凹型半透過反射器を備えた光再利用空洞を有する直接照射型バックライト
直接照射型バックライトと関連する方法および構成要素が開示され、そこでは入射光を部分的に透過し且つ部分的に反射する半透過反射器がバックライトの背面反射器に対向する少なくとも1つの凹型構造を構成する様に形成される。これはそれらの間に少なくとも1つの再利用空洞を提供し、その少なくとも1つの再利用空洞はバックライトの出力領域を実質的に満たす。少なくとも1つの光源は各々の空洞に光を注入する様に出力領域の後方に配置され、再利用空洞の中あるいは背面反射器の開口の後方に配置されることができる。空洞は浅くて広いことが好ましく、少なくとも2、5、あるいは10の深さ対幅の比率を持ち、薄い輪郭のバックライトの中でまばらに分布された光源を持つ出力領域で均一な輝度と色を提供することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバックライト、特に直接照射型バックライトに関し、並びにバックライトに用いられる構成要素、バックライトを用いるシステム、およびバックライトを製造するまたは用いる方法に関する。本発明は、特に液晶ディスプレイ(LCD)装置およびそれに類似したディスプレイに用いられるバックライトに適し、並びに照射光源としてLEDを用いるバックライトに適する。
【背景技術】
【0002】
近年、大衆が利用できるディスプレイ装置の数と多様性は、すさまじく増加してきた。コンピューター(卓上型、ラップトップ型、またはノート型のいずれにおいても)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、および薄型液晶テレビはほんの数例に過ぎない。これらの装置のいくつかは、ディスプレイを見るのに通常の周囲の光を用いることができるが、殆どはディスプレイを見える様にするためにバックライトと呼ばれる光パネルを備えている。
【0003】
多くのその様なバックライトは「端面照射型」あるいは「直接照射型」に分類される。これらの分類はバックライトの出力領域に対する光源の設置位置が異なり、その出力領域はディスプレイ装置の観賞面を確定する。端面照射型バックライトでは、光源はバックライト構造の外枠に沿って配置され、その領域の外面が出力領域に相当する。光源は一般的に光を導光板の中に照射し、その導光板は出力領域と同程度の長さと幅の寸法を持ち、光はその導光板から出力領域を照らし出す。直接照射型バックライトでは、配列された光源が出力領域の直ぐ後方に設置され、拡散板が光源の前に設置されてより均一な光出力を提供する。多くの直接照射型バックライトは端面実装光をも合わせ持ち、従って直接照射と端面照射の両方の操作を可能とする。
【0004】
直接照射型バックライトには光源として配列された冷陰極蛍光ランプ(CCFL)を用いることが知られている。輝度の向上と恐らく出力領域に対する均一性を高めるためにも、CCFL配列の後方の背面反射器として拡散白色反射板を設置することも知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近、CCFLではなく配列された赤/緑/青のLEDによって働く直接照射型バックライトを用いた液晶ディスプレイテレビ装置(LCD TV)が紹介された。一例はSONY(商標)Qualia 005 LEDフラットスクリーンTVである。101.6cm(40インチ)型モデルは水平な5列の側面照射型Luxeon(商標)LEDを内蔵する直接照射型バックライトを用い、各列はGRBRGの繰り返しパターンで配列された65個のLEDを含み、その列は8.26cm(3.25インチ)離れている。このバックライトは、拡散白色背面反射器の前側から(約2mm厚さの)前側拡散板の後側まで測って、約42mmの深さであり、それらの間に配列された325個の拡散白色反射点を持つ平面透明プレートが置かれる。光を通すこれらの点の各々は、LEDから放射された軸線上の光の殆どが前側拡散板を直接に照射することを避けるために、各LEDと一直線にそろえられる。背面反射器は角度を成す側壁を持つ平板である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願は、とりわけ、背面反射器と入射光を部分的に透過し部分的に反射する半透過反射器を含む直接照射型バックライトを開示する。半透過反射器は背面反射器に対向する少なくとも1つの凹型構造を構成する様に形成され、それらの間に1つ以上の再利用空洞を提供する。ある場合はバックライトは1つだけの再利用空洞を持つことができ、他の場合は複数個のその様な空洞を持つこともできる。どちらの場合も、単一の空洞あるいは空洞群はパネルの出力領域を実質的に満たす様な大きさに作られ配置される。更に、少なくとも1つの光源は、またある場合では配列された光源は、光を再利用空洞の各々の中に注入するためにバックライトの出力領域の後方に配置される。ある場合は1つ以上の光源は与えられた再利用空洞の中に配置され、またある場合は光源は背面反射器の後方に配置され、光を、例えば背面反射器の1つ以上の開口を経て、再利用空洞の中に注入する。都合の良いことに、必要ならば、従来のパッケージ化されたあるいはパッケージ化されていないLEDが光源として用いられる。
【0007】
半透過反射器の凹面特性は、LEDの様な別個の光源をまばらに並べて用いる場合でさえ、再利用空洞の面上で均一な照明を与えることに特に効果があると分かってきた。また、配列された別個の赤/緑/青のLEDの様に、異なる色の別個の光源からの光を色混合することにも効果があると分かってきた。1つ以上の光源がLEDを含むか否かにかかわらず、多くのバックライトの実施形態では、少なくとも1つの再利用空洞が複数個の光源を含むことが望ましい。半透過反射器が複数個の再利用空洞を構成する様に形成される場合は、空洞の各々は複数個の光源を持つことができる。
【0008】
バックライトと多くの必要な光源の全体厚みを小さくするために、半透過反射器の凹型形状と背面反射器に対する設置位置が、比較的浅く広い再利用空洞の提供を可能にする。この点では、再利用空洞は、好ましくは再利用空洞の深さの2倍以上、また好ましくは少なくとも5倍または10倍の幅を持つ。再利用空洞は実質的に1次元的であり得て、トンネル状に伸びた構造であり、あるいは2次元的であり、2つの直交断面の各々では半透過反射器が凹型である閉塞空間を形作る。再利用空洞はパネル重量を小さくするために中空であることも好ましい。
【0009】
パネルの効率を高めるために背面反射器は反射率が高いことが好ましく、例えば、光源から出た可視光線に対しては少なくとも90%の平均反射率であり、また例示の実施形態では少なくとも95、98、または99%以上である。背面反射器は殆どが鏡面、拡散面、あるいは鏡面/拡散面の組み合わせの反射板である。
【0010】
半透過反射器は、多種の部分的に透過し部分的に反射するフィルムまたは物体であるか、またはそれらから成り、パネル効率を高めるために半透過反射器は小さい吸収損失を持つことが好ましい。好ましくは、半透過反射器は光偏向フィルム、偏光フィルム、穿孔反射フィルム、鏡面反射フィルム、およびそれらの組み合わせの群から選択されたフィルムであるか、またはそれらを備える。線状に伸びるプリズムを形成した平行溝を持つフィルム、あるいは立方体の角部を配列した様な角錐プリズムのパターンを持つフィルムの様な、表面構造を持つフィルムが、光偏向フィルムの例である。反射偏光板は、それが鏡面反射であるか拡散反射であるかに係わらず、他の適した半透過フィルムの例である。反射偏光板は共押出高分子多層構造、液晶構造、細線格子構造、または混成(連続/分散相)フィルム構造を有し、従って鏡面的にまたは拡散的に光を透過および反射することができる。穿孔を持つ鏡面または拡散反射フィルムは適した半透過反射器のもう1つの例である。
【0011】
関連する構成要素、システム、および方法も開示される。
【0012】
本出願の以上のおよび他の態様は以下の詳細な記述から明らかにされる。しかし、決して、上記要約は、請求された主題に関する限定として解釈されるべきでなく、主題は、審査手続間に補正することができるような特許請求の範囲によってのみ規定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
バックライトの1つの一般的な応用は図1の透視分解図に図式的に示される。ここで、ディスプレイシステム10は、液晶ディスプレイ(LCD)パネルの様なディスプレイパネル12と、ディスプレイパネルに表される情報が容易に見える様に広い面積を十分に照射する直接照射型バックライト14から成る。ディスプレイパネル12とバックライト14の双方は簡略化された箱形形状で示されるが、読者はその各々が付随する細部を有することを理解するであろう。バックライト14は広い出力領域16を満たして発光し、フレーム15も含む。出力領域16は、通常は矩形であるが必要に応じて他の広がった領域の形を取り得て、バックライトに用いられるフィルムの外側表面に対応するか、あるいは単にフレーム15の開口に対応する。稼働中は、出力領域16の全体が、出力領域16の直ぐ後方に配置されるのではなく、フレーム15の中に配置された光源により照射される。照射されれば、バックライト14により、多様な観察者18a、18bにはディスプレイパネル12に表示された画像や図形が見える様になる。LCDパネルの場合は、画像や図形は動的で、配列されたおよそ数千数万の別個の画素(ピクセル)で作られ、その配列はディスプレイ12の側面寸法、すなわち長さと幅、をほぼ覆う。他の実施形態では、ディスプレイパネルはその上に静的な図画像を表示したフィルムあるいはそのフィルムから成る。図1は参照のためにデカルトx−y−z座標も含む。
【0014】
あるLCDの実施形態では、バックライト14は白色光を連続的に発光し、ピクセル配列はカラーフィルタのマトリックスと組み合わさって多色ピクセル群(黄/青(YB)ピクセル、赤/緑/青(RGB)ピクセル、赤/緑/青/白(RGBW)、赤/黄/緑/青(RYGB)ピクセル、赤/黄/緑/シアン/青(RYGCB)ピクセル、あるいは類似の物の様な)を形成し、表示された画像が多色彩になる。或いは、多色彩画像は色順次技術を用いて表示でき、それは、ディスプレイパネルを白色光で背後から連続的に照明してディスプレイパネル内の多色ピクセル群を変調して色を作り出す代わりに、バックライト自身の中の別々の異なる色(例えば、赤、橙、琥珀、黄、緑、シアン、青(ロイヤルブルーを含む)、および前述した色の混合である白から選ばれた)の光源が変調されて、バックライトは空間的に均一な色の光を(例えば、赤、次は緑、次は青の様に)高速に繰り返しながら連続的に光らせる。この色変調バックライトは、次に1つだけのピクセル配列を持つ(如何なるカラーフィルタマトリックスも持たない)ディスプレイモジュールと組み合わされ、そのピクセル配列がバックライトと同調して変調され、その変調が観察者の視覚系に一時的に色混合を生じるほど十分速いので、ピクセル配列全体にわたってあらゆる色(バックライトに用いられる光源)を作る。色順次ディスプレイの例は、空間順次ディスプレイとしても知られ、米国特許第5,337,068号(スチュワート(Stewart)ら)、および米国特許第6,762,743号(ヨシハラ(Yoshihara)ら)に述べられている。ある場合には、モノクロディスプレイのみの提供が好ましい場合がある。このような場合、バックライト14はフィルタあるいは主に1つの可視波長すなわち1つの色を放射する特定の光源を含むことができる。
【0015】
ディスプレイシステム10が再び図1aに示され、この図1aでは更に、直接照射型バックライト14の中の別個の光源の第1列20と別個の光源の第2列22を透視的に示している。光源20、22は各々が白色光を発してもよく、あるいは各々がRYGCBの一つだけの色を発して、白色光の出力を提供する様に混合あるいは単色の出力を提供する様に調和されてもよい。また、光源20により照明される第1の再利用空洞26を、光源22により照明される第2の再利用空洞28から分離する境界24も、透視的に示されている。両方の再利用空洞は、光源20および22と同様に、出力領域16の直ぐ後方に配置される。
【0016】
再利用空洞26、28は、合わせて、実質的に出力領域16を満たしている。このように、例えば出力領域に垂直な軸線上に位置する遠くの観察者から見る様に、出力領域を平面図に描けば、凹型再利用空洞を合わせた投影面積は(たとえ遠くの観察者にはその空洞が分かれて見えなくても)出力領域の表面積の半分以上であり、好ましくは少なくとも75%、80%、あるいは90%であり、更に好ましくは出力領域の100%である。バックライトが1つのみあるいは複数個の凹型再利用空洞を持つかに係わらず、平面図内の出力領域を見た場合の空洞あるいは複数の空洞の投影面積はバックライト出力領域の好ましくは少なくとも75%、80%、あるいは90%、更には100%を占める。
【0017】
バックライト14の選択された構成要素の図式的な側面図が図2に示される。2つの再利用空洞26、28は背面反射器30と半透過反射器32とで形成され、その半透過反射器は図示される様に2つの凹型構造を構成する様に形成され、その各々は隣り合う再利用空洞26、28を構成する様に背面反射器に面する。別個の光源20は背面反射器と半透過反射器の間の再利用空洞26の中に配置される。出力領域16の直ぐ後方に光源20、22を設置することは直接照射型に分類されるバックライト14と一致している。半透過反射器32の(観察者から見て)前にいくつかの追加的な光管理フィルムあるいは他の構成要素があり、そのいくつかあるいは全てはシステムの要求や光再利用空洞と光源の特性に依存して選択的である。従って、半透過反射器の前に拡散プレートあるいはフィルム34があり、上部の積層フィルムは反射偏光板36やプリズム型輝度強調フィルム38の様な従来の光マネジメントフィルムから成る。
【0018】
図2aは図2の詳細図であり、如何に光源から出た光が半透過反射器32により部分的に透過し部分的に反射するか、また如何に背面反射器30と組み合わせて空洞26、28の中で光再利用をもたらすか、加えて如何に光の放出あるいは漏れが空洞の横方向全体に広がるかを示している。半透過反射器の凹型構造は再利用空洞の境界の確定に役立つだけではなく、それらの境界の中で再利用された光を閉じ込め、また半透過表面の幾何形状を変えることで放射光の角度を広げる特性を持つ。特定の再利用空洞の中に光を閉じ込めることは詳細設計の役割である。例えば、半透過反射器が図1aに示される境界24に相当する線に沿って背面反射器に接触する限界まで、半透過反射器32を背面反射器30に近づけて設置することで、空洞26、28の中の光閉じ込めは増加される(空洞の間の漏光はそれに従って減少する)。その様な配置はバックライト全体の厚みを小さくする観点から望ましい。
【0019】
あるいは、光源からの光を直接空洞の中に注入できる様に、光源に対応する穴、細孔、窓、あるいは他の光透過領域の様な適切な開口が背面反射器30に付けられる限りは、光源は、空洞の中に置かれる代わりに、それを負のz方向に移して背面反射器30の後方に設置されることができる。このことは図2bの断片図に示される。
【0020】
後に更に詳しく述べる様に、与えられた光源は(1)電気を光に変えるLEDダイまたは蛍光ランプ、あるいは励起光を放射光に変える蛍光体の様な活性部品、(2)レンズ、(ファイバの様な)導波路、あるいは活性部品から放射された光を伝搬および/あるいは形を変える光学要素の様な受動部品、あるいは(3)1つ以上の活性部品と受動部品の混合であり得る。例えば、図2と図2aの光源20、22はパッケージ化された側面発光型LEDでも良く、その場合はLEDダイは回路基板あるいはヒートシンクに近接した背面反射器30の後方に置かれるが、パッケージ化されたLEDの整形カプセルあるいはレンズ部分は背面反射器にある細孔あるいは開口を通る延長上の再利用空洞の中に置かれる。光源については後に更に議論される。
【0021】
図1〜2aの実施形態では、再利用空洞は、x軸に平行な隣接する細長い領域で出力領域16を横切って伸びる様な、実質的に1次元である。半透過反射器32はy−z断面では描かれた凹型構造を構成する様に形成されるが、垂直なx−z断面では半透過反射器は実質的に真っ直ぐで平らである。別の言い方をすれば、半透過反射器は単純な湾曲を示す。他の実施形態では、半透過反射器は複合的な湾曲を示すこともでき、その場合はy−zおよびx−z断面の両方で凹型構造を構成する様に形成される。
【0022】
背面反射器30はパネル効率を高めるために反射率が高いことが好ましい。例えば、背面反射器は光源から放射される可視光に対して少なくとも90%、95%、98%、あるいは99%以上の平均反射率を持ってもよい。背面反射器は、空間的に均一でもパターン化されていても、主として鏡面、拡散的、あるいは鏡面/拡散反射板の組み合わせであり得る。ある場合は背面反射器は高い反射コーティングを施された堅い金属基材、あるいは支持基材にラミネートされた高反射率フィルムから作ることができる。適した高反射率材料には、制限されるものではないが、3M社から入手できるVikuiti(商標)高鏡面反射(ESR)多層高分子フィルム、0.01mm(0.4ミル)厚みのアクリル酸イソオクチル感圧性接着剤を用いてVikuiti(商標)ESRフィルムに硫酸バリウムを積層したポリエチレンテレフタレートフィルム(0.05mm(2ミル)厚)フィルムをラミネートして作られたフィルム、それによって出来たラミネートフィルムを今後「EDRII」フィルムと呼ぶ、(東レ)Torayインダストリー社から入手できるE−60シリーズLumirror(商標)ポリエステルフィルム、W.L.Gore & Associates社から入手できる様な多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、Labsphere社から入手できるSpectralon(商標)反射材料、Alanod Aluminum−Veredlung社から入手できるMiro(商標)カソード酸化アルミニウムフィルム(Miro(商標)2フィルムを含む)、古河電工社から入手できるMCPET高反射泡状シート、および三井化学社から入手できるWhite Refstar(商標)フィルムとMTフィルム、が挙げられる。背面反射器は実質的に平滑でもよいし、あるいは光の散乱あるいは混合を高める様に構造的表面を持ってもよい。その様な構造的表面は(a)背面反射器の反射表面上に、あるいは(b)反射表面に施された透明コーティング上に作られる。前者では、前もって構造的表面を作られた基材に高反射率フィルムがラミネートされてもよいし、あるいは高反射率フィルムが(3M社から入手できるVikuiti(商標)耐久高鏡面反射金属(DESR−M)反射板を付けた薄い金属シートの様な)平坦基材にラミネートされ、その後刻印操作の様な方法で構造的表面が形成されてもよい。後者では、構造的表面を持つ透明フィルムが平らな反射表面にラミネートされる、または透明フィルムが反射板に設けられた後にその透明フィルムの上に構造的表面が付けられることもできる。
【0023】
背面反射器は連続的な単一(分離できない)層でその上に光源が実装される、あるいは、それは別個の部分に不連続に、すなわち他は連続的な層であるが光源が突き出ることができる分離した開口を持つ限りは不連続に、構成することができる。例えば、LEDの列が実装された基材に反射材料がストリップ状に設けられ、各々のストリップ領域はLEDの1の列から他の列に十分広がる幅を持ち、またバックライトの出力領域の反対側の境界に及ぶ十分の長さを持つ。
【0024】
出力領域16の外側境界に沿って位置する再利用空洞の側部と端部は線状であることが好ましく、ないしは光損失を少なくし再利用効率を改善する高反射垂直壁を持つ。2つの反対側の側壁は図2の左と右の端に見られ、2つの反対側の端部壁は、その1つは図2に見られ、描かれた実施形態の側壁に垂直である。背面反射器に用いられるのと同じ反射材料がこれらの壁の形成に用いることができ、あるいは異なる反射材料を用いることもできる。例示している実施形態では側壁は拡散的に反射する。
【0025】
半透過反射器は入射光線を部分的に透過し部分的に反射するフィルムの様な構造であるか、またはその様な構造から成り、部分的透過は半透過反射器から効率的に光を引き出す様に十分高いが、部分的反射はまた背面反射器と組み合わさって光の再利用を十分助ける程に高い。最適の照明、照明の均一性(発光源を見えなくする)、および色混合を達成するために、最適な幾何形状と特性を有して一般に各々異なり、また使用される光源と背面反射器の機能をする、後述する多種の異なるフィルムを用いることができる。(ある場合にはバックライトの設計者は、後述する空洞モジュールの様に、特別な再利用空洞の設計を示すことができ、その時は与えられた空洞を用いるために適した光源を選ぶことができる。)いくつかの適したフィルムは更に説明されるが、この議論は制限されるものはなく、述べられたフィルムのどれもそれだけで用いることができ、あるいは必要な透過特性と反射特性を生じる様に他のものと組み合わせて用いることもできる。組み合わせフィルムでは、互いに貼り付けても貼り付けなくてもよい。もし貼り付けられるなら、任意の公知の接着メカニズムが用いられてもよいし、また主表面全体にわたって、あるいは分離した点のみで、あるいは線で接着されてもよい。接着剤が用いられるならば、その接着剤は透明、拡散的、および/または複屈折的であり得る。
【0026】
半透過反射器として用いるのに適したいくつかのフィルムはここでは半反射フィルムおよび光偏向フィルムと呼ばれる分類に入る。
【0027】
一般に、半反射フィルムは、垂直入射可視光の30から90%程度を反射し、残りの(反射されない)光の実質的な部分を、好ましくはほぼ全てを、透過する程に低い吸収を持つフィルムおよびその様な物を示す。反射と透過は、空間的に均一でもパターン化されていても、鏡面、拡散的、あるいはそれらの組み合わせである。拡散反射は表面拡散(ホログラフィー拡散を含む)、バルク拡散、あるいは両方を用いて実現される。適当なレベルの反射率は、光源の数とその背面反射器上の設置位置、光源の強度と発光特性(強度の角度分布)、再利用空洞の深さ、バックライトの出力における輝度と色均一性の必要な程度、および拡散プレートあるいはバックライト内の上部積層フィルムなどの他の構成要素の存在または不在を含む、多くの要因に依存し得る。半透過反射器に用いられるより高い反射フィルムは、効率を犠牲にしても、バックライトの輝度均一性と色均一性を高める傾向をもつ。効率の減少は再利用空洞内の反射率の平均値が増加するために生じ、各反射は少なくとも幾分かの損失を伴う。前述したように、半透過反射器だけではなく、背面反射器や如何なる反射側壁の、可視光吸収を小さくすることが望まれる。
【0028】
半透過反射器として適した半反射フィルムの一例は、金属コーティングが可視光を十分透過する程に薄い、金属薄膜鏡である。薄い金属コーティングはフィルム上にあるいはプレート基材上に設けられる。
【0029】
半反射フィルムのもう1つの例は、当該技術分野では、管理された透過鏡フィルム(CTMF)と呼ばれる。その様なフィルムは、前述したESR鏡面フィルムの様な、多層干渉積層鏡の両面に拡散反射コーティングまたは層を設けることで作られる。半反射フィルムのもう1つの例は、炎に少し曝露することで多層干渉積層体を幾つかの点で分離した、フレイムエンボス加工された(flame embossed)多層高分子鏡面フィルムである。
【0030】
反射偏光板は半反射フィルムの更に他の例である。その様な偏光板は、液晶偏光板、共押出や伸張技術により作られる多層高分子偏光板、細線格子偏光板、および連続/分散位相構造を持つ拡散混合偏光板を含み、非偏光源からの光(第1の偏光状態に相当)の垂直な半分を透過し他の垂直な半分(垂直な第2の偏光状態に相当)を反射する。例としてVikuitiブランドで3M社から入手できる2重輝度強調フィルム(DBEF)製品群のいずれか、および拡散反射偏光フィルム(DRPF)製品群のいずれかが挙げられる。また、例えば、米国特許第5,882,774号(ヨンザ(Jonza)ら)や第6,111,696号(アレン(Allen)ら)、および米国特許刊行2002/0190406(メリル(Merrill)ら)に開示された反射フィルムを参照。もし1つの反射偏光フィルムが不十分ならば、2つ以上のその様なフィルムが組み合わされ凹型構造(単数および複数)を構成する様に形成されることができる。
【0031】
非偏光拡散反射板は更に半反射フィルムの例である。その様な反射板は、低吸収で透明ポリマーのマトリックス内に鏡面反射粒子あるいは薄片を分散して作られ、フィルムやその他の形態を構成する。反射粒子や薄片は厚いフィルムの厚みを通して分布され得るし、あるいは薄い硬化コーティングとして基材表面に設けることもできる。多くの他の拡散反射構造や製造方法も知られている。拡散コーティングはインクジェット印刷、スクリーン印刷、および他の知られた方法で反射板や他の物体に設ける事ができる。拡散接着剤も用いることができ、そこでは拡散は屈折率の異なる粒子、あるいは空隙により生じる。半透過反射器に用いられる拡散反射板は低吸収率と可視波長にわたって20%から80%の平均透過値を持つことが好ましい。
【0032】
半反射フィルムはまた、透過を増し反射を減らす小さな穴あるいは開口のパターンを備えた反射フィルムを含む。これは単に望むパターンで反射フィルムに穴をあけることで実現できる。実質的にここで述べられたどの反射フィルムも出発物質として用いることができ、後に変更してあるいは加工して穿孔あるいは他の開口を設ける。米国特許第7,037,100号(ストロベル(Strobel)ら)および米国特許公開2005/0073070(ゲッチェル(Getschel)ら)はフレイム穿孔フィルムに適した技術を教示している。穴や開口のパターンは均一でも不均一でもよく、後者の場合は穴の位置と寸法は共にランダムあるいは疑似ランダムである。一例では、Vikuiti(商標)ESRフィルムのシートは均一な間隔の丸い穴が開いており、それらの穴は穴と穴の間隔が穴の直径の倍数に等しい六角形配列に位置決めされる。製造の観点からは、半透過反射器を光源(単数または複数)と一直線にする必要がないことが望まれ、従って均一な穴パターンを用い、バックライトの作製中に光源(単数または複数)をそのパターンに対して何ら特別な方法で位置決めしないことが利点である。しかし、あるバックライトの配置では、穴の不均一パターンを用い、他より少ない穴あるいは小さい穴を持つ領域の様な不均一パターンの特定の特徴が光源と一直線に並ぶ様に、半透過反射器を配置することが許容される。更に、或る実施形態では、半透過反射器は個々のストリップあるいは別個の部分に形成されるESRの様な反射フィルムを含み得る。例えば、米国特許第6,974,229号(ウェスト(West)ら)を参照。
【0033】
一般に、開示されたバックライト内の半透過反射器として適した光偏向フィルムは、光の入射方向の1つの機能として光を反射あるいは透過する構造的表面または類似物を形成する様に配列された微小構造を持つフィルムまたは類似物を示す。そのフィルムの片面あるいは両面が構造的表面を持ち得る。有用な構造は線状プリズム、角錐プリズム、錐体、および楕円体を含み、それらの構造は表面から出る突起でも表面に入る窪みの形状でもよい。それらの構造の寸法、形、幾何形状、方向、および間隔は全て半透過反射器、再利用空洞、およびバックライトの性能を最適化する様に選ばれ、それらの個々の構造は対称でも非対称でもあり得る。構造的表面は均一でも不均一でもあり得て、後者の場合はその構造の位置と寸法は共にランダムあるいは疑似ランダムである。寸法、形、幾何形状、方向、および/あるいは間隔の周期的あるいは疑似ランダムな変化により通常の特性を乱して、バックライトの色と輝度の均一性を調整する。ある場合には、大小の構造の分布を持ち、小さい構造は一般に光源の上に一直線になり、大きな構造はその他の位置に設置される様に光偏向フィルムを位置決めすることが有益である。
【0034】
適した光偏向フィルムの例としては、Vikuiti(商標)輝度強調フィルム(BEF)、Vikuiti(商標)透過直角フィルム(TRAF)、Vikuiti(商標)画像指向フィルム(IDF)、およびVikuiti(商標)光照明フィルム(OLF)、これらは全て3M社から入手でき、並びに従来のレンチキュラー線状レンズアレイ、などの市場に出ている1次元(線状)プリズム高分子フィルムが挙げられる。これらの1次元プリズムフィルムでは、プリズム構造の表面は光源の方(図2の負のz方向)を向くことが好ましく、もし半透過反射器が(y−z平面の様な)第1断面では凹型構造を持ち(x−z平面の様な)垂直な第2断面では持たない様な単一曲率であれば、1次元のプリズムフィルムはその構造的表面の線状プリズムが第1平面(例えばy−z平面)に垂直で第2平面(例えばx−z平面)に平行に伸びる様な方向を持つことが好ましい。更に、構造的表面が2次元特性を持つ光偏向フィルムの例として、米国特許第4,588,258号(フープマン(Hoopman))、第4,775,219号(アペルドン(Appeldorn)ら)、第5,138,488号(スチェッヒ(Szczech))、第5,122,902号(ベンソン(Benson))、第5,450,285号(スミス(Smith)ら)、および第5,840,405(シュスタ(Shusta)ら)に開示される様な立方体角部表面形状、3M社から入手できる3M(商標)Scotchlite(商標)反射材料6260ハイグロスフィルムの様な開封された立方体角部シート、米国特許第6,287,670号(ベンソン(Benson)ら)および第6,280,822号(スミス(Smith)ら)に開示される様な逆のプリズム表面形状、米国特許第6,752,505号(パーカー(Parker)ら)および米国特許公開2005/0024754(エプスタインら(Epstein))に開示された構造的表面フィルム、およびビーズ逆反射シートが挙げられる。
【0035】
光偏向フィルムはそれだけで用いることができるし、あるいは他の適した半透過反射器と組み合わせて用いることができる。異なる型の半透過反射器と組み合わせて用いられると、光偏向フィルムは再利用空洞の中に(光源に近づけて)設置することができ、半反射フィルム(例えば、拡散フィルム)あるいは他の光偏向フィルムでもよく、他のフィルムは再利用空洞の外側に設置することができる。もし2つ以上の線状プリズム光偏向フィルムが組み合わされると、それらは整列、非整列、あるいは混合され、1つのフィルムのプリズム方向が他のフィルムのプリズム方向に垂直になる。
【0036】
図2および図2aに戻れば、別個の光源20、22が図式的に示される。殆どの場合は、これらの光源は小さな発光ダイオード(LED)である。この点で、「LED」は、可視、紫外線、又は赤外線にかかわらず、光を放射するダイオードを指す。それは、従来型又は超放射型の種類にかかわらず、「LED」として販売されている非コヒーレントで満たされたあるいは封入された半導体装置含む。もしLEDが紫外光線の様な非可視光を放射するならば、場合によっては可視光を放射する際、短波長光を長波長の可視光に変換する蛍光体を含んで(あるいは離れて置いた蛍光体に照射してもよい)パッケージ化され、場合によっては白色光を放射する装置となる。「LEDダイ」はその最も基本的な形状はLEDであり、すなわち半導体プロセス手続きで作られる個々の構成要素あるいはチップの形状である。構成要素またはチップは、装置を駆動する電圧を加えるのに適した電気接点を含むことができる。構成要素又はチップの個々の層およびその他の機能的要素は、通常、ウェハースケールで形成され、仕上がったウェハーは最終的に個々の小片部に切られて、多数のLEDダイとなる。前面発光および側面発光LEDを含めて、パッケージ化されたLEDの更なる議論は後述される。
【0037】
必要ならば、線状冷陰極蛍光ランプ(CCFL)あるいは熱陰極蛍光ランプ(HCFL)の様な他の可視光発光体が、開示されたバックライトの照明源としての別個のLED光源の代わりにあるいは追加的に用いられることができる。例えば、ある応用では、図1aに示される別個の光源20の列を長い円筒形のCCFLの様な異なる光源、あるいは長さ方向に発光し(LEDダイあるいはハロゲン電球の様な)遠隔活性要素と連結する線状表面発光型の光ガイドと置き換え、別個の光源22の列にも同じ様にすることが望ましい。その様な線状表面発光型の光ガイドの例は米国特許第5,845,038号(ランディン(Lundin)ら)および6,367,941号(リー(Lea)ら)に開示される。ファイバーと連結したレーザーダイオードおよび他の半導体発光体も知られ、これらの場合は光ファイバー導波路の出力端が、開示された再利用空洞の中に、ないしはバックライトの出力領域の後方に配置された、光源として考えられる。同じことは、電球あるいはLEDダイの様な活性要素から受けた光を出す、レンズ、偏向器、狭い光ガイド、およびその類似物などの小さな発光領域を持つ他の受動的な光学要素についても当てはまる。その様な受動的要素の1つの例は側面発光するパッケージ化されたLEDの成形カプセルあるいはレンズである。
【0038】
ここで、図3a〜gには、適した直接照射型バックライトを構成することができる、非常に多種類の異なる幾何学的配置のうち、数例を示す。これらすべての図は、図の面に垂直なx−軸から見た正面図を表している。しかし、この図はまた垂直なy−軸から見た正面図を表すと解釈することもでき、従って、一般に半透過反射器がy−z平面内に単一曲率を持つ実施形態と、並びに半透過反射器がy−zとy−z平面内に組み合わされた曲率を持つ実施形態の両方を描いている。この点で、「曲率」は広く解釈されるべきで、幾何的な円弧に、それどころか曲線形状にも制限されない。
【0039】
図3aは、背面反射器30と組み合わせて、半透過反射器44の中に単一凹型構造により構成されるただ1つの再利用空洞を持つ直接照射型バックライト40を示す。再利用空洞は示される様に深さdと、拡散プレート34の前側表面に置かれた、出力領域16の長さと幅にほぼ等しい長さと幅を持つ。3つの光源45a、45b、45cは空洞42の中に配置され、その各々は単一の光源を表してもよく、あるいはx−軸に平行に伸びる光源の列を表してもよい。発光の輝度と空間分布や角度分布に依っては、光源45a、45b、45cのどれか1つか2つは省略されてもよく、それでも出力領域16で許容できる輝度と輝度均一性を提供する。
【0040】
図3bは、背面反射器30と組み合わせて、半透過反射器56の中に2つの凹型構造により構成される2つの再利用空洞52、54を持つ直接照射型バックライト50を示す。半透過反射器56は2つの凹型構造に相当する2つの部分56a、56bに示される。これらの部分は中間領域53にある半透過反射器の部分で連結されてもされなくてもよい。中間領域53、空洞52の左方向の領域、および空洞54の右方向の領域の存在より分かる様に、空洞52、54は出力領域16の全体を正確には満たさない。にもかかわらず、空洞52,54はそれでもなお出力領域をほぼ満たす寸法であり、出力領域16の平面図の面積の75%、80%、あるいは90%以上を占めることが好ましい。中間領域53の様な、凹型再利用空洞の存在しない出力領域16の後方の領域を合わせた総計は、出力領域の平面図の面積の小さな割合(25%、20%あるいは10%、好ましくは約0%)である。これらの領域は、再利用空洞の近接、再利用空洞から出た光の角度分布、および再利用空洞上部の出力領域の設置位置(例えば拡散プレート34の位置)のおかげで、出力領域16に対する輝度均一性を損なう効果を殆どあるいは全く持たない。ある程度はその領域は存在し、示された実施形態ではそれらは主に出力領域16の周囲に近くあるいは沿って分布し、出力領域の中心部分からは離れている。各々の再利用空洞は図示される様に深さdを持つ。2つの光源55a、55bは空洞52の中に配置され、2つの光源55c、55dは空洞54の中に配置されるが、空洞毎に1つの光源でも十分な場合もある。これらの図示された光源は単一の光源を表してもよく、あるいはx−軸に平行に伸びる光源の列を表してもよい。
【0041】
図3cは、背面反射器30と組み合わせて、半透過反射器68の中に3つの凹型構造により構成される3つの再利用空洞62、64、66を持つ直接照射型バックライト60を示す。半透過反射器68は3つの凹型構造に相当する3つの部分68a、68b、および68cに示される。これらの部分は中間領域63a、63bにある半透過反射器の部分で連結されてもされなくてもよく、その面積は小さくすることが好ましい。凹型構造の各々は別個の左と右の半分からなり、各々の半分は背面反射器30に対して凸形状を持つが、2つの半分は一緒になって背面反射器に対して凹型の構造を形成することに注目する。各々の再利用空洞は図示される様に深さdを持つ。光源65a、65b、65cはそれぞれ空洞62、64、66の中に配置される。これらの図示された光源は単一の光源を表してもよく、あるいはx−軸に平行に伸びる光源の列を表してもよい。
【0042】
図3dは、背面反射器30と組み合わせて、半透過反射器78の中に3つの凹型構造により構成される3つの再利用空洞72、74、76を持つ直接照射型バックライト70を示す。半透過反射器78は3つの凹型構造に相当する3つの部分78a、78b、および78cに示される。これらの部分は中間領域73a、73bにある半透過反射器の部分で連結されてもされなくてもよく、その面積は小さくすることが好ましい。凹型構造の各々は別個の左、右、上の部分からなり、上の部分は他の2つの部分に付着機構77により連結されることに注目する。これらの付着機構77は従来設計、例えば成型されたプラスチック構造であり得る。付着機構77はまた透明にも不透明にもでき、図示された相対的な大きさより大きくも小さくもできる。各々の再利用空洞は図示される様に深さdを持つ。光源75a、75b,75cはそれぞれ空洞72、74、76の中に配置される。これらの図示された光源は単一の光源を表してもよく、あるいはx−軸に平行に伸びる光源の列を表してもよい。
【0043】
図3eは、背面反射器30と組み合わせて、半透過反射器89の中に4つの凹型構造により構成される4つの再利用空洞82、84、86、88を持つ、もう1つの直接照射型バックライト80を示す。半透過反射器89は、透明支持体81の上に静置あるいは接着されているが、4つの凹型構造に相当する4つの部分89a〜dに示される。これらの部分は連続した半透過フィルムの部分であってもなくてもよい。各々の再利用空洞は図示される様に深さdを持つ。ある実施形態では、透明支持体81は光源85a〜dに面する意図的な表面構造を持ってもよい。光源85a〜dはそれぞれ空洞82、84、86、88の中に配置される。これらの図示された光源は単一の光源を表してもよく、あるいはx−軸に平行に伸びる光源の列を表してもよい。他の実施形態では、透明支持体81は、光源が空洞を照射できる開口を持つ背面反射器と置き替えてもよく、背面反射器30は光源を実装する回路基板の様な基材と置き替えてもよい。その場合は、再利用空洞の深さは図示されるd’に縮小される。
【0044】
図3fは、2つの外部再利用空洞92a、94aと2つの内部再利用空洞92b、94bを持つもう1つの直接照射型バックライト90を示し、その外部空洞は背面反射器30と組み合わせて第1の半透過反射器96の中に2つの凹型構造により構成され、その内部空洞は同じ背面反射器30の小さい部分と組み合わせて第2の半透過反射器98の中に2つの凹型構造により構成される。半透過反射器96は2つの部分96a、96bの中に示され、それらは中間領域93にある半透過反射器96の部分で連結されてもされなくてもよい。半透過反射器98はまた2つの部分98a、98bの中に示され、それらは同じように中間領域93にある半透過反射器98の部分で連結されてもされなくてもよい。外部と内部の半透過反射器は同じ型の半透過材料、例えば、特定の半反射フィルムあるいは特定の光偏向フィルムを用いることができ、あるいはそれらは、一方にプリズム的光偏向フィルムで他方に穿孔反射板の様に、異なる材料を用いてもよい。外部再利用空洞は図示される様に深さd1を持つ。内部再利用空洞は図示される様に小さい深さd2を持つ。光源95aは外部空洞92aと内部空洞92bとの両方の中に配置され、光源95bは外部空洞94aと内部空洞94bとの両方の中に配置される。これらの図示された光源は単一の光源を表してもよく、あるいはx−軸に平行に伸びる光源の列を表してもよい。
【0045】
図3gは、2つの外部再利用空洞102a、104aと2つの内部再利用空洞102b、104bを持つ更にもう1つの直接照射型バックライト100を示し、その外部空洞は背面反射器30と組み合わせて第1の半透過反射器106の中に2つの凹型構造により構成され、その内部空洞は第2の半透過反射器108の中に2つの凹型構造により構成される。半透過反射器106は2つの部分106a、106bに示され、半透過反射器108も2つの部分108a、108bに示される。図3gは凹型(曲線)構造が、通常は平坦で堅いフィルムを曲げ、固定柱の間に圧縮して保持することで作られる作製方法を例示している。従って、半透過反射器106aと108aは固定柱107a、107bの間に圧縮して保持され、その結果同じ幅だが異なる深さを持つ入れ子になった空洞になる。半透過反射器106bと108bは固定柱107b、107cの間に圧縮して保持され、同様にその結果同じ幅だが異なる深さを持つ入れ子になった空洞になる。外部と内部の半透過反射器は同じ型の半透過材料、例えば、特定の半反射フィルムあるいは特定の光偏向フィルムを用いることができ、あるいはそれらは、一方にプリズム的光偏向フィルムで他方に穿孔反射板の様に、異なる材料を用いてもよい。外部再利用空洞は深さd1を持ち、内部再利用空洞は小さい深さd2を持つ。光源105aは外部空洞102aと内部空洞102bの両方の中に配置され、光源105bは外部空洞104aと内部空洞104bの両方の中に配置される。これらの図示された光源は単一の光源を表してもよく、あるいはx−軸に平行に伸びる光源の列を表してもよい。
【0046】
図4は再利用空洞モジュール110を示す。モジュール110は、背面反射器119と組み合わされて、半透過反射器118の中に3つの凹型構造が形成された3つの再利用空洞112、114、116を持つ。半透過反射器118は、堅い透明支持体117にコーティングあるいはラミネートされているが、3つの凹型構造に相当する3つの部分118a〜cに示される。半透過反射器118は連続的に示されるが、例えば中間領域115a、115bで、あるいは凹型構造の選択部分で抜き取られた、不連続でもよい。接着剤あるいは他の貼り合わせ機構は、背面反射器119に半透過反射器118を固定するために領域115a、115bおよびモジュール110の左右先端において用いられる。背面反射器119は堅い支持体113にコーティングあるいはラミネートされている。背面反射器119/支持体113の組み合わせは、物理的な穴や細孔、あるいは光透過フィルムや他の材料の一部である、開口111a〜cを持つ。その開口は適した光源を受容する寸法であり、モジュール110を配列された光源の上に単純に降ろして定置して、バックライトを早く容易に作製できる。単一モジュール110は3つの光源あるいは3つの光源列を持つバックライトを構成する様に用いることができ、複数のモジュールはより大きなバックライトに用いることもでき、例えば、2つのモジュール110は6つの光源あるいは6つの光源列を持つバックライトを構成するために並べて用いることができる。各々の再利用空洞は図示される様に深さdを持つ。
【0047】
図5は図4のモジュールに似た再利用空洞モジュール120を示すが、モジュール120は再利用空洞122を1つだけ持つことが異なる。空洞122は、背面反射器126と組み合わせて、半透過反射器124の中に1つの凹型構造が形成される。半透過反射器124は堅い半透明支持体125にコーティングあるいはラミネートされる。半透過反射器124は連続的に示されているが、例えば、x−軸に平行に伸びるモジュールの反対側の端部あるいは凹型構造の選択部分で抜け落ちた、不連続でもよい。接着剤あるいは貼り合わせ機構は背面反射器126に半透過反射器124を固定するためにモジュール110の端部に沿って用いることができる。背面反射器126は堅い支持体127にコーティングあるいはラミネートされている。背面反射器126/支持体127の組み合わせは、物理的な穴、あるいは光透過フィルムや他の材料の一部である開口128a〜dを持つ。その開口は適した光源を受け入れる寸法であり、モジュール120を配列された(この場合は1列)光源の上に単純に降ろして定置して、バックライトを早く容易に作製できる。単一モジュール120は1列になった4つの光源を持つバックライトを構成するのに用いることができ、複数個のモジュール120もより大きなバックライトに用いられ、例えば、4つの光源をn列(ここでnは任意の正の整数、あるいは4mの光源をn列、ここでmも任意の整数)を持つバックライトを構成するために縦におよび/あるいは横に並べて定置される。再利用空洞122は図示される深さd、長さLおよび幅Wを持つ。
【0048】
異なる設計のモジュール、より一般的には異なる設計の空洞は、与えられたバックライトに合う様に混合され、および調和される。与えられたバックライト内の複数個の空洞は平面図において同じ形を持つ必要はなく、同じ長さ、幅、または深さを持つ必要もなく、同じ方向に並ぶ必要もなく、また同じ半透過材料あるいは背面反射材料を用いる必要もない。また、空洞が同じ幾何学的および光学的特性を持つかどうかは問わず、同数の光源あるいは同じ型の光源を持つ必要もない。空洞の(および空洞モジュールの)寸法、位置、方向、および他の特性はバックライトの望む特性を引き出す様に選ばれる。
【0049】
再利用空洞は平面図において長方形の外形を持つ必要はない。例えば、図5の再利用空洞122は、空洞を中央に近接した開口128b、128cでは広く、端に近接した開口128a、128dでは狭くして、たる型平面外形を形成する様に修正されることができ、あるいは空洞は砂時計型の平面外形を形成する様に中央は狭く端を広く作ることもできる。
【0050】
図6および7は異なる直接照射型バックライトの正面すなわち平面図であり、複数の光再利用空洞をパネルの出力領域の後方に設置することを示している。各々のバックライトの出力領域は16:9のアスペクト比を持ち、これは現在、LCDテレビでは普通である。図6では、バックライトの出力領域130は配列された6つの再利用空洞132a〜fでほぼ満たされている。各々の空洞は背面反射器に対向する凹型構造を構成する様に形成された半透過反射器により構成される。この半透過反射器はx−z平面では1の凹型構造を、y−z平面ではもう1の凹型構造を規定するように形成され、前者は各々の再利用空洞の幅Wを規定し後者は長さを規定する。光源134は再利用空洞の中あるいは背面反射器の後方に配置される。
【0051】
図6はまた、半透過反射器は1つ以上の線状トンネル型の構造を規定する単一曲率を持つが、垂直分離板が再利用空洞を分離領域あるいは補助空洞に分ける様に半透過反射器と背面反射器の間に配置される様な、実施形態を示す様に構成される。例えば、半透過反射器は出力領域130の上下端の間のx−z平面内に、幅2Wと長さ3L(WとLは図6に図示される)の再利用空洞を構成する単一凹型構造を形成するが、ただし垂直分離板は、高反射率材料で作られることが好ましく、鏡面でも拡散的でもよく、別個の領域すなわち空洞132a〜fを規定する波線で示される様に、半透過反射器と背面反射器の間に配列される。他の例として、半透過反射器は、各々が幅Wと長さ3L(WとLは図6に図示される)を持つ2つの再利用空洞を構成する様に、x−z平面内に2つの隣接する凹型構造を形成するが、ただし垂直分離板は、第1の空洞を3つの空洞132a−cに分離し、第2の空洞を3つの空洞132d〜fに分離する様に半透過反射器と背面反射器の間に設置される。更に他の例では、半透過反射器は、各々が幅Lと長さ2W(WとLは図6に図示される)を持つ3つの再利用空洞を構成する様に、y−z平面内に隣接する凹型構造を構成するが、ただし垂直分離板は各々の空洞を2つの空洞に分離する様に半透過反射器と背面反射器の間に配置される。
【0052】
図7では、パネル出力領域140は配列された10個の六角形の再利用空洞142a〜jによりほぼ満たされる。各々の空洞は背面反射器に対向する凹型構造を構成する様に形成された半透過反射器により構成される。この半透過反射器はx−z平面では1の凹型構造を、y−z平面ではもう1つの凹型構造を規定するように形成され、前者は各々の再利用空洞の幅Wを規定し後者は長さLを規定する。光源144は再利用空洞の中あるいは背面反射器の後方に配置される。
【0053】
長方形や六角形以外に、単純な曲線でも複雑な曲線でも、他の平面図形状を再利用空洞に用いることができる。多角形(三角形、台形、五角形など)、円、楕円、および如何なる他の望ましい形が考えられる。その幾何形状はバックライトの高効率や輝度や色均一性を達成するように合わせて作られる。
【0054】
前に述べた様に、凹型半透過反射器と背面反射器により構成される再利用空洞は、z−方向に比較的浅く(すなわち深さdが小さい)横方向に比較的広いことが望ましい。特定の空洞の深さdは、出力領域に垂直な軸に沿った、すなわちz−方向に沿った、背面反射器と半透明器の間の空洞内の最大間隔を表す。空洞の幅(W)は次の様に測定される空洞の横方向寸法を表す。先ず平面図の空洞の形(例えば図6および7)では、空洞の幅は平面図空洞形状を外接して囲む最小矩形の小さい方の寸法である。開示された再利用空洞は2dより大きな幅Wを持つことが望ましく、好ましくは少なくとも5dあるいは10d以上である。空洞の長さ(L)は平面図空洞形状を外接して囲む最小矩形の大きい方の寸法を表す。特別な場合には最小矩形は正方形であり、その場合はL=Wである。
【0055】
開示された再利用空洞の1つ以上を用いるバックライト、および特に別々の空洞の領域や配列をもつバックライトは、自身の光源により照射され、その光源は隣接する空洞内の光源とは別々に制御あるいは駆動され、バックライトの出力領域に対して輝度および/あるいは色分布が意図して不均一である動的コントラストディスプレイ技術や色逐次ディスプレイ技術を支える適した駆動エレクトロニクスと共に用いることができる。従って、出力領域の別々の領域は他の領域より明るくあるいは暗く制御することができ、あるいはその領域は、異なる再利用空洞内の別々の光源の適当な制御により簡単に、異なる色で発光できる。
【0056】
開示された凹型再利用空洞は多様な組み立て方法や技法を用いてバックライトに作り上げることができる。
【0057】
1つの方法では、半透過フィルムの一体物がバックライト容器の全幅にわたり、そこではフィルムの端は、凹型トンネル状構造を構成するように、容器の側壁の間に挟まれあるいは物理的に貼り付けられる。この方法は比較的小さなディスプレイに特に適する。
【0058】
薄くて広いバックライトユニットの場合は、複数の凹型トンネル状構造を用いることが有利である。半透過フィルムに刻み目を入れることは、すなわち1つ以上の線に沿ってフィルム厚みの一部を切り抜くことは、凹型構造の境界を規定する便利な手法と分かってきた。もう1つの有用な手法は1つ以上の線に沿って折り畳むことで半透過フィルムに折り目をつけることである。刻み目を入れることおよび折り目をつけることは、フィルムを折り畳み易い決まった位置を与えることで、単一のフィルムから複数の凹型構造を組み立てる助けとなる。レーザー方法、熱線あるいは熱ナイフの様な熱的方法、および既知のキスカッティング手法を含む、何らかの既知の刻み手法により刻み目を入れることができる。
【0059】
単一フィルムから形成される複数のトンネル状構造を用いる時は、フィルムをバックライト容器の裏面、側壁、あるいは裏面と側壁の両方に物理的に取り付けることで、安定で丈夫な構造を持つフィルムを提供できる。凹型フィルムをバックライトに物理的に取り付ける方法の例には、限定されないが、フィルムの刻み目を付けた部分をリベット、ねじ、逆U字クギ、熱または超音波スポット溶接で裏面にピン止め、裏面に閉まるプラスチックピン(これはSONY(商標) Qualia LED LCDテレビの様に、拡散プレートを支持することにも用いられる)、バックライトの側壁に閉まるピンやフィルムの刻み目を付けた面を裏面に締め付けるピン、裏面上の細長い接着剤などが挙げられる。
【0060】
凹型フィルムの端は、凹型構造の形を規定する助けとなるバックライト容器の側壁反射板に成形された状態あるいは細長い孔に、取り付けられる。あるいは、フィルムは十分堅く準備され、凹型構造が側壁あるいは反射裏面の前もって決められた孔にはまることができる。半透過反射器の剛性と堅さは、一般に、半透過反射器の少なくとも一部にひだを付けることで高められる。それ自身では十分な堅さを持たない半透過反射器は適した表面形状を持つ透明支持体と組み合わされる(例えば上に置く)こともできる。
【0061】
刻み目を付けたフィルムをバックライト容器に固定するもう1つの方法は、容器の側壁構造に成形される、あるいは容器の側壁にはまる、支持部材を用いることを伴う。この方法は、バックライトの長さと幅の寸法にわたる、容器の側壁に前もって決められた位置にはまる透明ポリマー棒を用いることができ、従って半透過反射器を前述の手法を用いて端に固定されるフィルムと縫合あるいはネジ止めできる案内部を与える。あるいは、その棒は細い案内線で置き換えることができる。この方法は、フィルムが通常は非対称形状になることに抵抗する場合に、非対称凹型構造を作ることに特に有用である。
【0062】
半透過反射器に凹型構造を形成するもう1つの方法は、半透過反射器が背面反射器に接触あるいは殆ど接触しようとする位置に相当する前側拡散プレートの裏側上の、前もって決められた場所にプラスチックピンを定置することである。バックライトの組み立て中は、ピンは、その端でバックライト容器に取り付けられる半透過反射器を、ピンの位置で決められる1つ以上の凹型形状に形成するために、可撓性半透過フィルムに接触できる。
【0063】
凹型構造を形成する他の方法は、バックライトから分離されたモジュールを作ることを伴う。半透過反射器が不連続の反射裏面片に点で取り付けられ、ひとつになって開口を光源用に残すよう、図4に示されたものに似たモジュールを作ることができる。図4に示された様な背面反射器の分離された部分は、z−折のヒンジで連結されることもでき、ヒンジが伸びれば半透過反射器は出荷目的で平たく置くことができ、ヒンジが折り畳まれれば凹型構造が形成されて光源用の開口が残される。モジュールのもう1つの形式は図5に示され、そこでは背面反射器は、定まった長さを持ち、光源が突き出ることのできる開口を持つ、3M社のESRフィルムの様な反射フィルムであり得る。背面反射フィルムより広い半透過フィルムが導入され、その2つのフィルムは2つの反対側の端に沿って貼り合わせ、あるいは溶接されて、凹型でトンネル状構造を形成する。モジュールは背面反射器の裏面に施された接着剤の様な従来の手段でバックライト容器に取り付けられることができる。
【0064】
凹型構造を形成する他の方法は、同一出願人による名称「凹型半透過反射器と共に光再利用空洞を持つ直接照射型バックライトの形成方法(Methods of forming Direct-lit Backlights having Light Recycling Cavity with Concave Transflector)」(代理人番号61199US002)、米国特許公開60/711,523(2005年8月27日出願)に述べられている。
【0065】
図8〜11は開示されたバックライトに用いることができる幾つかの光源を示すが、それらに限定されるものではない。図示された光源はパッケージ化されたLEDから成る。図8、9、および11の光源は側面発光LEDパッケージを示し、そこではLEDダイからの光は、光源の対称軸に沿う前方向より概して横方向にピーク発光を与える様に、一体化カプセルあるいはレンズ要素により反射および/あるいは屈折される。図10の光源は光偏向器を含むかどうかにより、前方発光になるか側方発光になる。
【0066】
図8では、光源150はフレーム152に搭載され、リード153に電気的に接続されたLEDダイ151を含む。リード153は光源150を回路基板の様なものに電気的にかつ物理的に接続するのに用いる。レンズ154はフレーム152に取り付けられる。レンズ154は、レンズの上部に放射される光が上側表面155で殆ど内部に反射される様に設計され、従って光は上部の底部表面156に入射して装置から屈折して出て行く。レンズの低部157に放射される光も装置から屈折して出て行く。光源150は、レンズ154の上方に実装あるいは上側表面155に取り付けられた、反射材料のディスクの様な光偏向部158も含むことができる。米国特許第6,974,229号(ウェスト(West)ら)を参照。
【0067】
図9では、光源160はリードフレーム161に実装された(図示されない)LEDダイを含む。透明のカプセル162はLEDダイ、リードフレーム161、および電気的リードの一部を包み込む。カプセル162はLEDダイの表面を垂直に保つ平面について反射対称性を示す。カプセルは曲がった表面164で規定される落ち込み163を持つ。落ち込み163は、対称平面を中心として、本質的に線状であり、反射コーティング165が少なくとも表面164の一部に施されている。LEDダイから出た光は反射コーティング165から反射されて反射光線を形成し、今度はカプセルの屈折表面166により屈折されて、屈折光線167を形成する。米国特許第6,674,096号(ソマース(Sommers))を参照。
【0068】
図10では、光源170はリードフレーム173の窪んだ反射面172に配置されたLEDダイ171を含む。電力は、リードフレームからLEDダイ171にワイヤボンド接続を経て、リードフレーム173ともう1つのリードフレーム174により光源に提供される。LEDダイは、その上に蛍光材料175の層を持ち、その組み立て品の全体はレンズ状の前側表面を持つ透明封入エポキシ樹脂の中に埋め込まれる。電力が提供されれば、LEDダイ171の上面が青い光を出す。この青い光のいくらかは蛍光材料の層を通過し、蛍光材料により発せられた黄色い光と合わさって、白色光の出力を生じる。あるいは、蛍光材料の層は省略することができ、光源はLEDダイ171により作られた青い光(必要に応じて他の色)のみを発光する。どちらの場合も、白色あるいは単色の光は光源170の対称軸に沿ったピーク発光を作り出すよう、主として前方向に発光される。しかし、必要ならば、光源170は所望により一般に横にすなわち側面方向に光の方向を変える反射平面を持つ偏向器177を含み、従って光源170を側方発光体に替えることができる。偏向器177はページに垂直な面に対して鏡面対称性を持ってもよく、あるいは封入樹脂176の対称軸と一致する縦軸の回りに回転対称性を持ってもよい。米国特許第5,959,316号(ロワリ(Lowery))を参照。
【0069】
図11では、光源180はパッケージ基板182に支えられたLEDダイ181を持つ。レンズ183は基板182に連結され、パッケージ軸184は基板182とレンズ183の中心を通る。レンズ183の形はLEDダイ181とレンズ183の間の体積184を確定する。体積184はシリコン、あるいは樹脂、空気や気体、または真空の様な適剤で、充たされ密封される。レンズ183はノコギリ歯状の屈折部185と全内部反射(TIR)じょうご部186を含む。ノコギリ歯部は、光がレンズ183からできる限りパッケージ軸184に対して90度に近く出る様に、光を屈折および屈曲させる様に設計されている。米国特許第6,598,998号(ウェスト(West)ら)を参照。
【0070】
図8と10に描かれた偏向器の他に、光源は、2005年8月27日に出願された同一出願人による名称、「2重機能偏向器を備える光源を持つ直接照射型バックライト(Direct-Lit Backlight Having Light Sources With Bifunctional Diverters)」、米国特許公開60/711,522(代理人番号61100US002)に示される2重機能偏向器を含む、他の偏向器を用いることができる。
【0071】
多色光源は、白色光を作り出すか否かによらず、バックライト内で多くの形を取ることができ、それはバックライト出力領域の色と輝度の均一性に異なる効果を持つ。1つの方法において、複数のLEDダイ(例えば赤、緑、青の発光ダイ)は全てリードフレームあるいは他の基材上で互いに近接して実装され、次に、単一レンズ要素を含むこともある、単一パッケージを構成する単一封入材料の中に一緒に包まれる。その様な光源は個々の色の任意の1つを、あるいは全ての色を同時に発光する様に制御される。他の方法では、パッケージ毎に1つだけのLEDダイと1つの発光カラーを持つ、別々にパッケージ化されたLEDが、与えられた再利用空洞に対して一緒に集められ、その集合は青/黄あるいは赤/緑/青の様な異なる色を発光するパッケージ化されたLEDの組を含む。更に他の方法では、その様な個々のパッケージ化された多色LEDは1つ以上の線、配列、あるいは他のパターンに設置されることができる。
【0072】
CCFLやHCFL光源はLED光源より一般に多くの紫外線を発光するが、光源の選択に依存して、背面反射器、半透過反射器、およびバックライトのその他の要素は異なる紫外線量にさらされる。従って、バックライトの構成要素は紫外線吸収剤あるいは安定剤を一体に含んでもよく、あるいは紫外線劣化を小さくする様に選ばれた材料を用いてもよい。もしLEDの様な低紫外線出力光源がバックライトに用いられれば、紫外線吸収剤のようなものは必要なく、広い材料選択が可能になる。紫外線吸収剤や安定剤以外に、半透過反射器は、半透過反射器、再利用空洞、およびバックライトの透過、色、あるいはその他の光学特性を適合させる染料および/あるいは色素を含んでもよい。
【0073】
色の変化を小さくすることはLEDバックライトの重要な課題であり、一般に色センサーと温度センサーを必要とするが、それはLED出力がそれらの両方の要因に影響され得るからである。例えば、3つのRGBのLEDが温度や時間的変化によって異なる発光特性を示す場合に色変化が生じる。LEDの変動を検出するセンサーを用い、LEDや個々のLEDピクセルの強度を補正するように自動的に適合させることが必要な場合がある。センサー位置は、空洞を各々独立に制御することが望ましければ、再利用空洞の中でも構わない。個々の空洞制御が必要なければ、1つ以上のセンサーがトンネルの外に置かれても構わない。適したセンサーは、テキサス州プラノ(Plano)にあるテキサス・アドバンスト・オプティカルソリューション社(TAOS、Texas Advanced Optical Solutions Inc)から入手できるシリコンフォトダイオードの色センサーを含む。
【実施例】
【0074】
テスト装置と仕組み
次の例が特注のLEDバックライト検査台でテストされた。検査台は対角559mm(22インチ)、16:9アスペクト比、LCDテレビ用のLEDを用いたバックライトを模擬実験する様に設計された。検査台はバックライト空洞の側壁を形成する開いた矩形箱型構造を持ち、その構造の長軸は水平に置かれた。箱型構造の内壁には、高反射拡散白色フィルムである、前述したEDR IIフィルムが並べられた。
【0075】
箱型構造の前側は厚さ3mmの拡散白色ポリメチルメタクリレートプレート(Cyro Corp.、ニュージャージ州ロッカウェイ(Rockaway))で作られた取り外し可能な拡散プレートで覆われた。この拡散プレートは現在CCFLやLED方式のテレビ用バックライトに用いられる拡散プレートに似ている。プレートの外側表面は検査台用の出力領域(すなわち、バックライトの出力領域)として機能する。
【0076】
裏面は、その裏面をバックライト空洞の中で異なる深さに調整できる4つの線状スライドの上にある、箱型構造の裏側に取り付けられた。
【0077】
4つのLED棒は拡散プレートに面する裏面の側面で裏面に貼り付けられた。この棒は裏面の幅にわたって水平な2列に整列された。各々の棒は、5つの赤、5つの青、および10個の緑の側面発光Luxeon(商標)LED(ルミレッズ(Lumileds)、カリフォルニア州サンノゼ(San Jose))を、標準プリント基板上で一列に緑−赤−青−緑のパターンで繰り返して配列した。1つの棒のLEDの中心間隔は約12mm。隣接する水平列の中心間隔は152mmとした。
【0078】
1つの棒には、緑、赤、および青のLEDは色毎に電気的に直列に接続され、各々の色の出力は検査台の色バランスを調整できる様に独立に変えることができた。2つの、2チャンネル電力供給が各々の棒に接続された。1つの電力供給チャネルは赤のLEDに駆動電流を提供し、1つのチャネルは青のLEDに電流を提供し、2つのチャネルは各チャネル5つずつの緑のLEDに電流を提供し駆動した。典型的な測定の間は、赤のLEDは約150mAで駆動され、青のLEDは約170mAで駆動され、緑のLEDは約130mAで駆動された。最初の測定の前に、LEDは全て350mAで166時間駆動して「焼き付け」され、その後は検査台からの出力は長時間比較的安定して観察された。
【0079】
ポリカーボネート反射支持プレートはLED回路基板の上の裏面に取り付けられた。反射支持プレートは矩形で検査台構造の内部より少し小さくした。反射支持プレートはLEDのレンズがプレートを通って伸びることができる穴を持った。実装される時に、反射支持プレート上面はLEDのレンズの底と一直線にされた。高反射率な鏡面背面反射フィルム(Vikuiti(商標)3M製ESRフィルム)が反射支持プレートにラミネートされた。次に実装され、フィルム層は実質的に平らかで、バックライトの光学空洞の底表面として作用した(すなわち背面反射器として作用した)。背面反射フィルムの直ぐ下で、支持プレートは、LED列に平行に伸びる線状溝あるいはチャネルが付けられ、またLED列の両側に配置された。2つの選ばれたチャネル(その間に少なくとも1列のLEDがあった)の直ぐ上の背面反射フィルムにスリットを付けることで、選ばれたチャネル間の距離より大きい幅を持つ半透過フィルムが圧縮され、凹型の円弧あるいは弓形を形成し、半透過フィルムの反対側の端が背面反射フィルムのスリットを通って選ばれたチャネルの中に挿入された。再利用空洞はこうして背面反射フィルムと凹型形状の半透過反射器の間に形成された。
【0080】
検査台の性能は比色分析カメラ(ラディアント・イメージング(Radiant Imaging, Inc.)製モデルPM1611、ワシントン州デュバル(Duvall))を用いて測定された。このカメラには105mmのレンズとND2中間密度フィルタが取り付けられた。ラディアント・イメージングにより提供されるソフトはカメラを更正し測定するのに用いられた。色と輝度の更正はスポット放射線器(フォト・リサーチ(Photo Research, Inc.)製モデルPR650、カリフォルニア州チャッツワース(Chatsworth))を用いて行われた。検査台はカメラの前の4mに垂直に置かれた。カメラレンズの軸が拡散プレートに垂直で、近似的に検査台の中心にくるように、検査台はカメラと一直線に並べられた。
【0081】
バックライトの構成は、検査台に適切なフィルム(背面反射器と検査フィルム)を載せ、必要なバックライト空洞厚さ(背面反射プレートの上部と拡散プレートの底の間の間隔として定義される)を実現する様に裏面を適切な位置に置くことで測定された。用いられたバックライト空洞の厚さは18、28、38、および48mmを含む。再利用空洞に対しては、フィルムは特定の幅に切断され、次に裏面に切られたチャネルの中にフィルムの端を押し込むことで裏面に固定され、フィルムの堅さにより円弧を形成しその位置にとどまる。再利用空洞の高さあるいは深さはフィルムの幅と、フィルムが押し込まれるチャネルの間隔で決定される。
【0082】
LEDは点けられ、任意の測定の前に少なくとも90分間温められた。測定は、検査台にテストされるフィルムを配置し、次に比色分析カメラを用いていろいろな深さに裏面を置いた検査台の写真を撮影して行われた。その結果は視覚的に検査され、拡散プレート表面に対する全体の明るさ、輝度均一性、および色均一性の様な特性が分析された。
【0083】
制御
バックライト空洞はESR背面反射器と拡散プレートの間に再利用空洞フィルムを持たずに配置された。バックライト空洞の深さは背面反射器の上部から拡散プレートの底まで28mmであった。
【0084】
出力領域の外観、すなわち拡散プレートの上部、は非常に不均一であった。各々のLEDに相当する画像あるいはにじみおよびそれぞれの色は出力領域ではっきりと見えた。
【0085】
(実施例1)(2つの線状空洞、W/d=6.7)
この例では、再利用空洞は一緒にラミネートされた前述のDRPF偏光フィルムの2層から構成され、その2層の偏光軸は互いに直交した。バックライト空洞はESR背面反射器と層状DRPFフィルムで規定された2つの個々の再利用空洞で形成され、その空洞は円弧の形をとり、その円弧の上部は背面反射器の上方におよそ18mmであった。各々の再利用空洞の幅は約121mmで、それらはバックライト空洞の中に収められ、各々の再利用空洞は上部および底部のそれぞれから約13mm、中間部では約13mmで分離された。LEDはバックライトに対して水平に向けられ、再利用空洞に平行に、再利用空洞の中に設置された。バックライト空洞の深さは背面反射器の上部から拡散プレートの底まで28mmであった。
【0086】
見たところ、この例は輝度と色均一性に関する制御性の改善を示した。
【0087】
(実施例2)(線状空洞、W/d=10.1)
この例では、再利用空洞は半透過反射器として立方体角部光偏向フィルムを用いて形成された。このフィルムは厚さ0.25mm(10ミル)のポリカーボネートシートの単一層であり、このシートは片面の大部分は平滑で、反対面の大部分にはプリズム状の窪みあるいはすきまのパターンが形成された。このプリズム状の窪みのパターンは、3M社から入手できる3M(商標)Scotchlite(商標)反射材料6260高光沢フィルムに用いられる角錐立方体角部配列の逆あるいは相補体であり、その角錐配列の特徴は、(三角形状の底部から立方体角部の頂部までの)高さが約0.09mm(3.5ミル)であり、底部の三角形は55、55、70度の角度を持つ傾斜した立方体角部プリズムであった。この半透過フィルムはフィルムの構造化されたすなわち窪みが形成された面がLEDに面する様に向けられた。バックライト空洞はESR背面反射器と半透過反射器で規定された2つの個々の再利用空洞で形つくられ、その空洞は円弧の形をとり、その円弧の上部は背面反射器の上方におよそ12mmであった。各々の再利用空洞の幅は約121mmで、それらはバックライト空洞の中に収められ、各々の再利用空洞は上部および底部のそれぞれから約13mm、中間部では約13mmで分離された。LEDはバックライトに対して水平に向けられ、再利用空洞に平行に、再利用空洞の中に設置された。バックライト空洞の深さは背面反射器の上部から拡散プレートの底まで28mmであった。
【0088】
見たところ、この例は輝度と色均一性に関する制御性の改善を示した。
【0089】
(実施例3)(1つの線状空洞、W/d=11.5)
この例では、再利用空洞は、2層のラミネートされた、3M社から入手できる、Vikuiti(商標)BEF II 90/50線状プリズム光学フィルムから形成された。このBEF IIフィルムの第1部分は接着剤を用いてBEFIIの第2部分につけられ、第1のBEF IIフィルムの線状プリズムは第2のBEF IIフィルムの線状プリズムに直角に向けられた。米国特許 第6,846,089号(スチーブンソン(Stevenson)ら)に開示される様に、接着剤の薄い層は第1フィルムの平面側に付けられ、第2のフィルムの構造化された側を接着剤に向けてラミネートされた。接着剤層の厚さは第2フィルムのプリズムの尖端のみが接着剤層に埋まる程度であった。両方のBEF IIのプリズムはLEDの方を向き、LEDに最も近いBEF IIフィルムのプリズム方向はLED棒に平行であった。バックライト空洞はESR背面反射器とBEF IIラミネートで規定された単一の再利用空洞で形成され、その再利用空洞は単一の円弧の形をとった。円弧の頂点は背面反射器の上方へ約22mmにあった。再利用空洞の幅は約254mmで、再利用空洞はバックライト空洞の中に収められ、上部および底部のそれぞれから約13mmであった。LEDはバックライトに対して水平に向けられ、再利用空洞に平行に、再利用空洞の中に設置された。バックライト空洞の深さは背面反射器の上部から拡散プレートの底まで28mmであった。
【0090】
見たところ、この例は輝度と色均一性に関する制御性の改善を示した。
【0091】
(実施例4)(2つの線状空洞、W/d=6.7)
この例では、再利用空洞は2層のラミネートされた前述のBEF II光学フィルムから形成された。このBEF IIフィルムの第1部分は接着剤を用いてBEF IIの第2部分につけられ、第1のBEFIIフィルムの線状プリズムは第2のBEF IIフィルムの線状プリズムに直角に向けられた。米国特許 第6,846,089号(スチーブンソン(Stevenson)ら)に開示される様に、接着剤の薄膜は第1フィルムの平面側につけられ、第2フィルムの構造化側はその接着剤に向けられてラミネートを構成した。接着剤層の厚さは第2フィルムのプリズムの尖端のみが接着剤層に埋まる程度であった。両方のBEF IIのプリズムはLEDの方を向き、LEDに最も近いBEF IIフィルムのプリズム方向はLED棒に平行であった。バックライト空洞はESR背面反射器と、円弧の頂点が背面反射器の上方に約18mmである様な円弧の形を持つBEF IIラミネートで規定された、2つの別々の再利用空洞で形成された。各々の再利用空洞の幅は約121mmで、それらはバックライト空洞の中に収められ、各々の再利用空洞は上部および底部のそれぞれから約13mm、中間部では約13mmで分離された。LEDはバックライトに対して水平に向けられ、再利用空洞に平行に、再利用空洞の中に配置された。バックライト空洞の深さは背面反射器の上部から拡散プレートの底まで28mmであった。
【0092】
見たところ、この例は輝度と色均一性に関する制御性の改善を示した。
【0093】
(実施例5)(2つの線状空洞、W/d=9.5)
この例では、再利用空洞は前述の穿孔Vikuiti(商標)ESRフィルムから構成され、これは若干曇ったポリカーボネート基材にラミネートされた。この穿孔ESRフィルムは、表面上に実質的にランダム分布で約0.25mmから0.75mmの範囲の直径の穴を持ち、しかし、これらの穴の中心は穴と穴の間隔を約1.5mm(中心で測定)にした六角格子状に規則正しく配列された。バックライト空洞はESR背面反射器と穿孔ESRFフィルムで規定された2つの別々の再利用空洞で形成され、その再利用空洞は円弧の形をとり、その円弧の頂部は背面反射器の上方におよそ14mmであった。各々の再利用空洞は約133mm幅で、それらはバックライト空洞の中に収められ、各々の再利用空洞は上部および底部の側壁に接し、中間部では約13mmで分離された。LEDはバックライトに対して水平に向けられ、再利用空洞に平行に、再利用空洞の中に設置された。バックライト空洞の深さは背面反射器の上部から拡散プレートの底まで28mmであった。
【0094】
見たところ、この例は輝度と色均一性に関する制御性の改善を示した。
【0095】
測定結果
例1〜5の結果を表1に比較する。各々のバックライト構成に対する相対的な効率パラメータは、その例の平均輝度を対照の平均輝度で割ることで計算され、ここで各々の場合の平均輝度はそれぞれのバックライト出力領域のほぼ全体に対して計算された。輝度不均一パラメータは各々のバックライト構成に対して、輝度の標準偏差をバックライト出力領域のほぼ全体における平均輝度で割って計算された。色不均一パラメーター(Δuv)は各々のバックライト構成に対して、その例の平均色から色の点状偏差として計算され、ここで色はCIEu’v’色空間で表された。すなわち、
【0096】
【数1】
【0097】
ここでNは検査系の画像のピクセル数、u’およびv’は各ピクセルの色座標、u’avgおよびv’avgは平均色座標である。この色不均一性は出力領域全体ではなく、バックライト試作品の上部のLED棒あるいは列を中心とする、長さ26.7cm(10.5インチ)、幅7.6cm(3インチ)の出力領域の矩形部分で測定された。
【0098】
【表1】
【0099】
特に明記しない限り、本明細書と請求項で使用される特徴的なサイズ、量、および物理的性質を表す全ての数は「約」という語によって修飾されていることを理解されたい。したがって、特に記載されない限り、本明細書および請求項に記載される数のパラメータは近似値であり、本願明細書において開示される教示を利用して、当業者によって得られる所望の特性によって変化し得る。更に、「AあるいはB」の開示は、特に明確にあいまいでないように記載されない限りは文脈から、Aのみ、Bのみ、およびAとBの両方を含む様に、語「あるいは」は広く解釈されるべきである。
【0100】
本発明の範囲および精神から逸脱しない、本発明の様々な修正および変更が、当業者には明らかであろうし、本発明は、ここに記載された例示的な実施形態に限定されないことが理解されるべきである。
【0101】
本明細書全体を通して、同じ参照符号が同じ要素を示す添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】バックライトを含むディスプレイシステムの透視分解図。
【図1a】バックライトの出力領域の後方に配置された別個の光源と光再利用空洞の位置も透視的に示す図1と類似の図。
【図2】図1と1aのバックライトの概略側面図。
【図2a】バックライトの選択された構成要素のみを示し、光源から放射された光線が如何に空洞の中で再利用され半透過反射器から放射されるかを示す図2と類似の図。
【図2b】再利用空洞の背面反射器の後方に設置された光源を示す断片図。
【図3a】付加的なバックライトの概略側面図。
【図3b】付加的なバックライトの概略側面図。
【図3c】付加的なバックライトの概略側面図。
【図3d】付加的なバックライトの概略側面図。
【図3e】付加的なバックライトの概略側面図。
【図3f】付加的なバックライトの概略側面図。
【図3g】付加的なバックライトの概略側面図。
【図4】バックライトに用いる再利用空洞モジュールの概略側面図。
【図5】バックライトに用いる他の再利用空洞モジュールの概略側面図。
【図6】複数の光再利用空洞をバックライトの出力領域の後方に設置することを示す異なるバックライトの正面図。
【図7】複数の光再利用空洞をバックライトの出力領域の後方に設置することを示す異なるバックライトの正面図。
【図8】開示されたバックライトの中の光源として用いることができる多種のパッケージ化されたLEDを示す図。
【図9】開示されたバックライトの中の光源として用いることができる多種のパッケージ化されたLEDを示す図。
【図10】開示されたバックライトの中の光源として用いることができる多種のパッケージ化されたLEDを示す図。
【図11】開示されたバックライトの中の光源として用いることができる多種のパッケージ化されたLEDを示す図。
【技術分野】
【0001】
本発明はバックライト、特に直接照射型バックライトに関し、並びにバックライトに用いられる構成要素、バックライトを用いるシステム、およびバックライトを製造するまたは用いる方法に関する。本発明は、特に液晶ディスプレイ(LCD)装置およびそれに類似したディスプレイに用いられるバックライトに適し、並びに照射光源としてLEDを用いるバックライトに適する。
【背景技術】
【0002】
近年、大衆が利用できるディスプレイ装置の数と多様性は、すさまじく増加してきた。コンピューター(卓上型、ラップトップ型、またはノート型のいずれにおいても)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、および薄型液晶テレビはほんの数例に過ぎない。これらの装置のいくつかは、ディスプレイを見るのに通常の周囲の光を用いることができるが、殆どはディスプレイを見える様にするためにバックライトと呼ばれる光パネルを備えている。
【0003】
多くのその様なバックライトは「端面照射型」あるいは「直接照射型」に分類される。これらの分類はバックライトの出力領域に対する光源の設置位置が異なり、その出力領域はディスプレイ装置の観賞面を確定する。端面照射型バックライトでは、光源はバックライト構造の外枠に沿って配置され、その領域の外面が出力領域に相当する。光源は一般的に光を導光板の中に照射し、その導光板は出力領域と同程度の長さと幅の寸法を持ち、光はその導光板から出力領域を照らし出す。直接照射型バックライトでは、配列された光源が出力領域の直ぐ後方に設置され、拡散板が光源の前に設置されてより均一な光出力を提供する。多くの直接照射型バックライトは端面実装光をも合わせ持ち、従って直接照射と端面照射の両方の操作を可能とする。
【0004】
直接照射型バックライトには光源として配列された冷陰極蛍光ランプ(CCFL)を用いることが知られている。輝度の向上と恐らく出力領域に対する均一性を高めるためにも、CCFL配列の後方の背面反射器として拡散白色反射板を設置することも知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近、CCFLではなく配列された赤/緑/青のLEDによって働く直接照射型バックライトを用いた液晶ディスプレイテレビ装置(LCD TV)が紹介された。一例はSONY(商標)Qualia 005 LEDフラットスクリーンTVである。101.6cm(40インチ)型モデルは水平な5列の側面照射型Luxeon(商標)LEDを内蔵する直接照射型バックライトを用い、各列はGRBRGの繰り返しパターンで配列された65個のLEDを含み、その列は8.26cm(3.25インチ)離れている。このバックライトは、拡散白色背面反射器の前側から(約2mm厚さの)前側拡散板の後側まで測って、約42mmの深さであり、それらの間に配列された325個の拡散白色反射点を持つ平面透明プレートが置かれる。光を通すこれらの点の各々は、LEDから放射された軸線上の光の殆どが前側拡散板を直接に照射することを避けるために、各LEDと一直線にそろえられる。背面反射器は角度を成す側壁を持つ平板である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願は、とりわけ、背面反射器と入射光を部分的に透過し部分的に反射する半透過反射器を含む直接照射型バックライトを開示する。半透過反射器は背面反射器に対向する少なくとも1つの凹型構造を構成する様に形成され、それらの間に1つ以上の再利用空洞を提供する。ある場合はバックライトは1つだけの再利用空洞を持つことができ、他の場合は複数個のその様な空洞を持つこともできる。どちらの場合も、単一の空洞あるいは空洞群はパネルの出力領域を実質的に満たす様な大きさに作られ配置される。更に、少なくとも1つの光源は、またある場合では配列された光源は、光を再利用空洞の各々の中に注入するためにバックライトの出力領域の後方に配置される。ある場合は1つ以上の光源は与えられた再利用空洞の中に配置され、またある場合は光源は背面反射器の後方に配置され、光を、例えば背面反射器の1つ以上の開口を経て、再利用空洞の中に注入する。都合の良いことに、必要ならば、従来のパッケージ化されたあるいはパッケージ化されていないLEDが光源として用いられる。
【0007】
半透過反射器の凹面特性は、LEDの様な別個の光源をまばらに並べて用いる場合でさえ、再利用空洞の面上で均一な照明を与えることに特に効果があると分かってきた。また、配列された別個の赤/緑/青のLEDの様に、異なる色の別個の光源からの光を色混合することにも効果があると分かってきた。1つ以上の光源がLEDを含むか否かにかかわらず、多くのバックライトの実施形態では、少なくとも1つの再利用空洞が複数個の光源を含むことが望ましい。半透過反射器が複数個の再利用空洞を構成する様に形成される場合は、空洞の各々は複数個の光源を持つことができる。
【0008】
バックライトと多くの必要な光源の全体厚みを小さくするために、半透過反射器の凹型形状と背面反射器に対する設置位置が、比較的浅く広い再利用空洞の提供を可能にする。この点では、再利用空洞は、好ましくは再利用空洞の深さの2倍以上、また好ましくは少なくとも5倍または10倍の幅を持つ。再利用空洞は実質的に1次元的であり得て、トンネル状に伸びた構造であり、あるいは2次元的であり、2つの直交断面の各々では半透過反射器が凹型である閉塞空間を形作る。再利用空洞はパネル重量を小さくするために中空であることも好ましい。
【0009】
パネルの効率を高めるために背面反射器は反射率が高いことが好ましく、例えば、光源から出た可視光線に対しては少なくとも90%の平均反射率であり、また例示の実施形態では少なくとも95、98、または99%以上である。背面反射器は殆どが鏡面、拡散面、あるいは鏡面/拡散面の組み合わせの反射板である。
【0010】
半透過反射器は、多種の部分的に透過し部分的に反射するフィルムまたは物体であるか、またはそれらから成り、パネル効率を高めるために半透過反射器は小さい吸収損失を持つことが好ましい。好ましくは、半透過反射器は光偏向フィルム、偏光フィルム、穿孔反射フィルム、鏡面反射フィルム、およびそれらの組み合わせの群から選択されたフィルムであるか、またはそれらを備える。線状に伸びるプリズムを形成した平行溝を持つフィルム、あるいは立方体の角部を配列した様な角錐プリズムのパターンを持つフィルムの様な、表面構造を持つフィルムが、光偏向フィルムの例である。反射偏光板は、それが鏡面反射であるか拡散反射であるかに係わらず、他の適した半透過フィルムの例である。反射偏光板は共押出高分子多層構造、液晶構造、細線格子構造、または混成(連続/分散相)フィルム構造を有し、従って鏡面的にまたは拡散的に光を透過および反射することができる。穿孔を持つ鏡面または拡散反射フィルムは適した半透過反射器のもう1つの例である。
【0011】
関連する構成要素、システム、および方法も開示される。
【0012】
本出願の以上のおよび他の態様は以下の詳細な記述から明らかにされる。しかし、決して、上記要約は、請求された主題に関する限定として解釈されるべきでなく、主題は、審査手続間に補正することができるような特許請求の範囲によってのみ規定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
バックライトの1つの一般的な応用は図1の透視分解図に図式的に示される。ここで、ディスプレイシステム10は、液晶ディスプレイ(LCD)パネルの様なディスプレイパネル12と、ディスプレイパネルに表される情報が容易に見える様に広い面積を十分に照射する直接照射型バックライト14から成る。ディスプレイパネル12とバックライト14の双方は簡略化された箱形形状で示されるが、読者はその各々が付随する細部を有することを理解するであろう。バックライト14は広い出力領域16を満たして発光し、フレーム15も含む。出力領域16は、通常は矩形であるが必要に応じて他の広がった領域の形を取り得て、バックライトに用いられるフィルムの外側表面に対応するか、あるいは単にフレーム15の開口に対応する。稼働中は、出力領域16の全体が、出力領域16の直ぐ後方に配置されるのではなく、フレーム15の中に配置された光源により照射される。照射されれば、バックライト14により、多様な観察者18a、18bにはディスプレイパネル12に表示された画像や図形が見える様になる。LCDパネルの場合は、画像や図形は動的で、配列されたおよそ数千数万の別個の画素(ピクセル)で作られ、その配列はディスプレイ12の側面寸法、すなわち長さと幅、をほぼ覆う。他の実施形態では、ディスプレイパネルはその上に静的な図画像を表示したフィルムあるいはそのフィルムから成る。図1は参照のためにデカルトx−y−z座標も含む。
【0014】
あるLCDの実施形態では、バックライト14は白色光を連続的に発光し、ピクセル配列はカラーフィルタのマトリックスと組み合わさって多色ピクセル群(黄/青(YB)ピクセル、赤/緑/青(RGB)ピクセル、赤/緑/青/白(RGBW)、赤/黄/緑/青(RYGB)ピクセル、赤/黄/緑/シアン/青(RYGCB)ピクセル、あるいは類似の物の様な)を形成し、表示された画像が多色彩になる。或いは、多色彩画像は色順次技術を用いて表示でき、それは、ディスプレイパネルを白色光で背後から連続的に照明してディスプレイパネル内の多色ピクセル群を変調して色を作り出す代わりに、バックライト自身の中の別々の異なる色(例えば、赤、橙、琥珀、黄、緑、シアン、青(ロイヤルブルーを含む)、および前述した色の混合である白から選ばれた)の光源が変調されて、バックライトは空間的に均一な色の光を(例えば、赤、次は緑、次は青の様に)高速に繰り返しながら連続的に光らせる。この色変調バックライトは、次に1つだけのピクセル配列を持つ(如何なるカラーフィルタマトリックスも持たない)ディスプレイモジュールと組み合わされ、そのピクセル配列がバックライトと同調して変調され、その変調が観察者の視覚系に一時的に色混合を生じるほど十分速いので、ピクセル配列全体にわたってあらゆる色(バックライトに用いられる光源)を作る。色順次ディスプレイの例は、空間順次ディスプレイとしても知られ、米国特許第5,337,068号(スチュワート(Stewart)ら)、および米国特許第6,762,743号(ヨシハラ(Yoshihara)ら)に述べられている。ある場合には、モノクロディスプレイのみの提供が好ましい場合がある。このような場合、バックライト14はフィルタあるいは主に1つの可視波長すなわち1つの色を放射する特定の光源を含むことができる。
【0015】
ディスプレイシステム10が再び図1aに示され、この図1aでは更に、直接照射型バックライト14の中の別個の光源の第1列20と別個の光源の第2列22を透視的に示している。光源20、22は各々が白色光を発してもよく、あるいは各々がRYGCBの一つだけの色を発して、白色光の出力を提供する様に混合あるいは単色の出力を提供する様に調和されてもよい。また、光源20により照明される第1の再利用空洞26を、光源22により照明される第2の再利用空洞28から分離する境界24も、透視的に示されている。両方の再利用空洞は、光源20および22と同様に、出力領域16の直ぐ後方に配置される。
【0016】
再利用空洞26、28は、合わせて、実質的に出力領域16を満たしている。このように、例えば出力領域に垂直な軸線上に位置する遠くの観察者から見る様に、出力領域を平面図に描けば、凹型再利用空洞を合わせた投影面積は(たとえ遠くの観察者にはその空洞が分かれて見えなくても)出力領域の表面積の半分以上であり、好ましくは少なくとも75%、80%、あるいは90%であり、更に好ましくは出力領域の100%である。バックライトが1つのみあるいは複数個の凹型再利用空洞を持つかに係わらず、平面図内の出力領域を見た場合の空洞あるいは複数の空洞の投影面積はバックライト出力領域の好ましくは少なくとも75%、80%、あるいは90%、更には100%を占める。
【0017】
バックライト14の選択された構成要素の図式的な側面図が図2に示される。2つの再利用空洞26、28は背面反射器30と半透過反射器32とで形成され、その半透過反射器は図示される様に2つの凹型構造を構成する様に形成され、その各々は隣り合う再利用空洞26、28を構成する様に背面反射器に面する。別個の光源20は背面反射器と半透過反射器の間の再利用空洞26の中に配置される。出力領域16の直ぐ後方に光源20、22を設置することは直接照射型に分類されるバックライト14と一致している。半透過反射器32の(観察者から見て)前にいくつかの追加的な光管理フィルムあるいは他の構成要素があり、そのいくつかあるいは全てはシステムの要求や光再利用空洞と光源の特性に依存して選択的である。従って、半透過反射器の前に拡散プレートあるいはフィルム34があり、上部の積層フィルムは反射偏光板36やプリズム型輝度強調フィルム38の様な従来の光マネジメントフィルムから成る。
【0018】
図2aは図2の詳細図であり、如何に光源から出た光が半透過反射器32により部分的に透過し部分的に反射するか、また如何に背面反射器30と組み合わせて空洞26、28の中で光再利用をもたらすか、加えて如何に光の放出あるいは漏れが空洞の横方向全体に広がるかを示している。半透過反射器の凹型構造は再利用空洞の境界の確定に役立つだけではなく、それらの境界の中で再利用された光を閉じ込め、また半透過表面の幾何形状を変えることで放射光の角度を広げる特性を持つ。特定の再利用空洞の中に光を閉じ込めることは詳細設計の役割である。例えば、半透過反射器が図1aに示される境界24に相当する線に沿って背面反射器に接触する限界まで、半透過反射器32を背面反射器30に近づけて設置することで、空洞26、28の中の光閉じ込めは増加される(空洞の間の漏光はそれに従って減少する)。その様な配置はバックライト全体の厚みを小さくする観点から望ましい。
【0019】
あるいは、光源からの光を直接空洞の中に注入できる様に、光源に対応する穴、細孔、窓、あるいは他の光透過領域の様な適切な開口が背面反射器30に付けられる限りは、光源は、空洞の中に置かれる代わりに、それを負のz方向に移して背面反射器30の後方に設置されることができる。このことは図2bの断片図に示される。
【0020】
後に更に詳しく述べる様に、与えられた光源は(1)電気を光に変えるLEDダイまたは蛍光ランプ、あるいは励起光を放射光に変える蛍光体の様な活性部品、(2)レンズ、(ファイバの様な)導波路、あるいは活性部品から放射された光を伝搬および/あるいは形を変える光学要素の様な受動部品、あるいは(3)1つ以上の活性部品と受動部品の混合であり得る。例えば、図2と図2aの光源20、22はパッケージ化された側面発光型LEDでも良く、その場合はLEDダイは回路基板あるいはヒートシンクに近接した背面反射器30の後方に置かれるが、パッケージ化されたLEDの整形カプセルあるいはレンズ部分は背面反射器にある細孔あるいは開口を通る延長上の再利用空洞の中に置かれる。光源については後に更に議論される。
【0021】
図1〜2aの実施形態では、再利用空洞は、x軸に平行な隣接する細長い領域で出力領域16を横切って伸びる様な、実質的に1次元である。半透過反射器32はy−z断面では描かれた凹型構造を構成する様に形成されるが、垂直なx−z断面では半透過反射器は実質的に真っ直ぐで平らである。別の言い方をすれば、半透過反射器は単純な湾曲を示す。他の実施形態では、半透過反射器は複合的な湾曲を示すこともでき、その場合はy−zおよびx−z断面の両方で凹型構造を構成する様に形成される。
【0022】
背面反射器30はパネル効率を高めるために反射率が高いことが好ましい。例えば、背面反射器は光源から放射される可視光に対して少なくとも90%、95%、98%、あるいは99%以上の平均反射率を持ってもよい。背面反射器は、空間的に均一でもパターン化されていても、主として鏡面、拡散的、あるいは鏡面/拡散反射板の組み合わせであり得る。ある場合は背面反射器は高い反射コーティングを施された堅い金属基材、あるいは支持基材にラミネートされた高反射率フィルムから作ることができる。適した高反射率材料には、制限されるものではないが、3M社から入手できるVikuiti(商標)高鏡面反射(ESR)多層高分子フィルム、0.01mm(0.4ミル)厚みのアクリル酸イソオクチル感圧性接着剤を用いてVikuiti(商標)ESRフィルムに硫酸バリウムを積層したポリエチレンテレフタレートフィルム(0.05mm(2ミル)厚)フィルムをラミネートして作られたフィルム、それによって出来たラミネートフィルムを今後「EDRII」フィルムと呼ぶ、(東レ)Torayインダストリー社から入手できるE−60シリーズLumirror(商標)ポリエステルフィルム、W.L.Gore & Associates社から入手できる様な多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、Labsphere社から入手できるSpectralon(商標)反射材料、Alanod Aluminum−Veredlung社から入手できるMiro(商標)カソード酸化アルミニウムフィルム(Miro(商標)2フィルムを含む)、古河電工社から入手できるMCPET高反射泡状シート、および三井化学社から入手できるWhite Refstar(商標)フィルムとMTフィルム、が挙げられる。背面反射器は実質的に平滑でもよいし、あるいは光の散乱あるいは混合を高める様に構造的表面を持ってもよい。その様な構造的表面は(a)背面反射器の反射表面上に、あるいは(b)反射表面に施された透明コーティング上に作られる。前者では、前もって構造的表面を作られた基材に高反射率フィルムがラミネートされてもよいし、あるいは高反射率フィルムが(3M社から入手できるVikuiti(商標)耐久高鏡面反射金属(DESR−M)反射板を付けた薄い金属シートの様な)平坦基材にラミネートされ、その後刻印操作の様な方法で構造的表面が形成されてもよい。後者では、構造的表面を持つ透明フィルムが平らな反射表面にラミネートされる、または透明フィルムが反射板に設けられた後にその透明フィルムの上に構造的表面が付けられることもできる。
【0023】
背面反射器は連続的な単一(分離できない)層でその上に光源が実装される、あるいは、それは別個の部分に不連続に、すなわち他は連続的な層であるが光源が突き出ることができる分離した開口を持つ限りは不連続に、構成することができる。例えば、LEDの列が実装された基材に反射材料がストリップ状に設けられ、各々のストリップ領域はLEDの1の列から他の列に十分広がる幅を持ち、またバックライトの出力領域の反対側の境界に及ぶ十分の長さを持つ。
【0024】
出力領域16の外側境界に沿って位置する再利用空洞の側部と端部は線状であることが好ましく、ないしは光損失を少なくし再利用効率を改善する高反射垂直壁を持つ。2つの反対側の側壁は図2の左と右の端に見られ、2つの反対側の端部壁は、その1つは図2に見られ、描かれた実施形態の側壁に垂直である。背面反射器に用いられるのと同じ反射材料がこれらの壁の形成に用いることができ、あるいは異なる反射材料を用いることもできる。例示している実施形態では側壁は拡散的に反射する。
【0025】
半透過反射器は入射光線を部分的に透過し部分的に反射するフィルムの様な構造であるか、またはその様な構造から成り、部分的透過は半透過反射器から効率的に光を引き出す様に十分高いが、部分的反射はまた背面反射器と組み合わさって光の再利用を十分助ける程に高い。最適の照明、照明の均一性(発光源を見えなくする)、および色混合を達成するために、最適な幾何形状と特性を有して一般に各々異なり、また使用される光源と背面反射器の機能をする、後述する多種の異なるフィルムを用いることができる。(ある場合にはバックライトの設計者は、後述する空洞モジュールの様に、特別な再利用空洞の設計を示すことができ、その時は与えられた空洞を用いるために適した光源を選ぶことができる。)いくつかの適したフィルムは更に説明されるが、この議論は制限されるものはなく、述べられたフィルムのどれもそれだけで用いることができ、あるいは必要な透過特性と反射特性を生じる様に他のものと組み合わせて用いることもできる。組み合わせフィルムでは、互いに貼り付けても貼り付けなくてもよい。もし貼り付けられるなら、任意の公知の接着メカニズムが用いられてもよいし、また主表面全体にわたって、あるいは分離した点のみで、あるいは線で接着されてもよい。接着剤が用いられるならば、その接着剤は透明、拡散的、および/または複屈折的であり得る。
【0026】
半透過反射器として用いるのに適したいくつかのフィルムはここでは半反射フィルムおよび光偏向フィルムと呼ばれる分類に入る。
【0027】
一般に、半反射フィルムは、垂直入射可視光の30から90%程度を反射し、残りの(反射されない)光の実質的な部分を、好ましくはほぼ全てを、透過する程に低い吸収を持つフィルムおよびその様な物を示す。反射と透過は、空間的に均一でもパターン化されていても、鏡面、拡散的、あるいはそれらの組み合わせである。拡散反射は表面拡散(ホログラフィー拡散を含む)、バルク拡散、あるいは両方を用いて実現される。適当なレベルの反射率は、光源の数とその背面反射器上の設置位置、光源の強度と発光特性(強度の角度分布)、再利用空洞の深さ、バックライトの出力における輝度と色均一性の必要な程度、および拡散プレートあるいはバックライト内の上部積層フィルムなどの他の構成要素の存在または不在を含む、多くの要因に依存し得る。半透過反射器に用いられるより高い反射フィルムは、効率を犠牲にしても、バックライトの輝度均一性と色均一性を高める傾向をもつ。効率の減少は再利用空洞内の反射率の平均値が増加するために生じ、各反射は少なくとも幾分かの損失を伴う。前述したように、半透過反射器だけではなく、背面反射器や如何なる反射側壁の、可視光吸収を小さくすることが望まれる。
【0028】
半透過反射器として適した半反射フィルムの一例は、金属コーティングが可視光を十分透過する程に薄い、金属薄膜鏡である。薄い金属コーティングはフィルム上にあるいはプレート基材上に設けられる。
【0029】
半反射フィルムのもう1つの例は、当該技術分野では、管理された透過鏡フィルム(CTMF)と呼ばれる。その様なフィルムは、前述したESR鏡面フィルムの様な、多層干渉積層鏡の両面に拡散反射コーティングまたは層を設けることで作られる。半反射フィルムのもう1つの例は、炎に少し曝露することで多層干渉積層体を幾つかの点で分離した、フレイムエンボス加工された(flame embossed)多層高分子鏡面フィルムである。
【0030】
反射偏光板は半反射フィルムの更に他の例である。その様な偏光板は、液晶偏光板、共押出や伸張技術により作られる多層高分子偏光板、細線格子偏光板、および連続/分散位相構造を持つ拡散混合偏光板を含み、非偏光源からの光(第1の偏光状態に相当)の垂直な半分を透過し他の垂直な半分(垂直な第2の偏光状態に相当)を反射する。例としてVikuitiブランドで3M社から入手できる2重輝度強調フィルム(DBEF)製品群のいずれか、および拡散反射偏光フィルム(DRPF)製品群のいずれかが挙げられる。また、例えば、米国特許第5,882,774号(ヨンザ(Jonza)ら)や第6,111,696号(アレン(Allen)ら)、および米国特許刊行2002/0190406(メリル(Merrill)ら)に開示された反射フィルムを参照。もし1つの反射偏光フィルムが不十分ならば、2つ以上のその様なフィルムが組み合わされ凹型構造(単数および複数)を構成する様に形成されることができる。
【0031】
非偏光拡散反射板は更に半反射フィルムの例である。その様な反射板は、低吸収で透明ポリマーのマトリックス内に鏡面反射粒子あるいは薄片を分散して作られ、フィルムやその他の形態を構成する。反射粒子や薄片は厚いフィルムの厚みを通して分布され得るし、あるいは薄い硬化コーティングとして基材表面に設けることもできる。多くの他の拡散反射構造や製造方法も知られている。拡散コーティングはインクジェット印刷、スクリーン印刷、および他の知られた方法で反射板や他の物体に設ける事ができる。拡散接着剤も用いることができ、そこでは拡散は屈折率の異なる粒子、あるいは空隙により生じる。半透過反射器に用いられる拡散反射板は低吸収率と可視波長にわたって20%から80%の平均透過値を持つことが好ましい。
【0032】
半反射フィルムはまた、透過を増し反射を減らす小さな穴あるいは開口のパターンを備えた反射フィルムを含む。これは単に望むパターンで反射フィルムに穴をあけることで実現できる。実質的にここで述べられたどの反射フィルムも出発物質として用いることができ、後に変更してあるいは加工して穿孔あるいは他の開口を設ける。米国特許第7,037,100号(ストロベル(Strobel)ら)および米国特許公開2005/0073070(ゲッチェル(Getschel)ら)はフレイム穿孔フィルムに適した技術を教示している。穴や開口のパターンは均一でも不均一でもよく、後者の場合は穴の位置と寸法は共にランダムあるいは疑似ランダムである。一例では、Vikuiti(商標)ESRフィルムのシートは均一な間隔の丸い穴が開いており、それらの穴は穴と穴の間隔が穴の直径の倍数に等しい六角形配列に位置決めされる。製造の観点からは、半透過反射器を光源(単数または複数)と一直線にする必要がないことが望まれ、従って均一な穴パターンを用い、バックライトの作製中に光源(単数または複数)をそのパターンに対して何ら特別な方法で位置決めしないことが利点である。しかし、あるバックライトの配置では、穴の不均一パターンを用い、他より少ない穴あるいは小さい穴を持つ領域の様な不均一パターンの特定の特徴が光源と一直線に並ぶ様に、半透過反射器を配置することが許容される。更に、或る実施形態では、半透過反射器は個々のストリップあるいは別個の部分に形成されるESRの様な反射フィルムを含み得る。例えば、米国特許第6,974,229号(ウェスト(West)ら)を参照。
【0033】
一般に、開示されたバックライト内の半透過反射器として適した光偏向フィルムは、光の入射方向の1つの機能として光を反射あるいは透過する構造的表面または類似物を形成する様に配列された微小構造を持つフィルムまたは類似物を示す。そのフィルムの片面あるいは両面が構造的表面を持ち得る。有用な構造は線状プリズム、角錐プリズム、錐体、および楕円体を含み、それらの構造は表面から出る突起でも表面に入る窪みの形状でもよい。それらの構造の寸法、形、幾何形状、方向、および間隔は全て半透過反射器、再利用空洞、およびバックライトの性能を最適化する様に選ばれ、それらの個々の構造は対称でも非対称でもあり得る。構造的表面は均一でも不均一でもあり得て、後者の場合はその構造の位置と寸法は共にランダムあるいは疑似ランダムである。寸法、形、幾何形状、方向、および/あるいは間隔の周期的あるいは疑似ランダムな変化により通常の特性を乱して、バックライトの色と輝度の均一性を調整する。ある場合には、大小の構造の分布を持ち、小さい構造は一般に光源の上に一直線になり、大きな構造はその他の位置に設置される様に光偏向フィルムを位置決めすることが有益である。
【0034】
適した光偏向フィルムの例としては、Vikuiti(商標)輝度強調フィルム(BEF)、Vikuiti(商標)透過直角フィルム(TRAF)、Vikuiti(商標)画像指向フィルム(IDF)、およびVikuiti(商標)光照明フィルム(OLF)、これらは全て3M社から入手でき、並びに従来のレンチキュラー線状レンズアレイ、などの市場に出ている1次元(線状)プリズム高分子フィルムが挙げられる。これらの1次元プリズムフィルムでは、プリズム構造の表面は光源の方(図2の負のz方向)を向くことが好ましく、もし半透過反射器が(y−z平面の様な)第1断面では凹型構造を持ち(x−z平面の様な)垂直な第2断面では持たない様な単一曲率であれば、1次元のプリズムフィルムはその構造的表面の線状プリズムが第1平面(例えばy−z平面)に垂直で第2平面(例えばx−z平面)に平行に伸びる様な方向を持つことが好ましい。更に、構造的表面が2次元特性を持つ光偏向フィルムの例として、米国特許第4,588,258号(フープマン(Hoopman))、第4,775,219号(アペルドン(Appeldorn)ら)、第5,138,488号(スチェッヒ(Szczech))、第5,122,902号(ベンソン(Benson))、第5,450,285号(スミス(Smith)ら)、および第5,840,405(シュスタ(Shusta)ら)に開示される様な立方体角部表面形状、3M社から入手できる3M(商標)Scotchlite(商標)反射材料6260ハイグロスフィルムの様な開封された立方体角部シート、米国特許第6,287,670号(ベンソン(Benson)ら)および第6,280,822号(スミス(Smith)ら)に開示される様な逆のプリズム表面形状、米国特許第6,752,505号(パーカー(Parker)ら)および米国特許公開2005/0024754(エプスタインら(Epstein))に開示された構造的表面フィルム、およびビーズ逆反射シートが挙げられる。
【0035】
光偏向フィルムはそれだけで用いることができるし、あるいは他の適した半透過反射器と組み合わせて用いることができる。異なる型の半透過反射器と組み合わせて用いられると、光偏向フィルムは再利用空洞の中に(光源に近づけて)設置することができ、半反射フィルム(例えば、拡散フィルム)あるいは他の光偏向フィルムでもよく、他のフィルムは再利用空洞の外側に設置することができる。もし2つ以上の線状プリズム光偏向フィルムが組み合わされると、それらは整列、非整列、あるいは混合され、1つのフィルムのプリズム方向が他のフィルムのプリズム方向に垂直になる。
【0036】
図2および図2aに戻れば、別個の光源20、22が図式的に示される。殆どの場合は、これらの光源は小さな発光ダイオード(LED)である。この点で、「LED」は、可視、紫外線、又は赤外線にかかわらず、光を放射するダイオードを指す。それは、従来型又は超放射型の種類にかかわらず、「LED」として販売されている非コヒーレントで満たされたあるいは封入された半導体装置含む。もしLEDが紫外光線の様な非可視光を放射するならば、場合によっては可視光を放射する際、短波長光を長波長の可視光に変換する蛍光体を含んで(あるいは離れて置いた蛍光体に照射してもよい)パッケージ化され、場合によっては白色光を放射する装置となる。「LEDダイ」はその最も基本的な形状はLEDであり、すなわち半導体プロセス手続きで作られる個々の構成要素あるいはチップの形状である。構成要素またはチップは、装置を駆動する電圧を加えるのに適した電気接点を含むことができる。構成要素又はチップの個々の層およびその他の機能的要素は、通常、ウェハースケールで形成され、仕上がったウェハーは最終的に個々の小片部に切られて、多数のLEDダイとなる。前面発光および側面発光LEDを含めて、パッケージ化されたLEDの更なる議論は後述される。
【0037】
必要ならば、線状冷陰極蛍光ランプ(CCFL)あるいは熱陰極蛍光ランプ(HCFL)の様な他の可視光発光体が、開示されたバックライトの照明源としての別個のLED光源の代わりにあるいは追加的に用いられることができる。例えば、ある応用では、図1aに示される別個の光源20の列を長い円筒形のCCFLの様な異なる光源、あるいは長さ方向に発光し(LEDダイあるいはハロゲン電球の様な)遠隔活性要素と連結する線状表面発光型の光ガイドと置き換え、別個の光源22の列にも同じ様にすることが望ましい。その様な線状表面発光型の光ガイドの例は米国特許第5,845,038号(ランディン(Lundin)ら)および6,367,941号(リー(Lea)ら)に開示される。ファイバーと連結したレーザーダイオードおよび他の半導体発光体も知られ、これらの場合は光ファイバー導波路の出力端が、開示された再利用空洞の中に、ないしはバックライトの出力領域の後方に配置された、光源として考えられる。同じことは、電球あるいはLEDダイの様な活性要素から受けた光を出す、レンズ、偏向器、狭い光ガイド、およびその類似物などの小さな発光領域を持つ他の受動的な光学要素についても当てはまる。その様な受動的要素の1つの例は側面発光するパッケージ化されたLEDの成形カプセルあるいはレンズである。
【0038】
ここで、図3a〜gには、適した直接照射型バックライトを構成することができる、非常に多種類の異なる幾何学的配置のうち、数例を示す。これらすべての図は、図の面に垂直なx−軸から見た正面図を表している。しかし、この図はまた垂直なy−軸から見た正面図を表すと解釈することもでき、従って、一般に半透過反射器がy−z平面内に単一曲率を持つ実施形態と、並びに半透過反射器がy−zとy−z平面内に組み合わされた曲率を持つ実施形態の両方を描いている。この点で、「曲率」は広く解釈されるべきで、幾何的な円弧に、それどころか曲線形状にも制限されない。
【0039】
図3aは、背面反射器30と組み合わせて、半透過反射器44の中に単一凹型構造により構成されるただ1つの再利用空洞を持つ直接照射型バックライト40を示す。再利用空洞は示される様に深さdと、拡散プレート34の前側表面に置かれた、出力領域16の長さと幅にほぼ等しい長さと幅を持つ。3つの光源45a、45b、45cは空洞42の中に配置され、その各々は単一の光源を表してもよく、あるいはx−軸に平行に伸びる光源の列を表してもよい。発光の輝度と空間分布や角度分布に依っては、光源45a、45b、45cのどれか1つか2つは省略されてもよく、それでも出力領域16で許容できる輝度と輝度均一性を提供する。
【0040】
図3bは、背面反射器30と組み合わせて、半透過反射器56の中に2つの凹型構造により構成される2つの再利用空洞52、54を持つ直接照射型バックライト50を示す。半透過反射器56は2つの凹型構造に相当する2つの部分56a、56bに示される。これらの部分は中間領域53にある半透過反射器の部分で連結されてもされなくてもよい。中間領域53、空洞52の左方向の領域、および空洞54の右方向の領域の存在より分かる様に、空洞52、54は出力領域16の全体を正確には満たさない。にもかかわらず、空洞52,54はそれでもなお出力領域をほぼ満たす寸法であり、出力領域16の平面図の面積の75%、80%、あるいは90%以上を占めることが好ましい。中間領域53の様な、凹型再利用空洞の存在しない出力領域16の後方の領域を合わせた総計は、出力領域の平面図の面積の小さな割合(25%、20%あるいは10%、好ましくは約0%)である。これらの領域は、再利用空洞の近接、再利用空洞から出た光の角度分布、および再利用空洞上部の出力領域の設置位置(例えば拡散プレート34の位置)のおかげで、出力領域16に対する輝度均一性を損なう効果を殆どあるいは全く持たない。ある程度はその領域は存在し、示された実施形態ではそれらは主に出力領域16の周囲に近くあるいは沿って分布し、出力領域の中心部分からは離れている。各々の再利用空洞は図示される様に深さdを持つ。2つの光源55a、55bは空洞52の中に配置され、2つの光源55c、55dは空洞54の中に配置されるが、空洞毎に1つの光源でも十分な場合もある。これらの図示された光源は単一の光源を表してもよく、あるいはx−軸に平行に伸びる光源の列を表してもよい。
【0041】
図3cは、背面反射器30と組み合わせて、半透過反射器68の中に3つの凹型構造により構成される3つの再利用空洞62、64、66を持つ直接照射型バックライト60を示す。半透過反射器68は3つの凹型構造に相当する3つの部分68a、68b、および68cに示される。これらの部分は中間領域63a、63bにある半透過反射器の部分で連結されてもされなくてもよく、その面積は小さくすることが好ましい。凹型構造の各々は別個の左と右の半分からなり、各々の半分は背面反射器30に対して凸形状を持つが、2つの半分は一緒になって背面反射器に対して凹型の構造を形成することに注目する。各々の再利用空洞は図示される様に深さdを持つ。光源65a、65b、65cはそれぞれ空洞62、64、66の中に配置される。これらの図示された光源は単一の光源を表してもよく、あるいはx−軸に平行に伸びる光源の列を表してもよい。
【0042】
図3dは、背面反射器30と組み合わせて、半透過反射器78の中に3つの凹型構造により構成される3つの再利用空洞72、74、76を持つ直接照射型バックライト70を示す。半透過反射器78は3つの凹型構造に相当する3つの部分78a、78b、および78cに示される。これらの部分は中間領域73a、73bにある半透過反射器の部分で連結されてもされなくてもよく、その面積は小さくすることが好ましい。凹型構造の各々は別個の左、右、上の部分からなり、上の部分は他の2つの部分に付着機構77により連結されることに注目する。これらの付着機構77は従来設計、例えば成型されたプラスチック構造であり得る。付着機構77はまた透明にも不透明にもでき、図示された相対的な大きさより大きくも小さくもできる。各々の再利用空洞は図示される様に深さdを持つ。光源75a、75b,75cはそれぞれ空洞72、74、76の中に配置される。これらの図示された光源は単一の光源を表してもよく、あるいはx−軸に平行に伸びる光源の列を表してもよい。
【0043】
図3eは、背面反射器30と組み合わせて、半透過反射器89の中に4つの凹型構造により構成される4つの再利用空洞82、84、86、88を持つ、もう1つの直接照射型バックライト80を示す。半透過反射器89は、透明支持体81の上に静置あるいは接着されているが、4つの凹型構造に相当する4つの部分89a〜dに示される。これらの部分は連続した半透過フィルムの部分であってもなくてもよい。各々の再利用空洞は図示される様に深さdを持つ。ある実施形態では、透明支持体81は光源85a〜dに面する意図的な表面構造を持ってもよい。光源85a〜dはそれぞれ空洞82、84、86、88の中に配置される。これらの図示された光源は単一の光源を表してもよく、あるいはx−軸に平行に伸びる光源の列を表してもよい。他の実施形態では、透明支持体81は、光源が空洞を照射できる開口を持つ背面反射器と置き替えてもよく、背面反射器30は光源を実装する回路基板の様な基材と置き替えてもよい。その場合は、再利用空洞の深さは図示されるd’に縮小される。
【0044】
図3fは、2つの外部再利用空洞92a、94aと2つの内部再利用空洞92b、94bを持つもう1つの直接照射型バックライト90を示し、その外部空洞は背面反射器30と組み合わせて第1の半透過反射器96の中に2つの凹型構造により構成され、その内部空洞は同じ背面反射器30の小さい部分と組み合わせて第2の半透過反射器98の中に2つの凹型構造により構成される。半透過反射器96は2つの部分96a、96bの中に示され、それらは中間領域93にある半透過反射器96の部分で連結されてもされなくてもよい。半透過反射器98はまた2つの部分98a、98bの中に示され、それらは同じように中間領域93にある半透過反射器98の部分で連結されてもされなくてもよい。外部と内部の半透過反射器は同じ型の半透過材料、例えば、特定の半反射フィルムあるいは特定の光偏向フィルムを用いることができ、あるいはそれらは、一方にプリズム的光偏向フィルムで他方に穿孔反射板の様に、異なる材料を用いてもよい。外部再利用空洞は図示される様に深さd1を持つ。内部再利用空洞は図示される様に小さい深さd2を持つ。光源95aは外部空洞92aと内部空洞92bとの両方の中に配置され、光源95bは外部空洞94aと内部空洞94bとの両方の中に配置される。これらの図示された光源は単一の光源を表してもよく、あるいはx−軸に平行に伸びる光源の列を表してもよい。
【0045】
図3gは、2つの外部再利用空洞102a、104aと2つの内部再利用空洞102b、104bを持つ更にもう1つの直接照射型バックライト100を示し、その外部空洞は背面反射器30と組み合わせて第1の半透過反射器106の中に2つの凹型構造により構成され、その内部空洞は第2の半透過反射器108の中に2つの凹型構造により構成される。半透過反射器106は2つの部分106a、106bに示され、半透過反射器108も2つの部分108a、108bに示される。図3gは凹型(曲線)構造が、通常は平坦で堅いフィルムを曲げ、固定柱の間に圧縮して保持することで作られる作製方法を例示している。従って、半透過反射器106aと108aは固定柱107a、107bの間に圧縮して保持され、その結果同じ幅だが異なる深さを持つ入れ子になった空洞になる。半透過反射器106bと108bは固定柱107b、107cの間に圧縮して保持され、同様にその結果同じ幅だが異なる深さを持つ入れ子になった空洞になる。外部と内部の半透過反射器は同じ型の半透過材料、例えば、特定の半反射フィルムあるいは特定の光偏向フィルムを用いることができ、あるいはそれらは、一方にプリズム的光偏向フィルムで他方に穿孔反射板の様に、異なる材料を用いてもよい。外部再利用空洞は深さd1を持ち、内部再利用空洞は小さい深さd2を持つ。光源105aは外部空洞102aと内部空洞102bの両方の中に配置され、光源105bは外部空洞104aと内部空洞104bの両方の中に配置される。これらの図示された光源は単一の光源を表してもよく、あるいはx−軸に平行に伸びる光源の列を表してもよい。
【0046】
図4は再利用空洞モジュール110を示す。モジュール110は、背面反射器119と組み合わされて、半透過反射器118の中に3つの凹型構造が形成された3つの再利用空洞112、114、116を持つ。半透過反射器118は、堅い透明支持体117にコーティングあるいはラミネートされているが、3つの凹型構造に相当する3つの部分118a〜cに示される。半透過反射器118は連続的に示されるが、例えば中間領域115a、115bで、あるいは凹型構造の選択部分で抜き取られた、不連続でもよい。接着剤あるいは他の貼り合わせ機構は、背面反射器119に半透過反射器118を固定するために領域115a、115bおよびモジュール110の左右先端において用いられる。背面反射器119は堅い支持体113にコーティングあるいはラミネートされている。背面反射器119/支持体113の組み合わせは、物理的な穴や細孔、あるいは光透過フィルムや他の材料の一部である、開口111a〜cを持つ。その開口は適した光源を受容する寸法であり、モジュール110を配列された光源の上に単純に降ろして定置して、バックライトを早く容易に作製できる。単一モジュール110は3つの光源あるいは3つの光源列を持つバックライトを構成する様に用いることができ、複数のモジュールはより大きなバックライトに用いることもでき、例えば、2つのモジュール110は6つの光源あるいは6つの光源列を持つバックライトを構成するために並べて用いることができる。各々の再利用空洞は図示される様に深さdを持つ。
【0047】
図5は図4のモジュールに似た再利用空洞モジュール120を示すが、モジュール120は再利用空洞122を1つだけ持つことが異なる。空洞122は、背面反射器126と組み合わせて、半透過反射器124の中に1つの凹型構造が形成される。半透過反射器124は堅い半透明支持体125にコーティングあるいはラミネートされる。半透過反射器124は連続的に示されているが、例えば、x−軸に平行に伸びるモジュールの反対側の端部あるいは凹型構造の選択部分で抜け落ちた、不連続でもよい。接着剤あるいは貼り合わせ機構は背面反射器126に半透過反射器124を固定するためにモジュール110の端部に沿って用いることができる。背面反射器126は堅い支持体127にコーティングあるいはラミネートされている。背面反射器126/支持体127の組み合わせは、物理的な穴、あるいは光透過フィルムや他の材料の一部である開口128a〜dを持つ。その開口は適した光源を受け入れる寸法であり、モジュール120を配列された(この場合は1列)光源の上に単純に降ろして定置して、バックライトを早く容易に作製できる。単一モジュール120は1列になった4つの光源を持つバックライトを構成するのに用いることができ、複数個のモジュール120もより大きなバックライトに用いられ、例えば、4つの光源をn列(ここでnは任意の正の整数、あるいは4mの光源をn列、ここでmも任意の整数)を持つバックライトを構成するために縦におよび/あるいは横に並べて定置される。再利用空洞122は図示される深さd、長さLおよび幅Wを持つ。
【0048】
異なる設計のモジュール、より一般的には異なる設計の空洞は、与えられたバックライトに合う様に混合され、および調和される。与えられたバックライト内の複数個の空洞は平面図において同じ形を持つ必要はなく、同じ長さ、幅、または深さを持つ必要もなく、同じ方向に並ぶ必要もなく、また同じ半透過材料あるいは背面反射材料を用いる必要もない。また、空洞が同じ幾何学的および光学的特性を持つかどうかは問わず、同数の光源あるいは同じ型の光源を持つ必要もない。空洞の(および空洞モジュールの)寸法、位置、方向、および他の特性はバックライトの望む特性を引き出す様に選ばれる。
【0049】
再利用空洞は平面図において長方形の外形を持つ必要はない。例えば、図5の再利用空洞122は、空洞を中央に近接した開口128b、128cでは広く、端に近接した開口128a、128dでは狭くして、たる型平面外形を形成する様に修正されることができ、あるいは空洞は砂時計型の平面外形を形成する様に中央は狭く端を広く作ることもできる。
【0050】
図6および7は異なる直接照射型バックライトの正面すなわち平面図であり、複数の光再利用空洞をパネルの出力領域の後方に設置することを示している。各々のバックライトの出力領域は16:9のアスペクト比を持ち、これは現在、LCDテレビでは普通である。図6では、バックライトの出力領域130は配列された6つの再利用空洞132a〜fでほぼ満たされている。各々の空洞は背面反射器に対向する凹型構造を構成する様に形成された半透過反射器により構成される。この半透過反射器はx−z平面では1の凹型構造を、y−z平面ではもう1の凹型構造を規定するように形成され、前者は各々の再利用空洞の幅Wを規定し後者は長さを規定する。光源134は再利用空洞の中あるいは背面反射器の後方に配置される。
【0051】
図6はまた、半透過反射器は1つ以上の線状トンネル型の構造を規定する単一曲率を持つが、垂直分離板が再利用空洞を分離領域あるいは補助空洞に分ける様に半透過反射器と背面反射器の間に配置される様な、実施形態を示す様に構成される。例えば、半透過反射器は出力領域130の上下端の間のx−z平面内に、幅2Wと長さ3L(WとLは図6に図示される)の再利用空洞を構成する単一凹型構造を形成するが、ただし垂直分離板は、高反射率材料で作られることが好ましく、鏡面でも拡散的でもよく、別個の領域すなわち空洞132a〜fを規定する波線で示される様に、半透過反射器と背面反射器の間に配列される。他の例として、半透過反射器は、各々が幅Wと長さ3L(WとLは図6に図示される)を持つ2つの再利用空洞を構成する様に、x−z平面内に2つの隣接する凹型構造を形成するが、ただし垂直分離板は、第1の空洞を3つの空洞132a−cに分離し、第2の空洞を3つの空洞132d〜fに分離する様に半透過反射器と背面反射器の間に設置される。更に他の例では、半透過反射器は、各々が幅Lと長さ2W(WとLは図6に図示される)を持つ3つの再利用空洞を構成する様に、y−z平面内に隣接する凹型構造を構成するが、ただし垂直分離板は各々の空洞を2つの空洞に分離する様に半透過反射器と背面反射器の間に配置される。
【0052】
図7では、パネル出力領域140は配列された10個の六角形の再利用空洞142a〜jによりほぼ満たされる。各々の空洞は背面反射器に対向する凹型構造を構成する様に形成された半透過反射器により構成される。この半透過反射器はx−z平面では1の凹型構造を、y−z平面ではもう1つの凹型構造を規定するように形成され、前者は各々の再利用空洞の幅Wを規定し後者は長さLを規定する。光源144は再利用空洞の中あるいは背面反射器の後方に配置される。
【0053】
長方形や六角形以外に、単純な曲線でも複雑な曲線でも、他の平面図形状を再利用空洞に用いることができる。多角形(三角形、台形、五角形など)、円、楕円、および如何なる他の望ましい形が考えられる。その幾何形状はバックライトの高効率や輝度や色均一性を達成するように合わせて作られる。
【0054】
前に述べた様に、凹型半透過反射器と背面反射器により構成される再利用空洞は、z−方向に比較的浅く(すなわち深さdが小さい)横方向に比較的広いことが望ましい。特定の空洞の深さdは、出力領域に垂直な軸に沿った、すなわちz−方向に沿った、背面反射器と半透明器の間の空洞内の最大間隔を表す。空洞の幅(W)は次の様に測定される空洞の横方向寸法を表す。先ず平面図の空洞の形(例えば図6および7)では、空洞の幅は平面図空洞形状を外接して囲む最小矩形の小さい方の寸法である。開示された再利用空洞は2dより大きな幅Wを持つことが望ましく、好ましくは少なくとも5dあるいは10d以上である。空洞の長さ(L)は平面図空洞形状を外接して囲む最小矩形の大きい方の寸法を表す。特別な場合には最小矩形は正方形であり、その場合はL=Wである。
【0055】
開示された再利用空洞の1つ以上を用いるバックライト、および特に別々の空洞の領域や配列をもつバックライトは、自身の光源により照射され、その光源は隣接する空洞内の光源とは別々に制御あるいは駆動され、バックライトの出力領域に対して輝度および/あるいは色分布が意図して不均一である動的コントラストディスプレイ技術や色逐次ディスプレイ技術を支える適した駆動エレクトロニクスと共に用いることができる。従って、出力領域の別々の領域は他の領域より明るくあるいは暗く制御することができ、あるいはその領域は、異なる再利用空洞内の別々の光源の適当な制御により簡単に、異なる色で発光できる。
【0056】
開示された凹型再利用空洞は多様な組み立て方法や技法を用いてバックライトに作り上げることができる。
【0057】
1つの方法では、半透過フィルムの一体物がバックライト容器の全幅にわたり、そこではフィルムの端は、凹型トンネル状構造を構成するように、容器の側壁の間に挟まれあるいは物理的に貼り付けられる。この方法は比較的小さなディスプレイに特に適する。
【0058】
薄くて広いバックライトユニットの場合は、複数の凹型トンネル状構造を用いることが有利である。半透過フィルムに刻み目を入れることは、すなわち1つ以上の線に沿ってフィルム厚みの一部を切り抜くことは、凹型構造の境界を規定する便利な手法と分かってきた。もう1つの有用な手法は1つ以上の線に沿って折り畳むことで半透過フィルムに折り目をつけることである。刻み目を入れることおよび折り目をつけることは、フィルムを折り畳み易い決まった位置を与えることで、単一のフィルムから複数の凹型構造を組み立てる助けとなる。レーザー方法、熱線あるいは熱ナイフの様な熱的方法、および既知のキスカッティング手法を含む、何らかの既知の刻み手法により刻み目を入れることができる。
【0059】
単一フィルムから形成される複数のトンネル状構造を用いる時は、フィルムをバックライト容器の裏面、側壁、あるいは裏面と側壁の両方に物理的に取り付けることで、安定で丈夫な構造を持つフィルムを提供できる。凹型フィルムをバックライトに物理的に取り付ける方法の例には、限定されないが、フィルムの刻み目を付けた部分をリベット、ねじ、逆U字クギ、熱または超音波スポット溶接で裏面にピン止め、裏面に閉まるプラスチックピン(これはSONY(商標) Qualia LED LCDテレビの様に、拡散プレートを支持することにも用いられる)、バックライトの側壁に閉まるピンやフィルムの刻み目を付けた面を裏面に締め付けるピン、裏面上の細長い接着剤などが挙げられる。
【0060】
凹型フィルムの端は、凹型構造の形を規定する助けとなるバックライト容器の側壁反射板に成形された状態あるいは細長い孔に、取り付けられる。あるいは、フィルムは十分堅く準備され、凹型構造が側壁あるいは反射裏面の前もって決められた孔にはまることができる。半透過反射器の剛性と堅さは、一般に、半透過反射器の少なくとも一部にひだを付けることで高められる。それ自身では十分な堅さを持たない半透過反射器は適した表面形状を持つ透明支持体と組み合わされる(例えば上に置く)こともできる。
【0061】
刻み目を付けたフィルムをバックライト容器に固定するもう1つの方法は、容器の側壁構造に成形される、あるいは容器の側壁にはまる、支持部材を用いることを伴う。この方法は、バックライトの長さと幅の寸法にわたる、容器の側壁に前もって決められた位置にはまる透明ポリマー棒を用いることができ、従って半透過反射器を前述の手法を用いて端に固定されるフィルムと縫合あるいはネジ止めできる案内部を与える。あるいは、その棒は細い案内線で置き換えることができる。この方法は、フィルムが通常は非対称形状になることに抵抗する場合に、非対称凹型構造を作ることに特に有用である。
【0062】
半透過反射器に凹型構造を形成するもう1つの方法は、半透過反射器が背面反射器に接触あるいは殆ど接触しようとする位置に相当する前側拡散プレートの裏側上の、前もって決められた場所にプラスチックピンを定置することである。バックライトの組み立て中は、ピンは、その端でバックライト容器に取り付けられる半透過反射器を、ピンの位置で決められる1つ以上の凹型形状に形成するために、可撓性半透過フィルムに接触できる。
【0063】
凹型構造を形成する他の方法は、バックライトから分離されたモジュールを作ることを伴う。半透過反射器が不連続の反射裏面片に点で取り付けられ、ひとつになって開口を光源用に残すよう、図4に示されたものに似たモジュールを作ることができる。図4に示された様な背面反射器の分離された部分は、z−折のヒンジで連結されることもでき、ヒンジが伸びれば半透過反射器は出荷目的で平たく置くことができ、ヒンジが折り畳まれれば凹型構造が形成されて光源用の開口が残される。モジュールのもう1つの形式は図5に示され、そこでは背面反射器は、定まった長さを持ち、光源が突き出ることのできる開口を持つ、3M社のESRフィルムの様な反射フィルムであり得る。背面反射フィルムより広い半透過フィルムが導入され、その2つのフィルムは2つの反対側の端に沿って貼り合わせ、あるいは溶接されて、凹型でトンネル状構造を形成する。モジュールは背面反射器の裏面に施された接着剤の様な従来の手段でバックライト容器に取り付けられることができる。
【0064】
凹型構造を形成する他の方法は、同一出願人による名称「凹型半透過反射器と共に光再利用空洞を持つ直接照射型バックライトの形成方法(Methods of forming Direct-lit Backlights having Light Recycling Cavity with Concave Transflector)」(代理人番号61199US002)、米国特許公開60/711,523(2005年8月27日出願)に述べられている。
【0065】
図8〜11は開示されたバックライトに用いることができる幾つかの光源を示すが、それらに限定されるものではない。図示された光源はパッケージ化されたLEDから成る。図8、9、および11の光源は側面発光LEDパッケージを示し、そこではLEDダイからの光は、光源の対称軸に沿う前方向より概して横方向にピーク発光を与える様に、一体化カプセルあるいはレンズ要素により反射および/あるいは屈折される。図10の光源は光偏向器を含むかどうかにより、前方発光になるか側方発光になる。
【0066】
図8では、光源150はフレーム152に搭載され、リード153に電気的に接続されたLEDダイ151を含む。リード153は光源150を回路基板の様なものに電気的にかつ物理的に接続するのに用いる。レンズ154はフレーム152に取り付けられる。レンズ154は、レンズの上部に放射される光が上側表面155で殆ど内部に反射される様に設計され、従って光は上部の底部表面156に入射して装置から屈折して出て行く。レンズの低部157に放射される光も装置から屈折して出て行く。光源150は、レンズ154の上方に実装あるいは上側表面155に取り付けられた、反射材料のディスクの様な光偏向部158も含むことができる。米国特許第6,974,229号(ウェスト(West)ら)を参照。
【0067】
図9では、光源160はリードフレーム161に実装された(図示されない)LEDダイを含む。透明のカプセル162はLEDダイ、リードフレーム161、および電気的リードの一部を包み込む。カプセル162はLEDダイの表面を垂直に保つ平面について反射対称性を示す。カプセルは曲がった表面164で規定される落ち込み163を持つ。落ち込み163は、対称平面を中心として、本質的に線状であり、反射コーティング165が少なくとも表面164の一部に施されている。LEDダイから出た光は反射コーティング165から反射されて反射光線を形成し、今度はカプセルの屈折表面166により屈折されて、屈折光線167を形成する。米国特許第6,674,096号(ソマース(Sommers))を参照。
【0068】
図10では、光源170はリードフレーム173の窪んだ反射面172に配置されたLEDダイ171を含む。電力は、リードフレームからLEDダイ171にワイヤボンド接続を経て、リードフレーム173ともう1つのリードフレーム174により光源に提供される。LEDダイは、その上に蛍光材料175の層を持ち、その組み立て品の全体はレンズ状の前側表面を持つ透明封入エポキシ樹脂の中に埋め込まれる。電力が提供されれば、LEDダイ171の上面が青い光を出す。この青い光のいくらかは蛍光材料の層を通過し、蛍光材料により発せられた黄色い光と合わさって、白色光の出力を生じる。あるいは、蛍光材料の層は省略することができ、光源はLEDダイ171により作られた青い光(必要に応じて他の色)のみを発光する。どちらの場合も、白色あるいは単色の光は光源170の対称軸に沿ったピーク発光を作り出すよう、主として前方向に発光される。しかし、必要ならば、光源170は所望により一般に横にすなわち側面方向に光の方向を変える反射平面を持つ偏向器177を含み、従って光源170を側方発光体に替えることができる。偏向器177はページに垂直な面に対して鏡面対称性を持ってもよく、あるいは封入樹脂176の対称軸と一致する縦軸の回りに回転対称性を持ってもよい。米国特許第5,959,316号(ロワリ(Lowery))を参照。
【0069】
図11では、光源180はパッケージ基板182に支えられたLEDダイ181を持つ。レンズ183は基板182に連結され、パッケージ軸184は基板182とレンズ183の中心を通る。レンズ183の形はLEDダイ181とレンズ183の間の体積184を確定する。体積184はシリコン、あるいは樹脂、空気や気体、または真空の様な適剤で、充たされ密封される。レンズ183はノコギリ歯状の屈折部185と全内部反射(TIR)じょうご部186を含む。ノコギリ歯部は、光がレンズ183からできる限りパッケージ軸184に対して90度に近く出る様に、光を屈折および屈曲させる様に設計されている。米国特許第6,598,998号(ウェスト(West)ら)を参照。
【0070】
図8と10に描かれた偏向器の他に、光源は、2005年8月27日に出願された同一出願人による名称、「2重機能偏向器を備える光源を持つ直接照射型バックライト(Direct-Lit Backlight Having Light Sources With Bifunctional Diverters)」、米国特許公開60/711,522(代理人番号61100US002)に示される2重機能偏向器を含む、他の偏向器を用いることができる。
【0071】
多色光源は、白色光を作り出すか否かによらず、バックライト内で多くの形を取ることができ、それはバックライト出力領域の色と輝度の均一性に異なる効果を持つ。1つの方法において、複数のLEDダイ(例えば赤、緑、青の発光ダイ)は全てリードフレームあるいは他の基材上で互いに近接して実装され、次に、単一レンズ要素を含むこともある、単一パッケージを構成する単一封入材料の中に一緒に包まれる。その様な光源は個々の色の任意の1つを、あるいは全ての色を同時に発光する様に制御される。他の方法では、パッケージ毎に1つだけのLEDダイと1つの発光カラーを持つ、別々にパッケージ化されたLEDが、与えられた再利用空洞に対して一緒に集められ、その集合は青/黄あるいは赤/緑/青の様な異なる色を発光するパッケージ化されたLEDの組を含む。更に他の方法では、その様な個々のパッケージ化された多色LEDは1つ以上の線、配列、あるいは他のパターンに設置されることができる。
【0072】
CCFLやHCFL光源はLED光源より一般に多くの紫外線を発光するが、光源の選択に依存して、背面反射器、半透過反射器、およびバックライトのその他の要素は異なる紫外線量にさらされる。従って、バックライトの構成要素は紫外線吸収剤あるいは安定剤を一体に含んでもよく、あるいは紫外線劣化を小さくする様に選ばれた材料を用いてもよい。もしLEDの様な低紫外線出力光源がバックライトに用いられれば、紫外線吸収剤のようなものは必要なく、広い材料選択が可能になる。紫外線吸収剤や安定剤以外に、半透過反射器は、半透過反射器、再利用空洞、およびバックライトの透過、色、あるいはその他の光学特性を適合させる染料および/あるいは色素を含んでもよい。
【0073】
色の変化を小さくすることはLEDバックライトの重要な課題であり、一般に色センサーと温度センサーを必要とするが、それはLED出力がそれらの両方の要因に影響され得るからである。例えば、3つのRGBのLEDが温度や時間的変化によって異なる発光特性を示す場合に色変化が生じる。LEDの変動を検出するセンサーを用い、LEDや個々のLEDピクセルの強度を補正するように自動的に適合させることが必要な場合がある。センサー位置は、空洞を各々独立に制御することが望ましければ、再利用空洞の中でも構わない。個々の空洞制御が必要なければ、1つ以上のセンサーがトンネルの外に置かれても構わない。適したセンサーは、テキサス州プラノ(Plano)にあるテキサス・アドバンスト・オプティカルソリューション社(TAOS、Texas Advanced Optical Solutions Inc)から入手できるシリコンフォトダイオードの色センサーを含む。
【実施例】
【0074】
テスト装置と仕組み
次の例が特注のLEDバックライト検査台でテストされた。検査台は対角559mm(22インチ)、16:9アスペクト比、LCDテレビ用のLEDを用いたバックライトを模擬実験する様に設計された。検査台はバックライト空洞の側壁を形成する開いた矩形箱型構造を持ち、その構造の長軸は水平に置かれた。箱型構造の内壁には、高反射拡散白色フィルムである、前述したEDR IIフィルムが並べられた。
【0075】
箱型構造の前側は厚さ3mmの拡散白色ポリメチルメタクリレートプレート(Cyro Corp.、ニュージャージ州ロッカウェイ(Rockaway))で作られた取り外し可能な拡散プレートで覆われた。この拡散プレートは現在CCFLやLED方式のテレビ用バックライトに用いられる拡散プレートに似ている。プレートの外側表面は検査台用の出力領域(すなわち、バックライトの出力領域)として機能する。
【0076】
裏面は、その裏面をバックライト空洞の中で異なる深さに調整できる4つの線状スライドの上にある、箱型構造の裏側に取り付けられた。
【0077】
4つのLED棒は拡散プレートに面する裏面の側面で裏面に貼り付けられた。この棒は裏面の幅にわたって水平な2列に整列された。各々の棒は、5つの赤、5つの青、および10個の緑の側面発光Luxeon(商標)LED(ルミレッズ(Lumileds)、カリフォルニア州サンノゼ(San Jose))を、標準プリント基板上で一列に緑−赤−青−緑のパターンで繰り返して配列した。1つの棒のLEDの中心間隔は約12mm。隣接する水平列の中心間隔は152mmとした。
【0078】
1つの棒には、緑、赤、および青のLEDは色毎に電気的に直列に接続され、各々の色の出力は検査台の色バランスを調整できる様に独立に変えることができた。2つの、2チャンネル電力供給が各々の棒に接続された。1つの電力供給チャネルは赤のLEDに駆動電流を提供し、1つのチャネルは青のLEDに電流を提供し、2つのチャネルは各チャネル5つずつの緑のLEDに電流を提供し駆動した。典型的な測定の間は、赤のLEDは約150mAで駆動され、青のLEDは約170mAで駆動され、緑のLEDは約130mAで駆動された。最初の測定の前に、LEDは全て350mAで166時間駆動して「焼き付け」され、その後は検査台からの出力は長時間比較的安定して観察された。
【0079】
ポリカーボネート反射支持プレートはLED回路基板の上の裏面に取り付けられた。反射支持プレートは矩形で検査台構造の内部より少し小さくした。反射支持プレートはLEDのレンズがプレートを通って伸びることができる穴を持った。実装される時に、反射支持プレート上面はLEDのレンズの底と一直線にされた。高反射率な鏡面背面反射フィルム(Vikuiti(商標)3M製ESRフィルム)が反射支持プレートにラミネートされた。次に実装され、フィルム層は実質的に平らかで、バックライトの光学空洞の底表面として作用した(すなわち背面反射器として作用した)。背面反射フィルムの直ぐ下で、支持プレートは、LED列に平行に伸びる線状溝あるいはチャネルが付けられ、またLED列の両側に配置された。2つの選ばれたチャネル(その間に少なくとも1列のLEDがあった)の直ぐ上の背面反射フィルムにスリットを付けることで、選ばれたチャネル間の距離より大きい幅を持つ半透過フィルムが圧縮され、凹型の円弧あるいは弓形を形成し、半透過フィルムの反対側の端が背面反射フィルムのスリットを通って選ばれたチャネルの中に挿入された。再利用空洞はこうして背面反射フィルムと凹型形状の半透過反射器の間に形成された。
【0080】
検査台の性能は比色分析カメラ(ラディアント・イメージング(Radiant Imaging, Inc.)製モデルPM1611、ワシントン州デュバル(Duvall))を用いて測定された。このカメラには105mmのレンズとND2中間密度フィルタが取り付けられた。ラディアント・イメージングにより提供されるソフトはカメラを更正し測定するのに用いられた。色と輝度の更正はスポット放射線器(フォト・リサーチ(Photo Research, Inc.)製モデルPR650、カリフォルニア州チャッツワース(Chatsworth))を用いて行われた。検査台はカメラの前の4mに垂直に置かれた。カメラレンズの軸が拡散プレートに垂直で、近似的に検査台の中心にくるように、検査台はカメラと一直線に並べられた。
【0081】
バックライトの構成は、検査台に適切なフィルム(背面反射器と検査フィルム)を載せ、必要なバックライト空洞厚さ(背面反射プレートの上部と拡散プレートの底の間の間隔として定義される)を実現する様に裏面を適切な位置に置くことで測定された。用いられたバックライト空洞の厚さは18、28、38、および48mmを含む。再利用空洞に対しては、フィルムは特定の幅に切断され、次に裏面に切られたチャネルの中にフィルムの端を押し込むことで裏面に固定され、フィルムの堅さにより円弧を形成しその位置にとどまる。再利用空洞の高さあるいは深さはフィルムの幅と、フィルムが押し込まれるチャネルの間隔で決定される。
【0082】
LEDは点けられ、任意の測定の前に少なくとも90分間温められた。測定は、検査台にテストされるフィルムを配置し、次に比色分析カメラを用いていろいろな深さに裏面を置いた検査台の写真を撮影して行われた。その結果は視覚的に検査され、拡散プレート表面に対する全体の明るさ、輝度均一性、および色均一性の様な特性が分析された。
【0083】
制御
バックライト空洞はESR背面反射器と拡散プレートの間に再利用空洞フィルムを持たずに配置された。バックライト空洞の深さは背面反射器の上部から拡散プレートの底まで28mmであった。
【0084】
出力領域の外観、すなわち拡散プレートの上部、は非常に不均一であった。各々のLEDに相当する画像あるいはにじみおよびそれぞれの色は出力領域ではっきりと見えた。
【0085】
(実施例1)(2つの線状空洞、W/d=6.7)
この例では、再利用空洞は一緒にラミネートされた前述のDRPF偏光フィルムの2層から構成され、その2層の偏光軸は互いに直交した。バックライト空洞はESR背面反射器と層状DRPFフィルムで規定された2つの個々の再利用空洞で形成され、その空洞は円弧の形をとり、その円弧の上部は背面反射器の上方におよそ18mmであった。各々の再利用空洞の幅は約121mmで、それらはバックライト空洞の中に収められ、各々の再利用空洞は上部および底部のそれぞれから約13mm、中間部では約13mmで分離された。LEDはバックライトに対して水平に向けられ、再利用空洞に平行に、再利用空洞の中に設置された。バックライト空洞の深さは背面反射器の上部から拡散プレートの底まで28mmであった。
【0086】
見たところ、この例は輝度と色均一性に関する制御性の改善を示した。
【0087】
(実施例2)(線状空洞、W/d=10.1)
この例では、再利用空洞は半透過反射器として立方体角部光偏向フィルムを用いて形成された。このフィルムは厚さ0.25mm(10ミル)のポリカーボネートシートの単一層であり、このシートは片面の大部分は平滑で、反対面の大部分にはプリズム状の窪みあるいはすきまのパターンが形成された。このプリズム状の窪みのパターンは、3M社から入手できる3M(商標)Scotchlite(商標)反射材料6260高光沢フィルムに用いられる角錐立方体角部配列の逆あるいは相補体であり、その角錐配列の特徴は、(三角形状の底部から立方体角部の頂部までの)高さが約0.09mm(3.5ミル)であり、底部の三角形は55、55、70度の角度を持つ傾斜した立方体角部プリズムであった。この半透過フィルムはフィルムの構造化されたすなわち窪みが形成された面がLEDに面する様に向けられた。バックライト空洞はESR背面反射器と半透過反射器で規定された2つの個々の再利用空洞で形つくられ、その空洞は円弧の形をとり、その円弧の上部は背面反射器の上方におよそ12mmであった。各々の再利用空洞の幅は約121mmで、それらはバックライト空洞の中に収められ、各々の再利用空洞は上部および底部のそれぞれから約13mm、中間部では約13mmで分離された。LEDはバックライトに対して水平に向けられ、再利用空洞に平行に、再利用空洞の中に設置された。バックライト空洞の深さは背面反射器の上部から拡散プレートの底まで28mmであった。
【0088】
見たところ、この例は輝度と色均一性に関する制御性の改善を示した。
【0089】
(実施例3)(1つの線状空洞、W/d=11.5)
この例では、再利用空洞は、2層のラミネートされた、3M社から入手できる、Vikuiti(商標)BEF II 90/50線状プリズム光学フィルムから形成された。このBEF IIフィルムの第1部分は接着剤を用いてBEFIIの第2部分につけられ、第1のBEF IIフィルムの線状プリズムは第2のBEF IIフィルムの線状プリズムに直角に向けられた。米国特許 第6,846,089号(スチーブンソン(Stevenson)ら)に開示される様に、接着剤の薄い層は第1フィルムの平面側に付けられ、第2のフィルムの構造化された側を接着剤に向けてラミネートされた。接着剤層の厚さは第2フィルムのプリズムの尖端のみが接着剤層に埋まる程度であった。両方のBEF IIのプリズムはLEDの方を向き、LEDに最も近いBEF IIフィルムのプリズム方向はLED棒に平行であった。バックライト空洞はESR背面反射器とBEF IIラミネートで規定された単一の再利用空洞で形成され、その再利用空洞は単一の円弧の形をとった。円弧の頂点は背面反射器の上方へ約22mmにあった。再利用空洞の幅は約254mmで、再利用空洞はバックライト空洞の中に収められ、上部および底部のそれぞれから約13mmであった。LEDはバックライトに対して水平に向けられ、再利用空洞に平行に、再利用空洞の中に設置された。バックライト空洞の深さは背面反射器の上部から拡散プレートの底まで28mmであった。
【0090】
見たところ、この例は輝度と色均一性に関する制御性の改善を示した。
【0091】
(実施例4)(2つの線状空洞、W/d=6.7)
この例では、再利用空洞は2層のラミネートされた前述のBEF II光学フィルムから形成された。このBEF IIフィルムの第1部分は接着剤を用いてBEF IIの第2部分につけられ、第1のBEFIIフィルムの線状プリズムは第2のBEF IIフィルムの線状プリズムに直角に向けられた。米国特許 第6,846,089号(スチーブンソン(Stevenson)ら)に開示される様に、接着剤の薄膜は第1フィルムの平面側につけられ、第2フィルムの構造化側はその接着剤に向けられてラミネートを構成した。接着剤層の厚さは第2フィルムのプリズムの尖端のみが接着剤層に埋まる程度であった。両方のBEF IIのプリズムはLEDの方を向き、LEDに最も近いBEF IIフィルムのプリズム方向はLED棒に平行であった。バックライト空洞はESR背面反射器と、円弧の頂点が背面反射器の上方に約18mmである様な円弧の形を持つBEF IIラミネートで規定された、2つの別々の再利用空洞で形成された。各々の再利用空洞の幅は約121mmで、それらはバックライト空洞の中に収められ、各々の再利用空洞は上部および底部のそれぞれから約13mm、中間部では約13mmで分離された。LEDはバックライトに対して水平に向けられ、再利用空洞に平行に、再利用空洞の中に配置された。バックライト空洞の深さは背面反射器の上部から拡散プレートの底まで28mmであった。
【0092】
見たところ、この例は輝度と色均一性に関する制御性の改善を示した。
【0093】
(実施例5)(2つの線状空洞、W/d=9.5)
この例では、再利用空洞は前述の穿孔Vikuiti(商標)ESRフィルムから構成され、これは若干曇ったポリカーボネート基材にラミネートされた。この穿孔ESRフィルムは、表面上に実質的にランダム分布で約0.25mmから0.75mmの範囲の直径の穴を持ち、しかし、これらの穴の中心は穴と穴の間隔を約1.5mm(中心で測定)にした六角格子状に規則正しく配列された。バックライト空洞はESR背面反射器と穿孔ESRFフィルムで規定された2つの別々の再利用空洞で形成され、その再利用空洞は円弧の形をとり、その円弧の頂部は背面反射器の上方におよそ14mmであった。各々の再利用空洞は約133mm幅で、それらはバックライト空洞の中に収められ、各々の再利用空洞は上部および底部の側壁に接し、中間部では約13mmで分離された。LEDはバックライトに対して水平に向けられ、再利用空洞に平行に、再利用空洞の中に設置された。バックライト空洞の深さは背面反射器の上部から拡散プレートの底まで28mmであった。
【0094】
見たところ、この例は輝度と色均一性に関する制御性の改善を示した。
【0095】
測定結果
例1〜5の結果を表1に比較する。各々のバックライト構成に対する相対的な効率パラメータは、その例の平均輝度を対照の平均輝度で割ることで計算され、ここで各々の場合の平均輝度はそれぞれのバックライト出力領域のほぼ全体に対して計算された。輝度不均一パラメータは各々のバックライト構成に対して、輝度の標準偏差をバックライト出力領域のほぼ全体における平均輝度で割って計算された。色不均一パラメーター(Δuv)は各々のバックライト構成に対して、その例の平均色から色の点状偏差として計算され、ここで色はCIEu’v’色空間で表された。すなわち、
【0096】
【数1】
【0097】
ここでNは検査系の画像のピクセル数、u’およびv’は各ピクセルの色座標、u’avgおよびv’avgは平均色座標である。この色不均一性は出力領域全体ではなく、バックライト試作品の上部のLED棒あるいは列を中心とする、長さ26.7cm(10.5インチ)、幅7.6cm(3インチ)の出力領域の矩形部分で測定された。
【0098】
【表1】
【0099】
特に明記しない限り、本明細書と請求項で使用される特徴的なサイズ、量、および物理的性質を表す全ての数は「約」という語によって修飾されていることを理解されたい。したがって、特に記載されない限り、本明細書および請求項に記載される数のパラメータは近似値であり、本願明細書において開示される教示を利用して、当業者によって得られる所望の特性によって変化し得る。更に、「AあるいはB」の開示は、特に明確にあいまいでないように記載されない限りは文脈から、Aのみ、Bのみ、およびAとBの両方を含む様に、語「あるいは」は広く解釈されるべきである。
【0100】
本発明の範囲および精神から逸脱しない、本発明の様々な修正および変更が、当業者には明らかであろうし、本発明は、ここに記載された例示的な実施形態に限定されないことが理解されるべきである。
【0101】
本明細書全体を通して、同じ参照符号が同じ要素を示す添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】バックライトを含むディスプレイシステムの透視分解図。
【図1a】バックライトの出力領域の後方に配置された別個の光源と光再利用空洞の位置も透視的に示す図1と類似の図。
【図2】図1と1aのバックライトの概略側面図。
【図2a】バックライトの選択された構成要素のみを示し、光源から放射された光線が如何に空洞の中で再利用され半透過反射器から放射されるかを示す図2と類似の図。
【図2b】再利用空洞の背面反射器の後方に設置された光源を示す断片図。
【図3a】付加的なバックライトの概略側面図。
【図3b】付加的なバックライトの概略側面図。
【図3c】付加的なバックライトの概略側面図。
【図3d】付加的なバックライトの概略側面図。
【図3e】付加的なバックライトの概略側面図。
【図3f】付加的なバックライトの概略側面図。
【図3g】付加的なバックライトの概略側面図。
【図4】バックライトに用いる再利用空洞モジュールの概略側面図。
【図5】バックライトに用いる他の再利用空洞モジュールの概略側面図。
【図6】複数の光再利用空洞をバックライトの出力領域の後方に設置することを示す異なるバックライトの正面図。
【図7】複数の光再利用空洞をバックライトの出力領域の後方に設置することを示す異なるバックライトの正面図。
【図8】開示されたバックライトの中の光源として用いることができる多種のパッケージ化されたLEDを示す図。
【図9】開示されたバックライトの中の光源として用いることができる多種のパッケージ化されたLEDを示す図。
【図10】開示されたバックライトの中の光源として用いることができる多種のパッケージ化されたLEDを示す図。
【図11】開示されたバックライトの中の光源として用いることができる多種のパッケージ化されたLEDを示す図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力領域を有する直接照射型バックライトであって、
背面反射器と、
入射光線を部分的に透過し且つ部分的に反射する半透過反射器であって、前記背面反射器に対向する少なくとも1つの凹型構造を構成する様に形成されて、前記凹型構造と前記背面反射器との間に前記バックライトの前記出力領域を実質的に満たす1つ以上の再利用空洞を提供する半透過反射器と、
光を前記1つ以上の再利用空洞の中に注入する様に前記出力領域の後方に配置された少なくとも1つの光源とを備え、
再利用空洞の各々は、深さdと幅Wを有し、Wは、dの少なくとも2倍であるか、又は、
前記半透過反射器は、光偏向フィルム、偏光フィルム、穿孔反射フィルム、鏡面反射フィルム、およびそれらの組み合わせの群から選ばれたフィルムを備える、
直接照射型バックライト。
【請求項2】
前記半透過反射器は、偏光フィルムを備える請求項1に記載のバックライト。
【請求項3】
前記少なくとも1つの凹型構造は、前記1つ以上の再利用空洞の境界を形成し、再利用空洞の各々は、各々の前記境界の中に、再利用された光を実質的に閉じ込める請求項1に記載のバックライト。
【請求項4】
前記少なくとも1つの光源は、複数の光源を含み、少なくとも2つの光源は、1つ以上の再利用空洞の1つの中に光を注入する請求項1に記載のバックライト。
【請求項5】
前記少なくとも1つの光源が、前記1つ以上の再利用空洞の中に配置されるか、あるいは前記背面反射器の後方に配置されている請求項1に記載のバックライト。
【請求項6】
再利用空洞の各々は、深さdと幅Wを有し、Wは、dの少なくとも5倍である請求項1に記載のバックライト。
【請求項7】
再利用空洞の各々は、中空である請求項1に記載のバックライト。
【請求項8】
前記少なくとも1つの凹型構造は、本質的に単一の凹型構造から成り、前記1つ以上の再利用空洞は本質的に単一の再利用空洞から成る請求項1に記載のバックライト。
【請求項9】
前記少なくとも1つの凹型構造は、複数の凹型構造を含み、前記1つ以上の再利用空洞は、複数の再利用空洞を含んでいる請求項1に記載のバックライト。
【請求項10】
前記凹型構造の各々は、第1平面内で凹型の断面形状を有し、第1平面に垂直な第2平面内で実質的に平らな断面形状を有する請求項9に記載のバックライト。
【請求項11】
前記凹型構造の各々は、第1と第2の互いに垂直な平面の両方において凹型の断面形状を有する請求項9に記載のバックライト。
【請求項12】
再利用空洞の各々は、前記出力領域のディメンジョンにわたって延びている請求項9に記載のバックライト。
【請求項13】
前記少なくとも1つの光源は、複数個のLEDを備える請求項1に記載のバックライト。
【請求項14】
前記複数個のLEDは、異なる色で発光するLEDを備える請求項13に記載のバックライト。
【請求項15】
前記半透過反射器は、前記背面反射器に対向する複数個の凹型構造を構成する様に形成されて複数個の再利用空洞を提供し、再利用空洞の各々に、その再利用空洞の中に光を注入する様に前記出力領域の後方に少なくとも1つのLEDが設けられる請求項13に記載のバックライト。
【請求項16】
前記半透過反射器は本質的に、半反射フィルムおよび光偏向フィルムの群から選択される構造から成る請求項1に記載のバックライト。
【請求項17】
前記半透過反射器は、半反射フィルム、光偏向フィルム、およびそれらの組み合わせの群から選択される2つのフィルムを含んでいる請求項1に記載のバックライト。
【請求項18】
前記半透過反射器は、刻み目が付けられたフィルムを備える請求項1に記載のバックライト。
【請求項19】
前記半透過反射器は、圧縮保持されたフィルムを備える請求項1に記載のバックライト。
【請求項20】
ディスプレイパネルと請求項1に記載のバックライトとを備えるディスプレイシステム。
【請求項21】
前記ディスプレイパネルは、液晶ディスプレイ(LCD)を備える請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記システムは、LCDテレビを備える請求項21に記載のシステム。
【請求項1】
出力領域を有する直接照射型バックライトであって、
背面反射器と、
入射光線を部分的に透過し且つ部分的に反射する半透過反射器であって、前記背面反射器に対向する少なくとも1つの凹型構造を構成する様に形成されて、前記凹型構造と前記背面反射器との間に前記バックライトの前記出力領域を実質的に満たす1つ以上の再利用空洞を提供する半透過反射器と、
光を前記1つ以上の再利用空洞の中に注入する様に前記出力領域の後方に配置された少なくとも1つの光源とを備え、
再利用空洞の各々は、深さdと幅Wを有し、Wは、dの少なくとも2倍であるか、又は、
前記半透過反射器は、光偏向フィルム、偏光フィルム、穿孔反射フィルム、鏡面反射フィルム、およびそれらの組み合わせの群から選ばれたフィルムを備える、
直接照射型バックライト。
【請求項2】
前記半透過反射器は、偏光フィルムを備える請求項1に記載のバックライト。
【請求項3】
前記少なくとも1つの凹型構造は、前記1つ以上の再利用空洞の境界を形成し、再利用空洞の各々は、各々の前記境界の中に、再利用された光を実質的に閉じ込める請求項1に記載のバックライト。
【請求項4】
前記少なくとも1つの光源は、複数の光源を含み、少なくとも2つの光源は、1つ以上の再利用空洞の1つの中に光を注入する請求項1に記載のバックライト。
【請求項5】
前記少なくとも1つの光源が、前記1つ以上の再利用空洞の中に配置されるか、あるいは前記背面反射器の後方に配置されている請求項1に記載のバックライト。
【請求項6】
再利用空洞の各々は、深さdと幅Wを有し、Wは、dの少なくとも5倍である請求項1に記載のバックライト。
【請求項7】
再利用空洞の各々は、中空である請求項1に記載のバックライト。
【請求項8】
前記少なくとも1つの凹型構造は、本質的に単一の凹型構造から成り、前記1つ以上の再利用空洞は本質的に単一の再利用空洞から成る請求項1に記載のバックライト。
【請求項9】
前記少なくとも1つの凹型構造は、複数の凹型構造を含み、前記1つ以上の再利用空洞は、複数の再利用空洞を含んでいる請求項1に記載のバックライト。
【請求項10】
前記凹型構造の各々は、第1平面内で凹型の断面形状を有し、第1平面に垂直な第2平面内で実質的に平らな断面形状を有する請求項9に記載のバックライト。
【請求項11】
前記凹型構造の各々は、第1と第2の互いに垂直な平面の両方において凹型の断面形状を有する請求項9に記載のバックライト。
【請求項12】
再利用空洞の各々は、前記出力領域のディメンジョンにわたって延びている請求項9に記載のバックライト。
【請求項13】
前記少なくとも1つの光源は、複数個のLEDを備える請求項1に記載のバックライト。
【請求項14】
前記複数個のLEDは、異なる色で発光するLEDを備える請求項13に記載のバックライト。
【請求項15】
前記半透過反射器は、前記背面反射器に対向する複数個の凹型構造を構成する様に形成されて複数個の再利用空洞を提供し、再利用空洞の各々に、その再利用空洞の中に光を注入する様に前記出力領域の後方に少なくとも1つのLEDが設けられる請求項13に記載のバックライト。
【請求項16】
前記半透過反射器は本質的に、半反射フィルムおよび光偏向フィルムの群から選択される構造から成る請求項1に記載のバックライト。
【請求項17】
前記半透過反射器は、半反射フィルム、光偏向フィルム、およびそれらの組み合わせの群から選択される2つのフィルムを含んでいる請求項1に記載のバックライト。
【請求項18】
前記半透過反射器は、刻み目が付けられたフィルムを備える請求項1に記載のバックライト。
【請求項19】
前記半透過反射器は、圧縮保持されたフィルムを備える請求項1に記載のバックライト。
【請求項20】
ディスプレイパネルと請求項1に記載のバックライトとを備えるディスプレイシステム。
【請求項21】
前記ディスプレイパネルは、液晶ディスプレイ(LCD)を備える請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記システムは、LCDテレビを備える請求項21に記載のシステム。
【図1】
【図1a】
【図2】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図3g】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1a】
【図2】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図3g】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2009−506499(P2009−506499A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527939(P2008−527939)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/030485
【国際公開番号】WO2007/027364
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/030485
【国際公開番号】WO2007/027364
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
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