説明

分割式搾り乾燥皿

【課題】
鍋を焼き物とした場合、特願2004-381625の鍋を伴う鍋は製作に多少手間がかかり、また幾分難しくなる、という問題が生じてきた。
しかし、だからといって両者をただ単に分けて、即ち2つのものにしても、高熱のもとで激しい調理に耐え、その後その上で常に絞り作業が行われるであろう、鍋と皿としては、容易に満足の行く物は得られない。
本発明は、この欠点を解決するためになされたものである。
【解決手段】
料理、食器兼用の鍋において、鍋本体と分割可能な、且つ鍋と一体のものとしての接合或は系合部分を備え、具の搾り取り、乾燥を行なう皿を持ち、当該皿のもっとも低いところ付近には、穴(2)が開けてあり、搾り取ったスープ(5)は、前記穴(2)から鍋に帰して再利用出来る事を特徴とする、分割式搾り、乾燥皿(1)単体か、分割式搾り、乾燥皿(1)及び鍋。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍋に鍋としての機能の他に、具を搾り乾燥させる機能をもった、分割可能な皿を付け加え、付け加えた事によって、料理、食事に妨げを生じないようにする技術、そして皿として濡れた具を搾り、かつ排水してスープを鍋に戻す技術、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
土鍋は保温性にすぐれ、寒い季節など、鍋料理は大活躍であるが、継続的に使用する際、タレがだんだん薄くなるという問題がある。従来は、ある程度の間隔で、新しいタレに交換するか、鍋とは別のお皿のうえで搾ってから、そのまま使い続けるか、であった。
しかし、一々新しいタレに交換するのも、面倒かつ勿体ない気がするものであり、一方、別のお皿のうえで搾るにしても、すぐにお皿が水浸しになってしまい、面倒である。
【0003】
こうした要望にこたえる形で考え出されたのが、特願 2004-381625の「搾り、乾燥皿付き鍋」であるが、新たに、鍋を焼き物とした場合、特願2004-381625の鍋を伴う鍋は製作に、多少手間がかかり、また幾分難しくなる、という問題が生じてきた。
【0004】
しかし、だからといって両者をただ単に分けて、即ち2つのものにしても、高熱のもとで激しい調理に耐え、その後その上で常に絞り作業が行われるであろう、鍋と皿としては、容易に満足の行く物は得られない。
【特許文献1】特願2004-381625
【特許文献2】特願2004-188977
【特許文献3】特願2004-195141
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
せっかく鍋料理を食べようと思って鍋の中身の具にこだわっても、鍋、皿、タレがこのままでは、やはり片手落ちの感は否めない。
鍋と皿を分解して2つに分けても、まだ不十分で、両者の接合部分に何か適当な形を持たせるとか、あるいは比較的硬い鍋とは違う何か軟らかい質感のもので接触を和らげる等、の対策が必要となる。
いささか極論ではあるが、これはタレで気楽に美味しくいただく、特願2004-381625の「搾り、乾燥皿付き鍋」全体の、ひとつの欠点であるといえよう。
本発明は、この欠点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
料理、食器兼用の鍋において、鍋本体と分割可能な、且つ鍋と一体のものとしての接合或は系合部分を備えた、具の搾り取り、乾燥を行なう皿を持ち、当該皿の水面より上の、或るいはスープ(5)より上の、もっとも低いところ付近には、穴(2)が開けてあり、搾り取ったスープ(5)は、前記穴(2)から鍋に帰して再利用出来る事を特徴とする、分割式搾り、乾燥皿(1)単体か、分割式搾り、乾燥皿(1)及び鍋。
【0007】
請求項1に記載した、分割式搾り、乾燥皿(1)において、より容易に具の搾り取りが行えるよう、前記皿の上面に凸凹(3)する形状を持たせる事を特徴とする、分割式搾り、乾燥皿(1)。
【0008】
請求項1に記載した、分割式搾り、乾燥皿(1)において、より鍋との柔軟性、屈曲性、弾力性、伸縮性を高めるため、相互の接触部分に柔軟性、屈曲性、弾力性、伸縮性部品を持たせる事を特徴とする、分割式搾り、乾燥皿(1)。
ここで、柔軟性、屈曲性、弾力性、伸縮部品とは、主に天然ゴムと合成ゴム(6)等をさす。
【0009】
請求項1に記載した、鍋において、より分割式搾り、乾燥皿(1)との柔軟性、屈曲性、弾力性、伸縮性を高めるため、相互の接触部分に柔軟性、屈曲性、弾力性、伸縮性部品を持たせる事を特徴とする、鍋。
ここで、柔軟性、屈曲性、弾力性、伸縮部品とは、主に天然ゴムと合成ゴム(6)等をさす。
【0010】
請求項1に記載した、分割式搾り、乾燥皿(1)において、素材、材質を全て柔軟性部品とする事を特徴とする、分割式搾り、乾燥皿(1)。
本発明は、以上の構成よりなる「分割式搾り乾燥皿」である。
【発明の効果】
【0011】
本発明を使用することによって、鍋料理をいただく際、常に十分に搾った具を、温かいままいただくことができ、また料理に際して、高熱のもとで激しい調理に耐えねばならない鍋と皿としても十分にその勤めを果たすことができる。
さらに、タレに多少スープ(5)を混ぜるほうが好みの場合でも、その濃度を好みの位置に保ちやすくなり、多くの場合、タレの交換の必要がなくなると同時に、搾り取ったスープ(5)も鍋に戻して再利用可能となるのである。
これはわずかながらも、食事にかかるゴミを減らすことにも通じ、一石二鳥の案といえるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
鍋を継続的に使用する際問題となる、具の搾り、乾燥を行なう分割式搾り、乾燥皿(1)を、鍋の取手そのものを利用するか、鍋の取手の間のふちか、鍋の中央部に置けるようにする。
ここで、「鍋と一体のものとしての接合或は系合部分を備え、具の搾り取り、乾燥を行なう皿」という際の、「接合或は系合部分」とは分割式搾り、乾燥皿(1)部分と、既存の鍋の形等が、お互いに適合しきれいに収まるよう、即ちかみ合うように、相互に凸凹(4)の形等を作成することを指す。
既成の鍋に後から分割式搾り、乾燥皿(1)部分を新たに加える場合には、分割式搾り、乾燥皿(1)部分だけに凸凹(4)の形を作成し、両者をかみ合わせる。
【0013】
更に、分割式搾り、乾燥皿(1)部分を鍋と分けることによって、新たに両者が互いに相手を、極端な表現に寄れば損傷しあうことを防ぐこと、即ち干渉部分相互間の相性の問題が生じる。
なぜなら、この場合急須等の本体と蓋等の場合と異なり、分割式搾り、乾燥皿(1)の上では、高温のもと搾り作業が常に行われ、それに耐えうる構造、材質が必須となるからである。
即ち、鍋と分割式搾り、乾燥皿(1)部分の接合部分は干渉部分、即ち柔軟性、屈曲性、弾力性、伸縮自在性の部品、即ち、主に天然ゴムか合成ゴム(6)等によって保護されるべき、という考え方にも一理あろう。
【0014】
接合部分に取り付ける干渉部分は鍋の側でも皿の側でもどちらについていてもよいが、多くの場合、火にかかることを考えれば皿の方となることが考えられる。
【0015】
この考え方を進めれば、分割式搾り、乾燥皿(1)部分全体を干渉部分の素材で構成するのも一考である。
【0016】
分割式搾り、乾燥皿(1)の鍋に対する設置の仕方として、凸凹(4)を以って一箇所に限定する方法と、同じく凸凹(4)を以って鍋の縁に沿って円周上に移動自由な方法がある。
【0017】
また、鍋の中央付近に、円柱、角柱状の分割式搾り、乾燥皿(1)を据える、置く場合でも、その設置先の鍋の側を凸凹(4)させる事によって、鍋と一体のものとしての接合或は系合部分を備えて据える、置くこととなる。
この場合、必要に応じて、ネジ巻き状(7,8)、或は角柱状等の抵抗、或は天然ゴムか合成ゴム(6)等の干渉部分を、単独か組み合わせて、よりしっかりと設置する方法もある。
【0018】
分割式搾り、乾燥皿(1)は凸凹(3)していて、そのもっとも低いところ付近には穴(2)が穿ってあり、搾り取ったスープ(5)が再び鍋のなかに帰るようになっている。
【0019】
分割式搾り、乾燥皿(1)部分は鍋と同質である必要はなく、例えば金属製であってもかまわず、そもそも鍋自身も同様であり、鉄鍋、アルミ鍋、ホーロー鍋等何でもよい。
【0020】
分割式搾り、乾燥皿(1)を鍋の内部に備える例を示したが、他に、鍋の形がひょうたん型になる案もあるし、分割式搾り、乾燥皿(1)にあける穴(2)の形も真円である必要はなく、例えば長方形、長円、楕円形などでもかまわない。
これらは、すべて重心の問題としての考えから来ており、重心が鍋の中心線上に来るようにする為である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】搾り、乾燥皿付き鍋の斜図(皿の設置先を鍋の縁に沿って円周上に移動自由とする方法)
【図2】搾り、乾燥皿付き鍋の側方断面図(皿の設置先を鍋の縁に沿って円周上に移動自由とする方法)
【図3】搾り、乾燥皿付き鍋の斜図(皿の設置先を一箇所に限定する方法)
【図4】搾り、乾燥皿付き鍋の側方断面図(皿の設置先を一箇所に限定する方法)
【図5】凸状の鍋の底をもつ搾り、乾燥皿付き鍋の側方断面図(円柱)
【図6】凹状の鍋の底をもつ搾り、乾燥皿付き鍋の側方断面図(円柱)
【図7】凸状の鍋の底をもつ搾り、乾燥皿付き鍋の斜図(四角柱)
【図8】凹状の鍋の底をもつ搾り、乾燥皿付き鍋の上方平面図(四角柱)
【符号の説明】
【0022】
1 分割式搾り、乾燥皿
2 穴
3 凸凹(分割式搾り、乾燥皿の内部上面)
4 凸凹(分割式搾り、乾燥皿と鍋の接合部分)○印で図示
5 スープ
6 天然ゴムか合成ゴム(ゴム)
7 ネジ巻き状の芯
8 ネジ巻き状の穴
9 凸状の鍋の底
10凹状の鍋の底

【特許請求の範囲】
【請求項1】
料理、食器兼用の鍋において、鍋本体と分割可能な、且つ鍋と一体のものとしての接合或は系合部分を備えた、具の搾り取り、乾燥を行なう皿を持ち、当該皿の水面より上の、もっとも低いところ付近には、穴が開けてあり、搾り取ったスープは、前記穴から鍋に帰して再利用出来る事を特徴とする、分割式搾り、乾燥皿単体か、分割式搾り、乾燥皿及び鍋。
【請求項2】
請求項1に記載した、分割式搾り、乾燥皿において、より容易に具の搾り取りが行えるよう、前記皿の上面に凸凹する形状を持たせる事を特徴とする、分割式搾り、乾燥皿。
【請求項3】
請求項1に記載した、分割式搾り、乾燥皿において、より鍋との柔軟性を高めるため、相互の接触部分に柔軟性部品を持たせる事を特徴とする、分割式搾り、乾燥皿。
【請求項4】
請求項1に記載した、鍋において、より分割式搾り、乾燥皿との柔軟性を高めるため、相互の接触部分に柔軟性部品を持たせる事を特徴とする、鍋。
【請求項5】
請求項1に記載した、分割式搾り、乾燥皿において、素材、材質を全て柔軟性部品とする事を特徴とする、分割式搾り、乾燥皿。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−110555(P2010−110555A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287731(P2008−287731)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(596115894)
【Fターム(参考)】