説明

加熱制御装置及び加熱制御方法

【課題】本発明は、最低電力を間欠的に印加する際に生じる電圧変動による蛍光灯等のちらつきの発生を抑えることができる加熱制御装置及び加熱制御方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】加熱制御装置は、被加熱物2を誘導加熱する誘導加熱用コイル4と、誘導加熱用コイルに供給される電流を断続するスイッチング素子6と、スイッチング素子6を駆動するとともに誘導加熱用コイル4を最低電力値で加熱する場合にスイッチング素子6を間欠駆動制御する制御部12と、スイッチング素子の素子温度を検知する素子温度検知部100と、スイッチング素子6を間欠駆動制御する場合に、素子温度が規定温度未満の場合に第一駆動周波数及びそのオン期間を設定して駆動信号を発生するとともに素子温度が規定温度以上の場合に第二駆動周波数及びそのオン期間を設定して駆動信号を発生する駆動信号設定部104とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加熱物に誘導コイルを近接配置し、誘導コイルに高周波電流を供給して被加熱物に渦電流を発生させることで加熱する加熱制御装置及び加熱制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、誘導コイルに高周波電流を供給して交番磁界を発生させ、発生させた交番磁界を、導電性を有する被加熱物に作用させて内部に渦電流を流して被加熱物が有する電気抵抗により生じるジュール熱で加熱する誘導加熱方式の加熱制御装置が実用化されている。このような誘導加熱による加熱方式は、短時間で加熱することができるとともに被加熱物を水や空気を介さずに直接加熱できることから、燃焼加熱とは異なり環境負荷の少ない加熱方式として製造装置、家庭用加熱器、事務機器等に広く用いられている。
【0003】
誘導加熱方式による加熱制御装置では、被加熱物に生じる発熱量は誘導コイルに供給する電力に比例するため、被加熱物の温度をサーミスタ等の温度検知センサにより検知し、検知信号に基づいて誘導コイルへの供給電力を変化させて目標温度に設定するようにしている。そのため、供給電力を可変制御することで、温度制御を高速かつ簡単に行うことができ、省電力化を図ることができる。
【0004】
このような誘導加熱方式における被加熱物の温度制御としては、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置における電子写真方式による画像形成処理における、トナー像を担持した記録媒体の定着処理の定着温度制御が挙げられる。
特許文献1には、インバータに起きた低電力での損失の増加を回避し、効率の良い制御動作を行うために、誘導加熱インバータを、並列接続された誘導コイルとコンデンサへの直流電源の供給を断続するスイッチング素子により構成し、インバータが最大効率で動作する入力電力にインバータの動作を固定するために、スイッチング素子を駆動する制御回路の周波数を一定値とし、固定周波数の制御回路の動作をオン/オフ制御して加熱制御を行う誘導加熱装置が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、加熱ローラと、この加熱ローラの近傍に設けた励磁コイルと、この励磁コイルに高周波電流を供給する誘導加熱電源とを有する加熱装置において、前記誘導加熱電源は、商用交流電源の入力部に設けた入力電圧検出手段と、励磁コイルに供給する高周波電流を生成するスイッチング手段と、コンデンサ及び励磁コイルからなる共振手段と、スイッチング手段により発生する高周波電流を検出する電流検出手段と、スイッチング手段を駆動するスイッチング駆動手段と、加熱ローラの温度を検出する温度検出手段とを備え、入力電圧検出手段で検出された入力電圧に応じて、スイッチング手段のオン期間・オフ期間を補正する機能を備えた加熱装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した各特許文献に記載された加熱装置では、オン・オフの切換制御により最低電力を間欠的に印加するようにしているが、電源電圧の変動が大きくなって加熱装置の近辺に設置された蛍光灯等のちらつきが発生してしまうことが避けられない。すなわち、設定された最低電力以下の電力で動作を行わないと、蛍光灯等のちらつきが生じるような電源電圧の変動を抑えることはできない、といった課題がある。
【0007】
そこで、本発明は、最低電力を間欠的に印加する際に生じる電圧変動による蛍光灯等のちらつきの発生を抑えることができる、加熱制御装置及び加熱制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、被加熱物を誘導加熱する誘導加熱用コイルと、前記誘導加熱用コイルに電力を供給する電源と、前記誘導加熱用コイルに供給される電流を断続するスイッチング素子と、前記スイッチング素子を駆動する駆動信号を発生するとともに、前記誘導加熱用コイルを最低電力値で加熱する場合に前記スイッチング素子を間欠駆動制御する制御部とを備えた加熱制御装置において、前記スイッチング素子の温度を検知する素子温度検知手段を備え、前記制御部は、前記スイッチング素子を間欠駆動制御する場合に、前記素子温度検知手段により検知された素子温度が規定温度未満の場合に第一駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生させ、かつ当該素子温度が規定温度以上の場合に、第一駆動周波数よりも低い第二駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生する駆動信号設定手段を備えている加熱制御装置である。
請求項2の発明は、被加熱物の温度を検知する加熱温度検知手段と、検知された加熱温度と目標温度との差に基づいて目標温度まで上昇させるのに必要な要求電力値を算出する要求電力算出手段とを備え、前記駆動信号設定手段は、前記要求電力値が最低電力値より大きくない場合に、前記素子温度が規定温度未満の場合に前記第一駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生させ、かつ当該素子温度が規定温度以上の場合に前記第二駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生する請求項1に記載の加熱制御装置である。
請求項3の発明は、前記駆動信号設定手段は、前記第一駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生するとともに前記第一駆動周波数及びそのオン期間から前記第二駆動周波数及びそのオン期間までの範囲の中で段階的に駆動周波数及びオン期間を変化させていく請求項1又は2に記載の加熱制御装置である。
請求項4の発明は、前記誘導加熱用コイルに供給される電流を検知する電流検知手段を備え、前記駆動信号設定手段は、前記電流が規定電流未満の場合に前記第一駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生するとともに、前記電流が規定電流以上の場合に、第一駆動周波数よりも高い前記第二駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生する請求項1から3のいずれかに記載の加熱制御装置である。
【0009】
請求項5の発明は、被加熱物に近接配置された誘導加熱用コイルに対してスイッチング素子を駆動して断続させて電力を供給することで当該被加熱物を誘導加熱するとともに、前記誘導加熱用コイルを最低電力値で加熱する場合に前記スイッチング素子を間欠駆動制御する加熱制御方法において、前記スイッチング素子を間欠駆動制御する場合に、前記スイッチング素子の素子温度が規定温度未満の場合に、第一駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生させ、かつ当該素子温度が規定温度以上の場合に、第一駆動周波数よりも低い第二駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生する加熱制御方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、最低電力を間欠的に印加する際に生じる電圧変動による蛍光灯等のちらつきの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る加熱制御装置に関するブロック構成図である。
【図2】誘導加熱用コイルに印加する電力の供給制御に関する処理フローで図である。
【図3】素子温度が規定温度以上の場合において、第二駆動周波数及びそのオン期間を設定したときの、スイッチング素子の電圧波形、電流波形及び駆動信号の波形を示すタイムチャートである。
【図4】電力波形を示すグラフである。
【図5】素子温度が規定温度より低い場合において、第二駆動周波数及びそのオン期間を設定したときの、スイッチング素子の電圧波形、電流波形及び駆動信号の波形を示すタイムチャートである。
【図6】電力波形を示すグラフである。
【図7】素子温度が規定温度より低い場合において、第一駆動周波数及びそのオン期間を設定したときの、スイッチング素子の電圧波形、電流波形及び駆動信号の波形を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る加熱制御装置に関するブロック構成図である。加熱制御装置は、供給電源1から誘導加熱用コイル4に電力が供給されて交番磁界が発生し、発生した交番磁界が被加熱物2に作用して渦電流が生じ、被加熱物2が有する電気抵抗によりジュール熱が発生して加熱される。被加熱物2の加熱状態は、近接配置された加熱温度センサ3により検知され、加熱温度の検知信号が制御部12に送信される。
【0013】
誘導加熱用コイル4には、共振用コンデンサ5が並列に接続されて並列共振回路を構成しており、並列共振回路にスイッチング素子6が直列に接続されている。供給電源1では、商用交流電源7から交流電圧が供給されて整流ダイオード8により全波整流され、誘導加熱用コイル4に電力供給される。誘導加熱用コイル4に供給される電流及び電圧は、電流検知部10及び電圧検知部11によりそれぞれ検知される。
スイッチング素子6は、制御部12より高周波の駆動信号が入力されて駆動制御される。また、スイッチング素子6には、素子温度センサ9が近接配置されており、スイッチング素子6の温度状態が素子温度センサ9により検知され、素子温度の検知信号が制御部12に送信されるようになっている。
【0014】
制御部12は、素子温度検知部100、加熱温度検知部101、出力電力算出部102、要求電力算出部103、駆動信号設定部104及び駆動信号発生部105を備えている。
素子温度検知部100は、素子温度センサ9からスイッチング素子6の温度に関する検知信号を得て素子温度を設定する。
加熱温度検知部101は、加熱温度センサ3から被加熱物2の温度に関する検知信号を得て加熱温度を設定する。
出力電力算出部102は、電流検知部10から送信される電流検知信号及び電圧検知部11から送信される電圧検知信号を得て、その電圧及び電流に基づいて誘導加熱用コイル4への出力電力を算出する。
要求電力算出部103は、加熱温度検知部101で設定された加熱温度に基づいて予め設定された目標温度に必要な要求電力値を算出する。
駆動信号設定部104は、出力電力算出部102で算出された出力電力値と要求電力算出部103で算出された要求電力値との差に基づいて、検知された電流及び電圧に対応する最低電力値を設定し、設定された最低電力値に対応する周波数範囲及びそのオン期間の範囲を設定する。設定する値は記憶部13に保存されており、最低電力値を設定可能な最大値及び最小値の範囲の中で予め複数の設定値が保存されている。そして、最低電力値に対応する周波数範囲及びそのオン期間の範囲が設定されている。
【0015】
駆動信号設定部104では、検知された電圧及び電流に対応する最低電力値に関する設定値を選択し、設定された最低電力値に対応する周波数範囲及びオン期間の範囲を読み出して設定するようになっている。
また、駆動信号設定部104は、算出された要求電力値が最低電力値以下である場合には、タイマ14を用いて間欠駆動するためのパラメータを設定する。また、駆動信号設定部104は、素子温度検知部100において設定された素子温度が規定温度未満である場合であって、電流検知部10において検知された電流が規定電流未満である場合には、間欠駆動する場合に、駆動信号のオン期間の立ち上り時における電力波形を最低電力値まで段階的に電力値を上昇させるとともに、立ち下り時における電力波形を出力停止状態まで段階的に電力値を下降させるようにパラメータを設定する。なお、素子温度が規定温度未満の場合に、検知電流値と規定電流値を比較することなくただちに上述したように電力波形を段階的に変化するように設定することもできる。そして、最低電力値による間欠駆動の際に、電力を段階的に変化させることで電源電圧の変動を抑えて蛍光灯等のちらつきの発生を抑えることができる。
【0016】
パラメータとしては、素子温度が規定温度以上の場合の駆動周波数、及びそのオン期間(第二駆動周波数及びオン期間)、並びに素子温度が規定温度未満の駆動周波数、及びそのオン期間(第一駆動周波数及びオン期間)を設定し、第一駆動周波数及びオン期間については、出力停止状態との間で段階的に駆動周波数及びオン期間を変化させるように設定する。このような設定値は記憶部13に予め保存しておく。
駆動信号発生部105は、駆動信号設定部104で設定されたパラメータに基づいてスイッチング素子を駆動する高周波の駆動信号を発生する。また、被加熱物2の特性を検知するために、駆動信号設定部104において設定された所定のパラメータに基づいて駆動信号を発生する。
【0017】
図2は、誘導加熱用コイル4に印加する電力の供給制御に関する処理フロー図である。まず、被加熱物2の電気的特性に関する情報を取得する(S1)。ここでは、駆動信号発生部105から特性を検知するために、所定の駆動信号をスイッチング素子6に印加して誘導加熱用コイル4を試行的に動作させて、被加熱物2の加熱状態等に基づいて電気的特性に関する情報を取得する。電気的特性に関する情報を取得した際に、電流検知部10及び電圧検知部11から検知される電流及び電圧を取得し(S2)、取得した被加熱物の電気的特性並びに電流及び電圧に基づいて、記憶部13に保存された設定値から最低電力値を設定する(S3)。設定された最低電力値に基づいて、記憶部13に保存された設定値から駆動可能な周波数範囲を設定する(S4)。
【0018】
次に、加熱温度検知部101で設定された加熱温度に基づいて記憶部13に保存された被加熱物の目標温度に上昇させるために、両方の温度差から必要な要求電力値を算出して設定する(S5)。設定された最低電力値及び要求電力値を比較し(S6)、要求電力値が最低電力値よりも大きくない場合には(S6-NO)、スイッチング素子6の温度を検知する(S7)。そして、検知された素子温度を規定温度と比較し(S8)、素子温度が規定温度より低い場合には(S8-YES)、電流検知部10において検知された検知電流を規定電流と比較し(S9)、検知電流が規定電流よりも小さい場合には(S9-YES)、第一駆動周波数及びそのオン期間を設定する(S10)。
【0019】
また、ステップS8で素子温度が規定温度以上である場合には(S8-NO)、第二駆動周波数及びそのオン期間を設定する(S11)。ステップS9において検知電流が規定電流以上である場合にも(S9-NO)、ステップS11に進み、第二駆動周波数及びそのオン期間を設定する。
【0020】
ここで、規定温度及び規定電流は、最低電力値による間欠駆動の際に電圧変動により蛍光灯等のちらつきが生じやすくなる素子温度及び電流を規定する値であり、規定温度よりも素子温度が低下して(S8−YES)、かつ検知電流が規定電流よりも小さいとき(S9−YES)、電圧変動が大きくなって蛍光灯等への影響が生じるようになる。そのため、それに対応した第一駆動周波数及びそのオン期間に設定する(S10)。この場合、第一駆動周波数は第二駆動周波数よりも高い周波数となるように設定される。
なお、規定温度よりも素子温度が低下したときは(S8−YES)、検知電流に関わりなく第一駆動周波数及びそのオン期間に設定する(S10)ように構成してもよい。
また、素子温度が規定温度以上で(S8-NO)、検知電流が規定電流以上(S9-NO)の場合には、電圧変動が大きくならないため、間欠駆動に必要な第二駆動周波数及びそのオン期間に設定する(S11)。
【0021】
図3は、素子温度が規定温度以上の場合(S8-NO)に、第二駆動周波数及びそのオン期間を設定した(S11)ときの、スイッチング素子6の駆動信号の波形と、スイッチング素子6における電圧波形及び電流波形である。この場合には、共振用コンデンサ5の充電電圧が電源電圧とほぼ同じように変化するため零電圧状態でスイッチング素子6のオン・オフ切換制御が行われるように駆動信号が出力される。そのため、図4に示す電力波形のように、最低電力値で間欠駆動が行われる。
【0022】
一方、素子温度が規定温度より低い場合(S8-YES)には、最低電力値での間欠駆動において、共振用コンデンサ5の充電電圧が電源電圧よりも低くなって零電圧状態でのオン・オフ切換制御ができなくなり、図5(素子温度が規定温度より低い場合において、第二駆動周波数及びそのオン期間を設定したときの、スイッチング素子の電圧波形、電流波形及び駆動信号の波形を示すタイムチャートである。)に示すように、オン・オフ切換時に電流波形に熱損失となる電流が流れて電圧変動Pが生じるようになる。そのため、図6に示す電力波形となるように、駆動信号のオン期間の立ち上り時の電力波形を最低電力値まで段階的に電力値を上昇させるとともに、立ち下り時の電力波形を出力停止状態まで段階的に電力値を下降させるように、第一駆動周波数から段階的に周波数を低下させるとともに、出力停止状態となるまでの間に段階的に周波数を第一駆動周波数まで上昇させるように設定して、電圧変動を抑えるようにする。
【0023】
なお、以上説明したフローでは、ステップS8において素子温度が規定温度より小さい場合には、ステップS9において検知電流値を規定電流値と比較するようにしているが、ステップS9の検知電流値の比較処理を行わずにステップS10に進み、第一駆動周波数及びそのオン期間を設定するように処理することもできる。
ステップS6において、要求電力値が最低電力値よりも大きい場合には(S6-YES)、駆動信号の周波数範囲を調整して要求電力値となるように設定する(S12)。そして、ステップS10からS12において設定された周波数等のパラメータに基づいて高周波の駆動信号が生成されてスイッチング素子6の駆動処理が行われ(S13)、誘導加熱用コイル4に電力供給が行われる。
また、第一駆動周波数及びそのオン期間を設定して駆動信号を発生させた場合に、検知電流値が規定電流値以上になると、図7に示すように、オン・オフ切換時に熱損失となる電流が流れ、熱損失によるスイッチング素子の破壊のおそれが生じるため、駆動周波数を低下させて破壊を防止する。
【符号の説明】
【0024】
1・・・供給電源、2・・・被加熱物、3・・・加熱温度センサ、4・・・誘導加熱用コイル、5・・・共振用コンデンサ、6・・・スイッチング素子、7・・・商用交流電源、8・・・整流ダイオード、9・・・素子温度センサ、10・・・電流検知部、11・・・電圧検知部、12・・・制御部、13・・・記憶部、14・・・タイマ、100・・・素子温度検知部、101・・・加熱温度検知部、102・・・出力電力算出部、103・・・要求電力算出部、104・・・駆動信号設定部、105・・・駆動信号発生部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】特開2002−124370号公報
【特許文献2】特開2003−133036号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を誘導加熱する誘導加熱用コイルと、前記誘導加熱用コイルに電力を供給する電源と、前記誘導加熱用コイルに供給される電流を断続するスイッチング素子と、前記スイッチング素子を駆動する駆動信号を発生するとともに、前記誘導加熱用コイルを最低電力値で加熱する場合に前記スイッチング素子を間欠駆動制御する制御部とを備えた加熱制御装置において、
前記スイッチング素子の温度を検知する素子温度検知手段を備え、前記制御部は、前記スイッチング素子を間欠駆動制御する場合に、前記素子温度検知手段により検知された素子温度が規定温度未満の場合に第一駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生させ、かつ当該素子温度が規定温度以上の場合に、第一駆動周波数よりも低い第二駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生する駆動信号設定手段を備えている加熱制御装置。
【請求項2】
被加熱物の温度を検知する加熱温度検知手段と、検知された加熱温度と目標温度との差に基づいて目標温度まで上昇させるのに必要な要求電力値を算出する要求電力算出手段とを備え、前記駆動信号設定手段は、前記要求電力値が最低電力値より大きくない場合に、前記素子温度が規定温度未満の場合に前記第一駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生させ、かつ当該素子温度が規定温度以上の場合に前記第二駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生する請求項1に記載の加熱制御装置。
【請求項3】
前記駆動信号設定手段は、前記第一駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生するとともに前記第一駆動周波数及びそのオン期間から前記第二駆動周波数及びそのオン期間までの範囲の中で段階的に駆動周波数及びオン期間を変化させていく請求項1又は2に記載の加熱制御装置。
【請求項4】
前記誘導加熱用コイルに供給される電流を検知する電流検知手段を備え、前記駆動信号設定手段は、前記電流が規定電流未満の場合に前記第一駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生するとともに、前記電流が規定電流以上の場合に、第一駆動周波数よりも高い前記第二駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生する請求項1から3のいずれかに記載の加熱制御装置。
【請求項5】
被加熱物に近接配置された誘導加熱用コイルに対してスイッチング素子を駆動して断続させて電力を供給することで当該被加熱物を誘導加熱するとともに、前記誘導加熱用コイルを最低電力値で加熱する場合に前記スイッチング素子を間欠駆動制御する加熱制御方法において、
前記スイッチング素子を間欠駆動制御する場合に、前記スイッチング素子の素子温度が規定温度未満の場合に、第一駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生させ、かつ当該素子温度が規定温度以上の場合に、第一駆動周波数よりも低い第二駆動周波数及びそのオン期間を設定して前記駆動信号を発生する加熱制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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