説明

制御システム、制御装置、映像システム、眼鏡、および映像表示装置

【課題】眼鏡を用いて三次元映像を見る視聴者の状態に応じて映像の表示を制御するための技術を提供する。
【解決手段】眼鏡200の傾斜角度が予め定められた範囲内である場合には、映像表示装置100は、左目映像101Lおよび右目映像101Rを交互に表示する。眼鏡200の傾斜角度が予め定められた範囲を超えた場合には、映像表示装置100は、左目映像101Lおよび右目映像101Rの切替えを発生させない。たとえば映像表示装置100は、二次元映像を表示する。眼鏡200の光学シャッター201,202は、左目映像101Lおよび右目映像101Rと同期する。映像表示装置100が左目映像101Lおよび右目映像101Rの切替えを発生させない場合には、光学シャッター201,202は、ともに開状態となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示装置に表示された三次元映像を、眼鏡を通じて視聴するための技術に関する。特に、視聴者の状況に応じて映像の表示を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
視聴者が三次元映像を見ることを可能にするための映像システムが、これまでに提案されている。このような映像システムでは、左目映像と右目映像とが映像表示装置に交互にあるいは同時に表示される。たとえば特開平7−255068号公報(特許文献1)に開示されるように、視聴者は立体視用眼鏡を装着することによって、映像表示装置に表示された映像を立体的に見ることができる。この眼鏡は、その左目映像および右目映像を視聴者の左目および右目にそれぞれ導く機能を担う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−255068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の映像システムは、一般に、眼鏡が略水平に保持された状態で視聴者が映像を見ることを前提として設計されている。しかしながら視聴者が映像を見るときの視聴者の姿勢は変化しうる。
【0005】
たとえば視聴者が横になった状態で視聴者が映像を見る状況を考える。この場合、眼鏡が水平方向から傾いている可能性が高い。しかしながら従来の映像システムは、眼鏡の傾きには関係なく左目映像と右目映像とを交互に表示する。すなわち、従来の映像システムでは、視聴者が三次元映像を見ているときの視聴者の状態、特に眼鏡が傾いたときの状態については特に考慮されていない。
【0006】
本発明の目的は、眼鏡を用いて三次元映像を見る視聴者の状態に応じて映像の表示を制御するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある局面では、本発明は、左目映像および右目映像を含む三次元映像を表示する映像表示装置と、三次元映像を見るための少なくとも1つの眼鏡とを備える映像システムを制御する制御システムである。映像表示装置は、左目映像および右目映像を交互に表示する。少なくとも1つの眼鏡は、左目映像および右目映像にそれぞれ対応して設けられた第1および第2の光学シャッターを含む。制御システムは、水平方向に対する少なくとも1つの眼鏡の傾斜角度を検出するように構成されたセンサと、センサの検出結果によって表わされる傾斜角度が第1の範囲を超えた場合に、映像表示装置の動作モードを第1のモードから第2のモードへと切替えるように構成されたモード切替部とを備える。第1のモードは、左目映像および右目映像を交互に表示するモードである。第2のモードは、左目映像および右目映像の切替えを発生させないモードである。制御システムは、光学シャッター調整部をさらに備える。光学シャッター調整部は、第1のモードでは第1および第2の光学シャッターを、左目映像および右目映像の表示とそれぞれ同期させて開閉させる一方、第2のモードでは、第1および第2の光学シャッターをともに開状態に設定するように構成される。
【0008】
他の局面では、本発明は、映像表示装置によって表示された、左目映像および右目映像を含む三次元映像を見るための眼鏡に実装された制御装置である。映像表示装置は、水平方向に対する眼鏡の傾斜角度が所定の範囲を超えた場合に、映像表示装置の動作モードを第1のモードから第2のモードへと切替えるように構成される。第1のモードは、左目映像および右目映像を交互に表示するモードである。第2のモードは、左目映像および右目映像の切替えを発生させないモードである。眼鏡は、左目映像および右目映像にそれぞれ対応して設けられた第1および第2の光学シャッターを含む。制御装置は、眼鏡の傾斜角度を検出するように構成されたセンサと、センサによって検出された傾斜角度を示す第1の信号を、映像表示装置に送信するように構成された送信部と、映像表示装置によって選択された動作モードを特定する第2の信号を、映像表示装置から受信するように構成された受信部と、受信部によって受信された第2の信号に応答して、第1および第2の光学シャッターを調整するように構成された光学シャッター調整部とを備える。光学シャッター調整部は、第1のモードでは第1および第2の光学シャッターを、左目映像および右目映像の表示とそれぞれ同期させて開閉させる一方、第2のモードでは、第1および第2の光学シャッターをともに開状態に設定するように構成される。
【0009】
他の局面では、本発明は、映像表示装置によって表示された、左目映像および右目映像を含む三次元映像を見るための眼鏡に実装された制御装置である。映像表示装置は、水平方向に対する眼鏡の傾斜角度が所定の範囲を超えた場合に、映像表示装置の動作モードを第1のモードから第2のモードへと切替えるように構成される。第1のモードは、左目映像および右目映像を交互に表示するモードである。第2のモードは、左目映像および右目映像の切替えを発生させないモードである。眼鏡は、左目映像および右目映像にそれぞれ対応して設けられた第1および第2の光学シャッターを含む。制御装置は、眼鏡の傾斜角度を検出するように構成されたセンサと、センサによって検出された傾斜角度が所定の範囲内であるか否かを判定するように構成された判定部と、判定部の判定結果を示す第1の信号を、映像表示装置に送信するように構成された送信部と、映像表示装置によって選択された動作モードを特定する第2の信号を、映像表示装置から受信するように構成された受信部と、受信部によって受信された第2の信号に応答して、第1および第2の光学シャッターを調整するように構成された光学シャッター調整部とを備える。光学シャッター調整部は、第1のモードでは第1および第2の光学シャッターを、左目映像および右目映像の表示とそれぞれ同期させて開閉させる一方、第2のモードでは、第1および第2の光学シャッターをともに開状態に設定するように構成される。
【0010】
他の局面では、本発明は、左目映像および右目映像を含む三次元映像を表示する映像表示装置に実装された制御装置である。制御装置は、三次元映像を見るための少なくとも1つの眼鏡から角度信号を受信する受信部を備える。角度信号は、水平方向に対する少なくとも1つの眼鏡の傾斜角度を表す。少なくとも1つの眼鏡は、左目映像および右目映像にそれぞれ対応して設けられた第1および第2の光学シャッターを含む。第1および第2の光学シャッターの各々は、対応する映像の表示に同期するように構成される。制御装置は、傾斜角度が第1の範囲を超えた場合に、映像表示装置の動作モードを第1のモードから第2のモードへと切替えるように構成されたモード切替部をさらに備える。第1のモードは、左目映像および右目映像を交互に表示するモードである。第2のモードは、左目映像および右目映像の切替えを発生させないモードである。制御装置は、送信部をさらに備える。送信部は、第1のモードでは左目映像および右目映像の表示に同期した第1の信号を眼鏡に送信する一方で、第2のモードでは、第1および第2の光学シャッターをともに開状態に設定するための第2の信号を眼鏡に送信するように構成される。
【0011】
他の局面では、本発明は、映像システムであって、映像表示装置を備える。映像表示装置は、映像を表示するように構成された表示部と、表示部の表示モードを第1のモードから第2のモードへと切替えるように構成されたモード切替部とを含む。第1のモードは、左目映像および右目映像を交互に表示するモードである。第2のモードは、左目映像および右目映像の切替えを発生させないモードである。映像表示装置は、第1のモードでは左目映像および右目映像の表示に同期した第1の信号を出力する一方で、第2のモードでは、第2のモードを示す第2の信号を出力するように構成された第1の送信部をさらに含む。映像システムは、眼鏡をさらに備える。眼鏡は、左目映像および右目映像にそれぞれ対応して設けられた第1および第2の光学シャッターと、水平方向に対する眼鏡の傾斜角度を検出するように構成されたセンサと、センサによって検出された傾斜角度が所定の範囲を超えた場合に、モード切替部に表示モードを第1のモードから第2のモードへと切替えさせるための信号を、映像表示装置に送信する第2の送信部と、光学シャッター調整部とを含む。光学シャッター調整部は、第1の信号に応答して、第1および第2の光学シャッターを、左目映像および右目映像の表示とそれぞれ同期させて開閉させる一方、第2の信号に応答して、第1および第2の光学シャッターをともに開状態に設定するように構成される。
【0012】
他の局面では、本発明は、映像表示装置によって表示された、左目映像および右目映像を含む三次元映像を見るための眼鏡である。映像表示装置は、水平方向に対する眼鏡の傾斜角度が所定の範囲を超えた場合に、映像表示装置の動作モードを第1のモードから第2のモードへと切替えるように構成される。第1のモードは、左目映像および右目映像を交互に表示するモードである。第2のモードは、左目映像および右目映像の切替えを発生させないモードである。眼鏡は、左目映像および右目映像にそれぞれ対応して設けられた第1および第2の光学シャッターと、第1および第2の光学シャッターを制御するための制御部とを備える。制御部は、眼鏡の傾斜角度を検出するように構成されたセンサと、センサによって検出された傾斜角度を示す第1の信号を、映像表示装置に送信するように構成された送信部と、映像表示装置によって選択された動作モードを特定する第2の信号を、映像表示装置から受信するように構成された受信部と、受信部によって受信された第2の信号に応答して、第1および第2の光学シャッターを調整するように構成された光学シャッター調整部とを含む。光学シャッター調整部は、第1のモードでは第1および第2の光学シャッターを、左目映像および右目映像の表示とそれぞれ同期させて開閉させる一方、第2のモードでは、第1および第2の光学シャッターをともに開状態に設定するように構成される。
【0013】
他の局面では、本発明は、映像表示装置によって表示された、左目映像および右目映像を含む三次元映像を見るための眼鏡である。映像表示装置は、水平方向に対する眼鏡の傾斜角度が所定の範囲を超えた場合に、映像表示装置の動作モードを第1のモードから第2のモードへと切替えるように構成される。第1のモードは、左目映像および右目映像を交互に表示するモードである。第2のモードは、左目映像および右目映像の切替えを発生させないモードである。眼鏡は、左目映像および右目映像にそれぞれ対応して設けられた第1および第2の光学シャッターと、第1および第2の光学シャッターを制御するための制御部とを備える。制御部は、眼鏡の傾斜角度を検出するように構成されたセンサと、センサによって検出された傾斜角度が所定の範囲内であるか否かを判定するように構成された判定部と、判定部の判定結果を示す第1の信号を、映像表示装置に送信するように構成された送信部と、映像表示装置によって選択された動作モードを特定する第2の信号を、映像表示装置から受信するように構成された受信部と、受信部によって受信された第2の信号に応答して、第1および第2の光学シャッターを調整するように構成された光学シャッター調整部とを備える。光学シャッター調整部は、第1のモードでは第1および第2の光学シャッターを、左目映像および右目映像の表示とそれぞれ同期させて開閉させる一方、第2のモードでは、第1および第2の光学シャッターをともに開状態に設定するように構成される。
【0014】
他の局面では、本発明は、映像表示装置であって、左目映像および右目映像を交互に表示するように構成された表示部と、左目映像および右目映像を見るための眼鏡の水平方向に対する傾斜角度が、所定の範囲を超えた場合に、表示部の表示モードを第1のモードから第2のモードへと切替えるように構成されたモード切替部とを備える。第1のモードは、左目映像および右目映像を交互に表示するモードである。第2のモードは、左目映像および右目映像の切替えを発生させないモードである。眼鏡は、左目映像および右目映像にそれぞれ対応して設けられた第1および第2の光学シャッターを含み、第1および第2の光学シャッターの各々は、対応する映像の表示に同期するように構成される。映像表示装置は、第1のモードでは左目映像および右目映像の表示に同期した第1の信号を眼鏡に送信する一方で、第2のモードでは、第2のモードを示す第2の信号を眼鏡に送信するように構成された送信部をさらに備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、視聴者が三次元映像を見るときに視聴者の不快感を生じにくくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1に係る映像システムの一つの構成例を概略的に示した図である。
【図2】図1に示した映像表示装置100と眼鏡200との各々の構成の一例を示したブロック図である。
【図3】図2に示した傾斜センサの1つの実現例を示した図である。
【図4】図3に示した傾斜センサが正転方向に傾斜した状態を示した図である。
【図5】図4のV−V断面を模式的に示した図である。
【図6】図3に示した傾斜センサが倒立した状態を示す正面図である。
【図7】実施の形態1に係る映像システムによる第1のモードでの映像の表示を説明するための図である。
【図8】実施の形態1に係る映像システムによる第2のモードでの映像の表示を説明するための図である。
【図9】傾斜角度の範囲を説明するための図である。
【図10】実施の形態2に係る映像システムの主要部の構成を説明するためのブロック図である。
【図11】図10に示した映像表示装置が表示モードを選択するための1つのパターンを説明した図である。
【図12】図10に示した映像表示装置が表示モードを選択するための別のパターンを説明した図である。
【図13】実施の形態3に係る映像システムの主要部の構成を説明するためのブロック図である。
【図14】第2のモードの通知の一例を示した図である。
【図15】第2のモードの通知の他の例を示した図である。
【図16】第2のモードの通知のさらに他の例を示した図である。
【図17】実施の形態3に係る映像システムの変形例を示した図である。
【図18】実施の形態4に係る映像の表示の処理の一例を示した図である。
【図19】本発明の実施の形態の変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない。
【0018】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る映像システムの一つの構成例を概略的に示した図である。図1を参照して、実施の形態1に係る映像システムは、映像表示装置100と、眼鏡200と、ディスク再生装置300とを備える。
【0019】
映像表示装置100は、映像を表示するための表示パネル101を有する。表示パネル101は、左目映像101Lと右目映像101Rとを所定の周期(たとえば120Hz)で交互に表示する。なお、この周期は、たとえば120Hzであるが、この値に限定されるものではない。
【0020】
眼鏡200は、視聴者(図示せず)が左目映像101Lおよび右目映像101Rを三次元画像として見るために用いられる。眼鏡200は、左目映像101Lおよび右目映像101Rにそれぞれ対応する光学シャッター201,202を有する。光学シャッター201,202の各々は、開状態と閉状態とを有する。「閉状態」とは「開状態」に比較して光学シャッターを通過する光量が少ない状態を意味する。したがって、この発明では、「閉状態」は、光学シャッターが光を遮断する(遮光)状態、および、光学シャッターが光を弱める(減光)状態を含みうる。光学シャッター201,202により、視聴者は、左目映像101Lと右目映像101Rとを時間的に交互に見る。これにより、視聴者は、映像表示装置100が表示する映像を三次元映像として見ることができる。
【0021】
なお、光学シャッター201,202は、偏光方向を変化させることが可能な光学フィルタでもよい。すなわち、左目映像および右眼映像と同期して、透過する光の光量を調整可能な光学素子であれば当該光学素子を光学シャッター201,202に適用できる。
【0022】
ディスク301は、左目映像および右目映像の情報が記録された記録媒体である。ディスク再生装置300は、ディスク301に記録された左目映像および右目映像の情報を読出して、ケーブル302を介して映像信号を映像表示装置100に出力する。映像表示装置100は、ディスク再生装置300から送られた映像信号により、左目映像101Lおよび右目映像101Rを表示する。図1に示されたシステムの構成によれば、ディスク再生装置300は、映像表示装置100と分離されている。しかしながら、ディスク再生装置300は、映像表示装置100と一体化されていてもよい。
【0023】
なお、図1では、ディスクに記録された映像を再生するための構成が示されている。ただし、映像表示装置100は、左目映像および右目映像のデータを含む放送信号を受信して、その放送信号を処理することにより左目映像および右目映像を表示してもよい。
【0024】
図2は、図1に示した映像表示装置100と眼鏡200との各々の構成の一例を示したブロック図である。図2を参照して、映像表示装置100は、表示パネル101と、映像信号処理回路102と、制御回路110とを備える。制御回路110は、表示モード切替処理部111と、送信部112と、受信部113と、判定部114とを備える。
【0025】
映像信号処理回路102は、たとえば図1に示したディスク再生装置300から映像信号を受けて、その映像信号を処理する。表示パネル101は、映像信号処理回路102から出力された信号を受けて、映像信号処理回路102によって生成された映像を表示する。
【0026】
映像表示装置100は、第1のモードおよび第2のモードを有する。第1のモードにおいて、映像表示装置100は、左目映像および右目映像を表示する。この場合には、映像信号処理回路102は、映像信号から左目映像と右目映像とを検出して、それらを時間的に交互に並べる。あるいは映像信号処理回路102は、二次元の映像を表示するための映像信号から左目映像と右目映像とを生成する。表示パネル101は、左目映像と右眼映像とを時間的に交互に表示する。
【0027】
映像信号処理回路102は、左目映像および右目映像を生成するとともに、左目映像および右目映像に同期する同期信号S1を生成する。映像信号処理回路102は、その同期信号S1を送信部112へと出力する。
【0028】
一方、第2のモードにおいて、映像表示装置100は、二次元の映像を表示する。映像信号が左目映像および右目映像の各々の信号を含む場合に、映像信号処理回路102は、たとえば左目映像と右目映像とに基づいて二次元の映像を生成する。映像信号処理回路102は、左目映像および右目映像のいずれか一方を二次元の映像として選択してもよい。映像信号処理回路102は、二次元の映像を生成するとともに第2のモードを示すモード信号S2を生成する。映像信号処理回路102は、モード信号S2を送信部112へと出力する。
【0029】
送信部112は、映像信号処理回路102から送られた信号、すなわち同期信号S1あるいはモード信号S2を出力する。たとえば送信部112は、赤外線を用いて信号を出力する。送信部112から送られた信号は、眼鏡200によって受信される。
【0030】
受信部113は、眼鏡200からの角度信号SAを受ける。角度信号SAは、たとえば、赤外線を用いることによって眼鏡200から送られる。眼鏡200から送られた角度信号SAは、眼鏡200の水平方向に対する傾斜角度を表わす。以後、水平方向に対する眼鏡200の傾斜角度を単に「傾斜角度」と呼ぶ。
【0031】
判定部114は、受信部113によって受信された角度信号SAに基づいて、眼鏡200の傾斜角度が予め定められた範囲内であるかどうかを判定する。判定部114は、判定結果を表示モード切替処理部111に出力する。
【0032】
表示モード切替処理部111は、映像表示装置100の表示モードを第1のモードと第2のモードとの間で切換える。具体的には、眼鏡200の傾斜角度が予め定められた範囲内である場合には、表示モード切替処理部111は、第1のモードを選択するとともに、第1のモードを指示するための信号を映像信号処理回路102に送信する。一方、眼鏡200の傾斜角度が予め定められた範囲外である場合には、表示モード切替処理部111は、第2のモードを選択するとともに、第2のモードを指示するための信号を映像信号処理回路102に送信する。第1のモードおよび第2のモードの各々における映像信号処理回路102の処理については以後の説明を繰り返さない。
【0033】
眼鏡200は、光学シャッター201,202と、制御回路210とを備える。制御回路210は、傾斜センサ211と、送信部212と、受信部213と、光学シャッター調整部214とを備える。制御回路210は、たとえば眼鏡200のフレームの内部に収容される。
【0034】
光学シャッター201,202は、眼鏡200の左目の位置および右目の位置に対応してそれぞれ設けられる。光学シャッター201,202は、光学シャッター調整部214からの信号に応答して、各々を透過する光の量を調整する。たとえば光学シャッター201,202は、液晶シャッターによって実現可能である。しかしながら光学シャッター201,202は液晶シャッターに限定されるものではない。
【0035】
傾斜センサ211は、眼鏡200の傾斜角度を検出する。傾斜センサ211は、傾斜角度を示す角度信号SAを送信部212に出力する。送信部212は、角度信号SAを出力する。たとえば送信部112は、赤外線を用いて信号を出力する。送信部212から送られた信号は、映像表示装置100の受信部113によって受信される。
【0036】
受信部213は、映像表示装置100の送信部112から送られた同期信号S1およびモード信号S2を受信する。光学シャッター調整部214は、受信部213によって受信された信号に基づいて、光学シャッター201,202の各々の状態を開状態と閉状態との間で切替える。具体的には、受信部213が同期信号S1を受信した場合には、光学シャッター調整部214は、左目映像と右目映像と同期させて光学シャッター201,202を開閉する。一方、受信部213がモード信号S2を受信した場合には、光学シャッター調整部214は、光学シャッター201,202の状態を開状態および閉状態のいずれか一方に保持する。具体的には光学シャッター調整部214は、光学シャッター201,202の状態を開状態に保持する。すなわちモード信号S2は、光学シャッター201,202を開状態にするように光学シャッター調整部214に指示するための信号である。
【0037】
制御回路110、210の各々は、単一または複数の半導体集積回路によって実現可能である。
【0038】
物体の水平方向からの傾斜角度を検出して、その傾斜角度を示す信号を出力するセンサであれば、種々のセンサを傾斜センサ211に適用できる。
【0039】
図3は、図2に示した傾斜センサの1つの実現例を示した図である。図4は、図3に示した傾斜センサが正転方向に傾斜した状態を示した図である。図5は、図4のV−V断面を模式的に示した図である。図6は、図3に示した傾斜センサが倒立した状態を示す正面図である。
【0040】
図3〜図6を参照して、傾斜センサ211は、基板1と、ケース2と、カバー3と、受光素子4A,4Bと、発光素子5と、転動体6と、配線パターン7と、端子7a,7b,7cとを備える。受光素子4A,4Bと、発光素子5とは基板1に実装される。図5に示すように、配線パターン7は基板1の表面に形成される。配線パターン7は、たとえば銅からなる。なお、図3、図4、図6では、カバー3は示されていない。
【0041】
受光素子4A,4Bは、たとえばPINフォトダイオードである。受光素子4A,4Bの各々は赤外線を受光すると電流を流す。発光素子5は、たとえば赤外線発光ダイオードであり、赤外線を発する。
【0042】
ケース2には、空隙部20が形成される。転動体6は空隙部20に収容される。図3および図5に示されるように、空隙部20は、転動体収容部20aと、3つの窓20bと、素子収容部20cとを有する。3つの窓20bは、受光素子4A,4Bおよび発光素子5にそれぞれ対応して形成される。転動体収容部20aは、転動体6を収容する部分であり、傾斜センサ211の姿勢に応じた所定の位置に転動体6を転動させるための部分である。図5に示されるように、素子収容部20cは、受光素子4A,4Bおよび発光素子5を収容するための部分である。
【0043】
カバー3は、ケース2を塞ぐことにより空隙部20を形成する。図5に示されるように、カバー3の下面には、反射膜30が形成される。発光素子5によって発せられた光は反射膜30により反射して受光素子4A,4Bへと向かう。
【0044】
転動体6は、傾斜センサ211の姿勢に応じて転動体収容部20a内を転がる。これにより、発光素子5から発せられた光が受光素子4Aあるいは受光素子4Bへと到達することが阻止される。
【0045】
図3は、傾斜センサ211が中立姿勢とされた状態を示している。中立姿勢は、眼鏡200が水平である状態に対応する。この場合には、転動体6は、発光素子5の正面に位置する。発光素子5から発せられた赤外線が転動体6によって遮られるので、受光素子4A,受光素子4Bは、発光素子5から発せられた赤外線を受けることができない。
【0046】
図4に示されるように、傾斜センサ211が時計回りに回転されて傾斜センサ211が傾いたとする。この場合には、転動体6は、受光素子4Bの正面の位置へと転動する。図5に示されるように、発光素子5から発せられた赤外線は反射膜30によって反射して受光素子4Aに到達する。しかしながら受光素子4Bは発光素子5から発せられた赤外線を受光することができない。
【0047】
図6に示されるように、傾斜センサ211が中立姿勢から半回転した場合には、傾斜センサ211は倒立する。この場合における転動体6の位置は、傾斜センサ211が中立姿勢であるときの位置と反対の位置である。発光素子5から発せられた赤外線は反射膜30によって反射して受光素子4A,4Bに到達する。
【0048】
受光素子4A,4Bから出力される信号の強度は、傾斜センサ211の回転方向および傾斜センサ211の回転角度に応じて変化する。したがって受光素子4A,4Bから出力される信号の強度に基づいて、眼鏡200の傾斜角度を検出することができる。
【0049】
なお、傾斜センサ211は、図3〜図6に示されたセンサに限定されるものではない。1つの実施形態では、加速度センサが傾斜センサ211に適用できる。
【0050】
図7は、実施の形態1に係る映像システムによる第1のモードでの映像の表示を説明するための図である。図2および7を参照して、眼鏡200は、眼鏡200の傾斜角度を示す角度信号SAを映像表示装置100に送信する。眼鏡200は、ほぼ水平に保持されている。映像表示装置100は眼鏡200から角度信号SAを受信する。傾斜角度が予め定められた範囲内にあると映像表示装置100(図2に示した判定部114)が判定する。
【0051】
この場合、表示モード切替処理部111が、映像表示装置100の表示モードを第1のモードに設定する。したがって、表示パネル101は、左目映像101Lおよび右目映像101Rを交互に表示する。さらに、映像表示装置100(送信部112)は、左目映像101Lおよび右目映像101Rに同期した同期信号S1を眼鏡200に送信する。
【0052】
眼鏡200は、同期信号S1に応じて光学シャッター201,202の状態を変化させる。具体的には、表示パネル101が左目映像101Lを表示するときに、光学シャッター調整部214は、光学シャッター201,202をそれぞれ開状態および閉状態に設定する。一方、映像表示装置100が右目映像101Rを表示するときには、光学シャッター調整部214は、光学シャッター201,202を上記の状態とは逆の状態に設定する。したがって左目映像101Lおよび右目映像101Rが視聴者の左目および右目にそれぞれ導かれる。視聴者は、左目映像101Lと右目映像101Rとによって視差を擬似的に知覚する。これにより、視聴者は、映像表示装置100が表示する映像を三次元映像として見ることができる。
【0053】
しかしながら、視聴者が姿勢を変化させたときには眼鏡200が水平方向から大きく傾く可能性、あるいは、眼鏡200が水平方向からほぼ90°回転する可能性がある。さらに視聴者が眼鏡200を外した場合、視聴者が眼鏡200を下向きあるいは逆向きに置く可能性も考えられる。
【0054】
このような場合にも映像表示装置100が三次元の映像すなわち左目映像101Lおよび右目映像101Rの表示を継続した場合には、視聴者が映像を適切に見ることが難しくなる。したがって実施の形態1では、傾斜角度が予め定められた範囲を超えた場合には、映像表示装置100(表示モード切替処理部111)は、表示モードを上記の第1のモードとは異なる第2のモードへと切替える。
【0055】
図8は、実施の形態1に係る映像システムによる第2のモードでの映像の表示を説明するための図である。図8を参照して、第2のモードでは、映像表示装置100は、左目映像101Lおよび右目映像101Rとの間の切替えを行なわない。具体的には、映像表示装置100は、二次元映像を表示する。
【0056】
この場合、眼鏡200から送られた角度信号SAにより、映像表示装置100(判定部114)は、傾斜角度が予め定められた範囲外にあると判定する。表示モード切替処理部111は、判定部114の判定結果に基づいて、映像表示装置100の表示モードを第2のモードに設定する。表示パネル101は、二次元の映像を表示する。
【0057】
さらに、映像表示装置100(送信部112)は、モード信号S2を眼鏡200に送信する。モード信号S2により、光学シャッター調整部214は光学シャッター201,202をともに開状態に設定する。したがって、二次元映像が視聴者の左目および右目の両方に導かれる。表示パネル101に表示された映像が三次元映像から二次元映像へと変化するものの、視聴者は、眼鏡200を装着したまま映像を見続けることができる。
【0058】
図9は、傾斜角度の範囲を説明するための図である。図9を参照して、眼鏡200が水平であるときの角度が0°である。第1の範囲は、表示モードを第1のモードから第2のモードへ切替えるための傾斜角度の範囲と定義される。第1の範囲は、−θ1から+θ1までの範囲である。すなわち傾斜角度が−θ1から+θ1までの範囲を外れた場合に映像表示装置100は表示モードを第1のモードから第2のモードに切替える。
【0059】
第2の範囲は、表示モードを第2のモードから第1のモードへ切替えるための傾斜角度の範囲と定義される。1つの実施の形態において、第2の範囲は、第1の範囲と一致する。すなわち、傾斜角度が−θ1から+θ1までの範囲である場合には表示モードは第1のモードである。一方で、傾斜角度が−θ1から+θ1までの範囲を外れた場合には表示モードは第2のモードである。
【0060】
他の実施の形態では、第2の範囲は−θ1から+θ1までの範囲よりも狭い範囲である。たとえば図9に示されるように、第2の範囲は、−θ2から+θ2までの範囲である。
【0061】
視聴者が映像を見ている間には、眼鏡200の傾斜角度が絶えず変動しうる。第1の範囲と第2の範囲とが一致する場合には、表示モードが第1のモードと第2のモードとの間で頻繁に切替わる可能性がある。第2の範囲が第1の範囲よりも狭くなるように予め設定された場合には、このような問題を回避することができる。
【0062】
映像表示装置100は、眼鏡200の傾斜角度が第1の範囲から外れると直ちに表示モードを第1のモードから第2のモードに切替えてもよい。あるいは、映像表示装置100は、眼鏡200の傾斜角度が第1の範囲から外れた時間が所定の時間に到達した場合に、表示モードを第1のモードから第2のモードに切替えてもよい。これにより眼鏡200の傾斜角度が第1の範囲外であることを映像表示装置100が確実に検出することができる。一方、眼鏡200の傾斜角度が第2の範囲に入るとすぐに表示モードを第1のモードから第2のモードに切替えることが好ましい。表示モードをすぐに第2のモードから第1のモードに戻すことができる。ただし、眼鏡200の傾斜角度が第2の範囲に入ってから、ある特定の時間が経過した後に表示モードが切替わってもよい。傾斜角度が第1の範囲外である時間、および傾斜角度が第2の範囲内である時間は、判定部114または表示モード切替処理部111によって測定される。
【0063】
以上のように実施の形態1によれば、映像表示装置100は、眼鏡200の傾斜角度が予め定められた範囲を超えた場合に、表示モードを第1のモードから第2のモードへと切替える。第1のモードは、左目映像および右目映像を交互に表示するモードである。第2のモードは左目映像および右目映像を交互に表示させないモードであり、具体的には二次元映像を表示するモードである。第1のモードにおいて、眼鏡200(光学シャッター調整部214)は、左目映像および右目映像に同期して光学シャッター201,202の各々を開状態と閉状態との間で交互に変化させる。一方、第2のモードにおいて、眼鏡200(光学シャッター調整部214)は、光学シャッター201,202の各々を開状態に維持する。
【0064】
実施の形態1によれば、たとえば眼鏡200の傾斜角度が適切な範囲内にあるときに視聴者が三次元映像を見ることができる。眼鏡200の傾斜角度がその範囲を超えた場合には、映像表示装置100に表示される映像が二次元映像になるものの、視聴者は映像を見続けることができる。さらに、視聴者は、三次元映像を見るための適切な姿勢へと自分の姿勢を戻すことにより、視聴者は、三次元映像を再び見ることができる。このように、視聴者が映像を見るときの状態に応じて、映像の表示を制御することができる。
【0065】
[実施の形態2]
実施の形態1では、三次元映像を視聴する視聴者が一人である場合、すなわち眼鏡200の個数が1である場合における映像システムの動作を説明した。実施の形態2では、複数の視聴者の各々が眼鏡を用いて三次元映像を見る場合における映像表示装置100の動作が説明される。
【0066】
図10は、実施の形態2に係る映像システムの主要部の構成を説明するためのブロック図である。図2および図10を参照して、実施の形態2に係る映像表示装置100Aは、
制御回路110に代えて制御回路110Aを備える。制御回路110Aは、表示モード切替処理部111に代えて表示モード切替処理部111Aを備える点、および、カウンタ115をさらに備える点において制御回路110と異なる。映像表示装置100Aの他の部分の構成は、実施の形態1に係る映像表示装置100の対応する部分の構成と同様であるので以後の説明は繰り返さない。実施の形態1と同じく制御回路110Aは、単一または複数の半導体集積回路によって実現可能である。
【0067】
受信部113は、複数の眼鏡200の各々から角度信号SAを受信する。判定部114は、受信部113が受信した角度信号SAに基づいて、眼鏡200の傾斜角度が予め定められた範囲内であるか否かを判定する。判定部114は、複数の眼鏡200の全てについて傾斜角度が予め定められた範囲内であるか否かを判定する。したがって判定部114は眼鏡200の個数と同数の判定結果を生成する。
【0068】
カウンタ115は、判定部114によって生成された複数の判定結果を受ける。複数の判定結果に基づいて、カウンタ115は、傾斜角度が予め定められた範囲内であるという条件を満たす眼鏡の個数および上記条件を満たさない眼鏡の個数をカウントする。なおカウンタ115は、判定部114の一部であってもよく、表示モード切替処理部111Aの一部であってもよい。
【0069】
カウンタ115は、第1の値C1および第2の値C2を表示モード切替処理部111に出力する。第1の値C1は、傾斜角度が予め定められた範囲内であるという条件を満たす眼鏡の個数である。第2の値C2は、上記条件を満たさない眼鏡の個数である。
【0070】
表示モード切替処理部111Aは、第1の値C1および第2の値C2に基づいて、表示モードを第1のモードと第2のモードとの間で切替える。送信部112は、表示モードに対応する信号(同期信号S1およびモード信号S2のいずれか一方)を複数の眼鏡200に対して共通に送信する。
【0071】
複数の視聴者がさまざまな姿勢で映像表示装置100Aに表示された映像を見ることが考えられる。したがって複数の眼鏡200の傾斜角度も異なりうる。しかしながら、映像表示装置100Aが映像を表示する場合には、映像表示装置100Aは、第1のモードおよび第2のモードのいずれか一方を選択しなければならない。以下に、実施の形態2に適用されうる3つの選択パターンを示す。
【0072】
(第1のパターン)
図11は、図10に示した映像表示装置が表示モードを選択するための1つのパターンを説明した図である。図11を参照して、3つの眼鏡200のうちの1つの傾斜角度が予め定められた範囲内にある。第1のパターンでは、複数の眼鏡200のうちの少なくとも1つの傾斜角度が予め定められた範囲内にある場合に、映像表示装置100Aは表示モードとして第1のモードを選択する。したがって左目映像101Lおよび右目映像101Rが表示パネル101に表示される。さらに、同期信号S1が映像表示装置100Aから出力される。
【0073】
具体的には、映像表示装置100Aは、3つの眼鏡200の各々から送信された角度信号SAを受信する。図10に示した判定部114により、3つの眼鏡200の各々の傾斜角度が予め定められた範囲内にあるかどうかが判定される。カウンタ115は、判定部114の判定結果に基づいて、第1の値C1および第2の値C2を生成する。表示モード切替処理部111Aは、第1の値C1が1以上である場合に、第1のモードを選択する。第1のパターンによれば、適切な姿勢を取る視聴者が三次元映像を見ることを可能にする。
【0074】
(第2のパターン)
図12は、図10に示した映像表示装置が表示モードを選択するための別のパターンを説明した図である。図12を参照して、3つの眼鏡200のうちの1つの傾斜角度が予め定められた範囲を超えている。第2のパターンでは、複数の眼鏡200のうちの少なくとも1つの傾斜角度が予め定められた範囲外にある場合に、映像表示装置100Aは表示モードとして第2のモードを選択する。したがって二次元映像が表示パネル101に表示される。さらにモード信号S2が映像表示装置100Aから出力される。
【0075】
具体的には、映像表示装置100Aは、3つの眼鏡200の各々から送信された角度信号SAを受信する。第1のパターンの場合の処理と同じ処理によって、第1の値C1および第2の値C2が生成される。表示モード切替処理部111Aは、第2の値C2が1以上である場合に、第2のモードを選択する。
【0076】
第2のパターンによれば、傾いた姿勢を取る視聴者に三次元映像を見せなくすることができる。これにより、その視聴者が映像を好適に見ることができる。
【0077】
(第3のパターン)
第3のパターンにおいては、表示モード切替処理部111Aは、第1の値C1と第2の値C2とを比較する。表示モード切替処理部111Aは、第1の値C1が第2の値C2よりも大きい場合には第1のモードを選択し、逆の場合には第2のモードを選択する。
【0078】
第1の値C1が第2の値C2と同じ場合には、表示モード切替処理部111Aは予め定められたモードを選択する。このモードは第1のモードおよび第2のモードのいずれでもよい。第1のモードおよび第2のモードのいずれが選択されるかは、予め設定されてもよい。あるいは、視聴者が映像表示装置100Aを操作することによって、第1のモードおよび第2のモードのいずれが選択されるかが決定されてもよい。
【0079】
なお、眼鏡200の個数が1である場合には、上記の第1〜第3のパターンの各々に従う動作は、実施の形態1に係る映像表示装置100の動作と同じである。
【0080】
さらに第1から第3のパターンのいずれか1つのみが映像表示装置100Aに適用されてもよい。あるいは、第1から第2のパターンまたは第1から第3のパターンが映像表示装置100Aに適用されてもよい。この場合、視聴者が映像表示装置100Aを操作することにより、視聴者は複数のパターンの中から所望のパターンを選択できる。具体的にはたとえば表示モード切替処理部111Aが、第1および第2のパターンあるいは第1から第3のパターンを予め記憶する。視聴者が映像表示装置100Aを操作した場合に、表示モード切替処理部111Aは、複数のパターンの中から視聴者の操作に対応したパターンを選択する。
【0081】
なお、映像表示装置100Aは、角度信号SAを送信した眼鏡200を特定するように構成されてもよい。これにより、複数の眼鏡200の全てから映像表示装置100Aに角度信号SAが送信されたかどうかを、映像表示装置100Aが確認できる。たとえば、映像表示装置100Aが複数の眼鏡200の各々と通信することにより、映像表示装置100Aは複数の眼鏡200の各々を識別するためのコードを設定し、複数の眼鏡200の各々に、当該コードを送信する。複数の眼鏡200の各々が角度信号を送信する場合には、当該眼鏡200は、自身に割り当てられたコードを角度信号に含める。これにより映像表示装置100Aが角度信号を受信したときに、映像表示装置100Aは、当該角度信号を送信した眼鏡200を特定できる。ただし映像表示装置100Aが複数の眼鏡200の各々を識別するための方法は上記の方法に限定されるものではない。
【0082】
以上のように実施の形態2によれば、映像表示装置は、複数の眼鏡がそれぞれ送信した複数の角度信号を受信する。映像表示装置は、それら複数の角度信号に基づいて表示モードを第1のモードあるいは第2のモードに設定する。実施の形態2によれば、複数の視聴者が1つの映像表示装置に表示された映像を見る場合において、三次元映像を見たいという視聴者の意図をできるだけ反映させることができる(第1のモードが選択される場合)。あるいは、たとえば自分の好きな姿勢で映像を見続けたいという視聴者の意図をできるだけ反映させることができる(第2のモードが選択される場合)。
【0083】
[実施の形態3]
実施の形態3では、表示モードが変更されたことが視聴者に通知される。図13は、実施の形態3に係る映像システムの主要部の構成を説明するためのブロック図である。
【0084】
図2および図13を参照して、実施の形態3に係る映像表示装置100Bは、制御回路110に代えて制御回路110Bを備える。制御回路110Bは、表示モード切替処理部111に代えて表示モード切替処理部111Bを備える点、および、通知部116をさらに備える点において制御回路110と異なる。映像表示装置100Bの他の部分の構成は、実施の形態1に係る映像表示装置100の対応する部分の構成と同様であるので以後の説明は繰り返さない。実施の形態1と同じく制御回路110Bは、単一または複数の半導体集積回路によって実現可能である。
【0085】
表示モード切替処理部111Bは、判定部114の判定結果に基づいて、第1のモードおよび第2のモードのいずれか一方を表示モードとして選択する。表示モード切替処理部111Bが第2のモードを選択した場合には、表示モード切替処理部111Bは第2のモードを示す信号を通知部116に送信する。通知部116は、表示モード切替処理部111Bからの信号により、第2のモードを視聴者に通知するための処理を実行する。
【0086】
なお、映像表示装置100Bの他の部分の構成は、実施の形態1に係る映像表示装置100の対応する部分の構成と同様であるので以後の説明は繰返さない。
【0087】
図14は、第2のモードの通知の一例を示した図である。図14を参照して、通知部116は、発光素子116A(たとえば発光ダイオード)を含む。第2のモードにおいて、通知部116は、発光素子を点灯させる。
【0088】
図15は、第2のモードの通知の他の例を示した図である。図15を参照して、表示パネル101の所定の位置に、第2のモードを示す画像120が表示される。画像120は、文字、記号、図形およびそれらの任意の組み合わせを含みうる。この例では、通知部116は、映像信号処理回路102に対して、画像120を表示パネル101に表示させるための信号を出力する。映像信号処理回路102は、通知部116からの信号により、画像120を表示パネル101に表示させるための処理を実行する。
【0089】
図16は、第2のモードの通知のさらに他の例を示した図である。図16を参照して、通知部116は、通知音を発生させる。通知音を発生させるタイミングおよび回数、通知音の長さ、通知音の発生の周期といった条件は、特に限定されるものではない。
【0090】
図17は、実施の形態3に係る映像システムの変形例を示した図である。図2および図17を参照して、眼鏡200Aは、制御回路210に代えて制御回路210Aを備える点において眼鏡200と異なる。制御回路210Aは、通知部215をさらに備える点において制御回路210と異なる。眼鏡200Aの他の部分の構成は眼鏡200の対応する部分の構成と同様であるので以後の説明は繰返さない。実施の形態1と同じく制御回路210Aは、単一または複数の半導体集積回路によって実現可能である。
【0091】
この変形例では、眼鏡200Aが視聴者に第2のモードを通知する。具体的には、通知部215は、受信部213を介して、映像表示装置100から同期信号S1およびモード信号S2を受ける。通知部215がモード信号S2を受信した場合には、通知部215は視聴者に第2のモードを通知する。たとえば、通知部215は音を発生させる。
【0092】
上記の実施の形態では、表示モードが第2のモードであることが視聴者に通知される。しかしながら表示モードが第1のモードであることが視聴者に通知されてもよい。
【0093】
さらに、実施の形態2に係る映像表示装置100Aに上記の通知部116を適用してもよい。あるいは、実施の形態2に係る眼鏡200を、実施の形態3に係る眼鏡200Aに置き換えることもできる。
【0094】
さらに、通知部は、映像表示装置および眼鏡のいずれか一方に含まれるものと限定されない。映像表示装置および眼鏡の両方が通知部を備えていてもよい。この場合には、たとえば映像表示装置側の通知部は光を発し、眼鏡側の通知部は音を発生させてもよい。
【0095】
以上のように、実施の形態3によれば、実施の形態1による効果を得ることができる。さらに実施の形態3によれば、映像表示装置によって選択された表示モードを視聴者に把握させることができる。
【0096】
[実施の形態4]
上記の各実施の形態では、表示モードが第2のモードである場合に、映像表示装置は二次元映像を表示する。実施の形態4は、第2のモードにおける映像の表示処理の点において実施の形態1〜3と相違する。したがって実施の形態1〜3のいずれかの映像表示装置の構成を実施の形態4に係る映像表示装置の構成に適用できる。同じく、実施の形態1〜3のいずれかの眼鏡の構成を実施の形態4に係る映像表示装置の構成に適用できる。以下では、図1および図2に示された構成を参照しながら実施の形態4に係る映像の表示の処理を説明する。
【0097】
図18は、実施の形態4に係る映像の表示の処理の一例を示した図である。図18を参照して、眼鏡200の傾斜角度が予め定められた範囲を超えた場合に、映像表示装置100は、映像の表示を停止する。この場合、表示パネル101には、たとえば背景色(たとえば青色)が表示される。
【0098】
他の例では、眼鏡200の傾斜角度が予め定められた範囲を超えた場合に、映像表示装置100は、映像の切替えを一時的に停止する。この場合には、左目映像101Lおよび右目映像101Rのいずれか一方あるいは両方が表示されたままとなる。
【0099】
図1を参照して、たとえば映像表示装置100は、ケーブル302を介してディスク再生装置300に制御信号を送信する。ディスク再生装置300は、この制御信号により、映像の再生を停止する、あるいは映像の切替えを一時的に停止する。
【0100】
眼鏡200が、傾斜した状態から水平の状態に戻った場合には、表示モードが第1のモードとなる。この場合には、実施の形態1〜3と同様に、映像表示装置100は、左目映像101Lと右目映像101Rとを交互に表示する。具体的には、映像表示装置100は、ケーブル302を介してディスク再生装置300に制御信号を送信する。この制御信号は、映像の再生を指示するための信号である。ディスク再生装置300は、この制御信号により、処理を再開する。
【0101】
以上のように、実施の形態4によれば、眼鏡が傾いた(視聴者の姿勢が傾いた)場合に三次元映像を見ることができない。これにより、三次元映像を見るための適切な姿勢をとるように視聴者に気付かせることができる。あるいは、たとえば視聴者が三次元映像を見ることを止めることもできる。
【0102】
なお、上記の実施の形態では、眼鏡200の傾斜角度が予め定められた範囲内か否かを判定する判定部は映像表示装置に含まれる。しかし、本発明は、眼鏡の傾斜角度が予め定められた範囲内か否かを映像表示装置が判定するように限定するものではない。
【0103】
図19は、本発明の実施の形態の変形例を示した図である。図1および図19を参照して、映像表示装置100Cは判定部114を有さない点において映像表示装置100と異なる。さらに、眼鏡200Bは、判定部216をさらに備える点において眼鏡200と異なる。判定部216の機能は判定部114の機能と同様である。この場合、眼鏡200Bの送信部212は、判定部216の判定結果を示す信号S3を送信する。表示モード切替処理部111は受信部113を介して信号S3を受信する。表示モード切替処理部111の処理については以後の説明を繰り返さない。
【0104】
なお、実施の形態2に係る映像表示装置100A、あるいは実施の形態3に係る映像表示装置100Bから判定部114を省略してもよい。この場合、眼鏡200に代えて眼鏡200Bを用いればよい。なお、眼鏡200Aに判定部216が追加されてよい。あるいは眼鏡200Bに通知部215が追加されてもよい。
【0105】
さらに、上記の実施の形態では、三次元映像の表示方式は左目映像と右目映像とを交互に表示する方式である。ただし、三次元映像の表示方式は他の方式でもよい。この場合にも、第2のモードが二次元映像を表示可能なモードであればよい。あるいは実施の形態4に示されるように、第2のモードが、映像の再生を停止するモードであってもよい。
【0106】
たとえば本発明は、互いに偏光方向が異なる2つの偏光レンズが左目部分および右目部分にそれぞれ用いられた眼鏡により三次元映像を見る方式にも適用可能である。この場合、第1のモードでは、映像表示装置は、偏光方向が互いに異なる2つの映像を表示パネルに表示させる。第2のモードでは、たとえば映像表示装置は、眼鏡の左目側の偏光レンズの偏光方向と、眼鏡の右目側の偏光レンズの偏光方向との中間の方向に偏光した二次元映像を表示パネルに表示させる。このように、本発明は三次元映像の特定の表示方式に限定されるものではない。
【0107】
さらに、眼鏡の様々な傾斜角度(たとえば右45°、右90°、左45°、左90°など)に対応した三次元映像、すなわち、様々な視点に対応した複数の三次元映像がメディアに記録されている場合には、映像表示装置は以下の映像処理を実行してもよい。すなわち、映像表示装置は、眼鏡の傾斜角度に応じて、複数の三次元映像の中から最適な映像を選択して、その映像に対応した映像を表示する。たとえば、眼鏡が右90°(左90°でもよい)方向に回転した場合、映像表示装置は、上方に位置する目に対応した映像と下方に位置する目に対応した映像とを表示する。眼鏡が右45°方向に回転した場合、映像表示装置は、上方に位置する左目に対応した映像と下方に位置する右目に対応した映像とを表示する。眼鏡が左45°方向に回転した場合には、上記の場合とは逆に、映像表示装置は、上方に位置する右目に対応した映像と下方に位置する左目に対応した映像とを表示する。すなわち、映像表示装置は、眼鏡を装着した視聴者の左目および右目の位置に応じて、その左目および右目にどのような映像を見せるかを決定する。これにより、いわゆる3D回転、すなわち三次元映像の回転を実現することができる。なお、上記の傾斜角度は一例であって、たとえば傾斜角度が30°変化するごとに映像表示装置は視聴者に見せる三次元映像を変化させてもよい。さらに、映像表示装置は、左右方向の傾斜角度だけでなく、上下方向の傾斜角度に応じて三次元映像を変化させてもよい。
【0108】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0109】
1 基板、2 ケース、3 カバー、4A,4B 受光素子、5,116A 発光素子、6 転動体、7 配線パターン、7a,7b,7c 端子、20 空隙部、20a 転動体収容部、20b 窓、20c 素子収容部、30 反射膜、100,100A,100B,100C 映像表示装置、101 表示パネル、101L 左目映像、101R 右目映像、102 映像信号処理回路、110,110A,110B,210,210A 制御回路、111,111A,111B 表示モード切替処理部、112,212 送信部、113,213 受信部、114,216 判定部、115 カウンタ、116,215 通知部、120 画像、200,200A,200B 眼鏡、201,202 光学シャッター、211 傾斜センサ、214 光学シャッター調整部、300 ディスク再生装置、301 ディスク、302 ケーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左目映像および右目映像を含む三次元映像を表示する映像表示装置と、前記三次元映像を見るための少なくとも1つの眼鏡とを備える映像システムを制御する制御システムであって、
前記映像表示装置は、前記左目映像および前記右目映像を交互に表示し、
前記少なくとも1つの眼鏡は、前記左目映像および前記右目映像にそれぞれ対応して設けられた第1および第2の光学シャッターを含み、
前記制御システムは、
水平方向に対する前記少なくとも1つの眼鏡の傾斜角度を検出するように構成されたセンサと、
前記センサの検出結果によって表わされる前記傾斜角度が第1の範囲を超えた場合に、前記映像表示装置の動作モードを第1のモードから第2のモードへと切替えるように構成されたモード切替部とを備え、
前記第1のモードは、前記左目映像および前記右目映像を交互に表示するモードであり、
前記第2のモードは、前記左目映像および前記右目映像の切替えを発生させないモードであり、
前記第1のモードでは前記第1および第2の光学シャッターを、前記左目映像および前記右目映像の表示とそれぞれ同期させて開閉させる一方、前記第2のモードでは、前記第1および第2の光学シャッターをともに開状態に設定するように構成された光学シャッター調整部をさらに備える、制御システム。
【請求項2】
前記第2のモードは、二次元映像を前記映像表示装置に表示させるモードである、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの眼鏡は、複数の眼鏡であって、
前記傾斜角度が前記第1の範囲内にあるという条件を満たす少なくとも1つの第1の眼鏡と前記傾斜角度が前記第1の範囲外にあるという条件を満たす少なくとも1つの第2の眼鏡とが前記複数の眼鏡の眼鏡に含まれる場合には、前記モード切替部は、所定の選択条件に従って、前記第1および第2のモードのいずれか一方を選択する、請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記所定の選択条件は、前記第1のモードを選択するという条件である、請求項3に記載の制御システム。
【請求項5】
前記所定の選択条件は、前記第2のモードを選択するという条件である、請求項3に記載の制御システム。
【請求項6】
前記所定の選択条件は、前記少なくとも1つの第1の眼鏡の個数と前記少なくとも1つの第2の眼鏡の個数とのうちの多いほうの個数の眼鏡に対応するモードを選択するという条件である、請求項3に記載の制御システム。
【請求項7】
前記所定の選択条件は、
前記少なくとも1つの第1の眼鏡の個数と前記少なくとも1つの第2の眼鏡の個数とが同じである場合に、前記第1および第2のモードのいずれか一方を選択するための条件を含む、請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
前記傾斜角度が第2の範囲内である場合に、前記モード切替部は、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードへと切替え、
前記第2の範囲は、前記第1の範囲よりも狭い、請求項1に記載の制御システム。
【請求項9】
前記傾斜角度が第2の範囲内である場合に、前記モード切替部は、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードへと切替え、
前記第2の範囲は、前記第1の範囲と同じ範囲である、請求項1に記載の制御システム。
【請求項10】
前記モード切替部によって選択された前記動作モードを視聴者に知らせるように構成された通知部をさらに備える、請求項1に記載の制御システム。
【請求項11】
前記通知部は、発光素子を含む、請求項10に記載の制御システム。
【請求項12】
前記通知部は、音を発するように構成される、請求項10に記載の制御システム。
【請求項13】
前記第2のモードは、前記左目映像と前記右目映像との間の切替えを停止させるモードである、請求項1に記載の制御システム。
【請求項14】
前記第2のモードは、前記映像表示装置に映像の表示を停止させるモードである、請求項1に記載の制御システム。
【請求項15】
映像表示装置によって表示された、左目映像および右目映像を含む三次元映像を見るための眼鏡に実装された制御装置であって、
前記映像表示装置は、水平方向に対する前記眼鏡の傾斜角度が所定の範囲を超えた場合に、前記映像表示装置の動作モードを第1のモードから第2のモードへと切替えるように構成され、
前記第1のモードは、前記左目映像および前記右目映像を交互に表示するモードであり、前記第2のモードは、前記左目映像および前記右目映像の切替えを発生させないモードであり、
前記眼鏡は、前記左目映像および前記右目映像にそれぞれ対応して設けられた第1および第2の光学シャッターを含み、
前記制御装置は、
前記眼鏡の前記傾斜角度を検出するように構成されたセンサと、
前記センサによって検出された前記傾斜角度を示す第1の信号を、前記映像表示装置に送信するように構成された送信部と、
前記映像表示装置によって選択された前記動作モードを特定する第2の信号を、前記映像表示装置から受信するように構成された受信部と、
前記受信部によって受信された前記第2の信号に応答して、前記第1および第2の光学シャッターを調整するように構成された光学シャッター調整部とを備え、
前記光学シャッター調整部は、前記第1のモードでは前記第1および第2の光学シャッターを、前記左目映像および前記右目映像の表示とそれぞれ同期させて開閉させる一方、前記第2のモードでは、前記第1および第2の光学シャッターをともに開状態に設定するように構成される、制御装置。
【請求項16】
前記第2のモードは、二次元映像を前記映像表示装置に表示させるモードである、請求項15に記載の制御装置。
【請求項17】
前記第2のモードは、前記左目映像と前記右目映像との間の切替えを停止させるモードである、請求項15に記載の制御装置。
【請求項18】
前記第2のモードは、前記映像表示装置に映像の表示を停止させるモードである、請求項15に記載の制御装置。
【請求項19】
映像表示装置によって表示された、左目映像および右目映像を含む三次元映像を見るための眼鏡に実装された制御装置であって、
前記映像表示装置は、水平方向に対する前記眼鏡の傾斜角度が所定の範囲を超えた場合に、前記映像表示装置の動作モードを第1のモードから第2のモードへと切替えるように構成され、
前記第1のモードは、前記左目映像および前記右目映像を交互に表示するモードであり、前記第2のモードは、前記左目映像および前記右目映像の切替えを発生させないモードであり、
前記眼鏡は、前記左目映像および前記右目映像にそれぞれ対応して設けられた第1および第2の光学シャッターを含み、
前記制御装置は、
前記眼鏡の前記傾斜角度を検出するように構成されたセンサと、
前記センサによって検出された前記傾斜角度が前記所定の範囲内であるか否かを判定するように構成された判定部と、
前記判定部の判定結果を示す第1の信号を、前記映像表示装置に送信するように構成された送信部と、
前記映像表示装置によって選択された前記動作モードを特定する第2の信号を、前記映像表示装置から受信するように構成された受信部と、
前記受信部によって受信された前記第2の信号に応答して、前記第1および第2の光学シャッターを調整するように構成された光学シャッター調整部とを備え、
前記光学シャッター調整部は、前記第1のモードでは前記第1および第2の光学シャッターを、前記左目映像および前記右目映像の表示とそれぞれ同期させて開閉させる一方、前記第2のモードでは、前記第1および第2の光学シャッターをともに開状態に設定するように構成される、制御装置。
【請求項20】
前記第2のモードは、二次元映像を前記映像表示装置に表示させるモードである、請求項19に記載の制御装置。
【請求項21】
前記第2のモードは、前記左目映像と前記右目映像との間の切替えを停止させるモードである、請求項19に記載の制御装置。
【請求項22】
前記第2のモードは、前記映像表示装置に映像の表示を停止させるモードである、請求項19に記載の制御装置。
【請求項23】
左目映像および右目映像を含む三次元映像を表示する映像表示装置に実装された制御装置であって、
前記三次元映像を見るための少なくとも1つの眼鏡から角度信号を受信する受信部を備え、前記角度信号は、水平方向に対する前記少なくとも1つの眼鏡の傾斜角度を表し、前記少なくとも1つの眼鏡は、前記左目映像および前記右目映像にそれぞれ対応して設けられた第1および第2の光学シャッターを含み、前記第1および第2の光学シャッターの各々は、対応する映像の表示に同期するように構成され、
前記制御装置は、
前記傾斜角度が第1の範囲を超えた場合に、前記映像表示装置の動作モードを第1のモードから第2のモードへと切替えるように構成されたモード切替部をさらに備え、
前記第1のモードは、前記左目映像および前記右目映像を交互に表示するモードであり、
前記第2のモードは、前記左目映像および前記右目映像の切替えを発生させないモードであり、
前記制御装置は、
前記第1のモードでは前記左目映像および前記右目映像の表示に同期した第1の信号を前記眼鏡に送信する一方で、前記第2のモードでは、前記第1および第2の光学シャッターをともに開状態に設定するための第2の信号を前記眼鏡に送信するように構成された送信部をさらに備える、制御装置。
【請求項24】
前記第2のモードは、二次元映像を前記映像表示装置に表示させるモードである、請求項23に記載の制御装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つの眼鏡は、複数の眼鏡であって、
前記傾斜角度が前記第1の範囲内にあるという条件を満たす少なくとも1つの第1の眼鏡と前記傾斜角度が前記第1の範囲外にあるという条件を満たす少なくとも1つの第2の眼鏡とが前記複数の眼鏡の眼鏡に含まれる場合には、前記モード切替部は、所定の選択条件に従って、前記第1および第2のモードのいずれか一方を選択する、請求項23に記載の制御装置。
【請求項26】
前記所定の選択条件は、前記第1のモードを選択するという条件である、請求項25に記載の制御装置。
【請求項27】
前記所定の選択条件は、前記第2のモードを選択するという条件である、請求項25に記載の制御装置。
【請求項28】
前記所定の選択条件は、前記少なくとも1つの第1の眼鏡の個数と前記少なくとも1つの第2の眼鏡の個数とのうちの多いほうの個数の眼鏡に対応するモードを選択するという条件である、請求項25に記載の制御装置。
【請求項29】
前記所定の選択条件は、
前記少なくとも1つの第1の眼鏡の個数と前記少なくとも1つの第2の眼鏡の個数とが同じである場合に、前記第1および第2のモードのいずれか一方を選択するための条件を含む、請求項28に記載の制御装置。
【請求項30】
前記傾斜角度が第2の範囲内である場合に、前記モード切替部は、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードへと切替え、
前記第2の範囲は、前記第1の範囲よりも狭い、請求項23に記載の制御装置。
【請求項31】
前記傾斜角度が第2の範囲内である場合に、前記モード切替部は、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードへと切替え、
前記第2の範囲は、前記第1の範囲と同じ範囲である、請求項23に記載の制御装置。
【請求項32】
前記モード切替部によって選択された前記動作モードを視聴者に知らせるように構成された通知部をさらに備える、請求項23に記載の制御装置。
【請求項33】
前記通知部は、発光素子を含む、請求項32に記載の制御装置。
【請求項34】
前記通知部は、音を発するように構成される、請求項32に記載の制御装置。
【請求項35】
前記第2のモードは、前記左目映像と前記右目映像との間の切替えを停止させるモードである、請求項23に記載の制御装置。
【請求項36】
前記第2のモードは、前記映像表示装置に映像の表示を停止させるモードである、請求項23に記載の制御装置。
【請求項37】
映像システムであって、
映像表示装置を備え、前記映像表示装置は、
映像を表示するように構成された表示部と、
前記表示部の表示モードを第1のモードから第2のモードへと切替えるように構成されたモード切替部とを含み、前記第1のモードは、左目映像および右目映像を交互に表示するモードであり、前記第2のモードは、前記左目映像および前記右目映像の切替えを発生させないモードであり、
前記映像表示装置は、
前記第1のモードでは前記左目映像および前記右目映像の表示に同期した第1の信号を出力する一方で、前記第2のモードでは、前記第2のモードを示す第2の信号を出力するように構成された第1の送信部をさらに含み、
前記映像システムは、眼鏡をさらに備え、
前記眼鏡は、
前記左目映像および前記右目映像にそれぞれ対応して設けられた第1および第2の光学シャッターと、
水平方向に対する前記眼鏡の傾斜角度を検出するように構成されたセンサと、
前記センサによって検出された前記傾斜角度が所定の範囲を超えた場合に、前記モード切替部に前記表示モードを前記第1のモードから前記第2のモードへと切替えさせるための信号を、前記映像表示装置に送信する第2の送信部と、
光学シャッター調整部とを含み、
前記光学シャッター調整部は、前記第1の信号に応答して、前記第1および第2の光学シャッターを、前記左目映像および前記右目映像の表示とそれぞれ同期させて開閉させる一方、前記第2の信号に応答して、前記第1および第2の光学シャッターをともに開状態に設定するように構成される、映像システム。
【請求項38】
映像表示装置によって表示された、左目映像および右目映像を含む三次元映像を見るための眼鏡であって、
前記映像表示装置は、水平方向に対する前記眼鏡の傾斜角度が所定の範囲を超えた場合に、前記映像表示装置の動作モードを第1のモードから第2のモードへと切替えるように構成され、
前記第1のモードは、前記左目映像および前記右目映像を交互に表示するモードであり、前記第2のモードは、前記左目映像および前記右目映像の切替えを発生させないモードであり、
前記眼鏡は、
前記左目映像および前記右目映像にそれぞれ対応して設けられた第1および第2の光学シャッターと、
前記第1および第2の光学シャッターを制御するための制御部とを備え、前記制御部は、
前記眼鏡の前記傾斜角度を検出するように構成されたセンサと、
前記センサによって検出された前記傾斜角度を示す第1の信号を、前記映像表示装置に送信するように構成された送信部と、
前記映像表示装置によって選択された前記動作モードを特定する第2の信号を、前記映像表示装置から受信するように構成された受信部と、
前記受信部によって受信された前記第2の信号に応答して、前記第1および第2の光学シャッターを調整するように構成された光学シャッター調整部とを含み、
前記光学シャッター調整部は、前記第1のモードでは前記第1および第2の光学シャッターを、前記左目映像および前記右目映像の表示とそれぞれ同期させて開閉させる一方、前記第2のモードでは、前記第1および第2の光学シャッターをともに開状態に設定するように構成される、眼鏡。
【請求項39】
映像表示装置によって表示された、左目映像および右目映像を含む三次元映像を見るための眼鏡であって、
前記映像表示装置は、水平方向に対する前記眼鏡の傾斜角度が所定の範囲を超えた場合に、前記映像表示装置の動作モードを第1のモードから第2のモードへと切替えるように構成され、
前記第1のモードは、前記左目映像および前記右目映像を交互に表示するモードであり、前記第2のモードは、前記左目映像および前記右目映像の切替えを発生させないモードであり、
前記眼鏡は、前記左目映像および前記右目映像にそれぞれ対応して設けられた第1および第2の光学シャッターと、
前記第1および第2の光学シャッターを制御するための制御部とを備え、前記制御部は、
前記眼鏡の前記傾斜角度を検出するように構成されたセンサと、
前記センサによって検出された前記傾斜角度が前記所定の範囲内であるか否かを判定するように構成された判定部と、
前記判定部の判定結果を示す第1の信号を、前記映像表示装置に送信するように構成された送信部と、
前記映像表示装置によって選択された前記動作モードを特定する第2の信号を、前記映像表示装置から受信するように構成された受信部と、
前記受信部によって受信された前記第2の信号に応答して、前記第1および第2の光学シャッターを調整するように構成された光学シャッター調整部とを備え、
前記光学シャッター調整部は、前記第1のモードでは前記第1および第2の光学シャッターを、前記左目映像および前記右目映像の表示とそれぞれ同期させて開閉させる一方、前記第2のモードでは、前記第1および第2の光学シャッターをともに開状態に設定するように構成される、眼鏡。
【請求項40】
映像表示装置であって、
左目映像および右目映像を交互に表示するように構成された表示部と、
前記左目映像および前記右目映像を見るための眼鏡の水平方向に対する傾斜角度が、所定の範囲を超えた場合に、前記表示部の表示モードを第1のモードから第2のモードへと切替えるように構成されたモード切替部とを備え、
前記第1のモードは、前記左目映像および前記右目映像を交互に表示するモードであり、前記第2のモードは、前記左目映像および前記右目映像の切替えを発生させないモードであり、
前記眼鏡は、前記左目映像および前記右目映像にそれぞれ対応して設けられた第1および第2の光学シャッターを含み、前記第1および第2の光学シャッターの各々は、対応する映像の表示に同期するように構成され、
前記映像表示装置は、
前記第1のモードでは前記左目映像および前記右目映像の表示に同期した第1の信号を前記眼鏡に送信する一方で、前記第2のモードでは、前記第2のモードを示す第2の信号を前記眼鏡に送信するように構成された送信部をさらに備える、映像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2012−191245(P2012−191245A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50390(P2011−50390)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】