説明

加熱装置および画像形成装置

【課題】ヒータの加熱制御において、高調波電流の抑制効果を向上させる技術を提供する。
【解決手段】加熱装置は、交流電源から加熱体への通電のオン、オフを切り替える切替部と、加熱体の温度を検出する温度検出部と、温度検出部による検出温度が目標範囲内に収まるように、単位時間に対する交流電源から加熱体への通電比率(DUTY比)を、切替部の切替えを制御することによって変更する第1通電モードを実行する通電制御部とを備える。通電制御部は、第1通電モード実行中(時刻t0〜t6)に、第1通電モードに代えて、通電比率をほぼ100%、あるいは、ほぼ0%に固定する第2通電モード(時刻t2〜t3)を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加熱装置および当該加熱装置を備えた画像形成装置に関し、詳しくは加熱装置の通電に係る高周波の発生を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱装置の通電に係る高周波の発生を抑制する技術として、例えば、特許文献1には、ヒータ温度が下限値以下であれば100%通電し、上限値を超えると通電をオフし、上限値と下限値との間であれば、正弦波交流のゼロクロスに同期して正弦波交流を周期的にオン、オフする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−297429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術文献では、正弦波交流のオン、オフ時に発生する高周波を低減できる。しかしながら、昨今、ヒータの高調波電流の規格値が厳しくなり、ヒータの加熱制御において、さらなる高調波電流を抑制させる技術が所望されていた。
【0005】
本発明は、ヒータの加熱制御において、高調波電流の抑制効果を向上させる術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される加熱装置は、加熱体と、交流電源から前記加熱体への通電のオン、オフを切り替える切替部と、前記加熱体の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部による検出温度が目標範囲内に収まるように、単位時間に対する前記交流電源から前記加熱体への通電比率を、前記切替部の切替えを制御することによって変更する第1通電モードを実行する通電制御部と、を備え、前記通電制御部は、前記第1通電モード実行中に、該第1通電モードに代えて、前記通電比率をほぼ100%、あるいは、ほぼ0%に固定する第2通電モードを実行する。
前記第2通電モードにおいて、前記通電比率を固定する固定期間が所定時間以上とされることが好ましい。
また、前記通電制御部は、前記加熱体の消費電力が大きいほど、前記第2通電モードにおいて、前記通電比率を固定する固定期間を長くするようにしてもよい。
また、前記通電制御部は、前記第1通電モードの実行期間内において、所定の間隔を開けて前記第2通電モードを複数回実行するようにしてもよい。
また、前記固定期間は、前記加熱体の加熱制御に起因する照明フリッカを抑制する時間以上の期間であるようにしてもよい。
また、前記第2通電モードにおいて前記通電比率がほぼ100%に固定され、前記通電制御部は、前記第2通電モードを実行後、前記第1通電モードを実行する前に、前記第1通電モードにおける通電比率よりも小さい通電比率で前記切替部を制御する第3モードを実行するようにしてもよい。その際、前記通電制御部は、前記検出温度が加熱目標温度未満となる期間、前記第3モードを実行するようにしてもよい。
また、前記第2通電モードにおいて前記通電比率がほぼ0%に固定され、前記通電制御部は、前記第2通電モードを実行後、前記第1通電モードを実行する前に、前記第1通電モードにおける通電比率よりも大きい通電比率で前記切替部を制御する第4通電モードを実行するようにしてもよい。
また、前記第2通電モードにおいて前記通電比率がほぼ100%に固定され、
前記通電制御部は、前記検出温度が加熱目標下限値より高く、加熱目標温度より低いタイミングにおいて、前記第2通電モードを実行するようにしてもよい。その際、前記通電制御部は、前記検出温度が下降しているタイミングで、前記第2通電モードを実行するようにしてもよい。
また、前記第2通電モードにおいて前記通電比率がほぼ0%に固定され、前記通電制御部は、前記検出温度が加熱目標温度より高く、加熱目標上限値より低いタイミングにおいて、前記第2通電モードを実行するようにしてもよい。その際、前記通電制御部は、前記検出温度が上昇しているタイミングで、前記第2通電モードを実行するようにしてもよい。
また、加熱装置は、前記検出温度を用いて、前記検出温度の温度勾配を検出する温度勾配検出部をさらに備え、前記通電制御部は、検出された温度勾配が大きいほど、前記第2通電モードにおいて、前記通電比率を固定する固定期間を短くするようにしてもよい。
また、加熱装置は、前記加熱体への通電電流に含まれる高周波電流値を、第1期間において算出する高周波算出部をさらに備え、前記通電制御部は、算出された前記高周波電流値に基づいて、前記第1期間の後の第2期間に必要とされる前記第2通電モードの期間を決定するようにしてもよい。
また、前記通電制御部は、前記第1通電モードにおいて、前記通電比率を前記単位時間内における前記交流電源の波数の比率とする波数制御を実行することが好ましい。
また、本明細書によって開示される画像形成装置は、被記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成部と、前記被記録媒体上に形成されたトナー画像を、該被記録媒体上に定着させる定着部としての上記いずれかの加熱装置とを備える。
また、上記画像形成装置において、前記第2通電モードにおいて前記通電比率がほぼ100%に固定され、前記通電制御部は、前記定着部に前記被記録媒体が搬送されるインターバル期間である紙間のタイミングにおいて、前記第2通電モードの実行を禁止するようにしてもよい。
また、前記通電制御部は、前記定着部に前記被記録媒体が搬送されるインターバル期間である紙間中において、前記通電比率がほぼ0%に固定された状態での前記第2通電モードを実行するようにしてもよい。
また、前記定着部は、前記加熱体と対向配置され、回転することによって前記被記録媒体を搬送する回転体とを含み、前記通電制御部は、前記被記録媒体が前記加熱体と前記回転体とによって挟持されるタイミングに応じて、前記通電比率がほぼ100%に固定された状態での前記第2通電モードを実行するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の加熱装置によれば、通電制御部は、単位時間に対する交流電源から加熱体への通電比率を変更する第1通電モード実行中に、第1通電モードに代えて、通電比率をほぼ100%、あるいは、ほぼ0%に固定する第2通電モードを実行する。このように、第1通電モード実行中に、通電比率をほぼ100%あるいは、ほぼ0%に固定することによって、すなわち、交流を通電状態あるいは非通電状態とし、交流のスイッチングを行わない期間を一時的に設けることによって、高調波電流の抑制効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す側断面図
【図2】実施形態1の加熱装置の概略的な構成を示すブロック図
【図3】加熱装置の通電切替回路の概略的な構成を示すブロック図
【図4】DUTY比と制御温度および波形パターンとの関係を示す表
【図5】DUTY比と波形パターンの例を示すタイムチャート
【図6】実施形態1の通電制御を示すタイムチャート
【図7】実施形態1におけるDUTY比と各制御期間および波形パターンとの関係を示す表
【図8】実施形態2の通電制御を示すタイムチャート
【図9】実施形態2におけるDUTY比と各制御期間および波形パターンとの関係を示す
【図10】実施形態3の通電制御を示すタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態1>
次に本発明の実施形態1について図1から図7を参照して説明する。
【0010】
1.レーザプリンタの構成
図1は、実施形態1のモノクロレーザプリンタ1(「画像形成装置」の一例)の縦断面を概略的に表した図である。なお、画像形成装置はモノクロレーザプリンタに限られず、例えば、カラーレーザプリンタ、カラーLEDプリンタ、複合機等であってもよい。
【0011】
モノクロレーザプリンタ(以下、単に「プリンタ」という)1では、本体ケーシング2内の下部に配置されたトレイ3またはトレイ4から供給される用紙5に対し、画像形成部6にてトナー像を形成した後、定着器7にてそのトナー像を加熱して定着処理を行い、最後にその用紙5を本体ケーシング2内の上部に位置する排紙トレイ8に排紙する。
【0012】
画像形成部6は、スキャナ部10、現像カートリッジ13、感光ドラム17、帯電器18、転写ローラ19等を含む。
【0013】
スキャナ部10は、本体ケーシング2内の上部に配置されており、レーザ発光部(図示せず)、ポリゴンミラー11、複数の反射鏡12及び複数のレンズ(図示せず)等を含む。スキャナ部10は、レーザ発光部から発射されたレーザ光を、ポリゴンミラー11、反射鏡12、レンズを介して一点鎖線で示すように感光ドラム17の表面上に高速走査にて照射させる。
【0014】
現像カートリッジ13は、本体ケーシング2に対して着脱可能に装着されており、その内部には、トナーが収容されている。また、現像カートリッジ13のトナー供給口には、現像ローラ14、供給ローラ15が互いに対向した状態で設けられ、さらに現像ローラ14は感光ドラム17に対向した状態で配置されている。現像カートリッジ13内のトナーは、供給ローラ15の回転により現像ローラ14に供給され、現像ローラ14に担持される。
【0015】
感光ドラム17の上方には、帯電器18が間隔を隔てて配置されている。また、感光ドラム17の下方には、転写ローラ19が感光ドラム17に対向して配置されている。
【0016】
感光ドラム17は回転されつつ、その表面が帯電器18によって一様に、例えば、正極性に帯電される。次いで、スキャナ部10からのレーザ光により感光ドラム17上に静電潜像が形成され、その後、感光ドラム17が現像ローラ14と接触して回転するときに、現像ローラ14上に担持されているトナーが感光ドラム17の表面上の静電潜像に供給されて担持されることによってトナー像が形成される。その後、トナー像は、用紙5が感光ドラム17と転写ローラ19との間を通る間に、転写ローラ19に印加される転写バイアスによって、用紙5に転写される。
【0017】
定着器(定着部、加熱装置の一例)7は、画像形成部6に対して用紙搬送方向の下流側に配置され、定着ローラ(加熱体の一例)22、定着ローラ22を押圧する加圧ローラ(回転体の一例)23、および定着ローラ22を加熱するハロゲンヒータ(加熱体の一例)33等を含む。ハロゲンヒータ33は定着ローラ22の内部に設けられるとともに、回路基板25に接続され、回路基板25からの信号によって通電制御される。ここでは、定着ローラ22およびハロゲンヒータ33によって加熱体が構成される。定着ローラ22と加圧ローラ23とが対向する位置において用紙5がニップされ、ニップ位置(定着位置)Nにおいてトナー像が用紙5に熱定着される。
なお、定着器7の構成は、これに限られない。例えば、定着ローラ22に代えて定着フィルムが用いられる、いわゆるフィルム定着方式の定着器であってよい。その場合、例えば、定着フィルムおよびハロゲンランプによって加熱体が構成される。
【0018】
また、ハロゲンヒータ33の近傍にはハロゲンヒータ33の温度を検出する温度センサ(温度検出部の一例)24が設けられている。
【0019】
2.加熱装置の電気的構成
次に、図2および図3を参照して、プリンタ1に設けられた加熱装置30を説明する。図2は加熱装置30の概略的な構成を示すブロック図である。図3は、加熱装置30の通電切替回路50の概略的な構成を示すブロック図である。
【0020】
加熱装置30は、低圧電源回路(AC−DCコンバータ)31、ハロゲンヒータ33、ASIC(特定用途向け集積回路)34、ゼロクロス検出回路40、および通電切替回路50等を含む。ハロゲンヒータ33を除き、各回路は、ここでは、回路基板25上に設けられる。なお、低圧電源回路31は、加熱装置30に含まれなくてもよい。
【0021】
低圧電源回路31は、例えば、100Vの交流電圧を24Vおよび3.3Vの直流電圧に変換し、直流電圧を各部に供給する。ハロゲンヒータ33は、交流電源ACの通電に応じて発熱する。
【0022】
ゼロクロス検出回路40は、正弦波交流電源(以下、単に交流電源という)ACのゼロクロスタイミングに同期したゼロクロス信号Szcを生成する。ASIC34は、ゼロクロス信号Szcに同期して通電切替回路50の通電を制御する。
【0023】
通電切替回路(切替部の一例)50は、ゼロクロス信号Szcを基準として、ハロゲンヒータ33への交流電源ACの通電時間を調整する。通電切替回路50は、詳しくは、図3に示されるように、例えば、トライアック51およびトライアックゲート駆動回路52等を含む。トライアックゲート駆動回路52は、ASIC34からゲート制御信号Sgcを受け取り、ゲート制御信号Sgcに応じて、トライアック51をオン、オフすることによって、交流電源ACからハロゲンヒータ33への通電のオン、オフを切り替える。
【0024】
ASIC(通電制御部の一例)34は、インターフェイス回路35、タイマ36、メモリ37等を含み、通電切替回路50を制御して定着器7の通電制御を行う。また、ASIC34は、画像形成部6に接続され、画像形成に係る制御も行う。インターフェイス回路35は、ASIC外部との種々のデータのやり取りを仲介する。タイマ36は、定着器7の通電制御の際に、各種通電時間の計測等に利用される。メモリ37は、ROMおよびRAMを含む。なお、通電制御部の構成はASIC34にかぎられず、例えば、CPUあるいは個別の回路構成によって構成されてもよい。
【0025】
ASIC34は、基本的に、温度センサ24による検出温度が目標範囲内に収まるように、波数デューティ比を、トライアック51の切替えを制御することによって変更する第1通電モードを実行する。また、ASIC34は、第1通電モード実行中に、第1通電モードの実行に代えて、波数デューティ比をほぼ100%、あるいは、ほぼ0%に固定する第2通電モードを実行する。ここで、波数デューティ比は交流電源ACを波数制御する場合のデューティ比であり、単位時間に対する交流電源ACからハロゲンヒータ33への通電比率の一例である。
【0026】
3.加熱装置(定着器)の通電制御
次に、図4〜図7を参照して、実施形態1における定着器7の通電制御を説明する。まず図4および図5を参照して、実施形態1における波数制御を説明する。図4は波数デューティ比DUTYと制御温度および波形パターンとの関係の一例を示す表である。図5は波数デューティ比DUTYと波形パターンとの関係を示すタイムチャートである。なお、図4において高周波量は、高周波の発生が最大となるDUTY50%での高周波の発生量の平均値を「1.0」として規格化したものである。
【0027】
実施形態1では、図4および図5に示されるように、波数制御は半波単位で行われる。また、図4のパターンで数字「1」は半波が有効であることを示し、数字「0」は半波が無効であることを示す(図5参照)。具体的には、交流電源ACの周波数を50Hzとすると、交流電源ACの周期は20ミリ秒(ms)であり、ここで単位時間を200msとすると、単位時間の波数は、「10」となる。例えば、波数デューティ比DUTYが20%の場合の半波パターンは、図4に示されるように「10000」となる。そのパターンが単位時間(200ms)に4回繰り返され、単位時間の波数は、4×半波=2波数となる。すなわち、この場合、波数デューティ比DUTYは、(2/10)×100=20%となる。なお、ここで単位時間の「200ms」は、高周波の発生量を求める際の測定単位時間とされる時間である。
【0028】
なお、通常、各波数デューティ比DUTYに対する高調波電流値(2次平均値)は、交流電源ACの半波単位のオン・オフ切替え回数に応じて大きくなる。すなわち、波数デューティ比DUTY0%および100%では、切替えが行われないため、最小値となる。波数デューティ比DUTY20%では、高調波電流値は増加し、DUTY80%とほぼ同一値となる。DUTY30%(あるいは70%)では、高調波電流値はさらに増加し、DUTY50%で最大となる(図4参照)。
【0029】
なお、波数デューティ比DUTYは同一であっても、波形パターンの態様によって、オン・オフ切替え回数が異なるため、高調波電流値は異なる。波数制御において、通常、設定される各波数デューティ比DUTYに対して高調波電流規格値の範囲内となるように、各波形パターンが決定される。あるいは、設定された波形パターンにおいて、高調波電流規格値の範囲外となる波数デューティ比DUTYは使用しないことによって、高調波電流の規格を満たすように波数制御される。
【0030】
次に、図6および図7を参照して、実施形態1における定着器7の通電制御を説明する。図6は、実施形態1における用紙5一枚当たりの定着処理に係る通電制御のタイムチャートである。なお、図6において温度センサ24の検出温度に500msほどの遅れが生じているのは、温度センサ24はハロゲンヒータ33の温度を直接検出するものではないためである。実際の通電制御は、この検出温度の遅延を見込んで行われる。図7は、実施形態1における波数デューティ比DUTYと、制御温度および波形パターンとの関係の一例を示す表である。
【0031】
定着器7の通電制御処理は、例えば、ユーザによってプリンタ1に印刷命令がなされると、メモリ37に格納された所定のプログラムにしたがってASIC34によって行われる。ASIC34は温度センサ24の検出温度に基づいて通電制御を行う。
【0032】
図7に示されるように、通電制御処理の期間は、「波数制御期間」、「DUTY100%移行波数制御期間」、および「低DUTY波数制御期間」に分けられ、それぞれの期間において、検出温度に対応したDUTY比およびパターンが選択される。「波数制御期間」においては、通常のDUTY比制御(第1通電モードに相当)が行われる。
【0033】
また、「DUTY100%移行波数制御期間」は、DUTY比をほぼ100%に固定する制御(第2通電モードに相当)が可能な期間とされる。ここでは、図7に示されるように、検出温度が179℃以未満となった場合にのみ、DUTY比100%が実行される。DUTY比を100%に固定する固定期間K1の上限値は400msとされ、DUTY比100%の通電終了後の200msは、DUTY比100%通電の禁止期間とされる。なお、ここで「ほぼ100%のDUTY比」には、DUTY比99%あるいは98%等も含まれ、DUTY比100%に限られない。
【0034】
また、「低DUTY波数制御期間」は、DUTY比100%を実行後、通常のDUTY比制御を実行する前に、通常のDUTY比制御におけるDUTY比よりも小さいDUTY比で切替回路50を制御する(第3通電モードに相当)期間K2である。
【0035】
さて、図6の時刻t0において前回の用紙5の定着が終了し、前回の用紙5の定着器7への通紙が終了し、時刻t1において次の用紙5の定着器7への通紙が開始されるものとする。時刻t0から時刻t1の紙間は、すなわち、定着器7に用紙5が搬送されるインターバル期間は、「波数制御期間」とされ、例えば、DUTY比40%で制御される。
【0036】
次いで、時刻t1からは「DUTY100%移行波数制御期間」とされ、ASIC34は、検出温度Tdを低下させるために、例えば、DUTY比を40%→38%→33%→30%→33%→38%→40%と変更し、すなわち第1通電モードを実行する。そして、時刻t2において、検出温度Tdが179℃以未満に低下すると、ASIC34は、DUTY比100%の通電制御、すなわち、第2通電モードを固定期間K1実行する。
【0037】
ここで、図6に示されるように、ASIC34は、検出温度Tdが加熱目標下限値より高く、加熱目標温度(180℃)より低いタイミングにおいて、第2通電モードを実行する。そのため、検出温度Tdが目標温度の上限値以上となるのを低減できる。また、ASIC34は、図6に示されるように、検出温度Tdが下降しているタイミングで、第2通電モードを実行する(図6参照)。そのため、検出温度Tdが目標温度の上限値以上となるのをより低減できる。
【0038】
ここで、固定期間K1は、所定期間以上とされる。所定時間は、例えば、高調波電流規格で定められた高調波電流測定用の単位時間、例えば、200msに設定され、固定期間K1は、ほぼ350msとされる。固定期間K1をこのように設定することによって、高調波電流規格に適合するように高調波電流を好適に抑制することができる。
【0039】
なお、固定期間K1は高調波電流の観点からはできるだけ長い方がよいが、定着温度のリップルの観点からは、短い方がよく、ここでは、固定期間K1の上限が上記400msに制限される。
【0040】
また、固定期間K1は、ハロゲンヒータ33の消費電力が大きいほど、長くすることが好ましい。通常、ハロゲンヒータ33の消費電力が大きいほど、通電比率の変更に伴う高調波の強度は大きくなる。そのため、ハロゲンヒータ33の消費電力が大きいほど、固定期間K1を長くすることによって、ハロゲンヒータ33の消費電力に応じて、第2通電モードによる高調波電流の抑制と、第1通電モードによる検出温度の安定化とのバランスを取ることができる。
【0041】
さらに、固定期間K1は、ハロゲンヒータ33の加熱制御に起因する照明フリッカを抑制する時間以上の期間であることが好ましい。このように、固定期間K1を設定することによって、加熱制御に起因する照明フリッカを抑制できる。例えば、照明フリッカを抑制するために、固定期間K1は500ms以上であることが好ましい。
【0042】
次いで、図6の時刻t3においてDUTY比100%の通電する固定期間K1(第2通電モード)が終了すると、時刻t3から時刻t4までは「低DUTY波数制御期間」とされ、ASIC34は、所定期間、例えば、DUTY比を最高値33%までの範囲で変更する、あるいはDUTY比33%に固定する通電制御(第3通電モード)を実行する。このように、第2通電モードの後に第3通電モードを実行することによって、検出温度が目標温度の上限値以上となるのを低減できる。
【0043】
この場合、第3通電モードを実行する所定期間として、検出温度Tdが加熱目標温度未満となる期間、すなわち検出温度Tdが180℃未満となる期間、第3モードを実行することが好ましい。これによって、第3モードから第1通電モードに切り替えたときに、検出温度Tdを安定化させやすくなる。
【0044】
次いで、図6の時刻t4から時刻t5までは、再び「DUTY100%移行波数制御期間」とされ、ASIC34は、例えば、DUTY比を40%→38%→33%→38%→40%と変更し、すなわち第1通電モードを実行する。次いで、図6の時刻t5から、用紙5の通紙が終了する時刻t6までは、再び「波数制御期間」とされ、ASIC34は、例えば、DUTY比を40%→43%→40%と変更し、すなわち第1通電モードを実行する。以下、印刷ジョブに係る全ての用紙5の定着処理が終了するまで、時刻t0から時刻t6までの処理が繰り返される。
【0045】
なお、第2通電モードにおいてDUTY比がほぼ100%に固定される場合、ASIC34は、紙間のタイミング(図6の時刻t0〜t1)において、第2通電モードの実行を禁止することが好ましい。この場合、紙間では用紙5がないため定着器7の温度が上がりやすく、第2通電モードの実行を禁止することにより、検出温度Tdが目標温度の上限値以上となることを抑制できる。
【0046】
4.実施形態1の効果
上記したように、実施形態1では、ASIC34は、定着器7の加熱制御中において、波数制御におけるDUTY比を変更する第1通電モード実行中に、第1通電モードに代えて、DUTY比をほぼ100%に固定する第2通電モードを、固定期間K1実行する。このように、第1通電モード実行中に、DUTY比をほぼ100%に固定する固定期間K1を一時的に設けることによって、すなわち、交流を通電状態とし、交流のスイッチングを行わない期間を一時的に設けることによって、高調波電流の抑制効果を向上させることができる。
【0047】
<実施形態2>
次に、図8および図9を参照して、本発明における実施形態2を説明する。実施形態2と実施形態1とは、定着器7の通電制御のみが異なるため、以下において実施形態1との相違点のみ説明する。図8は、実施形態2における用紙5一枚当たりの定着処理に係る通電制御のタイムチャートである。また、図9は、実施形態2における波数デューティ比DUTYと、制御温度および波形パターンとの関係の一例を示す表である。
【0048】
実施形態2においては、図8および図9に示されるように、「DUTY100%移行波数制御期間」に代えて、第1通電モード実行中に、DUTY比を強制的に100%に固定するDUTY100%期間(固定期間K1)」が、所定間隔を開けて2回設けられている。
【0049】
「DUTY100%期間」は、実施形態1の「DUTY100%移行波数制御期間」とは異なり、所定条件のもとにDUTY100%を強制的に移行する期間である。所定条件として、図9に示されるように、温度条件はない。なお、これに限られず、温度条件を設けてもよい。
【0050】
所定条件としては、例えば、定期的に所定時間毎に所定時間移行する。あるいは、高調波の悪いDUTY比、例えば、DUTY比50%が所定時間続いたら移行する。あるいは所定時間の間に所定期間DUTY100%の実行がない場合に移行する。
【0051】
例えば、図8に示され例においては、時刻t0〜時刻t2、時刻t4〜時刻t5、および時刻t7〜時刻t8の期間は、「波数制御期間」とされ、検出温度Tdに応じてDUTY比を変更する第1通電モードが実行される。
【0052】
また、図8の時刻t2〜時刻t3および時刻t5〜時刻t6は、「DUTY100%期間」とされ、DUTY比をほぼ100%に固定する第2通電モードが実行される。また、図8の時刻t3〜時刻t4および時刻t6〜時刻t7は、「低DUTY波数制御期間」とされ、第1通電モードより小さいDUTY比、例えばDUTY比33%で波数制御する第3通電モードが実行される。
【0053】
ここでは所定時間K1の「DUTY100%期間」が、第1通電モードの実行期間(時刻t0〜時刻t8)内において、所定の間隔を開けて2回設けられる例が示される。ここで所定の間隔は、例えば1.5秒(sec)とされ、所定時間K1は、例えば、370msとされる。
【0054】
また、最初の「DUTY100%期間」の実行は、通紙開始の時刻t1から所定時間が経過した時刻t2に開始される。言い換えれば、実施形態2では、ASIC34は、用紙5が定着ローラ22と加圧ローラ23とによって挟持されるタイミング(図8の時刻t1)に応じて、DUTY比100%での第2通電モードを実行する。そのため、印刷ジョブにおいて複数の用紙5に印刷される場合、各用紙5において定着状態がばらつくのを抑制できる。
【0055】
5.実施形態2の効果
通電制御部は、第1通電モードの実行期間(時刻t0〜時刻t8)内において、所定の間隔を開けて第2通電モードを2回(複数回)実行する。そのため、例えば、定着器7の駆動電流を高周波電流値の規格範囲内とするために、第1通電モードの実行中に、第1通電モードに代えて所定期間、DUTY100%の第2通電モードを実行する際、その所定期間を複数回の固定期間K1に分散させることができる。その結果、第2通電モードを実行する所定期間が長過ぎることによって、定着器7の温度が過度に上昇することを抑制できる。すなわち、高調波電流の抑制効果を向上させつつ、検出温度を目標範囲内に安定化させることができる。
【0056】
<実施形態3>
次に、図10を参照して、本発明における実施形態3を説明する。実施形態2と同様に、実施形態1とは、定着器7の通電制御のみが異なるため、以下において実施形態1との相違点のみ説明する。図10は、実施形態3における用紙5一枚当たりの定着処理に係る通電制御のタイムチャートである。なお、実施形態3における波数デューティ比DUTYと、制御温度および波形パターンとの関係は、図9に示される実施形態2と同様であるため、その図示は省略される。なお、DUTY比100%後のDUTY比100%禁止期間は、実施形態3では、好ましくは、実施形態2より長く300msとされる。
【0057】
実施形態3では、第1通電モード実行中に、デューティ比DUTYをほぼ100%に固定する第2通電モードと、デューティ比DUTYをほぼ0%に固定する第2通電モードとが併用される。すなわち、デューティ比DUTYをほぼ100%に固定する「DUTY100%期間」と、デューティ比DUTYをほぼ0%に固定する「DUTY0%期間」とが併用される。なお、ここで「ほぼ0%のDUTY比」には、DUTY比1%あるいは2%等も含まれ、DUTY比0%に限られない。
【0058】
例えば、図10に示され例においては、紙間の開始時刻である時刻t0から、紙間中である時刻t1の期間は、「DUTY0%期間」とされる。また、「DUTY0%期間」に続いて、時刻t1から、固定期間K1経過後の時刻t3の期間は、「DUTY100%期間」とされる。
【0059】
また、図8の時刻t3〜時刻t4は、「低DUTY波数制御期間」とされ、第1通電モードより小さいDUTY比、例えばDUTY比33%で波数制御する第3通電モードが実行される。また、時刻t4から給紙終了時刻t5までは、「波数制御期間」とされ、検出温度Tdに応じてDUTY比を、例えば33%から43%の間で変更する第1通電モードが実行される。
【0060】
なお、紙間中において、「DUTY0%期間」を「DUTY100%期間」に変更する時刻t1は、例えば、ニップ部温度特性の事前のデータからニップ部温度を推定し、紙間の開始時刻t0から所定時間後、例えば、時刻t0から150ms後とされる。これ限られず、時刻t1の決定は、センサ検出温度Tdに基づいて行うようにしてもよい。
【0061】
また、「DUTY0%期間」は紙間中(図10の時刻t0〜時刻t2)に設けられればよく、必ずしも紙間の開始時刻t0から「DUTY0%期間」が開始されなくてもよい。
【0062】
6.実施形態3の効果
実施形態3では紙間中のタイミング(図10の時刻t0〜時刻t1)において、DUTY比がほぼ0%に固定された状態での第2通電モードが実行される。通常、紙間では用紙5によって熱が奪われないため、定着器7温度が下がりにくいため、DUTY比をほぼ0%とする、すなわち、ハロゲンヒータ33への通電をオフしても、検出温度Tdが目標温度の下限値未満となりにくい。そのため、紙間開始から紙間中のタイミングまで高調波の発生が最小のDUTY比をほぼ0%とすることによって、高調波の発生を抑制できる。
【0063】
また、「DUTY0%期間」に引き続いて、「DUTY100%期間」が設けられる。そのため、紙間において低下した定着器7の温度を好適に上昇させることができるとともに、用紙定着処理期間中(図10の時刻t0から時刻t5まで)の高調波の発生が最小である期間を、図10の時刻t0〜時刻t3と長くすることができ、高調波電流発生の時間平均値を好適に低減させることができる。すなわち、定着温度リップルの発生を抑制しつつ、高調波電流の抑制効果をさらに向上させることができる。
【0064】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0065】
(1)上記各実施形態においては、DUTY100%の加熱を固定期間K1実行した後に「低DUTY波数制御期間」を設ける例を示したが、これに限られない。例えば、固定期間K1後に温度上昇を抑制する必要がない場合、「低DUTY波数制御期間」を設けなくてもよい。
【0066】
(2)上記各実施形態においては、定着器7の通電制御の際に、通電比率を波数デューティ比とし、交流電源ACを波数制御する例を示したがこれに限られない。本発明は、定着器7の通電制御の際に、通電比率を位相デューティ比とし、交流電源ACを位相制御する場合にも適応できる。
【0067】
(3)上記各実施形態において、検出温度Tdを用いて、検出温度Tdの温度勾配を検出する温度勾配検出部をさらに備え、通電制御部は、検出された温度勾配が大きいほど、第2通電モードにおいて、通電比率を固定する固定期間K1を短くするようにしてもよい。この場合、検出温度が目標温度の上限値を超えること、あるいは下限値を下回ることを抑制できる。すなわち、温度勾配(単位時間に対する温度の上昇幅、あるいは温度の下降幅)が大きいほど定着器7が同一熱量に対する温度変化の大きい状態にあるため、DUTY100%あるいはDUTY0%の通電期間K1を短くする方が、定着器7の温度変化を抑制できる。
【0068】
(4)上記実施形態1,2においては、第1通電モード実行中に、DUTY比をほぼ100%に固定する第2通電モードを実行する例を示したがこれに限られない。これに代えて、第1通電モード実行中に、DUTY比をほぼ0%に固定する第2通電モードを実行するようにしてもよい。この場合であっても、DUTY比がほぼ0%の場合、交流電源ACの通電がほぼ行われない状態のため、第2通電モードの実行中(固定期間K1)において高調波の発生を抑制することができる。
【0069】
第2通電モードにおいてDUTY比がほぼ0%に固定される場合、DUTY比がほぼ0%に固定される場合とは逆に、ASIC34は、第2通電モードを実行後、第1通電モードを実行する前に、第1通電モードにおけるDUTY比よりも大きいDUTY比で通電切替回路50を制御する第4通電モードを実行することが好ましい。これによって、検出温度Tdが目標温度の下限値以下となるのを低減できる。例えば、図6の時刻t2〜t3が「DUTY0%期間」とされる場合、図6の時刻t3〜t4−1(期間K3)が第4通電モードを実行する「高DUTY波数制御期間」とされ、それに続く図6の時刻t4−1〜t5(期間K4)が、DUTY比(波数)を所定値に制限する「制限波数制御期間」とされる。
【0070】
また、第2通電モードにおいてDUTY比がほぼ0%に固定される場合、ASIC34は、検出温度Tdが加熱目標温度より高く、加熱目標上限値より低いタイミングにおいて、第2通電モードを実行することが好ましい。これによって、検出温度Tdが目標温度の下限値以下となるのを低減できる。
また、その際、ASIC34は、検出温度Tdが上昇しているタイミングで、第2通電モードを実行することが好ましい。これによって、定着器7の温度上昇を好適に抑制することができ、検出温度Tdが目標温度の下限値以下となるのをより低減できる。
【0071】
(5)ハロゲンヒータ33(加熱体)への通電電流に含まれる高周波電流値を、第1期間において算出する高周波算出部をさらに備えるようにし、ASIC34は、算出された高周波電流値に基づいて、第1期間の後の第2期間に必要とされる第2通電モードの期間(固定期間K1)を決定するようにしてもよい。この場合、第1期間と第2期間の合計期間において、通電電流に含まれる高周波電流値を所定値以下にすることができる。
【符号の説明】
【0072】
1…モノクロレーザプリンタ、5…用紙、6…画像形成部、7…定着器、24…温度センサ、33…ハロゲンヒータ、34…ASIC、50…通電切替回路、51…トライアック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱体と、
交流電源から前記加熱体への通電のオン、オフを切り替える切替部と、
前記加熱体の温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部による検出温度が目標範囲内に収まるように、単位時間に対する前記交流電源から前記加熱体への通電比率を、前記切替部の切替えを制御することによって変更する第1通電モードを実行する通電制御部と、を備え、
前記通電制御部は、前記第1通電モード実行中に、該第1通電モードに代えて、前記通電比率をほぼ100%、あるいは、ほぼ0%に固定する第2通電モードを実行する、加熱装置。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱装置において、
前記第2通電モードにおいて、前記通電比率を固定する固定期間が所定時間以上とされる、加熱装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の加熱装置において、
前記通電制御部は、前記加熱体の消費電力が大きいほど、前記第2通電モードにおいて、前記通電比率を固定する固定期間を長くする、加熱装置。
【請求項4】
請求項3に記載の加熱装置において、
前記通電制御部は、前記第1通電モードの実行期間内において、所定の間隔を開けて前記第2通電モードを複数回実行する、加熱装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の加熱装置において、
前記固定期間は、前記加熱体の加熱制御に起因する照明フリッカを抑制する時間以上の期間である、加熱装置。
【請求項6】
請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の加熱装置において、
前記第2通電モードにおいて前記通電比率がほぼ100%に固定され、
前記通電制御部は、前記第2通電モードを実行後、前記第1通電モードを実行する前に、前記第1通電モードにおける通電比率よりも小さい通電比率で前記切替部を制御する第3モードを実行する、加熱装置。
【請求項7】
請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の加熱装置において、
前記第2通電モードにおいて前記通電比率がほぼ0%に固定され、
前記通電制御部は、前記第2通電モードを実行後、前記第1通電モードを実行する前に、前記第1通電モードにおける通電比率よりも大きい通電比率で前記切替部を制御する第4通電モードを実行する、加熱装置。
【請求項8】
請求項6に記載の加熱装置において、
前記通電制御部は、前記検出温度が加熱目標温度未満となる期間、前記第3モードを実行する、加熱装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の加熱装置において、
前記第2通電モードにおいて前記通電比率がほぼ100%に固定され、
前記通電制御部は、前記検出温度が加熱目標下限値より高く、加熱目標温度より低いタイミングにおいて、前記第2通電モードを実行する、加熱装置。
【請求項10】
請求項9に記載の加熱装置において、
前記通電制御部は、前記検出温度が下降しているタイミングで、前記第2通電モードを実行する、加熱装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の加熱装置において、
前記第2通電モードにおいて前記通電比率がほぼ0%に固定され、
前記通電制御部は、前記検出温度が加熱目標温度より高く、加熱目標上限値より低いタイミングにおいて、前記第2通電モードを実行する、加熱装置。
【請求項12】
請求項11に記載の加熱装置において、
前記通電制御部は、前記検出温度が上昇しているタイミングで、前記第2通電モードを実行する、加熱装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の加熱装置において、
前記検出温度を用いて、前記検出温度の温度勾配を検出する温度勾配検出部をさらに備え、
前記通電制御部は、検出された温度勾配が大きいほど、前記第2通電モードにおいて、前記通電比率を固定する固定期間を短くする、加熱装置。
【請求項14】
請求項1に記載の加熱装置において、
前記加熱体への通電電流に含まれる高周波電流値を、第1期間において算出する高周波算出部をさらに備え、
前記通電制御部は、算出された前記高周波電流値に基づいて、前記第1期間の後の第2期間に必要とされる前記第2通電モードの期間を決定する、加熱装置。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の加熱装置において、
前記通電制御部は、前記第1通電モードにおいて、前記通電比率を前記単位時間内における前記交流電源の波数の比率とする波数制御を実行する、加熱装置。
【請求項16】
被記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成部と、
前記被記録媒体上に形成されたトナー画像を、該被記録媒体上に定着させる定着部としての、請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の加熱装置と、
を備えた画像形成装置。
【請求項17】
請求項16に記載の画像形成装置において、
前記第2通電モードにおいて前記通電比率がほぼ100%に固定され、
前記通電制御部は、前記定着部に前記被記録媒体が搬送されるインターバル期間である紙間のタイミングにおいて、前記第2通電モードの実行を禁止する、画像形成装置。
【請求項18】
請求項16に記載の画像形成装置において、
前記通電制御部は、前記定着部に前記被記録媒体が搬送されるインターバル期間である紙間中において、前記通電比率がほぼ0%に固定された状態での前記第2通電モードを実行する、画像形成装置。
【請求項19】
請求項16から請求項18のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記定着部は、前記加熱体と対向配置され、回転することによって前記被記録媒体を搬送する回転体とを含み、
前記通電制御部は、前記被記録媒体が前記加熱体と前記回転体とによって挟持されるタイミングに応じて、前記通電比率がほぼ100%に固定された状態での前記第2通電モードを実行する、画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−189622(P2012−189622A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50452(P2011−50452)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】