説明

処理装置の報知方法、ICカード、及び処理装置

【課題】ATM等の処理装置において使用者にとって好ましい操作画面表示等を早期に開始することができる。
【解決手段】ICカード10は、現金自動預け払い機100との間の通信設定情報を含むATR300が記憶されているEEPROM22を備え、ATR300には、現金自動預け払い機100に対する操作を使用者に促す表示及び音声の少なくとも一方からなる報知出力として予め設定されている複数の出力形態(取引操作画面)のうちの何れかを選択するための初期画面情報が含まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置の報知方法、ICカード、及び処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ATMが顧客属性情報を情報配信装置に転送し、情報配信装置から送信されてきた顧客に応じた提供情報をATMで画像表示等している。
また、特許文献2には、所定の利用者グループ分けを示す情報が磁気カードに記憶されており、ATMでは、その磁気カードに記憶されている情報を用いて操作画面表示を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−109243号公報
【特許文献2】特表平7−239890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、ATMが情報配信装置とのやりとりを前提とするために、顧客に応じた提供情報の画像表示を開始するまでに時間がかかってしまう。
また、特許文献2では、ATMと磁気カードとの間のデータ通信が良好でない場合等によりデータ通信が確立するまで時間がかかると、その分、操作画面表示が遅くなってしまう。
【0005】
本発明の課題は、ATM等の処理装置において使用者にとって好ましい操作画面表示等を早期に開始することができることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するために、請求項1に係る発明は、使用者に対して操作を促し使用者が行った操作に応じて処理を行う処理装置との間のデータ通信規約情報を含みICカードに記憶されるATR(Answer To Reset)に、前記処理装置に対する操作を使用者に促す表示及び音声の少なくとも一方からなる報知出力として予め設定されている複数の出力形態のうちの何れかを選択するための選択情報を格納しておき、前記ATRから読み出した前記データ通信規約情報を基に前記処理装置と前記ICカードとの間で通信を確立しようとするときに、該ATRから前記選択情報を読み出し、読み出した前記選択情報を基に前記複数の出力形態から選択した何れかの前記出力形態により前記報知出力をすることを特徴とする処理装置の報知方法である。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、使用者に対して操作を促し使用者が行った操作に応じて処理を行う処理装置との間のデータ通信規約情報を含むATRが記憶されている記憶部を備え、前記ATRには、前記処理装置に対する操作を使用者に促す表示及び音声の少なくとも一方からなる報知出力として予め設定されている複数の出力形態のうちの何れかを選択するための選択情報が含まれていることを特徴とするICカードである。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載のICカードとの間の通信により処理を行う処理装置であって、前記複数の出力形態に対応する複数の報知出力用データを記憶する第1記憶部と、前記ATR内の前記選択情報を記憶する第2記憶部と、前記第2記憶部に記憶された前記選択情報を基に、前記第1記憶部に記憶されている前記複数の報知出力用データのうちの何れかを選択し、選択した前記報知出力用データを基に、前記選択情報により選択された前記出力形態による前記報知出力を行う報知出力手段と、を備えることを特徴とする処理装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ATRから読み出したデータ通信規約情報を基に処理装置とICカードとの間で通信を確立しようとするときに、該ATRから選択情報を読み出し、読み出した選択情報を基に選択した出力形態により報知出力をすることで、使用者にとって好ましい報知出力を早期に開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態の取引処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】ICカードの構成を示すブロック図である。
【図3】ATRの構成を示す図である。
【図4】初期画面情報を説明する図である。
【図5】挿入部に挿入されたICカードとの通信確立時の現金自動預け払い機における処理を示すフローチャートである。
【図6】挿入部に挿入されたICカードとの通信設定(通信の確立)から取引処理までの現金自動預け払い機における処理を示すフローチャートである。
【図7】通常初期画面の一例を示す図である。
【図8】拡大文字初期画面の一例を示す図である。
【図9】英語初期画面の一例を示す図である。
【図10】拡大文字初期画面の他の一例を示す図である。
【図11】第2の実施形態における現金自動預け払い機の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
(構成)
第1の実施形態は、ICカードを用いた取引処理システムである。
図1は、取引処理システム1の構成を示す。
図1に示すように、取引処理システム1は、現金自動預け払い機(ATM)100及びホストコンピュータ200を有する。現金自動預け払い機100は、金融機関やコンビニエンスストア等に設置されているものであり、ホストコンピュータ200は、この現金自動預け払い機100が取引処理を実行するための個人情報等のデータを管理する。使用者は、このような取引システムにおいて、接触型ICカード(以下、単にICカードという。)10によりその使用者は現金自動預け払い機100を利用して取引することができる。
【0012】
図2は、ICカード10の構成を示す。
図2に示すように、ICカード10は、通信インターフェース11、コプロ12、CPU(Central Processing Unit)13、及び記憶部20を有する。
通信インターフェース11は、現金自動預け払い機100(現金自動預け払い機100のICカード用インターフェース)との通信制御を行う。コプロ12は、暗号化専用の処理部である。CPU13は、ICカード10における各種処理を行う。記憶部20には、各種処理に必要なデータやプログラムが記憶されている。図2に示すように、記憶部20は、一時的なデータを読み書きするためのRAM(Random Access Memory)21、主にデータを格納するためのEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)22、及びプログラム等が格納されているROM(Read Only Memory)23を有する。
【0013】
このような構成を有するICカード10は、現金自動預け払い機100との通信を確立する際(通信初期)に、現金自動預け払い機100からのリセット(リセット送信)に対応してリセット応答のATR(Answer To Reset)を現金自動預け払い機100に返す処理を行う。現金自動預け払い機100は、ATRを受け取ると、受け取ったATRの情報を基にICカード10との間の通信を確立させて取引処理を開始する。
【0014】
図3は、ATR300のデータ構造を示す。
図3に示すように、接触型ICカードのATR300は、フォーマットバイト301、インターフェースバイト302、ヒストリカルバイト(ヒストリカルキャラクタ、管理情報バイト)303、及びチェックバイト304から構成されている。そして、インターフェースバイト302には、現金自動預け払い機100との間の通信の際に必要となる通信設定情報が格納されている。例えば、通信設定情報として通信プロトコル情報や通信レート情報がある。
【0015】
また、本実施形態では、ヒストリカルバイト303に初期画面情報("00"〜"03")が格納されている。ヒストリカルバイト303は、独自のデータを格納することが可能となっている。本実施形態では、このヒストリカルバイト303に初期画面情報を格納している。この初期画面情報は、現金自動預け払い機100に対する操作を使用者に促す表示及び音声の少なくとも一方からなる報知出力として予め設定されている複数の出力形態(複数種類の取引操作画面等)のうちの何れかを選択するための選択情報となる。
【0016】
図4は、ヒストリカルバイト303に格納される初期画面情報("00"〜"03")を示す。
図4に示すように、出力を標準画面表示とする場合、ヒストリカルバイト303には"00"の初期画面情報が格納される。また、出力を拡大文字画面表示とする場合、ヒストリカルバイト303には"01"の初期画面情報が格納される。また、出力を音声案内誘導とする場合、ヒストリカルバイト303には"02"の初期画面情報が格納される。また、出力を英語画面表示とする場合、ヒストリカルバイト303には"03"の初期画面情報が格納される。
【0017】
ICカード10の発行時にこれらの何れかの初期画面情報がヒストリカルバイト303に格納される。ICカード10では、ヒストリカルバイト303にこのような初期画面情報が格納されたATR300をEEPROM22に記憶している。
一方、図1に示すように、現金自動預け払い機100は、操作部120、挿入部111、ICカード用インターフェース112、ホストコンピュータ用インターフェース113、演算処理部130、データベース140、出力処理部114、及びスピーカ115を有する。
【0018】
操作部120は、現金自動預け払い機100に対して使用者に操作を促す内容(使用者が操作可能な内容)等を表示するモニター121と使用者の指示内容が入力される入力部122とを有する。例えば、操作部120はタッチパネルである。操作部120は、入力部122への入力情報を演算処理部130に出力する。
ICカード用インターフェース112は、挿入部111に挿入されたICカード10に対してデータの書き込み及び読み出しを行う。そのため、ICカード用インターフェース112はICカードリーダライタを有する。
【0019】
ホストコンピュータ用インターフェース113は、ホストコンピュータ200との間で通信手段を介して通信を行う。通信手段としては、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信網が挙げられる。
演算処理部130は、現金自動預け払い機100における各種処理を行う。そのための構成として、本実施形態の演算処理部130は、メイン処理部131、取引処理部132及び記憶部133を有する。
【0020】
メイン処理部131は、現金自動預け払い機100を機能させる主な処理を行う。例えば、メイン処理部131は、挿入部111に挿入されたICカード10との通信を開始する際に、該ICカード10を活性化させる処理を行う。活性化させる処理としては、電源供給処理やリセット処理(リセット送信処理)が挙げられる。
取引処理部132は、預け入れ、振込み等の取引処理を行う。取引処理部132は、取引処理において必要に応じてホストコンピュータ200との間でデータをやりとりする。ホストコンピュータ200は、データベース201により使用者(顧客)の残高、氏名、取引履歴等の個人情報を管理している。また、取引処理部132は、その取引処理において必要に応じて出力指令を出力処理部114に出力する。ここで、出力指令は、現金自動預け払い機100に対して使用者が操作可能な情報の報知出力である取引操作画面表示をさせるための指令である。
【0021】
記憶部133は、ROMやRAM等を含んで構成されており、演算処理部130が処理に使用するデータやプログラムを記憶している。例えば、演算処理部130は、ICカード10との間で通信を確立する際に該ICカード10から送信されてきたATR300を記憶部133(例えばRAM)に記憶する。
現金自動預け払い機100のデータベース140には、現金自動預け払い機100で取引処理に必要なデータが記憶されている。本実施形態では、データベース140には、モニター121による表示出力やスピーカ115による音声出力をするための各種データが記憶されている。図1に示すように、本実施形態では、データベース140には、モニター121により表示出力させるためのデータとして、通常画像データ141、拡大文字表記画像データ142、及び外国語表記画像データ143が記憶されている。また、データベース140には、スピーカ115により音声出力させるためのデータとして、視覚障害者用音声案内データ144が記憶されている。
【0022】
通常画像データ141は、取引処理時に通常(例えば健常な日本人等の一般人)用にモニター121に取引操作画面を表示させるための画像データである。拡大文字表記画像データ142は、通常画像データ141を基に取引操作画面に表示される文字、記号等を拡大させてモニター121に表示させるための画像データである。外国語表記画像データ143は、通常画像データ141を基に取引操作画面に表示される文字を英語等の外国語にしてモニター121に表示させるための画像データである。視覚障害者用音声案内データ144は、スピーカ115に視覚障害者用の音声案内を出力するための音声データである。
【0023】
出力処理部114は、演算処理部130からの出力指令に応じて、データベース140に記憶されている各種データを基にモニター121やスピーカ115等による出力処理(表示出力処理や音声出力処理)を行う。また、出力処理部114は、記憶部133にATR300が記憶されている場合には、そのATR300のヒストリカルバイト303内の初期画面情報("00"〜"03")を基に取引操作画面表示等を行う。
【0024】
図5及び図6は、以上のような構成を有する現金自動預け払い機100における処理を示す。図5に示す処理は、挿入部111に挿入されたICカード10との通信確立時の処理となる。
図5に示すように、先ずステップS1において、現金自動預け払い機100では、メイン処理部131は、挿入部111に挿入されたICカード10に対してICカード用インターフェース112を介してリセット送信を行う。そのリセット送信に応じてICカード10からATR300が送信されてくると、続くステップS2において、出力処理部114は、そのATR300のヒストリカルバイト303に格納されている初期画面情報(メイン処理部131が記憶部133に記憶した初期画面情報)を読み出す。
【0025】
続くステップS3において、出力処理部114は、初期画面情報が無い(初期画面情報が"00")か否かを判定する。出力処理部114は、初期画面情報が無いと判定すると、ステップS6に進む。また、出力処理部114は、初期画面情報が有ると判定すると(初期画面情報="01"、"02"又は"03"の場合)、ステップS4に進む。
ステップS4では、出力処理部114は、初期画面情報が"01"か否かを判定する。出力処理部114は、初期画面情報が"01"であると判定すると、ステップS7に進む。また、出力処理部114は、初期画面情報が"01"でないと判定すると、ステップS5に進む。
【0026】
ステップS5では、出力処理部114は、初期画面情報が"02"か否かを判定する。出力処理部114は、初期画面情報が"02"であると判定すると、ステップS8に進む。また、出力処理部114は、初期画面情報が"02"でないと判定すると、すなわち、初期画面情報が"03"の場合、ステップS9に進む。
ステップS6では、出力処理部114は、出力処理として通常初期画面表示を行う。具体的には、出力処理部114は、データベース140に記憶されている通常画像データ141を用いて、通常の取引開始操作画面(通常初期画面)をモニター121に表示させる。
【0027】
ステップS7では、出力処理部114は、出力処理として拡大文字初期画面表示を行う。具体的には、出力処理部114は、データベース140に記憶されている拡大文字表記画像データ142を用いて、拡大文字で構成された取引開始操作画面(拡大文字初期画面)をモニター121に表示させる。
ステップS8では、出力処理部114は、出力処理として音声案内付き初期画面表示を行う。具体的には、出力処理部114は、データベース140に記憶されている視覚障害者用音声案内データ144を用いて、音声取引案内をスピーカ115から出力させる。このとき、出力処理部114は、データベース140に記憶されている通常画像データ141を用いて、通常の取引開始操作画面(通常初期画面)をモニター121に表示させる。
【0028】
ステップS9では、出力処理部114は、出力処理として英語初期画面表示を行う。具体的には、出力処理部114は、データベース140に記憶されている外国語表記画像データ143を用いて、英語文字で構成された取引開始操作画面(英語初期画面)をモニター121に表示させる。
図7乃至図9は、前記ステップS6乃至ステップS9の処理によりモニター121に表示される取引開始操作画面の一例を示す。
【0029】
図7は、通常初期画面120aの一例を示す。図7に示すように、通常初期画面120aには、通常の大きさの日本語文字で、「お預け入れ」、「お引出し」、「通貯記入」、「お振込み」、「残高照会」、及び「その他」等といった取引可能項目が表示される。
図8は、拡大文字初期画面120aの一例を示す。図8に示すように、拡大文字初期画面120aには、拡大した日本語文字で、「お預け入れ」、「お引出し」、「通貯記入」、「お振込み」、「残高照会」、及び「その他」等といった取引可能項目が表示される。
【0030】
図9は、英語初期画面120aの一例を示す。図9に示すように、英語初期画面120aには、通常の大きさの英語文字で、「お預け入れ」、「お引出し」、「通貯記入」、「お振込み」、「残高照会」、及び「その他」の内容を示す「DEPOSIT」、「WITHDRAWAL」、「PASSBOOK UPDATE」、「MONEY TRANSFER」、「BALANCE INQUIRY」、及び「OTHER」といった取引可能項目が表示される。
【0031】
図6は、挿入部111に挿入されたICカード10との通信設定(通信の確立)から取引処理までの一連の処理を示す。この図6に示す処理は、図5に示す処理と同時平行、又は図5に示す処理の後に行う処理となる。
図6に示すように、先ずステップS21において、メイン処理部131(例えばその中の通信処理部)は、リセット送信(図5に示すステップS1の処理)に応じてICカード10からATR300が送信されてくると、送信されてきたATR300のインターフェースバイト302に格納されている通信設定情報を読み出す。
【0032】
続くステップS22において、メイン処理部131は、前記ステップS21で読み出した通信設定情報を基に、ICカード10との間の通信設定をする(通信を確立する)。すなわち、メイン処理部131は、通信設定情報の通信プロトコル及び通信レートでICカード10との間の通信を開始する。
続くステップS23において、取引処理部132は、前記ステップS21においてICカード10との間で確立された通信により取引処理を行う。具体的には、取引処理部132は、ICカード10からアプリケーションIDを選択し、顧客IDや口座番号などの情報を読み出し、その読み出した顧客IDやアプリケーションID、及び使用者が入力部122に入力した入力情報を基に、取引処理を実行する。このとき、取引処理部132は、必要に応じて、ホストコンピュータ200との通信によってカードの認証を実行したり、該ホストコンピュータ200で管理されている使用者(顧客)の残高、氏名等の個人情報を用いた取引処理を行ったりする。
【0033】
例えば、モニター121に表示した取引開始操作画面に対応する入力が入力部122になされると、取引処理部132は、このステップS23において、その入力情報に応じた取引処理を開始する。すなわち例えば、取引開始操作画面の「お引出し」(「WITHDRAWAL」)の取引可能項目が選択されると、取引処理部132は、必要に応じてホストコンピュータ200との通信による認証などを行い、該ホストコンピュータ200で管理されている使用者(顧客)の残高、氏名等を用いた引き出しのための取引処理を行う。
【0034】
(動作、作用等)
現金自動預け払い機100は、ICカード10が挿入部111に挿入されると、ICカード10を活性化させる。すなわち、現金自動預け払い機100では、メイン処理部131により、電源供給処理やリセット処理を行う。このとき、メイン処理部131は、リセット処理として、リセット信号をICカード10に送信する(ステップS1)。これにより活性化されたICカード10は、EEPROM22に記憶されているATR300を現金自動預け払い機100に送信する。
【0035】
現金自動預け払い機100では、出力処理部114が、ICカード10から送信されてきたATR300のヒストリカルバイト303に格納されている初期画面情報を基に、モニター121やスピーカ115の出力処理を行う(前記ステップS3乃至ステップS9)。
【0036】
すなわち、出力処理部114は、初期画面情報が無い場合(初期画面情報が"00"の場合)、モニター121により通常初期画面表示を行う。また、出力処理部114は、初期画面情報が"01"の場合、モニター121により拡大文字初期画面表示を行う。また、出力処理部114は、初期画面情報が"02"の場合、モニター121及びスピーカ115により音声案内付き初期画面表示を行う。また、出力処理部114は、初期画面情報が"03"の場合、モニター121により英語初期画面表示を行う。
【0037】
これにより、所有者が高齢者となるICカード10のATR300のヒストリカルバイト303に"01"をそのICカード10の登録時に格納しておけば、その高齢者は、ICカード10を現金自動預け払い機100の挿入部111に挿入しただけで、拡大文字表示の取引開始操作画面により取引を開始することができる。
【0038】
また、所有者が視覚障害者となるICカード10のATR300のヒストリカルバイト303に"02"をそのICカード10の登録時に格納しておけば、その視覚障害者は、ICカード10を現金自動預け払い機100の挿入部111に挿入しただけで、音声案内が付加された取引開始操作画面により取引を開始することができる。
【0039】
また、所有者が英語圏の外国人となるICカード10のATR300のヒストリカルバイト303に"03"をそのICカード10の登録時に格納しておけば、その外国人は、ICカード10を現金自動預け払い機100に挿入部111に挿入しただけで、英語表示の取引開始操作画面により取引を開始することができる。
【0040】
すなわち、使用者毎に取引開始操作画面を表示でき、各使用者は、その取引開始操作画面により取引を開始することができる。また、例えば、ICカード10(ATR300のヒストリカルバイト303)への初期画面情報の登録は、ICカード10の所有者の申請により行われる。
【0041】
一方、現金自動預け払い機100では、メイン処理部131が、ICカード10から送信されてきたATR300のインターフェースバイト302に格納されている通信設定情報を基に、該ICカード10との間の通信設定をする(ステップS21、ステップS22)。そして、現金自動預け払い機100では、取引処理部132は、確立された通信によりIDカード10から読み出した顧客ID、アプリケーションIDや、取引開始操作画面に対応して使用者が入力部122に入力した入力情報を基に、取引処理を実行する(ステップS23)。
【0042】
なお、本実施形態では、処理装置として現金自動預け払い機100を用いている。また、選択情報として初期画面情報を用いている。また、第1記憶部としてデータベース140(例えばハードディスク)を用いている。また、第2記憶部として記憶部133を用いている。また、報知出力手段としてモニター121及びスピーカ115を用いている。
【0043】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、現金自動預け払い機100は、ATR300から読み出した通信設定情報を基にICカード10との間で通信を確立しようとするときに、該ATR300から初期画面情報を読み出し、読み出した初期画面情報を基に選択した取引開始操作画面を表示している。
【0044】
これにより、現金自動預け払い機100は、使用者にとって好ましい取引開始操作画面の表示又は音声案内の出力を早期に開始することができる。すなわち、現金自動預け払い機100は、ICカード10との間の通信確立時といったICカード10が挿入された初期段階で取引開始操作画面を表示でき、又は音声案内を出力できる。そして、現金自動預け払い機100は、ATR300に格納されていた初期画面情報に応じて取引開始操作画面や音声案内を選択できるため、使用者毎に取引開始操作画面の表示や音声案内の出力を行うことができる。
【0045】
また、現金自動預け払い機100では、通信確立前にICカード10から送信されてくるATR300内の初期画面情報を基に取引開始操作画面を選択しているため、ICカードとの間の通信が良好でない場合等により通信が確立するまで時間がかかるような場合でも、そのような影響を受けることなく、取引開始操作画面を表示することができる。
また、現金自動預け払い機100は、使用者に操作を何ら要求することなく、使用者毎の取引開始操作画面を自動的に表示できるので、使用者にとって利便性が高いものとなる。
【0046】
また、取引開始操作画面や音声案内の選択のための処理は現金自動預け払い機100内で完結した処理になるため、現金自動預け払い機100が接続されるホストコンピュータ200のシステムやデータベース121の更新を伴うことなく取引開始操作画面や音声案内の選択が可能になる。また、現金自動預け払い機100のシステム変更といった容易なシステム変更だけで取引開始操作画面や音声案内の選択が可能になるため、システム改修の負荷も抑えることができる。
【0047】
また、取引開始操作画面や音声案内の選択は、ICカード10のATR300の一部を利用して実現されているため、該当アプリケーション以外に、ICカード10に搭載されている別のアプリケーションや既存のアプリケーションが存在し、それらのアプリケーションを使用する際にも影響を及ぼすことはない。
また、ICカード10のATR300の一部を利用していることで、該当アプリケーションに属する固有のファイルに情報を書き込むこともないため、追加で固有ファイルを生成する工程がなくて済む。
【0048】
また、初期画面情報を情報量が少ない識別情報("00"〜"03")としてATR300のヒストリカルバイト303に格納しているため、多くのパターンの初期画面情報を設定することが可能になる。すなわち例えば、初期画面設定情報を1バイト単位で表すとすると、0x01−0xFFまで254通りの初期画面設定情報を設定できる。
【0049】
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態の変形例では、現金自動預け払い機100に対する操作を使用者に促す複数の音声案内を用意しておき、初期画面情報を基に、複数の音声案内のうちの何れかを選択することもできる。また、第1の実施形態の変形例では、現金自動預け払い機100に対する操作を使用者に促す表示及び音声からなる複数の音声案内付きの取引開始操作画面を用意しておき、初期画面情報を基に、複数の音声案内付きの取引開始操作画面のうちの何れかを選択することもできる。
【0050】
また、第1の実施形態の変形例では、現金自動預け払い機100に限定されることなく、使用者に対して操作を促し使用者が行った操作に応じて処理を行うICカード10が利用可能な他の処理装置、すなわち、ICカード10との間で情報のやりとりをする処理装置であり、かつその際に使用者に操作を促す処理装置に適用することができる。例えば、ゲームセンタのゲーム機や店舗でのポイント発行システムに適用することができる。
【0051】
また、初期画面情報により選択可能な取引開始操作画面は、前述の出力形態に限定されるものではない。例えば、第1の実施形態の変形例では、取引開始操作画面が英語表示によるものに限定されるものではなく、韓国語、中国語、フランス語等の表示によるものにすることもできる。また、第1の実施形態の変形例では、初期画面情報を基に、色弱者向けの取引開始操作画面にすることもでき、この場合、色弱者が判別しやすい配色となる表示の取引開始操作画面にすることもできる。
【0052】
また、第1の実施形態の変形例では、出力処理部114が初期画面情報を基に出力処理をすることに限定されず、メイン処理部131や取引処理部132等により演算処理部130が初期画面情報を基に処理することもできる。この場合、演算処理部130は、初期画面情報に基づく出力指令(選択した取引開始操作画面の出力指令)を出力処理部114に出力する。そして、出力処理部114は、その出力指令を基にデータベース140の通常画像データ141や拡大文字表記画像データ142等を用いて取引開始操作画面をモニター121に表示させる出力処理を行う。
【0053】
また、第1の実施形態の変形例では、初期画面情報に基づく取引開始操作画面の選択として、取引可能項目を変更した取引開始操作画面の選択を行うこともできる。例えば、図10に示すように、出力処理部114は、初期画面情報が"01"の場合、通常初期画面(通常の取引開始操作画面)では表示されている「お振込み」の取引可能項目を無くして、拡大文字初期画面表示を行うこともできる。これにより、高齢者が誤って振込み実行してしまうのを防止できる。
【0054】
(第2の実施形態)
(構成)
第2の実施形態では、現金自動預け払い機に対して取引のための操作をした後にICカードが挿入された場合でも、初期画面情報を基に取引操作画面を選択することができるようになっている。すなわち、第2の実施形態では、取引処理途中にICカードが挿入されるような場合でも、その取引処理途中に係る取引操作画面を初期画面情報を基に選択することもできるようになっている。
【0055】
そのため、第2の実施形態では、出力処理部114は、初期画面情報及び取引処理部132からの出力指令を基に出力処理を行う。
図11は、第2の実施形態における現金自動預け払い機100の処理手順を示す。
図11に示すように、先ずステップS41において、メイン処理部131は、ICカード10が挿入部111に挿入されているか否かを判定する。例えば、センサ等によりICカード10の挿入の有無を判定する。メイン処理部131は、ICカード10が挿入部111に挿入されていると判定すると、ステップS42に進む。また、メイン処理部131は、ICカード10が挿入部111に挿入されていないと判定すると、ステップS42乃至ステップS44をスキップして、ステップS45に進む。
【0056】
続くステップS42において、メイン処理部131は、リセット送信済みか否かを判定する。すなわち、メイン処理部131は、ICカード用インターフェース112とICカード10との間の通信が既に確立しているか否かを判定する。メイン処理部131は、リセット送信済みであると判定すると、ステップS43をスキップして、ステップS44に進む。また、メイン処理部131は、リセット送信済みでないと判定すると、すなわち、ICカード10が挿入部111に挿入された直後であり該ICカード10との間で通信が確立していない場合、ステップS43に進む。
【0057】
ステップS43では、メイン処理部131は、前記ステップS1と同様に、挿入部111に挿入されたICカード10に対してICカード用インターフェース112を介してリセット送信をする。
そのリセット送信に応じてICカード10からATR300が送信されてくると、続くステップS44において、前記ステップS2と同様に、出力処理部114は、そのATR300のヒストリカルバイト303に格納されている初期画面情報を読み出す。
【0058】
続くステップS45において、取引処理部132は、取引操作画面に対する入力操作(使用者による入力部122への入力操作)が有ったか否かを判定する。取引処理部132は、取引操作画面に対する入力操作が有ったと判定したときに、ステップS46に進む。
ステップS46では、取引処理部132は、前記ステップS45の取引操作画面に対する入力操作(入力部122に入力された入力情報)を基に、取引処理を実行する。ここで、ICカード10が挿入部111に挿入されている場合には(ステップS41で"Yes"の場合)、すなわち、ICカード10との間で通信が確立した状態にある場合には、取引処理部132は、ICカード10から顧客IDやアプリケーションIDを読み出し、その読み出した顧客IDやアプリケーションIDをも用いて取引処理を実行することになる。
【0059】
このような取引処理において、取引処理部132は、必要に応じて、取引処理を進めるための取引操作画面の出力指令を出力処理部114に出力する。すなわち、使用者による入力操作(例えば、銀行選択の入力操作、金額の入力操作やパスワードの入力操作)がないと取引処理を進めることができないような場合、取引処理部132は、取引処理を進めるために必要な取引操作画面(例えば、銀行選択画面、金額入力画面やパスワード入力画面)の出力指令を出力処理部114に出力する。
【0060】
続くステップS47において、出力処理部114は、取引処理を進めるために必要な取引操作画面の出力指令が取引処理部132から有ったか否かを判定する。出力処理部114は、その出力指令が取引処理部132から有ったと判定すると、ステップS48に進む。また、出力処理部114は、その出力指令が取引処理部132から無いと判定すると、ステップS56に進む。
【0061】
ステップS48では、出力処理部114は、前記ステップS44でATR300内の初期画面情報を読み出しているか否かを判定する。すなわち、出力処理部114は、ICカード10が挿入されているか否かを判定する。出力処理部114は、ATR300内の初期画面情報を読み出していると判定すると、ステップS49に進む。また、出力処理部114は、ATR300内の初期画面情報を読み出していないと判定すると、すなわち、ICカード10が未だ挿入されていない場合、ステップS52に進む。
【0062】
ステップS49では、出力処理部114は、前記ステップS44で読み出した初期画面情報が無い(初期画面情報が"00")か否かを判定する。出力処理部114は、初期画面情報が無いと判定すると、ステップS52に進む。また、出力処理部114は、初期画面情報が有ると判定すると(初期画面情報="01"、"02"又は"03"の場合)、ステップS50に進む。
【0063】
ステップS50では、出力処理部114は、初期画面情報が"01"か否かを判定する。出力処理部114は、初期画面情報が"01"であると判定すると、ステップS53に進む。また、出力処理部114は、初期画面情報が"01"でないと判定すると、ステップS51に進む。
ステップS51では、出力処理部114は、初期画面情報が"02"か否かを判定する。出力処理部114は、初期画面情報が"02"であると判定すると、ステップS54に進む。また、出力処理部114は、初期画面情報が"02"でないと判定すると、すなわち、初期画面情報が"03"の場合、ステップS55に進む。
【0064】
ステップS52では、出力処理部114は、出力処理として、取引操作画面の出力指令に対応する通常画面表示を行う。具体的には、出力処理部114は、データベース140に記憶されている通常画像データ141を用いて、取引操作画面の出力指令に応じた取引操作画面をモニター121に表示させる。そして、ステップS56に進む。
このようなことから、データベース140には、初期画面である取引開始操作画面を含め、取引処理を進めていく各段階の取引操作画面(通常画面表示)を形成するための通常画像データ141が記憶されている。
【0065】
ステップS53では、出力処理部114は、出力処理として、取引操作画面の出力指令に対応する拡大文字画面表示を行う。具体的には、出力処理部114は、データベース140に記憶されている拡大文字表記画像データ142を用いて、操作画面の出力指令に応じた取引操作画面をモニター121に表示させる。そして、ステップS56に進む。
このようなことから、データベース140には、初期画面である取引開始操作画面を含め、取引処理を進めていく各段階の取引操作画面(拡大文字画面表示)を形成するための拡大文字表記画像データ142が記憶されている。
【0066】
ステップS54では、出力処理部114は、出力処理として、取引操作画面の出力指令に対応する音声案内付き画面表示を行う。具体的には、出力処理部114は、データベース140に記憶されている視覚障害者用音声案内データ144を用いて、操作画面の出力指令に応じた音声取引案内をスピーカ115から出力させる。このとき、出力処理部114は、データベース140に記憶されている通常画像データ141を用いて、操作画面の出力指令に応じた取引操作画面をモニター121に表示させる。そして、ステップS56に進む。
【0067】
ステップS55では、出力処理部114は、出力処理として、取引操作画面の出力指令に対応する英語画面表示を行う。具体的には、出力処理部114は、データベース140に記憶されている外国語表記画像データ143を用いて、取引操作画面の出力指令に応じた取引操作画面をモニター121に表示させる。そして、ステップS56に進む。
このようなことから、データベース140には、初期画面である取引開始操作画面を含め、取引処理を進めていく各段階の取引操作画面(英語画面表示)を形成するための外国語表記画像データ143が記憶されている。
【0068】
ステップS56では、取引処理部132は、取引処理が終了したか否かを判定する。すなわち、取引処理部132は、取引が完了したか、又は取引が中断されたか等を判定する。取引処理部132は、取引処理が終了したと判定すると、該図11に示す処理を終了する。また、取引処理部132は、取引処理が終了していないと判定すると、前記ステップS41から再び処理を開始する。
【0069】
(動作、作用等)
以上のような処理を行う現金自動預け払い機100は、ICカード10が挿入部111に挿入されていなくても、取引操作画面に対する入力操作が有ったとき、その入力操作を基に、取引処理を実行する(ステップS41、ステップS45、ステップS46)。そして、現金自動預け払い機100は、必要に応じて、取引処理を進めるために必要な取引操作画面の表示(通常画面表示)を行う(ステップS47、ステップS48、ステップS52)。
【0070】
そして、現金自動預け払い機100は、ICカード10が挿入部111に挿入されると、該ICカード10に対してリセット送信をし、そのリセット送信に応じてICカード10から送信されてきたATR300のヒストリカルバイト303内の初期画面情報を読み出すとともに(ステップS44)、ATR300のインターフェースバイト302の通信設定情報を基に該ICカード10との間の通信を確立させる。そして、現金自動預け払い機100は、取引操作画面に対する入力操作が有ったとき、その入力操作を基に取引処理を実行する(ステップS41、ステップS45、ステップS46)。このとき、現金自動預け払い機100は、必要に応じて、取引処理を進めるために必要な取引操作画面を表示する(ステップS47乃至ステップS55)。
【0071】
このとき、現金自動預け払い機100は、初期画面情報が無い場合(初期画面情報が"00"の場合)、取引操作画面の出力指令に対応する通常画面表示を行う(ステップS49、ステップS52)。また、現金自動預け払い機100は、初期画面情報が"01"の場合、取引操作画面の出力指令に対応する拡大文字画面表示を行う(ステップS50、ステップS53)。また、現金自動預け払い機100は、初期画面情報が"02"の場合、取引操作画面の出力指令に対応する音声案内付き画面表示を行う(ステップS51、ステップS54)。また、現金自動預け払い機100は、初期画面情報が"03"の場合、取引操作画面の出力指令に対応する英語画面表示を行う(ステップS51、ステップS55)。
【0072】
以上のように、第2の実施形態における現金自動預け払い機100は、ICカード10が挿入部111に挿入されていない状態でも、取引操作画面に対する入力操作に応じて取引処理を進めることができる。このときの取引操作画面は、通常の取引操作画面となる。そして、現金自動預け払い機100は、そのように取引処理が進んだ段階でもICカード10が挿入部111に挿入されると、ICカード10との通信の確立の際に該ICカード10から送信されてくるATR300から得た初期画面情報に応じた取引操作画面を表示することができる。
【0073】
このように、第2の実施形態では、取引開始操作画面(初期画面)に限定されるものではなく、取引処理途中の取引操作画面についても、挿入部111に挿入されたICカード10のATR300のヒストリカルバイト303の初期画面情報に基づき表示することができる。
例えば、コンビニエンスストアに設置されるような現金自動預け払い機100においてICカード10の挿入前にも使用者が銀行を選択できるような場合には、使用者が銀行を選んだ後にICカード10が挿入されると、その銀行の取引操作画面が初期画面情報に基づき表示されるようになる。
【0074】
(第2の実施形態の変形例)
第2の実施形態の変形例では、出力処理部114が初期画面情報及び取引処理部132からの出力指令を基に出力処理を行うことに限定されず、メイン処理部131や取引処理部132等により演算処理部130が初期画面情報を基に処理をすることもできる。この場合、演算処理部130は、初期画面情報に基づく出力指令(選択した取引操作画面の出力指令)を出力処理部114に出力する。そして、出力処理部114は、その出力指令を基にデータベース140の通常画像データ141や拡大文字表記画像データ142等を用いて取引操作画面をモニター121に表示させる出力処理を行う。
【符号の説明】
【0075】
1 取引処理システム、10 ICカード、11 通信インターフェース、20 記憶部、22 EEPROM、100 現金自動預け払い機、112 ICカード用インターフェース、114 出力処理部、115 スピーカ、120 操作部、122 入力部、121 モニター、130 演算処理部、131 メイン処理部、132 取引処理部、133 記憶部、140 データベース、141 通常画像データ、142 拡大文字表記画像データ、143 外国語表記画像データ、144 視覚障害者用音声案内データ、200 ホストコンピュータ、300 ATR、302 インターフェースバイト、303 ヒストリカルバイト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者に対して操作を促し使用者が行った操作に応じて処理を行う処理装置との間のデータ通信規約情報を含みICカードに記憶されるATR(Answer To Reset)に、前記処理装置に対する操作を使用者に促す表示及び音声の少なくとも一方からなる報知出力として予め設定されている複数の出力形態のうちの何れかを選択するための選択情報を格納しておき、
前記ATRから読み出した前記データ通信規約情報を基に前記処理装置と前記ICカードとの間で通信を確立しようとするときに、該ATRから前記選択情報を読み出し、
読み出した前記選択情報を基に前記複数の出力形態から選択した何れかの前記出力形態により前記報知出力をすることを特徴とする処理装置の報知方法。
【請求項2】
使用者に対して操作を促し使用者が行った操作に応じて処理を行う処理装置との間のデータ通信規約情報を含むATRが記憶されている記憶部を備え、
前記ATRには、前記処理装置に対する操作を使用者に促す表示及び音声の少なくとも一方からなる報知出力として予め設定されている複数の出力形態のうちの何れかを選択するための選択情報が含まれていることを特徴とするICカード。
【請求項3】
請求項2に記載のICカードとの間の通信により処理を行う処理装置であって、
前記複数の出力形態に対応する複数の報知出力用データを記憶する第1記憶部と、
前記ATR内の前記選択情報を記憶する第2記憶部と、
前記第2記憶部に記憶された前記選択情報を基に、前記第1記憶部に記憶されている前記複数の報知出力用データのうちの何れかを選択し、選択した前記報知出力用データを基に、前記選択情報により選択された前記出力形態による前記報知出力を行う報知出力手段と、
を備えることを特徴とする処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−243027(P2011−243027A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115154(P2010−115154)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】