説明

刷版を準備して渡す方法および装置

【課題】刷版を加工するための装置に刷版を準備して渡す方法であって、少なくとも2つの刷版スタックを、別々に少なくとも2つの刷版準備エレメント内または少なくとも2つの刷版準備エレメント上に形成し、刷版準備エレメントは相互に位置変化可能であり、個別化装置によって、個別化装置の作用範囲内に存在するそれぞれ1つの刷版スタックから刷版を個別化する方法を改良して、先行技術の欠点を解消する。
【解決手段】少なくとも1つの第1の刷版準備エレメント2を、少なくとも1つの旋回軸5a,5bを中心に旋回させ、刷版準備エレメント2の刷版スタック40を、個別化装置50により刷版スタック40から刷版42を個別化するための取出位置、または静止位置に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子複製技術の分野における、刷版を加工するための装置に刷版を準備して渡す方法であって、少なくとも2つの刷版スタックを、別々に少なくとも2つの刷版準備エレメント内または少なくとも2つの刷版準備エレメント上に形成し、刷版準備エレメントは相互に位置変化可能であり、個別化装置によって、個別化装置の作用範囲内に存在するそれぞれ1つの刷版スタックから刷版を個別化する方法に関する。
【0002】
また本発明は、このような刷版を準備して渡す方法を実施する装置に関する。
【0003】
さらに本発明は、このような装置を備えた刷版露光器に関する。
【背景技術】
【0004】
複製技術では、印刷しようとする全ての要素、たとえばテキスト、グラフィックおよび画像を含む印刷面用の印刷原稿が形成される。カラー印刷のために、各インキ用に、その都度のインキで印刷される全ての要素を含む個別の印刷原稿が形成される。4色刷りでは、インキは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(CMYK)である。印刷原稿は、通常、刷版露光器において刷版に記録され、刷版を用いて、印刷機で、高い解像度を有する印刷面が印刷される。選択的に印刷原稿は、直接、デジタルデータとして、デジタル印刷機に渡すことができる。そこでは印刷原稿データが、印刷が開始される直前に、たとえば印刷機に組み込まれた露光ユニットによって、刷版に露光される。
【0005】
電子複製技術で刷版を露光するために用いられる記録装置では、たとえばレーザダイオードからレーザ光線が形成され、光学的な手段により成形され、刷版に集束され、偏向系を用いて点状または線状に刷版に偏向される。露光速度を高めるために、レーザ光線束が形成され、刷版に当てられる度に複数の画線が同時に露光される。刷版は、露光ドラム上(外側ドラム型露光器)、円筒形の凹部内(内側ドラム型露光器)または平面上(平床式露光器)に位置する。たとえば外側ドラム型露光器では、露光しようとする刷版は、回動可能に支承された露光ドラム上に取り付けられる。露光ドラムが回転しながら、露光ヘッドは、比較的短い間隔で、軸方向にドラムに沿って運動する。露光ヘッドは単数または複数のレーザ光線をドラム表面に集束し、レーザ光線は、螺旋形の狭い線に沿って当てられる。このようにしてドラムが回動する度に、単数または複数の画線が露光される。
【0006】
露光しようとする刷版は、手動で刷版露光器に供給することができる。刷版は、刷版露光器に引き込まれ、自動で露光器ドラムに緊締され、そこで刷版は、クランプ装置によって、また場合によっては真空装置によって、露光中固定される。作業プロセスを自動化して、これにより作業員を削減するために、積込装置が用いられ、積込装置は、露光しようとする刷版を個別にカセットから、たとえば吸着装置を用いて取り出して、刷版露光器に供給する。そのような積込装置は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10134151号明細書に記載されている。そのような積込装置は、シングルカセットローダと呼ばれる。なぜならばそれぞれ1つのカセットを備え、そこから刷版が取り出されるからである。カセットは、未露光の刷版のストックを有し、その際、通常、刷版は、同じ判型(判サイズ、つまり同じ寸法)を有している。カセット内で、刷版は、埃または光の侵入から保護されているので、刷版の意図しない露光が妨げられる。
【0007】
様々な判サイズの刷版が要求される場合、マガジンを備えた、自動化された別の装置も公知であり、マガジンには、刷版スタック用の複数のカセットが準備され、次いでカセットは個別化装置に供給される。たとえば米国特許第6726433号明細書において、個別化装置を備えた刷版マガジンが提案され、そこではカセットがマガジン内で上下に積み重ねられる。刷版をカセットから個別化するために、カセット上に位置するカセットが鉛直方向に移動させられ、所望の判サイズのカセットは、水平方向に渡し位置にもたらされ、そのあとで鉛直方向に部分的にマガジンから外へ移動させられ、個別化装置に提供される。
【0008】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第102008023601号明細書において、そのようなマガジンに刷版のカセットを装着するのではなく、トレーを用いることが公知であり、トレーに刷版スタックが載設される。その利点によれば、別の刷版がより簡単に装着される。さらにこのようなシステムでは、刷版を備えたトレーは連続するステップで水平方向および垂直方向に移動させられ、これにより刷版が個別化に供給され、次いで露光ユニットに供給される。
【0009】
先行技術から、比較的大きく煩雑な装置が公知であるが、その役割は、刷版用の加工ユニット、たとえば露光ユニットに、できるだけ多数の様々な刷版サイズまたは刷版自体をマガジンに提供することである。このためにマガジンは、カセットまたはトレーを鉛直方向または水平方向に移動させることができる作用手段を有する必要がある。このような要求により、さらに大きなスペースが必要となり、これにより個別化部分とマガジンとの間が空間的に分離される。総じて、刷版用の自動化された加工装置、たとえば刷版露光器に関する設置面積が大幅に増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願公開第10134151号明細書
【特許文献2】米国特許第6726433号明細書
【特許文献3】ドイツ連邦共和国特許出願公開第102008023601号明細書
【特許文献4】ドイツ連邦共和国特許出願第102009020102号明細書
【特許文献5】ドイツ連邦共和国特許出願第102009052144号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって本発明の課題は、先行技術の欠点が少なくとも部分的に解消されたものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題を解決するための本発明の方法によれば、刷版を加工するための装置に刷版を準備して渡す方法であって、少なくとも2つの刷版スタックを、別々に少なくとも2つの刷版準備エレメント内または少なくとも2つの刷版準備エレメント上に形成し、刷版準備エレメントは相互に位置変化可能であり、個別化装置によって、個別化装置の作用範囲内に存在するそれぞれ1つの刷版スタックから刷版を個別化する方法において、少なくとも1つの第1の刷版準備エレメントを、少なくとも1つの旋回軸を中心に旋回させ、刷版準備エレメントの刷版スタックを、個別化装置により刷版スタックから刷版を個別化するための取出位置、または静止位置に移動させる。
【0013】
好適には、個別化装置を、加工装置に向かって刷版準備エレメントの手前に設け、個別化された刷版を加工装置に渡すようにし、加工装置に渡すために、個別化装置を、刷版の前方部分に作用するようにし、第1の刷版準備エレメントを、大体において第2の刷版準備エレメントの上方に移動させ、第1の刷版準備エレメントを、取出位置に位置決めし、第2の刷版準備エレメントの少なくとも前方部分が覆われて、個別化装置が第2の刷版準備エレメントの刷版ではなく第1の刷版準備エレメントの刷版に作用するようにし、第1の刷版準備エレメントを、旋回させて静止位置に移動させ、静止位置では、第1の刷版準備エレメントは、取出位置よりも、個別化装置および好適には第2の刷版準備エレメントから離間しており、第2の刷版準備エレメントの前方部分を、個別化装置が作用できるようにする。
【0014】
好適には、刷版準備エレメントを、少なくとも1つの定位置の軸を中心に旋回させ、刷版準備エレメントを、一緒に旋回可能な少なくとも1つの軸を介して、側方に配置された少なくとも1つのレバーと連結し、少なくとも1つのレバーが、旋回軸と結合されていて、かつレバーの一区分を介して旋回駆動装置と結合されており、該旋回駆動装置を介して旋回軸を中心とするレバーの回動運動を形成し、回動運動により、少なくとも1つの定位置の軸を中心とする刷版準備エレメントの旋回運動が及ぼされる。
【0015】
この課題を解決するための本発明の装置によれば、刷版スタック上の刷版を準備する装置であって、刷版スタックを収容するための少なくとも2つの個別の刷版準備エレメントが設けられており、少なくとも2つの刷版準備エレメントは、大体において上下に配置されており、第1の刷版準備エレメントは、第2の刷版準備エレメントに対して位置変化されるようになっているものにおいて、第1の刷版準備エレメントと連結された少なくとも1つの旋回軸が設けられており、第1の刷版準備エレメントは、第2の刷版準備エレメントに対して、旋回軸を中心に旋回することにより、取出位置および静止位置に移動させられるようになっており、個別化装置が設けられており、該個別化装置は、第1の刷版準備エレメントの刷版を、取出位置で、刷版スタックから個別化するようになっている。
【0016】
好適には、第1の刷版準備エレメントは、少なくとも1つの側方のレバーを介して旋回軸と連結されており、該旋回軸は、当該刷版を準備して渡す装置に関して定位置で局所的な軸であり、旋回駆動装置が設けられており、該旋回駆動装置は、レバーの一区分を介して旋回軸と結合されており、作動することにより、旋回軸を中心とするレバーの回動が行われ、ひいては旋回軸を中心とする刷版準備エレメントの旋回が行われるようになっている。
【0017】
好適には、少なくとも第1の刷版準備エレメントを収容するための少なくとも1つの収容架構、好適にはトレー収容部が設けられており、該収容架構は、特に概ね平行の2つの側方のアームによって形成されている。
【0018】
好適には、第1の刷版準備エレメントは、少なくとも1つの可動の旋回点と結合されていて、かつ該旋回点および少なくとも1つのレバーを介して少なくとも1つの定位置の旋回軸と結合されており、該旋回駆動装置は、好適にはリニア駆動装置、特に空気力式駆動装置または液力式駆動装置であり、当該刷版を準備して渡す装置の側方に、旋回軸と結合された駆動装置が設けられており、該駆動装置は、駆動装置を結合するための可動の旋回点、特にピストンを介して、レバーの一区分と結合されている。
【0019】
好適には、駆動装置自体は、定位置の旋回点を介して、ハウジングもしくは架構と結合されていて、少なくとも1つの第1の刷版準備エレメントの旋回の作動と同時に旋回点を中心に旋回されるようになっている。
【0020】
刷版を準備して渡す装置を備えた刷版露光器において、第2の刷版準備エレメントが、刷版収容部の定位置の底板であって、刷版収容部は、少なくとも第1および第2の刷版準備エレメントを備えており、刷版収容部は、カバーエレメントにより閉じられており、該カバーエレメントは、刷版収容部に刷版または刷版準備エレメントを渡すために開放可能な保護部材を備えており、閉じた状態で、第1の刷版準備エレメントの取出位置および静止位置で、全ての刷版準備エレメントは、保護部材およびカバーエレメントにより閉じられるようになっている。
【発明の効果】
【0021】
本発明による方法によれば、刷版が、刷版を加工するための装置に渡される。刷版を加工するための装置は、たとえば刷版露光器である。その際少なくとも2つの刷版スタックが、少なくとも2つの刷版準備エレメント内または少なくとも2つの刷版準備エレメント上に準備される。そのような刷版準備エレメントは、好適にはトレーであり、トレー上に適宜刷版スタックが準備される。装置に関して述べると、トレーもしくは刷版準備エレメントは、大体において上下に重ねて設置される。追加的な個別化装置によって、各刷版スタックから刷版が個別化される。このために適切な刷版スタックが個別化装置の作用範囲内に位置する必要がある。
【0022】
特に好適な構成では、2つの刷版スタックのために2つの刷版準備エレメントが設けられている。このことは多くの場合に十分であり、多くのユーザーにとって、スペースに関する要求を高めることなく、印刷機に関する画像装置の融通性を高めることとなる。好適には、1つの刷版準備エレメントが可動に形成され、これに対して第2の刷版準備エレメントは不動であり、このために特に既存の底板を用いることができる。
【0023】
個別化装置は、好適には、持ち上げるための吸着装置と刷版を分けるための支持部材とを備えた個別化装置であり、これはたとえばドイツ連邦共和国特許出願第102009020102号明細書において提案されており、その個別化の方法および構成が本発明に援用されるものとする。特に好適には、支持部材として、独立して走行可能なロールが、刷版を分けるための分離エレメントとして、持ち上げられた刷版の下方で走行させられる。
【0024】
本発明によれば、少なくとも2つの刷版準備エレメントのうち第1の刷版準備エレメントが少なくとも1つの旋回軸を中心に旋回させられ、刷版準備エレメントの刷版スタックが、刷版スタックから刷版を個別化するための取出位置または静止位置に移動させられる。旋回軸は、刷版の側方ラインから刷版スタックの別の側方ラインに向かって延びており、個別化装置は、個別化するために刷版の前方に作用することができる。
【0025】
第1の刷版準備エレメントの静止位置では、好適には第1の刷版準備エレメントの下方に位置する第2の刷版準備エレメントの刷版スタックに対する作用が可能である。
【0026】
簡単な旋回(旋回に際してトレーなどによって同時に鉛直方向および水平方向の運動が行われる)によって、僅かな所要容積を有する簡単な配置構造により、異なる少なくとも2つの刷版スタックに対する作用が可能である。
【0027】
このことはとりわけ一般的な小さな刷版の判サイズ用の刷版露光器の場合に好適であり、このような刷版露光器には、通常、個別化作用のために最大で2つの異なる刷版の判サイズを必然的に準備する必要がある。
【0028】
本発明による刷版を準備して渡す装置は、好適には、記載された刷版を準備して渡す方法を実施するのに適切であり、このために第1の刷版準備エレメントと連結された少なくとも1つの旋回軸が設けられている。このようにして第1の刷版準備エレメントは、第2の刷版準備エレメントに対して旋回させることができる。さらに適切な個別化装置が設けられている。
【0029】
さらに個別化装置は、望ましくは、加工装置、たとえば刷版露光器に向かって、刷版準備エレメントの手前(下流側)に設けられていて、個別化された刷版を加工装置に渡す。このために特に個別化装置は、刷版準備エレメントと同一平面上に設けることができ、これに対して加工装置、たとえば露光装置は、渡し準備平面の下方に位置していて、個別化装置に続く搬送テーブルによってアクセスされる。そのような搬送テーブルは、ドイツ連邦共和国特許出願第102009052144号明細書に開示されており、その搬送テーブルおよび搬送テーブル露光器および刷版用の準備装置の配置構造に関する内容は、本発明に援用されるものとする。
【0030】
個別化するために刷版の前方部分に作用する個別化装置が設けられている。これについては第1の刷版準備エレメントが取出位置に存在する際に、第1の刷版準備エレメントだけに可能であり、この場合少なくとも第2の刷版準備エレメントの前方部分は塞がれて、個別化装置は、第2の刷版準備エレメントの刷版に作用するのではなく、専ら第1の刷版準備エレメントの刷版に作用することができる。
【0031】
第2の刷版準備エレメントの刷版に対する個別化装置の作用を実現するために、好適には、第1の刷版準備エレメントは、取出位置から静止位置に旋回させられ、この際第1の刷版準備エレメントが個別化装置および第2の刷版準備エレメントから離間して位置することにより、完全に第2の刷版準備エレメントの面にわたって延在する部分が解放されるので、個別化装置は、第1の刷版準備エレメントにより妨害されることなく第2の刷版準備エレメントに作用することができる。
【0032】
そのような旋回をできるだけ簡単に実現するために、本発明による刷版を準備して渡す装置の1構成によれば、刷版準備エレメントは、少なくとも1つの側方のレバーを介して旋回軸と連結されている。特に側方で刷版準備エレメントの両側に、刷版準備エレメントを旋回軸と結合するためのレバーが形成されており、旋回軸は、刷版を準備して渡す装置全体に関して定位置の軸であり、記載された本発明による方法において不動である。さらに少なくとも1つの旋回駆動装置が設けられており、特に刷版準備エレメントの側方軸に対して平行にそれぞれ旋回駆動装置が設けられており、旋回駆動装置は、レバーの一区分を介して、旋回軸と結合されており、旋回駆動装置の作動により、旋回軸を中心としてレバーが回動させられ、これにより第1の刷版準備エレメントが旋回軸を中心に旋回させられる。好適な構成によれば、刷版準備エレメントは、好適にはトレーとして、刷版を準備して渡す装置全体から簡単に分離もしくは取外し可能に形成されている。このことは少なくとも1つの第1の刷版準備エレメントを収容するための収容架構、好適にはトレー収容部によって実現される。収容架構は、主に平行な2つの側方のアームによって形成することができるので、トレーまたは別の準備エレメントを側方のアームに載置することができる。このようにして第1の刷版準備エレメントを簡単に本発明による刷版を準備して渡す装置から取り出して、外側で積み込むことにより、第1の刷版準備エレメントに刷版を簡単に積み込むことができる。さらに第2の刷版準備エレメントの積込も簡単にすることができる。というのも第1の刷版準備エレメントを取り出したあとで、第2の刷版準備エレメントに対する自由なアプローチが得られるからである。更なる利点によれば、第1の刷版準備エレメントが除去された場合、より多数の刷版を第2の刷版準備エレメントにより収容することができる。というのも第1の刷版準備エレメントによる上方の制限がもはや存在しないからである。これによりたとえば同じ判サイズの刷版の所定の暗所の露光を夜通し簡単に実現することができる。
【0033】
別の好適な構成によれば、旋回駆動装置が、リニア駆動装置、特に液圧式駆動装置または空気力式駆動装置であってよく、旋回駆動装置は、本発明による刷版を準備して渡す装置の側方に形成されており、特にピストンを備えており、ピストンは、レバーの一区分を介して定位置の旋回軸と結合されており、ピストンの直線運動により、レバーは、レバーの一区分を介して伝達されることにより、旋回軸を中心に回動させられ、レバーの回動が刷版準備エレメントの旋回をもたらす。
【0034】
刷版準備エレメントおよびピストンは、可動の旋回点を介してレバーと結合されているので、旋回点は、レバー自体が回動する際に位置変化させることができる。刷版準備エレメントの安定化を達成するために、さらに旋回駆動装置と刷版準備エレメントとを結合するためのレバーが設けられており、レバーは、刷版準備エレメント付近の可動の旋回点を介して、刷版準備エレメントを、別の旋回点または定位置の旋回軸と結合する。特に好適には、定位置の旋回軸または定位置の旋回点は、それぞれ第2の刷版準備エレメントの直ぐ下の部分に設けられている。定位置の旋回軸を第1の刷版準備エレメントの可動の旋回点と結合するレバーの一区分は、望ましくはほぼ真っ直ぐに延びる形状を有しており、所要スペースを低減するために、定位置の旋回軸を旋回駆動装置と結合するレバーの一区分は、好適には曲がった形状を有している。これによりレバー機構全体は、好適には極めてコンパクトに第2の刷版準備エレメントの下方に形成することができる。
【0035】
旋回駆動装置の作動を介して、簡単な方法で、旋回駆動装置の直線運動に起因する、定位置の旋回軸を中心とする、第1の刷版準備エレメントにおける側方のレバーの回動運動により、略円形の軌道に沿った、前方の取出位置から後方で上方に位置する静止位置への刷版準備エレメントの旋回運動が達成され、このために特別に大きな所要スペースは存在しない。
【0036】
旋回駆動装置による旋回のために、旋回駆動装置は、好適には、定位置の旋回点を介してたとえば刷版露光器のハウジングと結合されていて、それも、レバーの回動の作動と同時に定位置の旋回点を中心とする駆動装置自体の旋回が誘導されるように結合されている。これによりレバー機構のための所要スペース面積がさらに削減され、レバー機構は、特に駆動装置と、定位置の旋回軸の前後で異なるレバー区分を有するレバーとを備えている。
【0037】
さらに特許請求の範囲に記載された刷版を準備して渡す装置を備えた刷版露光器に関しても独自の権利保護が要求されるものとする。好適には、第2の刷版準備エレメントは不動であり、刷版露光器の刷版収容部の底板部分に設けられている。特に刷版を収容するための底板自体であってよい。刷版露光器の刷版収容部は、少なくとも第1および第2の刷版準備エレメントを備えていて、カバーエレメントにより閉じられるようになっており、カバーエレメントは、刷版または刷版準備エレメントを刷版収容部に渡すために開放可能な保護部材を備えている。保護部材が閉じた状態では、刷版スタックを備えた刷版準備エレメントは、全ての位置で、カバーエレメントが接触しないように、刷版収容部の内側に位置している。本発明による刷版を準備して渡す装置の、選択されたコンパクトな構造により、僅かな所要容積を有し、かつ特に比較的小さな判サイズの刷版用の刷版露光器に適切に使用することができる刷版収容部を提供することができる。
【0038】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を用いて具体的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】トレー収容部に収容するためのトレーを備えた刷版収容部の側方断面図である。
【図2】静止位置にあるトレー収容部を備えた刷版収容部の側方断面図である。
【図3】取出位置にあるトレー収容部を備えた刷版収容部の側方断面図である。
【図4】昇降機構の選択的な構造を有するトレー収容部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1には、刷版収容部52を側方横断面図で示す。刷版収容部52は、図示していない刷版露光器の構成部材であり、刷版露光器に、刷版収容部52を通って刷版42,43が供給される。そのような刷版露光器を備えた刷版収容部は、ドイツ連邦共和国特許出願第102009052144号明細書に記載されており、引用することにより、本発明に、刷版収容部および刷版露光器における刷版収容部の位置決めに関する前掲明細書の内容が援用されるものとする。
【0041】
刷版収容部52は、カバーエレメント44を備えており、カバーエレメント44は、保護部材10を備えている。保護部材10は、旋回可能に配置されており、刷版スタック40,41および/または刷版スタック40を備えたトレー2が刷版収容部52内に導入可能である。
【0042】
トレー2を収容するために、刷版収容部52は、トレー収容部26を備えている。ここではトレー収容部26は、前方下位の取出位置にあり、トレー収容部26は、トレー2を収容するためにも前方下位の取出位置を占める。
【0043】
トレー収容部26は、側方の複数のアーム3から成っており、アーム3は、それぞれ側方に配置されていて、トレー2を側面で収容することができる。図1の側面図からは、1つのアーム3だけが看取される。トレー収容部26の第2のアーム3は、トレー2の反対側に位置する。刷版収容部52の外側で、トレー2に、刷版スタック40が供給される。トレー2は、内側に刷版42を有する。矢印30の方向に、トレー2は、トレー収容部26に導入することができる。
【0044】
トレー収容部26の下方に、刷版収容部52の基板1が存在しており、基板1は、別の刷版43の刷版スタック41用の準備エレメントとして機能する。基板1は、以下にベースプレート1とも呼ばれ、ベースプレート1は、実際には刷版収容部52の底板もしくは底部であり、底板もしくは底部は、刷版43を収容するために適宜設置される。刷版収容部52の基板としてのベースプレート1が不動であるのに対して、トレー2を備えたトレー収容部26は様々な位置に旋回させることができる。トレー収容部26を旋回させるために、トレー収容部26は、旋回駆動装置4と結合されており、旋回駆動装置4は、昇降機構としてのレバー機構27の構成部材である。旋回のためにレバー20が、定位置の旋回軸5bを中心に旋回可能に支承されている。レバー20は、片側で、可動の旋回点6bで、トレー収容部26のアーム3と結合されていて、別の片側で、旋回点22で、旋回駆動装置4のピストン23と結合されている。旋回点22とレバー20の旋回軸5bとの間に、レバー20の一区分28が位置しており、レバー区分28は、旋回点22がトレー収容部26の取出位置付近で大体において旋回軸5bの直ぐ下側に位置するように、曲げられている。既にトレー収容部26について述べたように、この構造は、両側でほぼ対称的に形成されている。
【0045】
トレー収容部26の後方端部に、安定性を高めるために、別のレバー21が設けられており、別のレバー21は、連動する旋回点6aを介して、トレー収容部26のアーム3と結合されている。別のレバー21を介して、トレー収容部26は、旋回軸5bを中心とする旋回に対して追加的に旋回軸5aを中心に旋回させられ、旋回軸5aは、ベースプレート1に対して不動であり、基板1と別のレバー21が追加的に結合されている。旋回軸5aを中心とする旋回は、専ら受動的に、旋回駆動装置4により駆動されて行われ、旋回駆動装置4は、前方のレバー20に作用する。
【0046】
旋回駆動装置4自体は、定位置の旋回軸もしくは定位置の旋回点24と結合されていて、旋回軸もしくは旋回点24を中心に旋回可能に配置されている。ピストン23を介してレバー20に駆動装置4の力が作用すると、駆動装置4に戻る力が作用するので、駆動装置4は、定位置の旋回点24を中心に旋回させられる。この旋回運動は、図2において、矢印25で記号化して示す。このようにしてレバー機構27に関する所要スペースを削減することができる。
【0047】
上位のトレー2だけでなく下位の刷版スタック41からも刷版42,43を取り出すために、前縁端部に個別化装置50が形成されており、個別化装置50は、可動の吸着機構11を備えている。吸着機構11は、刷版42,43の幅延在方向に対して平行に、複数の吸着ヘッドを備えている。刷版を個別化するために、吸着機構11は、鉛直方向および水平方向に移動することができ、吸着機構11は、上位の刷版を刷版スタック40から吸着することができ、鉛直方向上向きに引き上げることができる。吸着機構11は、さらに支持部材12によって支援され、支持部材12は、持ち上げられた刷版42,43の下方に移動することができる。このために支持装置12は、水平方向に可動で、大体において刷版42,43の全区分を、その下側で前縁から後縁まで移動することができ、したがって持ち上げられた刷版42,43を、ほぼ完全に、その下に位置する刷版スタック40,41から分離する。
【0048】
図2には、刷版収容部52を別の側方断面図で示す。ここでは同一の構成要素には同一の符合を設けた。
【0049】
トレー2は、ここでは刷版収容部26により収容されており、刷版収容部26は、静止位置に旋回されている。刷版収容部52のカバーエレメント44は、保護部材10で、閉じられている。看取されるように、ベースプレート1上に設けられた刷版スタック41とトレー2を備えたトレー収容部26とは、保護部材10が閉じた状態で、カバーエレメント44によっても包囲され、それも、トレー収容部26が静止位置にあり、つまりトレー収容部26が、最後位にあり、要するに個別化装置50から最も離間する位置にあり、同時にベースプレート1に関して最高位にある場合に、包囲される。
【0050】
安全性の理由から、カバーエレメント44は、安全センサ60を備えており、安全センサ60は、保護部材10が閉じられているか、または開かれているか検出する。図2に示すように、保護部材10が閉じられている場合、駆動装置4の作動が可能である。このようにしてレバー20,21による作業員の挫傷を回避することができる。作動方法の技術に関して、図2の状態は、図1の状態から出発しており、先ずトレー2がトレー収容部26に導入され、次いで保護部材10が閉じられる。安全センサ60が、保護部材10の閉鎖を検出し、図示していない制御エレメントを介して駆動装置4の作動を可能にするので、取り出そうとする所望の刷版42,43に応じて、トレー収容部26が取出位置または静止位置に旋回させられる。
【0051】
図2に示すように、トレー収容部26の静止位置では、刷版スタック41は、個別化装置50によって刷版43を取り出すように準備されている。トレー収容部26は、もはやベースプレート1の前方部分に位置しないので、吸着機構11は、矢印31の方向に水平に刷版スタック41の上方に移動することができ、次いで鉛直に矢印32の方向に鉛直方向に降下し、ベースプレート1に割り当てられた刷版43を吸着することができる。次いで吸着機構11は、矢印32とは逆向きに鉛直方向に上昇させられ、最上位の刷版43を少なくとも前方部分で連行する。場合によっては存在する中間紙または最上位の刷版43に付着する刷版43は、送風機構34によって解放するか、または剥離することができる。その下に位置する支持部材12は、持ち上げられた刷版43と該刷版43の下に位置する刷版スタック41との間に移動する。持ち上げられた刷版43は、通常、吸着機構11によって前縁部分だけが持ち上げられる程度に軟かい。個別化装置50から離間する側の後方部分は、依然としてスタック41に載置しており、吸着機構11が水平方向に移動する際に残りのスタック41に沿って擦過することにより、スタック41に位置する刷版43の表面が損傷する恐れがある。このために支持部材12は、持ち上げられた刷版43の下方を移動し、刷版43を完全にスタック41から持ち上げる。このために支持部材12は、矢印33の方向に持ち上げられたトレー収容部26の下方を移動することができ、その際支持部材12は、持ち上げられた刷版43の下方に留まる。持ち上げられた刷版43の搬出に際して、支持部材12は、均一に、吸着機構11と共に、矢印33とは逆向きに移動することができ、そうして刷版43は搬出され、後続加工機構または刷版露光器の旋回テーブルにもたらされる。
【0052】
図3には、トレー収容部2が取出位置に旋回させられた状態を示す。ここではトレー2の前縁51は、ストッパ9に当接している。個別化装置50による、下方に位置する刷版スタック41に対する作用(アプローチ)は行われない。なぜならばスタック41は、この時点では、トレー収容部26およびトレー収容部26上に位置するトレー2によって完全に塞がれているからである。取出位置では、トレー収容部26は、前方下方に旋回されており、トレー2上の刷版42は、図2について説明したように、個別化装置50自体によって個別化することができる。
【0053】
図4には、後方のレバー21に関してレバー機構27の選択的な実施の形態を示す。十分なスペースが所与されている場合には、駆動装置4とレバー20とを備えたレバー機構27は、トレー収容部26の前方部分に形成することができるので、可動の旋回点6b’がここではレバー機構27のアーム3の前方端部に作用し、これに対してレバー21は、アーム3の後方部分で、旋回点6aを介してアーム3と接続されたままである。
【0054】
ここでも個別化装置50の吸着機構11および支持部材12は、トレー収容部26の位置に応じて刷版42,43を個別化する。
【0055】
図4および図3に示すように、個別化装置50は、刷版42,43を、少なくともトレー2の刷版スタック40に相当する高さまで個別化することができる。印刷工場で、1つの判サイズの刷版しか用いられない露光ジョブが要求されると、トレー2は、完全に刷版収容部52から取り外すことができる。ベースプレート1の刷版スタック41は、ベースプレート1の刷版スタック41の上縁または元々の刷版スタック40の上縁に相当する高さにスタックすることができるので、個別化装置50は、依然として刷版スタック41の刷版43に作用することができる。
【0056】
トレー収容部26およびトレー収容部26のアーム3と協働して、記載されたレバー機構27によって、フレキシブルな手段が示されており、この手段によって、要求される刷版42,43の判サイズに応じて、迅速に、異なる2つの判サイズによる運転から、1つの判サイズによる運転に、またこの判サイズのより多数の刷版43による運転に切り換えることができ、その際トレー収容部26に要求される構造高さは小さく、場合によっては、ベースプレート1に載置される単個の刷版スタック43を用いた既に市場に提供されている刷版露光器に用いられるカバーエレメント44が使用される。総じて、異なる刷版の判サイズを準備するために小さな所用スペースが達成される。
【符号の説明】
【0057】
1 ベースプレート、 2 トレー、 3 アーム、 4 旋回駆動装置、 5a,5b 旋回軸、 6a,6b 旋回点、 10 保護部材、 11 吸着機構、 12 支持部材、 20,21 レバー、 22 旋回点、 23 ピストン、 24 定位置の旋回点、 26 トレー収容部、 27 レバー機構、 28 アーム区分、 30 導入方向、矢印、 34 送風機構、 40,41 刷版スタック、 42,43 刷版、 44 カバーエレメント、 50 個別化装置、 51 縁部、 52 刷版収容部、 60 安全センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刷版(42,43)を加工するための装置に刷版(42,43)を準備して渡す方法であって、
少なくとも2つの刷版スタック(40,41)を、別々に少なくとも2つの刷版準備エレメント(1,2)内または少なくとも2つの刷版準備エレメント(1,2)上に形成し、刷版準備エレメント(1,2)は相互に位置変化可能であり、個別化装置(50)によって、個別化装置(50)の作用範囲内に存在するそれぞれ1つの刷版スタック(40,41)から刷版(42,43)を個別化する方法において、
少なくとも1つの第1の刷版準備エレメント(2)を、少なくとも1つの旋回軸(5a,5b)を中心に旋回させ、刷版準備エレメント(2)の刷版スタック(40)を、個別化装置(50)により刷版スタック(40)から刷版(42)を個別化するための取出位置、または静止位置に移動させることを特徴とする、刷版を加工するための装置に刷版を準備して渡す方法。
【請求項2】
個別化装置(50)を、加工装置に向かって刷版準備エレメント(1,2)の手前に設け、個別化された刷版(42,43)を加工装置に渡すようにし、
加工装置に渡すために、個別化装置(50)を、刷版(42,43)の前方部分に作用するようにし、
第1の刷版準備エレメント(2)を、大体において第2の刷版準備エレメント(1)の上方に移動させ、
第1の刷版準備エレメント(2)を、取出位置に位置決めし、第2の刷版準備エレメント(1)の少なくとも前方部分が覆われて、個別化装置(50)が第2の刷版準備エレメント(1)の刷版(43)ではなく第1の刷版準備エレメント(2)の刷版(42)に作用するようにし、
第1の刷版準備エレメント(2)を、旋回させて静止位置に移動させ、静止位置では、第1の刷版準備エレメント(2)は、取出位置よりも、個別化装置(50)および好適には第2の刷版準備エレメント(1)から離間していて、第2の刷版準備エレメント(1)の前方部分に、個別化装置(50)が作用できるようにする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
刷版準備エレメント(2)を、少なくとも1つの定位置の軸(5a,5b)を中心に旋回させるものであって、そのために刷版準備エレメント(2)を、一緒に旋回可能な少なくとも1つの軸(6a,6b)を介して、側方に配置された少なくとも1つのレバー(20,21)と連結しており、
少なくとも1つのレバー(20)が、旋回軸(5b)と結合されていて、かつレバーの一区分(28)を介して旋回駆動装置(4)と結合されており、該旋回駆動装置(4)によって旋回軸(5b)を中心とするレバー(20)の回動運動を生ぜしめ、該回動運動により、少なくとも1つの定位置の軸(5a,5b)を中心とする刷版準備エレメント(2)の旋回運動が生ぜしめられる、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
好適には請求項1から3までのいずれか1項記載の方法を実施するための、刷版スタック(40,41)上の刷版(42、43)を準備する装置であって、
刷版スタック(40,41)を収容するための少なくとも2つの個別の刷版準備エレメント(1,2)が設けられており、
少なくとも2つの刷版準備エレメント(1,2)は、大体において上下に配置されており、第1の刷版準備エレメント(2)は、第2の刷版準備エレメント(1)に対して位置変化されるようになっているものにおいて、
第1の刷版準備エレメント(2)と連結された少なくとも1つの旋回軸(5b)が設けられており、第1の刷版準備エレメント(2)は、第2の刷版準備エレメント(1)に対して、旋回軸(5b)を中心に旋回することにより、取出位置および静止位置に移動させられるようになっており、
個別化装置(50)が設けられており、該個別化装置(50)は、第1の刷版準備エレメント(2)の刷版(43)を、取出位置で、刷版スタック(40)から個別化するようになっていることを特徴とする、刷版を準備して渡す装置。
【請求項5】
第1の刷版準備エレメント(2)は、少なくとも1つの側方のレバー(20)を介して旋回軸(5b)と連結されており、該旋回軸(5b)は、当該刷版を準備して渡す装置に関して定位置の軸であり、旋回駆動装置(4)が設けられており、該旋回駆動装置(4)は、レバー(20)の一区分(28)を介して旋回軸(5b)と連結されており、作動することにより、旋回軸(5b)を中心とするレバー(20)の回動が行われ、ひいては旋回軸(5b)を中心とする刷版準備エレメント(2)の旋回が行われるようになっている、請求項4記載の装置。
【請求項6】
少なくとも第1の刷版準備エレメント(2)を収容するための少なくとも1つの収容架構、好適にはトレー収容部(26)が設けられており、該収容架構は、特に概ね平行の2つの側方のアーム(3)によって形成されている、請求項5記載の装置。
【請求項7】
第1の刷版準備エレメント(2)は、まず少なくとも1つの可動の旋回点(6a,6b)と結合されていて、次いで該旋回点(6a,6b)を介して、少なくとも1つの定位置の旋回軸(5a,5b)を有する少なくとも1つのレバー(20,21)と結合されており、少なくとも1つの旋回軸(5b)は更にレバーの一区分(28)を介して前記少なくとも1つの旋回駆動装置(4)と連結されており、該旋回駆動装置(4)は、好適にはリニア駆動装置、特に空気力式駆動装置または液力式の駆動装置であり、当該刷版を準備して渡す装置の側方で、駆動装置(4)が旋回軸(5b)と連結されるようになっており、該駆動装置(4)は、可動の旋回点(22)と該駆動装置(4)、特にピストン(23)とを連結させている、請求項5または6記載の装置。
【請求項8】
駆動装置(4)自体は、定位置の旋回点(24)を介して、ハウジングもしくは架構と結合されていて、少なくとも1つの第1の刷版準備エレメント(2)の旋回の作動と同時に旋回点(24)を中心に旋回されるようになっている、請求項7記載の装置。
【請求項9】
請求項4から8までのいずれか1項記載の刷版を準備して渡す装置を備えた刷版露光器において、
第2の刷版準備エレメント(1)が、刷版収容部の定位置の底板であって、刷版収容部は、少なくとも第1および第2の刷版準備エレメント(1,2)を備えており、刷版収容部は、カバーエレメント(44)により閉じられており、該カバーエレメント(44)は、刷版収容部に刷版(42,43)または刷版準備エレメント(2)を渡すために開放可能な保護部材(10)を備えており、閉じた状態では、第1の刷版準備エレメント(2)の取出位置でも静止位置でも、全ての刷版準備エレメント(1,2)は、保護部材(1)およびカバーエレメント(44)により包囲されるようになっていることを特徴とする、刷版露光器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−191760(P2011−191760A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54417(P2011−54417)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(390009232)ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフト (347)
【氏名又は名称原語表記】Heidelberger Druckmaschinen AG
【住所又は居所原語表記】Kurfuersten−Anlage 52−60, Heidelberg, Germany
【Fターム(参考)】