説明

制御装置、撮像装置および外部接続装置

【課題】蓄電素子の充電電圧を安定させつつ、電力消費を抑制する。
【解決手段】蓄電素子の放電によって駆動される被駆動部を有する外部接続装置の蓄電素子への、電源を有する撮像装置からの充電動作を制御する制御装置であって、被駆動部の動作に関する設定値と蓄電素子の充電に関する充電情報を取得して、電源による蓄電素子の定期的な間欠充電の充電間隔を決定する決定部と、決定部によって決定された充電間隔に従って電源から蓄電素子への充電を実行する充電制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は制御装置、撮像装置および外部接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
共通の電源から複数の要素に電力を供給するカメラでは、消費電力が大きな要素への電力供給を監視して、電源の最大放電電流を越える放電が生じないように制御する(特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2001−083578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、カメラ本体に対して着脱できる外部接続装置に対しても電源から電力を供給する場合は、当該外部接続装置の電力消費に関する特性が装置毎に異なるので、適切な電力管理ができない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決すべく、本発明の第一態様として、蓄電素子の放電によって駆動される被駆動部を有する外部接続装置の蓄電素子への、電源を有する撮像装置からの充電動作を制御する制御装置であって、被駆動部の動作に関する設定値と蓄電素子の充電に関する充電情報を取得して、電源による蓄電素子の定期的な間欠充電の充電間隔を決定する決定部と、決定部によって決定された充電間隔に従って電源から蓄電素子への充電を実行する充電制御部とを備える制御装置が提供される。
【0005】
また、本発明の第二態様として、蓄電素子と蓄電素子の放電によって駆動される被駆動部とを有する外部接続装置が装着される撮像装置であって、蓄電素子を充電する電源と、被駆動部の動作に関する設定値と蓄電素子の充電に関する充電情報を取得して、電源による蓄電素子の定期的な間欠充電の充電間隔を決定する決定部と、決定部によって決定された充電間隔に従って電源から蓄電素子への充電を実行する充電制御部とを備える撮像装置が提供される。
【0006】
更に、本発明の第三態様として、電源を有する撮像装置へ装着して用いる外部接続装置であって、電源から電力を供給されて充電される蓄電素子と、蓄電素子の放電によって駆動される被駆動部と、被駆動部の動作に関する設定値と蓄電素子の充電に関する充電情報を取得して、電源による蓄電素子の定期的な間欠充電の充電間隔を決定する決定部と、決定部によって決定された充電間隔に従って撮像装置へ充電を要求する充電制御部とを備える外部接続装置が提供される。
【0007】
上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。これら特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】カメラシステム10の構造を模式的に示すブロック図である。
【図2】メインコンデンサ230の充電電圧の変化を示すグラフである。
【図3】外部接続装置200に対して設定される設定値の一例を示す図である。
【図4】記録部212が保持するテーブルの一例を示す図である。
【図5】カメラ本体100の起動シーケンスを示す流れ図である。
【図6】カメラ本体100の充電制御シーケンスを示す流れ図である。
【図7】メインコンデンサ230の充電電圧の変化を示すグラフである。
【図8】カメラシステム11の構造を模式的に示すブロック図である。
【図9】カメラ本体100の起動シーケンスを示す流れ図である。
【図10】カメラシステム12の構造を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、カメラシステム10の構成を示すブロック図である。カメラシステム10は、カメラ本体100とカメラ本体に装着された外部接続装置200およびレンズユニット300を含む。
【0011】
カメラ本体100は、メインCPU110、サブCPU112、操作部114、電源120、表示部130、撮像部140、内蔵フラッシュ回路160およびモータ駆動部180を備える。また、プログラムメモリ172、主記憶装置174および二次記憶媒体176も備える。
【0012】
メインCPU110は、プログラムメモリ172に格納されたファームウエアに従って、カメラ本体100の動作を制御すると共に、カメラ本体100に外部接続装置200およびレンズユニット300を加えたカメラシステム10全体を包括的に制御する。サブCPU112は、カメラ本体100の表面に配された操作部114を通じて入力された指示を受け付けて、当該操作により設定された設定値を保持する。
【0013】
電源120は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等の二次電池を含み、カメラ本体100、外部接続装置200およびレンズユニット300で消費される電力を一括して供給する。このため、レンズユニット300を接続するレンズI/F152と、外部接続装置200を接続する外部接続I/F154には、電源120とレンズユニット300または外部接続装置200を接続する電力供給端子が設けられる。
【0014】
表示部130は、カメラ本体100の背面に配された液晶表示パネルを含み、カメラシステム10に対する設定値、電源の消費状態、撮像した画像等を外部に向かって表示する。また、表示部130には、カメラ本体100に、各種の設定値を入力する場合のメニューが表示される場合もある。
【0015】
撮像部140は、レンズユニット300が形成した被写体像を電気信号に変換する光電変換素子142を含む。光電変換素子としては、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等が用いられる。
【0016】
撮像部140において電気信号に変換された被写体像は、更にデジタル変換される。デジタル信号にされた画像情報は、主記憶装置174上の作業領域で画像処理を受け、求めに応じて圧縮された上で、二次記憶媒体176に格納される。二次記憶媒体176の少なくとも一部は、カメラ本体100に対して着脱して交換できる。
【0017】
内蔵フラッシュ回路160は、撮像する場合に被写体を照明する閃光発生部を含む。ただし、後述するように、図示のカメラシステム10は、外部接続装置200として後述するように照明装置を装着されている。よって、内蔵フラッシュ回路160は休止している。
【0018】
モータ駆動部180は、メインCPU110の指示に従って、シャッタをチャージするモータを駆動する。また、レンズユニット300におけるフォーカシングレンズを移動させるモータを駆動する。このモータは、レンズユニット300に設けられる場合も、カメラ本体100に設けられる場合もあるが、モータを駆動する電力は、電源120から、モータ駆動部180を介して供給される。
【0019】
なお、モータの駆動には大きな電力が求められるので、モータ駆動と他の動作とを同時に実行した場合は、電源120の最大電流が大きくなる。よって、モータの駆動は、他の動作と時期をずらすことが好ましい。
【0020】
外部接続装置200は、カメラ本体100に設けられたアクセサリーシューに機械的に係合して、カメラ本体100に対して固定される。また、外部接続装置200は、カメラ本体100に設けられた外部接続I/F154を介して、カメラ本体の内部回路に電気的に結合される。図示の例では、外部接続装置200は閃光照明装置であり、MPU(Micro Processing Unit)210、記録部212、充電回路220、メインコンデンサ230、発光部240および遮断スイッチ250を備える。
【0021】
MPU210は、外部接続装置200内部の制御を担うと共に、外部接続I/F154を通じてカメラ本体100のメインCPU110と通信する。これにより、外部接続装置200とカメラ本体100は、データ並びに指示および要請をやりとりできる。
【0022】
記録部212は、不揮発性記憶媒体または読出専用記憶媒体を含み、外部接続装置200のファームウエア、データ等を格納する。記録部212に格納されたデータは、MPU210により読み出され、カメラ本体のメインCPU110に転送できる。これにより、決定部116も、記録部212に格納されたデータを参照できる。
【0023】
充電回路220は、外部接続I/F154を通じてカメラ本体100の電源120から供給された電力により、メインコンデンサ230を充電する。また、メインコンデンサ230を充電する場合に、メインコンデンサ230に対する充電電圧によりメインコンデンサの充電状態をモニタする電圧モニタ機能も有する。
【0024】
メインコンデンサ230は容量の大きな蓄電素子であり、充電回路220により蓄積された電荷を短時間で放電して、大きな放電電流を発光部240に供給して駆動する。メインコンデンサとしては、電解コンデンサの他、電気二重層コンデンサ、スーパキャパシタ等が用いられる場合もある。メインコンデンサ230に対して被駆動部となる発光部240は、放電管、LED等により形成され、メインコンデンサ230から供給された大電流により閃光を発生する。
【0025】
このような外部接続装置200は、MPU210とメインCPU110との通信を通じて、カメラ本体100から設定値を取得して動作モードが設定される。また、カメラ本体100から発光の指示を受け、撮像部140が被写体像を撮像するタイミングに合わせて発光部240を発光させて被写体を照明する。また、外部接続装置200は、セルフタイマ動作の表示、赤目現象の防止、調光用の測光、モデリング発光等、カメラ本体100の撮像タイミング以外にも発光する動作モードを有する場合がある。
【0026】
遮断スイッチ250は、外部接続装置200に対する電力の供給を遮断する指令を発生する。これにより、照明装置としての外部接続装置200を発光禁止状態にできる。また、何らかの理由で外部接続装置200の動作が安定しない場合に、MPU210をリセットする目的で使用することもできる。
【0027】
なお、外部接続装置200は、上記遮断スイッチ250の他にも、操作部を備える場合がある。即ち、外部接続装置200は、カメラ本体100に結合することなく動作する場合に操作を受け付ける操作部を設けられる場合がある。また、外部接続装置200に、設定状態、動作状態等を表示する表示部を設ける場合もある。
【0028】
レンズユニット300は、撮像部140の光電変換素子142に被写体像を形成する光学系310を有する。レンズユニット300は、レンズマウントおよびボディマウントの機械的係合により、カメラ本体100に対して固定される。また、レンズユニット300は、カメラ本体100に設けられたレンズI/F152を介して、カメラ本体100の内部と電気的にも結合される。
【0029】
上記のようなカメラシステム10において、カメラ本体100のレリーズスイッチが半押しされると、自動合焦機構、自動露出機構等が起動して撮影準備が開始される。次いで、レリーズスイッチが全押しされると、被写体像が撮像部140により取り込まれる。
【0030】
ここで、自動露出機構が光量不足と判断した場合には、外部接続装置200に対して発光が指示される。また、ユーザからの指示により、外部接続装置200を強制的に発光または発光禁止にする場合もある。
【0031】
上記カメラシステム10において、カメラ本体100のメインCPU110には、充電することにより動作する外部接続装置200に対する電力供給を専ら制御する制御装置119が形成される。制御装置119は、決定部116および充電制御部118を含む。
【0032】
決定部116は、制御装置119が、外部接続装置200に対する充電を制御する場合充電間隔を決定する。充電制御部118は、決定部116が決定した充電間隔毎に、外部接続装置200のメインコンデンサ230を充電する。これら、充電制御の手順については他の図を参照して後述する。
【0033】
図2は、いったん充電されたメインコンデンサ230の充電電圧の変化を模式的に示すグラフである。図示のように、充電回路220により充電されたメインコンデンサ230の充電電圧は、充電回路220による充電が停止すると、ただ待機している状態でも、自然放電により時間の経過と共に低下する。
【0034】
メインコンデンサ230は、放電することにより発光部240を駆動して発光させる。よって、自然放電の結果、メインコンデンサ230の充電電圧が著しく低くなった場合は、求められた強さの閃光が発生しなくなる。そこで、発光部240を求められた発光強度で安定に発光させるに足る発光許可電圧が設定され、充電制御部118は、発光許可電圧よりも高い充電電圧を維持すべく制御を実行する。
【0035】
メインコンデンサ230の充電電圧を発光許可電圧よりも高く維持するには、充電電圧が発光許可電圧よりも低くならないうちにメインコンデンサ230を充電することが求められる。そこで、発光許可電圧よりも高い規定電圧を設定し、充電電圧が規定電圧から発光許可電圧まで低下する時間が充電間隔として設定する。
【0036】
なお、充電間隔は、例えば、メインコンデンサ230の充電電圧を実際に測定する実験またはシミュレーション等により求められる。ただし、外部接続装置200は様々な動作モードを有しており、設定された動作モードに応じて規定電圧は異なる。
【0037】
図3は、動作モードを指定する場合に外部接続装置200に設定される設定値の一例を示す図である。閃光照明装置である外部接続装置200は、動作モードとして、フル発光、リモート発光、赤目発光、FP発光、通常発光、補助光等の様々な発光モードを実行できる。なお、図3には、ある外部接続装置200における、発光モード毎の規定電圧も併せて示した。
【0038】
発光モードは、カメラ本体100の操作部114を通じてユーザから指定される。発光モードを指定されたカメラ本体100は、メインCPU110とMPU210の通信を通じて、指定された発光モードに対応する設定値を外部接続装置200に設定する。これにより、外部接続装置200は指定された発光モードで動作する。
【0039】
ただし、設定値により特定の発光モードが設定されても、外部接続装置200の機種により搭載されているメインコンデンサ230の容量、絶縁特性等が異なる。このため、同じ設定値を設定された場合であっても、個々の外部接続装置200における充電間隔は機種に応じて異なる。そこで、外部接続装置200の記録部212には、その外部接続装置200を充電制御する場合に参照すべき充電間隔が記載されたテーブルが充電情報として格納される。
【0040】
図4は、ある外部接続装置200の記録部212が保持するテーブルを示す図である。テーブルには、外部接続装置200に設定される設定値毎に、充電間隔が記載されている。このテーブルは、メインCPU110とMPU210の通信を通じて決定部116から参照される。
【0041】
即ち、カメラ本体100の操作部114において、外部接続装置200の動作モードが指定された場合、決定部116は、設定された動作モードの設定値をキーとしてテーブルを参照する。これにより、決定部116は、カメラ本体100に装着された外部接続装置200の機種毎に、その時々の設定値に応じた充電間隔を決定できる。
【0042】
図5は、カメラシステム11の起動シーケンスの一部を示す流れ図である。外部接続装置200を予め装着したカメラ本体100が起動した場合、あるいは、既に起動しているカメラ本体100に外部接続装置200が装着された場合、カメラ本体100は、外部接続装置200が接続されたことを認識して(ステップS101:YES)、当該外部接続装置200と初期通信を実行する(ステップS102)。
【0043】
カメラ本体100および外部接続装置200の間で実行される初期通信は、外部接続装置200の種別および機種を示す装置情報を含む。この装置情報により、制御装置119は、当該外部接続装置200が、カメラ本体100の電源120からの電力供給を受けることを求めているか否かを識別できる。よって、制御装置119の決定部116は、外部接続装置200の充電情報を取得すべきか否かを判断する(ステップS103)。
【0044】
決定部116が、充電情報を必要ないと判断した場合(ステップS103:NO)は、充電制御自体が不要なので、起動シーケンスは終了して、カメラシステム10は撮影待機状態になる。一方、外部接続装置200が充電を要するメインコンデンサ230を備えている場合、決定部116は、充電情報が必要と判断して(ステップS103:YES)、外部接続装置200の記録部212に格納された充電情報を取得する(ステップS104)。
【0045】
続いて、決定部116は、カメラ本体100のサブCPUから、外部接続装置200に対して設定された設定値を取得する(ステップS105)。更に、決定部116は、取得した設定値をキーとして、充電情報のテーブルから、カメラ本体100に装着されている外部接続装置200の、設定値に応じた規定電圧および充電間隔を充電情報として取得する。こうして、決定部116は、充電制御において使用する充電間隔を決定する(ステップS106)。
【0046】
更に、充電間隔を決定した決定部116は充電制御部118を起動して、決定した充電間隔を取得させる(ステップS107)。これにより、充電制御部118は、装着された外部接続装置200の機種および設定値に対応した充電制御を実行する。
【0047】
図6は、充電制御部118における充電制御シーケンスを示す流れ図である。充電制御部118は、メインコンデンサ230に対する充電間隔を計測する(ステップS201:NO)。ここで、充電間隔の計測は、外部接続装置200のメインコンデンサ230が充電回路220により最初に規定電圧以上の充電電圧まで充電され、その充電が完了した時点から開始される。
【0048】
なお、充電回路220は、メインコンデンサ230に対する充電動作を通じて、メインコンデンサ230の充電電圧を検出できる。よって、メインコンデンサ230を充電している場合は、メインコンデンサ230の充電電圧により充電の完了を確認できる。
【0049】
充電されたメインコンデンサ230について充電間隔が経過すると(ステップS201:YES)、充電制御部118は、メインCPU110に対して充電許可を要請する(ステップS202)。充電許可を要請されたメインCPU110は、カメラシステム10全体の状態が、充電を許可できる状態であるか否かを調べる。
【0050】
即ち、外部接続装置200のメインコンデンサ230を充電する場合、カメラ本体100の電源120である二次電池は大きな電流を放電する。このため、レンズ駆動、シャッタチャージ等の、他の大電流駆動と充電とが同時に実行されると、電源電圧が著しく低下する場合がある。
【0051】
そこで、充電許可を要請されたメインCPU110は、カメラ本体100における他の要素のうち、大きな電力を消費するものが動作していないか、また、動作する可能性が高くないかを調べ、充電のために電力を割くことができるか否かを判断する。これにより、充電回路220がメインコンデンサ230を充電しても差し支えないとの判断した場合は、充電制御部118に充電の許可を与える(ステップS203:YES)。
【0052】
なお、メインCPU110から充電許可を取得できない場合(ステップS203:NO)、充電制御部118は、他の電力供給が終わるまで待機して、メインコンデンサ230への充電開始を遅延させる。この待機期間中もメインコンデンサ230の充電電圧は降下するので、メインコンデンサ230は、規定電圧に対して余裕をもった電圧まで充電しておくことが好ましい。あるいは、充電制御部118は、単位時間当たりの電力供給量を低減させて、メインコンデンサ230への充電を開始するようにしてもよい。
【0053】
充電の許可を取得した充電制御部118は(ステップS206:YES)、充電回路220に対して、メインコンデンサ230に対する充電開始の指示を送信する(ステップS204)。更に、充電制御部118は、メインコンデンサ230の充電が完了した旨の通知を充電回路から受けると、再び、充電間隔の計測を開始する(ステップS201)。以下、この充電制御のシーケンスは、カメラシステム10の撮影待機期間を通じて継続される。
【0054】
また、外部接続装置200に対する設定値が変更された場合、決定部116は、新しい充電間隔を決定して、充電制御部118に取得させる。これにより、充電制御部118は、新しい充電間隔を用いて、設定値に応じた充電制御を開始する。
【0055】
図7は、上記のような充電制御を受けた外部接続装置200におけるメインコンデンサ230の充電電圧の変化を模式的に示すグラフである。図示のように、当初、メインコンデンサ230は、規定電圧よりも高い充電電圧まで充電される。充電回路220の充電が停止すると、充電制御部118は、決定部116が決定した充電間隔を計測し、充電間隔が経過すると、充電回路220に再び充電を指示する。これにより、メインコンデンサ230の充電電圧は、常に、発光許可電圧よりも高く維持される。
【0056】
このように、カメラシステム12においては、カメラ本体100に配された制御装置119が、外部接続装置200から当該機種の充電情報を取得して、充電制御部118に充電制御を実行させる。よって、カメラ本体100に対して、機種の異なる外部接続が装着された場合も、個別の充電情報を取得して、適切な充電制御を実行できる。
【0057】
図8は、他の実施形態に係るカメラシステム11の構成を模式的に示すブロック図である。カメラシステム11は、以下に説明する部分を除くと、図1に示したカメラシステム10と同じ構造を有する。そこで、図1に示したカメラシステム10と同じ要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0058】
カメラシステム11において、カメラ本体100は、記録部111を備える。記録部111は、カメラ本体100に装着することができる外部接続装置200の機種のリストと、当該機種の各々に係る充電情報とを格納している。よって、メインCPU110は、外部接続装置200との通信により当該外部接続装置200の機種が判別した場合に、記録部111から当該機種の充電情報を読み出して、決定部116に取得させることができる。なお、外部接続装置200に記録部212は設けられていない。
【0059】
図9は、カメラシステム11の起動シーケンスの一部を示す流れ図である。図9において、百番台の符号が付されたステップにおけるカメラ本体100の動作は、図5に示した流れ図と同じである。図5の流れ図と異なる点は、三百番台の符号を付したステップS303、S304、S305にある。
【0060】
即ち、カメラ本体100のメインCPU110は、外部接続装置200が装着されていることが判った場合(ステップS101:YES)、外部接続装置200との初期通信により、接続された外部接続装置200の機種を示す装置情報を取得する。装置情報を獲得したメインCPU110は、取得した装置情報をキーにして記録部111を検索し、接続された外部接続装置200の充電情報を検索する(ステップS303)。
【0061】
記録部111から充電情報を検索できなかった場合(ステップS304:NO)は、当該外部接続装置200に係る充電制御を実行することはできないので、カメラ本体100はそのまま撮影待機状態になる。一方、記録部111から充電情報が抽出された場合(ステップS304:YES)、メインCPU110は、記録部111から充電情報を読み込み(ステップS305)、当該充電情報を決定部116に取得させる。
【0062】
続いて、決定部116は、サブCPU112から、カメラ本体100の操作部114により指定された外部接続装置200の設定値を取得する(ステップS105)。更に、決定部116は、取得した設定値に応じた充電間隔を充電情報から抽出して、充電制御に用いる充電間隔を決定する(ステップS106)。
【0063】
これ以降の制御は、図5に示した場合と変わりない。また、撮影待機状態となった後のカメラ本体100による充電制御は、図6に示した手順の通りとなる。このように、カメラシステム11は、カメラ本体100に記録部111を配することにより、カメラ本体100および外部接続装置200の通信量を増加させることなく充電制御を実行できる。
【0064】
図10は、また他の実施形態に係るカメラシステム12の構成を模式的に示すブロック図である。カメラシステム12は、以下に説明する部分を除くと、図1に示したカメラシステム10と同じ構造を有する。そこで、図1に示したカメラシステム10と同じ要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0065】
カメラシステム12において、カメラ本体100のメインCPU110には、設定値通知部113が形成される。設定値通知部113は、カメラ本体100において、操作部114を通じて入力された設定値、メインCPU110において算出された発光モード、発光量等の設定値を、メインCPU110と外部接続装置200のMPU210との通信を通じて、外部接続装置200側に通知する。
【0066】
また、カメラシステム12においては、閃光照明装置である外部接続装置200には、決定部216および充電制御部218を含む制御装置219が配される。即ち、このカメラシステム12においては、充電回路220によるメインコンデンサ230の充電を制御する制御装置219が外部接続装置200側に配される。
【0067】
外部接続装置200において、決定部216は、カメラ本体100との通信を通じて、設定値通知部113から設定値を取得する。また、決定部216は、取得した設定値をキーとして、記録部212の充電情報からメインコンデンサ230の充電間隔を取得する。こうして、決定部216は、設定値と充電情報とからメインコンデンサ230に対する充電間隔を決定する。
【0068】
上記のようなカメラシステム12においても、図6に示した充電制御を実行できる。即ち、充電制御部218は、決定部216が決定した充電間隔を取得して、充電制御を開始する。充電制御部218は、メインコンデンサ230が最後に充電された時点から時間を計測して、充電間隔が経過するまで待機する(ステップS201:NO)。
【0069】
充電間隔が経過すると(ステップS201:YES)、充電制御部218は、MPU210およびメインCPU110の通信を通じて、メインCPU110に充電許可を要請する。充電許可を要請されたメインCPU110は、カメラシステム12全体が、充電を許可できる状態にあるか否かを調べる。
【0070】
カメラシステム12がメインコンデンサ230を充電しても差し支えない状態にあるとの判断した場合、メインCPU110は、MPU210との通信を通じて充電制御部218に充電の許可を与える(ステップS203:YES)。メインCPU110から充電許可を取得できない場合(ステップS203:NO)、充電制御部218は、充電許可が得られるまで待機して、メインコンデンサ230への充電開始を遅延させる。
【0071】
充電の許可を取得した充電制御部218は(ステップS203:YES)、充電回路220に対して、メインコンデンサ230に対する充電開始をする(ステップS204)。更に、充電制御部218は、メインコンデンサ230の充電が完了した旨の通知を充電回路220から受けると、再び、充電間隔の計測を開始する(ステップS201)。以下、この充電制御のシーケンスは、カメラシステム10の撮影待機期間を通じて継続される。
【0072】
このように、カメラシステム12においては、カメラ本体100から設定値を取得することにより、外部接続装置200が自律的に充電制御を実行する。よって、カメラ本体100のメインCPU110に負担をかけることなく、充電制御を実行できる。
【0073】
なお、上記の例では、外部接続装置200として閃光照明装置を例に挙げた。しかしながら、外部接続装置200が閃光照明装置に限られないことはもちろんである。即ち、カメラシステム10においてカメラ本体100に装着される外部接続装置200は、連続照明装置(ビデオライト)、多灯発光指示ユニット、GPS(Global Positioning System)ユニット等、多肢にわたる。これらカメラアクセサリのうち、蓄電素子を備えるものについては、上記のような充電制御を適用することができる。
【0074】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0075】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0076】
10、11、12 カメラシステム、100 カメラ本体、110 メインCPU、111、212 記録部、112 サブCPU、113 設定値通知部、114 操作部、116、216 決定部、118、218 充電制御部、119、219 制御装置、120 電源、130 表示部、140 撮像部、142 光電変換素子、152 レンズI/F、154 外部接続I/F、160 内蔵フラッシュ回路、172 プログラムメモリ、174 主記憶装置、176 二次記憶媒体、180 モータ駆動部、200 外部接続装置、210 MPU、220 充電回路、230 メインコンデンサ、240 発光部、250 遮断スイッチ、300 レンズユニット、310 光学系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子の放電によって駆動される被駆動部を有する外部接続装置の前記蓄電素子への、電源を有する撮像装置からの充電動作を制御する制御装置であって、
前記被駆動部の動作に関する設定値と前記蓄電素子の充電に関する充電情報を取得して、前記電源による前記蓄電素子の定期的な間欠充電の充電間隔を決定する決定部と、
前記決定部によって決定された前記充電間隔に従って前記電源から前記蓄電素子への充電を実行する充電制御部と
を備える制御装置。
【請求項2】
前記充電情報は、前記外部接続装置が備える記録部に記録された、前記外部接続装置の複数の設定状態に対する各々の前記充電間隔を示す参照テーブルである請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記充電情報は、前記外部接続装置との通信結果から得られる装置情報に基づいて抽出される、前記撮像装置に記憶された、前記外部接続装置の複数の設定状態に対する各々の前記充電間隔を示す参照テーブルである請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記外部接続装置は、前記被駆動部として閃光型発光素子を備え、前記蓄電素子としてコンデンサおよびキャパシタの少なくとも一方を備える照明装置である請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記外部接続装置は、前記充電制御部による前記充電を強制的に遮断する遮断スイッチを備える請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記充電制御部は、前記電源が他の駆動部に電力を供給するときは、前記蓄電素子への前記充電を遅延させる、または、単位時間当たりの電力供給量を低減させる請求項1から5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
蓄電素子と前記蓄電素子の放電によって駆動される被駆動部とを有する外部接続装置が装着される撮像装置であって、
前記蓄電素子を充電する電源と、
前記被駆動部の動作に関する設定値と前記蓄電素子の充電に関する充電情報を取得して、前記電源による前記蓄電素子の定期的な間欠充電である充電間隔を決定する決定部と、
前記決定部によって決定された前記充電間隔に従って前記電源から前記蓄電素子への充電を実行する充電制御部と
を備える撮像装置。
【請求項8】
電源を有する撮像装置へ装着して用いる外部接続装置であって、
前記電源から電力を供給されて充電される蓄電素子と、
前記蓄電素子の放電によって駆動される被駆動部と、
前記被駆動部の動作に関する設定値と前記蓄電素子の充電に関する充電情報を取得して、前記電源による前記蓄電素子の定期的な間欠充電である充電間隔を決定する決定部と、
前記決定部によって決定された前記充電間隔に従って前記撮像装置へ充電を要求する充電制御部と
を備える外部接続装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−39766(P2012−39766A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177875(P2010−177875)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】