説明

割り勘金額表示システム

【課題】 本発明は、顧客にとって分割金額の支払いが容易であり、また店舗側にとっても利便性の高い割り勘金額を表示するシステムを提供することを課題とする。
【解決手段】
本発明は、飲食店舗等に支払代金の精算結果の表示を顧客毎の割り勘金額に変換して各種端末器/レジスタに表示する割り勘金額表示システムにおいて、複数人からなる顧客に対して請求する合計支払代金と、該合計支払代金と同一金額の所望の人数分による割り勘金額とを同時に予め表示する手段を備え、表示する割り勘金額の単位を所望の単位に揃えるとともに残りを端数として表示することである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店舗等で支払代金の所望の人数による割り勘金額を提示する割り勘金額表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店舗等の合計支払代金(合計支払代金とは、顧客が注文/購入した商品の値段の合計と消費税との合計した金額を示す)において、顧客の支払代金の割り勘金額の計算に関しては、下記のシステムが知られている。
【0003】
例えば、1つのシステムとして店舗側で代金の合計金額を算出する際、合計金額を来店人数の値で割った一人分の金額を自動で算出し、全ての品が揃った時に渡されるオーダ伝票や代金の精算を行うPOS端末の顧客表示器への表示情報やレシート情報に、一人分の金額情報を付加し、客に割り勘後の結果を表示するシステムが知られている。
【0004】
このシステムでは、計算される割り勘金額が最終的な合計支払代金を基準にして人数分で割った金額を提示するものであるため、途中で帰る人や途中から入ってくる人がいたりする人数が変更する確率の高い多人数(例えば、3人以上等)の顧客の場合、注文の状況に応じた正確な割り勘金額を迅速に提示することは困難であった。
【0005】
そこで、これを解決するシステムとして飲食店の従業員用の携帯端末と、携帯端末からの無線データを受信する受信装置及びこれに接続される無線コントローラと、無線コントローラに接続されるPOSシステム及びこれに接続される商品管理と、無線コントローラに接続されるプリンタとを備え、携帯端末又は無線コントローラで複数の顧客から注文毎にその注文品の合計金額とその注文時の人数に応じた割り勘金額を計算し、プリンタで計算された割り勘金額の情報を注文品と共に客に渡すレシートに印字するシステムが提案された。
【特許文献1】特開平11−86137号公報
【特許文献2】特開2005−165756号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかながら、上述した従来のシステムは、人数の変更に対応することができるものの合計支払金額に対して人数分で割った金額を提示するものであるため、合計支払金額は、例えば100円の位で表示されているものの、割り勘金額は1円の位で表示される場合が多く発生することとなり、顧客/店舗側両方にとって支払処理作業に手間がかかり、割り勘金額の表示の利点を損なうという欠点があった。
【0007】
また、支払金額に対して人数分で割った金額に端数が発生した場合、従来のシステムでは切り捨てて計算すると開示しているために、合計支払金額と割り勘金額とが同一の金額とならず店舗側にとって必ずしも利便性があるものではなく、現状にそぐわないシテスムであった。
【0008】
また、人数の変更の対応に関しても、例えば、途中で帰る顧客に対してはその時までの支払金額の割り勘金額で対応するのみで、残った顧客は本来なら、最終の支払金額より割り勘金額を引いた支払金額を割り勘しなければならないがその点に関して明確に開示されていない。
【0009】
さらに、複数人の顧客が来店したとしても必ずしも割り勘の人数が顧客の人数と一致するとは限らず(例えば、顧客の人数が6人で割り勘の人数3人の場合もある。)、また合計支払金額より一定金額を差し引いた金額を割り勘する場合等割り勘といっても種々の対応が必要であるが、従来のシステムでは十分に対応することができない。
【0010】
そこで、本発明は、上述の課題を考慮してなされたもので、顧客にとって分割金額の支払いが容易であり、また店舗側にとっても利便性の高い割り勘金額を表示するシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を達成するために、本発明の第1の割り勘金額表示システムは、飲食店舗等に支払代金の精算結果の表示を顧客毎の割り勘金額に変換して各種端末器/レジスタに表示する割り勘金額表示システムにおいて、複数人からなる顧客に対して請求する合計支払代金と、該合計支払代金と同一金額の所望の人数分による割り勘金額とを同時に予め表示する手段を備え、表示する割り勘金額の単位を所望の単位に揃えるとともに残りを端数金額として表示することを特徴とするシステムである。
【0011】
また、本発明の第2の割り勘金額表示システムは、飲食店舗等に配され、顧客が注文/購入した商品名、値段及び合計支払代金、割り勘金額の出力印字を行う割り勘金額表示システムにおいて、複数人からなる顧客に対して請求される合計支払代金と、該合計支払代金と同一金額の所望の人数分の割り勘金額とを同時に時間経過に応じて予め出力印字し、しかも出力印字による割り勘金額の単位を所望の単位に揃えるとともに残りを端数金額として表示することを特徴とするシステムである。
【0012】
また、本発明の第3の割り勘金額表示システムは、顧客の人数に増減の変更がある場合に、前記時間経過毎の合計支払金額より減少した人数分の割り勘金額を引いた残金に時間経過毎の追加される金額を足した合計支払金額と所望の人数分の割り勘金額とを同時に予め出力印字/前記時間経過毎の合計支払金額と増加した人数分の割り勘金額とを同時に予め出力印字するシステムである。
【0013】
さらに、本発明の第4の割り勘金額表示システムは、顧客の支払い方法に変更がある場合に、前記時間経過毎の合計支払金額より所定の金額を引いた残金に時間経過毎の追加される金額を足した合計支払金額と所望の人数分の割り勘金額とを同時に予め出力印字するシステムである。
【作用と効果】
【0014】
次に、上述のような本発明の割り勘金額表示システムは、飲食店舗等で複数人からなる顧客の合計支払代金と、合計支払代金と同一金額の所望の人数分による割り勘金額とを各種端末器/レジスタの表示する手段により同時に予め表示する。この際、表示する割り勘金額の単位を所望の単位に揃えるとともに残りを端数金額として表示する。
【0015】
また、飲食店舗等で複数人からなる顧客が購入した商品名、値段及び合計支払代金、合計支払代金と同一金額の所望の人数分による割り勘金額とを同時に時間経過に応じて予め出力印字する。この出力印字による割り勘金額の単位を所望の単位に揃えるとともに残りを端数金額として表示する。この際、複数人からなる顧客の数の増減変更があると時間経過に応じた合計支払金額より一定金額を引いた残金に追加された金額を追加した支払金額/合計支払金額と追加した人数分による割り勘金額とを同時に時間経過に応じて予め出力印字する。
【0016】
また、顧客の支払い方法に変更がある場合に、前記時間経過毎の合計支払金額より所定の金額を引いた残金に時間経過毎の追加される金額を足した合計支払金額と所望の人数分の割り勘金額とを同時に予め出力印字する。
【0017】
上記のようなシステムを利用することで、顧客は個々に割り勘金額所望の単位で払うことができるとともに、端数金額を顧客の内の一人が負担することで容易に精算することができる。また、端数金額は顧客の希望により、10円の単位、100円の単位、1000円の単位等自在に設定することができるので、端数金額を負担する顧客にしても大きな負担とならず、また、店舗側にとっても割り勘による端数金額の切り捨てによる合計支払代金との差を負担することがない。
【0018】
さらに、顧客の数が増減変更した場合でも、顧客は常に時間経過毎の正確な合計金額に対しての個々に割り勘金額を支払いすることができるとともに、種々の支払い形態ができるので、利用の利便さを図ることができる。
【0019】
また、店舗側にとっても顧客への利用の利便さという格別のサービスを提供することができることとなり、他店との差別化をより明確にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
【0020】
次に、本発明に係る割り勘金額表示システムを実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、全体の構成を示す概略フローチャートであり、図2はレシート用又は表示用の印字データの一列を示す図であり、図3は途中での顧客の変更があった場合を示す概略フローチャートである。
【0022】
図1に示す割り勘金額表示システムは、居酒屋、レストラン等の飲食用の店舗で利用する場合を例として表示している。
先ず、店舗に来店した複数人からなる顧客に対して、従業員が最初の注文品、個数の注文を携帯端末機/個別記入シートに入力の際、種々の情報(割り勘、割り勘の人数…来店の人数と割り勘人数とが一致しない場合を想定、現金/クレジットカード、人数の変更)を入力する。顧客の追加の注文品、個数の入力はオーダの終了まで追加入力する。
【0023】
入力されたデータは、携帯端末機/個別記入シートに接続/携帯端末機/個別記入シートより受信した受信装置としてのレジスタに時間経過とともに随時入力される。
【0024】
オーダの終了後、入力されたデータの一覧と消費税等の費用の合計支払金額と割り勘金額とを、携帯端末機/レシートに印字して顧客に予め表示する。
【0025】
割り勘金額の携帯端末機/レシートでの表示の際、最小単位を顧客に選択して設定する。例えば、1,000円単位(又は100円単位)として、端数金額がある場合はその金額を最後に表示する。
【0026】
顧客は携帯端末機/レシートに印字に従って予めそれぞれの割り勘金額を回収してレジスタで支払いを済ますか、または各人がそれぞれレジスタで支払いを済ます。端数金額に関しては、顧客どうしの話し合いで割り振り(例えば、代表して1人が支払う等)を決定して支払う。
【0027】
受信装置としてのレジスタは、データの入力部に入力された後、金額処理部にで入力されたデータに沿って金額処理され、消費税等を付加した合計支払金額Aは算出し、そして割り算処理部で設定された最小単位を1,000円として、入力された人数による割り勘金額Bを算出して端数金額Cを算出する。その後、表示部で入力されたデータ、合計支払金額A、割り勘計算B及び端数金額Cをレシートによる印字表示する。
【0028】
割り勘計算Bの算出の例として、合計支払金額Aが20,000円で、割り勘人数が4人の場合は、割り勘金額B=5,000円で容易に算出可能であるが、割り勘人数が3人の場合は、割り勘金額B=6,000円と端数C1000円と表示することで端数を分け合ったり一人が負担することができる。
【0029】
これにより、従来のように単に合計支払金額A、割り勘金額Bとを表示するだけでなく、顧客の支払い易い状況での割り勘金額Bが可能となり、各顧客の割り勘金額Bの回収が容易となる。さらに、店舗側にとっても割り勘金額Bの切り捨て等が発生しないので、損失を発生することがない。
【0030】
尚、レシートによる印字を使用する場合は、合計支払金額と別途に顧客それぞれの割り勘金額をレシートで印字することで、個々の支払いをより容易に行うことも可能である。即ち、割り勘金額を現金で支払う顧客と、割り勘金額をクレジットカードで支払う顧客とが混合した複数の顧客であっても対応することができる。
【0031】
店舗側にとっても、売上の計算においては従来と同様に合計支払金額のみで計算することができ、顧客への利便性というサービスの提供を行うことができる。
【0032】
顧客全体の人数が多くなればなるほど、顧客の人数の途中での増加/減少が発生する。この場合に対応する割り勘金額表示システムについて説明する。
【0033】
先ず、飲食店で、来店した複数人からなる顧客の各注文品、個数及び割り勘の確認を従業員が受け付けして携帯端末機/個別記入シートにデータ入力する。顧客の各注文品、個数は、一定のオーダ注文を繰り返した後、顧客の人数の途中で減少が発生するとこの時点での入力されたデータをレジスタで合計支払金額1を表示し、該合計支払金額1の割り勘金額B(…最小単位を設定し、端数金額がある場合はその端数金額も表示する)を表示し、途中で帰る顧客は、自己の負担分である割り勘金額Bを支払って帰ることができる。
【0034】
残った顧客はその後も追加のオーダ注文があると、携帯端末機/個別記入シートに追加データを入力し、最終オーダーが終了した後、最終の合計支払金額2を表示するとともに、前記割り勘金額Bを差し引いた合計支払金額3と該合計支払金額3の割り勘金額B(…最小単位を設定し、端数金額がある場合はその端数金額も表示する)をレシートに印字して予め表示する。
【0035】
顧客の代表者は、各人より割り勘金額Bを集金し端数金額を負担して合計支払金額3として店舗側に支払うことができる。
【0036】
顧客の人数が途中で増加する場合は、携帯端末機/個別記入シートに割り勘人数の追加データを入力することで、以後は上記と同様のシステムで対応することができる。
【0037】
店舗側への支払いに関しては、顧客が個々に支払いを行う場合は、合計支払金額3と該合計支払金額3の割り勘金額B(…最小単位を設定し、端数金額がある場合はその端数金額も表示する)を顧客に数に応じて個々にレシートに印字し、そのレシートでここに支払いをすることができる。この際、顧客が個々に支払う割り勘金額Bは、最小単位を設定して計算してあるために、顧客にとっては支払いが容易であり、店舗側にとってもお釣り等のレジ作業を簡略化することができる。
【0038】
このように、顧客に対しての合計支払金額、割り勘金額の途中での表示を行うことで、顧客に対してのサービスの向上及び安心感をあたえることができる。
【0039】
また、顧客は支払金額を把握することができ、また割り勘の計算処理をする手間なく利用することができる。
【0040】
また、顧客の人数が多く変更がある場合でも、随時一人分の割り勘の計算処理が可能であり、その利用が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体の構成を示す概略フローチャートである。
【図2】本発明のレシート用又は表示用の印字データの一列を示す図である。
【図3】本発明の人数変更の場合の概略フローチャートである。
【符号の説明】
1,2,3−合計支払金額
,B−割り勘金額

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食店舗等に支払代金の精算結果の表示を顧客毎の割り勘金額に変換して各種端末器/レジスタに表示する割り勘金額表示システムにおいて、複数人からなる顧客に対して請求する合計支払代金と、該合計支払代金と同一金額の所望の人数分による割り勘金額とを同時に予め表示する手段を備え、表示する割り勘金額の単位を所望の単位に揃えるとともに残りを端数金額として表示することを特徴とする割り勘金額表示システム。
【請求項2】
飲食店舗等に配され、顧客が注文/購入した商品名、値段及び合計支払代金、割り勘金額の出力印字を行う割り勘金額表示システムにおいて、複数人からなる顧客に対して請求される合計支払代金と、該合計支払代金と同一金額の所望の人数分の割り勘金額とを同時に時間経過に応じて予め出力印字し、しかも出力印字による割り勘金額の単位を所望の単位に揃えるとともに残りを端数金額として表示することを特徴とする割り勘金額表示システム。
【請求項3】
顧客の人数に増減の変更がある場合に、前記時間経過毎の合計支払金額より減少した人数分の割り勘金額を引いた残金に時間経過毎の追加される金額を足した合計支払金額と所望の人数分の割り勘金額とを同時に予め出力印字/前記時間経過毎の合計支払金額と増加した人数分の割り勘金額とを同時に予め出力印字する請求項2に記載の割り勘金額表示システム。
【請求項4】
顧客の支払い方法に変更がある場合に、前記時間経過毎の合計支払金額より所定の金額を引いた残金に時間経過毎の追加される金額を足した合計支払金額と所望の人数分の割り勘金額とを同時に予め出力印字する請求項2又は3に記載の割り勘金額表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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