分岐エンドプロテーゼ送達用の送達デバイスおよび方法
分岐ステントグラフトのための送達デバイスは、第1の先端部を備えた第1のカテーテル部と、第2の先端部を備えた第2のカテーテル部とを含む。第1の先端部および第2の先端部はそれぞれ、略曲線状のテーパー付けされた外面と、相互に対向する相補表面とを含む。第1の先端部および第2の先端部は、略連続する実質的に平滑な形状付けられた外面(例えば、弾丸形状の複合先端部)を共に形成する。第1の先端部のうち少なくとも一部および第2の先端部のうち少なくとも一部が外側スリーブの遠位端を越えて遠位方向に延びるように、外側スリーブが第1のカテーテル部および第2のカテーテル部の周囲に設けられる。標的部位への送達時において、内側スリーブはステントグラフトを圧縮形態状態に保持する。送達デバイスは、2本のガイドワイヤを介して標的位置へと送られ、その際、ガイドワイヤの先端部はユニットとして機能する。外側スリーブが退避すると、第1のカテーテル部は第2のカテーテル部から解放され、先端部はガイドワイヤそれぞれを介してそれぞれの分岐血管内へと送られる。内側スリーブが退避すると、ステントグラフトは圧縮形態から拡張形態に展開する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、血管内プロテーゼに関し、詳細には、分岐血管内プロテーゼの送達用の送達デバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
分岐血管における動脈瘤の修復で使用される送達デバイスおよび方法では、一般的に、血管内プロテーゼまたはステントグラフトの複数の部分が生体内で継ぎ合わせられる。このようなデバイスおよび方法では、分岐ステントグラフトを得るための複雑な操作および特定の標的位置への正確な送達が必要とされる。特定の分岐血管の場合、ステントグラフトの複数のピースの生体内での展開ができない。例えば、内腸骨動脈における動脈瘤の修復の場合、所在位置が骨盤内の奥深くに存在するため、技術的な問題が出てくる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ワンピース型分岐ステントが公知である。しかし、このような分岐ステントの送達システムは、2つのカテーテルシステムの組み合わせを含むだけである場合がある。このような送達システムは煩雑である場合があり、また、標的位置まで搬送することが困難である場合もある。詳細には、このようなシステムの場合、システム先端が血管系を通して送られるため、血管を損傷することがある。
【0004】
そのため、分岐血管における標的位置にワンピース型分岐ステントグラフトを送達するための送達デバイスおよび方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ワンピース型分岐エンドプロテーゼまたはステントグラフトの送達および展開のための送達デバイスの実施形態は、第1の先端部を備えた第1のカテーテル部と、第2の先端部を備えた第2のカテーテル部とを含む。前記第1の先端部および第2の先端部はそれぞれ、略曲線状のテーパー付けされた外面と、相補的に形状付けられた嵌め合い(相補)表面とを含む。前記嵌め合い(相補)表面は、相互に対向する。前記相補表面はそれぞれ、例えば、平坦であってもよいし、あるいは一方を凸形状とし他方を凹形状としてもよい。前記第1の先端部および第2の先端部により、略弾丸形状の複合先端部が形成される。前記第1のカテーテル部および前記第2のカテーテル部の周囲に外側スリーブが配置され、これにより、前記第1の先端部のうち少なくとも一部および前記第2の先端部のうち少なくとも一部が遠位方向において前記外側スリーブの遠位端を越える。内側スリーブにより、標的部位への送達時において前記ステントグラフトが圧縮形態に維持される。
【0006】
前記ワンピース型分岐ステントグラフトを標的位置に送達する方法の一実施形態において、第1のガイドワイヤおよび第2のガイドワイヤを血管系を通して分岐部へと送り、その際、前記第1のガイドワイヤを第1の分岐血管内へと送り、前記第2のガイドワイヤを第2の分岐血管内へと送る。その後、前記送達デバイスを前記ガイドワイヤを通して送り、その際、前記第1の先端部を前記第1のガイドワイヤを通して送り、前記第2の先端部を前記第2のガイドワイヤを通して送る。前記外側スリーブは、前記第1の先端部および第2の先端部を共に保持し、これにより、前記第1の先端部および第2の先端部が前記第1のガイドワイヤおよび第2のガイドワイヤを通して送られた際にユニットとして機能できるようにする。前記送達デバイスが前記標的位置に到達した場合、前記外側スリーブが退避して、前記第1の先端部および第2の先端部が相互に解放される。その後、前記送達デバイスは前記ガイドワイヤを通して送られ、これにより、前記第1の先端部が前記第1のガイドワイヤを通して前記第1の分岐血管内へと送られ、前記第2の先端部が前記第2のガイドワイヤを通して前記第2の分岐血管内へと送られる。前記分岐ステントグラフトが所定位置に来て前記ステントグラフトの主要部位が前記主要血管内に来ると、前記ステントグラフトの第1の脚部が前記第1の分岐血管内に入り、前記ステントグラフトの第2の脚部が前記第2の分岐血管内に入り、前記内側スリーブは退避または除去されて前記ステントグラフトが展開され、これにより、前記ステントグラフトはラジアル方向に拡張して、圧縮形態から拡張形態になる。
【0007】
本発明による実施形態の上記および他の特徴および利点は、添付図面中に記載されているような以下の記載から明らかとなる。添付図面は、本明細書中に採用されかつ本明細書の一部を成し、また、実施形態の原理を説明し、当業者による実施形態の作成および利用を可能にするためのものである。図面は縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態による送達デバイスの模式的な側面図である。
【図1A】図1の送達デバイスの先端の模式的な側面図である。
【図2】図1の送達デバイスの先端の模式図である。
【図3】図2の先端の下面の模式図である。
【図4】図1の送達デバイスの一部として使用可能な先端の別の実施形態の模式図である。
【図5】図1の送達デバイスの内側スリーブの模式図である。
【図6】図5の内側スリーブの一部の模式的上面図である。
【図7】図1の送達デバイスの一部の模式図である。
【図8】図7の8−8線に沿った断面図である。
【図9】図1の送達デバイスを用いてワンピース型分岐ステントグラフトを標的位置へと送達して展開させる方法の進展段階を示す模式図である。
【図10】図1の送達デバイスを用いてワンピース型分岐ステントグラフトを標的位置へと送達して展開させる方法の進展段階を示す模式図である。
【図11】図1の送達デバイスを用いてワンピース型分岐ステントグラフトを標的位置へと送達して展開させる方法の進展段階を示す模式図である。
【図12】図1の送達デバイスを用いてワンピース型分岐ステントグラフトを標的位置へと送達して展開させる方法の進展段階を示す模式図である。
【図13】図1の送達デバイスを用いてワンピース型分岐ステントグラフトを標的位置へと送達して展開させる方法の進展段階を示す模式図である。
【図14】図1の送達デバイスを用いてワンピース型分岐ステントグラフトを標的位置へと送達して展開させる方法の進展段階を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の特定の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図面中、類似の参照符号は、同一の要素または機能的に類似する要素を示す。以下の記載において、「遠位」および「近位」という用語は、治療を行う医師から見た位置または方向を指すために用いられる。「遠位」または「遠位方向に」とは、医師から遠位位置にあるかまたは医師から遠位方向にある位置である。「近位」または「近位方向に」とは、医師から近位位置にあるかまたは医師から近位方向にある位置である。ステントグラフトデバイスにおいて、「近位」とは、血流経路を介して心臓からより近い位置であり、「遠位」とは、血流経路を介して心臓からより遠いステントグラフト部分である。
【0010】
一実施形態に従って構成された送達デバイス100の遠位部位の例示的な実施形態を図1に示す。送達デバイス100は、ワンピース型分岐腔内プロテーゼまたはステントグラフト106の送達のためのものである。ステントグラフト106は、本体と、第1の分岐部と、第2の分岐部とを含む。ステントグラフト106は、任意の適切なステントグラフトでよい。図示の実施形態において、ステントグラフトは、グラフト材料107(例えば、ダクロン材料)と、グラフト材料107に連結されたステント109とを含む。ステント109は、任意の適切なステント材料(例えば、ステンレス鋼、ニチノール、およびコバルトクロム合金)から構成される。送達デバイス100は、第1の遠位カテーテル部101と、第2の遠位カテーテル部103とを含む。第1の遠位カテーテル部101は、第1の先端部102を含む。第2の遠位カテーテル部103は、第2の先端部104を含む。図1に示すように、送達デバイス100は、ステント止め具またはプッシャー108および外側スリーブ110をさらに含む。送達デバイス100は、共通送達デバイス要素(図示せず)(例えば、ルーメンへのアクセスポートを有する近位ハンドル)をさらに含む。
【0011】
第1の先端部102および第2の先端部104は、外側スリーブ110を越えて遠位方向に延び、弾丸形状の先端部105を共に形成する。以下により詳細に説明するように、外側スリーブ110は、血管系内の標的位置への送達時において、第1の先端部102および第2の先端部104を共に保持する。第1の先端部102および第2の先端部104の形状(これらは共に、(鋭角部が無いかまたはそのような断絶部の無い)実質的に平滑な表面の弾丸形状先端部105を形成する)により、標的位置への送達時において血管が外傷を受ける危険性が低減する。第1の先端部102および第2の先端部104による複合的外形を略弾丸形状として説明しているが、当業者に公知の多様な非侵襲的(非外傷的)形状が利用可能である。しかし、先端部102および104による組み合わせにより、このような形状とされている。
【0012】
図2および図3は、第1の先端部102の模式図である。第1の先端部は、曲線状のテーパー付けされた外面122と、略平坦な表面124とを含む。ルーメン120は、第1の先端部102を通して設けられ、主にガイドワイヤルーメンとして用いられる。第2の先端部104は、第1の先端部102と略同一の形状にされ、第2の先端部104を通して設けられたガイドワイヤルーメンを含む。使用時において、第1の先端部102および第2の先端部104は相互に対向するように配置され、これにより、図1に示すように第1の先端部102の平坦表面124が第2の先端部104の平坦表面と対向する。図1Aに示すように、先端部102(および先端部104)は、自身の近位端においてリップ部または肩部126をさらに含み、これにより、送達時において外側スリーブ110の遠位端が血管に露出しないようになっている。
【0013】
図4は、前記送達デバイスの一部として利用可能な第1の先端部302および第2の先端部304の別の実施形態を示す。図4の実施形態は、相互に対向する先端部の表面が略平坦ではない点を除いて、図1〜図3の実施形態とほぼ同じである。第1の先端部302は、第1のルーメン320と、略凸形状の表面324と、曲線状のテーパー付けされた外面322とを含む。同様に、第2の先端部304は、第2のルーメン330と、略凹形状の表面328と、曲線状のテーパー付けされた外面326とを含む。第1の先端部302の凸形状表面324は、第2の先端部304の凹形状表面328と対向しており、これにより、先端部302および304の複合外形が略弾丸形状となっている。相互に対向する先端部302および304の表面324および328は、略形状において相補関係となっており、互いに入れ子構造となることで、先端において連続的外面を形成している。
【0014】
送達デバイス100は、内側スリーブ150(図1では示さず)をさらに含む。内側スリーブ150が図5および図6に示されており、使用時において、ステントグラフト106上において外側スリーブ110内に配置される。内側スリーブ150は、本体部152と、第1の分岐部154と、第2の分岐部156とを含む。ルーメン158が内側スリーブ150を通して設けられ、分岐して、第1の分岐ルーメン155および第2の分岐ルーメン157に分かれる。図6は、第2の分岐部156の模式的な上面図であり、シーム160を示す。シーム160は、プルストリング(ワイヤ)162を用いて引き裂きまたは解体可能である。第1の分岐部154は、同様のシームを含んでもよいし、あるいは、ステントグラフト106から内側スリーブ150を退避または除去するための他の手段を含んでもよい。使用時において、内側スリーブ150は、圧縮形態である自己拡張型ステントグラフト106を拘束することで、標的位置へ送達できるようにする。本体部152もまた、同様のシームを別個のシームとしてあるいはシーム160の延長部として含んでもよい。あるいは、本体部152にシームを設ける必要は無く、その場合、当業者に公知のように、第1の分岐部154および第2の分岐部156を解放した後、プルワイヤによって退避させるだけでよい。ステントグラフト106が標的位置に来ると、内側スリーブ150はステントグラフト106から除去され、以下により詳細に説明するように、ステントグラフト106は拡張して拡張形態すなわち展開形態の状態となる。他にも、ステントグラフト106の抑制および展開のための手段が利用可能である(例えば、バルーンまたはプルストリングを用いて引き裂かれるスーチャー、または当業者に公知の他の手段)。
【0015】
図7は、プッシャー108の遠位部位、第1の遠位カテーテル部101および第2の遠位カテーテル部103の模式的な側面図である。図8は、図7の8−8線に沿った断面図である。以下により詳細に説明するように、プッシャー108は、外側スリーブ110および内側スリーブ150が退避させられるか除去される際に、ステントグラフト106が近位方向に移動するのを回避するように機能する。ここに示す実施形態では、プッシャー108は、第1のルーメン130と、第2のルーメン132と、第3のルーメン134とを含む。第1の遠位カテーテル部101は、第1のルーメン130を通して延びてもよいし、あるいは、第1のルーメン130とアライメントをとった状態でプッシャー108に連結してもよく、これにより、ガイドワイヤは、送達デバイス100の近位部位から第1の遠位カテーテル部101を通して延びて、先端部102のルーメン120から出て行くことができる。同様に、第2の遠位カテーテル部103は、第2のルーメン130を通して延びてもよいし、あるいは、第2のルーメン130とアライメントをとった状態でプッシャー108に連結してもよく、これにより、ガイドワイヤは、送達デバイス100の近位部位から第2の遠位カテーテル部103を通して延びて、先端部104のルーメンから出て行くことができる。プッシャー108の第3のルーメン134は、内部を貫通して配置されたプルワイヤ162および/または内側スリーブ150のための他のプルワイヤを含むのがよい。第3のルーメン134は省略してもよく、プルワイヤ162は、例えばプッシャー108と外側スリーブ110との間に延びるのがよい。
【0016】
図9〜図14は、ステントグラフト106を分岐血管における標的部位へと送達および展開させる方法の進展段階の模式図である。詳細には、図9〜図14は、左総腸骨動脈204が左外腸骨動脈206および内腸骨動脈208に分岐する位置までステントグラフト106を送達および展開させる方法を示す。左総腸骨動脈204は、右総腸骨動脈202と共に腹部大動脈200から分岐する。図9に示すように、左外腸骨動脈206と内腸骨動脈208への分岐部の近隣の左総腸骨動脈204中の動脈瘤210をステントグラフト(例えば、ステントグラフト106)によって処置することができる。送達デバイス100を左総腸骨動脈204中の標的位置について説明しているが、当業者であれば、このような送達デバイスは、分岐ステントグラフトを他の位置に送達する際にも有用であることが解る。
【0017】
図10は、第1のガイドワイヤ140および第2のガイドワイヤ142を右総腸骨動脈202および左総腸骨動脈204内へと進展させた様子を示す。第1のガイドワイヤ140は左外腸骨動脈206内に進展しており、第2のガイドワイヤ142は内腸骨動脈208内に進展している。当業者に公知のように、ガイドワイヤ140および142は典型的には、大腿動脈内に挿入される。
【0018】
図11は、送達デバイス100が第1のガイドワイヤ140および第2のガイドワイヤ142を通して進展している様子を示す。詳細には、第1のガイドワイヤ140が第1の先端部102のルーメン120内にバックロードされ、第2のガイドワイヤ142が第2の先端部104のルーメン内にバックロードされる。第1の先端部102および第2の先端部104は外側スリーブ110によって共に保持され、これにより、第1の先端部102および第2の先端部104ならびに第1の遠位カテーテル部101および第2の遠位カテーテル部103がユニットとしてガイドワイヤ140および142を介して前進させられる。送達デバイス100が、分岐部の近位位置にある左総腸骨動脈204内へと前進させられる。ステントグラフト106は、圧縮形態すなわち送達形態において、外側スリーブ110および内側スリーブ150内に配置される。
【0019】
図12は、近位方向に退避した状態の外側スリーブ110を示す。外側スリーブ110が退避すると、第1の遠位カテーテル部101が第2の遠位カテーテル部103を解放し、第1の先端部102が第2の先端部104を解放する。先端部102および104が相互に解放されると、送達デバイス100をガイドワイヤ140および142を介して遠位方向に前進させることが可能である。図13に示すように、先端部102および104は分離されている状態であるため、第1の先端部102は第1のガイドワイヤ140に沿って進んで左外腸骨動脈206内に入り、第2の先端部104は第2のガイドワイヤ142に沿って進んで内腸骨動脈208内へと入る。
【0020】
所定位置に入った後は、内側スリーブ150は退避させるか除去することが可能になる。図14に示すように、ステントグラフト106は、ラジアル方向に圧縮形態から拡張形態すなわち展開形態へと拡張する。ステントグラフト106が所定位置に入ると、動脈瘤210が排除されて、左外腸骨動脈206および内腸骨動脈208において血流が得られる。
【0021】
本発明による多様な実施形態について上記において説明してきたが、これらの実施形態はひとえに例示目的のために示したものであり、限定的なものではないことが理解されるべきである。当業者にとって、本発明の意図および範囲から逸脱することなく、本発明において多様な形態および詳細の変更が可能であることが明らかである。また、本明細書中に記載の各実施形態および本明細書中引用される各文献の各特徴を他の任意の実施形態の特徴と共に用いることが可能であることが理解されるべきである。本明細書中に記載の特許および公開文献の全体全てが本明細書中に参照により組み込まれる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、血管内プロテーゼに関し、詳細には、分岐血管内プロテーゼの送達用の送達デバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
分岐血管における動脈瘤の修復で使用される送達デバイスおよび方法では、一般的に、血管内プロテーゼまたはステントグラフトの複数の部分が生体内で継ぎ合わせられる。このようなデバイスおよび方法では、分岐ステントグラフトを得るための複雑な操作および特定の標的位置への正確な送達が必要とされる。特定の分岐血管の場合、ステントグラフトの複数のピースの生体内での展開ができない。例えば、内腸骨動脈における動脈瘤の修復の場合、所在位置が骨盤内の奥深くに存在するため、技術的な問題が出てくる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ワンピース型分岐ステントが公知である。しかし、このような分岐ステントの送達システムは、2つのカテーテルシステムの組み合わせを含むだけである場合がある。このような送達システムは煩雑である場合があり、また、標的位置まで搬送することが困難である場合もある。詳細には、このようなシステムの場合、システム先端が血管系を通して送られるため、血管を損傷することがある。
【0004】
そのため、分岐血管における標的位置にワンピース型分岐ステントグラフトを送達するための送達デバイスおよび方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ワンピース型分岐エンドプロテーゼまたはステントグラフトの送達および展開のための送達デバイスの実施形態は、第1の先端部を備えた第1のカテーテル部と、第2の先端部を備えた第2のカテーテル部とを含む。前記第1の先端部および第2の先端部はそれぞれ、略曲線状のテーパー付けされた外面と、相補的に形状付けられた嵌め合い(相補)表面とを含む。前記嵌め合い(相補)表面は、相互に対向する。前記相補表面はそれぞれ、例えば、平坦であってもよいし、あるいは一方を凸形状とし他方を凹形状としてもよい。前記第1の先端部および第2の先端部により、略弾丸形状の複合先端部が形成される。前記第1のカテーテル部および前記第2のカテーテル部の周囲に外側スリーブが配置され、これにより、前記第1の先端部のうち少なくとも一部および前記第2の先端部のうち少なくとも一部が遠位方向において前記外側スリーブの遠位端を越える。内側スリーブにより、標的部位への送達時において前記ステントグラフトが圧縮形態に維持される。
【0006】
前記ワンピース型分岐ステントグラフトを標的位置に送達する方法の一実施形態において、第1のガイドワイヤおよび第2のガイドワイヤを血管系を通して分岐部へと送り、その際、前記第1のガイドワイヤを第1の分岐血管内へと送り、前記第2のガイドワイヤを第2の分岐血管内へと送る。その後、前記送達デバイスを前記ガイドワイヤを通して送り、その際、前記第1の先端部を前記第1のガイドワイヤを通して送り、前記第2の先端部を前記第2のガイドワイヤを通して送る。前記外側スリーブは、前記第1の先端部および第2の先端部を共に保持し、これにより、前記第1の先端部および第2の先端部が前記第1のガイドワイヤおよび第2のガイドワイヤを通して送られた際にユニットとして機能できるようにする。前記送達デバイスが前記標的位置に到達した場合、前記外側スリーブが退避して、前記第1の先端部および第2の先端部が相互に解放される。その後、前記送達デバイスは前記ガイドワイヤを通して送られ、これにより、前記第1の先端部が前記第1のガイドワイヤを通して前記第1の分岐血管内へと送られ、前記第2の先端部が前記第2のガイドワイヤを通して前記第2の分岐血管内へと送られる。前記分岐ステントグラフトが所定位置に来て前記ステントグラフトの主要部位が前記主要血管内に来ると、前記ステントグラフトの第1の脚部が前記第1の分岐血管内に入り、前記ステントグラフトの第2の脚部が前記第2の分岐血管内に入り、前記内側スリーブは退避または除去されて前記ステントグラフトが展開され、これにより、前記ステントグラフトはラジアル方向に拡張して、圧縮形態から拡張形態になる。
【0007】
本発明による実施形態の上記および他の特徴および利点は、添付図面中に記載されているような以下の記載から明らかとなる。添付図面は、本明細書中に採用されかつ本明細書の一部を成し、また、実施形態の原理を説明し、当業者による実施形態の作成および利用を可能にするためのものである。図面は縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態による送達デバイスの模式的な側面図である。
【図1A】図1の送達デバイスの先端の模式的な側面図である。
【図2】図1の送達デバイスの先端の模式図である。
【図3】図2の先端の下面の模式図である。
【図4】図1の送達デバイスの一部として使用可能な先端の別の実施形態の模式図である。
【図5】図1の送達デバイスの内側スリーブの模式図である。
【図6】図5の内側スリーブの一部の模式的上面図である。
【図7】図1の送達デバイスの一部の模式図である。
【図8】図7の8−8線に沿った断面図である。
【図9】図1の送達デバイスを用いてワンピース型分岐ステントグラフトを標的位置へと送達して展開させる方法の進展段階を示す模式図である。
【図10】図1の送達デバイスを用いてワンピース型分岐ステントグラフトを標的位置へと送達して展開させる方法の進展段階を示す模式図である。
【図11】図1の送達デバイスを用いてワンピース型分岐ステントグラフトを標的位置へと送達して展開させる方法の進展段階を示す模式図である。
【図12】図1の送達デバイスを用いてワンピース型分岐ステントグラフトを標的位置へと送達して展開させる方法の進展段階を示す模式図である。
【図13】図1の送達デバイスを用いてワンピース型分岐ステントグラフトを標的位置へと送達して展開させる方法の進展段階を示す模式図である。
【図14】図1の送達デバイスを用いてワンピース型分岐ステントグラフトを標的位置へと送達して展開させる方法の進展段階を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の特定の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図面中、類似の参照符号は、同一の要素または機能的に類似する要素を示す。以下の記載において、「遠位」および「近位」という用語は、治療を行う医師から見た位置または方向を指すために用いられる。「遠位」または「遠位方向に」とは、医師から遠位位置にあるかまたは医師から遠位方向にある位置である。「近位」または「近位方向に」とは、医師から近位位置にあるかまたは医師から近位方向にある位置である。ステントグラフトデバイスにおいて、「近位」とは、血流経路を介して心臓からより近い位置であり、「遠位」とは、血流経路を介して心臓からより遠いステントグラフト部分である。
【0010】
一実施形態に従って構成された送達デバイス100の遠位部位の例示的な実施形態を図1に示す。送達デバイス100は、ワンピース型分岐腔内プロテーゼまたはステントグラフト106の送達のためのものである。ステントグラフト106は、本体と、第1の分岐部と、第2の分岐部とを含む。ステントグラフト106は、任意の適切なステントグラフトでよい。図示の実施形態において、ステントグラフトは、グラフト材料107(例えば、ダクロン材料)と、グラフト材料107に連結されたステント109とを含む。ステント109は、任意の適切なステント材料(例えば、ステンレス鋼、ニチノール、およびコバルトクロム合金)から構成される。送達デバイス100は、第1の遠位カテーテル部101と、第2の遠位カテーテル部103とを含む。第1の遠位カテーテル部101は、第1の先端部102を含む。第2の遠位カテーテル部103は、第2の先端部104を含む。図1に示すように、送達デバイス100は、ステント止め具またはプッシャー108および外側スリーブ110をさらに含む。送達デバイス100は、共通送達デバイス要素(図示せず)(例えば、ルーメンへのアクセスポートを有する近位ハンドル)をさらに含む。
【0011】
第1の先端部102および第2の先端部104は、外側スリーブ110を越えて遠位方向に延び、弾丸形状の先端部105を共に形成する。以下により詳細に説明するように、外側スリーブ110は、血管系内の標的位置への送達時において、第1の先端部102および第2の先端部104を共に保持する。第1の先端部102および第2の先端部104の形状(これらは共に、(鋭角部が無いかまたはそのような断絶部の無い)実質的に平滑な表面の弾丸形状先端部105を形成する)により、標的位置への送達時において血管が外傷を受ける危険性が低減する。第1の先端部102および第2の先端部104による複合的外形を略弾丸形状として説明しているが、当業者に公知の多様な非侵襲的(非外傷的)形状が利用可能である。しかし、先端部102および104による組み合わせにより、このような形状とされている。
【0012】
図2および図3は、第1の先端部102の模式図である。第1の先端部は、曲線状のテーパー付けされた外面122と、略平坦な表面124とを含む。ルーメン120は、第1の先端部102を通して設けられ、主にガイドワイヤルーメンとして用いられる。第2の先端部104は、第1の先端部102と略同一の形状にされ、第2の先端部104を通して設けられたガイドワイヤルーメンを含む。使用時において、第1の先端部102および第2の先端部104は相互に対向するように配置され、これにより、図1に示すように第1の先端部102の平坦表面124が第2の先端部104の平坦表面と対向する。図1Aに示すように、先端部102(および先端部104)は、自身の近位端においてリップ部または肩部126をさらに含み、これにより、送達時において外側スリーブ110の遠位端が血管に露出しないようになっている。
【0013】
図4は、前記送達デバイスの一部として利用可能な第1の先端部302および第2の先端部304の別の実施形態を示す。図4の実施形態は、相互に対向する先端部の表面が略平坦ではない点を除いて、図1〜図3の実施形態とほぼ同じである。第1の先端部302は、第1のルーメン320と、略凸形状の表面324と、曲線状のテーパー付けされた外面322とを含む。同様に、第2の先端部304は、第2のルーメン330と、略凹形状の表面328と、曲線状のテーパー付けされた外面326とを含む。第1の先端部302の凸形状表面324は、第2の先端部304の凹形状表面328と対向しており、これにより、先端部302および304の複合外形が略弾丸形状となっている。相互に対向する先端部302および304の表面324および328は、略形状において相補関係となっており、互いに入れ子構造となることで、先端において連続的外面を形成している。
【0014】
送達デバイス100は、内側スリーブ150(図1では示さず)をさらに含む。内側スリーブ150が図5および図6に示されており、使用時において、ステントグラフト106上において外側スリーブ110内に配置される。内側スリーブ150は、本体部152と、第1の分岐部154と、第2の分岐部156とを含む。ルーメン158が内側スリーブ150を通して設けられ、分岐して、第1の分岐ルーメン155および第2の分岐ルーメン157に分かれる。図6は、第2の分岐部156の模式的な上面図であり、シーム160を示す。シーム160は、プルストリング(ワイヤ)162を用いて引き裂きまたは解体可能である。第1の分岐部154は、同様のシームを含んでもよいし、あるいは、ステントグラフト106から内側スリーブ150を退避または除去するための他の手段を含んでもよい。使用時において、内側スリーブ150は、圧縮形態である自己拡張型ステントグラフト106を拘束することで、標的位置へ送達できるようにする。本体部152もまた、同様のシームを別個のシームとしてあるいはシーム160の延長部として含んでもよい。あるいは、本体部152にシームを設ける必要は無く、その場合、当業者に公知のように、第1の分岐部154および第2の分岐部156を解放した後、プルワイヤによって退避させるだけでよい。ステントグラフト106が標的位置に来ると、内側スリーブ150はステントグラフト106から除去され、以下により詳細に説明するように、ステントグラフト106は拡張して拡張形態すなわち展開形態の状態となる。他にも、ステントグラフト106の抑制および展開のための手段が利用可能である(例えば、バルーンまたはプルストリングを用いて引き裂かれるスーチャー、または当業者に公知の他の手段)。
【0015】
図7は、プッシャー108の遠位部位、第1の遠位カテーテル部101および第2の遠位カテーテル部103の模式的な側面図である。図8は、図7の8−8線に沿った断面図である。以下により詳細に説明するように、プッシャー108は、外側スリーブ110および内側スリーブ150が退避させられるか除去される際に、ステントグラフト106が近位方向に移動するのを回避するように機能する。ここに示す実施形態では、プッシャー108は、第1のルーメン130と、第2のルーメン132と、第3のルーメン134とを含む。第1の遠位カテーテル部101は、第1のルーメン130を通して延びてもよいし、あるいは、第1のルーメン130とアライメントをとった状態でプッシャー108に連結してもよく、これにより、ガイドワイヤは、送達デバイス100の近位部位から第1の遠位カテーテル部101を通して延びて、先端部102のルーメン120から出て行くことができる。同様に、第2の遠位カテーテル部103は、第2のルーメン130を通して延びてもよいし、あるいは、第2のルーメン130とアライメントをとった状態でプッシャー108に連結してもよく、これにより、ガイドワイヤは、送達デバイス100の近位部位から第2の遠位カテーテル部103を通して延びて、先端部104のルーメンから出て行くことができる。プッシャー108の第3のルーメン134は、内部を貫通して配置されたプルワイヤ162および/または内側スリーブ150のための他のプルワイヤを含むのがよい。第3のルーメン134は省略してもよく、プルワイヤ162は、例えばプッシャー108と外側スリーブ110との間に延びるのがよい。
【0016】
図9〜図14は、ステントグラフト106を分岐血管における標的部位へと送達および展開させる方法の進展段階の模式図である。詳細には、図9〜図14は、左総腸骨動脈204が左外腸骨動脈206および内腸骨動脈208に分岐する位置までステントグラフト106を送達および展開させる方法を示す。左総腸骨動脈204は、右総腸骨動脈202と共に腹部大動脈200から分岐する。図9に示すように、左外腸骨動脈206と内腸骨動脈208への分岐部の近隣の左総腸骨動脈204中の動脈瘤210をステントグラフト(例えば、ステントグラフト106)によって処置することができる。送達デバイス100を左総腸骨動脈204中の標的位置について説明しているが、当業者であれば、このような送達デバイスは、分岐ステントグラフトを他の位置に送達する際にも有用であることが解る。
【0017】
図10は、第1のガイドワイヤ140および第2のガイドワイヤ142を右総腸骨動脈202および左総腸骨動脈204内へと進展させた様子を示す。第1のガイドワイヤ140は左外腸骨動脈206内に進展しており、第2のガイドワイヤ142は内腸骨動脈208内に進展している。当業者に公知のように、ガイドワイヤ140および142は典型的には、大腿動脈内に挿入される。
【0018】
図11は、送達デバイス100が第1のガイドワイヤ140および第2のガイドワイヤ142を通して進展している様子を示す。詳細には、第1のガイドワイヤ140が第1の先端部102のルーメン120内にバックロードされ、第2のガイドワイヤ142が第2の先端部104のルーメン内にバックロードされる。第1の先端部102および第2の先端部104は外側スリーブ110によって共に保持され、これにより、第1の先端部102および第2の先端部104ならびに第1の遠位カテーテル部101および第2の遠位カテーテル部103がユニットとしてガイドワイヤ140および142を介して前進させられる。送達デバイス100が、分岐部の近位位置にある左総腸骨動脈204内へと前進させられる。ステントグラフト106は、圧縮形態すなわち送達形態において、外側スリーブ110および内側スリーブ150内に配置される。
【0019】
図12は、近位方向に退避した状態の外側スリーブ110を示す。外側スリーブ110が退避すると、第1の遠位カテーテル部101が第2の遠位カテーテル部103を解放し、第1の先端部102が第2の先端部104を解放する。先端部102および104が相互に解放されると、送達デバイス100をガイドワイヤ140および142を介して遠位方向に前進させることが可能である。図13に示すように、先端部102および104は分離されている状態であるため、第1の先端部102は第1のガイドワイヤ140に沿って進んで左外腸骨動脈206内に入り、第2の先端部104は第2のガイドワイヤ142に沿って進んで内腸骨動脈208内へと入る。
【0020】
所定位置に入った後は、内側スリーブ150は退避させるか除去することが可能になる。図14に示すように、ステントグラフト106は、ラジアル方向に圧縮形態から拡張形態すなわち展開形態へと拡張する。ステントグラフト106が所定位置に入ると、動脈瘤210が排除されて、左外腸骨動脈206および内腸骨動脈208において血流が得られる。
【0021】
本発明による多様な実施形態について上記において説明してきたが、これらの実施形態はひとえに例示目的のために示したものであり、限定的なものではないことが理解されるべきである。当業者にとって、本発明の意図および範囲から逸脱することなく、本発明において多様な形態および詳細の変更が可能であることが明らかである。また、本明細書中に記載の各実施形態および本明細書中引用される各文献の各特徴を他の任意の実施形態の特徴と共に用いることが可能であることが理解されるべきである。本明細書中に記載の特許および公開文献の全体全てが本明細書中に参照により組み込まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワンピース型分岐血管内グラフトのための送達デバイスであって、
第1のカテーテル部であって、遠位端に第1の先端部を含み、前記第1の先端部は、内部を貫通して設けられた第1のルーメンと、第1の表面と、前記第1の表面に対向する第2の略曲線状のテーパー付けされた表面とを含む、第1のカテーテル部と、
第2のカテーテル部であって、遠位端に第2の先端部を含み、前記第2の先端部は、内部を貫通して設けられた第2のルーメンと、第3の表面と、第4の略曲線状のテーパー付けされた表面とを含み、前記第4の略曲線状のテーパー付けされた表面は前記第3の表面に対向する、第2のカテーテル部と、
前記第1の先端部のうち少なくとも一部および前記第2の先端部のうち少なくとも一部が前記外側スリーブの遠位端を越えて遠位方向に延びるように、前記第1のカテーテル部および前記第2のカテーテル部の周囲に設けられた外側スリーブと、を含み、
前記第1の表面および前記第3の表面は相補形状を有し、これにより、前記第1の先端部および前記第2の先端部は、連続した実質的に平滑な複合表面先端部を共に形成する、
ことを特徴とする送達デバイス。
【請求項2】
前記複合先端部は、略弾丸形状の複合先端部を形成する、
請求項1に記載の送達デバイス。
【請求項3】
前記第1の表面および前記第2の表面は略平坦である、
請求項2に記載の送達デバイス。
【請求項4】
前記第1の表面は略凹形状であり、前記第2の表面は略凸形状である、
請求項2に記載の送達デバイス。
【請求項5】
前記外側スリーブのルーメン内に設けられた内側スリーブをさらに含み、前記血管内グラフトは前記内側スリーブ内に設けられる、
請求項2に記載の送達デバイス。
【請求項6】
前記内側スリーブは、主要血管部位と、前記主要血管部位から延びる第1の分岐部と、前記主要血管部位から延びる第2の分岐部とを含む、
請求項5に記載の送達デバイス。
【請求項7】
プッシャーをさらに含み、前記プッシャーは、前記外側スリーブの前記ルーメン内に配置され、前記血管内グラフトに近位である、
請求項5に記載の送達デバイス。
【請求項8】
前記第2の略曲線状のテーパー付けされた表面は、その近位端部において第1の肩部を含み、前記第4の略曲線状のテーパー付けされた表面は、その近位端部において第2の肩部を含み、前記外側スリーブの前記遠位端は、前記第1の肩部および前記第2の肩部と隣接する、
請求項2に記載の送達デバイス。
【請求項9】
主要血管と、第1の分岐血管と、第2の分岐血管とを有する分岐血管に所在する標的位置にワンピース型分岐グラフトを送達させる方法であって、前記ワンピース型分岐グラフトは、主要部位と、第1の脚部と、第2の脚部とを有し、
第1のガイドワイヤを前記主要血管を通して前記第1の分岐血管内へと前進させるステップと、
第2のガイドワイヤを前記主要血管を通して前記第2の分岐血管内へと前進前進させられるさせるステップと、
送達デバイスを前記第1のガイドワイヤおよび前記第2のガイドワイヤを通して前記標的位置へと前進させるステップであって、前記送達デバイスは、第1の先端部を含む第1のカテーテル部と、第2の先端部を含む第2のカテーテル部と、前記第1のカテーテル部および前記第2のカテーテル部が共に前進可能となるように前記第1のカテーテル部および第2のカテーテル部の周囲に配置された外側スリーブとを含み、前記第1の先端部のうち少なくとも一部および前記第2の先端部のうち少なくとも一部は、前記外側スリーブの遠位端を越えて遠位方向に延び、前記第1の先端部および前記第2の先端部は複合的に略弾丸形状を形成し、前記グラフトは圧縮形態時において前記送達デバイス内に配置されるステップと、
前記第1のカテーテル部および前記第2のカテーテル部が相互に独立して移動可能な様態で、前記外側スリーブを近位方向に退避させるステップと、
前記送達デバイスをさらに前進させるステップであって、前記送達デバイスをさらに前進させるステップは、前記グラフトの前記第1の脚部が前記第1の分岐血管内に配置されるように前記第1の先端部を前記第1のガイドワイヤを介して前記第1の分岐血管内へと前進させ、かつ、前記グラフトの前記第2の脚部が前記第2の分岐血管内に配置されるように前記第2の先端部を前記第2のガイドワイヤを介して前記第2の分岐血管内へと前進させるように、行われるステップと、
前記グラフトがラジアル方向に前記圧縮形態から拡張形態に拡張するように、前記グラフトを展開させるステップと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記主要血管は左総腸骨動脈であり、前記第1の分岐血管は左外腸骨動脈であり、前記第2の分岐血管は内腸骨動脈である、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の先端部は、第1の表面と、前記第1の表面に対向する、第2の略曲線状のテーパー付けされた表面とを含み、前記第2の先端部は、第3の表面と、前記第3の表面に対向する第4の略曲線状のテーパー付けされた表面とを含み、前記第1の表面および前記第3の表面は相補形状を有し、これにより、前記第1の先端部および前記第2の先端部は、略弾丸形状の複合先端部を共に形成する、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の表面および前記第3の表面は略平坦である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の表面は略凹形状であり、前記第3の表面は略凸形状である、
請求項11に記載の方法。
【請求項1】
ワンピース型分岐血管内グラフトのための送達デバイスであって、
第1のカテーテル部であって、遠位端に第1の先端部を含み、前記第1の先端部は、内部を貫通して設けられた第1のルーメンと、第1の表面と、前記第1の表面に対向する第2の略曲線状のテーパー付けされた表面とを含む、第1のカテーテル部と、
第2のカテーテル部であって、遠位端に第2の先端部を含み、前記第2の先端部は、内部を貫通して設けられた第2のルーメンと、第3の表面と、第4の略曲線状のテーパー付けされた表面とを含み、前記第4の略曲線状のテーパー付けされた表面は前記第3の表面に対向する、第2のカテーテル部と、
前記第1の先端部のうち少なくとも一部および前記第2の先端部のうち少なくとも一部が前記外側スリーブの遠位端を越えて遠位方向に延びるように、前記第1のカテーテル部および前記第2のカテーテル部の周囲に設けられた外側スリーブと、を含み、
前記第1の表面および前記第3の表面は相補形状を有し、これにより、前記第1の先端部および前記第2の先端部は、連続した実質的に平滑な複合表面先端部を共に形成する、
ことを特徴とする送達デバイス。
【請求項2】
前記複合先端部は、略弾丸形状の複合先端部を形成する、
請求項1に記載の送達デバイス。
【請求項3】
前記第1の表面および前記第2の表面は略平坦である、
請求項2に記載の送達デバイス。
【請求項4】
前記第1の表面は略凹形状であり、前記第2の表面は略凸形状である、
請求項2に記載の送達デバイス。
【請求項5】
前記外側スリーブのルーメン内に設けられた内側スリーブをさらに含み、前記血管内グラフトは前記内側スリーブ内に設けられる、
請求項2に記載の送達デバイス。
【請求項6】
前記内側スリーブは、主要血管部位と、前記主要血管部位から延びる第1の分岐部と、前記主要血管部位から延びる第2の分岐部とを含む、
請求項5に記載の送達デバイス。
【請求項7】
プッシャーをさらに含み、前記プッシャーは、前記外側スリーブの前記ルーメン内に配置され、前記血管内グラフトに近位である、
請求項5に記載の送達デバイス。
【請求項8】
前記第2の略曲線状のテーパー付けされた表面は、その近位端部において第1の肩部を含み、前記第4の略曲線状のテーパー付けされた表面は、その近位端部において第2の肩部を含み、前記外側スリーブの前記遠位端は、前記第1の肩部および前記第2の肩部と隣接する、
請求項2に記載の送達デバイス。
【請求項9】
主要血管と、第1の分岐血管と、第2の分岐血管とを有する分岐血管に所在する標的位置にワンピース型分岐グラフトを送達させる方法であって、前記ワンピース型分岐グラフトは、主要部位と、第1の脚部と、第2の脚部とを有し、
第1のガイドワイヤを前記主要血管を通して前記第1の分岐血管内へと前進させるステップと、
第2のガイドワイヤを前記主要血管を通して前記第2の分岐血管内へと前進前進させられるさせるステップと、
送達デバイスを前記第1のガイドワイヤおよび前記第2のガイドワイヤを通して前記標的位置へと前進させるステップであって、前記送達デバイスは、第1の先端部を含む第1のカテーテル部と、第2の先端部を含む第2のカテーテル部と、前記第1のカテーテル部および前記第2のカテーテル部が共に前進可能となるように前記第1のカテーテル部および第2のカテーテル部の周囲に配置された外側スリーブとを含み、前記第1の先端部のうち少なくとも一部および前記第2の先端部のうち少なくとも一部は、前記外側スリーブの遠位端を越えて遠位方向に延び、前記第1の先端部および前記第2の先端部は複合的に略弾丸形状を形成し、前記グラフトは圧縮形態時において前記送達デバイス内に配置されるステップと、
前記第1のカテーテル部および前記第2のカテーテル部が相互に独立して移動可能な様態で、前記外側スリーブを近位方向に退避させるステップと、
前記送達デバイスをさらに前進させるステップであって、前記送達デバイスをさらに前進させるステップは、前記グラフトの前記第1の脚部が前記第1の分岐血管内に配置されるように前記第1の先端部を前記第1のガイドワイヤを介して前記第1の分岐血管内へと前進させ、かつ、前記グラフトの前記第2の脚部が前記第2の分岐血管内に配置されるように前記第2の先端部を前記第2のガイドワイヤを介して前記第2の分岐血管内へと前進させるように、行われるステップと、
前記グラフトがラジアル方向に前記圧縮形態から拡張形態に拡張するように、前記グラフトを展開させるステップと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記主要血管は左総腸骨動脈であり、前記第1の分岐血管は左外腸骨動脈であり、前記第2の分岐血管は内腸骨動脈である、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の先端部は、第1の表面と、前記第1の表面に対向する、第2の略曲線状のテーパー付けされた表面とを含み、前記第2の先端部は、第3の表面と、前記第3の表面に対向する第4の略曲線状のテーパー付けされた表面とを含み、前記第1の表面および前記第3の表面は相補形状を有し、これにより、前記第1の先端部および前記第2の先端部は、略弾丸形状の複合先端部を共に形成する、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の表面および前記第3の表面は略平坦である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の表面は略凹形状であり、前記第3の表面は略凸形状である、
請求項11に記載の方法。
【図1】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2012−524607(P2012−524607A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507237(P2012−507237)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2010/029496
【国際公開番号】WO2010/123663
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(511126109)メドトロニック ヴァスキュラー インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2010/029496
【国際公開番号】WO2010/123663
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(511126109)メドトロニック ヴァスキュラー インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】
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