プログラム302Aを含むプログラムを読み込んで実行することにより、上述した取得部32、抽出部35、および出力部36の各機能を実現するとともに、処理プログラム302Aに対応する処理機能を実現する。
【0113】
また、CPU301は、上記各構成要素302〜305を統括的に制御するとともに当該サーバ装置30全体を制御する。
【0114】
本願明細書において、処理プログラムを記録媒体としてのハードディスク等の記憶装置に記録する実施形態として説明したが、当該処理プログラムを次のようにして提供してもよい。
【0115】
すなわち、上記処理プログラムをROMに格納しておき、CPUが、この処理プログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしてもよい。
【0116】
また、上記処理プログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにしてもよい。この場合、その記録媒体に記録された処理プログラムをサーバ装置(処理装置)がインストールした後、この処理プログラムをCPUが実行するようにする。この処理プログラムのインストール先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)が挙げられる。そして、サーバ装置(処理装置)は、必要に応じてこの記憶装置に記憶した処理プログラムを主記憶装置にローディングして実行する。
【0117】
さらには、サーバ装置(処理装置)を通信回線(例えばインターネット)を介してファイルサーバ装置あるいはホストコンピュータと接続するようにし、当該サーバ装置(処理装置)が、ファイルサーバ装置あるいはホストコンピュータから上記処理プログラムをダウンロードした後、この処理プログラムを実行するようにしてもよい。この場合、この処理プログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)が挙げられる。そして、当該サーバ装置(処理装置)が、必要に応じてこの記憶装置に記憶された上記処理プログラムを主記憶装置にローディングして実行するようにする。
【0118】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、印刷機能、複写機能、スキャン機能、ファクシミリ機能など複数の画像形成機能のうち少なくとも一つの画像形成機能を有する画像形成装置と通信回線を介して接続される処理装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0120】
1 画像形成システム
10,20 プリンタ
30 サーバ装置
31 通信部
32 取得部
33 異常情報記憶部
34 故障部位情報記憶部
35 抽出部
36 出力部
40 コンピュータ
50 サービスセンタ
61,62 通信回線
301 CPU
302 記憶装置
302A 処理プログラム
303 ROM
304 RAM
306 通信I/F
330 履歴情報
340 テーブル
350 抽出結果
E10,E20,E30,E40,E50 エラー情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異常を発生した画像形成装置から当該異常にかかわる異常情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記異常情報を履歴情報として記憶する異常情報記憶手段と、
異常に関する事象毎に故障部位情報を記憶する故障部位情報記憶手段と、
前記異常情報記憶手段に記憶されている異常情報の中の最新の異常情報および当該異常情報に類似する異常情報に対応する故障部位情報を前記故障部位情報記憶手段から抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された抽出結果を前記発生した異常に関する原因の特定の判断情報として出力する出力手段と、
を有することを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記異常情報は、
少なくとも発生した異常を示す情報および当該異常が発生した箇所を示す情報を含むものであり、
前記異常に関する事象毎の故障部位情報は、
少なくとも発生した異常を示す情報および当該異常が発生した箇所を示す情報を含むパラメータが条件式に代入され当該条件式が演算された結果に対応するものであり、
前記抽出手段は、
前記最新の異常情報および当該異常情報に類似する異常情報のそれぞれのパラメータを条件式に代入し当該条件式を演算することにより、当該異常情報に対応する故障部位情報を前記故障部位情報記憶手段から抽出する、
ことを特徴とする請求項1記載の処理装置。
【請求項3】
前記抽出手段は、
前記抽出結果が複数の故障部位情報を含んでいるときは、当該複数の故障部位情報に関して前記発生した異常に関する原因であると推測される割合の大小の関係を明確にする、
ことを特徴とする請求項2記載の処理装置。
【請求項4】
一つ以上の画像形成装置と、
前記一つ以上の画像形成装置と通信回線を介して接続される処理装置と、
を有し、
前記処理装置は、
異常を発生した画像形成装置から当該異常にかかわる異常情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記異常情報を履歴情報として記憶する異常情報記憶手段と、
異常に関する事象毎に故障部位情報を記憶する故障部位情報記憶手段と、
前記異常情報記憶手段に記憶されている異常情報の中の最新の異常情報および当該異常情報に類似する異常情報に対応する故障部位情報を前記故障部位情報記憶手段から抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された抽出結果を前記発生した異常に関する原因の特定の判断情報として出力する出力手段と、
を有する、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
前記通信回線を介して前記一つ以上の画像形成装置および前記処理装置と接続されるとともに、他の通信回線を介してサービスセンタと接続される情報処理装置、を更に備え、
前記出力手段は、
前記抽出結果を前記発生した異常に関する原因の特定の判断情報として前記通信回線を介して前記情報処理装置に向けて送信し、
前記情報処理装置は、
受信した前記抽出結果を、前記他の通信回線を介して前記サービスセンタに向けて送信する、
ことを特徴とする請求項4記載の画像形成システム。
【請求項6】
異常を発生した画像形成装置から当該異常にかかわる異常情報を取得する取得処理過程と、
前記取得処理過程により取得された前記異常情報を履歴情報として異常情報記憶手段に記憶させる記憶処理過程と、
前記異常情報記憶手段に記憶されている異常情報の中の最新の異常情報および当該異常情報に類似する異常情報に対応する故障部位情報を故障部位情報記憶手段に記憶されている異常に関する事象毎の故障部位情報から抽出する抽出処理過程と、
前記抽出処理過程により抽出された抽出結果を前記発生した異常に関する原因の特定の判断情報として出力する出力処理過程と、
をコンピュータに実行されることを特徴とする処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−191822(P2010−191822A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37092(P2009−37092)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】