説明

加工食品中のブタ肉の検出方法

【課題】加工食品中のブタ肉の検出法を提供する。
【解決手段】ブタ由来の特定な配列からなるヌクレオチド配列109〜254、あるいは、該ヌクレオチド配列において1もしくは数個のヌクレオチドの置換、欠失又は付加を含むヌクレオチド配列において、約60〜約150bpサイズのDNA断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅し、その増幅産物を検出することを含む、加工食品中のブタ肉を検出する方法、あるいは、その方法に使用するためのプライマーキット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工食品中のブタ肉の検出方法及び該検出用のプライマーに関する。
【背景技術】
【0002】
疫学調査によれば、世界の人口の約10〜20%の人々が、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などのIgE仲介の何らかの過敏性症状を示す。これらの過敏性症状のうち、食品に対するアレルギー反応が、世界的に重要な健康問題である。一般に、鶏卵、牛乳、小麦、ピーナッツなどは、食物アレルギー患者のアレルゲンとして知られている。これに対して、肉については、一般に、通常のアレルギー誘発性食物に比べてアレルギー性が低いため、約25年前、食物アレルギーをもつ子どもに対して、肉を含む制限食事を摂取するように勧告された。
【0003】
しかしながら、過敏性患者では、肉でさえアレルギー反応を引き起こすという証拠が増えつつある。米国で肉アレルギーと疑われた57人の被験者における、牛肉、豚肉及び鶏肉アレルギーの罹患率はそれぞれ、73%、58%及び41%であったと報告されている(非特許文献1)。また、ドイツでは、皮内注射試験による豚肉に対する過敏性の確率は、2.0%であると報告されている(非特許文献2)。
【0004】
多くの諸国では、アレルゲンを含む食物が引き起こす健康障害を予防するために、食物アレルゲンのラベル表示が行われている。我国では、ラベル表示は、実際の病気の症例数と重症度に従って、強制と推奨の2つのステージに分けられている。厚生労働省は、5品目(卵、乳、小麦、そば及びピーナッツ)を強制的に表示させるとともに、他の20品目(アワビ、イカ、サケ、エビ、牛肉、鶏肉、豚肉、マッシュルーム、大豆、リンゴ、バナナなど)についても表示するよう推奨している。また、牛肉、鶏肉及び豚肉については、別個にラベル表示することを推奨している。
【0005】
さらにまた、昨今、メーカーによる食品表示の偽装があり、消費者の不信感と不安を掻き立てている。このような偽装を暴くこと、或いは、正しい表示であることを証明することも、今求められている。
【0006】
このように、食品のアレルゲンのラベル表示を証明するために、また、加工食品中の隠れたアレルゲンを確定するためには、高感度でかつ特異的な検出法を提供することが重要である。通常、このような方法は、酵素結合免疫測定法(ELISA)による種特異的蛋白質の検出、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による種特異的DNA分子の検出などに基づいている(非特許文献3)。
【0007】
Matsunagaらは、6タイプの肉(ウシ、ブタ、ニワトリ、ヒツジ、ヤギ及びウマ)の識別が、ミトコンドリアシトクロムb遺伝子のDNA配列に基づいて設計したPCRプライマーを用いるPCRによって可能であることを報告している(非特許文献4)。
【0008】
この他にも、シトクロムb遺伝子を利用して動物種を判定する方法が、特許文献1〜4に記載されている。
【0009】
しかし、この場合問題となるのは、加熱又は調理した加工食品中に含まれる肉の検出の際には、肉由来のDNAがより小サイズに断片化すること、野菜や調味料などに由来するDNAの混入があることのために、特定の動物種の肉由来のppmオーダーのDNAを特異的かつ高感度に検出することが難しくなることである。実際、ブタ肉の検出に際して、Matsunagaら(上記)が使用したプライマーによって増幅されたPCR産物のサイズは398bpであったが、このサイズは、加工食品では長すぎて、200bp以下に断片化したブタDNAの特異的な検出には向かないし、また10ppm程度のアレルゲン検出レベルのブタDNAを検出しようとするときには、他の動物種のDNAとの交差が観察されるため、そのようなレベルのブタDNAに対しては特異的かつ高感度の検出はできないと考えられる。
【0010】
【特許文献1】特開2003-189869号公報
【特許文献2】特開2000-210085号公報
【特許文献3】米国特許公開第2005/0014143号
【特許文献4】米国特許公開第2007/0009910号
【非特許文献1】Ayuso, R.ら, Ann. Allergy Asthma Immunol., 83:399-405 (1999)
【非特許文献2】Boehler, E.ら, Allergo. J., 10:318-319 (2001)
【非特許文献3】Holzhauser, T.ら, CRC Press, Boca Raton, pp.125-143 (2006)
【非特許文献4】Matsunaga, T.ら, Meat Sci., 51:143-148 (1999)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、加工食品中のブタ肉を高感度でかつ高特異的に検出するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、要約すると、以下の特徴を含む。
【0013】
本発明は、第1の態様において、加工食品中のブタ肉を検出する方法であって、ブタ由来の配列番号1のヌクレオチド配列109〜254、あるいは、該ヌクレオチド配列において1もしくは数個のヌクレオチドの置換、欠失又は付加を含むヌクレオチド配列において、約60〜約150bpサイズのDNA断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅し、その増幅産物を検出することを含む、上記方法を提供する。
【0014】
本発明の一の実施形態において、加工食品が、加熱又は調理された加工食品である。
本発明の別の実施形態において、増幅DNA断片のサイズが約100〜約150bpである。
本発明の別の実施形態において、PCRが、配列番号1のヌクレオチド配列109〜254、あるいは該ヌクレオチド配列において1もしくは数個のヌクレオチドの置換、欠失又は付加を含むヌクレオチド配列、及びそれらの相補的配列のなかから選択される、連続する15〜30ヌクレオチドからなる配列をフォワードプライマー及びリバースプライマーとして用いて行われる。
【0015】
本発明の別の実施形態において、フォワードプライマーが配列番号2又は3のヌクレオチド配列、あるいは該ヌクレオチド配列と90%以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列、からなるプライマーである。
【0016】
本発明の別の実施形態において、リバースプライマーが配列番号5又は6のヌクレオチド配列、あるいは該ヌクレオチド配列と90%以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列、からなるプライマーである。
【0017】
本発明の別の実施形態において、フォワード及びリバースプライマーのセットが、配列番号2及び配列番号5のヌクレオチド配列、あるいはそれらの各ヌクレオチド配列と90%以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列、からなるプライマーである。
【0018】
フォワード及びリバースプライマーのセットが、配列番号3及び配列番号5のヌクレオチド配列、あるいはそれらの各ヌクレオチド配列と90%以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列、からなるプライマーである。
【0019】
本発明の別の実施形態において、増幅産物の検出が電気泳動によって行われる。
【0020】
本発明はまた、第2の態様において、加工食品中のブタ肉をPCRで検出するためのキットであって、配列番号2、配列番号3及び配列番号5の各ヌクレオチド配列からなるプライマーを含むキットを提供する。
【0021】
本発明はさらに、第3の態様において、加工食品中のブタ肉をPCRで検出するためのキットであって、配列番号3及び配列番号5の各ヌクレオチド配列からなるプライマーを含むキットを提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、加工食品中のブタ肉の存在又は定量を高い感度と高い特異性をもって検出することが可能になる。本発明は、特に、他の動植物由来の核酸の存在下で、ppmオーダーのブタ由来DNAを検出することを可能にするとともに、200bp未満のサイズに切断されたDNAでさえも特異的に検出することを可能にする、という利点を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、加工食品中のブタ肉を検出する方法であって、ブタ由来の配列番号1のヌクレオチド配列109〜254、あるいは、該ヌクレオチド配列において1もしくは数個のヌクレオチドの置換、欠失又は付加を含むヌクレオチド配列において、約60〜約150bpサイズのDNA断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅し、その増幅産物を検出することを含む方法を提供する。
【0024】
本明細書中で使用される「加工食品」なる用語は、ブタ肉を含むことが疑われる食品を指す。本発明において食品中のブタ肉の含量は、特に制限はないが、ブタ肉の含有比率が10ppb〜100ppb以上であり、もちろんアレルゲン検出レベルの数ppmのブタ肉を含有する場合であっても問題ない。また、加工食品は、人為的に食用に処理された任意の食品形態をいう。このような食品は、加熱されていてもよいし、又は非加熱であってもよいし、あるいは、調理されていてもよいし、又は非調理であってもよい。本発明は、加熱又は調理などの処理によって200bp未満のサイズに小断片化されたブタ肉由来DNAを含む加工食品の分析のために特に好ましく使用される。
【0025】
食品中の食材由来のDNAは、加熱又は調理によって、通常、約200塩基未満のサイズに断片化されることが多い。加熱は、例えば煮沸、加圧加熱殺菌、焼き、油中の揚げなどの、通常約90℃以上、好ましくは約100℃以上、より好ましくは120℃以上の加熱を伴う熱処理を指す。また、加工食品には、ブタ肉以外の獣肉、魚肉、貝類、野菜類、調味料(例えば醤油、味噌、酒類など)、果実類又はその搾汁液、炭水化物、糖類、油脂類、あるいはそれの混合物を含み、本発明ではむしろこのような他の成分を主成分として含む食品、言い換えればマイナーなブタ由来DNAの他にメジャーな非ブタ生物種由来DNAも含有している食品において、その作用効果を十分に発揮することができる。
【0026】
加工食品の例は、ギョウザ、シュウマイ、ハム、ソーセージ、カレー、シチュー、蒲鉾などを含む。
【0027】
本明細書中で使用される「調理」なる用語は、一般に加熱を伴う調理を指し、切断、せん断、挽き、練り、加熱などの処理をした又は未処理の食材に、必要に応じて添加剤、例えば調味料(肉エキス、甘味料、塩、胡椒、核酸、アミノ酸、香料など)、結合剤(小麦粉、でんぷん、脱脂粉乳、卵白、植物性蛋白など)、酸化防止剤(ビタミンCなど)、発色剤、着色料などを加えて、種々の食品形態に仕上げる操作又は処理を意味する。
【0028】
本発明の方法によって増幅されるべきブタ由来のDNA断片は、ミトコンドリアシトクロムb遺伝子由来のものである。上記背景技術に記載されたように、この遺伝子に限らず、動物種間の識別を可能にするための遺伝子はいくつか知られているが、いずれの場合にも、遺伝子が、200bp未満、特に150bp以下に小断片化されたとき、しかも、目的の遺伝子断片を含む食材がppmレベルのマイナー量で存在する一方で、動植物由来の遺伝子断片がメジャー量で混在するようなときには、サンプル中の目的遺伝子断片を、高い特異性かつ高い感度で検出することは容易なことではない。本発明者らは、今回、この課題を克服することを可能にするような、PCR法で増幅するための特定領域をブタ由来のミトコンドリアシトクロムb遺伝子中に見出した。
【0029】
本発明において、上記特定領域の配列は、配列番号1のヌクレオチド配列の塩基番号109番目〜254番目のヌクレオチド配列からなる。PCR法によって、この領域内の約60〜約150bp、好ましくは約100〜約150bpサイズのDNA断片を増幅するときには、たとえニンジンなどの植物由来又は他の動物種由来の配列相同性のあるDNA断片が混在していても、そのような断片から区別可能に増幅可能である。
【0030】
本発明はまた、多型性、スプライス変異、突然変異などに基く個体間の遺伝的差異のために、配列番号1のヌクレオチド配列109〜254において1もしくは数個のヌクレオチドの置換、欠失又は付加を含むヌクレオチド配列内の増幅も可能であるように、そのようなヌクレオチド配列に基いて適切なPCRプライマーを設計することができる。別の言い方をすると、このような変異型のヌクレオチド配列は、配列番号1のヌクレオチド配列109〜254と90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上、例えば98%以上、99%以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列である。ここで、配列同一性(%)は、配列番号1のヌクレオチド配列109〜254と、対応する変異型配列とのアラインメント(整列比較)をとったとき、ギャップを導入して又は導入しないで、全ヌクレオチドの数に対する同一ヌクレオチドの数の百分率(%)で表される。同一性(%)は、例えばBLAST、FASTAなどの公知のアルゴリズムを利用して決定することができる(高木利久と金久實編、ゲノムネットのデータベース利用法(第2版)共立出版)。また、変異型配列の検索については、NCBI(特にGenBank)(米国)、EMBL(欧州)などの遺伝子データベースにアクセスしてもよいだろう。
【0031】
本明細書中で使用する「数個」なる用語は、約10以下の整数、例えば10〜2、9〜2、8〜2、7〜2、6〜2、5〜2、4〜2、3〜2又は2からなる整数を指す。
【0032】
本発明で使用可能なPCRプライマーとして、配列番号1のヌクレオチド配列109〜254、あるいは該ヌクレオチド配列において1もしくは数個のヌクレオチドの置換、欠失又は付加を含むヌクレオチド配列、及びそれらの相補的配列において、連続する15〜30ヌクレオチドからなる配列が、フォワードプライマー及びリバースプライマーとして選択される。ここでフォワードプライマーは、上記ヌクレオチド配列のセンス鎖と同じ配列の一部からなり、一方、リバースプライマーは、上記ヌクレオチド配列のアンチセンス鎖と同じ配列の一部からなる。
【0033】
フォワードプライマーの例は、以下のものに限定されないが、配列番号2又は3のヌクレオチド配列、あるいは該ヌクレオチド配列と90%以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列、からなるプライマーである。
【0034】
リバースプライマーの例は、以下のものに限定されないが、配列番号5又は6のヌクレオチド配列、あるいは該ヌクレオチド配列と90%以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列、からなるプライマーである。
【0035】
DNAプライマーは、ホスホアミダイト法によって合成可能であり、通常、市販の自動DNA合成装置を用いて作製すると便利である。
【0036】
PCR法は、フォワード及びリバースプライマーのセットを用いて、これらのプライマー間のDNA領域が増幅される。プライマーセットの例は、以下のものに限定されないが、配列番号2及び配列番号5のヌクレオチド配列のセット、配列番号3及び配列番号5のヌクレオチド配列のセット、あるいはそれら各セットの各ヌクレオチド配列と90%以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列のセットである。
【0037】
本発明において、PCRは、次のように実施することができる。
まず、PCRに先立って、加工食品中からDNAを抽出する操作を実施する。DNAの抽出は、食品サンプルをバッファー中でホモジナイズし、遠心分離によってホジネートからミトコンドリア画分を得たのち、上清に、ヨウ化ナトリウム/イソプロパノール溶液を加えたのち、遠心によってDNAを沈殿として得ることができる。DNAの回収のために、上記の代わりに例えばクロロホルム/フェノール/イソアミルアルコール溶液を使用することもできる。
【0038】
PCRは、例えば、DNAサンプル(約1μl)、フォワードプライマー及びリバースプライマー(各約1μl)、10×PCRバッファー(約2μl)、50mM MgCl2(約0.6μl)、2.5mM dNTP(約0.4μl)、Taq DNAポリメラーゼ(Invitrogenなど)、Ampli Taq(パーキンエルマー)、Tfl DNAポリメラーゼ(プロメガなど)、Pfu DNAポリメラーゼ(東洋紡など)などの耐熱性DNAポリメラーゼ(約0.1μl)、及び蒸留水(約13.9μl)を含む約20μl(最終容量)中で、94℃240秒の最初の変性ステップの後、94℃30秒(変性)、50℃30秒(アニーリング)及び72℃60秒(伸長)を1サイクルとして約30〜40サイクルの増幅を含む。PCR条件は、上記の例に限定されず、例えば蛋白質核酸酵素41巻5号増刊号1996年、PCR法最前線、基礎から応用まで(共立出版)に記載される条件等を使用することもできる。
【0039】
増幅産物の検出は、アガロースゲル電気泳動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動などの電気泳動法を使用するサイズ分離によって行うことができる。染色には臭化エチジウムを好ましく使用できる。臭化エチジウム染色後、UVトランスイルミネーターを使用してゲルバンドの写真をとることができる。
【0040】
PCR及び電気泳動のプロトコルの詳細についてはさらに、例えばF.M. Ausubelら, Short Protocol in Molecular Biology (3rd edition), John Wiley & Sons (USA), 1995を参照することができる。
【0041】
本発明はさらに、加工食品中のブタ肉をPCRで検出するための下記(1)又は(2)のキットを提供する。
(1) 配列番号2、配列番号3及び配列番号5の各ヌクレオチド配列からなるプライマーを含むキット、あるいは、
(2) 配列番号3及び配列番号5の各ヌクレオチド配列からなるプライマーを含むキット。
【0042】
本発明において特に好ましいキットは、上記(2)に示されるキットである。
本発明のキットはまた、プライマーの他に、PCRを実施するために必要なバッファー、DNAポリメラーゼなどの試薬類、容器、使用説明書などを含むことができる。
【0043】
容器は、プライマーを別々の容器に入れて互いに隔離するためのものである。容器の材質及び形状は、特に制限されないが、例えばガラス又はプラスチック製のバイアル、ビン、チューブ、アンプルなどであり、好ましくはネジ又はゴム製ストッパーで密閉された容器である。
【0044】
さらにまた、使用説明書は、PCR手順又は最適条件を記載し、これによってユーザーがPCR操作を正しく実施できるように説明したものである。
【実施例】
【0045】
以下に、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例によって制限されないものとする。
【0046】
材料と方法
<サンプル及びDNA抽出>
すべての肉(ブタ、ウシ、ニワトリ、ヒツジ、イノシシ、ウマ)サンプル、ブタ肝臓サンプル、及び加工食品(燻製ブタ肝臓、ミートボール、ミートローフ、サラミソーセージ、ウインナーソーセージ、ベーコン、燻製ブタ舌)は、市販品を用意した。他の53品目(小豆、アーモンド、リンゴ、バナナ、バジル、黒豆、ブルーベリー、カツオ、ブロッコリー、ソバ、キャベツ、キャラウエイ、ニンジン、カシュウナッツ、ササゲ豆、シナモン、ハマグリ、クローブ、キュウリ、ヒラメ、ニンニク、ブドウ、ニラ、グリーンペッパー、アジ、サンショウ、インゲン豆、キウイ、レタス、サバ、ナツメグ、タコ、オレガノ、パセリ、モモ、ピーナッツ、コショウ、サンマ、ホタテ、エビ、大豆、ホウレンソウ、イカ、ワカサギ、タイム、マグロ、小麦粉など)もまた、市販品を入手した。
【0047】
サンプルからのDNAの抽出は、Ishizawaら(Nucleic Acid Res., 19:5792 (1991)及びSmbrook, J.とRussel, D.W.(Molecular Cloning, 3rded., Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, pp.1.31-1,42 (2001))に基くmtDNA Extractor CTキット(和光純薬工業)を用いて、メーカーの指示書に従って行った。簡単に説明すると、粉砕した食品サンプル200〜250mgを、ビーズシェーカーを用いてホモジナイゼーションバッファ中でホモジナイズした。遠心分離によってホモジネートからミトコンドリア画分を得た。ミトコンドリアからDNAを抽出し、タンパクを不溶化して遠心した上清に、ヨウ化ナトリウム溶液とイソプロパノールを加えたのち、遠心によってDNAを沈降物として得た。乾燥後、TEバッファーにDNAを溶解し、260nmでの吸光度によってDNAの濃度を測定した。
【0048】
<オリゴヌクレオチドプライマー>
ブタミトコンドリアシトクロムbのDNA配列(配列番号1)から、6つのプライマー配列を設計した(図1)。3つのフォワードプライマーは次のとおりである。
F1プライマー:5'-TCTTAGGCATCTGCCTAATCTTG-3'(配列番号2)
F2プライマー:5'-TCTTGCAAATCCTAACAGGCCTG-3'(配列番号3)
F3プライマー:5'-TCGAGACGTAAATTACGGATGAG-3'(配列番号4)
3つのリバースプライマーは次のとおりである。
R1プライマー:5'-TTTGCATGTAGATAGCGAATAAC-3'(配列番号5)
R2プライマー:5'-GGATCCGTAGTATAGACCTCGG-3'(配列番号6)
R3プライマー:5'-GCTATAACGGTAAATAGTAGGAC-3'(配列番号7)
各プライマーは、合成後、検出に使用する前に、逆相カートリッジで精製された。
【0049】
<PCR及びアガロースゲル電気泳動>
DNAサンプル(1μl)、フォワードプライマー及びリバースプライマー(各1μl)、10×PCRバッファー(2μl)、50mM MgCl2(0.6μl)、2.5mM dNTP(0.4μl)、Taq DNAポリメラーゼ(0.1μl)、及び蒸留水(13.9μl)を含む20μl(最終容量)中でPCRを行った。増幅は、組換えTaq DNAポリメラーゼ(Invitrogen)を用いて行った。
【0050】
94℃240秒の最初の変性ステップの後、PCR条件を次のように94℃30秒、50℃30秒及び72℃60秒を1サイクルとして37サイクルに最適化した。標的配列の増幅及びオリゴヌクレオチドペアのブタ特異性を確認するために、PCR産物を、2%アガロースゲル電気泳動にかけ、臭化エチジウムで染色し、プリントグラフ(Atto, AE-6932GXCF)で解析した。
【0051】
<増幅断片のクローニング及び配列決定>
プライマー対F2/R1を用いて作製した増幅断片を、TOPO TAクローニング(登録商標)キット(Invitrogen)を用いて、ベクターpCR 4-TOPO(登録商標)にサブクローニングし、組換えプラスミドを、大腸菌株DH5α(商標)−TIコンピテント細胞に形質転換した。クローンの配列を、BigDye(登録商標)Terminators v1.1 Cycle Sequencingキット(Applied Biosystems)とABI PRISM(登録商標)3100 Genetic Analyzer(Applied Biosystems)を用いて決定した。
【0052】
<熱処理したブタミンチでのブタDNAの検出>
ブタミンチ(10g,厚さ5mm)をバックに入れて真空パックし、10分間煮沸するか、或いは、120℃で10分間高圧殺菌した。熱処理ミンチからDNAを抽出し、上記のとおりPCR(37サイクル)を行った。
【0053】
<焼いた又はフライしたブタ肉スライス中のブタDNAの検出>
ブタロース肉スライス(厚さ4mm)の両面を、各面3分ずつ、ホットプレート(160℃)上で焼き加熱した。これとは別に、ブタロース肉スライス(厚さ4mm)を、1.5分間油(170℃)で揚げた。得られた各スライスの中央部分からDNAを抽出し、上記のとおりPCR(37サイクル)を行った。
【0054】
<ブタ以外のDNAが混在する場合の感度>
ブタミトコンドリアDNAを0、1fg/μl、10 fg/μl、100 fg/μl、1pg/μl、10 pg/μl、100 pg/μl、1ng/μl又は10 ng/μlを含有するコムギミトコンドリアDNAサンプル(10ng/μl)の9種の混合量を、段階希釈法で調製した。上記のとおりにPCR(37サイクル)を行い、方法の感度を調べた。
【0055】
<ギョウザ中のブタDNAの検出>
脂肪を除去した後のブタ肉サンプルをミンチし、9倍容量の水を加え、ホモジナイズした(10%均質化物)。10%均質化物を蒸留水で段階希釈し、1%、1000ppm、100ppm、10ppm、1ppm、100ppb、10ppb、1ppb均質化物とした。これとは別に、ギョウザの材料(キャベツ、ニラ、ニンニク)もまた、フードプロセッサーでミンチした。
これらの野菜(18g)を、ブタ肉ミンチ又は各均質化物(2g)と混合し、小麦粉で作ったギョウザの皮で包み、電子レンジで2分間加熱し、ついで、フードプロセッサーでミンチした。加熱後のギョウザからDNAを抽出し、上記のとおりにPCR(37サイクル)を行った。
【0056】
<種々の食材とブタとの交差性>
本発明の上記のF2プライマー及びR1プライマーを用いたPCRによる、ブタ肉と他の食材との交差性を調べた。結果を表1に示した。表から明らかなように、ブタ肉と他の食材との間には、相同な配列がなく、交差性が認められなかった。なお、評価の丸印は交差性なしを示す。
【0057】
【表1】


【0058】
結果と考察
ソバ(Fagopyrum spp.)やピーナッツ(Arachis hypogaea)などのアレルギー性食品を検出するためのPCR法がいくつか報告されている。標的遺伝子の選択やプライマーの設計は、検出系の感度や特異性に大きく影響する。プライマー標的がミトコンドリア遺伝子のような多コピー遺伝子である場合には、高感度PCRアッセイを確立できることはよく知られている。この研究では、ブタ肉の検出のために、標的としてミトコンドリアDNAのブタシトクロムb領域を選択した。
【0059】
NCBIデータベースにより、ブタ、ウシ、ニワトリ、ヒツジ及びウマのシトクロムb DNA配列を比較し、3つのフォワードプライマー(F1, F2, F3)とリバースプライマー(R1, R2, R3)を、ブタ特異的領域を検出するために設計した(図1)。図2に、9つのプライマー対から増幅したPCR産物のアガロースゲル電気泳動の結果を示す。プライマー対F1/R1, F1/R2, F1/R3, F2/R1, F2/R2, F2/R3, F3/R1, F3/F2及びF3/R3により増幅されたPCR産物のサイズはそれぞれ、148bp, 212bp, 268bp, 130bp, 194bp, 250bp, 45bp, 109bp及び165bpであった。
【0060】
加工食品ではよくDNAが分解されるため、増幅DNA断片は、隠れたアレルゲンを検出するために、PCRでは60〜150bpのサイズを有しているのが望ましい。プライマー対F1/R1, F2/R1及びF3/R2によって増幅されたPCR産物は、テストしたプライマー対のなかで、この規準を満たした。これらの3つのプライマー対のうち、はじめF3/R2が最も望ましいと考えられたが、その理由は、そのPCR産物が最も短いからであった。しかしながら、予備実験では、ニンジンから抽出したDNAを鋳型として、F3/R2を用いてPCRが行われたとき、PCR産物バンドは偽陽性として検出された。F1/R1及びF2/R1プライマー対は、ほとんど同じ感度であった。しかしながら、3つのプライマー対のなかでF2/R1が、2番目に短いPCR産物であったため、これをさらなる実験に使用した。F2/R1を使用した場合には、テストした53品目の食品中で偽陽性は現れなかった。さらに、F2/R1プライマー対を用いて得られたPCR産物のヌクレオチド配列分析によって、ブタシトクロムbの目的とする配列が確認された。
【0061】
市販の食品について、この方法を使用するときの信頼性を調べるために、マーケットから7つの食品(燻製ブタ肝臓、ミートボール、ミートローフ、サラミソーセージ、ウインナーソーセージ、ベーコン、燻製ブタ舌)を入手し、それらを、ブタDNAの存在について評価した。これらの製品の各々のラベルに記載された成分によれば、そのすべてがブタ肉
またはブタの可食部分を含んでいた。PCR生成物のアガロースゲル電気泳動を示す図を省いたが、この方法によってブタDNAが明瞭に検出された。
【0062】
本発明者らは、上記方法を、煮沸したブタ肉サンプル、加圧加熱殺菌したブタ肉サンプル、焼いたブタ肉サンプル、及び油で揚げたブタ肉サンプルに適用した(図3)。熱加工処理は、この方法の感度にほとんど影響しないことが確認された。
【0063】
次に、上記方法の特異性と感度を評価した。図4に示すように、ブタDNAから増幅されたDNA断片(130bp)が特異的に検出されたが、一方、ウシ、ニワトリ、ヒツジ及びウマなどの他の動物種では、イノシシ肉を除いて、130bp産物の増幅は起こらなかった。本発明の方法で使用されるプライマーによってイノシシ肉由来のDNAが増幅されることが明らかに示された。
【0064】
本発明の方法の感度は、コムギDNAの存在下で確認された(図5)。コムギDNAからの非特異的産物が観察されたけれども、1pgのブタDNAサンプルでさえ、10ngのマトリクスコムギDNA中で明瞭に検出された。
【0065】
実際の食品サンプルは多くの種類の動物及び植物起源の有機物や無機物からなるが、DNA抽出に干渉したり、あるいは、PCRを阻害する成分が存在する可能性があるだろう。このため、本発明者らは、加工食品モデルに本発明方法を適用した場合の感度を調べた。このために、ギョウザを作り、この中に数種類の量(10%〜1ppb)のブタ肉が含有するようにし、次いで、PCRを実施するために、DNAを抽出した。図6に示されるように、ブタ肉が100ppbを超えるレベルでギョウザの中に検出されたが、他の食材に由来するDNAによる非特異的産物も非常に僅かながら観察された。日本でのアレルギー食品物質の表示システムでは、10ppm以上の特定のアレルギー性タンパク質が食品中に含まれている場合、食品物質をラベル表示しなければならない。本発明の方法の感度は、食品のアレルゲンを正しくラベル表示するのに十分であると判断された。
【0066】
得られたすべてのデータを合わせると、本発明は、少なくとも3つの主要な利点、すなわち、食品中のブタ肉タンパクを検出するELISA法を凌ぐ高感度及び特異性を有している。上記のとおり、本発明のPCR法は、加熱加工食品中のブタDNAをさえも検出することができる。これに対して、食品中のブタ肉タンパクに対する検出抗体の免疫反応性は、通常、加熱によって著しく低下する。さらに、骨格筋に対する高特異抗体を得ることは非常に難しいことはよく知られている。実際、本発明者らは、ブタタンパク質をウサギに免疫した予備実験から、得られた抗体の力価と特異性がともに非常に低いことを見出した(データを示さず)。一方、本発明のPCR法は、イノシシ肉を除いて(図4)、ブタ肉を他の肉から識別することができ、加工食品モデル中の100ppbレベルのブタ肉混在を検出することができた(図6)。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の方法は、食品、特に加工食品(例えば加熱加工食品)中のブタ肉の特異的検出のために開発された。この方法は、迅速、特異的及び高感度であるため、加工食品中の痕跡量のブタ肉を検出するために使用できる。この方法はまた、ブタ肉を食べることがタブーとなっている宗教を信仰する人々のために、食品からブタ肉の混在を排除しなければならない食品製造業者に利益を提供することになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】ブタミトコンドリアシトクロムb遺伝子上の標的領域及びプライマーのヌクレオチド配列部分を示す。矢印(→)及び矢印(←)はそれぞれ、フォワードプライマー(F2)及びリバースプライマー(R1)を示す。
【図2】9つのプライマー対によってブタミトコンドリアDNAから増幅されたPCR産物のアガロースゲル電気泳動図を示す。10ngのブタDNAの増幅を示し、また、Mは、50bpラダーサイズ標準である。
【図3】加工食品モデル中のブタDNAの検出を示す。矢印は、予測されたPCR産物(130bp)を示す。レーン1は煮沸したブタ肉、レーン2は加圧加熱殺菌したブタ肉、レーン3は焼いたブタ肉、レーン4は油で揚げたブタ肉、レーン5はブタミトコンドリアDNAからのPCR産物(陽性コントロール)、Mは50bpラダーサイズ標準、Wは水(陰性コントロール)を、それぞれ示す。
【図4】F2/R1プライマー対を使用するPCR法の特異性を示す。矢印は、予測されたPCR産物(130bp)を示す。ブタ(P)、ウシ(Ca)、ニワトリ(Ch)、ヒツジ(S)、イノシシ(B)及びウマ(H)由来のDNA(10ng)の増幅である。Mは50bpラダーサイズ標準、Wは水(陰性コントロール)を、それぞれ示す。
【図5】F2/R1プライマー対を使用するコムギDNA中のブタDNAのPCR法の感度を示す。矢印は、予測されたPCR産物(130bp)を示す。ブタDNAの、10ng(レーン1)、1ng(レーン2)、100pg(レーン3)、10pg(レーン4)、1pg(レーン5)、100fg(レーン6)、10fg(レーン7)、1fg(レーン8)及び0fg(レーン9)の増幅を示す。小矢頭は、コムギDNA由来の非特異的産物を示す。Mは、50bpラダーサイズ標準である。
【図6】加工ギョウザモデルからのブタDNAの特異的検出のための感度を示す。矢印は、予測されたPCR産物(130bp)を示す。小矢頭は、他のDNA由来の非特異的産物を示す。レーン1はブタ肉として10%、レーン2は1%、レーン3は1000ppm、レーン4は100ppm、レーン5は10ppm、レーン6は1ppm、レーン7は100ppb、レーン8は10ppb、レーン9は1ppb、レーン10は0(ブタ肉を含まない)、レーン11はブタミトコンドリアDNAからのPCR産物(陽性コントロール)を示す。Mは、50bpラダーサイズ標準であり、Mは水(陰性コントロール)である。
【配列表フリーテキスト】
【0069】
配列番号2〜7:プライマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工食品中のブタ肉を検出する方法であって、ブタ由来の配列番号1のヌクレオチド配列109〜254、あるいは、該ヌクレオチド配列において1もしくは数個のヌクレオチドの置換、欠失又は付加を含むヌクレオチド配列において、約60〜約150bpサイズのDNA断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅し、その増幅産物を検出することを含む、上記方法。
【請求項2】
加工食品が、加熱又は調理された加工食品である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
増幅DNA断片のサイズが約100〜約150bpである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
PCRが、配列番号1のヌクレオチド配列109〜254、あるいは該ヌクレオチド配列において1もしくは数個のヌクレオチドの置換、欠失又は付加を含むヌクレオチド配列、及びそれらの相補的配列のなかから選択される、連続する15〜30ヌクレオチドからなる配列をフォワードプライマー及びリバースプライマーとして用いて行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
フォワードプライマーが配列番号2又は3のヌクレオチド配列、あるいは該ヌクレオチド配列と90%以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列、からなるプライマーである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
リバースプライマーが配列番号5又は6のヌクレオチド配列、あるいは該ヌクレオチド配列と90%以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列、からなるプライマーである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
フォワード及びリバースプライマーのセットが、配列番号2及び配列番号5のヌクレオチド配列、あるいはそれらの各ヌクレオチド配列と90%以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列、からなるプライマーである、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
フォワード及びリバースプライマーのセットが、配列番号3及び配列番号5のヌクレオチド配列、あるいはそれらの各ヌクレオチド配列と90%以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列、からなるプライマーである、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
増幅産物の検出が電気泳動によって行われる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
加工食品中のブタ肉をPCRで検出するためのキットであって、配列番号2、配列番号3及び配列番号5の各ヌクレオチド配列からなるプライマーを含むキット。
【請求項11】
加工食品中のブタ肉をPCRで検出するためのキットであって、配列番号3及び配列番号5の各ヌクレオチド配列からなるプライマーを含むキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−95255(P2009−95255A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−267550(P2007−267550)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 刊行物:Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry Vol.71,July 2007 発行日:平成19年7月23日 発行機関:社団法人 日本農芸化学会 掲載アドレス:http://www.jstage.jst.go.jp/article/bbb/71/7/71_1663/_article/−char/ja/ 電気通信回線発表日:2007年7月7日
【出願人】(000118497)伊藤ハム株式会社 (57)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】