説明

劇場内双方向エンターテイメントシステム

劇場内双方向エンターテイメントシステム。ゲームサーバーが、デジタル形式でビデオコンテンツを生成し、劇場内のデジタルディスプレイに表示する。電話システムは、ゲームサーバーに接続されており、劇場内の一群の個人ゲーム参加者は、無線でゲームサーバーとデータ交換する。こうして、ゲーム参加者が、ディスプレイ上で、ビデオコンテンツと相互作用できる。ディスプレイは、デジタル映写機で照射される反射スクリーンであることが、好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権情報)
本出願は、2003年8月11日に出願した米国特許第10/638,831号の優先権を主張するものである。優先権主張の全内容は、参考にのために、これによって、記されている。
【0002】
本発明は、エンターテイメントシステムに関し、特に、劇場で使用される双方向エンターテイメントシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
21世紀に入り、生活のペースはますます速くなるにつれ、映画館で座って、予告編や本編の上映が始まるのを待っている間、人々は非常に落ち着かず、退屈に感じるようになっている。映画館の中には、この時間帯をコマーシャル広告を織り交ぜた雑学クイズなどの静止画像のスライドショーで、穴埋めするところもある。
【0004】
映画観客の世代が、ビデオゲームで育ってきたという事情もある。ビデオゲームでは、そのゲームプレーヤーがビデオコンテンツを、積極的にコントロールする。この世代の構成員は、映画を見るのは受身的だと思い、スクリーンに現れたものに何か影響を及ぼす機会を望んでいる。
【0005】
無線携帯電話、インターネット、映画のデジタル映写および双方向エンターテイメントコンテンツは、どこでも使えることから、ここに開示する新たな劇場内双方向エンターテイメントシステムで、これらを一体化することが可能となる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(本発明の要旨)
本発明の一側面に基づく劇場内における双方向エンターテイメントシステムは、デジタル形式でビデオコンテンツを生成するゲームサーバーと、該ゲームサーバーからの該ビデオコンテンツを表示するための劇場内デジタルディスプレイとを含む。該ビデオコンテンツは、好ましくは、動的ビデオコンテンツである。該ゲームサーバーは、電話システムに接続されており、該劇場内の複数の個人ゲーム参加者が、スクリーン上のビデオコンテンツに影響を及ぼして、該ゲームサーバーと無線でデータ交換することを可能とする。該ゲームサーバーと該電話システムにおいて作動するソフトウェアは、該ゲーム参加者が、該ディスプレイ上で、該ビデオコンテンツに相互作用することを可能にする。好ましい実施形態としては、該ディスプレイは、デジタル映写機によって照射されたスクリーンである。本実施形態では、該電話システムには、電話サーバーと相互作用する携帯電話網を含み、該電話サーバーは、該ゲームサーバーとデータ交換ができるように接続されている。該ゲームサーバーは、民間ネットワークあるいはインターネットを介して、電話システムに接続されていてもよい。個人ゲーム参加者が、個人それぞれ自分の携帯電話を使用して、携帯電話網にアクセスし、エンターテイメントシステムに相互作用することが好ましい。
【0007】
好ましい実施形態としては、電話システムは、ゲームサーバーを備える。該ゲームサーバーは、個人ゲーム参加者からの電話呼び出しを受け、ゲームサーバーとリアルタイムで、データ交換を行えるようにプログラムされている。電話サーバーは、DTMF信号を介して、ゲーム参加者からのインプットを受け入れ、また、該電話サーバーは、該ゲーム参加者からのインプットを、ゲーム参加者の音声を介して、受け入れることができるような音声認識機能をも含みうるように考慮されている。該電話システムは、複数の電話回線を該電話サーバーに接続する電話ハードウェアを含む。
【0008】
また、別の局面として、本発明は、本発明の該劇場内エンターテイメントシステムを有する少なくとも1つの追加の劇場を含む。1つのあるいは複数の追加の劇場は、異なった都市にあってもよいが、お互いにデータ交換ができるように、接続されている。
【0009】
さらに、また別の局面として、個人ゲーム参加者は、無線PDAあるいは無線ビデオゲーム機器を用い、公共の電話網を介さず、該ゲームサーバーと直接にデータ交換を行う。
【0010】
本発明は、多数の劇場内双方向エンターテイメントのアプリケーションを可能にする。例えば、映画のストーリーの展開が枝分かれする可能性があれば、観客がストーリーの展開を決めることができる。また、別の重要なアプリケーションは、映画開始前のエンターテイメントであり、これには、スポンサー付きの映画ゲームや、市場調査投票、劇場内双方向ショッピング、政治/動向調査、あるいは、ドラマに基づき派生した広告なども含む。ここに開示する技術は、その映画館の用途を、映画上映時間帯以外にも広げることも可能である。例えば、さもなくば、映画館が暗くなろうときに、本発明のシステムは、地方/全国競技、スポーツリーグ、映画のプレミア(premiers)、市場調査イベント、スポンサー付き/宣伝イベントなどにも使うことが可能である。
【0011】
一例として、映画上映前の双方向エンターテイメントは、予告編開始の15分前に始まり、ゲームの紹介、セットアップ、交信、終了をそれぞれ5分ずつ行われよう。スポンサーのブランドメッセージ入りの典型的ゲームとしては、雑学クイズ、調査、ドラマ、パズル、スポーツおよびストラテジーを含み、さらに、ゲーム中に観客の情報更新も含まれうる。公共サービスのアナウンスもありうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(好ましい実施形態の説明)
本発明による劇場内双方向エンターテイメントシステムは、新たな技術基盤となるものである。これは、デジタル映写、無線電話、インターネット(あるいは民間ネットワーク)およびエンターテイメントコンテンツなどの幾つかのメディアを結びつけ、モデルとして示すものである。本発明のシステムは、幾つかの側面で、ユニークである。まず、観客が映画のスクリーンと、実際に相互作用することを可能とし、映画館でスポンサー付きのマルチメディアコンテンツを利用できる。本システムは、映画館において、携帯電話網を用いる、初めての双方向エンターテイメントシステムである。詳細については後述するように、本発明のシステムと相互作用したいと思う観客の構成員は、自分の個人無線電話を用い、無料電話番号を呼び出し、そして、実際に映画スクリーン上でゲームができる。観客にとって、この「マジック」が起こるのは、観客が映画館にいる間で、映画スクリーンが観客プレーヤーと相互作用を開始したときである。その上、参加者は自分の携帯電話に、お祝いのテキスト/音声メッセージが送られることもある。本システムは、デジタル映写機と無線電話との双方からマルチメディアエレメンツを使う。無線電話の音響機能は、個別の音響体験を提供するように参加者に促すために、使用されるだろう。劇場内の参加者には、事実に基づいた応答、ポーリング応答、ドラマに基づく展開の結果に基づく応答、映画館コンテンツと相互作用する、その他多くの方法が提供されることになろう。
【0013】
これより、唯一の図面を参照しながら述べるが、第一の劇場10は、ゲームサーバー14の制御下にあるデジタル映写機12を備えた現代的な映画館である。本発明の双方向エンターテイメントに参加したいと思う観客の構成員は、それぞれ携帯電話16を持っており、この携帯電話16は、携帯電話タワー18経由で、公共電話網20に通信する。電話網20もまた、ダイヤルインサイト(dial−in site)22に接続しており、このダイヤルインサイト22は、電話サーバー26の制御下にある電話ハードウェア24を含む。電話サーバー26は、民間ネットワークあるいはインターネットでありうるネットワーク28経由で、ゲームサーバー14に接続されている。同様に、追加の劇場30、32、34および36が、追加のダイヤルインサイト38とともにあってもよい。これら図に示した劇場5館は、単に例示として示しただけであって、相互接続している劇場の数は何館でもよいということは、理解されるだろう。さらに、本発明のシステムを支えるのに必要なダイヤルインサイトの数は、何カ所でもよい。
【0014】
上述したように、観客の一構成員が、参加したいと思って、自分の携帯電話16を使い、携帯電話タワー18が使用している公共電話網20経由で、電話サーバー26に接続する。電話サーバー26は、信頼性の高いコンピューターで、図に示すように、中央サイト一箇所あるいは複数サイトに設置されている。電話サーバー26は、ゲーム参加者からの電話呼び出しに、(天気、映画、ショータイムなどの)自動音声サービスが行うのと、ほとんど同じような方法で、答える責任を担う。図に示すように、電話サーバー26は、ゲームサーバー14と接続しており、ほぼリアルタイムで、データ交換を行う。ゲームサーバー14は、好ましくは映画館10に設置されている。当業者なら、ゲームサーバー14は、実際のところ、映画館10に設置されることなく、離れた施設に設置されてもよいことに気付くであろう。電話サーバー26は、ゲーム参加者から(DTMFキーパッド信号を介し)インプットを受け取り、プレーヤーが、映画館10内のスクリーン上の動きと同時進行で、事前に記録された音響コンテンツを使うように指示し、そのコンテンツに没頭させる。さらに、電話サーバー26は音声認識能力を有しているので、ゲームサーバー14との相互作用は、ゲーム参加者がキーパッドを使ってだけでなく、話して行うことも可能だと、考えられる。音声認識能力は、ゲーム体験をますます豊かなものにすることが期待される。
【0015】
電話ハードウェア24は、電話サーバー26を多数の電話線(これらは、例えば、POTS線、デジタルT1線またはデジタルT3線、あるいは、携帯電話網20を介して接続するその他の技術でありうる)と接続している。電話ハードウェア24は、電話サーバー26に、事前録音あるいは同時進行の音響(音声あるいは音楽)をゲーム参加者に伝える機能を与える。これは、押し付けがましくない方法で(つまり、他の劇場の鑑賞者が、こうしたゲーム参加者に邪魔されないように)、個々人向けの音響コンテンツを配送するためである。さらに、電話ハードウェア24は、キーパッドが押されて生成したDTMF信号を解釈する。電話ハードウェア24は、参加者の音声(ボイスメールのように)記録機能を選択的に発揮しうる。これは、おそらく、賞品を得るための名前/住所などを得るためである。好ましい実施形態としては、電話システム22は、ゲーム参加者が話した言葉の音声認識を実行する。このような場合、電話ハードウェア24は、電話線から入ってくる音響をサンプルし、音声認識アルゴリズムに基づいて、分析することを可能に1する。
【0016】
ゲームサーバー14は、信頼性の高いコンピューターであり、好ましくは映画館内に設置されている。ゲームサーバーコンピューター14は、デジタル映写機12に接続している。ゲームサーバー14は、劇場内のスクリーンに現れるビデオコンテンツ(動画、テキストなどを含む)を生成する。いくつかの双方向の体験からは、ゲームサーバー14が、高品質のマルチチャンネル音響を生成することが望ましい。このマルチチャンネル音響は、さらに豊かな体験をクリエートする劇場の音響システムに向けられる。
【0017】
ゲームサーバー14は、モデムと電話線、あるいは、より高帯域バンド幅の接続(ISDN、DSL、ケーブルモデム、T1など)によって、電話サーバー26と接続されている。ゲームサーバー14の機能性は、必要なら、静止広告コンテンツを映写するために使用される既存のコンピューターに統合されてもよい。その代わりに、本発明のゲームサーバー14は、必要なら、静止広告の機能を実行することもできる。こうした統合は、より経済的になり、映写ブースのスペース効率も上がるので、付加的なメリットもあり、映写システムに接続をシンプルなものとする(おそらく、コスト高で、複雑なスイッチングシステムが不要になる)。
【0018】
ゲームサーバー14にコンテンツをインプリメントすることは、便利な環境にあるのがよい。適切な環境の一つは、Macromedia Flash MXであり、TCP/IPおよびXMLのサポートと結合されており、豊かな画像機能、動画機能、音響機能を提供し、電話サーバー26へのロジカルネットワーク接続を比較的容易にインプリメントできるのである。Macromedia Flash MXの付加的なメリットとしては、Macromedia Flash MXがWorld Wide Webのデベロッパーによって広く使われているので、大きなタレントの宝庫をそこから引き出すことができることである。
【0019】
当業者なら、分かることであるが、中高帯域バンド幅のネットワーク接続では、そのほとんどのタイプで、サーバーが地理的に離れた場所にある場合、ゲームサーバー14を集中電話サーバー26に接続し、同時に複数の電話サーバー26にも接続して使われる。ゲームサーバー14と電話サーバー26との接続性は、ほぼリアルタイムで、電話サーバー26からゲーム参加者からのインプットを、テーブル化し、ディスプレイ表示のために、中継するために使われる。
【0020】
よく知られているように、典型的な映画館には、数多くのスクリーンがあるので、そのスクリーンのそれぞれが、ここに開示したシステムの一つを設置するようになることは、期待される。イーサーネット(登録商標)のような既存のLAN技術で、一つの映画館施設内にある全てのゲームサーバー14に、同時に接続し、そして、集中電話サーバー26への単一接続(例えば、ISDN、DSL、T1)を介し、接続することは実現可能性がある。このアプローチは、設置を簡素化し、コストを削減する(例えば、ある人が自分の施設内にゲームサーバーを12台設置すると、DSL線を12本も設置する必要がなく、DSL線は1本で十分である)。
【0021】
上述したように、ゲーム参加者は、通常、映画ゲームや他の双方向体験に参加するために、携帯電話16を使用する。上述したように、ゲームサーバー14(物理的位置によって異なる)によって、スクリーン上の電話番号をダイヤルしながら(一般に無料電話)、参加者は、電話サーバー26に接続できる。電話サーバーは、音響フィードバックと吹き込みを行う。ゲーム参加者は、自分の携帯電話16のキーパッドを用いて、進行中のゲームにインプットを入れる(例えば、1、2、3などを押すことで)。音響吹き込みは、全参加者に同時に作動する(例えば、ナレーション音響トラック)が、参加者によって、固有のコンテンツが作動することもありうる(例えば、殺人ミステリーゲームにおいて、各参加者がそれぞれ個人の役割に応じて、固有の情報を聞くこともありうる)。携帯電話16の数字キーを使う代わりに、参加者は話すことで自己のインプットを行い、電話サーバー26は、そこで、数字キー使用を排除あるいは補完して、音声認識を実行する。
【0022】
また、現代の携帯電話のデータ機能を用い、より豊かな双方向体験を提供することも、本発明の一部である。これによって、指示に従った個人向け画像をプレーヤーの携帯電話液晶画面にディスプレイさせることも可能になる。技術には、WAP、j2meなどを含む。
【0023】
ここに開示される実施形態のソフトウェア構成要素を、以下に述べる。劇場側コンテンツパッケージは、それぞれのゲームサーバー14で作動しており、豊かな画像、動画およびテキストを表示する役割と、電話サーバー26とのネットワーク接続を確立する役割の双方を担っている。電話サーバー26は、双方向キー打ち込み(あるいは音声認識)データを受け取り、電話サーバーにあるデータベースに蓄積された情報交換を行う。Macromedia Flash MXのような適切な技術が好ましいのは、豊富なコンテンツおよび顧客/サーバーのTCP/IPバックエンドに対応しているからである。また、コンテンツデベロッパーにとっても馴染みの深いツールでもある。
【0024】
電話技術ソフトウェア構成要素は、電話サーバー26で作動している。このソフトウェアは、電話ハードウェア24を制御する役割を担い、ゲーム参加者がダイヤルし、システムと双方向作用することを可能とする。また、このソフトウェアは、参加者の携帯電話経由で、電話からの音響録音とDTMFキーの打ち込み解釈、および/または音声認識実行を基に、音響を上演する役割を担っている。電話技術ソフトウェアは、ゲーム限定ではなく、むしろ、汎用性のある体系に向けられている。電話サーバー26は、データベースを含むことが望ましく、たとえ、そのデータベースが追加の大規模システムコンピューターに、物理的には位置していたとしても、望ましい。これらデータベースは、調査の統計、高得点などを保持するのに使われることになろう。後に検索が必要となり、蓄積していく必要あるものは何でも、双方向体験のメリット(例えば、ある劇場での調査結果と、全国平均との比較)であれ、市場データ(計画と販売努力のための追跡調査、人口統計など)であれ、これらデータベースの中に保存されることになろう。
【0025】
電話技術側のソフトウェアコンテンツパッケージ構成要素は、電話サーバー26に属している。電話サーバー26は、このようなパッケージを幾つか(各ゲーム1個、あるいは、各双方向イベントに1個)に含むこともありうる。このソフトウェアには、事前に録音された音響(あるいは合成音響作成能力)と、双方向体験を行う知能を提供するための論理コードとを含み、随意、音声認識パターンを含むこともある。事前録音された(あるいは合成された)音響は、ずっと全参加者に同じかもしれないし、シナリオによっては、各参加者に異なっているかもしれない。さらに、多言語能力も提供できうる(スクリーン上のビジュアルは、相変わらず、一言語のみであるが)。
【0026】
音声認識パターンやその他のゲームや双方向体験関連コンテンツなどの音響コンテンツは、電話サーバー26にパッケージされ、配置されている。電話サーバー26は、好ましくは、こうしたコンテンツパッケージを数多く保持し、異なったコンテンツパッケージが使われる(同時に、あるいは、連続的にいずれかで)ような手段を有している。電話サーバー26に配置されたコンテンツパッケージは、ある特定のゲームあるいは双方向体験においては、コンテンツ全体の半分として、作用する。残り半分は、ゲームサーバー14に属している。コンテンツは、電話サーバー26とゲームサーバー14の双方に、分散型保守不要コンテンツ配備を供給する方法により、配布されうる。その代わりに、コンテンツは、媒体(例えば、CD−ROM、DVD−ROM)を様々な劇場に送り、そのコンテンツをゲームサーバー14に手動でロードするオペレーターを置くことでも、配布できる。
【0027】
本発明の実施形態の一つの操作について、上映前のエンターテイメントに関して、以下に述べる。本編の上映開始前に、ゲームサーバー14は、コンテンツ構成要素を実行する。この操作は、手動(オペレーターによる開始)でも、自動(事前設定されたスケジュールに基づいて)でも、起こりうる。コンテンツ構成要素は、電話サーバー26の1つに(あるいは、随意に、この接続は不変であってもよい)、ネットワーク接続を確立する。一度、この接続が確立すると、双方向作用が始まる。電話技術側のコンテンツパッケージが立ち上がり、ゲーム参加者の受け入れ準備を自ら行い、電話線は参加者がダイヤルイン可能な状態になる。劇場内にいる映画鑑賞者は、スクリーン上の指示に誘われて、自分の携帯電話を使って、ローカライズされた電話サーバー26に、ダイヤルする(この電話番号が、ネットワーク接続上のコンテンツ構成要素に、「広告」されるのは、それが、コンテンツ構成要素で、ハードコード化される必要がないようにである。このモードによって、電話サーバーによる特別なダイヤルイン番号用のバンク割り当てと、ゲームサーバーに電話番号の一斉通信とを可能にする動的ダイヤルアップバンク管理を可能とする。)ゲームプレー参加者は、一定の時間内(例えば、1分)で、次の双方向セグメントが始まるまでに、ダイヤルすることが可能である。この時間内に電話した発信者には、順番待ちをさせる選択肢がある。順番待ちの人に対しては、別の広告を見せたり、ミニゲームで遊ばせたりすることも、考えられる。
【0028】
参加者は、電話サーバー26に、各自の携帯電話16で、ダイヤルした後、電話サーバーから生成し、各自の携帯電話から聞こえる音響合図での指示を受ける。参加者は、自分自身の身分証明をして、ログインする。身分証明には、何種類かの体系がある。例えば、データベースから発信者のID情報と実名を利用する、参加者が電話式英数字入力(「A」は「1」を1回打ち、「B」は「1」を再度打つなど)によるイニシャルまたはファーストネームで鍵をかけるなどである。参加者は、リストからアイコンあるいは他のキャラクターを選ぶことが可能でもよい(例えば、「自分を以下で表現したいと思いますか。ライオン、熊、馬、レースカー、あるいは、サッカーで。」あるいは「殺人ミステリーで、どの役を演じたいですか。執事ですか、メイドですか。」)。どの体系が選ばれたとしても、各参加者が各自固有に身分証明できるような何らかの手段が提供される。実際、何を体験するかによって、異なった方法が採用される。つまり、殺人ミステリーでは、空想サッカーリーグとは、かなり異なった方法になろうし、また、これも単なる調査やクイズとも違ったものとなろう。
【0029】
次の双方向セグメントが始まると、劇場内ソフトウェアコンテンツ構成要素は、質問や他のエレメンツとともに、豊かな画像と動画を表示する。要所となるタイミングに、スクリーン上の指示は、参加者に各自の携帯電話のキーパッドを押すか、あるいは単に、各自の音声を使うだけのゲーム/調査/クイズに参加できる旨を伝える。音響吹込みで、スクリーン上に現れた情報を反映するか、追加情報を提供するために使われることもある。
【0030】
参加者がキーを押すか、話すと、参加者の回答や統計が、電話サーバー26に集められ、ほぼリアルタイムで、ゲームサーバー14に送られる(あるいは、順番にそろえた後、送られる)。電話サーバー26は、これらデータをデータベースに集めて、保存する。劇場側のコンテンツソフトウェアパッケージは、参加者の結果を受け取り、適切な方法で、表示する(例えば、「当劇場内の人々の35%が、2番と回答した」、あるいは、おそらく、ストーリーアーク(story arc)が参加者の投票によって変化する)。
【0031】
劇場側のコンテンツソフトウェアパッケージは、電話サーバー26のデータベースから結果を引き出すことができる。このデータベースは、この特定事項に関する州全域あるいは国内全域での結果を反映しているので、劇場側のコンテンツソフトウェアパッケージは、本劇場と、他の劇場からのデータセットを比較して、視覚的に訴えるような表現をすることもできる。この双方向セグメント中に、数多くの質問や他の双方向エレメンツが行われうる。セグメントが一つ終わると、そのサイクルは映画の予告編が始まるまで、繰り返される(システムが、映画前の体験に使われて、自己完結型ではないと、仮定のもとで)。最後に、双方向体験が終了したとき、参加者は各自の電話をオフにするように求められる(スクリーン上、音響からの双方で)。一度、予告編と本編が始まると、他の映画鑑賞者の迷惑にならないようためにである。
【0032】
ここに開示した実施形態では、携帯電話を使用しているが、当業者であれば、他の携帯無線端末も使用可能であると分かるだろう。例には、無線個人用デジタル補助装置(PDA)、あるいは、Cybikoのような無線ゲームプラットホームを含む。このような場合は、ゲーム参加者は、自分の無線ゲーム端末あるいはPDA 40を劇場に持参し、上述のように、映画と双方向作用する。この場合、ゲームサーバー14は、無線ラジオシステムを含むように改変され、無線PDAあるいは無線携帯ビデオゲーム機器と交信する。参加者は、ローカライズ方式で(公共の携帯電話網を介し、中央サイトにダイヤルするよりも)、無線により接続されることになろう。「ローカライズ」とは、参加者によって現在見られているスクリーンに対し、ローカルという意味であり、より一般的には、一つの劇場のスクリーンの全てに対して、ローカライズしているという意味である。それでもなお、電話サーバーへの接続は、その電話サーバーに蓄積された任意のデータベースにアクセスできるようになっていてもよい。
【0033】
無線PDAあるいは無線ゲームプラットホームを使用すれば、大きなスクリーン上のゲームでの相互作用は、上述した携帯電話による実施形態より、ますます「リアルタイム」に近づくと、思われる。つまり、この実施形態では、待ち時間も短縮され、参加者にジョイスティックを使用する気分を味わってもらうために、使われよう。個別の情報は、携帯機器のスクリーンを介して、参加者に表示され、ゲーム全体のアクションは、劇場の大きなスクリーンに映し出させることも可能である。
【0034】
ここに開示した本発明の改変も変更も、当業者に明らかなことは認識される。また、こうした改変と変更の全ては、添付される請求項の範囲内に含まれることは、意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図面は1枚のみであり、本発明の一形態による双方向エンターテイメントシステムの模式図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
劇場内双方向エンターテイメントシステムであって、
ビデオコンテンツをデジタル形式で生成するゲームサーバーと、
該ゲームサーバーからの該ビデオコンテンツを表示する、劇場内のデジタルディスプレイと
を備え、
該ゲームサーバーは、劇場内の複数の個人ゲーム参加者が無線で該ゲームサーバーとデータ交換することを可能にする電話システムに接続され、該ゲームサーバー上で作動するソフトウェアおよび電話システムが、ゲーム参加者に、該ビデオコンテンツと、該ディスプレイ上で相互作用させ得る、エンターテイメントシステム。
【請求項2】
前記ディスプレイが、デジタル映写機によって照射されるスクリーンである、請求項1に記載のエンターテイメントシステム。
【請求項3】
前記電話システムが、電話サーバーと相互作用する携帯電話網を備え、該電話サーバーは、前記ゲームサーバーとデータ交換できるように接続されている、請求項1に記載のエンターテイメントシステム。
【請求項4】
前記電話システムが、民間ネットワークを介して前記ゲームサーバーと接続されている、請求項1に記載のエンターテイメントシステム。
【請求項5】
前記電話システムが、インターネットを介して前記ゲームサーバーと接続されている、請求項1に記載のエンターテイメントシステム。
【請求項6】
前記個人ゲーム参加者が、前記電話サーバーから音響情報を受け取る、請求項3に記載のエンターテイメントシステム。
【請求項7】
少なくとも1つの第二の劇場をさらに含み、該第二の劇場が前記劇場内エンターテイメントシステムを有し、かつ、他の劇場に接続されている、請求項1に記載のエンターテイメントシステム。
【請求項8】
前記電話システムが、前記ゲーム参加者からの電話呼び出しを受けるための、および前記ゲームサーバーとほぼリアルタイムでデータ交換するための、電話サーバープログラムを備える、請求項1に記載のエンターテイメントシステム。
【請求項9】
前記電話サーバーが、DTMF信号を介して前記ゲーム参加者からのインプットを受け入れる、請求項8に記載のエンターテイメントシステム。
【請求項10】
前記電話サーバーが、音声認識機能を含み、ゲーム参加者の音声を介して該ゲーム参加者からのインプットを受け入れる、請求項8に記載のエンターテイメントシステム。
【請求項11】
前記電話システムが、前記電話サーバーを複数の電話線に接続する電話ハードウェアを備える、請求項8に記載のエンターテイメントシステム。
【請求項12】
前記個人ゲーム参加者が、前記携帯電話網にアクセスするために携帯電話を使用する、請求項3に記載のエンターテイメントシステム。
【請求項13】
劇場内双方向エンターテイメントシステムであって、
ビデオコンテンツをデジタル形式で生成するゲームサーバーと、
該ゲームサーバーからの該ビデオコンテンツを表示する、劇場内のデジタルディスプレイと、
該ゲームサーバーと相互作用できるラジオシステムであって、該ラジオシステムは、該劇場内の複数の個人ゲーム参加者が該ゲームサーバーと無線でデータ交換することを可能にし、該ゲームサーバー上で作動するソフトウェアが、ゲーム参加者に、該ビデオコンテンツと、該ディスプレイ上で相互作用させ得る、ラジオシステムと
を備える、エンターテイメントシステム。
【請求項14】
前記ラジオシステムが、前記劇場内の前記ゲーム参加者によって、前記ゲームサーバーとデータ交換するために使われる、無線PDA、あるいは、無線携帯ビデオゲーム機器を含む、請求項13に記載のエンターテイメントシステム。
【請求項15】
劇場内双方向エンターテイメントシステムであって、
ビデオコンテンツをデジタル形式で生成するゲームサーバーと、
該ゲームサーバーからの該ビデオコンテンツを表示する、劇場内のデジタルディスプレイと、
該劇場内の複数の個人ゲーム参加者が該ゲームサーバーと無線でデータ交換することを可能にする手段であって、該ゲーム参加者が該ディスプレイ上の該ビデオコンテンツと相互作用できる、手段と
を備える、エンターテイメントシステム。

【図1】
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【公表番号】特表2007−502165(P2007−502165A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523333(P2006−523333)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/026013
【国際公開番号】WO2005/016475
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(506048968)
【Fターム(参考)】