切粉・鉄粉の搬送装置
【課題】リニアモータタイプの搬送装置において、鉄粉の大きさに対応できるように構成する切粉・鉄粉の搬送装置を提供すること。
【解決手段】鉄粉搬送装置の鉄芯11は、鉄粉の搬送方向に沿って複数の溝部111及び溝部111間に形成するコア部112を形成し、溝部111にコイル13を挿通している。複数の溝部111に挿通するコイル13の巻線131に三相交流電流を流すことによって合成磁界を形成し、この合成磁界は時間とともに移動する移動磁界を形成する。コア部112は胴体部113と頭部114とを有して、頭部114を胴体部113に着脱可能に形成する。頭部114の搬送方向長さAを、鉄粉の大きさに合わせてそれぞれの寸法で形成し、選択するいずれかの頭部114を胴体部113に装着することによって、溝部111間の開口幅Bを可変とする。
【解決手段】鉄粉搬送装置の鉄芯11は、鉄粉の搬送方向に沿って複数の溝部111及び溝部111間に形成するコア部112を形成し、溝部111にコイル13を挿通している。複数の溝部111に挿通するコイル13の巻線131に三相交流電流を流すことによって合成磁界を形成し、この合成磁界は時間とともに移動する移動磁界を形成する。コア部112は胴体部113と頭部114とを有して、頭部114を胴体部113に着脱可能に形成する。頭部114の搬送方向長さAを、鉄粉の大きさに合わせてそれぞれの寸法で形成し、選択するいずれかの頭部114を胴体部113に装着することによって、溝部111間の開口幅Bを可変とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は切削盤で削られた切粉や研削盤で削られた鉄粉をタンクから排出する切粉・鉄粉の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
切削盤又は研削盤等の成形機械で削られた切粉・鉄粉等は、循環する冷却水によってタンクに回収される。タンク内の冷却水は循環されることから、通常、切粉や鉄粉を含まないように、切粉・鉄粉を分離して排出するようにしている。従来においては、図11〜12に示すように、切粉・鉄粉分離除去装置50は、回転可能な吸着ドラム型のオイルセパレータ55と呼ばれるものを使用して行われていた。このオイルセパレータ55は、特許文献1によっても示されているように、吸着ドラム56の周壁内に沿って、多数の鉄板57を設置し、吸着ドラム55の周壁内面位置側に対向して永久磁石58を鉄板の回転移動時に追従できるように設置している。また、吸着ドラム56の内面の他側には鉄板57の消磁装置として電磁石59を設置して構成されている。
【0003】
図12に示すように、このオイルセパレータ55を使用する切粉・鉄粉分離除去装置50は、タンク51内を切粉・鉄粉回収部52と冷却水送給部53とに2分割するとともに、オイルセパレータ55を切粉・鉄粉回収部52側に配置していた。切削盤又は研削盤等の成形機械54から、循環する冷却水とともにタンク51内に回収された切粉・鉄粉は、オイルセパレータ55によって永久磁石58で吸着ドラム56に吸着され、シュートの部位において手で剥ぎ取られることによって排出されていた。
【0004】
これによって、切粉・鉄粉が除去された冷却水は冷却水送給部53に流入され、冷却水がタンク51から成形機械54内に循環できることとなっていた。
【特許文献1】特開平5−57211号公報(2〜3頁、図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されているオイルセパレータ55は、希土類の磁石を使用しているため磁力が大きく、また複雑に構成されていることからコストが高くなっていた。しかもこのオイルセパレータ55を使用する切粉・鉄粉分離除去装置50は、タンク51を2分割に構成するとともに切粉・鉄粉を切削盤54からタンク51に戻すためのポンプ60と、タンク51内の切粉・鉄粉をオイルセパレータ55に吸引するポンプ61とを備えることになるから、部品点数を多くしてコストを上昇させることとなっていた。しかも、吸着ドラム56内に可動部を有していることからメンテナンスの必要が生じて手間のかかることとなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、簡単な構成でしかも廉価に構成するとともにメンテナンスフリーで行なうことのできる切粉・鉄粉の搬送装置を提供する。同時に、この搬送装置を切粉・鉄粉の大きさに対応できるように構成するものである。そのため、本発明に係る切粉・鉄粉の搬送装置は、
請求項1記載の発明では、切粉・鉄粉の搬送方向に延設して形成されるとともに前記搬送方向に対して直交又は略直交あるいは傾斜する溝及び前記溝間に形成されるコアが搬送方向に複数並設された鉄芯と、前記溝に挿通されて前記鉄芯に巻回されるコイルと、前記切粉・鉄粉が搬送する搬送面を備え、前記コイルに位相の異なる交流電流を流して移動磁界を発生させることによって、切粉・鉄粉を前記搬送面に沿って搬送可能に構成される切粉・鉄粉の搬送装置であって、
搬送方向に沿って形成される前記溝の開口幅の長さが可変に形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の発明では、前記鉄芯に形成される溝には、前記コイルの第1の巻線、第2の巻線又は第3の巻線が搬送方向に沿って順番に挿通されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の発明では、前記コアは、胴部と前記胴部より搬送方向に沿って広幅に形成された頭部とを有し、前記頭部は前記胴部に対して着脱可能に形成されていることを特徴としている。
【0009】
請求項4記載の発明では、前記コアは、胴部と前記胴部より搬送方向に沿って広幅に形成された頭部とを有し、前記頭部の上面は、前記胴部に対して搬送方向に沿って拡縮可能に形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項5記載の発明では、前記搬送面が、非磁性材又は弱磁性材あるいは薄板状の鉄板の部材上に形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、切粉・鉄粉搬送装置は、鉄芯に巻回されたコイルに位相の異なる交流電流、例えば、二相又は三相交流の電流を流すことによって合成磁界を発生させる。合成磁界は時間とともに移動する移動磁界を形成することから、搬送面の一端に移動した切粉・鉄粉は吸引されて搬送面上を磁力で移動することとなり、搬送装置の他端から外部に排出される。従って、搬送装置の一端を、例えば、冷却水とともに循環された切粉・鉄粉が流入されているタンク内に配置し、他端をタンク外に配置すれば、タンク内の切粉・鉄粉は外部に排出されて冷却水を機内に送給することができる。このように、切粉・鉄粉搬送装置は、鉄芯とコイル及び搬送面だけの構成で切粉や鉄粉を搬送できることから高価なオイルセパレータを使用することなく簡単で廉価に構成することができる。しかも、この搬送装置はオイルセパレータのメンテナンスを必要としないことから手間がかかることもない。
【0012】
また、成形機械によって切削される切粉・鉄粉は、その切削物しだいによりその大きさが変化する。大きさが異なる切粉・鉄粉に対して、この搬送装置の場合、鉄芯に形成された溝の開口幅を調整できるので、切粉や鉄粉の大きさにバラツキがあっても、その切粉や鉄粉の大きさに合わせて溝の開口幅を調整すれば、搬送をさらにスムーズに行うことが可能となる。
【0013】
また、この発明によれば、鉄芯の溝に挿通する第1の巻線、第2の巻線又は第3の巻線は、位相の異なる交流電流、例えば、二相又は三相交流の電流が流れることによって位相をずらして合成磁界を発生させ、この合成磁界が時間とともに移動する移動磁界を形成することになるから、切粉・鉄粉は搬送面に沿って搬送される。これによって、簡単な構造で切粉・鉄粉を外部に排出させることができる。
【0014】
さらに、切粉・鉄粉を搬送する搬送面が、鉄芯の周りに配置される非磁性材の上面に形成されていれば、切粉・鉄粉を効率的に搬送できるものであるが、例えば、弱磁性材(例えば、透磁率5500以下のもの)や薄い鉄板(例えば、3.5mm内のもの)であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、一形態の切粉・鉄粉搬送装置の詳細を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、切粉・鉄粉分離搬送ライン1を示す簡略図面であり、成形機械としては一例として研削盤で説明する。研削盤で研削することによって発生する切り屑は主に鉄粉であるため、以下、「切粉・鉄粉」を「鉄粉」で説明し「切粉・鉄粉搬送装置」及び「切粉・鉄粉分離搬送ライン」を、「鉄粉搬送装置10」、及び「鉄粉分離搬送ライン1」とする。
【0017】
鉄粉分離搬送ライン1は、研削盤3と、研削盤3で研削材を研削することによって発生した鉄粉を冷却水とともに回収させるポンプ5と、鉄粉・冷却水を回収するタンク7と、タンク7内の鉄粉を外部に搬送して排出する鉄粉搬送装置10と、研削盤3とタンク7とをポンプ5を介して接続する回収経路8及び冷却水だけを研削盤3に送給する送給経路9とを備えている。
【0018】
実施形態の鉄粉搬送装置10は、一端をタンク7内に配置し他端をタンク7外に配置してタンク7内の切粉・鉄粉をタンク7内から分離してタンク7外に搬送可能に配置する。また、鉄粉搬送装置10は、図2〜3に示すように、コイル13を巻回した鉄芯11をケース体15に収納して構成されている。鉄芯11は、磁性材の珪素鋼板あるいは鉄板を鉄芯11の幅方向に積層して形成するとともに、搬送方向と直交する短手方向に向かって複数の溝部111と溝部111間に配置されるコア部112とを有して形成している。なお、この溝部111は、鉄芯11の搬送方向に対して、略直交あるいは所定角度に傾斜して形成してもよい。
【0019】
鉄芯11の溝部111にはコイル13の巻線131がそれぞれ挿通して巻回されている。実施形態においては、コイル13には、三相交流電流を流して合成磁界を発生させる。つまり、図2〜3に示すように、鉄芯11に形成された溝部111a、111b、111c、111´a、111´b、111´c…には、それぞれ第1の巻線131a、第2の巻線131b、第3の巻線131c、第1の巻線131´a、第2の巻線131´b、第3の巻線131´c…と順次挿通させる。
【0020】
第1の巻線131aは、第1順目の溝部111aと第2順目の溝部111´aを挿通するように巻回され、第2の巻線131bは、第1順目の溝部111bと第2順目の溝部111´bを挿通するように巻回され、第3の巻線131cは第1順目の溝部111cと第2順目の溝部111´cを挿通するように巻回される。そして、以下、同様に各巻線131が順に巻回されることとなる。
【0021】
このように巻回されたコイル13は、図4に示すように、第1の巻線131aが、例えば三相交流のU相コイル13Uであり、第1順目の溝部111aと第2順目の溝部111´aとを巻回する巻線131a(U相コイル13U)の間で閉ループを形成するとともに第2順目と第3順目で閉ループを形成する巻線131´a(U相コイル13U)とを直列に結線し、以下同様に結線する。また、第2の巻線131bは、例えば三相交流のW相コイル13Wであり、第3の巻線131cは、例えば三相交流のV相コイル13Vであり、W相、V相と同様に順次配置されている。
【0022】
なお、図4における右側から順に1個のU相コイル13U、1個のW相コイル13W、1個のV相コイル13Vを配置してコイル組14を構成する。隣接するコイル組14どうしにおける各相のコイルは、各相におけるコイル13の巻き方向をそれぞれ逆にして順に配置されている。さらに、端末のコイル組14におけるU相とV相における巻き始め側は電源E側に接続するとともに、W相における巻き終わり側が電源E側に接続されている。また、左端のコイル組14は中点結線されている。
【0023】
コイル13を巻回した鉄芯11は、図2に示すように、角筒状に形成されたケース体15内に挿入されて鉄粉搬送装置10を構成する。ケース体15は、電気抵抗の高い非磁性材、例えば、ステンレス製で形成され、図2における鉄芯11の上方に位置する面を搬送面151として形成する。
【0024】
このケース体15は、非磁性材以外に、弱磁性材、あるいは、磁性材であれば薄い厚みの鉄板であってもよい。弱磁性材の場合、透磁率1.01〜5500(望ましくは、1.01〜1000)の範囲であればよく、この範囲は、例えば、ステンレス製のケース体の表面を研削加工して磁性を帯びることを含むものである。
【0025】
また、薄板状の鉄板の場合は、その厚みが3.5mm以下のものであれば、切粉が留まらず搬送可能となる結果が実験により示されている。
【0026】
さらに、ケース体15は、角筒状でなくても平板であってもよい。
【0027】
鉄芯11のコア部112は、図5〜6に示すように、胴部113と頭部114とが分離して形成されている。胴部113には、上部に水平溝113aがコア部112の幅方向の両面に沿って形成され、頭部114は、胴部113の水平溝113aに係合可能に形成されている。胴部113における水平溝113aの上部113b両面は、図例において、上方に広がる傾斜面113cを有している。この上部は、傾斜面でなく垂直面であってもよい。
【0028】
頭部114は、胴部113の水平溝113aに係合する係合突起部114aを有するとともに胴部113の上面113bを覆うように下開き台形筒状に形成されている。その上面114bは、搬送方向長さAが胴部113の下部の厚みより広く形成されている。そのため、溝部111、111間の寸法は、コイル13が挿入される溝部111の下部に対して、コイル13の投入口となる上面の開口幅Bが狭く形成されることとなっている。
【0029】
この開口幅Bの大きさは、鉄粉の大きさによって鉄粉の搬送効率に影響する。コア部112間の開口部に流れている磁束が、鉄粉により短絡されると鉄粉がコア部112間の開口部に吸着される。この際、鉄粉が開口幅Bより大きいと開口部で鉄粉が吸着され搬送されずに溜まってしまう。また、鉄粉が開口幅Bより小さ過ぎると鉄粉を搬送し難くなる。
【0030】
実施形態においては、頭部114の搬送方向長さAの寸法を各種用意して、胴部113に交換可能としている。これは、開口幅Bの寸法を可変とするものであり、搬送される鉄粉の大きさにより、多種類の頭部114の中から適度な搬送方向長さAを有する頭部114を選択して使用するものである。
【0031】
コア部112における、胴部113と頭部114の形状は、上記の形態に限定するものではない。例えば、図7に示すように、胴部113の上面と同一面を有して水平溝113aに係合する突起部115aを有する頭部片115であってもよい。この頭部片115を左右対称に一対形成し、胴部113の前面及び後面からそれぞれ水平溝113a、113aに係合させて構成してもよい。
【0032】
さらに、図8に示すように、胴部113の両面には臍孔113dを形成して、臍孔113dに係合する蟻臍116aを有する頭部片116を、嵌め込むようにしてもよい。
【0033】
また、搬送方向に沿って2分割された頭部を、その中間部位で傾斜面を形成した調整部材を上下させ、傾斜面で押圧することによって、一対の頭部を搬送方向に沿って広げたり縮めたりして拡縮可能に形成してもよい。
【0034】
次に、上記のように構成された鉄粉搬送装置10の作用について説明する。
【0035】
コイル13に三相交流電流を流すと、図5に示すように、第1の巻線131a(U相コイル13U)と第2の巻線131b(W相コイル13W)及び第3の巻線131c(V相コイル13V)は、それぞれ120度位相がずれた正弦波形を描くこととなる。例えば、図5において時間tとともに経過する3位置を選択し、それぞれの位置を時点P1、P2、P3とすると、時点P1、P2、P3における合成磁界は、図6に示すように表される。つまり、それぞれの時点P1、P2、P3における最大磁力がずれることとなるから、これが時間とともに移動する移動磁界となって鉄粉搬送装置10の搬送面151に載った鉄粉は搬送されることとなる。
【0036】
搬送面151を搬送する鉄粉は、搬送面151の下方に形成されているコア部112、溝部111を順に通過することになる。搬送されるワークが、研削盤で研削された鉄粉であれば、鉄粉は細かい粒状に形成されていることから、鉄芯11の溝部111の開口幅Bは比較的小さくてもよい。この場合、コア部112の頭部114は搬送方向長さAの長いものを使用する。また、ボール盤やフライス盤で削られた鉄粉は、比較的大きく形成されているから、開口幅Bを広く形成してもよい。この場合、コア部112の頭部114は搬送方向長さAの短いものを使用することとなる。実施形態では成形機3が研削盤であるから、開口幅Bは小さく形成されている。
【0037】
搬送面151上をスムーズに搬送された鉄粉は、鉄粉搬送装置10の他端で外部に配置された図示しない鉄粉受け皿に落下される。
【0038】
上述のように、実施形態の鉄粉搬送装置10は、細長状の鉄芯11に搬送方向に沿って溝部111を並設して形成し、溝部111に挿通したコイル13に三相交流電流を流すことによって移動磁界を発生させることができることから、非磁性材で形成された搬送面151上で鉄粉を搬送させることができる。これによって高価なオイルセパレータを使用しないで鉄粉を分離除去できることから廉価でメンテナンスフリーの鉄粉搬送装置10を提供することができる。
【0039】
しかも、鉄粉の大きさによって、鉄芯11に形成された溝部111の開口幅Bを可変にすることができることから、鉄粉の大きさにかかわらず、鉄粉をスムーズに搬送することができる。
【0040】
なお、本発明の切粉・鉄粉の搬送装置は、上記の形態に限定するものではない。例えば、コイルに流す電流を三相交流電流でなく二相の交流電流を流すようにしてもよい。この場合、二相交流は単相交流にコンデンサを入れて作り出すことができる。
【0041】
さらに、搬送面を形成する非磁性材のケース体は、電気抵抗の高い材料であれば、ステンレス材に限定するものではない。
【0042】
また、コイルに流す交流電流は、位相の異なる交流電流であれば、二相交流電流や三相交流電流以外でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】一形態の鉄粉分離搬送システムを示す簡略斜視図である。
【図2】図1における搬送装置の一部を示す分解斜視図である。
【図3】図1における鉄粉搬送装置の主要部を示す一部断面図である。
【図4】図2におけるコイルの巻回状態を示す結線図である。
【図5】図2における鉄芯を示す正面図である。
【図6】図5における鉄芯の構成を示す斜視図である。
【図7】別の形態による鉄芯の構成を示す断面図である。
【図8】さらに別の形態による鉄芯の構成を示す断面図である。
【図9】図2におけるコイルの三相交流電流を示す波形図である。
【図10】図9における3位置での合成磁界を示す波形図である。
【図11】従来のオイルセパレータを示す断面図である。
【図12】図11のオイルセパレータを使用する従来の鉄粉分離搬送システムを示す簡略斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1、鉄粉分離搬送ライン
3、研磨機(成形機械)
5、ポンプ
7、タンク
10、鉄粉搬送装置
11、鉄芯
111、溝部
112、コア部
113、胴体部
113a、水平溝
114、頭部
114a、係合突起部
13、コイル
131、巻線
15、ケース体
P1、時点
P2、時点
P3、時点
E、電源
A、搬送方向長さ
B、開口幅
【技術分野】
【0001】
本発明は切削盤で削られた切粉や研削盤で削られた鉄粉をタンクから排出する切粉・鉄粉の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
切削盤又は研削盤等の成形機械で削られた切粉・鉄粉等は、循環する冷却水によってタンクに回収される。タンク内の冷却水は循環されることから、通常、切粉や鉄粉を含まないように、切粉・鉄粉を分離して排出するようにしている。従来においては、図11〜12に示すように、切粉・鉄粉分離除去装置50は、回転可能な吸着ドラム型のオイルセパレータ55と呼ばれるものを使用して行われていた。このオイルセパレータ55は、特許文献1によっても示されているように、吸着ドラム56の周壁内に沿って、多数の鉄板57を設置し、吸着ドラム55の周壁内面位置側に対向して永久磁石58を鉄板の回転移動時に追従できるように設置している。また、吸着ドラム56の内面の他側には鉄板57の消磁装置として電磁石59を設置して構成されている。
【0003】
図12に示すように、このオイルセパレータ55を使用する切粉・鉄粉分離除去装置50は、タンク51内を切粉・鉄粉回収部52と冷却水送給部53とに2分割するとともに、オイルセパレータ55を切粉・鉄粉回収部52側に配置していた。切削盤又は研削盤等の成形機械54から、循環する冷却水とともにタンク51内に回収された切粉・鉄粉は、オイルセパレータ55によって永久磁石58で吸着ドラム56に吸着され、シュートの部位において手で剥ぎ取られることによって排出されていた。
【0004】
これによって、切粉・鉄粉が除去された冷却水は冷却水送給部53に流入され、冷却水がタンク51から成形機械54内に循環できることとなっていた。
【特許文献1】特開平5−57211号公報(2〜3頁、図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されているオイルセパレータ55は、希土類の磁石を使用しているため磁力が大きく、また複雑に構成されていることからコストが高くなっていた。しかもこのオイルセパレータ55を使用する切粉・鉄粉分離除去装置50は、タンク51を2分割に構成するとともに切粉・鉄粉を切削盤54からタンク51に戻すためのポンプ60と、タンク51内の切粉・鉄粉をオイルセパレータ55に吸引するポンプ61とを備えることになるから、部品点数を多くしてコストを上昇させることとなっていた。しかも、吸着ドラム56内に可動部を有していることからメンテナンスの必要が生じて手間のかかることとなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、簡単な構成でしかも廉価に構成するとともにメンテナンスフリーで行なうことのできる切粉・鉄粉の搬送装置を提供する。同時に、この搬送装置を切粉・鉄粉の大きさに対応できるように構成するものである。そのため、本発明に係る切粉・鉄粉の搬送装置は、
請求項1記載の発明では、切粉・鉄粉の搬送方向に延設して形成されるとともに前記搬送方向に対して直交又は略直交あるいは傾斜する溝及び前記溝間に形成されるコアが搬送方向に複数並設された鉄芯と、前記溝に挿通されて前記鉄芯に巻回されるコイルと、前記切粉・鉄粉が搬送する搬送面を備え、前記コイルに位相の異なる交流電流を流して移動磁界を発生させることによって、切粉・鉄粉を前記搬送面に沿って搬送可能に構成される切粉・鉄粉の搬送装置であって、
搬送方向に沿って形成される前記溝の開口幅の長さが可変に形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の発明では、前記鉄芯に形成される溝には、前記コイルの第1の巻線、第2の巻線又は第3の巻線が搬送方向に沿って順番に挿通されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の発明では、前記コアは、胴部と前記胴部より搬送方向に沿って広幅に形成された頭部とを有し、前記頭部は前記胴部に対して着脱可能に形成されていることを特徴としている。
【0009】
請求項4記載の発明では、前記コアは、胴部と前記胴部より搬送方向に沿って広幅に形成された頭部とを有し、前記頭部の上面は、前記胴部に対して搬送方向に沿って拡縮可能に形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項5記載の発明では、前記搬送面が、非磁性材又は弱磁性材あるいは薄板状の鉄板の部材上に形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、切粉・鉄粉搬送装置は、鉄芯に巻回されたコイルに位相の異なる交流電流、例えば、二相又は三相交流の電流を流すことによって合成磁界を発生させる。合成磁界は時間とともに移動する移動磁界を形成することから、搬送面の一端に移動した切粉・鉄粉は吸引されて搬送面上を磁力で移動することとなり、搬送装置の他端から外部に排出される。従って、搬送装置の一端を、例えば、冷却水とともに循環された切粉・鉄粉が流入されているタンク内に配置し、他端をタンク外に配置すれば、タンク内の切粉・鉄粉は外部に排出されて冷却水を機内に送給することができる。このように、切粉・鉄粉搬送装置は、鉄芯とコイル及び搬送面だけの構成で切粉や鉄粉を搬送できることから高価なオイルセパレータを使用することなく簡単で廉価に構成することができる。しかも、この搬送装置はオイルセパレータのメンテナンスを必要としないことから手間がかかることもない。
【0012】
また、成形機械によって切削される切粉・鉄粉は、その切削物しだいによりその大きさが変化する。大きさが異なる切粉・鉄粉に対して、この搬送装置の場合、鉄芯に形成された溝の開口幅を調整できるので、切粉や鉄粉の大きさにバラツキがあっても、その切粉や鉄粉の大きさに合わせて溝の開口幅を調整すれば、搬送をさらにスムーズに行うことが可能となる。
【0013】
また、この発明によれば、鉄芯の溝に挿通する第1の巻線、第2の巻線又は第3の巻線は、位相の異なる交流電流、例えば、二相又は三相交流の電流が流れることによって位相をずらして合成磁界を発生させ、この合成磁界が時間とともに移動する移動磁界を形成することになるから、切粉・鉄粉は搬送面に沿って搬送される。これによって、簡単な構造で切粉・鉄粉を外部に排出させることができる。
【0014】
さらに、切粉・鉄粉を搬送する搬送面が、鉄芯の周りに配置される非磁性材の上面に形成されていれば、切粉・鉄粉を効率的に搬送できるものであるが、例えば、弱磁性材(例えば、透磁率5500以下のもの)や薄い鉄板(例えば、3.5mm内のもの)であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、一形態の切粉・鉄粉搬送装置の詳細を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、切粉・鉄粉分離搬送ライン1を示す簡略図面であり、成形機械としては一例として研削盤で説明する。研削盤で研削することによって発生する切り屑は主に鉄粉であるため、以下、「切粉・鉄粉」を「鉄粉」で説明し「切粉・鉄粉搬送装置」及び「切粉・鉄粉分離搬送ライン」を、「鉄粉搬送装置10」、及び「鉄粉分離搬送ライン1」とする。
【0017】
鉄粉分離搬送ライン1は、研削盤3と、研削盤3で研削材を研削することによって発生した鉄粉を冷却水とともに回収させるポンプ5と、鉄粉・冷却水を回収するタンク7と、タンク7内の鉄粉を外部に搬送して排出する鉄粉搬送装置10と、研削盤3とタンク7とをポンプ5を介して接続する回収経路8及び冷却水だけを研削盤3に送給する送給経路9とを備えている。
【0018】
実施形態の鉄粉搬送装置10は、一端をタンク7内に配置し他端をタンク7外に配置してタンク7内の切粉・鉄粉をタンク7内から分離してタンク7外に搬送可能に配置する。また、鉄粉搬送装置10は、図2〜3に示すように、コイル13を巻回した鉄芯11をケース体15に収納して構成されている。鉄芯11は、磁性材の珪素鋼板あるいは鉄板を鉄芯11の幅方向に積層して形成するとともに、搬送方向と直交する短手方向に向かって複数の溝部111と溝部111間に配置されるコア部112とを有して形成している。なお、この溝部111は、鉄芯11の搬送方向に対して、略直交あるいは所定角度に傾斜して形成してもよい。
【0019】
鉄芯11の溝部111にはコイル13の巻線131がそれぞれ挿通して巻回されている。実施形態においては、コイル13には、三相交流電流を流して合成磁界を発生させる。つまり、図2〜3に示すように、鉄芯11に形成された溝部111a、111b、111c、111´a、111´b、111´c…には、それぞれ第1の巻線131a、第2の巻線131b、第3の巻線131c、第1の巻線131´a、第2の巻線131´b、第3の巻線131´c…と順次挿通させる。
【0020】
第1の巻線131aは、第1順目の溝部111aと第2順目の溝部111´aを挿通するように巻回され、第2の巻線131bは、第1順目の溝部111bと第2順目の溝部111´bを挿通するように巻回され、第3の巻線131cは第1順目の溝部111cと第2順目の溝部111´cを挿通するように巻回される。そして、以下、同様に各巻線131が順に巻回されることとなる。
【0021】
このように巻回されたコイル13は、図4に示すように、第1の巻線131aが、例えば三相交流のU相コイル13Uであり、第1順目の溝部111aと第2順目の溝部111´aとを巻回する巻線131a(U相コイル13U)の間で閉ループを形成するとともに第2順目と第3順目で閉ループを形成する巻線131´a(U相コイル13U)とを直列に結線し、以下同様に結線する。また、第2の巻線131bは、例えば三相交流のW相コイル13Wであり、第3の巻線131cは、例えば三相交流のV相コイル13Vであり、W相、V相と同様に順次配置されている。
【0022】
なお、図4における右側から順に1個のU相コイル13U、1個のW相コイル13W、1個のV相コイル13Vを配置してコイル組14を構成する。隣接するコイル組14どうしにおける各相のコイルは、各相におけるコイル13の巻き方向をそれぞれ逆にして順に配置されている。さらに、端末のコイル組14におけるU相とV相における巻き始め側は電源E側に接続するとともに、W相における巻き終わり側が電源E側に接続されている。また、左端のコイル組14は中点結線されている。
【0023】
コイル13を巻回した鉄芯11は、図2に示すように、角筒状に形成されたケース体15内に挿入されて鉄粉搬送装置10を構成する。ケース体15は、電気抵抗の高い非磁性材、例えば、ステンレス製で形成され、図2における鉄芯11の上方に位置する面を搬送面151として形成する。
【0024】
このケース体15は、非磁性材以外に、弱磁性材、あるいは、磁性材であれば薄い厚みの鉄板であってもよい。弱磁性材の場合、透磁率1.01〜5500(望ましくは、1.01〜1000)の範囲であればよく、この範囲は、例えば、ステンレス製のケース体の表面を研削加工して磁性を帯びることを含むものである。
【0025】
また、薄板状の鉄板の場合は、その厚みが3.5mm以下のものであれば、切粉が留まらず搬送可能となる結果が実験により示されている。
【0026】
さらに、ケース体15は、角筒状でなくても平板であってもよい。
【0027】
鉄芯11のコア部112は、図5〜6に示すように、胴部113と頭部114とが分離して形成されている。胴部113には、上部に水平溝113aがコア部112の幅方向の両面に沿って形成され、頭部114は、胴部113の水平溝113aに係合可能に形成されている。胴部113における水平溝113aの上部113b両面は、図例において、上方に広がる傾斜面113cを有している。この上部は、傾斜面でなく垂直面であってもよい。
【0028】
頭部114は、胴部113の水平溝113aに係合する係合突起部114aを有するとともに胴部113の上面113bを覆うように下開き台形筒状に形成されている。その上面114bは、搬送方向長さAが胴部113の下部の厚みより広く形成されている。そのため、溝部111、111間の寸法は、コイル13が挿入される溝部111の下部に対して、コイル13の投入口となる上面の開口幅Bが狭く形成されることとなっている。
【0029】
この開口幅Bの大きさは、鉄粉の大きさによって鉄粉の搬送効率に影響する。コア部112間の開口部に流れている磁束が、鉄粉により短絡されると鉄粉がコア部112間の開口部に吸着される。この際、鉄粉が開口幅Bより大きいと開口部で鉄粉が吸着され搬送されずに溜まってしまう。また、鉄粉が開口幅Bより小さ過ぎると鉄粉を搬送し難くなる。
【0030】
実施形態においては、頭部114の搬送方向長さAの寸法を各種用意して、胴部113に交換可能としている。これは、開口幅Bの寸法を可変とするものであり、搬送される鉄粉の大きさにより、多種類の頭部114の中から適度な搬送方向長さAを有する頭部114を選択して使用するものである。
【0031】
コア部112における、胴部113と頭部114の形状は、上記の形態に限定するものではない。例えば、図7に示すように、胴部113の上面と同一面を有して水平溝113aに係合する突起部115aを有する頭部片115であってもよい。この頭部片115を左右対称に一対形成し、胴部113の前面及び後面からそれぞれ水平溝113a、113aに係合させて構成してもよい。
【0032】
さらに、図8に示すように、胴部113の両面には臍孔113dを形成して、臍孔113dに係合する蟻臍116aを有する頭部片116を、嵌め込むようにしてもよい。
【0033】
また、搬送方向に沿って2分割された頭部を、その中間部位で傾斜面を形成した調整部材を上下させ、傾斜面で押圧することによって、一対の頭部を搬送方向に沿って広げたり縮めたりして拡縮可能に形成してもよい。
【0034】
次に、上記のように構成された鉄粉搬送装置10の作用について説明する。
【0035】
コイル13に三相交流電流を流すと、図5に示すように、第1の巻線131a(U相コイル13U)と第2の巻線131b(W相コイル13W)及び第3の巻線131c(V相コイル13V)は、それぞれ120度位相がずれた正弦波形を描くこととなる。例えば、図5において時間tとともに経過する3位置を選択し、それぞれの位置を時点P1、P2、P3とすると、時点P1、P2、P3における合成磁界は、図6に示すように表される。つまり、それぞれの時点P1、P2、P3における最大磁力がずれることとなるから、これが時間とともに移動する移動磁界となって鉄粉搬送装置10の搬送面151に載った鉄粉は搬送されることとなる。
【0036】
搬送面151を搬送する鉄粉は、搬送面151の下方に形成されているコア部112、溝部111を順に通過することになる。搬送されるワークが、研削盤で研削された鉄粉であれば、鉄粉は細かい粒状に形成されていることから、鉄芯11の溝部111の開口幅Bは比較的小さくてもよい。この場合、コア部112の頭部114は搬送方向長さAの長いものを使用する。また、ボール盤やフライス盤で削られた鉄粉は、比較的大きく形成されているから、開口幅Bを広く形成してもよい。この場合、コア部112の頭部114は搬送方向長さAの短いものを使用することとなる。実施形態では成形機3が研削盤であるから、開口幅Bは小さく形成されている。
【0037】
搬送面151上をスムーズに搬送された鉄粉は、鉄粉搬送装置10の他端で外部に配置された図示しない鉄粉受け皿に落下される。
【0038】
上述のように、実施形態の鉄粉搬送装置10は、細長状の鉄芯11に搬送方向に沿って溝部111を並設して形成し、溝部111に挿通したコイル13に三相交流電流を流すことによって移動磁界を発生させることができることから、非磁性材で形成された搬送面151上で鉄粉を搬送させることができる。これによって高価なオイルセパレータを使用しないで鉄粉を分離除去できることから廉価でメンテナンスフリーの鉄粉搬送装置10を提供することができる。
【0039】
しかも、鉄粉の大きさによって、鉄芯11に形成された溝部111の開口幅Bを可変にすることができることから、鉄粉の大きさにかかわらず、鉄粉をスムーズに搬送することができる。
【0040】
なお、本発明の切粉・鉄粉の搬送装置は、上記の形態に限定するものではない。例えば、コイルに流す電流を三相交流電流でなく二相の交流電流を流すようにしてもよい。この場合、二相交流は単相交流にコンデンサを入れて作り出すことができる。
【0041】
さらに、搬送面を形成する非磁性材のケース体は、電気抵抗の高い材料であれば、ステンレス材に限定するものではない。
【0042】
また、コイルに流す交流電流は、位相の異なる交流電流であれば、二相交流電流や三相交流電流以外でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】一形態の鉄粉分離搬送システムを示す簡略斜視図である。
【図2】図1における搬送装置の一部を示す分解斜視図である。
【図3】図1における鉄粉搬送装置の主要部を示す一部断面図である。
【図4】図2におけるコイルの巻回状態を示す結線図である。
【図5】図2における鉄芯を示す正面図である。
【図6】図5における鉄芯の構成を示す斜視図である。
【図7】別の形態による鉄芯の構成を示す断面図である。
【図8】さらに別の形態による鉄芯の構成を示す断面図である。
【図9】図2におけるコイルの三相交流電流を示す波形図である。
【図10】図9における3位置での合成磁界を示す波形図である。
【図11】従来のオイルセパレータを示す断面図である。
【図12】図11のオイルセパレータを使用する従来の鉄粉分離搬送システムを示す簡略斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1、鉄粉分離搬送ライン
3、研磨機(成形機械)
5、ポンプ
7、タンク
10、鉄粉搬送装置
11、鉄芯
111、溝部
112、コア部
113、胴体部
113a、水平溝
114、頭部
114a、係合突起部
13、コイル
131、巻線
15、ケース体
P1、時点
P2、時点
P3、時点
E、電源
A、搬送方向長さ
B、開口幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切粉・鉄粉の搬送方向に延設して形成されるとともに前記搬送方向に対して直交又は略直交あるいは傾斜する溝及び前記溝間に形成されるコアが搬送方向に複数並設された鉄芯と、前記溝に挿通されて前記鉄芯に巻回されるコイルと、前記切粉・鉄粉が搬送する搬送面を備え、前記コイルに位相の異なる交流電流を流して移動磁界を発生させることによって、切粉・鉄粉を前記搬送面に沿って搬送可能に構成される切粉・鉄粉の搬送装置であって、
搬送方向に沿って形成される前記溝の開口幅の長さが可変に形成されていることを特徴とする切粉・鉄粉の搬送装置。
【請求項2】
前記鉄芯に形成される溝には、前記コイルの第1の巻線、第2の巻線又は第3の巻線が搬送方向に沿って順番に挿通されていることを特徴とする請求項1記載の切粉・鉄粉の搬送装置。
【請求項3】
前記コアは、胴部と前記胴部より搬送方向に沿って広幅に形成された頭部とを有し、前記頭部は前記胴部に対して着脱可能に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の切粉・鉄粉の搬送装置。
【請求項4】
前記コアは、胴部と前記胴部より搬送方向に沿って広幅に形成された頭部とを有し、前記頭部の上面は、前記胴部に対して搬送方向に沿って拡縮可能に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の切粉・鉄粉の搬送装置。
【請求項5】
前記搬送面が、非磁性材又は弱磁性材あるいは薄板状の鉄板の部材上に形成されている非磁性材又は弱磁性材あるいは薄板状の鉄板で形成されていることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の切粉・鉄粉の搬送装置。
【請求項1】
切粉・鉄粉の搬送方向に延設して形成されるとともに前記搬送方向に対して直交又は略直交あるいは傾斜する溝及び前記溝間に形成されるコアが搬送方向に複数並設された鉄芯と、前記溝に挿通されて前記鉄芯に巻回されるコイルと、前記切粉・鉄粉が搬送する搬送面を備え、前記コイルに位相の異なる交流電流を流して移動磁界を発生させることによって、切粉・鉄粉を前記搬送面に沿って搬送可能に構成される切粉・鉄粉の搬送装置であって、
搬送方向に沿って形成される前記溝の開口幅の長さが可変に形成されていることを特徴とする切粉・鉄粉の搬送装置。
【請求項2】
前記鉄芯に形成される溝には、前記コイルの第1の巻線、第2の巻線又は第3の巻線が搬送方向に沿って順番に挿通されていることを特徴とする請求項1記載の切粉・鉄粉の搬送装置。
【請求項3】
前記コアは、胴部と前記胴部より搬送方向に沿って広幅に形成された頭部とを有し、前記頭部は前記胴部に対して着脱可能に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の切粉・鉄粉の搬送装置。
【請求項4】
前記コアは、胴部と前記胴部より搬送方向に沿って広幅に形成された頭部とを有し、前記頭部の上面は、前記胴部に対して搬送方向に沿って拡縮可能に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の切粉・鉄粉の搬送装置。
【請求項5】
前記搬送面が、非磁性材又は弱磁性材あるいは薄板状の鉄板の部材上に形成されている非磁性材又は弱磁性材あるいは薄板状の鉄板で形成されていることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の切粉・鉄粉の搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−167995(P2007−167995A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−366294(P2005−366294)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(000176958)三明電機株式会社 (37)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(000176958)三明電機株式会社 (37)
【Fターム(参考)】
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