説明

制御装置及び制御方法

【課題】車両が水没した際にアクセサリが用いる電源の生成を確実に制御できる制御装置等を提供する。
【解決手段】
車載アクセサリへ電力を供給制御する制御装置であって、外部のアクセサリ起動信号と、水没検知部から車両が水没したことを表す水没検知信号を入力する入力部と、入力部において起動信号を入力する場合に、アクセサリに対する電力の供給を実行し、入力部において水没検知信号を入力する場合に、車両の乗員を救援する救援機能を有するアクセサリへ電力の供給を実行し、車両の乗員を救援する救援機能を有しないアクセサリへ電力の供給を実行しない実行部と、を備える。これによれば、車両の水没を検知した場合に、起動信号を入力しなくとも救援機能を有するアクセサリへ電力を確実に供給できるだけでなく、他のアクセサリへ供給する電力を削減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の水没時において車両電源の生成を制御する制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、車両が川又は海等に転落して車内に水が浸入した事態を含む緊急事態が車両に発生したことを検出すると共に、検出した事態の発生を車両の外部へ発信できる車両搭載緊急信号発信システムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この車両搭載緊急信号発信システムは、車両に生じる衝撃を検出するセンサと、車両の水没を検出するセンサと、センサの検出結果に基づいて緊急事態の発生の有無を判断する緊急判断部と、救急判断部が緊急事態であると判断した場合に、光、音、又は電波を用いて緊急事態の発生を表す緊急信号を出力する緊急信号出力部とを有することを特徴としている。
【0004】
また、車両が水没した場合に、パワーウィンドウを制御するボディ系の制御装置への電源を確保できる車両が知られている。この車両は、他の制御装置への電源供給を停止することで、車両の消費電力を軽減する。これによって、電源を確保された制御装置が、乗員の窓からの脱出が容易になるようにウインドウを確実に制御できる。
【0005】
この車両は、水没を検知する検知センサと、検知センサが水没を検知して出力する水没検知信号WDIを受けた場合に、パワーウィンドウ等のボディ系の機器へ電源を中継するリレーを駆動させる信号IG1DをHi(つまり、中継を命じる信号)に保持すると共に、スタータ等のボディ系以外の装置を駆動させる信号ST2をLo(つまり、停止を命じる信号)に変化させて各機器が消費する電力を制御する制御部とを備えることを特徴としている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−307261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載のシステムは、例えば、ナビゲーション機器、オーディオ機器、ディスプレイ、又は通信機器等の水没した車両の乗員を救援する救援機能を有するアクセサリに対して、車両が水没する際に確実に電源を供給する機能及び構成を有しない。
【0008】
また、上記の車両においても同様に、パワーウィンドウ等のボディ系の機器に電源を供給できるが、救援機能を有するアクセサリ系の機器に対して、車両が水没する際に確実な電源を供給できないという問題があった。
【0009】
特に、上記の車両は、乗員の脱出のためにボディ系のパワーウィンドウに電源を供給する。このため、救援機能を有する機器以外のアクセサリ系の機器にまで電源を供給する構成を採用すると、上記の車両は、搭載する蓄電池の有限な電力を救援機能を有するアクセサリへ効率的に供給できないという問題が生じる。
【0010】
そこで、本発明の目的とするところは、車両が水没した際に乗員を救援する救援機能を有するアクセサリへ電力を供給する電源の生成を確実に制御できる制御装置及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る制御装置は、車載アクセサリへ電力を供給制御する制御装置であって、外部のアクセサリ起動信号と、水没検知部から車両が水没したことを表す水没検知信号を入力する入力部と、入力部において起動信号を入力する場合に、アクセサリに対する電力の供給を実行し、入力部において水没検知信号を入力する場合に、車両の乗員を救援する救援機能を有するアクセサリへ電力の供給を実行し、車両の乗員を救援する救援機能を有しないアクセサリへ電力の供給を実行しない実行部と、を備えることを特徴としている。
【0012】
上記構成において、実行部は、入力部が水没検知信号を入力した場合に、水没検知信号が水没を検知した車両の乗員を救援する救援機能を有するアクセサリへ電力を供給することを許可すると共に、救援機能を有さないアクセサリへ電力を供給することを禁止する処理を実行し、車両に搭載した蓄電池が供給する電力に基づいて、実行部が許可したアクセサリに電力を供給する電源を生成すると共に、禁止したアクセサリに電力を供給する電源を生成しない生成部を更に備える構成を採用できる。
【0013】
上記構成において、実行部は、入力部が水没検知信号を入力した場合に、アクセサリを制御する装置に対して、水没検知信号が水没を検知した車両の乗員を救援する救援機能を有するアクセサリが機能を発揮する制御を行う処理の実行を許可すると共に、アクセサリが有する他の機能を発揮する制御を行う処理の実行を禁止する処理を実行し、車両に搭載した蓄電池が供給する電力に基づいて、アクセサリに電力を供給する電源を生成する生成部を更に備える構成を採用できる。
【0014】
上記構成において、救援機能は、車両の外部へ救援を求める救援内容、及び車両の外部から救援を行う救援内容のいずれか1つ以上を通信する通信機能、通信機能の発揮により通信した救援内容を音声として出力する音声出力機能、及び救援内容を表示する表示機能の内で、通信機能を含む少なくとも1つ以上の機能を含む構成を採用できる。
【0015】
本発明に係る制御方法は、車載アクセサリへ電力を供給制御する制御方法であって、外部のアクセサリ起動信号と、水没検知部から車両が水没したことを表す水没検知信号を入力する入力ステップと、入力ステップにおいて起動信号を入力する場合に、アクセサリに対する電力の供給を実行し、入力ステップにおいて水没検知信号を入力する場合に、車両の乗員を救援する救援機能を有するアクセサリへ電力の供給を実行し、車両の乗員を救援する救援機能を有しないアクセサリへ電力の供給を実行しない実行ステップとを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の制御装置及び制御方法によれば、車両の水没を検知した場合に、起動信号を入力しなくとも救援機能を有するアクセサリへ電力を確実に供給できるだけでなく、他のアクセサリへ供給する電力を削減できる。
【0017】
請求項3の制御装置によれば、車両の水没を検知した場合に、救援機能の発揮を許可すると共に他の機能の発揮を禁止するため、救援機能を発揮するアクセサリへ確実に電力を供給できるだけでなく、他の機能の発揮によりアクセサリで消費される電力を削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0019】
先ず、本発明の制御装置について説明する前に、図1を参照して、従来の制御装置で構成される電源システムについて説明する。図1は、従来の制御装置で構成される電源システムの一実施例を示すシステム構成図である。
【0020】
図1に示す電源システム1は、車両に搭載される電源システムである。本実施例において、車両は、例えば、乗用車、バス、及びトラック等の自動車で構成されるとして説明を行う。しかし、これに限定される訳ではなく、車両は、原動機付自転車、軽車両、及びトロリーバス、並びに戦車、装甲車等の軍用車両で構成される実施例を採用できる。更に、電源システム1は、電車、船舶、航空機、及び宇宙機に搭載される構成を採用できる。
【0021】
電源システム1は、蓄電池10、継電器制御装置20、継電器30、従来の制御装置である電源制御装置40、アクセサリ制御装置50(以下単に、ACC制御装置50という)、及びアクセサリ60で構成されている。電源システム1は、アクセサリ60へ電力を供給する電源の生成及び制御に用いるシステムである。
【0022】
蓄電池10は、例えば、鉛蓄電池等の一般型のバッテリで構成される。蓄電池10は、継電器制御装置20、継電器30、及び電源制御装置40に接続する。蓄電池10は、接続する装置及び機器に対して電力を供給する。
【0023】
尚、本実施例において、蓄電池10は、鉛蓄電池等の一般型のバッテリで構成されるとして説明したが、これに限定される訳ではない。例えば、蓄電池10は、レドックス・フロー電池等の液循環型のバッテリ、アルミニウム・空気電池等のメカニカルチャージ型のバッテリ、及びナトリウム・硫黄電池等の高温動作型のバッテリである構成を採用できる。
【0024】
継電器制御装置20は、例えば、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)で構成される。継電器制御装置20は、蓄電池10、継電器30、及び電源制御装置40に接続する。継電器制御装置20は、電源制御装置40に供給される電力を中継する継電器30の駆動を制御することで、電源制御装置40が生成する電源を制御する。
【0025】
ここで、図2を参照して、継電器制御装置20の構成について説明を行う。図2は、継電器制御装置20の一構成例を表すハードウェア図である。
【0026】
図2に示す継電器制御装置20は、実行部23、通信部24、及び駆動部25で構成される。
【0027】
実行部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)で構成される。実行部23は、通信部24と接続する。実行部23は、車両の乗員を救援する救援機能を有する車載のアクセサリに対する電力の供給を制御する供給制御処理と、供給制御処理に従って電力の供給を命じる供給信号を出力する出力処理とを実行する。具体的には、実行部23は、例えば、不図示のROM(Read-Only Memory)が記憶するプログラムが表すソフトウェア処理を実行する。
【0028】
供給制御処理は、例えば、イグニッション・キーをACCの位置にしたことを表す信号に基づいて継電器30を駆動させる制御を行うことで、アクセサリ60に対して電力を供給するよう電源制御装置40を制御する処理を含む。
【0029】
更に、出力処理は、実行部23がアクセサリに対して電力を供給するよう電源制御装置40を制御する場合に、論理値「1」(つまり、値「Hi」)である供給信号を通信部24を介して駆動部25へ出力し、そうでない場合に論理値「0」(つまり、値「Lo」)である供給信号を出力する処理を含む。
【0030】
通信部24は、例えば、シリアル−パラレル通信、及びパラレル−シリアル通信を行う論理回路で構成される。通信部24は、実行部23とパラレル接続し、駆動部25とシリアル接続する。通信部24は、実行部23がパラレル出力する信号を駆動部25へシリアル出力する。
【0031】
駆動部25は、例えば、リレー駆動回路で構成される。駆動部は、通信部24及び継電器30に接続する。駆動部25は、通信部24を介して実行部23が論理値「Hi」の供給信号を出力する場合において、電源制御装置40が用いる電力を中継する継電器30の駆動を制御し、車両に搭載された蓄電池10の供給する電力を中継させる。具体的には、駆動部25は、値「Hi」の駆動信号ACCDを出力することで、継電器30を駆動させて電力を中継させる。
【0032】
ここで、図1に戻り、電源システム1の構成について引き続き説明を行う。
【0033】
継電器30は、例えば、リレーで構成される。継電器30は、蓄電池10、継電器制御装置20、及び電源制御装置40に接続する。継電器30は、継電器制御装置20が値「Hi」の信号ACCDを出力する場合に、車両に搭載された蓄電池10の供給する電力を電源制御装置40へ中継し、そうでない場合に電力の中継を中断する。尚、継電器30が中継する電源をACC電源という。
【0034】
電源制御装置40は、例えば、ナビゲーション電源ボード(以下、Navi電源ボードという)で構成される。電源制御装置40は、蓄電池10、継電器制御装置20、及び継電器30に接続する。電源制御装置40は、ナビゲーションシステムを実現するアクセサリ60へ電力を供給する電源の生成を制御する。
【0035】
ここで、図3を参照して、電源制御装置40の構成について説明する。図3は、電源制御装置40の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【0036】
図3に示す電源制御装置40は、第1生成部41、実行部42、RAM43、ROM44、第2生成部45aから45cで構成される。
【0037】
第1生成部41は、例えば、電源IC(Integrated Circuit)で構成される。第1生成部41は、蓄電池10、継電器30、及び実行部42に接続する。第1生成部41は、継電器30が中継するACC電源に基づいて、実行部42に電力を供給する第1電源を生成する。尚、以下単に、第1生成部41が生成する電源を第1電源といい、後述する第2生成部45aから45cが生成する電源を第2電源という。
【0038】
第1生成部41は、外部のACC電源に基づいて生成した第1電源が供給する電力を、実行部42の起動を促す起動信号として実行部42へ入力する。よって、以下、第1生成部41を起動信号入力部41ともいう。
【0039】
実行部42について説明する前に、RAM43及びROM44について説明を行う。
【0040】
RAM43は、例えば、DRAM(Dynamic RAM)又はSRAM(Static RAM)等の揮発性メモリ及びNVRAM(Non Volatile RAM)等の不揮発性メモリで構成される。RAM43は、実行部42に接続する。
【0041】
ROM44は、例えば、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の読み出し専用メモリで構成される。ROM44は、実行部42に接続する。
【0042】
実行部42は、例えば、CPUで構成される。実行部42は、第1生成部41、RAM43、ROM44、第2生成部45aから45cに接続する。実行部42は、第1生成部41が生成した第1電源から電力の供給を受けてソフトウェア処理を実行する。つまり、実行部42は、第1生成部41が継電器30から電力を中継されて起動信号を入力した場合に、ソフトウェア処理を実行する。
【0043】
実行部42が実行するソフトウェア処理は、第2生成部45aから45cに対して、第2電源の生成を許可する値「Hi」の信号(以下単に、許可命令という)を出力する処理を含む。尚、実行部42が、第1生成部41から電力の供給を受けない場合にはソフトウェア処理を実行せず、第2生成部45aから45cに対して、第2電源の生成を許可しない値「Lo」の信号(以下単に、不許可命令という)を出力し続ける。
【0044】
ここで、ソフトウェア処理は、後述するRAM43又はROM44に格納したプログラムを実行部42が読み、読込んだプログラムに従って実行部42が演算を行うことにより各種の機能を実現する。なお、RAM43には、演算結果のデータが書き込まれ、特にNVRAMには、電源オフ時にバックアップが必要なデータが保存される。
【0045】
第2生成部45aから45cは、例えば、電源ICで構成される。第2生成部45aから45cは、蓄電池10、実行部42、ACC制御装置50、及びアクセサリ60に接続する。第2生成部45aから45cは、実行部42から第2電源の生成を許可する値「Hi」の信号を取得する場合に、蓄電池10が供給する電力を用いて、第2電源を生成する。尚、第2生成部45aから45cは、値「Lo」の信号を取得する場合には、第2電源を生成しない。
【0046】
ここで、第2生成部45aは、後述する表示装置60aを制御するACC制御装置50aに対して電力を供給する第2電源を生成する。第2生成部45b及び45cの接続、構成、及び機能については、第2生成部45aとほぼ同様であるので、説明を省略する。
【0047】
ACC制御装置50は、例えば、ECUで構成される。ACC制御装置50は、ACC制御装置50aから50cの総称である。ACC制御装置50aは、第2生成部45a及び表示装置60aに接続する。ACC制御装置50aは、第2生成部45aが生成した第2電源を用いて表示装置60aが表示機能を発揮する制御を行うACC制御処理を実行する。
【0048】
尚、ACC制御装置50がACC制御処理を実行するために用いるハードウェア構成は、実行部42がソフトウェア処理を実行するために用いるハードウェア構成と同様であるので説明を省略する。尚、第2生成部45b及び45cの接続、構成、及び機能については、第2生成部45aとほぼ同様であるので、説明を省略する。
【0049】
アクセサリ60は、自動車部品の中で走行性能に関係なく乗員の嗜好性又は環境の変化に応じて乗員の安全性、快適性、居住性、又は経済性を与える部品をいう。具体的には、アクセサリ60は、カーナビゲーションシステムを実現する機器、又はカーステレオ等の装置を含む。本実施例において、アクセサリ60は、表示装置60a、音声出力装置60b、及び外部通信装置60cの総称であるとする。
【0050】
表示装置60aは、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、又はCRT(Cathode Ray Tube)で構成される。表示装置60aは、第2生成部45a及びACC制御装置50aに接続する。表示装置60aは、第2生成部45aが生成した第2電源が供給する電力を用いて、ACC制御装置50aの制御に従って、各種の情報を表示する。
【0051】
例えば、表示装置60aは、ナビゲーションシステムが表示する地図及び車両の現在位置等を表示する。また、例えば、車両が水没等した場合には、車両の外部へ乗員が救援を求める救援内容、及び車両の外部から救援を行う救援内容のいずれか1つ以上であって、後述する外部通信装置60cが通信した救援内容を表示する救援機能を発揮する。
【0052】
音声出力装置60bは、例えば、スピーカで構成される。音声出力装置60bは、第2生成部45b及びACC制御装置50bに接続する。音声出力装置60bは、第2生成部45bが生成した第2電源が供給する電力を用いて、ACC制御装置50bの制御に従って、各種の音声を出力する。
【0053】
例えば、音声出力装置60bは、ナビゲーションシステムが車両の進路を誘導する音声、操作を誘導する音声、エラー又は警告を報告する音声、又はその他の音楽等を音声出力する。また、後述する外部通信装置60cが通信した救援内容を音声として出力する救援機能を発揮する。
【0054】
外部通信装置60cは、例えば、携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、無線機、又は車載ビーコン送受信機等で構成される。外部通信装置60cは、第2生成部45c及びACC制御装置50cに接続する。外部通信装置60cは、第2生成部45cが生成した第2電源が供給する電力を用いて、ACC制御装置50cの制御に従って、各種の情報を通信する。
【0055】
例えば、外部通信装置60cは、通話機能の発揮を行う。また、外部通信装置60cは、自車の位置に関する情報、又は他の車両に関する情報、特に、渋滞に関する情報等を通信する。また、救援内容を車両の外部の通信装置と通信する救援機能を発揮する。
【0056】
ここで、救援機能以外の他の機能に関して具体的に説明する。表示装置60aが発揮する救援機能以外の他の機能としては、映画を画像表示する機能が含まれる。この救援機能以外の機能を発揮するために、表示装置60aは、例えば、有機EL(ElectroLuminescent)素子又は発光Di(Diode)等の当該装置を構成する光輝素子へ電力を供給する必要がある。
【0057】
また、例えば、オーディオ機器等で構成される音声出力装置60bが発揮する救援機能以外の他の機能としては、CD・DVDチャンジャー(Compact Disc Changer・Digital Versatile Disk Changer)の有するディスク交換機能、CD・DVD再生機能、及び冷却ファン等により装置内部を冷却する冷却機能が挙げられる。
【0058】
更に、外部通信装置60cが発揮する救援機能以外の他の機能としては、道路交通情報通信システム(VICS:Vehicle Information and Communication System)等の渋滞情報の受信機能、若しくはラジオ又はテレビ放送の受信機能及び受信機能の発揮により受信した信号の増幅機能が挙げられる。
【0059】
また更に、これらの装置60aから60cで実現されるナビゲーションシステム又は装置が発揮する救援機能以外の他の機能としては、車両の位置又は車両周辺の地理に関する情報以外の情報を検索する機能、及び冷却ファン等の冷却機能が挙げられる。
【0060】
次に、図4を参照して、従来の電源システム1を搭載した車両が水没した場合において、継電器制御装置20を構成する実行部23及び駆動部25、並びに電源制御装置40を構成する実行部42が出力する信号について説明を行う。図4は、車両が水没した場合において、従来の電源システム1が出力する信号の一例を表す図である。
【0061】
先ず、時刻Tr前において各装置が出力する信号について、図4(a)から(e)を参照して説明する。
【0062】
図4(a)は、継電器制御装置20を構成する実行部23が出力する供給信号の一例を表す図である。図4(a)に示すように、時刻Tr前において、実行部23は、アクセサリに対する電力の供給を命じる値「Hi」の供給信号を出力している。
【0063】
図4(b)は、継電器制御装置20を構成する駆動部25が出力するACCD信号の一例を表す図である。図4(b)に示すように、時刻Tr前において、駆動部25は、実行部23が出力する値「Hi」の供給信号に基づいて、電源制御装置40へ電源を中継させる値「Hi」のACCD信号を出力している。
【0064】
図4(c)から(e)は、電源制御装置40を構成する実行部42が出力する信号の一例を表す図である。図4(c)から(e)に示すように、時刻Tr前において、実行部42は、駆動部25が出力する値「Hi」のACCD信号を受けて継電器30が中継するACC電源を供給されている。ACC電源を供給された実行部42は、アクセサリ60aから60cに電力を供給する第2電源の生成を許可する値「Hi」の信号を、第2生成部45aから45cへ出力している。尚、第2生成部45aから45cは、信号に従って第2電源の生成を行っている。
【0065】
次に、時刻Tr後において各装置が出力する信号について、再度、図4(a)から(e)を参照して説明する。
【0066】
図4(a)に示すように、時刻Trにおいて、例えば、車両の水没による影響を受けて、実行部23は暴走するなどした結果として停止した(CPUリセットがかかった)。よって、時刻Tr後において、実行部23は、値「Lo」の信号を出力し続ける。
【0067】
図4(b)に示すように、時刻Tr後において、駆動部25は、実行部23が出力する値「Lo」の供給信号に基づいて値「Lo」のACCD信号を出力し続ける。
【0068】
図4(c)から(e)に示すように、時刻Tr後において、駆動部25が出力する値「Lo」のACCD信号を受けて継電器30がACC電源の中継を中断するため実行部42は停止する。よって、実行部42は、第2電源の生成を許可しない値「Lo」の信号を出力し続ける。尚、第2生成部45aから45cは、信号に従って第2電源の生成を中断し続ける。
【0069】
この構成によれば、例えば、ナビゲーションシステムを実現する表示装置60a、音声出力装置60b、又は外部通信装置60c等の救援機能を有するアクセサリ60に対して、車両が水没する際に確実な電源を供給することができない。
【0070】
つまり、従来の電源システム1は、ソフトウェア処理を実行することで実行部23が出力する値「Hi」の供給信号に基づいて、継電器30に電力を中継させる値「Hi」のACCD信号を出力する構成を採用している。このため、実行部23(つまり、CPU)の停止によって電源制御装置40に対する電力の中継が容易に中断してしまう。よって、電源制御装置40が、救援機能を有するアクセサリ60に対して電力を供給する確実な第2電源を生成できないという問題があった。
【0071】
また、車両が水没する際にアクセサリ60へ電力を供給する構成を、従来の電源システム1に対して単に追加するのでは、救援機能を有しないアクセサリ60に対しても電源を供給するため、蓄電池10が蓄積する有限な電力を救援機能を有するアクセサリ60へ効率的に供給できないという問題が生じる。
【0072】
よって、上記課題を解決できる電源制御装置(本発明に係る制御装置)を備える電源システムについて、図5を参照して、説明を行う。図5は、本発明の制御装置である電源制御装置を備える電源システム11の一例を表すシステム構成図である。
【0073】
図5に示す電源システム11は、従来の電源システム1と同様に、蓄電池110、継電器制御装置120、継電器130、電源制御装置140、ACC制御装置150、及びアクセサリ160で構成されるため、以下主に、従来の電源システム1との差異について説明する。
【0074】
電源システム11は、システムを搭載した車両の水没を検出した場合に、後述する電源処理を実行することで、車両の乗員を救援する救援機能を発揮するアクセサリ160へ電力を供給する電源を生成すると共に、救援機能を有さないアクセサリ160へ電源を生成しないシステムである。
【0075】
継電器制御装置20は、後述する継電器制御処理を実行することで、車両の水没を検出した場合に、電源制御装置140へ電力を中継するよう継電器130を制御する。
【0076】
ここで、図6を参照して、本件発明の継電器制御装置120の構成について説明を行う。図6は、継電器制御装置120の一構成例を表すハードウェア図である。
【0077】
図2に示す継電器制御装置120は、実行部123、通信部124、及び駆動部125のみならず、水没検知部121及び入力部122で構成される点で、従来の継電器制御装置20と異なる。
【0078】
水没検知部121は、例えば、水没検知センサで構成される。水没検知部121は、入力部122及び電源制御装置140に接続する。水没検知部121は、車両の水没を検知すると共に、車両の水没を検知したことを表す水没検知信号WDIを出力し続ける。
【0079】
尚、本実施例において、水没検知部121は、互いに離れて配設される一対の水没検出電極により構成され、水没に伴って両水没検出電極間の電気抵抗値が減少することで車両の水没を検出するとして説明を行うが、これに限定される訳ではない。
【0080】
入力部122は、例えば、論理回路で構成される。入力部122は、水没検知部121及び駆動部125に接続する。入力部122は、水没検知部121が出力する水没検知信号WDIを取得すると値「Hi」の水没検知信号WDIを駆動部125へ出力し、そうでない場合には値「Lo」の信号を出力する。
【0081】
駆動部125は、通信部124、及び継電器130のみならず入力部122にも接続する。駆動部125は、通信部124を介して実行部123が値「Hi」の供給信号を出力する場合及び入力部122が値「Hi」の水没検知信号WDIを入力する場合のいずれかひとつ以上の場合において、継電器130を駆動させて蓄電池110の供給する電力を中継させる。具体的には、駆動部125は、入力部122が入力する論理値と、実行部123が通信部124を介して出力する論理値とのOR演算を行い、演算値の駆動信号ACCDを継電器130へ出力する。
【0082】
ここで、車両の水没を検知した水没検知部121は、値「Hi」の水没検知信号WDIを出力し続ける。よって、駆動部125は、実行部123が出力する信号の値によらず、値「Hi」の駆動信号ACCDを出力し続けて、継電器30にACC電源を中継させ続ける。特に、ソフトウェア処理の実行により値「Hi」の信号を出力する実行部123が、例えば、浸水の影響を受けて停止(リセット)した場合であっても、OR演算をするハードウェア回路は、それとは無関係に値「Hi」の駆動信号ACCDを確実に出力し続ける。
【0083】
この構成によれば、車両の水没を検知した場合において、救援機能を有するアクセサリ160に電力を供給する第2電源の生成を制御する電源制御装置140に対して、確実にACC電源を中継させることができる。
【0084】
ここで、図7を参照して、継電器制御装置120が水没を検知した場合に実行する継電器制御処理について説明する。図7は、継電器制御装置120が実行する継電器制御処理の一例を表すフローチャートである。尚、継電器制御装置120は、この継電器制御処理を起動時に実行する。
【0085】
先ず、継電器制御装置120は、実行部123で上記の供給制御処理を実行する(ステップS01)。次に、継電器制御装置120は、実行部123で、供給制御処理の実行に伴って上記の供給信号を出力する出力処理を実行する(ステップS02)。その後、継電器制御装置120は、水没検知部121で水没を検知すると水没検知信号WDIを出力する(ステップS03)。次に、継電器制御装置120は、入力部122で、値「Hi」の水没検知信号WDIを入力する(ステップS04)。
【0086】
次に、継電器制御装置120は、駆動部125で、供給信号と水没検知信号WDIとをOR演算する(ステップS05)。その後、継電器制御装置120は、駆動部125からOR演算した値の信号ACCDを出力して、継電器130を駆動させる(ステップS06)。次に、継電器制御装置120は、上記ステップS01に戻り、上記処理を繰り返す。
【0087】
尚、この継電器制御装置120を用いて継電器制御方法を実施できる。この継電器制御方法は、車両の乗員を救援する救援機能を有する車載のアクセサリ160へ電力を供給する電源の生成を制御する電源制御装置140が用いる電力の中継を制御する継電器制御方法であって、車両の水没を検知したことを表す水没検知信号WDIを入力する入力ステップと、前記車両の乗員を救援する救援機能を有する車載のアクセサリ160に対する電力の供給を制御する制御処理と、前記制御処理に従って電力の供給を命じる供給信号を出力する出力処理とを実行する実行ステップと、前記実行ステップで供給信号を出力する場合及び前記入力ステップで水没検知信号WDIを入力する場合のいずれかひとつ以上の場合において、前記電源制御装置140が用いる電力を中継する継電器を駆動させることで、前記車両に搭載された蓄電池110の供給する電力を中継する駆動ステップとを備えることを特徴とする。
【0088】
この構成によれば、車両の水没を検知した場合において、救援機能を有するアクセサリ160に電力を供給する電源の生成を制御する電源制御装置140に対して、確実に電力を中継させることができる。
【0089】
尚、ステップS04が入力ステップに相当し、ステップS01及びS02が実行ステップに相当し、ステップS05及びS06が駆動ステップに相当する。
【0090】
ここで、図5に戻り、電源システム11の構成について引き続き説明を行う。
【0091】
電源制御装置140は、後述する電源制御処理を実行することで、車両の水没を検出した場合に、救援機能を有するアクセサリ160へ電力を供給する第2電源を生成する一方で、救援機能を有しないアクセサリ160へ電力を供給する電源を生成しない制御を行う。
【0092】
ここで、図8を参照して、電源制御装置140の構成について説明する。図8は、電源制御装置140の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【0093】
図8に示す電源制御装置140は、実行部142、RAM143、ROM144、及び第2生成部145aから145cで構成され、第1生成部41に相当する部ではなく、生成入力部141で構成される点で、従来の電源制御装置40と異なる。
【0094】
生成入力部141は、例えば、電源IC(Integrated Circuit)で構成される。生成入力部141は、蓄電池110、継電器制御装置120、継電器130、及び実行部142と接続する。生成入力部141は、継電器制御装置120が出力する水没検知信号WDIを取得した場合に、実行部142へ水没を検知したことを表す水没検知信号WDIを入力すると共に、実行部142へ電力を供給する第1電源を生成する。尚、生成入力部141は、生成した第1電源が供給する電力を実行部142の起動を促す起動信号として実行部142へ入力する。
【0095】
ここで、図9を参照して、生成入力部141の構成について、機能に基づいて説明を行う。図9は、生成入力部141の一構成例を表す機能ブロック図である。
【0096】
図9に示す生成入力部141は、第1生成部141a(起動信号入力部141aとも図示する)と、水没検知信号入力部141bとで構成される。第1生成部141aは、継電器130及び実行部142に接続している。第1生成部141aは、継電器130が供給するACC電源を用いて、実行部142に電力を供給する第1電源を生成する。尚、第1生成部141aが生成した第1電源は、実行部142へ電力を供給する。第1生成部141aは、第1電源が供給する電力を実行部142の起動を促す起動信号として実行部142へ入力する。
【0097】
尚、上記の様に、継電器130は、値「Hi」の水没検知信号WDI又は供給信号に基づいて継電器制御装置120が出力する値「Hi」のACC信号を取得した場合に、ACC電源を第1生成部141aへ中継する。また、後述するように、水没検知信号入力部141bは、継電器制御装置120から水没検知信号WDIを取得した場合に、水没検知信号WDIを実行部142へ入力する。よって、継電器130がACC電源を第1生成部141aへ中継する場合には、水没検知信号入力部141bが水没検知信号WDIを実行部142へ入力するといえる。
【0098】
水没検知信号入力部141bは、継電器制御装置120にシリアル接続し、かつ実行部142にパラレル接続する。水没検知信号入力部141bは、継電器制御装置120がシリアル出力する水没検知信号WDIを取得して、車両の水没を検知したことを表す水没検知信号WDIを実行部142へパラレル入力する。
【0099】
ここで、図8に戻り、電源制御装置140の構成について引き続き説明を行う。
【0100】
実行部142について説明する前に、RAM143及びROM144について説明する。
【0101】
RAM143及びROM144の少なくとも一方は、所定のテーブルを記憶する。所定のテーブルは、アクセサリ160aから160cを識別するアクセサリ識別情報と、アクセサリ160aから160cが救援機能を有するか否かを表す情報(以下単に、救援フラグという)とを関連付けた情報を保存する。また、所定のテーブルは、アクセサリ識別情報と、アクセサリ識別情報が識別するアクセサリに電力を供給する第2電源を生成する第2生成部145aから145cを識別する生成部識別情報とを関連付けた情報を保存する。
【0102】
実行部142は、生成入力部141から電力の供給を受けて(つまり、起動信号の入力を受けて)起動する際に、生成制御処理を実行する。ここで、実行部142が実行する生成制御処理の一例について説明する。
【0103】
先ず、実行部142が生成入力部141から水没検知信号WDIを取得しない場合(つまり、水没検知信号入力部141bが水没検知信号WDIを入力しない場合)には、実行部142は、第2生成部145aから145cの全てに第2電源の生成を許可する値「Hi」の信号を出力する。
【0104】
次に、実行部142が生成入力部141から水没検知信号WDIを取得した場合には、実行部142は、RAM143及びROM144の少なくとも一方が記憶するテーブルを参照する。次に、実行部142は救援機能を有することを表す救援フラグに関連付けたアクセサリ識別情報に基づいて、生成部識別情報を検索する。その後、実行部142は、検索した生成部識別情報で識別される第2生成部145を第2電源の生成を許可する部であると判断する。次に、実行部142は、許可と判断した第2生成部145へ値「Hi」の信号を出力し、その他の第2生成部145へ値「Lo」の信号を出力する。その後、実行部142は、生成制御処理の実行を終了する。
【0105】
尚、実行部142は、電力の供給を受けずに停止する場合、値「Lo」の信号を第2生成部145aから145cへ出力し続ける。
【0106】
また、第2生成部145aから145cは、実行部142から値「Hi」の信号を取得した場合に、第2電源を生成する。逆に、第2生成部145aから145cは、値「Lo」の信号を取得した場合には、第2電源を生成しない。
【0107】
ここで、図10を参照して、電源制御装置140が実行する電源制御処理について説明する。図10は、電源制御装置140が実行する電源制御処理の一例を表すフローチャートである。
【0108】
先ず、電源制御装置140の生成入力部141がACC電源を継電器130から取得したか否かでその後の処理が異なる(ステップS11)。ACC電源を取得した場合には、電源制御装置140はステップS12の処理を、そうでない場合にステップS22の処理を実行する。
【0109】
ステップS11において、ACC電源を取得した場合には、電源制御装置140の生成入力部141は第1電源を生成し、生成した第1電源が供給する電力を起動信号として入力する(ステップS12)。次に、生成入力部141は継電器制御装置120から水没検知信号WDIを取得した後に、水没を検知したことを表す水没検知信号WDIを入力する(ステップS13)。
【0110】
その後、電源制御装置140の実行部142が、水没検知信号WDIを受信したか否かを判断する(ステップS14)。実行部142は、水没検知信号WDIを受信したと判断する場合にはステップS15の処理を、そうでない場合にはステップS20の処理を実行する。
【0111】
ステップS14において、水没検知信号WDIを受信したと判断した場合には、実行部142は、上記の様に、RAM143又はROM144が保存するテーブルを参照して、電源生成を許可する第2生成部145を判断する(ステップS15)。その後、実行部142は、許可と判断した第2生成部145へ許可命令(つまり、値「Hi」の信号)を送信する(ステップS16)。次に、実行部142は、不許可と判断した第2生成部145へ不許可命令(つまり、値「Lo」の信号)を送信する(ステップS17)。
【0112】
その後、電源制御装置140の許可命令を受信した第2生成部145が、救援機能を有するアクセサリ160へ電力を供給する第2電源を生成する(ステップS18)。次に、電源制御装置140の不許可命令を受信した第2生成部145が、救援機能を有しないアクセサリ160へ電力を供給する第2電源の生成を停止する(ステップS19)。その後、電源制御装置140は、ステップS11に戻り、上記処理を繰り返す。
【0113】
ステップS14において、水没検知信号WDIを受信していないと判断した場合には、実行部142は、全ての第2生成部145へ許可命令を送信する(ステップS20)。
【0114】
その後、電源制御装置140の許可命令を受信した全第2生成部145が、第2電源を生成する(ステップS21)。その後、電源制御装置140は、ステップS11に戻り、上記処理を繰り返す。
【0115】
ステップS11において、ACC電源を取得しない場合には、電源制御装置140の生成入力部141は第1電源の生成を停止し、起動信号を入力しない(ステップS22)。次に、電源制御装置140の実行部142は、第1電源を用いることができないため、全ての第2生成部145aから145cへ値「Lo」の信号を出力(つまり、不許可命令を送信)する(ステップS23)。その後、電源制御装置140の不許可命令を受信した全第2生成部145aから145cが、第2電源の生成を停止する(ステップS24)。その後、電源制御装置140は、ステップS11に戻り、上記処理を繰り返す。
【0116】
尚、ステップS14からS17、S20、及びS23の処理が、実行部142が実行する生成制御処理に相当する。
【0117】
この構成によれば、車両の水没を検知した場合に、継電器130が中継する電力を用いて救援機能を有するアクセサリ160へ電力を確実に供給できるだけでなく、救援機能を有しない他のアクセサリ60へ供給する電力を削減できる。
【0118】
尚、本発明に係る電源制御方法は、電源制御装置140を用いて実施できる。この場合、ステップS12及びS13の処理が入力ステップに相当し、ステップS14からS17、S20、及びS23の処理が実行ステップに相当する。
【0119】
ここで、図11を参照して、水没する車両に搭載された電源システム11が実行する電源処理について説明する。図11は、水没する車両に搭載された電源システム11が実行する電源処理の一例を表すフローチャートである。尚、電源システム11は、水没を検知した場合に、この電源処理を実行する。
【0120】
先ず、電源システム11の継電器制御装置120は、図7のステップS03で説明した様に、水没を検出すると共に、水没検知信号WDIを出力する(ステップS31)。次に、継電器制御装置120は、図7のステップS06で説明した様に、値「Hi」のACCD信号を継電器130へ出力し続ける(ステップS32)。
【0121】
次に、電源システム11の継電器130は、値「Hi」のACCD信号に従って、電源制御装置140にACC電源を中継し続ける(ステップS33)。
【0122】
その後、電源システム11の電源制御装置140は、生成入力部141において、図10のステップS12で説明した様に、ACC電源を用いて第1電源を生成し、生成した第1電源が供給する電力を起動信号として入力する(ステップS34)。
【0123】
次に、電源システム11の電源制御装置140は、実行部142において、水没検知信号WDIを受信する(ステップS35)。その後、実行部142は、図10のステップS15で説明した様に、各第2生成部145の電源生成を許可するか否かを判断する(ステップS36)。次に、実行部142は、図10のステップS16及びS17で説明した様に、許可命令と不許可命令を各第2生成部145へ送信する(ステップS37)。
【0124】
その後、電源システム11の電源制御装置140は、図10のステップS18及びS19で説明した様に、各第2生成部145において、受信した命令に基づいて第2電源の生成又は停止を行う(ステップS38)。
【0125】
次に、電源システム11のアクセサリ160は、第2生成部145が生成した第2電源を用いて救援機能を提供する(ステップS39)。その後、電源システム11は、電源処理の実行を終了する。
【0126】
尚、ステップS31及びS32が継電器制御装置120が実行する継電器制御処理に相当し、ステップS34からS38が電源制御装置140が実行する電源制御処理に相当し、ステップS35からS37が実行部142が実行する生成制御処理に相当する。
【0127】
次に、図12を参照して、電源システム11を搭載した車両が水没した場合において、継電器制御装置120を構成する水没検知部121、実行部123、及び駆動部125、並びに電源制御装置140を構成する実行部142が出力する信号について説明を行う。図12は、車両が水没した場合において、電源システム11が出力する信号の一例を表す図である。
【0128】
先ず、時刻Tr前において各装置が出力する信号について、図12(a)から(f)を参照して説明する。
【0129】
図12(a)は、継電器制御装置120を構成する水没検知部121が出力する水没検知信号WDIの一例を表す図である。図12(a)に示すように、時刻Tr前の時刻Twにおいて、水没検知部121は、車両の水没を検知した。よって、時刻Tw以降、水没検知部121は、値「Hi」の水没検知信号WDIを出力し続けている。尚、水没検知信号WDIを受信した入力部122が入力する信号波形は、図12(a)と同様の波形である。
【0130】
図12(b)は、継電器制御装置120を構成する実行部123が出力する供給信号の一例を表す図である。図12(b)に示す信号波形は、時刻Tr前において、図4(a)と同様の波形を表す。
【0131】
図12(c)は、継電器制御装置120を構成する駆動部125が出力するACCD信号の一例を表す図である。図12(c)に示す信号波形は、時刻Tr前において、図4(b)と同様の波形を表す。
【0132】
図12(d)から(f)は、電源制御装置140を構成する実行部142が出力する信号の一例を表す図である。図12(d)から(f)に示す信号波形は、時刻Tr前において、図4(c)から(e)と同様の波形を表す。
【0133】
尚、図12(d)から(f)は、表示装置160a、音声出力装置160b、及び外部通信装置160cへ供給する第2電源を生成する第2生成部145aから145cに対する許可命令又は不許可命令を表す。本実施例においては、外部通信装置160cのみが救援機能を有するとして説明を行う。
【0134】
次に、時刻Tr後において各装置が出力する信号について、再度、図12(a)から(e)を参照して説明する。
【0135】
図12(a)に示すように、時刻Trにおいて、水没検知部121は、水没を検知したことを表す値「Hi」の水没検知信号WDIを出力し続けている。尚、入力部122も同様である。
【0136】
図12(b)に示すように、時刻Trにおいて実行部123が出力する信号の波形は、図4(a)に示す時刻Tr後の波形と同様に、水没の影響を受けて時刻Trに停止した実行部123が出力する値「Lo」の信号を表す。
【0137】
図12(c)に示すように、時刻Trにおいて駆動部125が出力する信号の波形は、図12(a)に示す信号と図12(b)に示す信号に対してOR演算を行った結果で表される。よって、図12(c)に示す時刻Tr後の波形は、図4(b)に示す時刻Tr後の波形と異なり、値「Hi」のACCD信号を表示し続ける。
【0138】
図12(d)及び(e)に示すように、時刻Tr後において実行部123が第2生成部145a及び145bに出力する信号の波形は、図4(c)及び(d)に示す時刻Tr後の波形と同様に、不許可命令を表す値「Lo」の信号を表す。救援機能を有しない表示装置160a及び音声出力装置160bへ供給する第2電源の生成を、第2生成部145a及び145bに対して実行部123が許可しないためである。
【0139】
図12(f)に示すように、時刻Tr後において実行部123が第2生成部145cに出力する信号の波形は、図4(e)に示す時刻Tr後の波形と異なり、許可命令を表す値「Hi」の信号を表し続ける。救援機能を有する外部通信装置160cへ供給する第2電源の生成を、第2生成部145cに対して実行部123が許可し続けるためである。
【0140】
この構成によれば、車両の水没を検知した場合に、車両の外部の助力を得て確実に車両の乗員を救援できる。
【0141】
本実施例においては、外部通信装置160cのみが救援機能を有するとして説明を行ったが、これに限定される訳ではない。例えば、音声出力装置160bが、救援機能を有する構成を採用できる。この構成においては、車両が水没する場合に(つまり、時刻Tr後において)、実行部123は、音声出力装置160bが用いる第2電源を生成する第2生成装置145bに対して、許可命令を表す値「Hi」の信号を出力し続ける。
【0142】
本実施例においては、生成入力部141が本件発明の制御装置が備える入力部に相当し、実行部142が本件発明の制御装置が備える実行部に相当し、第2生成部145aから145cが本件発明の制御装置が備える生成部に相当する。
【実施例2】
【0143】
第2の実施例においては、継電器制御装置が出力する水没検知信号WDIを、電源制御装置が備える実行部が直接的に受信する実施例について説明する。
【0144】
尚、実施例2で説明する電源システム21は、実施例1と同様に、蓄電池210、継電器制御装置220、継電器230、電源制御装置240、ACC制御装置250、及びアクセサリ260で構成される。電源システム21の接続、構成、及び機能は、実施例1で説明した電源システム11とほぼ同様であるため、以下主に相違点について説明する。
【0145】
先ず、図13を参照して、本実施例における電源制御装置240の構成について説明する。図13は、実施例2における電源制御装置240の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【0146】
図13に示す電源制御装置240は、実行部242、RAM243、ROM244、及び第2生成部245aから245cで構成される点で実施例1と同様である。しかし、電源制御装置240は、生成入力部141に相当する部ではなく、従来の電源制御装置40を構成する第1生成部41に相当する第1生成部241(以下、起動信号入力部241ともいう)を備える点、及び水没検知信号入力部246を備える点で、実施例1と異なる。以下、主に、実施例1との相違点について説明する。
【0147】
実行部242について説明する前に、水没検知信号入力部246について説明する。
【0148】
水没検知信号入力部246は、例えば、レジスタで構成されるバッファ246a及びバッファ246aの値を変更する周辺回路で構成される。水没検知信号入力部246は、継電器制御装置220及び実行部242に接続する。水没検知信号入力部246は、車両の水没を検知したことを表す水没検知信号WDIを入力する。具体的には、水没検知信号入力部246は、継電器制御装置220が出力する水没検知信号WDIを受信する。次に、水没検知信号入力部246は、信号の値に基づいてバッファ246aの値を変更する。その後、水没検知信号入力部246は、実行部242へ変更した旨の信号を出力する。
【0149】
実行部242は、水没検知信号入力部246からの信号を受けて、バッファ246aの値を参照する。実行部242は、バッファ246aの値に基づいて、水没検知信号入力部246が値「Hi」の水没検知信号WDIを入力したか否かを判断する。
【0150】
本実施例においては、起動信号入力部241及び水没検知信号入力部246が本件発明の制御装置が備える入力部に相当し、実行部242が本件発明の制御装置が備える実行部に相当する。
【実施例3】
【0151】
第3の実施例においては、車両が水没する場合に、アクセサリを制御するECUに対して、アクセサリが救援機能を発揮する制御を許可すると共に、他の機能を発揮する制御を禁止する制御装置について説明する。
【0152】
尚、実施例3で説明する電源システム31は、実施例1と同様に、蓄電池310、継電器制御装置320、継電器330、電源制御装置340、ACC制御装置350、及びアクセサリ360で構成される。電源システム31の接続、構成、及び機能は、実施例1で説明した電源システム11とほぼ同様であるため、以下主に相違点について説明する。
【0153】
先ず、図14を参照して、本実施例における電源制御装置340の構成について説明する。図14は、実施例3における電源制御装置340の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【0154】
図14に示す電源制御装置340は、生成入力部341、実行部342、RAM343、ROM344、及び第2生成部345aから345cで構成される点で実施例1と同様である。
【0155】
実行部342は、生成入力部341、RAM343、ROM344、及び図示を省略するが、第2生成部345aから345cに接続する。また、実行部342は、ACC制御装置350aから350cに接続する点で実施例1と異なる。
【0156】
実行部342は、実施例1と同様に、生成入力部341から電力の供給を受けて(つまり、起動信号を受けて)起動する際に、制限制御処理を実行する。ここで、実施例3において、実行部342が実行する制限制御処理の一例について説明する。
【0157】
実行部342が生成入力部341から水没検知信号WDIを取得した場合に、実行部342は、全てのACC制御装置350に対して、値「Hi」の制限信号(以下単に、制限命令と図示する)を出力し続ける。値「Hi」の制限信号は、アクセサリ360が救援機能を発揮する制御を行うACC制御処理の実行を許可すると共に、アクセサリ360が有する他の機能を発揮する制御を行うACC制御処理の実行を禁止する信号である。
【0158】
また、実行部342が生成入力部341から水没検知信号WDIを取得しない場合には、実行部342は、全てのACC制御装置350に対して、アクセサリ360が有する機能を発揮する制御を行うACC制御処理の実行を許可する値「Lo」の制限信号(以下単に、非制限命令と図示する)を出力し続ける。
【0159】
尚、実行部342は、従来の実行部32と同様に、生成入力部341から電力の供給を受けて起動している間、第2生成部345aから345cに対して第2電源の生成を許可する値「Hi」の許可信号を出力する。また同様に、実行部342は、電力の供給を受けない間、値「Lo」の不許可信号を出力する。
【0160】
ACC制御装置350は、実行部342、第2生成部345aから345c、及びアクセサリ360に接続している。ACC制御装置350は、ACC制御処理を実行することで、実行部342から受信する制限信号の値に基づいて、アクセサリ360が有する機能の発揮を制限する制御を行う。具体的には、ACC制御装置350は、値「Hi」の制限信号を受信すると、予め定めたマスク値が許可する救援機能に限ってアクセサリ360が発揮するよう制御を行う。
【0161】
つまり、例えば、映画を再生して画像表示する機能、又は音楽を再生して音声出力する機能等の救援機能ではない他の機能を発揮する操作を、表示装置360a又は音声出力装置360bに対して乗員が行ったとしても、ACC制御装置350a又は350bは、その機能を発揮する制御を表示装置360a又は音声出力装置360bに対して行わない。
【0162】
一方で、外部通信装置360cが救援機能の発揮により通信した救援内容を画像表示又は音声出力する機能の発揮は、救援機能の発揮に含まれる。このため、ACC制御装置350a又は350bは、その救援機能を発揮する制御を表示装置360a又は音声出力装置360bに対して行う。
【0163】
また、ACC制御装置350は、値「Lo」の制限信号を受信すると、例えば、全ビットが値「1」のマスク値(つまり、何ら制限なく全ての機能を許可するマスク値)が許可する機能をアクセサリ360が発揮するよう制御を行う。
【0164】
ここで、図15を参照して、電源制御装置340が実行する電源制御処理について説明する。図15は、実施例3において電源制御装置340が実行する電源制御処理の一例を表すフローチャートである。
【0165】
先ず、電源制御装置340は、ステップS41からS44の処理を実行する(ステップS41からS44)。ステップS41からS44の処理は、図10のステップS11からS14の処理と同様である。
【0166】
ステップS44において、電源制御装置340の実行部342が、水没検知信号WDIを既に受信していると判断した場合には、全ACC制御装置350aから350cへ値「Hi」の信号である制限命令を送信する(ステップS45)。また、実行部342は、ステップS42で生成した第1電源を用いて、許可命令を全ての第2生成部345aから345cへ出力している。
【0167】
その後、電源制御装置340の第2生成部345aから345cは、アクセサリ360aから360cが用いる第2電源を生成する(ステップS46)。尚、ACC制御装置350は、救援機能に限り第2電源を用いて発揮するようアクセサリ360を制御する。その後、電源制御装置340は、ステップS41に戻り上記処理を繰り返す。
【0168】
ステップS44において、水没検知信号WDIを未だ受信していないと判断した場合には、電源制御装置340の実行部342は、全ACC制御装置350aから350cへ値「Lo」の信号である非制限命令を送信する(ステップS47)。また、実行部342は、許可命令を全ての第2生成部345aから345cへ出力している。
【0169】
その後、電源制御装置340の第2生成部345aから345cは、第2電源を生成する(ステップS48)。尚、ACC制御装置350は、制限なく第2電源を用いて機能を発揮するようアクセサリ360を制御する。その後、電源制御装置340は、ステップS41に戻り上記処理を繰り返す。
【0170】
ステップS41において、ACC電源を取得しない場合には、電源制御装置340の生成入力部341は第1電源の生成を停止し、起動信号を入力しない(ステップS49)。
【0171】
次に、電源制御装置340の実行部342は、第1電源を用いることができないため、全ての第2生成部345aから345cへ値「Lo」の信号である不許可命令を送信する。また、実行部342は、全ACC制御装置350aから350cへ値「Lo」の信号である非制限命令を送信する(ステップS50)。
【0172】
その後、電源制御装置340の第2生成部345aから345cは、第2電源の生成を停止する(ステップS51)。尚、ACC制御装置350及びアクセサリ360は、第2電源を用いることができないため停止する。その後、電源制御装置340は、ステップS41に戻り上記処理を繰り返す。
【0173】
尚、本発明に係る電源制御装置140を用いて電源制御方法を実施できる。
【0174】
この構成によれば、車両の水没を検知した場合に、継電器が中継する電力を用いて救援機能の発揮を許可すると共に他の機能の発揮を禁止するため、救援機能を発揮するアクセサリへ確実に電力を供給できるだけでなく、他の機能の発揮によりアクセサリで消費される電力を削減できる。
【0175】
尚、ステップS42及びS43の処理が入力ステップに相当し、ステップS44、S45、S47、及びS50の処理が実行ステップに相当する。また、ステップS44、S45、S47、及びS50の処理が実行部342の実行する制限処理に相当する。
【0176】
次に、図16を参照して、電源システム31が実行する電源処理について説明する。図16は、実施例3において、電源システム31が実行する電源処理の一例を表すフローチャートである。
【0177】
先ず、電源システム31は、ステップS61からS64の処理を実行する(ステップS61からS64)。ステップS61からS64の処理は、実施例1で説明した図11のステップS31からS34の処理と同様である。
【0178】
ステップS64を実行した後に、電源システム31を構成する電源制御装置340の第2生成部345aから345cは、アクセサリ360が用いる第2電源を生成する(ステップS65)。
【0179】
次に、電源システム31を構成する電源制御装置340の実行部342は、水没検知信号WDIを受信する(ステップS66)。その後、実行部342は、値「Hi」の制限信号をACC制御装置350へ送信する(ステップS67)。
【0180】
次に、電源システム31を構成するACC制御装置350が、制限信号に基づいてアクセサリ360が発揮する機能を、救援機能に制限する制御を行う(ステップS68)。
【0181】
その後、電源システム31を構成するアクセサリ360が、第2生成部345aから345cが生成した第2電源を用いて、非制限の救援機能をACC制御装置350に制御されて提供する(ステップS69)。その後、電源システム31は、電源処理の実行を終了する。
【0182】
この構成によれば、車両の水没を検知した場合に、継電器330が中継する電力を用いて救援機能の発揮を許可すると共に他の機能の発揮を禁止するため、救援機能を発揮するアクセサリ360へ確実に電力を供給できるだけでなく、他の機能の発揮によりアクセサリ360で消費される電力を削減できる。
【0183】
尚、ステップS61及び62が継電器制御装置320が実行する継電器制御処理に相当し、ステップS64から67が電源制御装置340が実行する電源制御処理に相当し、ステップS66及び67が電源制御装置340が備える実行部342が実行する制限制御処理に相当し、ステップS68がACC制御装置350が実行するACC制御処理に相当する。
【0184】
本実施例においては、生成入力部341が本件発明の制御装置が備える入力部に相当し、実行部342が本件発明の制御装置が備える実行部に相当し、第2生成部345aから345cが本件発明の制御装置が備える生成部に相当し、ACC制御装置350がアクセサリを制御する装置に相当する。
【0185】
電源制御装置140、240、及び340が備える実行部142、242、及び342が実行する処理を表すプログラムは、磁気ディスクや光ディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体に格納して配布したり、ネットワークを介して配信したりすることにより提供できる。
【0186】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0187】
【図1】従来の制御装置で構成される電源システムの一実施例を示すシステム構成図である。
【図2】従来の継電器制御装置一構成例を表すハードウェア図である。
【図3】従来の電源制御装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図4】従来の電源システムが出力する信号の一例を表す図である。
【図5】本発明の制御装置で構成される電源システムの一例を表すシステム構成図である。
【図6】本発明の継電器制御装置の一構成例を表すハードウェア図である。
【図7】本発明の継電器制御装置が実行する継電器制御処理の一例を表すフローチャートである。
【図8】本発明の制御装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図9】生成入力部の一構成例を表す機能ブロック図である。
【図10】本発明の制御装置が実行する電源制御処理の一例を表すフローチャートである。
【図11】本発明の制御装置で構成される電源システムが実行する電源処理の一例を表すフローチャートである。
【図12】本発明の制御装置で構成される電源システムが出力する信号の一例を表す図である。
【図13】実施例2における制御装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図14】実施例3における制御装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図15】実施例3において制御装置が実行する電源制御処理の一例を表すフローチャートである。
【図16】実施例3において電源システムが実行する電源処理の一例を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0188】
1…電源システム 10…蓄電池
20…継電器制御装置 23…実行部
24…通信部 25…駆動部
30…継電機 40…電源制御装置
41…第1生成部 42…実行部
43…RAM 44…ROM
45a〜45c…第2生成部
50,50a〜50c…ACC制御装置
60…アクセサリ 60a…表示装置
60b…音声出力装置 60c…外部通信装置
11…電源システム 110…蓄電池
120…継電器制御装置 121…水没検知部
122…入力部 123…実行部
124…通信部 125…駆動部
130…継電器 140…電源制御装置
141…生成入力部
141a…第1生成部(起動信号入力部)
141b…水没検知信号入力部
142…実行部
143…RAM 144…ROM
145a〜145c…第2生成部
150,150a〜150c…ACC制御装置
160…アクセサリ 160a…表示装置
160b…音声出力装置 160c…外部通信装置
210…蓄電池 220…継電器制御装置
230…継電器 240…電源制御装置
241…第1生成部(起動信号入力部)
242…実行部
243…RAM 244…ROM
245a〜245c…第2生成部
246…入力部(水没検知信号入力部)
246a…バッファ
250,250a〜250c…ACC制御装置
260…アクセサリ 260a…表示装置
260b…音声出力装置 260c…外部通信装置
31…電源システム 310…蓄電池
320…継電器制御装置 330…継電器
340…電源制御装置 341…生成入力部
342…実行部 343…RAM
344…ROM
345a〜345c…第2生成部
350,350a〜350c…ACC制御装置
360…アクセサリ 360a…表示装置
360b…音声出力装置 360c…外部通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載アクセサリへ電力を供給制御する制御装置であって、
外部のアクセサリ起動信号と、水没検知部から車両が水没したことを表す水没検知信号を入力する入力部と、
入力部において起動信号を入力する場合に、アクセサリに対する電力の供給を実行し、入力部において水没検知信号を入力する場合に、車両の乗員を救援する救援機能を有するアクセサリへ電力の供給を実行し、車両の乗員を救援する救援機能を有しないアクセサリへ電力の供給を実行しない実行部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記実行部は、前記入力部が前記水没検知信号を入力した場合に、前記水没検知信号が水没を検知した車両の乗員を救援する救援機能を有する前記アクセサリへ電力を供給することを許可すると共に、前記救援機能を有さない前記アクセサリへ電力を供給することを禁止する処理を実行し、
前記車両に搭載した蓄電池が供給する電力に基づいて、前記実行部が許可したアクセサリに電力を供給する電源を生成すると共に、禁止したアクセサリに電力を供給する電源を生成しない生成部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記実行部は、前記入力部が前記水没検知信号を入力した場合に、前記アクセサリを制御する装置に対して、前記水没検知信号が水没を検知した車両の乗員を救援する救援機能を有するアクセサリが前記機能を発揮する制御を行う処理の実行を許可すると共に、前記アクセサリが有する他の機能を発揮する制御を行う処理の実行を禁止する処理を実行し、
前記車両に搭載した蓄電池が供給する電力に基づいて、前記アクセサリに電力を供給する電源を生成する生成部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記救援機能は、前記車両の外部へ救援を求める救援内容、及び前記車両の外部から救援を行う救援内容のいずれか1つ以上を通信する通信機能、前記通信機能の発揮により通信した救援内容を音声として出力する音声出力機能、及び前記救援内容を表示する表示機能の内で、前記通信機能を含む少なくとも1つ以上の機能を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
車載アクセサリへ電力を供給制御する制御方法であって、
外部のアクセサリ起動信号と、水没検知部から車両が水没したことを表す水没検知信号を入力する入力ステップと、
入力ステップにおいて起動信号を入力する場合に、アクセサリに対する電力の供給を実行し、入力ステップにおいて前記水没検知信号を入力する場合に、車両の乗員を救援する救援機能を有するアクセサリへ電力の供給を実行し、車両の乗員を救援する救援機能を有しないアクセサリへ電力の供給を実行しない実行ステップと、
を備えることを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−9253(P2010−9253A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−166560(P2008−166560)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】