説明

分散可能な硫酸塩、好ましくは、硫酸バリウムナノ粒子を製造するための方法

本発明は、金属が多価金属または1価の遷移金属から選択される、場合によっては、ドープされたナノ粒状金属硫酸塩ナノ粒子を製造するための方法であって、該方法が、 a) 少なくとも1つのスルホキシド基を含む極性有機溶剤または少なくとも2つのヒドロキシ基を含む極性有機溶剤; b) 多価金属または1価の遷移金属、硫酸塩源および、場合によっては、ドーパント金属源;および、 c) i) イミダゾールを除く芳香族N-含有ヘテロ環を有する塩基; ii) 脂肪族N-含有ヘテロ環を有する塩基; iii) 脂肪族ヒドロキシ置換されたアミン類; iv) 脂肪族ポリアミン類; v) 芳香族アミン類; vi) アンモニアおよびアンモニアリリース化合物; vii) 金属水酸化物から選択される塩基を含む反応混合物を加熱する工程を含む方法;および、この方法によって得られる金属硫酸塩に係る。生ずる硫酸塩ナノ粒子は、高い白色度;優れた水への分散性;および、好ましい実施態様に従えば、また、メタノールへの優れた分散性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、狭いサイズ分布を有するナノスケールの硫酸塩を製造する方法に関する。この粒子は、機械的または化学的分散技術の助けを借りずとも、水およびメタノールに分散可能である。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
硫酸バリウムは、例えば、塗料、化粧品およびプラスチックにて、白色顔料および乳白剤顔料として広く使用されており、また、X線写真における陰影形成材料または光沢増強剤として広く使用されている。
【0003】
大部分の用途にて、硫酸バリウムは、分散可能な粉末の形態または安定なコロイド分散液として必要とされる。環境上の理由により、塗料の主要な部分は、今日、水基体である。かくして、硫酸バリウムは、水に分散可能である必要がある。この要求を満たすために、US 2,597,384は、水溶性の硫酸塩の水性バリウムグルコネート溶液との反応によるコロイド状の硫酸バリウムの製造を記載している。しかし、US 2,597,384は、茶色がかった着色分散液をもたらし、これにより、非着色または白色用途での顔料としての使用が妨げられている。もう1つの欠点は、水溶性で毒性のバリウムグルコネートの含量が高いことである。
【0004】
US 4,551,497は、硫酸バリウムの表面を改質し、その分散性を改良するために、ケイ酸塩イオンを硫酸バリウムの水性スラリーに添加することを特許請求している。生ずる粒子は、主要な粒子サイズ約0.2〜20μmを示す。かくして、これらは、透明度を要求されない用途に限定されている。
【0005】
さらに小さい粒子を生じさせるためには、天然の硫酸バリウムを平均粒子径少なくとも100nmまで微粉砕するのが一般的な実施である。しかし、これらの粒子は、大量の分散媒を加えることによってのみ分散され、ナノ粒子について期待される特異な利点、例えば、狭いサイズ分布、高い均一性および結晶性、透明度等を示さない。DE 10,229,289は、サイズ0.1〜2μmを有する硫酸バリウム粒子を製造する方法を提供している。プロセスパラメータを変化させることによって、d50値は、この範囲に納まる。
【0006】
主要な粒子サイズ100nmより小さい硫酸バリウムナノ粒子を合成するための方法は、JP 58,120,520にて提供されている。硫酸バリウム粒子は、水溶性ケイ酸塩の存在にて、水溶液中で製造され、硫酸バリウム粒子上にケイ酸バリウムを析出させ、粗粒の成長を抑制する。生ずる生成物は、凝集体の形態で得られ、それらは、それらの主要粒子サイズに微粉砕されることを必要とされる。この方法は、磨耗による硫酸バリウムの汚染以外に、追加のエネルギーコストを必要とする。
【0007】
同様の主要粒子サイズの硫酸バリウムは、US 2003/0124048 A1に記載されている。これらの発明者は、粗粒サイズ100nmより小を有する硫酸バリウムを製造するための方法を記載している。さらに、彼らは、沈殿の間または後に、分散剤または湿潤剤を添加することによる硫酸バリウムの分散性を高めるための方法を開示している。しかし、これら添加剤の使用媒体との相互作用および追加のコストにより、添加剤なしで分散可能な硫酸バリウムを提供することが望ましい。
【0008】
こうした需要は、また、商業的に重要なその他の金属硫酸塩についても存在する。
したがって、本発明の目的は、上記困難を克服し、いかなる助剤物質、例えば、分散剤または特殊な分散技術の助けも借りることなく、極性媒体および溶剤、好ましくは、少なくとも水に分散可能なナノスケールの金属硫酸塩、例えば、硫酸バリウムを製造する方法を提供することである。
【0009】
本発明の1つのさらなる目的は、優れた白色度を示すナノスケールの金属硫酸塩、例えば、硫酸バリウムを提供することである。
本発明の1つの好ましい実施態様に従えば、いかなる助剤物質、例えば、分散剤または特殊な分散技術の助けも借りることなく、水およびメタノールに少なくとも分散可能なナノスケールの金属硫酸塩粒子を与える方法が提供される。
【発明の開示】
【0010】
発明の短い説明
本発明は、
金属が多価金属または1価の遷移金属から選択される、場合によっては、ドープされたナノ粒状金属硫酸塩ナノ粒子を製造するための方法であって、該方法が、
a) 少なくとも1つのスルホキシド基を含む極性有機溶剤または少なくとも2つのヒドロキシ基を含む極性有機溶剤;
b) 多価金属または1価の遷移金属、硫酸塩源および、場合によっては、ドーパント金属源;および、
c) i) イミダゾールを除く芳香族N-含有ヘテロ環を有する塩基;
ii) 脂肪族N-含有ヘテロ環を有する塩基;
iii) 脂肪族ヒドロキシ置換されたアミン類;
iv) 脂肪族ポリアミン類;
v) 芳香族アミン類;
vi) アンモニアおよびアンモニアリリース化合物;
vii) 金属水酸化物;
から選択される塩基;
を含む反応混合物を加熱する工程を含む方法に係る。
【0011】
本発明は、また、好ましくは、それらの長手方向の軸に沿って測定した平均サイズ(径)0.5〜200nm、さらに好ましくは、1〜50nmを有し、少なくとも2つのヒドロキシ基または少なくとも1つのスルホキシド基を含む少なくとも1つの極性溶剤で改質されたそれらの表面を有する本方法によって得られうる金属硫酸塩に係る。生ずる硫酸塩ナノ粒子は、少なくとも水に分散可能であり、かつ、高い白色度を示す。
【0012】
本発明の好ましい実施態様に従えば、少なくとも水とメタノールとに分散可能な多価金属硫酸塩または1価遷移金属硫酸塩が提供される。これらの硫酸塩ナノ粒子は、それらの長手軸に沿って測定した平均サイズ(径)0.5〜200nm、好ましくは、1〜50nmを有し、少なくとも2つのヒドロキシ基または少なくとも1つのスルホキシド基を含む少なくとも1つの極性溶剤で改質されたそれらの表面を有する。
【0013】
発明の詳細な説明
“ナノ粒状体”という用語は、概して、平均サイズ1μm未満、すなわち、nmスケールを有する粒子を指すと理解される。本発明に従えば、粒子は、好ましくは、それらの長手軸に沿って測定した平均サイズ0.5〜200nm、さらに好ましくは、1〜50nm(例えば、10〜40nm)を有する。本発明の方法は、比較的狭い粒子サイズ分布を有する粒子の合成を可能とする。かくして、上記範囲に関して、標準偏差は、好ましくは、40%未満、とりわけ、35%未満である。
【0014】
生成するナノ粒子の形状は、特に制限がなく、針状、楕円または球状であってもよく、その後者の2つの選択が好ましい。
本発明のナノ粒状硫酸塩粒子は、好ましくは、結晶構造を有する。これは、本発明に従うBaSO4ナノ粒子とBaSO4バルク材料との比較に関連する図1(上方曲線:BaSO4ナノ粒子;下方シグナル:BaSO4バルク材料)に示すタイプのX線回折測定によって確認される。
【0015】
合成される金属硫酸塩ナノ粒子は、好ましくは、2価、3価または4価の金属の硫酸塩、例えば、
・ アルカリ土類金属、例えば、Be、Mg、Ca、SrまたはBa:
・ グループ14金属、例えば、Pbの硫酸塩;
・ 2価、3価または4価の遷移金属の硫酸塩、例えば、グループ3(例えば、La)、4(例えば、Ti)、5、6、7、8、9,10または12(例えば、Hg)の遷移金属硫酸塩;
・ ランタニド類、例えば、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbまたはLu;または
1価遷移金属の硫酸塩、例えば、グループ11(Ag)の硫酸塩;
である。
【0016】
最も好ましくは、金属硫酸塩は、2価の金属の硫酸塩、とりわけ、アルカリ土類金属の硫酸塩、例えば、硫酸バリウム(BaSO4)である。
水分散性を改良するための本発明の好ましい趣旨に照らして、水への低い溶解度を有するかまたは水不溶性である硫酸塩ナノ粒子は、非常に興味深い。好ましくは、合成される硫酸塩は、20℃での水への溶解度5g/100ml未満、さらに好ましくは、1g/100ml未満、とりわけ、0.5g/100ml未満を有する。
【0017】
しかし、本発明は、水への低い溶解度を有する硫酸塩粒子に限定されるものではないことを強調しておく。粒子が取り込まれるマトリックスまたは溶剤に応じて、少なくとも2つのヒドロキシ基または少なくとも1つのスルホキシド基を有する少なくとも1つの極性溶剤での表面の改質は、粒子の水への溶解度にかかわらず、分散性を高めるようである。
【0018】
金属硫酸塩は、その金属硫酸塩に特異な性質、例えば、ルミネッセンス、フェロマグネテシズム、放射活性またはラディオパシティーを付与するために、少なくとも1つのその他の金属原子をドープさせてもよい。本出願を通じて、“ドーピング”とは、広い意味にて理解する必要がある。かくして、ホスト材料は、例えば、0.1〜45mol%、0.5〜40mol%、および、1〜20mol%の範囲を含め、50mol%までの量、ドーパントによって置換されていてもよい。
【0019】
適したドーパント金属としては、以下の:
Eu(II)、Sn(II)、Mn(II)、Sb(III)、Pb(II)、Zn(II)、Ti(II)、V(II)、Cu(II)、Cd(II)、Ce(III)、Sm(III)、Pr(III)、Nd(III)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Lu(III)、Eu(III)、Bi(III)、Ag(I)、Cu(I)またはこれらのドーパントの組み合わせ、好ましくは、金属Xのドーパント金属Yとの組み合わせが挙げられ;ここで、
Xは、Eu(II)、Sn(II)、Mn(II)、Sb(III)、Pb(II)、Zn(II)、Ti(II)、V(II)、Cu(II)、Cd(II)から選択され;Yは、Ce(III)、Sm(III)、Pr(III)、Nd(III)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Lu(III)、Eu(III)、Bi(III)、Ag(I)、Cu(I)から選択されるが;
これらに限定されるものではない。
【0020】
本発明にて使用される反応混合物は、少なくとも2つのヒドロキシ基を含む極性有機溶剤(以下、“ポリオール”とも称す);および、少なくとも1つのスルホキシド基(“スルホキシド”とも称す)を含む極性有機溶剤を含む。これらの溶剤の混合物もまた使用することができる。
【0021】
ポリオールまたはスルホキシド溶剤との関連にて“極性”という用語は、好ましくは、混合比とは独立に、25℃で、水と完全に混和する溶剤を称す。
本発明者らは、これらの極性溶剤を使用すると、驚くべきことに、優れた白色度を示し、それらの合成の直後に、少なくとも水に、好ましくは、水とメタノールとに分散可能であることを見出した。従来技術とは対照的に、さらなる処理工程(例えば、微粉砕)または補助薬品(例えば、分散助剤)の使用の必要なくして、この所望される分散性挙動が達成される。メタノールへの追加の分散性は、以降に詳細に説明する特異な塩基の使用によって高めることができる。特定の理論と結び付けようというものではないが、生成される硫酸塩ナノ粒子の表面改質がこれらの有益な特性を説明すると考えられる。かくして、ポリオール類に関する限り、1つのヒドロキシ基がナノ粒子表面と結合し、他方、その他の1つが水(およびメタノール)への十分な分散性を有するナノ粒子を生ずると考えられる。これらは、理論的な考察に過ぎないことを付記する。とにかく、表面改質が生じていることは明瞭である。何故ならば、同サイズの金属硫酸塩粒子は、例えば、マクロスコピックな材料を粉砕することによって得られ、水にもメタノールにも分散可能ではないからである。さらに、ナノ粒子表面に配位するポリオールまたはスルホキシド溶剤の能力は、合成の比較的早期段階にてさらなるナノ粒子の成長を妨げるのを補助し、それによって、確実に、小さくかつ均一なサイズとすると考えられる。
【0022】
特定の理論と結び付けようというものではないが、反応システム中の特異な塩基の存在は、また、核形成を高め、ナノ粒子の成長を調節するようである。大半の場合に、これは、それらの硫酸塩粒子の金属原子と配位および/またはキレートとする能力によって生ずるのであろう。
【0023】
生成する硫酸塩ナノ粒子が水またはメタノールへの十分な分散性を示すか否かを試験するために、以下の試験を行う。重量1gの乾燥ナノ粒子試料を、攪拌子(長さ約30mm)で攪拌下(500upm)、100mlの蒸留水またはメタノールを含有する250mlのビーカーに入れる。攪拌3分(水について)または60分(メタノールについて)後に、粒子が24時間にわたってビーカーの底に析出するか否かを観測する。この期間後、粒子が沈降しない場合、それらは、十分な分散性を示す。かくして、“分散性”とは、固体粒子および溶剤または媒体の安定な均質混合物が達成され、イオンが硫酸塩解離に寄与する溶解された状態から識別される。
【0024】
ポリオールまたはスルホキシド溶剤の分子量は、好ましくは、500未満、さらに好ましくは、400未満、さらに好ましくは、300未満、なおさらに好ましくは、200未満、なおさらに好ましくは、150未満である。
【0025】
スルホキシド溶剤は、好ましくは、ジアルキルスルホキシド、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)である。
ポリオールは、好ましくは、炭素、酸素および水素のみからなるポリオールである。ポリオールは、2つまたは3つのヒドロキシ基、さらに好ましくは、2つのヒドロキシ基を有するのが好ましい。ポリオールは、グリセロール、エチレングリコールまたはポリエチレングリコールから選択され、ここで、好ましくは、低分子量ポリエチレンが使用される(エチレングリコール単位の好ましい平均数は、4までである)。ポリオールの混合物も使用することができる。
【0026】
ポリオールまたはスルホキシドと混和するその他の溶剤は、特許請求の範囲の請求項に記載した方法を実施するのに必要とされないが、存在してもよい。水が存在することもまた許容可能である。しかし、含水率が高すぎると、生成される粒子の分散性に悪影響を及ぼすかもしれない。したがって、重量比(ポリオールまたはスルホキシド)/水を50より大、60より大、70より大、80より大、90より大および95より大に調節するのが好ましく、この順に、好ましくなる。
【0027】
適当な金属原子源は、反応混合物、例えば、金属硝酸塩またはハロゲン化物(クロライド、ブロマイド、ヨーダイド)および対応する水和物に溶解性または分散可能である。これは、ホストおよびドーパント金属原子に等しく適用される。クロライドを使用することが好ましい。その他の金属塩を使用する場合、これらが、反応条件下で反応混合物に溶解性であるかまたは分散可能であるかに注意を払う必要がある。
【0028】
同様に、硫酸塩源は、反応条件下で溶解性または分散可能である必要がある。硫酸塩についての好ましい出発物質は、アルカリ金属硫酸水素塩;アンモニウム硫酸水素塩;または、対イオンとしての有機カチオンを有する硫酸水素塩である。硫酸水素塩(HSO4-)の使用が好ましい。有機カチオンは、好ましくは、4〜30個の、さらに好ましくは、4〜20個の炭素原子を有する、塩基性N-含有脂肪族、芳香族および脂肪族./芳香族物質から選択するのが好ましい。適したカチオンとしては、例えば、4つの置換基が、独立に、好ましくは、1〜10個の炭素原子(好ましくは、1〜5個)を有するアルキル基から選択される第4級アンモニウムまたはホスホニウム;ベンジル;または、プロトン化された脂肪族塩基、例えば、アマンタジニウム、プロトン化された芳香族塩基またはヒドラジニウムが挙げられる。
【0029】
適当な硫酸水素塩は、例えば、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、テトラメチルアンモニウム硫酸水素塩、ビス-テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、トリエチルアンモニウム硫酸水素塩、アンモニウム硫酸水素塩、ナトリウムもしくはカリウム硫酸水素塩、アマンタジニウム硫酸水素塩、ヒドラジニウム硫酸水素塩から選択するのがよく、アンモニウム硫酸水素塩が好ましい。
【0030】
本発明に従い、使用される塩基は、以下の実施態様から選択される:
i) イミダゾールを除く芳香族N-含有ヘテロ環を有する塩基、好ましくは、芳香族N-含有5-または6-員ヘテロ単環、例えば、ピロール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサゾール、チアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2,3-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン。好ましくは、N-原子は、1個のヘテロ原子である。その最も好ましい実施態様は、ピリジンである。これらのヘテロ環化合物は、ハライド(F、Cl、Br、J)、C1-4アルキル(好ましくは、メチル)、-NR2、-NHR、-NH2、-OH、-OR、-OCOR、-NHCOR、-NHCHO、-NRCONR’2、-C5-10-アリルから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されていてもよく、ここで、Rは、C1-4-アルキル(例えば、メチル)であり、R’は、HまたはC1-4-アルキル(例えば、メチル)である。N-含有ヘテロ環は、また、1個より多い(例えば、2または3個の)同一または異なるタイプの置換基であってもよい。置換基のタイプおよび位置は、好ましくは、それらが塩基性N-原子を立体的に遮蔽せず、さらに、その塩基性を所望されないほどに低下させないように選択される。置換されたN-含有ヘテロ環化合物についての1つの好ましい例は、コリジン(2,4,6-トリメチルピリジン)である。場合によっては、置換されていてもよい塩基の合計炭素数は、好ましくは、2〜20、さらに好ましくは、3〜15、例えば、4〜12である。
【0031】
ii) 飽和または一部不飽和な脂肪族N-含有ヘテロ環を有する塩基、好ましくは、脂肪族N-含有5-または6-員ヘテロ環、例えば、ピロリジン、イミダゾリジン、ピペリジン、ピペラジンまたは上記した芳香族N-含有ヘテロ環式化合物のその他の飽和または一部不飽和誘導体。これらのヘテロ環式化合物は、置換されている場合、上述の置換基の少なくとも1つを有してもよい。これらの塩基のうち、ピロリジンまたはピペリジンの使用が好ましい。場合によっては、置換されていてもよい塩基の合計炭素数は、好ましくは、2〜20、さらに好ましくは、3〜15、例えば、4〜12である。
【0032】
iii) 脂肪族ヒドロキシ置換されたアミン類、好ましくは、2〜10個の炭素原子、さらに好ましくは、2〜5個の炭素原子、とりわけ、2または3個の炭素原子を有し、ヒドロキシ基が、好ましくは、アミノ基の位置(α,ω-置換)に関してアルキル鎖の反対の端に位置するアルキルアミン類。この塩基のタイプの最も好ましい実施態様は、エタノールアミンである。
【0033】
iv) 脂肪族ポリアミン類、好ましくは、2〜20個の炭素原子、さらに好ましくは、2〜5個の炭素原子、とりわけ、2または3個の炭素原子を有するα,ω-置換されたジアミン類、例えば、エチレンジアミン。
【0034】
v) 芳香族アミン類、好ましくは、芳香族構造がアニリン(アミノベンゼン)におけるように6〜10個の炭素原子を有する芳香族アミン類。置換される場合、芳香族アミン、好ましくは、アニリンは、前述の置換基の少なくとも1つ、好ましくは、o-フェニレンジアミンまたはo-トルイジンにおけるように少なくとも1つのアミノ-またはアルキル-置換基を有するのがよい。
【0035】
vi) アンモニアおよび高温、特に、本発明に従う方法の反応温度でアンモニアをリリースすることが公知の化合物、例えば、尿素および尿素誘導体。
vii) 金属水酸化物、好ましくは、アルカリ金属水酸化物、例えば、NaOHまたはKOH。
【0036】
上述のアミン類は、当分野公知のように適当な反応条件下で対応する第4級アンモニウム化合物のHoffman分解によって、in situで発生させることもできる。
これら塩基のうち、
i) 芳香族N-含有ヘテロ環を有する塩基、例えば、任意に置換されたピリジン(例えば、ピリジンまたはコリジン);
ii) 飽和または一部不飽和脂肪族N-含有ヘテロ環を有する塩基、好ましくは、脂肪族N-含有5-または6-員ヘテロ環を有する塩基、例えば、ピロリジン;および、とりわけ、ピペリジン;
iii) 脂肪族ヒドロキシ置換されたアミン類、例えば、アルカノールアミン;または、
vi) アンモニアリリース化合物、例えば、尿素誘導体;
v) o-トルイジン;
を使用することが好ましい。何故ならば、これらは、水に分散可能であるばかりではなく、驚くべきことに、メタノールにて良好な分散性を示す金属硫酸塩ナノ粒子をもたらすことが見出されたからである。この挙動は、以降に説明するように、ポスト改質工程を不必要にし、より極性でない溶剤およびマトリックスシステムで得られるナノ粒子の相溶性を高めるので、重要な技術的利点を示す。
【0037】
塩基としてピリジン、コリジンまたはエチレンジアミンを使用する場合、特許請求する方法は、
a) 未ドープ2価金属硫酸塩、とりわけ、BaSO4を製造するために、例えば、行うことができ;
b) ピリジン、コリジンまたはエチレンジアミンは、好ましくは、これがpHの適合を必要とするかもしれず、さらに、反応混合物に、恐らくは、望ましくない対イオンを含みかねないので、このように、すなわち、プロトン化された形にてではなく添加される。
【0038】
c) 塩基としてピリジン、コリジンまたはエチレンジアミンを使用する場合、好ましい硫酸塩源は、以降に記載するいずれかの硫酸水素塩である。
d) 特許請求する方法について示した好ましいpH範囲は、また、エチレンジアミン、ピリジンおよびコリジンの使用に適用される。
【0039】
e) 同様に、エチレンジアミンは、また、ピリジン、コリジンまたはエチレンジアミンが塩基として使用される場合に、最も好ましい溶剤である。
これら5つの実施態様は、また、少なくとも2つの組み合わせにて使用してもよい。
【0040】
本発明の1つのさらなる実施態様に従えば、平均粒子サイズ19nmを有し、特許請求する粒子から70℃にてグリセロールおよびイミダゾール中で生成されるBaSO4を除外することが可能である。
【0041】
好ましくは、反応は、以下のように行われる。金属源、場合によっては、また、ドーパント金属源、好ましくは、対応するクロライドは、ポリオールまたはスルホキシド溶剤に溶解され、続いて、上記塩基の少なくとも1つが添加される。好ましくは、金属源の溶液は、塩基の添加前に加熱される。これとは別に、硫酸塩源、好ましくは、硫酸水素塩源、例えば、硫酸水素アンモニウムは、ポリオールまたはスルホキシド溶剤(好ましくは、第1の溶液に使用されるのと同一の)に溶解される。反応を開始するために、硫酸塩源の溶液は、好ましくは、攪拌下、金属源の溶液に添加される。
【0042】
反応は、50〜240℃の範囲の温度で行われ、反応時間に依存する。しかし、特許請求する方法の1つの利点は、60〜100℃、好ましくは、70〜90℃の比較的低い温度が、使用される溶剤のタイプにかかわらず使用することができる。これは、経済的に有益であり、着色度の低い副生物が形成されるので、得られるナノ粒子の白色度を高める。
【0043】
金属源および硫酸塩源は、好ましくは、ほぼ化学量論比、好ましくは、1.2/1〜0.8/1、さらに好ましくは、1.1/1〜0.9/1、最も好ましくは、1.05/1〜0.95/1の範囲のモル比金属/硫酸塩にて使用される。
【0044】
さらに、金属源に基づき、0.3〜0.7、好ましくは、0.4〜0.6、最も好ましくは、0.45〜0.55モル量で、塩基を使用する場合に有益であることが判明した。
反応のpHは、好ましくは、2〜9の範囲、さらに好ましくは、3〜7、最も好ましくは、4〜6の範囲である。
反応温度およびシステムに応じて、例えば、10分の比較的短い反応時間〜数時間の長い反応時間までが、請求する方法を行うのに適当である。好ましくは、30分〜2時間の反応時間が使用される。
【0045】
反応が完了したら、反応混合物は、室温まで冷却される。硫酸塩粒子の沈殿は、メタノールを加えることによって高められる。生ずる硫酸塩ナノ粒子は、好ましくは、遠心分離によって分離され、適当な溶剤、例えば、メタノールで洗浄される。
【0046】
生ずるナノ粒子のサイズは、慣用的な技術、例えば、超遠心分離または透過電子顕微鏡法(TEM)によって決定することができる。分析超遠心分離する前に、測定される結果の誤りを防ぐために、粒子が非凝集状態にて存在するか否かをTEMまたはXRD測定によってチェックするのがよい。
【0047】
図2は、粒子の水性分散液(濃度1wt%)での分析超遠心分離によって決定された本発明に従うBaSO4ナノ粒子の典型的な粒子サイズ分布を示し、(粒子密度は、4.5g/cm3であることが支持された)。Gauss分布の平均は、31nmであり、標準偏差は、31%である。
【0048】
同様の技術は、当然のことながら、反応混合物の試料における成長をモニターするためにも使用することができる。
この方法に従い生成される粒子は、水に分散可能であり、1つの好ましい請求する実施態様に従えば、また、メタノールにも分散可能である。水およびメタノール分散可能な粒子は、好ましくは、前に示したようにして合成される。
【0049】
水またはメタノール中本発明に従うナノ粒子の分散液は、ナノ粒子濃度に関するいずれの特定の制限にも従わない。驚くべきことに、濃度が高いほど、むしろ、分散液の安定性を高めるようである。約1wt%までのナノ粒子を含有する分散液は、透明である。ナノ粒子含量が増加すると、分散液は、半透明または乳白光を放つような外観を呈するものの、なお、沈殿も沈降も起こらない。30wt%の硫酸塩ナノ粒子、特に、硫酸バリウムナノ粒子を含有する分散液でさえ、数週間の長期にわたって安定であることが見出された。濃度のさらなる増加は、最終的に、ペースト状の塊をもたらすであろう。
【0050】
水-およびメタノール-分散可能な粒子は、それらの長手軸に沿って測定した平均サイズ1〜200nmを有し、少なくとも1つの極性溶剤で改質された粒子表面は、上記説明したように、少なくとも2つのヒドロキシ基または少なくとも1つのスルホキシド基を有する。その他の特性もまた記載した。
【0051】
生成されるナノ粒子は、水中でのそれらの分散性についてのみ試験したが、メタノールは、それらがその他の溶剤中でも分散性を示すことを排除するものではないことを強調しておく必要がある。しかし、その他の溶剤または特異な媒体中での分散性は、不十分であることが見出されており、ポスト改質技術は、以下のように行うことができる。かくして、例えば、WO 02/20696 A1に記載されているようなP-有機化合物、例えば、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート(TEHP)またはトリブチルホスフェート(TBP);このWO参考文献に記載されているタイプのモノ-またはジ-アルキルアミン、例えば、ドデシルアミン;炭酸類;アルコール類;有機エステル類;シラン類;シロキサン類;式R-S(O2)-R’で表される有機スルホン類;式R-(C=O)-R’で表される有機ケトン類;有機ニトリル類(RCN)、有機スルホキシド類(R-S(O)-R’)、有機アミド類(R-(C=O)-NR’R’’)またはスルホンアミド類R-S(O2)-NR’R’’)(ここで、R、R’およびR’’は、独立に、1〜20個の炭素原子を有する脂肪族残基、好ましくは、アルキル;または、6〜20個、好ましくは、6〜10個の炭素原子を有する芳香族残基、例えば、フェニルから選択される)から選択される少なくとも1つの配位溶剤中で加熱することによってナノ粒子の表面を改質することが可能である。とりわけ、これらのフッ素化または過フッ素化された変種を使用して、表面を改質すると、フルオロポリマーまたはフッ素化された溶剤に容易に分散可能な硫酸塩ナノ粒子をもたらす表面改質を達成する。上記表面改質技術は、請求する方法によって得ることのできる流酸塩ナノ粒子の、例えば、オレフィン基体のポリマー、シリコーンポリマー、フッ素化されたポリマーおよび日常使用されている、例えば、ラッカーまたはペイントのようなポリマーを含め、無限の種類の溶剤およびマトリックスに取り込み可能とする。表面改質された硫酸塩ナノ粒子は、特異な分散技術または分散助剤を必要とすることなく、これらのシステムに、均質かつ微細に分散させることができる。
【0052】
本発明に従い製造される硫酸塩ナノ粒子、とりわけ、ポリオール中で生成される硫酸塩ナノ粒子は、さらに、ポスト合成改質技術に特に適し、有機マトリックス、特に、ポリマーマトリックスとの分散性および相溶性をさらに高める。かくして、粒子が取り込まれ、および/または重合反応によってポリマーマトリックスに化学的に結合しうるモノマーをそれに結合させる特異な媒体で相溶性を改質する化学反応に第2のヒドロキシ基(すなわち、粒子表面に結合されないヒドロキシ基)を賦すことが可能となる。これら改質技術についての1つの適当な例は、モノマー基を有してもよいシランカップリング剤との反応を含む。
【0053】
本発明に従い製造される非毒性の硫酸塩ナノ粒子は、(さらに表面改質することなく)直接、診断目的に使用することができる。これは、重金属硫酸塩、例えば、硫酸バリウムにとって特に決定的に重要であり、コントラクト剤として医学領域にて広く使用されている。それらの小さいサイズと優れた分散性挙動により、これらの硫酸塩ナノ粒子は、それらがヒトまたは動物体内に均質に分散され、上腕静脈、動脈およびその他の血管を目詰まりさせないので、静脈内投与することができる。硫酸バリウムまたはその他の常磁性または放射活性元素をドープされたその他の硫酸塩ナノ粒子は、かくして、in vivo診断のための極めて用途の多いツールとして使用することができる。
【実施例】
【0054】
実施例
本発明は、以下の実施例により、さらに例示する。
実施例1
エチレングリコール中ピリジンでの硫酸バリウムの製造
温度計、還流冷却器およびマグネチックスターラー(PTFE)を備えた50mlの3径丸底フラスコにて、5.081g(20.8mmol)のBaCl2×2H2Oを24.8mlのエチレングリコールに室温で溶解させ、80℃まで加熱した。この溶液に、0.8ml(10mmol)のピリジンを加えた(溶液A)。この時間の間に、2.304g(20mmol)のNH4HSO4を8.4mlのエチレングリコールに溶解させ、80℃まで加熱した(溶液B)。反応を開始するために、攪拌下、溶液Bを溶液Aに加え、反応混合物を80℃にて1時間攪拌した。
【0055】
この時間後、反応スラリーを約30℃まで冷却し、35mlのメタノールでスパイクして、硫酸バリウム粒子を沈殿させ、スラリーの粘度を低下させた。生ずる硫酸バリウムを遠心分離(5分,18000upm)によって分離し、30mlのメタノールで2回洗浄した。室温、減圧で、乾燥させた後、白色の硫酸バリウムナノ粒子が、収率約90%で得られた。粒子は、水およびメタノールに分散可能であり、分析超遠心によって決定して、水性分散液中平均粒子サイズ35nmを示す。
【0056】
実施例2
エチレングリコール中尿素での硫酸バリウムの製造
温度計、還流冷却器およびマグネチックスターラー(PTFE)を備えた50mlの3径丸底フラスコにて、5.081g(20.8mmol)のBaCl2×2H2Oを24.8mlのエチレングリコールに室温で溶解させ、80℃まで加熱した。この溶液に、0.6ml(10mmol)の尿素を加えた(溶液A)。この時間の間に、2.304g(20mmol)のNH4HSO4を8.4mlのエチレングリコールに溶解させ、80℃まで加熱した(溶液B)。反応を開始するために、攪拌下、溶液Bを溶液Aに加え、反応混合物を80℃にて1時間攪拌した。
【0057】
この時間後、反応スラリーを約30℃まで冷却し、35mlのメタノールでスパイクして、硫酸バリウム粒子を沈殿させ、スラリーの粘度を低下させた。生ずる硫酸バリウムを遠心分離(5分,18000upm)によって分離し、30mlのメタノールで2回洗浄した。室温、減圧で、乾燥させた後、白色の硫酸バリウムナノ粒子が、収率87%で得られた。粒子は、水およびメタノールに分散可能である。
【0058】
実施例3
エチレングリコール中2,4,6-トリメチルピリジンでの硫酸バリウムの製造
温度計、還流冷却器およびマグネチックスターラー(PTFE)を備えた50mlの3径丸底フラスコにて、5.081g(20.8mmol)のBaCl2×2H2Oを24.8mlのエチレングリコールに室温で溶解させ、80℃まで加熱した。この溶液に、1.212g(10mmol)の2,4,6-トリメチルピリジンを加えた(溶液A)。
【0059】
この時間の間に、2.304g(20mmol)のNH4HSO4を8.4mlのエチレングリコールに溶解させ、80℃まで加熱した(溶液B)。反応を開始するために、攪拌下、溶液Bを溶液Aに加え、反応混合物を80℃にて1時間攪拌した。
【0060】
この時間後、反応スラリーを約30℃まで冷却し、35mlのメタノールでスパイクして、硫酸バリウム粒子を沈殿させ、スラリーの粘度を低下させた。生ずる硫酸バリウムを遠心分離(5分,18000upm)によって分離し、30mlのメタノールで2回洗浄した。室温、減圧で、乾燥させた後、白色の硫酸バリウムナノ粒子が、収率約84%で得られた。粒子は、水およびメタノールに分散可能である。
【0061】
実施例4
エチレングリコール中エチレンジアミンでの硫酸バリウムの製造
温度計、還流冷却器およびマグネチックスターラー(PTFE)を備えた50mlの3径丸底フラスコにて、5.081g(20.8mmol)のBaCl2×2H2Oを24.8mlのエチレングリコールに室温で溶解させ、80℃まで加熱した。この溶液に、0.68ml(10mmol)のエチレンジアミンを加えた(溶液A)。この時間の間に、2.304g(20mmol)のNH4HSO4を8.4mlのエチレングリコールに溶解させ、80℃まで加熱した(溶液B)。反応を開始するために、攪拌下、溶液Bを溶液Aに加え、反応混合物を80℃にて1時間攪拌した。
【0062】
この時間後、反応スラリーを約30℃まで冷却し、35mlのメタノールでスパイクして、硫酸バリウム粒子を沈殿させ、スラリーの粘度を低下させた。生ずる硫酸バリウムを遠心分離(5分,18000upm)によって分離し、30mlのメタノールで2回洗浄した。室温、減圧で、乾燥させた後、白色の硫酸バリウムナノ粒子が、収率75%で得られた。粒子は、水に分散可能である。
【0063】
実施例5
エチレングリコール中ピロリジンでの硫酸バリウムの製造
温度計、還流冷却器およびマグネチックスターラー(PTFE)を備えた50mlの3径丸底フラスコにて、5.081g(20.8mmol)のBaCl2×2H2Oを24.8mlのエチレングリコールに室温で溶解させ、80℃まで加熱した。この溶液に、0.827ml(10mmol)のピロリジンを加えた(溶液A)。この時間の間に、2.304g(20mmol)のNH4HSO4を8.4mlのエチレングリコールに溶解させ、80℃まで加熱した(溶液B)。反応を開始するために、攪拌下、溶液Bを溶液Aに加え、反応混合物を80℃にて1時間攪拌した。
【0064】
この時間後、反応スラリーを約30℃まで冷却し、35mlのメタノールでスパイクして、硫酸バリウム粒子を沈殿させ、スラリーの粘度を低下させた。生ずる硫酸バリウムを遠心分離(5分,18000upm)によって分離し、30mlのメタノールで2回洗浄した。室温、減圧で、乾燥させた後、白色の硫酸バリウムナノ粒子が、収率約90%で得られた。粒子は、水に分散可能であり、メタノールに幾分分散可能である。
【0065】
実施例6
エチレングリコール中ピペリジンでの硫酸バリウムの製造
温度計、還流冷却器およびマグネチックスターラー(PTFE)を備えた50mlの3径丸底フラスコにて、5.081g(20.8mmol)のBaCl2×2H2Oを24.8mlのエチレングリコールに室温で溶解させ、60℃まで加熱した。この溶液に、0.41ml(10mmol)のピロリジンを加えた(溶液A)。この時間の間に、2.304g(20mmol)のNH4HSO4を8.4mlのエチレングリコールに溶解させ、60℃まで加熱した(溶液B)。反応を開始するために、攪拌下、溶液Bを溶液Aに加え、反応混合物を60℃にて1時間攪拌した。
【0066】
この時間後、反応スラリーを約30℃まで冷却し、35mlのメタノールでスパイクして、硫酸バリウム粒子を沈殿させ、スラリーの粘度を低下させた。生ずる硫酸バリウムを遠心分離(5分,18000upm)によって分離し、30mlのメタノールで2回洗浄した。室温、減圧で、乾燥させた後、白色の硫酸バリウムナノ粒子が、収率84%で得られた。粒子は、水およびメタノールに分散可能であるが、8時間沈殿する。
【0067】
実施例7
エチレングリコール中アニリンでの硫酸バリウムの製造
温度計、還流冷却器およびマグネチックスターラー(PTFE)を備えた50mlの3径丸底フラスコにて、5.081g(20.8mmol)のBaCl2×2H2Oを24.8mlのエチレングリコールに室温で溶解させ、80℃まで加熱した。この溶液に、0.93mg(10mmol)のアニリンを加えた(溶液A)。
【0068】
この時間の間に、2.304g(20mmol)のNH4HSO4を8.4mlのエチレングリコールに溶解させ、80℃まで加熱した(溶液B)。反応を開始するために、攪拌下、溶液Bを溶液Aに加え、反応混合物を80℃にて1時間攪拌した。
【0069】
この時間後、反応スラリーを約30℃まで冷却し、35mlのメタノールでスパイクして、硫酸バリウム粒子を沈殿させ、スラリーの粘度を低下させた。生ずる硫酸バリウムを遠心分離(5分,18000upm)によって分離し、30mlのメタノールで2回洗浄した。室温、減圧で、乾燥させた後、白色の硫酸バリウムナノ粒子が、収率92%で得られた。粒子は、水に分散可能である。
【0070】
実施例8
エチレングリコール中o-フェニレンジアミンでの硫酸バリウムの製造
温度計、還流冷却器およびマグネチックスターラー(PTFE)を備えた50mlの3径丸底フラスコにて、5.081g(20.8mmol)のBaCl2×2H2Oを24.8mlのエチレングリコールに室温で溶解させ、80℃まで加熱した。この溶液に、1.082mg(10mmol)のo-フェニレンジアミンを加えた(溶液A)。この時間の間に、2.304g(20mmol)のNH4HSO4を8.4mlのエチレングリコールに溶解させ、80℃まで加熱した(溶液B)。反応を開始するために、攪拌下、溶液Bを溶液Aに加え、反応混合物を80℃にて1時間攪拌した。
【0071】
この時間後、反応スラリーを約30℃まで冷却し、35mlのメタノールでスパイクして、硫酸バリウム粒子を沈殿させ、スラリーの粘度を低下させた。生ずる硫酸バリウムを遠心分離(5分,18000upm)によって分離し、30mlのメタノールで2回洗浄した。室温、減圧で、乾燥させた後、白色の硫酸バリウムナノ粒子が、収率98%で得られた。粒子は、水に分散可能である。
【0072】
実施例9
エチレングリコール中o-トルイジンでの硫酸バリウムの製造
温度計、還流冷却器およびマグネチックスターラー(PTFE)を備えた50mlの3径丸底フラスコにて、5.081g(20.8mmol)のBaCl2×2H2Oを24.8mlのエチレングリコールに室温で溶解させ、80℃まで加熱した。この溶液に、0.11ml(10mmol)のo-トルイジンを加えた(溶液A)。この時間の間に、2.304g(20mmol)のNH4HSO4を8.4mlのエチレングリコールに溶解させ、80℃まで加熱した(溶液B)。反応を開始するために、攪拌下、溶液Bを溶液Aに加え、反応混合物を80℃にて1時間攪拌した。
【0073】
この時間後、反応スラリーを約30℃まで冷却し、35mlのメタノールでスパイクして、硫酸バリウム粒子を沈殿させ、スラリーの粘度を低下させた。生ずる硫酸バリウムを遠心分離(5分,18000upm)によって分離し、30mlのメタノールで2回洗浄した。室温、減圧で、乾燥させた後、白色の硫酸バリウムナノ粒子が、収率98%で得られた。粒子は、水に分散可能であり、16時間沈殿する。さらに、それらは、メタノールおよびエタノールに幾分分散可能である。
【0074】
実施例10
エチレングリコール中水酸化ナトリウムでの硫酸バリウムの製造
温度計、還流冷却器およびマグネチックスターラー(PTFE)を備えた50mlの3径丸底フラスコにて、5.081g(20.8mmol)のBaCl2×2H2Oを24.8mlのエチレングリコールに室温で溶解させ、80℃まで加熱した。この溶液に、1モルの水酸化ナトリウム溶液4滴を加え(溶液A)、そのpHを9に調節した。
【0075】
この時間の間に、2.304g(20mmol)のNH4HSO4を8.4mlのエチレングリコールに溶解させ、80℃まで加熱した(溶液B)。反応を開始するために、攪拌下、溶液Bを溶液Aに加え、反応混合物を80℃にて1時間攪拌した。
【0076】
この時間後、反応スラリーを約30℃まで冷却し、35mlのメタノールでスパイクして、硫酸バリウム粒子を沈殿させ、スラリーの粘度を低下させた。生ずる硫酸バリウムを遠心分離(5分,18000upm)によって分離し、30mlのメタノールで2回洗浄した。室温、減圧で、乾燥させた後、白色の硫酸バリウムナノ粒子が、収率78%で得られた。粒子は、水に分散可能であり、メタノールに幾分分散可能であり、16時間沈殿する。
【0077】
実施例11
エチレングリコール中アンモニアでの硫酸バリウムの製造
温度計、還流冷却器およびマグネチックスターラー(PTFE)を備えた50mlの3径丸底フラスコにて、5.082g(20.8mmol)のBaCl2×2H2Oを24.8mlのエチレングリコールに室温で溶解させ、80℃まで加熱した。この溶液に、(水中25%の)アンモニア2滴を加え(溶液A)、そのpHをpH=9に調節した。
【0078】
この時間の間に、2.304g(20mmol)のNH4HSO4を8.4mlのエチレングリコールに溶解させ、80℃まで加熱した(溶液B)。反応を開始するために、攪拌下、溶液Bを溶液Aに加え、反応混合物を80℃にて1時間攪拌した。
【0079】
この時間後、反応スラリーを約30℃まで冷却し、35mlのメタノールでスパイクして、硫酸バリウム粒子を沈殿させ、スラリーの粘度を低下させた。生ずる硫酸バリウムを遠心分離(5分,18000upm)によって分離し、30mlのメタノールで2回洗浄した。室温、減圧で、乾燥させた後、白色の硫酸バリウムナノ粒子が、収率75%で得られた。粒子は、水に分散可能であり、メタノールに幾分分散可能であり、16時間沈殿する。
【0080】
実施例12
エチレングリコール中エタノールアミンでの硫酸バリウムの製造
温度計、還流冷却器およびマグネチックスターラー(PTFE)を備えた50mlの3径丸底フラスコにて、5.081g(20.8mmol)のBaCl2×2H2Oを24.8mlのエチレングリコールに室温で溶解させ、80℃まで加熱した。この溶液に、0.6ml(10mmol)のエタノールアミンを加えた(溶液A)。この時間の間に、2.304g(20mmol)のNH4HSO4を8.4mlのエチレングリコールに溶解させ、80℃まで加熱した(溶液B)。反応を開始するために、攪拌下、溶液Bを溶液Aに加え、反応混合物を80℃にて1時間攪拌した。
【0081】
この時間後、反応スラリーを約30℃まで冷却し、35mlのメタノールでスパイクして、硫酸バリウム粒子を沈殿させ、スラリーの粘度を低下させた。生ずる硫酸バリウムを遠心分離(5分,18000upm)によって分離し、30mlのメタノールで2回洗浄した。室温、減圧で、乾燥させた後、白色の硫酸バリウムナノ粒子が、収率99%で得られた。粒子は、水およびメタノールに分散可能である。
【0082】
実施例13
エチレングリコールおよび過剰の硫酸塩イオン中ピリジンでの硫酸バリウムの製造
温度計、還流冷却器およびマグネチックスターラー(PTFE)を備えた50mlの3径丸底フラスコにて、4.886g(20mmol)のBaCl2×2H2Oを24.8mlのエチレングリコールに室温で溶解させ、80℃まで加熱した。この溶液に、0.8ml(10mmol)のピリジンを加えた(溶液A)。この時間の間に、2.422g(21mmol)のNH4HSO4を8.4mlのエチレングリコールに溶解させ、80℃まで加熱した(溶液B)。反応を開始するために、攪拌下、溶液Bを溶液Aに加え、反応混合物を80℃にて1時間攪拌した。
【0083】
この時間後、反応スラリーを約30℃まで冷却し、35mlのメタノールでスパイクして、硫酸バリウム粒子を沈殿させ、スラリーの粘度を低下させた。生ずる硫酸バリウムを遠心分離(5分,18000upm)によって分離し、30mlのメタノールで2回洗浄した。室温、減圧で、乾燥させた後、白色の硫酸バリウムナノ粒子が、収率100%で得られた。粒子は、水およびメタノールに分散可能であり、平均粒子サイズ35nmを示す。
【0084】
実施例14
エチレングリコール:グリセロール(95:5)中ピリジンでの硫酸バリウムの製造
温度計、還流冷却器およびマグネチックスターラー(PTFE)を備えた50mlの3径丸底フラスコにて、5.081g(20.8mmol)のBaCl2×2H2Oを23.6mlのエチレングリコールと1.75mlのグリセロールの混合物中に室温で溶解させ、80℃まで加熱した。この溶液に、0.8ml(10mmol)のピリジンを加えた(溶液A)。
【0085】
この時間の間に、2.304g(20mmol)のNH4HSO4を8mlのエチレングリコールに溶解させ、80℃まで加熱した(溶液B)。反応を開始するために、攪拌下、溶液Bを溶液Aに加え、反応混合物を80℃にて1時間攪拌した。この時間後、反応スラリーを約30℃まで冷却し、35mlのメタノールでスパイクして、硫酸バリウム粒子を沈殿させ、スラリーの粘度を低下させた。生ずる硫酸バリウムを遠心分離(5分,18000upm)によって分離し、30mlのメタノールで2回洗浄した。室温、減圧で、乾燥させた後、白色の硫酸バリウムナノ粒子が、収率約99%で得られた。粒子は、水およびメタノールに分散可能である。
【0086】
実施例15
ジエチレングリコール中ピリジンでの硫酸バリウムの製造
温度計、還流冷却器およびマグネチックスターラー(PTFE)を備えた50mlの3径丸底フラスコにて、5.081g(20.8mmol)のBaCl2×2H2Oを24.8mlのジエチレングリコールに室温で溶解させ、80℃まで加熱した。この溶液に、0.8ml(10mmol)のピリジンを加えた(溶液A)。この時間の間に、2.304g(20mmol)のNH4HSO4を8.4mlのジエチレングリコールに溶解させ、80℃まで加熱した(溶液B)。反応を開始するために、攪拌下、溶液Bを溶液Aに加え、反応混合物を80℃にて1時間攪拌した。
【0087】
この時間後、反応スラリーを約30℃まで冷却し、35mlのメタノールでスパイクして、硫酸バリウム粒子を沈殿させ、スラリーの粘度を低下させた。生ずる硫酸バリウムを遠心分離(5分,18000upm)によって分離し、30mlのメタノールで2回洗浄した。室温、減圧で、乾燥させた後、白色の硫酸バリウムナノ粒子が、収率96%で得られた。粒子は、水およびメタノールに分散可能である。
【0088】
比較実施例1
エチレングリコール中イミダゾールでの硫酸バリウムの製造
温度計、還流冷却器およびマグネチックスターラー(PTFE)を備えた50mlの3径丸底フラスコにて、1.343g(5.5mmol)のBaCl2×2H2Oを21mlのエチレングリコールに室温で溶解させた。この溶液に、0.340g(5mmol)のイミダゾールを加えた(溶液A)。
【0089】
この時間の間に、0.578g(5mmol)のNH4HSO4を4.5mlのエチレングリコールに室温で溶解させた(溶液B)。反応を開始するために、攪拌下、溶液Bを溶液Aに加え、反応混合物を180℃まで加熱し、180℃にて2時間攪拌した。
【0090】
この時間後、反応スラリーを約30℃まで冷却し、35mlのメタノールでスパイクして、硫酸バリウム粒子を沈殿させ、スラリーの粘度を低下させた。生ずる硫酸バリウムを遠心分離(5分,18000upm)によって分離し、30mlのメタノールで2回洗浄した。室温、減圧で、乾燥させた後、淡いベージュ色の硫酸バリウムナノ粒子が、収率約97%で得られた。粒子は、水に分散可能である。
【0091】
比較実施例2
水中ピリジンでの硫酸バリウムの製造
温度計、還流冷却器およびマグネチックスターラー(PTFE)を備えた50mlの3径丸底フラスコにて、5.081g(20.8mmol)のBaCl2×2H2Oを24.8mlの水に室温で溶解させ、80℃まで加熱した。この溶液に、0.8ml(10mmol)のピリジンを加えた(溶液A)。
【0092】
この時間の間に、2.304g(20mmol)のNH4HSO4を8.4mlの水に溶解させ、80℃まで加熱した(溶液B)。反応を開始するために、攪拌下、溶液Bを溶液Aに加え、反応混合物を80℃で1時間攪拌した。この時間後、反応スラリーを約30℃まで冷却し、35mlのメタノールでスパイクして、硫酸バリウム粒子を沈殿させ、スラリーの粘度を低下させた。生ずる硫酸バリウムを遠心分離(5分,18000upm)によって分離し、30mlのメタノールで2回洗浄した。室温、減圧で、乾燥させた後、白色の硫酸バリウムナノ粒子が、収率約90%で得られた。粒子は、ほとんど水に非分散性であり、水中での攪拌直後に沈殿を開始する。
【0093】
本発明をその具体的な実施態様を参考としつつ詳細に説明したものの、当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更および変形をなしうることは明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】図1は、BaSO4バルク材料についてのデータと比較した本発明に従うBaSO4ナノ粒子のX線回折を示す。
【図2】図2は、粒子の水性分散液での分析超遠心分離により決定された本発明に従うBaSO4ナノ粒子の典型的なサイズ分布を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属が多価金属または1価の遷移金属から選択される、場合によっては、ドープされたナノ粒状金属硫酸塩ナノ粒子を製造するための方法であって、該方法が、
a) 少なくとも1つのスルホキシド基を含む極性有機溶剤または少なくとも2つのヒドロキシ基を含む極性有機溶剤;
b) 多価金属または1価の遷移金属、硫酸塩源および、場合によっては、ドーパント金属源;および、
c) i) イミダゾールを除く芳香族N-含有ヘテロ環を有する塩基;
ii) 脂肪族N-含有ヘテロ環を有する塩基;
iii) 脂肪族ヒドロキシ置換されたアミン類;
iv) 脂肪族ポリアミン類;
v) 芳香族アミン類;
vi) アンモニアおよびアンモニアリリース化合物;
vii) 金属水酸化物;
から選択される塩基;
を含む反応混合物を加熱する工程を含む方法。
【請求項2】
塩基が、
i) 芳香族N-含有5-または6-員ヘテロ単環を有する塩基;
ii) 脂肪族N-含有5-または6-員ヘテロ単環を有する塩基;
iii) 脂肪族ヒドロキシ置換されたアミン類;
iv) 2〜10個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン類;
v) アニリン、または、アルキル-もしくはアミノ-置換されたそれらの誘導体;
vi) アンモニアおよび尿素;
vii) アルカリ金属水酸化物;
から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
塩基が、芳香族N-含有ヘテロ環を有する塩基;尿素および尿素誘導体;o-トルイジン;脂肪族ヒドロキシ置換されたアミン類;および、脂肪族N-含有ヘテロ単環を有する塩基から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
反応が、pH2〜9で行われる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
反応が、極性溶剤としてのエチレングリコールの存在にて行われる、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
反応が、60〜100℃の温度で行われる、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
多価硫酸塩が、アルカリ土類金属硫酸塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
それらの表面が少なくとも2つのヒドロキシ基または少なくとも1つのスルホキシド基を含む少なくとも1つの極性溶剤で改質され、それらの長手軸に沿って測定した平均サイズ0.5〜200nmを有する請求項1〜7のいずれかの方法によって得られる、場合によってはドープされた多価金属硫酸塩または1価の遷移金属硫酸塩。
【請求項9】
それらの表面が少なくとも2つのヒドロキシ基または少なくとも1つのスルホキシド基を含む少なくとも1つの極性溶剤で改質され、水およびメタノールに分散可能である、それらの長手軸に沿って測定した平均サイズ0.5〜200nmを有する、場合によってはドープされた多価金属硫酸塩または1価の遷移金属硫酸塩。
【請求項10】
平均サイズ1〜50nmを有する、請求項8または9に記載の金属硫酸塩。
【請求項11】
請求項3に記載の方法によって得られる、請求項9に記載の金属硫酸塩。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−536191(P2007−536191A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511869(P2007−511869)
【出願日】平成16年5月4日(2004.5.4)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004725
【国際公開番号】WO2005/105933
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(506370685)ツェントラム・フューア・アンゲヴァンテ・ナノテヒノロギー(ツェーアーエン)ゲーエムベーハー (4)
【Fターム(参考)】