説明

分解装置

【課題】コンパクトで簡単に取り付けることができ、高い分解活性を長期間維持でき、メンテナンスが簡単にできる高性能分解装置と高性能分解装置を備えた空気質改善装置を提供することを目的とする。
【解決手段】分解活性体2を分解対象物9から機能的に隔離する分解活性体隔離手段3と分解対象物検知手段10と分解促進手段13を分解槽6内に設け、分解対象物検知手段10が分解槽6内の分解対象物9を検出したときに分解活性体2を分解槽6内に除放し、分解促進手段13によって効率良く分解対象物9を分解する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油分解酵素や油分解微生物などの分解活性を有するものを用いて、廃棄される油を分解し油成分による汚染を無くすようにするための分解装置と、この分解装置を利用して構成した空気質改善装置に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭の台所や、外食店の厨房など調理を行う場所には、局所排気装置として換気扇やレンジフードが設けられており、調理で食物を加熱処理することによって発生する水蒸気やオイルミスト、または、様々な臭気の複合ガスを外に強制廃棄することで作業環境の快適性を維持している。しかし、調理の際に発生する水蒸気やオイルミスト、または、様々な複合臭気のガスが壁面に付着することによって、強制排気装置自体を汚染し、付着した汚れを除去しなければ換気性能悪化、悪臭発生やカビ繁殖などの不具合が発生し、作業環境の快適性を維持することができなくなる。作業環境を快適に維持するためには、換気扇やレンジフードの表面に付着する汚染物質を除去し、換気性能や、衛生的状態を維持するためにメンテナンスをする必要がある。特にオイルミストが付着し壁面が油に汚染されると、外見上汚らしく見えるだけでなく、付着した油の成分である脂肪酸類が悪臭物質として拡散し、調理場だけでなく居住空間に広く悪影響を及ぼすため、オイルミスト付着の防除対策は大きな課題となっている。
【0003】
通常、換気扇やレンジフードの給気口の入り口付近には、ガラス繊維でできたフィルターを設置し、発生したオイルミストを吸着することで通気口内部の油汚れを防止している。また、フィルターで吸収し切れなかったオイルミストは、換気扇やレンジフード内部のグリスフィルターでトラップされた後、調理場付近に滴下して汚染を拡大させないようにオイルキャッチなどの油を溜めておく油溜め部に回収されるように工夫されている。そして、オイルミストを吸着して汚れてきたフィルターを新しいフィルターと交換し、グリスフィルターに付いた油を洗浄により除去し、また、オイルキャッチに溜まった油を廃棄洗浄することによって、換気扇やレンジフードのメンテナンスを行っている。
【0004】
このように、換気扇やレンジフードを長期間使用するためには、油による汚染除去のメンテナンスが必要で、いかに簡便に除去するかが課題となっている。また、付着する油は調理の際加熱処理によって酸化されているため粘度が増している。そのため、内部に付着している油は洗浄しても除去しにくくメンテナンス性を著しく悪くしている。そのため、換気扇やレンジフードのメンテナンス性を改善するため、油汚染を除去する方法が考案されている。例えば、油脂で汚染されたレンジフードに洗浄水を吹き付けることによって洗い落とし、洗い落とした後の洗浄水中に含まれる油脂を、油脂分解バクテリアを用いて分解処理することができる油脂分解装置が開発されている(特許文献1参照)。
【0005】
以下、そのような油脂分解装置について図13を参照しながら説明する。
【0006】
図13のように、油脂分解装置101は所定用量からなる洗浄水貯留タンク102を備えており、この洗浄水貯留タンク102の上面には洗浄水送り管103が取り付けられており、洗浄水送り管103はレンジフード104内の散水ノズル105に接続されている。また、油脂分解装置101の上面には洗浄水戻り管106が取り付けられており、洗浄水戻り管106はレンジフード104内の集水タンク107に接続されている。洗浄水送り管103には電磁ポンプ108が取り付けられており、洗浄水貯留タンク102内の洗浄液109を送液し、散水ノズル105から洗浄液109をグリスフィルター110に散水し、グリスフィルター110表面に付着した油脂を洗浄する。洗浄された油脂は洗浄液109と共に集水タンク107内に回収され、洗浄水戻り管106を流れて洗浄水貯留タンク102に戻される。このようにグリスフィルター110表面に付着した油脂が洗浄液109によって除去分解されることによって、グリスフィルター110がきれいに保たれ、グリスフィルターに付着した油脂の洗浄に煩わされることなくメンテナンスすることができる。
【特許文献1】特開平9−287790号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来の方法では、洗浄水の循環を維持するために分解装置が大掛かりとなり、装置が大きくなるためにレンジフードの外に配置しなければならず施工性が煩雑になるという課題があり、分解装置がレンジフードに簡単に取り付けられるよう小型化し施工性を良くすることが要求されている。また、洗浄水の油分解活性がすぐに低下してしまうため、洗浄液の油分解活性の安定性改善が要求されている。また、油分解活性の低下した洗浄液の洗浄力を維持するために洗浄液を交換したり追加したり分解装置自体の維持管理が必要なため、分解活性の維持が煩雑になるという課題があり、分解装置の維持管理の簡略化が要求されている。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、簡単な構成で小型にすることができ、レンジフードに簡単に取り付けることができるため施工性がよくなる分解装置を提供することを目的としている。また、分解活性が長期間維持できる分解活性の安定性が改善された分解装置を提供することを目的としている。また、分解活性の維持が簡単で、分解装置の維持管理が簡略化された分解装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の分解装置は上記目的を達成するために、分解対象物を分解する能力を有した分解活性体と、前記分解活性体を保持し前記分解活性体を前記分解対象物から隔離する分解活性体隔離手段と、前記分解活性体隔離手段を着脱可能に保持する分解活性体隔離保持手段と、前記分解活性体隔離手段から前記分解活性体を分離させる分解活性体分離手段と、前記分解活性体分離手段によって前記分解活性体隔離手段から分離された分離分解活性体と前記分解対象物を保持し前記分離分解活性体によって前記分解対象物を分解する分解槽と、前記分解槽に前記分解対象物を供給する分解対象物供給手段と、前記分離分解活性体によって分解された前記分解対象物を前記分解槽から導出させる分解対象物導出手段とを備え、前記分解活性体隔離保持手段と前記分解槽が一体化していることを特徴とする分解装置としたものである。
【0010】
これにより、小型化することができレンジフードに簡単に取り付けることができるため施工性がよくなる分解装置が得られ、分解活性が長期間維持できる分解活性の安定性が改善された分解装置が得られ、分解活性の維持が簡単で、分解装置の維持管理が簡略化された分解装置が得られる。
【0011】
また他の手段は、分解活性体隔離手段が分解活性体と分解対象物を隔離する隔膜を備えていることを特徴とする請求項1に記載の分解装置としたものである。
【0012】
これにより、小型化することができレンジフードに簡単に取り付けることができるため施工性がよくなる分解装置が得られ、分解活性が長期間維持できる分解活性の安定性が改善された分解装置が得られ、分解活性の維持が簡単で、分解装置の維持管理が簡略化された分解装置が得られる。
【0013】
また他の手段は、分解槽内の分解対象物を検知する分解対象物検知手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の分解装置としたものである。
【0014】
これにより、小型化することができレンジフードに簡単に取り付けることができるため施工性がよくなる分解装置が得られ、分解活性が長期間維持できる分解活性の安定性が改善された分解装置が得られ、分解活性の維持が簡単で、分解装置の維持管理が簡略化された分解装置が得られる。
【0015】
また他の手段は、分解対象物検知手段が分解対象物の蓄積を検知したときに、分解活性体供給手段を作動させる制御手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載の分解装置としたものである。
【0016】
これにより、小型化することができレンジフードに簡単に取り付けることができるため施工性がよくなる分解装置が得られ、分解活性が長期間維持できる分解活性の安定性が改善された分解装置が得られ、分解活性の維持が簡単で、分解装置の維持管理が簡略化された分解装置が得られる。
【0017】
また他の手段は、分解対象物検知手段を分解槽の底面に備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の分解装置としたものである。
【0018】
これにより、小型化することができレンジフードに簡単に取り付けることができるため施工性がよくなる分解装置が得られ、分解活性が長期間維持できる分解活性の安定性が改善された分解装置が得られ、分解活性の維持が簡単で、分解装置の維持管理が簡略化された分解装置が得られる。
【0019】
また他の手段は、分解対象物検知手段を分解槽の上面に備えたことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の分解装置としたものである。
【0020】
これにより、小型化することができレンジフードに簡単に取り付けることができるため施工性がよくなる分解装置が得られ、分解活性が長期間維持できる分解活性の安定性が改善された分解装置が得られ、分解活性の維持が簡単で、分解装置の維持管理が簡略化された分解装置が得られる。
【0021】
また他の手段は、分解活性体に金属を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の分解装置としたものである。
【0022】
これにより、小型化することができレンジフードに簡単に取り付けることができるため施工性がよくなる分解装置が得られ、分解活性が長期間維持できる分解活性の安定性が改善された分解装置が得られ、分解活性の維持が簡単で、分解装置の維持管理が簡略化された分解装置が得られる。
【0023】
また他の手段は、分解活性体に加水分解酵素を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の分解装置としたものである。
【0024】
これにより、小型化することができレンジフードに簡単に取り付けることができるため施工性がよくなる分解装置が得られ、分解活性が長期間維持できる分解活性の安定性が改善された分解装置が得られ、分解活性の維持が簡単で、分解装置の維持管理が簡略化された分解装置が得られる。
【0025】
また他の手段は、分解活性体に細菌、古細菌、藻類、菌類のいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の分解装置としたものである。
【0026】
これにより、小型化することができレンジフードに簡単に取り付けることができるため施工性がよくなる分解装置が得られ、分解活性が長期間維持できる分解活性の安定性が改善された分解装置が得られ、分解活性の維持が簡単で、分解装置の維持管理が簡略化された分解装置が得られる。
【0027】
また他の手段は、分解活性体に界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の分解装置としたものである。
【0028】
これにより、小型化することができレンジフードに簡単に取り付けることができるため施工性がよくなる分解装置が得られ、分解活性が長期間維持できる分解活性の安定性が改善された分解装置が得られ、分解活性の維持が簡単で、分解装置の維持管理が簡略化された分解装置が得られる。
【0029】
また他の手段は、前記分解活性体にテルペンを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の分解装置としたものである。
【0030】
これにより、小型化することができレンジフードに簡単に取り付けることができるため施工性がよくなる分解装置が得られ、分解活性が長期間維持できる分解活性の安定性が改善された分解装置が得られ、分解活性の維持が簡単で、分解装置の維持管理が簡略化された分解装置が得られる。
【0031】
また他の手段は、請求項1乃至11のいずれかに記載の分解装置を備えたことを特徴とする空気質改善装置としたものである。
【0032】
これにより、分解活性が長期間維持できる分解活性の安定性が改善され小型化することができ施工性がよくなる分解装置を備えた空気質改善装置が得られる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、簡単な構成で小型化することができ、小型であるためにレンジフードに簡単に取り付けることができる施工性の良い分解装置を提供することができる。
【0034】
また、分解活性が長期間維持できる分解活性の安定性が改善された分解装置を提供できる。
【0035】
また、分解活性の維持が簡単で、分解装置の維持管理が簡略化された分解装置が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の請求項1記載の発明は、分解対象物を分解する能力を有した分解活性体と、前記分解活性体を保持し前記分解活性体を前記分解対象物から隔離する分解活性体隔離手段と、前記分解活性体隔離手段を着脱可能に保持する分解活性体隔離保持手段と、前記分解活性体隔離手段から前記分解活性体を分離させる分解活性体分離手段と、前記分解活性体分離手段によって前記分解活性体隔離手段から分離された分離分解活性体と前記分解対象物を保持し前記分離分解活性体によって前記分解対象物を分解する分解槽と、前記分解槽に前記分解対象物を供給する分解対象物供給手段と、前記分離分解活性体によって分解された前記分解対象物を前記分解槽から導出させる分解対象物導出手段とを備え、前記分解活性体隔離保持手段と前記分解槽が一体化していることを特徴とする分解装置としたものであり、分解活性体隔離手段が分解活性体を分解対象物から隔離することによって分解活性体が分解対象物と長時間接触することによって分解活性を低下することを抑制できるようになり分解活性体の分解活性を安定化させることができるという作用を有する。
【0037】
また、分解活性体隔離手段が分解活性体隔離保持手段から着脱可能であるために分解活性体隔離手段を簡単に新しいものと交換することができるようになり、分解活性の低下した分解活性体から分解活性を持った分解活性体に簡単に交換することができるという作用を有する。また、分解活性体隔離保持手段が分解槽と一体化していることによって、分解槽と分解活性体隔離手段と分解槽をコンパクトにすることができるようになり、分解装置を簡単な構成で小型にすることができるという作用を有する。また、分解装置を簡単な構成で小型にできるようになり、簡単に取り付けることができるため施工性が良くなるという作用を有する。
【0038】
本発明の請求項2記載の発明は、分解活性体隔離手段が分解活性体と分解対象物を隔離する隔膜を備えていることを特徴とする請求項1に記載の分解装置としたものであり、分解活性体隔離手段が隔膜を隔てて分解活性体と分解対象物を隔離することができるようになり、分解活性体と分解対象物が接触しないようにかつ、ごく近傍に保持することができるようになり、分解装置を簡単な構成で小型にすることができるようになり、簡単に取り付けることができるため施工性が良くなるという作用を有する。
【0039】
また、分解活性体と分解対象物をごく近傍になるように保持することから、分解活性体と分解対象物を瞬時に接触させることができるようになり、分解対象物を分解したいときに分解活性体を瞬時に反応させることができるようになるという作用を有する。
【0040】
本発明の請求項3記載の発明は、分解槽内の分解対象物を検知する分解対象物検知手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の分解装置としたものであり、分解対象物検知手段が分解槽内の分解対象物を検知することによって分解対象物の濃度や量を検知することができるようになり、分解対象物が一定濃度あるいは一定量蓄積してきたときに分解活性体を分解活性体隔離手段から分離させ分解対象物に作用させ分解させることができるようになり、簡単な構成で分解活性体を必要なときにのみ分解対象物に反応させることができるようになり、簡単な構成で分解活性体を効率よく分解対象物に反応させることができるようになり、簡単な構成で分解活性体を長い間安定にすることができるようになり、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された分解装置になるという作用を有する。
【0041】
本発明の請求項4記載の発明は、分解対象物検知手段が分解対象物の蓄積を検知したときに分解活性体供給手段を作動させる制御手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載の分解装置としたものであり、分解対象物検知手段が分解槽に一定濃度あるいは一定量蓄積してきた分解対象物を検知したときに制御手段が自動で分解活性体供給手段を作動させることができるようになり、分解対象物が一定濃度あるいは一定量蓄積してきたときに自動で分解活性体を分解活性体隔離手段から分離することができるようになり、簡単な構成で分解対象物が一定濃度あるいは一定量蓄積してきたときに自動で分解活性体によって分解できるようになり、簡単な構成で分解活性体を効率よく分解対象物に反応させることができるようになり、簡単な構成で分解活性体を長い間安定にすることができるようになり、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された分解装置になるという作用を有する。
【0042】
本発明の請求項5記載の発明は、分解対象物検知手段を分解槽の底面に備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の分解装置としたものであり、分解対象物が分解槽の底面から蓄積してきたとき分解槽底面の分解対象物を分解対象物検知手段がすぐに検知することができるようになり、分解対象物が蓄積しすぎないうちから分解活性体を分解対象物に反応させることができるようになり、簡単な構成で分解対象物を効率よく分解することができるようになり、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された分解装置になるという作用を有する。
【0043】
本発明の請求項6記載の発明は、分解対象物検知手段を分解槽の上面に備えたことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の分解装置としたものであり、分解対象物が分解槽の上面から蓄積してきたとき分解槽底面の分解対象物を分解対象物検知手段がすぐに検知することができるようになり、分解対象物が蓄積しすぎないうちから分解活性体を分解対象物に反応させることができるようになり、簡単な構成で分解対象物を効率よく分解することができるようになり、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された分解装置になるという作用を有する。
【0044】
本発明の請求項7記載の発明は、分解活性体に金属を含むことを特徴とする請求項1乃至4に記載の分解装置としたものであり、金属を含む分解活性体が効率よく分解対象物を分解することができるようになり、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された分解装置になるという作用を有する。
【0045】
本発明の請求項8記載の発明は、分解活性体に加水分解酵素を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の分解装置としたものであり、加水分解酵素を含む分解活性体が効率よく分解対象物を分解することができるようになり、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された分解装置になるという作用を有する。
【0046】
本発明の請求項9記載の発明は、分解活性体に細菌、古細菌、藻類、菌類のいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の分解装置としたものであり、細菌、古細菌、藻類、菌類のいずれかを含む分解活性体が効率よく分解対象物を分解することができるようになり、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された分解装置になるという作用を有する。
【0047】
本発明の請求項10記載の発明は、分解活性体に界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の分解装置としたものであり、界面活性剤を含む分解活性体効率よく分解対象物を分解することができるようになり、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された分解装置になるという作用を有する。
【0048】
本発明の請求項11記載の発明は、前記分解活性体にテルペンを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の分解装置としたものであり、テルペンを含む分解活性体効率よく分解対象物を分解することができるようになり、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された分解装置になるという作用を有する。
【0049】
本発明の請求項12記載の発明は、請求項1乃至11のいずれかに記載の分解装置を備えたことを特徴とする空気質改善装置としたものであり、分解活性の維持が簡単で、分解装置の維持管理が簡略化された分解装置を簡単に取り付けることによって分解対象物を分解することのできる空気質改善装置ができるという作用を有する。
【0050】
以下本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0051】
(実施の形態1)
図1は汚染物質を分解するためにレンジフードや油脂分解装置などに取り付けられる小型化可能で施工性の良い分解装置1を示している。
【0052】
図1(a)に示すように分解装置1は、分解活性体2と分解活性体隔離手段3と分解活性体隔離保持手段4と分解活性体分離手段5と分解槽6と分解対象物導入手段7と分解対象物導出手段8とから構成されている。分階槽6は分解装置1内に配置されており分解対象物9を溜めることができる。分解対象物9を分解槽6に供給するように分解対象物供給手段7は分解槽6に接続されている。分解槽6に供給された分解対象物9を検知するように分解槽6内に分解対象物検知手段10が備えられている。分解活性体2は分解対象物9と接触しないように分解活性体隔離手段3によって保持されており、分解活性体隔離手段3は分解活性体隔離保持手段4によって保持されており、分解活性体隔離保持手段4は分解活性体分離手段5と共に分解槽6に面して備えられている。
【0053】
制御手段11は分解対象物検知手段10と分解活性体分離手段5と接続され分解装置1内に備えられている。分解活性体隔離保持手段4は分解槽6と一体化しているため、分解活性体隔離保持手段4保持されている分解活性体隔離手段3によって保持されている分解活性体2は分解槽6にいつでも投入されるように配置されている。
【0054】
上記構成において、分解対象物供給手段7を伝わって分解対象物9が流れてきて、流れてきた分解対象物9は分解槽6内に供給され貯留される。分解対象物供給手段7は分解槽6内に分解対象物9を供給する構造物であり、例えば、捕集された油や排水などが流れてくる管や溝であり、上方から比重で流れてくるよう分解槽6に接続されている。また、分解対象物9を分解槽6内へ能動的に輸送するように輸送ポンプなどを併設することもできる。分解槽6は分解対象物9を蓄積し貯留することのできる構造物で、例えば樹脂や金属で成形されたタンクなどが用いられる。分解対象物導出手段8は、分解槽6内で分離分解活性体12によって分解された分解対象物9を分解槽6の外に導出することのできる構造物であって、例えば分解された油や排水などが流れていく管や溝である。
【0055】
分解対象物9は小さい分子に分解されることのできる構造物あるいは化合物のことであり、例えばレンジフードで捕集された油やキッチンの排水溝などに流される食品残渣等の有機物を含んだ汚水であり、そのまま廃棄すると環境を汚染してしまうため分解してから廃棄することが望ましいものである。分解対象物9が分解槽6に貯留されると分解槽6に備え付けられた分解対象物検知手段10によって分解対象物9の存在が検知され、分解対象物9が存在していることが制御手段11によって分解活性体分離手段5に伝えられ分解活性体分離手段5を作動させ、分解活性体2を分解活性体隔離手段3から分解槽6内に除放し、除放された分離分解活性体12が分解槽6内に溜まっている分解対象物9と接触するようになり、分離分解活性体12が分解対象物9を分解できるようになる。
【0056】
分解対象物検知手段10は分解槽6内に蓄積した分解対象物9の存在を検出するセンサーあるいは構造物であり、例えば分解槽6の重量変化を検出する重量センサーであり、分解槽6に油や汚水が流入してきたら、油や汚水の重量によって分解槽6が重くなり、分解槽6の重量変化によって油や汚水が流入してきたことを検知することができる。また、分解対象物検知手段10は、例えば油の存在を検出する紫外線センサーとすることもできる。分解槽6にブラックライトなどを用いて波長300nmから400nmの紫外線を照射し、反射される500nmから600nmの波長の反射光を、光学フィルターを通して波長CCDなどの光学素子を用いることで油の存在を検出することができる。
【0057】
また、分解対象物検知手段10を静電容量検出装置とすることもできる。表面が電気的に絶縁された電極を分解槽6内に設置し、分解槽6内の分解対象物9の静電容量を検出することによって、分解対象物9に油が含まれる場合と分解対象物9が水である場合で静電容量が違うことで油の存在を検出することができる。また、分解対象物検知手段10をオルガスタ式油センサーとすることもできる。カーボン導電性微粒子を分散させた高分子膜に油が接触し高分子膜が膨潤することによって導電性微粒子間の接触抵抗が増し、瞬時に油を検出することができる。このように分解槽6に分解対象物9が溜まり分解対象物検知手段10によって検知されるようになるまで分解活性体2は分解活性体隔離手段3によって保持された状態となり、分解活性体2が劣化し分解活性を失うことなく、且ついつでも分解対象物9を分解できるように分解槽6内に保持されることになる。
【0058】
分解活性体分離手段5は分解活性体隔離手段3から分解活性体2を除放させ、分解槽6内に分離分解活性体12を生じさせることのできる構造物であり、例えばペルチェやヒーターなどの発熱体を用いることができる。分離分解活性体12は分解活性体隔離手段3から分解槽6内に除放されたあとの分解活性体2のことであり、分解活性体2は分解対象物9である油や有機廃水などの汚染物質を加水分解したり酸化分解したりして小さな分子まで分解することのできる活性を持った化合物や構造物のことで、例えば、油を分解するリパーゼや食品残渣中の蛋白質や糖分を分解するアミラーゼやグリコシダーゼなどの加水分解酵素であり、また、Corynebacterium属やAcinetobactor属やStaphylococcus aureusなどの油分解微生物を用いることもできる。例えば分解活性体2としてリパーゼを用いた場合、分解槽6に流入してきた分解対象物9である油に対して加水分解活性を作用させ、脂肪酸とグリセロールに分解することができる。分解されたグリセロールと脂肪酸は水溶性が高くなり、水洗で簡単に除去できるようになる。また、油分解微生物を用いることによって、油分解微生物の異化反応あるいは同化反応によって最終的に二酸化炭素と水に分解除去される。
【0059】
分解活性体隔離手段3は分解活性体2と分解対象物9を機能的に分け隔てて隔離した状態を維持できる構造体のことで、分解活性体2による分解対象物9の分解を開始させないで分解対象物9と分解活性体2をごく近傍に共存させることのできる構造物であり、例えば、高分子樹脂で成型された担体であって、具体的にはPEG1500を固化した担体を用いることができる。分解活性体隔離保持手段4は分解活性体隔離手段3を空間的に保持することのできる構造体のことで、例えば、PEG1500担体を保持する固定治具であり、担体を挟み込む留め金などで担体を着脱可能に保持することができる。PEG1500は融点が46℃であり、46℃で融解したPEG1500にリパーゼや油分解微生物を混合させ容器や金型に流し込み46℃以下に冷却することによって、リパーゼや油分解微生物を包含した状態で固化することができる。リパーゼや油分解微生物を包含し固化されたPEG1500は分解対象物9である油や汚水と接触しても融解することなくリパーゼや油分解微生物を包含したまま油や汚水から隔離することができる。油や汚水と隔離されていることによってリパーゼや油分解微生物は分解能力を低下させることなく維持される。
【0060】
分解活性体分離手段5は例えば、ペルチェやヒーターなどの発熱体であり、分解対象物検知手段10が油や汚水を検知したとき制御手段11によって制御され発熱する。制御手段11は、分解対象物検知手段10が分解対象物9の存在を検知した情報を受け取り、受け取った情報を処理して分解活性体分離手段5や分解促進手段13の動作を制御する構造物のことであり、例えば、分解対象物検知手段10が分解対象物9を検知した電気信号を受け取り処理し発熱体を作動させるマイコンなどの制御基板である。制御基盤の制御を受けたペルチェやヒーターが発熱することによって、リパーゼや油分解微生物を包含したPEG1500が加熱され融点の46℃以上になり融解し、包含しているリパーゼや油分解微生物を除放し、除放されたリパーゼや油分解微生物が油や汚水と接触し分解することができるようになる。
【0061】
一定量の油や汚水が分解槽6に蓄積した後に分解活性体分離手段5が作動するように制御することによって、一定量の油や汚水が蓄積してはじめてリパーゼや油分解微生物が油や汚水を分解するように制御することができるようになる。また、蓄積する油の量に応じて分解活性体2を除放させるように制御することができる。レンジフードに蓄積する油は一度に大量に蓄積せず毎日少しずつ蓄積することによって、長期間たった後に油が蓄積する。リパーゼや油分解微生物は、油を分解する活性を持っているが、油を分解することによって分解活性を徐々に低下させ、長期間分解活性を維持することができないため、少しずつ蓄積する油に対して常にリパーゼや油分解微生物を反応させているとすぐに油分解活性を低下させてしまい、長期間かけて徐々に蓄積する油を分解させることが難しくなる。一定量の油が蓄積した後あるいは蓄積する油の量に応じて分解活性体2を作用させることによって、分解活性体2の分解活性を低下させることなく、徐々に油を分解させることができるようになる。
【0062】
このように油の蓄積量に応じてリパーゼや油分解微生物を作用させることによって、徐々に蓄積する油を長期間にわたって確実に分解することができるため、最終的に油を分解する量が増加し、油分解効率が上昇する。また、油分解効率が上昇するため、油を分解するために必要なリパーゼや油分解微生物の量が少なくてすむようになる。このとき、分解活性体隔離保持手段4が分解槽6と一体化しているため、分解活性体2は分解槽6に蓄積する分解対象物9のごく近傍に保持されており、分解対象物9が一定量蓄積した後すぐに反応させることができるようになる。また、分解活性体隔離保持手段4を油が蓄積する分解槽6の底面に配置し、油と分解槽6の間に配置することもできる。油が分解槽6に一定量蓄積した後、油と分解槽6との間からリパーゼを除放することによって分解槽6に付着する油を効率よく分解することができる。また、リパーゼが油と分解槽6の底面の間に存在し付着する油を効率良く除去することができるため、油が分解槽6の底面に付着しにくくなり、油除去が容易に行えるようになる。
【0063】
また、分解槽6内に分解促進手段13を備えることもできる。分解促進手段13は分解槽6内にあって、制御手段11によって制御されるように制御手段11に接続されている。分解促進手段13は分解槽6内の分離分解活性体12による分解対象物9の分解を促進させる機能を有した構造体であって、例えば、ペルチェやヒーターなどの発熱体を用いることができ、分解活性体2の分解槽6内への放出と連動させ37℃に加熱することによって、リパーゼと油の混合物をリパーゼの至適温度である37℃にコントロールすることができるようになり、リパーゼによる油分解速度が上昇し、効率良く油を分解することができるようになる。また、分解促進手段13を圧電素子などで構成された攪拌装置とすることもできる。分解活性体2の分解槽6内への放出と連動させ攪拌装置を作動させ、リパーゼと油の混合物を攪拌することによって、リパーゼと油の接触効率を上昇させることができるようになり、リパーゼによる油の分解効率が高まり効率良く油を分解することができるようになる。また、分解促進手段13を分解対象物9内に空気を注入する曝気装置とすることもできる。例えば分解槽6内に蓄積した汚水中に分解活性体である油分解微生物が放出されるのに連動させ空気を汚水中に吸入することによって汚水中の溶存酸素量が増え、油分解微生物が酸素を効率良く消費することができるようになり、効率良く油を分解することができるようになる。また、分解促進手段13として発熱体や攪拌装置などを組み合わせることによってさらに効率良く油分解を促進させることができるようになる。
【0064】
また、分解槽6には分解産物検知手段14を備えることもできる。分解産物検知手段14は制御手段11によって制御されるように制御手段11に接続されている。分解産物検知手段14は分離分解活性体12によって分解槽6内で分解対象物9が分解されて生じる分解産物を検出する構造物であり、例えば、pHセンサーなどがあり、油が分解され遊離された脂肪酸の影響で分解槽6内のpHが酸性になることを検出することができる。また、制御手段11が分解対象物検知手段10によって検出された分解対象物9の量と、分解産物検知手段14によって検出されたpHの変化量をもとに、油がどの程度分解されているか計測することができるようになる。また、油分解の進行度に応じて分解活性体分離手段5を作動させ、さらに分解活性体2を分解槽6内に導入することもできるようになる。また、制御手段11に警告装置を併設し、分解槽6内の油分解の進行が低下している際、警告を発生させるようマイコンなどにプログラムを組み込むことによって、油分解速度が低下しているときに警告を発生し、油分解の進行速度の低下を周囲の人間に知らせることができるようになる。
【0065】
また、分解活性体隔離保持手段4には分解活性体残量表示手段15を備えることもできる。分解活性体残量表示手段15は分解活性体隔離保持手段4に備えられており、分解活性隔離保持手段4に保持されている分解活性体2の量あるいは分解活性体隔離手段3の存在量を表示することのできる構造物のことであり、例えば、分解活性体隔離保持手段4に設けられた覗き窓などである。例えばペルチェやヒーターなどの発熱体によってPEG1500が融解しリパーゼなどの分解活性体2を除放させると、PEG1500は融解によって変形し、分解槽6内に融解した後は希釈されることによって凝固することがない。固定化された担体のPEG1500が順次融解されることによって担体であるPEG1500は減少し、最終的には包含しているリパーゼを放出した後なくなってしまう。分解活性体隔離保持手段4に覗き窓が設置されているので担体のPEG1500がなくなったことが一目瞭然になる。担体のPEG1500がなくなった事を容易に知ることができるようになるので、PEG1500を追加するタイミングを知ることができるようになり、油分解活性の維持メンテナンスが容易になる。
【0066】
また、分解活性体残量表示手段15に重量センサーを備え分解活性体の残量を制御手段11にフィードバックさせることもできる。分解活性体の残量が残り少なくなったときに警告装置が作動するように、例えばマイコンなどの制御手段11にプログラムを組み込むことによって、分解活性体の残量が残り少なくなったときに警告を発生し、分解活性体の残量低下を周囲の人間に知らせることができるようになる。このようにして、分解活性体2の分解活性を安定化させることができ、また、容易に分解活性体隔離手段3を交換することができ、分解装置をコンパクトにすることができるようになり、簡単に取り付けることができるため施工性が良くなる分解装置ができるようになる。
【0067】
図1(b)は制御手段11と分解活性体隔離保持手段4の一例を示している。分解活性体隔離保持手段4には分離された分離分解活性体12を分解槽6内に放出するための放出穴16が設けられており、分解活性体隔離手段3は発熱体であるペルチェ17に接触するように分解活性体隔離保持手段4内に設置されている。ペルチェ17は制御手段11から突き出された押出し棒18に接続されている。分解活性体隔離手段3は支持台19の上に形成されている。
【0068】
上記構成において、例えば制御手段11が分解対象物9である油の蓄積を検知し、押出し棒18を分解活性体隔離手段3の方向へ押出しながらペルチェ17を発熱させることによって例えば分解活性体隔離手段3であるPEG1500が加熱される。PEG1500は融点が46℃前後であるため、ペルチェ17でPEG1500を46℃前後に加熱することによって融解させることができ、PEG1500が融解されることによってPEG1500内に包含されていたリパーゼなどの分解活性体2が除放されるようになる。除放された分解活性体2であるリパーゼは放出穴16から分解槽6内に流出し、蓄積された油などの汚染物質を分解することができるようになる。
【0069】
このとき、制御手段11によって押出し棒18を押出す長さを調節することによって融解させるPEG1500の量を調節することができるようになり、蓄積した油の量に応じて反応させるリパーゼの量を調節することができるようになる。このようにリパーゼを溶液状態での保存でなく、PEG1500などの高分子によって完全に包含させることによってリパーゼの失活を防止することができ、なおかつ分解対象物9である油のごく近傍に配置させることができる。また、担体であるPEG1500を融解させた熱を利用して油を加熱する事もでき、リパーゼによる油分解をより効率的に行うことができる。また、支持台19をつかんで分解活性体隔離手段3を移動させることによって分解活性体隔離保持手段4に分解活性体隔離手段3を容易に着脱させることができる。
【0070】
また、分解活性体残量表示手段15は例えば分解活性体隔離保持手段4に設けられた覗き窓であって分解活性体隔離保持手段4の側面から担体のPEG1500の残量を覗き見ることができるようになっている。なお、分解活性体残量表示手段15は分解活性体隔離保持手段4の側面でなくても、外部から観察可能な位置であればいずれの場所であってもかまわない。このようにして、分解活性体2の分解活性を安定化させることができ、また、容易に分解活性体隔離手段3を交換することができ、分解装置をコンパクトにすることができるようになり、簡単に取り付けることができるため施工性が良くなる分解装置ができるようになる。
【0071】
(実施の形態2)
図2は分解活性体隔離手段3の一例を示している。本発明の実施の形態1と同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0072】
図2(a)〜(c)に示すように、本発明の分解活性体隔離保持手段4は円筒形に成形されており、円筒形の支持台19の上に備えられたペルチェ17の上に設置されている。また、支持台19には攪拌子20が円筒形の中心である中心軸21に対する円周上に配置されている。支持台19の中心先端部分には切込み部22が刻まれており、モーター部23にはまり込むように同じ形状をしている。また、支持台19の中心には端子A24が設けられておりまた、モーター部23には端子B25が設けられており、支持台19の切込み部22がモーター部23にはまり込むと端子A24と端子B25が接続されるように配置されている。端子A24は中心軸21に沿って支持台19内部を通ってペルチェ17に接続されている。また、端子B25はモーター部23内部を通って制御手段11に接続されている。
【0073】
上記構成において、支持台19は例えば耐熱性かつ絶縁性の樹脂であり、中心軸21を中心に回転することができる。モーター部23は例えばマイコンなどを搭載した制御部11に回転をコントロールされる回転ローラーであって回転を支持台19に伝え支持台19を回転させることができる。また、モーター部23に支持台19の切込み部22が嵌め込まれることによって端子A24と端子B25が接続し、制御手段11からの信号が支持台19上のペルチェ17に伝えられペルチェ17が加熱され、ペルチェ17と接触しているPEG1500で固定化された分解活性体隔離手段3が加熱され融解される。分解活性体隔離手段3であるPEG1500が融解されることによってPEG1500に包含されているリパーゼなどの分解活性体2が除放されるようになる。ここで端子A24及び端子B25とは通電性の素子であり、制御手段11からの電気信号を伝達することができるものであれば樹脂でも金属でもかまわない。
【0074】
モーター部23に支持台19を嵌め込んで支持台19を回転させようとする際に、切込み部22があることによってモーター部23と支持台19がすべることなく支持台19を回転させることができるようになる。また、支持台19を回転させることによって同時に攪拌子20も回転し、攪拌子20が回転することによって油などに乱流を起こすことができるようになり、分解活性体隔離保持手段4に攪拌機能を付加することができ、リパーゼなど加水分解酵素による油分解が効率良く行われるようになる。
【0075】
このようにして、分解活性体2の分解活性を安定化させることができ、また、容易に分解活性体隔離手段3を交換することができ、分解装置をコンパクトにすることができるようになり、簡単に取り付けることができるため施工性が良くなる分解装置ができるようになる。
【0076】
図2(d)に示すように分解活性体隔離手段3はブロック状に形成された容器とすることもできる。隔膜26は分解活性体隔離保持手段4上に一列に配置され、図1(b)記載の押出し棒18に接続されている。また、分解活性体隔離保持手段4上には分解活性体分離手段5が備えられている。
【0077】
上記構成において、押出し棒18が制御手段11によって分解活性体隔離保持手段4の方向へ押出され、隔膜26が分解活性体分離手段5の方へ移動させられる。押出し棒18は例えば金属や樹脂で成形された円筒状の棒で、制御手段11に接続されている。例えば隔膜26は中空状の容器であり、プラスチック樹脂などで中空状に成形した後、内部にリパーゼ溶液などを注入し作ることができる。プラスチック樹脂などの隔膜26が分解対象物9から分解活性体2を機能的に隔離することができるので、分解活性体2は分解活性を低下させることなく長期間保持されるようになる。内部に分解活性体2を包含した隔膜26が押出し棒18によって分解活性体分離手段5の方に移動させられると、分解活性体分離手段5によって隔膜26内の分解活性体2が隔膜26外へと放出され、分離分解活性体12が除放され、分解対象物9と反応できるようになる。
【0078】
例えば分解活性体分離手段5としてヒーターなどの加熱装置があり、ヒーターに接触することによって樹脂で成形された隔膜26が融解し内部の分解活性体2が除放されるようになる。また、分解活性体分離手段5として隔膜26を切り裂く形状の例えばカッターなどでも構わない。押出し棒18によって隔膜26が移動してきてカッターに押し付けられることによって破裂し内部の分解活性体2を除放させる。また、PEG1500などで中空状に成形した後内部に分解活性体2であるリパーゼ溶液を注入することもでき、リパーゼ固定化活性炭などの分解活性体2を融解したPEG1500内部に滴下しその後PEG1500を冷却することによって、リパーゼ固定化活性炭を内部に包含したPEG1500担体を成形することができる。この場合、分解活性体分離手段5はペルチェなど発熱体を用いることができ、ペルチェを46℃に加熱することによって、PEG1500を融解し、PEG1500内に含胞された分解活性体2を除放させることができる。また、分解対象物9から分解活性体2を機能的に隔離するものであればいずれの手段を用いることができる。
【0079】
このように分解活性体隔離手段3に包含させることによってリパーゼの失活を防止することができ、なおかつ分解対象物9である油のごく近傍に分解活性体2を配置させることができる。また、担体であるPEG1500を融解させた熱を利用して油を加熱する事もでき、酵素活性の至適温度に維持管理することができるようになり、リパーゼによる油分解をより効率的に行うことができる。
【0080】
(実施の形態3)
図3は分解対象物検知手段10の一例を示している。本発明の実施の形態1または2と同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0081】
図3(a)が示すように分解対象物検知手段10は分解層6内に備えられており、分解対象物検知手段10には電極27が一つ以上備えられている。
【0082】
上記構成において分解槽6内に蓄積してきた分解対象物9を電極27で検出される静電容量の変化として検出することができるようになる。電極27は例えばカーボン導電性微粒子を分散させた高分子膜を用いることによって、油が高分子膜に接触し高分子膜が膨潤することによって導電性微粒子間の接触抵抗が増し、瞬時に油を検出することができる。また、電極27を分解槽6の深部から浅部になるように縦に配列させることで、分解槽6にどれだけ油が蓄積しているかを知ることができ、検知量の範囲が広く油を検出することができるようになる。このようにして、分解槽6内に蓄積する油の量を簡単な構成で検出し検出量を信号に変換することができるようになる。
【0083】
図3(b)は他の分解対象物検知手段10の一例を示している。図3(b)が示すように分解対象物検知手段10は紫外線照射手段28と光検出手段29と光学フィルター30を備えている。
【0084】
上記構成において、紫外線照射手段28として例えばブラックライトから照射された波長300nm〜400nmの紫外線が分解槽6の底面に向かって照射される。照射された入射光31は分解槽6内の底面で反射される。もし分解槽6の底面に油が存在した場合、反射光32は波長300nm〜400nmの紫外線から波長500nm〜600nmの紫外線に変化する。波長500nm〜600nmの光のみ透過させる光学フィルター30を用いることによって光検出手段29には波長500nm〜600nmの波長の光しか到達できなくなる。油が分解槽6の底面にあるときだけ波長500nm〜600nmの反射光32が発生し、例えばCCDのような光検出手段29よって検出される。このように簡単な構成で分解槽6内に蓄積した油を迅速に検出することができるようになり、分解活性体隔離手段3から迅速に分解活性体2を除放させることができるようになる。また、光検出手段29に受光レンズを更に備えることもでき、この場合少ない光量でも検出することができるようになり、感度良く油を検出することができるようになる。
【0085】
(実施の形態4)
図4は制御手段11を備えた分解装置1を示している。本発明の実施の形態1乃至3のいずれかと同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0086】
制御手段11は分解対象物検知手段10とモーター部23に配線33を通じて接続されている。分解対象物検知手段10は分解槽6内に備え付けられており、分解活性体隔離手段3は分解活性体隔離保持手段4に保持され、分解槽6内に備え付けられている。分解活性体隔離保持手段4にはペルチェ17と攪拌子20が備え付けられている。モーター部23は分解活性体隔離保持手段4に接続され、分解槽6の底面に対して中心軸21が垂直になるように備えられており、複数個併設されている。分解槽6内には分解対象物9が蓄積している。
【0087】
上記構成において、分解槽6に備え付けられた分解対象物検知手段10によって分解対象物9の存在が検知され、分解対象物9が存在していることが制御手段11によって配線33を通じてペルチェ17に伝えられ、ペルチェ17を作動させ加熱し分解活性体隔離手段3から分解活性体2を分離させ、分離分解活性体12を分解槽6内に除放させる。また、分解対象物9が存在していることをモーター部23に伝えモーター部23を作動させることによって、分解活性体隔離保持手段4を回転させ、攪拌子20を回転させることによって分解槽6内に乱流を作り出す。除放された分離分解活性体12が乱流に乗りながら分解槽6内の分解対象物9と反応することによって、分解対象物9と分離分解活性体12の接触効率が高まり、分離分解活性体12による分解対象物9の分解が効率よく行われる。
【0088】
制御手段11は、例えば分解対象物検知手段10が分解対象物9を検知した電気信号を受け取り処理し発熱体を作動させるマイコンなどの制御基板である。配線33は例えば電気信号を伝達する電線である。例えば、あらかじめ分解槽6の半分まで分解対象物9が蓄積するまでペルチェ17やモーター部23を作動させないようプログラムしておき、分解対象物検知手段10が分解槽6の半分まで分解対象物9が蓄積したときにはじめてペルチェ17とモーター部23を作動させ、分離分解活性体12を分解対象物9に反応させるように制御することができる。また、分解対象物検知手段10が分解槽6に蓄積していく分解対象物9の量を時間量で計算し、一定の速度で分解対象物9が蓄積し始めたときにペルチェ17とモーター部23を作動させるようプログラムさせておき、分解対象物9が一定の速度で蓄積し始めたときに分離分解活性体12を分解対象物9に反応させるようにすることもできる。
【0089】
例えば一定の速度で分解対象物9が蓄積したときに分離分解活性体12を反応させるプログラムとしては、一定時間ごとに分解対象物検知手段10からの検知信号を受け取る工程、受け取った検知信号から分解対象物9の蓄積量を算出する工程、算出された蓄積量から分解対象物9の蓄積速度を算出する工程、算出された蓄積速度から分解対象物9を分解するために必要な分離分解活性体12量を計算する工程、計算された分離分解活性体12の量に応じて分解活性体分離手段5を作動させる工程、分解活性体分離手段5の動作を停止させる工程を含んでいる。このように分解対象物9の分解槽6への蓄積状況に応じて分離分解活性体12を除放させるプログラムをあらかじめ作成しておくことで、分解対象物9の蓄積状況が変化しても効率よく分離分解活性体12を分解槽6に除放させ分解対象物9を分解させることができるようになる。
【0090】
また、制御手段11が自動で分離分解活性体12を分解槽6内に除放させることができるため、簡単な構成で分解活性体2を効率よく分解対象物9に反応させることができるようになり、簡単な構成で分解活性体2を長い間安定にすることができるようになり、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された分解装置1になる。
【0091】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態1乃至4のいずれかと同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。図5は分解対象物検知手段10を分解槽6の底面に備え付けた分解装置1を示している。図5において実施の形態4と異なるところは、分解対象物検知手段10が分解槽6の底面に備え付けられている点である。分解対象物検知手段10の電極27が分解槽6の底面に備え付けられている。図5において、図4と同じ構成要素については同じ符号を用いその説明を省略する。
【0092】
上記構成において、電極27が分解槽6の底面に備え付けられているため、分解槽6に蓄積してきた分解対象物9を瞬時に検出することができ、分解対象物9が蓄積しすぎないうちから分解活性体2を分解対象物9に反応させることができるようになり、簡単な構成で分解対象物9を効率よく分解することができるようになり、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された分解装置1になる。底面とは分解槽6を構成する構造物の分解対象物9を蓄積する槽内の下側面のことである。分解対象物検知手段10は例えばオルガスタ式油センサーであり、電極27は例えばカーボン導電性微粒子を分散させた高分子膜である。電極27に油が接触し高分子膜が膨潤することによって導電性微粒子間の接触抵抗が増し、瞬時に油を検出することができる。その他、分解対象物9を特異的に検出することのできるセンサーを用いることによって分解対象物9の種類に応じて分解装置1を作動させることができるようになる。
【0093】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態1乃至5のいずれかと同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。図6は分解対象物検知手段10を分解槽6の上面に備え付けた分解装置1を示している。図6において実施の形態5と異なるところは、分解対象物検知手段10が分解槽6の上面に備え付けられている点である。分解対象物検知手段10の電極27が分解槽6の上面に備え付けられている。図6において、図5と同じ構成要素については同じ符号を用いその説明を省略する。
【0094】
上記構成において、分解槽6に蓄積した分解対象物9が分解槽6の上面に浮遊するものである場合であっても、分解対象物9の存在を迅速に検出することができるようになる。上面とは、分解槽6内に蓄積した分解対象物9の上界面のことであり、例えば分解槽6内に供給された排水の水面のことである。例えば、分解対象物9が水と油の混合物であった場合、油は水よりも比重が軽く分解槽6の上面から蓄積する。例えば、分解対象物検知手段10は、例えば油の存在を検出する紫外線センサーとし、分解槽6にブラックライトなどを用いて波長300nmから400nmの紫外線を照射し、反射される500nmから600nmの波長の反射光を、光学フィルターを通して波長CCDなどの光学素子を用いることで油の存在を検出することができる。このように、分解対象物9の比重が軽く分解槽6の上面から蓄積する場合であっても、分解対象物9を瞬時に検出することができ、分解対象物9が蓄積しすぎないうちから分解活性体2を分解対象物9に反応させることができるようになり、簡単な構成で分解対象物9を効率よく分解することができるようになり、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された分解装置1になる。
【0095】
(実施の形態7)
本発明の実施の形態1乃至6のいずれかと同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。図7は金属34と分解微生物35を包含した分解活性体隔離手段3を示している。金属34と分解微生物35は分解活性体隔離手段3によって固定されている。
【0096】
上記構成において、分解活性体隔離保持手段4に保持された金属34、あるいは分解微生物35が分解槽6内に除放されることによって分解対象物9を分解するようになる。金属34は例えば鉄や銅などの重金属やアルミニウムやチタンなどの軽金属であり、分解微生物35は例えば嫌気性細菌のBacillus属の細菌を用いることができる。分解活性体隔離手段3であるPEG担体が融解することによって銅とBacillus属の嫌気性細菌が除放される。このとき除放された銅と酸素が反応し、銅が酸化されることによって周囲環境の酸素が消費され嫌気条件となり、除放された嫌気細菌が活発に分解作用を発揮することことができるようになる。このように分解活性体2として金属34と分解微生物35を共に分解活性体隔離手段3内に固定することによって分解効率をあげる事ができ、簡単な構成で分解対象物9を効率よく分解することができるようになり、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された分解装置1になる。
【0097】
(実施の形態8)
本発明の実施の形態1乃至7のいずれかと同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。図8は加水分解酵素A36と加水分解酵素B37を包含した分解活性体隔離手段3を示している。加水分解酵素A36と加水分解酵素B37は分解活性体隔離手段3によって固定されている。
【0098】
上記構成において、分解活性体隔離保持手段4に保持された加水分解酵素A36と加水分解酵素B37が分解槽6内に除放されることによって分解対象物9を分解するようになる。例えば加水分解酵素A36としてキチナーゼを、加水分解酵素B37としてβ1−3グルカナーゼを用いることによってそれぞれの酵素が微生物の細胞壁を分解し相乗的に防菌効果をあげることができる。また、リパーゼやアミラーゼ、グリコシダーゼなどの複数の加水分解酵素を混合し分解活性隔離手段3に包含させることによって加水分解酵素単独では弱かった分解活性を補強し、活性良く分解対象物9を分解することができるようになり、簡単な構成で分解対象物9を効率よく分解することができるようになり、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された分解装置1になる。また、分解活性体隔離手段3に複数の酵素を包含させるとき、高度に精製された酵素を組み合わせるより、粗い精製度の酵素群を利用する方が安価に作製することができるようになる。
【0099】
(実施の形態9)
本発明の実施の形態1乃至8のいずれかと同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。図9は分解微生物35を包含した分解活性体隔離手段3を示している。分解微生物35は分解活性体隔離手段3によって固定されている。
【0100】
上記構成において、分解活性体隔離保持手段4に保持された分解微生物35が分解槽6内に除放されることによって分解対象物9を分解するようになる。環境負荷を与えない材料で分解対象物9を分解することができるようになり、簡単な構成で分解対象物9を効率よく分解することができるようになり、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された環境負荷の少ない分解装置1になる。
【0101】
(実施の形態10)
本発明の実施の形態1乃至9のいずれかと同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。図10は界面活性剤38と加水分解酵素A36を包含した分解活性体隔離手段3を示している。界面活性剤38と加水分解酵素A36は分解活性体隔離手段3によって固定されている。
【0102】
上記構成において、分解活性体隔離保持手段4に保持された界面活性剤38と加水分解酵素A36が分解槽6内に除放されることによって分解対象物9を分解するようになる。
【0103】
例えば界面活性剤38としてアニオン系やノニオン系や両性イオン系や陽イオン系の界面活性剤を用い、加水分解酵素A36として例えばリパーゼを用いた場合、界面活性剤38と分解対象物9である油が混合し効率よくリパーゼが油を分解できるようになる。このようにして、簡単な構成で分解対象物9を効率よく分解することができるようになり、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された分解装置1になる。
【0104】
(実施の形態11)
本発明の実施の形態1乃至10のいずれかと同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。図11はテルペン39を包含した分解活性体隔離手段3を示している。テルペン39とは分解活性体隔離手段3によって固定されている。
【0105】
上記構成において、分解活性体隔離保持手段4に保持されたテルペン39が分解槽6内に除放されることによって分解対象物9を分解するようになる。
【0106】
テルペン39として例えばリモネンなどの溶剤効果を持ったものを固定化することによって油分解除去効率をあげる事ができる。また、グラニオールなどの香料を固定化することによって分解対象物9やその分解産物の悪臭を低減させることができるようになる。このようにして、簡単な構成で分解対象物9を効率よく分解することができるようになり、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された分解装置1になる。
【0107】
(実施の形態12)
本発明の実施の形態1乃至11のいずれかと同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。図12は分解装置1を備えた空気質改善装置を示している。レンジフード40内にはグリスフィルター41とファン42と分解装置1と排出部43が設けられており、レンジフード40にはダクト44が接続されている。空気質改善装置とは空気の温度、湿度を調節し、また、空気中の汚染物質を除去することによって空気の状態を人間や動物あるいは植物にとって快適な状態に改善する装置のことであり、空気清浄機や加湿機、除湿機、換気扇、レンジフードや空気調和システムなどがある。
【0108】
上記構成において、ファン42によってレンジフード40内に流入されたオイルミストがグリスフィルター41にトラップされて、トラップされた油が分解対象物9として滴下していく。滴下していく分解対象物9は分解装置1によって分解され排出部43に分解産物45が蓄積する。グリスフィルター41にトラップされた油が分解装置1によって分解され水溶性のグリセロールと脂肪酸になり排出部43に蓄積されるため排出部43が油でべとべとになることなく排出部43に蓄積した分解産物45を捨てた後に水洗することで排出部43を簡単にきれいにすることができるようになる。このようにして分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された分解装置1を備えた空気質改善装置ができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明の分解装置を用いることによって分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化することができ、また、このような分解装置を空気質改善装置に備えることによって、分解活性の維持が簡単で分解装置の維持管理が簡略化された空気改善装置ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の実施の形態1に記載の分解装置を示す図((a)同分解装置を示す図、(b)同制御手段と分解活性体隔離保持手段の一例を示す図)
【図2】本発明の実施の形態2に記載の分解装置を示す図((a)同分解装置の分解活性体隔離手段の一例を示す図、(b)同分解装置のモーター部の一例を示す図、(c)同分解装置の分解活性隔離保持手段の一例を示す図、(d)同分解活性体隔離手段の一例を示す図)
【図3】本発明の実施の形態3に記載の分解装置を示す図((a)同分解対象物検知手段の一例を示す図、(b)同紫外線照射手段と光検出手段と光学フィルターを備えた同分解対象物検知手段の一例を示す図)
【図4】本発明の実施の形態4に記載の分解装置を示す図
【図5】本発明の実施の形態5に記載の分解装置を示す図
【図6】本発明の実施の形態6に記載の分解装置を示す図
【図7】本発明の実施の形態7に記載の分解活性体隔離手段を示す図
【図8】本発明の実施の形態8に記載の分解活性体隔離手段を示す図
【図9】本発明の実施の形態9に記載の分解活性体隔離手段を示す図
【図10】本発明の実施の形態10に記載の分解活性体隔離手段を示す図
【図11】本発明の実施の形態11に記載の分解活性体隔離手段を示す図
【図12】本発明の実施の形態12に記載の空気質改善装置を示す図
【図13】従来の油脂分解装置を示す図
【符号の説明】
【0111】
1 分解装置
2 分解活性体
3 分解活性体隔離手段
4 分解活性体隔離保持手段
5 分解活性体分離手段
6 分解槽
7 分解対象物供給手段
8 分解対象物導出手段
9 分解対象物
10 分解対象物検知手段
11 制御手段
12 分離分解活性体
13 分解促進手段
14 分解産物検知手段
15 分解活性体残量表示手段
16 放出穴
17 ペルチェ
18 押出し棒
19 支持台
20 攪拌子
21 中心軸
22 切込み部
23 モーター部
24 端子A
25 端子B
26 隔膜
27 電極
28 紫外線照射手段
29 光検出手段
30 光学フィルター
31 入射光
32 反射光
33 配線
34 金属
35 分解微生物
36 加水分解酵素A
37 加水分解酵素B
38 界面活性剤
39 テルペン
40 レンジフード
41 グリスフィルター
42 ファン
43 排出部
44 ダクト
101 油脂分解装置
102 洗浄水貯留タンク
103 洗浄水送り管
104 レンジフード
105 散水ノズル
106 洗浄水戻り管
107 集水タンク
108 電磁ポンプ
109 洗浄液
110 グリスフィルター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分解対象物を分解する能力を有した分解活性体と、前記分解活性体を保持し前記分解活性体を前記分解対象物から隔離する分解活性体隔離手段と、前記分解活性体隔離手段を着脱可能に保持する分解活性体隔離保持手段と、前記分解活性体隔離手段から前記分解活性体を分離させる分解活性体分離手段と、前記分解活性体分離手段によって前記分解活性体隔離手段から分離された分離分解活性体と前記分解対象物を保持し前記分離分解活性体によって前記分解対象物を分解する分解槽と、前記分解槽に前記分解対象物を供給する分解対象物供給手段と、前記分離分解活性体によって分解された前記分解対象物を前記分解槽から導出させる分解対象物導出手段とを備え、前記分解活性体隔離保持手段と前記分解槽が一体化していることを特徴とする分解装置。
【請求項2】
分解活性体隔離手段が分解活性体と分解対象物を隔離する隔膜を備えていることを特徴とする請求項1に記載の分解装置。
【請求項3】
分解槽内の分解対象物を検知する分解対象物検知手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の分解装置。
【請求項4】
分解対象物検知手段が分解対象物の蓄積を検知したときに分解活性体供給手段を作動させる制御手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載の分解装置。
【請求項5】
分解対象物検知手段を分解槽の底面に備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の分解装置。
【請求項6】
分解対象物検知手段を分解槽の上面に備えたことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の分解装置。
【請求項7】
分解活性体に金属を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の分解装置。
【請求項8】
分解活性体に加水分解酵素を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の分解装置。
【請求項9】
分解活性体に細菌、古細菌、藻類、菌類のいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の分解装置。
【請求項10】
分解活性体に界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の分解装置。
【請求項11】
分解活性体にテルペンを含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の分解装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載の分解装置を備えたことを特徴とする空気質改善装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−6370(P2008−6370A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−179140(P2006−179140)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】