説明

制御データ一覧表示システム、表示方法及びコンピュータプログラム

【課題】ユーザインターフェース(UI)におけるユーザの利便性を向上させることができるようにする。
【解決手段】ネットワークを介して制御機器及び制御対象機器が互いの機能を含むデータを送受信することが可能な制御データ一覧表示システムであって、前記制御対象機器は、最後に取り扱ったコンテンツデータを記憶する手段を備え、制御機器は、ユーザが前記制御対象機器を制御するためのGUIなどを表示する手段と、前記制御対象機器より送られるデータから前記制御対象機器を現すアイコンを構成する手段と、前記コンテンツデータの縮小表示画面を構成する手段とを備え、前記アイコンと、前記コンテンツデータの縮小表示画面とを合わせて前記表示画面に表示することを特徴とする制御データ一覧表示システム等、を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は制御データ一覧表示システム、表示方法及びコンピュータプログラムに関し、例えばネットワーク上に接続されたパーソナルコンピュータや周辺機器、AV機器、および家電製品などを制御するシステムに用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ(PC)などにおいて、アクセス可能なデータを一覧表示する際、以下の方法がある。例えば、ファイルに付けられた名前に加えて、データがテキストファイルであればテキスト用のアイコンで表現し、データがプレゼンテーションファイルであればプレゼンテーションファイル用のアイコンで表現する方法が知られている。さらには、データの縮小版での表現方法として、実際のデータの中身を縮小表示することによってデータの内容を視覚的に分かりやすく表現するGUIが広く利用されている。
【0003】
また、データに限らずデバイスに関しても、接続されたデバイスをデバイス種類によってアイコンで表現する方法が考えられている。複数のデバイスがネットワークにつながれる際に、TVなどの表示画面を有するデバイス上に他の接続機器のアイコンを表示してTVの表示画面上から操作する技術も知られている。
【0004】
例えば、以下に示す特許文献1では、表示画面を持たないデバイスは操作画面を構成し、さらには取り扱うコンテンツを示すコンテンツ表示部品を有し、TVなど表示画面を持つデバイスが接続される他の機器の表示部品を表示している。
【0005】
【特許文献1】特開平11−341472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来特許ではウィンドウシステム同様に、縮小表示するデータ内容はデータごとに常に固定である。そのため、例えば動画など表示内容が任意に変わるコンテンツに対してはメニュー画面や代表画面などあらかじめ決められた画面でしか表現できなかった。
【0007】
さらには、デバイスアイコンと同時に表示するコンテンツ表示部品は、デバイスが再生できるデータの中にどのようなコンテンツがあるかを表示するためのもので、デバイスと、デバイスが最後に取り扱ったコンテンツを組み合わせて表示するものではない。例えば、複数のデバイスがネットワークに接続される際には、所望のデータがどのデバイスに保存されているか分からなくなってしまう場合がある。それ故、複数のデバイス内に保存されているデータから、いくつかのデバイスに保存され得る何らかの映像データを探す際、どのデバイスで観た映像か思い出せない場合には、映像データを再生する可能性のあるデバイスを一つずつ探さなければならなかった。映像データの再生をするデバイスとしては、VHSビデオプレーヤ、ビデオカメラ、DVDプレーヤ、DVDレコーダ、PCなど、その他にも複数のデバイスが該当する。よって、たとえデバイス内のデータを確認できる手段があっても、デバイスを選択してからデータを選択する方法では、まず、データがどのデバイスにあるかは分からないため一つ一つのデバイスについてデータを確認していかなければならなかった。
【0008】
本発明は前述の問題点に鑑み、ユーザが複数のデータを探す手間を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前記目的を達成するために、ユーザが制御対象機器を制御するための制御機器と、前記制御機器によって制御される制御対象機器がネットワークに接続され、前記ネットワークを介して前記制御機器及び前記制御対象機器が互いの機能を含むデータを送受信することが可能な制御データ一覧表示システムであって、前記制御対象機器は、最後に取り扱ったコンテンツデータを記憶するコンテンツデータ保存手段を備え、前記制御機器は、ユーザが前記制御対象機器を制御するためのGUIを少なくとも表示する表示手段と、前記制御対象機器より送られるデータから前記制御対象機器を現すアイコンを構成するアイコン生成手段と、前記コンテンツデータ保存手段によって保持されるコンテンツデータの縮小表示画面を構成する縮小表示画面生成手段とを備え、前記表示手段は、前記アイコン生成手段によって生成されるアイコンと、前記縮小表示画面生成手段によって生成されるコンテンツデータの縮小表示画面とを合わせて表示画面に表示することを特徴とする制御データ一覧表示システム等、を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、デバイスの一覧を示すとともに、デバイスが最後に取り扱ったデータ内容を縮小表示することで、所望のコンテンツデータを再生できるデバイスが複数ある場合でも、所望のコンテンツデータがどこにあるか分かりやすくなる。
【0011】
同時に、最近使ったコンテンツを一覧表示するのと同じような感覚で、デバイス一覧からデバイスだけでなく最近使用したコンテンツも選べるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0012】
また、コンテンツデータの再生が途中で終了していた場合には、停止させた時点のコンテンツ画像を表示させて、どこまで観ていたか分かりやすくすることが可能なので、利便性の高い制御機器を提供できる。
【0013】
さらにはデバイスのアイコンとそのデバイスで最後に取り扱ったコンテンツを制御機器に表示させる際に、デバイスごともしくはユーザごとに一覧表示させるコンテンツデータを替えることで、ユーザのプライバシーやセキュリティを保つとともに、ユーザがデータを探しやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態におけるシステムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図1において、101は制御機器であり、102は、制御機器101によって制御される制御対象機器である。制御機器101と制御対象機器102とはネットワーク103で接続され、それぞれ互いの機能を含むデータを送受信する。
【0015】
制御機器101において、104は制御対象機器102から受け取ったデータを用いて、接続される制御対象機器102に対応するアイコンを作成するためのアイコン生成手段である。105は接続される制御対象機器102が最後に表示した画面のデータから縮小表示画面を生成する縮小表示画面生成手段である。
【0016】
106は、接続される制御対象機器102と、制御対象機器102が最後に扱ったデータとをユーザに示すための表示画面である。表示画面106には、アイコン生成手段104によって生成される制御対象機器102を現すアイコンと、縮小表示画面生成手段105によって生成される制御対象機器102が最後に表示した画面の縮小画面とを用いて前記内容が表示される。
【0017】
一方、制御対象機器102において、107はコンテンツデータ保存手段で、制御対象機器102が最後に扱ったコンテンツのデータを保持する。なお、ネットワークへのインターフェースは特に明記しないが、ネットワークに接続して、制御対象機器102とやり取りができれば、どのような接続形態であってもよい。もちろん、ネットワーク103は無線でも有線でも、制御機器101と制御対象機器102との間でデータのやり取りができればよい。また、制御対象機器102のコンテンツデータ保存手段107は制御機器101ごとにコンテンツデータを保存できるようにしてもよい。
【0018】
その場合には制御機器101に合わせて、異なる縮小表示画面を用いることができる。単純な例で示すために、制御機器と制御対象機器は一つで説明するが、どちらも一つ以上で可能であり、むしろ複数の制御機器及び制御対象機器があるときに効果を発するシステムである。
【0019】
図2は、本実施形態による制御機器101の外観の一例を示す図である。
201は本実施形態における制御機器101としてのネットワーク接続が可能なTVである。202はTV201の表示画面である。表示画面202には、通常のTV画面に加えて、図2に示すように接続されたデバイスのアイコン203を表示する。
【0020】
アイコン203はTV画面に重ねてもよく、TV画面が隠れないようにアイコン表示専用の範囲を用意して表示するようにしてもよく、アイコン203を半透明にしてTV画面の邪魔にならないようにするなどしてもよい。ここでは特に表示形式を限定するものではない。
【0021】
アイコン204及び205はデバイスのアイコン203だけでなく、デバイスが最後に取り扱ったデータを縮小表示してデバイスのアイコン203とともに表示している。
【0022】
図3は、本実施形態において、アイコン203、204、205などで示した、アイコン表示部分の拡大図である。
301及び302はDVDプレーヤのアイコンである。それぞれ最後に取り扱ったデータを縮小表示してアイコンと一緒に表示している。また、図3に示したようにアイコンの画だけでなく、アイコンの説明をテキスト表示できると好ましい。デバイスの名前は任意に変更でき、例えば、301と302のDVDプレーヤが同じメーカの製品であっても、区別するために「リビングDVDプレーヤ」、「子供部屋DVDプレーヤ」などと別の名前を表示する。303は応接間にあるカラオケセットを示すアイコン、304は書斎にあるプリンタを示すアイコン、305は玄関のライトを示すアイコンである。
【0023】
このように、制御機器101の表示画面上にアイコンで示すデバイスはネットワーク上に接続される制御対象機器102であればどのようなものであってもよい。
【0024】
図11は、図2に示したTVの表示画面にデバイスの一覧が表示された際、アイコン204で示したDVDプレーヤがユーザによって選択された際の表示画面の例を示す図である。アイコンとコンテンツデータの縮小表示画面で表現されたDVDプレーヤのアイコン204をTVのリモコンなどによって選択することによって、図11のような画面に切り替わる。
【0025】
1101はTVの表示画面で、DVDプレーヤのコンテンツが表示される。表示された時点で再生されるようにしてもよいし、停止のままでもよい。1102はDVDプレーヤのメニューリストである。TVのリモコンや、TVから操作することができればどのような形であってもよい。
【0026】
タッチパネルが使用できるディスプレイを持つ制御機器101であれば、メニューに触れるだけで操作できるようにすることも可能である。1103はDVDプレーヤが選択される前に表示していたTVの画面に関して、観戦していたTV番組の縮小表示画面がTVデバイスを示すアイコンとともに表示された画を示している。
【0027】
以下、本実施形態の一例をより具体的に説明する。
まず、制御対象機器側の処理を説明する。図4は、本実施形態の制御対象機器102において、ユーザ操作が起こった際に制御機器101に対してデータを送信する動きの一例を示すフローチャートである。本実施形態では制御機器101はTV201、制御対象機器102はDVDプレーヤとする。
【0028】
DVDプレーヤでデータを再生している間、ステップS401においてユーザによるTV画面202上のコントローラによる再生停止の要求、もしくはDVDプレーヤの操作ボタンによる再生停止の要求によって、ユーザの再生停止要求がきているかどうか調べる。
【0029】
ステップS401でNOとなれば、再生停止要求があるまで再び待つ。ステップS401でYESとなればステップS402に進む。ステップS402では再生の中断を行い、続けてステップS403で中断した時点での表示データを保存する。保存するデータとしては、表示画像の他に、画像や音量の設定など、再生に関わるデータを保存できる。次にステップS404で、制御機器101に対してDVDプレーヤの停止による状態変化を含む機器データおよび保存した表示画像を送信して終了する。
【0030】
次に、制御機器側の処理を説明する。図5は、本実施形態の制御機器101において、ユーザ操作によって変化が起こった際の動きの一例を示すフローチャートである。
ステップS501で制御対象機器102の変化を検知するとYESとなりステップS502に進む。ステップS501でNOとなった場合には検知があるまで待つ。
【0031】
ステップS502では機器データの確認を行う。本実施形態では制御機器101はTV201、制御対象機器102はDVDプレーヤなのでTVがDVDプレーヤからの状態変化を受けてDVDプレーヤの機器データを確認する。ステップS501の検知時にDVDプレーヤという機器情報を受け取るようにしてもよい。
【0032】
また、ステップS502で機器データが確認できなければ問い合わせるようにしてもよい。もしくは、TV201側で接続機器のデータを保持するようにし、それぞれの機器の状態を常に更新するようにしてもよい。機器が何であるかがDVDプレーヤであると分かったので、続けてステップS503でコンテンツデータがあるかどうか確認する。ステップS503でコンテンツデータがあると判断された場合はYESとなりステップS504へ進む。
【0033】
ステップS504では、コンテンツデータを問い合わせる。ステップS504で取得したコンテンツデータをもとに、ステップS505で縮小表示画面を作成する。縮小表示するサイズはTVの大きさによって決めてもよいし、ユーザが設定できるようにしてもよく、表示の位置も同様である。
【0034】
ステップS506では、ステップS505で作成した縮小表示画面を表示する。ステップS506が終わると、もしくはステップS503でNOとなった場合にはステップS507でDVDプレーヤから取得した機器データにアイコンデータがあるかどうか確認する。
【0035】
ステップS507でNOとなった場合にはアイコンを生成する(ステップS508)。ステップS507でYESとなった場合、もしくはステップS508が終了するとステップS509においてDVDプレーヤのアイコンを表示する。このとき、誰かが使用中であるかどうかなど制御対象機器102の状態に合わせたアイコンを表示するが、アイコンが用意されない場合などはその限りではない。
【0036】
また、ステップS505とステップS509で表示を分けたが、同時に表示するようにしてもよい。さらに、ステップS503でコンテンツデータを確認するが、ステップS502で取得した機器データから、例えば図2に示したような玄関のライトの場合など、明らかにコンテンツを有する機器ではないと判断できる場合には以降の処理は行わないのが好ましい。
【0037】
また、ステップS504ではコンテンツデータを問い合わせるとしている。しかし、DVDプレーヤなどの制御対象機器102の状態変化が停止や中断で、縮小表示画像の表示が必要となる操作だった場合には、状態変化とともに縮小表示画像が送られるならば、コンテンツデータを問い合わせる必要及び縮小表示画像を作成する必要はない。
【0038】
ここでは制御対象機器102はDVDプレーヤとしたが、それ以外のデータの再生機でもよく、さらにはスキャナなどデータを扱う全ての機器に応用できる。スキャナに利用した場合のアイコン例を図6に示す。
【0039】
601は、スキャナが取り込んで保持するデータの縮小画面である。データの縮小表示画面601は、例えば、スキャナで最後に取り込んだドキュメントを表示するようにしてもよいし、スキャナに取り込むためのドキュメントがセットしてある場合だけ表示してもよい。
【0040】
前述したDVDプレーヤに関しても同様で、DVDメディアが挿入してあればコンテンツを表示し、DVDメディアが何もなければ再生できるコンテンツがないとしてアイコンの他には何も表示しないようにしてもよい。
【0041】
また、ネットワーク上には存在しなかった制御対象機器102がネットワーク上に接続されたときの処理も前述した例と同様に行うことができる。この場合について、制御機器101はTV201、制御対象機器102はDVDプレーヤとして説明する。
【0042】
図5では、まずステップS501でDVDプレーヤの状態変化を検知するとしたが、状態変化だけでなく接続や離脱も検知することができる。DVDプレーヤの接続をTV201が検知すると、TV201は機器データを問いわせる。もしくはDVDプレーヤから送られる機器データをTV201が受け取る。
【0043】
また、UPnP(Universal Plug&Play)などのプロトコルによって送信されるデータをもとに、TV201側で接続機器の情報を解析してもよい。ステップS502以降の動作は図5で示したフローチャートのステップS502以降と同様の処理であるのでここでは省略する。離脱の場合には、表示していたアイコンなどの制御対象機器情報を非表示にしたり、グレーアウト表示したりすることによって、表示を切り替える。
【0044】
以上のように、制御対象機器102の接続検知や再生停止などの状態変化に応じて制御機器101がアイコンおよびコンテンツの縮小表示画面を生成して表示することによって、ユーザとってより利便性の高いGUIを提供することができる。
【0045】
(第2の実施形態)
以下、図面を用いて第2の実施形態を詳細に説明する。図7は、本実施形態におけるシステムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図7において、701は制御機器であり、702は制御機器701によって制御される制御対象機器である。制御機器701と制御対象機器702とはネットワーク703で接続され、それぞれ互いの機能を含むデータを送受信することができる。
【0046】
制御機器701において、704は制御対象機器702から受け取ったデータを用いて、接続される制御対象機器702に対応するアイコンを作成するためのアイコン生成手段である。705は接続される制御対象機器702が最後に表示した画面のデータから縮小表示画面を生成する縮小表示画面生成手段である。
【0047】
706は、接続される制御対象機器と702、制御対象機器702が最後に扱ったデータをユーザに示すための表示画面である。表示画面706には、アイコン生成手段704によって生成される制御対象機器702を現すアイコンと縮小表示画面生成手段705によって生成される制御対象機器702が最後に表示した画面の縮小画面を用いて前記内容が表示される。
【0048】
第1の実施形態では、図1の制御対象機器102において、107はコンテンツデータ保存手段を持つとしたが、ここでは、制御対象機器702が最後に扱ったコンテンツのデータは制御機器701におけるデータ保存手段707で保持する。
【0049】
以上説明したように制御機器701側で制御対象機器702のコンテンツデータを保持しておくことが可能になる。そのため、制御対象機器702に最後に取り扱ったデータを保存する機能がなくても、制御機器701がアイコンおよびコンテンツの縮小表示画面を生成して表示することができ、ユーザとってより利便性の高いGUIを提供することができる。
【0050】
制御機器701で保存し、表示したコンテンツデータをユーザが選択した場合には、このコンテンツデータをリクエストデータとして、制御対象機器702に送ることで、再生データの指定ができる。実際のデータも制御機器701が保存してもよいし、制御対象機器702のメディア、もしくは別に用意されるメディアサーバなどから、選択された時点でダウンロードされるようにしてもよい。
【0051】
また、制御機器701ごとにコンテンツデータの管理が可能になるので、他の制御機器から制御した場合のコンテンツデータは表示しないことも可能になる。第1の実施形態において、コンテンツデータ保存手段107が機器ごとにコンテンツデータを管理することもできる。ところが、本実施形態によれば、制御機器701が制御対象機器702に対して一つのコンテンツデータを管理すればよいので、より簡単な仕組みで実現できる。
【0052】
制御機器701が複数存在した場合に、制御機器701ごとに使用用途が異なっていたり、取り扱うコンテンツの分野がことなっていたりする場合などには、その制御機器701で使用するコンテンツデータだけが表示されるので使いやすい。
【0053】
例えば、同じDVDプレーヤのアイコンを表示する際に、映画鑑賞などに用いるスクリーンには、DVDプレーヤのアイコンと共に表示される縮小表示画面は、そのスクリーンから最後に制御した映画コンテンツであるが、日常のニュース番組などを観賞するためのTVには、DVDプレーヤのアイコンと共に、そのTVから最後に制御したウォーキング指導コンテンツであり、子供部屋のTVには、そのTVから最後に制御したアニメコンテンツである、とするようなことも可能になる。
【0054】
(第3の実施形態)
以下、図面を用いて第3の実施形態を詳細に説明する。前述の各実施形態において、ユーザごとにコンテンツデータを管理することで、各ユーザに対して適した縮小表示画面を用意することも可能である。
【0055】
図8は、本実施形態におけるシステムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図8において、801は制御機器であり、802は、制御機器801によって制御される制御対象機器である。制御機器801と制御対象機器802とはネットワーク803で接続され、それぞれ互いの機能を含むデータを送受信することができる。
【0056】
制御機器801において、804はアイコン生成手段、806がユーザ識別手段である。807はユーザごとのコンテンツデータ保存手段であり、ユーザ識別手段806によって識別されるユーザ情報ごとにコンテンツデータを保存する。808には、ユーザ識別手段806によって識別されたユーザごとに異なるGUI画面が表示される。
【0057】
ユーザ識別手段806は、ユーザが一意に識別できれば、パスワードを入力する方法や、ユーザの使用するリモコンによって区別する方法や、ICタグで管理する方法など、どのような方法を用いてもよい。
【0058】
ユーザ識別手段806を用いれば、制御機器801側で制御対象機器802を使用したユーザごとに利用したコンテンツデータを記憶することができる。それ故、途中に別のユーザが同じ制御機器801から同じ制御対象機器802を使用した後でも、ユーザごとに記憶したコンテンツデータを用いて制御機器801に制御対象機器802のアイコンと共にユーザにあったコンテンツデータを表示することができる。
【0059】
よって、デバイスを複数のユーザで共有する場合でも、途中で再生を終了したユーザは、他のユーザが利用した後でも自分が前回利用した状態から再生を開始できるので利便性を向上させることができる。
【0060】
制御対象機器802側のコンテンツデータ保存手段809には、ユーザごとに最後に使用したコンテンツデータを保持することができなくても、制御機器801が保持する。それ故、制御機器801がコンテンツデータを保持するユーザであれば、誰かが使った後でも自分が最後にアクセスした状態が制御機器801に表示されるので、より使いやすい。ここで、コンテンツデータ保存手段809は、制御機器801、制御対象機器802のいずれかにあればよいし、あるいはどちらにも兼ね備えられていてもよい。
【0061】
(第4の実施形態)
以下、図面を用いて第4の実施形態を詳細に説明する。前述の各実施形態において、制御対象機器ごとにアイコンおよび縮小表示画面を、制御機器の表示画面上に表示するかどうか設定できるようにすることで、必要なものだけを制御機器に表示することが可能になる。本実施形態においては、図1に示す構成からなる制御機器101及び制御対象機器102を用いて説明する。
【0062】
図9は、本実施形態において、制御対象機器102によって制御機器101への表示と非表示を分ける動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS901で制御対象機器102に関する操作要求や接続による変化を検知すると、ステップS902によって制御対象機器102が確認される。
【0063】
ステップS903において、制御対象機器102より送られた情報、もしくは制御機器101にあらかじめ設定された情報によって、ステップS902で確認された制御対象機器102のアイコンや縮小表示画面を表示する必要があるかどうか判断する。ステップS903でYESとなれば前述した例と同様にステップS904からステップS906でコンテンツの縮小表示画面とアイコンを表示する。ステップS903でNOとなれば、何も表示せずに終了する。
【0064】
以上説明したように制御機器101側で制御対象機器102ごとに表示と非表示を切り替えることができる。これにより、表示する必要のないデバイスまで表示して制御機器101の表示画面が制御対象機器102でいっぱいになって使いづらくなるという問題の発生率を減少することができる。
【0065】
また、個人用として使用する制御対象機器102でも、設定によっては制御機器101には非表示にすることができる。これにより、他人に使われたくはないが、ネットワークに接続したい場合などでも気兼ねなくネットワークに接続することができるようになりユーザの使用形態の幅をより広げることが可能になる。
【0066】
(第5の実施形態)
以下、図面を用いて第5の実施形態を詳細に説明する。前述の各実施形態において、ユーザごとに制御対象機器のアイコンおよび縮小表示画面を、制御機器の表示画面上に表示するかどうか設定できるようにすることで、各ユーザにとって、必要なものだけを制御機器に表示することが可能になる。本実施形態においては、図8に示す構成からなる制御機器801及び制御対象機器802を用いて説明する。
【0067】
図10は、本実施形態において、ユーザによって制御機器801への制御対象機器802の表示と非表示を分ける動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS1001で制御対象機器802に関する操作要求や接続による変化を検知すると、ステップS1002によって制御対象機器802が確認される。ステップS1003において、ユーザ認識ができるかどうか確認する。
【0068】
ステップS1003でYESとなればユーザを確認する。ここでは制御対象機器802より送られたユーザ識別情報を用いてもよいし、もしくは制御機器801で認識されたユーザ識別情報によって識別してもよい。また、ユーザと、各ユーザに対する制御対象機器802の表示および非表示のどちらにするかといったテーブル表は制御機器801が有してもよいし、制御対象機器802が有してもよい。
【0069】
ステップS1002で確認された制御対象機器802に関してステップS1004で認識されているユーザに対してアイコンや縮小表示画面を表示する必要があるかどうか判断する。ステップS1004でYESとなれば前述した例と同様にステップS1005からステップS1007でコンテンツの縮小表示画面とアイコンを表示する。ステップS1004でNOとなれば、何も表示せずに終了する。
【0070】
以上説明した実施形態によって、例えば共有できるように設定してある制御対象機器802に関して、使用権限のあるユーザや管理者が制御機器801を利用している間だけ表示して利用できるようにしたりすることができる。
【0071】
その結果、複数のユーザが同一の制御機器801を利用する場合に、デバイスの使用権限によって簡単に表示と非表示を切り替えることができる。さらに、思わぬユーザに勝手にデバイスを使用されたり、使えないデバイスまで表示して分かりづらくなったりすることが減り、利便性を向上させることができる。
【0072】
(本発明に係る他の実施形態)
前述した本発明の実施形態における制御データ一覧表示システムを構成する各手段、並びに表示方法の各工程は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
【0073】
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0074】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図4、5、9、10に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムまたは装置に直接、または遠隔から供給する。そして、そのシステムまたは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0075】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0076】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0077】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどがある。さらに、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などもある。
【0078】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する方法がある。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0079】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0080】
また、その他の方法として、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記録媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0081】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0082】
さらに、その他の方法として、まず記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る機能構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による制御機器の外観図の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による制御機器に表示されるアイコンの一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態において、制御対象機器がユーザ操作に応じて、制御機器に対してデータを送信する動きの一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態において、制御機器がユーザ操作に応じてGUIを変化させる際の動きの一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態において、制御対象機器がスキャナの場合における、アイコンおよびコンテンツデータの表示例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る機能構成の一例を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る機能構成の一例を示すブロック図である。
【図9】本発明の第4の実施形態において、制御対象機器によって制御機器への表示と非表示を分ける動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第5の実施形態において、ユーザによって制御機器への制御対象機器の表示と非表示を分ける動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施形態による制御機器の外観の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
101 制御機器
102 制御対象機器
103 ネットワーク
104 アイコン生成手段
105 縮小表示画面生成手段
106 コンテンツデータ保存手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが制御対象機器を制御するための制御機器と、前記制御機器によって制御される制御対象機器がネットワークに接続され、前記ネットワークを介して前記制御機器及び前記制御対象機器が互いの機能を含むデータを送受信することが可能な制御データ一覧表示システムであって、
前記制御対象機器は、最後に取り扱ったコンテンツデータを記憶するコンテンツデータ保存手段を備え、
前記制御機器は、ユーザが前記制御対象機器を制御するためのGUIを少なくとも表示する表示手段と、前記制御対象機器より送られるデータから前記制御対象機器を現すアイコンを構成するアイコン生成手段と、前記コンテンツデータ保存手段によって保持されるコンテンツデータの縮小表示画面を構成する縮小表示画面生成手段とを備え、前記表示手段は、前記アイコン生成手段によって生成されるアイコンと、前記縮小表示画面生成手段によって生成されるコンテンツデータの縮小表示画面とを合わせて表示画面に表示することを特徴とする制御データ一覧表示システム。
【請求項2】
前記制御機器は、前記制御対象機器と前記制御対象機器で最後に取り扱ったコンテンツデータとを関連付けて記憶するコンテンツデータ関連付け保存手段を備え、前記縮小表示画面生成手段は、前記コンテンツデータ関連付け保存手段によって保持されるコンテンツデータの縮小表示画面を構成することを特徴とする請求項1に記載の制御データ一覧表示システム。
【請求項3】
前記制御機器は、自身を操作したユーザを識別するユーザ識別手段を備え、前記コンテンツデータ関連付け保存手段は、前記ユーザ識別手段によって認識されたユーザと、前記制御対象機器と、前記ユーザが前記制御対象機器で最後に取り扱ったコンテンツデータとを関連付けてユーザごとに記憶し、前記表示手段は、前記縮小表示画面生成手段によって生成されるコンテンツデータの縮小表示画面をユーザごとに切り替えて前記表示画面に表示することを特徴とする請求項2に記載の制御データ一覧表示システム。
【請求項4】
前記制御機器は、前記制御対象機器ごとに前記アイコン及び前記縮小表示画面の表示と非表示を切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載の制御データ一覧表示システム。
【請求項5】
前記制御機器は、前記ユーザ識別手段によって認識されたユーザごとに前記アイコン前記縮小表示画面の表示と非表示を切り替えることを特徴とする請求項3に記載の制御データ一覧表示システム。
【請求項6】
ユーザが制御対象機器を制御するための制御機器と、前記制御機器によって制御される制御対象機器がネットワークに接続され、前記ネットワークを介して前記制御機器及び前記制御対象機器が互いの機能を含むデータを送受信することが可能な表示方法において、
前記制御対象機器の制御方法は、最後に取り扱ったコンテンツデータを記憶するコンテンツデータ保存工程を備え、
前記制御機器の制御方法は、ユーザが前記制御対象機器を制御するためのGUIを少なくとも表示する表示工程と、前記制御対象機器より送られるデータから前記制御対象機器を現すアイコンを構成するアイコン生成工程と、前記コンテンツデータ保存工程によって保持されるコンテンツデータの縮小表示画面を構成する縮小表示画面生成工程とを備え、前記表示工程は、前記アイコン生成工程によって生成されるアイコンと、前記縮小表示画面生成工程によって生成されるコンテンツデータの縮小表示画面とを合わせて表示画面に表示することを特徴とする表示方法。
【請求項7】
前記請求項6に記載の方法の各工程をコンピュータにて実施させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−109335(P2007−109335A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−300784(P2005−300784)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】