説明

列車情報表示システムおよび列車情報表示装置

【課題】列車の運行情報を自列車内の乗客への影響度に応じて効率良く表示する列車情報表示装置を得ること。
【解決手段】路線内での各列車の運行状況に関する運行情報を列車内の車両で表示する列車情報表示システムにおいて、地上システム71は、列車の乗客に与える影響度情報を運行情報に付加して送受信装置64に送信し、コンテンツデータサーバ65は、通常運行時に表示させる運行情報以外の広告情報および行先案内情報の少なくとも一方を通常時提示情報として予め記憶し、指示出力装置41〜44は、送受信装置64が受信した影響度情報に対応する表示シーケンスに従った運行情報および通常時提示情報の表示指示を出力し、コンテンツ表示手段51〜54は、指示出力装置41からの表示指示に従った表示シーケンスで運行情報および通常時提示情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車の運行状況に関する情報を表示する列車情報表示システムおよび列車情報表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
交通手段として多くの人々に利用されている鉄道は、事故や災害等によって列車の運行遅延を引き起こす場合がある。このような列車の運行遅延などの運行状況に関する情報(運行情報)は、速やかに乗客に伝える必要がある。このため、従来、各車両の扉上部の鴨居部分にLCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置(表示媒体)を設置し、この表示装置に運行遅延などの運行情報を表示していた。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の列車搭載映像情報配信表示システムは、割込み信号がなければ、コマーシャル映像などを所定の順序で繰り返し表示している。そして、割込み信号が有ると、割込み信号に係る映像情報種別が、現在表示中の映像情報種別より優先度が高いか否かを判断している。新たな割込み信号に係る情報種別が現表示中の情報種別より優先度が高い場合には、現表示中の情報の表示を中止し、新たな割込み信号に係る情報を表示している。
【0004】
【特許文献1】特開2002−127905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術では、受信した運行情報が自列車の乗客に影響を及ぼす内容であるか否かに関わらず、全ての列車で同一の運行情報を表示している。このため、運行情報とは直接関係のない列車であっても、不要な運行情報を表示するので、広告や案内などの運行情報以外の情報を表示する時間が削減されてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、列車の運行情報を列車内の乗客への影響度に応じて効率良く表示する列車情報表示システムおよび列車情報表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、路線内での各列車の運行状況に関する運行情報を配信する運行情報配信機構と、前記運行情報配信機構からの運行情報を受信して自列車内の車両で表示する列車情報表示装置とを有する列車情報表示システムにおいて、前記運行情報配信機構は、前記運行情報に含まれる列車の運行状況が送信先の列車の乗客に与える影響度を判断するとともに前記影響度の判断結果を影響度情報として前記運行情報に付加して前記列車情報表示装置に送信し、前記列車情報表示装置は、前記運行情報配信機構から前記影響度情報が付加された運行情報を受信する受信装置と、通常運行時に表示させる前記運行情報以外の広告情報および行先案内情報の少なくとも一方を通常時提示情報として予め記憶しておく運行情報記憶部と、前記受信装置が前記運行情報を受信した場合に、前記影響度情報に対応する表示シーケンスに従った前記運行情報および前記通常時提示情報の表示指示を出力する指示出力装置と、前記指示出力装置からの表示指示に従った表示シーケンスで前記運行情報および前記通常時提示情報を表示する表示装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、列車の運行状況が乗客に与える影響度に応じた表示シーケンスで列車の運行情報を表示するので、列車の運行状況が乗客へ及ぼす影響度に応じて効率良く運行情報を表示することが可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明に係る列車情報表示システムおよび列車情報表示装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る列車情報配信システムの概略構成を示す図である。列車情報配信システム(列車情報表示システム)100は、複数の列車X1〜Xm(mは自然数)と地上システム(運行情報配信機構)71とを含んで構成されている。
【0011】
地上システム71は、各列車X1〜Xmに列車の運行情報(運行状況に関する情報)、広告情報(広告に関する情報)、案内情報(種々の案内に関する情報)などを配信する装置を有している。地上システム71は、各列車X1〜Xmと無線通信などによって通信を行なう。なお、各列車X1〜Xmは同様の構成を有するので、以下では列車X1を例にとって説明する。
【0012】
列車X1は、1〜複数の車両T1〜Tn(nは自然数)を有している。列車X1の先頭車両T1には、中央管理機構72として、地上システム71との間で情報の送受信を行なう送受信装置64と、送受信装置64が受信した情報(運行情報など)を各車両T1〜Tnへ中継する列車情報配信装置1とが配設されている。また、各車両T1〜Tnは、列車情報配信装置1と接続する情報表示機構73を備えている。各情報表示機構73は、広告情報、案内情報、列車情報配信装置1から配信される運行情報などを表示する。ここでの中央管理機構72と、1〜複数の(列車X1〜Xmの)情報表示機構73とが、特許請求の範囲に記載の列車情報表示装置に対応する。
【0013】
本実施の形態では、路線上で事故などが発生した際に、列車情報配信装置1が、自列車X1内の乗客への影響度に基づいて、影響度に応じた所定の表示シーケンスで各情報表示機構73に運行情報などを表示させる。
【0014】
つぎに、列車情報配信システム100の詳細な構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る列車情報配信システムの構成を示すブロック図である。図2では、列車X1の車両T1が地上システム71と無線接続している場合を示している。
【0015】
図2の列車情報配信システム100は、地上システム71、列車X1の中央管理機構72、車両T1の情報表示機構73を有している。地上システム71が地上に配置される地上設備であり、中央管理機構72と情報表示機構73が列車X1上に配置される車上設備である。
【0016】
地上システム71は、運行情報配信センター61、運行情報配信手段62、広告情報配信手段63を含んで構成されている。運行情報配信センター(運行情報配信装置)61は、運行情報配信手段62と通信回線(有線または無線)67を介して接続しており、運行情報配信手段62との間で種々の情報を送受信する。運行情報配信センター61は、事故の発生時などに運行情報(運転を見合わせている路線の情報など)を作成する。運行情報配信センター61は、作成した運行情報を、運行情報配信手段62へ送信する。運行情報配信センター61から運行情報配信手段62へは同じ運行情報を送る。
【0017】
運行情報配信手段62は、運行情報配信センター61からの運行情報を解析するとともに、解析結果に基づいて、運行情報内の運行状況(運転見合わせに関する情報など)が送信先の列車の乗客へ及ぼす影響を判断する。そして、運行情報配信手段62は、運行情報配信センター61からの運行情報に、送信先の列車に応じた情報(影響度の判断結果)(影響度情報)を付加して各列車へ運行情報を送信する。運行情報に付加される影響度情報は、例えば、運行の見合わせが自線であるか他線であるかの情報や、運行状況が乗客へ及ぼす影響度(重大や普通など)である。
【0018】
運行情報配信手段62は、例えばパケット通信回線68によって、中央管理機構72(列車X1の先頭車両T1)の送受信装置64との間で情報の送受信を行なう。運行情報配信手段62から送受信装置64へは、例えば運行情報が送信される。
【0019】
広告情報配信手段63は、大容量データ伝送回線69などによって中央管理機構72の送受信装置64との間で情報の送受信を行なう。広告情報配信手段63から送受信装置64へは、例えば広告情報や案内情報(行先案内や乗り換え案内など)が送信される。
【0020】
中央管理機構72は、送受信装置64、コンテンツデータサーバ65、列車情報配信装置1を有している。送受信装置64、コンテンツデータサーバ65、列車情報配信装置1は、それぞれ有線通信によって相互に接続されている。
【0021】
送受信装置64は、運行情報配信手段62、広告情報配信手段63から運行情報、広告情報、案内情報を受信する。送受信装置64は、受信した広告情報(動画)をコンテンツデータサーバ65に送信する。また、送受信装置64は、受信した広告情報(静止画)、案内情報をコンテンツデータサーバ65を介して指示出力装置41〜44に送信する。さらに、送受信装置64は、受信した運行情報を列車情報配信装置1と列車情報装置3とを介して指示出力装置41〜44に送信する。
【0022】
列車情報配信装置1は、情報表示機構73の列車情報装置3と接続しており、送受信装置64から送られてくる運行情報を列車情報装置3に中継する。また、列車情報配信装置1は、中央管理機構72のコンテンツデータサーバ65と接続している。
【0023】
コンテンツデータサーバ65は、送受信装置64からの広告情報を予め記憶しておく。コンテンツデータサーバ65は、送受信装置64からの広告情報を用いて、コンテンツ表示手段(表示装置)51〜54に表示させる画面をコンテンツ表示手段51〜54毎に作成する。コンテンツデータサーバ65は、作成した画面の情報を情報表示機構73の指示出力装置41〜44に入力する。
【0024】
情報表示機構73は、各車両(車両T1など)に配設されており、運行情報、広告情報、案内情報を表示する。情報表示機構73は、列車情報装置3、指示出力装置41〜44、コンテンツ表示手段51〜54を有している。
【0025】
列車情報装置3は、各指示出力装置41〜44に接続しており、列車情報配信装置1を介して送られてくる運行情報を指示出力装置41〜44に入力する。指示出力装置41(行先用)は、コンテンツ表示手段51(山側・行先用)に接続し、指示出力装置42(広告用)は、コンテンツ表示手段53(山側・広告用)に接続している。指示出力装置43(行先用)は、コンテンツ表示手段53(海側・行先用)に接続し、指示出力装置44(広告用)は、コンテンツ表示手段54(海側・広告用)に接続している。指示出力装置41〜44は、それぞれ、コンテンツ表示手段51〜54の画面表示を制御する。指示出力装置41〜44は、運行情報に付加されている影響度情報に基づいて、影響度情報に応じた表示シーケンスを判断し、この表示シーケンスで運行情報をコンテンツ表示手段51〜54に表示させる。
【0026】
コンテンツ表示手段51〜54は、LCDなどの表示手段を含んで構成されており、コンテンツデータサーバ65からの広告情報(動画)を表示するとともに、指示出力装置41〜44からの広告情報(静止画)、案内情報、運行情報を表示する。
【0027】
コンテンツ表示手段51は、車両T1の山側の扉近傍に配設される表示装置であり、通常運行時(運行情報を表示する必要がない場合)は行先などの案内情報を表示する。コンテンツ表示手段53は、車両T1の山側の扉近傍に配設される表示装置であり、通常運行時は広告情報を表示する。
【0028】
コンテンツ表示手段53は、車両T1の海側の扉近傍に配設される表示装置であり、通常運行時は行先などの案内情報を表示する。コンテンツ表示手段54は、車両T1の海側の扉近傍に配設される表示装置であり、通常運行時は広告情報を表示する。ここでの山側と海側は何れか一方が列車の進行方向右側であり、他方が進行方向の左側である。
【0029】
コンテンツ表示手段51は、例えばコンテンツ表示手段53よりも右側に配置され、コンテンツ表示手段53は、例えばコンテンツ表示手段54よりも右側に配置される。コンテンツ表示手段51に対応する画面とコンテンツ表示手段53に対応する画面は、山側の扉近傍(後述の表示領域81)に並べて表示する。また、コンテンツ表示手段53に対応する画面とコンテンツ表示手段54に対応する画面は、海側の扉近傍(表示領域81)に並べて表示する。
【0030】
なお、図2では情報表示機構73が4つの指示出力装置と4つのコンテンツ表示手段を備える場合について説明したが、情報表示機構73が3つ以下または5つ以上の指示出力装置と、3つ以下または5つ以上のコンテンツ表示手段を備える構成としてもよい。また、コンテンツ表示手段51〜54は、車両T1内の何れの位置に配置してもよい。
【0031】
ここで、指示出力装置41〜44の詳細な構成について説明する。なお、指示出力装置41〜44は同様の構成を有するので、ここでは指示出力装置41を例にとって説明する。図3は、指示出力装置の構成を示すブロック図である。指示出力装置41は、表示シーケンス読み取り回路11、割り込み発生回路13、表示指示回路12、表示シーケンス記憶回路(表示シーケンス記憶部)14を有している。表示シーケンス読み取り回路11は、割り込み発生回路13と表示指示回路12に接続し、表示指示回路12は表示シーケンス記憶回路14に接続している。
【0032】
指示出力装置41は、送受信装置64から送られてくる運行情報に基づいて、運行情報内に示される運行状況が何れのシーケンスで表示されるかを判断する。表示シーケンス読み取り回路11は、判断結果を割り込み発生回路13に入力する。表示シーケンス読み取り回路11は、例えば、自列車X1が運行している路線で事故が発生した場合などには、地上システム71から送られてくる影響度情報(自線への影響度が重大)をもとに、後述の表示シーケンスs1で運行情報などを表示することを、割り込み発生回路13に入力する。表示シーケンス読み取り回路11は、送受信装置64からの運行情報を表示指示回路12に送る。
【0033】
割り込み発生回路13は、表示させる表示シーケンスを表示シーケンス読み取り回路11から受けると、表示指示回路12に割り込み指令を出力する回路である。表示シーケンス記憶回路14は、通常運行時に表示させる通常時提示情報(広告情報と案内情報)の表示シーケンス、トラブル発生時に表示させる運行情報、広告情報、案内情報の表示シーケンスを記憶する回路である。表示シーケンス記憶回路14は、乗客への影響度毎に種々の表示シーケンスを予め記憶している。
【0034】
表示指示回路12は、表示シーケンス記憶回路14が記憶する表示シーケンスに従って運行情報、広告情報、案内情報などを所定の順番で表示する回路である。表示指示回路12は、通常運行の際には、表示シーケンス記憶回路14が記憶する通常運行時に表示させる表示シーケンスに従って広告情報と案内情報を表示する。
【0035】
表示指示回路12は、割り込み発生回路13から割り込み指令を受けた際には、表示シーケンス記憶回路14が記憶する表示シーケンス(乗客への影響度に応じた表示シーケンス)に従って運行情報、広告情報、案内情報を表示する。
【0036】
ここで、列車情報配信システム100内を流れる運行情報について説明する。何れかの列車が走行する路線内で事故などが発生すると、運行情報配信センター61から列車情報配信システム100内の各列車X1〜Xmへ運行情報が送信される。運行情報配信センター61から送出される運行情報は、通信回線67を介して運行情報配信手段62へ送られる。
【0037】
運行情報配信手段62は、パケット通信回線68によって、車上システム75に運行情報を送信する。ここでの車上システム75は、図2に示した中央管理機構72および情報表示機構73に対応する。
【0038】
車上システム75(中央管理機構72)の送受信装置64は、地上システム71(運行情報配信手段62)からの運行情報を受信する。送受信装置64は、受信した運行情報をて列車情報配信装置1および列車情報装置3を経由して指示出力装置41〜44に送信する。指示出力装置41〜44は、運行情報および地上システム71から送られてきた影響度情報をもとに表示シーケンスを判断し、運行情報をそれぞれコンテンツ表示手段51〜54に表示させる。
【0039】
また、広告情報や案内情報は、運行情報配信センター61から運行情報配信手段62を介して送受信装置64に送られる。この広告情報(動画)は、コンテンツデータサーバ65に格納され、コンテンツデータサーバ65から各コンテンツ表示手段51〜54に送られる。これにより、指示出力装置41〜44は、コンテンツデータサーバ65からの広告情報(動画)をそれぞれコンテンツ表示手段51〜54に表示させる。
【0040】
また、案内情報や広告情報(静止画)は、送受信装置64から指示出力装置41〜44に送信されて、指示出力装置41〜44に格納される。指示出力装置41〜44は、送受信装置64からの案内情報や広告情報(静止画)をそれぞれコンテンツ表示手段51〜54に表示させる。
【0041】
図4は、コンテンツ表示手段で表示する表示画面の一例を説明するための図である。表示領域81では、コンテンツ表示手段(広告表示器)52の画面とコンテンツ表示手段(行先案内表示器)51の画面を表示する。通常運行時、表示領域81には、広告情報を画面の左側に表示し、案内情報を画面の右側に表示する。なお、通常運行時、表示領域81に、広告情報を画面の右側に表示し、案内情報を画面の左側に表示してもよい。そして、運行情報配信センター61から運行情報が送信されてくると(事故などの発生時)、広告情報の画面(コンテンツ表示手段53の画面)に運行見合わせ区間の情報を表示(例えば全画面表示)する。さらに、案内情報の画面(コンテンツ表示手段51の画面)のうち、案内エリアB83の位置に運行情報を表示する。運行情報配信センター61から運行情報が送信されてきた場合であっても、表示領域81は案内情報の画面のうち案内エリアA82に案内情報(漢字、ローマ字、ひらがななどのテキスト文字)を表示する。
【0042】
コンテンツ表示手段53の画面で表示する運行見合わせ区間の情報や案内エリアB83で表示する運行情報は、例えば自線で発生した事故などを自線に関する運行情報として表示し、乗り入れない線で発生した事故などを他線(自車両が走行しない路線)に関する運行情報として表示する。
【0043】
運行見合わせ区間の情報や運行情報の受信は、自列車X1が運行情報配信手段62と無線通信を行なえるエリアで行なう。このとき、自列車X1は、運行情報配信手段62から運行情報として、運行状態が乗客に及ぼす影響度に関する情報(運行の見合わせが自線であるか他線であるかの情報、運転を見合わせる区間を示す情報(区間コード))などを受信する。
【0044】
なお、ここでは、自線で発生した事故などを自線に関する運行情報として表示し、乗り入れない線で発生した事故などを他線に関する運行情報として表示する場合について説明したが、自線で発生した事故などと乗り入れない線で発生した事故などとを両方とも自線に関する運行情報として表示してもよい。
【0045】
つぎに、指示出力装置41〜44の動作手順について説明する。図5は、指示出力装置の動作手順を示すフローチャートである。通常運行時、指示出力装置41〜44の表示指示回路12は、表示シーケンス記憶回路14から通常運行時の表示シーケンスを抽出し、この表示シーケンスに従った表示指示(広告情報と案内情報を表示させるための表示指示)をコンテンツ表示手段51〜54に送る。各指示出力装置41〜44は、コンテンツデータサーバ65から広告情報を受信するとともに、所定の表示シーケンス(通常運行時の表示シーケンス)で各コンテンツ表示手段51〜54に広告情報と案内情報を表示させる。コンテンツ表示手段51,53は、案内情報に対応する案内(行先案内など)を画面表示し、コンテンツ表示手段53、54は、広告情報に対応する広告を画面表示する(ステップS110)。
【0046】
この後、指示出力装置41の表示シーケンス読み取り回路11は、運行情報配信センター61から運行情報を受信したか否かを監視する。表示シーケンス読み取り回路11は運行情報を受信していなければ(ステップS120、No)、乗客への影響が無いことを示す判断結果を表示指示回路12に入力する。これにより、表示指示回路12は、表示シーケンス記憶回路14から抽出した通常運行時の表示シーケンスに基づいて、広告情報と案内情報の表示指示をコンテンツ表示手段51〜54に送る処理を継続する。列車情報装置3は、この表示指示を各指示出力装置41〜44に送り、各指示出力装置41〜44は、表示指示に従った表示シーケンスで各コンテンツ表示手段51〜54に広告情報や案内情報を表示させる(ステップS110)。
【0047】
一方、表示シーケンス読み取り回路11が運行情報を受信すると(ステップS120、Yes)、表示シーケンス読み取り回路11は受信した運行情報内に示される運行状況が何れの表示シーケンスで表示させるものであるかを判断する。表示シーケンス読み取り回路11が受信する運行情報は、例えば「AA線のA1駅〜A3駅で運転を見合わせています」といった内容の情報である。
【0048】
表示シーケンス読み取り回路11は、事故や天候障害などの発生した路線が、自線(自列車が走行している路線)であるか他線(自列車が走行していない路線)であるかの判断、運行を見合わせる時間(見合わせ予定時間)や列車の運行遅延時間などに基づいて乗客へ及ぼす影響度を判定する(ステップS130)。このとき、表示シーケンス読み取り回路11は、乗り入れ線で発生した事故を、自線で発生した運転の見合わせと判断してもよいし、他線で発生した運転の見合わせと判断してもよい。
【0049】
本実施の形態の表示シーケンス読み取り回路11は、例えば図6に示す影響度情報テーブル102に基づいて、運行状況が乗客へ及ぼす影響度を判定する。図6は、影響度情報テーブルの構成の一例を示す図である。なお、図6の影響度情報テーブル102では、運行状況が乗客へ及ぼす影響度を4段階で示しているが、運行状況が乗客へ及ぼす影響度は3段階以下で示してもよいし、5段階以上で示してもよい。
【0050】
影響度情報テーブル102は、「表示シーケンス」、「影響度」、「自線/他線」、「表示時間」が対応付けられた情報テーブルである。「影響度」は、運行状況が乗客へ及ぼす影響度であり、「影響度」の種類には「重大」、「大」、「小」、「無し」がある。「自線/他線」は、事故や天候障害などの発生した路線が、自線であるか他線であるかを示している。
【0051】
「表示シーケンス」は、「影響度」に応じた運行情報の表示シーケンスを識別する情報である。「影響度」が「重大」の「表示シーケンス」は、「s1」であり、「影響度」が「大」の「表示シーケンス」は、「s2」である。「影響度」が「小」の「表示シーケンス」は、「s3」であり、「影響度」が「無し」の「表示シーケンス」は、「s4」である。「表示時間」は、運行情報を表示する時間を示す情報である。「表示時間」が「長」を示す場合は、運行情報を長時間表示し、「表示時間」が「短」を示す場合は、「表示時間」が「長」の場合よりも短い時間だけ運行情報を表示する。「表示時間」が「中」を示す場合は、「表示時間」が「長」の場合よりも短い時間であって、「表示時間」が「短」の場合よりも長い時間だけ運行情報を表示する。
【0052】
運行情報配信手段62は、例えば、事故や天候障害などの発生した路線が「自線」であって、かつ運行を見合わせる時間または列車の運行遅延時間が所定時間(例えば10分)以上である場合に、乗客への影響度は「重大」であると判断する。
【0053】
また、運行情報配信手段62は、例えば、事故や天候障害などの発生した路線が「他線」であって、かつ運行を見合わせる時間または列車の運行遅延時間が所定時間(例えば10分)以上である場合に、乗客への影響度は「大」であると判断する。
【0054】
また、運行情報配信手段62は、例えば、運行を見合わせる時間または列車の運行遅延時間が所定時間(例えば10分)未満である場合に、乗客への影響度は「小」であると判断する。また、表示シーケンス読み取り回路11は、運行情報を受信していない場合に、乗客への影響は「無し」であると判断する。
【0055】
運行情報配信手段62は、送信先の列車の乗客への影響を判断し、その判断結果を影響度情報として、列車に送信する。指示出力装置41の表示シーケンス読み取り回路11では、影響度が「重大」、「大」または「小」の場合、地上システム71からの影響度情報をもとに、表示シーケンスを判断し、判断結果を割り込み発生回路13に入力する。本実施の形態の表示シーケンス読み取り回路11は、例えば運行情報を受信した場合に、乗客への影響があることを示す情報を割り込み発生回路13に入力する。割り込み発生回路13は、表示指示回路12へ割り込み指令を入力する。また、表示シーケンス読み取り回路11は、乗客への影響がある場合、影響度の判断結果(「重大」、「大」または「小」)を表示指示回路12に入力する。
【0056】
表示指示回路12は、結果に応じた表示シーケンスを表示シーケンス記憶回路14から抽出し、抽出した表示シーケンスに従って運行情報、広告情報、案内情報を表示するように表示指示をコンテンツ表示手段51〜54に送る。具体的には、各指示出力装置41〜44は、列車情報装置3からの表示指示に対応する表示シーケンスs1〜s4を記憶しており、この表示シーケンスs1〜s4に従った運行情報などの表示指示をコンテンツ表示手段51〜54に行なう(ステップS140)。これにより、コンテンツ表示手段51〜54では、影響度の判断結果に応じた表示シーケンスで運行情報、広告情報、案内情報を表示する。
【0057】
表示指示回路12は、通常運行の際には、表示シーケンス記憶回路14が記憶する通常運行時に表示させる表示シーケンス「s4」に従って広告情報と案内情報を表示するようコンテンツ表示手段51〜54に表示指示を送る。
【0058】
図7および図8は、通常運行時の表示シーケンスの一例を示す図である。図7では、扉が開く側(開扉側)の表示領域81に表示させる情報(旅客案内情報)の表示シーケンス「s4」(シーケンス情報91A)を示している。また、図8では、扉が閉まる側(閉扉側)の表示領域81に表示させる情報の表示シーケンス「s4」(シーケンス情報91B)を示している。
【0059】
シーケンス情報91A,91Bには、旅客案内表示として、自列車が駅に停車している際に表示する情報、自列車が走行を開始してから次駅の到着予告を表示するまでに表示する情報、自列車が所定の距離だけ停車駅に近づいた際に表示する情報などが設定されている。
【0060】
案内エリアAでは、列車の走行状態に応じて、「ただいま○○です」、「つぎは△△です」、「まもなく××です」などのメッセージを表示する。また、案内エリアBでは、路線案内など複数の案内(案内コンテンツ)を順番に表示する。
【0061】
例えば、シーケンス情報91Aに示すように、駅に停車中は開扉側の案内エリアAで「ただいま○○駅です」などのメッセージを表示し、開扉側の案内エリアBで案内コンテンツA1を表示する。また、シーケンス情報91Bに示すように、駅に停車中は閉扉側の案内エリアAで「ただいま○○駅です」などのメッセージを表示し、閉扉側の案内エリアBで案内コンテンツA1を表示する。さらに、列車の走行中に開扉側および閉扉側の案内エリアBでは、案内コンテンツB1〜B7を表示する。なお、列車の走行中に案内エリアBで全ての案内コンテンツB1〜B7の表示を完了した場合、案内エリアBでは繰り返し同じ案内コンテンツB1〜B7を表示する。なお、ここでは、案内コンテンツを案内コンテンツB1〜B7までの7枚(7つ)としているが、案内コンテンツは6枚以下であってもよいし8枚以上であってもよい。
【0062】
表示指示回路12は、「影響度」が「重大」の場合に、表示シーケンス「s1」に従って、運行情報、広告情報、案内情報を表示するようコンテンツ表示手段51〜54に表示指示を送る。これにより、広告表示器(コンテンツ表示手段53,54)では、通常運行の際に表示している広告に対して運転区間見合わせ区間の路線図を割り込み表示(全画面表示)する。行先案内表示器(コンテンツ表示手段51,53)では、表示シーケンス「s1」に従って、運行情報と案内情報を表示する。
【0063】
表示指示回路12(列車情報装置3)から広告表示器への運転見合わせ区間の路線図の割り込みタイミング(表示指示)は、行先案内表示器への運行情報の表示指示(現在表示中の案内情報の消去タイミング)と同時とする。これにより、広告表示器による運転見合わせ区間の路線図の表示と、行先案内表示器による運行情報の表示は、同期して表示されることとなる。
【0064】
図9および図10は、乗客への影響度が重大な場合の表示シーケンスの一例を示す図である。図9では、開扉側の表示領域81に表示させる情報(運行情報、広告情報、案内情報)の表示シーケンス「s1」(シーケンス情報201A)を示している。また、図10では、閉扉側の表示領域81に表示させる情報の表示シーケンス「s1」(シーケンス情報201B)を示している。
【0065】
シーケンス情報201A,201Bには、自列車が駅に停車している際に表示する情報、自列車が走行を開始してから次駅の到着予告を表示するまでに表示する情報、自列車が所定の距離だけ停車駅に近づいた際に表示する情報などが設定されている。
【0066】
案内エリアAでは、列車の走行状態に応じて、「ただいま○○です」、「つぎは△△です」、「まもなく××です」などのメッセージを表示する。また、案内エリアBでは、列車の走行状態に応じて、路線案内など複数の案内や運行情報を順番に表示する。さらに、広告表示器(コンテンツ表示手段52,54)では、運転を見合わせている路線の情報(運転見合わせ路線図)を表示し続ける。
【0067】
例えば、シーケンス情報201Aに示すように、駅に停車中は開扉側の案内エリアAで「ただいま○○駅です」などのメッセージを表示し、開扉側の案内エリアBで運行情報を表示する。
【0068】
また、自列車が走行を開始してから次駅の到着予告を表示するまでの間、開扉側の案内エリアBでは、運行情報、案内コンテンツB1、案内コンテンツB2を順番に繰り返し表示する。なお、ここでは、案内コンテンツを案内コンテンツB1,B2の2枚としているが、案内コンテンツは1枚であってもよいし3枚以上であってもよい。このとき、開扉側の案内エリアBでは、運行情報を表示し続ける。また、自列車が所定の距離(Z1)だけ停車駅に近づいた際には、開扉の方向を案内するまでの間、開扉側の案内エリアBで運行情報を繰り返し表示する。また、自列車が所定の距離(Z2)(Z1>Z2)だけ停車駅に近づいた際には、開扉側の案内エリアBで、案内コンテンツC2を表示する。また、自列車が所定の距離(Z1)だけ停車駅に近づいた後、開扉側の案内エリアBでは、運行情報を表示し続ける。
【0069】
また、シーケンス情報201Bに示すように、駅に停車中は開扉側の案内エリアAで「ただいま○○駅です」などのメッセージを表示し、開扉側の案内エリアBで運行情報を表示する。また、自列車が走行を開始してから次駅の到着予告を表示するまでの間、開扉側の案内エリアBでは、運行情報、案内コンテンツB1、案内コンテンツB2を順番に繰り返し表示する。なお、ここでは、案内コンテンツを案内コンテンツB1,B2の2枚としているが、案内コンテンツは1枚であってもよいし3枚以上であってもよい。このとき、開扉側の案内エリアBでは、運行情報を表示し続ける。また、自列車が所定の距離(Z1)だけ停車駅に近づいた際には、開扉の方向を案内するまでの間、開扉側の案内エリアBで運行情報を繰り返し表示する。また、自列車が所定の距離(Z2)(Z1>Z2)だけ停車駅に近づいた際には、開扉側の案内エリアBで、案内コンテンツC2を表示する。また、自列車が所定の距離(Z1)だけ停車駅に近づいた後、開扉側の案内エリアBでは、運行情報を表示し続ける。
【0070】
なお、駅停車時の運行情報の表示中に列車が発車した場合、自列車が所定の距離(Z1)だけ停車駅に近づいた際や次駅に到着してドアを開く時に、開扉側の案内エリアBで運行情報を頭出しして最初から表示する。
【0071】
表示指示回路12は、「影響度」が「大」の場合に、表示シーケンス「s2」に従って、運行情報、広告情報、案内情報を表示するようコンテンツ表示手段51〜54に表示指示を送る。図11および図12は、乗客への影響度が大きい場合の表示シーケンスの一例を示す図である。図11では、開扉側の表示領域81に表示させる情報(運行情報、広告情報、案内情報)の表示シーケンス「s2」(シーケンス情報202A)を示している。また、図12では、閉扉側の表示領域81に表示させる情報の表示シーケンス「s2」(シーケンス情報202B)を示している。
【0072】
シーケンス情報202A,202Bには、自列車が駅に停車している際に表示する情報、自列車が走行を開始してから次駅の到着予告を表示するまでに表示する情報、自列車が所定の距離だけ停車駅に近づいた際に表示する情報などが設定されている。
【0073】
案内エリアAでは、列車の走行状態に応じて、「ただいま○○です」、「つぎは△△です」、「まもなく××です」などのメッセージを表示する。また、案内エリアBでは、路線案内など複数の案内を順番に表示する。さらに、広告表示器(コンテンツ表示手段52,54)では、列車の走行状態に応じて、運転見合わせ路線図と広告を表示する。
【0074】
例えば、シーケンス情報202Aに示すように、駅に停車中は開扉側の案内エリアAで「ただいま○○駅です」などのメッセージを表示し、開扉側の案内エリアBで案内コンテンツA1を表示する。このとき、広告表示器では、広告表示を行なう。
【0075】
また、自列車が走行を開始してから次駅の到着予告を表示するまでの間、開扉側の案内エリアBでは、運行情報、案内コンテンツB1〜B3、運行情報、案内コンテンツB4〜B7を順番に繰り返し表示する。なお、ここでは、案内コンテンツを案内コンテンツB1〜B3の3枚としているが、案内コンテンツは2枚以下であってもよいし4枚以上であってもよい。また、ここでは、案内コンテンツを案内コンテンツB4〜B7の4枚としているが、案内コンテンツは3枚以下であってもよいし5枚以上であってもよい。
【0076】
なお、列車が駅を出発して走行を開始する度に、開扉側の案内エリアBで運行情報を頭出しして最初から表示する。案内エリアBで運行情報を表示する際に、広告表示器では、運転見合わせ路線図を表示する。
【0077】
また、自列車が所定の距離(Z1)だけ停車駅に近づいた際には、開扉の方向を案内するまでの間、開扉側の案内エリアBで案内コンテンツC1を表示する。また、自列車が所定の距離(Z2)(Z1>Z2)だけ停車駅に近づいた際には、開扉側の案内エリアBで案内コンテンツC2を表示する。
【0078】
また、シーケンス情報202Bに示すように、駅に停車中は閉扉側の案内エリアAで「ただいま○○駅です」などのメッセージを表示し、閉扉側の案内エリアBで運行情報を表示する。このとき、広告表示器では、運転見合わせ路線図の表示を行なう。
【0079】
また、自列車が走行を開始してから次駅の到着予告を表示するまでの間、閉扉側の案内エリアBと広告表示器では、シーケンス情報202Aの表示シーケンスと同様の手順によって情報の表示を行なう。
【0080】
さらに、自列車が所定の距離だけ停車駅に近づいた際には、閉扉側の案内エリアBと広告表示器では、シーケンス情報202Aの表示シーケンスと同様の手順によって情報の表示を行なう。なお、駅停車時の運行情報の表示中に列車が発車した場合、次駅に到着してドアを開く時に、開扉側の案内エリアBで運行情報を頭出しして最初から表示する。
【0081】
図9〜図12に示したように、乗客への影響度が「重大」な場合に用いるシーケンス情報201A,201Bの方が、乗客への影響度が「大」な場合に用いるシーケンス情報202A,202Bよりも、運行情報や運転見合わせ路線を表示する設定時間が長い。したがって、乗客への影響度が「重大」の場合には、乗客への影響度が「大」の場合よりも、開扉側および閉扉側で運行情報や運転見合わせ路線を長時間表示できる。
【0082】
表示指示回路12は、「影響度」が「小」の場合に、表示シーケンス「s3」に従って、運行情報、広告情報、案内情報を表示する。図13および図14は、乗客への影響度が小さい場合の表示シーケンスの一例を示す図である。図13では、開扉側の表示領域81に表示させる情報(運行情報、広告情報、案内情報)の表示シーケンス「s3」(シーケンス情報203A)を示している。また、図14では、閉扉側の表示領域81に表示させる情報の表示シーケンス「s3」(シーケンス情報203B)を示している。
【0083】
シーケンス情報203A,203Bには、自列車が駅に停車している際に表示する情報、自列車が走行を開始してから次駅の到着予告を表示するまでに表示する情報、自列車が所定の距離だけ停車駅に近づいた際に表示する情報などが設定されている。
【0084】
案内エリアAでは、列車の走行状態に応じて、「ただいま○○です」、「つぎは△△です」、「まもなく××です」などのメッセージを表示する。また、案内エリアBでは、列車の走行状態に応じて、路線案内など複数の案内や運行情報を順番に表示する。このとき、広告表示器(コンテンツ表示手段52,54)では、広告表示を行ない続ける。
【0085】
開扉側の案内エリアBでは、シーケンス情報203Aに従った情報表示としてシーケンス情報202Aの表示シーケンスと同様の順番によって情報の表示を行なう。本実施の形態では、シーケンス情報202Aに従った情報表示の方がシーケンス情報203Aに従った情報表示よりも運行情報を表示する時間が長くなるようシーケンス情報202A,203Aを設定しておく。これにより、乗客への影響度が「大」の場合には、乗客への影響度が「小」の場合よりも、開扉側で運行情報を長時間表示できる。
【0086】
また、閉扉側の案内エリアBでは、シーケンス情報203Bに従った情報表示としてシーケンス情報202Bの表示シーケンスと同様の順番によって情報の表示を行なう。本実施の形態では、シーケンス情報202Bに従った情報表示の方がシーケンス情報203Bに従った情報表示よりも運行情報を表示する時間が長くなるようシーケンス情報202B,203Bを設定しておく。これにより、乗客への影響度が「大」の場合には、乗客への影響度が「小」の場合よりも、閉扉側で運行情報を長時間表示できる。
【0087】
つぎに、運転見合わせ路線(運転見合わせ区間)の表示例について説明する。図15および図16は、運転見合わ区間の表示例を示す図である。図15は、山側の扉近傍に配設される広告表示器(コンテンツ表示手段53)で表示される運転見合わせ区間の一例であり、図16は海側の扉近傍に配設される広告表示器(コンテンツ表示手段54)で表示される運転見合わせ区間の一例である。
【0088】
広告表示器では、自列車が走行する路線と、この路線と乗り継ぎが可能な路線、この路線と乗り継ぎ可能でない路線などを表示する。広告表示器は、例えば、現在、自らの鉄道会社が保有している路線の全てを表示する。このとき、各路線の主要駅も路線とともに表示する。広告表示器を正面から見た場合に、実際に始発駅と終着駅が位置する方向(配置方向)に図15および図16の路線図が対応するよう、広告表示器で路線および主要駅を表示する。そして、運転見合わせの発生した区間を例えばバツ印などによって表示する。図15および図16では、AA線のB2駅からA4駅までの区間が運転見合わせである場合を示している。
【0089】
つぎに、列車X1が運行情報配信手段62から運行情報とともに受信する運転見合わせ区間コードについて説明する。表示指示回路12は、運転見合わせ区間コードに対応する運転見合わせ区間を抽出し、抽出した運転見合わせ区間をバツ印などによって広告表示器に表示させる。このとき、表示指示回路12は、後述の運転見合わせ区間情報(運転見合わせ区間コードと運転見合わせ区間の対応関係を示す情報)の中から、受信した運転見合わせ区間コードに対応する運転見合わせ区間を抽出する。
【0090】
図17は、運転見合わせ区間情報の一例を示す図である。運転見合わせ区間情報は、「運転見合わせ区間コード」、「路線」、「運転見合わせ区間」、「表示路線名」がそれぞれ対応付けされた情報テーブルである。例えば、「路線」が「AA」で「運転見合わせ区間」が「A1〜A3」(A1駅からA3駅)である場合の「運転見合わせ区間コード」は「001」である。広告表示器に運転見合わせ区間を表示する際には、「表示路線名」に示される路線名を表示する。なお、図17では、運転見合わせ区間情報が4つの情報(要素)で構成されている場合について説明したが、運転見合わせ区間情報は3つ以下の情報または5つ以上の情報によって構成してもよい。
【0091】
つぎに、案内エリアB83で表示する運行情報の一例について説明する。図18は、運行情報の表示例を示す図である。案内エリアB83では、運行情報103−1〜103−Mとして例えば運行を見合わせている路線名、運行を見合わせている区間を運行情報毎に表示(テキスト入力形式で表示)(ベタ打ち表示)する。
【0092】
案内エリアB83は、例えば1行目にタイトルを表示する。そして、2行目以降に運行情報の本文を表示する。本文として、案内エリアB83は、BB線のB2駅からA4駅を表示するとともに、この区間での運行状況として「事故による運転見合わせにより、上下線とも不通になっております」といった内容のメッセージを表示する。
【0093】
運行情報が複数件の場合に、各運行情報を運行情報毎にテキスト入力形式で表示させてもよいし、運行情報が1件の場合に、運行情報をテキスト入力形式で表示させてもよい。運行情報が複数件の場合、例えば1つの表示画面(ページ)に1つの運行情報を表示させる。そして、次の運行情報を表示させる場合には、次の表示画面(ページ)に切替えて運行情報を表示させる。これにより、各運行情報を順番にテキスト入力形式で表示させていく。なお、1画面に表示できる運行情報には限りがあるので、所定の文字数(例えば120字)を超える運行情報を表示する際には、他の画面を用いることによって複数画面で運行情報を表示する。
【0094】
複数の運行情報がある場合、案内エリアB83では、複数の運行情報103−1〜103−Mを、順番に表示(テキスト入力形式で表示)してもよいし、一覧表(後述の運行一覧情報104)(表形式)として複数件を同時に表示してもよい。図19は、複数の運行情報を同時に表示する場合の表示例を示す図である。また、複数の運行情報103−1〜103−Mを、順番にテキスト入力形式で表示した後に、一覧表にして複数件を同時に表示してもよい。また、複数の運行情報103−1〜103−Mを、一覧表にして複数件を同時に表示した後、各運行情報103−1〜103−Mをテキスト入力形式で順番に表示してもよい。また、運行情報が1件の場合に、運行情報を表形式で表示してもよい。また、1件の運行情報を、テキスト入力形式で表示した後に、表形式で表示してもよい。また、1件の運行情報を、表形式で表示した後、テキスト入力形式で表示してもよい。
【0095】
運行一覧情報104では、「路線」、「区間」、「方向」、「状況」、「原因」の各情報が対応付けされている。「路線」は、AA線、BB線などの路線(路線名)を示す情報であり、「区間」は、運行を見合わせている区間を示す情報である。「方向」は、運行を見合わせている区間が上りであるか下りであるか、上りと下りの両方であるかを示す情報である。「状況」は、運転見合わせや運転再開などの運行状況を示す情報であり、「原因」は、運転見合わせなどに至った原因(事故や悪天候など)を示す情報である。運行一覧情報104では、これらの「路線」、「区間」、「方向」、「状況」、「原因」の各情報を一覧表として表示することによって、複数件の運行情報を同時に表示する。なお、運行一覧情報104を、「路線」、「区間」、「方向」、「状況」、「原因」の5つの情報で構成する場合に限らず、運行一覧情報104を4つ以下の情報で構成してもよいし、6つ以上の情報で構成してもよい。
【0096】
表示シーケンス「s1」〜「s3」に従った運行情報などの表示は、運行情報配信センター61から平復情報(運転見合わせの解除)を受信した場合や、列車X1の操作者(車掌など)によって運行情報の非表示指示が入力(非表示キーが選択)された場合に、通常運行時の情報表示にリセットする。
【0097】
平復情報を受信した場合、指示出力装置41で記憶している運行情報(平復情報で指定された運行情報)を消去するとともに、行先案内表示器で表示している運行情報を消去する。また、運行情報の非表示指示が入力(消去指令操作が実施)された場合には、運行情報の次回の表示タイミングから運行情報を消去する。広告表示器では、行先案内表示器での運行情報の消去と同じタイミングで、運転見合わせ区間の路線図を消去する。
【0098】
なお、広告表示器で運行見合わせ区間の路線図を表示した場合、運行見合わせ区間の路線図を表示した時間を広告表示の表示実績に積算してもよい。また、本実施の形態では、広告表示器と行先案内表示器の2画面で運行情報と運転見合わせ区間の路線図を表示することとしたが、1画面で運行情報と運転見合わせ区間の路線図を表示してもよい。また、図7〜図14に示した表示シーケンスは、一例であり、他の表示シーケンスによって運行情報や運転見合わせ区間の路線図を表示してもよい。
【0099】
このように実施の形態1によれば、路線上で事故などが発生した際に、自列車X1内の乗客への影響度に基づいて、影響度に応じた表示シーケンスで運行情報などを表示させるので、乗客への影響度に応じた効率の良い運行情報を乗客に提供することが可能となる。
【0100】
これにより、乗客への影響度が大きい場合には、長時間に渡って運行情報を表示できる。また、乗客への影響度が小さい場合には、短時間だけ運行情報を表示することによって、広告情報の表示や案内情報の表示への無駄な割込みを回避することができる。
【0101】
また、運行情報とともに、運転見合わせ区間の路線図を表示するので、運転を見合わせている区間を乗客に容易に認識させることが可能となる。また、運行情報が複数件ある場合には、表形式で複数の運行情報を同時に表示するので、乗客に複数件の運行情報を分かり易く伝えることが可能となる。
【0102】
また、予め表示シーケンス記憶回路14で乗客への影響度毎に種々の表示シーケンスを記憶しているので、乗客への影響度に応じた表示シーケンスで容易に運行情報などを表示することが可能となる。
【0103】
また、運行情報は、列車の運転の見合わせに関する情報を有しているので、列車に運転の見合わせがあって、乗客へ影響を及ぼす場合に、乗客への影響度に応じた表示シーケンスで運行情報などを表示することが可能となる。
【0104】
また、運転見合わせが自線であるか他線であるかに基づいて、自列車の乗客に与える影響度を判定しているので、乗客への影響度を適切かつ容易に判断することができる。また、列車の運行遅延時間に基づいて、自列車の乗客に与える影響度を判定しているので、乗客への影響度を適切かつ容易に判断することができる。
【0105】
また、運行情報として、列車の運転を見合わせている路線に関する情報、列車の運転を見合わせている区間に関する情報、列車の運転を見合わせている運行方向に関する情報、列車の運転を見合わせている原因に関する情報を表示するので、適切かつ詳細な運行情報を乗客に提供することが可能となる。
【0106】
実施の形態2.
つぎに、図1、図2、図20および図21を用いてこの発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、列車情報配信装置(影響度判断装置)1が、運行の見合わせが自線であるか他線であるかの判断や、運行状況が乗客へ及ぼす影響度(重大や普通など)の判断を行なう。
【0107】
本発明の実施の形態2に係る列車情報配信システムは、図1および図2に示した実施の形態1に係る列車情報配信システム100と同様の構成を有しており、重複する説明は省略する。
【0108】
本実施の形態の列車X1には、先頭車両T1に、送受信装置64と、送受信装置64が受信した運行情報などを各車両T1〜Tnへ配信する列車情報配信装置1とが配設されている。
【0109】
また、本実施の形態の列車情報配信システム100では、運行情報配信センター61から各列車X1〜Xmへ同じ運行情報を送る。そして、各列車X1〜Xmの送受信装置64は、受信した運行情報をそれぞれの列車情報配信装置1に入力する。列車情報配信装置1は、運行情報を解析するとともに、解析結果に基づいて、運行情報内の運行状況(運転見合わせに関する情報など)が自列車X1内の乗客へ及ぼす影響を判断する。そして、自列車X1内の乗客への影響度に応じた表示シーケンスで運行情報を表示するよう、列車情報装置3に指示情報(表示指示)を送信する。
【0110】
列車情報装置3は、各指示出力装置41〜44に接続しており、列車情報配信装置1からの指示情報と運行情報を指示出力装置41〜44に入力する。指示出力装置41〜44は、列車情報装置3からの指示情報に基づいて、所定の表示シーケンスで運行情報をコンテンツ表示手段51〜54に表示させる。コンテンツ表示手段51〜54は、列車情報配信装置1からの運行情報やコンテンツデータサーバ65からの広告情報、案内情報を表示する。
【0111】
ここで、列車情報配信装置1の詳細な構成について説明する。図20は、実施の形態2に係る列車情報配信装置の構成を示すブロック図である。列車情報配信装置1は、表示シーケンス読み取り回路21、割り込み発生回路23、表示指示回路22、表示シーケンス記憶回路(表示シーケンス記憶部)14を有している。表示シーケンス読み取り回路21は、割り込み発生回路23と表示指示回路22に接続し、表示指示回路22は表示シーケンス記憶回路24に接続している。
【0112】
表示シーケンス読み取り回路21は、送受信装置64から送られてくる運行情報に基づいて、運行情報内に示される運行状況が自列車X1内の乗客へ及ぼす影響を判断する回路である。表示シーケンス読み取り回路21は、判断結果を割り込み発生回路23に入力する。表示シーケンス読み取り回路21は、例えば、自列車X1が運行している路線で事故が発生した場合などに、乗客への影響度が大きいことを示す判断結果を割り込み発生回路23に入力する。表示シーケンス読み取り回路21は、自列車X1内の乗客へ影響を及ぼす(影響度「重大」や影響度「小」)と判断した場合、送受信装置64からの運行情報を表示指示回路22に送る。
【0113】
割り込み発生回路23は、割り込み発生回路13と同様に、自列車X1内の乗客へ影響を及ぼすと判断された判断結果を影響度判断回路11から受けると、表示指示回路12に割り込み指令を出力する回路である。
【0114】
表示シーケンス記憶回路24は、表示シーケンス記憶回路14と同様に、通常運行時に表示させる広告情報と案内情報の表示シーケンス、トラブル発生時に表示させる運行情報、広告情報、案内情報の表示シーケンスを記憶する回路である。表示シーケンス記憶回路24は、乗客への影響度毎に種々の表示シーケンスを予め記憶している。
【0115】
表示指示回路22は、表示シーケンス記憶回路24が記憶する表示シーケンスに従って運行情報、広告情報、案内情報などを所定の順番で表示するよう列車情報装置3に表示指示を出力する。
【0116】
表示指示回路22は、通常運行の際には、表示シーケンス記憶回路24が記憶する通常運行時に表示させる表示シーケンスに従って広告情報と案内情報を表示するよう列車情報装置3に表示指示を出力する。
【0117】
表示指示回路22は、割り込み発生回路23から割り込み指令を受けた際(路線でのトラブル発生時)には、表示シーケンス記憶回路24が記憶するトラブル発生時に表示させる表示シーケンス(乗客への影響度に応じた表示シーケンス)に従って運行情報、広告情報、案内情報を表示するよう列車情報装置3に表示指示を出力する。
【0118】
ここで、本実施の形態に係る列車情報配信システム100内を流れる運行情報について説明する。何れかの列車が走行する路線内で事故などが発生すると、運行情報配信センター61から列車情報配信システム100内の各列車X1〜Xmへ運行情報が送信される。運行情報配信センター61から送出される運行情報は、通信回線67を介して運行情報配信手段62へ送られる。
【0119】
運行情報配信手段62は、パケット通信回線68によって、車上システム75に運行情報を送信する。ここでの車上システム75は、図2に示した中央管理機構72および情報表示機構73に対応する。
【0120】
車上システム75(中央管理機構72)の送受信装置64は、地上システム71(運行情報配信手段62)からの運行情報を受信する。送受信装置64は、受信した運行情報を運行情報として列車情報配信装置1に送信する。列車情報配信装置1は、運行情報の示す運行状況が、自列車内の乗客へ影響を及ぼす運行状況である場合(例えば、自列車の走行する路線内で事故などが発生した場合)、運行情報を列車情報装置3を介して指示出力装置41〜44へ送る。指示出力装置41〜44は、列車情報装置3からの運行情報をそれぞれコンテンツ表示手段51〜54に表示させる。なお、広告情報(動画や静止画)、案内情報は、実施の形態1と同様の処理によってコンテンツ表示手段51〜54に表示させるので、その説明は省略する。
【0121】
つぎに、列車情報配信システム100(列車情報配信装置1)の動作手順について説明する。図21は、実施の形態2に係る列車情報配信装置の動作手順を示すフローチャートである。通常運行時、列車情報配信装置1の表示指示回路22は、表示シーケンス記憶回路24から通常運行時の表示シーケンスを抽出し、この表示シーケンスに従った表示指示(広告情報と案内情報を表示させるための表示指示)を列車情報装置3に送る。列車情報装置3は、列車情報配信装置1からの表示指示を各指示出力装置41〜44に送る。各指示出力装置41〜44は、コンテンツデータサーバ65から広告情報と案内情報を受信するとともに、列車情報装置3からの表示指示に従った表示シーケンスで各コンテンツ表示手段51〜54に広告情報と案内情報を表示させる。コンテンツ表示手段51,53は、案内情報に対応する案内(行先案内など)を画面表示し、コンテンツ表示手段53、54は、広告情報に対応する広告を画面表示する(ステップS210)。
【0122】
この後、列車情報配信装置1の表示シーケンス読み取り回路21は、運行情報配信センター61から運行情報を受信したか否かを監視する。表示シーケンス読み取り回路21は運行情報を受信していなければ(ステップS220、No)、乗客への影響が無いことを示す判断結果を表示指示回路22に入力する。これにより、表示指示回路22は、表示シーケンス記憶回路24から抽出した通常運行時の表示シーケンスに基づいて、広告情報と案内情報の表示指示を列車情報装置3に送る処理を継続する。列車情報装置3は、この表示指示を各指示出力装置41〜44に送り、各指示出力装置41〜44は、表示指示に従った表示シーケンスで各コンテンツ表示手段51〜54に広告情報や案内情報を表示させる(ステップS210)。
【0123】
一方、表示シーケンス読み取り回路21が運行情報を受信すると(ステップS220、Yes)、表示シーケンス読み取り回路21は受信した運行情報内に示される運行状況が自列車X1内の乗客へ及ぼす影響を判断する。表示シーケンス読み取り回路21が受信する運行情報は、例えば「AA線のA1駅〜A3駅で運転を見合わせています」といった内容の情報である。
【0124】
表示シーケンス読み取り回路21は、事故や天候障害などの発生した路線が、自線(自列車が走行している路線)であるか他線(自列車が走行していない路線)であるかの判断、運行を見合わせる時間(見合わ予定時間)や列車の運行遅延時間などに基づいて乗客へ及ぼす影響度を判定する(ステップS230)。このとき、表示シーケンス読み取り回路21は、乗り入れ線で発生した事故を、自線で発生した運転の見合わせと判断してもよいし、他線で発生した運転の見合わせと判断してもよい。
【0125】
本実施の形態の表示シーケンス読み取り回路21は、実施の形態1の表示シーケンス読み取り回路11と同様に、例えば図6に示す影響度情報テーブル102に基づいて、運行状況が乗客へ及ぼす影響度を判定する。
【0126】
表示シーケンス読み取り回路21は、乗客への影響がある場合(影響度が「重大」、「大」または「小」の場合)、乗客への影響があることを示す情報(判断結果)を割り込み発生回路23に入力する。本実施の形態の表示シーケンス読み取り回路21は、例えば運行情報を受信した場合に、乗客への影響があることを示す情報を割り込み発生回路23に入力する。割り込み発生回路23は、表示指示回路22へ割り込み指令を入力する。また、表示シーケンス読み取り回路21は、乗客への影響がある場合、影響度の判断結果(「重大」、「大」または「小」)を表示指示回路22に入力する。
【0127】
表示指示回路22は、影響度の判断結果に応じた表示シーケンスを表示シーケンス記憶回路24から抽出し、抽出した表示シーケンスに従って運行情報、広告情報、案内情報を表示するよう列車情報装置3に表示指示を出力する。この表示指示は、指示出力装置41〜44を介してコンテンツ表示手段51〜54に送られる。これにより、コンテンツ表示手段51〜54では、影響度の判断結果に応じた表示シーケンスで運行情報、広告情報、案内情報を表示する(ステップS240)。
【0128】
表示指示回路22は、通常運行の際には、表示シーケンス記憶回路24が記憶する通常運行時に表示させる表示シーケンス「s4」に従って広告情報と案内情報を表示するよう列車情報装置3に表示指示を出力する。
【0129】
また、表示指示回路22は、「影響度」が「重大」の場合に、表示シーケンス「s1」に従って、運行情報、広告情報、案内情報を表示するよう列車情報装置3に表示指示を出力する。
【0130】
また、表示指示回路22は、「影響度」が「大」の場合に、表示シーケンス「s2」に従って、運行情報、広告情報、案内情報を表示するよう列車情報装置3に表示指示を出力する。
【0131】
また、表示指示回路22は、「影響度」が「小」の場合に、表示シーケンス「s3」に従って、運行情報、広告情報、案内情報を表示するよう列車情報装置3に表示指示を出力する。
【0132】
このように実施の形態2によれば、運行情報配信手段62から各列車X1〜Xmに影響度情報が送信されない場合であっても、列車情報配信装置1が、運行の見合わせが自線であるか他線であるかの判断や、運行状況が乗客へ及ぼす影響度の判断を行なうので、実施の形態1の列車情報配信システム100と同様の効果を得ることができる。すなわち、路線上で事故などが発生した際に、自列車X1内の乗客への影響度に基づいて、影響度に応じた表示シーケンスで運行情報などを表示させるので、乗客への影響度に応じた効率の良い運行情報を乗客に提供することが可能となる。
【0133】
また、各列車X1〜Xmの列車情報配信装置1が、運行の見合わせが自線であるか他線であるかの判断や、運行状況が乗客へ及ぼす影響度の判断を行なうので、列車毎に各列車に応じた判断を行なうことが可能となり、各列車に応じた運行情報の表示を行なうことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
以上のように、本発明に係る列車情報表示システムおよび列車情報表示装置は、列車の運行状況に関する情報の表示に適している。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】実施の形態1に係る列車情報配信システムの概略構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係る列車情報配信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る指示出力装置の構成を示すブロック図である。
【図4】コンテンツ表示手段で表示する表示画面の一例を説明するための図である。
【図5】実施の形態1に係る指示出力装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図6】影響度情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【図7】通常運行時の表示シーケンスの一例(開扉側)を示す図である。
【図8】通常運行時の表示シーケンスの一例(閉扉側)を示す図である。
【図9】乗客への影響度が重大な場合の表示シーケンスの一例(開扉側)を示す図である。
【図10】乗客への影響度が重大な場合の表示シーケンスの一例(閉扉側)を示す図である。
【図11】乗客への影響度が大きい場合の表示シーケンスの一例(開扉側)を示す図である。
【図12】乗客への影響度が大きい場合の表示シーケンスの一例(閉扉側)を示す図である。
【図13】乗客への影響度が小さい場合の表示シーケンスの一例(開扉側)を示す図である。
【図14】乗客への影響度が小さい場合の表示シーケンスの一例(閉扉側)を示す図である。
【図15】運転見合わ区間の表示例(海側)を示す図である。
【図16】運転見合わ区間の表示例(山側)を示す図である。
【図17】運転見合わせ区間情報の一例を示す図である。
【図18】運行情報の表示例を示す図である。
【図19】複数の運行情報を同時に表示する場合の表示例を示す図である。
【図20】実施の形態2に係る列車情報配信装置の構成を示すブロック図である。
【図21】実施の形態2に係る列車情報配信装置の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0136】
1 列車情報配信装置
3 列車情報装置
11,21 表示シーケンス読み取り回路
12,22 表示指示回路
13,23 割り込み発生回路
14,24 表示シーケンス記憶回路
41〜44 指示出力装置
51〜54 コンテンツ表示手段
61 運行情報配信センター
62 運行情報配信手段
63 広告情報配信手段
64 送受信装置
65 コンテンツデータサーバ
67 通信回線
68 パケット通信回線
69 大容量データ伝送回線
71 地上システム
72 中央管理機構
73 情報表示機構
75 車上システム
81 表示領域
82 案内エリアA
83 案内エリアB
91A,91B シーケンス情報
100 列車情報配信システム
103 運行情報
102 影響度情報テーブル
104 運行一覧情報
201A,201B,202A,202B,203A,203B シーケンス情報
T1〜Tn 車両
X1〜Xm 列車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路線内での各列車の運行状況に関する運行情報を配信する運行情報配信機構と、前記運行情報配信機構からの運行情報を受信して自列車内の車両で表示する列車情報表示装置とを有する列車情報表示システムにおいて、
前記運行情報配信機構は、前記運行情報に含まれる列車の運行状況が送信先の列車の乗客に与える影響度を判断するとともに前記影響度の判断結果を影響度情報として前記運行情報に付加して前記列車情報表示装置に送信し、
前記列車情報表示装置は、
前記運行情報配信機構から前記影響度情報が付加された運行情報を受信する受信装置と、
通常運行時に表示させる前記運行情報以外の広告情報および行先案内情報の少なくとも一方を通常時提示情報として予め記憶しておく運行情報記憶部と、
前記受信装置が前記運行情報を受信した場合に、前記影響度情報に対応する表示シーケンスに従った前記運行情報および前記通常時提示情報の表示指示を出力する指示出力装置と、
前記指示出力装置からの表示指示に従った表示シーケンスで前記運行情報および前記通常時提示情報を表示する表示装置と、
を備えることを特徴とする列車情報表示システム。
【請求項2】
前記指示出力装置は、前記影響度情報に対応する表示シーケンスを前記影響度情報毎に記憶する表示シーケンス記憶部を有し、
前記指示出力装置は、前記表示シーケンス記憶部内の表示シーケンスに従った前記運行情報および通常時提示情報の表示指示を出力することを特徴とする請求項1に記載の列車情報表示システム。
【請求項3】
前記列車の運行状況は、列車の運転見合わせに関する運転見合わせ情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の列車情報表示システム。
【請求項4】
前記運転見合わせ情報は、運転見合わせが自列車の走行する自線の路線で発生したことを示す情報または自列車の走行しない他線の路線で発生したことを示す情報であり、
前記運行情報配信機構は、運転見合わせが自線であるか他線であるかに基づいて、前記影響度を判断することを特徴とする請求項3に記載の列車情報表示システム。
【請求項5】
前記運転見合わせ情報は、前記列車の運行遅延時間であり、
前記運行情報配信機構は、前記列車の運行遅延時間に基づいて、前記影響度を判断することを特徴とする請求項3に記載の列車情報表示システム。
【請求項6】
前記運転見合わせ情報は、前記列車の運転を見合わせている路線に関する情報、前記列車の運転を見合わせている区間に関する情報、前記列車の運転を見合わせている運行方向に関する情報および前記列車の運転を見合わせている原因に関する情報の少なくとも1つを有していることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の列車情報表示システム。
【請求項7】
前記運行情報は、運転見合わせ区間の路線図を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の列車情報表示システム。
【請求項8】
前記表示装置は、前記運行情報の1行目に前記運行情報のタイトルを表示するとともに前記運行情報の2行目以降に前記運行情報の内容を表示するテキスト入力形式で表示することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の列車情報表示システム。
【請求項9】
前記表示装置は、前記運行情報が1件である場合に、前記運行情報を前記テキスト入力形式で表示することを特徴とする請求項8に記載の列車情報表示システム。
【請求項10】
前記表示装置は、前記運行情報が複数件からなる場合に、前記各運行情報を前記テキスト入力形式で順番に表示することを特徴とする請求項8に記載の列車情報表示システム。
【請求項11】
前記表示装置は、前記運行情報を表形式で表示することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の列車情報表示システム。
【請求項12】
前記表示装置は、前記運行情報が複数件からなる場合に、前記各運行情報を前記表形式で一覧表示することを特徴とする請求項11に記載の列車情報表示システム。
【請求項13】
前記表示装置は、前記運行情報が1件である場合に、前記運行情報を前記表形式で表示することを特徴とする請求項11に記載の列車情報表示システム。
【請求項14】
前記表示装置は、前記運行情報が複数件からなる場合、前記運行情報の1行目に前記運行情報のタイトルを表示するとともに前記運行情報の2行目以降に前記運行情報の内容を表示するテキスト入力形式で順番に表示し、その後、前記各運行情報を表形式で一覧表示することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の列車情報表示システム。
【請求項15】
前記表示装置は、前記運行情報が1件である場合、前記運行情報の1行目に前記運行情報のタイトルを表示するとともに前記運行情報の2行目以降に前記運行情報の内容を表示するテキスト入力形式で表示し、その後、前記運行情報を表形式で表示することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の列車情報表示システム。
【請求項16】
前記表示装置は、前記運行情報が複数件からなる場合、前記各運行情報を表形式で一覧表示し、その後、前記運行情報の1行目に前記運行情報のタイトルを表示するとともに前記運行情報の2行目以降に前記運行情報の内容を表示するテキスト入力形式で順番に表示することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の列車情報表示システム。
【請求項17】
前記表示装置は、前記運行情報が1件である場合、前記運行情報を表形式で表示し、その後、前記運行情報の1行目に前記運行情報のタイトルを表示するとともに前記運行情報の2行目以降に前記運行情報の内容を表示するテキスト入力形式で表示することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の列車情報表示システム。
【請求項18】
路線内での各列車の運行状況に関する運行情報を配信する運行情報配信機構から、前記運行情報を受信して自列車内の車両で表示する列車情報表示装置において、
前記運行情報に含まれる列車の運行状況が自列車の乗客に与える影響度に関する影響度情報を、前記運行情報とともに前記運行情報配信機構から受信する受信装置と、
通常運行時に表示させる前記運行情報以外の広告情報および行先案内情報の少なくとも一方を通常時提示情報として予め記憶しておく運行情報記憶部と、
前記受信装置が前記運行情報を受信した場合に、前記影響度情報に対応する表示シーケンスに従った前記運行情報および前記通常時提示情報の表示指示を出力する指示出力装置と、
前記指示出力装置からの表示指示に従った表示シーケンスで前記運行情報および前記通常時提示情報を表示する表示装置と、
を備えることを特徴とする列車情報表示装置。
【請求項19】
路線内での各列車の運行状況に関する運行情報を配信する運行情報配信機構から、前記運行情報を受信して自列車内の車両で表示する列車情報表示装置において、
前記運行情報配信機構から前記運行情報を受信する受信装置と、
通常運行時に表示させる前記運行情報以外の広告情報および案内情報の少なくとも一方を通常時提示情報として予め記憶しておく運行情報記憶部と、
前記受信装置が前記運行情報を受信した場合に、前記運行情報に含まれる列車の運行状況が自列車の乗客に与える影響度を判断するとともに、前記影響度の判断結果を影響度情報として出力する影響度判断装置と、
前記影響度判断装置からの影響度情報に応じた表示シーケンスに従った前記運行情報および前記通常時提示情報の表示指示を出力する指示出力装置と、
前記指示出力装置からの表示指示に従った表示シーケンスで前記運行情報および前記通常時提示情報を表示する表示装置と、
を備えることを特徴とする列車情報表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2009−67252(P2009−67252A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−238359(P2007−238359)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】