説明

利用量制限装置、機器システム、プログラム

【課題】サーバを用いることなく、機器連携時に利用量制限が可能な利用量制限装置を提供すること。
【解決手段】他の機器による処理結果を利用して出力を得る機器の利用量を制限する利用量制限装置100であって、ユーザの識別情報に対応づけて、利用可能量が登録されたユーザ情報記憶手段31と、前記機器を使用するユーザの利用可能量を前記機器に送信する利用可能量送信手段36と、前記機器に利用可能量を送信した旨の送信記録を生成する送信記録手段38と、前記機器から利用された分の利用量が減算された利用可能量を受信した場合、前記送信記録に利用可能量を受信した旨を記録する受信記録手段39と、前記ユーザ情報記憶手段の利用可能量を更新する更新手段37と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の機器による処理結果を利用して出力を得る機器の利用量を制限する利用量制限装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機やプリンタなどの複合機は、オフィスにおいて多数の人間により共用される。このような複合機には、特定の人間が無制限にコピーやプリントアウトしないように、ユーザ毎にコピー、プリント等の上限度数(上限利用量)を設定しておく機能を有するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1には、サーバに認証情報と利用予定枚数の利用権限を要求する利用要求を送信し、サーバに要求された利用予定枚数が、ユーザが利用可能な枚数以下である場合に利用予定枚数を上限値としてユーザの指示に基づいてジョブを実行するサービス実行装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の複合機では、複数の複合機が連携して1つのジョブを実行する機器連携という機能が搭載される場合がある。このような機器連携においてもユーザ毎に利用量を制限することが求められる。機器連携では、1つのジョブの実行に複数の複合機が関わるため、各複合機がコピーやプリントアウトの数を管理するよりも、単一の機器(例えば、サーバ)が集中管理する方が管理が容易になると考えられる。
【0005】
しかしながら、サーバが集中管理するためには連携システムにサーバを導入することが必要であり、導入や管理のためのコスト上昇がユーザの負担となってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、サーバを用いることなく、機器連携時に利用量制限が可能な利用量制限装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、他の機器による処理結果を利用して出力を得る機器の利用量を制限する利用量制限装置であって、ユーザの識別情報に対応づけて、利用可能量が登録されたユーザ情報記憶手段と、前記機器を使用するユーザの利用可能量を前記機器に送信する利用可能量送信手段と、前記機器に利用可能量を送信した旨の送信記録を生成する送信記録手段と、前記機器から利用された分の利用量が減算された利用可能量を受信した場合、前記送信記録に利用可能量を受信した旨を記録する受信記録手段と、前記ユーザ情報記憶手段の利用可能量を更新する更新手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
サーバを用いることなく、機器連携時に利用量制限が可能な利用量制限装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】連携システムが利用量を制限する手順を模式的に説明する図の一例である。
【図2】操作パネルに表示される連携ジョブのメニューの一例である。
【図3】機器機能情報の一例を模式的に説明する図の一例である。
【図4】複合機のハードウェア構成図の一例である。
【図5】複合機の機能ブロック図の一例である。
【図6】連携ジョブの設定条件の一例を示す図である。
【図7】ユーザ情報記憶部に記憶されたユーザ情報の一例を示す図である。
【図8】連携システムの動作を模式的に説明する図の一例である。
【図9】親機と子機の通信に障害が生じた場合の連携システムの動作を模式的に説明する図の一例である。
【図10】親機と子機の通信に障害が生じた場合の連携システムの動作を模式的に説明する図の一例である。
【図11】送信記録等の遷移を説明する図の一例である。
【図12】親機が同じ子機に多重貸し出しした場合の送信記録等の遷移を説明する図の一例である。
【図13】親機と子機の動作手順のフローチャート図の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の連携システムが利用量を制限する手順を模式的に説明する図の一例である。まず、連携システム200では、ユーザ毎の利用可能量を記憶する複合機100が予め定められており本実施形態では、その複合機100を親機と称する。
【0011】
一台の複写機が単体でジョブを実行するだけなら子機毎に利用量をカウントすればよい。しかし、複数の複合機が機器連携によるジョブ(以下、連携ジョブという)を実行する場合、一人のユーザが複数の複合機100の機能を使用するので、連携システム200の全体でユーザの利用量を管理することが好ましい。このため、親機は、連携システム全体においてユーザの利用量を管理する。ユーザは、連携システム全体(例えば、図では3台)の利用量が合計が上限利用量を超えない範囲で各複合機100を使用することができる。
【0012】
ところが、一台の親機だけが利用量を管理していると、ネットワークに障害が生じたり、親機に不具合が生じるなどにより、親機と子機1,2の通信に異常が生じた場合に、子機1、2は親機による利用量制限機能を利用できなくなってしまう。このことを説明するため、図1(a)により、連携ジョブにおける利用量の管理について説明する。ユーザが例えば子機1を操作して機器連携によりジョブを実行する場合を例に説明する。
(1)ユーザは子機1を操作して、親機又は子機2を使用した連携ジョブの実行条件を設定する。
(2)ユーザが子機1を操作して連携ジョブを実行させると、子機1が親機にユーザの利用可能量(あと何ページ印刷できるか)を要求する。
(3)親機はこの要求により、子機1にユーザの利用可能量を送信する。
(4)子機1は、コピーやプリンタなどの連携ジョブを実行する。子機1は、連携ジョブの実行時に利用可能量を1ページずつ減算し、ゼロ(例えばゼロであるが、ゼロでなくてもよい)になると警告を通知したり、ジョブを中断したりする。
(5)子機1は連携ジョブの実行後、利用可能量を親機に返却する。
(6)親機は利用可能量を受信し、利用可能量を更新する。
【0013】
子機1が利用可能量と閾値ゼロを比較して利用量を制限するには、連携ジョブの始まりと最後に子機1と親機が通信する必要がある。
【0014】
ここで、連携ジョブの実行前から子機1,2が親機と通信できず、子機1,2が利用量を利用できない場合は、子機1,2で臨時にユーザの利用量をカウントしておき、親機との通信が回復したら親機に送信することで、カウント漏れを防止できる(この場合、利用量上限を超える可能性があるので、子機1,2の利用を禁止してもよい。)。
【0015】
しかし、子機1が利用可能量を受信した後、利用可能量の返却までの間に、子機1と親機が通信できなくなった場合、親機が最後に記録している利用可能量と、子機1がカウントした利用可能量とに整合性がとれない場合が生じる。例えば、子機1が利用可能量を返却する前に、同じユーザが子機2から連携ジョブを実行した場合、子機2は親機から更新前の利用可能量を取得するので、子機1がカウントした利用可能量が親機に反映されなくなるおそれがある。また、同じユーザが再度、子機1から連携ジョブを実行した場合も、1つ前の連携ジョブで子機1がカウントした利用可能量が親機に反映されなくなるおそれがある。
【0016】
そこで、本実施形態の複合機100は、図1(b)に示すように、以下の手順で不整合の発生を防止する。
(1)ユーザは子機1を操作して、親機又は子機2を使用した連携ジョブの実行条件を設定する。
(2)ユーザが子機1を操作して連携ジョブを実行させると、子機1が親機にユーザの利用可能量を要求する。
(3)親機はこの要求により、子機1にユーザの利用量可能量を送信する。
(3´)ここで親機は利用可能量を送信したことを記録する(以下、この記録を送信記録、記録することを送信記録の生成という)。
(4)子機1は、コピーやプリンタなどの連携ジョブを実行する。子機1は、連携ジョブの実行時に利用量可能量を減算する。
(5)子機1は連携ジョブの実行後、利用可能量を親機に返却する。
(6)親機は利用可能量を受信し、利用可能量を更新する。
(6´)親機は利用可能量を受信したことを送信記録に対応づけて記録する(以下、この記録を受信記録という)。
【0017】
このように、親機が送信記録を生成しておくことで、親機から利用可能量を切り離して子機がカウントすることが可能になる。例えば、(3´)の後、ネットワークが遮断され、子機2が連携ジョブを開始しても、親機は子機1の送信記録に受信記録が対応づけられていないことを検出できる。したがって、いずれ子機1から送信される利用可能量を受信した時、子機1の利用量を親機が記憶する利用可能量に反映させることができる。
【0018】
したがって、ネットワークの遮断などにより親機と子機が通信できない状況が発生しても、多重貸し出し等により利用可能量に不整合が生じることを防止できる。
【0019】
〔機器連携について〕
本実施形態の複合機100は、プリンタ、複写機、スキャナ、ファクシミリ、又は、これらの機能の2つ以上を搭載した機器であればよい。また、MFP(Multifunction Peripheral)と称されるものを含む。
【0020】
機器連携とは、ある複合機100とネットワークで互いに通信可能に繋がった一台以上の他の複合機100が、1つのジョブ(入力から出力までの一連の処理)に必要な機能を分担(または分散)してジョブを実行することをいう。例えば、複数の複合機100が連携してカラーコピーする場合、複合機1が原稿を読み取り複合機2に送信し、複合機2が特殊な編集や画像処理を行い複合機1に返送し、複合機1がカラー印刷する。このように、複合機同士が連携して1つのジョブを実行することで、ユーザは複数の複合機100の機能を総合的に利用して所望の出力が得られるようになる。
【0021】
図2(a)〜(d)は操作パネルに表示される連携ジョブのメニューの一例である。ユーザが連携ジョブのジョブ条件を設定する種々の手法が提案されており図はあくまで一例である。以下、ユーザが操作する複合機100を子機1とする。
【0022】
図2(a)に示すように、ユーザがコピーを連携ジョブにより実行する場合、ユーザは操作パネルの横のコピーボタンを押下し、また、連携ジョブの設定画面を呼び出す。操作パネルには「機器検索」「機能検索」が表示される。「機器検索」は子機1が通信可能な1台以上の複合機100を検索するためのボタンであり、「機能検索」はユーザが設定した機能から子機1が1台以上の複合機100を検索するためのボタンである。
【0023】
図2(b)は、ユーザが「機器検索」を押下した場合に表示される「連携ジョブ−機器一覧」画面の一例である。子機1は、ネットワークを介して同報的に、連携ジョブのためにリソースを提供可能な複合機100に応答するよう要求する。子機1は、応答してきた複合機100のリストを「連携ジョブ−機器一覧」画面に表示する。応答する複合機100は、機器名、IPアドレス、及び、機器機能情報を子機1に送信する。機器機能情報については後述する。これにより、子機1は機器名やIPアドレスを表示することができる。ユーザは、所望の機能を備えた目的の複合機100がリストされていることを確認して、「条件設定」を押下する。
【0024】
図2(d)は、ユーザが「条件設定」を押下した場合に表示される「連携ジョブ−読み取り設定」画面の一例である。この画面には、複合機100毎に読み取り設定のメニューが表示される。図示するようにタブに「自機(子機1のこと)」「イマジックス」「イプックス」という機器名が表示され、ユーザはタブにより読み取り設定する複合機100を選択できる。ユーザがタブを選択すると、子機1は機器機能情報に基づき、選択された複合機100で有効な(選択可能な)メニューのみを表示する。
【0025】
ユーザは、複合機100で有効なメニューから、カラー選択、原稿種類、濃度等の読み取り条件を設定することができる。ユーザは、原稿を読み取る複合機100と読み取り条件を設定すると、「編集設定」や「印刷設定」を順に選択し、編集条件と印刷条件を設定する。最終的に、「実行」を押下することで連携ジョブがスタートする。
【0026】
図2(c)は、図2(a)においてユーザが「機能検索」を押下した場合に表示される「連携ジョブ−機能検索」画面の一例である。子機1は、過去に取得した機器機能情報から連携ジョブにおいて提供可能な設定条件を表示する。図では、「読み取り条件」「編集条件」「印刷条件」のよう条件毎にタブで区分されている。ユーザは適宜タブを選択して、「読み取り条件」「編集条件」「印刷条件」を設定できる。
【0027】
条件の設定後、ユーザが「検索」を押下すると、子機1はネットワークを介して同報的に機器機能情報を収集し、ユーザが設定した条件でコピーが可能な複合機100を決定する。ユーザが設定した条件が設定可能な複合機100が複数ある場合に、1つに絞る決定ロジックにも種々の方法がある。例えば、a)連携対象の複合機100の数を少なくする方法、b)使用頻度が均一になるように複合機100を選択する方法、c)リソースの負荷が低下している複合機100を選択する方法、d)距離(物理的距離又は通信距離)が近い複合機100を選択する方法、などがある。
【0028】
子機1は予め定められたロジックで連携機器を決定し、図2(d)と同様な画面を表示する。すなわち、「読み取り設定」「編集設定」「印刷設定」毎に担当する複合機100及び「読み取り条件」「編集条件」「印刷条件」が定まった状態で画面が表示される。ユーザは、複合機100や条件を確認後、「実行」を押下することで、子機1は連携ジョブをスタートさせる。
【0029】
図3は、機器機能情報の一例を模式的に説明する図の一例である。機器機能情報は、複合機100が有する「機能」と機能毎の「設定可能値」とを有する。「機能」は入力、編集(加工)、及び、出力の3つの段階に区分することで、複合機間での連携を容易にすることができる。
【0030】
入力の「機能」としては、原稿読み取り部(スキャナ)の両面読み取り、片面読み取り、原稿種類、解像度、カラーなどがある。編集の「機能」としては、入力されたデータに対する各種の画像変換機能(例えば、「集約」、「変倍」)等、が挙げられる。出力の「機能」としては、編集(加工)されたデータを印刷部に出力(印刷)させる「印刷」、編集(加工)されたデータをHDD24に保管する「蓄積」、編集(加工)されたデータをFAX送信する「FAX送信」等がある。
【0031】
「設定可能値」は、入力、編集、出力の各「機能」を実行する際に設定可能な値(パラメータ)である。例えば、「両面読み取り」「片面読み取り」の設定可能値は「する/しない」、「原稿種類」の設定可能値は「文字、写真、文字・写真」、「解像度」の設定可能値は「100〜600dpi」、「カラー」の設定可能値は「カラー、白黒」などになる。また、「集約」の設定可能値は例えば「2in1/4in1/8in1」、「変倍」の設定可能値は例えば「25〜400%」などになる。また、「モノクロ」「カラー」の設定可能値は「する/しない」、「用紙種類」の設定可能値は「自動」「A4」等、「HDD」の設定可能値は「する/しない」である。
【0032】
子機1は、自機と他の複合機100の機器機能情報から図2にて説明した各種の画面を構成し、また、連携ジョブを実行することができる。
【0033】
〔構成例〕
図4は、複合機100のハードウェア構成図の一例を示す。複合機100は、操作パネル11、コントローラ12、スキャナエンジン13、プロッタエンジン14、FAXエンジン15、ネットワークインタフェース16、及び、ICカードインタフェース17を有する。親機、子機1,2のハードウェア構成はほぼ共通であるが、複合機100によって、スキャナエンジン13、プロッタエンジン14、FAXエンジン15のうち任意の2つまでは搭載されていない場合もある。また、ICカードインタフェース17を搭載していない場合もある。
【0034】
操作パネル11は主にハードキーとタッチパネルとを有し、複合機100が各種の画面を表示するためと、ユーザの操作を受け付けるために使用される。
【0035】
スキャナエンジン13は、コンタクトガラス越しの原稿を光源で照らし、その反射光をミラー及びレンズの光学系を介してCCD等の光電変換素子でデジタルデータ化する。デジタル化された原稿の画像データは、コントローラ12が実行するハード的又はCPU21が実行するソフト的なプロセスにより画像処理される。
【0036】
プロッタエンジン14は、像担持体であるドラム状の感光体ドラムと、感光体ドラムを帯電させる帯電装置と、感光体ドラムを露光する露光装置と、現像装置と、クリーニング装置とにより、画像データから形成されたトナー像を用紙に転写する。さらに定着装置で用紙に定着させることで印刷する。プロッタエンジン14として、このような電子写真方式でなく、インクの液滴を吐出するインク吐出方式のものを搭載してもよい。
【0037】
FAXエンジン15は、電話回線からのファクシミリデータを復調して画像データを生成しHDD24に記憶したり、スキャナエンジン13で読み取った画像データをファクシミリ用に画像処理して電話回線から出力する。電話回線でなくIPネットワークを使用してFAXを送受信することもできる。
【0038】
ネットワークインタフェース16は、例えばイーサネット(登録商標)カードであり、電気信号を制御する物理層とMACアドレスを用いた通信を制御するデータリンク層とを管理して、他の複合機100と通信する。これより上位の主にIPに従うネットワーク層やTCP/UDPに従うトランスポート層はソフト的なプロトコルスタックが受け持ち、さらに上位の例えばHTTPに従うアプリケーション層は各種のアプリが受け持つ。複合機100はさらに種々のプロトコルに対応している。
【0039】
ICカードインタフェース17は、ユーザが携帯するICカードと通信するインタフェースである。後述する認証部は、ICカードインタフェース17が読み出したユーザのICカードに記憶されたIDコードに基づき、認証が成立するか否かを判定することができる。
【0040】
コントローラ12はCPU21、RAM22、ROM23、及び、HDD24を有する。CPU21はHDD24に記憶されたプログラム25を読み出して複合機100の全体を制御する。ROM23は、OSを起動するためのプログラムや静的なデータを記憶している。RAM22は、CPU21がOSやプログラムを実行するための作業メモリであり、一時的な記憶場所として利用される。
【0041】
HDD24は、各種のプログラムを記憶している。プログラム25には、FAXアプリ、スキャナアプリ、コピーアプリなどのアプリケーション、OSを含むプラットホーム、デバイスドライバ等が含まれる。また、このプログラム25には、利用量を制限するための機能や連携ジョブを実行するための機能が含まれている。また、HDD24には、UI(図2などの画面)を構成するデータやフォントデータが記憶されている。
【0042】
プログラム25は、不図示のサーバからネットワークを介して受信してHDD24にインストールされる形態で配布されてもよいし、不図示の可搬型記憶媒体に記憶された状態で複合機100に装着されHDD24にインストールされる形態で配布されてもよい。
【0043】
図5は、本実施形態の複合機100の機能ブロック図の一例を示す。各機能は、CPU21がプログラム25を実行して、コントローラ12やその他のハードウェアと協働することで実現される。このような機能には、UI41、FAXアプリ42、スキャナアプリ43、コピーアプリ44、及び、カウンタ関連の機能ブロック45が含まれる。
【0044】
UI41は、ユーザの操作や複合機100の状態に応じて画面を生成し、また、ユーザの設定を受け付ける。また、各アプリは、UI41が受け付けた設定に基づきジョブを生成する。上記のように、本実施形態の複合機100は機器連携が可能なので、各アプリは連携ジョブを生成することができる。すなわち、FAXアプリ42は、FAXモデムを使用した連携ジョブ、スキャナアプリ43はスキャナエンジン13を使用した連携ジョブ、コピーアプリ44はスキャナエンジン13とプロッタエンジン14を使用した連携ジョブをそれぞれ生成する。
【0045】
図6は、連携ジョブの設定条件の一例を示す図である。図6(a)はFAXアプリ42の連携ジョブを、図6(b)はスキャナアプリ43の連携ジョブを、図6(c)はコピーアプリ44の連携ジョブを、それぞれ示す。いずれの連携ジョブも「1.入力→2.編集→3.出力」の順番に実行される。各ステップ毎に「担当機器」が登録されており、また、入力条件・編集条件・出力条件が登録されている。
【0046】
各アプリは、このような連携ジョブの設定条件に基づき、ジョブの実行を制御する。
【0047】
<FAXアプリの連携ジョブ>
1.FAXアプリ42は入力の担当機器が子機1であることを検出して、入力条件を自機のスキャナエンジン13に設定し、図示しない原稿載置台に載置された原稿の画像データを取得する。
2.FAXアプリ42は、編集の担当機器が子機2であることを検出して、画像データと編集条件を子機2に送信する。子機2は、画像データを120%に拡大して子機1に送信する。
3.FAXアプリ42は、この画像データにFAX用の画像処理(2値化、G3/G4圧縮等)を施し、設定された宛先をFAXエンジン15に設定しFAX送信する。必要であれば、送信結果を印刷する。
【0048】
<スキャナアプリの連携ジョブ>
1.スキャナアプリ43は入力の担当機器が子機1であることを検出して、入力条件を自機のスキャナエンジン13に設定し、図示しない原稿載置台に載置された原稿の画像データを取得する。
2.スキャナアプリ43は、編集の担当機器が親機であることを検出して、画像データと編集条件を親機に送信する。親機は、画像データをPDFに変換して子機1に送信する。
3.スキャナアプリ43は、PDF化された画像データを出力条件であるHDD24に蓄積する。
【0049】
<コピーアプリの連携ジョブ>
1.コピーアプリ44は入力の担当機器が子機1であることを検出して、入力条件を自機のスキャナエンジン13に設定し、図示しない原稿載置台に載置された原稿の画像データを取得する。
2.コピーアプリ44は、編集の担当機器が子機2であることを検出して、画像データと編集条件を親機に送信する。子機2、画像データに8in1(8頁分を1枚に集約する)処理を施して子機1に送信する。
3.コピーアプリ44は、8in1の処理が施された画像データを、プロッタエンジン14を制御してA4の用紙に5部印刷する。
【0050】
図5に戻り、子機のカウンタ関連の機能ブロック45は、認証部32、カウンタ取得部33、カウンタ管理部34、カウンタ返却部35、及び、ユーザ情報記憶部31を有する。親機のカウンタ関連45の機能ブロックは子機と共通の機能を有する。これは、親機が子機としてユーザにより直接操作される場合があるためである。そして、親機は、子機の機能ブロック部に加え、カウンタ送信部36、カウンタ更新部37、受信記録部39及び送信記録部38を有する。
【0051】
図7は、ユーザ情報記憶部31に記憶されたユーザ情報の一例を示す。図7(a)は子機のユーザ情報を、図7(b)は親機のユーザ情報をそれぞれ示す。
【0052】
子機のユーザ情報には、ユーザ情報のみが登録されている。ユーザ情報は、ユーザ名とパスワードである。ユーザ名はユーザを一意に識別するための識別情報である。上記のように、ユーザ名の代わりにICカードのIDコードを登録してもよい。この場合、パスワードはなくてもよい。
【0053】
親機のユーザ情報には、ユーザ名とパスワードに加え、「上限利用量」「利用量」「利用可能量」「送信記録」「受信記録」の各情報が登録される。
【0054】
上限利用量はそのユーザに許可されている予め定められた期間(例えば、1ヶ月)の上限の利用量(ページ数)である。上限利用量は、コピー、プリント、スキャン、FAX、などの機能毎に設定可能である。例えば、管理者がユーザの職種や階級に応じて設定する。
【0055】
利用量は、予め定められた期間におけるこのユーザの現在の利用量である。親機は、予め定められた期間が経過する毎に(例えば、月初めに)利用量をゼロに戻す。利用可能量は、「上限利用量−利用量」であり、予め定められた期間においてこのユーザが利用できる残りの利用量である。図示するようにコピー、プリント、スキャン、FAX、及び、カラー、モノクロなどの利用可能量の分類に基づき、利用可能量が登録されている。「送信記録」「受信記録」については後述する。
【0056】
図5に戻り、認証部32は、ユーザの認証が成立するか否かを判定する。認証部32は、ユーザがICカードを携帯していない場合、又は、複合機100がICカードインタフェース17を搭載していない場合のため、ユーザ名とパスワードの組が、ユーザ情報に登録されているか否かに基づきユーザの認証が成立するか否かを判定する。また、ユーザが携帯するICカードからICカードインタフェース17が受信したIDコードが、ユーザ情報に登録されているIDコードと一致するか否かによって、ユーザの認証が成立するか否かを判定する。
【0057】
カウンタ取得部33は、親機のユーザ情報記憶部31から利用可能量を取得する。上限利用量と利用量を取得してもよいが、利用可能量を取得する方が取得する情報量が少なくて済む。なお、各複合機100には、自機が子機か又は親機なのかが設定されている。または、親機と子機は、ユーザ情報記憶部31に上限利用量等が登録されているか否かにより自機が子機か親機かを判定することもできる。子機のカウンタ取得部33は、親機にユーザ名と実行するアプリ(必要であればカラー、モノクロの別)を送信して、利用可能量を取得する。
【0058】
カウンタ管理部34は、1ページの出力毎に、ユーザの利用可能量を減算しゼロになったか否かを判定する。ゼロになった場合、このユーザはそれ以上の出力物を得られないので、カウンタ管理部34はエラーメッセージを操作パネル11に表示するなどして、実行中のアプリに通知する。これによりアプリはジョブを中止する。
【0059】
なお、カウンタ管理部34は、ジョブの実行前に、出力ページ数をカウントし、それが利用可能量以下か否かを判定してもよい。出力ページ数は、例えば、原稿が5ページあり集約印刷しなければ5ページ、原稿が5ページあり集約印刷せずに3部印刷すれば15ページになる。このように容易に算出することができる。ジョブの実行前に判定することで、ジョブの途中で出力が中止されることを防止できる。例えば、FAX送信などで相手先に文書の一部だけが送信されることを防止できる。
【0060】
カウンタ返却部35は、ジョブの終了後の利用可能量を親機に送信する。利用可能量はゼロ以上かつ上限利用量未満となる。
【0061】
親機に特有のカウンタ送信部36は、子機からの要求に応じて、ユーザ情報記憶部31から利用可能量を読み出し子機に送信する。カウンタ送信部36は送信したことを送信記録部38に通知するので、送信記録部38は送信記録を生成する。また、親機に特有の受信記録部39は、受信記録を送信記録に対応づけて記録する。また、カウンタ更新部37は、子機から利用可能量が返却された場合、子機から返却された利用可能量にてユーザ情報記憶部31の利用可能量を更新する。
【0062】
送信記録と受信記録は例えば、以下のようになる。なお、送信記録、受信記録はRAM22又はHDD14に記憶されている。
送信記録:子機1のIPアドレス(送信先の識別情報)
受信記録:返却された場合はOK、返却されるまでは記録なし
また、受信記録は、返却された場合に送信記録を消去することで記録とみなすこともできる。また、送信記録と受信記録は次のようにしてもよい。
送信記録:子機1のIPアドレスと送信時刻
受信記録:返却された場合はOK又は受信時刻、返却されるまでは記録なし
この場合、親機は送信時刻から所定時間以上経過している場合に、利用可能量を送信した子機1に利用可能量の返却を要求することにより、カウント漏れを解消できる。
【0063】
また、図7に示すように送信記録と受信記録の組は、1つの分類の利用可能量に対して複数個、設けられ得る。これにより、利用可能量の多重貸し出しが可能になる。また、送信記録を送信先の識別情報とすることで貸出先が明らかになっているので、どの送信記録に対し返却があったかを特定できる。
【0064】
〔動作例〕
図8は、連携システム200の動作を模式的に説明する図の一例である。
(1)ユーザは子機1を操作して、親機又は子機2を使用した連携ジョブの実行条件を設定する。
(2)ユーザが子機1を操作して連携ジョブを実行させると、子機1が親機にユーザの利用可能量を要求する。
(3)親機はこの要求により、子機1にユーザの利用可能量を送信する。例えば、この時の利用可能量を39ページとする。また、親機はこのユーザの送信記録を生成する。
(4)子機1は、コピーやプリンタなどの連携ジョブを実行する。子機1は、連携ジョブの実行時に利用可能量を減算する。例えば、9ページ印刷すると、利用可能量は30ページとなる。
(5)子機1は連携ジョブの実行後、利用可能量を親機に返却する。
(6)親機は利用可能量を受信して、受信記録を送信記録に対応づけて記録する。また、親機はユーザ情報記憶部31の利用可能量を更新する。これにより、ユーザ情報の利用可能量は30ページになる。
【0065】
図9は、親機と子機の通信に障害が生じた場合の連携システム200の動作を模式的に説明する図の一例である。
(1)ユーザは子機1を操作して、親機又は子機2を使用した連携ジョブの実行条件を設定する。
(2)ユーザが子機1を操作して連携ジョブを実行させると、子機1が親機にユーザの利用可能量を要求する。
(3)親機はこの要求により、子機1にユーザの利用可能量を送信する。例えば、この時の利用可能量を39ページとする。また、親機はこのユーザの送信記録を生成する。
<A>この後、親機と子機の通信に障害が生じたものとする。障害の理由は、ネットワークの遮断や親機のメンテナンスなどどのような理由でもよい。
(4)子機1は、コピーやプリントなどの連携ジョブを実行する。すなわち、親機との通信が遮断されても、子機1はすでに利用可能量を取得しているので、連携ジョブを実行できる。9ページ印刷する連携ジョブにより利用可能量が減算されると、利用可能量は30ページとなる。
(5)子機1は連携ジョブの実行後、利用可能量を親機に返却する。通信障害が継続している間は、通信障害が終了次第、送信すればよい。例えば、子機は利用可能量を返却するまで定期的に親機との通信を試みる。また、送信記録が送信時刻の場合、親機も長時間、返却のない利用可能量について子機に返却を要求する。
(6)親機は利用可能量を受信し、受信記録を送信記録に対応づけて記録する。また、親機はユーザ情報の利用可能量を更新する。これにより、ユーザ情報の利用可能量は30ページになる。
【0066】
〔多重貸し出しの場合〕
図10は、親機と子機の通信に障害が生じた場合の連携システム200の動作を模式的に説明する図の一例であり、図11は、送信記録等の遷移を説明する図の一例である。なお、<A>までの手順は図9と同様なので省略する。
【0067】
多重貸し出しが生じると、親機は送信記録にユーザ情報記憶部31に記憶されている利用可能量(最後に更新された利用可能量)を対応づけて記録しておく(ユーザ情報記憶部31からコピーしておく)。送信記録に対応づけられた利用可能量は、子機に送信された利用可能量である。親機が子機毎に送信された(貸し出しされた)利用可能量を記録しておくことで、多重貸し出しの際の子機毎の利用量を算出できる。
(4)子機1は、コピーやプリンタなどの連携ジョブを実行する。9ページ印刷する連携ジョブにより利用可能量が減算されると、利用可能量は30ページとなる。
(4−1)子機1が利用可能量を返却する前に、同じユーザが子機2を操作して連携ジョブを実行させると、子機2が親機にユーザの利用可能量を要求する。この次点で、通信障害が解消していると、親機は、子機2にユーザの利用可能量を送信すると共に、送信記録を生成する。この時の利用可能量は、まだ39ページのままである。
(4−2)子機2は連携ジョブの実行後、利用可能量を親機に返却する。この時の、利用可能量が35ページであったとする。
(4−3)親機は子機2から利用可能量を受信し、受信記録を子機2の送信記録に対応づけて記録する。
【0068】
また、親機は、受信記録がない送信記録がある場合、利用量を算出するだけで、ユーザ情報記憶部31の利用可能量は更新しない。このため、送信記録に利用量として「利用量(差)=4ページ(=39−35)」を対応づけておく。
(5)子機1は連携ジョブの実行後、30ページという利用可能量を親機に返却する。
(6)親機は子機1から利用可能量を受信し、受信記録を子機1の送信記録に対応づけて記録する。
【0069】
また、この次点では受信記録がない送信記録がないので、親機はユーザ情報記憶部31の利用可能量を更新する。利用可能量は、最後に子機1から受信した利用可能量からすでに受信記録のある利用量(差)を減じた値になる。これがこのユーザの例えばコピー(カラー)における利用可能量となる。
利用可能量=30−4=26
このように、受信記録を参照して差分を算出することで、多重貸し出し時の利用可能量を正確に算出できる。親機は、この利用可能量でユーザ情報記憶部31の利用可能量を更新する。
【0070】
なお、多重貸し出しは、通信に障害が生じている場合だけでなく、子機1が多数のページを印刷する連携ジョブを実行中に、同じユーザが別の子機で連携ジョブを実行した場合にも生じる。したがって、本実施形態の連携システム200の効果を奏する上で通信障害は必須ではない。
【0071】
図12は、親機が同じ子機に多重貸し出しした場合の送信記録等の遷移を説明する図の一例である。この場合も図11と同様に考えることができる。親機が同じ子機に多重貸し出しする状況は、例えば、通信障害により子機が利用可能量を返却していない状態で、同じユーザが同じ子機から利用可能量を取得した場合に生じる。
【0072】
親機が子機1に再度、利用可能量を送信した次点で、送信記録と受信記録は図12の「再度 子機1に送信」の状態になる。
【0073】
子機1は連携ジョブの実行後、利用可能量を親機に返却する。この時の、利用可能量が35ページであったとする。ユーザ情報には送信先を子機1とする送信記録が2つあるので、どちらの送信記録に対する利用可能量か不明であるが、判別することなく、例えば古い方の送信記録に対し受信記録を記録すればよい。同様に、親機は子機1の送信記録に、算出した利用量(差)を対応づけておく。または、送信記録に一意のIDを付与しておき、親機と子機間で利用可能量を常にIDとともに送受信することで、送信記録を識別してもよい。
【0074】
子機1が、2度目に30ページという利用可能量を親機に返却したら、親機は残りの送信記録に対し受信記録を登録する。これにより、受信記録が対応づけられていない送信記録が他になくなるので、親機は、利用可能量(26ページ)を算出しユーザ情報記憶部31の利用可能量を更新する。
【0075】
図13は、親機と子機の動作手順のフローチャート図の一例を示す。すでにユーザは子機にログインしているので、子機はユーザのユーザ識別情報を取得している。
【0076】
この手順は、例えば、子機1が連携ジョブの実行を開始するとスタートする(S10)。
【0077】
カウンタ取得部33は、親機に対し利用可能量を要求する(S20)。親機は要求を受信する(S110)。親機のカウンタ送信部36は、最後に更新されたこのユーザの利用可能量をユーザ情報記憶部31から読み出し子機に送信する(S120)。また、送信記録部38は送信記録を生成する(S130)。多重貸し出しが生じると、送信記録部38は送信記録に送信した利用可能量を対応づけて記録する。
【0078】
子機のカウンタ管理部34は利用可能量を受信する(S30)。子機は連携ジョブを実行するが、1ページの出力毎に利用可能量がゼロより多いか否かを判定する(S40)。そして、利用可能量がゼロ以下の場合(S40No)、ユーザはそれ以上出力できないので子機のカウンタ管理部34はエラーメッセージを表示してジョブを中止する(S90)。
【0079】
利用可能量がゼロより多い場合(S40Yes)、子機は1ページずつ出力する(S50)。子機のカウンタ管理部34は1ページの出力毎に利用可能量を1デクリメントする(S60)。
【0080】
子機のアプリはジョブが終了したか否かを判定し(S70)、終了するまではS40以下の処理を繰り返す。
【0081】
ジョブが終了した場合(S70のYes)、カウンタ返却部35は現在の利用可能量を親機に送信する(S80)。
【0082】
親機の受信記録部39は利用可能量を受信して(S140)、利用可能量を送信した子機の送信記録に対応づけられた受信記録にOKを登録する(S150)。
【0083】
カウンタ更新部37は、受信記録のない送信記録が他にあるか否かを判定する(S160)。受信記録のない送信記録が他にある場合(S160のYes)、このユーザの利用可能量を更新できないので、カウンタ更新部37は送信した利用可能量と受信した利用可能量の差を算出する(S170)。
【0084】
受信記録のない送信記録が他にない場合(S160のNo)、差が算出された送信記録があれば、受信した利用可能量から差を減算する(S180)。そして、カウンタ更新部37は、ユーザ情報の利用可能量を更新する(S190)。
【0085】
以上のようにして、連携システム200は連携ジョブを実行する際、サーバを用いることなく利用量を制限することが可能であり、多重貸し出しにも対応することができる。
【符号の説明】
【0086】
11 操作パネル
12 コントローラ
13 スキャナエンジン
14 プロッタエンジン
15 FAXモデム
16 ネットワークインタフェース
17 ICカードインタフェース
31 ユーザ情報記憶部
32 認証部
33 カウンタ取得部
34 カウンタ管理部
35 カウンタ返却部
36 カウンタ送信部
37 カウンタ更新部
38 送信記録部
100 複合機
200 連携システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【特許文献1】特開2008−186101号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の機器による処理結果を利用して出力を得る機器の利用量を制限する利用量制限装置であって、
ユーザの識別情報に対応づけて、利用可能量が登録されたユーザ情報記憶手段と、
前記機器を使用するユーザの利用可能量を前記機器に送信する利用可能量送信手段と、
前記機器に利用可能量を送信した旨の送信記録を生成する送信記録手段と、
前記機器から利用された分の利用量が減算された利用可能量を受信した場合、前記送信記録に利用可能量を受信した旨を記録する受信記録手段と、
前記ユーザ情報記憶手段の利用可能量を更新する更新手段と、
を有する利用量制限装置。
【請求項2】
前記送信記録手段は、前記機器に利用可能量を送信する毎に個別の前記送信記録を生成し、
前記受信記録手段は、利用可能量を返却した前記機器の前記送信記録にのみ利用可能量を受信した旨を記録する、
ことを特徴とする請求項1記載の利用量制限装置。
【請求項3】
前記更新手段は、利用可能量を受信した旨が記録されていない前記送信記録がある場合、利用可能量を返却した前記機器に対し前記利用可能量送信手段が送信した利用可能量と返却された利用可能量の差を算出し、
利用可能量を受信した旨が記録されていない前記送信記録がない場合、利用可能量を返却した前記機器が送信した利用可能量から前記差を減じた値で、前記ユーザ情報記憶手段の利用可能量を更新する、
ことを特徴とする請求項2記載の利用量制限装置。
【請求項4】
前記送信記録手段は前記送信記録に前記機器に利用可能量を送信した時刻の時刻情報を記録しておき、
当該利用量制限装置は、送信した時刻から所定時間以上経過すると、利用可能量を送信した前記機器に返却を要求する、
ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の利用量制限装置。
【請求項5】
他の機器による処理結果を利用して出力を得る機器と、前記機器の利用量を制限する利用量制限装置とを有する機器システムであって、
前記利用量制限装置は、
ユーザの識別情報に対応づけて、利用可能量が登録されたユーザ情報記憶手段と、
前記機器を使用するユーザの利用可能量を前記機器に送信する利用可能量送信手段と、
前記機器に利用可能量を送信した旨の送信記録を生成する送信記録手段と、
前記機器から利用された分の利用量が減算された利用可能量を受信した場合、前記送信記録に利用可能量を受信した旨を記録する受信記録手段と、
前記ユーザ情報記憶手段の利用可能量を更新する更新手段と、を有し、
前記機器は、
ユーザの識別情報と共に利用可能量の送信を要求する利用可能量取得手段と、
利用可能量が許容する範囲で出力を許可し、利用量だけ減算された利用可能量を前記利用量制限装置に送信する送信手段と、を有する機器システム。
【請求項6】
他の機器による処理結果を利用して出力を得る機器の利用量を制限する利用量制限装置に、
ユーザの識別情報に対応づけて、利用可能量が登録されたユーザ情報記憶手段から、前記機器を使用するユーザの利用可能量を読み出して前記機器に送信する利用可能量送信ステップと、
前記機器に利用可能量を送信した旨の送信記録を生成する送信記録ステップと、
前記機器から利用された分の利用量が減算された利用可能量を受信した場合、前記送信記録に利用可能量を受信した旨を記録する受信記録ステップと、
前記ユーザ情報記憶手段の利用可能量を更新する更新ステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−56515(P2013−56515A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197497(P2011−197497)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】