説明

分析システム

【課題】 複数の試料について連続測定を行う場合において、試料の位置決めや分析領域の把握が容易であり、より信頼性の高い測定が実施可能であると共に高い利便性の得られる分析システムを提供すること。
【解決手段】 試料に紫外線を照射することにより当該試料から放出される光電子を検出する光電子検出装置を備えた分析システムにおいて、光電子検出装置は、一面に複数の試料載置部が形成された分析領域を有するプレート状の試料ホルダと、当該試料ホルダが水平方向に延びる姿勢で着脱自在に装着される試料ステージと、試料ステージを、試料ホルダにおける順次に指定される一の試料載置部が紫外線照射装置より照射される紫外線の照射スポットに位置されるよう、位置調整する制御手段と、試料から放出される光電子を検出する光電子検出器と、試料ホルダにおける分析領域の画像データを取得する撮像手段とを備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、仕事関数、イオン化ポテンシャルあるいは状態密度といった、試料の特性や状態を、光電子分光法を利用して測定する分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
有機固体の電子の構造や電子の状態密度の測定、例えば有機EL素子用有機材料や太陽電池用有機材料などの電子材料のイオン化ポテンシャルの測定、あるいは、各種電極用金属材料の仕事関数の測定などにおいては、励起光を試料の表面に照射することによって放出される光電子の数と運動エネルギーを測定する光電子分光法が利用されている。
【0003】
このような光電子分光法を利用した光電子検出装置としては、例えば、紫外線発生源からの高エネルギーの紫外線によるスポット光を大気中に配置された試料に照射することによって試料から放出される光電子を検出する構成のものが知られている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−257538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
而して、従来における光電子検出装置においては、複数の試料について連続的に測定(分析)を行う場合には、オペレータによる試料の交換作業が必要であり、また、一回の試料の測定に例えば5分間程度の時間を要することから、オペレータが長時間の時間の間、光電子検出装置に付きっきりになることとなる。
【0006】
このような事情から、同一種または異種の複数の試料の各々の測定を、試料の交換作業を行うことなく連続的に行うことができる構成とされることが求められている。
例えば、複数の試料を適宜の試料ホルダ上に載置して、各々の試料がスポット光の照射領域に位置されるよう位置調整して順次に測定を行うことが考えられるが、光電子測定中は、暗箱とされて試料ホルダ(試料)の状態を外部から視認することができないことから、測定箇所の位置制御のために、複数の試料について測定を行う順序(試料ホルダにおける測定箇所)の指定などの設定操作において、人為的なミスが介入して誤った分析結果をもたらすおそれがある。
また、このような問題が生ずることを回避するために、予め、測定を行う前に、試料ホルダのいずれの位置にどのような試料を載置したかなどの情報を記録しておくことなどが考えられるが、相当の手間がかかり不便である。
【0007】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、複数の試料について連続的に測定を行う場合においても、試料の位置決めや分析領域の把握が容易であり、より信頼性の高い測定を行うことができると共に高い利便性を得ることができる分析システムを提供することを目的とする。
また、光電子検出装置を小型のものとして構成することのできる分析システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の分析システムは、試料に紫外線を照射することにより当該試料から放出される光電子を検出する光電子検出装置を備えた分析システムにおいて、
前記光電子検出装置は、一面に複数の試料載置部が形成された分析領域を有するプレート状の試料ホルダと、当該試料ホルダが水平方向に延びる姿勢で着脱自在に装着される試料ステージと、当該試料ステージを、前記試料ホルダにおける順次に指定される一の試料載置部が紫外線照射装置より当該試料ホルダの一面上に照射される紫外線の照射スポットに位置されるよう、位置調整する制御手段と、紫外線を試料に照射することにより当該試料から放出される光電子を検出する光電子検出器と、前記試料ホルダにおける分析領域の画像データを取得する撮像手段とを備えてなることを特徴とする。
【0009】
本発明の分析システムにおいては、前記撮像手段の撮像領域が、前記分析領域が複数に分割された一の分割領域であり、
前記分析領域の分割領域の各々について取得される画像データ要素を合成して前記分析領域全体の画像データを取得する機能を有する表示操作装置をさらに備えた構成とされていることが好ましい。
【0010】
さらにまた、本発明の分析システムにおいては、前記試料ステージは、前記試料ホルダを水平方向に移動させる直動ステージと、前記試料ホルダを水平面内において鉛直方向に延びる回転軸を中心に回転させる回転ステージとが組み合わせられてなる構成とされていることが好ましい。
【0011】
さらにまた、本発明の分析システムにおいては、前記試料ホルダは、試料の性状に応じた試料載置部を有する構成のものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の分析システムによれば、試料ホルダにおける分析領域の画像データを取得する撮像手段を備えた構成とされていることにより、光電子検出が行われるに際して、予め、試料ホルダにおける分析領域の画像データを取得しておくことにより、当該画像データを利用して、試料の位置決めを正確に行うことができるので、複数の試料について連続測定を行う場合であっても、人為的ミスが介入するおそれを回避することができ、しかも、分析領域内における試料に係る情報、例えば種類、位置、向きなどを映像として把握でき、光電子検出器による分析データに画像データを関連付けて記録しておくことで、個々の試料の管理だけでなく、サンプルチェンジャー上における複数の試料の一括管理を行うことができ、研究用データとして高い信頼性が得られる。
【0013】
試料ホルダにおける分析領域の画像データが、分析領域を複数の領域に分割した各分割領域について順次に撮像された画像データ要素を合成することにより、取得される構成とされていることにより、撮像手段の撮像領域が分析領域の全体である場合に比して、撮像手段の、試料ホルダに対する高さ方向における設置位置を低く設定することができるので、光電子検出装置の高さ方向の小型化を図ることができる。
【0014】
試料の位置決めが、直動ステージと回転ステージとが組み合わせられた複合ステージよりなる試料ステージにより行われる構成とされていることにより、試料ステージの可動範囲を可及的に小さいものとすることができ、これによっても、光電子検出装置の小型化を図ることができる。
【0015】
試料ホルダが、試料の性状に応じた試料載置部を有する構成とされており、目的に応じて選択されるものが試料ステージに装着されることにより、光電子検出が例えば真空下において行われる光電子検出装置では測定することのできない、例えば粒状(粉体状)や液状の試料の測定を行うことができ、高い利便性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の分析システムの一例における構成の概略を示す説明図である。
【図2】本発明に係る光電子検出装置を構成する光電子検出器の一例における構成の概略を示す説明図である。
【図3】本発明に係る光電子検出装置において用いられる試料ホルダの構成例を概略的に示す説明図である。
【図4】本発明の分析システムにおいて行われる撮像処理を説明するための図である。
【図5】本発明の分析システムにおいて光電子測定に際して行われる試料の位置調整動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の分析システムの一例における構成の概略を示す説明図である。
この分析システムは、例えば大気雰囲気下またはN2 雰囲気下において、分析すべき試料Sに、紫外線(UV)を照射することにより試料Sから放出される光電子e- を検出する光電子検出装置10と、所定の波長の紫外線を光電子検出装置10における測定領域に照射する紫外線照射装置30と、光電子検出装置10および紫外線照射装置30の各々の制御装置に動作指令信号を入力する表示操作装置40とにより構成されている。
【0018】
光電子検出装置10は、複数の試料載置部51が形成された分析領域52を一面に有するプレート状の試料ホルダ(サンプルチェンジャー;図3参照)50が水平方向に延びる姿勢で着脱自在に装着される試料ステージ11と、試料ステージ11を、前記試料ホルダ50における順次に指定される一の試料載置部が紫外線照射装置30より当該試料ホルダ50の一面上に照射される紫外線の照射スポットに位置されるよう、位置調整する制御手段18と、紫外線が試料Sに照射されることにより当該試料Sから放出される光電子e- を検出する光電子検出器20と、光電子検出器20よりの光電子検出信号に基づいて電子数を計数する光電子計数手段25と、前記試料ホルダ50における分析領域52の画像データを取得する撮像カメラ28とを備えている。
【0019】
試料ステージ11は、試料ホルダ50を水平方向に移動させる直動ステージ(Xステージ)12と、試料ホルダ50を水平面内において鉛直方向に延びる回転軸を中心に回転させる回転ステージ(θステージ)13とが組み合わせられてなる複合ステージにより構成されており、回転ステージ13を構成する板状の回転テーブルの一面上に試料ホルダ50が着脱自在に装着される。
ここに、試料ステージ11を構成する回転ステージ13の一面(試料ホルダ装着面)の高さレベル位置は、装着される試料ホルダ50の一面と紫外線出射口との離間距離が例えば7mm以下となるよう設定されている。
また、試料ステージ11には、試料Sに対して照射される紫外線の光量を測定する光量測定手段15が、試料ホルダ50に載置される試料Sと同一の高さレベル位置に位置されるよう、設けられている。
【0020】
光電子検出器20は、例えば、図2に示すように、各々、光電子e- の取り入れ口が網目状に形成されてなる円筒状のサプレッサグリッド21および円筒状のクエンチンググリッド22が同軸上に配置されると共にクエンチンググリッド22の中心軸上に線条のアノード23が配置され、両端部が絶縁体24により支持されてなる二重円筒型の構造を有し、空気を増倍ガスとして用い、例えば大気中において光電子e- を検出することのできる構成とされている。
【0021】
試料ホルダ50は、試料の性状に応じた試料載置部を有するものであって、例えば図3に示すように、(A)方形状の試料載置部51が格子状に形成されてなるもの、(B)球状の凹所よりなる試料載置部51が格子状に形成されてなるものなどを例示することができ、例えば、粒状(粉体状)または液状の試料の場合には、例えば図3(B)に示す構成のものが用いられる。
また、薄片状の試料の場合には、試料載置部51の形状は特に制限されるものではなく、適宜の形状のものを用いることができる。
試料ホルダ50における試料載置部51の数は、特に制限されるものではないが、実用上、例えば16(4×4)〜36(6×6)箇所であることが好ましい。
【0022】
紫外線照射装置30は、例えば光ファイバなどの導光手段(図示せず)を介して、あるいは、直接に光電子検出装置10に接続されており、光電子検出装置10における紫外線出射口が、試料ステージ11が測定領域に位置された状態において、紫外線の照射スポットLAが試料ホルダ50の一面上における中心位置に位置されるよう、形成されている(図5参照)。
紫外線照射装置30は、例えば重水素ランプよりなる紫外線ランプ31と、紫外線ランプ31を点灯させるランプ点灯電源32と、内部空間が窒素置換環境または真空環境とされるチャンバ33内に配置された、紫外線の光量を調整する光量調整手段34および所定の波長の紫外線を照射する分光器35と、ランプ点灯電源32、分光器35および光量調整手段34の動作制御を行う制御手段36とを備えている。
この紫外線照射装置30より照射される紫外線のエネルギーは、例えば3.4〜7.0eVである。
【0023】
表示操作装置40は、後述する撮像カメラ28によって取得される分析領域52の画像データ要素に対して所定の画像処理を行う機能を有すると共に光電子計数手段25よりの出力信号に対して所定の信号処理を行う機能を有する演算処理部41と、例えば試料ホルダ50における試料載置部51の位置(試料Sの測定順序)の指定などの測定条件を入力する操作部42と、試料ホルダ50における分析領域52の画像データおよび光電子検出装置10による測定結果を表示する表示部43と、画像データおよび光電子検出装置10による測定結果を関連付けて記録するメモリ44とを備えている。
【0024】
上述したように、本発明の分析システムに係る光電子検出装置10は、試料ホルダ50における分析領域52を撮像する撮像カメラ28を備えている。
撮像カメラ28は、例えば、広角の視野を有するレンズを備えたCCDカメラまたはCMOSカメラにより構成されており、試料ホルダ50の分析領域52の一部の領域、具体的には、例えば図4に示すように、分析領域52を複数例えば4つの領域に分割した一の分割領域52Aを撮像領域とする視野領域を有する。
【0025】
以下、上記の分析システムの動作を説明する。
試料ホルダ50における複数の試料載置部51の各々に試料を載置して、試料ホルダ50を試料ステージ11に装着した状態において、電源が投入されると、試料ステージ11を構成する直動ステージ12が例えばステッピングモータよりなる直動ステージ駆動源14により駆動されて試料ホルダ50が測定領域に移動され、図4に示すように、撮像カメラ28の撮像領域が例えば分析領域52における分割領域52Aとなる向きで位置された状態を基準状態として、先ず、試料ホルダ50における分析領域52の画像データを取得する撮像処理が行われる。ここに、光電子検出装置10の筐体の内部は、例えば大気雰囲気である。
この撮像処理においては、試料ホルダ50の分析領域52が例えば4つの領域に分割された分割領域52A,52B,52C,52Dの各々についての、取得すべき画像データを構成する画像データ要素が、基準状態からの回転ステージ13の回転動作による位置調整が行われることにより、順次に取得され、表示操作装置40における演算処理部41によって、取得された画像データ要素が合成されて分析領域52全体の画像データが取得されると共にその結果が表示部43に表示される。
【0026】
次いで、試料の測定順序(試料ホルダ50における試料載置部51の位置)の指定、紫外線の照射条件を含む測定条件が、表示操作装置40の表示部43に表示された当該試料ホルダ50についての画像データに基づいて、表示操作装置40の操作部42において入力されると、図5に示すように、最初に指定された試料(試料載置部511)が、分析位置、すなわち、紫外線の照射スポットLAの形成位置に位置されるよう、基準状態からの直動ステージ12の直動動作(ΔX)および回転ステージ13の回転動作(Δθ)による位置調整が行われた後、光量調整手段34によって所定の光量に調整されると共に分光器35によって所定の波長(エネルギー)に調整された紫外線が紫外線照射装置30から光ファイバを介して試料載置部511における試料Sに照射され、これにより、光電効果によって試料Sの表面から放出される光電子が光電子検出器20により検出され、光電子検出信号が光電子計数手段25に出力される。そして、光電子計数手段25において、光電子検出器20よりの光電子検出信号に基づいて電子数が計数され、その結果が表示操作装置40の表示部43に表示される。このような光電子測定処理が、指定された測定条件に従って、後続の試料(試料載置部512,513,514,・・・)の各々について順次に、直動ステージ12の直動動作および回転ステージ13の回転動作による紫外線照射スポットLAに対する位置調整が行われることにより、自動的に行われる。
【0027】
そして、当該試料ホルダ50に係る各々の試料についての測定データと分析領域52の画像データとが関連付けられて表示操作装置40におけるメモリ44に記録される。
【0028】
ここに、上記の分析システムにおいては、分析すべき試料の測定を行うに際して、紫外線照射装置30から照射される紫外線の光量の調整が試料ステージ11に設けられた光量測定手段15による検出結果に基づいて行われると共に、光電子検出器20の感度校正が標準試料を用いて行われる。
【0029】
而して、上記の分析システムによれば、複数の試料Sが載置された試料ホルダ50における分析領域52の画像データを取得する撮像カメラ28を備えていることにより、撮像カメラ28によって取得される分析領域52の画像データを利用して、分析位置に対する試料Sの位置決めを正確に行うことができるので、複数の試料Sについて連続測定を行う場合であっても、人為的ミスが介入するおそれを回避することができ、しかも、分析領域52内における試料Sに係る情報、例えば種類、位置、向きなどを映像として容易に把握することができ、光電子検出器20による分析データに画像データを関連付けて記録しておくことで、個々の試料Sの管理だけでなく、試料ホルダ50上に複数の試料Sの一括管理を行うことができ、取得される測定データは、研究用データとして高い信頼性を有するものとなる。
【0030】
試料ホルダ50における分析領域52の画像データが、分析領域52を4つの領域に分割した各分割領域52A〜52Dについて撮像された画像データ要素を合成することにより取得される構成とされていることにより、撮像カメラ28の撮像領域が分析領域52の全体である場合に比して、撮像カメラ28の、試料ホルダ50に対する高さ方向における設置位置を低く設定することができるので、光電子検出装置10の高さ方向の小型化を図ることができる。
【0031】
試料Sの位置決めが、直動ステージ12と回転ステージ13とが組み合わせられた複合ステージよりなる試料ステージ11により行われる構成とされていることにより、試料ステージ11の可動範囲を可及的に小さいものとすることができ、これによっても、光電子検出装置10の小型化を図ることができる。
【0032】
また、試料Sについての光電子検出が大気中またはN2 雰囲気中で行われる構成とされており、しかも、試料ホルダ50が試料Sの性状に応じた試料載置部51を有し、目的に応じて選択されるものが試料ステージ11に装着される構成とされていることにより、光電子検出(測定)が真空下において行われる光電子検出装置10では測定することのできない、例えば粒状(粉体状)や液状の試料の測定を行うことができ、高い利便性が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の分析システムは、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機薄膜トランジスタ素子、有機太陽電池用有機材料のイオン化ポテンシャルの測定;光触媒のイオン化ポテンシャルの測定;プラズマディスプレイパネルにおけるMgO膜の膜質評価;カーボンナノチューブ、フラーレンの電子状態測定;カーボン薄膜、ダイヤモンド薄膜の電子状態測定;化粧品、医薬品、化学薬品などの電子状態測定;感光体のイオン化ポテンシャルの測定;電極、リードフレーム、接点、鋼板、シリコンウエハー、化合物半導体ウエハーの汚染度、酸化膜測定;各種電極用金属材料の仕事関数測定など、特定の機能を備えた材料の開発などにおいて材料の特性を判定するためのものとして有用である。
【0034】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、撮像カメラの撮像領域の大きさ、換言すれば、分割領域の数は、特に制限されるものではない。
また、一回の測定において、試料ホルダにおける試料載置部のすべてに試料が載置される必要はなく、すなわち、試料ホルダ上に載置される試料の数は、目的に応じて適宜に変更することができる。
【符号の説明】
【0035】
10 光電子検出装置
11 試料ステージ
12 直動ステージ(Xステージ)
13 回転ステージ(θステージ)
14 直動ステージ駆動源
15 光量測定手段
18 制御手段
20 光電子検出器
21 サプレッサグリッド
22 クエンチンググリッド
23 アノード
24 絶縁体
25 光電子計数手段
- 光電子
28 撮像カメラ
30 紫外線照射装置
31 紫外線ランプ
32 ランプ点灯電源
33 チャンバ
34 光量調整手段
35 分光器
36 制御手段
LA 照射スポット
40 表示操作装置
41 演算処理部
42 操作部
43 表示部
44 メモリ
50 試料ホルダ(サンプルチェンジャー)
51 試料載置部
511〜514 試料載置部
52 分析領域
52A〜52D 分割領域
S 試料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料に紫外線を照射することにより当該試料から放出される光電子を検出する光電子検出装置を備えた分析システムにおいて、
前記光電子検出装置は、一面に複数の試料載置部が形成された分析領域を有するプレート状の試料ホルダと、当該試料ホルダが水平方向に延びる姿勢で着脱自在に装着される試料ステージと、当該試料ステージを、前記試料ホルダにおける順次に指定される一の試料載置部が紫外線照射装置より当該試料ホルダの一面上に照射される紫外線の照射スポットに位置されるよう、位置調整する制御手段と、紫外線を試料に照射することにより当該試料から放出される光電子を検出する光電子検出器と、前記試料ホルダにおける分析領域の画像データを取得する撮像手段とを備えてなることを特徴とする分析システム。
【請求項2】
前記撮像手段の撮像領域が、前記分析領域が複数に分割された一の分割領域であり、
前記分析領域の分割領域の各々について取得される画像データ要素を合成して前記分析領域全体の画像データを取得する機能を有する表示操作装置をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の分析システム。
【請求項3】
前記試料ステージは、前記試料ホルダを水平方向に移動させる直動ステージと、前記試料ホルダを水平面内において鉛直方向に延びる回転軸を中心に回転させる回転ステージとが組み合わせられてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の分析システム。
【請求項4】
前記試料ホルダは、試料の性状に応じた試料載置部を有するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の分析システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−103232(P2012−103232A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254562(P2010−254562)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000250421)理研計器株式会社 (216)
【Fターム(参考)】