説明

初発自己免疫性糖尿病を予防するため、および/または逆転させるためのマイクロスフェアに基づく組成物

in vivoで自己免疫性糖尿病の状態を逆転および/または遅らせるためにアンチセンス法を用いることを含む方法を提供する。オリゴヌクレオチドは、一次転写産物CD40、CD80、CD86、およびそれらの組合せを標的とし、かつ結合する。本開示の一態様では、CD40、CD80、およびCD86転写産物を標的とする3つのAS−オリゴヌクレオチドが合成され、このオリゴヌクレオチド混合物の水溶液が調製され、水性ポリマー溶液と混合される。このオリゴヌクレオチドを含むマイクロスフェアが形成され、これらは、注射によってNODマウスに送達される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府の利益に関する声明
本発明は、National Institutes of Health(NIH)によって付与された助成金第R21 DK49835−01号の下、政府の支援によってなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0002】
関連出願への相互参照
この出願は、2008年4月18日に出願された米国仮出願第61/046,034号および2008年4月28日に出願された米国仮出願第61/048,246号の利益を主張する。上記出願の各々の本文全体は、参考として本明細書に援用される。
【0003】
背景
本開示は、全体として、NODマウスにおける自己免疫性糖尿病の状態を予防するため、および/または逆転させるためのアンチセンス法に関する。このアンチセンス法は、特に非肥満糖尿病(NOD)マウスモデルにおける負の調節活性を引き起こす治療効果を達成するための注射によるAS−オリゴヌクレオチドのマイクロスフェア送達を含む。マイクロスフェアは、マイクロスフェアが1つまたは複数のアンチセンス(AS)オリゴヌクレオチドを取り込む完全に水性の条件を用いて形成される。
【背景技術】
【0004】
微小粒子、マイクロスフェア、およびマイクロカプセルは、1mm未満、場合によっては100μm未満としてもよい直径を有する固体または半固体粒子であり、これらは、合成ポリマー、タンパク質、および多糖を含む様々な材料から形成することができる。マイクロスフェアは、多くの異なる用途、主に分離、診断、および薬物送達に使用されている。
【0005】
相分離、溶媒の蒸発、乳化、および噴霧乾燥を含む多数の異なる技術を用いて、合成ポリマー、天然ポリマー、タンパク質、および多糖からこれらの粒子を形成することができる。一般的には、ポリマーが、これらのマイクロスフェアの支持構造を形成し、目的の薬物が、ポリマー構造内に組み込まれる。マイクロスフェアの形成に使用される例示的なポリマーとして、Ruizの特許文献1、Reidらの特許文献2、Ticeらの特許文献3、Ticeらの特許文献4、Ticeらの特許文献5、Singhらの特許文献6、Boyesらの特許文献7、Ticeらの特許文献8、およびSouthern Research Instituteの欧州特許出願公開第248,531号に記載されている乳酸とグリコール酸とのホモポリマーおよびコポリマー(PLGA);Illumの特許文献9に記載されているTetronic(登録商標)908およびポロキサマー407などのブロックコポリマー;ならびにCohenらの特許文献10に記載されているポリホスファゼンが挙げられる。これらのようなポリマーを用いて製造されるマイクロスフェアは、低い組み込み効率(loading efficiency)を示し、しばしば、目的の薬物を僅かなパーセンテージでしかポリマー構造内に組み込むことができない。従って、治療効果を達成するためには、しばしば、相当な量のこれらのタイプのマイクロスフェアを投与しなければならない。加えて、これらのポリマーは、典型的には、疎水性であり、目的の薬物の溶解に負の影響を与える。この文脈で典型的に使用されるポリマーには、ポリ乳酸グリコール酸(PLGA)が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,213,812号明細書
【特許文献2】米国特許第5,417,986号明細書
【特許文献3】米国特許第4,530,840号明細書
【特許文献4】米国特許第4,897,268号明細書
【特許文献5】米国特許第5,075,109号明細書
【特許文献6】米国特許第5,102,872号明細書
【特許文献7】米国特許第5,384,133号明細書
【特許文献8】米国特許第5,360,610号明細書
【特許文献9】米国特許第4,904,479号明細書
【特許文献10】米国特許第5,149,543号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
医学界の目標は、糖尿病を含む様々な疾患の処置のために動物の細胞に核酸を送達することである。多くの方法では、トランスフェクション剤の添加で比較的効率的に核酸を培地の細胞(in vitro)に送達することができる。加えて、in vivoでは、内因性ヌクレアーゼの存在により、核酸が動物に送達されると核酸が高い速度で分解されてしまう。
【0008】
核酸をヌクレアーゼ消化から保護するのに加えて、核酸送達ビヒクルは、毒性が低くなければならず、細胞によって効率的に取り込まれなければならず、明確に規定された容易に製造できる処方を有さなければならない。臨床試験で示されているように、送達用のウイルスベクターは、in vivoで重度に有害で、致命的でさえある免疫応答を引き起こし得る。加えて、この方法は、in vivoで変異促進性効果を有する可能性がある。様々な処方の脂質複合体(リポソームまたは陽イオン性脂質複合体など)中に核酸を複合体化することによる送達は、有毒作用を有し得る。様々なポリマーまたはペプチドと核酸との複合体は、一貫していない結果を示し、これらの処方物の毒性は、未だに解決されていない。また、核酸は、送達のためにポリマーマトリックス内に被包化されてきたが、このような場合、粒子は、広いサイズ範囲を有し、治療用途としての有効性がまだ実証されていない。これらのこれまでの方法は、免疫系の刺激を含め、本明細書で望まれる目標とは反対の効果をもたらし得る。例えば、PLGAが粒子内に組み込まれると、免疫系は、PLGAの存在によって刺激される。
【0009】
従って、核酸の送達の問題に取り組む必要があり、マイクロスフェアおよびマイクロスフェアを製造するための新たな方法を開発する必要が現在もある。マイクロスフェアについての詳細、特にマイクロスフェアの調製および特性についての詳細は、Scottらの米国特許第6,458,387号、Woiszwilloらの同第6,268,053号、同第6,090,925号、同第5,981,719号、および同第5,599,719号、Woiszwilloの同第5,578,709号、ならびにBrownらの米国特許出願公開第2006/0024240号に記載されている。これらおよび本明細書で言及するすべての参照文献は、本明細書での参考として本明細書に援用される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示によると、オリゴヌクレオチドが、マイクロスフェアとして送達される。このような送達方法は、マイクロスフェア内の核酸へのヌクレアーゼのアクセスを防止すると考えられる。アンチセンス(AS)オリゴヌクレオチドのマイクロスフェア送達は、特にNODマウスモデルにおいて樹状細胞寛容を誘導するために行われる。マイクロスフェアは、アンチセンス(AS)オリゴヌクレオチドが組み込まれるように水性条件を用いて形成される。これらのマイクロスフェアは、in vivoでNODマウスにおける遺伝子発現を阻害して自己免疫性糖尿病の状態を予防するため、および/または逆転させるために用いられる。
【0011】
本開示の一態様では、CD40、CD80、およびCD86転写産物を標的とする3つのAS−オリゴヌクレオチドが合成され、このオリゴヌクレオチド混合物の水溶液が調製され、水性ポリマー溶液と混合される。このオリゴヌクレオチドを含むマイクロスフェアが形成され、これらは、注射によってNODマウスに送達される。
【0012】
本開示の一態様では、哺乳動物の1型糖尿病を逆転させるための方法が提供され、この方法は、マイクロスフェア組成物を投与するステップを含み、組成物中のマイクロスフェアは、CD40、CD80、およびCD86一次転写産物、ならびにそれらの組合せからなる群より選択される一次転写産物に対してアンチセンスであり、かつそれに結合するように標的化されるオリゴヌクレオチドを含む。このオリゴヌクレオチドは、配列番号1、配列番号2、もしくは配列番号3、およびそれらの組合せ、またはCD40、CD80、およびCD86を標的とする実にあらゆる他のオリゴヌクレオチドからなる群より選択することができる。
【0013】
別の態様では、哺乳動物の1型糖尿病を処置する、または逆転させる方法が提供され、この方法は、1型糖尿病を処置するため、または逆転させるために有効な量のマイクロスフェアを含む組成物を投与するステップを含み、前記マイクロスフェアは、CD40、CD80、およびCD86一次転写産物からなる群より選択される一次転写産物に対してアンチセンスであり、かつそれに結合するように標的化されるオリゴヌクレオチドを含み、前記オリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7、ならびにCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7の改変型からなる群より選択されるポリヌクレオチド配列を含む。
【0014】
本開示の別の態様は、自己免疫破壊から哺乳動物の膵臓のβ細胞を保護する方法に関し、この方法は、マイクロスフェア組成物を哺乳動物に注射するステップを含み、組成物中のマイクロスフェアは、CD40、CD80、およびCD86一次転写産物、ならびにそれらの組合せからなる群より選択される一次転写産物に対してアンチセンスであり、かつそれに結合するように標的化されるオリゴヌクレオチドを含む。
【0015】
本発明のさらなる態様は、自己免疫破壊から哺乳動物の膵臓β細胞を保護するための方法であり、この方法は、膵臓β細胞を保護するために有効な量のマイクロスフェアを含む組成物を前記哺乳動物に投与するステップを含み、前記マイクロスフェアは、CD40、CD80、およびCD86一次転写産物、ならびにそれらの組合せからなる群より選択される一次転写産物に対してアンチセンスであり、かつそれに結合するように標的化されるオリゴヌクレオチドを含み、前記オリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7、ならびにCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7の改変型からなる群より選択されるポリヌクレオチド配列を含む。
【0016】
別の態様は、哺乳動物におけるT細胞媒介性の膵臓の炎症および/または膵臓β細胞死を減少させる方法であり、この方法は、マイクロスフェア組成物を哺乳動物に投与するステップを含み、組成物中のマイクロスフェアは、CD40、CD80、およびCD86一次転写産物、ならびにそれらの組合せからなる群より選択される一次転写産物に対してアンチセンスであり、かつそれに結合するように標的化されるオリゴヌクレオチドを含み、組成物は、哺乳動物の1型糖尿病の症状を緩和するために有効な量で投与される。より明確な態様では、組成物は、1型糖尿病の臨床的発症の後に投与される。別の態様では、組成物は、1型糖尿病の臨床的発症の前に投与される。これらの治療の態様では、組成物の投与は、投与前の哺乳動物の血糖値と比較して、哺乳動物の血糖値を正常化する。
【0017】
さらに別の態様は、哺乳動物におけるT細胞媒介性の膵臓の炎症または膵臓β細胞死を減少させる方法であり、この方法は、T細胞媒介性の膵臓の炎症または膵臓β細胞死を減少させるために有効な量のマイクロスフェアを含む組成物を前記哺乳動物に投与するステップを含み、前記組成物中の前記マイクロスフェアは、CD40、CD80、およびCD86一次転写産物、ならびにそれらの組合せからなる群より選択される一次転写産物に対してアンチセンスであり、かつそれに結合するように標的化されるオリゴヌクレオチドを含み、前記オリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7、ならびにCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7の改変型からなる群より選択されるポリヌクレオチド配列を含む。
【0018】
本発明の別の態様では、初発自己免疫性糖尿病(new−onset autoimmune diabetes)または前臨床自己免疫性糖尿病(preclinical autoimmune diabetes)を有する哺乳動物における残存β細胞集団(cell mass)を維持する方法が提供され、この方法は、残存β細胞集団を維持するために有効な量のマイクロスフェアを含む組成物を前記哺乳動物に投与するステップを含み、前記組成物の投与は、哺乳動物のβ細胞集団を糖尿病発症前に存在した集団の少なくとも約15%まで維持し、前記組成物中の前記マイクロスフェアは、CD40、CD80、およびCD86一次転写産物、ならびにそれらの組合せからなる群より選択される一次転写産物に対してアンチセンスであり、かつそれに結合するように標的化されるオリゴヌクレオチドを含み、前記オリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7、ならびにCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7の改変型からなる群より選択されるポリヌクレオチド配列を含む。
【0019】
組成物の投与は、哺乳動物のβ細胞集団を再生し得るか、またはβ細胞集団のさらなる劣化を食い止め得るか、またはこれらの両方をなし得る。
【0020】
組成物は、任意の形態で投与され得、特定の例示的な態様では、注射可能な形態として投与される。特定の態様では、組成物は、インスリンと併用投与される。併用療法が用いられる場合、インスリンは、マイクロスフェア組成物の投与の前、投与と同時、または投与の後に投与され得る。
【0021】
様々な実施形態では、組成物中のマイクロスフェアは、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、アンチセンスオリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7のポリヌクレオチド配列を含む。他の実施形態では、組成物中のマイクロスフェアは、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、アンチセンスオリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7のポリヌクレオチドからなる。更なる実施形態では、組成物中のマイクロスフェアは、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、または95%以上のポリヌクレオチド配列相同性を有し、かつCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する。
【0022】
更なる態様は、初発自己免疫性糖尿病または前臨床自己免疫性糖尿病を有する対象における残存β細胞集団を維持する方法に関し、この方法は、CD40、CD80、およびCD86一次転写産物に対してアンチセンスであり、かつそれに結合するように標的化されるオリゴヌクレオチドを含むマイクロスフェアを含有する組成物を対象に投与するステップを含み、組成物の投与は、哺乳動物のβ細胞集団を糖尿病発症前に存在した集団の少なくとも約15%まで維持する。この対象は、ヒト対象としてもよい。対象は、ヒトの子供としてもよい。この処置方法は、組成物の反復投与を伴ってもよく、反復投与は、哺乳動物のβ細胞集団を増加させる。
【0023】
特定の規定された方法では、マイクロスフェアの30%および70%w/wもがオリゴヌクレオチドである。このような組成物は、典型的には、1:1:1のアンチセンスCD40:アンチセンスCD80:アンチセンスCD86のマイクロスフェア組成物中の比を含み得る。
【0024】
さらなる実施形態では、マイクロスフェアを含む医薬組成物が提供され、前記マイクロスフェアは、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、アンチセンスオリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7に示されているポリヌクレオチド配列か、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7に対して少なくとも75%のポリヌクレオチド配列相同性を有し、かつCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合するポリヌクレオチド配列か、またはCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7の改変型を有する。これらの実施形態の一部の態様では、マイクロスフェアは、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、アンチセンスオリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7に対して少なくとも80%、85%、90%、95%または95%超のポリヌクレオチド配列相同性を有し、かつCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する。
【0025】
様々な組合せを含む本開示のこれらおよび他の態様、目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明の考察から明らかになり、これを通じて明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
この説明の過程では、以下に説明する添付の図面を参照する。
【図1】図1aおよび図1bは、AS−オリゴヌクレオチドおよびポリ−L−リジンポリカチオンのマイクロスフェアの走査電子顕微鏡写真である。
【図2】図2aおよび図2bは、本開示によるマイクロスフェア調製物の特性を示すグラフである。図2aは、マイクロスフェア調製物のサイズ分布を示すグラフである。図2bは、マイクロスフェア調製物の表面電荷のグラフである。
【図3】図3は、マイクロスフェアの脱処方化(deformulation)後のオリゴヌクレオチドのRP−HPLCクロマトグラムである。
【図4】図4は、スクランブルオリゴヌクレオチドマイクロスフェアまたはPBSビヒクルのみで処置した動物と比較した、本開示のアンチセンスオリゴヌクレオチドマイクロスフェア(AS−MSP)で複数回処置したNODマウスにおける糖尿病の予防を示すプロットである。
【図5】図5は、スクランブルオリゴヌクレオチドマイクロスフェアまたはPBSビヒクルのみで処置した動物と比較した、本開示のAS−MSPで1回処置したNODマウスにおける糖尿病の予防を示すプロットである。
【図6】図6a〜図6dは、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した(図6および図6c;H+E)またはインスリンに対して染色した(図6bおよび図6d)コントロールNODマウス由来の膵臓組織の切片の光学顕微鏡写真である。
【図7】図7a〜図7dは、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した(図7aおよび図7c;H+E)またはインスリンに対して染色した(図7bおよび図7d)AS−MSP処置NODマウス由来の膵臓組織の切片の光学顕微鏡写真である。
【図8】図8は、本開示のAS−MSPで処置したマウスまたはコントロール動物から得たT細胞のFACS分析を示す。
【図9】図9は、本開示に従ってAS−MSPで処置した動物に由来する、脾細胞と共に培養したT細胞の増殖を実証する相対蛍光強度(RFI)のプロットを示す。
【図10】図10は、in vitroにおける照射した同系脾細胞および卵白アルブミンの存在下でのAS−MSP処置非糖尿病NODマウス由来のT細胞の増殖を実証するRFIのプロットを示す。
【図11】図11は、in vitroにおける同系膵島溶解物の存在下でのAS−MSP処置非糖尿病NODマウス由来のT細胞の増殖の抑制を実証するRFIのプロットを示す。
【図12】図12は、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含むマイクロスフェアまたはスクランブルオリゴヌクレオチドを含むマイクロスフェアのいずれか一方で処置した初発糖尿病マウスの血糖値のプロットである。
【図13】図13Aは、初発糖尿病のマウスを用いた実験の予定表を示し、図13Bおよび図13Cは、AS−MSPまたはコントロールのいずれかで処置した初発糖尿病マウスの平均血糖値のプロットである。
【図14A】図14A〜図14Cは、NODマウスにおける1型糖尿病表現型の逆転を示す。これらの図面は、AS−MSPを投与すると、哺乳動物の血糖値が15日以内に正常に戻り(正常値は、約200mg/dLにおける点線によって示されている)、AS−MSP投与を停止(30日目)した後でも正常に維持されることを示す。
【図14B】図14A〜図14Cは、NODマウスにおける1型糖尿病表現型の逆転を示す。これらの図面は、AS−MSPを投与すると、哺乳動物の血糖値が15日以内に正常に戻り(正常値は、約200mg/dLにおける点線によって示されている)、AS−MSP投与を停止(30日目)した後でも正常に維持されることを示す。
【図14C】図14A〜図14Cは、NODマウスにおける1型糖尿病表現型の逆転を示す。これらの図面は、AS−MSPを投与すると、哺乳動物の血糖値が15日以内に正常に戻り(正常値は、約200mg/dLにおける点線によって示されている)、AS−MSP投与を停止(30日目)した後でも正常に維持されることを示す。
【図15】図15は、自己免疫性糖尿病の治療的逆転を説明するモデルである。
【図16−1】図16は、ヒト樹状細胞(DC)によるオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)の取り込みを示す。図16Aは、hDCによるFITC標識CD86 AS−オリゴヌクレオチドの取り込みを示し;図16Bは、AS−ODN処理hDCによるDQ−Ovalbuminの取り込み/プロセシングを示し;図16Cは、LPS処理後のDCの実施形態のFACSによる表現型を示す。
【図16−2】図16は、ヒト樹状細胞(DC)によるオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)の取り込みを示す。図16Aは、hDCによるFITC標識CD86 AS−オリゴヌクレオチドの取り込みを示し;図16Bは、AS−ODN処理hDCによるDQ−Ovalbuminの取り込み/プロセシングを示し;図16Cは、LPS処理後のDCの実施形態のFACSによる表現型を示す。
【図16−3】図16は、ヒト樹状細胞(DC)によるオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)の取り込みを示す。図16Aは、hDCによるFITC標識CD86 AS−オリゴヌクレオチドの取り込みを示し;図16Bは、AS−ODN処理hDCによるDQ−Ovalbuminの取り込み/プロセシングを示し;図16Cは、LPS処理後のDCの実施形態のFACSによる表現型を示す。
【図16−4】図16は、ヒト樹状細胞(DC)によるオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)の取り込みを示す。図16Aは、hDCによるFITC標識CD86 AS−オリゴヌクレオチドの取り込みを示し;図16Bは、AS−ODN処理hDCによるDQ−Ovalbuminの取り込み/プロセシングを示し;図16Cは、LPS処理後のDCの実施形態のFACSによる表現型を示す。
【図16−5】図16は、ヒト樹状細胞(DC)によるオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)の取り込みを示す。図16Aは、hDCによるFITC標識CD86 AS−オリゴヌクレオチドの取り込みを示し;図16Bは、AS−ODN処理hDCによるDQ−Ovalbuminの取り込み/プロセシングを示し;図16Cは、LPS処理後のDCの実施形態のFACSによる表現型を示す。
【図16−6】図16は、ヒト樹状細胞(DC)によるオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)の取り込みを示す。図16Aは、hDCによるFITC標識CD86 AS−オリゴヌクレオチドの取り込みを示し;図16Bは、AS−ODN処理hDCによるDQ−Ovalbuminの取り込み/プロセシングを示し;図16Cは、LPS処理後のDCの実施形態のFACSによる表現型を示す。
【図16−7】図16は、ヒト樹状細胞(DC)によるオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)の取り込みを示す。図16Aは、hDCによるFITC標識CD86 AS−オリゴヌクレオチドの取り込みを示し;図16Bは、AS−ODN処理hDCによるDQ−Ovalbuminの取り込み/プロセシングを示し;図16Cは、LPS処理後のDCの実施形態のFACSによる表現型を示す。
【図17】図17は、破傷風トキソイドの存在下で自己AS−ODN処置末梢血由来DCと共培養した、最近、破傷風追加ワクチン投与を受けた健常なヒトボランティア由来のT細胞の増殖を示す。エラーバーは、同じ個体の細胞の3つの別個の共培養からの応答の平均の標準誤差を示す。
【図18】図18は、名目上の抗原としてのインタクトな卵白アルブミンの存在下または非存在下で自己AS−ODN処置末梢血由来DCと共培養した、健常なヒトボランティア由来のT細胞の増殖を示す。エラーバーは、3人の別個のボランティアからの応答の平均の標準誤差を示す。
【図19】図19は、同種異系AS−ODN処置末梢血由来DCまたは未処置同種異系DCと共培養した、健常なヒトボランティア由来のT細胞の増殖を示す。エラーバーは、DCドナーが同じままである3人の別個のボランティアからの応答の平均の標準誤差を示す。
【図20】図20は、ヒト単球由来樹状細胞のASO−MSとのインキュベーション後のタンパク質の発現を示す。
【図21】図21は、ヒトASO−MSとの培養後のタンパク質の発現の減少率(%)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
必要に応じて、本開示の詳細な実施形態が本明細書に開示されるが、開示される実施形態が、様々な形態で具現できる本開示の単なる例示であることを理解されたい。従って、本明細書に開示される特定の詳細は、限定としてではなく、単に特許請求の範囲の根拠として、および実質的にあらゆる適切な要領で本開示を当業者が様々に利用できるようにする教示の代表的な根拠として解釈されるべきものである。
【0028】
1型糖尿病は、膵臓、特に内分泌インスリン産生β細胞の進行性の炎症が存在する自己免疫疾患である。発症前に、炎症が、まず内分泌β細胞を機能不全にする。マイクロスフェア処方物の単回注射により、ヒト自己免疫(1型)糖尿病の非肥満糖尿病(NOD)マウスモデルにおける疾患の発症がかなり遅れる。いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、マイクロスフェアは、注射部位の常在および移動樹状細胞によって取り込まれ、そして疾患の発症前に近位リンパ節に移動すると考えられている。また、処置を受けたレシピエントにおいて、in vitroで推定β細胞抗原を標的とするT細胞の増殖の低下が起こると考えられている。同系T細胞と樹状細胞で再構築されてからマイクロスフェアが投与された免疫不全NOD−scidマウスでは、CD4+CD25+推定T調節細胞の普及の増加が起こり得る。従って、マイクロスフェアに基づく治療用組成物は、樹状細胞の活性を調節し、予防のための調節ネットワークを動員することができる。
【0029】
糖尿病の発症を予防し得る処置を有することが望ましいであろう。また、相当数のβ細胞が破壊された臨床的発症後に疾患を抑制する、または逆転させ得る治療用組成物を有することが望ましいであろう。初発糖尿病マウスへの反復投与は、高血糖を正常化し、疾患を逆転させる。逆転は、典型的には、ヒトまたは他の哺乳動物などの個体が正常値に近い血糖値を有するようにすることを指す。いかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、「逆転」の間は、疾患誘発性のT細胞炎症および細胞死が抑制されると考えられる。
【0030】
一実施形態は、CD40、CD80、およびCD86の転写産物を標的とする、本明細書に開示されるアンチセンス(AS)−オリゴヌクレオチドマイクロスフェアを処方して注射することによって自己免疫インスリン依存性糖尿病を逆転させる。これらの転写産物に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの具体例が、本明細書の実施例に記載されている。他のアンチセンスオリゴヌクレオチドも、本明細書に開示される効果を達成するために、CD40、CD80、およびCD86の転写産物への結合に有効であるように設計できることを理解されたい。また、このようなオリゴヌクレオチドは、限定されるものではないが、チオエート化(thioation)、メチル化、およびメトキシエチル化を含む当分野で公知の修飾を含み得ること、および最適な効果を達成するためにこのような修飾の位置および数を変更できることも理解されたい。これらのオリゴヌクレオチドは、NODマウスモデルにおけるインスリン産生β細胞の破壊の逆転をもたらす免疫寛容を誘導するように設計されている。
【0031】
オリゴヌクレオチドの修飾型も企図され、これには、少なくとも1つの修飾ヌクレオチド間結合を有する修飾型が含まれる。オリゴヌクレオチドの「修飾型」として、限定されるものではないが、修飾ヌクレオシド間結合および/または修飾塩基が挙げられる。
【0032】
一実施形態では、オリゴヌクレオチドは、すべてまたは一部がペプチド核酸である。他の修飾ヌクレオシド間の結合には、少なくとも1つのホスホロチオエート結合が含まれる。さらに他の修飾オリゴヌクレオチドには、1つまたは複数のユニバーサル塩基を含むものが含まれる。「ユニバーサル塩基」は、構造を有意に不安定化させることなく水素結合を形成することによって、核酸におけるA、C、G、T、およびUのいずれか1つに結合するために置換可能な分子を指す。
【0033】
オリゴヌクレオチドの具体例には、修飾主鎖または非天然ヌクレオシド間の結合を含むものが含まれる。修飾主鎖を有するオリゴヌクレオチドは、主鎖にリン原子を保持したものおよび主鎖にリン原子を有していないものが含まれる。ヌクレオシド間主鎖にリン原子を有していない修飾オリゴヌクレオチドは、「オリゴヌクレオチド」の意味の範囲内であると見なされる。
【0034】
リン原子を含む修飾オリゴヌクレオチド主鎖として、例えば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルおよび他のアルキルホスホン酸塩(3’−アルキレンホスホネート、5’−アルキレンホスホネート、およびキラルホスホン酸塩を含む)、ホスフィン酸塩、ホスホラミダート(phosphoramidate)(3’−アミノホスホラミダート(3’‐amino phosphoramidate)およびアミノアルキルホスホラミダート(aminoalkylphosphoramidate)を含む)、チオノホスホラミダート(thionophosphoramidate)、チオノアルキルホスホン酸(thionoalkylphosphonate)、チオノアルキルホスホトリエステル、通常の3’−5’結合を有するセレノホスフェートおよびボラノホスフェート、これらの2’−5’結合類似体、ならびに1つまたは複数のヌクレオチド間結合が3’から3’、5’から5’、または2’から2’の結合である、反転した極性を有するものが含まれる。また、最も3’側のヌクレオチド間結合における1つの3’から3’の結合、すなわち脱塩基(ヌクレオチドが、欠失しているか、またはその代わりにヒドロキシル基を有する)とすることができる1つの反転ヌクレオシド残基を含む、反転した極性を有するオリゴヌクレオチドも企図される。塩、混合塩、および遊離酸の形態も企図される。上記のリンを含む結合の調製を教示する代表的な米国特許の例として、参考としてその開示が本明細書に援用される米国特許第3,687,808号、同第4,469,863号、同第4,476,301号、同第5,023,243号、同第5,177,196号、同第5,188,897号、同第5,264,423号、同第5,276,019号、同第5,278,302号、同第5,286,717号、同第5,321,131号、同第5,399,676号、同第5,405,939号、同第5,453,496号、同第5,455,233号、同第5,466,677号、同第5,476,925号、同第5,519,126号、同第5,536,821号、同第5,541,306号、同第5,550,111号、同第5,563,253号、同第5,571,799号、同第5,587,361号、同第5,194,599号、同第5,565,555号、同第5,527,899号、同第5,721,218号、同第5,672,697号、および同第5,625,050号が挙げられる。
【0035】
主鎖の中にリン原子を含まない修飾オリゴヌクレオチドの主鎖は、短鎖アルキルまたはシクロアルキルヌクレオシド間の結合、混合されたヘテロ原子およびアルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、または1つまたは複数の短鎖へテロ原子もしくは複素環ヌクレオシド間結合によって形成された主鎖を有する。これらには、モルホリノ結合を有するもの;シロキサン主鎖;スルフィド、スルホキシド、およびスルホン主鎖;ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル主鎖;メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル主鎖;リボアセチル主鎖;アルケンを含む主鎖;スルファミン酸主鎖;メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノ主鎖;スルホン酸およびスルホンアミド主鎖;アミド主鎖;および混合されたN、O、S、およびCH成分部分を有する他の主鎖が含まれる。例えば、参考としてその開示のすべてが本明細書に援用される米国特許第5,034,506号、同第5,166,315号、同第5,185,444号、同第5,214,134号、同第5,216,141号、同第5,235,033号、同第5,264,562号、同第5,264,564号、同第5,405,938号、同第5,434,257号、同第5,466,677号、同第5,470,967号、同第5,489,677号、同第5,541,307号、同第5,561,225号、同第5,596,086号、同第5,602,240号、同第5,610,289号、同第5,602,240号、同第5,608,046号、同第5,610,289号、同第5,618,704号、同第5,623,070号、同第5,663,312号、同第5,633,360号、同第5,677,437号、同第5,792,608号、同第5,646,269号、および同第5,677,439号を参照されたい。
【0036】
さらに他の実施形態では、ヌクレオチド単位の1つまたは複数の糖の結合および/または1つまたは複数のヌクレオチド間結合の両方が、「天然に存在しない」基に置き換えられたオリゴヌクレオチド模倣物。オリゴヌクレオチドの塩基は、標的ポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションのために維持される。一態様では、この実施形態は、ペプチド核酸(PNA)を企図する。PNA化合物では、オリゴヌクレオチドの糖−主鎖は、アミドを含む主鎖で置き換えられている。例えば、参考としてその開示が本明細書に援用される米国特許第5,539,082号、同第5,714,331号、および同第5,719,262号、ならびにNielsenら、Science、1991、254、1497〜1500を参照されたい。
【0037】
さらに他の実施形態では、ホスホロチオエート主鎖を備えたオリゴヌクレオチドおよびヘテロ原子主鎖を備えたオリゴヌクレオシド、ならびに米国特許第5,489,677号および同第5,602,240号に記載されている−CH−NH−O−CH−、−CH−N(CH)−O−CH−、−CH−O−N(CH)−CH−、−CH−N(CH)−N(CH)−CH−、および−O−N(CH)−CH−CH−を含むオリゴヌクレオチドが提供される。また、米国特許第5,034,506号に記載されているモルホリノ主鎖構造を備えたオリゴヌクレオチドも企図される。
【0038】
様々な形態では、オリゴにおける2つの連続したモノマー間の結合は、−CH−、−O−、−S−、−NR−、>C=O、>C=NR、>C=S、−Si(R’’)−、−SO−、−S(O)−、−P(O)−、−PO(BH)−、−P(O,S)−、−P(S)−、−PO(R’’)−、−PO(OCH)−、および−PO(NHR)−から選択される2から4、望ましくは3の基/原子からなり、ここで、RHは、水素およびC1−4アルキルから選択され、R’’は、C1−6アルキルおよびフェニルから選択される。このような結合の例示的な例として、−CH−CH−CH−、−CH−CO−CH−、−CH−CHOH−CH−、−O−CH−O−、−O−CH−CH−、−O−CH−CH=(続くモノマーへの結合として使用される場合はRを含む)、−CH−CH−O−、−NR−CH−CH−、−CH−CH−NR−、−CH−NR−CH−、−O−CH−CH−NR−、−NR−CO−O−、−NR−CO−NR−、−NR−CS−NR−、−NR−C(=NR)−NR−、−NR−CO−CH−NR−O−CO−O−、−O−CO−CH−O−、−O−CH−CO−O−、−CH−CO−NR−、−O−CO−NR−、−NR−CO−CH−、−O−CH−CO−NR−、−O−CH−CH−NR−、−CH=N−O−、−CH−NR−O−、−CH−O−N=(続くモノマーへの結合として使用される場合はRを含む)、−CH−O−NR−、−CO−NR−CH−、−CH−NR−O−、−CH−NR−CO−、−O−NR−CH−、−O−NR、−O−CH−S−、−S−CH−O−、−CH−CH−S−、−O−CH−CH−S−、−S−CH−CH=(続くモノマーへの結合として使用される場合はRを含む)、−S−CH−CH−、−S−CH−CH−O−、−S−CH−CH−S−、−CH−S−CH−、−CH−SO−CH−、−CH−SO−CH−、−O−SO−O−、−O−S(O)−O−、−O−S(O)−CH−、−O−S(O)−NR−、−NR−S(O)−CH−;−O−S(O)−CH−、−O−P(O)−O−、−O−P(O,S)−O−、−O−P(S)−O−、−S−P(O)−O−、−S−P(O,S)−O−、−S−P(S)−O−、−O−P(O)−S−、−O−P(O,S)−S−、−O−P(S)−S−、−S−P(O)−S−、−S−P(O,S)−S−、−S−P(S)−S−、−O−PO(R’’)−O−、−O−PO(OCH)−O−、−O−PO(OCHCH)−O−、−O−PO(OCHCHS−R)−O−、−O−PO(BH)−O−、−O−PO(NHR)−O−、−O−P(O)−NRH−、−NR−P(O)−O−、−O−P(O,NR)−O−、−CH−P(O)−O−、−O−P(O)−CH−、および−O−Si(R’’)−O−であり、特に、−CH−CO−NR−、−CH−NR−O−、−S−CH−O−、−O−P(O)−O−O−P(−O,S)−O−、−O−P(S)−O−、−NRP(O)−O−、−O−P(O,NR)−O−、−O−PO(R’’)−O−、−O−PO(CH)−O−、および−O−PO(NHR)−O−が企図され、ここで、RHは、水素およびC1−4アルキルから選択され、R’’は、C1−6アルキルおよびフェニルから選択される。さらなる例示的な例が、Mesmaekerら、Current Opinion in Structural Biology、1995、5、343〜355、ならびにSusan M.FreierおよびKarl−Heinz Altmann、Nucleic Acids Research、1997、25巻、頁4429〜4443に記載されている。
【0039】
オリゴヌクレオチドのさらに他の修飾型は、参考としてその開示のすべてが本明細書に援用される米国特許出願第20040219565号に詳細に記載されている。
【0040】
修飾オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の置換糖部分を含み得る。特定の態様では、オリゴヌクレオチドは、OH;F;O−、S−、もしくはN−アルキル;O−、S−、もしくはN−アルケニル;O−、S−、もしくはN−アルキニル;またはO−アルキル−O−アルキルの1つを2’位に含み、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換または非置換C〜C10アルキルまたはC〜C10アルケニルおよびアルキニルでもよい。他の実施形態は、O[(CHO]CH、O(CHOCH、O(CHNH、O(CHCH、O(CHONH、およびO(CHON[(CHCHを含み、nおよびmは、1から約10である。他のオリゴヌクレオチドは、C〜C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、O−アルカリルもしくはO−アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を改善する基、またはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善する基、および類似の特性を有するほかの置換基の1つを2’位に含む。一態様では、修飾には、2’−メトキシエトキシ(2’−O−CHCHOCH、2’−O−(2−メトキシエチル)または2’−MOEとしても知られる)(Martinら、Helv.Chim.Acta、1995、78、486〜504)、すなわちアルコキシアルコキシ基が含まれる。他の修飾には、以下に示す例にも記載されている2’−ジメチルアミノオキシエトキシ、すなわち2’−DMAOEとしても知られるO(CHON(CH基、および同様に以下に示す例に記載されている2’−ジメチルアミノエトキシエトキシ(当技術分野では、2’−O−ジメチル−アミノ−エトキシ−エチルまたは2’−DMAEOEとしても知られる)、すなわち2’−O−CH−O−CH−N(CHが含まれる。
【0041】
さらに他の修飾には、2’−メトキシ(2’−O−CH)、2’−アミノプロポキシ(2’−OCHCHCHNH)、2’−アリル(2’−CH−CH=CH)、2’−O−アリル(2’−O−CH−CH=CH)、および2’−フルオロ(2’−F)が含まれる。2’−修飾は、アラビノ(上)位置またはリボ(下)位置に位置し得る。一態様では、2’−アラビノ修飾は、2’−Fである。同様の修飾は、オリゴヌクレオチドの他の位置、例えば、3’末端ヌクレオチドまたは2’−5’結合オリゴヌクレオチドの糖の3’位および5’末端ヌクレオチドの5’位にも行うことができる。また、オリゴヌクレオチドは、ペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分などの糖模倣物も有し得る。例えば、参考としてその開示のすべてが本明細書に援用される米国特許第4,981,957号、同第5,118,800号、同第5,319,080号、同第5,359,044号、同第5,393,878号、同第5,446,137号、同第5,466,786号、同第5,514,785号、同第5,519,134号、同第5,567,811号、同第5,576,427号、同第5,591,722号、同第5,597,909号、同第5,610,300号、同第5,627,053号、同第5,639,873号、同第5,646,265号、同第5,658,873号、同第5,670,633号、同第5,792,747号、および同第5,700,920号を参照されたい。
【0042】
一態様では、糖の修飾には、2’−ヒドロキシル基が糖環の3’または4’炭素原子に結合されて、二環糖部分を形成しているLocked Nucleic Acid(LNA)が含まれる。結合は、特定の態様では、2’酸素原子と4’炭素原子を架橋するメチレン(−CH−)基であり、nは1または2である。LNAおよびその調製は、国際公開第98/39352号および同第99/14226号に記載されている。
【0043】
オリゴヌクレオチドは、塩基の修飾または置換も含み得る。本明細書で用いられる「非修飾」または「天然」塩基には、プリン塩基のアデニン(A)およびグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基のチミン(T)、シトシン(C)、およびウラシル(U)が含まれる。修飾塩基には、他の合成および天然塩基、例えば、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6−メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2−プロピルおよび他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミンおよび2−チオシトシン、5−ハロウラシルおよびシトシン、5−プロピニルウラシルおよびシトシン、およびピリミジン塩基の他のアルキニル誘導体、6−アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5−ウラシル(プソイドウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシルおよび他の8−置換アデニンおよびグアニン、5−ハロ、特に5−ブロモ、5−トリフルオロメチルおよび他の5−置換ウラシルおよびシトシン、7−メチルグアニンおよび7−メチルアデニン、2−F−アデニン、2−アミノ−アデニン、8−アザグアニンおよび8−アザアデニン、7−デアザグアニンおよび7−デアザアデニン、ならびに3−デアザグアニンおよび3−デアザアデニンが含まれる。別の修飾塩基には、三環式ピリミジン、例えば、フェノキサジンシチジン(1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン)、フェノチアジンシチジン(1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾチアジン−2(3H)−オン)、G−クランプ、例えば、置換フェノキサジンシチジン(例えば、9−(2−アミノエトキシ)−H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、カルバゾールシチジン(2H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−オン)、ピリドインドールシチジン(H−ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−オン)が含まれる。また、修飾塩基には、プリンまたはピリミジン塩基が他の複素環で置換された塩基(例えば、7−デアザ−アデニン、7−デアザグアノシン、2−アミノピリジン、および2−ピリドン)も含まれ得る。別の塩基には、米国特許第3,687,808号に記載されている塩基、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering、頁858〜859、Kroschwitz,J.I.編、John Wiley & Sons、1990に記載されている塩基、Englischら、Angewandte Chemie、International Edition、1991、30、613に記載されている塩基、およびSanghvi,Y.S.、15章、Antisense Research and Applications、頁289〜302、Crooke,S.T.およびLebleu,B.編、CRC Press、1993に記載されている塩基が含まれる。一部のこれらの塩基には、結合親和性を高めるのに有用であり、2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル、および5−プロピニルシトシンを含め、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン、ならびにN−2、N−6、およびO−6置換プリンが含まれる。5−メチルシトシン置換は、核酸二本鎖の安定性を0.6〜1.2℃高めることが示され、特定の態様では、2’−O−メトキシエチル糖修飾と組み合わせられる。参考としてその開示が本明細書に援用される米国特許第3,687,808号、同第4,845,205号、同第5,130,302号、同第5,134,066号、同第5,175,273号、同第5,367,066号、同第5,432,272号、同第5,457,187号、同第5,459,255号、同第5,484,908号、同第5,502,177号、同第5,525,711号、同第5,552,540号、同第5,587,469号、同第5,594,121号、同第5,596,091号、同第5,614,617号、同第5,645,985号、同第5,830,653号、同第5,763,588号、同第6,005,096号、同第5,750,692号、および同第5,681,941号を参照されたい。
【0044】
「修飾塩基」または他の類似の用語は、天然塩基(例えば、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、および/またはチミン)と対を形成でき、かつ/または天然に存在しない塩基と対を形成できる組成物を指す。特定の態様では、修飾塩基は、15℃、12℃、10℃、8℃、6℃、4℃、または2℃以下のT差をもたらす。例示的な修飾塩基は、欧州特許第1072679号および国際出願第97/12896号に記載されている。
【0045】
「核酸塩基」は、天然に存在する核酸塩基であるアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)、およびウラシル(U)、ならびに天然に存在しない核酸塩基、例えば、キサンチン、ジアミノプリン、8−オキソ−N−メチルアデニン、7−デアザキサンチン、7−デアザグアニン、N,N−エタノシトシン、N’,N’−エタノ−2,6−ジアミノプリン、5−メチルシトシン(mC)、5−(C−C)−アルキニル−シトシン、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、プソイドイソシトシン、2−ヒドロキシ−5−メチル−4−トリアゾロピリジン、イソシトシン、イソグアニン、イノシン、ならびにBennerらの米国特許第5,432,272号およびSusan M.FreierおよびKarl−Heinz Altmann、Nucleic Acids Research、1997、25巻、頁4429〜4443に記載されている「天然に存在しない」核酸塩基を意味する。従って、用語「核酸塩基」には、既知のプリンおよびピリミジン複素環だけではなく、複素環類似体およびその互変異性体が含まれる。さらなる天然に存在する核酸塩基および天然に存在しない核酸塩基には、それぞれが参考としてその開示のすべてが本明細書に援用される米国特許第3,687,808号(Meriganら)に記載されている核酸塩基、Sanghviによる15章、Antisense Research and Application、S.T.CrookeおよびB.Lebleu編、CRC Press、1993に記載されている核酸塩基、Englischら、Angewandte Chemie、international Edition、1991、30、613〜722(特に頁622および623を参照)に記載されている核酸塩基、Concise Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、J.I.Kroschwitz編、John Wiley & Sons、1990、頁858〜859に記載されている核酸塩基、およびCook、Anti−Cancer Drug Design 1991、6、585〜607に記載されている核酸塩基が含まれる。用語「ヌクレオシド塩基」または「塩基単位」は、最も伝統的な意味ではヌクレオシド塩基ではないがヌクレオシド塩基として機能する特定の「ユニバーサル塩基」を含め、核酸塩基のように機能できる複素環化合物などの化合物を含むことをさらに意図とする。特にユニバーサル塩基と呼ばれるものは、3−ニトロピロール、任意選択で置換されたインドール(例えば、5−ニトロインドール)、および任意選択で置換されたヒポキサンチンである。他の望ましいユニバーサル塩基には、当技術分野で公知のユニバーサル塩基を含め、ピロール、ジアゾール、またはトリアゾール誘導体が含まれる。
【0046】
特定の実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、1つの塩基位置で修飾されている。他の態様では、オリゴヌクレオチドは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10以上の塩基位置で修飾されている。いかなる修飾も、得られるオリゴヌクレオチドがその標的転写産物に結合する能力を保持する限り、本発明によって企図される。
【0047】
本発明によって企図される別の配列には、限定されるものではないが、表1に示されている配列が含まれる。
【0048】
【表1】

1型糖尿病は、NODマウスおよびヒトにおける膵臓インスリン産生β細胞の自己免疫破壊によって明らかになる。臨床的発症の時点で、ヒトは、典型的には、10〜20%以下の残存β細胞集団を有する。この残存集団のいくらかの維持により、グルコースレベルを調節するのに十分なインスリンレベルを維持することができる。加えて、β細胞の破壊の逆転により、β細胞集団の部分的な再生をもたらすことができる。β細胞の自己免疫破壊を妨害するために、本開示のオリゴヌクレオチド含有微粒子が提供される。
【0049】
樹状細胞(DC)を活性化させて、すべての組織に見られる皮膚下に存在する強力な抗原提示細胞にすることができることを理解されたい。これらの抗原提示樹状細胞は、特にリンパ節におけるT細胞の活性化によって、自己免疫応答を含む免疫応答の引き金として機能する。理論に拘束されることを望むものではないが、CD40、CD80、およびCD86は、自己免疫応答にとって重要であると考えられ、これらの分子のダウンレギュレーションは、自己免疫の反応性低下を促すと思われる。加えて、特定のサイトカイン、例えば、インターフェロンやインターロイキンが、反応性低下の結果として減少する。
【0050】
マウスの自己免疫性糖尿病の処置に用いられるマイクロスフェアの形成では、1つ、2つ、または3つのAS−オリゴヌクレオチドを水溶液に溶解して、水溶性ポリマー(複数可)およびポリカチオンと混合することができる。この溶液を、典型的には、約60〜70℃でインキュベートし、約23℃に冷却し、次いで過剰なポリマーを除去する。
【0051】
核酸は、典型的には、マイクロスフェアの約30〜100重量%を構成し、約50μm以下、典型的には約20μm以下の平均粒度を有し、約10μm以下とすることもできる。典型的には、マイクロスフェアは、以下の通り調製される。オリゴヌクレオチドまたは複数のオリゴヌクレオチドの水溶液を調製する。3つのオリゴヌクレオチドを含むマイクロスフェアを調製したい場合は、3つのオリゴヌクレオチド溶液のアリコートを混合する。各溶液は、これら3つのオリゴヌクレオチドのタイプの1つを含む。オリゴヌクレオチドを含む最終溶液は、典型的には、約10mg/mlのオリゴヌクレオチドを含む。
【0052】
特定の例では、マイクロスフェア処方物は、65%、70%、75%、80%、85%、90%w/w、またはそれよりも多い量のオリゴヌクレオチドを含む。このような実施形態では、組成物は、6〜10%w/wのポリ−L−リジン含量を有し、加えて、マイクロスフェアの水分含量は、様々であるが、約4%とすることができる。オリゴヌクレオチドは、一態様では、1:1:1のアンチセンスCD40:アンチセンスCD80:アンチセンスCD86の比で存在する。本発明によって企図される更なる処方物は、推定自己抗原を含む。これらには、限定されるものではないが、インタクトなヒトインスリン、グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)、およびインスリノーマ関連タンパク質−2(IA−2)が含まれ得る。
【0053】
これらを、10mg/mlポリカチオンストック溶液のアリコートと混合する。ポリカチオンの例には、ポリ−リジンおよびポリ−オルニチンが含まれる。他のポリカチオンには、ポリエチレンイミン(PEI)、プロラミン、プロタミン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアルギニン、ビニルアミン、および正に荷電したキトサンなどの正に荷電した多糖の誘導体、およびそれらの組合せが含まれる。ポリカチオン溶液は、ポリカチオン:オリゴヌクレオチドの容積比を約1:1〜約4:1とすることができる。一般的に使用されるポリカチオンには、ポリ−L−リジン・HBr(最大70,000ダルトン、Bachemから入手可能)およびポリ−L−オルニチン・HBr(例えば、11,900ダルトン、Sigmaから入手可能)が含まれる。
【0054】
ポリマー溶液も調製する。これらは、相分離促進剤として機能することができる。適切なポリマーの例には、直鎖または分岐ポリマー、コポリマー、およびブロックコポリマーが含まれる。これらのポリマーは、水溶性、半水溶性、水混和性、または水混和性溶媒に可溶性とすることができる。ポリマーの例として、PEG200、PEG300、PEG3350、PEG8000、PEG10000、PEG20000などの様々な分子量のポリエチレングリコール(PEG)、ならびにポロキサマー188およびPluronic FI27またはPluronic F68などの様々な分子量のポロキサマーなどの薬学的に許容される添加剤が挙げられる。一般的に使用されるポリマーは、ポリビニルピロリドン(PVP)である。別のポリマーは、ヒドロキシエチルスターチである。他の両親媒性ポリマーも、単独または混合して用いることができる。また、相分離促進剤は、プロピレングリコールとエタノールとの混合物などの非ポリマーとすることができる。
【0055】
典型的な実施形態では、ポリビニルピロリドンおよび/またはポリエチレングリコールのポリマー溶液を調製し、他の溶液と混合することができる。加熱、冷却、遠心分離、および複数回の洗浄により、水性懸濁液が得られ、この懸濁液は、オリゴヌクレオチドおよびポリカチオンを含むマイクロスフェアの乾燥粉末を形成するために、典型的には凍結させられ、凍結乾燥される。
【0056】
マイクロスフェアは、静脈内、筋肉内、皮下、腹膜内、髄腔内、硬膜外、動脈内、および関節内などを含む注射経路によるin vivo送達に適している。実施できる他の送達経路には、例えば、局所、口腔、直腸、鼻、肺、膣、頬、舌下、経皮、経粘膜、眼、または眼内などが含まれる。本開示の目的に好都合なものは、注射可能な送達経路である。従って、一態様では、微粒子またはマイクロスフェアをシリンジ内に吸引して、細い針から注射することができる。皮下および眼などを含む適切な送達経路は、微細針(fine bore needle)を用いた注射である。用語「微細針」は、少なくとも20ゲージのサイズ、典型的には約22〜約30ゲージ、およびこれよりも大きい針を意味する。一態様では、微細針は、少なくとも24ゲージの細さ、少なくとも26ゲージの細さ、および少なくとも28ゲージの細さである。
【0057】
一態様では、微粒子またはマイクロスフェアは、限定されるものではないが、注射される組成物1ml当たり少なくとも約10μgのオリゴヌクレオチドの濃度で注射することができる。例えば、約150〜約500mgのオリゴヌクレオチドを、多くの適用例について約1ml以下、一般的には約2ml未満の送達量で注入可能である。投与量は、1日に2回または3回以上の用量に分けることもできるし、単一の1日用量として投与することもできる。
【0058】
様々な態様では、微粒子またはマイクロスフェアは、限定されるものではないが、注射される組成物1ml当たり少なくとも約0.01〜1000mgの濃度で注射することができる。さらなる態様では、微粒子またはマイクロスフェアは、注射される組成物1ml当たり少なくとも約0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、.0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、25、30、35、40、45、または50mg以上の濃度で注射することができる。関連する態様では、微粒子またはマイクロスフェアは、注射される組成物1ml当たり少なくとも約55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、405、410、415、420、425、430、435、440、445、450、455、460、465、470、475、480、485、490、495、500、505、510、515、520、525、530、535、540、545、550、555、560、565、570、575、580、585、590、595、600、605、610、615、620、625、630、635、640、645、650、655、660、665、670、675、680、685、690、695、700、705、710、715、720、725、730、735、740、745、750、755、760、765、770、775、780、785、790、795、800、805、810、815、820、825、830、835、840、845、850、855、860、865、870、875、880、885、890、895、900、905、910、915、920、925、930、935、940、945、950、955、960、965、970、975、980、985、990、995、または1000mgの濃度で注射することができる。
【0059】
注射送達は、通常の注射時間中に行われる。典型的には、このような時間は、限定されるものではないが、約20秒以下である。
【0060】
いかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、本明細書に例示されるアンチセンスオリゴヌクレオチドを含むマイクロスフェアが、細胞表面分子CD40、CD80、およびCD86をダウンレギュレートすると考えられる。マイクロスフェアが注射されると、樹状細胞が、オリゴヌクレオチドマイクロスフェアを積極的に取り込むと考えられる。これらのオリゴヌクレオチドは、樹状細胞における細胞表面細胞分子CD40、CD80、およびCD86の発現を抑制する。NODマウスでの発病後のこれらのアンチセンスオリゴヌクレオチドマイクロスフェアの投与は、糖尿病を効果的に逆転させる。
【0061】
以下の実施例は、本開示をさらに例示するために本開示の特定の特徴および利点を例示する。実施例は、本開示の制限または限定と見なされるべきものではない。
【実施例】
【0062】
実施例1
CD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とする3つのAS−オリゴヌクレオチドを合成した。この実施例に使用するAS−オリゴヌクレオチド配列は、以下の通りであり、は、主鎖におけるチオエート化の部位を示している:
【0063】
【化1】

オリゴヌクレオチド混合物の水溶液を、それぞれが1つの型のオリゴヌクレオチドを含む3つのオリゴヌクレオチド溶液のアリコートを混合して調製し、3つの型のオリゴヌクレオチドの10mg/ml溶液を作製した。脱イオン水中の10mg/mlのポリ−L−リジン・HBrの溶液(Bachem、King of Prussia、PAによる最大70,000ダルトンのポリ−L−リジン・HBr)を調製した。ポリ−L−リジン・HBrを、1:1の容積比で、このオリゴヌクレオチド溶液に添加した。この混合物を、穏やかにボルテックスした。pH5.5の1M酢酸ナトリウム(Spectrum、Gardena、CA)中に、12.5%のPVP(ポリビニルピロリドン、40,000ダルトン、Spectrum Chemicals、Gardena、CA)および12.5%のPEG(ポリエチレングリコール、3,350ダルトン、Spectrum Chemicals、Gardena、CA)を含む25%ポリマー溶液を、AS−オリゴヌクレオチド0.75ml、ポリ−L−リジン・HBr 0.75ml、およびPEG/PVP 3.0mlの全容量4.50mlに2:1の容積比で添加した。
【0064】
このバッチを70℃で30分間インキュベートし、次いで23℃に冷却した。冷却時に、溶液が濁り、マイクロスフェアが形成された。次いで、この懸濁液を遠心分離し、過剰なPEG/PVPを除去した。得られたペレットを、脱イオン水中にペレットを再懸濁することによって洗浄し、次いで遠心分離し、上清を除去した。この洗浄過程を3回繰り返した。この水性懸濁液を凍結させ、凍結乾燥させて、オリゴヌクレオチドおよびポリ−L−リジンを含むマイクロスフェアの乾燥粉末を形成した。
【0065】
図1aおよび図1bは、2つの異なる倍率での1:1のポリ−L−リジン:オリゴヌクレオチドの比のマイクロスフェアの代表的な走査電子顕微鏡写真(SEM)を示している。平均粒度が約2.5μmの0.5〜4μmのサイズのマイクロスフェアを形成した。図2aは、レーザー光散乱によって明らかにされた本開示に従って形成されたマイクロスフェアの1つの調製物のサイズ分布を示している。図2bは、光散乱によるマイクロスフェア調製物(ゼータ電位)の表面電荷の決定を示している。図3は、取り込み量(loading)を定量化し、脱処方化後のマイクロスフェアのアンチセンスオリゴヌクレオチド成分の完全性を評価するために使用される逆相(RP)HPLC法を示している。マイクロスフェアは、CD86、CD40、CD80オリゴヌクレオチドおよびポリ−L−リジン(PLL;MW 30〜70kD)を用いて処方した。次いで、マイクロスフェアを、ポリ−L−アスパラギン酸(PAA)によってPLLからのDNAオリゴヌクレオチドの競合置換を用いて脱処方化した。PAAは、260nmで吸収されず、260nmでオリゴヌクレオチドの定量を妨げないポリアミノ酸試薬として選択した。図3などのRP−HPLCプロフィールでは、各ピークの下側の面積は、マイクロスフェアに取り込まれた各オリゴヌクレオチドの量に比例している。図3に示されているように、ピークの高さは、各オリゴヌクレオチドのマイクロスフェア内への取り込み量にほぼ等しい値を示している。オリゴヌクレオチドのマイクロスフェア内への取り込み量は、約65重量%〜約80重量%となるように計算した。また、図3は、脱処方化後のピークの狭い分布によって示されているように、オリゴヌクレオチドの完全性が、マイクロスフェアの処方過程によって影響されなかったことも示している。
【0066】
実施例2
この実施例では、本開示の予防の態様を包含する試験の結果を示す。図4に示されているように、5〜8週齢のNODマウスへのAS−MSPの単回投与が、糖尿病の発症を遅らせる。NOD雌マウス(5〜8週齢)の2つの群に、本開示のマイクロスフェアに処方されたアンチセンス−オリゴヌクレオチド(AS−MSP)の単回皮下注射を行った。各アンチセンスオリゴヌクレオチド(抗−CD40、抗−CD80、および抗−CD86)の1:1:1の混合物50μgを含むと考えられる量で、処方物を注射した。マウスの他の群には、スクランブル配列マイクロスフェア(SCR−MSP)またはPBSビヒクルを注射した(コントロールNOD)。血中グルコースを、尾部静脈穿刺によって毎週測定した。読み取り値が2回続けて280〜300mg/dLを超えたら、糖尿病と認めた。図4は、2つの別個に処置したコホートの累積生存を示している。
【0067】
図5は、5〜8週齢のNODマウスへのAS−MSPの複数回投与が、糖尿病の発症を予防することを示している。NOD雌マウス(5〜8週齢)に、本開示に従ったマイクロスフェアに処方されたアンチセンスオリゴヌクレオチドの単回皮下注射(週1回)を8回続けて行った。注射(1:1:1の各アンチセンスオリゴヌクレオチドの混合物またはスクランブルオリゴヌクレオチド50μg)を、週1回、8週間にわたって行い、13週で停止した。マウスの他の群には、スクランブル配列マイクロスフェア(SCR−MSP)またはPBSビヒクルを注射した(コントロールNOD)。図5は、処置した動物の累積生存を示している。
【0068】
図6aおよび図6bはヘマトキシリンおよびエオシンで染色した(H+E;図6a)またはインスリンに対して染色した(図6b)、処置を受けなかったため自己免疫に自然に進行したマウス(糖尿病NODマウス)の膵臓組織の切片を示している。図6cおよび図6dは、SCR−MSP処方物で処置した(特定のAS−MSPで処置した群と並行して注射を開始した)マウス由来の膵臓組織の切片を示している。これらの切片も、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色(H+E;図6c)またはインスリンに対して染色した(図6d)。SCR−MSPマウスはすべて、糖尿病を発症した。
【0069】
図7aおよび図7bは、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色(H+E;図7a)またはインスリンに対して染色(図7b)した、8週齢未満のときに処置し(予防モデル)、そして本開示のアンチセンスマイクロスフェアで処置したマウス由来の膵臓組織の切片を示している。
【0070】
図8に示されているように、AS−MSPで処置したNODマウス由来のT細胞は、Foxp3+CD25+推定Treg細胞の普及の増加を示している。図8Aは、FACS分析に使用されるゲーティングを示している。図8Bは、脾臓から濃縮されたFoxp3+CD25+T細胞のパーセンテージを示し、図8Cは、ASMSP非糖尿病コホートからランダムに選択したASMSP処置非糖尿病マウスのプールされたリンパ節由来、またはスクランブル配列マイクロスフェア(SCR−MSP)で処置した、もしくはPBSビヒクルで処置した動物由来のパーセンテージを示している。
【0071】
図9は、ASMSP処置非糖尿病NODマウス由来のT細胞が、同種異系脾細胞と共培養した場合に増殖することを示している。ASMSPで処置した非糖尿病NODマウス由来のT細胞は、濃縮カラムから得て、Balb/c、C57BL6、または同系非糖尿病NODマウス(10週齢)由来のγ線照射脾細胞と共培養した。Cyquant試薬を用いて4日後に増殖を測定した。Splは、同種異系照射脾細胞を指す。
【0072】
図10に示されているように、ASMSP処置非糖尿病NODマウス由来のT細胞が、in vitroで同系照射脾細胞および卵白アルブミンの存在下で増殖する。T細胞は、ASMSP非糖尿病コホートからランダムに選択したASMSP処置非糖尿病マウスの脾臓またはプールされたリンパ節から濃縮した。
【0073】
図11は、ASMSP処置非糖尿病NODマウス由来のT細胞が、in vitroで同系膵島溶解物の存在下で増殖の抑制を示すことを示している。図4に示されているように、T細胞は、ASMSP非糖尿病コホートからランダムに選択したASMSP処置非糖尿病マウスの脾臓またはプールされたリンパ節から濃縮した。照射NOD脾細胞(10週齢の非糖尿病NODマウス由来)を、抗原提示細胞として使用し、並行培養物をNIT−1溶解物(1μg/ウェル)(またはPBSビヒクル)を用いてパルス化した。
【0074】
糖尿病抑制治療のヒト試験への最終的な移行に関する主な懸念は、この処置方法の抗原特異性(従って細胞特異性)、ならびにこの処置が全体的および非特異的な抑制をもたらすか否かである。これらの問題に取り組むために、図4に示されているコホートからランダムに選択した非糖尿病マウスを安楽死させて、同種抗原、名目上の抗原(インタクトな卵白アルブミンの形態である)、およびNOD由来インスリノーマ細胞系NIT−1由来の細胞溶解物の形態の同系β細胞由来抗原に対する脾臓およびリンパ節のT細胞の増殖を確認した。インスリンおよびグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)は、機構的および目的論的に関与する有望な候補の自己抗原であるが、自己抗原を惹起する性質は不明確なままである。これにも関わらず、β細胞に存在するはずであると見なすのが妥当である。従って、NODインスリノーマに由来するNIT−1細胞系を、AS−MSPで処置した非糖尿病NODマウス由来のT細胞の共培養物中のβ細胞抗原の供給源として使用して、抗原特異的反応性低下の可能性を決定した。これらの研究から、名目上の抗原および同種抗原に対するT細胞の増殖は維持されるが、NIT−1細胞溶解物との共培養物中でT細胞の増殖低下が起こることが観察された。
【0075】
さらに、共培養物の上清中のサイトカインのプロフィールを確認して、本発明者らは、NIT−1溶解物の存在下でさえ、AS−MSP処置非糖尿病NODマウス由来のT細胞によるTNFαの産生の有意な低下を観察した。IFNγの産生は、AS−MSP処置マウス由来のT細胞の共培養物中で僅かに低下したが、NIT−1溶解物の存在下では、PBS処置マウス由来のT細胞との共培養物と統計学的に区別できなかった。最後に、このアッセイは、上清中のIL−4、IL−10、またはTGFβの存在を検出できなかった。
【0076】
実施例3
早期発症NODマウスにおける糖尿病の症状を逆転させるアンチセンスオリゴヌクレオチドマイクロスフェアの能力も試験した。これらの実験の予定表が図13Aに示されている。早期発症したNODマウスは、血糖値を試験し、血糖値が400mg/dLを超える動物を特定することによって選択した。選択した動物に、インスリンペレットを与えて、300mg/dLよりも低い血糖値に正常化した。インスリンを中止し、マイクロスフェアの一連の非経口注射を開始した。6匹の動物に、CD40、CD80、およびCD86アンチセンスオリゴヌクレオチドを含むマイクロスフェアを週2回注射した。さらに10匹の動物に、CD40、CD80、および/またはCD86に向けられたものではないスクランブル配列を有するオリゴヌクレオチドの混合物を含むマイクロスフェアを注射した。両方の群の動物の各注射は、100μlの注射溶液中のマイクロスフェア中にオリゴヌクレオチド50μgを含んでいた。スクランブル群の動物のうちの2匹を、健康状態が悪いため、実験終了前に安楽死させた。注射プロトコルの開始後、血糖値を週2回サンプリングした。動物は、実験中、空腹状態でなかった。結果が図12にプロットされており、標識(1)は、インスリンペレットの設置を示し、標識(2)は、インスリンペレットの除去および週2回のMSP注射の開始を示している。図12で報告された最高血糖値は、700mg/dLであり、この値は、使用した測定器の最大の読みであることに留意し、700mg/dLのデータポイントは、700mg/dL以上の血中グルコースを示唆することを理解されたい。CD40、CD80、CD86アンチセンスオリゴヌクレオチドの混合物を含むマイクロスフェア(ASMSP1〜ASMSP6)が投与された群の全ての動物は、スクランブルオリゴヌクレオチドを含むマイクロスフェア(SCRMSP1〜SCRMSP10)が投与された動物よりも有意に低いグルコースレベルを示した。さらに、このASMSP群の6匹の動物のうちの4匹は、典型的には糖尿病発症の閾値指標と見なされる400mg/dLよりも低い血糖値を示した。
【0077】
図13Aに、実験の予定表が示されている。各群の平均非空腹時血糖値(図13B)および平均空腹時血糖値をプロットした(図13C)(+/−SEM)。一部マウスでは、図13Aに示されているように、ASMSP投与を中止した。図13Bおよび13Cに示されているように、初発糖尿病NOD雌マウスへのAS−MSPの複数回投与により、血糖値が改善され、未処置の動物(コントロール)、PBSで処置した動物、またはスクランブルオリゴヌクレオチド(SCR−MSP)マイクロスフェアで処置した動物と比較して、AS−MSP中止後でさえ安定した空腹時正常血糖をもたらした。
【0078】
図7cおよび7dは、糖尿病の発症後にアンチセンス処方物で処置し、疾患の逆転を示したNODマウス由来の膵臓組織の切片を示している。切片を、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色(H+E;図7c)またはインスリンに対して染色(図7d)した。
【0079】
3つの異なるAS−オリゴヌクレオチドを、本明細書に開示される方法に従ってマイクロスフェア内に組み込むことができ、このようなマイクロスフェアを、免疫調節性樹状細胞の誘導による初発自己免疫性糖尿病を予防するため、および/または逆転させるための組成物として使用することができる。実際、この組成物の単回注射は、疾患の発症を遅らせ、初発糖尿病マウスへの反復投与は、高血糖を正常化し、疾患の逆転を示唆した。これらの研究において、血中グルコースが300mg/dLよりも低くなるまでインスリンを毎日投与した。次いで、インスリンを中止し、その際にAS−MSPを皮下投与した。例示的な投与計画では、体重1kg当たり2mgのAS−MPを3〜4週間、週2回、動物に投与した。非糖尿病NODマウスをモニタリングした。
【0080】
図14A〜図14Cでは、NODマウスへのAS−MSPの投与が、前記マウスの血糖値を正常レベルに戻し、前記血糖値の正常化が、長期間維持されることを実証している。図14Bおよび図14Cに示されているように、インスリン投与を中止してから0〜30日の間、AS−MSPを投与した。血糖値は、インスリン中止後15日目までに正常に戻り、モニタリング期間の終了(55日目)まで正常レベルに維持された。
【0081】
自己免疫性糖尿病の治療上の逆転の効果を示す線図が図15に示されている。マイクロスフェア治療薬が、図15に示されている初発「ハネムーン期間」に投与されると、機能を維持した10〜20%のβ細胞が維持されると推定され、これにより糖尿病が制御され、患者のインスリンに対する依存が減少する。
【0082】
記載された本開示の実施形態は、本開示の原理の適用例の一部の例示であることを理解されたい。本開示の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者によって様々な変更がなされ得る。本明細書中に記載された様々な特徴は、任意の組合せで使用することができ、本明細書で具体的に要点を述べた厳密な組合せに限定されるものではない。
【0083】
実施例4
以下のヒトアンチセンス配列を、以下に記載される研究に使用した。
【0084】
【化2】

血液のFicoll−Hypaque遠心分離、プレート上での接着細胞の非接着細胞からの分離、続くAIM V培地中のGM−CSF/IL−4における接着細胞の増殖(Thorntonら、2000、J Immunol 164:183〜190;Thorntonら、1998、J Exp Med 188:287〜296;Medarovaら、2005、Diabetes 54:1780〜1788;Petrovskyら、2003、Cancer Res 63:1936〜1942;Gmyrら、2001、Cell Transplant 10:109〜121)によって末梢血からヒトDCを得て、以下に概要を述べるすべての実験に使用した。CD3カラム上での選択の後のDC増殖中に収集した非接着細胞からT細胞を濃縮した。すべての細胞は、健康なボランティアから得た。
【0085】
ヒトDCによるODNの取り込み:ヒトDCは、PI/アネキシンV染色、細胞表面CD86、CD80、CD40、およびクラスII MHC発現、およびDQOvalbumin(商標)の取り込み/プロセシングによって評価される細胞の生存能力および機能を変更することなく、蛍光NF−κBおよびAS−ODNを迅速(5時間までに)に取り込む。図16Aは、培地(最終濃度3.3μM)に添加してから24時間後までのヒトDCによるFITC標識CD86アンチセンスオリゴヌクレオチドの取り込みを示している。DCの未成熟は、外部から供給された粒子の食作用およびエンドソーム/リソソームプロセシングのこれらの能力に関連している。図16Bは、AS−ODN DCが、外部から供給されたタンパク質(DQ−Ovalbumin)を取り込むことができ、より重要なことに、これらの蛍光が、抗原がエンドサイトーシスの区画(endocytic compartment)内でプロセシングされたこと(インタクトなDQ−ovalbuminは蛍光を発しないが、プロセシングされると蛍光を発する)を示唆することを実証している。同時に、AS−ODN処理DC(3つすべてのアンチセンスオリゴヌクレオチドの混合物)は、リポ多糖(LPS)刺激;CD80およびCD86の細胞表面レベルを大幅に増大させる処理が行われても、抗原提示に重要なICAM−1またはクラス1およびクラスII HLAが一切変化することなく、劇的に抑制されたCD86およびCD80の細胞表面レベルを示した。1×10のヒトDCをまず、AS−ODN混合物(各オリゴヌクレオチドは最終濃度が3.3μM)で24時間処理し、次いでLPS(10μg/mL)またはPBSビヒクルでさらに24時間処理した。次いで、細胞を、指示された蛍光抗体またはアイソタイプコントロールで染色した。次いで、FACS分析を行った(図16C)。
【0086】
ワクチン投与および名目上の抗原に対する応答:AS−ODN(配列番号4、6、および7)で処理したヒトPBMC由来樹状細胞は、破傷風トキソイドとの共培養で同系T細胞の正常な活性化を示した(T細胞は、最近ワクチン投与された個体から得た);図17。加えて、AS−ODN DC刺激正常T細胞は、DCが卵白アルブミン、名目上の抗原でパルス化されたときに応答した;図18。両方のアッセイで、刺激物質としての未処理DCとの共培養物に対して比較した。1:1の比のDC:T細胞が1×10の細胞からなる共培養物を確立した。共培養の5日目にCyQuant試薬によって増殖を測定した。外部抗原(破傷風トキソイドまたはインタクトな卵白アルブミン)を、共培養期間の間、5μg/mLの最終濃度で調製した。
【0087】
同種抗原に対する応答:図19に、AS−ODN DCが、培養下の同種異系T細胞に対して弱い増殖刺激を与えることが示されている。AS−ODN DCとの共培養物中のT細胞の増殖は、刺激物質としてのコントロールDCとの共培養物と比較して少なかった。1:1の比のDC:T細胞が1×10の細胞からなる共培養物を確立した。共培養の5日目にCyQuant試薬によって増殖を測定した。
【0088】
As−ODN処理DCにおけるin vitroでの詳細なDC表現型の評価:表2および表3(下記)は、FACSによって測定された2人の健常なボランティア由来の試料中のLPS刺激DC成熟(同時刺激タンパク質のアップレギュレーション)の予防に対するCD40、CD80、およびCD86アンチセンスODN調製DCの効果を実証している。
【0089】
2人の健常なボランティアから白血球を得て、これを用いてコントロールDCまたはAS−ODN DCを作製した(2人の各ボランティア由来)。次いで、FACS分析によってCD40、CD80、およびCD86のアップレギュレーションが存在するか否かを確認するためにDCをLPS(リポ多糖)で活性化させて成熟させた。コントロールDCでは、LPSは、表面でCD40、CD80、およびCD86のアップレギュレーションを刺激したが、AS−ODN DCでは刺激することができなかった。これは、通常はCD40、CD80、およびCD86の表面での発現をアップレギュレートする強力な成熟信号(LPS)の存在下でさえも、AS−ODNがCD40、CD80、およびCD86の発現を抑制することを裏付けている。データは、表2および表3に示されている。
【0090】
【表2】

【0091】
【表3】

実施例5
ヒトCD40、CD80、およびCD86共刺激分子に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドの配列(実施例4に記載)を含むマイクロスフェアを以下に示す通り形成した:
水溶液中のポリ−L−リジン約6.0mgを水浴中で70℃に加熱し、15ml円錐管に入れた。水溶液中のCD40、CD80、およびCD86アンチセンスオリゴヌクレオチド(実施例4に記載した配列番号4、6、および7)の混合物6.9mgを水浴中で70℃に加熱し、15mlの円錐管に入れた。12.5%−PEG/12.5%PVP溶液も、水浴中で70℃に加熱した。アンチセンスオリゴヌクレオチド溶液にポリ−L−リジンをピペットで添加した。得られた懸濁液を、ピペット先端部で簡単に撹拌して混合した。次いで、この管を70℃の水浴に迅速に戻して、5分間インキュベートした。次いで、PEG/PVP溶液をASO/PLL溶液に添加した。これを、ピペット先端部で撹拌して簡単に混合した。
【0092】
次いで、この管を70℃の水浴に迅速に戻して、5〜10分間インキュベートした。次いで、処方物を、1℃/分の冷却速度で4℃まで冷却した。次いで、試料を氷上で水洗した。
【0093】
次いで、試料を、4℃で10〜30分間、4750rpmで遠心分離した。次いで、上清を除去し、マイクロスフェアを4℃の等量のHOで再懸濁した。次いで、マイクロスフェアを、4℃で5〜10分間、4750rpmでの遠心分離、洗浄、および再懸濁によってさらに3回洗浄した。上清の除去、マイクロスフェアの再懸濁、および4℃の等量のHOでの再懸濁によって。
【0094】
4回目の遠心分離ステップの後、マイクロスフェアを1ml当たり約10mgの濃度に再懸濁した。次いで、試料を、ドライアイス上または−80℃の冷凍庫内で30分間凍結させた。最後に、試料を約24時間、凍結乾燥して乾燥させた。
【0095】
実施例6
以下に示す通り動物毒性研究のために生産したグラムスケールのバッチ:
マイクロスフェア(MS)処方物:アンチセンスオリゴヌクレオチドマイクロスフェア(ASO MS)の典型的な生産工程を、実施例4に記載されたアンチセンス(配列番号4、6、および7)を用いて以下に説明する。10gの量のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)生産バッチを、2.3mg/mlの開始ASO(13.8g)で、3つの2Lの生産アリコートを用いて生産した。
【0096】
【表5】

2Lバッチに、3Lの開口したステンレス鋼(SS)容器を使用した。ポリ−L−リジン(PLL)溶液およびヌクレアーゼを含まない水を滅菌1000mlボトルに加えて、70℃に加熱した。ASOカクテルを滅菌250mlボトルに加えて、70℃に加熱した。PEG/PVP溶液を3L容器に加えて、70℃に加熱した。ASOカクテルを高温のPLL/水混合物に加えて、ASO/PLL複合体を形成した。この複合体を70℃で5分間維持し、次いで、滅菌した平羽根リフターで撹拌しながら、PEG/PVPを含む3L容器内に加えた。この溶液を、70℃で10分間維持した。全処方物を、約0.9℃/分の速度で70℃から2℃に冷却した。懸濁液を、ポリマーの除去および洗浄のために移した。
【0097】
ポリマーの除去/洗浄:すべての開放性の作業は、層流フード内で行った。ASO−MS懸濁液を、4つの予め滅菌した500mLポリプロピレン円錐ボトルに移した。このボトルを、4℃で30分間、3700rpm(3200gの力)で遠心分離した。上清を捨て、予め冷却した(4℃)0.2μmろ過済みUSP水を、ボトルに加えた(除去した上清と同量)。ボトルを手で振盪し、冷水超音波処理を用いて、ペレットを再懸濁した。この過程を、60分ではなく10分の遠心分離時間でさらに3回繰り返した。最後の再懸濁をろ過済みUSP水約500mL中で行い、全容量を凍結乾燥皿に加えた。
【0098】
凍結乾燥:乾燥粉末にするための最後の乾燥は、凍結乾燥によって達成した。ASO−MSを、滅菌した10インチ×16インチのステンレス鋼皿(1バッチ当たり1つ)でバルク凍結乾燥させた。3つすべてのバッチを、SP Industries(FTS)Freeze Dryer FD−165の棚の上で−40℃で凍結させた。次いで、バッチを凍結乾燥機に戻し、3日間凍結乾燥させた。用いたサイクルは、−40℃で4時間の凍結ステップ、−10℃で48.5時間の第1の乾燥ステップ、徐々に温度を上げて20℃で2時間の第2の乾燥ステップ、徐々に温度を下げて−5℃での保持ステップ、徐々に温度を上げて20℃での最終保持ステップを含んだ。この時点で、0.2μmろ過クリーンルーム空気を凍結乾燥機に充填し、収集のためにトレーを層流フードに移した。
【0099】
収集/パッケージング:ASO−MSを、100mLの蓋付き加圧滅菌ガラスボトルの中に収集した。合計24のアリコートを、用量範囲研究のために10mLまたは20mL(投与量に基づく)の蓋付き加圧滅菌ガラスバイアルにサンプリングした。分析試験、生物汚染度、内毒素、および他の用途のために別の材料をサンプリングした。すべての収集およびサンプリングは、予め滅菌したまたは衛生化した構成要素を用いて層流フード内で行った。
【0100】
再懸濁ビヒクルの調製:グリシン粉末をUSP水に溶解した。ASO−MSを、投与時にビヒクル内で再懸濁されるように設計した。
【0101】
材料:可能な限りUSPグレードの原材料を使用した。活性ASO混合物および洗浄用のろ過済みUSP水の2つの溶液を生産の前に調製した。2つの溶液を、(1)12.5%ポリエチレングリコール(PEG)、12.5%ポリビニルピロリドン(PVP)、0.1M酢酸ナトリウム、pH5.6、および(2)15mg/mlポリ−L−リジンに処方した。両方の溶液を、0.2μmフィルターに通してろ過し、層流フード内の加圧滅菌ボトルに入れた。活性ASOカクテルを、個々のASO粉末(HuCD40、HuCD80、およびHuCD86)をヌクレアーゼを含まない水で再懸濁して調製し、濃度を決定した。個々のASO溶液を等モル比で混合し、2.7mM(27.45mg/ml)の濃度に希釈した。
【0102】
環境/工程のクリーニング:ASO MS生産物は、ISO8(Class 100,000)クリーンルームで生産した。最大の工程の密閉は、許容される限り維持した。環境への曝露を必要とするすべての工程作業は、クリーンルームの層流フード内で行った。HVACシステムおよび設備機器の較正および証明書は、現状のままとした。クリーンルームおよび関連設備の予防保全プログラムは、決められた手順で行った。クリーンルームの慣例的なクリーニングおよび衛生化を実施し、活動中は完全予防衣とした。
【0103】
生産物が接触する機器および構成要素は、滅菌済みを購入するか、または121℃で30分以上、研究室の加圧滅菌器で衛生化するか、または水酸化ナトリウムとUSP純水で衛生化した。可能な場合は、使い捨て滅菌済み構成要素を使用した。生産物が接触しない表面は、70%イソプロパノールおよびSpor−Klenz Cold−Sterilantを用いて衛生化した。
【0104】
試料(試験および/またはコントロール)の明細:材料を特徴付けるために以下に示す試験(以下の表4)を行った。
【0105】
【表4】

実施例7
マイクロスフェア−AS−ODN(実施例4に記載されているアンチセンス配列、配列番号4、6、および7を含む)が、非ヒト霊長類で非毒性であることを実証するため、ならびにマイクロスフェア中の放射標識された、または蛍光タグの付いたオリゴヌクレオチドの膵臓リンパ節輸送および蓄積を確認するために、別の臨床前研究を行った。
【0106】
初期実験は、本明細書に開示されるマイクロスフェア(MSP)と同一に振る舞うように企図されたInvitrogenが販売するFluospheresを利用した。MSPを取り込んだ細胞型およびその機能的能力を同定するために、脾臓およびリンパ節を、MSPの蓄積を示した研究対象から単離した。
【0107】
これらの実験結果は、マイクロスフェア−AS−ODNが非毒性であり、MSPの蓄積がリンパ節、膵臓、腎臓、および肝臓で観察されたことを示した。このMSPの蓄積は、驚くべきことに、マウスを用いた同様の実験で観察されたものと少なくとも部分的に酷似していた。
【0108】
実施例8
ASO−MS標的のタンパク質ノックダウン:Ficoll勾配による遠心分離、単球のプラスチックへの接着、およびIL−4およびGM−CSFの存在下での7日間の細胞の分化によって単球由来樹状細胞を得た。7日後、ヒトASO−MS(最終濃度20μg/ml、実施例4に記載されている配列番号4、6、および7に示されている配列)または培地のみを細胞に添加した。細胞を7〜14日間培養し、次いでフローサイトメトリーによる分析のために収集した。ヒトCD80、ヒトCD86、およびヒトCD40に対する抗体または対応するアイソタイプコントロールと共に細胞を4℃で30分間インキュベートし、次いで、PBS/FCS緩衝液で洗浄した。細胞をPBS/FCS緩衝液中に再懸濁し、FACSCaliburフローサイトメーターで分析した。FACSCaliburは、BD BioscienceのCalibriteビーズで毎日較正した。データを、各タンパク質に対して陽性の細胞のパーセンテージについてCellQuestソフトウエアで分析した。データは、Excel 2007で計算した、各群における陽性細胞の平均パーセント(図20)またはコントロール/未処理細胞からの減少パーセント(図21)±標準偏差として示されている。2人の異なるドナーからの細胞を、7〜14日間、培養の2つの異なる日に分析した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物の1型糖尿病を処置する、または逆転させる方法であって、前記方法は、1型糖尿病を処置するため、または逆転させるために有効な量のマイクロスフェアを含む組成物を投与するステップを含み、前記マイクロスフェアは、CD40、CD80、およびCD86一次転写産物からなる群より選択される一次転写産物に対してアンチセンスであり、かつそれに結合するように標的化されるオリゴヌクレオチドを含み、前記オリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、ならびにCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7の改変型からなる群より選択されるポリヌクレオチド配列を含む、方法。
【請求項2】
自己免疫破壊から哺乳動物の膵臓β細胞を保護するための方法であって、前記方法は、膵臓β細胞を保護するために有効な量のマイクロスフェアを含む組成物を前記哺乳動物に投与するステップを含み、前記マイクロスフェアは、CD40、CD80、およびCD86一次転写産物、ならびにそれらの組合せからなる群より選択される一次転写産物に対してアンチセンスであり、かつそれに結合するように標的化されるオリゴヌクレオチドを含み、前記オリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、ならびにCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7の改変型からなる群より選択されるポリヌクレオチド配列を含む、方法。
【請求項3】
哺乳動物におけるT細胞媒介性の膵臓の炎症または膵臓β細胞死を減少させる方法であって、前記方法は、T細胞媒介性の膵臓の炎症または膵臓β細胞死を減少させるために有効な量のマイクロスフェアを含む組成物を前記哺乳動物に投与するステップを含み、前記組成物中の前記マイクロスフェアは、CD40、CD80、およびCD86一次転写産物、ならびにそれらの組合せからなる群より選択される一次転写産物に対してアンチセンスであり、かつそれに結合するように標的化されるオリゴヌクレオチドを含み、前記オリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、ならびにCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7の改変型からなる群より選択されるポリヌクレオチド配列を含む、方法。
【請求項4】
初発自己免疫性糖尿病または前臨床自己免疫性糖尿病を有する哺乳動物における残存β細胞集団を維持する方法であって、前記方法は、残存β細胞集団を維持するために有効な量のマイクロスフェアを含む組成物を前記哺乳動物に投与するステップを含み、前記組成物の投与は、前記哺乳動物の前記β細胞集団を糖尿病発症前に存在した集団の少なくとも約15%まで維持し、前記組成物中の前記マイクロスフェアは、CD40、CD80、およびCD86一次転写産物、ならびにそれらの組合せからなる群より選択される一次転写産物に対してアンチセンスであり、かつそれに結合するように標的化されるオリゴヌクレオチドを含み、前記オリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7、ならびにCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7の改変型からなる群より選択されるポリヌクレオチド配列を含む、方法。
【請求項5】
前記組成物中の前記マイクロスフェアが、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7のポリヌクレオチド配列を含む、請求項1、2、3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物中の前記マイクロスフェアが、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7のポリヌクレオチド配列からなる、請求項1、2、3または4に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物中の前記マイクロスフェアが、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7に対して少なくとも80%のポリヌクレオチド配列相同性を有し、かつCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、請求項1、2、3または4に記載の方法。
【請求項8】
前記組成物中の前記マイクロスフェアが、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7に対して少なくとも85%のポリヌクレオチド配列相同性を有し、かつCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、請求項1、2、3または4に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物中の前記マイクロスフェアが、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7に対して少なくとも90%のポリヌクレオチド配列相同性を有し、かつCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、請求項1、2、3または4に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物中の前記マイクロスフェアが、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7に対して少なくとも95%のポリヌクレオチド配列相同性を有し、かつCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、請求項1、2、3または4に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物が、1型糖尿病の臨床的発症の後に投与される、請求項1、2、3または4に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物が、1型糖尿病の臨床的発症の前に投与される、請求項1、2、3または4に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物の投与が、投与前の前記哺乳動物の血糖値と比較して、前記哺乳動物の血糖値を正常化する、請求項1、2、3または4に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物の投与が、前記哺乳動物のβ細胞集団を再生する、請求項1、2、3または4に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物が、注射可能な形態として投与される、請求項1、2、3または4に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物が、インスリンと併用投与される、請求項1、2、3または4に記載の方法。
【請求項17】
インスリンが、前記組成物の投与の前、投与と同時、または投与の後に投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法が、前記組成物の反復投与を含む、請求項1、2、3または4に記載の方法。
【請求項19】
前記マイクロスフェアの少なくとも70%w/wがオリゴヌクレオチドである、請求項1、2、3または4に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物中の個々のアンチセンスオリゴヌクレオチドの比が、1:1:1のCD40アンチセンス:CD80アンチセンス:CD86アンチセンスである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
マイクロスフェアを含む医薬組成物であって、前記マイクロスフェアは、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7に示されているポリヌクレオチド配列か、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7に対して少なくとも75%のポリヌクレオチド配列相同性を有し、かつCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合するポリヌクレオチド配列か、またはCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7の改変型を有する、医薬組成物。
【請求項22】
マイクロスフェアを含み、前記マイクロスフェアは、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7に対して少なくとも80%のポリヌクレオチド配列相同性を有し、かつCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
マイクロスフェアを含み、前記マイクロスフェアは、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7に対して少なくとも85%のポリヌクレオチド配列相同性を有し、かつCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項24】
マイクロスフェアを含み、前記マイクロスフェアは、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7に対して少なくとも90%のポリヌクレオチド配列相同性を有し、かつCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項25】
マイクロスフェアを含み、前記マイクロスフェアは、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは個々に、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号7に対して少なくとも95%のポリヌクレオチド配列相同性を有し、かつCD40、CD80、およびCD86一次転写産物を標的とし、かつ結合する、請求項21に記載の医薬組成物。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図16−1】
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【図16−2】
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【図16−3】
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【図16−4】
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【図16−5】
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【図16−6】
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【図16−7】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図1】
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【図6】
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【図7】
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【図15】
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【公表番号】特表2011−519365(P2011−519365A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505257(P2011−505257)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/041167
【国際公開番号】WO2009/129544
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【出願人】(504279968)ユニバーシティー オブ ピッツバーグ − オブ ザ コモンウェルス システム オブ ハイヤー エデュケーション (24)
【Fターム(参考)】