分離爪清掃装置及び画像形成装置
【課題】分離爪先端が傷つくことなく分離爪を清掃でき、トナー落ち、フィルミングなどの異常画像の発生を防ぐことのできる分離爪清掃装置を提供する。
【解決手段】本発明では、回転体2から転写材Pを剥離するための分離爪(分離爪装置20)を有する画像形成装置1に備えられ、分離爪の表面を該分離爪外部からのエア吹付けにより清掃する分離爪清掃手段と、分離爪を回転体から離間させる分離爪離間手段とを備えた分離爪清掃装置201において、分離爪清掃手段と分離爪離間手段は、エア吹付けを行う同一の手段(例えばエアコンプレッサ202、エア開閉弁203、エア配管204、エア吹付けノズル205)によって構成したので、装置を小型化することができ、分離爪を摩耗させることなく清掃することができるため、回転体を傷つけることなくトナーの融着や紙粉、現像剤の挟み込みを防止することができる。
【解決手段】本発明では、回転体2から転写材Pを剥離するための分離爪(分離爪装置20)を有する画像形成装置1に備えられ、分離爪の表面を該分離爪外部からのエア吹付けにより清掃する分離爪清掃手段と、分離爪を回転体から離間させる分離爪離間手段とを備えた分離爪清掃装置201において、分離爪清掃手段と分離爪離間手段は、エア吹付けを行う同一の手段(例えばエアコンプレッサ202、エア開閉弁203、エア配管204、エア吹付けノズル205)によって構成したので、装置を小型化することができ、分離爪を摩耗させることなく清掃することができるため、回転体を傷つけることなくトナーの融着や紙粉、現像剤の挟み込みを防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ、あるいはこれらの機能を有する複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関し、特に回転体(感光体や中間転写体等の像担持体、あるいは定着ローラ等)から転写紙等の転写材を剥離する分離爪を清掃するための手段を有する分離爪清掃装置と、その分離爪清掃装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた画像形成装置では、電子写真作像プロセスにおいて、転写部でトナー像を担持した回転体(例えば感光体)上のトナーは転写材(例えば転写紙)に転写されるが、転写紙の電荷に対応し、感光体ベースに電荷が誘起され、両者の静電引力により転写紙は感光体に密着する。そのため、転写紙を感光体から剥離する手段が必要であり、その手段の一つに、分離爪で感光体から転写紙を剥離する方式がある。そして、この方式は転写紙を確実に剥離することができるという特徴を持つ。
【0003】
感光体に密着した転写紙を強制的に分離するために、このような分離爪の先端部は感光体との当接状態を良好に保つことが必要となるが、分離爪を長期に亘って使用すると、感光体と当接する分離爪の先端部にトナーが融着したり、紙粉や現像剤を挟み込んだりすることにより良好な当接状態が得られなくなることがある。そしてこのような状態になると、転写紙を分離できずに紙詰まりを引き起こし、あるいは分離爪の先端部にトナーが堆積し易くなり、トナー落ちやフィルミングなどが発生し、著しく画像品質を損なってしまうという問題が生じるようになってしまう。
【0004】
そこでこの問題を解決するために、従来から以下のような方法が考えられている。
(1)転写ベルトを感光体に当接させることにより感光体および分離爪に衝撃を与え、分離爪に付着したトナーを落下させる方法(特許文献1(特開平09−211995号公報))。
(2)分離爪を回転体から離すとともに、清掃装置によって爪周面を清掃する方法(特許文献2(特開平03−111872号公報))。
(3)分離爪清掃部材が回転体の回転軸方向に沿って分離爪と接触しながら移動することによって、分離爪を回転体から離間させながら清掃する方法(特許文献3(特開2001−022218号公報))。
【0005】
しかしながら、上述の従来技術(1)では、分離爪以外のユニットも振動することから、前記ユニットに付着したトナーが飛散するという問題を有している。
また、従来技術(2)においては、分離爪を清掃する装置と、トナーの除去を容易にするために分離爪を回転体から離す移動装置で構成されているため、装置が大型化することや、コストが高くなるという問題を有している。
【0006】
従来技術(3)では、回転体の表面に当接して転写材を回転体から分離する分離爪を清掃する分離爪清掃装置を、前記回転体の回転軸方向に沿って移動可能な清掃部材を含んで構成し、該清掃部材が回転体の回転軸方向に沿って前記分離爪と接触しながら移動することによって分離爪を回転体から離間させながら清掃するようにしたため、単一の清掃部材で全ての分離爪を確実に清掃することができ、当該分離爪清掃装置がジャム処理時の邪魔にもならないという効果が得られる。
しかしながら、分離爪清掃装置の接触によって分離爪先端が摩耗し、分離爪の耐久性が低下し、また、分離爪先端に傷がつくことにより、感光体を傷つけるという問題を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述の従来技術の問題を解消するためになされたものであり、分離爪に堆積したトナー及び、分離爪と回転体(感光体や中間転写体等の像担持体、あるいは定着ローラ等)の間に挟み込まれた紙粉を清掃する清掃手段と、分離爪を回転体(感光体や中間転写体等の像担持体、あるいは定着ローラ等)から離す分離爪離間手段を同一の手段とし、分離爪が摩耗することや、分離爪先端が傷つくことなく分離爪を清掃でき、トナー落ち、フィルミングなどの異常画像の発生を防ぐことのできる分離爪清掃装置と、その分離爪清掃装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明では以下のような解決手段を採っている。
本発明の第1の解決手段は、回転体から転写材を剥離するための分離爪を有する画像形成装置に備えられ、前記分離爪の表面を該分離爪外部からのエア吹付けにより清掃する分離爪清掃手段と、前記分離爪を前記回転体から離間させる分離爪離間手段とを備えた分離爪清掃装置において、前記分離爪清掃手段と前記分離爪離間手段は、前記エア吹付けを行う同一の手段によって構成されることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
本発明の第2の解決手段は、第1の解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪には、エアを受けて該分離爪を前記回転体から離すための分離爪エア受け部を設けたことを特徴とする(請求項2)。
また、本発明の第3の解決手段は、第2の解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪エア受け部は、前記分離爪の左右両側に延在した平板部から成ることを特徴とする(請求項3)。
さらに本発明の第4の解決手段は、第2の解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪エア受け部は、V字型の羽形状であることを特徴とする(請求項4)。
【0010】
本発明の第5の解決手段は、第1〜4のいずれか一つの解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪清掃手段は、前記分離爪の近傍に前記転写材が無い状態でエア吹付けによる清掃を行うことを特徴とする(請求項5)。
また、本発明の第6の解決手段は、第1〜4のいずれか一つの解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪清掃手段は、画像面積率に応じてエアの吹付け量を制御することを特徴とする(請求項6)。
さらに本発明の第7の解決手段は、第1〜4のいずれか一つの解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪清掃手段による清掃は、画像形成の終了時ではなく画像形成中に行うことを特徴とする(請求項7)。
さらに本発明の第8の解決手段は、第1〜4のいずれか一つの解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪清掃手段は、累積トナー入力量が一定値未満であれば画像形成終了時に前記分離爪の清掃を行わないことを特徴とする(請求項8)。
さらに本発明の第9の解決手段は、第1〜4のいずれか一つの解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪清掃手段は、前記転写材の紙種や紙厚設定に応じてエアの吹付け量を制御することを特徴とする(請求項9)。
さらに本発明の第10の解決手段は、第1〜4のいずれか一つの解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪清掃手段は、前記転写材の紙種や紙厚設定と通紙枚数に応じてエア吹付けのタイミングを制御することを特徴とする(請求項10)。
【0011】
本発明の第11の解決手段は、回転体から転写材を剥離するための分離爪を有する画像形成装置において、第1〜10のいずれか一つの解決手段の分離爪清掃装置を備えたことを特徴とする(請求項11)。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る第1の解決手段の分離爪清掃装置では、分離爪の外部からエア吹付けにより分離爪に堆積したトナーを清掃する分離爪清掃手段と、分離爪を回転体から離す分離爪離間手段を同一の手段で構成したので、装置を小型化することができ、さらには分離爪を摩耗させることなく清掃することができるため、回転体を傷つけることなくトナーの融着や紙粉、現像剤の挟み込みを防止することができる。
第2の解決手段の分離爪清掃装置では、分離爪に、エアを受けて分離爪を回転体から離すためのエア受け部を設けたので、上記の効果に加え、分離爪を回転体から容易に離すことが可能となるという効果が得られる。
第3の解決手段の分離爪清掃装置では、分離爪のエア受け部が分離爪の左右両側に延在するようにしたので、上記の効果に加え、さらに容易に回転体から分離爪を離すことが可能となる効果が得られる。
第4の解決手段の分離爪清掃装置では、分離爪エア受け部がV字型の羽形状であるようにしたので、上記と同様の効果に加え、分離爪のエア受け部に当たったエアが分離爪先端に向かって流れることで、爪全体にエアを効率良く当てることができ、分離爪の清掃を確実に行うことができるという効果が得られる。
【0013】
第5の解決手段の分離爪清掃装置では、分離爪清掃手段が分離爪近傍に転写材が無い状態で清掃を行うようにしたので、第1〜4の解決手段のいずれかの効果に加え、飛散したトナーで転写材を汚すことを確実に防止することができるという効果が得られる。
第6の解決手段の分離爪清掃装置では、分離爪清掃手段が画像面積率に応じて分離爪の清掃動作を制御するようにしたので、第1〜4の解決手段のいずれかの効果に加え、消費電力の削減、清掃時間の短縮という効果が得られる。
第7の解決手段の分離爪清掃装置では、分離爪清掃手段による清掃が画像形成終了時に限定されることなく、画像形成中にも行うようにしたので、第1〜4の解決手段のいずれかの効果に加え、画像形成枚数の多い場合や画像面積率の高い画像を形成した場合に、分離爪にトナーが堆積する前に清掃を行うことができ、異常画像の発生を確実に防止することができるという効果が得られる。
第8の解決手段の分離爪清掃装置では、分離爪清掃手段を累積トナー入力量が一定値未満であれば画像形成終了時に分離爪の清掃を行わないようにしたので、第1〜4の解決手段のいずれかの効果に加え、分離爪の清掃を画像形成の終了毎ではなく必要時のみに行うことができ、画像形成の待ち時間の短縮、消費電力の削減という効果が得られる。
第9の解決手段の分離爪清掃装置では、転写材の紙種や紙厚設定に応じてエアの吹付け量を制御するようにしたことで、第1〜4の解決手段のいずれかの効果に加え、消費電力の削減、清掃時間の短縮という効果が得られる。
第10の解決手段の分離爪清掃装置では、転写材の紙種や紙厚設定と通紙枚数に応じて吹付けのタイミングを制御するようにしたことで、第1〜4の解決手段のいずれかの効果に加え、紙粉が出やすい条件の転写材を通紙した場合に、分離爪と回転体の間に紙粉が挟みこまれる前に清掃を行うことができ、異常画像の発生を確実に防止することができるという効果が得られる。
【0014】
第11の解決手段の画像形成装置では、第1〜10のいずれか一つの解決手段の分離爪清掃装置を備えたことにより、第1〜10の解決手段のいずれかの効果が得られ、分離爪が摩耗することや、分離爪先端が傷つくことなく分離爪を清掃でき、トナー落ち、フィルミングなどの異常画像の発生を防ぐことができ、経時に亘って良好な画像形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態としての画像形成装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の分離爪装置の一例を示す概略要部斜視図である。
【図3】本発明の一実施例を示す画像形成装置1の概略構成図である。
【図4】図3に示す画像形成装置の分離爪清掃装置の第1の実施例を示す概略斜視図である。
【図5】分離爪清掃装置による分離爪清掃プロセスの一例を示す画像形成装置の概略要部構成図である。
【図6】本発明の第2の実施例を示す図であって、分離爪清掃装置のエア吹きつけノズルと、分離爪装置の分離爪部分を拡大して示す概略要部斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施例を示す図であって、分離爪清掃装置のエア吹きつけノズルと、分離爪装置の分離爪部分を拡大して示す概略要部斜視図である。
【図8】本発明の第4の実施例を示す図であって、分離爪清掃装置のエア吹きつけノズルと、分離爪装置の分離爪部分を拡大して示す概略要部斜視図である。
【図9】本発明の分離爪清掃装置及び画像形成装置の制御動作の一実施例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の分離爪清掃装置及び画像形成装置の制御動作の別の実施例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の分離爪清掃装置の制御動作の一実施例を示すタイミングチャートである。
【図12】本発明の分離爪清掃装置及び画像形成装置の制御動作のさらに別の実施例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の分離爪清掃装置及び画像形成装置の制御動作のさらに別の実施例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の分離爪清掃装置の制御動作の別の実施例を示すタイミングチャートである。
【図15】本発明の分離爪清掃装置及び画像形成装置の制御動作のさらに別の実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
まず、図1を参照して本発明に係る画像形成装置の一実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態としての画像形成装置1の概略構成図である。この画像形成装置1は、プリンターとしても用いることができる、複写機(またはファクシミリ、あるいは複合機等)の画像形成部(プリンター部)の一例であり、回転体である像担持体としての感光体ドラム2、帯電器3、図示しない露光部、現像装置4、転写搬送手段としての転写搬送装置5、クリーニング装置6及び定着装置7などから構成されている。なお、図1では、原稿画像の読取り部(スキャナ部)や、転写材の給紙部の図示は省略している。
【0017】
図1に示す画像形成装置1では、顕像形成手段としての、帯電器3、露光部及び現像装置4により、感光体ドラム2上に顕像が次のようにして形成される。
感光体ドラム2は、図中矢印で示すように時計回りに回転駆動されながら、帯電器3により一様に帯電された後、図示しない露光部(例えば半導体レーザと光偏向器と結像光学系を有する光走査式の露光部、あるいは発光ダイオード(LED)アレイと結像素子アレイを有する露光部等)により画像情報(図示しないスキャナ部で読取った原稿の画像情報、あるいは外部のパーソナルコンピュータ等から入力された画像情報等)に基づき強度が変化した光19が照射されて表面に静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置4に対向する現像領域に至る。この現像装置4によって該静電潜像を顕像形成物質としてのトナーを用いて現像し、感光体ドラム2上に顕像としてのトナー像が形成される。
【0018】
一方、上記の画像形成動作にタイミングを合わせて、図示省略の給紙部から転写材としての転写紙Pが給紙され、レジストローラ8に搬送される。そして上記の感光体ドラム2上に形成されたトナー像は、転写搬送手段としての転写搬送装置5と対向する位置において、レジストローラ8から転写前ガイド上9、転写前ガイド下10の間を経由して搬送される転写紙Pに転写される。
【0019】
上記の転写搬送装置5において、搬送部材としての転写ベルト11と感光体ドラム2とは、感光体ドラム2の下方において転写ニップを形成している。
また、転写ベルト11は、駆動ローラ12と従動ローラ13とに掛け渡されており、図中矢印で示すように反時計回りに回転駆動される。転写ベルト11の上側の裏面には、転写バイアスを印加するための転写バイアスローラ14が配置されている。この転写バイアスローラ14は、感光体ドラム2と弾性体のゴムベルトからなる転写ベルト11との上記転写ニップよりもベルト移動方向下流側に位置しており、転写ベルト11の裏面からトナーとは逆極性の電荷を付与する。
また、転写ベルト11の下側の表面には、転写ベルト11上のトナーや紙粉を除去するための転写クリーニング装置21が設けてある。
【0020】
感光体ドラム2に形成されたトナー像が転写された転写紙Pは、転写ベルト11によって搬送された後、この転写ベルト11から転写紙Pが離間される。この時、万が一感光体ドラム2に密着した場合の転写紙Pは、分離爪からなる分離爪装置20によって剥離され、転写ベルト11によって搬送される。
転写ベルト11によって搬送されてきた転写紙Pは、転写出口ガイド板15から定着入口ガイド板16へと案内される。そして定着入口ガイド板16によって、定着装置7における定着ローラ17と加圧ローラ18とで形成する定着ニップ部へ案内されて、転写紙Pの後端が転写出口ガイド板15の案内面から分離する。
そして定着装置7の定着ニップ部を転写紙Pが通過することにより、定着ローラ17と加圧ローラ18で転写紙P上のトナー像が加熱・加圧され、転写紙Pに定着される。
トナー像定着後の転写紙Pは、図示省略の排紙部の排紙トレイ等に排紙される。
【0021】
図2は、図1に示す画像形成装置1の分離爪装置20の一例を示す概略要部斜視図である。
この分離爪装置20は、先端をエッジ状とした金属または樹脂からなる分離爪22と、分離爪22を支持する支持軸23と、支持軸23に装着したスプリング24とからなり、スプリング24によって分離爪22の先端を感光体ドラム2に当接させる向きに分離爪22を回動付勢している。また、支持軸23は、画像形成装置の本体フレーム等に固定されているブラケット25によって支持されている。さらに、支持軸23の図面右側の端にはスプリング26を取り付けてあり、支持軸23を面カムと一体の揺動ギヤ27に押し付けて付勢している。このスプリング26と揺動ギヤ27によって、分離爪22は感光体軸方向に揺動する。
【0022】
以上、本発明に係る画像形成装置の一実施形態と、分離爪装置の一例について説明したが、次に、本発明による分離爪清掃装置と、その分離爪清掃装置を備えた画像形成装置の具体的な実施例について説明する。
【実施例】
【0023】
[実施例1]
図3、図4を参照して本発明による画像形成装置と分離爪清掃装置の一実施例を示す。
図3は本発明の一実施例を示す画像形成装置1の概略構成図である。この画像形成装置1は、プリンターとしても用いることができる、複写機(またはファクシミリ、あるいは複合機等)の画像形成部(プリンター部)の一例であり、基本的な構成・動作は図1に示した画像形成装置と同じである。従って既に述べた構成・動作の説明は省略する。
【0024】
図3に示すように、この画像形成装置1は、分離爪装置20の分離爪を清掃するための分離爪清掃装置201を備えている。そして分離爪清掃装置201は、分離爪装置20とクリーニング装置6の間に配置されるように、画像形成装置本体に取り付けてある。
また、図4は図3に示す画像形成装置1の分離爪清掃装置201の第1の実施例を示す概略斜視図であり、図4に示すように、分離爪清掃装置201は、エア吹付けを行う手段である、エアコンプレッサ202、エア開閉弁203、エア配管204、エア吹付けノズル205から構成されており、また、エア吹きつけノズル205は転写ベルト11にエアが向かうように配置されている。
【0025】
次に、分離爪清掃装置201による分離爪清掃プロセスの一例を図5に示す。
分離爪清掃装置201は、画像形成装置本体と共通の制御系(各種制御回路等かなる制御装置206や、マイクロコンピュータ等からなる中央演算制御部(CPU)207、図示しないメモリ、クロック、タイマ、入出装置等から構成される)で制御されており、CPU207から制御装置206に分離爪清掃入力が入ると、制御装置206によりエア開閉弁203が開かれ、エアコンプレッサ202で圧縮された空気がエアー配管204を通り、エア吹付けノズル205から吹出す。エア吹きつけノズル205から吹出されたエアは分離爪22へ吹きつけられ、分離爪22は支持軸23を中心に回転し、感光体ドラム当接位置22Aから22Bへ移動し感光体ドラム2から離れる。そしてエアの吹きつけによって、分離爪22に堆積したトナーTは転写ベルト11上に落下する。転写ベルト11上に落下したトナーTは、転写ベルト11の下側表面に接して設けられた転写クリーニング装置21によって回収される。また、エア吹きつけが終わると、分離爪22はスプリング24によって、感光体ドラム2に再び当接される。
【0026】
本実施例によれば、分離爪22の清掃には分離爪22に清掃部材を接触させなくてよいため、分離爪22先端に傷がつくことがなく、感光体ドラム2に傷がつくことを防止することができる。また、分離爪22が感光体ドラム2から離れることで、分離爪22先端と感光体ドラム2の間に挟まれたトナーTを容易に除去することができる。さらに、本実施例では、分離爪清掃装置201の分離爪清掃手段と分離爪離間手段は、エア吹付けを行う同一の手段(エアコンプレッサ202、エア開閉弁203、エア配管204、エア吹付けノズル205)によって構成されているので、分離爪22の清掃と分離爪22を感光体ドラム2から離すことは、エア吹付けを行う同一の手段で構成される分離爪清掃装置201のみによって行われるため、装置が小型化し、取付けのための大きなスペースを必要としないという効果が得られる。
【0027】
[実施例2]
次に本発明の第2の実施例を図6に基づいて説明する。
図6は本発明の第2の実施例を示す図であって、分離爪清掃装置のエア吹きつけノズルと、分離爪装置の分離爪部分を拡大して示す概略要部斜視図である。
前記実施例1では、分離爪22の周面には突起物がない平滑なものを用いたが、これに限定されることなく、図6に示すように、分離爪22Aの左右側面にエアー受け部220Aを付加したものを用いることもできる。
【0028】
即ち、図6に示す第2の実施例では、分離爪22Aは実施例1で用いられていた従来の分離爪22の側面にエア受け部220Aを付加した形態で構成されている。
このように、エア受け部220Aを分離爪22Aに付加することで、エア吹きつけノズル205からのエアが当たる面積が広くなり、分離爪22Aを感光体ドラム2から容易に離間することができるようになる。
【0029】
[実施例3]
次に本発明の第3の実施例を図7に基づいて説明する。
図7は本発明の第3の実施例を示す図であって、分離爪清掃装置のエア吹きつけノズルと、分離爪装置の分離爪部分を拡大して示す概略要部斜視図である。
前記実施例2においては、分離爪22Aの片側面にエア受け部220Aを付加したものを用いたが、これに限定されることなく、図7に示すように、分離爪22Bの左右両側面にエア受け部220Bを付加したものを用いることもできる。
【0030】
即ち、図7に示す第3の実施例では、分離爪22Bは実施例1で用いられていた従来の分離爪22の両側面にエア受け部220Bを有する形態で構成されている。
このように、エア受け部220Bが分離爪の両側に付加されることで、エア吹きつけノズル205からのエアが当たる面積がさらに広くなり、前記実施例2に比べ、分離爪22Bをさらに容易に感光体ドラムから離間することができる。
【0031】
[実施例4]
次に本発明の第4の実施例を図8に基づいて説明する。
図8は本発明の第4の実施例を示す図であって、分離爪清掃装置のエア吹きつけノズルと、分離爪装置の分離爪部分を拡大して示す概略要部斜視図である。
前記実施例3においては、分離爪22Bのエア受け部220Bには平板状のものを用いたが、これに限定されることなく、図8に示すように、分離爪22Cのエア受け部Cの形状はV字型のものを用いることもできる。
【0032】
即ち、図8に示す第4の実施例では、分離爪22Cのエア受け部が、実施例3のような平板状ではなく、V字型の形状をしているエア受け部220Cで構成されている。
このV字型のエア受け部220Cは、分離爪22Cを感光体ドラム2から離すと同時に、エア受け部220Cで受けたエアを、分離爪22Cの先端に向かって流す役割を有している。
即ち、エア受け部220Cに当たったエアが分離爪22Cの先端に向かって流れることで、分離爪全体にエアを効率良く当てることができ、前記実施例3に比べて、さらに分離爪部に堆積したトナーを容易に除去することができる。
【0033】
[実施例5]
次に本発明の分離爪清掃装置201の制御動作の一例を図9に示すフローチャートに従って説明する。なお、ここでは、画像形成装置を複写機として説明する。
先ず、画像形成装置の図示しない操作パネルのスタートボタンなどにより複写(画像形成)が開始されると複写が終了したか否かを判断する(S1)。
複写が終了した場合、分離爪清掃装置201のエア開閉弁203を開け、エア吹きつけノズル205から分離爪22(または22A、22B、22Cのいずれか(以下同様))にエアを吹きつける(S2)。
分離爪22の清掃を複写中に行う場合、エア吹付けにより飛散したトナーが転写紙Pに付着することで画像障害などの問題が発生する。しかし、複写が終了してから分離爪22の清掃を行うことで、清掃時に分離爪近傍に転写紙Pが存在することがなく、転写紙Pを汚さずに分離爪22の清掃を行うことができる。
【0034】
[実施例6]
次に本発明の分離爪清掃装置201では、分離爪へのエア吹付け量は、通常、出力画像の画像面積率から計算されるので、感光体ドラムに付着した入力トナー量に応じて制御することもできる。
図10は本発明の分離爪清掃装置201及び画像形成装置1の制御動作の別の実施例を示すフローチャートであり、図5、図10に示すように、CPU207は複写中のトナー入力量を取得し(S4)、累積トナー入力量を計算する(S5)。そして複写が終了すると累積トナー入力量に応じてエア吹付け量を計算し(S6)、エア吹きつけノズル205から分離爪22にエアを吹付ける(S7)。
なお、本発明の分離爪清掃装置201のエア吹付け量の制御は、図11に示すタイミングチャートのように、エア開閉弁203の開閉時間によって制御する。
【0035】
ここで、複写する画像の画像面積率が高いほど、感光体ドラム2に付着する入力トナー量が多くなり、入力トナー量が多いほど、分離爪22に堆積するトナーの量は多くなる。したがって、分離爪22に堆積するトナーの量は、画像面積率に依存している。
そこで、分離爪清掃装置201によるエア吹付け量をトナー入力量に応じて制御することにより、最小のエア吹付け量にて効率良く分離爪に堆積したトナーを除去できるので、消費電力、清掃時間を必要最小限にすることができる。
【0036】
[実施例7]
次に、分離爪清掃装置201による分離爪清掃動作は、複写(画像形成)の終了時に限定されることなく、複写(画像形成)を一時停止させた後に行うこともできる。
図12は本発明の分離爪清掃装置201及び画像形成装置1の制御動作のさらに別の実施例を示すフローチャートであり、図12に示すように、累積トナー入力量を計算した(S10)後に、累積トナー入力量が一定量以上であるか否かを判断し(S11)、累積トナー入力量が一定量以上となると、複写を一時停止させ(S12)、分離爪清掃装置201によりエア吹付けを開始し、分離爪22の清掃を行い(S13)、複写を再開させる(S14)ことにより、複写終了時以外でも分離爪22の清掃を行うことができる。
【0037】
また、複写画像によっては累積トナー入力量が一定値以上になる前に複写が終了した場合があるが、その場合は複写中か否か判断し(S8)、複写が終了すれば、複写枚数が規定枚数以上か判断する(S15)。例えば複写枚数が20枚である場合、複写枚数が20枚以上であれば、累積トナー入力量からエア吹付け量を計算し(S16)、分離爪にエアを吹付ける(S17)。また、複写枚数が20枚未満であれば、分離爪の清掃はせずに複写が終了される。
【0038】
トナー入力が非常に多い場合や複写枚数の多い場合では、トナー落ち、フィルミングが発生する場合がある。しかし累積トナー入力量の限界値を設定し、複写中累積トナー量が一定量以上となった場合のみに分離爪22の清掃を行うことで前記問題を防止することができる。さらに、分離爪清掃装置201の動作中は、複写(画像形成)を一時停止することにより、分離爪22の清掃時に、分離爪22の近傍に転写紙Pが存在することがないので、エアにより吹き飛ばしたトナーにより転写紙Pが汚れることがない。
【0039】
[実施例8]
次に、分離爪清掃装置201のエア吹付け量はトナー入力量に限定されることなく、転写材(転写紙P)の紙種や紙厚設定に応じて制御することもできる。
図13は本発明の分離爪清掃装置201及び画像形成装置1の制御動作のさらに別の実施例を示すフローチャートであり、図5、図13に示すように、CPU207は複写(画像形成)中かを判断し(S18)、複写が終了すれば複写開始時に設定された紙種、紙厚の設定を取得し(S19)、最適エア吹付け量を計算する(S20)。そしてCPU207によって計算された最適エア吹付け量のエアをエア吹きつけノズル205から分離爪22に吹付ける(S21)。
エア吹付け量の制御は、図14に示すタイミングチャートのように、エア開閉弁203の開閉時間によって制御する。
【0040】
なお、転写材(転写紙P)の紙種や紙厚によって紙粉の量は変化する。そこで本実施例のように、分離爪清掃装置201によるエア吹付け量を転写材(転写紙P)の紙種や紙厚の設定に応じて制御することにより、最小のエア吹付け量にて効率良く分離爪と感光体の間に挟み込まれた紙粉を除去できるため、消費電力、清掃時間を必要最小限にすることができる。
【0041】
[実施例9]
次に、分離爪清掃装置201のエア吹付けタイミングは、転写材(転写紙P)の紙種や紙厚設定と通紙枚数に応じて制御することもできる。
図15は本発明の分離爪清掃装置201及び画像形成装置1の制御動作のさらに別の実施例を示すフローチャートであり、図5、図15に示すように、CPU207は、図示しない操作パネルからの入力情報により、転写材(転写紙P)の紙種、紙厚の設定を取得し(S22)、清掃が必要となる通紙枚数を計算する(S23)。その後、通紙枚数をカウントし(S24)、清掃が必要な枚数通紙した場合は(S26)複写(画像形成)を一時停止し(S27)、エア吹きつけノズル205から分離爪22にエアを吹付けた後(S28)、複写を再開させる(S29)。また、清掃が必要とさせる通紙枚数に達せずに複写が終了した場合も、エアを分離爪22に吹付ける(S30)。
【0042】
紙粉が非常に出やすい紙種、紙厚の転写紙Pを大量に通紙した場合、複写が終了する前に分離爪22と感光体ドラム2の間に紙粉が挟み込まれる場合がある。しかし、本実施例のように、転写材(転写紙P)紙種、紙厚設定と通紙枚数に応じて分離爪22の清掃を行うことにより、分離爪22と感光体ドラム2の間に紙粉が挟み込まれる前に清掃を行うことができ、異常画像の発生を確実に防止することができるという効果が得られる。
【0043】
以上、実施例に基いて説明したように、本発明に係る分離爪清掃装置201及びそれを備えた画像形成装置1では、図3〜5に示すように、分離爪22の外部からエア吹付けにより分離爪に堆積したトナーを清掃する分離爪清掃手段と、分離爪を感光体等の回転体から離す分離爪離間手段を同一の手段(エアコンプレッサ202、エア開閉弁203、エア配管204、エア吹付けノズル205等)で構成したので、装置を小型化することができ、さらには分離爪を摩耗させることなく清掃することができるため、回転体を傷つけることなくトナーの融着や紙粉、現像剤の挟み込みを防止することができる。
また、図6に示すように、分離爪22Aに、エアを受けて分離爪を回転体から離すためのエア受け部220Aを設けることにより、上記の効果に加え、分離爪を回転体から容易に離間することが可能となる。
さらに図7に示すように、分離爪22Bのエア受け部220Bが分離爪の左右両側に延在するようにすることにより、上記の効果に加え、さらに容易に回転体から分離爪を離間することが可能となる。
さらにまた図8に示すように、分離爪22Cのエア受け部220CがV字型の羽形状であるようにすることにより、上記と同様の効果に加え、分離爪のエア受け部に当たったエアが分離爪先端に向かって流れることで、爪全体にエアを効率良く当てることができ、分離爪の清掃を確実に行うことができる。
【0044】
本発明に係る分離爪清掃装置201及びそれを備えた画像形成装置1では、上記の構成及び効果に加え、分離爪清掃装置201は、分離爪22の近傍に転写材Pが無い状態で清掃を行うようにすることにより、飛散したトナーで転写材を汚すことを確実に防止することができる。
また、分離爪清掃装置201が画像面積率に応じて分離爪22の清掃動作を制御するようにすることにより、消費電力の削減、清掃時間の短縮という効果が得られる。
さらに、分離爪清掃装置201による清掃が画像形成終了時に限定されることなく、画像形成中にも行うようにすることにより、画像形成枚数の多い場合や画像面積率の高い画像を形成した場合に、分離爪22にトナーが堆積する前に清掃を行うことができ、異常画像の発生を確実に防止することができる。
さらに、分離爪清掃装置201は、累積トナー入力量が一定値未満であれば画像形成終了時に分離爪22の清掃を行わないようにしたので、分離爪22の清掃を画像形成の終了毎ではなく必要時のみに行うことができ、画像形成の待ち時間の短縮、消費電力の削減という効果が得られる。
さらにまた、分離爪清掃装置201は、転写材Pの紙種や紙厚設定に応じてエアの吹付け量を制御するようにすることで、消費電力の削減、清掃時間の短縮という効果が得られる。
さらにまた、分離爪清掃装置201は、転写材Pの紙種や紙厚設定と通紙枚数に応じて吹付けのタイミングを制御するようにすることにより、紙粉が出やすい条件の転写材を通紙した場合に、分離爪と回転体の間に紙粉が挟みこまれる前に清掃を行うことができ、異常画像の発生を確実に防止することができる。
【0045】
なお、以上に説明した実施例では、回転体としての感光体ドラム2から転写紙Pを剥離するための分離爪22と、その分離爪の清掃装置201について述べたが、本発明は感光体ドラムのみならず、感光体ベルトや中間転写体(中間転写ベルトまたは中間転写ドラム)等の回転体から転写紙を剥離するための分離爪とその清掃装置に対しても同様に適用することができる。さらに本発明は、その他の回転体、例えば定着装置の定着ローラ等に当接する分離爪の清掃装置に対しても同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1:画像形成装置
2:感光体ドラム(回転体)
3:帯電器
4:現像装置
5:転写搬送装置
6:クリーニング装置
7:定着装置
8:レジストローラ
11:転写ベルト
20:分離爪装置
22(22A、22B、22C):分離爪
201:分離爪清掃装置
202:エアコンプレッサ
203:エア開閉弁
204:エア配管
205:エア吹付けノズル
220A、220B、220C:エア受け部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】
【特許文献1】特開平09−211995号公報
【特許文献2】特開平03−111872号公報
【特許文献3】特開2001−022218号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ、あるいはこれらの機能を有する複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関し、特に回転体(感光体や中間転写体等の像担持体、あるいは定着ローラ等)から転写紙等の転写材を剥離する分離爪を清掃するための手段を有する分離爪清掃装置と、その分離爪清掃装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた画像形成装置では、電子写真作像プロセスにおいて、転写部でトナー像を担持した回転体(例えば感光体)上のトナーは転写材(例えば転写紙)に転写されるが、転写紙の電荷に対応し、感光体ベースに電荷が誘起され、両者の静電引力により転写紙は感光体に密着する。そのため、転写紙を感光体から剥離する手段が必要であり、その手段の一つに、分離爪で感光体から転写紙を剥離する方式がある。そして、この方式は転写紙を確実に剥離することができるという特徴を持つ。
【0003】
感光体に密着した転写紙を強制的に分離するために、このような分離爪の先端部は感光体との当接状態を良好に保つことが必要となるが、分離爪を長期に亘って使用すると、感光体と当接する分離爪の先端部にトナーが融着したり、紙粉や現像剤を挟み込んだりすることにより良好な当接状態が得られなくなることがある。そしてこのような状態になると、転写紙を分離できずに紙詰まりを引き起こし、あるいは分離爪の先端部にトナーが堆積し易くなり、トナー落ちやフィルミングなどが発生し、著しく画像品質を損なってしまうという問題が生じるようになってしまう。
【0004】
そこでこの問題を解決するために、従来から以下のような方法が考えられている。
(1)転写ベルトを感光体に当接させることにより感光体および分離爪に衝撃を与え、分離爪に付着したトナーを落下させる方法(特許文献1(特開平09−211995号公報))。
(2)分離爪を回転体から離すとともに、清掃装置によって爪周面を清掃する方法(特許文献2(特開平03−111872号公報))。
(3)分離爪清掃部材が回転体の回転軸方向に沿って分離爪と接触しながら移動することによって、分離爪を回転体から離間させながら清掃する方法(特許文献3(特開2001−022218号公報))。
【0005】
しかしながら、上述の従来技術(1)では、分離爪以外のユニットも振動することから、前記ユニットに付着したトナーが飛散するという問題を有している。
また、従来技術(2)においては、分離爪を清掃する装置と、トナーの除去を容易にするために分離爪を回転体から離す移動装置で構成されているため、装置が大型化することや、コストが高くなるという問題を有している。
【0006】
従来技術(3)では、回転体の表面に当接して転写材を回転体から分離する分離爪を清掃する分離爪清掃装置を、前記回転体の回転軸方向に沿って移動可能な清掃部材を含んで構成し、該清掃部材が回転体の回転軸方向に沿って前記分離爪と接触しながら移動することによって分離爪を回転体から離間させながら清掃するようにしたため、単一の清掃部材で全ての分離爪を確実に清掃することができ、当該分離爪清掃装置がジャム処理時の邪魔にもならないという効果が得られる。
しかしながら、分離爪清掃装置の接触によって分離爪先端が摩耗し、分離爪の耐久性が低下し、また、分離爪先端に傷がつくことにより、感光体を傷つけるという問題を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述の従来技術の問題を解消するためになされたものであり、分離爪に堆積したトナー及び、分離爪と回転体(感光体や中間転写体等の像担持体、あるいは定着ローラ等)の間に挟み込まれた紙粉を清掃する清掃手段と、分離爪を回転体(感光体や中間転写体等の像担持体、あるいは定着ローラ等)から離す分離爪離間手段を同一の手段とし、分離爪が摩耗することや、分離爪先端が傷つくことなく分離爪を清掃でき、トナー落ち、フィルミングなどの異常画像の発生を防ぐことのできる分離爪清掃装置と、その分離爪清掃装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明では以下のような解決手段を採っている。
本発明の第1の解決手段は、回転体から転写材を剥離するための分離爪を有する画像形成装置に備えられ、前記分離爪の表面を該分離爪外部からのエア吹付けにより清掃する分離爪清掃手段と、前記分離爪を前記回転体から離間させる分離爪離間手段とを備えた分離爪清掃装置において、前記分離爪清掃手段と前記分離爪離間手段は、前記エア吹付けを行う同一の手段によって構成されることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
本発明の第2の解決手段は、第1の解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪には、エアを受けて該分離爪を前記回転体から離すための分離爪エア受け部を設けたことを特徴とする(請求項2)。
また、本発明の第3の解決手段は、第2の解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪エア受け部は、前記分離爪の左右両側に延在した平板部から成ることを特徴とする(請求項3)。
さらに本発明の第4の解決手段は、第2の解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪エア受け部は、V字型の羽形状であることを特徴とする(請求項4)。
【0010】
本発明の第5の解決手段は、第1〜4のいずれか一つの解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪清掃手段は、前記分離爪の近傍に前記転写材が無い状態でエア吹付けによる清掃を行うことを特徴とする(請求項5)。
また、本発明の第6の解決手段は、第1〜4のいずれか一つの解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪清掃手段は、画像面積率に応じてエアの吹付け量を制御することを特徴とする(請求項6)。
さらに本発明の第7の解決手段は、第1〜4のいずれか一つの解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪清掃手段による清掃は、画像形成の終了時ではなく画像形成中に行うことを特徴とする(請求項7)。
さらに本発明の第8の解決手段は、第1〜4のいずれか一つの解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪清掃手段は、累積トナー入力量が一定値未満であれば画像形成終了時に前記分離爪の清掃を行わないことを特徴とする(請求項8)。
さらに本発明の第9の解決手段は、第1〜4のいずれか一つの解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪清掃手段は、前記転写材の紙種や紙厚設定に応じてエアの吹付け量を制御することを特徴とする(請求項9)。
さらに本発明の第10の解決手段は、第1〜4のいずれか一つの解決手段の分離爪清掃装置において、前記分離爪清掃手段は、前記転写材の紙種や紙厚設定と通紙枚数に応じてエア吹付けのタイミングを制御することを特徴とする(請求項10)。
【0011】
本発明の第11の解決手段は、回転体から転写材を剥離するための分離爪を有する画像形成装置において、第1〜10のいずれか一つの解決手段の分離爪清掃装置を備えたことを特徴とする(請求項11)。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る第1の解決手段の分離爪清掃装置では、分離爪の外部からエア吹付けにより分離爪に堆積したトナーを清掃する分離爪清掃手段と、分離爪を回転体から離す分離爪離間手段を同一の手段で構成したので、装置を小型化することができ、さらには分離爪を摩耗させることなく清掃することができるため、回転体を傷つけることなくトナーの融着や紙粉、現像剤の挟み込みを防止することができる。
第2の解決手段の分離爪清掃装置では、分離爪に、エアを受けて分離爪を回転体から離すためのエア受け部を設けたので、上記の効果に加え、分離爪を回転体から容易に離すことが可能となるという効果が得られる。
第3の解決手段の分離爪清掃装置では、分離爪のエア受け部が分離爪の左右両側に延在するようにしたので、上記の効果に加え、さらに容易に回転体から分離爪を離すことが可能となる効果が得られる。
第4の解決手段の分離爪清掃装置では、分離爪エア受け部がV字型の羽形状であるようにしたので、上記と同様の効果に加え、分離爪のエア受け部に当たったエアが分離爪先端に向かって流れることで、爪全体にエアを効率良く当てることができ、分離爪の清掃を確実に行うことができるという効果が得られる。
【0013】
第5の解決手段の分離爪清掃装置では、分離爪清掃手段が分離爪近傍に転写材が無い状態で清掃を行うようにしたので、第1〜4の解決手段のいずれかの効果に加え、飛散したトナーで転写材を汚すことを確実に防止することができるという効果が得られる。
第6の解決手段の分離爪清掃装置では、分離爪清掃手段が画像面積率に応じて分離爪の清掃動作を制御するようにしたので、第1〜4の解決手段のいずれかの効果に加え、消費電力の削減、清掃時間の短縮という効果が得られる。
第7の解決手段の分離爪清掃装置では、分離爪清掃手段による清掃が画像形成終了時に限定されることなく、画像形成中にも行うようにしたので、第1〜4の解決手段のいずれかの効果に加え、画像形成枚数の多い場合や画像面積率の高い画像を形成した場合に、分離爪にトナーが堆積する前に清掃を行うことができ、異常画像の発生を確実に防止することができるという効果が得られる。
第8の解決手段の分離爪清掃装置では、分離爪清掃手段を累積トナー入力量が一定値未満であれば画像形成終了時に分離爪の清掃を行わないようにしたので、第1〜4の解決手段のいずれかの効果に加え、分離爪の清掃を画像形成の終了毎ではなく必要時のみに行うことができ、画像形成の待ち時間の短縮、消費電力の削減という効果が得られる。
第9の解決手段の分離爪清掃装置では、転写材の紙種や紙厚設定に応じてエアの吹付け量を制御するようにしたことで、第1〜4の解決手段のいずれかの効果に加え、消費電力の削減、清掃時間の短縮という効果が得られる。
第10の解決手段の分離爪清掃装置では、転写材の紙種や紙厚設定と通紙枚数に応じて吹付けのタイミングを制御するようにしたことで、第1〜4の解決手段のいずれかの効果に加え、紙粉が出やすい条件の転写材を通紙した場合に、分離爪と回転体の間に紙粉が挟みこまれる前に清掃を行うことができ、異常画像の発生を確実に防止することができるという効果が得られる。
【0014】
第11の解決手段の画像形成装置では、第1〜10のいずれか一つの解決手段の分離爪清掃装置を備えたことにより、第1〜10の解決手段のいずれかの効果が得られ、分離爪が摩耗することや、分離爪先端が傷つくことなく分離爪を清掃でき、トナー落ち、フィルミングなどの異常画像の発生を防ぐことができ、経時に亘って良好な画像形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態としての画像形成装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の分離爪装置の一例を示す概略要部斜視図である。
【図3】本発明の一実施例を示す画像形成装置1の概略構成図である。
【図4】図3に示す画像形成装置の分離爪清掃装置の第1の実施例を示す概略斜視図である。
【図5】分離爪清掃装置による分離爪清掃プロセスの一例を示す画像形成装置の概略要部構成図である。
【図6】本発明の第2の実施例を示す図であって、分離爪清掃装置のエア吹きつけノズルと、分離爪装置の分離爪部分を拡大して示す概略要部斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施例を示す図であって、分離爪清掃装置のエア吹きつけノズルと、分離爪装置の分離爪部分を拡大して示す概略要部斜視図である。
【図8】本発明の第4の実施例を示す図であって、分離爪清掃装置のエア吹きつけノズルと、分離爪装置の分離爪部分を拡大して示す概略要部斜視図である。
【図9】本発明の分離爪清掃装置及び画像形成装置の制御動作の一実施例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の分離爪清掃装置及び画像形成装置の制御動作の別の実施例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の分離爪清掃装置の制御動作の一実施例を示すタイミングチャートである。
【図12】本発明の分離爪清掃装置及び画像形成装置の制御動作のさらに別の実施例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の分離爪清掃装置及び画像形成装置の制御動作のさらに別の実施例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の分離爪清掃装置の制御動作の別の実施例を示すタイミングチャートである。
【図15】本発明の分離爪清掃装置及び画像形成装置の制御動作のさらに別の実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
まず、図1を参照して本発明に係る画像形成装置の一実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態としての画像形成装置1の概略構成図である。この画像形成装置1は、プリンターとしても用いることができる、複写機(またはファクシミリ、あるいは複合機等)の画像形成部(プリンター部)の一例であり、回転体である像担持体としての感光体ドラム2、帯電器3、図示しない露光部、現像装置4、転写搬送手段としての転写搬送装置5、クリーニング装置6及び定着装置7などから構成されている。なお、図1では、原稿画像の読取り部(スキャナ部)や、転写材の給紙部の図示は省略している。
【0017】
図1に示す画像形成装置1では、顕像形成手段としての、帯電器3、露光部及び現像装置4により、感光体ドラム2上に顕像が次のようにして形成される。
感光体ドラム2は、図中矢印で示すように時計回りに回転駆動されながら、帯電器3により一様に帯電された後、図示しない露光部(例えば半導体レーザと光偏向器と結像光学系を有する光走査式の露光部、あるいは発光ダイオード(LED)アレイと結像素子アレイを有する露光部等)により画像情報(図示しないスキャナ部で読取った原稿の画像情報、あるいは外部のパーソナルコンピュータ等から入力された画像情報等)に基づき強度が変化した光19が照射されて表面に静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置4に対向する現像領域に至る。この現像装置4によって該静電潜像を顕像形成物質としてのトナーを用いて現像し、感光体ドラム2上に顕像としてのトナー像が形成される。
【0018】
一方、上記の画像形成動作にタイミングを合わせて、図示省略の給紙部から転写材としての転写紙Pが給紙され、レジストローラ8に搬送される。そして上記の感光体ドラム2上に形成されたトナー像は、転写搬送手段としての転写搬送装置5と対向する位置において、レジストローラ8から転写前ガイド上9、転写前ガイド下10の間を経由して搬送される転写紙Pに転写される。
【0019】
上記の転写搬送装置5において、搬送部材としての転写ベルト11と感光体ドラム2とは、感光体ドラム2の下方において転写ニップを形成している。
また、転写ベルト11は、駆動ローラ12と従動ローラ13とに掛け渡されており、図中矢印で示すように反時計回りに回転駆動される。転写ベルト11の上側の裏面には、転写バイアスを印加するための転写バイアスローラ14が配置されている。この転写バイアスローラ14は、感光体ドラム2と弾性体のゴムベルトからなる転写ベルト11との上記転写ニップよりもベルト移動方向下流側に位置しており、転写ベルト11の裏面からトナーとは逆極性の電荷を付与する。
また、転写ベルト11の下側の表面には、転写ベルト11上のトナーや紙粉を除去するための転写クリーニング装置21が設けてある。
【0020】
感光体ドラム2に形成されたトナー像が転写された転写紙Pは、転写ベルト11によって搬送された後、この転写ベルト11から転写紙Pが離間される。この時、万が一感光体ドラム2に密着した場合の転写紙Pは、分離爪からなる分離爪装置20によって剥離され、転写ベルト11によって搬送される。
転写ベルト11によって搬送されてきた転写紙Pは、転写出口ガイド板15から定着入口ガイド板16へと案内される。そして定着入口ガイド板16によって、定着装置7における定着ローラ17と加圧ローラ18とで形成する定着ニップ部へ案内されて、転写紙Pの後端が転写出口ガイド板15の案内面から分離する。
そして定着装置7の定着ニップ部を転写紙Pが通過することにより、定着ローラ17と加圧ローラ18で転写紙P上のトナー像が加熱・加圧され、転写紙Pに定着される。
トナー像定着後の転写紙Pは、図示省略の排紙部の排紙トレイ等に排紙される。
【0021】
図2は、図1に示す画像形成装置1の分離爪装置20の一例を示す概略要部斜視図である。
この分離爪装置20は、先端をエッジ状とした金属または樹脂からなる分離爪22と、分離爪22を支持する支持軸23と、支持軸23に装着したスプリング24とからなり、スプリング24によって分離爪22の先端を感光体ドラム2に当接させる向きに分離爪22を回動付勢している。また、支持軸23は、画像形成装置の本体フレーム等に固定されているブラケット25によって支持されている。さらに、支持軸23の図面右側の端にはスプリング26を取り付けてあり、支持軸23を面カムと一体の揺動ギヤ27に押し付けて付勢している。このスプリング26と揺動ギヤ27によって、分離爪22は感光体軸方向に揺動する。
【0022】
以上、本発明に係る画像形成装置の一実施形態と、分離爪装置の一例について説明したが、次に、本発明による分離爪清掃装置と、その分離爪清掃装置を備えた画像形成装置の具体的な実施例について説明する。
【実施例】
【0023】
[実施例1]
図3、図4を参照して本発明による画像形成装置と分離爪清掃装置の一実施例を示す。
図3は本発明の一実施例を示す画像形成装置1の概略構成図である。この画像形成装置1は、プリンターとしても用いることができる、複写機(またはファクシミリ、あるいは複合機等)の画像形成部(プリンター部)の一例であり、基本的な構成・動作は図1に示した画像形成装置と同じである。従って既に述べた構成・動作の説明は省略する。
【0024】
図3に示すように、この画像形成装置1は、分離爪装置20の分離爪を清掃するための分離爪清掃装置201を備えている。そして分離爪清掃装置201は、分離爪装置20とクリーニング装置6の間に配置されるように、画像形成装置本体に取り付けてある。
また、図4は図3に示す画像形成装置1の分離爪清掃装置201の第1の実施例を示す概略斜視図であり、図4に示すように、分離爪清掃装置201は、エア吹付けを行う手段である、エアコンプレッサ202、エア開閉弁203、エア配管204、エア吹付けノズル205から構成されており、また、エア吹きつけノズル205は転写ベルト11にエアが向かうように配置されている。
【0025】
次に、分離爪清掃装置201による分離爪清掃プロセスの一例を図5に示す。
分離爪清掃装置201は、画像形成装置本体と共通の制御系(各種制御回路等かなる制御装置206や、マイクロコンピュータ等からなる中央演算制御部(CPU)207、図示しないメモリ、クロック、タイマ、入出装置等から構成される)で制御されており、CPU207から制御装置206に分離爪清掃入力が入ると、制御装置206によりエア開閉弁203が開かれ、エアコンプレッサ202で圧縮された空気がエアー配管204を通り、エア吹付けノズル205から吹出す。エア吹きつけノズル205から吹出されたエアは分離爪22へ吹きつけられ、分離爪22は支持軸23を中心に回転し、感光体ドラム当接位置22Aから22Bへ移動し感光体ドラム2から離れる。そしてエアの吹きつけによって、分離爪22に堆積したトナーTは転写ベルト11上に落下する。転写ベルト11上に落下したトナーTは、転写ベルト11の下側表面に接して設けられた転写クリーニング装置21によって回収される。また、エア吹きつけが終わると、分離爪22はスプリング24によって、感光体ドラム2に再び当接される。
【0026】
本実施例によれば、分離爪22の清掃には分離爪22に清掃部材を接触させなくてよいため、分離爪22先端に傷がつくことがなく、感光体ドラム2に傷がつくことを防止することができる。また、分離爪22が感光体ドラム2から離れることで、分離爪22先端と感光体ドラム2の間に挟まれたトナーTを容易に除去することができる。さらに、本実施例では、分離爪清掃装置201の分離爪清掃手段と分離爪離間手段は、エア吹付けを行う同一の手段(エアコンプレッサ202、エア開閉弁203、エア配管204、エア吹付けノズル205)によって構成されているので、分離爪22の清掃と分離爪22を感光体ドラム2から離すことは、エア吹付けを行う同一の手段で構成される分離爪清掃装置201のみによって行われるため、装置が小型化し、取付けのための大きなスペースを必要としないという効果が得られる。
【0027】
[実施例2]
次に本発明の第2の実施例を図6に基づいて説明する。
図6は本発明の第2の実施例を示す図であって、分離爪清掃装置のエア吹きつけノズルと、分離爪装置の分離爪部分を拡大して示す概略要部斜視図である。
前記実施例1では、分離爪22の周面には突起物がない平滑なものを用いたが、これに限定されることなく、図6に示すように、分離爪22Aの左右側面にエアー受け部220Aを付加したものを用いることもできる。
【0028】
即ち、図6に示す第2の実施例では、分離爪22Aは実施例1で用いられていた従来の分離爪22の側面にエア受け部220Aを付加した形態で構成されている。
このように、エア受け部220Aを分離爪22Aに付加することで、エア吹きつけノズル205からのエアが当たる面積が広くなり、分離爪22Aを感光体ドラム2から容易に離間することができるようになる。
【0029】
[実施例3]
次に本発明の第3の実施例を図7に基づいて説明する。
図7は本発明の第3の実施例を示す図であって、分離爪清掃装置のエア吹きつけノズルと、分離爪装置の分離爪部分を拡大して示す概略要部斜視図である。
前記実施例2においては、分離爪22Aの片側面にエア受け部220Aを付加したものを用いたが、これに限定されることなく、図7に示すように、分離爪22Bの左右両側面にエア受け部220Bを付加したものを用いることもできる。
【0030】
即ち、図7に示す第3の実施例では、分離爪22Bは実施例1で用いられていた従来の分離爪22の両側面にエア受け部220Bを有する形態で構成されている。
このように、エア受け部220Bが分離爪の両側に付加されることで、エア吹きつけノズル205からのエアが当たる面積がさらに広くなり、前記実施例2に比べ、分離爪22Bをさらに容易に感光体ドラムから離間することができる。
【0031】
[実施例4]
次に本発明の第4の実施例を図8に基づいて説明する。
図8は本発明の第4の実施例を示す図であって、分離爪清掃装置のエア吹きつけノズルと、分離爪装置の分離爪部分を拡大して示す概略要部斜視図である。
前記実施例3においては、分離爪22Bのエア受け部220Bには平板状のものを用いたが、これに限定されることなく、図8に示すように、分離爪22Cのエア受け部Cの形状はV字型のものを用いることもできる。
【0032】
即ち、図8に示す第4の実施例では、分離爪22Cのエア受け部が、実施例3のような平板状ではなく、V字型の形状をしているエア受け部220Cで構成されている。
このV字型のエア受け部220Cは、分離爪22Cを感光体ドラム2から離すと同時に、エア受け部220Cで受けたエアを、分離爪22Cの先端に向かって流す役割を有している。
即ち、エア受け部220Cに当たったエアが分離爪22Cの先端に向かって流れることで、分離爪全体にエアを効率良く当てることができ、前記実施例3に比べて、さらに分離爪部に堆積したトナーを容易に除去することができる。
【0033】
[実施例5]
次に本発明の分離爪清掃装置201の制御動作の一例を図9に示すフローチャートに従って説明する。なお、ここでは、画像形成装置を複写機として説明する。
先ず、画像形成装置の図示しない操作パネルのスタートボタンなどにより複写(画像形成)が開始されると複写が終了したか否かを判断する(S1)。
複写が終了した場合、分離爪清掃装置201のエア開閉弁203を開け、エア吹きつけノズル205から分離爪22(または22A、22B、22Cのいずれか(以下同様))にエアを吹きつける(S2)。
分離爪22の清掃を複写中に行う場合、エア吹付けにより飛散したトナーが転写紙Pに付着することで画像障害などの問題が発生する。しかし、複写が終了してから分離爪22の清掃を行うことで、清掃時に分離爪近傍に転写紙Pが存在することがなく、転写紙Pを汚さずに分離爪22の清掃を行うことができる。
【0034】
[実施例6]
次に本発明の分離爪清掃装置201では、分離爪へのエア吹付け量は、通常、出力画像の画像面積率から計算されるので、感光体ドラムに付着した入力トナー量に応じて制御することもできる。
図10は本発明の分離爪清掃装置201及び画像形成装置1の制御動作の別の実施例を示すフローチャートであり、図5、図10に示すように、CPU207は複写中のトナー入力量を取得し(S4)、累積トナー入力量を計算する(S5)。そして複写が終了すると累積トナー入力量に応じてエア吹付け量を計算し(S6)、エア吹きつけノズル205から分離爪22にエアを吹付ける(S7)。
なお、本発明の分離爪清掃装置201のエア吹付け量の制御は、図11に示すタイミングチャートのように、エア開閉弁203の開閉時間によって制御する。
【0035】
ここで、複写する画像の画像面積率が高いほど、感光体ドラム2に付着する入力トナー量が多くなり、入力トナー量が多いほど、分離爪22に堆積するトナーの量は多くなる。したがって、分離爪22に堆積するトナーの量は、画像面積率に依存している。
そこで、分離爪清掃装置201によるエア吹付け量をトナー入力量に応じて制御することにより、最小のエア吹付け量にて効率良く分離爪に堆積したトナーを除去できるので、消費電力、清掃時間を必要最小限にすることができる。
【0036】
[実施例7]
次に、分離爪清掃装置201による分離爪清掃動作は、複写(画像形成)の終了時に限定されることなく、複写(画像形成)を一時停止させた後に行うこともできる。
図12は本発明の分離爪清掃装置201及び画像形成装置1の制御動作のさらに別の実施例を示すフローチャートであり、図12に示すように、累積トナー入力量を計算した(S10)後に、累積トナー入力量が一定量以上であるか否かを判断し(S11)、累積トナー入力量が一定量以上となると、複写を一時停止させ(S12)、分離爪清掃装置201によりエア吹付けを開始し、分離爪22の清掃を行い(S13)、複写を再開させる(S14)ことにより、複写終了時以外でも分離爪22の清掃を行うことができる。
【0037】
また、複写画像によっては累積トナー入力量が一定値以上になる前に複写が終了した場合があるが、その場合は複写中か否か判断し(S8)、複写が終了すれば、複写枚数が規定枚数以上か判断する(S15)。例えば複写枚数が20枚である場合、複写枚数が20枚以上であれば、累積トナー入力量からエア吹付け量を計算し(S16)、分離爪にエアを吹付ける(S17)。また、複写枚数が20枚未満であれば、分離爪の清掃はせずに複写が終了される。
【0038】
トナー入力が非常に多い場合や複写枚数の多い場合では、トナー落ち、フィルミングが発生する場合がある。しかし累積トナー入力量の限界値を設定し、複写中累積トナー量が一定量以上となった場合のみに分離爪22の清掃を行うことで前記問題を防止することができる。さらに、分離爪清掃装置201の動作中は、複写(画像形成)を一時停止することにより、分離爪22の清掃時に、分離爪22の近傍に転写紙Pが存在することがないので、エアにより吹き飛ばしたトナーにより転写紙Pが汚れることがない。
【0039】
[実施例8]
次に、分離爪清掃装置201のエア吹付け量はトナー入力量に限定されることなく、転写材(転写紙P)の紙種や紙厚設定に応じて制御することもできる。
図13は本発明の分離爪清掃装置201及び画像形成装置1の制御動作のさらに別の実施例を示すフローチャートであり、図5、図13に示すように、CPU207は複写(画像形成)中かを判断し(S18)、複写が終了すれば複写開始時に設定された紙種、紙厚の設定を取得し(S19)、最適エア吹付け量を計算する(S20)。そしてCPU207によって計算された最適エア吹付け量のエアをエア吹きつけノズル205から分離爪22に吹付ける(S21)。
エア吹付け量の制御は、図14に示すタイミングチャートのように、エア開閉弁203の開閉時間によって制御する。
【0040】
なお、転写材(転写紙P)の紙種や紙厚によって紙粉の量は変化する。そこで本実施例のように、分離爪清掃装置201によるエア吹付け量を転写材(転写紙P)の紙種や紙厚の設定に応じて制御することにより、最小のエア吹付け量にて効率良く分離爪と感光体の間に挟み込まれた紙粉を除去できるため、消費電力、清掃時間を必要最小限にすることができる。
【0041】
[実施例9]
次に、分離爪清掃装置201のエア吹付けタイミングは、転写材(転写紙P)の紙種や紙厚設定と通紙枚数に応じて制御することもできる。
図15は本発明の分離爪清掃装置201及び画像形成装置1の制御動作のさらに別の実施例を示すフローチャートであり、図5、図15に示すように、CPU207は、図示しない操作パネルからの入力情報により、転写材(転写紙P)の紙種、紙厚の設定を取得し(S22)、清掃が必要となる通紙枚数を計算する(S23)。その後、通紙枚数をカウントし(S24)、清掃が必要な枚数通紙した場合は(S26)複写(画像形成)を一時停止し(S27)、エア吹きつけノズル205から分離爪22にエアを吹付けた後(S28)、複写を再開させる(S29)。また、清掃が必要とさせる通紙枚数に達せずに複写が終了した場合も、エアを分離爪22に吹付ける(S30)。
【0042】
紙粉が非常に出やすい紙種、紙厚の転写紙Pを大量に通紙した場合、複写が終了する前に分離爪22と感光体ドラム2の間に紙粉が挟み込まれる場合がある。しかし、本実施例のように、転写材(転写紙P)紙種、紙厚設定と通紙枚数に応じて分離爪22の清掃を行うことにより、分離爪22と感光体ドラム2の間に紙粉が挟み込まれる前に清掃を行うことができ、異常画像の発生を確実に防止することができるという効果が得られる。
【0043】
以上、実施例に基いて説明したように、本発明に係る分離爪清掃装置201及びそれを備えた画像形成装置1では、図3〜5に示すように、分離爪22の外部からエア吹付けにより分離爪に堆積したトナーを清掃する分離爪清掃手段と、分離爪を感光体等の回転体から離す分離爪離間手段を同一の手段(エアコンプレッサ202、エア開閉弁203、エア配管204、エア吹付けノズル205等)で構成したので、装置を小型化することができ、さらには分離爪を摩耗させることなく清掃することができるため、回転体を傷つけることなくトナーの融着や紙粉、現像剤の挟み込みを防止することができる。
また、図6に示すように、分離爪22Aに、エアを受けて分離爪を回転体から離すためのエア受け部220Aを設けることにより、上記の効果に加え、分離爪を回転体から容易に離間することが可能となる。
さらに図7に示すように、分離爪22Bのエア受け部220Bが分離爪の左右両側に延在するようにすることにより、上記の効果に加え、さらに容易に回転体から分離爪を離間することが可能となる。
さらにまた図8に示すように、分離爪22Cのエア受け部220CがV字型の羽形状であるようにすることにより、上記と同様の効果に加え、分離爪のエア受け部に当たったエアが分離爪先端に向かって流れることで、爪全体にエアを効率良く当てることができ、分離爪の清掃を確実に行うことができる。
【0044】
本発明に係る分離爪清掃装置201及びそれを備えた画像形成装置1では、上記の構成及び効果に加え、分離爪清掃装置201は、分離爪22の近傍に転写材Pが無い状態で清掃を行うようにすることにより、飛散したトナーで転写材を汚すことを確実に防止することができる。
また、分離爪清掃装置201が画像面積率に応じて分離爪22の清掃動作を制御するようにすることにより、消費電力の削減、清掃時間の短縮という効果が得られる。
さらに、分離爪清掃装置201による清掃が画像形成終了時に限定されることなく、画像形成中にも行うようにすることにより、画像形成枚数の多い場合や画像面積率の高い画像を形成した場合に、分離爪22にトナーが堆積する前に清掃を行うことができ、異常画像の発生を確実に防止することができる。
さらに、分離爪清掃装置201は、累積トナー入力量が一定値未満であれば画像形成終了時に分離爪22の清掃を行わないようにしたので、分離爪22の清掃を画像形成の終了毎ではなく必要時のみに行うことができ、画像形成の待ち時間の短縮、消費電力の削減という効果が得られる。
さらにまた、分離爪清掃装置201は、転写材Pの紙種や紙厚設定に応じてエアの吹付け量を制御するようにすることで、消費電力の削減、清掃時間の短縮という効果が得られる。
さらにまた、分離爪清掃装置201は、転写材Pの紙種や紙厚設定と通紙枚数に応じて吹付けのタイミングを制御するようにすることにより、紙粉が出やすい条件の転写材を通紙した場合に、分離爪と回転体の間に紙粉が挟みこまれる前に清掃を行うことができ、異常画像の発生を確実に防止することができる。
【0045】
なお、以上に説明した実施例では、回転体としての感光体ドラム2から転写紙Pを剥離するための分離爪22と、その分離爪の清掃装置201について述べたが、本発明は感光体ドラムのみならず、感光体ベルトや中間転写体(中間転写ベルトまたは中間転写ドラム)等の回転体から転写紙を剥離するための分離爪とその清掃装置に対しても同様に適用することができる。さらに本発明は、その他の回転体、例えば定着装置の定着ローラ等に当接する分離爪の清掃装置に対しても同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1:画像形成装置
2:感光体ドラム(回転体)
3:帯電器
4:現像装置
5:転写搬送装置
6:クリーニング装置
7:定着装置
8:レジストローラ
11:転写ベルト
20:分離爪装置
22(22A、22B、22C):分離爪
201:分離爪清掃装置
202:エアコンプレッサ
203:エア開閉弁
204:エア配管
205:エア吹付けノズル
220A、220B、220C:エア受け部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】
【特許文献1】特開平09−211995号公報
【特許文献2】特開平03−111872号公報
【特許文献3】特開2001−022218号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体から転写材を剥離するための分離爪を有する画像形成装置に備えられ、前記分離爪の表面を該分離爪外部からのエア吹付けにより清掃する分離爪清掃手段と、前記分離爪を前記回転体から離間させる分離爪離間手段とを備えた分離爪清掃装置において、
前記分離爪清掃手段と前記分離爪離間手段は、前記エア吹付けを行う同一の手段によって構成されることを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項2】
請求項1に記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪には、エアを受けて該分離爪を前記回転体から離すための分離爪エア受け部を設けたことを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項3】
請求項2に記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪エア受け部は、前記分離爪の左右両側に延在した平板部から成ることを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項4】
請求項2に記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪エア受け部は、V字型の羽形状であることを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪清掃手段は、前記分離爪の近傍に前記転写材が無い状態でエア吹付けによる清掃を行うことを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪清掃手段は、画像面積率に応じてエアの吹付け量を制御することを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪清掃手段による清掃は、画像形成の終了時ではなく画像形成中に行うことを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪清掃手段は、累積トナー入力量が一定値未満であれば画像形成終了時に前記分離爪の清掃を行わないことを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪清掃手段は、前記転写材の紙種や紙厚設定に応じてエアの吹付け量を制御することを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項10】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪清掃手段は、前記転写材の紙種や紙厚設定と通紙枚数に応じてエア吹付けのタイミングを制御することを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項11】
回転体から転写材を剥離するための分離爪を有する画像形成装置において、
請求項1〜10のいずれか一つに記載の分離爪清掃装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
回転体から転写材を剥離するための分離爪を有する画像形成装置に備えられ、前記分離爪の表面を該分離爪外部からのエア吹付けにより清掃する分離爪清掃手段と、前記分離爪を前記回転体から離間させる分離爪離間手段とを備えた分離爪清掃装置において、
前記分離爪清掃手段と前記分離爪離間手段は、前記エア吹付けを行う同一の手段によって構成されることを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項2】
請求項1に記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪には、エアを受けて該分離爪を前記回転体から離すための分離爪エア受け部を設けたことを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項3】
請求項2に記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪エア受け部は、前記分離爪の左右両側に延在した平板部から成ることを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項4】
請求項2に記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪エア受け部は、V字型の羽形状であることを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪清掃手段は、前記分離爪の近傍に前記転写材が無い状態でエア吹付けによる清掃を行うことを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪清掃手段は、画像面積率に応じてエアの吹付け量を制御することを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪清掃手段による清掃は、画像形成の終了時ではなく画像形成中に行うことを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪清掃手段は、累積トナー入力量が一定値未満であれば画像形成終了時に前記分離爪の清掃を行わないことを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪清掃手段は、前記転写材の紙種や紙厚設定に応じてエアの吹付け量を制御することを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項10】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の分離爪清掃装置において、
前記分離爪清掃手段は、前記転写材の紙種や紙厚設定と通紙枚数に応じてエア吹付けのタイミングを制御することを特徴とする分離爪清掃装置。
【請求項11】
回転体から転写材を剥離するための分離爪を有する画像形成装置において、
請求項1〜10のいずれか一つに記載の分離爪清掃装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−242437(P2012−242437A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109503(P2011−109503)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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