説明

創傷および火傷を治療するための組成物

本発明は、創傷部位で組織細胞の増殖を促進することができる液体組成物の使用、組織および創傷治癒の再生を促進するプロセスを開示する。より具体的には、本発明は、カチオンAおよび一般式[OX]のハロゲンオキシド由来のアニオンからなる塩から選択された成分(a)、酸素供与体の群から選択された成分(b)、ならびに液体バインダーの群から選択された成分(d)を含む液体組成物の、開放創および火傷の治療のための使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、創傷の部位の組織細胞の成長を促進することができる液体組成物の使用、組織および創傷治癒の再生を促進するプロセスに関する。より具体的には、本発明は、カチオンAおよび一般式[OX]によるハロゲンオキシドに由来するアニオンからなる塩から選択された成分(a)、酸素供与体の群から選択された成分(b)、および開放創と火傷の治療のための液体バインダーの群から選択された成分(d)を含む液体組成物の使用に関する。
【発明の背景】
【0002】
開放創と火傷が治癒するプロセスは、非常に複合の、完全にはよく理解されていないプロセスである。今日、開放創または火傷を治療するための最も一般的な手法には、例えば水分の損失、ならびに自家移植、真皮交換製品またはアルギン酸塩のようなヒドロゲルを使用した感染に対する保護のための一時的な傷口の閉鎖/被覆、冷却および痛みの緩和のための物質の投与、傷口の出血を抑制するための止血剤としての薬等を投与することによる傷口の治癒の促進、炎症を抑制するための抗炎症薬、雑多なバクテリアが傷口に侵入するのを防ぐ滅菌のための滅菌装置、または上述した薬学的効果の組み合わせを含む薬剤が主に含まれる。しかしながら、現在、創傷治癒の最後段階としての「組織の再構築」は、生体の固有の自然治癒に依存せざるを得ない。
【0003】
血流を損なった開放創または火傷は、治癒プロセスの遅延または完全な失効によってしばしば特徴づけられる。これは、低酸素組織の感染に対する抵抗性はより低くなるという事実と自然治癒のプロセスが損なわれるという事実に基づいている。従って、創傷酸化が、(慢性)創傷および火傷を治癒するのに有益であることが長らく知られている。創傷の治癒および酸素の効果は集中的に研究されてきており、有用な概要が、J.D. Whitney, "Physiological Effects of Tissue Oxygenation on Wound Healing", HEART & LUNG, september 1989, Vol. 18 No. 5, pp. 466-474に示されている。
【0004】
開放創または火傷に酸素分子が豊富な環境を供給することは、創傷部位の周辺に存在する細胞を活性化させることによって、すなわち、これらの細胞の代謝を促進し、好中球または多核白血球(PMN)によるバクテリアの食作用の促進および殺傷によって創傷治癒において有益であると考えられている。これは、活性酸素および過酸化物の生産を伴い、組織における酸素濃度による直接的な影響を受ける。
【0005】
活性酸素は、通常の酸素分子とは化学種および生化学的活性の観点においてかなり異なる。通常の酸素は代謝だけに関与するが、細胞の成長のための生体シグナルとしては機能しない。一方、活性酸素は代謝に関与しないが、細胞の成長のための生体シグナルとして機能する。
【0006】
自然治癒では、創傷部位の組織の再構築は以下のプロセスを通して行われる:(1)創傷部位に集まったマクロファージが増殖因子および酵素を生産する、(2)増殖因子および酵素が活性化される、(3)活性化された増殖因子および酵素が細胞を増殖させる線維芽細胞の増加および運動を刺激する、および(4)組織が増殖した新しい細胞によって再構築(再生)される。
【0007】
自然治癒の場合、創傷部位で集まったマクロファージは活性酸素を産生し、活性酸素が、同じくマクロファージから産生された増殖因子および酵素を活性化させる生体シグナルとして機能する。すなわち、活性酸素は、自然治癒のプロセスにおいて増殖因子および酵素の活性化に貢献することを知られている。外から供給された活性酸素は、マクロファージから自発的に生成された活性酸素とともに増殖因子および酵素を活性化させ、かつ自然治癒のプロセスと類似のプロセスによって細胞の増殖を促進する。その結果、細胞の増殖は更に促進され、創傷部位の組織はより短期間に再構築(再生)される。
【0008】
これらのプロセス、特に血管形成のプロセスにおける通常の酸素分子および活性化された酸素の両方の重要性は、Cho et al. (Am. J. Physiol. Heart Circ. Physiol., 280; 2001) によってより詳細に記載されている。その所見は、活性化された酸素がマクロファージを刺激してVEGF(血管内皮の増殖因子)のより高いレベルを放出することを示す。その結果、創傷における血管形成を誘導することができる。彼らは、インビトロで酸素過剰になったとき、好中球が活性酸素のより高い量を放出し、かつVEGFそれ自体が創傷シリンダにおける酸素過剰によって刺激されることを見出した。
【0009】
開放創または火傷に通常の酸素分子または活性酸素を供給する複数の方法が、当該技術において一般に知られている。
【0010】
US 5.865.722は、以前から知られた高圧酸素チャンバーの特別のタイプである「局所的」高圧酸素チャンバーを開示している。高圧酸素チャンバーは、創傷のさまざまなタイプの治癒を促進するために、この酸素で封入された環境に加圧された酸素分子の導入し、創傷の様々なタイプの治癒を促進するためにある。具体的には、高圧酸素チャンバー内の開放創の治療が治癒を促進し、かつ細菌感染を抑制するとの記載がある。「局所的」高圧酸素チャンバーは、大きな高圧酸素チャンバーが高価であり、かつその全身性の酸素毒性の危険性のために提案されたものである。しかしながら、これらの局所性高圧酸素チャンバーは、体部への空気のタイトなシーリングにおける困難性の不利益を有する。これは、血液供給を妨げず、緩やかに上昇した圧力下での操作をもたらす一方、漏れのために、大量の酸素を消費する。
【0011】
US 5.792.090は、酸素を再生可能かつ非持続的 化学的に生成する酸素生成創傷被覆材の適用を通して、創傷酸素分圧を増加させるより簡便な手段を開示する。創傷被覆材は、固体の過酸化水素分解触媒(例えば二酸化マンガン)を含む酸素供給溶液リザーバにおいて過酸化水素を含む水性液体を含む。該システムは、化学反応を通して酸素分子を供給することができる。US 6.139.876は、酸素で飽和され得るゼラチンのようなゲルを開示する。ゼラチンが液体になるまで加熱し、閉鎖容器中に酸素ガスを導入する。ここでの圧力は少なくとも約0.15 Mpaであり、液体を酸素と混合する。冷却後、微視的泡の形態において過剰な酸素をその中に含むゼラチンを得ることができる。この酸素含有ゼラチンは、前記創傷または火傷に酸素分子を供給するために開放創および火傷に適用され得る。この方法の主な不利益は、貯蔵中の圧力を大気圧以上に維持するために、ゼラチンを特別な容器内に貯蔵しなければならないことである。
【0012】
US 2002/0160053 A1によれば、活性化された酸素を含む溶液の適用は、創傷の領域内およびその周辺で一定の生物化学的反応を増強することによって、自然治癒のプロセスに類似する増殖因子および酵素の活性化によって、創傷部位での新しい組織細胞の増殖を促進することができる。
【0013】
この発明は、US 2002/0160053 A1に開示されるように、上述の対象が、活性酸素およびハロゲンイオンを含む水で構成された水溶液を生成することによって達成され得る。活性酸素には、三重項酸素の励起によって形成された一重項酸素(1O2)、単一電子による酸素の還元によって形成されたスーパーオキシド(O2)、およびヒドロキシラジカル(HO-)、ならびに次亜塩素酸イオン(ClO-)およびペルオキシラジカル(ROO-)、アルコキシラジカル(RO-)、およびヒドロペルオキシド(ROOH)が含まれうる。
【0014】
この発明の主な欠点は、US 2002/0160053 A1によれば、活性化酸素を含む溶液を電気分解によって得なければならないという事実である。この発明によれば、それ自体は病院で行われるが、これは簡便性に欠け、併せてこれらの溶液があまり安定ではないことも示されている。また、電気分解装置の操作には熟練の人員を必要とする。
【0015】
US 4.507.285は、皮膚病を治療するために適用されるかまたは創傷および火傷を治療するために適用される亜塩素酸イオンおよび薬学的組成物のマトリックス中に安定化した活性酸素を含む水性組成物を開示する。安定化した活性酸素は、水溶液の形態において存在する。本発明による組成物の生産は、長期(4週間!)かつ面倒な反応工程を伴い、かなり不便かつコストのかかるプロセスである。
【0016】
US 6.488.965は、創傷および火傷の治療に適していると言われる液体製剤を開示する。該製剤には、亜塩素金属および過酸化化合物、好ましくは過酸化水素が含まれる。該製剤は、ゲル、クリームまたは軟膏の形態にある。しかしながら、創傷および火傷の成功した治療は、開示されていない。
【0017】
自然治癒のメカニズムを通して創傷治癒を促進し得る、より好ましくは、通常の酸素分子または活性酸素を創傷に供給することによって創傷治癒を促進し得る、開放創および火傷の治療用薬剤であって、使用が容易でかつ貯蔵および生産が容易かつコスト効率の良い薬剤への要求が依然として存在する。
【0018】
US 6.017.515は、歯の漂白または皮膚病および粘膜障害、特に病変の治療のための組み合わせ製剤を開示する。該組み合わせ製剤は、局所的に混合および適用されたとき、化学的に生成された酸素を送達することができる。US 6,017,515による組成物には、カチオンAおよび一般式[OX]のハロゲンオキシド由来のアニオンからなる塩から選択された成分(a)、ならびにカチオンAおよび一般式[B]r−のホウ酸由来のアニオンからなる塩から選択された成分(b)が含まれる。Aは、元素の周期表の1族または2族から選択された金属であり、Xはハロゲン原子であり、m=1〜4、n=1または2、p=1〜4、q=1〜8、およびr=1〜3である。
【発明の概要】
【0019】
我々は、驚くべきことに、US 6.017.515に開示された発明の活性成分が、理論に拘束されることなく、酸素を化学的に放出することによって開放創および火傷の治癒を促進するためにうまく使用され得ることを見出した。これらの成分を含む組成物は、局所的に適用されたときに、開放創および火傷の治癒を促進する薬剤の製造のために使用され得る。本発明の好ましい実施態様において、該組成物は、酸素供与体安定化薬剤とともに提供され得る。
【発明の詳細な説明】
【0020】
本発明の一側面は、開放創および火傷の治療用薬剤の製造のための液体組成物の使用であって、前記組成物が、カチオンAおよび一般式[OX]のハロゲンオキシド由来のアニオンからなる塩から選択された成分(a)(Aは元素の周期表の1族または2族から選択された金属であり、Xはハロゲン原子であり、m=1〜4、n=1または2である)、酸素供与体の群から選択された成分(b)、ならびに液体バインダーの群から選択された成分(d)を含む使用に関する。本発明によれば、該液体組成物は、少なくとも成分(a)、(b)および(d)を組み合わせることによって得られうる。
【0021】
式[OX]において、Xは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素でありえる。アニオン[OX]の例は、次亜塩素酸、次亜ヨウ素酸、亜塩素酸、亜ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過塩素酸および過ヨウ素酸である。本発明によれば、m=1〜4、n=1または2である1が好ましい。このときのアニオン[OX]で最も好ましいものは、次亜塩素酸のアニオンである。
【0022】
成分(b)は、好ましくはホウ酸金属化合物、過酸化金属化合物、過炭酸金属化合物(別名カルボナート ペルオキシハイドレート化合物)、過硫酸金属化合物(別名ペルオキソサルファー化合物)、過リン酸金属化合物、金属がアルカリであるかアルカリ土類金属、ハロゲンオキシド化合物、過酸化水素および有機過酸化物である金属からなる群から選択される酸素供与体から選択される。より好ましくは、成分(b)は過ホウ酸金属化合物(別名ペルオキソホウ酸塩化合物)、過炭酸金属化合物、過酸化金属化合物、過酸化水素、ハロゲンオキシド化合物および有機過酸化物からなる群から選択される。
【0023】
本発明によれば、ハロゲンオキシド化合物は、好ましくはハロゲンオキシド化合物前駆体からin situ形成される。適切なハロゲンオキシド化合物前駆体は、例えば金属ハライト(halite)(例えば当該技術分野において周知の亜塩素酸ナトリウムおよび金属ハイポハライト(hypohalite)、例えば次亜塩素酸ナトリウム化合物)である。
【0024】
本発明によれば、過ホウ酸塩化合物は、好ましくはカチオンAおよび一般式[B]r−のホウ酸塩由来のアニオンからなる塩から選択され、Aが、元素の周期表の1族または2族から選択された金属であり、p=1〜4、q=1〜8およびr=1〜3である。アニオンの例[B]r−は、過ホウ酸(BO3)-、メタホウ酸(BO2)-、オルトホウ酸(BO3)3-、ハイポホウ酸(B2O4)2- およびピロホウ酸またはテトラホウ酸アニオン (B4O7)2-である。好ましくは、p=1、q=2または3、およびr=1である。最も好ましくは、p=1、q=3およびr=1であり、最も好ましいアニオンが過ホウ酸塩であることを意味する。本本発明によれば、過炭酸塩化合物は、好ましくはカチオンAおよびアニオンCO32-からなる塩から選択される。これは、過炭酸塩がC-O-O-基を含まないことを意味する(後者はペルオキソ炭酸塩として知られている)。さらに、ペルオキソサルファー化合物は、好ましくはペルオキソ一硫酸塩およびペルオキソ二硫酸塩から選択される。過酸化金属化合物は、好ましくはアルカリ土類過酸化金属化合物、特に過酸化カルシウムおよび過酸化マグネシウムから選択される。有機過酸化物は、好ましくはカルバミド過酸化物である。ハロゲンオキシドは、好ましくは二酸化塩素ClO2である。
【0025】
本発明によれば、Aは、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウムおよびカルシウムからなる群から選択され、最も好ましくはナトリウムである。従って、成分(a)は最も好ましくは次亜塩素酸ナトリウムであり、成分(b)は最も好ましくは過ホウ酸ナトリウムである。
【0026】
成分(a)および(b)は、結晶化の水としての水の一以上の分子を含む。しかしながら、好ましくは成分(a)のために、その水溶液が使用される。成分(b)もまた、結晶化の水としての水の一以上の分子を含むことができる(例えば、一水和物、二水和物、三水和物および四水和物)。本発明によれば、成分(a)および成分(b)の全ての水和物が使用され得る。成分(a)または成分(b)が異なる多形体で存在する場合、全てのこれらの多形体が本発明において使用され得る。
【0027】
明確性のために、成分(b)が例えば過ホウ酸ナトリウム四水和物である場合、化合物Na2BO3.4H20は、たいていNa2[B2(O2)2(OH)4].6H2Oとして定義されることを意味する;後者の化合物の一般名称は、ペルオキソホウ酸ナトリウム六水化物である。同様に、成分(b)が例えば過ホウ酸ナトリウム一水和物である場合、化合物Na2BO3.H20は、たいていNa2[B2(O2)2(OH)4]として定義されることを意味する。このような化合物の命名法についての参考文献には、Kirk-Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology, 4th Edition, Volume 18, pages 202 - 229 (1996) がある。
【0028】
本発明は薬剤の製造に関する。本発明は、上記に定義された成分(a)および成分(b)を含む液体組成物を使用する。用語「液体」が本明細書中で使用されたとき、これは、局所的適用に適した当該技術分野において周知の全ての固体ではない薬学的処方を意味する。特に、本発明は、ゲル、クリーム、ペーストまたは軟膏またはより液状の材料(例えば懸濁液、分散液またはエマルジョン)に関する。
【0029】
前記組成物は、薬剤の製造のために使用される。該組成物には、当該技術分野において周知の局所適用のための薬剤の全ての種類が含まれる。本発明による特に好ましい薬剤は、創傷ゲル、創傷スプレーまたは創傷被覆材である。任意の薬剤の製造における成分(a)または成分(b)の使用は、成分(a)および成分(b)の組み合わされた適用によって開放創または火傷の治療のために使用されることを目的とし、本発明の範囲内にある。
【0030】
用語「創傷被覆材」は、本明細書中で使用されたとき、特に保護、吸収、排液等のための創傷に適用される全ての材料を意味する。多数の種類の被覆剤には、商業的に入手可能な、フィルム(例えば、ポリウレタン フィルム)、親水コロイド(ポリウレタンフォームと結合した親水性コロイド粒子)、ヒドロゲル(少なくとも約60%の水を含む架橋ポリマー)、フォーム(親水性または疎水性)、アルギン酸カルシウム(アルギン酸カルシウム製の繊維の不織複合物)、およびセロハン(可塑剤を含むセルロース)が含まれる。本発明の一実施態様によれば、前記薬剤は、液体、本発明の創傷治癒組成物に含浸された、あるいは該組成物でコートされた創傷被覆材である。
【0031】
特に好ましい実施態様において、創傷または火傷との接触の間に分解および/または溶解する創傷被覆材が使用される。このような実施態様において、創傷治癒組成物に含浸された、あるいは該組成物でコートされた被覆材は、水溶性ポリマーで構成される。本発明において適切に使用され得るポリマーの例、ボリ(乳酸)、ボリ(アクリル酸)およびポリビニルピロリドンである。
【0032】
本発明は薬剤の製造に関する。該薬剤には、成分(a)、成分(b)および成分(d)を含む組成物を使用する。該薬剤は、開放創または火傷に一定量の化学的に発生させた酸素を供給する。該酸素の供給が、創傷治癒を促進するのに効果的である。好ましい前記薬剤には、全組成物当り約0.1重量%〜約30重量%の成分(a)、より好ましくは約0.5重量%〜約25重量%、最も好ましくは約1.0重量%〜約20.0重量%の成分(a)が含まれる。本発明の薬剤には、好ましくは全組成物当り約0.1重量%〜約8.0重量%の成分(b)、より好ましくは約0.2重量%〜約6.0重量%、最も好ましくは約0.3重量%〜約3.0重量%(組成物の全重量当たりで計算)の成分(b)が含まれる。前記薬剤にはさらに、全組成物当り約1.0重量%〜約80.0重量%の成分(d)、より好ましくは約2.0重量%〜約50.0重量%、最も好ましくは約3.0重量%〜約20.0重量%の成分(d)が含まれる。
【0033】
本発明による液体バインダーは、以下に説明するように、成分(a)および(b)および任意的には(c)を分散させるために、そして組成物の安定性を増強させるために特に使用される。さらに、液体バインダーは、発明による組成物の活性成分の濃度を調整するために使用される。明らかに、液体バインダーはまた、付加的性質を有する。例えば、厚みをもたせる性質、安定化させる性質、水への結合を促進する性質を有し、これらの諸性質は当業者にとって周知である。これらの液体バインダーは、好ましくは、液体多価アルコール、ポリマーバインダー、ヒュームドシリカおよびゴムまたはこれらの組み合わせから選択される。適切な液体多価アルコールの例には、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)が含まれる。適切なゴムの例には、天然ゴムおよび修飾された(半合成の)ゴム、例えばアカシアゴム、アラビアゴム、カラヤゴム、トラガカントゴム、キサンタンゴムおよびセルロースゴムが含まれる。適切なポリマーバインダーの例は、ポリビニルピロリドン、カゼインまたはこれらの塩である。該塩には、元素の周期表の1族または2族から選択された金属が含まれる。本発明によれば、液体バインダーは、好ましくはグリセロール、グリコール、プロピレングリコール、PEG、ヒュームドシリカ、ゴムまたはこれらの組合せである。本発明の特に好ましい実施態様において、液体バインダーは、液体多価アルコールおよびヒュームドシリカの組合せであり、最も好ましくは、PEG 1500およびヒュームドシリカ(各々、組成物の全重量に基づいて0.005〜4%および1〜20%の総量)である。最も好ましくは、全組成物当り約0.01重量%〜約2重量%のPEG 1500の量、および全組成物当り約3重量%〜約10重量%のヒュームドシリカの量である。さらに、成分(a)は、好ましくはバインダーを含む水溶液として使用され、前記水溶液には、該水溶液の全重量当り25〜75重量%、好ましくは35〜65重量%のバインダーが含まれる。
【0034】
さらに、本発明によれば、組成物のpHは、活性成分(すなわち酸素)の制御された長期間持続する放出にとって不可欠である。試験では、pHが好ましくは4〜8の範囲、より好ましくは4.5〜7.5の範囲、最も好ましくは5.0〜7.5の範囲にあることが明らかになった。
【0035】
開放創および火傷の治療のために使用される、本発明による組成物は、さらにゼラチン状の増粘剤を含み得る。典型的には、セルロース材料、例えばセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、(ヒドロキシ)プロピルセルロース、メチルセルロースまたはエチルセルロースが、増粘剤として使用される。好ましくは、カルボキシルメチルセルロースナトリウムが、組成物の全重量当り0.2〜4.0重量%、好ましくは0.5〜2.5重量%の量において本発明において使用される。
【0036】
該組成物はさらに、水分の喪失を防ぐ薬剤が含まれる。また、任意的には、抗菌性作用を示す薬剤が含まれる。好ましくは、炭水化物、より好ましくはアルジトール、例えば、エリトリトール、アラビニトール、キシリトール、ガラクシトール、ソルビトール、イジトール、マンニトール、ヘピトール、またはオクチトールが、水分の喪失を防ぐ薬剤として使用される。本発明では、典型的には0.5〜10.0重量%の量、好ましくは1.0〜5.0重量%の量におけるアルジトールの使用が好ましい。
【0037】
好ましくは、本発明による組成物は、酸化防止剤が含まれる。適切な酸化防止剤の例は、リポクロマン-6、アスコルビルリン酸ナトリウムまたはこれらの組合せである。好ましくは、該組成物には、全組成物当り約0.10重量%〜約4.0重量%の酸化防止剤の量が含まれる。好ましい実施態様において、リポクロマン-6およびアスコルビルリン酸ナトリウムが使用される。好ましい組成物には、約0.01重量%〜約1.0重量%のリポクロマン-6と、約0.10重量%〜約3.00重量%のアスコルビルリン酸ナトリウムが含まれる。
【0038】
本発明による組成物および薬剤には、好ましくは細菌性および真菌性感染症を治療するのに用いられるサルファ剤の群から選択された成分が含まれる。適切なサルファ剤には、プロントシル、サルファジアジン、サルファメチゾール(Thiosulfil Forte(登録商標))、スルファメトキサゾール(Gantanol(登録商標))、サルファサラジン(Azulfidine(登録商標))、スルフィソキサゾール(Gantrisin(登録商標))、および3つのスルホンアミドの様々な高強度の組合せが含まれる。好ましくは、サルファ剤はサルファジアジンである。
【0039】
本発明による組成物および薬剤にはさらに、好ましくは創傷治癒に有効な亜鉛成分が含まれる。適切な例は、グルコン酸亜鉛である。
【0040】
本発明による組成物および薬剤にはさらに、好ましくは開放創におけるバイオフィルムの分解を促進する薬剤が含まれる。適切な薬剤には、ポールソンのWO 88/02600で開示された(参照によって本明細書中に組み込まれる)、ラクトペルオキシダーゼのような酵素を形成する過酸化物、およびEP A 1.545.587で開示された(参照によって本明細書中に組み込まれる)、ラクトフェリンのようなグリコプロテインが含まれる。
【0041】
本発明による組成物には、任意的にはさらに任意の薬学的に許容可能な賦形剤、例えば着色剤、匂い物質、防腐剤などが含まれる。本発明による組成物は、開放創および火傷の治療における使用を目的としている。用語「開放創」は、本明細書中で使用されたとき、全ての種類の組織創傷を意味するが、特に治癒の遅延または完全な失敗によって特徴づけられる組織創傷を意味する。このような創傷の例を制限するものではないが、典型的には、火傷を含む外傷、外科手術から生じる傷、糖尿病性創傷、圧迫潰瘍、動脈性潰瘍、床擦れおよび静脈鬱血性潰瘍が挙げられる。最大の有益性は、易感染性の血流および酸素供給で傷ついた組織において達成される。
【0042】
本発明による開放創および火傷の治療は、典型的には、開放創または火傷への、前記組成物を含む、薬剤または薬剤の組合せの局所的投与を含む。薬剤は好ましくは、創傷の全表面を完全に覆うのに十分な量で、創傷または火傷に適用される。好ましい実施態様において、組成物は、毎日1〜8回、より好ましくは毎日2〜4回、開放創または火傷に適用される。治療は創傷を完全に治癒するのに必要なだけ続けられ、有効な効果が観察される限り適用される。
【0043】
治療の上述した方法が一般にあてはまるが、薬剤の好ましい量および/またはそれが適用される回数を調整し、個々の患者についての有効性を最適化するために、治療の継続させることは、創傷治癒の当業者の目的の範囲内である。
【0044】
本発明の他の実施態様において、組成物にはさらに、酸素供与体を安定化させる薬剤(酸素供与体安定化薬剤)(成分(c))が含まれる。酸素供与体安定化薬剤の追加は、より制御された態様において活性成分を放出し、かつより長期間にわたる効果を示す組成物をもたらす。酸素供与体安定化薬剤を含む組成物はさらに、貯蔵中および通常条件下での輸送中における向上した安定性を有するであろう。好ましくは、酸素供与体安定化薬剤は、有機酸またはこれらの(一価または多価の)薬学的に許容可能な塩、好ましくは無機塩からなる群から選択される。ここで、塩のカチオンは、好ましくは元素の周期表の1族または2族から選択された金属であるか、または糖類からなる群から選択される。
【0045】
前記有機酸は、好ましくはキレート有機酸からなる群から選択される。キレート有機酸は、好ましくは一以上の水酸基を含むおよび/またはアミノ基を含むカルボン酸から選択されるか、または任意的に一以上の水酸基および/またはアミノ基を含むポリカルボン酸から選択される。
【0046】
代替的に、発明による組成物の意図された使用に依存しながら、キレート有機酸は、US 6.265.444で開示された(参照によって本明細書中に組み込まれる)、ポリホスホン酸またはこれらの薬学的に許容可能な塩から選択され得る。しかし、ポリホスホン酸は、一以上の水酸基および/またはアミノ基を含むポリカルボン酸、あるいはEDTAのような、任意に一以上の水酸基および/またはアミノ基を含むポリカルボン酸と組み合わせて使用されることが好ましい。本出願において、ポリカルボン酸は、少なくとも2つの-PO3H2基を含む化合物またはその薬学的に許容可能な塩として理解されるべきである。好ましくは、ポリリン酸は、式Iまたは式IIのいずれかを有する。
【化1】

【0047】
式中、xは0〜3の整数であり、k、m、n、oおよびpは各々独立した1〜4の整数である。好ましくは、xは2であり、k、m、n、oおよびpは各々1または2である;
【化2】

【0048】
式中、q、r、sおよびtは、各々独立した0〜4の整数である。好ましくは、q、r、sおよびtは0または1であり、および最も好ましくは全てゼロである。
【0049】
本発明によれば、ポリカルボン酸は、一以上の水酸基および/またはアミノ基を含むことが最も好ましい。このような酸は、一般にヒドロキシポリカルボン酸およびアミノポリカルボン酸として知られている。本発明の酸素供与体安定化薬剤の最適な例は、グルコン酸、エチレンジアミノ四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(または1,1',1"-トリカルボキシトリメチルアミン)およびメチルグリシン二酢酸またはこれらの塩である。最も好ましい、酸素供与体安定化薬剤は、グルコン酸ナトリウムである。
【0050】
糖類は、好ましくは単糖類または二糖類である。好ましい例は、グルコース、フルクトース、スクロース、マルチトールおよびラクチトールである。
【0051】
本発明によれば、成分(b) 対 酸素供与体安定化薬剤のモル比は、好ましくは「0.1〜5.0(b):1.0酸素供与体安定化薬剤」である。より好ましくは、このモル比は、「0.1〜5.0(b):1.0酸素供与体安定化薬剤」であり、特に「0.1〜5.0(b):1.0酸素供与体安定化薬剤」である。
【0052】
成分(a) 対 酸素供与体安定化薬剤のモル比は、好ましくは「1.0〜30.0(a):1.0酸素供与体安定化薬剤」である。より好ましくは、このモル比は、「5.0〜25.0(a):1.0酸素供与体安定化薬剤」であり、特に「10.0〜20.0(a):1.0酸素供与体安定化薬剤」である。
【0053】
組成物が酸素供与体安定化薬剤を含む本発明の好ましい実施態様において、該組成物は、開放創または火傷の治療のために使用される。ここで、該使用方法は、開放創または火傷に対し、該組成物を含む薬剤または薬剤の組み合わせを一定量局所的に投与することを含む。該薬剤は、創傷の全表面を完全に覆うのに十分な量で創傷または火傷に適用される。好ましい実施態様において、該組成物は、毎日1〜8回、より好ましくは毎日2〜4回、開放創または火傷に適用される。治療は、完全に創傷を治癒するのに必要なだけ継続されるか、あるいは薬効が観察されるまで適用される。
【0054】
本発明による薬剤は、当業者によって決定され得る、創傷および火傷を治療するための全ての他の既知の方法または手段と組み合わされて使用され得る。
【0055】
本発明は、請求項によって与えられる保護の範囲を制限することを何ら意図としない以下の例によってさらに例証される。
【0056】
例1
創傷ゲルおよび創傷スプレーを本発明に従って調製した。これらは開放創および火傷の治療のために局所的適用によって使用され得る。創傷ゲルおよび創傷スプレーの組成物を表1に示す。
【表1】

【0057】
例2
この実験では、糖尿病患者で自発的に生じた左下腿の側方の開放創を、化学的交感神経切除、ならびに、熟練の健康管理人によって必要と思われたときに評価および調整された投薬計画を受けて、例1の創傷ゲルの局所的適用によって治療した。糖尿病性潰瘍の治癒プロセスには、現在既知の治療法では数ヶ月を要することが一般に知られており、治療を行わなければより長い期間を要する。創傷治療の2週間後に再検査を行い、目に見える改善が観察された。すなわち、創傷表面はよりきれいになった。本発明の創傷ゲルでの治療を継続した。数週間経過後、創傷の外観はきれいになり、創傷ゲルでの治療の14週後には、創傷直径の外観的縮小が観察可能になった。創傷直径は、治療の6ヶ月後の再検査のときに実質的に縮小した。創傷ゲルによる治療を続けた。治療中、患者には数回にわたり再検査を行い、各検査のときに創傷の各時間における正確に同じ位置での写真を撮影した。つまり、創傷の表面積(各写真の創傷によって構成されたピクセルの量で表わされた)および創傷サイズの縮小を計算するのに使用され得る治療の全期間にわたる創傷の一連の写真を得た。表2では、治癒プロセスを、各写真の創傷によって構成されたピクセル量、創傷表面(ピクセル量)のサイズの縮小、および各時点での創傷の相対的なサイズ(創傷表面の初期サイズのパーセンテージとして)として表わした。
【表2】

【0058】
例3
壊死に至りかつ血腫を含んだ患者の下腿における創傷は、アレルギーのために、創傷(例えば潰瘍および火傷)を治療するための今日共通の薬剤の一つであるフラマジンでは治療することができなかった(Merck Index 13th Ed., page 1586, nr. 8988 (2001))。従って、例1による創傷ゲルで1日2回創傷を満たすことによって治療を行った。この療法による治療の2週間後、再検査によって創傷面積が著しく縮小し、きれいな普通の外観になったことが明らかになった。0日目および14日目の創傷の写真の定量的評価で、創傷表面積が治療の二週間以内に76%に縮小したことが明らかになった。血腫を含む壊死傷害の治療には、現在一般的な方法で治療した場合には数ヶ月を要することが一般的に知られている。
【0059】
例4
様々な原因から慢性および/または遅延性治癒の創傷を患う7人の患者のグループに、本発明による組成物で治療を施した。本発明によって包含される管理、例えば、各個々のケースの特別のニーズおよび要求に合致させたテーラーメード、熟練の健康管理人による評価を受けて、組成物を例1によるゲルまたはスプレーとして適用した。治療期間中、創傷について周期的に再検査を行った。各試験中、創傷の各時間における正確に同じ位置での写真を撮影した。つまり、創傷の表面積(各写真の創傷によって構成されたピクセルの量で表わされた)および創傷サイズの縮小を計算するのに使用され得る創傷の一連の写真を得た。これらの試験の結果を表3に要約する。
【0060】
例5
6ヵ月以上にわたって右足のかかとに開放創を患う二分脊椎患者を本研究の対象とした。該患者について、現在このような創傷を治療する一般的方法の一つであるフラマジンで治療を行った。当初、これは創傷の表面の著しい縮小および外観の向上をもたらした。しかしながら、数週間後、創傷の治癒プロセスはこの治療で終了した。本研究では、患者を、本発明による創傷ゲルとフラマジン軟膏との組み合わせ療法に切り換え、毎日二回にわたって右足のかかとの潰瘍に対し、該創傷の全表面を完全に覆うのに十分な量を局所的に適用した。治療後114日目で創傷は完全にふさがった。
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
開放創および火傷の治療用薬剤の製造のための液体組成物の使用であって、前記組成物が、カチオンAおよび一般式[OX]のハロゲンオキシド由来のアニオンからなる塩から選択された成分(a)(Aは元素の周期表の1族または2族から選択された金属であり、Xはハロゲン原子であり、m=1〜4、n=1または2である)、酸素供与体の群から選択された成分(b)、ならびに液体バインダーの群から選択された成分(d)を含む使用。
【請求項2】
開放創および火傷の治療用薬剤の製造のための液体組成物の使用であって、前記組成物が、カチオンAおよび一般式[OX]のハロゲンオキシド由来のアニオンからなる塩から選択された成分(a)(Aは元素の周期表の1族または2族から選択された金属であり、Xはハロゲン原子であり、m=1〜4、n=1または2である)、酸素供与体の群から選択された成分(b)、ならびに液体バインダーの群から選択された成分(d)を少なくとも組み合わせることによって得られうる使用。
【請求項3】
成分(b)が、過ホウ酸金属化合物、過酸化金属化合物、過炭酸金属化合物、過硫酸金属化合物および過リン酸金属化合物からなる群から選択された酸素供与体から選択され、金属が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、ハロゲンオキシド化合物、過酸化水素および有機過酸化物である請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
成分(b)が、過ホウ酸金属化合物、過炭酸金属化合物、過酸化金属化合物、過酸化水素、ハロゲンオキシド化合物および有機過酸化物からなる群から選択される請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記過ホウ酸金属化合物が、カチオンAおよび一般式[B]r−のホウ酸塩由来のアニオンからなる塩から選択され、Aが、元素の周期表の1族または2族から選択された金属であり、p=1〜4、q=1〜8およびr=1〜3である請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
Aが、リチウム、ナトリウムまたはカリウムであり、n=m=p=1、q=2または3およびr=1〜3である請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
Aがナトリウムであり、Xが塩素であり、p=1、q=3およびr=1である請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記過酸化金属化合物が、過酸化カルシウムまたは過酸化マグネシウムである請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記ハロゲンオキシド化合物が、塩素酸化物である請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
化合物(a)が、次亜塩素酸ナトリウムである請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
化合物(b)が、過ホウ酸ナトリウムである請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
前記液体バインダーが、液体多価アルコール、ポリマーバインダー、ヒュームドシリカ、ゴム、またはこれらの組み合わせである請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
前記組成物が、ゼラチン状の増粘剤をさらに含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
前記ゼラチン状の増粘剤が、セルロース材料である請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記組成物が、水分の喪失を防ぐ薬剤をさらに含む請求項1〜14のいずれか一項に記載の使用。
【請求項16】
前記水分の喪失を防ぐ薬剤が、炭水化物である請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記組成物が、酸化防止剤をさらに含む請求項1〜16のいずれか一項に記載の使用。
【請求項18】
前記薬剤が、一日当り2〜4回にわたって開放創または火傷に局所的に適用される請求項1〜17のいずれか一項に記載の使用。
【請求項19】
前記組成物が、酸素供与体安定化薬剤から選択された成分(c)をさらに含む請求項1〜18のいずれか一項に記載の使用。
【請求項20】
前記酸素供与体安定化薬剤が、有機酸およびその塩、ならびに糖類からなる群から選択される請求項19に記載の使用。
【請求項21】
前記塩が、無機塩である請求項20に記載の使用。
【請求項22】
塩のカチオンが、元素の周期表の1族または2族から選択された金属である請求項19または請求項21に記載の使用。
【請求項23】
前記有機酸が、キレート有機酸の群から選択される請求項19〜22のいずれか一項に記載の使用。
【請求項24】
前記有機酸が、一以上のヒドロキシ基および/またはアミノ基を含むカルボン酸ならびに任意的には一以上のヒドロキシ基および/またはアミノ基を含むポリカルボン酸から選択される請求項19〜23のいずれか一項に記載の使用。
【請求項25】
前記ポリカルボン酸が、ヒドロキシポリカルボン酸またはアミノポリカルボン酸である請求項24に記載の使用。
【請求項26】
成分(b)対 酸素供与体安定化剤のモル比が、0.1〜5.0(b):1.0酸素供与体安定化剤である請求項19〜25のいずれか一項に記載の使用。
【請求項27】
成分(a)対 成分(c)のモル比が、10.0〜20.0(a):1.0酸素供与体安定化剤である請求項19〜26のいずれか一項に記載の使用。
【請求項28】
前記薬剤が、創傷ゲル、創傷スプレー、または創傷被覆材である請求項1〜27のいずれか一項に記載の使用。
【請求項29】
請求項1〜27のいずれか一項に定義された液体組成物を含む創傷被覆材。

【公表番号】特表2008−515882(P2008−515882A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535624(P2007−535624)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【国際出願番号】PCT/NL2005/000729
【国際公開番号】WO2006/038803
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(507116905)エヌジーイーエヌ・ファーマソーティカルズ・エヌ.ブイ. (2)
【Fターム(参考)】