説明

凹凸紙、及び凹凸紙の製造方法

【課題】 より高い緩衝性と柔軟性を備えた緩衝材等に用いることの可能な凹凸紙を提供する。
【解決手段】 二次元方向に伸張する紙の面上に多数の凹凸部を備えた凹凸紙であって、隣接する凹凸部の距離を凹部又は凸部の直径の1/5〜1/1.5とした凹凸紙とする。また、凹凸紙の凹凸部における凹凸間の高さを、二次元方向に伸張する紙の厚さの30〜50倍とする。さらに、二次元方向に伸張する紙が、伸張する方向のうちのいずれか一の方向にしわを形成したものであり、しわのピッチを、凹凸紙の凹凸部における凹部又は凸部の直径の1/2〜1/20とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、より高い緩衝性と柔軟性を備えた緩衝材等に用いることの可能な凹凸紙、及び凹凸紙の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の梱包などに使用される緩衝材としては、一般に発泡スチロールやいわゆるプチプチと呼ばれる多数のエアークッションを備えたシートなどの石油化学製品が多用されている。
発泡スチロールは成形が容易であり、かつ優れた耐衝撃性があることから、梱包剤として広く一般的に使用されている。また、プチプチは、柔軟性にすぐれ、形状に拘らず種々の物品を容易に梱包することが可能なことから、特に物品の輸送に際しての梱包に広く利用されている。
【0003】
しかし、このような緩衝材は、石油化学製品であるため、石油資源の枯渇の問題に加え、廃棄時には、燃えるゴミとして処分することができず、またリサイクルも容易ではなく、環境保全上は好ましい製品とは言えなかった。
このため、容易にリサイクルが可能で焼却処理しても問題が少なく、環境保全に優れた緩衝材として、紙を用いた緩衝材が種々研究開発されている。
例えば、特許文献1によれば、合成紙製包装用緩衝材の製造方法が開示されている。この合成紙製包装用緩衝材の製造方法によれば、資源の枯渇化を抑制し、廃棄処分の有利性やリサイクル性に富み、環境を保全することができ、製品価格を向上できると共に、強度に優れた緩衝材を提供できるとされている。
【0004】
一方で、従来の緩衝材に比較して、製品の形状に追従しやすいより優れた柔軟性等を備えた緩衝材も求められていた。例えば、生花などを梱包する場合には、発泡スチロールは勿論のこと、プチプチでもその梱包に適するとは言い難い。また、果物などを梱包する場合には、吸水性や通気性が要求され、プチプチ等では適切に梱包できないという問題があった。
このような、より高い柔軟性等を必要とする物品の梱包を行うことの可能な緩衝材としては、例えば特許文献2に記載の凹凸シート状物を挙げることができる。
この凹凸シート状物は、各種製品、材料の形状に追従できる柔軟性があり、3次元構造でボリューム感があり、クッション性に富み、通気性、吸水性に優れ、水に濡れても腰があり、湿潤時強度が低下しないで、軽くて、取り扱い性に優れたものであるとされている。
【0005】
【特許文献1】特開平5−154911号公報
【特許文献2】特開2001−48238号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これら従来の緩衝材は、緩衝効果及び柔軟性等の観点からすると改善の余地があった。
すなわち、特許文献1に記載の緩衝材は、同一の厚さの紙に比較すれば優れた緩衝効果を備えたものであるが、柔軟性に欠けるため、従来のプチプチのように種々の形状の物品を容易に包装することができないという問題があった。また、緩衝効果についても、従来のプチプチに比較すると、その効果はかなり劣るものであった。
また、特許文献2に記載の凹凸シート状物は、凹凸の構造上、プチプチと比較すると緩衝効果に劣るという問題があった。また、この凹凸シート状物は、石油製品素材と紙などの組合せにより構成されているため、紙製のものと比較すると、吸水性や通気性の面で劣るばかりか、焼却処理することができず、石油資源の枯渇や環境保全上の問題を有するものであった。
【0007】
そこで、本発明の発明者らは、鋭意検討した結果、二次元方向に伸張する紙を用いて緩衝材を構成するとともに、この緩衝材に厳密に調整された凹凸部を形成することで、より緩衝性と柔軟性に優れた緩衝材を製造することに成功し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、二次元方向に伸張する紙の面上に多数の凹凸部を備えた凹凸紙であって、隣接する凹凸部の距離を所定の間隔に調整することで、より高い緩衝性と柔軟性を実現する緩衝材等に用いることの可能な凹凸紙、及び凹凸紙の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の凹凸紙は、二次元方向に伸張する紙の面上に多数の凹凸部を備えた凹凸紙であって、隣接する凹凸部の距離を凹部又は凸部の直径の1/5〜1/1.5としてある。
凹凸紙をこのような構成にすれば、その緩衝効果をより高めることが可能となる。すなわち、隣接する凹凸部の距離を全く設けない場合には、凹凸間の強度が低下し、凹凸間において折れ曲がりやすく、凹凸紙の強度が低下する。また、隣接する凹凸部の距離が大きすぎる場合には、二次元方向に伸張する紙の平面に対して垂直な方向の押圧に対する強度が低下する。
本発明によれば、隣接する凹凸部の距離を上記のようにすることによって、凹凸紙の緩衝効果を、より向上させることが可能となる。
【0009】
また、本発明の凹凸紙は、凹凸部における凹凸間の高さを、二次元方向に伸張する紙の厚さの30〜50倍としてある。
また、本発明の凹凸紙は、二次元方向に伸張する紙の厚さを、0.1〜0.5mmとしてある。
【0010】
凹凸紙をこのような構成にすれば、その緩衝効果を最適なものとすることができる。すなわち、本発明において使用する二次元方向に伸張する紙としては、例えばイタリア国カリオローラ社製の、縦方向に20%以上、横方向に10%以上伸張する、上記のような厚さの伸張紙を用いることを想定している。
このような伸張紙を用いた場合、凹凸間の高さを上記のような大きさとすることで、より高い緩衝効果を得ることが可能となる。
なお、「凹凸間の高さ」とは、凹部頂点から二次元方向に伸張する紙の平面までの距離と、凸部頂点から二次元方向に伸張する紙の平面までの距離の合計値を意味する。
【0011】
また、本発明の凹凸紙は、二次元方向に伸張する紙が、伸張する方向のうちのいずれか一の方向にしわを形成したものであり、しわのピッチを、凹凸部における凹部又は凸部の直径の1/2〜1/20としてある。
また、本発明の凹凸紙は、しわが、二次元方向に伸張する紙において、伸張率の小さい方向に形成された構成としてある。
【0012】
凹凸紙をこのような構成にすれば、各凹凸の強度を適切なものとすることができ、より緩衝性の高い凹凸紙を得ることが可能となる。すなわち、凹凸部におけるしわのピッチが、上記よりも大きくなると、凹凸部が固すぎて凹凸紙の柔軟性が損なわれるために緩衝効果が低下する。また、上記よりも小さくなると、凹凸部がやわらかくなりすぎるために緩衝効果が低下する。
【0013】
このため、二次元方向に伸張する紙におけるしわの凹凸部におけるピッチを上記のような範囲とすることにより、凹凸紙の緩衝効果を最適なものとすることが可能となる。
なお、しわを伸張率の小さい方向によせるということは、例えば縦の伸縮率が横の伸縮率よりも大きい場合であれば、しわを横方向によせる(形成する)という意味であり、その結果、しわのラインは縦方向に形成されることになる。
【0014】
また、本発明の凹凸紙は、凹凸部が、凹部及び凸部の大きさについて互いに異なるものを含み、当該互いに異なる大きさの凹部又は凸部のいずれか一方の大きい方の直径が、凹部又は凸部の他方の小さい方の直径に対して、1倍より大きく10倍以下としてある。
凹凸紙をこのような構成にすれば、凹部又は凸部のうちの一方を、他方に対して、その大きさを上記のように異なるものとすることができる。
このため、例えば本発明の凹凸紙により物品を包装する場合に、緩衝の必要な面の凸部を大きくし、他方の面の凸部を小さくすることなどが可能となる。
また、凹凸部のうちの一定の範囲のみの凹凸部の大きさを、他の範囲の凹凸部の大きさよりも、大きくし又は小さくすることができる。このため、本発明の凹凸紙の緩衝効果をよりきめ細かく調整することが可能となる。
【0015】
また、本発明の凹凸紙は、二次元方向に伸張する紙が、当該紙の表面及び/又は裏面に、少なくともプラスチック素材又は樹脂素材のいずれかをラミネートした構成としてある。
凹凸紙をこのような構成にすれば、ラミネートする素材に応じて、凹凸紙により高い緩衝効果や柔軟性を与えることが可能となる。
なお、二次元方向に伸張する紙の表面、裏面とは、適宜設定することのできるものであり、表面とした面の反対側の面が裏面であり、裏面として面の反対側の面が表面である。
【0016】
また、本発明の凹凸紙は、二次元方向に伸張する紙を、二層以上に積層した構成としてある。
凹凸紙をこのような構成にすれば、その強度をより向上させることができる。
このため、凹凸紙の用途に応じて、二層以上に積層した構成とすることによって、その緩衝効果を適宜調整することが可能となる。
【0017】
また、本発明の凹凸紙の製造方法は、二次元方向に伸張する紙の面上に多数の凹凸部を形成する凹凸紙の製造方法であって、隣接する凹凸部の距離が凹部又は凸部の直径の1/5〜1/1.5となるように当該凹凸部を形成する方法としてある。
また、本発明の凹凸紙の製造方法は、凹凸部における凹凸間の高さが、二次元方向に伸張する紙の厚さの30〜50倍となるように凹凸部を形成する方法としてある。
【0018】
また、本発明の製造方法は、二次元方向に伸張する紙が、伸張する方向のうちのいずれか一の方向にしわを有する紙であって、凹部又は凸部の直径が、しわのピッチの2〜20倍となるように、凹凸部を形成する方法としてある。
また、本発明の凹凸紙の製造方法は、二次元方向に伸張する紙の表面及び/又は裏面に、少なくともプラスチック素材又は樹脂素材のいずれかをラミネートした後に、凹凸部を形成する方法としてある。
凹凸紙の製造方法を上記のようにすれば、より緩衝性と柔軟性の高い凹凸紙を製造することが可能となる。
【0019】
なお、本発明の凹凸紙は、緩衝材としてのみ利用可能なものではなく、その他種々の用途に用いることができる。
例えば、本発明の凹凸紙は、保温性にも優れることから、保温容器や、保温用の包装容器などに加工することが可能である。
また、本発明の凹凸紙は、防音性にも優れている。このため、壁紙や防音用のカバーなどとして使用することも可能である。
さらに、本発明の凹凸紙は、特有の形状を有することから、その装飾性を利用して工作材等に用いるなど様々な用途に適用することが可能である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、より高い緩衝性と柔軟性を備えた緩衝材等に用いることができる凹凸紙を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
[伸張紙]
まず、本発明の実施形態で使用する伸張紙について説明する。
本発明の実施形態で使用する伸張紙としては、特許第3407114号公報に記載された「伸長可能な紙の製造法」により製造されたものとすることが好ましい。
具体的には、植物繊維混合物を混練機に供給して、この混合物を混練機中で水と混合し、摩擦により繊維をこう解して30°SR以上のこう解度を有するパルプを得て、こう解されたパルプを流送箱に移送する。
【0022】
こう解されたパルプを流送箱から紙匹形成布に供給して重力と真空により水分を連続的に減少させ、紙匹をプレスして更に連続して水分を減少させ、最初の乾燥で予備成形された紙匹の水分を15%から65%の間にほぼ一定させる。
そして、硬い物質からなりその表面にリブを有し、もう一方より速い速度で回転するローラと、柔らかい物質からなり平滑な表面を有し、もう一方より遅い速度で回転するローラからなる一組のローラの間で圧縮し、最終の乾燥で水分を15%から4%の間とし、つや出しする、という工程により製造された伸張紙とすることが好ましい。
【0023】
また、本実施形態の伸張紙としては、次のような特徴を備えたものを用いることが好ましい。
(1)優れた破裂強度を備え、伸張する二次元方向のうち破断伸びが大きい方の伸び特性が20%以上、小さい方の伸び特性が10%以上。
(2)プレス成形方式で連続成形ができる。
(3)植物繊維混合物からなるため、リサイクル性を備えるとともに、可燃ゴミとして廃棄処理ができる。
【0024】
本実施形態の凹凸紙に用いる伸張紙としては、その厚さを0.1〜0.5mmとすることが好ましい。伸張紙の厚さをこのようにすれば、本発明の凹凸部の形成を適切に行うことができるためである。
このような観点から、伸張紙の厚さを0.2〜0.45mmとすることがさらに好ましい。
【0025】
[凹凸紙]
次に、このような伸張紙を用いて製造した本発明の実施形態の凹凸紙について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、本実施形態の二次元方向に伸張する紙を用いた凹凸紙の外観構成を示す図である。図2は、同凹凸紙の正面断面図を示す図である。図3は、同凹凸紙の凹凸部のしわのピッチを示す図である。
図1に示すように、本実施形態の凹凸紙は、二次元方向に伸張する伸張紙の面上に、多数の凹凸部を備えている。
【0026】
これらの凹凸部は、図2に示すような構成となっている。
すなわち、凹凸部における凹凸間の高さをh、伸張紙の厚さをdとすると、これらの関係が、30d≦h≦50dとなるように凹凸紙を構成することが好ましい。凹凸間の高さhと伸張紙の厚さdとの関係をこのようにすると、凹凸部が適切な緩衝効果を生み出すとともに、この凹凸を潰れにくく、変形しても元にもどりやすいものとすることができるためである。このような観点から、凹凸間の高さhと伸張紙の厚さdとの関係を、35d≦h≦45dとすることがさらに好ましい。
【0027】
また、凹凸部における凹(凸)部の最大直径をa、凹(凸)部の縁から凸(凹)部の縁までの最短距離をbとすると、これらの関係が、(a/5)≦b≦(a/1.5)となるように凹凸紙を構成することが好ましい。凹(凸)部の直径aと凹凸間の距離bとの関係をこのようにすると、種々の物品の形状に合わせて、凹凸紙を柔軟に変形してその物品を包みこむことができるとともに、このように凹凸紙を変形してもその緩衝効果が損なわれにくく、かつ、もとの形状に復元しやすいという効果を得ることができるためである。
【0028】
また、図3に示すように、本実施形態の伸張紙は、伸張する方向のうちの一の方向(同図においては、縦方向)に、しわが形成されたものである。このしわは、伸張紙における伸張率の小さい方向(同図の場合、横方向)によせられている。したがって、しわのラインは伸張率の大きい方向(同図の場合、縦方向)に延びている。
本実施形態の凹凸紙においては、このしわのピッチを、図3に示すように、凹凸部における凹(凸)部の直径の1/2〜1/20とすることが好ましい。すなわち、図2に示すように、1ピッチの大きさをpとした場合に、1/2≦(p/a)≦1/20となるように、凹凸部を形成することが好ましい。
凹凸部におけるしわのピッチをこのようにすると、凹凸紙の柔軟性と、凹凸部の復元力のバランスを適度なものとすることができ、緩衝効果をより向上させることが可能となる。
【0029】
また、図1〜図3に示す凹凸紙は、凹部及び凸部が、同一の大きさであるが、これらを互いに異なる大きさとすることもできる。
このとき、凹部又は凸部のうちのいずれか一方の大きい方の直径が、他方の小さい方の直径の1倍より大きく、10倍以下である構成とすることが好ましい。凹凸紙をこのような構成とすることにより、凹凸紙の表面及び裏面の凹部及び凸部を適切なサイズに調整することができ、用途に応じた最適な緩衝効果を得ることが可能となる。
【0030】
さらに、凹凸部における凹部及び凸部の大きさを、一定範囲ごとに異なるものとすることもできる。例えば、凹部及び凸部の5個分を一組とし、このグループごとに、凹部及び凸部の直径を異なるものとすることもできる。この場合も、凹凸の大きい方のグループにおける凹部又は凸部の直径が、凹凸の小さい方のグループにおける凹部又は凸部の直径の1倍より大きく、10倍以下である構成とすることが好ましい。凹凸紙をこのような構成とすれば、凹凸紙の緩衝効果をよりきめ細かく調整することが可能となる。
なお、凹部及び凸部の直径を異なるものとした場合に、凹部及び凸部の高さを直径に比例させた大きさとすることが可能である。
【0031】
また、本実施形態の凹凸紙を、伸張紙にプラスチック素材や樹脂素材をラミネートして、これに凹凸部を形成したものとすることも好ましい。
本実施形態の凹凸紙をこのような構成とすると、種々の用途に応じて、凹凸紙の硬度や耐久性、柔軟性等を、より幅広く調整することが可能となるからである。
ただし、プラスチック素材などの石油化学製品をラミネートする場合には、本発明の凹凸紙が備える可燃性という優れた効果が損なわれる。このため、伸張紙にラミネートする素材としては、例えば植物繊維混合物などの可燃性素材であることがより好ましい。
【0032】
さらに、本実施形態の凹凸紙を、二以上積層した構成とすることも好ましい。すなわち、図1に示されるような凹凸部が形成された凹凸紙を、複数枚積層した構成とすることができる。凹凸紙をこのようにすれば、より高い緩衝効果が必要な場合には、凹凸紙を複数積層することで、用途に応じた適切な緩衝効果を得ることが可能となる。このとき、二以上の凹凸紙を接着剤により接着することで、積層された凹凸紙を構成することができる。
また、このとき積層する凹凸紙として、上記のようなプラスチック素材や樹脂素材をラミネートしたものを用いることも可能である。
【0033】
[凹凸紙の製造方法]
次に、本実施形態の凹凸紙の製造方法について説明する。
本実施形態の凹凸紙の製造方法は、上述した構成の凹凸紙を製造可能な方法であれば、特に限定されないが、例えば凹型ローラ及び凸型ローラにより、二次元方向に伸張する紙を両面から押圧することで、上記凹凸部を備えた凹凸紙を製造することができる。
すなわち、ロール状に巻かれた二次元方向に伸張する紙の送り出し機構と、凹凸部を形成された凹凸紙をロール状に巻き取る巻き取り機構を備えた装置の間において、凹型ローラ及び凸型ローラにより、二次元方向に伸張する紙を表裏両面から押圧して凹凸部を形成しつつ、凹凸部の形成された凹凸紙を順次送り出して移動させ、上記巻き取り機構により巻き取らせることによって、凹凸紙を製造することが可能である。
この際、温度条件としては、加工性の観点より常温から150℃程度とすることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の凹凸紙は、種々の形状を備えた物品を包装するためなどの緩衝材として好適に利用することのできるものである。その他、保温材や防音材、工作材などとしても好適に利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の二次元方向に伸張する紙を用いた凹凸紙の外観構成を示す図である。
【図2】本発明の二次元方向に伸張する紙を用いた凹凸紙の正面断面図を示す図である。
【図3】本発明の二次元方向に伸張する紙を用いた凹凸紙の凹凸部におけるしわのピッチを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元方向に伸張する紙の面上に多数の凹凸部を備えた凹凸紙であって、
隣接する凹凸部の距離を凹部又は凸部の直径の1/5〜1/1.5としたことを特徴とする凹凸紙。
【請求項2】
前記凹凸部における凹凸間の高さが、前記二次元方向に伸張する紙の厚さの30〜50倍であることを特徴とする請求項1記載の凹凸紙。
【請求項3】
前記二次元方向に伸張する紙の厚さが、0.1〜0.5mmであることを特徴とする請求項1又は2記載の凹凸紙。
【請求項4】
前記二次元方向に伸張する紙が、伸張する方向のうちのいずれか一の方向にしわを形成したものであり、
前記しわのピッチが、前記凹凸部における凹部又は凸部の直径の1/2〜1/20であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の凹凸紙。
【請求項5】
前記しわが、前記二次元方向に伸張する紙において、伸張率の小さい方向に形成されたものであることを特徴とする請求項4記載の凹凸紙。
【請求項6】
前記凹凸部が、凹部及び凸部の大きさについて互いに異なるものを含み、当該互いに異なる大きさの凹部又は凸部のいずれか一方の大きい方の直径が、凹部又は凸部の他方の小さい方の直径に対して、1倍より大きく10倍以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の凹凸紙。
【請求項7】
前記二次元方向に伸張する紙が、当該紙の表面及び/又は裏面に、少なくともプラスチック素材又は樹脂素材のいずれかをラミネートしたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の凹凸紙。
【請求項8】
前記二次元方向に伸張する紙を、二層以上に積層したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の凹凸紙。
【請求項9】
二次元方向に伸張する紙の面上に多数の凹凸部を形成する凹凸紙の製造方法であって、
隣接する凹凸部の距離が凹部又は凸部の直径の1/5〜1/1.5となるように当該凹凸部を形成することを特徴とする凹凸紙の製造方法。
【請求項10】
前記凹凸部における凹凸間の高さが、前記二次元方向に伸張する紙の厚さの30〜50倍となるように前記凹凸部を形成することを特徴とする請求項9記載の凹凸紙の製造方法。
【請求項11】
前記二次元方向に伸張する紙が、伸張する方向のうちのいずれか一の方向にしわを有する紙であって、前記凹部又は凸部の直径が、前記しわのピッチの2〜20倍となるように、前記凹凸部を形成することを特徴とする請求項9又は10記載の凹凸紙の製造方法。
【請求項12】
前記二次元方向に伸張する紙の表面及び/又は裏面に、少なくともプラスチック素材又は樹脂素材のいずれかをラミネートした後に、前記凹凸部を形成することを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の凹凸紙の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−248538(P2006−248538A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−63809(P2005−63809)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(591224353)株式会社島田商会 (3)
【出願人】(500090257)イー・エフ・ティ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】