説明

加圧力検出工具

【課題】固定側電極及び可動側電極による被溶接部材の加圧力を容易にかつ確実に検出することのできる加圧力検出工具を提供する。
【解決手段】第1溶接電極132及び第1溶接電極132に隣接して被溶接部材に当接する制御加圧部134と、第1溶接電極132と対向して被溶接部材に当接する第2溶接電極133とによって被溶接部材を挟持加圧し、挟持加圧状態で第1溶接電極132と第2溶接電極133との間で通電してスポット溶接するスポット溶接装置130の加圧力を検出する加圧力検出工具10であって、第1溶接電極132側から制御加圧部134が当接する当接範囲R1を有するベース部21、ベース部21の当接範囲R1側に設けられて第1溶接電極132の加圧力を検出する第1加圧力センサ30、第1加圧力センサ30に対してベース部21を介在してベース部21に設けられて第2溶接電極133の加圧力を検出する第2加圧力センサ31を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧力検出工具、特に、スポット溶接装置用の溶接電極による加圧力を検出する加圧力検出工具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、重ね合わせられた鋼板等の板材の接合には、一対の溶接電極間で挟み加圧力を与えながら、両溶接電極間に大電流を一定時間通電し、接合部をほぼ溶融温度まで上げてナゲットを形成するスポット溶接が広く行われている。
【0003】
ここで、図10で示すように、剛性の低い薄板101、薄板101より厚く剛性が高い第1厚板102、第2厚板103の3枚を重ね合わせた被溶接部材100をスポット溶接する場合には、薄板101と第1厚板102との間、及び第1厚板102と第2厚板103との間が間隙なく密着した状態で、可動側電極121と固定側電極122とによって被溶接部材100を挟んで通電する。
【0004】
しかし、可動側電極121と固定側電極122とによって被溶接部材100を挟んで加圧すると、剛性の低い薄板101と第1厚板102とが上方に撓んで、薄板101と第1厚板102との間及び第1厚板102と第2厚板103との間に間隙が生じる。この状態でスポット溶接を行うと、各板間における溶け込み量にバラツキが発生して溶接強度が不安定となる。その結果、溶接品質にバラツキが発生して各板の剥離が発生することが懸念される。
【0005】
このような対策として、特許文献1に開示されるスポット溶接方法がある。特許文献1のスポット溶接方法に用いられるスポット溶接装置110は、図11で示すように、可動側電極111及び固定側電極112を備え、溶接ロボット120の手首部121に搭載される。溶接ロボット120は、クランパ122によって支持された、薄板101、第1厚板102及び第2厚板103が重ね合わせられた被溶接部材100の各打点位置にスポット溶接装置110を移動し、被溶接部材100のスポット溶接を行う。
【0006】
このとき、図示しないコントローラに予め記憶されているティーチングデータに従って、スポット溶接装置110を上動させて、薄板101側に当接する可動側電極110の加圧力FUを、第2厚板103に当接する固定側電極111の加圧力FLよりも小さくする(FU<FL)。
【0007】
これにより、薄板101と第1厚板102との間の接触抵抗が大きくなると共に第1厚板101と第2厚板103との間の接触抵抗が小さくなり、可動側電極110と固定側電極111との間に通電したときに、薄板101と第1厚板102との接合部における発熱量を増加させることができ、薄板101と第1厚板102の溶接強度を高めることができる。
【0008】
しかし、クランパ122によって保持された被溶接部材100を可動側電極111と固定側電極112とによって挟持加圧した状態で、スポット溶接装置110を上動させて固定側電極112の加圧力FLより可動側電極111による加圧力FUを小さくするには、被溶接部材100を保持するクランパ122に大きな負荷が要求される。一方、クランパ122による被溶接部材100のクランプ位置と溶接打点位置とが離間した状態では、被溶接部材100が撓み変形して固定側電極112による加圧力FLと可動側電極111とによる加圧力FUにバラツキが生じて、安定した薄板101と第1厚板102との間の接触抵抗及び第1厚板102と第2厚板103との間の接触抵抗の確保が困難であり、被溶接部材100の接合部における電流密度にバラツキが生じて、スポット溶接の品質低下が懸念される。
【0009】
そこで、本発明者らは、重ね合わせられた鋼板等の被溶接部材をスポット溶接する場合に、均一で安定した溶接品質が得られるスポット溶接方法及びスポット溶接装置を提案した。このスポット溶接方法及びスポット溶接装置の概略を、図12及び図13を用いて説明する。
【0010】
スポット溶接方法に用いるスポット溶接装置130は、溶接ロボットの手首部に取り付けられる図示しない基部を備え、この基部に、下方に延在するC形ヨーク131が取り付けられている。C形ヨーク131の下端先端には、第2厚板103に当接する固定側電極132が設けられている。この固定側電極132と対向して固定側電極132の軸心に沿って進退移動可能に形成されて薄板101に当接する可動側電極133が、基部に取り付けられている。
【0011】
一方、基部には、固定側電極132と可動側電極133との間で移動可能に形成された制御加圧手段134が設けられている。制御加圧手段134は、シリンダ135、136、シリンダ135、136の先端から突出するシリンダロッド135a、136a、シリンダロッド135a、136a間に架設される連結プレート137を備える。
【0012】
連結プレート137は、シリンダロッド135a、136a間においてC形ヨーク131から離間する方向に延在する帯状の被溶接部材押さえ138が設けられ、被溶接部材押さえ138の先端部には固定側電極132、可動側電極133が挿入可能な凹状に切り欠き形成された電極挿入部138aが形成される。電極挿入部138aの両側からは、一対の規制部138bが突出して形成され、各規制部138bの下面に電極挿入部138aに沿って突出する半円孤状の制御加圧部138c、規制部138bの上面に電極挿入部138aに沿って突出する半円孤状の制御加圧部138dが、可動側電極133の軸心に隣接するようにそれぞれ設けられる。
【0013】
これにより、図13で示すように、固定側電極132と可動側電極133及び可動側電極133側に移動して可動側電極133に隣接する制御加圧手段134の制御加圧部138cとによって被溶接部材100が挟持加圧される。制御加圧部138cによって薄板101に付与される制御加圧力Fαによって、薄板101側の可動側電極133による加圧力が第2厚板103側の固定側電極132による加圧力より小さくなる(FU<FL)。この状態で、固定側電極132と可動側電極133との間に通電すると、薄板101と第1厚板102の接合部の電流密度が相対的に高くなり、薄板101から第2厚板103に亘って溶け込み量に偏りのない良好なナゲットが形成され、被溶接部材100に対する溶接品質が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2003−251469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明者らが提案したスポット溶接装置130によれば、固定側電極132と可動側電極133及び制御加圧手段134の制御加圧部138cとによって被溶接部材100を挟持して加圧することから、高い溶接品質をもって被溶接部材の溶接を行うことができる。かかる向上された溶接品質の維持を図るためには、固定側電極132及び可動側電極133による被溶接部材100への加圧力を定期的に検出して確認することが要求される。
【0016】
従って、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、固定側電極及び可動側電極による被溶接部材の加圧力を容易にかつ確実に検出することのできる加圧力検出工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明による加圧力検出工具は、複数の板材が重ね合わせられた被溶接部材に当接する第1溶接電極及び該第1溶接電極に隣接して前記被溶接部材に当接する制御加圧部と前記第1溶接電極と対向して前記被溶接部材に当接する第2溶接電極とによって前記被溶接部材が挟持加圧され、該挟持加圧状態で前記第1溶接電極と前記第2溶接電極との間で通電してスポット溶接するスポット溶接装置の前記第1溶接電極と前記第2溶接電極の加圧力を検出する加圧力検出工具であって、前記第1溶接電極側から前記制御加圧部が当接する当接範囲を有するベース部と、該ベース部の前記当接範囲側に設けられて前記第1溶接電極の加圧力を検出する第1加圧力センサと、該第1加圧力センサに対して前記ベース部を介在して該ベース部に設けられて前記第2溶接電極の加圧力を検出する第2加圧力センサと、を備えることを特徴とする。
【0018】
この発明によると、第1溶接電極と第2溶接電極の加圧力を検出する際に、第1溶接電極及び第1溶接電極に隣接する制御加圧部と第1溶接電極に対向する第2溶接電極との間に加圧力検出工具を挿入する。このとき、第1溶接電極に隣接する制御加圧部をベース部の当接範囲に当接させ、第1溶接電極で第1溶接電極に対向する第1加圧力センサを押圧させる。一方、第2溶接電極で第2溶接電極に対向する第2加圧力センサを押圧させる。
【0019】
これにより、第1溶接電極及び制御加圧部と第2溶接電極とによって、ベース部を介在して第1加圧力センサ及び第2加圧力センサが挟持加圧され、当接範囲に当接する制御加圧部の制御加圧力に影響を受けずに第1加圧力センサによって第1溶接電極の加圧力が検出され、第2加圧力センサによって第2溶接電極の加圧力が検出される。従って、それぞれの加圧力を適切かつ容易に高精度に検出することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明による加圧力検出工具は、請求項1に記載の加圧力検出工具において、前記ベース部は、平面視略円状の第1面及び該第1面と対向する第2面を有する円盤状に形成され、前記第1加圧力センサは、前記第1面に対して小径の円盤状に形成されて前記第1面の内径方向中央部分に前記第1面に対して小径に設定された取付範囲に設けられ、前記当接範囲は、前記第1面の取付範囲の外周に沿って前記第1面に環状に形成された、ことを特徴とする。
【0021】
この発明によると、第1面に設定された第1加圧力センサの取付範囲の外周に沿って、第1面に環状の当接範囲が形成される。従って、円盤状のベース部及びこれに対して小径の円盤状の第1加圧力センサを用いる簡易な構成によって、制御加圧部をベース部に当接させる当接範囲を形成することができることから、スポット溶接装置の加圧力を適切に検出することができる加圧力検出工具を容易に構成することができる。
【0022】
請求項3に記載の発明による加圧力検出工具は、複数の板材が重ね合わせられた被溶接部材に当接する第1溶接電極及び該第1溶接電極に隣接して前記被溶接部材に当接する制御加圧部と前記第1溶接電極と対向して前記被溶接部材に当接する第2溶接電極とによって前記被溶接部材が挟持加圧され、該挟持加圧状態で前記第1溶接電極と前記第2溶接電極との間で通電してスポット溶接するスポット溶接装置の前記第1溶接電極と前記第2溶接電極の加圧力を検出する加圧力検出工具であって、平面視略円状の第1面及び該第1面と対向する第2面を有する円盤状に形成された受けプレートと、該受けプレートの第1面の内径方向中央部分に前記第1面に対して小径に設定された突出範囲から軸方向に突出する円柱状であって前記第1面と対向する突出部面を端部に有する突出部と、該突出部の前記突出範囲の外周に沿って前記第1面に環状に形成されて前記第1溶接電極側から前記制御加圧部が当接する当接範囲と、前記突出部面に設けられて前記第1溶接電極の加圧力を検出する第1加圧力センサと、前記第2面に設けられて前記第2溶接電極の加圧力を検出する第2加圧力センサと、を備えることを特徴とする。
【0023】
この発明によると、第1面に対して小径に設定された突出部の突出範囲の外周に沿った環状の当接範囲が形成される。従って、突出部面に設けられる第1加圧力センサ及び第2面に設けられる第2加圧力センサが比較的大径に形成されている場合であっても、制御加圧部が第1溶接電極側から受けプレートの当接範囲に当接する。この制御加圧部の当接状態で第1溶接電極と第2溶接電極とによって受けプレート及び突出部を介在して第1加圧力センサ及び第2加圧力センサが挟持加圧され、当接範囲に当接する制御加圧部の制御加圧力に影響を受けずに第1加圧力センサによって第1溶接電極の加圧力が検出され、第2加圧力センサによって第2溶接電極の加圧力が検出される。従って、それぞれの加圧力を適切かつ容易に高精度に検出することができる。
【0024】
請求項4に記載の発明による加圧力検出工具は、複数の板材が重ね合わせられた被溶接部材に当接する第1溶接電極及び該第1溶接電極に隣接して前記被溶接部材に当接する制御加圧部と前記第1溶接電極と対向して前記被溶接部材に当接する第2溶接電極とによって前記被溶接部材が挟持加圧され、該挟持加圧状態で前記第1溶接電極と前記第2溶接電極との間で通電してスポット溶接するスポット溶接装置の前記第1溶接電極と前記第2溶接電極の加圧力を検出する加圧力検出工具であって、第1面及び該第1面と対向する第2面を有して前記第1溶接電極側から前記制御加圧部が当接可能に形成された受けプレートと、該受けプレートの前記第1面に設けられた加圧力センサと、を備え、該加圧力センサを第1溶接電極に対向させて前記第1溶接電極側から前記制御加圧部を前記受けプレートの第1面に当接させかつ前記第1溶接電極で前記加圧力センサを押圧させるとともに前記第2溶接電極を前記受けプレートの第2面に当接させて前記加圧力センサが挟持加圧されて前記第1溶接電極の加圧力が検出され、前記加圧力センサを前記第2溶接電極に対向させて前記第1溶接電極側から前記制御加圧部を前記受けプレートの第2面に当接させかつ前記第1溶接電極を前記受けプレートの第2面に当接させるとともに前記第2溶接電極で前記加圧力センサを押圧させて該加圧力センサが挟持加圧されて前記第2溶接電極の加圧力が検出される、ことを特徴とする。
【0025】
この発明によると、第1溶接電極と第2溶接電極の加圧力を検出する際に、第1溶接電極及び第1溶接電極に隣接する制御加圧部と第1溶接電極と対向する第2溶接電極との間に加圧力検出工具を挿入する。
【0026】
加圧力センサを第1溶接電極に対向させて制御加圧部を第1溶接電極側から受けプレートに当接させ、第1溶接電極で第1溶接電極に対向する第1加圧力センサを押圧させるとともに、第2溶接電極を受けプレートに当接させる。これにより、第1溶接電極及び制御加圧部と第2溶接電極とによって、受けプレートを介在して加圧力センサが挟持加圧され、受けプレートに当接する制御加圧部の制御加圧力に影響を受けずに加圧力センサによって第1溶接電極の加圧力が検出される。
【0027】
一方、加圧力センサを第2溶接電極に対向させて制御加圧部を第1溶接電極側から受けプレートに当接させ、第2溶接電極で第2溶接電極に対向する加圧力センサを押圧させるとともに、第1溶接電極を受けプレートに当接させる。これにより、第1溶接電極及び制御加圧部と第2溶接電極とによって、受けプレートを介在して加圧力センサが挟持加圧され、受けプレートに当接する制御加圧部の制御加圧力に影響を受けずに加圧力センサによって第2溶接電極の加圧力が検出される。
【0028】
従って、第1溶接電極による加圧力と第2溶接電極による加圧力とを個別に検出することができることから、単独の加圧力センサを設ける簡易な構成によって、それぞれの溶接電極の加圧力を適切に検出することができる。
【0029】
請求項5に記載の発明による加圧力検出工具は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加圧力検出工具であって、前記加圧力センサ、第1加圧力センサ及び第2加圧力センサは、圧電素子で形成されたことを特徴とする。この発明によると、加圧力センサ、第1加圧力センサ及び第2加圧力センサを既存の圧電素子で構成できることから、簡易な構成で汎用性の高い加圧力検出工具を得ることができる。
【発明の効果】
【0030】
この発明によると、第1溶接電極及び制御加圧部と第2溶接電極とによって、ベース部を介在して第1加圧力センサ及び第2加圧力センサが挟持加圧され、当接範囲に当接する制御加圧部の制御加圧力に影響を受けずに第1加圧力センサによって第1溶接電極の加圧力が検出され、第2加圧力センサによって第2溶接電極の加圧力が検出される。従って、それぞれの加圧力を適切かつ容易に高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(a)は、第1実施の形態に係る加圧力測定工具の概略を説明する図、(b)は(a)のA矢視図である。
【図2】同じく、本実施の形態に係る加圧力検出工具の分解斜視図である。
【図3】本実施の形態に係る加圧力検出工具によって、スポット溶接装置の加圧力を検出する概略を説明する図である。
【図4】同じく、加圧力検出工具によって、スポット溶接装置における固定側電極及び可動側電極による加圧力を検出する概略を模式的に説明する図である。
【図5】(a)は、第2実施の形態に係る加圧力検出工具の概略を説明する図、(b)は(a)のB矢視図において加圧力センサを省略した状態を説明する図である。
【図6】同じく、本実施の形態に係る加圧力検出工具の概略を説明する図である。
【図7】本実施の形態に係る加圧力検出工具によって、スポット溶接装置の加圧力を検出する概略を模式的に説明する図である。
【図8】(a)は、第3実施の形態に係る加圧力検出工具の概略を説明する図、(b)は(a)のC矢視図、(c)は受けプレートの概略を説明する図である。
【図9】本実施の形態に係る加圧力検出工具によって、スポット溶接装置の加圧力を検出する概略を模式的に説明する図である。
【図10】従来のスポット溶接方法の概略を説明する図である。
【図11】同じく、従来のスポット溶接装置の概略を説明する図である。
【図12】本発明者らが提案したスポット溶接装置の概略を説明する図である。
【図13】本発明者らが提案したスポット溶接装置による加圧力の作用について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(第1実施の形態)
次に、本発明の第1実施の形態について、図1〜4に基づいて説明する。なお、図1〜図4において、図12と同様の構成には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0033】
図1(a)は、本実施の形態に係る加圧力検出工具の概略を説明する図、図1(b)は図1(a)のA矢視図、図2は、加圧力検出工具の分解斜視図である。図示のように、加圧力検出工具10は、把持部11、軸部12及び軸部12に設けられた加圧力検出部20を主要構成として備える。
【0034】
把持部11は、一端11a及び他端11bを有する円筒状であって、プラスチック樹脂で形成される。この把持部11の一端11a側には、軸部12が挿入される挿入孔11cが形成され、この挿入孔11cと同径で一端11aから他端11bに亘って把持部11の軸方向に沿って貫通して他端11b側に形成された配線孔11dに連続する貫通孔11eが形成される。
【0035】
軸部12は、基端12a及び先端12bを有する中空パイプ状であって、剛性の高い金属材料で形成される。この軸部12は、基端12a側が把持部11の挿入孔11cに挿入される。一方、軸部12の先端12b側には、加圧力検出部20が形成される。
【0036】
加圧力検出部20は、ベース部となる受けプレート21及び受けプレート21に設けられた第1加圧力センサ30、第2加圧力センサ31を主要構成として備える。受けプレート21は、平面視略円状の第1面となる第1加圧力センサ取付面22、第1加圧力センサ取付面22と対向する第2面となる第2加圧力センサ取付面23、第1加圧力センサ取付面22と第2加圧力センサ取付面23とを連続する側面24を有して円盤状に形成される。側面24には、軸部12の先端12bが結合される結合孔24aが形成され、この結合孔24aと同径で受けプレート21の内径方向まで連続するとともに内径方向略中央部分から第1加圧力センサ取付面22及び第2加圧力センサ取付面23側にそれぞれ分岐して第1加圧力センサ取付面22に開口する第1加圧力センサ取付面開口22a及び第2加圧力センサ取付面23に開口する第2加圧力センサ取付面開口23aまで貫通する貫通孔25が形成される。
【0037】
第1加圧力センサ30及び第2加圧力センサ31は、受けプレート21の第1加圧力センサ取付面22及び第2加圧力センサ取付面23に対して小径の円盤状であって、公知の圧電素子によって形成される。第1加圧力センサ30及び第2加圧力センサ31にはそれぞれ、配線32が設けられている。
【0038】
それぞれの配線32は、受けプレート21の第1加圧力センサ取付面開口22a及び第2加圧力センサ取付面開口23aに挿入されて貫通孔25内を通過して、受けプレート21の側面24に形成された結合孔24aから抜け出る。結合孔24aから抜け出た配線32は、中空パイプ状に形成された軸部12の先端12b側から中空部分に挿入されて軸部12の基端12a側から抜け出る。この状態で、軸部12が、その先端12b側から受けプレート21の結合孔24aに押し込み挿入された後に該部が溶接されて、受けプレート21が軸部12に固定される。
【0039】
一方、軸部12の基端12aから抜け出た配線32は、把持部11の一端11a側に形成された挿入孔11cから挿入されて、把持部11の他端11bに形成された配線孔11dから抜け出る。
【0040】
この状態で、軸部12が、その基端12b側から把持部11の挿入孔11cに押し込み挿入されて、軸部12が把持部11の同軸上に固定される。配線孔11dから抜け出た配線32は、図示しない計測装置に接続される。
【0041】
更に、受けプレート21の第1加圧力センサ取付面22及び第2加圧力センサ取付面23に対して小径の第1加圧力センサ30及び第2加圧力センサ31がそれぞれ、第1加圧力センサ取付面22及び第2加圧力センサ取付面23の内径方向略中央部分に第1加圧力センサ取付面22及び第2加圧力センサ取付面23に対してそれぞれ小径に設定された取付範囲O1及びO2にそれぞれ固着される。そして、第1加圧力センサ取付面22及び第2加圧力センサ取付面23に設定された取付範囲O1及びO2の外周に沿った環状の当接範囲R1が形成される。これにより、加圧力検出工具10が構成される。
【0042】
次に、加圧力検出工具10によって、スポット溶接装置130の加圧力を検出する場合について、図3及び図4を用いて説明する。なお、第1溶接電極が固定側電極132に相当し、第2溶接電極が可動側電極133に相当する。
【0043】
図3で示すように、スポット溶接装置130の連結プレート137を、シリンダ135、136によって固定側電極132側に下降させて下降位置H1に位置決めし、加圧力検出工具10を、連結プレート137の上方であって固定側電極132と可動側電極133との間に挿入する。そして、受けプレート21の第1加圧力センサ取付面22の当接範囲R1に連結プレート137の制御加圧部138dを当接させるとともに、第1加圧力センサ取付面22に設けられた第1加圧力センサ30を固定側電極132に当接させる。この状態で、可動側電極133を下降させて第2加圧力センサ取付面23に設けられた第2加圧力センサ31に当接させる。
【0044】
これにより、図4で示すように、連結プレート137の制御加圧部138dが受けプレート21の当接範囲R1に当接し、制御加圧部138d及び固定側電極132と可動側電極133とによって加圧力検出部20が挟持加圧される。そうすると、固定側電極132によって第1加圧力センサ30が押圧されてこの押圧に対応した起電力が第1加圧力センサ30に発生し、可動側電極133によって第2加圧力センサ31が押圧されてこの押圧に対応した起電力が第2加圧力センサ31に発生する。これらの起電力が配線32を介して図示しない計測装置に印加され、計測装置において、印加起電力に対応した加圧力FL及びFUがそれぞれ計測される。制御加圧手段134に設けられた被溶接部材押さえ138の制御加圧部138dによる制御加圧力は、受けプレート21の第1加圧力センサ取付面22の当接範囲R1に付与されることから、加圧力FL及びFUの検出に影響を及ぼすことはない。
【0045】
上記構成を有する加圧力検出工具10によると、制御加圧手段134の連結プレート137における制御加圧部138dが受けプレート21の当接範囲R1に当接し、制御加圧部138d及び固定側電極132と可動側電極133とによって受けプレート21を介在して第1加圧力センサ30及び第2加圧力センサ31が挟持加圧されることから、この加圧に対応して発生した起電力に基づいて、加圧力FL及びFUを適切かつ容易に高精度に検出することができる。
【0046】
従って、固定側電極132及び可動側電極133による加圧力FL及びFUを計測装置によって適切に計測することができることから、固定側電極132と可動側電極133の加圧力を適正に調整でき、溶接品質の向上に資する。
【0047】
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態について、図5〜図7に基づいて説明する。なお、図5〜図7において、図1〜4及び図12と同様の構成には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0048】
図5(a)は、本実施の形態に係る加圧力検出工具の概略を説明する図、図5(b)は図5(a)のB矢視図において加圧力センサを省略した状態を説明する図、図6は、加圧力検出工具の分解斜視図、図7は、加圧力検出工具によって、スポット溶接装置の加圧力を検出する場合の概略を模式的に説明する図である。図5及び図6で示すように、加圧力検出工具40は、把持部11、軸部12及び軸部12に設けられた加圧力検出部50を主要構成として備える。
【0049】
加圧力検出部50は、受けプレート51及び受けプレート51から連続して形成された突出部60、第1加圧力センサ70、第2加圧力センサ71を主要構成として備える。受けプレート51は、平面視略円状の第1面となる突出部形成面52、突出部形成面52と対向する第2面となる第2加圧力センサ取付面53、突出部形成面52と第2加圧力センサ取付面53とを連続する側面54を有して円盤状に形成される。
【0050】
突出部形成面52には、突出部形成面52の内径方向略中央部分に突出部形成面52に対して小径に設定された突出範囲Pから突出する突出部60が形成される。突出部60は、突出部形成面52から連続して突出部形成面52の軸方向に突出して形成された側面61、側面61から連続するとともに受けプレート51の突出部形成面52と対向する突出部面となる平面視略円状の第1加圧力センサ取付面62を端部に有して形成される。これにより、突出部形成面52に、突出範囲Pの外周に沿った環状の当接範囲R2が形成される。
【0051】
一方、受けプレート51の側面54には、軸部12の先端12bが結合される結合孔54aが形成され、この結合孔54aと同径で受けプレート51の内径方向まで連続するとともに内径方向略中央部分から第2加圧力センサ取付面53及び第1加圧力センサ取付面62側にそれぞれ分岐して第2加圧力センサ取付面53に開口する第2加圧力センサ取付面開口53a及び第1加圧力センサ取付面62に開口する第1加圧力センサ取付面開口62aまで貫通する貫通孔55が形成される。
【0052】
第1加圧力センサ70及び第2加圧力センサ71は、受けプレート51の突出部形成面52及び第2加圧力センサ取付面53とほぼ同径の円盤状であって、公知の圧電素子によって形成される。第1加圧力センサ70及び第2加圧力センサ71にはそれぞれ、配線72が設けられている。
【0053】
それぞれの配線72は、受けプレート51の第2加圧力センサ取付面開口53a及び第1加圧力センサ取付面開口62aから挿入されて受けプレート51の側面54に形成された結合孔54aから抜け出し、第1実施の形態と同様に、軸部12を介して把持部11内に挿入されて把持部11の配線孔11dから抜け出る。この状態で受けプレート51が軸部12に固定され、軸部12が把持部11の同軸状に固定され、更に、第1加圧力センサ70が突出部60の第1加圧力センサ取付面62に固着され、第2加圧力センサ71が受けプレート51の第2加圧力センサ取付面53に固着される。これにより、加圧力検出工具40が構成される。
【0054】
次に、加圧力検出工具40によって、スポット溶接装置130における固定側電極132及び可動側電極133による加圧力を検出する場合について説明する。
【0055】
まず、図3で示すように、スポット溶接装置130の連結プレート137を、シリンダ135、136によって固定側電極132側に下降させて下降位置H2に位置決めし、連結プレート137の電極挿入部138aに、加圧力検出工具40を突出部60から挿入する。そして、受けプレート51の突出部形成面52の当接範囲R2に連結プレート137の制御加圧部138dを当接させるとともに、第1加圧力センサ取付面62に設けられた第1加圧力センサ70を固定側電極132に当接させる。この状態で、可動側電極133を下降させて受けプレート51の第2加圧力センサ取付面53に設けられた第2加圧力センサ71に当接させる。
【0056】
これにより、図7で示すように、連結プレート137の制御加圧部138dが受けプレート51の当接範囲R2に当接し、制御加圧部138d及び固定側電極132と可動側電極133とによって加圧力検出部50が挟持加圧される。そうすると、固定側電極132によって第1加圧力センサ70が押圧されてこの押圧に対応した起電力が第1加圧力センサ70に発生し、可動側電極133によって第2加圧力センサ71が押圧されてこの押圧に対応した起電力が第2加圧力センサ71に発生する。これらの起電力が配線72を介して図示しない計測装置に印加され、計測装置において、印加起電力に対応した加圧力FL及びFUがそれぞれ計測される。制御加圧手段134に設けられた連結プレート137の制御加圧部138dによる制御加圧力は、受けプレート51の突出部形成面52に付与されることから、加圧力FL及びFUの検出に影響を及ぼすことはない。
【0057】
上記構成を有する加圧力検出工具40によると、突出部形成面52に対して小径に設定された突出部60の突出範囲Pの外周に沿った環状の当接範囲R2が形成されることから、第1加圧力センサ取付面52に設けられる第1加圧力センサ70及び第2加圧力センサ取付面53に設けられる第2加圧力センサ71が比較的大径に形成されている場合であっても、制御加圧部138dが受けプレート51によって阻害されることなく当接範囲R2に当接する。この当接状態で、固定側電極132と可動側電極133とによって受けプレート51及び突出部60を介在して第1加圧力センサ70及び第2加圧力センサ71が挟持加圧され、当接範囲R2に当接する制御加圧部138dによる制御加圧力に影響を受けずに、固定側電極132に対向する第1加圧力センサ70、可動側電極133に対向する第2加圧力センサ71がそれぞれ押圧され、この押圧に対応して発生した起電力に基づいて、固定側電極132及び可動側電極133による加圧力FL及びFUを適切に検出することができる。
【0058】
(第3実施の形態)
次に、本発明の第3実施の形態について、図8及び図9に基づいて説明する。なお、図8及び図9において、図1〜7及び図12と同様の構成には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0059】
図8(a)は、本実施の形態に係る加圧力検出工具の概略を説明する図、図8(b)は、図8(a)のC矢視図、図8(c)は受けプレートの概略を説明する図、図9は、加圧力検出工具によって、スポット溶接装置の加圧力を検出する場合の概略を模式的に説明する図である。
【0060】
図8で示すように、加圧力検出工具80は、把持部11、軸部12及び軸部12に設けられた加圧力検出部90を主要構成として備える。
【0061】
加圧力検出部90は、受けプレート91及び受けプレート91に設けられた加圧力センサ30を主要構成として備える。受けプレート91は、平面視略円状の第1面となる加圧力センサ取付面92、加圧力センサ取付面92と対向する第2面となる電極当接面93、加圧力センサ取付面92と電極当接面93とを連続する側面94を有して円盤状に形成される。側面94には、軸部12の先端12bが結合される結合孔94aが形成され、この結合孔94aと同径で受けプレート91の内径方向まで連続するとともに内径方向略中央部分から加圧力センサ取付面92側に折曲して加圧力センサ取付面92に開口する加圧力センサ取付面開口92aまで貫通する貫通孔95が形成される。
【0062】
加圧力センサ30の配線32は、第1実施の形態及び第2実施の形態と同様、加圧力センサ取付面開口92aから挿入されて軸部12を介して把持部11内に挿入されて把持部11の配線孔11dから抜け出る。この状態で受けプレート91が軸部12に固定され、軸部12が把持部11の同軸上に固定され、更に、受けプレート91の加圧力センサ取付面92及び電極当接面93に対して小径の加圧力センサ30が、加圧力センサ取付面92の内径方向略中央部分に加圧力センサ取付面92及に対して小径に設定された取付範囲Qに固着される。そして、加圧力センサ取付面92に設定された取付範囲Qの外周に沿った環状の当接範囲R3が形成され、電極当接面93における加圧力センサ取付面92の当接範囲R3の相当箇所にも当接範囲R3が同様に形成される。これにより、加圧力検出工具80が構成される。
【0063】
次に、加圧力検出工具80によって、スポット溶接装置130における固定側電極132及び可動側電極133による加圧力を検出する場合について、図9に基づいて説明する。
【0064】
まず、第1実施の形態の図3で示した場合と同様に、スポット溶接装置130の連結プレート137を、シリンダ135、136によって固定側電極132側に下降させて下降位置H1に位置決めし、加圧力検出工具80を、連結プレート137の上方であって固定側電極132と可動側電極133との間に挿入する。そして、図9(a)で示すように、加圧力センサ取付面92に設けられた加圧力センサ30を固定側電極132に対向させて当接させるとともに、受けプレート91の加圧力センサ取付面92の当接範囲R3に連結プレート137の制御加圧部138dを当接させる。この状態で、可動側電極133を下降させて電極当接面93の内径方向略中央部分に当接させる。
【0065】
これにより、制御加圧部138d及び固定側電極132と可動側電極133とによって加圧力検出部90が挟持加圧される。そうすると、固定側電極132によって加圧力センサ30が押圧されて、この押圧に対応した起電力が加圧力センサ30に発生する。この起電力が配線32を介して図示しない計測装置に印加され、計測装置において、印加起電力に対応した加圧力FLが計測される。制御加圧手段134に設けられた連結プレート137の制御加圧部138dによる制御加圧力は、受けプレート91の加圧力センサ取付面92に付与されることから、加圧力FLの検出に影響を及ぼすことはない。
【0066】
一方、可動側電極133の加圧力FUを検出する場合は、固定側電極132の加圧力FLを検出する場合と同様、連結プレート137を下降位置H1に位置決めし、加圧力検出工具80を、連結プレート137の上方であって固定側電極132と可動側電極133との間に挿入して、図9(b)で示すように、加圧力センサ取付面92に設けられた加圧力センサ30を可動側電極133に対向させて、電極当接面93の内径方向略中央部分を固定側電極132に当接させるとともに受けプレート91の電極当接面93の当接範囲R3に連結プレート137の制御加圧部138dを当接させる。この状態で、可動側電極133を下降させて加圧力センサ30に当接させる。
【0067】
これにより、制御加圧部138d及び固定側電極132と可動側電極133とによって加圧力検出部90が挟持加圧される。そうすると、可動側電極133によって加圧力センサ30が押圧されて、この押圧に対応した起電力が加圧力センサ30に発生する。この起電力が配線32を介して図示しない計測装置に印加され、計測装置において、印加起電力に対応した加圧力FUが計測される。制御加圧手段134に設けられた連結プレート137の制御加圧部138dによる制御加圧力は、受けプレート91の電極当接面93に付与されることから、加圧力FUの検出に影響を及ぼすことはない。
【0068】
上記構成を有する加圧力検出工具80によると、固定側電極132による加圧力FLと可動側電極133による加圧力FUとを個別に検出することができることから、第1実施の形態及び第2実施の形態の加圧力検出工具に対して、簡易な構成で適切に加圧力FL及びFUを適切に検出することができる。
【0069】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。上記第1実施の形態では、スポット溶接装置130の連結プレート137を下降位置H1に位置決めして連結プレート137の制御加圧部138dが受けプレート21の第1加圧力センサ取付面22の当接範囲R1に当接する場合を説明したが、例えば、図3において示すように、連結プレート137を上昇位置H3に位置決めし、連結プレート137の制御加圧部138cが受けプレート21の第2加圧力センサ取付面23の当接範囲R1に当接するようにして加圧力FL及びFUを検出してもよい。
【0070】
上記各実施の形態では、第1溶接電極が固定側電極132、第2溶接電極が可動側電極133である場合を説明したが、第1溶接電極が可動側電極133、第2溶接電極が固定側電極132であってもよい。
【0071】
上記各実施の形態では、加圧力FL及びFUが計測装置で測定される場合を説明したが、例えば、把持部11に計測装置及び表示部を内蔵して、加圧力FL及びFUを計測、表示するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0072】
10、40、80 加圧力検出工具
11 把持部
12 軸部
20、50、90 加圧力検出部
21、51、91 受けプレート(ベース部)
22 第1加圧力センサ取付面(第1面)
23 第2加圧力センサ取付面(第2面)
24 側面
30、70 第1加圧力センサ
31、71 第2加圧力センサ
52 突出部形成面(第1面)
53 第2加圧力センサ取付面(第2面)
60 突出部
61 側面
62 第1加圧力センサ取付面(突出部面)
92 加圧力センサ取付面(第1面)
93 電極当接面(第2面)
R1、R2、R3 当接範囲
O1、O2、Q 取付範囲
P 突出範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の板材が重ね合わせられた被溶接部材に当接する第1溶接電極及び該第1溶接電極に隣接して前記被溶接部材に当接する制御加圧部と前記第1溶接電極と対向して前記被溶接部材に当接する第2溶接電極とによって前記被溶接部材が挟持加圧され、該挟持加圧状態で前記第1溶接電極と前記第2溶接電極との間で通電してスポット溶接するスポット溶接装置の前記第1溶接電極と前記第2溶接電極の加圧力を検出する加圧力検出工具であって、
前記第1溶接電極側から前記制御加圧部が当接する当接範囲を有するベース部と、
該ベース部の前記当接範囲側に設けられて前記第1溶接電極の加圧力を検出する第1加圧力センサと、
該第1加圧力センサに対して前記ベース部を介在して該ベース部に設けられて前記第2溶接電極の加圧力を検出する第2加圧力センサと、
を備えることを特徴とする加圧力検出工具。
【請求項2】
前記ベース部は、
平面視略円状の第1面及び該第1面と対向する第2面を有する円盤状に形成され、
前記第1加圧力センサは、
前記第1面に対して小径の円盤状に形成されて前記第1面の内径方向中央部分に前記第1面に対して小径に設定された取付範囲に設けられ、
前記当接範囲は、
前記第1面の取付範囲の外周に沿って前記第1面に環状に形成された、
ことを特徴とする請求項1に記載の加圧力検出工具。
【請求項3】
複数の板材が重ね合わせられた被溶接部材に当接する第1溶接電極及び該第1溶接電極に隣接して前記被溶接部材に当接する制御加圧部と前記第1溶接電極と対向して前記被溶接部材に当接する第2溶接電極とによって前記被溶接部材が挟持加圧され、該挟持加圧状態で前記第1溶接電極と前記第2溶接電極との間で通電してスポット溶接するスポット溶接装置の前記第1溶接電極と前記第2溶接電極の加圧力を検出する加圧力検出工具であって、
平面視略円状の第1面及び該第1面と対向する第2面を有する円盤状に形成された受けプレートと、
該受けプレートの第1面の内径方向中央部分に前記第1面に対して小径に設定された突出範囲から軸方向に突出する円柱状であって前記第1面と対向する突出部面を端部に有する突出部と、
該突出部の前記突出範囲の外周に沿って前記第1面に環状に形成されて前記第1溶接電極側から前記制御加圧部が当接する当接範囲と、
前記突出部面に設けられて前記第1溶接電極の加圧力を検出する第1加圧力センサと、
前記第2面に設けられて前記第2溶接電極の加圧力を検出する第2加圧力センサと、
を備えることを特徴とする加圧力検出工具。
【請求項4】
複数の板材が重ね合わせられた被溶接部材に当接する第1溶接電極及び該第1溶接電極に隣接して前記被溶接部材に当接する制御加圧部と前記第1溶接電極と対向して前記被溶接部材に当接する第2溶接電極とによって前記被溶接部材が挟持加圧され、該挟持加圧状態で前記第1溶接電極と前記第2溶接電極との間で通電してスポット溶接するスポット溶接装置の前記第1溶接電極と前記第2溶接電極の加圧力を検出する加圧力検出工具であって、
第1面及び該第1面と対向する第2面を有して前記第1溶接電極側から前記制御加圧部が当接可能に形成された受けプレートと、
該受けプレートの前記第1面に設けられた加圧力センサと、を備え、
該加圧力センサを第1溶接電極に対向させて前記第1溶接電極側から前記制御加圧部を前記受けプレートの第1面に当接させかつ前記第1溶接電極で前記加圧力センサを押圧させるとともに前記第2溶接電極を前記受けプレートの第2面に当接させて前記加圧力センサが挟持加圧されて前記第1溶接電極の加圧力が検出され、
前記加圧力センサを前記第2溶接電極に対向させて前記第1溶接電極側から前記制御加圧部を前記受けプレートの第2面に当接させかつ前記第1溶接電極を前記受けプレートの第2面に当接させるとともに前記第2溶接電極で前記加圧力センサを押圧させて該加圧力センサが挟持加圧されて前記第2溶接電極の加圧力が検出される、
ことを特徴とする加圧力検出工具。
【請求項5】
前記加圧力センサ、第1加圧力センサ及び第2加圧力センサは、
圧電素子で形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の加圧力検出工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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