説明

前方車両監視通報伝達装置及びその通報伝達方法

【課題】 この発明は誰もが容易に取り扱え、且つ、安価で高性能で、操作性・耐久性・メンテナンス性に優れた前方車両監視通報伝達装置及びその通報伝達方法を早期に開発・提供する事にある。
【解決手段】 車両の前方に装着して前方車両の移動発進による車間距離の変化を瞬時に検知して異常伝達信号を送信するための赤外線センサー等の車間距離検知用センサーと、車間距離検知用センサーから発信された電気信号を受信して、異常伝達信号を発信する制御装置と、前方車両の発進移動を後方車両の運転手に通報伝達する通報伝達手段から成ることを特徴とするものである。又、通報伝達手段は、通報用ブザーと通報用バイブレーターの両方、或いは、通報用ブザー又は通報用バイブレーターの、何れか一方に信号を送信して、後方車両の運転手に通報伝達することを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、前後方向に縦列して並んで順番待ちを必要とする、冷凍食品等の荷物を運搬するトラックや、乗客を乗せるタクシー等の車両に搭載し、且つ、前方車両と後方車両間を所定間隔に保った車間距離を検知して認識し、順番待ちをする運転手が仮眠状態時に前方車両が移動発進した際、異常伝達信号を送信して後方車両の運転手に通報伝達する前方車両監視通報伝達装置及びその通報伝達方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍食品等の荷物を運搬するトラックは、現地の倉庫に荷物を下ろす為に、早朝から順番に縦一列に成って整列して待機する事が多い。その為、運転手は自分の順番がくるまで、寸暇を惜しんで車中で仮眠をとる事が多い。しかし、うっかり寝過してしまうと、後方の車両に追い越されて何の為に早朝から順番待ちをしていたか解らない結果を招くことも多々ある。
【0003】
又、これまで赤外線を利用して車の衝突事故を未然に防止する装置は、これまでにも多く発明され出願されているものもある。しかし、本発明は前記と逆の発想に基づいて発明されたもので、赤外線を利用して前方車両と後方車両間の車間距離を測定し、所定の車間距離を超えると、異常信号を発して、制御装置が働き異常伝達信号を送信して後方車両の運転手に通報伝達するものはこれまで出願されていない。
【0004】
そこで、上記の問題を解決すべく、誰もが容易に取り扱え、且つ、安価で高性能で、操作性・耐久性・メンテナンス性に優れた前方車両監視通報伝達装置及びその通報伝達方法を早期に開発する事が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
この発明の前方車両監視通報伝達装置に関する特許文献を参考の為、紹介する(特許文献1〜2参照)。
【特許文献1】特開2003−303395
【特許文献2】特開平5−288837
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、上記課題を解決する為に、この発明は誰もが容易に取り扱え、且つ、安価で高性能で、操作性・耐久性・メンテナンス性に優れた前方車両監視通報伝達装置及びその通報伝達方法を早期に開発・提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決する為の手段として、車両の前方に装着して前方車両の移動発進による車間距離の変化を瞬時に検知して異常伝達信号を送信するための赤外線センサー等の車間距離検知用センサーと、車間距離検知用センサーから発信された電気信号を受信して、異常伝達信号を発信する制御装置と、前方車両の発進移動を後方車両の運転手に通報伝達する通報伝達手段から成ることを特徴とするものである。
【0008】
又、通報伝達手段が、通報用ブザーと通報用バイブレーターの両方、或いは、通報用ブザー又は通報用バイブレーターの、何れか一方に信号を送信して、後方車両の運転手に通報伝達することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明の効果として、車両の前方に装着して前方車両の移動発進による車間距離の変化を瞬時に検知して異常伝達信号を送信するための赤外線センサー等の車間距離検知用センサーと、車間距離検知用センサーから発信された電気信号を受信して、異常伝達信号を発信する制御装置と、前方車両の発進移動を後方車両の運転手に通報伝達する通報伝達手段から成る事で、誰もが容易に取り扱え、且つ、安価で高性能で、操作性・耐久性・メンテナンス性に優れ、且つ、本装置を装着する事で、長距離運転で疲れた運転手が、待ち時間を有効に利用して安心して仮眠する事が出来る等、極めて有益なる効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の一実施例を示し、前方車両監視通報伝達装置の斜視図である。
【図2】この発明の使用例を示し、前方車両監視通報伝達装置を冷凍車両に搭載時の使用状況図である。
【図3】この発明の使用例を示し、前方車両監視通報伝達装置をタクシーに搭載時の使用状況図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明を実施するための形態として、前後方向に縦列して並んで順番待ちを必要とする、冷凍食品等の荷物を運搬するトラック(T1)や、乗客を乗せるタクシー(T2)等の車両に搭載し、且つ、前方車両と後方車両間を所定間隔に保った車間距離を検知して認識し、順番待ちをする運転手が仮眠状態時に前方車両が移動発進して車間距離が所定間隔を超えた際、異常伝達信号を送信して後方車両の運転手に通報伝達する監視通報伝達装置であって、該装置は車両の前方に装着して前方車両の移動発進による車間距離の変化を瞬時に検知して異常伝達信号を送信するための赤外線センサー等の車間距離検知用センサー(1)と、車間距離検知用センサー(1)から発信された電気信号を受信して、異常伝達信号を発信する制御装置(2)と、前方車両の発進移動を後方車両の運転手に通報伝達する通報伝達手段から成ることを特徴とする前方車両監視通報伝達装置から構成される。
【実施例1】
【0012】
そこで、この発明の一実施例を図1に基づいて詳述すると、前方車両監視通報伝達装置は図1に示すように、車両の前方部に装着して前方車両との車間距離を記憶させ、前方車両が移動発進した際、車間距離の変化を瞬時に検知して制御装置に信号を送る為の赤外線センサー等の車間距離検知用センサー(1)と、検知用センサーから送信された信号により、通報用ブザー(3)と通報用バイブレーター(4)を発信させる為の制御装置(2)と、仮眠をとっている運転手に対して、音や振動を与えて前方の車両が移動発進したことを通報する通報用ブザー(3)と通報用バイブレーター(4)から構成される。
【0013】
次に、使用方法の一例を説明すると、まず、本装置に使用する赤外線センサー等の車間距離検知用センサー(1)は、前方車両と後方車両間の車間距離を瞬時に測定可能で、予め、セットした距離を超えると、異常信号を発信するもので、例えば冷凍トラック等の長尺車両(T1)に本装置を装着して使用する場合は、図2に示すように、仮に車両(T1)の長さ(約6220mm)+車間距離(約1000mm)=約7220mmとした場合、予め車間距離を10000mm(10m)にセットし、待機中の前方の車両が荷下ろしの為、倉庫(S)の方向へ移動発進して10mを超えると、異常信号が送られて制御装置(2)が働き、通報用ブザー(3)と通報用バイブレーター(4)、又は、通報用ブザー(3)と通報用バイブレーター(4)の何れか一方が作動して、音や振動を発して仮眠中の運転手に通報するものである。
【0014】
又、タクシー等の短尺車両(T2)に本装置を装着して使用する場合は、図3に示すように、仮に車両の長さ(約4870mm)+車間距離(約1000mm)=約8000mmとした場合、予め車間距離を8000mm(8m)にセットし、乗客(BV)を乗せる為、前方の車両(T2)が移動発進して後方車両との車間距離が8mを超えると、異常信号が送られて制御装置(2)が働き、通報用ブザー(3)と通報用バイブレーター(4)の両方が作動して音と振動を発するか、又は、通報用ブザー(3)と通報用バイブレーター(4)の何れか一方が作動して、音又は振動を発して仮眠中の運転手に通報するものである。
【0015】
上記、通報伝達手段(通報用ブザーと通報用バイブレーター)に関しては、運転手が仮眠する時の状況判断によって、通報用ブザー(3)と通報用バイブレーター(4)の両方に信号を送信して、両方共作動するか、或いは、通報用ブザー(3)又は通報用バイブレーター(4)の、何れか一方に信号を送信して一方のみ作動させる方法の2種類が選択出来るように成っている。
【0016】
本装置の取付要領について概要を説明すると、前方車両と後方車両間の車間距離を測定する赤外線センサー等の車間距離検知用センサー(1)は、車両の前方に位置するバンパー、又は、フロントグリル等に装着して赤外線(IR)が前方車両に確実に発進可能な位置を選択して装着し、制御装置(2)は運転席の近辺で容易に操作が出来る場所を選択して設置する。又、本装置の直流電源用端子(5)は、直流電源用端子挿入口(5')に確実に挿着し、且つ、通報用バイブレーター(4)は、運転席シートの背もたれ部に設置し、それぞれの配線用コート(1a)(4a)(5a)は、邪魔にならないよう局部的に止め金具等でしっかり固定する。
【0017】
又、上記の車間距離検知用センサー(1)は、赤外線センサーに限定するものではなく、前方車両と後方車両間の車間距離の変化を後方車両で検知して、出力信号が出せるものであれば構わない。
【実施例2】
【0018】
その他の事例として、本発明の前方車両監視通報伝達装置は、冷凍食品等の荷物を運搬するトラック(T1)や、乗客を乗せるタクシー(T2)等の車両に限定するものではなく、一般車両に搭載しておけば、交通渋滞等で車が停止状態に成った時等、ドライバーが寸暇を惜しんで仮眠する事が出来る。
【産業上の利用可能性】
【0019】
この発明の前方車両監視通報伝達装置及びその通報伝達方法は、誰もが容易に取り扱え、且つ、安価で高性能で、操作性・耐久性・メンテナンス性に優れており、多くの運送業界やタクシー業界市場に寄与する点で産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0020】
1 赤外線センサー等の車間距離検知用センサー
1a 配線ケーブル
2 制御装置
3 通報用ブザー
4 通報用バイブレーター
4a 配線ケーブル
5 直流電源用端子
5a 配線ケーブル
5' 直流電源用端子挿入口
BV 乗客
IR 赤外線
S 倉庫
T1 冷凍トラック等の長尺車両
T2 タクシー等の短尺車両


【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に縦列して並んで順番待ちを必要とする、冷凍食品等の荷物を運搬するトラック(T1)や、乗客を乗せるタクシー(T2)等の車両に搭載し、且つ、前方車両と後方車両間を所定間隔に保った車間距離を検知して認識し、順番待ちをする運転手が仮眠状態時に前方車両が移動発進して車間距離が所定間隔を超えた際、異常伝達信号を送信して後方車両の運転手に通報伝達する監視通報伝達装置であって、該装置は車両の前方に装着して前方車両の移動発進による車間距離の変化を瞬時に検知して異常伝達信号を送信するための赤外線センサー等の車間距離検知用センサー(1)と、車間距離検知用センサー(1)から発信された電気信号を受信して、異常伝達信号を発信する制御装置(2)と、前方車両の発進移動を後方車両の運転手に通報伝達する通報伝達手段から成ることを特徴とする前方車両監視通報伝達装置。
【請求項2】
前後方向に縦列して並んで順番待ちを必要とする、冷凍食品等の荷物を運搬するトラック(T1)や、乗客を乗せるタクシー(T2)等の車両に搭載し、且つ、前方車両と後方車両間を所定間隔に保った車間距離を検知して認識し、順番待ちをする運転手が仮眠状態時に前方車両が移動発進して車間距離が所定間隔を超えた際、異常伝達信号を送信して後方車両の運転手に通報伝達する監視通報であって、通報伝達手段が、通報用ブザー(3)と通報用バイブレーター(4)の両方、或いは、通報用ブザー(3)又は通報用バイブレーター(4)の、何れか一方に信号を送信して、後方車両の運転手に通報伝達することを特徴とする通報伝達方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−257895(P2011−257895A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130610(P2010−130610)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(510159779)
【Fターム(参考)】