説明

分光器の感度調整方法及び分光器

【課題】感度が不均一になった光センサアレイの感度を調整し、感度不均一性を解消すること。
【解決手段】発振段レーザ10と増幅段レーザ11から構成される2ステージレーザ装置の増幅段レーザ11を単体発振させ、エタロン1bの自由スペクトル幅(FSR)よりも広いスペクトル幅を有する光を発生させる。この光は、スペクトル計測器1に入射し、エタロン1bなどを介してCCDセンサ1dのセンサ面に入射する。CCDコントローラ2の補正係数・定数演算部2bは、CCDセンサ1dのチャンネル毎に、劣化を補正する補正係数・補正定数を演算し、これに基づき可変ゲイン手段2cのゲインを制御して、CCDセンサ1dのチャンネル毎に感度を補正して、感度を均一化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は狭帯域発振エキシマレーザ装置等のスペクトル測定・計測に使用される分光器の感度調整方法及び分光器に関する。
【背景技術】
【0002】
光の波長分布等を計測する分光器は様々な分野で使用されており、例えば、半導体リソグラフィー用光源である狭帯域エキシマレーザ装置の出力レーザ光のスペクトル計測に使用される。
狭帯域発振するエキシマレーザの波長計測技術については、例えば特許文献1に記載されている。同文献にも記載されるように、露光用エキシマレーザ装置では、エタロン等を用いたモニターモジュールにより、中心波長を計測している。このモニターモジュールでは、ビームスプリッターによりレーザ光の一部を分岐し、その分岐光をエタロンに通したフリンジ(干渉縞)波形より、波長等を計測する。
【0003】
図6に上記分光器の光学系の概要図を示す。
同図は、例えば図6(a)に示す発振段用レーザ及び増幅段用レーザを備えたツインチャンバ(2ステージ方式)のレーザ装置の出力レーザ光のスペクトルを計測する場合を示している。
ツインチャンバ(2ステージ方式)のレーザ装置は、高出力化の要求に答えるため、高光品位(スペクトル性能など)、小出力のレーザ光をつくる発振段レーザ10と、そのレーザ光を増幅する増幅段レーザ11で構成されている(ツインチャンバのレーザ装置については例えば特許文献2、3等参照)。
同図において、発振段レーザ10と増幅段レーザ11から構成されるツインチャンバ方式のレーザ装置にモニタモジュール12を設け、その出力レーザ光の一部をビームスプリッター13により分岐し、その分岐光をモニタモジュール12に設けられたスペクトル計測器1に取り込む。
【0004】
スペクトル計測器1に取り込まれたレーザ光(計測光)は、同図(b)に示すように、入射系レンズ1aで集光され、エタロン1bに入射する。エタロン1bから出た光を結像系レンズ1cにより集光することにより、そのレーザ光の波長に応じた半径を有する同心円(フリンジパターン)が現れる。そのフリンジパターンの位置にCCDセンサなどのラインセンサを置くことにより、図6(c)に示すような光強度分布を得ることができる。この光強度のピークを示す半径等から例えばレーザ光の発振中心波長を計算することができる。
【特許文献1】特開平6−188502号公報
【特許文献2】特開2001−24265号号公報
【特許文献3】特開2004−342964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
狭帯域発振エキシマレーザ装置においては、スペクトル線幅を安定して計測するため、高精度のスペクトル計測器(分光器)が要求されている。また、長期間のエキシマレーザ計測により測定精度が悪化しない耐久性が必要とされる。
しかしながら、長期の紫外線測定により、CCDセンサ等の光センサアレイの劣化が発生し、センサ感度の不均一化が測定精度に影響を与える問題が生じた。
図7は、フリンジパターンをCCDセンサなどの光センサアレイで計測する際に生ずる光センサの劣化を説明する図である。
フリンジパターンは、位置によって光強度に強、弱があり、これを光センサアレイで計測する場合、チャンネル毎に入射する光強度が異なる。このため、同図(a)に示すように強い光が入射する部分のセンサチャンネルの感度は他の部分より劣化の進行が速い。
このため、同図(b)に示すように、光強度が強いフリンジのピーク位置では劣化の進行が速く、光センサの感度の不均一化が発生する。
【0006】
感度が低下したセンサ部分で線幅を測定した場合、本来のフリンジ波形に対して形状が変わってしまうため、間違った線幅を計測してしまう。
劣化した光センサで計測した場合、例えば、図8(a)(b)に示すように、本来のフリンジ波形よりピーク値を低く計測したり、線幅を小さく計測してしまう。
フリンジは波長によって位置が変わるため、波長を変えた場合、フリンジの形状はセンサの感度に依存して、様々に変化する。この変化に伴い、計測値も本来の線幅に対して大きい値を示したり、逆に小さい値を示すことがあるため、センサの劣化により線幅計測値の波長依存性が大きくなってしまう問題があった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、感度が不均一になった光センサアレイの感度を調整し、感度不均一性を解消することができる分光器の感度調整方法及び、そのような機能を備えた分光器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を本発明においては、次のように解決する。
(1)分光手段を通過した光を光センサアレイで検出し、光センサアレイの出力に基づきスペクトルを計測する分光器の感度調整方法において、上記分光手段の自由スペクトル幅(FSR:フリースペクトラルレンジ)よりも広いスペクトル幅を有する光を分光手段に入射させて、この分光手段を通過した光を上記光センサアレイで検出し、該検出結果に基づいて光センサアレイの各チャンネルにおける入射光に対する感度を求め、この感度に基づき各チャンネルの補正値を求める。そして、この補正値に基づき、光センサアレイの各チャンネルのゲインを調整する。
例えば、図2に示すように、光センサアレイ1dにおいて、一部のチャンネルの感度が、0.7、0.9、0.6に劣化した場合、チャンネル毎にこの劣化を補正することができるゲインを求め、このゲインをチャンネル毎にかけて、感度を補正して、感度を均一化する。
(2)分光手段と、光センサアレイと、該分光手段の自由スペクトル幅(FSR)よりも広いスペクトル幅を有する光を放射する光源とを備えた分光器において、光センサアレイの各チャンネルのゲインを調整する調整手段を設ける。この調整手段は、上記光源からの光を光センサアレイに入射させ、光センサアレイの各チャンネルにおける入射光に対する感度を求め、該感度に基づき各チャンネルのゲインの補正値を求め、上記補正値に基づき、光センサアレイの各チャンネルのゲインを調整する。
(3)上記(2)において、上記調整手段は、光センサアレイの各チャンネルの平均出力、出力の積算、測定時間、またはパルス数のいずれか、に対する各チャンネルの光感度とオフセットを計算することにより、各チャンネルの感度とオフセットを求め、該各チャンネルの上記光感度とオフセットと、その平均値、最大値または最小値のいずれかに基づき各チャンネルの補正値を求める。
(4)上記(3)において、上記分光器は、パルスレーザ装置に取り付けられ、パルスレーザ装置から出射するレーザ光のスペクトル線幅を計測する。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、分光手段を通過した光を光センサアレイで検出し、該光センサアレイの各チャンネルにおける入射光に対する感度に基づき各チャンネルの補正値を求め、この補正値に基づき、光センサアレイの各チャンネルのゲインを調整するようにしたので、光センサの感度の不均一化を解消することができる。このため、長期間のエキシマレーザ計測において、スペクトル線幅を安定して計測することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は本発明の実施例の構成を示す図であり、同図はツインチャンバ方式(2ステージ方式)のレーザ装置の出力レーザ光のスペクトルを計測する場合の構成を示し、同図(a)はシステムの全体構成、同図(b)はCCDセンサのゲイン調整動作を示している。
図1(a)に示すように、レーザ装置は、狭帯域化手段を備え高光品位で小出力のレーザ光を発生する発振段レーザ10と、そのレーザ光を増幅する増幅段レーザ11で構成され、それぞれ高電圧パルスを発生する電源10a,11aを備える。
レーザ装置の出力側にモニタモジュール12が設けられ、増幅段レーザ11の出力レーザ光の一部がビームスプリッター13により分岐され、その分岐光がモニタモジュール12に設けられたスペクトル計測器1に取り込まれる。
スペクトル計測器1には、図1(b)に示すように、入射系レンズ1a、エタロン(分光手段)1b、結像系レンズ1c、CCDセンサ(光センサアレイ)1dが設けられており、ビームスプリッター13により分岐されたレーザ光は、前記したように、入射系レンズ1aで集光され、分光手段であるエタロン1bに入射する。そして、エタロン1bから出た光は結像系レンズ1cにより集光され、CCDセンサ1d上にフリンジ像(干渉縞)が結像する。
【0010】
スペクトル計測器1により計測されたフリンジ波形はCCDコントローラ2に送られる。CCDコントローラ2は、スペクトル計測器1のCCDセンサ1d等を制御し、CCDセンサ1dにより計測されたフリンジ波形を取り込み、スペクトル演算部2aで出力レーザ光のE95(発振波長を中心にして発振スペクトルが含む光エネルギーの95%が存在する波長幅)等の演算を行う。
レーザコントローラ14は、通常運転時には、発振段レーザ10と増幅段レーザ11を同期制御して、所定のレーザ光を出力させる。
また、各チャンネルの感度が不均一になったCCDセンサ1dの感度を調整し、感度不均一性を解消する際には、発振段レーザ10の電源10aをオフ、増幅段レーザ11の電源11aをオンにして、増幅段レーザ11の単体発振をさせ、広いスペクトル幅を有する光を発生させる。
この光はCCDセンサ1dのセンサ面に入射し、CCDコントローラ2の補正係数・定数演算部2bは、CCDセンサ1dのチャンネル毎に、劣化を補正する補正係数・定数を演算し、これに基づき可変ゲイン手段2cのゲインを制御して、CCDセンサ1dのチャンネル毎に感度を補正して、感度を均一化する。
【0011】
すなわち、CCDセンサ1dの感度補正時、レーザコントローラ14は、上記したように増幅段レーザ11を単体発振させて、増幅段レーザ11から、例えばエタロン1bの自由スペクトル幅(FSR)よりも広いスペクトル幅を有する光Lm(m=1〜n)を放射させる。
この光Lm(m=1〜n)は、ビームスプリッタ13で取り込まれ、図1(b)に示すように、エタロン1b等を介して、CCDセンサ1dに入射する。
CCDコントローラ2は、CCDセンサ1dをスキャンさせ、各チャンネルの出力Pmiを、取り込む。
CCDコントローラ2の補正係数・定数演算部2bは、補正係数Ai、補正定数Biを計算する。そして、CCDセンサの各チャンネルの感度が均一化するように、CCDセンサ1dの出力側に設けられた可変ゲイン手段2cのゲインを調整する。
なお、上記補正係数・定数演算部2b及び可変ゲイン手段2cにより、CCDセンサの各チャンネルのゲインを調整する調整手段を構成する。なお、上記可変ゲイン手段2cは、増幅器などのハードウェアを用いてもよいし、あるいはCCDコントローラ2内でソフトウエアにより実現してもよい。
【0012】
上記補正係数Ai、補正定数Biの計算は次のように行われる。
上述したように、増幅段レーザの単体発振を行なわせ、エタロン1dの自由スペクトル幅(FSR)よりも広いスペクトル幅を有し、光量の異なる光L1〜Ln(以下Lmという。ここでm=1〜n)をスペクトル計測器1に入射する。この光Lmは、CCDセンサ1dのセンサ面に照射される。
その時のセンサチャンネル出力をPmi(i=1〜1024ch)、平均出力をVmとする。ここで、CCDセンサ1dのチャンネルiの数を1024としている。
CCDコントローラ2の補正係数・ 定数演算部2bでは、全てのチャンネルiに対して、以下の(1)式に示される光感度ai とオフセットbi を計算する。
mi=Vm ×ai +bi (光入力とセンサ出力の関係)…(1)
ここで、上記ai ,bi は、以下の(2),(3)式で表される回帰直線の一般式により求まる係数である。また、Vm ,V,Pm は、以下の(4)〜(6)式で表される。
i =Σ(Vm −V)(Pmi−Pm )/Σ(Vm −V)2 …(2)
i =Pm −ai V …(3)
m =ΣPmi/1024,m=1〜n,i=1〜1024 …(4)
V=ΣVm /n …(5)
m =ΣPmi/1024 …(6)
【0013】
以下の(7)〜(10)式により、次に全てのチャンネルの感度ai、オフセットbiが、感度平均aとオフセット平均bになるような補正係数Ai,補正定数Biを、それぞれのチャンネルに対して計算する。
a=Σai /1024 …(7)
b=Σbi /1024 …(8)
i =a/ai …(9)
i =b−(a/ai )/bi …(10)
各チャンネルの補正係数Ai ,補正定数Bi がCCDコントローラ2内で計算され決定される。計算された補正係数、補正定数は、CCDセンサ1dの可変ゲイン手段2cへ送信され、センサ各チャンネルのゲインを変更するゲイン調整を行なうことにより、測定光量が均一化される。
例えば、図2に示すように、CCDセンサ1dの一部のチャンネルの感度が劣化により、0.7、0.9、0.6となっている場合(劣化していない場合の感度1とする)、可変ゲイン手段2cのゲインを調整してA,B,Cとして、上記劣化により低下している感度を補正する。これにより、センサの感度は均一化される。
【0014】
なお、上記実施例では、補正係数・定数計算の際に、平均出力Vmを使用しているが、その他の値、例えば照射時間、照射パルス数、積算出力などを用いてもよい。
また、光入力の水準(nの数)は何個でもよく、水準が増えるほど精度は上がる。さらに、補正係数・補正定数は、各チャンネルの感度、オフセットを均一にする事が目的なので、感度平均、オフセット平均を基準にしなくてもよく、例えば感度MAX、感度MINであってもよい。
また、スペクトル計測器への光入力はレーザ装置に限らず、その他の光源を用いてもよいし、また、CCDセンサのチャンネル数は1024に限られず、何チャンネルでもよい。
【0015】
図3はCCDセンサの各チャンネルの感度のバラツキの一例を示す図である。
図3(a)は光入力がL1,L2の時の各チャンネル出力Pmの一例を示し、V1,V2はそれぞれ光入力がL1,L2の時の全センサのチャンネルの出力平均を示す。同図に示すように、チャンネルごとの感度にバラツキがあることがわかる。
図3(b)は、各チャンネルの平均出力V1〜Vmに対する各チャンネル1〜1024のセンサ出力Pmの一例を示し、破線は各チャンネルの平均を示す。
同図に示すように、チャンネル毎に感度が相違し、係数ai ,bi の値が相違しているが、上述したように、各チャンネルの補正係数Ai ,補正定数Bi を求めて補正することにより、センサの感度を均一化することができる。
【0016】
図4は、CCDセンサの感度調整による効果を説明する図であり、図4(a)はCCDセンサの感度調整前後の各チャンネルの感度のバラツキを示す。
同図に示すように、本実施例の感度調整を行なうことにより、各チャンネルの出力特性を、ほぼフラットにすることができる。
図4(b)は、波長に対するE95エラーを示す図である。なお、E95は前述したように光エネルギーの95%が存在する波長幅を言い、E95エラーとは、基準となる計測器で計測したE95の値との差である。図4(b)に示すように、感度調整後にE95エラー値が大きく改善されている。
以上のように、本実施例で説明したように劣化したセンサの感度を均一化することにより、計測誤差の波長依存性を小さくすることが可能となる。
【0017】
図5はCCDセンサの感度補正処理を示すフローチャートであり、図5のフローチャートを参照しながら、ゲイン調整処理についてさらに説明する。
レーザコントローラ14は、発振段レーザ10の電源をオフにして発振段レーザ10を停止させ、増幅段レーザ11を単体発振させる(図2のステップS1)。これにより、増幅段レーザ11はスペクトルの広いレーザ発振モードとなり、スペクトル計測器1のエタロン1bの自由スペクトル幅(FSR)よりも広いスペクトル幅を有する光Lm(m=1〜n)を出力する。
一方、光入力が無いときのCCDセンサ1dの各チャンネルiのセンサ出力が0になるようにゼロ点調整をする(ステップS2)。
ついで、m=1に設定し(ステップS3)、センサの全チャンネルiの出力平均がVmとなる光量の光Lmをレーザ装置から出射させ、ビームスプリッター13を介してスペクトル計測器1に入射する。そして、この光をエタロン1bを介してCCDセンサ1dのセンサ面に照射し、各チャンネルiの出力Pmiを測定する(ステップS4)。
m>nであるかを判定し(ステップS5)、m>nでなければ、mをm+1にして(ステップS6)、ステップ4に戻り、m=2,m=3,m=4,…のようにmを増やしながら上記動作を繰返し、m>nになるとステップS7にいく。
【0018】
上記ステップ4で得た出力平均Vmiに対する各チャンネルの出力Pmiを用いて、CCDセンサの各チャンネルについて、横軸をVm、縦軸をPmとしたときの前記(1)式における傾きaiとオフセットbiを最小自乗法により計算する(ステップS7)。
ついで、前記(7)(8)式により、CCDセンサの全チャンネルiの傾きaiの平均a、オフセットbiの平均bを計算する(ステップS8)。
各チャンネルiの傾きaiとオフセットbiが平均値のa,bとなる補正係数Aiと補正定数Biを、各チャンネルiについて前記(9)(10)式により計算する(ステップS9)。
補正係数Aiと補正定数Biを、CCDセンサの可変ゲイン手段2cに送り、補正係数Aiと補正定数Biを調整して、各チャンネルのゲイン値とオフセット値を変更する(ステップS10)
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例のレーザ装置とスベクトル計測器の構成を示す図である。
【図2】センサの各チャンネルの感度調整を説明する図である。
【図3】CCDセンサの各チャンネルの感度のバラツキの一例を示す図である。
【図4】CCDセンサの感度調整による効果を説明する図である。
【図5】本発明の実施例のセンサの感度補正処理を示すフローチャートである。
【図6】レーザ装置に用いられる分光器の光学系の概要図である。
【図7】フリンジパターンをCCDセンサなどの光センサアレイで計測する際に生ずる光センサの劣化を説明する図である。
【図8】劣化したセンサで計測する場合に生ずる問題点を説明する図である。
【符号の説明】
【0020】
1 スペクトル計測器
1a 入射系レンズ
1b エタロン(分光手段)
1c 結像系レンズ
1d CCDセンサ(光センサアレイ)
2 CCDコントローラ
2a スペクトル演算部
2b 補正係数・ 定数演算部
2c 可変ゲイン手段
10 発振段レーザ
11 増幅段レーザ
10a,11a 電源
12 モニタモジュール
13 ビームスプリッター
14 レーザコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分光手段を通過した光を光センサアレイで検出し、光センサアレイの出力に基づきスペクトルを計測する分光器の感度調整方法であって、
上記分光手段の自由スペクトル幅(FSR)よりも広いスペクトル幅を有する光を上記分光手段に入射させて、分光手段を通過した光を上記光センサアレイで検出し、該検出結果に基づいて光センサアレイの各チャンネルにおける入射光に対する感度を求め、
上記各チャンネルにおける感度に基づき各チャンネルの補正値を求め、
この補正値に基づき、光センサアレイの各チャンネルのゲインを調整する
ことを特徴とする分光器の感度調整方法。
【請求項2】
分光手段と、光センサアレイと、該分光手段の自由スペクトル幅(FSR)よりも広いスペクトル幅を有する光を放射する光源とを備えた分光器であって、
光センサアレイの各チャンネルのゲインを調整する調整手段を備え、
該調整手段は、上記光源からの光を光センサアレイに入射させ、光センサアレイの各チャンネルにおける入射光に対する感度を求め、該感度に基づき各チャンネルのゲインの補正値を求め、
上記補正値に基づき、光センサアレイの各チャンネルのゲインを調整する
ことを特徴とする分光器。
【請求項3】
上記調整手段は、光センサアレイの各チャンネルの平均出力、出力の積算、測定時間、またはパルス数のいずれか、に対する各チャンネルの光感度とオフセットを計算することにより、各チャンネルの感度とオフセットを求め、該各チャンネルの上記光感度とオフセットと、その平均値、最大値または最小値のいずれかに基づき各チャンネルの補正値を求める
ことを特徴とする請求項2に記載の分光器。
【請求項4】
上記分光器は、パルスレーザ装置に取り付けられ、パルスレーザ装置から出射するレーザ光のスペクトル線幅を計測する
ことを特徴とする請求項3に記載の分光器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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