分析装置及び異常からの測定再開方法
【課題】搬送装置を含む分析装置に異常が発生したとき、ユーザが容易かつ迅速に異常から測定を再開できる分析装置を提供する。
【解決手段】検体を測定する測定部と、検体を収容する検体容器を保持する検体ラックを、前記測定部に搬送する搬送部と、前記測定部と前記搬送部を制御する動作制御手段と、
分析装置の異常を検知する検知手段と、表示部と、前記検知手段によって異常を検知したとき、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報を前記表示部に表示させる表示制御手段と、分析装置の異常から測定再開の指示を受け付ける測定再開受付手段とを備え、前記動作制御手段は、前記測定再開受付手段により測定再開の指示を受け付けると、吸引する必要がある検体を選択的に吸引するよう前記測定部と前記搬送部を制御する。
【解決手段】検体を測定する測定部と、検体を収容する検体容器を保持する検体ラックを、前記測定部に搬送する搬送部と、前記測定部と前記搬送部を制御する動作制御手段と、
分析装置の異常を検知する検知手段と、表示部と、前記検知手段によって異常を検知したとき、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報を前記表示部に表示させる表示制御手段と、分析装置の異常から測定再開の指示を受け付ける測定再開受付手段とを備え、前記動作制御手段は、前記測定再開受付手段により測定再開の指示を受け付けると、吸引する必要がある検体を選択的に吸引するよう前記測定部と前記搬送部を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置の異常を検知したとき、ユーザが容易かつ迅速に異常から測定を再開できる分析装置および異常からの測定再開方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、血液凝固分析装置、免疫分析装置等、生体から採取された試料の分析を行う分析装置が使用されている。病院、検査センター等の臨床検査室では、分析装置からの分析結果を早く患者に返すために検査の効率化が求められている。したがって、これら分析装置には、検体を自動で順次分析装置に搬送する搬送装置が用いられている。
また、このような分析装置に異常が発生した場合、光源、スピーカー、及び表示を用いて分析装置の使用者がその旨を容易に認識できる分析装置が提案されている(例えば特許文献1)。
【0003】
上述した分析装置において、搬送装置を含む分析装置に異常が発生した場合、中断した分析を再開するために、分析装置の使用者は、検体ラックを搬送装置の所定の位置に再度セットし直し、分析を再開する必要がある。
【0004】
【特許文献1】特開2005−37173
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、搬送装置を含む分析装置に異常が発生したこと及び異常の内容を分析装置の使用者に認識させるのみであり、使用者が異常からの復帰のために行う具体的な方法が記載されていなかった。このため、例えば検体ラックを搬送装置の所定の位置に再度セットし直さなければならないような異常が発生した場合、使用者は取扱説明書を見ながら異常からの復帰を行わなければならず、操作が煩雑であった。
【0006】
本発明は、搬送装置を含む分析装置に異常が発生したとき、ユーザが容易かつ迅速に異常から測定を再開できる分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の観点から、本発明の分析装置は、検体を測定する測定部と、検体を収容する検体容器を保持する検体ラックを、前記測定部に搬送する搬送部と、前記測定部と前記搬送部を制御する動作制御手段と、分析装置の異常を検知する検知手段と、表示部と、前記検知手段によって異常を検知したとき、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報を前記表示部に表示させる表示制御手段と、分析装置の異常から測定再開の指示を受け付ける測定再開受付手段とを備え、前記動作制御手段は、前記測定再開受付手段により測定再開の指示を受け付けると、吸引する必要がある検体を選択的に吸引するよう前記測定部と前記搬送部を制御するように構成することができる。
これにより、異常から測定を再開するために検体ラックの取扱いを示す情報が提供され、吸引する必要がある検体のみが選択的に吸引されるので、ユーザは容易かつ迅速に異常から測定を再開できる。
【0008】
上記発明においては、前記搬送部は、検体ラックを前記測定部に搬送する搬送ラインを備え、前記分析装置は、前記搬送ラインに存在する前記検体ラックの情報を取得する検体ラック情報取得手段と、前記検体ラック情報取得手段により取得した前記検体ラックの情報を記憶する記憶手段とをさらに備え、前記表示制御手段は、前記検知手段によって分析装置の異常を検知したとき、前記記憶手段により記憶されている前記検体ラックの情報に基づき、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報を表示させるように構成することができる。
これにより、分析装置に異常が発生したとき、異常から測定を再開するために、搬送ラインに存在する検体ラックの取扱い方法について、ユーザに具体的な情報を提供することができる。
【0009】
上記発明においては、前記検体ラック情報取得手段は、搬送ラインに存在する検体ラックの識別情報を取得することを特徴とするように構成することができる。
この構成によれば、検体ラック情報取得手段が検体ラックの識別情報を取得するので、例えば、検体ラックや検体容器に貼付されたバーコードを読み取るバーコードリーダを検体ラック情報取得手段として使用することができる。これにより、検体ラック情報を取得するために別途センサを設ける必要がなくなり、装置の構成が簡略化される。
【0010】
上記発明においては、前記記憶手段は、前記検体ラック情報取得手段が前記検体ラックの情報を取得したとき、前記検体ラックの情報を記憶するように構成することができる。
【0011】
上記発明においては、前記検知手段は、前記測定部と前記搬送部の少なくとも1つの異常を検知することを特徴とすることができる。
【0012】
上記発明においては、検体ラックが前記搬送ラインから搬出されたことを検知する検体ラック搬出検知手段と、前記記憶手段により記憶されている前記検体ラックの情報を削除する検体ラック情報削除手段とを備え、前記検体ラック情報削除手段は、前記検体ラック搬出検知手段によって、検体ラックが前記搬送ラインから搬出されたことを検知したとき、前記搬送ラインから搬出された検体ラックの情報を前記記憶手段から削除するように構成することができる。
この構成によれば、搬送ラインから搬出された検体ラックの情報を削除することができ、搬送ラインに存在しない検体ラックの情報を確実に削除できるので、より的確な情報を表示部に表示させることができる。
【0013】
上記発明においては、前記表示制御手段は、前記検知手段が異常を検知したとき、前記記憶手段に記憶されている前記検体ラックの情報に基づいて前記搬送ラインに存在する前記検体ラックの数を算出し、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報として、算出した前記検体ラックの数を含む情報を前記表示部に表示させるように構成することができる。
これにより、検知手段によって分析装置に異常が発生したことを検知したとき、ユーザは、異常からの復帰のために、検体ラックを幾つ搬送部の所定の位置に再度セットしなければならないかを知ることができ、異常から測定を容易かつ迅速に再開することができる。
【0014】
上記発明においては、前記検体ラックの取扱いを示す情報は、前記搬送ラインに存在する検体ラックを、幾つ所定の位置に戻す必要があるかを示す情報とする構成にすることができる。
これにより、ユーザは、前記検体ラックの取扱いを示す情報を見て、異常から測定を容易かつ迅速に再開することができる。
【0015】
上記発明においては、前記記憶手段は、前記検体ラック情報取得手段が取得した前記検体ラックの識別情報を記憶し、前記表示制御手段は、前記検知手段が異常を検知したとき、前記記憶手段に記憶されている前記検体ラックの前記識別情報を抽出し、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報として、抽出した前記検体ラックの前記識別情報を含む情報を前記表示部に表示させる構成にすることができる。
これにより、検知手段によって吸引部、測定部、及び搬送部に異常が発生したことを検知したとき、ユーザは、異常からの復帰のために、どの検体ラックを搬送部の所定の位置に再度セットしなければならないかを知ることができ、容易かつ迅速に異常から測定を再開することができる。
【0016】
上記発明においては、前記搬送部は、検体容器を保持する検体ラックをセットするためのセット部と、前記測定部によって検体が吸引された検体容器を保持する検体ラックを貯留するための貯留部と、前記セット部から前記貯留部に検体ラックを搬送する搬送機構を備え、分析装置に異常が発生すると、前記表示制御手段は、前記検体ラックの取扱いを示す情報として前記搬送部に存在する検体ラックの全てを前記セット部にセットする旨を示す情報を前記表示部に表示するように構成することができる。
これにより、分析装置に異常が発生したとき、搬送部に存在する検体ラックの全てをセット部に再度セットすることを促すメッセージが表示部に表示されるので、ユーザはセット部に戻す検体ラックの数を数える必要がなくなる。したがって、ユーザは容易かつ迅速に異常から測定を再開することができる。
【0017】
上記発明においては、検体ラックまたは検体容器を識別するための識別情報を取得する識別情報取得部と、前記搬送部によって搬送される検体の測定の進捗情報を記憶する記憶部とをさらに備え、前記動作制御手段は、前記識別情報取得部によって取得された識別情報と前記記憶部に記憶された測定の進捗情報とに基づいて、前記測定部によって吸引する必要がある検体を選択的に吸引するよう、前記測定部と前記搬送部とを制御するように構成することができる。
この構成によれば、異常からの測定再開時に、識別情報取得部により取得した識別情報と記憶部により記憶された進捗情報に基づいて、吸引部によって吸引する必要のある検体か否かを判断することができる。これにより、ユーザが搬送部のセット部にセットし直す検体ラックの順に依存することなく、吸引部によって吸引する必要がある検体を選択することができるので、ユーザにとって操作が容易となる。
【0018】
上記発明においては、前記記憶部は、前記進捗情報と検体の識別情報、または、前記進捗情報と検体ラックの識別情報および検体の当該検体ラックにおける位置とを対応付けて記憶し、前記動作制御手段は、前記記憶部が記憶している進捗情報と前記識別情報取得部によって取得する識別情報に基づいて、前記吸引部によって吸引する必要がある検体を選択的に吸引するよう前記測定部と前記搬送部を制御するように構成することができる。
【0019】
上記発明においては、前記進捗情報は、検体の吸引が行われたか否かを示す検体吸引情報を含み、前記動作制御手段は、前記検体吸引情報に基づいて、前記測定部によって吸引する必要がある検体か否かを判断するように構成することができる。
これにより、測定が再開されたとき、吸引が完了していない検体のみを選択して吸引することができる。
【0020】
第2の観点から、検体の測定を行う測定部によって検体を測定するステップと、検体を収容する検体容器を保持する検体ラックを前記測定部に搬送する搬送部によって、検体ラックを前記測定部に搬送するステップと、分析装置の異常を検知するステップと、分析装置の異常を検知したとき、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報を表示させるステップと、異常を検知した後に測定再開の指示を受け付けると、吸引する必要がある検体を選択的に吸引するステップとを備えるように構成することができる。
これにより、異常から測定を再開するために検体ラックの取扱いを示す情報を提供し、吸引する必要がある検体を選択的に吸引するので、ユーザは容易かつ迅速に異常から測定を再開できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の分析装置および異常からの測定再開方法によれば、分析装置に異常が発生したとき、ユーザは容易かつ迅速に異常から測定を再開できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(実施の形態1)
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態1を詳細に説明する。
「装置の全体構成」
図1は、本発明の一実施の形態に係る免疫分析装置(検体分析装置)の全体構成を示す平面説明図である。
免疫分析装置1は、血液等の検体(試料)を用いて、B型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカ及び甲状腺ホルモン等種々の項目の検査を行うための装置である。この免疫分析装置1は、図1に示されるように、複数の機構(コンポーネント)からなる測定ユニット2(測定部)と、測定ユニット2に電気的に接続されたデータ処理ユニットである制御装置300とから構成されている。
【0023】
この免疫分析装置1では、測定対象である血液等の検体に含まれる抗原に結合した捕捉抗体(R1試薬)に磁性粒子(R2試薬)を結合させた後に、結合(Bound)した抗原、捕捉抗体及び磁性粒子を1次BF(Bound Free)分離部109aの磁石に引き寄せることにより、未反応(Free)の捕捉抗体を含むR1試薬を除去する。そして、磁性粒子が結合した抗原と標識抗体(R3試薬)とを結合させた後に、結合(Bound)した磁性粒子、抗原及び標識抗体を2次BF分離部109bの磁石に引き寄せることにより、未反応(Free)の標識抗体を含むR3試薬を除去する。さらに、標識抗体との反応過程で発行する発光基質(R5試薬)を添加した後、標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量を測定する。このような過程を経て、標識抗体に結合する検体に含まれる抗原を定量的に測定している。
「測定ユニットの構成」
【0024】
測定ユニット2は、測定制御部100と、搬送部200と、バーコードリーダ111と、緊急検体搬送部101と、チップ搬送部102と、ピペットチップ供給装置103と、チップ脱離部104と、吸引部105と、試薬設置部106aおよび106bと、1次反応部107aと、2次反応部107bと、試薬分注アーム108a、108bおよび108cと、1次BF分離部109aと、2次BF分離部109bと、検出部110とを備えている。
測定ユニット2の各機構の構成としては、公知の構成を適宜採用することができるが、以下、図1にそって、簡単に説明をする。
【0025】
測定制御部100は、CPUと、RAMと、ROM等を備えており、搬送部200、緊急検体搬送部101、検出部110、吸引部105等の制御を行い、検出部110から受信した検出結果を通信インタフェース112を介して、制御装置300に送信する。
【0026】
搬送部200は試験管252が複数保持された検体ラック250をセットする右槽部220と、右槽部220から送り込まれた検体ラック250を左槽部240に送り出す位置まで搬送する搬送ライン230と、搬送ライン230から送り出された検体ラック250を駐留する左槽部240とを有している。
【0027】
図4は、検体を収容した複数の試験管252が保持された検体ラック250の斜視図である。検体ラック250には、検体ラック250を識別するための検体ラックバーコード251が貼付され、バーコードリーダ111によって読取られる。検体ラックバーコード251としては、CODE128、CO39、NW−7等のバーコードを使用できる。
試験管252には、検体を識別するための試験管バーコード253が貼付され、バーコードリーダ111によって読取られる。試験管バーコード253としては、CODE128、CO39、NW−7等のバーコードを使用できる。
【0028】
図1に戻り、バーコードリーダ111は、搬送部200の右槽部200から搬送ライン230に送り込まれた検体ラック250の検体ラックバーコード251および検体ラック250に保持された試験管252の試験管バーコード253を読取るように構成されている。
【0029】
図5は、搬送部200とバーコードリーダ111の模式図である。搬送部は主に右槽部220と、搬送ライン230と、左槽部240とを備える。
右槽部220は、検体ラックセット部221と、検体ラック有無センサ226と、検体ラック送り込み機構部222とを備える。
ユーザは、測定及び分析装置の異常からの復帰のため、試験管252が保持された検体ラック250を検体ラックセット部221に、検体ラックバーコード251とバーコードリーダ111が対向するようにセットする。
検体ラック有無センサ226は、検体ラックセット部221に検体ラックがセットされていることを検知するために設けられている。
検体ラック送り込み機構部222は、送り込みレバー223aおよび223bと、モータ224とおよびセンサ225を備える。送り込みレバー223aと223bはモータ224により駆動され、検体ラックセット部221上の検体ラック250を搬送ライン230に送り込む。また、センサ225は、送り込みレバー223aと223bが原点位置に戻っていることを検知するために設けられている。
【0030】
次に、搬送ライン230は、検体ラック到着センサ231と、検体ラック横送り機構部232と、吸引位置236と、測定情報問合せ位置237を備えており、検体ラック250を2つ収容することができる。
検体ラック到着センサ231は、検体ラックセット部221の検体ラック250が、検体ラック送り込み機構部222により、測定ライン230に正常に送り込まれたことを検知するために設けられている。
検体ラック横送り機構部232は、横送りレバー233aおよび233bと、モータ234と、センサ235aおよび235bとを備える。横送りレバー233aと233bは連結されており、モータ234により同期して駆動される。レバー233aとレバー233bが駆動されると、検体ラック250の底部に各レバーが引っかかり、検体ラック250を左槽部220方向に1ピッチ(1試験管分)横送りする。センサ235aと235bは、横送りレバー233が正常に動作したこと、及び、モータ234が停止しているときに検体ラック250が動作していないことを検知するために設けられている。
検体ラック横送り機構部232は、搬送ライン230の検体ラックを送り出す位置に検体ラック250が到着するまで、上記検体ラック250の横送り動作を繰り返す。
吸引位置236は、この位置に到着した試験管252から検体が吸引されることを示す。測定のために吸引が必要な試験管252が吸引位置236に到着すると、測定制御部100は、吸引部105を制御して吸引位置236の試験管252から検体の吸引を行う。
測定情報問合せ位置237は、この位置に到着した試験管252に関して、測定制御部100は制御装置300に測定情報の問い合わせを行う。
【0031】
ついで、バーコードリーダ111は、搬送ライン230に送り込まれた検体ラック250が1回横送りされた後、検体ラックバーコード251と、検体ラック250に保持された全ての試験管252の試験管バーコード253を読取る。
【0032】
次に、左槽部240は、検体ラック送り出し機構部241と検体ラック取出し部242とを備える。
検体ラック送り出し機構部241は、送り出しレバー242と、モータ243と、センサ244とを備える。搬送ライン230の左端に検体ラック250が到着したとき、送り出しレバー242はモータ243により駆動し、検体ラック250を検体ラック取出し部242に送り出す。センサ244は、送り出しレバー242が正常に原点位置に戻っていることを検知するために設けられている。
検体ラック取出し部242は、検体ラック送り出し機構部241により送り出された検体ラック250が収容され、ユーザは検体の吸引が完了した検体ラック250を検体ラック取出し部242から取り除く。
【0033】
図1に戻り、緊急検体セット部101は、搬送部200により搬送される検体に割り込んで検査する必要がある緊急検体を収容した試験管252を、緊急検体用の吸引位置に搬送するように構成されている。
【0034】
ピペットチップ供給装置103は、投入したピペットチップを1つずつチップ搬送部102のチップ設置部102aに供給する機能を有している。
チップ脱離部104は、後述する吸引部105に装着されたピペットチップを脱離するために設けられている。
【0035】
吸引部105は、搬送部200により吸引位置に搬送された試験管252内の検体を、後述する1次反応部107aの回転テーブル部112の保持部112aに保持されるキュベット(図示せず)内に分注する機能を有している。この吸引部105は、アーム部105aを前後方向及び軸105bを中心に回転させるとともに、上下方向に動作させることが可能なように構成されている。また、アーム部105aの先端部には、検体の吸引及び吐出を行うノズル部が設けられており、このノズル部の先端には、チップ搬送部102により搬送されるピペットチップが装着される。
【0036】
試薬設置部106aには、捕捉抗体を含むR1試薬が収容される試薬容器及び標識抗体を含むR3試薬が収容される試薬容器が設置されている。
一方、試薬設置部106bには、磁性粒子を含むR2試薬が収容される試薬容器が設置されている。
【0037】
1次反応部107aは、回転テーブル部112の保持部112aに保持されるキュベットを所定の期間(本実施の形態では、18秒)毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット内の液体、R1試薬及びR2試薬を攪拌するために設けられている。つまり、1次反応部107aは、キュベット内で磁性粒子を有するR2試薬と検体中の抗原とを反応させるために設けられている。この1次反応部107aは、検体とR1試薬及びR2試薬とが収容されるキュベットを回転方向に搬送するための回転テーブル部112と、キュベット内の検体、R1試薬及びR2試薬を攪拌するとともに、攪拌された検体、R1試薬及びR2試薬が収容されたキュベットを後述する1次BF分離部109aに搬送する容器搬送部114とから構成されている。
前記容器搬送部114は、回転テーブル部112の中心部分に回転可能に設置されている。この容器搬送部114は、回転テーブル部112の保持部112aに保持されるキュベットを把持するとともにキュベット内の試料を攪拌する機能を有している。さらに、容器搬送部114は、検体、R1試薬及びR2試薬を攪拌してインキュベーションした試料を収容したキュベットを1次BF分離部109aに搬送する機能も有している。
【0038】
2次反応部107bは、1次反応部107aと同様の構成を有しており、回転テーブル部113の保持部113aに保持されるキュベットを所定の期間(本実施の形態では、18秒)毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット内の検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬及びR5試薬を攪拌するために設けられている。つまり、2次反応部107bは、キュベット内で標識抗体を有するR3試薬と検体中の抗原とを反応させるとともに、発光基質を有するR5試薬とR3試薬の標識抗体とを反応させるために設けられている。この2次反応部107bは、検体、R1試薬、R2試薬、R4試薬及びR5試薬が収容されるキュベットを回転方向に搬送するための回転テーブル部113と、キュベット内の検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬及びR5試薬を攪拌するとともに、攪拌された検体等が収容されたキュベットを後述する2次BF分離部109bに搬送する容器搬送部117とから構成されている。さらに、容器搬送部117は、2次BF分離部109bにより処理されたキュベットを再び回転テーブル部113の保持部113aに搬送する機能を有している。
【0039】
試薬分注アーム108aは試薬設置部106aに設置される試薬容器内のR1試薬を吸引するとともに、その吸引したR1試薬を1次反応部107aのキュベット内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム108aは、アーム部113aを、軸113bを中心に回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部113aの先端部には、試薬容器内のR1試薬の吸引及び吐出を行うためのノズルが取り付けられている。
【0040】
試薬分注アーム108bは、試薬設置部106bに設置される試薬容器内のR2試薬を1次反応部107aの検体及びR1試薬が分注されたキュベット内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム108bは、アーム部114aを、軸114bを中心に回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部114aの先端部には、試薬容器内のR2試薬の吸引及び吐出を行うためのノズルが取り付けられている。
【0041】
試薬分注アーム108cは、試薬設置部106aに設置される試薬容器内のR3試薬を吸引するとともに、その吸引されたR3試薬を2次反応部107bの検体、R1試薬及びR2試薬が分注されたキュベット内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム108cは、アーム部115aを、軸115bを中心に回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部115aの先端部には、試薬容器内のR3試薬の吸引及び吐出を行うためのノズルが取り付けられている。
【0042】
1次BF分離部109aは、1次反応部107aの容器搬送部114によって搬送されたキュベット内の試料から未反応のR1試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離するために設けられている。
未反応のR1試薬等が分離された1次BF分離部109aのキュベットは、搬送機構116により2次反応部107bの回転テーブル部113の保持部113aに搬送される。搬送機構116は、先端にキュベット把持部(図示せず)を有するアーム部116aを、軸116bを中心に回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。
【0043】
2次BF分離部109bは、1次BF分離部109aと同様の構成を有しており、2次反応部107bの容器搬送部117によって搬送されたキュベット内の試料から未反応のR3試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離するために設けられている。
R4試薬供給部118及びR5試薬供給部119は、それぞれR4試薬及びR5試薬を2次反応部107bの回転テーブル部113の保持部113aに保持されたキュベット内に供給するために設けられている。
【0044】
検出部110は、所定の処理が行われた検体の抗原に結合する標識抗体と発光基質との反応過程で生じる光を光電子倍増管(Photo Multiplier Tube)で取得することにより、その検体に含まれる抗原の量を測定するために設けられている。この検出部110は、2次反応部107bの回転テーブル部113の保持部113aに保持されるキュベットを当該検出部110に搬送するための搬送機構部110aを備えている。
測定済みの試料が吸引された、使用済みのキュベットは廃棄用孔120を介して免疫分析装置1の下部に配置される図示しないダストボックスに廃棄される。
【0045】
測定ユニット2は、図3に示すように測定制御部100が各機構を制御するとともに、Ethernet(登録商標)を用いた通信インタフェース112を介して、制御装置300からの測定情報の受信、制御装置300への測定結果の送信、及び制御装置300への異常の通知を行っている。
【0046】
「制御装置」
図2は、制御装置300のブロック図を示す。図2に示すように、制御装置300は本体部301と、ディスプレイ302と、入力デバイス303とから主として構成されたコンピュータである。
本体部301は、CPU310と、ROM311と、RAM312と、ハードディスク313、入出力インタフェース314、読出装置315、通信インタフェース316、画像出力インタフェース317とから主として構成されており、CPU310、ROM311、RAM312、ハードディスク313、入出力インタフェース314、読出装置315、通信インタフェース316および画像出力インタフェース317は、バス318によってデータ通信可能に接続されている。
【0047】
CPU310は、ROM311及びハードディスク313に記憶されているコンピュータプログラム及びRAM312にロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、アプリケーションプログラムを当該CPU310が実行することにより、後述するような各機能ブロックが実現され、コンピュータが制御装置300として機能する。
【0048】
ROM311は、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM等によって構
成されており、CPU310に実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いる
データが記録されている。
【0049】
RAM312は、SRAM、DRAM等によって構成されている。RAM312は、ROM311及びハードディスク313に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU310の作業領域として利用される。
【0050】
ハードディスク313は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等、CPU310に実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。
【0051】
読出装置315は、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体319に記録されたコンピュータプログラム又はデータを読み出すことができる。
【0052】
入出力インタフェース314は、例えばUSB、IEEE1394、RS−232C等のシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェースから構成されている。入出力インタフェース314には、キーボード、マウス及びハンディバーコードリーダからなる入力デバイス303が接続されており、操作者が当該入力デバイス303を使用することにより、本体301にデータを入力することが可能である。
【0053】
通信インタフェース316は、例えばEthernet(登録商標)インタフェースであり、制御装置300は、当該通信インタフェース316により、所定の通信プロトコルを使用してネットワーク350を介して接続された測定制御部100との間でデータの送受信が可能である。
【0054】
画像出力インタフェース317は、LCDまたはCRT等で構成されたディスプレイ
302に接続されており、CPU310から与えられた画像データに応じた映像信号を
ディスプレイ302に出力するようになっている。
【0055】
ディスプレイ302は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
【0056】
これより図6から図20を用いて、本実施の形態1による検体測定処理を説明する。
「全体プロセス」
図6及び7は免疫分析装置1において正常に測定が行われた場合の処理を示すフローチャートである。
図7に示すステップS200において、ユーザにより制御装置300のディスプレイ302に表示された測定開始ボタン(図示せず)が押されると(ステップS200においてYes)、測定情報がユーザにより入力されているか否かを判断する(ステップS201)。ユーザにより測定情報が入力されている場合(ステップS201においてYes)、測定制御部100に測定開始の通知を行う(ステップS202)。ユーザにより測定開始ボタンが押下されたが、測定情報が入力されていない場合(ステップS201においてNo)、処理をステップS200に戻す。
【0057】
図6に移り、測定制御部100は、測定開始の通知を受信すると、搬送ライン230に検体ラック250を送り込めるか否かを判断する(ステップS302)。検体ラック250を送り込めると判断した場合(ステップS302においてYes)、検体ラックセット部221に検体ラック250が存在するかどうかをセンサ226の出力に基づいて判断する(ステップS304)。検体ラックセット部221に検体ラック250がある場合(ステップS304においてYes)、検体ラック送り込み機構部222によって検体ラック250を搬送ライン230に送り込む(ステップS305)。
このステップS305において、測定制御部100は、検体ラック送り込み機構部222が駆動されてから所定の時間を経過しても、検体ラック到着センサ231によって、検体ラック250が送り込まれたことを検知できなかった場合、後述する異常発生時の処理を実行する。
さらに、検体ラック送り込み機構部222によって、搬送ライン230に送り込みが完了した後、測定制御部100は、所定の時間を経過しても、検体ラック送り込み機構部222が原点位置に戻ったことをセンサ225の出力に基づいて検知できなかった場合、後述する異常発生時の処理を実行する。
検体ラックセット部221に検体ラック250がない場合(ステップS304においてNo)、ステップS322に処理を進める。
測定制御部100は検体ラック250を送り込めないと判断した場合、つまり、新たな検体ラック250が搬送ライン230に送り込まれると、既に搬送ラインに存在している検体ラック250に干渉すると判断した場合(ステップS302においてNo)、検体ラック250の送り込みを実施せず、処理をステップS303に進める。
【0058】
ついで、搬送ライン230上の検体ラック250を1回横送りする(ステップS303)。このステップS303において、測定制御部100は、センサ235aと235bの出力に基づいて、横送りレバー233が正常に動作していない、または、モータ234が停止しているときに検体ラック250が動作したと検知した場合、後述する異常発生時の処理を実行する。
【0059】
ついで、測定制御部100は、バーコードリーダ111にて検体ラックバーコード251の情報を取得済みであるか否かをチェックする(ステップS306)。検体ラックバーコード251の情報を取得していない場合(ステップS306においてNo)、バーコードリーダ111にて、検体ラックバーコード251の情報を取得し(ステップS307)、取得した検体ラックバーコード251の情報を記憶する(ステップS308)。
既に検体ラックバーコード251の情報を取得している場合(ステップS306においてYes)、またはステップS308の実行後、ステップS309に処理を進め、検体ラック250に保持された試験管252について、まだ取得していない試験管バーコード253がある場合(ステップS309においてNo)、取得していない試験管バーコード253をバーコードリーダ111にて取得し(ステップS310)、取得した情報を記憶する(ステップS311)。
【0060】
図10は、上記ステップS308において、測定制御部100が記憶している検体ラック情報管理テーブル700の模式図である。
検体ラック情報管理テーブル700は、第1検体ラック情報701と第2検体ラック情報702とを備える。第1検体ラック情報701は、搬送ライン230に存在する検体ラック250のうち、先に搬送ライン230に送り込まれた検体ラック250の情報を示す。また、第2検体ラック情報702は、搬送ライン230に存在する検体ラック250のうち、後に搬送ライン230に送り込まれた検体ラック250の情報を示す。
第1検体ラック情報701と第2検体ラック情報702は、それぞれ一連番号703と検体ラックID704とを備える。一連番号703は、測定制御部100の電源が投入されてから搬送ライン230に検体ラック250が送り込まれる毎に、測定制御部100が検体ラック250に付与する一連番号であり、測定ユニット2がシャットダウンされるまで、一意な番号が付与される。検体ラックID704は、バーコードリーダ252にて取得した検体ラックバーコード251の情報を示す。
例えば、図10に示すラック情報管理テーブル700は、現在搬送ライン230には検体ラック250が2つ存在し、先に搬送ライン230に送り込まれた検体ラック250の一連番号703は0001であり、バーコードリーダ111にて取得した検体ラックバーコード251の情報はA1234であることを示す。さらに、その後に搬送ライン230に送り込まれた検体ラック250の一連番号703は0002であり、バーコードリーダ111にて取得した検体ラックバーコード251の情報は、A0300であることを示す。
【0061】
図6に戻り、測定情報問合わせ位置237に試験管252がある場合(ステップS312においてYes)、測定情報問合わせ位置237にある試験管252について、制御装置300に対して測定情報の問合わせを行う(ステップS313)。測定情報問合わせ位置237に試験管252がない場合(ステップS312においてNo)、処理をステップS315に進める。
【0062】
図7に戻り、制御装置300は、図11に示す測定情報問合わせデータ710を受信すると(ステップS220においてYes)、図2に示すハードディスク313の所定の領域に記憶した測定情報から、検体ラックバーコード251の情報、試験管バーコード253の情報、試験管252が保持されている検体ラック250の試験管位置をキーとして測定情報を検索する(ステップS221)。
図11は、測定制御部100から制御装置300に送信される測定情報問合わせデータ710の模式図である。
測定情報問合わせデータ710は、問合わせのラックID指定情報711と、一連番号712と、検体ラックID713と、試験管位置714と、検体番号715とを備える。
問合わせのラックID指定情報711は、制御装置300がハードディスク313に記憶している測定情報から問合わせた検体に関する測定情報を検索するとき、検体ラックに関して、一連番号712と検体ラックID713の何れをキーとして使用するかを指定する情報である。0がセットされているときは、一連番号712をキーとし、1がセットされているときは検体ラックID713をキーとして測定情報の検索を行う。一連番号712は、検体ラック250が搬送ライン230に送り込まれたときに、測定制御部100が検体ラック250に付与する一連番号を示す情報である。検体ラックID713は、バーコードリーダ111により取得した検体ラックバーコード251の情報を示す。試験管位置714は、試験管252が検体ラック250のどの試験管位置に保持されているかを示す情報である。検体番号715はバーコードリーダ111により取得した試験管バーコード253の情報を示す。
例えば、図11に示す測定情報問合わせデータ710は、検体ラックID713がA1234であり、検体番号715が12345であり、検体ラック250の2本目に保持された検体についての測定情報問合わせデータ710であることを示す。
【0063】
図9は、ユーザが測定情報を入力する測定情報登録画面の一例である。
測定情報登録画面600は、制御装置300のディスプレイ302に表示され、主に検体ラックID入力欄601と、ページ切替ボタン602と、測定情報入力シート603と、登録ボタン610を備える。
検体ラックID入力欄601は、検体ラックバーコード251の情報を入力する欄であり、ハンディバーコードリーダ、キーボード等から情報を入力する。
ページ切替ボタン602は、複数の検体ラック250に関する測定情報を入力する場合、本ボタンを押すことで、次の検体ラック250の測定情報を入力するための測定情報入力シート603を表示することができる。
測定情報入力シート603は、登録状態表示欄604と、試験管位置605と、検体番号入力欄606と、測定項目選択欄607とを備える。登録状態表示欄604は、入力した測定情報が登録済みであるか否かを示す情報であり、チェックが入っている検体については、オーダが既に登録されていることを示す。検体番号入力欄は試験管バーコード253の情報を入力する欄であり、ハンディバーコードリーダまたはキーボード等から情報を入力する。測定項目欄607は、何れの測定項目を測定するかを選択できる欄であり、マウスから測定する測定項目を選択する。
登録ボタン610は、測定情報入力シート603に表示されている測定情報を登録し、ハードディスク313に測定情報を記憶する。
例えば、図9に示す測定情報登録画面600は、検体ラックバーコード251がA1234であり、検体ラック250の第1試験管架設位置の試験管バーコード253の情報が12345である検体については、項目607aのHBsAgを測定し、第2試験管架設位置に試験管バーコード253の情報がABCDEである検体については、項目607bのHBsAbを測定する測定情報が制御装置300のハードディスク313に記憶されていることを示す。
【0064】
図14(a)は、ハードディスク313に記憶されている測定情報を管理する測定情報管理データベース740の模式図である。
測定情報管理データベース740は、主にデータベースキー741と、一連番号742と、検体ラックID743と、検体番号744と、試験管位置745と、測定項目吸引情報746とを備える。
データベースキー741は、測定情報管理データベース740から検索対象の情報を抽出するための情報を示す。一連番号742は、測定制御部100が搬送ライン230に投入された検体ラック250に付与する一連番号を示す情報である。検体ラックID743は、図9に示した測定情報入力画面600の検体ラック番号入力欄601に入力された値を示す情報である。検体番号744は、測定情報入力画面600の検体番号入力欄606に入力された値を示す情報であり、測定情報入力シート603の試験管位置605に対応している。試験管位置745は、検体ラック250のどの位置の試験管252に対する測定情報かを示す情報である。測定項目吸引情報746は、各測定項目のオーダの有無を示す情報であり、図14(b)、図14(c)などに示す情報を含んでいる。
図14(b)に示す測定項目吸引情報は、測定項目751と吸引情報752とを含んでいる。測定項目751は、分析装置にて測定できる測定項目を示す情報であり、測定情報入力シート603の測定項目選択欄607に対応している。吸引情報752は、各測定項目が測定する項目として登録されているか、既に測定のための吸引が完了しているかを示す情報である。0は測定のためのオーダが登録されており、まだ検体の吸引が行われていないことを示す。1は測定のためのオーダが登録されており、吸引が既に完了していることを示す。−1はオーダがないことを示す。例えば、図14(b)に示す測定項目吸引情報750は、測定項目HBsAgのオーダが登録されており、既に検体の吸引が完了していることを、測定項目HBsAbのオーダは登録されていないことを、測定項目HCVのオーダが登録されているが、検体がまだ吸引されていないことを示す。
したがって、図14(a)に示す測定情報管理データベース740は、データベースキー741が3674の領域には、一連番号742が0001、ラックID743がA1234であり、検体ラック250の第1試験管位置にセットされた検体番号744が12345の検体について、HBsAgとHCVの測定項目がオーダとして登録されており、測定項目HBsAgに対する検体の吸引は完了しており、測定項目HCVに対する検体の吸引はまだ完了していないことを示す。
また、データベースキー741が3675の領域には、一連番号742が0001であり、検体ラックID743がA1234であり、検体ラック250の第2試験管位置にセットされた検体番号744がABCDEの検体について、HBsAbの測定項目がオーダとして登録されており、測定項目HBsAbに対する検体の吸引はまだ完了していないことを示す。
【0065】
図7に戻り、測定情報の検索の結果、該当する測定情報があった場合(ステップS222においてYes)、データベースキー741と測定項目吸引情報746を測定情報問合せ710に付加して(ステップS223)、図12に示すオーダ情報を測定制御部100に通知する(ステップS225)。測定情報の検索の結果、該当する測定情報が見つからなかった場合(ステップS222においてNo)、オーダなしの情報を測定情報問合せ710に付加し、測定制御部100に通知する(ステップS225)。
【0066】
図12は、制御装置300から測定制御部に送信される測定情報720の模式図である。測定情報720は、データベースキー721と、一連番号722と、検体ラックID723と、検体番号724と、試験管位置725と、測定項目吸引情報726とを含んでいる。データベースキー721は、測定情報管理データベース740から検索対象の情報を抽出するためのキーを示す情報である。一連番号722は、測定制御部100が搬送ライン230に投入された検体ラック250に付与される一連番号を示す情報である。検体ラックID723は、バーコードリーダ252により取得した検体ラックバーコード251の情報を示す。検体番号724はバーコードリーダ252により取得した試験管バーコード253の情報を示す。試験管位置725は、検体ラック250のどの位置の試験管252に対する測定情報かを示す情報である。測定項目吸引情報726は、各測定項目のオーダの有無を示す情報であり、図12(b)に示す情報を含んでいる。
図12(b)に示す測定項目吸引情報727は、測定項目728と吸引情報729とを含んでいる。測定項目728は、分析装置にて測定できる測定項目を示す情報である。吸引情報729は、各測定項目が測定する項目として登録されているか、既に測定のための吸引が完了しているかを示す情報である。0は測定のためのオーダが登録されており、まだ検体の吸引が行われていないことを示す。1は測定のためのオーダが登録されており、吸引が既に完了していることを示す。−1はオーダがないことを示す。例えば、図12(b)に示す測定項目吸引情報727は、測定項目HBsAgのオーダが登録されており、既に検体の吸引が完了していることを、測定項目HBsAbのオーダは登録されていないことを、測定項目HCVのオーダが登録されているが、検体がまだ吸引されていないことを示す。
【0067】
図6に戻り、測定制御部100は測定情報を受信すると、その内容を記憶する(ステップS314)。
ついで、測定制御部100は、吸引位置236に検体があり(ステップS315においてYes)、その検体に関して、図12に示すオーダ情報727に測定すべき項目があると判断した場合(ステップS316においてYes)、その項目に関する検体の吸引を開始し(ステップS317)、検体の吸引が完了したタイミングで検体吸引が完了したことを制御装置に通知する(ステップS318)。吸引位置236に検体がない場合(ステップS315においてNo)、または、吸引位置236の検体について測定情報がない場合(ステップS316においてNo)、処理をステップS319に移す。
【0068】
図13は、検体の吸引が完了したときに、測定制御部100から制御装置300に送信される吸引完了通知730の模式図である。吸引完了通知730は、データベースキー731と測定項目吸引情報732とを含んでいる。データベースキー731は、測定情報管理データベース740から検索対象の情報を抽出するための情報を示す。測定項目吸引情報732は、各測定項目のオーダの有無を示す情報であり、図13(b)に示す情報を含んでいる。
図13(b)に示す測定項目吸引情報735は、測定項目736と吸引情報737とを含んでいる。測定項目736は、分析装置にて測定できる測定項目を示す情報である。吸引情報737は、各測定項目が測定する項目として登録されているか、既に測定のための吸引が完了しているかを示す情報である。0は測定のためのオーダが登録されており、まだ検体の吸引が行われていないことを示す。1は測定のためのオーダが登録されており、吸引が既に完了していることを示す。−1はオーダがないことを示す。
例えば、図13(b)に示す測定項目吸引情報727は、測定項目HBsAgのオーダが登録されており、既に検体の吸引が完了していることを、測定項目HBsAbのオーダは登録されていないことを示す。さらに、測定項目HCVについてはオーダが登録されており、検体の吸引が既に完了していることを示す。
【0069】
図7に戻り、制御装置300は、測定制御部100から図13に示す検体の吸引完了通知730を受信すると(ステップS230においてYes)、データベースキー731に基づいて、測定情報管理テーブル740を検索し、該当するデータベースキー741の測定項目吸引情報746を受信した測定項目吸引情報732で更新する(ステップS231)。
【0070】
図6に戻り、測定制御部100は、搬送ライン230に検体ラック取出し位置242に送り出す検体ラック250があると判断した場合(ステップS319においてYes)、検体ラックの送り出し処理を実行する(ステップS320)。測定制御部100は、送り出しレバー242が検体ラック250を送り出した後、所定時間を経過しても送り出しレバー242が正常に原点位置に戻ったことをセンサ244により検知できなかった場合、後述する異常処理を実行する。
ついで、測定制御部100は、図10に示した検体ラック情報管理テーブル700を更新する(ステップS321)。すなわち、検体ラック取出し部242に送り出されると、第2検体ラック情報702のデータ領域に記憶されている内容を第1情報記憶領域にコピーし、第2検体ラック情報702の内容を削除する。その後、新たな検体ラック250が、搬送ライン230に送り込まれると第2検体ラック情報のデータ領域に、ステップS308で取得した情報を記憶する。測定制御部100は、送り出しレバー242が検体ラック250を送り出した後、所定時間を経過しても送り出しレバー242が正常に原点位置に戻ったことをセンサ244により検知できなかった場合、後述する異常処理を実行する。
測定制御部100は、搬送ライン230に検体ラック取出し位置242に送り出す検体ラック250がないと判断した場合(ステップS319においてNo)、処理をステップS322に移す。
【0071】
ついで、測定制御部100で全ての測定が完了したと判断した場合(ステップS322においてYes)、測定制御部100の状態をスタンバイにし、その旨を制御部300に通知する(ステップS323)。測定制御部100で全ての測定が完了していない場合、処理をステップS302に戻す。
【0072】
図7に戻り、制御装置300は、分析完了通知を受信すると(ステップS250においてYes)、測定状態をスタンバイにする(ステップS251)。
【0073】
ユーザにより、シャットダウンが実行された場合(ステップS210においてYes)、制御装置300から測定制御部100にシャットダウンコマンドが通知される(ステップS211)。シャットダウンが実行されなかった場合(ステップS210においてNo)、処理をステップS200に戻す。
【0074】
図6に戻り、測定制御部100は、制御装置300からシャットダウン通知を受信すると(ステップS324においてYes)、シャットダウンを実行し(ステップS325)、シャットダウン完了後、制御装置300にシャットダウンが完了したことを通知し、電源をOFFする。シャットダウン通知を受信しない場合(ステップS324においてNo)、処理をステップS324に戻す。
【0075】
図7に戻り、制御装置300は、測定制御部100からシャットダウンの完了通知を受信すると(ステップS260においてYes)、制御装置300の電源をOFFする。測定制御部100からシャットダウンの完了通知を受信しない場合(ステップS260においてNo)、処理をステップS220に戻す。
【0076】
「異常発生時のプロセス」
ついで、図6に示すフローチャートにおいて、ラックの横送り処理(ステップS303)、ラックの送り込み処理(ステップS305)、ラックの送り出し処理(ステップS320)等の搬送部200に関する異常が発生した場合、免疫分析装置1のユーザは、搬送ライン230に存在している検体ラック250を検体ラックセット部221にセットし直さなければならない。
測定中に搬送部200に異常が発生した場合の処理を図8のフローチャートに示す。
【0077】
測定制御部100は、上記搬送部200に関する異常を検知すると、搬送部200の動作を停止し(ステップS400)、搬送ライン230に存在する検体ラック250の数を図10に示したラック情報管理テーブル700に存在する検知ラック250の情報数から算出する(ステップS401)。ついで、測定制御部100は、算出した検体ラック数と共に異常の内容を制御装置300に通知する(ステップS402)。
【0078】
図15は、測定制御部100から制御装置300に送信される異常通知800の模式図である。異常通知800は、エラーNo.801と、ラック再セット数802とを含んでいる。エラーNo.801は、測定制御部100で発生したエラーと一意に対応したIDであり、このIDをキーとして、制御装置300は、複数あるエラーから何れのエラーが測定制御部100で発生したかを知ることができる。ラック再セット数802は、ユーザが測定を再開するために、搬送ライン230の検体ラック250を検体ラックセット部221に幾つ戻さなければならないかを示す情報である。
例えば、図15に示す異常通知800は、測定制御部100でエラーNo.801が377のエラー、すなわちラック横送り動作異常が発生し、ユーザは測定再開のため、搬送ライン230の検体ラック250を1つ検体ラックセット部221に戻す必要があることを示す。
【0079】
制御装置300は、異常通知850を受信すると(ステップS500においてYes)、図18に示すヘルプ画面を表示し(ステップS501)、アクションメッセージに戻すべき検体ラックの数を表示する(ステップS502)。
【0080】
図18は、制御装置300が測定制御部100から異常の通知を受信したときにディスプレイ302に表示するダイアログの一例である。
ヘルプダイアログ910は、エラー名称911と、アクションメッセージ912と、アラームリセットボタン913と、ダイアログクローズボタン914とを含んでいる。エラー名称は、測定制御部100が検知したエラーの名称を示す情報である。制御装置100は、制御装置300から受信した異常通知800のエラーNo.801の情報に対応するエラー名称を表示する。アクションメッセージ912は、エラー名称911に示された異常を復帰するために、ユーザが実行しなければならない操作手順を示す情報である。アラームリセットボタン913は、測定制御部100で異常が発生したとき、ユーザにその旨を通知するために鳴動させているアラームを止めるためのボタンである。ダイアログクローズボタン914は、ヘルプダイアログ910を閉じるためのボタンである。
図17は、図18に示すヘルプダイアログ910が表示されるときの、搬送部200における検体ラック250の状態の一例である。
ユーザは、図17に示す検体ラック901を検体ラック902の前(測定ユニット2側)に検体ラック901を再度セットし、測定を再開することで、検体ラック901で検体がまだ吸引されていない検体から測定を再開することができる。
【0081】
ついで、ユーザは図18に示すヘルプダイアログに従い搬送ライン230の検体ラック250を検体ラックセット部221に再度セットし直し、測定再開のために測定開始ボタンが押下されると(ステップS503においてYes)、制御装置300から測定制御部100に測定再開の指示が通知される(ステップS504)。測定開始ボタンが押下されていない場合(ステップS503においてNo)、処理をステップS503に戻す。
【0082】
測定制御部100は、制御装置300から測定再開の指示を受信すると(ステップS403においてYes)、搬送ライン230に検体ラック250が存在するか否かをセンサ244及びセンサ231の出力に基づいて判断し(ステップS404)、搬送ライン230に検体ラック250がない場合(ステップS404においてYes)、処理をステップS405に進め、さらに検体ラックセット部221に検体ラック250があるか否かを判断する(ステップS405)。検体ラックセット部221に検体ラック250があると判断した場合(ステップS405においてYes)、検体ラック250を搬送ライン230に送り込み(ステップS406)、搬送ライン230に送り込まれた検体ラック250を1ピッチ横送りし(ステップS407)、検体ラック250に貼付けられたバーコード251を読取る(ステップS408)。搬送ライン230に検体ラック250がある場合(ステップS404においてNo)、制御装置300に異常を通知する。
また、検体ラックセット部221に検体ラック250がない場合(ステップS405においてNo)、処理をステップS403に戻す。
【0083】
ついで、測定制御部100が記憶している検体ラック情報管理テーブル700にステップS408で取得した検体ラックバーコード251の情報と合致するものがある場合(ステップS409においてYes)、処理を図6に示すステップS309に進める。ステップS408で取得した検体ラックバーコード251の情報が、検体ラック情報管理テーブル700にない場合(ステップS409においてNo)、検体ラック情報管理テーブル700の内容をすべて削除し(ステップS420)、制御装置300に検体ラック情報の無効通知を送信する(ステップS421)。その後、測定制御装置100は、バーコードリーダ111にて取得したバーコードの情報をラック情報管理テーブル700に記憶し(ステップS422)、処理を図6に示すステップS309に進める。
【0084】
図16は、測定制御装置100から制御装置300に送信される検体ラック情報の無効通知850の模式図である。検体ラックの無効通知850は、問合わせキー851と、一連番号852と、検体ラックID853とを含んでいる。
問合わせキー851は、測定制御装置100から制御装置300へのオーダ問合わせのキーとして、一連番号852をキーとするか検体ラックID853をキーとするかを示す情報である。一連番号852は、測定制御部100が搬送ライン230に投入された検体ラック250に付与される一連番号を示す情報である。検体ラックID853は、バーコードリーダ111により取得した検体ラックバーコード251の情報を示す。
例えば、図16に示す無効通知850は、測定情報管理データベース740に記憶している検体ラックID853が0001である測定情報を、図11に示す測定情報問合わせ710を受信したときの検索対象から除外することを示す。
【0085】
制御装置300は、測定制御装置100から検体ラック情報の無効通知850を受信すると(ステップS240においてYes)、該当の測定情報を以降は検索対象から除き(ステップS241)、かつ、該当の測定情報が登録されているオーダ登録画面604の背景色を灰色にする(ステップS242)。これにより、ユーザは該当の検体ラックに関する測定情報が無効となったことを知ることができる。
【0086】
また、図19に示すように搬送ライン230に検体ラック951と検体ラック952が存在しているとき、ラックの横送り処理(ステップS303)、ラックの送り込み処理(ステップS305)等の搬送部200の処理において異常が発生した場合、制御装置300は、図20に示すヘルプ画面を制御装置300のディスプレイ302に表示する。
ユーザは、アクションメッセージ953を確認し、異常からの復帰のため、搬送ライン230の検体ラック250を2つ検体ラックセット部221に再度セットする必要があることを知ることができる。
【0087】
また、本実施の形態1においては、搬送ライン230に収容できる検体ラック250の数が2つである構成について述べたが、搬送ライン230に収容できる検体ラック250の数を3つ以上の構成としてもよい。
【0088】
また、本実施の形態1においては、測定制御部100から異常通知850を受信した場合、制御装置300は、ヘルプ画面910に搬送ライン230から検体ラックセット部221に戻す検体ラック250の数を表示する構成について述べたが、バーコードリーダ111にて読取った検体ラックバーコード251の情報を表示する構成としてもよい。
【0089】
また、本実施の形態1においては、バーコードリーダ111を用いて検体ラック250に貼付された検体ラックバーコード251の識別情報を取得する構成について述べたが、バーコードリーダ111を使用せずに、一連番号を用いることで、搬送ライン230に存在し、検体ラックセット部221に再度セットし直さなければならない検体ラック250の数を算出する構成としてもよい。
【0090】
また、本実施の形態1においては、搬送ライン230に存在する検体ラック250が検体ラック取出し部242に送り出されるタイミングで検体ラック情報管理テーブル700から送り出される検体ラック250の情報を削除する構成について述べたが、測定結果を取得したタイミングで検体ラック情報管理テーブル700から送り出される検体ラック250の情報を削除する構成としてもよい。これにより、免疫分析装置1に異常が発生したことで測定結果を得ることができなかった場合、ユーザは再測定のためにどの検体ラック250を検体ラックセット部221に戻せばよいかを容易に知ることができる。
また、検体ラック250に保持されているすべての試験管252に対する測定に必要な検体の吸引が完了したタイミングで、検体ラック情報管理テーブル700から検体ラック250の情報を削除する構成としてもよい。これにより、免疫分析装置1に異常が発生した場合、まだ検体の吸引が行われていない試験管252が保持された検体ラック250のみをユーザは検体ラックセット部221に戻すことができ、測定のために吸引する必要のない試験管252を保持した検体ラック250を検体ラックセット部221に戻す必要がなくなる。
【0091】
また、本実施の形態1においては、搬送部200にて異常を検知した場合の構成について述べたが、吸引部105及び、緊急検体搬送部101、試薬設置部106、反応部107等の測定部で異常を検知した場合においても、図8に示す異常処理を実行することにより、検体ラックセット部221に再度セットし直さなければならない検体ラック250の情報を提供する構成としてもよい。
【0092】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2を詳細に説明する。本発明の実施の形態2における免疫分析装置1の測定ユニット2および制御装置300のハードウェア構成は、本発明の実施の形態1と同じ構成であるため、説明は省略する。
「全体プロセス」
これより図21から図26を用いて、実施の形態2による免疫分析装置1による検体測定処理を説明する。
図21及び22は免疫分析装置1において正常に測定が行われた場合の処理を示すフローチャートである。
図22に示すステップS700において、ユーザにより制御装置300のディスプレイ302に表示された測定開始ボタン(図示せず)が押されると(ステップS700においてYes)、測定情報がユーザにより入力されているか否かを判断する(ステップS701)。ユーザにより測定情報が入力されている場合(ステップS701においてYes)、測定制御部100に測定開始の通知を行う(ステップS702)。ユーザにより測定開始ボタンが押下されたが、測定情報が入力されていない場合(ステップS701においてNo)、処理をステップS700に戻す。
【0093】
図21に移り、測定制御部100は、測定開始の通知を受信すると(ステップS601においてYes)、搬送ライン230に検体ラック250を送り込めるか否かを判断する(ステップS602)。測定開始の通知を受信しない場合(ステップS601においてNo)、処理をステップS601に戻す。ステップS602において、検体ラック250を送り込めると判断した場合(ステップS602においてYes)、検体ラックセット部221に検体ラック250が存在するかどうかをセンサ226の出力に基づいて判断する(ステップS604)。検体ラックセット部221に検体ラック250がある場合(ステップS604においてYes)、検体ラック送り込み機構部222によって検体ラック250を搬送ライン230に送り込む(ステップS605)。
このステップS605において、測定制御部は、検体ラック送り込み機構部222が駆動されてから所定の時間を経過しても、検体ラック到着センサ231によって、検体ラック250が送り込まれたことを検知できなかった場合、後述する異常発生時の処理を実行する。
さらに、検体ラック送り込み機構部222によって、搬送ライン230に送り込みが完了した後、測定制御部100は、所定の時間を経過しても、検体ラック送り込み機構部222が原点位置に戻ったことをセンサ225の出力に基づいて検知できなかった場合、後述する異常発生時の処理を実行する。
検体ラックセット部221に検体ラック250がない場合(ステップS604においてNo)、ステップS621に処理を進める。
測定制御部100は検体ラック250を送り込めないと判断した場合、つまり、新たな検体ラック250が搬送ライン230に送り込まれると、既に搬送ラインに存在している検体ラック250に干渉すると判断した場合(ステップS602においてNo)、検体ラック250の送り込みを実施せず、処理をステップS603に進める。
【0094】
ついで、搬送ライン230上の検体ラック250を1回横送りする(ステップS603)。このステップS603において、測定制御部100は、センサ235aと235bの出力に基づいて、横送りレバー233が正常に動作していない、または、モータ234が停止しているときに検体ラック250が動作したと検知した場合、後述する異常発生時の処理を実行する。
【0095】
ついで、測定制御部100は、バーコードリーダ111にて検体ラックバーコード251の情報を取得済みであるか否かをチェックする(ステップS606)。検体ラックバーコード251の情報を取得していない場合(ステップS606においてNo)、バーコードリーダ111にて、検体ラックバーコード251の検体IDを取得し(ステップS607)、取得した検体ラックバーコード251のラックIDを記憶する(ステップS608)。
既に検体ラックバーコード251のラックIDを取得している場合(ステップS606においてYes)、またはステップS608の実行後、ステップS609に処理を進め、検体ラック250に保持された試験管252について、まだ取得していない試験管バーコード253がある場合(ステップS609においてNo)、取得していない試験管バーコード253の検体IDをバーコードリーダ111にて取得し(ステップS610)、取得した検体IDを記憶する(ステップS611)。
【0096】
ついで、測定情報問合わせ位置237に試験管252がある場合(ステップS612においてYes)、測定情報問合わせ位置237にある試験管252について、検体ラックバーコード251のラックID、試験管252が保持されている検体ラック250の試験管位置をキーとして測定情報制御装置300に対して測定情報の問合わせを行う(ステップS613)。測定情報問合わせ位置237に試験管252がない場合(ステップS612においてNo)、処理をステップS615に進める。
【0097】
図22に戻り、制御装置300は、図10に示す測定情報問合わせデータ710を受信すると(ステップS720においてYes)、図2に示すハードディスク313の所定の領域に記憶した測定情報から、検体ラックバーコード251のラックID、試験管252が保持されている検体ラック250の試験管位置をキーとして測定情報を検索する(ステップS721)。
図10は、測定制御部100から制御装置300に送信される測定情報問合わせデータ710の模式図である。測定情報問合わせデータ710については実施の形態1にて詳細に説明しているので、ここでは省略する。
【0098】
図9は、ユーザが測定情報を入力する測定情報登録画面の一例である。測定情報登録画面については、実施の形態1にて詳細に説明しているので、ここでは省略する。
【0099】
図13(a)は、ハードディスク313に記憶されている測定情報を管理する測定情報管理データベース740の模式図である。測定情報管理データベース740については、実施の形態1にて詳細に説明しているので、ここでは省略する。
【0100】
図22に戻り、測定情報の検索の結果、該当する測定情報があった場合(ステップS722においてYes)、データベースキー741と測定項目吸引情報746を測定情報問合せ710に付加して(ステップS723)、図11(a)に示すオーダ情報を測定制御部100に通知する(ステップS725)。測定情報の検索の結果、該当する測定情報が見つからなかった場合(ステップS722においてNo)、オーダなしの情報を測定情報問合せ710に付加し、測定制御部100に通知する(ステップS725)。
【0101】
図11は、制御装置300から測定制御部に送信される測定情報720の模式図である。測定情報720については、実施の形態1にて詳細に説明しているので、ここでは省略する。
【0102】
図21に戻り、測定制御部100は測定情報を受信すると、その内容を記憶する(ステップS614)。
ついで、測定制御部100は、吸引位置236に検体があり(ステップS615においてYes)、その検体に関して、図11に示すオーダ情報727に測定すべき項目があると判断した場合(ステップS616においてYes)、その項目に関する検体の吸引を開始し(ステップS617)、検体の吸引が完了したタイミングで検体吸引が完了したことを制御装置に通知する(ステップS618)。吸引位置236に検体がない場合(ステップS615においてNo)、または、吸引位置236の検体について測定情報がない場合(ステップS616においてNo)、処理をステップS619に移す。
【0103】
図12は、検体の吸引が完了したときに、測定制御部100から制御装置300に送信される吸引完了通知730の模式図である。吸引完了通知730については、実施の形態1にて詳細に説明しているので、ここでは省略する。
【0104】
図22に戻り、制御装置300は、測定制御部100から図12に示す検体の吸引完了通知730を受信すると(ステップS730においてYes)、データベースキー731に基づいて、測定情報管理テーブル740を検索し、該当するデータベースキー741の測定項目吸引情報746を受信した測定項目吸引情報732で更新する(ステップS731)。
【0105】
図21に戻り、測定制御部100は、搬送ライン230に検体ラック取出し位置242に送り出す検体ラック250があると判断した場合(ステップS619においてYes)、検体ラックの送り出し処理を実行する(ステップS620)。測定制御部100は、送り出しレバー242が検体ラック250を送り出した後、所定時間を経過しても送り出しレバー242が正常に原点位置に戻ったことをセンサ244により検知できなかった場合、後述する異常処理を実行する。
測定制御部100は、送り出しレバー242が検体ラック250を送り出した後、所定時間を経過しても送り出しレバー242が正常に原点位置に戻ったことをセンサ244により検知できなかった場合、後述する異常処理を実行する。
測定制御部100は、搬送ライン230に検体ラック取出し位置242に送り出す検体ラック250がないと判断した場合(ステップS619においてNo)、処理をステップS622に移す。
【0106】
ついで、測定制御部100で全ての測定が完了したと判断した場合(ステップS621においてYes)、測定制御部100の状態をスタンバイにし、その旨を制御部300に通知する(ステップS622)。測定制御部100で全ての測定が完了していない場合、処理をステップS602に戻す。
【0107】
図22に戻り、制御装置300は、分析完了通知を受信すると(ステップS750においてYes)、測定状態をスタンバイにする(ステップS751)。
【0108】
ユーザにより、シャットダウンが実行された場合(ステップS710においてYes)、制御装置300から測定制御部100にシャットダウンコマンドが通知される(ステップS711)。シャットダウンが実行されなかった場合(ステップS710においてNo)、処理をステップS700に戻す。
【0109】
図21に戻り、測定制御部100は、制御装置300からシャットダウン通知を受信すると(ステップS623においてYes)、シャットダウンを実行し(ステップS624)、シャットダウン完了後、制御装置300にシャットダウンが完了したことを通知し、電源をOFFする。シャットダウン通知を受信しない場合(ステップS623においてNo)、処理をステップS623に戻す。
【0110】
図22に戻り、制御装置300は、測定制御部100からシャットダウンの完了通知を受信すると(ステップS760においてYes)、制御装置300の電源をOFFする。測定制御部100からシャットダウンの完了通知を受信しない場合(ステップS760においてNo)、処理をステップS720に戻す。
【0111】
「異常発生時のプロセス」
ついで、図21に示すフローチャートにおいて、ラックの横送り処理(ステップS603)、ラックの送り込み処理(ステップS605)、ラックの送り出し処理(ステップS620)等の搬送部200に関する異常が発生した場合の処理を図23のフローチャートに示す。
【0112】
測定制御部100は、上記搬送部200に関する異常を検知すると、搬送部200の動作を停止し(ステップS800)、測定制御部100は、異常の内容を制御装置300に通知する(ステップS801)。
【0113】
図24は、測定制御部100から制御装置300に送信される異常通知900の模式図である。異常通知900は、エラーNo.901を含んでいる。エラーNo.901は、測定制御部100で発生したエラーと一意に対応したIDであり、このIDをキーとして、制御装置300は、複数あるエラーから何れのエラーが測定制御部100で発生したかを知ることができる。
例えば、図24に示す異常通知900は、測定制御部100でエラーNo.901が377のエラー、すなわちラック横送り動作異常が発生したことを示す。
【0114】
図23に戻り、制御装置300は、異常通知850を受信すると(ステップS900においてYes)、図25に示すヘルプ画面を表示し、ヘルプ画面上の所定の位置に全ラックを戻すべき旨のアクションメッセージを表示する(ステップS901)。
【0115】
図25は、制御装置300が測定制御部100から異常の通知を受信したときにディスプレイ302に表示するヘルプ画面の一例である。
ヘルプ画面960は、エラー名称961と、アクションメッセージ962と、アラームリセットボタン963と、画面クローズボタン964とを含んでいる。エラー名称961は、測定制御部100が検知したエラーの名称を示す情報である。制御装置100は、制御装置300から受信した異常通知800のエラーNo.801の情報に対応するエラー名称を表示する。アクションメッセージ962は、エラー名称961に示された異常を復帰するために、ユーザが実行しなければならない操作手順を示す情報である。アラームリセットボタン963は、測定制御部100で異常が発生したとき、ユーザにその旨を通知するために鳴動させているアラームを止めるためのボタンである。画面クローズボタン964は、ヘルプ画面960を閉じるためのボタンである。
図26は、図25に示すヘルプ画面960が表示されるときの、搬送部200における検体ラック250の状態の一例である。
ユーザは、図26に示す検体ラック取出し部242、搬送ライン230および検体ラックセット部221に存在する検体ラック951〜956を検体ラックセット部221に再度セットし、測定を再開することで、中断した測定を再開することができる。このとき、検体ラックセット部221にセットされる検体ラック250は、どのような順番でセットされてもよい。例えば、検体ラック906の後に検体ラック951〜954がセットされてもよい。
【0116】
図23に戻り、ユーザは図25に示すヘルプ画面に従い搬送ライン230および検体ラック取出し部242の検体ラック250を検体ラックセット部221に再度セットし直し、測定再開のために測定開始ボタンが押下されると(ステップS902においてYes)、制御装置300から測定制御部100に測定再開の指示が通知される(ステップS903)。測定開始ボタンが押下されていない場合(ステップS902においてNo)、処理をステップS902に戻す。
【0117】
測定制御部100は、制御装置300から測定再開の指示を受信すると(ステップS403においてYes)、処理を図21に示すステップS602に進める。
測定制御部100は制御装置300から受信および記憶した測定情報720に基づき(ステップS614〜ステップS616)、吸引位置236の検体に対して吸引が必要か否かの判定を行う。測定制御部100は、検体の吸引が必要と判定した場合は、吸引部105を制御し、吸引位置236の試験管252から検体の吸引を行う。また、検体の吸引が必要ないと判定した場合は、検体ラック横送り機構部232を制御して、検体ラック250を横送りする。
【0118】
なお、本実施の形態2においては、バーコードリーダ111により取得された検体ラック250に貼付された検体ラックバーコード251のラックIDおよび試験管252が保持されている検体ラック250の試験管位置をキーとして測定情報の問合わせを行う構成について述べたが、バーコードリーダ111により取得される試験管バーコード253の検体IDをキーとして測定情報の問合わせを行う構成としてもよい。
【0119】
また、本実施の形態2においては、ユーザは、搬送部200に異常が発生した場合、図26に示す検体ラック取出し部242、搬送ライン230および検体ラックセット部221に存在する検体ラック951〜956をいずれの順番で検体ラックセット部221に再度セットしてもよい構成について述べたが、搬送ライン230に送り込まれた順で検体ラックセット部221に再度セットしなおす構成としてもよい。例えば、図26においては、検体ラックセット部221に検体ラック250を951から956の順番でセットするような構成である。
【0120】
また、本実施の形態2においては、ヘルプ画面を表示するディスプレイ302を制御する制御装置300のCPU310と吸引部105および搬送部200を制御する測定制御部100が異なる構成について述べたが、ヘルプ画面を表示するためのディスプレイ302が測定ユニット2に含まれ、測定制御部100がディスプレイも制御する構成としてもよい。
【0121】
また、本実施の形態2においては、測定項目吸引情報750の吸引情報752にセットされる値として−1(オーダなし)、0(測定のためのオーダが登録されており、まだ検体の吸引が行われていない)または1(測定のためのオーダが登録されており、検体の吸引が完了している)のいずれか1つがセットされる構成について述べたが、検体の分析が正常に完了したことおよび検体の分析が完了したが、異常を示す結果であったことを示す情報をセットできる構成としてもよい。これにより、ユーザは分析が完了したが、異常を示す結果であった検体を容易に再測定することができる。
【0122】
また、本実施の形態2においては、搬送部200にて異常を検知した場合の構成について述べたが、吸引部105及び、緊急検体搬送部101、試薬設置部106、反応部107等の測定部で異常を検知した場合においても、図23に示す異常処理を実行することにより、検体ラックセット部221に再度セットし直さなければならない検体ラック250の情報を提供する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】第1実施形態例に係る分析装置全体構成図の一例である。
【図2】図1に示した制御装置のハードウェア構成図である。
【図3】図1に示した測定制御部のハードウェア構成図である。
【図4】試験管を保持した検体ラックの斜視図である。
【図5】搬送部のハードウェア構成図である。
【図6】測定制御部が行うメイン処理を示すフローチャートの一例である(実施の形態1)。
【図7】制御装置が行うメイン処理を示すフローチャートの一例である(実施の形態1)。
【図8】分析装置が行う異常処理を示すフローチャートの一例である(実施の形態1)。
【図9】ユーザが測定情報の登録を行う画面の一例を示す図である。
【図10】測定制御部が管理している検体ラック情報管理テーブルの一例である。
【図11】測定制御部から制御装置に測定情報を問合わせるデータの一例である。
【図12】制御装置から測定制御部に送信される測定情報の一例である。
【図13】測定制御部が検体の吸引完了時に制御装置に送信するデータの一例である。
【図14】制御装置が記憶している管理する測定情報管理データベースの一例である。
【図15】分析装置に異常が発生した場合、測定制御部から制御装置に送信されるデータの一例である。
【図16】分析装置に異常が発生した後、検体ラック情報管理テーブルに記憶している検体ラック以外が再度セットされた場合に、測定制御部から制御装置に送信されるデータの一例である。
【図17】搬送ラインに検体ラックが1つある場合の搬送部の一例である。
【図18】搬送ラインに検体ラックが1つある場合に表示されるヘルプ画面の一例である(実施の形態1)。
【図19】搬送ラインに検体ラックが2つある場合の搬送部の一例である。
【図20】搬送ラインに検体ラックが2つある場合に表示されるヘルプ画面の一例である(実施の形態1)。
【図21】測定制御部が行うメイン処理を示すフローチャートの一例である(実施の形態2)。
【図22】制御装置が行うメイン処理を示すフローチャートの一例である(実施の形態2)。
【図23】分析装置が行う異常処理を示すフローチャートの一例である(実施の形態2)。
【図24】分析装置に異常が発生した場合、測定制御部から制御装置に送信されるデータの一例である(実施の形態2)。
【図25】搬送部に異常が発生した場合に表示されるヘルプ画面の一例である(実施の形態2)。
【図26】搬送部に異常が発生した場合の搬送部における検体ラックの一例である(実施の形態2)。
【符号の説明】
【0124】
1 分析装置
100 測定制御部
111 バーコードリーダ
200 搬送部
230 搬送ライン
250 検体ラック
251 検体ラックバーコード
300 制御装置
600 測定情報登録画面
910 ヘルプ画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置の異常を検知したとき、ユーザが容易かつ迅速に異常から測定を再開できる分析装置および異常からの測定再開方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、血液凝固分析装置、免疫分析装置等、生体から採取された試料の分析を行う分析装置が使用されている。病院、検査センター等の臨床検査室では、分析装置からの分析結果を早く患者に返すために検査の効率化が求められている。したがって、これら分析装置には、検体を自動で順次分析装置に搬送する搬送装置が用いられている。
また、このような分析装置に異常が発生した場合、光源、スピーカー、及び表示を用いて分析装置の使用者がその旨を容易に認識できる分析装置が提案されている(例えば特許文献1)。
【0003】
上述した分析装置において、搬送装置を含む分析装置に異常が発生した場合、中断した分析を再開するために、分析装置の使用者は、検体ラックを搬送装置の所定の位置に再度セットし直し、分析を再開する必要がある。
【0004】
【特許文献1】特開2005−37173
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、搬送装置を含む分析装置に異常が発生したこと及び異常の内容を分析装置の使用者に認識させるのみであり、使用者が異常からの復帰のために行う具体的な方法が記載されていなかった。このため、例えば検体ラックを搬送装置の所定の位置に再度セットし直さなければならないような異常が発生した場合、使用者は取扱説明書を見ながら異常からの復帰を行わなければならず、操作が煩雑であった。
【0006】
本発明は、搬送装置を含む分析装置に異常が発生したとき、ユーザが容易かつ迅速に異常から測定を再開できる分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の観点から、本発明の分析装置は、検体を測定する測定部と、検体を収容する検体容器を保持する検体ラックを、前記測定部に搬送する搬送部と、前記測定部と前記搬送部を制御する動作制御手段と、分析装置の異常を検知する検知手段と、表示部と、前記検知手段によって異常を検知したとき、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報を前記表示部に表示させる表示制御手段と、分析装置の異常から測定再開の指示を受け付ける測定再開受付手段とを備え、前記動作制御手段は、前記測定再開受付手段により測定再開の指示を受け付けると、吸引する必要がある検体を選択的に吸引するよう前記測定部と前記搬送部を制御するように構成することができる。
これにより、異常から測定を再開するために検体ラックの取扱いを示す情報が提供され、吸引する必要がある検体のみが選択的に吸引されるので、ユーザは容易かつ迅速に異常から測定を再開できる。
【0008】
上記発明においては、前記搬送部は、検体ラックを前記測定部に搬送する搬送ラインを備え、前記分析装置は、前記搬送ラインに存在する前記検体ラックの情報を取得する検体ラック情報取得手段と、前記検体ラック情報取得手段により取得した前記検体ラックの情報を記憶する記憶手段とをさらに備え、前記表示制御手段は、前記検知手段によって分析装置の異常を検知したとき、前記記憶手段により記憶されている前記検体ラックの情報に基づき、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報を表示させるように構成することができる。
これにより、分析装置に異常が発生したとき、異常から測定を再開するために、搬送ラインに存在する検体ラックの取扱い方法について、ユーザに具体的な情報を提供することができる。
【0009】
上記発明においては、前記検体ラック情報取得手段は、搬送ラインに存在する検体ラックの識別情報を取得することを特徴とするように構成することができる。
この構成によれば、検体ラック情報取得手段が検体ラックの識別情報を取得するので、例えば、検体ラックや検体容器に貼付されたバーコードを読み取るバーコードリーダを検体ラック情報取得手段として使用することができる。これにより、検体ラック情報を取得するために別途センサを設ける必要がなくなり、装置の構成が簡略化される。
【0010】
上記発明においては、前記記憶手段は、前記検体ラック情報取得手段が前記検体ラックの情報を取得したとき、前記検体ラックの情報を記憶するように構成することができる。
【0011】
上記発明においては、前記検知手段は、前記測定部と前記搬送部の少なくとも1つの異常を検知することを特徴とすることができる。
【0012】
上記発明においては、検体ラックが前記搬送ラインから搬出されたことを検知する検体ラック搬出検知手段と、前記記憶手段により記憶されている前記検体ラックの情報を削除する検体ラック情報削除手段とを備え、前記検体ラック情報削除手段は、前記検体ラック搬出検知手段によって、検体ラックが前記搬送ラインから搬出されたことを検知したとき、前記搬送ラインから搬出された検体ラックの情報を前記記憶手段から削除するように構成することができる。
この構成によれば、搬送ラインから搬出された検体ラックの情報を削除することができ、搬送ラインに存在しない検体ラックの情報を確実に削除できるので、より的確な情報を表示部に表示させることができる。
【0013】
上記発明においては、前記表示制御手段は、前記検知手段が異常を検知したとき、前記記憶手段に記憶されている前記検体ラックの情報に基づいて前記搬送ラインに存在する前記検体ラックの数を算出し、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報として、算出した前記検体ラックの数を含む情報を前記表示部に表示させるように構成することができる。
これにより、検知手段によって分析装置に異常が発生したことを検知したとき、ユーザは、異常からの復帰のために、検体ラックを幾つ搬送部の所定の位置に再度セットしなければならないかを知ることができ、異常から測定を容易かつ迅速に再開することができる。
【0014】
上記発明においては、前記検体ラックの取扱いを示す情報は、前記搬送ラインに存在する検体ラックを、幾つ所定の位置に戻す必要があるかを示す情報とする構成にすることができる。
これにより、ユーザは、前記検体ラックの取扱いを示す情報を見て、異常から測定を容易かつ迅速に再開することができる。
【0015】
上記発明においては、前記記憶手段は、前記検体ラック情報取得手段が取得した前記検体ラックの識別情報を記憶し、前記表示制御手段は、前記検知手段が異常を検知したとき、前記記憶手段に記憶されている前記検体ラックの前記識別情報を抽出し、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報として、抽出した前記検体ラックの前記識別情報を含む情報を前記表示部に表示させる構成にすることができる。
これにより、検知手段によって吸引部、測定部、及び搬送部に異常が発生したことを検知したとき、ユーザは、異常からの復帰のために、どの検体ラックを搬送部の所定の位置に再度セットしなければならないかを知ることができ、容易かつ迅速に異常から測定を再開することができる。
【0016】
上記発明においては、前記搬送部は、検体容器を保持する検体ラックをセットするためのセット部と、前記測定部によって検体が吸引された検体容器を保持する検体ラックを貯留するための貯留部と、前記セット部から前記貯留部に検体ラックを搬送する搬送機構を備え、分析装置に異常が発生すると、前記表示制御手段は、前記検体ラックの取扱いを示す情報として前記搬送部に存在する検体ラックの全てを前記セット部にセットする旨を示す情報を前記表示部に表示するように構成することができる。
これにより、分析装置に異常が発生したとき、搬送部に存在する検体ラックの全てをセット部に再度セットすることを促すメッセージが表示部に表示されるので、ユーザはセット部に戻す検体ラックの数を数える必要がなくなる。したがって、ユーザは容易かつ迅速に異常から測定を再開することができる。
【0017】
上記発明においては、検体ラックまたは検体容器を識別するための識別情報を取得する識別情報取得部と、前記搬送部によって搬送される検体の測定の進捗情報を記憶する記憶部とをさらに備え、前記動作制御手段は、前記識別情報取得部によって取得された識別情報と前記記憶部に記憶された測定の進捗情報とに基づいて、前記測定部によって吸引する必要がある検体を選択的に吸引するよう、前記測定部と前記搬送部とを制御するように構成することができる。
この構成によれば、異常からの測定再開時に、識別情報取得部により取得した識別情報と記憶部により記憶された進捗情報に基づいて、吸引部によって吸引する必要のある検体か否かを判断することができる。これにより、ユーザが搬送部のセット部にセットし直す検体ラックの順に依存することなく、吸引部によって吸引する必要がある検体を選択することができるので、ユーザにとって操作が容易となる。
【0018】
上記発明においては、前記記憶部は、前記進捗情報と検体の識別情報、または、前記進捗情報と検体ラックの識別情報および検体の当該検体ラックにおける位置とを対応付けて記憶し、前記動作制御手段は、前記記憶部が記憶している進捗情報と前記識別情報取得部によって取得する識別情報に基づいて、前記吸引部によって吸引する必要がある検体を選択的に吸引するよう前記測定部と前記搬送部を制御するように構成することができる。
【0019】
上記発明においては、前記進捗情報は、検体の吸引が行われたか否かを示す検体吸引情報を含み、前記動作制御手段は、前記検体吸引情報に基づいて、前記測定部によって吸引する必要がある検体か否かを判断するように構成することができる。
これにより、測定が再開されたとき、吸引が完了していない検体のみを選択して吸引することができる。
【0020】
第2の観点から、検体の測定を行う測定部によって検体を測定するステップと、検体を収容する検体容器を保持する検体ラックを前記測定部に搬送する搬送部によって、検体ラックを前記測定部に搬送するステップと、分析装置の異常を検知するステップと、分析装置の異常を検知したとき、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報を表示させるステップと、異常を検知した後に測定再開の指示を受け付けると、吸引する必要がある検体を選択的に吸引するステップとを備えるように構成することができる。
これにより、異常から測定を再開するために検体ラックの取扱いを示す情報を提供し、吸引する必要がある検体を選択的に吸引するので、ユーザは容易かつ迅速に異常から測定を再開できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の分析装置および異常からの測定再開方法によれば、分析装置に異常が発生したとき、ユーザは容易かつ迅速に異常から測定を再開できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(実施の形態1)
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態1を詳細に説明する。
「装置の全体構成」
図1は、本発明の一実施の形態に係る免疫分析装置(検体分析装置)の全体構成を示す平面説明図である。
免疫分析装置1は、血液等の検体(試料)を用いて、B型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカ及び甲状腺ホルモン等種々の項目の検査を行うための装置である。この免疫分析装置1は、図1に示されるように、複数の機構(コンポーネント)からなる測定ユニット2(測定部)と、測定ユニット2に電気的に接続されたデータ処理ユニットである制御装置300とから構成されている。
【0023】
この免疫分析装置1では、測定対象である血液等の検体に含まれる抗原に結合した捕捉抗体(R1試薬)に磁性粒子(R2試薬)を結合させた後に、結合(Bound)した抗原、捕捉抗体及び磁性粒子を1次BF(Bound Free)分離部109aの磁石に引き寄せることにより、未反応(Free)の捕捉抗体を含むR1試薬を除去する。そして、磁性粒子が結合した抗原と標識抗体(R3試薬)とを結合させた後に、結合(Bound)した磁性粒子、抗原及び標識抗体を2次BF分離部109bの磁石に引き寄せることにより、未反応(Free)の標識抗体を含むR3試薬を除去する。さらに、標識抗体との反応過程で発行する発光基質(R5試薬)を添加した後、標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量を測定する。このような過程を経て、標識抗体に結合する検体に含まれる抗原を定量的に測定している。
「測定ユニットの構成」
【0024】
測定ユニット2は、測定制御部100と、搬送部200と、バーコードリーダ111と、緊急検体搬送部101と、チップ搬送部102と、ピペットチップ供給装置103と、チップ脱離部104と、吸引部105と、試薬設置部106aおよび106bと、1次反応部107aと、2次反応部107bと、試薬分注アーム108a、108bおよび108cと、1次BF分離部109aと、2次BF分離部109bと、検出部110とを備えている。
測定ユニット2の各機構の構成としては、公知の構成を適宜採用することができるが、以下、図1にそって、簡単に説明をする。
【0025】
測定制御部100は、CPUと、RAMと、ROM等を備えており、搬送部200、緊急検体搬送部101、検出部110、吸引部105等の制御を行い、検出部110から受信した検出結果を通信インタフェース112を介して、制御装置300に送信する。
【0026】
搬送部200は試験管252が複数保持された検体ラック250をセットする右槽部220と、右槽部220から送り込まれた検体ラック250を左槽部240に送り出す位置まで搬送する搬送ライン230と、搬送ライン230から送り出された検体ラック250を駐留する左槽部240とを有している。
【0027】
図4は、検体を収容した複数の試験管252が保持された検体ラック250の斜視図である。検体ラック250には、検体ラック250を識別するための検体ラックバーコード251が貼付され、バーコードリーダ111によって読取られる。検体ラックバーコード251としては、CODE128、CO39、NW−7等のバーコードを使用できる。
試験管252には、検体を識別するための試験管バーコード253が貼付され、バーコードリーダ111によって読取られる。試験管バーコード253としては、CODE128、CO39、NW−7等のバーコードを使用できる。
【0028】
図1に戻り、バーコードリーダ111は、搬送部200の右槽部200から搬送ライン230に送り込まれた検体ラック250の検体ラックバーコード251および検体ラック250に保持された試験管252の試験管バーコード253を読取るように構成されている。
【0029】
図5は、搬送部200とバーコードリーダ111の模式図である。搬送部は主に右槽部220と、搬送ライン230と、左槽部240とを備える。
右槽部220は、検体ラックセット部221と、検体ラック有無センサ226と、検体ラック送り込み機構部222とを備える。
ユーザは、測定及び分析装置の異常からの復帰のため、試験管252が保持された検体ラック250を検体ラックセット部221に、検体ラックバーコード251とバーコードリーダ111が対向するようにセットする。
検体ラック有無センサ226は、検体ラックセット部221に検体ラックがセットされていることを検知するために設けられている。
検体ラック送り込み機構部222は、送り込みレバー223aおよび223bと、モータ224とおよびセンサ225を備える。送り込みレバー223aと223bはモータ224により駆動され、検体ラックセット部221上の検体ラック250を搬送ライン230に送り込む。また、センサ225は、送り込みレバー223aと223bが原点位置に戻っていることを検知するために設けられている。
【0030】
次に、搬送ライン230は、検体ラック到着センサ231と、検体ラック横送り機構部232と、吸引位置236と、測定情報問合せ位置237を備えており、検体ラック250を2つ収容することができる。
検体ラック到着センサ231は、検体ラックセット部221の検体ラック250が、検体ラック送り込み機構部222により、測定ライン230に正常に送り込まれたことを検知するために設けられている。
検体ラック横送り機構部232は、横送りレバー233aおよび233bと、モータ234と、センサ235aおよび235bとを備える。横送りレバー233aと233bは連結されており、モータ234により同期して駆動される。レバー233aとレバー233bが駆動されると、検体ラック250の底部に各レバーが引っかかり、検体ラック250を左槽部220方向に1ピッチ(1試験管分)横送りする。センサ235aと235bは、横送りレバー233が正常に動作したこと、及び、モータ234が停止しているときに検体ラック250が動作していないことを検知するために設けられている。
検体ラック横送り機構部232は、搬送ライン230の検体ラックを送り出す位置に検体ラック250が到着するまで、上記検体ラック250の横送り動作を繰り返す。
吸引位置236は、この位置に到着した試験管252から検体が吸引されることを示す。測定のために吸引が必要な試験管252が吸引位置236に到着すると、測定制御部100は、吸引部105を制御して吸引位置236の試験管252から検体の吸引を行う。
測定情報問合せ位置237は、この位置に到着した試験管252に関して、測定制御部100は制御装置300に測定情報の問い合わせを行う。
【0031】
ついで、バーコードリーダ111は、搬送ライン230に送り込まれた検体ラック250が1回横送りされた後、検体ラックバーコード251と、検体ラック250に保持された全ての試験管252の試験管バーコード253を読取る。
【0032】
次に、左槽部240は、検体ラック送り出し機構部241と検体ラック取出し部242とを備える。
検体ラック送り出し機構部241は、送り出しレバー242と、モータ243と、センサ244とを備える。搬送ライン230の左端に検体ラック250が到着したとき、送り出しレバー242はモータ243により駆動し、検体ラック250を検体ラック取出し部242に送り出す。センサ244は、送り出しレバー242が正常に原点位置に戻っていることを検知するために設けられている。
検体ラック取出し部242は、検体ラック送り出し機構部241により送り出された検体ラック250が収容され、ユーザは検体の吸引が完了した検体ラック250を検体ラック取出し部242から取り除く。
【0033】
図1に戻り、緊急検体セット部101は、搬送部200により搬送される検体に割り込んで検査する必要がある緊急検体を収容した試験管252を、緊急検体用の吸引位置に搬送するように構成されている。
【0034】
ピペットチップ供給装置103は、投入したピペットチップを1つずつチップ搬送部102のチップ設置部102aに供給する機能を有している。
チップ脱離部104は、後述する吸引部105に装着されたピペットチップを脱離するために設けられている。
【0035】
吸引部105は、搬送部200により吸引位置に搬送された試験管252内の検体を、後述する1次反応部107aの回転テーブル部112の保持部112aに保持されるキュベット(図示せず)内に分注する機能を有している。この吸引部105は、アーム部105aを前後方向及び軸105bを中心に回転させるとともに、上下方向に動作させることが可能なように構成されている。また、アーム部105aの先端部には、検体の吸引及び吐出を行うノズル部が設けられており、このノズル部の先端には、チップ搬送部102により搬送されるピペットチップが装着される。
【0036】
試薬設置部106aには、捕捉抗体を含むR1試薬が収容される試薬容器及び標識抗体を含むR3試薬が収容される試薬容器が設置されている。
一方、試薬設置部106bには、磁性粒子を含むR2試薬が収容される試薬容器が設置されている。
【0037】
1次反応部107aは、回転テーブル部112の保持部112aに保持されるキュベットを所定の期間(本実施の形態では、18秒)毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット内の液体、R1試薬及びR2試薬を攪拌するために設けられている。つまり、1次反応部107aは、キュベット内で磁性粒子を有するR2試薬と検体中の抗原とを反応させるために設けられている。この1次反応部107aは、検体とR1試薬及びR2試薬とが収容されるキュベットを回転方向に搬送するための回転テーブル部112と、キュベット内の検体、R1試薬及びR2試薬を攪拌するとともに、攪拌された検体、R1試薬及びR2試薬が収容されたキュベットを後述する1次BF分離部109aに搬送する容器搬送部114とから構成されている。
前記容器搬送部114は、回転テーブル部112の中心部分に回転可能に設置されている。この容器搬送部114は、回転テーブル部112の保持部112aに保持されるキュベットを把持するとともにキュベット内の試料を攪拌する機能を有している。さらに、容器搬送部114は、検体、R1試薬及びR2試薬を攪拌してインキュベーションした試料を収容したキュベットを1次BF分離部109aに搬送する機能も有している。
【0038】
2次反応部107bは、1次反応部107aと同様の構成を有しており、回転テーブル部113の保持部113aに保持されるキュベットを所定の期間(本実施の形態では、18秒)毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット内の検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬及びR5試薬を攪拌するために設けられている。つまり、2次反応部107bは、キュベット内で標識抗体を有するR3試薬と検体中の抗原とを反応させるとともに、発光基質を有するR5試薬とR3試薬の標識抗体とを反応させるために設けられている。この2次反応部107bは、検体、R1試薬、R2試薬、R4試薬及びR5試薬が収容されるキュベットを回転方向に搬送するための回転テーブル部113と、キュベット内の検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬及びR5試薬を攪拌するとともに、攪拌された検体等が収容されたキュベットを後述する2次BF分離部109bに搬送する容器搬送部117とから構成されている。さらに、容器搬送部117は、2次BF分離部109bにより処理されたキュベットを再び回転テーブル部113の保持部113aに搬送する機能を有している。
【0039】
試薬分注アーム108aは試薬設置部106aに設置される試薬容器内のR1試薬を吸引するとともに、その吸引したR1試薬を1次反応部107aのキュベット内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム108aは、アーム部113aを、軸113bを中心に回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部113aの先端部には、試薬容器内のR1試薬の吸引及び吐出を行うためのノズルが取り付けられている。
【0040】
試薬分注アーム108bは、試薬設置部106bに設置される試薬容器内のR2試薬を1次反応部107aの検体及びR1試薬が分注されたキュベット内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム108bは、アーム部114aを、軸114bを中心に回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部114aの先端部には、試薬容器内のR2試薬の吸引及び吐出を行うためのノズルが取り付けられている。
【0041】
試薬分注アーム108cは、試薬設置部106aに設置される試薬容器内のR3試薬を吸引するとともに、その吸引されたR3試薬を2次反応部107bの検体、R1試薬及びR2試薬が分注されたキュベット内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム108cは、アーム部115aを、軸115bを中心に回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部115aの先端部には、試薬容器内のR3試薬の吸引及び吐出を行うためのノズルが取り付けられている。
【0042】
1次BF分離部109aは、1次反応部107aの容器搬送部114によって搬送されたキュベット内の試料から未反応のR1試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離するために設けられている。
未反応のR1試薬等が分離された1次BF分離部109aのキュベットは、搬送機構116により2次反応部107bの回転テーブル部113の保持部113aに搬送される。搬送機構116は、先端にキュベット把持部(図示せず)を有するアーム部116aを、軸116bを中心に回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。
【0043】
2次BF分離部109bは、1次BF分離部109aと同様の構成を有しており、2次反応部107bの容器搬送部117によって搬送されたキュベット内の試料から未反応のR3試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離するために設けられている。
R4試薬供給部118及びR5試薬供給部119は、それぞれR4試薬及びR5試薬を2次反応部107bの回転テーブル部113の保持部113aに保持されたキュベット内に供給するために設けられている。
【0044】
検出部110は、所定の処理が行われた検体の抗原に結合する標識抗体と発光基質との反応過程で生じる光を光電子倍増管(Photo Multiplier Tube)で取得することにより、その検体に含まれる抗原の量を測定するために設けられている。この検出部110は、2次反応部107bの回転テーブル部113の保持部113aに保持されるキュベットを当該検出部110に搬送するための搬送機構部110aを備えている。
測定済みの試料が吸引された、使用済みのキュベットは廃棄用孔120を介して免疫分析装置1の下部に配置される図示しないダストボックスに廃棄される。
【0045】
測定ユニット2は、図3に示すように測定制御部100が各機構を制御するとともに、Ethernet(登録商標)を用いた通信インタフェース112を介して、制御装置300からの測定情報の受信、制御装置300への測定結果の送信、及び制御装置300への異常の通知を行っている。
【0046】
「制御装置」
図2は、制御装置300のブロック図を示す。図2に示すように、制御装置300は本体部301と、ディスプレイ302と、入力デバイス303とから主として構成されたコンピュータである。
本体部301は、CPU310と、ROM311と、RAM312と、ハードディスク313、入出力インタフェース314、読出装置315、通信インタフェース316、画像出力インタフェース317とから主として構成されており、CPU310、ROM311、RAM312、ハードディスク313、入出力インタフェース314、読出装置315、通信インタフェース316および画像出力インタフェース317は、バス318によってデータ通信可能に接続されている。
【0047】
CPU310は、ROM311及びハードディスク313に記憶されているコンピュータプログラム及びRAM312にロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、アプリケーションプログラムを当該CPU310が実行することにより、後述するような各機能ブロックが実現され、コンピュータが制御装置300として機能する。
【0048】
ROM311は、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM等によって構
成されており、CPU310に実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いる
データが記録されている。
【0049】
RAM312は、SRAM、DRAM等によって構成されている。RAM312は、ROM311及びハードディスク313に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU310の作業領域として利用される。
【0050】
ハードディスク313は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等、CPU310に実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。
【0051】
読出装置315は、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体319に記録されたコンピュータプログラム又はデータを読み出すことができる。
【0052】
入出力インタフェース314は、例えばUSB、IEEE1394、RS−232C等のシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェースから構成されている。入出力インタフェース314には、キーボード、マウス及びハンディバーコードリーダからなる入力デバイス303が接続されており、操作者が当該入力デバイス303を使用することにより、本体301にデータを入力することが可能である。
【0053】
通信インタフェース316は、例えばEthernet(登録商標)インタフェースであり、制御装置300は、当該通信インタフェース316により、所定の通信プロトコルを使用してネットワーク350を介して接続された測定制御部100との間でデータの送受信が可能である。
【0054】
画像出力インタフェース317は、LCDまたはCRT等で構成されたディスプレイ
302に接続されており、CPU310から与えられた画像データに応じた映像信号を
ディスプレイ302に出力するようになっている。
【0055】
ディスプレイ302は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
【0056】
これより図6から図20を用いて、本実施の形態1による検体測定処理を説明する。
「全体プロセス」
図6及び7は免疫分析装置1において正常に測定が行われた場合の処理を示すフローチャートである。
図7に示すステップS200において、ユーザにより制御装置300のディスプレイ302に表示された測定開始ボタン(図示せず)が押されると(ステップS200においてYes)、測定情報がユーザにより入力されているか否かを判断する(ステップS201)。ユーザにより測定情報が入力されている場合(ステップS201においてYes)、測定制御部100に測定開始の通知を行う(ステップS202)。ユーザにより測定開始ボタンが押下されたが、測定情報が入力されていない場合(ステップS201においてNo)、処理をステップS200に戻す。
【0057】
図6に移り、測定制御部100は、測定開始の通知を受信すると、搬送ライン230に検体ラック250を送り込めるか否かを判断する(ステップS302)。検体ラック250を送り込めると判断した場合(ステップS302においてYes)、検体ラックセット部221に検体ラック250が存在するかどうかをセンサ226の出力に基づいて判断する(ステップS304)。検体ラックセット部221に検体ラック250がある場合(ステップS304においてYes)、検体ラック送り込み機構部222によって検体ラック250を搬送ライン230に送り込む(ステップS305)。
このステップS305において、測定制御部100は、検体ラック送り込み機構部222が駆動されてから所定の時間を経過しても、検体ラック到着センサ231によって、検体ラック250が送り込まれたことを検知できなかった場合、後述する異常発生時の処理を実行する。
さらに、検体ラック送り込み機構部222によって、搬送ライン230に送り込みが完了した後、測定制御部100は、所定の時間を経過しても、検体ラック送り込み機構部222が原点位置に戻ったことをセンサ225の出力に基づいて検知できなかった場合、後述する異常発生時の処理を実行する。
検体ラックセット部221に検体ラック250がない場合(ステップS304においてNo)、ステップS322に処理を進める。
測定制御部100は検体ラック250を送り込めないと判断した場合、つまり、新たな検体ラック250が搬送ライン230に送り込まれると、既に搬送ラインに存在している検体ラック250に干渉すると判断した場合(ステップS302においてNo)、検体ラック250の送り込みを実施せず、処理をステップS303に進める。
【0058】
ついで、搬送ライン230上の検体ラック250を1回横送りする(ステップS303)。このステップS303において、測定制御部100は、センサ235aと235bの出力に基づいて、横送りレバー233が正常に動作していない、または、モータ234が停止しているときに検体ラック250が動作したと検知した場合、後述する異常発生時の処理を実行する。
【0059】
ついで、測定制御部100は、バーコードリーダ111にて検体ラックバーコード251の情報を取得済みであるか否かをチェックする(ステップS306)。検体ラックバーコード251の情報を取得していない場合(ステップS306においてNo)、バーコードリーダ111にて、検体ラックバーコード251の情報を取得し(ステップS307)、取得した検体ラックバーコード251の情報を記憶する(ステップS308)。
既に検体ラックバーコード251の情報を取得している場合(ステップS306においてYes)、またはステップS308の実行後、ステップS309に処理を進め、検体ラック250に保持された試験管252について、まだ取得していない試験管バーコード253がある場合(ステップS309においてNo)、取得していない試験管バーコード253をバーコードリーダ111にて取得し(ステップS310)、取得した情報を記憶する(ステップS311)。
【0060】
図10は、上記ステップS308において、測定制御部100が記憶している検体ラック情報管理テーブル700の模式図である。
検体ラック情報管理テーブル700は、第1検体ラック情報701と第2検体ラック情報702とを備える。第1検体ラック情報701は、搬送ライン230に存在する検体ラック250のうち、先に搬送ライン230に送り込まれた検体ラック250の情報を示す。また、第2検体ラック情報702は、搬送ライン230に存在する検体ラック250のうち、後に搬送ライン230に送り込まれた検体ラック250の情報を示す。
第1検体ラック情報701と第2検体ラック情報702は、それぞれ一連番号703と検体ラックID704とを備える。一連番号703は、測定制御部100の電源が投入されてから搬送ライン230に検体ラック250が送り込まれる毎に、測定制御部100が検体ラック250に付与する一連番号であり、測定ユニット2がシャットダウンされるまで、一意な番号が付与される。検体ラックID704は、バーコードリーダ252にて取得した検体ラックバーコード251の情報を示す。
例えば、図10に示すラック情報管理テーブル700は、現在搬送ライン230には検体ラック250が2つ存在し、先に搬送ライン230に送り込まれた検体ラック250の一連番号703は0001であり、バーコードリーダ111にて取得した検体ラックバーコード251の情報はA1234であることを示す。さらに、その後に搬送ライン230に送り込まれた検体ラック250の一連番号703は0002であり、バーコードリーダ111にて取得した検体ラックバーコード251の情報は、A0300であることを示す。
【0061】
図6に戻り、測定情報問合わせ位置237に試験管252がある場合(ステップS312においてYes)、測定情報問合わせ位置237にある試験管252について、制御装置300に対して測定情報の問合わせを行う(ステップS313)。測定情報問合わせ位置237に試験管252がない場合(ステップS312においてNo)、処理をステップS315に進める。
【0062】
図7に戻り、制御装置300は、図11に示す測定情報問合わせデータ710を受信すると(ステップS220においてYes)、図2に示すハードディスク313の所定の領域に記憶した測定情報から、検体ラックバーコード251の情報、試験管バーコード253の情報、試験管252が保持されている検体ラック250の試験管位置をキーとして測定情報を検索する(ステップS221)。
図11は、測定制御部100から制御装置300に送信される測定情報問合わせデータ710の模式図である。
測定情報問合わせデータ710は、問合わせのラックID指定情報711と、一連番号712と、検体ラックID713と、試験管位置714と、検体番号715とを備える。
問合わせのラックID指定情報711は、制御装置300がハードディスク313に記憶している測定情報から問合わせた検体に関する測定情報を検索するとき、検体ラックに関して、一連番号712と検体ラックID713の何れをキーとして使用するかを指定する情報である。0がセットされているときは、一連番号712をキーとし、1がセットされているときは検体ラックID713をキーとして測定情報の検索を行う。一連番号712は、検体ラック250が搬送ライン230に送り込まれたときに、測定制御部100が検体ラック250に付与する一連番号を示す情報である。検体ラックID713は、バーコードリーダ111により取得した検体ラックバーコード251の情報を示す。試験管位置714は、試験管252が検体ラック250のどの試験管位置に保持されているかを示す情報である。検体番号715はバーコードリーダ111により取得した試験管バーコード253の情報を示す。
例えば、図11に示す測定情報問合わせデータ710は、検体ラックID713がA1234であり、検体番号715が12345であり、検体ラック250の2本目に保持された検体についての測定情報問合わせデータ710であることを示す。
【0063】
図9は、ユーザが測定情報を入力する測定情報登録画面の一例である。
測定情報登録画面600は、制御装置300のディスプレイ302に表示され、主に検体ラックID入力欄601と、ページ切替ボタン602と、測定情報入力シート603と、登録ボタン610を備える。
検体ラックID入力欄601は、検体ラックバーコード251の情報を入力する欄であり、ハンディバーコードリーダ、キーボード等から情報を入力する。
ページ切替ボタン602は、複数の検体ラック250に関する測定情報を入力する場合、本ボタンを押すことで、次の検体ラック250の測定情報を入力するための測定情報入力シート603を表示することができる。
測定情報入力シート603は、登録状態表示欄604と、試験管位置605と、検体番号入力欄606と、測定項目選択欄607とを備える。登録状態表示欄604は、入力した測定情報が登録済みであるか否かを示す情報であり、チェックが入っている検体については、オーダが既に登録されていることを示す。検体番号入力欄は試験管バーコード253の情報を入力する欄であり、ハンディバーコードリーダまたはキーボード等から情報を入力する。測定項目欄607は、何れの測定項目を測定するかを選択できる欄であり、マウスから測定する測定項目を選択する。
登録ボタン610は、測定情報入力シート603に表示されている測定情報を登録し、ハードディスク313に測定情報を記憶する。
例えば、図9に示す測定情報登録画面600は、検体ラックバーコード251がA1234であり、検体ラック250の第1試験管架設位置の試験管バーコード253の情報が12345である検体については、項目607aのHBsAgを測定し、第2試験管架設位置に試験管バーコード253の情報がABCDEである検体については、項目607bのHBsAbを測定する測定情報が制御装置300のハードディスク313に記憶されていることを示す。
【0064】
図14(a)は、ハードディスク313に記憶されている測定情報を管理する測定情報管理データベース740の模式図である。
測定情報管理データベース740は、主にデータベースキー741と、一連番号742と、検体ラックID743と、検体番号744と、試験管位置745と、測定項目吸引情報746とを備える。
データベースキー741は、測定情報管理データベース740から検索対象の情報を抽出するための情報を示す。一連番号742は、測定制御部100が搬送ライン230に投入された検体ラック250に付与する一連番号を示す情報である。検体ラックID743は、図9に示した測定情報入力画面600の検体ラック番号入力欄601に入力された値を示す情報である。検体番号744は、測定情報入力画面600の検体番号入力欄606に入力された値を示す情報であり、測定情報入力シート603の試験管位置605に対応している。試験管位置745は、検体ラック250のどの位置の試験管252に対する測定情報かを示す情報である。測定項目吸引情報746は、各測定項目のオーダの有無を示す情報であり、図14(b)、図14(c)などに示す情報を含んでいる。
図14(b)に示す測定項目吸引情報は、測定項目751と吸引情報752とを含んでいる。測定項目751は、分析装置にて測定できる測定項目を示す情報であり、測定情報入力シート603の測定項目選択欄607に対応している。吸引情報752は、各測定項目が測定する項目として登録されているか、既に測定のための吸引が完了しているかを示す情報である。0は測定のためのオーダが登録されており、まだ検体の吸引が行われていないことを示す。1は測定のためのオーダが登録されており、吸引が既に完了していることを示す。−1はオーダがないことを示す。例えば、図14(b)に示す測定項目吸引情報750は、測定項目HBsAgのオーダが登録されており、既に検体の吸引が完了していることを、測定項目HBsAbのオーダは登録されていないことを、測定項目HCVのオーダが登録されているが、検体がまだ吸引されていないことを示す。
したがって、図14(a)に示す測定情報管理データベース740は、データベースキー741が3674の領域には、一連番号742が0001、ラックID743がA1234であり、検体ラック250の第1試験管位置にセットされた検体番号744が12345の検体について、HBsAgとHCVの測定項目がオーダとして登録されており、測定項目HBsAgに対する検体の吸引は完了しており、測定項目HCVに対する検体の吸引はまだ完了していないことを示す。
また、データベースキー741が3675の領域には、一連番号742が0001であり、検体ラックID743がA1234であり、検体ラック250の第2試験管位置にセットされた検体番号744がABCDEの検体について、HBsAbの測定項目がオーダとして登録されており、測定項目HBsAbに対する検体の吸引はまだ完了していないことを示す。
【0065】
図7に戻り、測定情報の検索の結果、該当する測定情報があった場合(ステップS222においてYes)、データベースキー741と測定項目吸引情報746を測定情報問合せ710に付加して(ステップS223)、図12に示すオーダ情報を測定制御部100に通知する(ステップS225)。測定情報の検索の結果、該当する測定情報が見つからなかった場合(ステップS222においてNo)、オーダなしの情報を測定情報問合せ710に付加し、測定制御部100に通知する(ステップS225)。
【0066】
図12は、制御装置300から測定制御部に送信される測定情報720の模式図である。測定情報720は、データベースキー721と、一連番号722と、検体ラックID723と、検体番号724と、試験管位置725と、測定項目吸引情報726とを含んでいる。データベースキー721は、測定情報管理データベース740から検索対象の情報を抽出するためのキーを示す情報である。一連番号722は、測定制御部100が搬送ライン230に投入された検体ラック250に付与される一連番号を示す情報である。検体ラックID723は、バーコードリーダ252により取得した検体ラックバーコード251の情報を示す。検体番号724はバーコードリーダ252により取得した試験管バーコード253の情報を示す。試験管位置725は、検体ラック250のどの位置の試験管252に対する測定情報かを示す情報である。測定項目吸引情報726は、各測定項目のオーダの有無を示す情報であり、図12(b)に示す情報を含んでいる。
図12(b)に示す測定項目吸引情報727は、測定項目728と吸引情報729とを含んでいる。測定項目728は、分析装置にて測定できる測定項目を示す情報である。吸引情報729は、各測定項目が測定する項目として登録されているか、既に測定のための吸引が完了しているかを示す情報である。0は測定のためのオーダが登録されており、まだ検体の吸引が行われていないことを示す。1は測定のためのオーダが登録されており、吸引が既に完了していることを示す。−1はオーダがないことを示す。例えば、図12(b)に示す測定項目吸引情報727は、測定項目HBsAgのオーダが登録されており、既に検体の吸引が完了していることを、測定項目HBsAbのオーダは登録されていないことを、測定項目HCVのオーダが登録されているが、検体がまだ吸引されていないことを示す。
【0067】
図6に戻り、測定制御部100は測定情報を受信すると、その内容を記憶する(ステップS314)。
ついで、測定制御部100は、吸引位置236に検体があり(ステップS315においてYes)、その検体に関して、図12に示すオーダ情報727に測定すべき項目があると判断した場合(ステップS316においてYes)、その項目に関する検体の吸引を開始し(ステップS317)、検体の吸引が完了したタイミングで検体吸引が完了したことを制御装置に通知する(ステップS318)。吸引位置236に検体がない場合(ステップS315においてNo)、または、吸引位置236の検体について測定情報がない場合(ステップS316においてNo)、処理をステップS319に移す。
【0068】
図13は、検体の吸引が完了したときに、測定制御部100から制御装置300に送信される吸引完了通知730の模式図である。吸引完了通知730は、データベースキー731と測定項目吸引情報732とを含んでいる。データベースキー731は、測定情報管理データベース740から検索対象の情報を抽出するための情報を示す。測定項目吸引情報732は、各測定項目のオーダの有無を示す情報であり、図13(b)に示す情報を含んでいる。
図13(b)に示す測定項目吸引情報735は、測定項目736と吸引情報737とを含んでいる。測定項目736は、分析装置にて測定できる測定項目を示す情報である。吸引情報737は、各測定項目が測定する項目として登録されているか、既に測定のための吸引が完了しているかを示す情報である。0は測定のためのオーダが登録されており、まだ検体の吸引が行われていないことを示す。1は測定のためのオーダが登録されており、吸引が既に完了していることを示す。−1はオーダがないことを示す。
例えば、図13(b)に示す測定項目吸引情報727は、測定項目HBsAgのオーダが登録されており、既に検体の吸引が完了していることを、測定項目HBsAbのオーダは登録されていないことを示す。さらに、測定項目HCVについてはオーダが登録されており、検体の吸引が既に完了していることを示す。
【0069】
図7に戻り、制御装置300は、測定制御部100から図13に示す検体の吸引完了通知730を受信すると(ステップS230においてYes)、データベースキー731に基づいて、測定情報管理テーブル740を検索し、該当するデータベースキー741の測定項目吸引情報746を受信した測定項目吸引情報732で更新する(ステップS231)。
【0070】
図6に戻り、測定制御部100は、搬送ライン230に検体ラック取出し位置242に送り出す検体ラック250があると判断した場合(ステップS319においてYes)、検体ラックの送り出し処理を実行する(ステップS320)。測定制御部100は、送り出しレバー242が検体ラック250を送り出した後、所定時間を経過しても送り出しレバー242が正常に原点位置に戻ったことをセンサ244により検知できなかった場合、後述する異常処理を実行する。
ついで、測定制御部100は、図10に示した検体ラック情報管理テーブル700を更新する(ステップS321)。すなわち、検体ラック取出し部242に送り出されると、第2検体ラック情報702のデータ領域に記憶されている内容を第1情報記憶領域にコピーし、第2検体ラック情報702の内容を削除する。その後、新たな検体ラック250が、搬送ライン230に送り込まれると第2検体ラック情報のデータ領域に、ステップS308で取得した情報を記憶する。測定制御部100は、送り出しレバー242が検体ラック250を送り出した後、所定時間を経過しても送り出しレバー242が正常に原点位置に戻ったことをセンサ244により検知できなかった場合、後述する異常処理を実行する。
測定制御部100は、搬送ライン230に検体ラック取出し位置242に送り出す検体ラック250がないと判断した場合(ステップS319においてNo)、処理をステップS322に移す。
【0071】
ついで、測定制御部100で全ての測定が完了したと判断した場合(ステップS322においてYes)、測定制御部100の状態をスタンバイにし、その旨を制御部300に通知する(ステップS323)。測定制御部100で全ての測定が完了していない場合、処理をステップS302に戻す。
【0072】
図7に戻り、制御装置300は、分析完了通知を受信すると(ステップS250においてYes)、測定状態をスタンバイにする(ステップS251)。
【0073】
ユーザにより、シャットダウンが実行された場合(ステップS210においてYes)、制御装置300から測定制御部100にシャットダウンコマンドが通知される(ステップS211)。シャットダウンが実行されなかった場合(ステップS210においてNo)、処理をステップS200に戻す。
【0074】
図6に戻り、測定制御部100は、制御装置300からシャットダウン通知を受信すると(ステップS324においてYes)、シャットダウンを実行し(ステップS325)、シャットダウン完了後、制御装置300にシャットダウンが完了したことを通知し、電源をOFFする。シャットダウン通知を受信しない場合(ステップS324においてNo)、処理をステップS324に戻す。
【0075】
図7に戻り、制御装置300は、測定制御部100からシャットダウンの完了通知を受信すると(ステップS260においてYes)、制御装置300の電源をOFFする。測定制御部100からシャットダウンの完了通知を受信しない場合(ステップS260においてNo)、処理をステップS220に戻す。
【0076】
「異常発生時のプロセス」
ついで、図6に示すフローチャートにおいて、ラックの横送り処理(ステップS303)、ラックの送り込み処理(ステップS305)、ラックの送り出し処理(ステップS320)等の搬送部200に関する異常が発生した場合、免疫分析装置1のユーザは、搬送ライン230に存在している検体ラック250を検体ラックセット部221にセットし直さなければならない。
測定中に搬送部200に異常が発生した場合の処理を図8のフローチャートに示す。
【0077】
測定制御部100は、上記搬送部200に関する異常を検知すると、搬送部200の動作を停止し(ステップS400)、搬送ライン230に存在する検体ラック250の数を図10に示したラック情報管理テーブル700に存在する検知ラック250の情報数から算出する(ステップS401)。ついで、測定制御部100は、算出した検体ラック数と共に異常の内容を制御装置300に通知する(ステップS402)。
【0078】
図15は、測定制御部100から制御装置300に送信される異常通知800の模式図である。異常通知800は、エラーNo.801と、ラック再セット数802とを含んでいる。エラーNo.801は、測定制御部100で発生したエラーと一意に対応したIDであり、このIDをキーとして、制御装置300は、複数あるエラーから何れのエラーが測定制御部100で発生したかを知ることができる。ラック再セット数802は、ユーザが測定を再開するために、搬送ライン230の検体ラック250を検体ラックセット部221に幾つ戻さなければならないかを示す情報である。
例えば、図15に示す異常通知800は、測定制御部100でエラーNo.801が377のエラー、すなわちラック横送り動作異常が発生し、ユーザは測定再開のため、搬送ライン230の検体ラック250を1つ検体ラックセット部221に戻す必要があることを示す。
【0079】
制御装置300は、異常通知850を受信すると(ステップS500においてYes)、図18に示すヘルプ画面を表示し(ステップS501)、アクションメッセージに戻すべき検体ラックの数を表示する(ステップS502)。
【0080】
図18は、制御装置300が測定制御部100から異常の通知を受信したときにディスプレイ302に表示するダイアログの一例である。
ヘルプダイアログ910は、エラー名称911と、アクションメッセージ912と、アラームリセットボタン913と、ダイアログクローズボタン914とを含んでいる。エラー名称は、測定制御部100が検知したエラーの名称を示す情報である。制御装置100は、制御装置300から受信した異常通知800のエラーNo.801の情報に対応するエラー名称を表示する。アクションメッセージ912は、エラー名称911に示された異常を復帰するために、ユーザが実行しなければならない操作手順を示す情報である。アラームリセットボタン913は、測定制御部100で異常が発生したとき、ユーザにその旨を通知するために鳴動させているアラームを止めるためのボタンである。ダイアログクローズボタン914は、ヘルプダイアログ910を閉じるためのボタンである。
図17は、図18に示すヘルプダイアログ910が表示されるときの、搬送部200における検体ラック250の状態の一例である。
ユーザは、図17に示す検体ラック901を検体ラック902の前(測定ユニット2側)に検体ラック901を再度セットし、測定を再開することで、検体ラック901で検体がまだ吸引されていない検体から測定を再開することができる。
【0081】
ついで、ユーザは図18に示すヘルプダイアログに従い搬送ライン230の検体ラック250を検体ラックセット部221に再度セットし直し、測定再開のために測定開始ボタンが押下されると(ステップS503においてYes)、制御装置300から測定制御部100に測定再開の指示が通知される(ステップS504)。測定開始ボタンが押下されていない場合(ステップS503においてNo)、処理をステップS503に戻す。
【0082】
測定制御部100は、制御装置300から測定再開の指示を受信すると(ステップS403においてYes)、搬送ライン230に検体ラック250が存在するか否かをセンサ244及びセンサ231の出力に基づいて判断し(ステップS404)、搬送ライン230に検体ラック250がない場合(ステップS404においてYes)、処理をステップS405に進め、さらに検体ラックセット部221に検体ラック250があるか否かを判断する(ステップS405)。検体ラックセット部221に検体ラック250があると判断した場合(ステップS405においてYes)、検体ラック250を搬送ライン230に送り込み(ステップS406)、搬送ライン230に送り込まれた検体ラック250を1ピッチ横送りし(ステップS407)、検体ラック250に貼付けられたバーコード251を読取る(ステップS408)。搬送ライン230に検体ラック250がある場合(ステップS404においてNo)、制御装置300に異常を通知する。
また、検体ラックセット部221に検体ラック250がない場合(ステップS405においてNo)、処理をステップS403に戻す。
【0083】
ついで、測定制御部100が記憶している検体ラック情報管理テーブル700にステップS408で取得した検体ラックバーコード251の情報と合致するものがある場合(ステップS409においてYes)、処理を図6に示すステップS309に進める。ステップS408で取得した検体ラックバーコード251の情報が、検体ラック情報管理テーブル700にない場合(ステップS409においてNo)、検体ラック情報管理テーブル700の内容をすべて削除し(ステップS420)、制御装置300に検体ラック情報の無効通知を送信する(ステップS421)。その後、測定制御装置100は、バーコードリーダ111にて取得したバーコードの情報をラック情報管理テーブル700に記憶し(ステップS422)、処理を図6に示すステップS309に進める。
【0084】
図16は、測定制御装置100から制御装置300に送信される検体ラック情報の無効通知850の模式図である。検体ラックの無効通知850は、問合わせキー851と、一連番号852と、検体ラックID853とを含んでいる。
問合わせキー851は、測定制御装置100から制御装置300へのオーダ問合わせのキーとして、一連番号852をキーとするか検体ラックID853をキーとするかを示す情報である。一連番号852は、測定制御部100が搬送ライン230に投入された検体ラック250に付与される一連番号を示す情報である。検体ラックID853は、バーコードリーダ111により取得した検体ラックバーコード251の情報を示す。
例えば、図16に示す無効通知850は、測定情報管理データベース740に記憶している検体ラックID853が0001である測定情報を、図11に示す測定情報問合わせ710を受信したときの検索対象から除外することを示す。
【0085】
制御装置300は、測定制御装置100から検体ラック情報の無効通知850を受信すると(ステップS240においてYes)、該当の測定情報を以降は検索対象から除き(ステップS241)、かつ、該当の測定情報が登録されているオーダ登録画面604の背景色を灰色にする(ステップS242)。これにより、ユーザは該当の検体ラックに関する測定情報が無効となったことを知ることができる。
【0086】
また、図19に示すように搬送ライン230に検体ラック951と検体ラック952が存在しているとき、ラックの横送り処理(ステップS303)、ラックの送り込み処理(ステップS305)等の搬送部200の処理において異常が発生した場合、制御装置300は、図20に示すヘルプ画面を制御装置300のディスプレイ302に表示する。
ユーザは、アクションメッセージ953を確認し、異常からの復帰のため、搬送ライン230の検体ラック250を2つ検体ラックセット部221に再度セットする必要があることを知ることができる。
【0087】
また、本実施の形態1においては、搬送ライン230に収容できる検体ラック250の数が2つである構成について述べたが、搬送ライン230に収容できる検体ラック250の数を3つ以上の構成としてもよい。
【0088】
また、本実施の形態1においては、測定制御部100から異常通知850を受信した場合、制御装置300は、ヘルプ画面910に搬送ライン230から検体ラックセット部221に戻す検体ラック250の数を表示する構成について述べたが、バーコードリーダ111にて読取った検体ラックバーコード251の情報を表示する構成としてもよい。
【0089】
また、本実施の形態1においては、バーコードリーダ111を用いて検体ラック250に貼付された検体ラックバーコード251の識別情報を取得する構成について述べたが、バーコードリーダ111を使用せずに、一連番号を用いることで、搬送ライン230に存在し、検体ラックセット部221に再度セットし直さなければならない検体ラック250の数を算出する構成としてもよい。
【0090】
また、本実施の形態1においては、搬送ライン230に存在する検体ラック250が検体ラック取出し部242に送り出されるタイミングで検体ラック情報管理テーブル700から送り出される検体ラック250の情報を削除する構成について述べたが、測定結果を取得したタイミングで検体ラック情報管理テーブル700から送り出される検体ラック250の情報を削除する構成としてもよい。これにより、免疫分析装置1に異常が発生したことで測定結果を得ることができなかった場合、ユーザは再測定のためにどの検体ラック250を検体ラックセット部221に戻せばよいかを容易に知ることができる。
また、検体ラック250に保持されているすべての試験管252に対する測定に必要な検体の吸引が完了したタイミングで、検体ラック情報管理テーブル700から検体ラック250の情報を削除する構成としてもよい。これにより、免疫分析装置1に異常が発生した場合、まだ検体の吸引が行われていない試験管252が保持された検体ラック250のみをユーザは検体ラックセット部221に戻すことができ、測定のために吸引する必要のない試験管252を保持した検体ラック250を検体ラックセット部221に戻す必要がなくなる。
【0091】
また、本実施の形態1においては、搬送部200にて異常を検知した場合の構成について述べたが、吸引部105及び、緊急検体搬送部101、試薬設置部106、反応部107等の測定部で異常を検知した場合においても、図8に示す異常処理を実行することにより、検体ラックセット部221に再度セットし直さなければならない検体ラック250の情報を提供する構成としてもよい。
【0092】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2を詳細に説明する。本発明の実施の形態2における免疫分析装置1の測定ユニット2および制御装置300のハードウェア構成は、本発明の実施の形態1と同じ構成であるため、説明は省略する。
「全体プロセス」
これより図21から図26を用いて、実施の形態2による免疫分析装置1による検体測定処理を説明する。
図21及び22は免疫分析装置1において正常に測定が行われた場合の処理を示すフローチャートである。
図22に示すステップS700において、ユーザにより制御装置300のディスプレイ302に表示された測定開始ボタン(図示せず)が押されると(ステップS700においてYes)、測定情報がユーザにより入力されているか否かを判断する(ステップS701)。ユーザにより測定情報が入力されている場合(ステップS701においてYes)、測定制御部100に測定開始の通知を行う(ステップS702)。ユーザにより測定開始ボタンが押下されたが、測定情報が入力されていない場合(ステップS701においてNo)、処理をステップS700に戻す。
【0093】
図21に移り、測定制御部100は、測定開始の通知を受信すると(ステップS601においてYes)、搬送ライン230に検体ラック250を送り込めるか否かを判断する(ステップS602)。測定開始の通知を受信しない場合(ステップS601においてNo)、処理をステップS601に戻す。ステップS602において、検体ラック250を送り込めると判断した場合(ステップS602においてYes)、検体ラックセット部221に検体ラック250が存在するかどうかをセンサ226の出力に基づいて判断する(ステップS604)。検体ラックセット部221に検体ラック250がある場合(ステップS604においてYes)、検体ラック送り込み機構部222によって検体ラック250を搬送ライン230に送り込む(ステップS605)。
このステップS605において、測定制御部は、検体ラック送り込み機構部222が駆動されてから所定の時間を経過しても、検体ラック到着センサ231によって、検体ラック250が送り込まれたことを検知できなかった場合、後述する異常発生時の処理を実行する。
さらに、検体ラック送り込み機構部222によって、搬送ライン230に送り込みが完了した後、測定制御部100は、所定の時間を経過しても、検体ラック送り込み機構部222が原点位置に戻ったことをセンサ225の出力に基づいて検知できなかった場合、後述する異常発生時の処理を実行する。
検体ラックセット部221に検体ラック250がない場合(ステップS604においてNo)、ステップS621に処理を進める。
測定制御部100は検体ラック250を送り込めないと判断した場合、つまり、新たな検体ラック250が搬送ライン230に送り込まれると、既に搬送ラインに存在している検体ラック250に干渉すると判断した場合(ステップS602においてNo)、検体ラック250の送り込みを実施せず、処理をステップS603に進める。
【0094】
ついで、搬送ライン230上の検体ラック250を1回横送りする(ステップS603)。このステップS603において、測定制御部100は、センサ235aと235bの出力に基づいて、横送りレバー233が正常に動作していない、または、モータ234が停止しているときに検体ラック250が動作したと検知した場合、後述する異常発生時の処理を実行する。
【0095】
ついで、測定制御部100は、バーコードリーダ111にて検体ラックバーコード251の情報を取得済みであるか否かをチェックする(ステップS606)。検体ラックバーコード251の情報を取得していない場合(ステップS606においてNo)、バーコードリーダ111にて、検体ラックバーコード251の検体IDを取得し(ステップS607)、取得した検体ラックバーコード251のラックIDを記憶する(ステップS608)。
既に検体ラックバーコード251のラックIDを取得している場合(ステップS606においてYes)、またはステップS608の実行後、ステップS609に処理を進め、検体ラック250に保持された試験管252について、まだ取得していない試験管バーコード253がある場合(ステップS609においてNo)、取得していない試験管バーコード253の検体IDをバーコードリーダ111にて取得し(ステップS610)、取得した検体IDを記憶する(ステップS611)。
【0096】
ついで、測定情報問合わせ位置237に試験管252がある場合(ステップS612においてYes)、測定情報問合わせ位置237にある試験管252について、検体ラックバーコード251のラックID、試験管252が保持されている検体ラック250の試験管位置をキーとして測定情報制御装置300に対して測定情報の問合わせを行う(ステップS613)。測定情報問合わせ位置237に試験管252がない場合(ステップS612においてNo)、処理をステップS615に進める。
【0097】
図22に戻り、制御装置300は、図10に示す測定情報問合わせデータ710を受信すると(ステップS720においてYes)、図2に示すハードディスク313の所定の領域に記憶した測定情報から、検体ラックバーコード251のラックID、試験管252が保持されている検体ラック250の試験管位置をキーとして測定情報を検索する(ステップS721)。
図10は、測定制御部100から制御装置300に送信される測定情報問合わせデータ710の模式図である。測定情報問合わせデータ710については実施の形態1にて詳細に説明しているので、ここでは省略する。
【0098】
図9は、ユーザが測定情報を入力する測定情報登録画面の一例である。測定情報登録画面については、実施の形態1にて詳細に説明しているので、ここでは省略する。
【0099】
図13(a)は、ハードディスク313に記憶されている測定情報を管理する測定情報管理データベース740の模式図である。測定情報管理データベース740については、実施の形態1にて詳細に説明しているので、ここでは省略する。
【0100】
図22に戻り、測定情報の検索の結果、該当する測定情報があった場合(ステップS722においてYes)、データベースキー741と測定項目吸引情報746を測定情報問合せ710に付加して(ステップS723)、図11(a)に示すオーダ情報を測定制御部100に通知する(ステップS725)。測定情報の検索の結果、該当する測定情報が見つからなかった場合(ステップS722においてNo)、オーダなしの情報を測定情報問合せ710に付加し、測定制御部100に通知する(ステップS725)。
【0101】
図11は、制御装置300から測定制御部に送信される測定情報720の模式図である。測定情報720については、実施の形態1にて詳細に説明しているので、ここでは省略する。
【0102】
図21に戻り、測定制御部100は測定情報を受信すると、その内容を記憶する(ステップS614)。
ついで、測定制御部100は、吸引位置236に検体があり(ステップS615においてYes)、その検体に関して、図11に示すオーダ情報727に測定すべき項目があると判断した場合(ステップS616においてYes)、その項目に関する検体の吸引を開始し(ステップS617)、検体の吸引が完了したタイミングで検体吸引が完了したことを制御装置に通知する(ステップS618)。吸引位置236に検体がない場合(ステップS615においてNo)、または、吸引位置236の検体について測定情報がない場合(ステップS616においてNo)、処理をステップS619に移す。
【0103】
図12は、検体の吸引が完了したときに、測定制御部100から制御装置300に送信される吸引完了通知730の模式図である。吸引完了通知730については、実施の形態1にて詳細に説明しているので、ここでは省略する。
【0104】
図22に戻り、制御装置300は、測定制御部100から図12に示す検体の吸引完了通知730を受信すると(ステップS730においてYes)、データベースキー731に基づいて、測定情報管理テーブル740を検索し、該当するデータベースキー741の測定項目吸引情報746を受信した測定項目吸引情報732で更新する(ステップS731)。
【0105】
図21に戻り、測定制御部100は、搬送ライン230に検体ラック取出し位置242に送り出す検体ラック250があると判断した場合(ステップS619においてYes)、検体ラックの送り出し処理を実行する(ステップS620)。測定制御部100は、送り出しレバー242が検体ラック250を送り出した後、所定時間を経過しても送り出しレバー242が正常に原点位置に戻ったことをセンサ244により検知できなかった場合、後述する異常処理を実行する。
測定制御部100は、送り出しレバー242が検体ラック250を送り出した後、所定時間を経過しても送り出しレバー242が正常に原点位置に戻ったことをセンサ244により検知できなかった場合、後述する異常処理を実行する。
測定制御部100は、搬送ライン230に検体ラック取出し位置242に送り出す検体ラック250がないと判断した場合(ステップS619においてNo)、処理をステップS622に移す。
【0106】
ついで、測定制御部100で全ての測定が完了したと判断した場合(ステップS621においてYes)、測定制御部100の状態をスタンバイにし、その旨を制御部300に通知する(ステップS622)。測定制御部100で全ての測定が完了していない場合、処理をステップS602に戻す。
【0107】
図22に戻り、制御装置300は、分析完了通知を受信すると(ステップS750においてYes)、測定状態をスタンバイにする(ステップS751)。
【0108】
ユーザにより、シャットダウンが実行された場合(ステップS710においてYes)、制御装置300から測定制御部100にシャットダウンコマンドが通知される(ステップS711)。シャットダウンが実行されなかった場合(ステップS710においてNo)、処理をステップS700に戻す。
【0109】
図21に戻り、測定制御部100は、制御装置300からシャットダウン通知を受信すると(ステップS623においてYes)、シャットダウンを実行し(ステップS624)、シャットダウン完了後、制御装置300にシャットダウンが完了したことを通知し、電源をOFFする。シャットダウン通知を受信しない場合(ステップS623においてNo)、処理をステップS623に戻す。
【0110】
図22に戻り、制御装置300は、測定制御部100からシャットダウンの完了通知を受信すると(ステップS760においてYes)、制御装置300の電源をOFFする。測定制御部100からシャットダウンの完了通知を受信しない場合(ステップS760においてNo)、処理をステップS720に戻す。
【0111】
「異常発生時のプロセス」
ついで、図21に示すフローチャートにおいて、ラックの横送り処理(ステップS603)、ラックの送り込み処理(ステップS605)、ラックの送り出し処理(ステップS620)等の搬送部200に関する異常が発生した場合の処理を図23のフローチャートに示す。
【0112】
測定制御部100は、上記搬送部200に関する異常を検知すると、搬送部200の動作を停止し(ステップS800)、測定制御部100は、異常の内容を制御装置300に通知する(ステップS801)。
【0113】
図24は、測定制御部100から制御装置300に送信される異常通知900の模式図である。異常通知900は、エラーNo.901を含んでいる。エラーNo.901は、測定制御部100で発生したエラーと一意に対応したIDであり、このIDをキーとして、制御装置300は、複数あるエラーから何れのエラーが測定制御部100で発生したかを知ることができる。
例えば、図24に示す異常通知900は、測定制御部100でエラーNo.901が377のエラー、すなわちラック横送り動作異常が発生したことを示す。
【0114】
図23に戻り、制御装置300は、異常通知850を受信すると(ステップS900においてYes)、図25に示すヘルプ画面を表示し、ヘルプ画面上の所定の位置に全ラックを戻すべき旨のアクションメッセージを表示する(ステップS901)。
【0115】
図25は、制御装置300が測定制御部100から異常の通知を受信したときにディスプレイ302に表示するヘルプ画面の一例である。
ヘルプ画面960は、エラー名称961と、アクションメッセージ962と、アラームリセットボタン963と、画面クローズボタン964とを含んでいる。エラー名称961は、測定制御部100が検知したエラーの名称を示す情報である。制御装置100は、制御装置300から受信した異常通知800のエラーNo.801の情報に対応するエラー名称を表示する。アクションメッセージ962は、エラー名称961に示された異常を復帰するために、ユーザが実行しなければならない操作手順を示す情報である。アラームリセットボタン963は、測定制御部100で異常が発生したとき、ユーザにその旨を通知するために鳴動させているアラームを止めるためのボタンである。画面クローズボタン964は、ヘルプ画面960を閉じるためのボタンである。
図26は、図25に示すヘルプ画面960が表示されるときの、搬送部200における検体ラック250の状態の一例である。
ユーザは、図26に示す検体ラック取出し部242、搬送ライン230および検体ラックセット部221に存在する検体ラック951〜956を検体ラックセット部221に再度セットし、測定を再開することで、中断した測定を再開することができる。このとき、検体ラックセット部221にセットされる検体ラック250は、どのような順番でセットされてもよい。例えば、検体ラック906の後に検体ラック951〜954がセットされてもよい。
【0116】
図23に戻り、ユーザは図25に示すヘルプ画面に従い搬送ライン230および検体ラック取出し部242の検体ラック250を検体ラックセット部221に再度セットし直し、測定再開のために測定開始ボタンが押下されると(ステップS902においてYes)、制御装置300から測定制御部100に測定再開の指示が通知される(ステップS903)。測定開始ボタンが押下されていない場合(ステップS902においてNo)、処理をステップS902に戻す。
【0117】
測定制御部100は、制御装置300から測定再開の指示を受信すると(ステップS403においてYes)、処理を図21に示すステップS602に進める。
測定制御部100は制御装置300から受信および記憶した測定情報720に基づき(ステップS614〜ステップS616)、吸引位置236の検体に対して吸引が必要か否かの判定を行う。測定制御部100は、検体の吸引が必要と判定した場合は、吸引部105を制御し、吸引位置236の試験管252から検体の吸引を行う。また、検体の吸引が必要ないと判定した場合は、検体ラック横送り機構部232を制御して、検体ラック250を横送りする。
【0118】
なお、本実施の形態2においては、バーコードリーダ111により取得された検体ラック250に貼付された検体ラックバーコード251のラックIDおよび試験管252が保持されている検体ラック250の試験管位置をキーとして測定情報の問合わせを行う構成について述べたが、バーコードリーダ111により取得される試験管バーコード253の検体IDをキーとして測定情報の問合わせを行う構成としてもよい。
【0119】
また、本実施の形態2においては、ユーザは、搬送部200に異常が発生した場合、図26に示す検体ラック取出し部242、搬送ライン230および検体ラックセット部221に存在する検体ラック951〜956をいずれの順番で検体ラックセット部221に再度セットしてもよい構成について述べたが、搬送ライン230に送り込まれた順で検体ラックセット部221に再度セットしなおす構成としてもよい。例えば、図26においては、検体ラックセット部221に検体ラック250を951から956の順番でセットするような構成である。
【0120】
また、本実施の形態2においては、ヘルプ画面を表示するディスプレイ302を制御する制御装置300のCPU310と吸引部105および搬送部200を制御する測定制御部100が異なる構成について述べたが、ヘルプ画面を表示するためのディスプレイ302が測定ユニット2に含まれ、測定制御部100がディスプレイも制御する構成としてもよい。
【0121】
また、本実施の形態2においては、測定項目吸引情報750の吸引情報752にセットされる値として−1(オーダなし)、0(測定のためのオーダが登録されており、まだ検体の吸引が行われていない)または1(測定のためのオーダが登録されており、検体の吸引が完了している)のいずれか1つがセットされる構成について述べたが、検体の分析が正常に完了したことおよび検体の分析が完了したが、異常を示す結果であったことを示す情報をセットできる構成としてもよい。これにより、ユーザは分析が完了したが、異常を示す結果であった検体を容易に再測定することができる。
【0122】
また、本実施の形態2においては、搬送部200にて異常を検知した場合の構成について述べたが、吸引部105及び、緊急検体搬送部101、試薬設置部106、反応部107等の測定部で異常を検知した場合においても、図23に示す異常処理を実行することにより、検体ラックセット部221に再度セットし直さなければならない検体ラック250の情報を提供する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】第1実施形態例に係る分析装置全体構成図の一例である。
【図2】図1に示した制御装置のハードウェア構成図である。
【図3】図1に示した測定制御部のハードウェア構成図である。
【図4】試験管を保持した検体ラックの斜視図である。
【図5】搬送部のハードウェア構成図である。
【図6】測定制御部が行うメイン処理を示すフローチャートの一例である(実施の形態1)。
【図7】制御装置が行うメイン処理を示すフローチャートの一例である(実施の形態1)。
【図8】分析装置が行う異常処理を示すフローチャートの一例である(実施の形態1)。
【図9】ユーザが測定情報の登録を行う画面の一例を示す図である。
【図10】測定制御部が管理している検体ラック情報管理テーブルの一例である。
【図11】測定制御部から制御装置に測定情報を問合わせるデータの一例である。
【図12】制御装置から測定制御部に送信される測定情報の一例である。
【図13】測定制御部が検体の吸引完了時に制御装置に送信するデータの一例である。
【図14】制御装置が記憶している管理する測定情報管理データベースの一例である。
【図15】分析装置に異常が発生した場合、測定制御部から制御装置に送信されるデータの一例である。
【図16】分析装置に異常が発生した後、検体ラック情報管理テーブルに記憶している検体ラック以外が再度セットされた場合に、測定制御部から制御装置に送信されるデータの一例である。
【図17】搬送ラインに検体ラックが1つある場合の搬送部の一例である。
【図18】搬送ラインに検体ラックが1つある場合に表示されるヘルプ画面の一例である(実施の形態1)。
【図19】搬送ラインに検体ラックが2つある場合の搬送部の一例である。
【図20】搬送ラインに検体ラックが2つある場合に表示されるヘルプ画面の一例である(実施の形態1)。
【図21】測定制御部が行うメイン処理を示すフローチャートの一例である(実施の形態2)。
【図22】制御装置が行うメイン処理を示すフローチャートの一例である(実施の形態2)。
【図23】分析装置が行う異常処理を示すフローチャートの一例である(実施の形態2)。
【図24】分析装置に異常が発生した場合、測定制御部から制御装置に送信されるデータの一例である(実施の形態2)。
【図25】搬送部に異常が発生した場合に表示されるヘルプ画面の一例である(実施の形態2)。
【図26】搬送部に異常が発生した場合の搬送部における検体ラックの一例である(実施の形態2)。
【符号の説明】
【0124】
1 分析装置
100 測定制御部
111 バーコードリーダ
200 搬送部
230 搬送ライン
250 検体ラック
251 検体ラックバーコード
300 制御装置
600 測定情報登録画面
910 ヘルプ画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を測定する測定部と、
検体を収容する検体容器を保持する検体ラックを、前記測定部に搬送する搬送部と、
前記測定部と前記搬送部を制御する動作制御手段と、
分析装置の異常を検知する検知手段と、
表示部と、
前記検知手段によって異常を検知したとき、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報を前記表示部に表示させる表示制御手段と、
分析装置の異常から測定再開の指示を受け付ける測定再開受付手段とを備え、
前記動作制御手段は、前記測定再開受付手段により測定再開の指示を受け付けると、吸引する必要がある検体を選択的に吸引するよう前記測定部と前記搬送部を制御する、
分析装置。
【請求項2】
前記搬送部は、検体ラックを前記測定部に搬送する搬送ラインを備え、
前記分析装置は、前記搬送ラインに存在する前記検体ラックの情報を取得する検体ラック情報取得手段と、
前記検体ラック情報取得手段により取得した前記検体ラックの情報を記憶する記憶手段とをさらに備え、
前記表示制御手段は、前記検知手段によって分析装置の異常を検知したとき、前記記憶手段により記憶されている前記検体ラックの情報に基づき、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報を表示させることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記検体ラック情報取得手段は、搬送ラインに存在する検体ラックの識別情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記検体ラック情報取得手段が前記検体ラックの情報を取得したとき、前記検体ラックの情報を記憶する請求項2または3に記載の分析装置。
【請求項5】
前記検知手段は、前記測定部と前記搬送部の少なくとも1つの異常を検知することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項6】
検体ラックが前記搬送ラインから搬出されたことを検知する検体ラック搬出検知手段と、
前記記憶手段により記憶されている前記検体ラックの情報を削除する検体ラック情報削除手段とを備え、
前記検体ラック情報削除手段は、前記検体ラック搬出検知手段によって、検体ラックが前記搬送ラインから搬出されたことを検知したとき、前記搬送ラインから搬出された検体ラックの情報を前記記憶手段から削除する請求項2〜5のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記検知手段が異常を検知したとき、前記記憶手段に記憶されている前記検体ラックの情報に基づいて前記搬送ラインに存在する前記検体ラックの数を算出し、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報として、算出した前記検体ラックの数を含む情報を前記表示部に表示させる請求項2〜6のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項8】
前記検体ラックの取扱いを示す情報は、前記搬送ラインに存在する検体ラックを、幾つ所定の位置に戻す必要があるかを示す情報である請求項7に記載の分析装置。
【請求項9】
前記記憶手段は、前記検体ラック情報取得手段が取得した前記検体ラックの識別情報を記憶し、
前記表示制御手段は、前記検知手段が異常を検知したとき、前記記憶手段に記憶されている前記検体ラックの前記識別情報を抽出し、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報として、抽出した前記検体ラックの前記識別情報を含む情報を前記表示部に表示させる請求項3に記載の分析装置。
【請求項10】
前記搬送部は、検体容器を保持する検体ラックをセットするためのセット部と、前記測定部によって検体が吸引された検体容器を保持する検体ラックを貯留するための貯留部と、前記セット部から前記貯留部に検体ラックを搬送する搬送機構を備え、
分析装置に異常が発生すると、前記表示制御手段は、前記検体ラックの取扱いを示す情報として前記搬送部に存在する検体ラックの全てを前記セット部にセットする旨を示す情報を前記表示部に表示する請求項1に記載の分析装置。
【請求項11】
検体ラックまたは検体容器を識別するための識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記搬送部によって搬送される検体の測定の進捗情報を記憶する記憶部とをさらに備え、
前記動作制御手段は、前記識別情報取得部によって取得された識別情報と前記記憶部に記憶された測定の進捗情報とに基づいて、前記測定部によって吸引する必要がある検体を選択的に吸引するよう、前記測定部と前記搬送部とを制御する請求項1に記載の分析装置。
【請求項12】
前記記憶部は、前記進捗情報と検体の識別情報、または、前記進捗情報と検体ラックの識別情報および検体の当該検体ラックにおける位置とを対応付けて記憶し、
前記動作制御手段は、前記記憶部が記憶している進捗情報と前記識別情報取得部によって取得する識別情報に基づいて、前記吸引部によって吸引する必要がある検体を選択的に吸引するよう前記測定部と前記搬送部を制御する、請求項11に記載の分析装置。
【請求項13】
前記進捗情報は、検体の吸引が行われたか否かを示す検体吸引情報を含み、
前記動作制御手段は、前記検体吸引情報に基づいて、前記測定部によって吸引する必要がある検体か否かを判断することを特徴とする請求項11に記載の分析装置。
【請求項14】
検体の測定を行う測定部によって検体を測定するステップと、
検体を収容する検体容器を保持する検体ラックを前記測定部に搬送する搬送部によって、検体ラックを前記測定部に搬送するステップと、
分析装置の異常を検知するステップと、
分析装置の異常を検知したとき、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報を表示させるステップと、
異常を検知した後に測定再開の指示を受け付けると、吸引する必要がある検体を選択的に吸引するステップと、
を備える異常からの測定再開方法。
【請求項1】
検体を測定する測定部と、
検体を収容する検体容器を保持する検体ラックを、前記測定部に搬送する搬送部と、
前記測定部と前記搬送部を制御する動作制御手段と、
分析装置の異常を検知する検知手段と、
表示部と、
前記検知手段によって異常を検知したとき、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報を前記表示部に表示させる表示制御手段と、
分析装置の異常から測定再開の指示を受け付ける測定再開受付手段とを備え、
前記動作制御手段は、前記測定再開受付手段により測定再開の指示を受け付けると、吸引する必要がある検体を選択的に吸引するよう前記測定部と前記搬送部を制御する、
分析装置。
【請求項2】
前記搬送部は、検体ラックを前記測定部に搬送する搬送ラインを備え、
前記分析装置は、前記搬送ラインに存在する前記検体ラックの情報を取得する検体ラック情報取得手段と、
前記検体ラック情報取得手段により取得した前記検体ラックの情報を記憶する記憶手段とをさらに備え、
前記表示制御手段は、前記検知手段によって分析装置の異常を検知したとき、前記記憶手段により記憶されている前記検体ラックの情報に基づき、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報を表示させることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記検体ラック情報取得手段は、搬送ラインに存在する検体ラックの識別情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記検体ラック情報取得手段が前記検体ラックの情報を取得したとき、前記検体ラックの情報を記憶する請求項2または3に記載の分析装置。
【請求項5】
前記検知手段は、前記測定部と前記搬送部の少なくとも1つの異常を検知することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項6】
検体ラックが前記搬送ラインから搬出されたことを検知する検体ラック搬出検知手段と、
前記記憶手段により記憶されている前記検体ラックの情報を削除する検体ラック情報削除手段とを備え、
前記検体ラック情報削除手段は、前記検体ラック搬出検知手段によって、検体ラックが前記搬送ラインから搬出されたことを検知したとき、前記搬送ラインから搬出された検体ラックの情報を前記記憶手段から削除する請求項2〜5のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記検知手段が異常を検知したとき、前記記憶手段に記憶されている前記検体ラックの情報に基づいて前記搬送ラインに存在する前記検体ラックの数を算出し、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報として、算出した前記検体ラックの数を含む情報を前記表示部に表示させる請求項2〜6のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項8】
前記検体ラックの取扱いを示す情報は、前記搬送ラインに存在する検体ラックを、幾つ所定の位置に戻す必要があるかを示す情報である請求項7に記載の分析装置。
【請求項9】
前記記憶手段は、前記検体ラック情報取得手段が取得した前記検体ラックの識別情報を記憶し、
前記表示制御手段は、前記検知手段が異常を検知したとき、前記記憶手段に記憶されている前記検体ラックの前記識別情報を抽出し、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報として、抽出した前記検体ラックの前記識別情報を含む情報を前記表示部に表示させる請求項3に記載の分析装置。
【請求項10】
前記搬送部は、検体容器を保持する検体ラックをセットするためのセット部と、前記測定部によって検体が吸引された検体容器を保持する検体ラックを貯留するための貯留部と、前記セット部から前記貯留部に検体ラックを搬送する搬送機構を備え、
分析装置に異常が発生すると、前記表示制御手段は、前記検体ラックの取扱いを示す情報として前記搬送部に存在する検体ラックの全てを前記セット部にセットする旨を示す情報を前記表示部に表示する請求項1に記載の分析装置。
【請求項11】
検体ラックまたは検体容器を識別するための識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記搬送部によって搬送される検体の測定の進捗情報を記憶する記憶部とをさらに備え、
前記動作制御手段は、前記識別情報取得部によって取得された識別情報と前記記憶部に記憶された測定の進捗情報とに基づいて、前記測定部によって吸引する必要がある検体を選択的に吸引するよう、前記測定部と前記搬送部とを制御する請求項1に記載の分析装置。
【請求項12】
前記記憶部は、前記進捗情報と検体の識別情報、または、前記進捗情報と検体ラックの識別情報および検体の当該検体ラックにおける位置とを対応付けて記憶し、
前記動作制御手段は、前記記憶部が記憶している進捗情報と前記識別情報取得部によって取得する識別情報に基づいて、前記吸引部によって吸引する必要がある検体を選択的に吸引するよう前記測定部と前記搬送部を制御する、請求項11に記載の分析装置。
【請求項13】
前記進捗情報は、検体の吸引が行われたか否かを示す検体吸引情報を含み、
前記動作制御手段は、前記検体吸引情報に基づいて、前記測定部によって吸引する必要がある検体か否かを判断することを特徴とする請求項11に記載の分析装置。
【請求項14】
検体の測定を行う測定部によって検体を測定するステップと、
検体を収容する検体容器を保持する検体ラックを前記測定部に搬送する搬送部によって、検体ラックを前記測定部に搬送するステップと、
分析装置の異常を検知するステップと、
分析装置の異常を検知したとき、前記搬送部に存在する前記検体ラックの取扱いを示す情報を表示させるステップと、
異常を検知した後に測定再開の指示を受け付けると、吸引する必要がある検体を選択的に吸引するステップと、
を備える異常からの測定再開方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
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【図16】
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【図25】
【図26】
【公開番号】特開2009−229430(P2009−229430A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−86191(P2008−86191)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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