説明

力検知ユニット、圧電基板の製造方法及び加速度センサ

【課題】製造が容易で、小型で且つ薄型の精度の良い力検知ユニットを得る。
【解決手段】一方の主面の略中央部に凹陥部を形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部を有した圧電基板と、前記圧電基板の他方の主面上の両端部寄りに少なくとも夫々一個ずつ形成したIDT電極と、を有した力感応素子と、前記力感応素子の前記一方の厚肉部の一方の主面側を接着剤により接着保持する、支持基板と、を備えた力検知ユニットであって、前記接着剤の厚みを利用して前記圧電基板の他方の厚肉部を前記支持基板上から離間させた片持ち支持とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、力検知ユニットに関し、特に弾性表面波の周波数変動を利用した力検知ユニットとその製造方法、力検知ユニットを応用した加速度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
力検知ユニットは、力センサ、圧力センサ、加速度センサ等に用いられ、特に加速度センサは、従来から自動車、航空機、ロケットから各種プラントの異常振動監視等にまで、広く使用されている。
特許文献1には弾性表面波を利用した外力センサが開示されている。図28は外力センサの構成を示す側面図であり、圧電材料からなる長板状のビーム101が、基端部の表裏面を2個の直方体状の支持部108に挟まれ、片持ち梁状に接着されている。接着には接着性の弾性表面波吸収材107が用いられる。ビーム101は、先端部の両面を2個の直方体状の重り109に挟まれ、接着されている。重り109は外力を効率よく歪みに変換するためのものである。支持部108と重り109との間のビーム101の両面には、ビームを挟んで対向する位置に一対の送信用のIDT電極103が設けられている。送信用のIDT電極103と支持部108との間のビーム101の両面に、ビーム101を挟んで対向する位置に一対の受信用のIDT電極104が設けられている。
【0003】
受信用のIDT電極104は、夫々対応する増幅器105に接続され、各増幅器105は、夫々対応する送信用のIDT電極103及びオシレータ出力バッファアンプ113に接続されている。オシレータ出力バッファアンプ113は、ミキサー106に接続されている。一対の送信用のIDT電極103と、受信用のIDT電極104と、増幅器105とは、表裏一対の発振器を構成している。オシレータ出力バッファアンプ113は、表裏一対の発振器がミキサー106の負荷変動の影響を受けないようにするためのものである。
【0004】
ビーム101の先端部に取り付けた重り109に外力102が作用すると、ビーム101の表面に歪みが発生する。この歪みは、ビーム101の表面を伝搬する弾性表面波の伝搬時間を変化させる。送信用のIDT電極103と受信用のIDT電極104との間の弾性表面波の伝搬時間が変化すると、IDT電極103と、IDT電極104と、増幅器105とで構成する発振器の発振周波数が変化する。ミキサー106が、表裏一対の発振器の発振周波数を信号処理して、差周波数成分を出力し、ゼロクロスコンパレータ114がこの出力を矩形波出力として取り出す。この出力を処理することにより外力102の大きさが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−228530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されているように、長板状のビーム101の表裏に送受信用夫々一対のIDT電極を形成すると、フォトリソグラフィ工程の工数が掛かるという問題と、表裏に形成されるIDT電極のパターン精度が微妙に異なり、外力センサの測定精度を劣化させるという問題をもたらす。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、圧電基板の一方の面にのみIDT電極を形成し、外力の測定精度を改善した力検知ユニットとその製造方法及び加速度センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、力検知ユニットの測定精度を改善すると共に、小型で、薄型の力検知ユニットを実現するため、一方の主面の略中央部に凹陥部を形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部を有した圧電基板と、前記圧電基板の他方の主面上の両端部寄りに少なくとも夫々一個ずつ形成したIDT電極と、を有した力感応素子と、前記力感応素子の前記一方の厚肉部の一方の主面側を接着剤により接着保持する支持基板と、を備えた力検知ユニットであって、前記接着剤の厚みを利用して前記圧電基板の他方の厚肉部を前記支持基板上から離間させた片持ち支持とした力検知ユニットを構成する。
以上のように力検知ユニットを構成すると、中央部に形成した凹陥部の薄肉部により、外力に対して感度が良くなると共に、一方の端部の質量により感度が改善する。その上、外力を周波数の変化量で検出でき、しかも薄型の検知ユニットができるという効果がある。
【0008】
一方の主面の略中央部に凹陥部を形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部を有した圧電基板と、前記圧電基板の他方の主面上の両端部寄りに少なくとも夫々一個ずつ形成したIDT電極と、を有した力感応素子と、前記力感応素子の前記一方の厚肉部の一方の主面側を接着保持する支持基板と、を備えた力検知ユニットであって、所定の厚みを有した接合材、又は支持基板面に設けた突部によって、前記圧電基板の他方の厚肉部を前記支持基板面から離間させた片持ち支持とし力検知ユニットを構成する。
【0009】
以上のように力検知ユニットを構成すると、中央部に形成した凹陥部の薄肉部により、外力に対して感度が良くなると共に、一方の端部の質量により感度が改善する。しかも、圧電基板を接着する接着剤の厚みにバラツキがあっても、外力による圧電基板の変形時に支持基板の面に接触することはなく、外力を周波数の変化量で検出でき、しかも薄型の検知ユニットができるという効果がある。
前記接合材として薄板を使用した力検知ユニットを構成する。
以上のように力検知ユニットを構成すると、圧電基板を接着する接着剤の厚みにバラツキがあっても、外力による圧電基板の変形時に支持基板の面に接触することはなくなるという効果がある。
【0010】
前記支持基板上に一方の厚肉部を接着保持される前記圧電基板の他方の厚肉部の他方の主面に重りとして他の圧電基板、或いは他のチップ部品を接着した力検知ユニットを構成する。
以上のように力検知ユニットを構成すると、力検知ユニットの感度が改善されるという効果がある。
【0011】
前記支持基板上に一方の厚肉部を接着保持される前記圧電基板の他方の厚肉部の一方の主面、又は/及び、他方の主面に重りとしての金属フィラー接着剤を配置した力検知ユニットを構成する。
以上のように力検知ユニットを構成すると、力検知ユニットの感度が改善されるという効果がある。
【0012】
前記支持基板上に一方の厚肉部を接着保持される前記圧電基板の他方の厚肉部の一方の主面、又は/及び、他方の主面に重りとしての金属膜を蒸着するか、又は金属部材を接着した力検知ユニットを構成する。
以上のように力検知ユニットを構成すると、力検知ユニットの感度が改善されるという効果がある。
【0013】
一方の主面の略中央部に凹陥部を形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部を有した圧電基板、該圧電基板の他方の主面上に形成されたIDT電極及びその両側に配置した反射器を有した力感応素子と、前記力感応素子の前記一方の厚肉部の一方の主面側を接着保持する支持基板と、を備えた力検知ユニットであって、前記IDT電極を前記薄肉部上に配置し、前記IDT電極の両側に配置した反射器を前記両厚肉部上に夫々配置した力検知ユニットを構成する。
以上のように力検知ユニットを構成すると、中央部に形成した凹陥部の薄肉部により、外力に対して感度が良くなると共に、一方の端部の質量により感度が改善する。その上、外力を周波数の変化量で検出でき、薄型の検知ユニットができるという効果がある。
【0014】
一方の主面の略中央部に凹陥部を形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部を有した圧電基板、該圧電基板の他方の主面上に形成されたIDT電極及びその両側に配置した反射器を有した力感応素子と、前記力感応素子の前記一方の厚肉部の一方の主面側を接着保持する支持基板と、を備えた力検知ユニットであって、前記IDT電極及びその両側に配置した反射器を前記薄肉部上に配置した力検知ユニットを構成する。
以上のように力検知ユニットを構成すると、IDT電極とその両側の反射器からなるSAW共振子を、中央部に形成した凹陥部の薄肉部上に形成できるので、外力印加時に弾性表面波の伝搬速度の変化にSAW共振子の特性の劣化も少なく、精度の良い薄型の検知ユニットができるという効果がある。
【0015】
一方の主面の略中央部に凹陥部を形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部を有した圧電基板、該圧電基板の他方の主面上に形成された2個のIDT電極及び4個の反射器を有した力感応素子と、前記力感応素子の前記一方の厚肉部の一方の主面側を接着保持する支持基板と、を備えた力検知ユニットであって、一方の前記IDT電極及び一個の反射器を前記一方の厚肉部上に配置し、他方の前記IDT電極の少なくとも一部を前記薄肉部上に配置すると共に、他の2個の反射器をIDT電極間に配置し、残りの一個の反射器を他の厚肉部上に配置した力検知ユニットを構成する。
以上のように力検知ユニットを構成すると、基準用と検出用の2つのSAW共振子を構成できるので、測定精度の改善ができるのみならず、力検知ユニットの温度ドリフトを取り除くことができるという効果がある。
【0016】
一方の主面の略中央部に凹陥部を形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部を有した圧電基板、該圧電基板の他方の主面上に形成された2個のIDT電極及び3個の反射器を有した力感応素子と、前記力感応素子の前記一方の厚肉部の一方の主面側を接着保持する支持基板と、を備えた力検知ユニットであって、一方の前記IDT電極及び一個の反射器を前記一方の厚肉部上に配置し、他方の前記IDT電極の少なくとも一部を前記薄肉部上に配置すると共に、他の2個の反射器を両IDT電極間と他方の厚肉部上に夫々配置した力検知ユニットを構成する。
以上のように力検知ユニットを構成すると、基準用と検出用の2つのSAW共振子を構成できるので、測定精度の改善ができるのみならず、力検知ユニットの温度ドリフトを取り除くことができる小型の力検知ユニットが得られるという効果がある。
【0017】
一方の主面に所定の間隔を隔てて2個の凹陥部を形成することにより夫々形成した2個の薄肉部を有すると共に中央部及び両端部に夫々厚肉部を有した圧電基板、該圧電基板の他方の主面上に形成された2個のIDT電極及び複数の反射器を有した力感応素子と、前記力感応素子の2個の端部厚肉部の一方の主面側を夫々接着保持する支持基板と、を備えた力検知ユニットであって、前記2個の薄肉部上に夫々一個のIDT電極の少なくとも一部を配置し、前記2個の端部厚肉部上に夫々一つずつ反射器を配置し、他の一個の反射器を前記中央厚肉部上に配置した力検知ユニットを構成する。
以上のように力検知ユニットを構成すると、2つのSAW共振子を構成できるので、測定精度の改善ができるのみならず、力検知ユニットの温度ドリフトを取り除くことができる小型の力検知ユニットが得られる。更に、この力検知ユニットを加速度センサに用いると、Z軸、X軸2軸の加速度が測定できるという効果がある。
【0018】
一方の主面に所定の間隔を隔てて2個の凹陥部を形成することにより夫々形成した2個の薄肉部を有すると共に中央部より少し離れた位置及び両端部に夫々厚肉部を有した圧電基板、該圧電基板の他方の主面上に形成された3つのIDT電極及び複数の反射器を有した力感応素子と、前記力感応素子の2つの端部厚肉部の一方の主面側を夫々接着保持する支持基板と、を備えた力検知ユニットであって、前記2個の薄肉部上に夫々一個のIDT電極の少なくとも一部を配置し、前記2個の端部厚肉部上の一方に残りのIDT電極を配置し、前記2個の端部厚肉部上であって前記各IDT電極の外側に前記反射器を夫々1個ずつ配置し、他の2個の反射器を前記3個のIDT電極の間に夫々配置した力検知ユニットを構成する。
以上のように力検知ユニットを構成すると、3つのSAW共振子を構成できるため、1つのSAW共振子の周波数を基準とし、他の2のSAW共振子の周波数変化を比較できるので、測定精度の改善と、力検知ユニットの温度ドリフトの除去と、小型化に加え、加速度センサに用いればZ軸、X軸2軸の加速度が測定できるとうい効果がある。
【0019】
一方の主面に所定の間隔を隔てて2個の凹陥部を夫々形成することにより形成した2個の薄肉部を有すると共に中央部及び両端部に夫々厚肉部を有した圧電基板、該圧電基板の他方の主面上に形成された4つのIDT電極及び複数の反射器を有した力感応素子と、前記力感応素子の2個の端部厚肉部の一方の主面側を夫々接着保持する支持基板と、を備えた力検知ユニットであって、一方の前記薄肉部上には少なくとも2個のIDT電極の夫々の一部が配置されると共に、該IDT電極に前記反射器が近接配置され、他方の前記薄肉部上には少なくとも2個のIDT電極の夫々の一部が配置されると共に、各IDT電極に前記反射器が近接配置された力検知ユニットを構成する。
以上のように力検知ユニットを構成すると、2個の2ポートSAW共振子を構成しているので、測定精度の向上と、加速度センサに用いればZ軸、X軸2軸の加速度が測定できるとうい効果がある。
【0020】
一方の主面の略中央部に薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部を有した圧電基板の一方の主面をエッチングにより薄肉化し、前記圧肉部の少なくとも一方の前記エッチングパターンを格子状、又はドット状に構成した圧電基板の製造方法である。
以上のように力検知ユニットを構成すると、圧電基板の形状を容易に形成できるので、感度のよい、小型の力検知ユニットが構成できるという効果がある。
上記の力検知ユニットと、発振回路と、信号処理回路と、を備えた加速度センサを構成する。
以上のように、加速度センサを構成すると、弾性表面波振動を用いているので、高精度、小型、薄型のセンサが構成できると共に、1個の力検知ユニットで2軸方向の加速度が検知できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施例の力検知ユニット1の構成を示した図であり、(a)は平面図、(b)(c)はQ1−Q1、Q2−Q2における断面図。
【図2】セラミックパッケージに収容した力検知ユニットを示す図。
【図3】力検知ユニット1の力無印加時の動作を説明する図。
【図4】(a)(b)は力検知ユニット1の力印加時の動作を説明する図。
【図5】第2の実施例の力検知ユニットのIDT電極構成を示す図。
【図6】(a)(b)は夫々力検知ユニット1の力無印加時、力印加時の周波数応答を示す図。
【図7】(a)〜(e)は力検知ユニット1の出力の信号処理を説明する図。
【図8】第3の実施例の力検知ユニット構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)(c)はQ1−Q1、Q2−Q2における断面図。
【図9】第4の実施例の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)はQ1−Q1における断面図。
【図10】第4の実施例の力無印加時の周波数応答(実線)と、力印加時の周波数応答(破線)を示す図。
【図11】第5の実施例の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)はQ1−Q1における断面図。
【図12】第6の実施例の構成を示す断面図。
【図13】第7の実施例の構成を示す断面図。
【図14】第8の実施例の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)はQ1−Q1における断面図。
【図15】第9の実施例(金属膜が上)の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)はQ1−Q1における断面図。
【図16】第9の実施例(金属膜が下)の構成を示す断面図。
【図17】第10の実施例の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)はQ1−Q1における断面図。
【図18】第11の実施例の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)はQ1−Q1における断面図。
【図19】第12の実施例の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)はQ1−Q1における断面図。
【図20】第13の実施例の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)はQ1−Q1における断面図。
【図21】第13の実施例の動作説明する図であり、(a)はZ軸方向に力が印加された時の状態を示す図、(b)はX軸方向に力が印加された時の状態を示す図。
【図22】第14の実施例の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)はQ1−Q1における断面図。
【図23】第15の実施例の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)はQ1−Q1における断面図。
【図24】(a)〜(g)はコ字状圧電基板の製造方法を説明するフロー図。
【図25】(a)〜(c)は中央部に凹陥部を有する圧電基板を製造するフロー図。
【図26】(a)〜(d)は中央部に凹陥部を有する圧電基板を製造するフロー図。
【図27】加速度センサの構成を示す斜視図。
【図28】従来の外力センサの構成を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態としての力検知ユニットの構成例を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)、同図(c)は夫々Q1−Q1、及びQ2−Q2における断面図である。本発明に係る力検知ユニット1は、平行な2本の細幅帯状の圧電片8a、8bを連結支持部9によりコ字状に一体化した圧電基板8と、2本の圧電片8a、8bの各一方の主面(上面)から連結支持部9にかけて夫々形成された送信用及び受信用の各IDT電極10、11及び12、13(以下、送受一対のIDT電極、という)と、を有した力感応素子Sと、力感応素子Sの連結支持部9の他方の主面(下面)を接着保持する支持基板Pと、を備えた力検知ユニット1である。そして、一方の圧電片8aに形成した送受一対のIDT電極10、11と、他方の圧電片8bに形成した送受一対のIDT電極12、13と、を夫々並列接続する。更に、他方の圧電片8bに形成した送受一対のIDT電極12、13のうち、受信側のIDT電極13を反転接続して構成する。また、6個のボンディングパッド20a〜20fは連結支持部9の左側に形成し、その外側と、圧電片8a、8bの右側端部とには夫々音波吸収材25を塗布する。
【0023】
図1(a)に示すように、IDT電極10の上のバスバーをボンディングパッド20aに、IDT電極10の下のバスバーと、IDT電極11の上のバスバーとをボンディングパッド20bに、IDT電極11の下のバスバーをボンディングパッド20cに、夫々接続する。更に、IDT電極12の上のバスバーをボンディングパッド20dに、IDT電極12の下のバスバーと、IDT電極13の上のバスバーとをボンディングパッド20eに、IDT電極13の下のバスバーをボンディングパッド20fに、夫々接続する。そして、ボンディングパッド20aと20dを接続し、ボンディングパッド20bと20eを接続して入力側のIDT電極10、12を並列接続する。同様に、ボンディングパッド20cと20fを接続し、出力側のIDT電極11、13を並列接続して、本発明に係る力検知ユニット1を構成する。なお、ボンディングパッド20bと20eは接地する。IDT電極10〜13は、互いに間挿し合う複数の電極指からなり、その電極材料はアルミニウム合金等を用いる。IDT電極10〜12における電極指のバスバーへの接続と、IDT電極13における電極指のバスバーへの接続とは異なるように形成する。IDT電極10とIDT電極12の極性が互いに同相に、且つIDT電極11とIDT電極13の極性が互いに逆相となるように接続する。
【0024】
図1(b)、(c)に示すように、一方の圧電片8a及び連結支持部9は、均一厚の厚肉部であり、他方の圧電片8bは、前記厚肉部よりも薄い薄肉部を有するように、圧電基板8を構成する。図1(b)に示すように、トラックT1を構成する連結支持部9と圧電片8aとの厚さは、圧電片8aに垂直方向から外力が加えられた場合にも撓まないような厚さとする。一方、トラックT2を構成する連結支持部9と圧電片8bの厚さは、連結支持部9と圧電片8bとの境界近傍で漸減し、圧電片8bの薄肉部は一様の厚さに形成されている。圧電片8bに垂直方向から外力が加えられた場合には圧電片8bが撓むように構成されている。図1(a)に示した実施例では、各圧電片8a、8bに送受一対のIDT電極を形成した例を示したが、送受二対、送受三対のIDT電極を設けてもよい。
【0025】
図2は、支持基板Pとしてセラミックパッケージを用いた例で、力検知ユニット素子Sの連結支持部9の裏面側を、セラミックパッケージの凹陥部の内底面に接着剤30を用いて接着固定し、力検知ユニット素子Sのボンディングパッドと、セラミックパッケージの周縁に形成した電極部とを、ボンディングワイヤ35にて接続して力検知ユニット1を構成した例である。なお、図2に示した力検知ユニット1は、力検知ユニット素子1とセラミックパッケージPの電極部とのボンディング回数を少なくするため、リード電極の配線とボンディングパッドの位置とに工夫を施した例である。
【0026】
図3、図4は、本発明の動作を説明するためのIDT電極の概略図であって、図3は力検知ユニットに外力が加わっていない状態(外力無印加時)を、図4は外力Fが加わった状態(外力印加時)を示している。IDT電極10、12を並列接続して入力側とし、IDT電極11、13を並列接続して出力側とする。入力側のIDT電極10、12に高周波電圧を加えて弾性表面波を励起し、該弾性表面波がトラックT1、T2上を伝搬し、出力側のIDT電極11、13に到達して、IDT電極11、13上に電荷が発生する。図3はある瞬間の電荷の発生状態を示したものである。IDT電極13の電極指とバスバーとの接続が、他のIDT電極10〜12と異なる、つまり反転しているため、IDT電極11、13を並列接続すると、IDT電極11、13上に発生した電荷は互いに打ち消し合い、出力OUTの電圧はほぼ零となる。
【0027】
一方、入力側IDT電極10、12に高周波電圧を加えて弾性表面波を励起した状態で、図4(a)に示すように力検知ユニットに外力Fが印加された場合を考える。トラックT1を構成する連結支持部9と圧電片8aとは、肉厚に形成されているため、外力Fが印加された場合にも撓まず、圧電片8aに歪みは生じない。しかるに、トラックT2を構成する連結支持部9と圧電片8bとは、連結支持部9と圧電片8bとの境界近傍で厚さが漸減し、圧電片8bは一様な薄肉に形成されている。このため外力Fが圧電片8bに印加されると、圧電片8bは撓み、圧電片8b全体に歪みが生じる。歪みが生じている状態では、弾性表面波の伝搬速度が変化し、図4(b)に示すように、ある瞬間にIDT電極13に発生する電荷は、同時刻にIDT電極11に発生する電荷と異なる。その結果、IDT電極11、13を並列接続した出力OUTには、IDT電極11、13の夫々に発生した電荷の差が発生することになる。IDT電極13に発生する電荷は印加する外力に応じて変化するので、出力OUTの電荷(電圧)により印加された力の大きさが分かる。
【0028】
図5は、本発明に係る力検知ユニットとしての第2の実施例を示す図であり、IDT電極10〜13とその接続状態のみを示す図である。圧電片8a、8b、連結支持部9からなる圧電基板8と、リード電極と、ボンディングパッド20a〜20fと、音波吸収材25と、は図示しないが、図1と同様に構成されている。ただ、図1と異なる点は、図5に示す第2の実施例では、圧電片8a、8bに形成した送受一対のIDT電極10〜13の中、受信側のIDT電極11の極性を反転し、IDT電極13では、左から奇数番目の電極指を接地して構成している。これに対し、図1のIDT電極13では左から偶数番目が接地されている。要するに、夫々送受一対のIDT電極10、11とIDT電極12、13との間で、位相差が互いに180°異なるように構成されている。図1と同様に、IDT電極10、12を並列接続して入力側INとし、IDT電極11、13を並列接続して出力側OUTとする。図5に示すIDT電極構成で、入力IN側のIDT電極10、12に高周波電圧を加えて弾性表面波を励起し、該弾性表面波がトラックT1、T2上を伝搬し、出力側のIDT電極11、13に到達して、IDT電極11、13に電荷が発生する。IDT電極11とIDT電極13とは極性を反転しているため、IDT電極11、13を並列することにより、IDT電極11、13上に発生した電荷は互いに打ち消し合い、出力OUT側の電荷(電圧)はほぼ零となる。図5の力検知ユニットに力外Fが印加されると、トラックT1は歪まないので弾性表面波の伝搬速度に変化はないが、トラックT2は外力Fによる歪みのために、弾性表面波の伝搬速度が変化し、出力OUTに電荷(電圧)が発生する。この電圧により印加された力の大きさを測定する。
【0029】
図6(a)は、図1に示した力検知ユニット1に外力Fを加えない状態で、入力側に高周波電圧を印加した場合、出力側に発生した電圧波形を示した図である。出力電圧は、IDT電極間の長さの精度、IDT電極を構成する電極指の精度等により、完全には零とならないが、極めて小さい。一方、図6(b)は、入力側に高周波電圧を印加した状態で、外力Fを加えた場合の出力側に発生する電圧波形を示した図である。
【0030】
図7は、力検知ユニットの出力側に発生する電圧から印加された外力Fの大きさを求める処理方法の一例を示した図である。力検知ユニットの入力側に(a)の高周波電圧信号が入力されると、出力側から外力に応じて(b)の出力電圧が得られる。この出力電圧を全波整流すると(c)の波形の電圧が得られる。この電圧を(d)の積分回路に入力すると、(e)に示す直流電圧が得られる。この直流電圧の大きさから印加された外力Fの大きさを求める。
【0031】
図8は、力検知ユニットに係る第3の実施例の構成を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)、(c)は夫々Q1−Q1、Q2−Q2における断面図である。第3の実施例の力検知ユニットは、図8(a)に示すように、IDT電極10〜13と、リード電極と、ボンディングパッドとは、図1に示した第1の実施例と同様である。しかし、圧電基板8は、図8(b)、(c)に示すように、一方の圧電片8a及び連結支持部9は、均一厚の厚肉部であり、他方の圧電片8bは、その一方の主面の略中央部に凹陥部8cを形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部(連結支持部9と厚肉部8d)を有している。第3の実施例の力検知ユニットの特徴は、図1に示した第1の実施例の力検知ユニットに比べ、圧電片8bの端部に厚肉部8dを設けているので、力検知ユニットの感度を高めることができる。例えば、この力検知ユニットを加速度検知ユニットとして用いると、加速度×質量が力となり、質量が大きい程、検出感度を高められるからである。図8に示した第3の実施例の場合も、各振動片8a、8bに形成するIDT電極の対数は少なくとも1対とする。
【0032】
図9は、力検知ユニットに係る第4の実施例の構成を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)はQ1−Q1における断面図である。第4の実施例の力検知ユニット2は、一方の主面の略中央部に凹陥部8cを形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部8d1、8d2を有した圧電基板8と、圧電基板8の他方の主面上の両端部寄りに夫々一個ずつ形成したIDT電極10、11と、を有した力感応素子Sと、力感応素子Sの一方の厚肉部8d1の一方の主面側を接着剤30により接着保持する支持基板Pと、を備えた力検知ユニット2である。接着剤30の厚みを利用して圧電基板8の他方の厚肉部8d2を支持基板P上から離間させた片持ち支持とした力検知ユニットを構成する。
【0033】
図9(a)に示すように、略中央部に凹陥部8cを形成した細幅帯状の圧電基板8の両端部寄りであって、厚肉部8d1、8d2と対向する主面にIDT電極10、11を夫々形成する。厚肉部8d1の端にボンディングパッド20a、20b、20cを形成し、その外側と、厚肉部8d2の端部とに音波吸収材25を塗布する。IDT電極10の上のバスバーと、ボンディングパッド20aとをリード電極にて接続し、IDT電極10の下のバスバー及びIDT電極11の上のバスバーをリード電極にてボンディングパッド20bと接続する。IDT電極11の下のバスバーと、ボンディングパッド20cとをリード電極にて接続し、ボンディングパッド20a、20b、20cは支持基板Pの電極部Tにボンディングワイヤで夫々接続して力検知ユニット2を構成する。なお、図9(a)に示した第4の実施例の場合も、圧電基板8に形成するIDT電極の対数は少なくとも1対とする。
【0034】
IDT電極10と11とで遅延型の弾性表面波共振子を構成し、IDT電極10、11の波長λで決まる共振周波数f0を有する。IDT電極10に高周波電圧を印加すると、IDT電極11から共振周波数f0の応答が得られる。いま、圧電基板8の厚肉部8d2に外力Fが加わると凹陥部8cの薄肉部が撓んで、薄肉部に歪みが生じる。IDT電極10に高周波電圧を印加した状態で、厚肉部8d2に外力Fを加えると、外力Fに応じた歪みが生じ、前記薄肉部を伝搬する弾性表面波の速度が変化する。その結果、IDT電極11でピックアップする周波数が変化することになる。図10は、図9に示す力検知ユニット2の入力IDT電極10に高周波電圧を印加し、出力IDT電極11でピックアップした場合の周波数応答を示す図で、実線は力検知ユニット2に外力を加えない場合(力無印加時)の周波数応答(通常応答)を示した図である。破線は、力検知ユニット2に力を加えた場合(力印加時)の周波数応答(応力印加応答)を示した図である。力検知ユニット2に力を加えた場合は、弾性表面波の伝搬路である薄肉部に歪みが生じているために、弾性表面波の伝搬速度が変化し、共振周波数が低周波側にシフトする。周波数のシフトは印加する力Fに応じて変化する。従って、周波数のシフト量を測定することにより、印加された力Fの大きさを計ることできる。
【0035】
図11は、力検知ユニットに係る第5の実施例の構成を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)はQ1−Q1における断面図である。第5の実施例の力検知ユニット2は、一方の主面の略中央部に凹陥部8cを形成することにより形成した薄肉部を有すると共に、両端部に厚肉部8d1、8d2を有した圧電基板8と、該圧電基板8の他方の主面上の両端部寄りに夫々一個ずつ形成したIDT電極10、11と、を有した力感応素子Sと、該力感応素子Sの一方の厚肉部8d1の一方の主面側を接着保持する支持基板Pと、を備えた力検知ユニットである。そして、支持基板Pの所定の位置に接着剤30を塗布し、その上に所定の厚みを有した接合材33を乗せ、その上に接着剤30を塗布し、これに圧電基板8の一方の厚肉部8d1を載置して圧電基板8を接着保持し、且つ他方の厚肉部8d2を支持基板Pの面から離間させた片持ち支持とした力検知ユニット2を構成する。または、支持基板P面に設けた突部(図示せず)に接着剤30を塗布し、これに圧電基板8の一方の厚肉部8d1を載置して、圧電基板8を接着保持し、且つ他方の厚肉部8d2を支持基板Pの面から離間させた片持ち支持とした力検知ユニット2を構成する。なお、図11(a)に示した第5の実施例の場合も、圧電基板8に形成するIDT電極の対数は少なくとも1対とする。
【0036】
図11に示す第5の実施例の構成が、図9に示した第4の実施例の構成と異なる点は、支持基板Pと接着剤30との間に、接着剤30を塗布した適当な厚みの接合材33とを挟んで、支持基板Pの面と、圧電基板8の厚肉部8d2との間の隙間を広げた点である(図9では接着剤の厚みにより片持ち支持としている)。又は、接合材33の代わりに所定の厚みの突部(図示せず)を支持基板Pに予め形成しておいてもよい。このように接合材33、又は突部のある支持基板Pを用いて、第5の実施例の力検知ユニットを構成にすれば、接着剤30の厚みにバラツキが生じた場合、圧電基板8に外力Fが加わり、凹陥部8cの薄肉部に撓みが生じても、厚肉部8d2が支持基板Pの面と接着し、測定誤差を来すことはない。
また、接合材33の具体例としては、半田バンプやAuバンプなどがある。支持基板がアルカリ金属イオンを含むガラスである場合は、力感応素子の支持基板側にAl膜などを設けることにより力感応素子と支持基板を陽極接合することも可能である。
【0037】
図12は、力検知ユニットに係る第6の実施例の構成を示す断面図である。第6の実施例の力検知ユニットが第4の実施例と異なる点は、第4の実施例の圧電基板8の厚肉部8d2の上に他の圧電基板、あるいは他のチップ部品を接着固定した点である。チップ部品には発振回路部品等も含まれる。支持基板P上に一方の厚肉部8d1を接着保持される圧電基板8の他方の厚肉部8d2の他方の主面上に重りとして、他の圧電基板7、或いは発振回路部品(その他の回路部品)を接着して力検知ユニットを構成する。このように構成した力検知ユニットを、例えば加速度センサに用いれば、圧電基板7、又は発振回路部品の重さにより、加速度センサの感度が向上するという効果がある。
【0038】
図13は、力検知ユニットに係る第7の実施例の構成を示す断面図である。第7の実施例の力検知ユニット2が第4の実施例と異なる点は、第4の実施例の圧電基板8の厚肉部8d2の上に金属フィラー接着剤41を塗布して設けた点である。つまり、支持基板P上に一方の厚肉部8d1を接着保持される圧電基板8の他方の厚肉部8d2の一方の主面、又は/及び、他方の主面に重りとしての金属フィラー接着剤41を配置した力検知ユニットを構成する。このように構成した力検知ユニットを、例えば加速度センサに用いれば、金属フィラー接着剤41の重さにより、加速度センサの感度が向上するという効果ある。
【0039】
図14は、力検知ユニットに係る第8の実施例の構成を示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)はQ1−Q1における断面図である。第8の実施例の力検知ユニット3は、一方の主面の略中央部に凹陥部8cを形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部8d1、8d2を有した圧電基板8、該圧電基板8の他方の主面上に形成されたIDT電極10及びグレーティング反射器(以下、反射器と称す)15を有した力感応素子Sと、該力感応素子Sの一方の厚肉部8d1の一方の主面側を接着保持する支持基板Pと、を備えた力検知ユニットである。そして、IDT電極10を前記薄肉部上に配置し、2個の反射器15、15を両厚肉部8d1、8d2上に夫々配置する。また、ボンディングパッド20a、20bは圧電基板8の厚肉部の隅部に形成する。IDT電極10の上のバスバーをリード電極にてボンディングパッド20aに接続し、下のバスバーをリード電極にてボンディングパッド20bに接続して力検知ユニット3を構成する。
【0040】
図14に示す力検知ユニット3は、IDT電極10と、その両側に配置した2個の反射器15、15と、で弾性表面波共振子(SAW共振子)を構成し、その共振周波数f0はIDT電極10の波長λで決まる。ボンディングパッド20a、20bに発振回路を接続すると、発振回路の出力端子から周波数f0が得られる。発振させた状態で、圧電基板8に外力Fを印加すると、圧電基板8の前記薄肉部に歪みが生じ、この歪みにより圧電基板8の表面を伝搬する弾性表面波の伝搬速度が変化する。伝搬速度が変化することにより、SAW共振子の共振周波数f0がf’0に変化し、発振回路からの出力周波数はf’0になる。周波数変化量(f0−f’0)は、印加する力に応じて変化する。周波数変化量(f0−f’0)から加わった外力Fの大きさを知ることがきる。
【0041】
図15は、力検知ユニットに係る第9の実施例の構成を示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)はQ1−Q1における断面図である。第9の実施例の力検知ユニットは、支持基板P上に一方の厚肉部8d1を接着保持される圧電基板8の他方の厚肉部8d2の一方の主面、又は/及び、他方の主面に重りとしての金属膜40を蒸着するか、又は金属部材40を接着した力検知ユニットを構成する。圧電基板8、IDT電極10、グレーティング反射器15、リード電極、ボンディングパッド20a、20bは、図14に示した第8の実施例と同様に構成する。つまり、第9の実施例の力検知ユニットが、第8の実施例の力検知ユニットと異なる点は、圧電基板8の厚肉部8d2の上、又は下、あるいは上下に重りとなる金属膜40、又は金属部材40を接着した点である。図16は、第9の実施例の構成を示す断面図で、厚肉部8d2の下部に金属膜40、又は金属部材40を接着した例である。
図15、図16に示すように構成した力検知ユニットを、例えば加速度センサに用いれば、金属膜40、又は金属部材40の重さにより、加速度センサの感度が向上するという効果ある。
【0042】
図17は、力検知ユニットに係る第10の実施例の構成を示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)はQ1−Q1における断面図である。第10の実施例の力検知ユニットは、一方の主面の略中央部に凹陥部8cを形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部8d1、8d2を有した圧電基板8、該圧電基板8の他方の主面上に形成されたIDT電極10及び2個の反射器15、15を有した力感応素子Sと、該力感応素子Sの一方の厚肉部8d1の一方の主面側を接着保持する支持基板P(図示せず)と、を備えた力検知ユニット3である。そして、IDT電極10及び2個の反射器15、15を凹陥部8cの上の薄肉部上に配置して力検知ユニット3を構成する。第10の実施例が第8の実施例と異なる点は、IDT電極10と2個の反射器15、15とを全て薄肉部上に配置した点である。このように力検知ユニットを構成すると、音波吸収材が不要となり、更に、IDT電極10及び2個の反射器15、15のSAW共振子を構成する要素すべての伝搬速度及び周波数が変化するため、印加する力に対する周波数の変動量が高まり、力の検出感度を高めることができる。
【0043】
図18は、力検知ユニットに係る第11の実施例の構成を示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)はQ1−Q1における断面図である。第11の実施例の力検知ユニットは、一方の主面の略中央部に凹陥部8cを形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部8d1、8d2を有した圧電基板8、該圧電基板8の他方の主面上に形成した2個のIDT電極10、11及び4個の反射器15を有した力感応素子Sと、該力感応素子Sの一方の厚肉部8d1の一方の主面側を接着保持する支持基板P(図示せず)と、を備えた力検知ユニットである。一方のIDT電極10及び1個の反射器15を一方の厚肉部8d1上に配置し、他方のIDT電極11の少なくとも一部を前記薄肉部上に配置すると共に、他の2個の反射器15、15をIDT電極10、11の間に配置し、残りの1個の反射器15を他の厚肉部8d2上に配置して力検知ユニット4を構成する。
【0044】
基準用のSAW共振子素子を構成するIDT電極10は、圧電基板8の厚肉部8d1上に形成されるので、圧電基板8に外力Fが印加された場合でも厚肉部8d1に歪みが生ぜず、基準用SAW共振子素子の共振周波数f1は変化しない。一方、検出用のSAW共振子素子を構成するIDT電極11は薄肉部に配置されているため、圧電基板8に外力Fが印加されと薄肉部に歪みが生じ、検出用SAW共振素子の共振周波数f2は、印加される外力Fの大きさに応じて変化する。基準用及び検出用の夫々のSAW共振子素子の共振周波数の差(f1−f2)は印加される力Fの大きさに応じて変化する。基準用及び検出用の夫々のSAW共振子素子は、同じ圧電基板8上に、同じ電極構成、電極膜厚等で構成されているので、力検知ユニットの周囲の温度が変化しても、f1及びf2は共にほぼ同じ周波数だけ変化する。そのため、温度変化による力検知ユニットの温度ドリフトを取り除くことができる。
【0045】
図19は、力検知ユニットに係る第12の実施例の構成を示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)はQ1−Q1における断面図である。第12の実施例の力検知ユニットは、一方の主面の略中央部に凹陥部8cを形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部8d1、8d2を有した圧電基板8、圧電基板8の他方の主面上に形成された2個のIDT電極10、11及び3個の反射器15を有した力感応素子Sと、応力感応素子Sの一方の厚肉部8d1の一方の主面側を接着保持する支持基板P(図示せず)と、を備えた力検知ユニットである。一方のIDT電極10及び一個の反射器15を一方の厚肉部8d1上に配置して基準用のSAW共振子とし、他方の前記IDT電極11の少なくとも一部を前記薄肉部上に配置すると共に、他の2個の反射器15を両IDT電極10、11の間と、他方の厚肉部8d2上に夫々配置して検出用のSAW共振子した力検知ユニット4を構成する。図18に示した第11の実施例の力検知ユニットとの相違点は、IDT電極10と11との間に配置した2個の反射器15を1個の反射器15として反射器を共用した点である。また、図19に示すように、厚肉部8d2の下側の面に重り用として金属膜、あるいは金属部材40を接着することにより力検知ユニット4の感度が向上する。
図19に示す第12の実施例の力検知ユニットの動作は、図18に示した第11の実施例の力検知ユニットの動作と同様であるので説明を省略する。また、第12の実施例の力検知ユニットの寸法の一例を挙げると、長方形圧電基板8の長さは5mm、厚さは60μm〜70μm、薄肉部の厚さは10μm程度である。
【0046】
図20は、力検知ユニットに係る第13の実施例の構成を示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)はQ1−Q1における断面図である。第13の実施例の力検知ユニット5は、長方形状の圧電基板の一方の主面に所定の間隔を隔てて2個の同一幅の凹陥部8c1、8c2を形成することにより夫々形成した2個の薄肉部を有すると共に、中央部及び両端部に夫々厚肉部8e、8d1、8d2を有した圧電基板8、該圧電基板8の他方の主面上に形成された2個のIDT電極10、11及び複数の反射器15を有した力感応素子Sと、該力感応素子Sの2個の端部厚肉部8d1、8d2の一方の主面側を夫々接着保持する支持基板P(図示せず)と、を備えた力検知ユニット5である。前記2個の薄肉部上に夫々一個のIDT電極10、11の少なくとも一部を配置し、2個の端部厚肉部8d1、8d2上に夫々一つずつ反射器15と15を配置し、他の一個の反射器15を中央厚肉部8e上に配置して力検知ユニット5を構成する。
【0047】
両凹陥部8c1、8c2の夫々の薄肉部上に1個ずつ形成されたIDT電極10、11と、それらの両側に夫々1個ずつ形成された反射器15とで、2つのSAW共振素子S1、S2が構成される。例えば、外力Fが印加されない状態(力無印加時)における、夫々のSAW共振素子S1、S2の共振周波数をf1、f2とする。図20に示すように、長方形状の圧電基板8の長手方向をX軸、幅方向をY軸、厚さ方向をZ軸とする。いま、圧電基板8に厚さ方向(Z軸)の加速度(+Z加速度)が印加され、外力Fz(加速度×質量)が加わると、図21(a)に示すように、圧電基板8上の両凹陥部8c1、8c2の夫々の薄肉部は伸張の歪みが生じる。従って、夫々の薄肉部上に形成された両SAW共振素子S1、S2の共振周波数は変化し、f’1、f’2となる。周波数差(f1−f’1)、(f2−f’2)から印加された力Fの大きさを測定することができる。また、付加する信号処理回路により、加速度による外力Fが印加される前後の、SAW共振素子S1、S2の夫々の共振周波数の和と差、つまり(f1+f2)−(f’1+f’2)を用いることにより加速度の測定精度を上げ、測定感度を2倍にすることができる。また、中央部の厚肉部8eを大きくするか、該厚肉部8eに重りを負荷することにより感度を高めることができる。
【0048】
圧電基板8に長さ方向(X軸)の加速度(+X加速度)が印加され、外力Fxが加わると、図21(b)に示すように、圧電基板8上の凹陥部8c1の薄肉部には伸張歪みが生じ、凹陥部8c2の薄肉部には圧縮歪みが生じる。従って、+X方向の加速度による力Fxが加わると、両SAW共振素子S1、S2の共振周波数f1、f2の変化は、互いに反対にシフトしてf’1、f’2になる。つまり、(f1−f’1)+(f2−f’2)、周波数差(f’1−f’2)を測定することによりX軸方向の加速度、外力を測定することができる。
【0049】
図22は、力検知ユニットに係る第14の実施例の構成を示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)はQ1−Q1における断面図である。第14の実施例の力検知ユニット5は、長方形の圧電基板の一方の主面に所定の間隔を隔てて2個の同一幅の凹陥部8c1、8c2を形成することにより夫々形成した2個の薄肉部を有すると共に、中央部より少し離れた位置及び両端部に夫々厚肉部8e、8d1、8d2を有した圧電基板8、該圧電基板8の他方の主面上に形成された3つのIDT電極10、11、12及び複数の反射器15を有した力感応素子Sと、該力感応素子Sの2個の端部厚肉部8d1、8d2の一方の主面側を夫々接着保持する支持基板P(図示せず)と、を備えた力検知ユニット5である。前記2個の薄肉部上に夫々一個のIDT電極11、12の少なくとも一部を配置し、2個の端部厚肉部8d1、8d2上の一方に残りのIDT電極10を配置し(図22の例では厚肉部8d1上にIDT電極10を配置)、2個の端部厚肉部8d1、8d2上であってIDT電極10、12の外側に反射器15を夫々1個ずつ配置し、他の2個の反射器15を3個のIDT電極10、11、12の間に夫々配置した力検知ユニット5を構成する。
【0050】
第14の実施例の力検知ユニット5が、図20に示した第13の実施例の力検知ユニットと異なる点は、第13の実施例の厚肉部上に1個のIDT電極と1個の反射器が付加され、且つ付加したIDT電極は厚肉部上に形成されている点である。図22の力検知ユニットにおいて、IDT電極11、12と、該IDT電極11、12の両外側の2個の反射器15と、内側の1個の反射器15とは、図20に示した力検知ユニットと同様に作用する。IDT電極10とその両側の反射器15は、IDT電極10が厚肉部8d1上に形成されているので、加速度等による外力Fの影響を受けず、IDT電極10とその両側の反射器15が構成するSAW共振素子S0の共振周波数f0は変化しない。
【0051】
図22に示す力検知ユニットに加速度等による外力Fが印加される場合を考える。IDT電極11、12と夫々の両側の反射器15とにより構成するSAW共振素子S1、S2の、力無印加時の共振周波数をf1、f2とする。外力Fが印加されると、f1、f2は夫々f’1、f’2へと変化する。SAW共振素子S0の共振周波数f0は変化しないので、この周波数f0を基準として、(f0−f’1)、(f0−f’2)、((2f0−(f’1+f’2))、(f’1−f’2)等を測定することにより、Z軸方向、X軸方向の加速度の大きさを求めることができる。この力検知ユニットの特徴は、3個のSAW共振素子S0、S1、S2の温度特性が共に同じ特性を有していることに加え、基準周波数となるSAW共振素子S0を備えているため、短時間で温度が変化する測定環境にも対応できることである。
【0052】
図23は、力検知ユニットに係る第15の実施例の構成を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)はQ1−Q1における断面図である。第15の実施例の力検知ユニット5は、長方形の圧電基板の一方の主面に所定の間隔を隔てて2つの同一幅の凹陥部8c1、8c2を夫々形成することにより形成した2個の薄肉部を有すると共に、中央部及び両端部に夫々厚肉部8e、8d1、8d2を有した圧電基板8、該圧電基板8の他方の主面上に形成された4つのIDT電極10、11、12、13及び複数の反射器15を有した力感応素子Sと、該力感応素子Sの2個の端部厚肉部8d1、8d2の一方の主面側を夫々接着保持する支持基板P(図示せず)と、を備えた力検知ユニット6である。一方の前記薄肉部上には少なくとも2個のIDT電極10、11の夫々の一部が配置されると共に、該IDT電極10、11の内側及び両外側に夫々反射器15が近接配置されている。また、他方の前記薄肉部上には少なくとも2個のIDT電極12、13の夫々の一部が配置されると共に、IDT電極12、13の内側及び両外側に反射器15が近接配置された力検知ユニット6を構成する。
【0053】
図23に示す力検知ユニット6において、IDT電極10、11と、該IDT電極10、11の内側及び両外側に配置された反射器15とで、2つのSAW共振素子S3を構成する。同様にIDT電極12、13と、該IDT電極12、13の内側及び両外側に配置された反射器15とで、2つのSAW共振素子S4を構成する。この2組のSAW共振素子S3、S4は、図20に示した2個のSAW共振素子S1、S2と同様に機能し、Z軸方向の加速度による力Fzに対して、図21(a)に示すように変位し、伸張歪みを生じさせるのも同様であるが、より局所的な応力も捉えることが可能となり、感度を高めることが可能である。ここでは、2組のSAW共振子を各々2個のSAW共振子から構成したが、更に多くのSAW共振子を配置し、検出感度を高めても良い。
【0054】
図20、図22、図23に示した第13、14、15の実施例について、圧電基板8に形成した2個の凹陥部8c1、8c2の幅を同一幅として説明した。これは、圧電基板8に外力Fが加わるとき、凹陥部8c1、8c2の薄肉部に形成する2個のSAW共振子の共振周波数の変化が同じになるようにしたためである。凹陥部8c1、8c2の幅は、付加する電極回路による信号処理によって、処理できるので必ずしも同一幅とする必要はない。
以上の説明では、IDT電極がいずれも不平衡型の例を説明したが、平衡型のIDT電極を用いてもよいことは説明するまでもない。
【0055】
図24は、図1に示したようのコ字状の圧電基板8の製造方法を説明するためのフロー図である。このフロー図は、図24の左上隅に示したコ字状の圧電基板8を矢印方向から見た側面図を示している。図24(a)のように平板の矩形状の水晶基板51を洗浄・乾燥した後、同図(b)のように、真空装置の中に入れ、所定の温度に保ちながら蒸着、あるいはスパッタ等の方法で、水晶基板51の両主面にクロムを蒸着し、続いて金を蒸着し、クロム52と金53の薄膜を形成する。次に、図24(c)に示すようにクロムと金の薄膜52、53の上にレジスト膜54を塗布し、乾燥する。レジスト膜54を、マスクを介して露光、現像し、露光した部分のレジスト膜54剥離すると、図24(d)に示すようにレジスト膜54が所望の形状に加工される。次に金、クロムのエッチング液に夫々浸漬し、露呈した金属膜を剥離すると、図24(e)に示すようにエッチングする部分の金、クロム薄膜が除去される。これを水晶エッチング液中で所定の時間エッチングすると、図24(f)に示すように所望の形状にエッチングされる。レジスト膜54、金薄膜53、クロム膜52を剥離して、図24(g)に示すコ字状の圧電基板が得られる。水晶基板をエッチングすると結晶の異方性により、軸方向によりエッチング速度が異なり、若干尖った部分が生じる。ドライエッチングの場合は水晶基板に垂直に加工できる。
【0056】
図25は、図8に示すようなコ字状の圧電基板8の一方の圧電片の中央部に凹陥部が形成され、両端部に厚肉部を有する圧電基板の製造方法を説明するフロー図である。図25(a)は、同図左上隅の圧電基板8の手前の圧電片を下面、A方向から見た平面図である。圧電片にレジスト膜を塗布し、マスクを介して露光し、エッチングする部分のレジスト膜を剥離し、エッチングをしない部分のレジスト膜、つまり、図25(a)に示すようなレジスト膜55、56、56、56は残す。図25(b)、(c)は、圧電基板8を側面B方向から見た図で、エッチング液に浸漬し、少しエッチングをすると、同図(b)のようにレジスト膜55、56、56、56が付着した圧電基板が得られる。この圧電基板を更にエッチング液中で所定の時間浸漬すると、図25(c)に示すような中央部に凹陥部が形成された圧電基板が得られる。
【0057】
図26は長方形状の圧電基板の中央部に凹陥部を形成し、両端部の厚肉部が異なった厚さに形成する圧電基板の製造方法を示すフロー図である。図26(a)は裏面図、同図(b)〜(d)は側面図である。長方形状の圧電基板の全面にレジスト膜を塗布し、マスクを介して露光し、エッチングする部分のレジスト膜を剥離すると、図26(a)に示すように、一方の端にはレジスト膜55が所定の部分残り、他方の端にはレジスト膜57がドット状に残った圧電基板となる。この圧電基板を水晶エッチング液の中に浸漬すると、図26(b)の側面図ようにエッチングが進み、更にエッチングを継続すると同図(c)の側面図に示すように、ドット状のレジスト膜57が剥離した圧電基板となり、所定の時間エッチングすると同図(d)の側面図を示すような圧電基板が得られる。
【0058】
上記の力検知ユニットと、発振回路61と、信号処理回路62、63と、力検知ユニット1、発振回路61、信号処理回路62、63を収容するハウジング60と、を備えた加速度センサを構成する。本発明の加速度センサは弾性表面波用いた力検知ユニットを使用するので、小型のみならず、薄型のセンサが得られ、更に1個の力検知ユニットで2軸方向の加速度が検知できる。
【符号の説明】
【0059】
1、2、3、4、5、6‥‥力検知ユニット 8‥‥圧電基板 8a、8b‥‥圧電片 8c、8c1、8c2‥‥凹陥部 8d1、8d2、8e‥‥厚肉部 9‥‥連結支持部 10、11、12、13‥‥IDT電極、 15‥‥グレーティング反射器 20a、20b、20c、20d、20e、20f‥‥ボンディングパッド 25‥‥音波吸収材 30‥‥接着剤 33‥‥接合材 35‥‥ボンディングワイヤ 40‥‥金属部材 41‥‥金属フィラー接着剤 51‥‥圧電基板 52‥‥クロム 53‥‥金 54、55、56、57‥‥レジスト膜 60‥‥ハウジング 61‥‥発振回路 62、63‥‥信号処理回路 101‥‥ビーム 102‥‥外力 103、104‥‥IDT電極 105‥‥増幅器 106‥‥ミキサー 107‥‥弾性表面波吸収材 108‥‥支持部 109‥‥重り 113‥‥オシレータ出力バッファアンプ 114‥‥ゼロクロスコンパレータ P‥‥支持基板 F‥‥力 S1、S2、S3、S4‥‥SAW共振素子 T‥‥電極部 T1、T2‥‥トラック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の主面の略中央部に凹陥部を形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部を有した圧電基板と、前記圧電基板の他方の主面上の両端部寄りに少なくとも夫々一個ずつ形成したIDT電極と、を有した力感応素子と、
前記力感応素子の前記一方の厚肉部の一方の主面側を接着剤により接着保持する、支持基板と、
を備えた力検知ユニットであって、
前記接着剤の厚みを利用して前記圧電基板の他方の厚肉部を前記支持基板上から離間させた片持ち支持としたことを特徴とする力検知ユニット。
【請求項2】
一方の主面の略中央部に凹陥部を形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部を有した圧電基板と、前記圧電基板の他方の主面上の両端部寄りに少なくとも夫々一個ずつ形成したIDT電極と、を有した力感応素子と、
前記力感応素子の前記一方の厚肉部の一方の主面側を接着保持する支持基板と、
を備えた力検知ユニットであって、
所定の厚みを有した接合材、又は支持基板面に設けた突部によって、前記圧電基板の他方の厚肉部を前記支持基板面から離間させた片持ち支持としたことを特徴とする力検知ユニット。
【請求項3】
前記接合材として薄板を使用したことを特徴とする請求項2に記載の力検知ユニット。
【請求項4】
前記支持基板上に一方の厚肉部を接着保持される前記圧電基板の他方の厚肉部の他方の主面に重りとして他の圧電基板、或いは他のチップ部品を接着したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の力検知ユニット。
【請求項5】
前記支持基板上に一方の厚肉部を接着保持される前記圧電基板の他方の厚肉部の一方の主面、又は/及び、他方の主面に重りとしての金属フィラー接着剤を配置したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の力検知ユニット。
【請求項6】
前記支持基板上に一方の厚肉部を接着保持される前記圧電基板の他方の厚肉部の一方の主面、又は/及び、他方の主面に重りとしての金属膜を蒸着するか、又は金属部材を接着したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の力検知ユニット。
【請求項7】
一方の主面の略中央部に凹陥部を形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部を有した圧電基板、該圧電基板の他方の主面上に形成されたIDT電極及びその両側に配置した反射器を有した力感応素子と、
前記力感応素子の前記一方の厚肉部の一方の主面側を接着保持する支持基板と、
を備えた力検知ユニットであって、
前記IDT電極を前記薄肉部上に配置し、前記IDT電極の両側に配置した反射器を前記両厚肉部上に夫々配置したことを特徴とする力検知ユニット。
【請求項8】
一方の主面の略中央部に凹陥部を形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部を有した圧電基板、該圧電基板の他方の主面上に形成されたIDT電極及びその両側に配置した反射器を有した力感応素子と、
前記力感応素子の前記一方の厚肉部の一方の主面側を接着保持する支持基板と、
を備えた力検知ユニットであって、
前記IDT電極及びその両側に配置した反射器を前記薄肉部上に配置したことを特徴とする力検知ユニット。
【請求項9】
一方の主面の略中央部に凹陥部を形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部を有した圧電基板、該圧電基板の他方の主面上に形成された2個のIDT電極及び4個の反射器を有した力感応素子と、
前記力感応素子の前記一方の厚肉部の一方の主面側を接着保持する支持基板と、
を備えた力検知ユニットであって、
一方の前記IDT電極及び一個の反射器を前記一方の厚肉部上に配置し、
他方の前記IDT電極の少なくとも一部を前記薄肉部上に配置すると共に、他の2個の反射器をIDT電極間に配置し、残りの一個の反射器を他の厚肉部上に配置したことを特徴とする力検知ユニット。
【請求項10】
一方の主面の略中央部に凹陥部を形成することにより形成した薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部を有した圧電基板、該圧電基板の他方の主面上に形成された2個のIDT電極及び3個の反射器を有した力感応素子と、
前記力感応素子の前記一方の厚肉部の一方の主面側を接着保持する支持基板と、
を備えた力検知ユニットであって、
一方の前記IDT電極及び一個の反射器を前記一方の厚肉部上に配置し、
他方の前記IDT電極の少なくとも一部を前記薄肉部上に配置すると共に、他の2個の反射器を両IDT電極間と他方の厚肉部上に夫々配置したことを特徴とする力検知ユニット。
【請求項11】
一方の主面に所定の間隔を隔てて2個の凹陥部を形成することにより夫々形成した2個の薄肉部を有すると共に中央部及び両端部に夫々厚肉部を有した圧電基板、該圧電基板の他方の主面上に形成された2個のIDT電極及び複数の反射器を有した力感応素子と、
前記力感応素子の2個の端部厚肉部の一方の主面側を夫々接着保持する支持基板と、
を備えた力検知ユニットであって、
前記2個の薄肉部上に夫々一個のIDT電極の少なくとも一部を配置し、
前記2個の端部厚肉部上に夫々一つずつ反射器を配置し、
他の一個の反射器を前記中央厚肉部上に配置したことを特徴とする力検知ユニット。
【請求項12】
一方の主面に所定の間隔を隔てて2個の凹陥部を形成することにより夫々形成した2個の薄肉部を有すると共に中央部より少し離れた位置及び両端部に夫々厚肉部を有した圧電基板、該圧電基板の他方の主面上に形成された3つのIDT電極及び複数の反射器を有した力感応素子と、
前記力感応素子の2つの端部厚肉部の一方の主面側を夫々接着保持する支持基板と、
を備えた力検知ユニットであって、
前記2個の薄肉部上に夫々一個のIDT電極の少なくとも一部を配置し、
前記2個の端部厚肉部上の一方に残りのIDT電極を配置し、
前記2個の端部厚肉部上であって前記各IDT電極の外側に前記反射器を夫々1個ずつ配置し、
他の2個の反射器を前記3個のIDT電極の間に夫々配置したことを特徴とする力検知ユニット。
【請求項13】
一方の主面に所定の間隔を隔てて2個の凹陥部を夫々形成することにより形成した2個の薄肉部を有すると共に中央部及び両端部に夫々厚肉部を有した圧電基板、該圧電基板の他方の主面上に形成された4つのIDT電極及び複数の反射器を有した力感応素子と、
前記力感応素子の2個の端部厚肉部の一方の主面側を夫々接着保持する支持基板と、
を備えた力検知ユニットであって、
一方の前記薄肉部上には少なくとも2個のIDT電極の夫々の一部が配置されると共に、該IDT電極に前記反射器が近接配置され、
他方の前記薄肉部上には少なくとも2個のIDT電極の夫々の一部が配置されると共に、各IDT電極に前記反射器が近接配置されていることを特徴とする力検知ユニット。
【請求項14】
一方の主面の略中央部に薄肉部を有すると共に両端部に厚肉部を有した圧電基板の、一方の主面をエッチングにより薄肉化し、
前記厚肉部の少なくとも一方の前記エッチングパターンを格子状、又はドット状に構成したことを特徴とする圧電基板の製造方法。
【請求項15】
請求項1乃至13の何れか一項に記載の力検知ユニットと、発振回路と、信号処理回路と、を備えたことを特徴とする加速度センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−42487(P2012−42487A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262665(P2011−262665)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【分割の表示】特願2007−128847(P2007−128847)の分割
【原出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】