説明

制御装置、携帯端末、制御方法及びプログラム

【課題】消費電力を抑えながら、ワンセグ放送とフルセグ放送との切替えを適切なタイミングで行う。
【解決手段】制御部は、ワンセグ放送の受信品質に基づいて、ワンセグCNRが閾値CNR_cntを超えている時間に相当するカウント値iが、閾値Cnt_thを超えたか否かを判別する(ステップS804)。制御部は、この判別が肯定された場合(ステップS804;Yes)にフルセグチューナ部を起動させる(ステップS805)。制御部は、フルセグチューナ部160から出力されるフルセグデータの受信品質が所定の基準よりも良好であるか否かを判別する(ステップS806、S807)。この判別が否定された場合(ステップS807;No)、制御部は、フルセグチューナ部を停止し(ステップS809)、閾値Cnt_thを1増やす(ステップS810)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送(例えば、地上波デジタル放送)の放送信号を受信して復調するテレビジョン装置を制御する制御装置と、前記制御装置を備える携帯端末と、デジタル放送の放送信号を受信して復調するテレビジョン装置を制御する制御方法と、コンピュータを前記制御装置として機能させるプログラムと、に関する。
【背景技術】
【0002】
地上波デジタル放送の放送信号を受信する放送受信装置は、放送信号をトランスポートストリーム(TS)に復調するチューナを備えている。チューナにより復調されたTSから各種パケットが分離された後、そのパケットをデコーダがデコードすることにより、映像音声が出力される。
【0003】
地上波デジタル放送では、1つの放送局に割り当てられた周波数帯が、13個のセグメントに分割されている。各放送局は、そのうち1つのセグメントを用いてワンセグ放送を伝送し、残りの12個のセグメントを用いて固定テレビ向けの放送を伝送している。
【0004】
固定テレビ向けの放送では、12セグメントを全て用いてハイビジョン放送が1番組だけ伝送される場合と、SD品質のスタンダード放送が複数番組伝送される場合とがある。なお、固定テレビ向けの放送では、ワンセグ放送に用いられるセグメントに含まれるデータを一部用いる場合がある。
【0005】
ワンセグ放送は、携帯端末向けに規格化されている。ワンセグ放送は、固定テレビ用の放送に比べて、受信感度が低い状態でも放送信号を正常に受信できるという特徴がある。
【0006】
そこで、ハイビジョン放送の放送信号の受信中に受信状態が悪化すると、ワンセグ放送に切替えて受信を継続し、また、ワンセグ放送の受信中にハイビジョン放送の電波状態が回復したらハイビジョン放送に切替える選択手段を備える車載用デジタル放送受信装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
さらに、消費電力を抑えるために、ハイビジョン放送を常時受信するチューナを起動して受信状況を監視するのではなく、ワンセグ放送を受信するチューナから出力されるCNR(Carrior to Noise Ratio、搬送波電力対雑音電力比)等の電波状況を用いてハイビジョン放送の受信状況を予測し、必要に応じて起動することも提案されている。この場合、ワンセグ放送視聴中にはワンセグ放送用のチューナが出力するCNRを監視して、電波状況が良好であると判断できたらハイビジョン放送用のチューナを起動し、その後ハイビジョン放送用チューナが出力する電波状況を監視してハイビジョン放送に切替える処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−277873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ワンセグ放送用チューナから出力されるCNRの値は、マルチパスフェージング等の影響により、ハイビジョン放送の電波状況との相関性が低くなる場合がある。そのため、ワンセグ放送のCNRの値を監視してハイビジョン放送用のチューナを起動しても、ハイビジョン放送に切替られるほど電波状況は良好ではないという状況が起こり得る。このような状況になると、ハイビジョン放送用チューナを起動してもハイビジョン放送には結局切替えることができず、電力を無駄に消費してしまうこととなる。
【0010】
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであり、消費電力を抑えながら、チューナの切替えを適切なタイミングで行うことができる制御装置、制御方法、携帯端末及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る制御装置は、
第1の放送を受信し復調する第1のチューナと、
前記第1の放送よりも高品質な第2の放送を受信し復調する第2のチューナと、
前記第1の放送と前記第2の放送とのいずれかを再生する再生手段と、
を備えるテレビジョン装置を制御する制御装置であって、
前記第1の放送の受信品質に基づいて、前記第2のチューナを起動するための起動条件が満たされるか否かを所定のタイミングで判別する第1の判別手段と、
前記第1の判別手段における判別が肯定された場合に前記第2のチューナを起動させる起動手段と、
起動した前記第2のチューナから出力される前記第2の放送の受信品質が所定の基準よりも良好であるか否かを所定のタイミングで判別する第2の判別手段と、
前記第2の判別手段による判別が否定された場合、前記第1の判別手段における前記起動条件を調整する調整手段と、
を備える制御装置。
【0012】
この場合、前記第2の判別手段による判別が否定された場合、前記第2のチューナを停止させる停止手段をさらに備える、
こととしてもよい。
【0013】
また、前記調整手段は、
前記起動手段が前記第2のチューナを起動させた後に、前記第2の判別手段による判別が否定された場合、前記起動条件を、前記第1の判別手段における判別が肯定されにくい方向に調整する、
こととしてもよい。
【0014】
また、前記調整手段は、
前記第1の放送の受信品質が、前記起動条件を満たさないが、前記起動条件に準ずるより緩やかな別の条件を満たす場合、
前記起動条件を、前記第1の判別手段における判別が肯定されにくい方向に調整する、
こととしてもよい。
【0015】
また、前記起動条件には、
上限値及び下限値の少なくとも一方が設けられている、
こととしてもよい。
【0016】
また、前記再生手段は、
前記第1の放送を優先的に再生する第1のテレビ優先モードと、
前記第2の放送を優先的に再生する第2のテレビ優先モードと、を動作モードとして有しており、
前記調整手段は、
前記第1のテレビ優先モードが設定されている場合、前記起動条件を、前記第1の判別手段における判別が肯定されにくい方向に調整し、
前記第2のテレビ優先モードが設定されている場合、前記起動条件を、前記第1の判別手段における判別が肯定されやすい方向に調整する、
こととしてもよい。
【0017】
また、前記第1の判別手段は、
前記第1の放送の受信品質が、閾値よりも、特定期間連続して良好であることを前記起動条件として判別を行い、
前記調整手段は、
前記第1の判別手段における判別が肯定されにくい方向に調整する場合には、前記特定期間を長くし、
前記第1の判別手段における判別が肯定されやすい方向に調整する場合には、前記特定期間を短くする、
こととしてもよい。
【0018】
また、前記第1の判別手段は、
前記第1の放送の受信品質が、閾値よりも、特定期間連続して良好であることを前記起動条件として判別を行い、
前記調整手段は、
前記第1の判別手段における判別が肯定されにくい方向に調整する場合には、前記閾値を高くし、
前記第1の判別手段における判別が肯定されやすい方向に調整する場合には、前記閾値を低くする、
こととしてもよい。
【0019】
また、前記第1の放送の受信品質は、
そのデータに含まれる搬送波電力に対する雑音電力の比と、ビットエラー率と、放送信号の電界強度との少なくとも1つである、
こととしてもよい。
【0020】
また、本発明の第2の観点に係る携帯端末は、
本発明の制御装置を備える。
【0021】
また、本発明の第3の観点に係る制御方法は、
第1の放送を受信し復調する第1のチューナと、
前記第1の放送よりも高品質な第2の放送を受信し復調する第2のチューナと、
前記第1の放送と前記第2の放送とのいずれかを再生する再生手段と、
を備えるテレビジョン装置を制御する制御方法であって、
前記第1の放送の受信品質に基づいて、前記第2のチューナを起動するための起動条件が満たされるか否かを所定のタイミングで判別する第1の判別工程と、
前記第1の判別工程における判別が肯定された場合に前記第2のチューナを起動させる起動工程と、
起動した前記第2のチューナから出力される前記第2の放送の受信品質が所定の基準よりも良好であるか否かを所定のタイミングで判別する第2の判別工程と、
前記第2の判別工程における判別が否定された場合、前記第1の判別工程における前記起動条件を調整する調整工程と、
を含む。
【0022】
また、本発明の第4の観点に係るプログラムは、
第1の放送を受信し復調する第1のチューナと、
前記第1の放送よりも高品質な第2の放送を受信し復調する第2のチューナと、
前記第1の放送と前記第2の放送とのいずれかを再生する再生手段と、
を備えるテレビジョン装置を制御するコンピュータを、
前記第1の放送の受信品質に基づいて、前記第2のチューナを起動するための起動条件が満たされるか否かを所定のタイミングで判別する第1の判別手段と、
前記第1の判別手段における判別が肯定された場合に前記第2のチューナを起動させる起動手段と、
起動した前記第2のチューナから出力される前記第2の放送の受信品質が所定の基準よりも良好であるか否かを所定のタイミングで判別する第2の判別手段と、
前記第2の判別手段による判別が否定された場合、前記第1の判別手段における前記起動条件を調整する調整手段と、
して機能させる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、第1の放送の視聴中に、第2のチューナを起動するための起動条件が満たされると、第2のチューナを起動する。第2のチューナを起動しても第2の放送の電波状況が所定の基準よりも良好ではなかった場合、調整手段は、第2のチューナを起動するための起動条件を調整する。これにより、その第2のチューナの起動条件を、第2の放送の受信状況に即したものに調整することができる。このため、消費電力を抑えながら、チューナの切替えを適切なタイミングで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態1に係る制御装置を備える携帯端末を開いた状態で正面から見たときの外観図である。
【図2】図1の携帯端末の回路構成を示すブロック図である。
【図3】図3(A)は、図1の携帯端末を構成するワンセグ復調・デコード部の構成を示すブロック図である。図3(B)は、図1の携帯端末を構成するフルセグ復調・デコード部の構成を示すブロック図である。
【図4】ワンセグとフルセグそれぞれの放送信号が受信可能なエリアの一例を説明するための模式図である。
【図5】図5(A)及び図5(B)は、フルセグBER又はワンセグCNRの時間変化の一例である。
【図6】図1の携帯端末におけるフルセグ映像出力処理のフローチャートである。
【図7】デジタル放送のセグメントを説明するための図である。
【図8】図1の携帯端末におけるワンセグ→フルセグ切替え処理のフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態2に係る携帯端末におけるワンセグ→フルセグ切替え処理のフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態3に係る携帯端末におけるワンセグ→フルセグ切替え処理のフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態4に係る携帯端末の回路構成を示すブロック図である。
【図12】閾値範囲テーブル1100の内容を示した図である。
【図13】本発明の実施形態4に係る携帯端末におけるワンセグ→フルセグ切替え判定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の実施形態では、第1の放送をワンセグ放送であるものとし、第1の放送よりもデータ量の多い高品質な第2の放送をハイビジョン放送(又はフルセグ放送)であるものとして説明する。
【0026】
また、本実施形態は、スタンダード放送もハイビジョン放送と同様に扱う。本実施形態では、第2の放送、すなわち12セグメントを用いた放送を総称してハイビジョン放送と呼ぶこととする。ハイビジョン放送では、ワンセグ放送のセグメントに含まれるデータが用いられる場合がある。
【0027】
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1について説明する。
【0028】
本実施形態に係る制御装置を備える携帯端末1は、コンテンツ受信機能及びコンテンツ再生機能を備える。例えば、携帯端末1は、図1に示すように、折り畳み型のものであってもよい。携帯端末1は、任意のコンテンツを受信可能である。本実施形態では、ワンセグ放送及びハイビジョン放送のコンテンツ(番組)を受信する場合の携帯端末1の構成及び動作について説明する。
【0029】
図1に示すように、携帯端末1は、キーボード2、表示パネル5、通話用マイク6、通話用スピーカ7及びスピーカ8等を備えている。
【0030】
キーボード2は、ユーザによって操作される。キーボード2は、様々なデータや指示の入力に使用される。キーボード2は、カーソルキー3と切替えボタン4とその他各種のボタンとを備えている。
【0031】
カーソルキー3とその他各種のボタンとは、例えば、チャンネルの選択等の指示の入力に使用される。切替えボタン4は、例えば、再生する放送の切替えの入力に用いられる。
【0032】
表示パネル5は、例えば、ドットマトリクスタイプのLCD(液晶表示)パネル等である。表示パネル5は、任意の情報(例えば、放送番組の映像、字幕、データ放送等)を表示する。
【0033】
通話用マイク6は、通話音声を入力する。通話の際には、ユーザはこの通話用マイク6に口を近づける。
【0034】
通話用スピーカ7は、受話音声を出力する。通話の際には、ユーザはこの通話用スピーカ7に耳を近づける。
【0035】
スピーカ8は、コンテンツ再生時(ワンセグ又はハイビジョン放送の再生時)の音声等を出力する。
【0036】
次に、携帯端末1の回路構成について説明する。携帯端末1は、図2に示すように、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、ワンセグ復調・デコード部15、フルセグ復調・デコード部16、音声出力部17、音声入力部18、通信部19、バス20、タイマ24及びアンテナ31を備える。
【0037】
制御部11は、マイクロプロセッサユニット等を備えている。制御部11は、携帯端末1全体の動作(各部の動作)を統括制御する。
【0038】
例えば、制御部11は、復調した放送信号に基づくデータの放送の再生を制御する。放送信号に基づくデータは、映像データ等であり、放送データそのものであってもよい。放送データは、例えば地上波デジタル放送の場合には、TS(Transport Stream)である。放送の再生には、各チューナ部が出力するTSをデコード等して加工されたデータを用いた再生も含まれる。さらに、制御部11は、チャンネルの変更を制御する。
【0039】
また、制御部11は、各種のデータ(映像、字幕文、データ放送等)を、表示部14(表示パネル5)に表示させる。また、制御部11は、例えば、ワンセグ復調・デコード部15を構成するワンセグチューナ部150と、フルセグ復調・デコード部16を構成するフルセグチューナ部160への電力の供給(電源のオン・オフ)を制御し、ワンセグチューナ部150の動作とフルセグチューナ部160の動作とを制御する。このワンセグチューナ部150及びフルセグチューナ部160については後述する。
【0040】
記憶部12は、RAM、補助記憶装置等の記憶装置を備えている。記憶部12は、携帯端末1に内蔵されるメモリを備えていてもよいし、取り外し可能な外部メモリを備えていてもよいし、その両方を備えていてもよい。また、記憶部12は、その機能の一部を、携帯端末1の外部に設けられた制御部11からアクセス可能なメモリで実現するようにしてもよい。記憶部12には、各種データ及び各種プログラムが格納される。また、記憶部12には、制御部11の作業領域も確保されている。
【0041】
操作部13は、前述のキーボード2(カーソルキー3、切替ボタン4等)を備えている。操作部13は、ユーザからの操作に対応した操作信号を制御部11に出力する。
【0042】
表示部14は、表示パネル5及びそのドライバ回路(不図示)等を備えている。表示部14では、制御部11の制御の下、ドライバ回路の駆動により表示パネル5に映像が表示される。
【0043】
ワンセグ復調・デコード部15は、図3(A)に示すように、第1のチューナとしてのワンセグチューナ部150と、ワンセグデコード部159と、を備える。ワンセグチューナ部150は、アンテナ31を介して受信した放送信号からワンセグ放送のTSを復調し、復調信号のTSをワンセグデコード部159に出力する。ワンセグデコード部159は、復調信号のTSを分離・復号処理し、映像データ、音声データ、字幕データなどを出力する。
【0044】
ワンセグチューナ部150は、具体的には例えば、図3(A)に示すように、受信器151、CNR測定器152、復調器153及びBER(Bit Error Rate)測定器154を備えている。ワンセグチューナ部150は、CNR出力線155、BER出力線156、TS出力線157などと接続されている。
【0045】
受信器151は、アンテナ31から入力された放送信号から、制御部11によって指定された信号を、RF(Radio Frequency)信号として取り出す。受信器151は、取り出したRF信号を、CNR測定器152を介して復調器153に出力する。RF信号として取り出されるのは、例えばユーザによって指定されたチャンネルのワンセグ放送に対応する所定幅の周波数帯域の信号である。
【0046】
CNR測定器152は、RF信号を用いてCNR値を求め、求めたCNR値をCNR出力線155を介して制御部11に出力するか、又は記憶部12に格納する。記憶部12に格納されたCNR値は、結果的に、制御部11によって読み取られる。そこで、本実施形態では、「制御部11に出力する」といった場合には、記憶部12を介して制御部11に出力される場合をも含むものとする。また、以下では、CNR測定器152から出力されるCNR値を「ワンセグCNR」と呼ぶこともある。
【0047】
復調器153には、受信器151が出力したRF信号がCNR測定器152を介して入力される。復調器153は、入力されたRF信号をTSに復調し、ワンセグ放送のTSをBER測定器154に出力する。
【0048】
BER測定器154は、入力されたワンセグ放送のTSに基づいて、BER値を測定した後、TSをTS出力線157に出力する。測定されたBER値は、BER出力線156を介して制御部11に出力される。以下、BER測定器154が出力するBER値を「ワンセグBER」と呼ぶこともある。
【0049】
フルセグ復調・デコード部16は、図3(B)に示すように、第2のチューナとしてのフルセグチューナ部160と、デスクランブル部168と、フルセグデコード部169と、を備える。
【0050】
フルセグチューナ部160は、アンテナ31を介して受信した電波を用いてフルセグ放送のTSを復調し、復調されたTSをデスクランブル部168に出力する。
【0051】
デスクランブル部168は、フルセグチューナ部160から出力されたスクランブルのかかったTSの暗号を解読し、そのデータを平文化し、クリアテキストデータ(平文TS)としてフルセグデコード部169に出力する。
【0052】
フルセグデコード部169は、デスクランブル部168が出力した平文TSを分離・復号処理し、映像データ、音声データ、字幕データなどを出力する。
【0053】
フルセグチューナ部160は、図3(B)に示すように、受信器161、CNR測定器162、復調器163及びBER測定器164を備える。フルセグチューナ部160は、CNR出力線165、BER出力線166、TS出力線167などと接続されている。
【0054】
受信器161は、アンテナ31から入力された放送信号から制御部11で指定された信号を、RF信号として取り出す。RF信号として取り出されるのは、例えばユーザが指定するチャンネルのフルセグ放送に対応する所定幅の周波数帯域の信号である。
【0055】
フルセグチューナ部160は、ワンセグチューナ部150と同様の構成となっている。なお、以下、CNR測定器162から出力されるCNR値を「フルセグCNR」と呼び、BER測定器164から出力されるBER値を「フルセグBER」と呼ぶことがある。
【0056】
なお、ワンセグチューナ部150及びフルセグチューナ部160は、1個のLSI(Large Scale Integration)で構成されてもよいし、それぞれ別個のチューナによって構成されてもよい。ワンセグチューナ部150とフルセグチューナ部160とを1個のLSIで構成する場合、このチューナは、ワンセグ放送のTSを復調・出力するワンセグモードと、ハイビジョン放送のTSを復調・出力するフルセグモードとの2つの動作モードを有する。
【0057】
ワンセグモードは、ワンセグチューナ部150が動作するときの動作モードであり、ワンセグ放送を優先的に再生する動作モードである。また、フルセグモードは、フルセグチューナ部160が動作するときの動作モードであり、フルセグ放送を優先的に再生する動作モードである。この動作モードの切替えは、制御部11によって制御される。制御部11は、例えば、動作モードを示すレジスタの値を書き換えることにより、動作モードを切替える。
【0058】
表示部14(図2参照)は、ワンセグチューナ部150によって受信されるワンセグ放送又はフルセグチューナ部160によって受信されるフルセグ放送を再生する再生手段である。制御部11(図2参照)は、ワンセグチューナ部150とフルセグチューナ部160とを切替えて、ワンセグ放送のTS又はハイビジョン放送のTSのいずれかに基づいて、ワンセグ放送又はハイビジョン放送を再生するように表示部14を制御する。
【0059】
図2に戻り、音声出力部17は、前述の通話用スピーカ7とスピーカ8、不図示のDAC(Digital Analog Converter)等を備える。音声出力部17は、例えば、制御部11の制御の下で再生されたコンテンツの音声信号にDA変換を施して、アナログ信号に変換された音声をスピーカ8により出力する。
【0060】
音声入力部18は、通話時等に、音声信号を収集し、通信部19に供給する。
【0061】
通信部19は、基地局を介して、通話音声、各種のデータ等を送受信する。
【0062】
バス20は、各部間で相互にデータを伝送する。
【0063】
タイマ24は、制御部11を構成するマイクロプロセッサユニットなどに付属した機構である。タイマ24は、一定の時間間隔で割り込みを発生させる。タイマ24を調整すれば、制御部11が割り込みを発生させる時間間隔を設定することができる。
【0064】
アンテナ31は、デジタル放送の放送信号を受信可能なアンテナである。アンテナ31は、例えばUHF帯の電波やVHF帯の電波を受信するために必要な形状をしている。
【0065】
次に、本実施形態に係る携帯端末1の動作について説明する。
【0066】
(切替え処理の処理内容の概要)
例えば、図4に示すように、送出局41は、放送信号を発信する基地局である。送出局41から近いエリア42は、送出局41から送出される放送信号の電界強度が強いエリアであり、ハイビジョン放送の受信状況が良好な領域である。送出局41を中心とする広範囲のエリア43は、送出局41から送出される放送信号の電界強度が弱いエリアであり、ワンセグ放送の受信状況が良好な領域である。当然、エリア43は、エリア42を含んでいる。
【0067】
エリア42では、携帯端末1は、フルセグ放送とワンセグ放送との両方を良好な状態で受信することが可能である。一方、エリア43では、携帯端末1は、ワンセグ放送を良好な状態で受信し、表示することが可能である。
【0068】
まず、エリア42内から、エリア42の外、かつ、エリア43内に、携帯端末1が移動した場合について考える。この場合、ユーザがハイビジョン放送を受信して視聴している際にハイビジョン放送の受信状況が悪化すると、映像にブロックノイズが発生し、それ以上視聴を続けられなくなる。このため、携帯端末1は、同じチャンネルのワンセグ放送に切替えて表示する。これにより、ユーザは途切れることなく番組を視聴することができるので、使い勝手が向上する。
【0069】
このような切替え制御を行うには、制御部11は、ハイビジョン放送の受信中に、例えばCNR測定器162で測定されたフルセグCNR又は電界強度を取得し、取得された値が予め定められた閾値を超えたか否かを判定する。なお、電界強度を取得する場合には、フルセグ復調・デコード部16等に、電界強度測定器を設ける必要がある。電界強度測定器は、例えば、図3(B)に示すCNR測定器152及びCNR測定器162の位置に設けられる。
【0070】
そして、仮に、フルセグCNR又は電界強度が、所定の閾値未満の場合、制御部11は、フルセグ放送からワンセグ放送に切替える。フルセグCNRを用いる場合と電界強度を用いる場合とでは、閾値は異なる。
【0071】
なお、制御部11は、フルセグチューナ部160から出力されるフルセグBERを取得し、フルセグBERが予め定められた閾値未満であるかを判定するようにしてもよい。フルセグBERが、閾値以上になった場合は、制御部11は、フルセグ放送からワンセグ放送に切替える。
【0072】
さらに、ワンセグ視聴中に携帯端末1がエリア42に入った場合、携帯端末1は、ハイビジョン放送を良好に受信できるので、視聴する放送を、ワンセグ放送からハイビジョン放送に切替えるようにすれば、より高品質な放送を視聴できる。
【0073】
上記の処理のうち、フルセグBERを用いた処理内容を、図5(A)を参照して簡単に説明する。
【0074】
図5(A)に示すように、閾値140は、フルセグBERがこれ以上である場合に、ハイビジョン放送からワンセグ放送に切替えるための閾値である。例えば、時刻t1(又はt3)において、取得したフルセグBERは閾値140を超えているので、この時点で、制御部11は、フルセグ放送からワンセグ放送に切替える。なお、ワンセグチューナ部150とフルセグチューナ部160との切替えにフルセグBERを用いることにより、より正確に各放送の受信状況を把握することができる。
【0075】
(フルセグ→ワンセグ切替え処理の概要)
フルセグ放送からワンセグ放送への切替え処理について説明する。
【0076】
この切替え処理において、制御部11は、例えば、ワンセグチューナ部150の電源をオンにして起動し、ワンセグチューナ部150を動作させる。ワンセグチューナ部150は、アンテナ31で受信された放送信号から、ワンセグ放送のTSを復調し出力する。出力されたTSは、ワンセグデコード部159に入力される。入力されたTSは、ワンセグデコード部159で復号されYUVデータ等に変換される。
【0077】
続いて、制御部11は、フルセグデコード部169から出力されたYUVデータの映像の表示を、表示部14に停止させ、ワンセグデコード部159から出力されたYUVデータの映像を、表示部14に表示させる。その後、制御部11は、フルセグチューナ部160の電源をオフにして、フルセグチューナ部160の動作を停止させる。
【0078】
このようにして、制御部11は、フルセグチューナ部160を動作させているときに、フルセグチューナ部160が出力するハイビジョン放送の受信品質を取得し、取得したフルセグ放送の受信品質が所定の基準を満たさない場合にワンセグチューナ部150を動作させるとともにフルセグチューナ部160の動作を停止させる。
【0079】
続いて、制御部11は、ワンセグ放送のTSに基づくワンセグ放送の再生を行う。なお、ここでは、フルセグチューナ部160から出力されるハイビジョン放送の受信品質は、フルセグBERであるが、フルセグCNR又は電解強度であってもよい。
【0080】
なお、フルセグCNR又は電界強度を用いた切替え処理も、上述した切替え処理と同じような処理となる。ただし、フルセグBERの場合、制御部11は、値がある閾値を超えた場合ではなく、値がある閾値未満になった場合に、フルセグ放送からワンセグ放送に切替える。
【0081】
(ワンセグ→フルセグ切替え処理の概要)
制御部11は、ワンセグ放送視聴中、例えば、図5(A)に示すように、時刻t2(又はt4)でフルセグBERが閾値140を下回ると、制御部11は、ハイビジョン放送の受信状況が回復し、ハイビジョン放送への切替えが可能であると判別する。この場合、制御部11は、フルセグチューナ部160の電源をオンにして起動し、フルセグチューナ部160を動作させ、ハイビジョン放送に切替える。
【0082】
フルセグチューナ部160は、アンテナ31を介して受信された放送信号から、TSを復調して出力する。出力されたTSは、デスクランブル部168に入力され、スクランブルのかかったTSの暗号を解読し、データを平文にして、フルセグデコード部169に出力する。出力されたTSはフルセグデコード部169に入力される。入力されたTSはフルセグデコード部169で復号されYUVデータ等に変換される。
【0083】
そして、制御部11は、ワンセグデコード部159によって復号されたYUVデータの映像の表示等を表示部14に停止させるとともに、フルセグデコード部169が出力するYUVデータの映像を、表示部14に表示等させる。
【0084】
このようにして、制御部11は、ハイビジョン放送のTSに基づくハイビジョン放送の再生を行う。その後、制御部11は、ワンセグチューナ部150の電源をオフにし、ワンセグチューナ部150の動作を停止させる。
【0085】
(フルセグ映像出力処理)
ここで、ハイビジョン放送の映像を出力するためのフルセグ映像出力処理について、図6のフローチャートを参照して、詳細に説明する。
【0086】
フルセグチューナ部160にアンテナ31を介して放送信号が入力されると、制御部11の制御の下、フルセグチューナ部160は、復調処理を行い、ハイビジョン放送のTSを出力する(ステップS701)。
【0087】
続いて、このTSにはコンテンツ保護のためにスクランブルがかかっているので、デスクランブル部168は、復号化処理を行って、平文TSを出力する(ステップS702)。
【0088】
続いて、フルセグデコード部169は、平文TSをデコードする(ステップS703)。このデコード処理では、まず、TSが、映像、音声、字幕、データ放送、PSI/SI情報などのデータに分離された後、分離されたデータからそれぞれのエレメンタリストリーム(ES)が復号される。これにより、例えば、映像ESはYUVデータ(映像データ)に変換され、音声ESは、PCM(Pulse Code Modulation)データ(音声データ)に変換される。
【0089】
続いて、制御部11は、変換した各ESを用いて、表示部14への表示、スピーカ8からの出力等を行い、ハイビジョン放送の再生を行う(ステップS704)。
【0090】
このようにして、制御部11は、フルセグチューナ部160から出力されるハイビジョン放送のTSに基づくハイビジョン放送の再生を制御する。
【0091】
(低消費電力化動作)
上述のように、本実施形態では、ハイビジョン放送視聴中には、フルセグBERを用いて、ハイビジョン放送からワンセグ放送への自動切替えができ、ワンセグ放送視聴中にはフルセグBERを把握(例えば予測)してハイビジョン放送受信可能判定処理を行うことができる。
【0092】
ここで、フルセグBERやフルセグCNRを用いて切替え判定処理を行う場合、常にフルセグチューナ部160の電源を入れてフルセグチューナ部160を動作させておくと、消費電力が増大してしまう。
【0093】
一般的に、フルセグチューナ部160は、ワンセグチューナ部150に比べて消費電力が大きい。これは、図7に示すように、ハイビジョン放送はワンセグ放送の約12倍の周波数帯域を使用していることや、TSのビットレートが高く、データ処理量が多いことなどが理由として挙げられる。
【0094】
なお、図7に示すように、フルセグ放送のセグメントと、ワンセグ放送のセグメントとは、一般的には別であるが、フルセグ放送ではワンセグ放送に使用されるセグメントに含まれるデータの一部が使用されることもある。
【0095】
本実施形態に係る携帯端末1では、ワンセグチューナ部150を動作させる場合に、フルセグチューナ部160の動作を停止させるので、携帯端末1全体の消費電力を低減することができる。
【0096】
また、本実施形態では、制御部11は、ワンセグチューナ部150についても、常時起動(動作)させずに、ワンセグ放送を表示する場合だけ動作するように制御する。ワンセグチューナ部150は、フルセグチューナ部160ほど大きな消費電力を必要とするものではないが、本実施形態では、可能な限り、ワンセグチューナ部150の動作を停止させることにより、携帯端末1全体の消費電力を低減することができる。
【0097】
(フルセグチューナの起動判定)
ワンセグ放送からフルセグ放送に切替える際の切替え処理のより詳細な流れについて説明する。
【0098】
切替え処理では、大別して、ワンセグ放送視聴中にワンセグCNRを用いたフルセグチューナ部160の起動判定処理と、その後のフルセグチューナ部160が出力するフルセグBERを用いたフルセグ放送視聴への切替え判定処理の2つの処理が実行される。
【0099】
ここで、ワンセグCNRの値は、マルチパスによるフェージングの影響等により、フルセグCNRやフルセグBERと線形の相関性を有しない場合がある。この場合、ワンセグCNRでは電波の状態が良いと判別されても、フルセグBERでは電波の状態はフルセグ放送に切替られるほど良くはないと判別されるという状況が起こり得る。
【0100】
このような状況では、フルセグチューナ部160を起動してもフルセグ放送には切替えることができず、無駄な消費電力を使ってしまうことになる。そこで、本実施形態では、フルセグチューナ部160を起動してもフルセグ放送に切替わらなかった場合、フルセグチューナ部160を起動するための起動条件を調整する。
【0101】
なお、フルセグチューナ部160の起動判定基準は、予め試験を行って最適な値に調整しておくこともできるが、ユーザが移動することにより、携帯端末1の使用場所も変わるため、その最適な値が変化する可能性がある。これに対し、この切替え処理を行えば、フルセグチューナ部160の起動条件を、常時最適に保つことができる。
【0102】
電波状況が、放送信号の受信品質が図5(B)に示すように変動した場合における、制御部11の切替え処理の処理内容について説明する。図5(B)に示すグラフにおいて、黒丸は、ワンセグCNRの値、白丸はフルセグBERの値を示している。
【0103】
ワンセグ放送の視聴中に、時刻t5から時刻t6にかけて、ワンセグCNRが閾値601を超えており、所定の時間間隔(例えば、サンプリング間隔の3倍)を満たしているので、制御部11は、時刻t6においてフルセグチューナ部160を起動する。
【0104】
そして、時刻t7においてフルセグBERを取得するが、閾値140を下回っていないため、フルセグ放送への切替えは発生せず、フルセグチューナ部160を停止する。ここで、無駄なフルセグチューナ部160の起動を抑えるために、フルセグチューナ部160の起動条件を厳しい方に調整する。
【0105】
すなわち、ワンセグCNRが閾値601を連続して満たさなければならない所定の時間間隔を長く(例えば、サンプリング間隔の4倍に)する。そして、時刻t8から時刻t9にかけてワンセグCNRが閾値601を超えると、制御部11は、再びフルセグチューナ部160を起動する。そして、時刻t10にてフルセグBERが閾値140を下回っているため、制御部11は、フルセグ放送に切替える。
【0106】
以下、フルセグチューナ部160の起動判定及びフルセグ放送への切替え判定の処理(ワンセグ→フルセグ切替え処理)について、主として、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0107】
まず、制御部11は、ワンセグチューナ部150が出力するワンセグCNRを取得する(ステップS801)。続いて、制御部11は、取得したワンセグCNRが閾値CNR_thを超えるか否かを判定する(ステップS802)。ワンセグCNRが閾値CNR_th以下である場合(ステップS802;No)、制御部11は、カウンタ値iをリセットして(ステップS811)、再びワンセグCNRを取得する(ステップS801)。すなわち、ワンセグCNRが閾値CNR_th以下である限り(ステップS802;No)、ステップS801→S802→S811が繰り返される。
【0108】
ワンセグCNRが閾値CNR_thを超えた場合(ステップS802;Yes)、制御部11は、カウンタ値iをインクリメントする(ステップS803)。ここで、カウンタ値iとは、プログラムの実行を制御するために制御部11に設けられたカウンタの値である。カウンタ値iは、ワンセグCNRが閾値CNR_thを連続して超えた回数(継続時間)を示す値である。
【0109】
続いて、制御部11は、カウンタ値iが、閾値Cnt_thを超えたか否かを判定する(ステップS804)。ワンセグCNRが閾値Cnt_th以下である場合(ステップS804;No)、制御部11は、再びワンセグCNRを取得する(ステップS801)。ワンセグCNRが閾値CNR_thよりも大きい状態が継続され(ステップS802;Yes)、ワンセグCNRが閾値Cnt_th以下である限り(ステップS804;No)、ステップS801→S802→S803→S804が繰り返される。
【0110】
この繰り返し中に、ワンセグCNRが閾値CNR_th以下になると(ステップS802;No)、制御部11は、カウンタ値iをリセットして(ステップS811)、再びワンセグCNRを取得する(ステップS801)。一方、ワンセグCNRが閾値Cnt_thを継続して超えている間は、カウンタ値iがインクリメントされ(ステップS803)、大きくなっていく。
【0111】
カウンタ値iが、閾値Cnt_thを超えると(ステップS804;Yes)、制御部11は、フルセグチューナ部160を起動する(ステップS805)。
【0112】
フルセグチューナ部160を起動後、制御部11は、フルセグ放送切替え判定処理を行う(ステップS806)。この処理で、フルセグ放送への切替えが可能と判断された場合(ステップS807;Yes)、制御部11は、フルセグ放送へ切替える(ステップS808)。
【0113】
一方、フルセグ放送への切替えができないと判定された場合(ステップS807;No)、制御部11は、フルセグチューナ部160の動作を停止し(ステップS809)、閾値Cnt_thの値を1増やす(ステップS810)。
【0114】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、ワンセグ放送の視聴中に、フルセグチューナ部160を起動するための起動条件が満たされると、フルセグチューナ部160を起動する。フルセグチューナ部160を起動してもフルセグ放送の電波品質が所定の基準よりも良好ではなかった場合、制御部11は、フルセグチューナ部160を起動するための起動条件(閾値)を調整する(ステップS810)。これにより、フルセグチューナ部160の起動条件を、フルセグ放送の放送信号の受信状況に即したものに調整することができる。このため、携帯端末の消費電力を抑えながら、チューナの切替えを適切なタイミングで行うことができる。
【0115】
より具体的には、本実施形態では、フルセグチューナ部160を起動させた後に、フルセグ放送の受信品質が所定の基準を満たさなかった場合に、閾値Cnt_thを1増やし、フルセグチューナ部160が起動し難い方に、起動条件を調整する。これにより、フルセグ放送の受信品質が低い状態で、フルセグチューナ部160が起動させる頻度を低減することができる。
【0116】
これにより、ワンセグCNRがより長い時間連続して閾値CNR_thを超えた場合にのみ、フルセグチューナ部160が起動され、フルセグ放送に切替えられるようになる。この結果、フルセグ放送が視聴可能な電波状況ではない場合に、フルセグチューナ部160が無駄に起動する頻度を低減することができるようになるうえ、消費電力を低減することができるようになる。
【0117】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。
【0118】
上記実施形態1では、フルセグチューナ部160を起動してもフルセグ放送への切替えができなかった場合、すなわち無駄にフルセグチューナ部160を起動させてしまった場合、制御部11は、フルセグチューナ部160の起動する条件を厳しくした。
【0119】
しかしながら、電波状況によっては、フルセグチューナ部160を起動してもフルセグ放送への切替えができずに、閾値Cnt_thが大きくなりすぎてしまう可能性がある。この場合、ワンセグCNRが閾値CNR_thを連続して超えた回数を示すカウンタ値iが閾値Cnt_thに達する頻度が低減する。この結果、フルセグチューナ部160が起動し難くなり、フルセグへの切替えタイミングが遅れてしまう可能性がある。
【0120】
そこで、本実施形態にかかる携帯端末1では、ワンセグCNRが閾値CNR_thを継続して超えていた時間が、閾値Cnt_th2よりも長くなった場合に、制御部11は、閾値Cnt_thを1減らす。閾値Cnt_th2は、閾値Cnt_thより小さいが、閾値Cnt_thに近傍の閾値である。
【0121】
本実施形態に係る携帯端末1における、ワンセグ→フルセグの切替え処理について図9のフローチャートを参照して説明する。図9に示すように、本実施形態に係る携帯端末1におけるワンセグ→フルセグの切替え処理では、ワンセグCNRが閾値CNR_thを超えていないと判定された場合(ステップS802;No)、ステップS811の実行前に、以下に示す処理を行う点が、上記実施形態1と異なる。
【0122】
図9に示すように、まず、制御部11は、ワンセグCNRを取得する(ステップS801)。ワンセグCNRが閾値CNR_th以下である場合(ステップS802;No)、制御部11は、カウンタ値iが閾値Cnt_th2を超えるか否かを判定する(ステップS901)。
【0123】
カウンタ値iが閾値Cnt_th2よりも大きい場合にのみ(ステップS901;Yes)、制御部11は、閾値Cnt_thを1減らす(ステップS902)。
【0124】
ステップS901又はステップS902実行後、制御部11は、カウンタ値iをリセットする(ステップS811)。
【0125】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、ワンセグCNRが閾値CNR_th以下で、かつ、カウンタ値iが閾値Cnt_th2より大きい場合には、閾値Cnt_thを1減らすので、閾値Cnt_thが大きくなりすぎてフルセグチューナ部160が起動し難くなくなり、フルセグ放送への切替えタイミングが遅れてしまうのを防止することができる。
【0126】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。
【0127】
上記各実施形態に係る携帯端末1では、閾値Cnt_thの設定範囲に特に制限はなく、電波状況によっては増え続けたり、減り続けてしまうこともあり得る。これに対し、本実施形態3に係る携帯端末1では、閾値Cnt_thの上限値Cnt_th_maxと下限値Cnt_th_minとを規定している。上限値Cnt_th_maxと下限値Cnt_th_minは、記憶部12に格納されている。
【0128】
本実施形態に係る携帯端末1に係るワンセグ→フルセグ切替え処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0129】
図10に示すように、制御部11は、上記実施形態2と同様に、ワンセグCNRを取得(ステップS801)、ワンセグCNRと閾値CNR_thとの比較判定(ステップS802)を行う。
【0130】
ワンセグCNRが閾値CNR_thを超えず(ステップS802;No)、カウンタ値iが閾値Cnt_th2を超えた場合(ステップS901;Yes)、制御部11は、閾値Cnt_thと下限値Cnt_th_minとを比較する(ステップS1001)。
【0131】
閾値Cnt_thが下限値Cnt_th_minよりも大きい場合(ステップS1001;Yes)、制御部11は、閾値Cnt_thを1減らす(ステップS902)。その後、制御部11は、カウンタ値iをリセットする(ステップS811)。
【0132】
一方、閾値Cnt_thが下限値Cnt_th_min以下である場合(ステップS1001;No)、制御部11は、カウンタ値iをリセットする(ステップS811)。これにより、閾値Cnt_thは、その下限値Cnt_th_minのままとなる。
【0133】
また、フルセグチューナ部160を起動した後(ステップS805)、フルセグ放送切替え判定処理を行い(ステップS806)、フルセグ放送に切替えないと判定されると(ステップS807;No)、制御部11は、フルセグチューナ部160を停止する(ステップS809)。
【0134】
続いて、制御部11は、閾値Cnt_thが上限値Cnt_th_maxよりも小さいか否かを判定する(ステップS1002)。閾値Cnt_thが上限値Cnt_th_maxよりも小さい場合(ステップS1002;Yes)、制御部11は、閾値Cnt_thを1増やす(ステップS810)。その後、制御部11は、処理を終了する。
【0135】
一方、閾値Cnt_thが上限値Cnt_th_max以上であれば(ステップS1002;No)、制御部11は、処理を終了する。これにより、閾値Cnt_thは、上限値Cnt_th_maxのままとなる。
【0136】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、特定の時間の下限値Cnt_th_minと上限値Cnt_th_maxとを設けることにより、カウンタ値iの閾値Cnt_thが、どこまでも増え続けたり、減り続けたりすることを防止することができる。
【0137】
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4について説明する。
【0138】
上記実施形態3に係る携帯端末1では、上限値Cnt_th_max及び下限値Cnt_th_minが固定であった。しかしながら、電波状況によっては閾値Cnt_thの変動の仕方が悪く、フルセグチューナ部160が無駄に起動してしまって、かつ、フルセグ放送への切替えが遅くなってしまう可能性がある。
【0139】
また、ユーザによっては消費電力が大きくなっても、フルセグ放送優先で視聴したい場合や、逆に画質は犠牲にしてワンセグ放送でもいいから長時間視聴したいというユーザの要望がある。
【0140】
そこで、このようなユーザの要望に対応するために、本実施形態4の携帯端末1では動作モードが設定されている。動作モードには、例えばフルセグ優先モード、ワンセグ優先モードの2種類がある。
【0141】
フルセグ優先モードでは、フルセグ放送に早く切替るために閾値Cnt_thが小さめに設定される。また、ワンセグ優先モードでは、消費電力をなるべく抑えるために、フルセグチューナ部160が頻繁に起動されないように、閾値Cnt_thが大きめに設定される。
【0142】
本実施形態4の携帯端末1では、図11に示すように、記憶部12に閾値範囲テーブル1100が格納されている。閾値範囲テーブル1100には、図12に示すように、ワンセグ優先モードとフルセグ優先モードでのそれぞれの下限値Cnt_th_min及び上限値Cnt_th_maxが設定されている。図12に示すように、フルセグ優先モードでは、上限値Cnt_th_maxは5となっており、下限値Cnt_th_minは1となっている。また、ワンセグ優先モードでは、上限値Cnt_th_maxは15となっており、下限値Cnt_th_minは10となっている。
【0143】
本実施形態に係る携帯端末1の切替え判定処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。
【0144】
図13に示すように、本実施形態では、閾値Cnt_thと下限値Cnt_th_minとの比較(ステップS1001)に先だって、下限値Cnt_th_minを取得する処理(ステップS1201)を行う点が、上記実施形態3のフローチャート(図10参照)と異なる。
【0145】
下限値Cnt_th_minの取得処理では、制御部11は、まず、動作モードを取得する。動作モードは、記憶部12に保持されたプログラム上の変数である。動作モードは、例えば1であればフルセグ優先モード、0であればワンセグ優先モードとすることができる。制御部11は、記憶部12よりこの動作モードを取得する。動作モードが取得されたら、制御部11は、閾値範囲テーブル1100における、動作モードの下限値Cnt_th_minを取得する。
【0146】
また、閾値Cnt_thと上限値Cnt_th_maxとの比較(ステップS1002)に先だって、上限値Cnt_th_maxを取得する処理(ステップS1202)を行う点が、上記実施形態3のフローチャート(図10参照)と異なる。上限値Cnt_th_maxについても、上述の下限値Cnt_th_minと同様に、閾値範囲テーブル1100に設定された現在の動作モードの上限値が取得される。
【0147】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、動作モードを設けることにより、電波状況によって閾値Cnt_thが変動したとしても、フルセグ放送の視聴を優先したり消費電力を抑えて長時間視聴することを優先したり、ユーザの嗜好にあった適切な切替え判定処理を実現することができる。
【0148】
なお、上記各実施形態では、無駄なフルセグチューナ部160の起動を抑えるために、フルセグチューナ160の起動条件を厳しくする方法として、受信品質が所定の基準を連続して超える時間を調整した。このようにすれば、受信品質の局所的な変動に左右されない、高精度な切替えが可能となるためである。
【0149】
しかし、本発明は、これに限られるものではない。基準を厳しくする方法としてワンセグCNRの閾値CNR_thを調整するようにしてもよい。これにより、判定に要する時間が一定となるため、電波状況が良くなってから切替えが発生するまでの時間が一定となり、ユーザにとっては使い勝手が向上する。
【0150】
また、上記各実施形態では、CNR、BER及び電界強度を用いてチューナの切り替えを行った。これらは、放送信号の受信品質の指標となるため、適切なタイミングでチューナを切替えることができる。
【0151】
なお、ワンセグ放送とハイビジョン放送とでは、電波を受信してから表示するまでの処理量が違うなどの理由により、同じシーンでも表示されるタイミングは1秒から2秒程度ずれてしまう。そのため、視聴する放送を切替えると画面も音声も途切れてしまい、煩わしさを感じるユーザもいる。
【0152】
上記各実施形態では、このようなずれを補正すべく、先にデコードが完了して表示可能となった放送(通常は、ハイビジョン放送)の画像データ等をメモリに蓄積し、後からデコードが完了して表示可能となった放送(通常は、ワンセグ放送)のシーンとタイミングを合わせて再生する方法を用いてもよい。しかし、この方法を用いる場合には、大容量のメモリが必要となりコストがかかってしまうので、費用対効果を考慮してメモリを設けるのが望ましい。
【0153】
なお、上記各実施形態では、携帯端末1として、携帯電話を例に挙げて説明したが、これには限られない。本実施形態に係る携帯端末1は、モバイル映像表示端末や、携帯型のテレビ受信器などであってもよい。
【0154】
なお、上記各実施形態において、制御部11により実行されるプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical Disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行するシステムを構成することとしてもよい。
【0155】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしても良い。
【0156】
また、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。
【0157】
なお、本発明は、上記実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態及び図面に変更を加えることができるのはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本発明は、放送信号を受信する携帯端末に好適である。
【符号の説明】
【0159】
1…携帯端末、2…キーボード、3…カーソルキー、4…切替えボタン、5…表示パネル、6…通話用マイク、7…通話用スピーカ、8…スピーカ、11…制御部、12…記憶部、13…操作部、14…表示部、15…ワンセグ復調・デコード部、16…フルセグ復調・デコード部、17…音声出力部、18…音声入力部、19…通信部、20…バス、24…タイマ、31…アンテナ、41…送出局、42、43…エリア、51、52…セグメント、150…ワンセグチューナ部、151…受信器、152…CNR測定器、153…復調器、154…BER測定器、155…CNR出力線、156…BER出力線、157…TS出力線、159…ワンセグデコード部、160…フルセグチューナ部、161…受信器、162…CNR測定器、163…復調器、164…BER測定器、165…CNR出力線、166…BER出力線、167…TS出力線、168…デスクランブル部、169…フルセグデコード部、1100…閾値範囲テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の放送を受信し復調する第1のチューナと、
前記第1の放送よりも高品質な第2の放送を受信し復調する第2のチューナと、
前記第1の放送と前記第2の放送とのいずれかを再生する再生手段と、
を備えるテレビジョン装置を制御する制御装置であって、
前記第1の放送の受信品質に基づいて、前記第2のチューナを起動するための起動条件が満たされるか否かを所定のタイミングで判別する第1の判別手段と、
前記第1の判別手段における判別が肯定された場合に前記第2のチューナを起動させる起動手段と、
起動した前記第2のチューナから出力される前記第2の放送の受信品質が所定の基準よりも良好であるか否かを所定のタイミングで判別する第2の判別手段と、
前記第2の判別手段による判別が否定された場合、前記第1の判別手段における前記起動条件を調整する調整手段と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記第2の判別手段による判別が否定された場合、前記第2のチューナを停止させる停止手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記調整手段は、
前記起動手段が前記第2のチューナを起動させた後に、前記第2の判別手段による判別が否定された場合、前記起動条件を、前記第1の判別手段における判別が肯定されにくい方向に調整する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記調整手段は、
前記第1の放送の受信品質が、前記起動条件を満たさないが、前記起動条件に準ずるより緩やかな別の条件を満たす場合、
前記起動条件を、前記第1の判別手段における判別が肯定されにくい方向に調整する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記起動条件には、
上限値及び下限値の少なくとも一方が設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記再生手段は、
前記第1の放送を優先的に再生する第1のテレビ優先モードと、
前記第2の放送を優先的に再生する第2のテレビ優先モードと、を動作モードとして有しており、
前記調整手段は、
前記第1のテレビ優先モードが設定されている場合、前記起動条件を、前記第1の判別手段における判別が肯定されにくい方向に調整し、
前記第2のテレビ優先モードが設定されている場合、前記起動条件を、前記第1の判別手段における判別が肯定されやすい方向に調整する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第1の判別手段は、
前記第1の放送の受信品質が、閾値よりも、特定期間連続して良好であることを前記起動条件として判別を行い、
前記調整手段は、
前記第1の判別手段における判別が肯定されにくい方向に調整する場合には、前記特定期間を長くし、
前記第1の判別手段における判別が肯定されやすい方向に調整する場合には、前記特定期間を短くする、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記第1の判別手段は、
前記第1の放送の受信品質が、閾値よりも、特定期間連続して良好であることを前記起動条件として判別を行い、
前記調整手段は、
前記第1の判別手段における判別が肯定されにくい方向に調整する場合には、前記閾値を高くし、
前記第1の判別手段における判別が肯定されやすい方向に調整する場合には、前記閾値を低くする、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記第1の放送の受信品質は、
そのデータに含まれる搬送波電力に対する雑音電力の比と、ビットエラー率と、放送信号の電界強度との少なくとも1つである、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の制御装置を備える携帯端末。
【請求項11】
第1の放送を受信し復調する第1のチューナと、
前記第1の放送よりも高品質な第2の放送を受信し復調する第2のチューナと、
前記第1の放送と前記第2の放送とのいずれかを再生する再生手段と、
を備えるテレビジョン装置を制御する制御方法であって、
前記第1の放送の受信品質に基づいて、前記第2のチューナを起動するための起動条件が満たされるか否かを所定のタイミングで判別する第1の判別工程と、
前記第1の判別工程における判別が肯定された場合に前記第2のチューナを起動させる起動工程と、
起動した前記第2のチューナから出力される前記第2の放送の受信品質が所定の基準よりも良好であるか否かを所定のタイミングで判別する第2の判別工程と、
前記第2の判別工程における判別が否定された場合、前記第1の判別工程における前記起動条件を調整する調整工程と、
を含む制御方法。
【請求項12】
第1の放送を受信し復調する第1のチューナと、
前記第1の放送よりも高品質な第2の放送を受信し復調する第2のチューナと、
前記第1の放送と前記第2の放送とのいずれかを再生する再生手段と、
を備えるテレビジョン装置を制御するコンピュータを、
前記第1の放送の受信品質に基づいて、前記第2のチューナを起動するための起動条件が満たされるか否かを所定のタイミングで判別する第1の判別手段と、
前記第1の判別手段における判別が肯定された場合に前記第2のチューナを起動させる起動手段と、
起動した前記第2のチューナから出力される前記第2の放送の受信品質が所定の基準よりも良好であるか否かを所定のタイミングで判別する第2の判別手段と、
前記第2の判別手段による判別が否定された場合、前記第1の判別手段における前記起動条件を調整する調整手段と、
して機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−103539(P2011−103539A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257160(P2009−257160)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】