説明

加工食品

【課題】 βグルカン及び/又は添加物を均一に含有する加工食品、特に、βグルカンを均一に含有し、継続して摂取しやすいβグルカン加工食品を提供すること。
【解決手段】 βグルカン及び/又は添加物と穀類とを混合し、これらに加水して、該βグルカン及び/又は該添加物を、該穀類の表面に付着させ及び/又は該穀類に含浸させた後、調湿させたことを特徴とする加工食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、βグルカン及び/又は添加物を含有する加工食品、並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
健康な体の維持は万人の希望するところであり、近年、健康維持・増進、病気予防、体質改善、美容、痩身・肥満防止等を訴求した健康に関係する食品、化粧品等が提案されており、これらに用いられるいろいろな健康機能性を有するいわゆる健康機能性素材が多く開発されている。なかでも、食品の役割はとりわけ大きく、生理活性物質や特定の栄養成分等の健康機能性素材を利用した食品が注目されている。
【0003】
これらの健康機能性素材のひとつとして、βグルカンが挙げられる。βグルカンは、生活習慣病改善あるいは免疫増強に関する機能性素材として注目されている素材であり、これを食品に利用することが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
健康機能性素材であるβグルカンは、継続して摂取することでその効果が発揮される。しかし、このβグルカンは、粉末状もしくは水溶液状態で提供されており、単に粉末状もしくは水溶液状態のβグルカンをそのまま摂取した場合、食する楽しみ等が得られず、摂取したという満足感が得られない。このため、食することに飽きがきてしまい、継続して摂取するのが困難であるという問題が生じてしまう。
【0005】
一方、加工食品として、米、とうもろこし等の穀物を膨化させた食品、いわゆるポン菓子、ポップコーン等が広く知られている。これらの穀物の膨化食品は、充分なボリュームを有し、食した場合の満足感が非常に大きい。
しかし、これらの膨化食品は、健康機能性素材を添加する場合、均一に添加することが困難であるという問題がある。例えば、βグルカンを膨化食品に添加する場合、βグルカンの粉末を膨化食品と直接混合する方法が考えられるが、膨化食品とβグルカンの粉末とを完全に均一に混合することは、その粒径や比重の差等から非常に困難であった。
また、膨化食品に均一に添加することが非常に困難であるという問題は、βグルカンのみならず、他の健康機能性素材や、食品に一般的に用いられている添加物を添加する場合にも同様に言える。
【0006】
【特許文献1】特開2002−241784号公報
【特許文献2】特開2002−306094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、βグルカン及び/又は添加物を均一に含有する加工食品、特に、βグルカンを均一に含有し、継続して摂取しやすいβグルカン加工食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、βグルカン及び/又は添加物を穀類と混合し、βグルカン及び/又は添加物を、穀類の表面に付着させるか、穀類に含浸させることにより、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0009】
本発明(請求項1記載の発明)は、上記知見に基づきなされたもので、βグルカン及び/又は添加物と穀類とを混合し、これらに加水して、該βグルカン及び/又は該添加物を、該穀類の表面に付着させ及び/又は該穀類に含浸させた後、調湿させたことを特徴とする加工食品を提供するものである。
また、本発明(請求項2記載の発明)は、加水した後、炊煮及び/又は蒸煮することにより、上記βグルカン及び/又は上記添加物を、上記穀類の表面に付着させ及び/又は上記穀類に含浸させることを特徴とする請求項1記載の加工食品を提供するものである。
また、本発明(請求項3記載の発明)は、調湿させた後、加圧及び/又は加熱して膨化させたことを特徴とする請求項1又は2記載の加工食品を提供するものである。
また、本発明(請求項4記載の発明)は、膨化させながら又は膨化させた後、成形したことを特徴とする請求項3記載の加工食品を提供するものである。
また、本発明(請求項5記載の発明)は、請求項4記載の加工食品の製造方法であって、βグルカン及び/又は添加物と穀類とを混合し、これらに加水し、炊煮及び/又は蒸煮することにより、該βグルカン及び/又は該添加物を、該穀類の表面に付着させ及び/又は該穀類に含浸させた後、調湿させ、次いで、加圧及び/又は加熱して膨化させ、膨化させながら又は膨化させた後、成形することを特徴とする加工食品の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、βグルカン及び/又は添加物を均一に含有する加工食品、並びにその製造方法を提供することができる。健康機能性を有するβグルカンを含有する本発明の加工食品、その中でも膨化させた本発明の加工食品は、充分なボリュームを有し、食した際の満足感が大きく、継続して摂取しやすいものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、βグルカンを用いた場合の本発明の加工食品(以下、本発明のβグルカン加工食品ともいう)、及びその製造方法について説明する。
【0012】
まず、本発明のβグルカン加工食品に使用されるβグルカンについて説明する。
本発明で用いられるβグルカンは、多糖類の一種であり、1−2−β−D−グルコピラノース結合、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合、及び1−6−β−D−グルコピラノース結合のうちの少なくとも2種類以上の結合を有することが好ましく、さらに好ましくは、1−3−β−D−グルコピラノース結合及び1−4−β−D−グルコピラノース結合を有するβグルカン、1−3−β−D−グルコピラノース結合及び1−6−β−D−グルコピラノース結合を有するβグルカン、並びに、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合及び1−6−β−D−グルコピラノース結合を有するβグルカンから選択される一種又は二種以上である。
【0013】
これらの好ましいβグルカンは、穀物、微生物類又は担子菌類から得ることができる。穀物由来のβグルカン、微生物類由来のβグルカン、及び担子菌類由来のβグルカンは、一種又は二種以上を用いることができる。
【0014】
穀物由来のβグルカンについて以下に説明する。
穀物としては、イネ科植物が好ましい。イネ科植物の例としては、米類、小麦類、トウモロコシ類、モロコシ類、ヒエ類、アワ類、キビ類、大麦類、オーツ麦類(カラス麦類)、ライ麦類等を挙げることができる。特に、これらのイネ科植物から抽出によって得られたβグルカンが好ましい。尚、本発明では、抽出によって得られたβグルカンを抽出βグルカンともいう。
【0015】
このイネ科植物から抽出されたβグルカンは、その抽出方法に特に制限されるものでははなく、抽出原料となるイネ科植物に、抽出溶媒を添加し抽出したものであればよい。また、抽出後に固液分離された抽出液そのもの、該抽出液より公知の方法で抽出されたβグルカンを濃縮した液体や固体状のもの、該抽出液より公知の方法で精製し純度を上げた液体や固体状のもの等、いずれの製造方法で得たものでも、いずれの形態のものでも、いずれの純度のものでも使用可能である。もちろん、βグルカン以外の抽出された成分が混合しているものを使用してもよい。本発明では、これらを全てイネ科植物から抽出されたβグルカンという。
【0016】
抽出においては、植物全体を抽出原料として用いることができるが、βグルカンの含有量の比較的高い種子を用いるのが好ましい。種子全体を粉砕したもの(全粒粉)をはじめ、穀類の種子の精製工程で得られる糠、フスマ、麦芽、胚芽、胚乳部位等のいずれを用いてもよい。好ましくは、大麦類又はオーツ麦類の全粒粉、大麦類若しくはオーツ麦類の穀粒を外周部より搗精した胚乳部分又はその際発生する糠、米糠、小麦又はトウモロコシ類のフスマ又は胚芽であり、更に好ましくは、大麦類又はオーツ麦類の全粒粉、大麦類若しくはオーツ麦類の穀粒を外周部より搗精した胚乳部分又はその際発生する糠である。
【0017】
また、イネ科植物から抽出されたβグルカンは、1−2−β−D−グルコピラノース結合、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合、及び1−6−β−D−グルコピラノース結合のうちの少なくとも2種類以上を有することが好ましいが、少なくとも1−3,1−4−β−D−グルコピラノース結合を有することが特に好ましい。
【0018】
イネ科植物からのβグルカンの抽出方法を説明する。
イネ科植物中のβグルカンは、水溶性高分子として水等の溶媒に溶解させ、溶液として得ることができる。例えば、イネ科植物の種子等から得た粉末に、溶媒として、水、温水、熱水、あるいは塩溶液、酸性又はアルカリ性の水溶液、有機溶媒等を、対粉末2〜100重量倍加え、任意の時間、任意の温度で抽出して得ることができる。これらの中でも、水、温水又は熱水で抽出されたβグルカンが好ましく、温度80℃以下4℃以上の温水で抽出されたβグルカンがより好ましい。また、抽出時に抽出促進剤等を加えてもよい。
【0019】
また、イネ科植物である大麦から高分子量のβグルカンを抽出する場合には、例えば、多ろう質大麦を原料とし、水抽出により製造する方法(特公平4−11197号公報)、大麦、オーツ麦を原料として、アルカリ抽出、中和、アルコール沈殿により、重量平均分子量10万〜100万のβグルカンを得る方法(特公平6−83652号公報)、搗精歩留まり82%以下の大麦糠類を原料として、80〜90℃の熱水にてβグルカンを抽出する方法(特開平11−225706号公報)等を採用することもできる。また、これらの製造方法で得られたβグルカンを、更に公知の方法で低分子化することもできる。低分子化の方法としては、公知である多糖類の加水分解反応のいずれもが利用可能である。例えば、水溶性多糖類は、酸存在下での加圧加熱により加水分解することが知られており、これを利用して低分子化することができる。また、酵素による加水分解反応を利用した低分子化も有効で、酵素としては、1,3−βグルカナーゼ等を用いることができる。更にまた、国際公開第98/13056号パンフレット、特開2002−97203号公報等の方法により、原料穀物から直接抽出して得たβグルカンも用いることができる。また、抽出時には、特開2002−105103号公報に記載の抽出促進剤等を使用してもよい。
【0020】
次に、本発明で用いられる微生物類由来のβグルカンについて説明する。
微生物類は、細胞自身がその細胞壁に多量のβグルカンを含有している。そのため、微生物類由来のβグルカンとしては、微生物類をその種類に応じた増殖培地に接種し菌体を増殖させることで得られる培養細胞をそのまま、又は該培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残渣を用いることができる。また、上記培養細胞又は上記培養細胞壁残渣より抽出された抽出βグルカンをそのまま、あるいは該抽出βグルカンを精製したものを用いることもできる。また、微生物類を培養することによって菌体外に分泌生産されたβグルカンを利用することも可能であり、その場合は、培養終了後の培養液をそのまま用いてもよいし、あるいは培養液からβグルカンを単離・精製して用いることもできる。
【0021】
これらのうち、微生物類をその種類に応じた増殖培地に接種し菌体を増殖させることで得られる培養細胞をそのまま使用した場合、細胞内容物が、加工食品の品質低下を引き起こす惧れがある。そのため、菌体外に分泌生産されたβグルカンを、培養液のまま用いるかあるいは培養液から単離・精製して用いるのが最も好ましく、上記培養細胞又は上記培養細胞壁残渣より抽出された抽出βグルカンをそのままあるいは精製して用いるのが次いで好ましく、上記培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残渣を用いるのが次いで好ましい。
【0022】
βグルカンを得るのに用いる上記微生物類としては、従来より食用に供せられている微生物類が安全性が高く適している。即ち、酵母菌、乳酸菌、アウレオバシジウム(Aureobasidium)属に属する微生物、納豆菌、酢酸菌、麹菌、クロレラやスピルリナ等の藻類等である。これらは、環境中(例えば、食品、土壌、室内等)より分離された当該微生物を用いることができる。また、単菌分離された保存株あるいは分離株、さらには常法に従いそれらに変異操作を実施した変異株を用いることもできる。変異操作の例としては、例えば、UV照射、あるいはニトロソグアニジン、エチジウムブロマイド、メタンスルホン酸エチル、亜硝酸ナトリウム等による化学処理が挙げられる。
【0023】
上記酵母菌としては、ビール、発泡酒、焼酎、日本酒、ワイン、ウイスキー等のアルコール醸造や製パン工程で使用されるサッカロマイセス(Saccharomyces)属に分類される酵母類が代表的なものとして挙げられ、その具体例としては、サッカロマイセスセレビシエ(S.cerevisiae)、サッカロマイセスサケ(S.sake)、サッカロマイセスロゼイ(S.rosei)が挙げられるほか、サッカロマイセスルキシー(S.rouxii)、サッカロマイセスビスポラス(S.bisporus)、サッカロマイセスバイリ(S.baillii)、サッカロマイセスバヤナス(S.bayanus)、サッカロマイセスカペニシス(S.capenisis)等も挙げられる。
サッカロマイセス属以外では、シゾサッカロマイセス(Syzosaccharomyces)属、例えばシゾサッカロマイセスポンベ(S.pombe);トルロプシス(Torulopsis)属、例えば、トルロプシスエトケルシ(T.etchelsii)、トルロプシスベルサチルス(T.versatilis)、トルロプシスホルミ(T.holmii);ハンゼニアスポラ(Hanseniaspora)属;ハンゼヌラ(Hansenula)属、例えばハンゼヌラスブペリクローサ(H. subpelliculosa);デバリオマイセス(Debaryomyces)属、例えばデバリオマイセスハンセニ(D.hansenii);サッカロマイコプシス(Saccharomycopsis)属、例えばサッカロマイコプシスフィブリゲラ(S.fibuligera);サッカロマイコデス(Saccharomycodes)属;ピヒア(Pichia)属;パキィソレン(Pachysolen)属;微生物タンパク質生産に使用されるキャンディダ(Candida) 属の酵母菌、例えば、キャンディダユチリス(C.utilis)、キャンディダミレリ(C.milleri)、キャンディダトロピカリス(C.tropicalis)、キャンディダマルトーサ(C.maltosa)、キャンディダリポリティカ(C.lipolytica);ロドトルラ属等が挙げられる。
【0024】
上記乳酸菌としては、桿菌のラクトバシラス(Lactobacillus)属やビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、球菌のロイコノストック(Leuconostoc)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属の乳酸菌が通常使用されるが、その他、エンテロコッカス(Enterococcus)属、バゴコッカス(Vagococcus)属、カルノバクテリウム(Carnobacterium)属、アエロコッカス(Aerococcus)属、テトラゲノコッカス(Tetragenococcus)属の乳酸菌を利用することもできる。具体的な乳酸菌株としては、ラクトバシルスブルガリス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバシルスヘルベティカス(L.helveticus)、ラクトバシルスアシドフィルス(L.acidophilus) 、ラクトバシルスラクティス(L.lactis)、ラクトバシルスカゼイ(L.casei)、ラクトバシルスブレビス(L.brevis)、ラクトバシルスプランタラム(L.plantarum)、ラクトバシルスサケ(L.sake)、ストレプトコッカスサーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ストレプトコッカスラクティス(S.lactis)、ストレプトコッカスクレモリス(S.cremoris)、ビィフィドバクテリウムロンガム(Bifidobacterium longum)、ビィフィドバクテリウムビィフィダム(B.bifidum) 、ビィフィドバクテリウムブレーベ(B.breve) 、ビィフィドバクテリウムインファンティス(B.infantis)、ロイコノストッククレモリス(Leuconostoc cremoris)、ロイコノストックメセンテロイデス(Ln.mesenteroides)、ロイコノストックオクノス(Ln.ocnos)、ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)、ペディオコッカスセレビシエ(P.cerevisiae)、ペディオコッカスペントサセウス(P.pentosaceus)等の従来使用されている乳酸菌が挙げられ、これらの乳酸菌は1種類又は2種類以上を使用できる。また、これらは単品で使用してもよく、2種類以上を共生させてもよい。また、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属の乳酸菌の培養とその他の乳酸菌の培養とを別々に行い、これらを混合してもよい。
【0025】
上記アウレオバシジウム(Aureobasidium)属に属する微生物としては、当該微生物を培養することによって菌体外にβ結合を有するグルコース重合体を生産する菌株であるならばいずれでもよく、その例としてはアウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)の菌株が挙げられ、具体的にはIFO4464、IFO4466、IFO6353、IFO7757、ATCC9348、ATCC3092、ATCC42023、ATCC433023、FERM BP-8391等を用いることができる。また、プルランを菌体外に分泌生産することが知られているアウレオバシジウム(Aureobasidium)属の菌株を用いることもできる。その他、環境中(例えば、食品、土壌、室内等)により分離されたこれらの微生物を用いることもできる。また、単菌分離された保存株あるいは分離株、さらには常法に従いそれらに変異操作を実施した変異株を用いることもできる。変異操作の例としては、例えば、UV照射、あるいはニトロソグアニジン、エチジウムブロマイド、メタンスルホン酸エチル、亜硝酸ナトリウム等による化学処理が挙げられる。
【0026】
また、前記納豆菌としては、例えばバシルス(Bacillus)属の菌株、前記酢酸菌としては、例えばアセトバクター(Acetobactor)属の菌株、前記麹菌類としては、例えばアスペルギルス(Aspergillus)属やペニシリウム(Penicillium)属の菌株が、それぞれ挙げられる。また、前記のクロレラやスピルリナ等の藻類としては、乾燥クロレラ粉末を用いることができる。その他、前記微生物類としては、食品添加物として使用される増粘多糖類を生産することが知られているキサントモナス(Xanthomonas)属、アエロモナス(Aeromonas)属、アゾトバクター(Azotobactor)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、エルウィナ(Erwinia)属、エンテロバクター(Enterobactor)属、スクレロティウム(Sclerotium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、マクロホモプシス(Macrophomopsis)属の菌株を用いることもできる。
【0027】
これらの微生物類からその培養細胞壁残渣を得る方法としては、例えば、培養した微生物類に適当量の溶媒を加え、自己消化あるいは加水分解酵素の添加により細胞壁の一部を破壊し内容物を流去させて、残渣成分を回収することで、培養細胞壁残渣を得る方法が挙げられる。また、フレンチプレスや超音波破砕機等の物理的力により微生物類の細胞にダメージを与え一部を破壊し、内容物を除去し、残渣を回収することで得ることもできる。
【0028】
微生物の培養細胞又は培養細胞壁残渣からβグルカンを抽出する方法は、特に制限はなく、抽出原料となる微生物類の培養細胞又は培養細胞壁残渣に抽出溶媒を添加し、抽出すればよい。抽出溶媒としては、水、塩溶液、酸水溶液、アルカリ水溶液、有機性溶媒等を単独で又は二種以上の混合溶媒として用いることができる。また、細胞壁を分解する酵素等の抽出促進剤を併用することで、抽出効率を高めることができる。微生物類からの抽出βグルカンとしては、固液分離された抽出液そのもの、該抽出液より公知の方法で抽出されたβグルカンを濃縮した液体や固体状のもの、該抽出液より公知の方法で精製し純度を上げた液体や固体状のもの等、いずれの製造方法で得たものでも、いずれの形態のものでも、いずれの純度のものでも使用可能である。もちろん、βグルカン以外の抽出された成分が混合しているものを使用することも可能である。本発明では、これら全てを微生物類から抽出されたβグルカンという。
【0029】
微生物の培養細胞又は培養細胞壁残渣からのβグルカンの抽出方法についてさらに説明する。
微生物の培養細胞又は培養細胞壁残渣からのβグルカンは、水溶性高分子として水等の溶媒に溶解させ、溶液として得ることができる。例えば、微生物の培養細胞又は培養細胞壁残渣を乾燥させ粉砕した粉末に、対粉末2〜100重量倍の上記抽出溶媒を加え、任意の時間、任意の温度で抽出することができる。特に、溶媒として水、温水又は熱水を用いて抽出されたβグルカンが好ましく、温度90℃以下4℃以上の温水で抽出されたβグルカンがより好ましい。
【0030】
また、微生物類の培養細胞又は培養細胞壁残渣からの抽出液を、精製を行わずそのままあるいは粉体化又は固体化処理のみを行なって使用する場合、それらの成分中のβグルカンの純度は、好ましくは1〜100重量%、さらに好ましくは10〜100重量%、最も好ましくは20〜100重量%であり、高純度であればある程好ましい。
【0031】
次に、本発明で用いられる担子菌類由来のβグルカンについて説明する。
担子菌類は、子実体や菌糸が塊状に集合した菌核に多量のβグルカンを含有している。そのため、子実体や菌核を微粉砕したもの、これらの粉砕物から抽出された抽出物、該抽出物からβグルカンを精製したもの等、いずれのものも担子菌類由来のβグルカンとして用いることができる。また、担子菌類の胞子を発芽させ、菌糸体を担子菌類の種類に応じた増殖培地に接種し、菌体を増殖させることで得られる培養細胞をそのまま用いてもよいし、また該培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残渣を用いることもできる。また、上記培養細胞又は上記培養細胞壁残渣より抽出された抽出βグルカンをそのまま、あるいは該抽出βグルカンを精製したものを担子菌類由来のβグルカンとして用いることもできる。また、担子菌類を培養することによって菌体外に分泌生産されたβグルカンを利用することも可能であり、その場合は、培養終了後の培養液をそのまま用いてもよいし、あるいは該培養液からβグルカンを分離・精製して担子菌類由来のβグルカンとして用いることもできる。
【0032】
これらのうち、子実体や菌核を微破砕したものをそのまま使用した場合、又は、胞子や菌糸体を増殖培地に接種し、菌体を増殖させることで得られる培養細胞をそのまま使用した場合は、細胞内容物が加工食品の品質低下を引き起こす惧れがある。そのため、菌体外に分泌生産されたβグルカンを、培養液のまま用いるかあるいは培養液から単離・精製して用いるのが最も好ましく、上記培養細胞又は上記培養細胞壁残渣より抽出されたβグルカンをそのままあるいは精製して用いるのが次いで好ましく、上記培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残渣を用いるのが次いで好ましい。
【0033】
担子菌類としては、商業生産に供せられている栽培品種が最も好ましいが、商業生産に供せられていない担子菌類も本発明に利用することができる。担子菌類の例としては、アガリクス・ブラゼイ、アミガサタケ、アミタケ、エゾハリタケ、エノキタケ、カワリハラタケ、カンゾウタケ、キクラゲ、キヌガサタケ、クリタケ、サケツバタケ、ササクレヒトヨタケ、サンゴハリタケ、シイタケ、ショウロ、シロキクラゲ、シロタモギタケ、スギヒラタケ、タモギタケ、チョレイマイタケ、ツバヒラタケ、冬中夏草、ナメコ、ナラタケ、ナラタケモドキ、ニオウシメジ、ニカワウロコタケ、ニカワハリタケ、ヌメリスギタケ、ヌメリスギタケモドキ、ハツタケ、ヒラタケ、ブクリョウ、フクロタケ、ブナシメジ、ブナハリタケ、ホンシメジ、マイタケ、マスタケ、マツオウジ、マッシュルーム、マツタケ、マンネンタケ、ムキタケ、ムラサキシメジ、ヤマドリタケ、ヤマブシタケ、ヤナギマツタケ、ハナビラタケ、メシマコブ等が挙げられる。
【0034】
上記担子菌類の培養細胞壁残渣を得る方法としては、前述した微生物類の培養細胞壁残渣を得る方法に準じた方法が挙げられ、例えば、培養した菌糸体あるいは栽培した菌核や子実体に適当量の溶媒を加え、自己消化あるいは加水分解酵素の添加により細胞壁の一部を破壊し内容物を流去させて、残渣成分を回収することで、培養細胞壁残渣を得ることができる。
【0035】
担子菌類の培養細胞又は培養細胞壁残渣からβグルカンを抽出する方法は、特に制限はなく、例えば、前述した微生物類の培養細胞又は培養細胞壁残渣からβグルカンを抽出する方法において、微生物類に代えて担子菌類を用いればよく、担子菌類からの抽出βグルカンとしては、いずれの製造方法で得たものでも、いずれの形態のものでも、いずれの純度のものでも使用可能である。もちろん、βグルカン以外の抽出された成分が混合しているものを使用することも可能である。本発明では、これら全てを担子菌類から抽出されたβグルカンという。
【0036】
担子菌類の培養細胞又は培養細胞残渣からのβグルカンの抽出方法についてさらに説明する。
担子菌類の培養細胞又は培養細胞残渣からのβグルカンは、前記微生物類の場合と同様に、水溶性高分子として水等の溶媒に溶解させることができる。例えば、担子菌である一般に市販されているキノコを乾燥させ粉砕した粉末に、対粉末2〜100重量倍量の抽出溶媒を加え、任意の時間、任意の温度で抽出することができる。特に、溶媒として水、温水又は熱水を用いて抽出されたβグルカンが好ましく、温度90℃以下4℃以上の温水で抽出されたβグルカンがより好ましい。
【0037】
また、担子菌類の培養細胞又は培養細胞壁残渣からの抽出液を、精製を行わずそのままあるいは粉体化又は固体化処理のみを行なって使用する場合、それらの成分中のβグルカンの純度は、好ましくは1〜100重量%、さらに好ましくは10〜100重量%、最も好ましくは20〜100重量%であり、高純度であればある程好ましい。
【0038】
次に、本発明で使用される穀類について説明する。
本発明で使用される穀類としては、米類、小麦類、トウモロコシ類、モロコシ類、ヒエ類、アワ類、キビ類、大麦類、オーツ麦類(カラス麦類)、ライ麦類、ソバ類、豆類等が挙げられ、具体的には、うるち米、もち米、赤米、黒米、緑米、古代米、発芽玄米、発芽米、そば米、インディカ米、ジャポニカ米、強化米、無洗米、大麦、押麦、はと麦、オーツ麦、カラス麦、小麦、きび、あわ、もちあわ、もちきび、たかきび、いなきび、こうりゃん、ひえ、とうもろこし、そば、ごま、黒ごま、白ごま、キヌア、アマランサス、大豆、小豆、いんげん豆、金時豆、そら豆等が挙げられる。
穀類は、搗精(精白)されたもの、例えば、搗精(精白)米、玄米、搗精(精白)大麦、玄大麦、搗精(精白)ソバ、玄ソバ等でもよく、これらの搗精度(精白度)は特に制限されない。もちろん、搗精(精白)されていないものでもよい。
また、穀類は、一度粉状に挽いた粉末を、再度粒状等に成形したもの、生地状にしたもの、練り上げたものでもよく、もちろん粉状のものでもよい。
また、穀類は、アルファ化、インスタント化等の加工を施されたアルファ化米、インスタント米等でもよく、加熱、加圧、乾燥、膨化等の各種加工を施されたものでもよい。
【0039】
本発明のβグルカン加工食品は、上記βグルカンと上記穀類とを混合し、これらに加水して、該βグルカンを、該穀類の表面に付着させ及び/又は該穀類に含浸させた後、調湿させて得られるものである。
上記βグルカン及び上記穀類を用いて本発明のβグルカン加工食品を製造する方法について以下に詳述する。
【0040】
先ず、βグルカンと穀類とを混合する。その際のβグルカンの混合量は、特に限定されないが、穀類100重量部に対して、0.001〜50重量部が好ましく、0.1〜10重量部がより好ましい。使用するβグルカンは、粉末等の固体状、あるいは水溶液等の液体状等、その状態、形状等はいずれでもよい。
【0041】
次いで、βグルカンと穀類とを混合したものに加水して、βグルカンを、穀類の表面に付着させ及び/又は該穀類に含浸させる。ここでいう加水は、水又はお湯を加えることのみならず、さらには後述の蒸煮を行うことも含まれる。また、βグルカンの水溶液又は水分散液を穀類に加えることによって、βグルカンと穀類との混合及び加水を一括で行ってもよい。水又はお湯を加える場合、その量は、穀類100重量部に対して、60〜400重量部が好ましく、100〜180重量部がさらに好ましい。
【0042】
加水してβグルカンを穀類の表面に付着させる場合には、好ましくは、βグルカンが穀類の表面に均一に付着するようにする。
加水してβグルカンを穀類に含浸させる場合には、穀類の表面から内部へβグルカンが含浸していればよい。含浸の深度は問わないが、好ましくは穀類表面から中心までの距離の0.01〜30%、より好ましくは0.05〜15%である。
【0043】
βグルカンを、穀類の表面に付着させ及び/又は穀類に含浸させるには、加水した後、常温で適宜な時間放置しておいてもよいが、炊煮及び/又は蒸煮することが好ましい。ここでいう炊煮は炊く(炊飯する)ことを意味し、蒸煮は蒸すことを意味する。例えば、ご飯を炊く、もち米を蒸す等のことである。特に、炊煮及び/又は蒸煮することで、穀類にβグルカンを含浸させるのが好ましい。例えば、米にβグルカン及び水を加え、炊き込みご飯のように炊飯すればよい。また、蒸煮すると、水蒸気で蒸すことによって、加水しながら、βグルカンを、穀類の表面に付着させ及び/又は穀類に含浸させることができ、例えば、もち米とβグルカンとを混合した後に蒸す場合がこれに当たる。本発明では、このように単に「蒸煮する」場合も、「加水した後、蒸煮する」ことに含めるものとする。
【0044】
本発明のβグルカン加工食品は、βグルカンを、穀類の表面に付着させ及び/又は穀類に含浸させた後、調湿させて得られる。ここでいう調湿は、βグルカン加工食品が含有する水分量を調整することである。具体的には、乾燥もしくは加湿して、水分量を調整する。この調湿の度合いは、目的とするβグルカン加工食品によって適宜決定される。
【0045】
本発明のβグルカン加工食品を、例えば、即席米飯、アルファ化米、コーンフレーク、インスタント食品、インスタント食品の具、乾燥食品のように、乾燥した状態で保存されるものとする場合は、品質が劣化しない程度の水分量、例えば穀類の最初の水分量程度に水分量を低下させることが好ましい。具体的には、調湿後の水分量が10重量%以下であることが好ましい。
また、例えば、後述するように、調湿させたβグルカン加工食品を加圧及び/又は加熱して膨化させて、パフクラッカー、ポン菓子、スナック菓子等の膨化食品とする場合、乾燥し過ぎて水分量が少なすぎると膨化しにくいので、適度な水分を含有するように調湿するのが好ましい。
また、調湿させたβグルカン加工食品を、更に加工処理(例えば膨化処理)するために、製造装置に投入する場合は、βグルカン加工食品がホッパー等の製造装置に付着せずに通過できる水分量にすることが好ましい。
【0046】
また、調湿させた後、加圧及び/又は加熱して膨化させて、本発明のβグルカン加工食品としてもよい。調湿させた後、膨化させて得られる本発明のβグルカン加工食品の例としては、ポップコーン、爆弾あられ、ポン菓子、パフクラッカー、スナック菓子等が挙げられる。ここでいう膨化は、穀類中の澱粉質が、加熱水蒸気により糊化し膨らんだ後、固化した状態のことをいい、このとき澱粉はアルファ化している。膨化させるときの加圧及び/又は加熱の度合いは、水分が蒸気化し澱粉が糊化すれば特に制限されないが、温度170〜350℃、圧力1.5〜350kg/cm2、時間にして5秒〜30分が好ましく、温度250℃〜270℃、圧力2〜10kg/cm2、時間にして5秒〜300秒がより好ましい。膨化させる場合は、穀物の種類にもよるが、水分量が好ましくは12〜20重量%、より好ましくは15〜17重量%となるように前記調湿を行う。
【0047】
また、本発明のβグルカン加工食品は、成形してもよい。成形は、例えば型(金型)に合わせて行うことができる。その形状はいずれでもよく、例えば、円形、四角形、三角形、多角形状、粒子状、球状、楕円球形、卵形、ラグビーボール形、錠剤形、立方体、直方体、三角錐、四角錘、多角錘、円柱、多角柱、円筒形、円盤状、リング状、チューブ状、ドーナツ状、ファイバー状、繊維状、紐状、板状、シート状、フィルム状、塊状、星形、貝殻形、マカロニ状、棒状、十字形、半月状、三日月形、星形、ペレット状、ハート形、スペード形、ダイヤ形、クラブ形、ひょうたん形、波形、ラッパ状、その他、塊状等の形状や中空物等が挙げられ、さらには、天然の素材や人工物、各種キャラクター等を模した形状、例えば、果実、果肉、野菜、農産物、魚、水産物、動物、肉、骨、植物、花、豆、ナッツ、穀物、乗り物、家、建造物、人形等でもよく、これらの形状を組み合わせたものでもよい。
野菜、果実、肉、魚等、天然物や食品等の形状を模した場合、該天然物や食品の有する色調、香り、味、あるいはそれらに似せた色調、香り、味等を付してもよい。もちろん、その他の形状の場合でも、色、香り、味等を付してもよい。
【0048】
型(金型)に合わせて成形するほかに、多層構造に成形したり、カプセルに充填することにより成形してもよく、成形されたβグルカン加工食品は、表面に皮膜を有していたり、油脂や糖類等のコーティング処理が施されていてもよい。カプセル、皮膜及びコーティングの硬さは、特に限定されず、弾力をほとんど有しない固形の硬さ、あるいは弾力のあるゼリー状、グミ状でもよく、また、カプセルや皮膜等の内部に粒状物、流動物、液状物があってもよい。
【0049】
成形は、膨化させながら行なうのが好ましいが、もちろん膨化後に行なってもよい。膨化させながら成形する場合は、βグルカンを穀類の表面に付着させ及び/又は穀類に含浸させた後調湿させたものを、成形したい形の型に入れた状態で膨化させればよい。
【0050】
成形時には、他の食品や加工食品、食品用添加剤を加えて、それらと共に成形してもよく、その例としては、香辛料、調味料、穀類、澱粉、蛋白素材、乳製品、キノコ類、乾燥食品(乾燥えび、乾燥かに、乾燥シソの葉)等が挙げられる。
また、膨化後に成形する場合には、成形前に、水分量を調節するために、膨化させたβグルカン加工食品を調湿してもよいし、膨化させながら成形する場合には、調湿させたβグルカン加工食品を、膨化・成形に適するように再度調湿してもよい。
【0051】
また、本発明のβグルカン加工食品には、βグルカン以外の添加物を配合してもよい。該添加物としては、例えば、摂取した場合に身体に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。該物質としては、例えば、コレステロール上昇抑制剤、血圧上昇抑制剤、血中コレステロール調節機能剤、血糖値上昇抑制作用剤、腸内細菌叢改善剤、整腸作用剤、免疫増強作用剤、抗ガン作用剤、抗アレルギー作用剤、消化吸収調節作用剤、老化防止剤、抗酸化剤、血行促進剤、アミノ酸、ペプチド、脂質、多糖類、オリゴ糖類、タンパク質、糖質、食物繊維、酵素成分等が挙げられる。
【0052】
生理活性を与える上記物質の具体的な例としては、血中脂質濃度を適正化する高度不飽和脂肪酸(EPA、DHA)、血清コレステロールを調節する植物ステロール、及びそのエステル化物、ジアシルグリセロール、γリノレン酸、αリノレン酸、リノール酸、共役リノール酸等の不飽和脂肪酸、ビートファイバー、コーンファイバー、サイリウム種皮、茶ポリフェノール、レシチン、血圧降下に有効なカツオ節ペプチド、イワシペプチド、カゼインドデカペプチド、大豆分離蛋白質等、腸内環境を改善して整腸作用に働く乳酸菌、グルコン酸、オリゴ糖、各種食物繊維等を含む食品や医薬品が挙げられる。その他、健康機能性を有することが知られている成分、例えば、クロレラ、スピルリナ、プロポリス、キチン、キトサン、デオキシリボ核酸、リボ核酸、霊芝、アガリクス、銀杏葉エキス、らかん果、ウコン、ガルシニア、アップルファイバー、ギムネマ、コラーゲン、ブルーベリー、アロエ、ノコギリヤシ、カプサンチン、ルテイン、β−クリプトキサンチン、レニン、タウリン、カゼイン、コラーゲン、グルコサミン、カゼインホスホペプチド(CPP)、ミルクベーシックプロテイン(MBP)、ラクトフェリン、グルタチオン、テアニン、ギャバ、アスパルテーム、キシリトール、リカルデント、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、フコイダン、コンドロイチン、ヒアルロン酸、セルロース、ペクチン、難消化デキストリン、グルコマンナン、イヌリン、フラクタン、シクロフラクタン、ジフラクトース、レバン、ムチン、フラボノイド、ポリフェノール、カテキン、タンニン、アントシアニン、ルチン、ケルセチン、大豆イソフラボン、大豆サポニン、大豆グロブリン、クロロゲン酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、カプサイシン、ゴマリグナン、アリシン、カフェイン、クロロフィル、ナツトウキナーゼ、βラクトグロブリン、植物発酵酵素、メバロン酸、葉緑素、ローヤルゼリー、高麗人参、プルーン、カモミール、タイム、セージ、ペパーミント、レモンバーム、マロウ、オレガノ、キャットニップティー、ヤロー、ハイピスカス等のハーブ類を用いてもよく、また、ビタミン類、カルシウム含有化合物等のカルシウム強化剤、鉄含有化合物等の鉄分強化剤、必須ミネラルを含有するミネラル強化剤、さらには動植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分等の天然由来成分の生理活性成分等を用いてもよい。
【0053】
配合できる上記ビタミン類としては、食品添加物中で強化剤として挙げられているものを使用することができ、例えば、ビタミンA又はβカロチン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ナイアシン、ビオチン、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、これらの誘導体、油脂コーティングしたビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ナイアシン、ビオチン、ビタミンC、コエンザイムQ10(ビタミンQ)等が挙げられる。ビタミン類の誘導体の具体例としては、ビタミンB1誘導体として、チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンラウリル硫酸塩、ビスベンチアミン等、ビタミンB2誘導体として、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビン5'-リン酸エステルナトリウム等、ビタミンB6誘導体として、ピリドキシン塩酸塩、ビタミンCとしてL-アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L-アスコルビン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0054】
配合できる上記カルシウム含有化合物としては、食品添加物中でカルシウム強化剤として挙げられているものを使用でき、例えば、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、酸性ピロリン酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、サンゴカルシウム、ドロマイト、卵殻カルシウム、牛骨粉カルシウム、ほたて貝殻カルシウム、ミルクカルシウム等が挙げられる。
【0055】
配合できる上記鉄含有化合物としては、食品添加物中で鉄強化剤として挙げられているものを使用でき、例えば、塩化第二鉄、クエン酸鉄、クエン酸鉄アンモニウム、コハク酸クエン酸鉄ナトリウム、乳酸鉄、ピロリン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、硫酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、ヘム鉄、レバー粉末、油脂コーティングした鉄等が挙げられる。
【0056】
配合できる上記ミネラル強化剤としては、必須ミネラルである亜鉛、カリウム、マグネシウム、マンガン、リン、ナトリウム、セレン、ヨウ素、モリブデン等を含有するものが挙げられる。また、これらの必須ミネラルの供給源となる小麦エキス、小麦胚芽、小麦若葉、クロレラ、カキ肉エキス、海水濃縮物、ナッツ類、魚粉、レバー粉末、玄米粉末、ビール酵母等を用いることもできる。
【0057】
配合できる上記の動植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分等の天然由来成分の生理活性成分としては、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、油溶性甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プラセンタエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0058】
前記添加物としては、生理活性を与える上記物質以外に、通常の食品に用い得る賦形剤、甘味剤、着色料、調味料、香辛料、苦味料、強化剤、界面活性剤、可溶化剤、増粘剤、糊料、防腐剤、香料、抗菌剤、殺菌剤、塩類、溶媒、キレート剤、中和剤、酸味料、pH調整剤、保存剤、緩衝剤、油脂、油脂加工品、澱粉、小麦粉、そば粉、穀粉、卵、乳製品、乳加工品、ゴマ、乾燥えび、乾燥カニ、乾燥シソの葉、きのこ類、豆類、でんぷん、蛋白素材等の成分を使用することができる。
【0059】
上記賦形剤としては、寒天、ゼラチン、グアーガム、デンプン、デキストリン、セルロース、チョコレート、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、硬化油等の油脂、各種タンパク質、あるいは、小麦粉、米粉、小豆粉、大豆粉、小麦胚芽等の穀粉、大豆たん白、脱脂粉乳、カゼイン、アルブミン、グロブリン、チーズ等の乳製品や乳加工品、卵白、卵黄等の卵加工品、砂糖、ブドウ糖、麦芽糖、乳糖等の糖類、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム等の塩類等が挙げられ、これらの混合物や複合素材でもよい。
【0060】
前記添加物を配合する場合、その配合量は、特に制限されるものではなく、例えば生理活性を与える上記物質であればその活性成分の効果発現濃度により適宜決定されるが、前記穀類100重量部に対して、全ての添加物の合計で0.05〜90重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜50重量部、最も好ましくは1〜10重量部である。
【0061】
前記添加物の添加時期及び添加方法は、特に限定されず、βグルカンと穀類とを混合する際に、βグルカンと一緒に添加してもよいし、加水時に水と一緒に添加してもよいし、炊煮及び/又は蒸煮時に添加してもよいし、調湿時に添加してもよいし、膨化時に添加してもよいし、成形時に添加してもよい。
【0062】
本発明のβグルカン加工食品は、そのまま食することができる。具体的には、インスタント食品、即席米飯、アルファ化米、パフクラッカー、ポップコーン、爆弾あられ、ぽん菓子、スナック菓子等としてそのまま食することができる。本発明のβグルカン加工食品は、βグルカンを摂取したという満足感を与えることができ、継続して摂取しやすいものである。
【0063】
また、本発明のβグルカン加工食品は、そのまま食する以外に、例えば、フィリング材、トッピング材、ふりかけ、具材、錠剤、カプセル、マイクロカプセル、添加材、練り込み材、配合材等として、他の各種食品に添加して食してもよく、例えば、インスタント食品の具や乾燥食品の具、加工食品の素材等として使用して食することができる。各種食品にβグルカンを添加してβグルカン加工食品を製造する場合、高価格であるβグルカンの少量をそのまま直接食品に添加するよりも、本発明のβグルカン加工食品を添加する方が作業性の面からも好ましい。
【0064】
次に、添加物と穀類とを混合し、これらに加水して、該添加物を、該穀類の表面に付着させ及び/又は該穀類に含浸させた後、調湿させたことを特徴とする本発明の加工食品(以下、本発明の添加物加工食品ともいう)、及びその製造方法について説明する。
本発明の添加物加工食品において用いられる上記添加物としては、本発明のβグルカン加工食品に配合できるものとして挙げたβグルカン以外の添加物が挙げられる。
本発明の添加物加工食品は、本発明のβグルカン加工食品において、βグルカンに代えて上記添加物を用いた以外は、本発明のβグルカン加工食品と同様のものであり、本発明のβグルカン加工食品と同様にして製造することができる。
【実施例】
【0065】
以下、実施例等を示して本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、「部」及び「%」は特記しない限り重量基準である。
【0066】
〔製造例1〕大麦βグルカンの調製
もち性裸大麦を研削式搗精機により削り、歩留まり82%まで精麦した。このとき発生した糠を糠−1とした。歩留まり82%まで精麦した大麦は、さらに研削式搗精機により削り、歩留まり55%まで精麦した。このとき発生した糠を粉砕物−1とした。容器(50L)に水道水20Lを加え、撹拌しながら、15℃に調温した。これに糠−1の6kgを加え、2時間撹拌抽出し、連続遠心機にて固液分離後、上清を凍結乾燥し、抽出促進剤450gを得た。容器(70L)に水道水30Lを加え、撹拌しながら、上記抽出促進剤を150g加え、溶解後、上記粉砕物−1の7.5kgを加えた。2時間、50℃で撹拌抽出してから連続遠心機にて固液分離後、上清を得た。得られた上清を煮沸し、冷却後に15Lの僅かに粘調なβグルカン液を得た。得られたβグルカン液に2倍量のエタノールを加えて沈殿を回収、乾燥させて、大麦から抽出された水溶性βグルカン460gを得た(サンプルA)。サンプルAの重量平均分子量は10万であった。
【0067】
〔製造例2〕微生物菌体外産生βグルカンの調製
寄託番号FERM BP−8391のアウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)菌株であるADK−34株を、ポテトデキストロース寒天斜面培地で培養して保存菌株とし、YM液体培地(ディフコ社製)100mlを入れた500ml容三角フラスコに接種して、28℃にて3日間前培養した。フルゾーン翼を搭載した30リットル容発酵槽に、クザペック(Czapeak's) 培地(ディフコ社製)15リットル、及び得られた前培養物を添加し、28℃にて3日間本培養した。なお、培養中、pHは5.0となるように調整し、通気は1vvmとなるように通気量と回転数をシーケンス制御した。培養液15リットルを90℃にて30分間加熱殺菌した後、等量の水を加えてから遠心分離によって菌体を除去し、得られた培養上清をそのままUF膜分離装置(UFP−10C−8A、アマシャムバイオサイエンス社製)に循環させ脱塩した。脱塩後の培養上清を凍結乾燥して110gの水溶性βグルカンの凍結乾燥物を得た(Aureobasidium 培養物:サンプルB)。サンプルBの重量平均分子量は200万であった。
【0068】
〔製造例3〕担子菌類由来βグルカンの調製
カワリハラタケの子実体を破砕し、粉砕して、その粉砕物10kgに熱水50リットルを加え、煮沸条件下で穏やかに撹拌しながら3時間熱水抽出処理した。熱水抽出処理した後、遠心分離して、その分離液を得た。分離液に3倍量の99%エチルアルコールを加えて、沈殿物を得た後、該沈殿物を凍結乾燥して、βグルカン1200gを得た(サンプルC)。サンプルCの重量平均分子量は100万であった。
【0069】
〔実施例1〕
(配合)
βグルカン(製造例1で得られたサンプルA) 8g
米 160g
水 220ml
上記配合で家庭用電子炊飯器を用いて炊飯し、βグルカン含有炊飯米を得た。炊飯終了後、βグルカン含有炊飯米をバットに広げ、水分が約15%となるまで乾燥させ、本発明のβグルカン加工食品−Aを得た。得られたβグルカン加工食品−Aは、βグルカンを均一に含有し、継続して摂取しやすいものであった。
【0070】
〔実施例2〕
(配合)
βグルカン(製造例2で得られたサンプルB) 8g
発芽米 160g
水 220ml
卵殻カルシウム 20g
上記配合で、家庭用電子炊飯器により炊飯し、βグルカン含有炊飯米を得た。炊飯終了後、ただちにβグルカン含有炊飯米をバットに広げ、水分が約12%となるまで乾燥させ、本発明のβグルカン加工食品−Bを得た。得られたβグルカン加工食品−Bは、βグルカンを均一に含有し、継続して摂取しやすいものであった。
【0071】
〔実施例3〕
(配合)
βグルカン(製造例3で得られたサンプルC) 6g
米 140g
押麦 20g
水 240ml
上記配合で家庭用電子炊飯器を用いて炊飯し、βグルカン含有炊飯米を得た。炊飯終了後、βグルカン含有炊飯米をバットに広げ、水分が約17%となるまで乾燥させ、本発明のβグルカン加工食品−Cを得た。得られたβグルカン加工食品−Cは、βグルカンを均一に含有し、継続して摂取しやすいものであった。
【0072】
〔実施例4〕
実施例1で得たβグルカン加工食品−Aの10gをポン菓子製造機にセットし、温度260℃、圧力6kg/cm2で10秒間加熱・加圧し、膨化加工して、本発明のβグルカン加工食品−Dを得た。得られたβグルカン加工食品−Dは、βグルカンを均一に含有し、充分なボリューム感を有し、食した場合の満足感も大きく、継続して摂取しやすいものであった。
【0073】
〔実施例5〕
実施例2で得たβグルカン加工食品−Bの10gを、円盤状の型に入れ、ポン菓子製造機にセットし、温度260℃、圧力6kg/cm2で10秒間加熱・加圧し、膨化加工して、円盤状に成形された本発明のβグルカン加工食品−Eを得た。得られたβグルカン加工食品−Eは、βグルカンを均一に含有し、充分なボリューム感を有し、食した場合の満足感も大きく、継続して摂取しやすいものであった。
【0074】
〔実施例6〕
実施例3で得たβグルカン加工食品−Cの10gを、ブッロク状の型に入れ、ポン菓子製造機にセットし、温度270℃、圧力7kg/cm2で15秒間加熱・加圧し、膨化加工して、ブロック状に成形された本発明のβグルカン加工食品−Fを得た。得られたβグルカン加工食品−Fは、βグルカンを均一に含有し、充分なボリューム感を有し、食した場合の満足感も大きく、継続して摂取しやすいものであった。
【0075】
〔実施例7〕
実施例1で得たβグルカン加工食品−Aの10g、ごま0.3g、塩適量を予め混合し、ポン菓子製造機にセットし、温度240℃、圧力5.5kg/cm2で10秒間加熱・加圧し、膨化加工して、本発明のβグルカン加工食品−Gを得た。得られたβグルカン加工食品−Gは、βグルカンを均一に含有し、充分なボリューム感を有し、食した場合の満足感も大きく、継続して摂取しやすいものであった。
【0076】
〔実施例8〕
実施例2で得たβグルカン加工食品−Bの8gと、押麦(市販品)2gを混合し、円盤状の型に入れ、ポン菓子製造機にセットし、温度260℃、圧力6kg/cm2で10秒間加熱・加圧し、膨化加工して、円盤状に成形された本発明のβグルカン加工食品−Hを得た。得られたβグルカン加工食品−Hは、βグルカンを均一に含有し、充分なボリューム感を有し、食した場合の満足感も大きく、継続して摂取しやすいものであった。
【0077】
〔実施例9〕
もち米160gを1日水に浸けておいた。βグルカン(製造例1で得られたサンプルA)8g及び1日水に浸けておいたもち米を混合し、蒸篭で30分間蒸した。その後、バットに広げ、水分が約14%となるまで乾燥させ、βグルカン加工食品−Iを得た。得られたβグルカン加工食品−Iは、βグルカンを均一に含有し、継続して摂取しやすいものであった。
【0078】
〔実施例10〕
実施例9で得られたβグルカン加工食品−Iの10gを、ブッロク状の型に入れ、ポン菓子製造機にセットし、温度260℃、圧力6kg/cm2で10秒間加熱・加圧し、膨化加工して、ブロック状に成形された本発明のβグルカン加工食品−Jを得た。得られたβグルカン加工食品−Jは、βグルカンを均一に含有し、充分なボリューム感を有し、食した場合の満足感も大きく、継続して摂取しやすいものであった。
【0079】
〔実施例11〕
βグルカン(製造例1で得られたサンプルA)3gを水160mlに溶解させ、アルファ化米100gに混合し、そのまま1時間放置した。その後、アルファ化米をバットに広げ、水分が約15%となるまで乾燥させ、本発明のβグルカン加工食品−Kを得た。得られたβグルカン加工食品−Kは、βグルカンを均一に含有し、継続して摂取しやすいものであった。
【0080】
〔実施例12〕
実施例11で得られたβグルカン加工食品−Kの10gを、円盤状の型に入れ、ポン菓子製造機にセットし、温度260℃、圧力6kg/cm2で10秒間加熱・加圧し、膨化加工して、円盤状に成形された本発明のβグルカン加工食品−Lを得た。得られたβグルカン加工食品−Lは、βグルカンを均一に含有し、充分なボリューム感を有し、食した場合の満足感も大きく、継続して摂取しやすいものであった。
【0081】
〔比較例1〕
βグルカン(製造例1で得られたサンプルA)8gと米160gを混合し、円盤状の型に入れ、ポン菓子製造機にセットし、温度260℃、圧力6kg/cm2、10秒間、加熱・加圧し、膨化加工して、円盤状に成形された比較品−1を得た。得られた比較品−1は、βグルカンの分布に偏りがあり、食する途中にβグルカンの脱落が見られ食べにくく、継続して摂取しにくいものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
βグルカン及び/又は添加物と穀類とを混合し、これらに加水して、該βグルカン及び/又は該添加物を、該穀類の表面に付着させ及び/又は該穀類に含浸させた後、調湿させたことを特徴とする加工食品。
【請求項2】
加水した後、炊煮及び/又は蒸煮することにより、上記βグルカン及び/又は上記添加物を、上記穀類の表面に付着させ及び/又は上記穀類に含浸させることを特徴とする請求項1記載の加工食品。
【請求項3】
調湿させた後、加圧及び/又は加熱して膨化させたことを特徴とする請求項1又は2記載の加工食品。
【請求項4】
膨化させながら又は膨化させた後、成形したことを特徴とする請求項3記載の加工食品。
【請求項5】
請求項4記載の加工食品の製造方法であって、βグルカン及び/又は添加物と穀類とを混合し、これらに加水し、炊煮及び/又は蒸煮することにより、該βグルカン及び/又は該添加物を、該穀類の表面に付着させ及び/又は該穀類に含浸させた後、調湿させ、次いで、加圧及び/又は加熱して膨化させ、膨化させながら又は膨化させた後、成形することを特徴とする加工食品の製造方法。

【公開番号】特開2006−262745(P2006−262745A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−83580(P2005−83580)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000000387)株式会社ADEKA (987)
【Fターム(参考)】