説明

加熱調理器

【課題】加熱調理器本体の持ち運びが容易で、且つ水槽の容量を大きくすることが可能な加熱調理器を提供する。
【解決手段】被加熱物を収納する内鍋11と、被加熱物を加熱する誘導加熱コイル12と、内鍋11が着脱自在に収容された下部筐体10と、下部筐体10の上面を開閉自在に覆う上部蓋20と、被加熱物から生じる蒸気を内鍋11内から誘導する上部蓋側蒸気導管26及び下部筐体側蒸気導管15と、下部筐体10を着脱自在に載置するベース部と、を備え、ベース部は、内部に水を貯留して水を用いて蒸気を復水し回収する水槽30と、下部筐体側蒸気導管15から排出される蒸気を水槽30内部に貯留する水へ誘導する水槽側蒸気導管33とで構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加熱物(米や水等)を収容した内鍋を加熱することで調理を行なう加熱調理器に関するものであり、特に、調理中に発生する蒸気を、冷却水の入った水槽内に導いて冷却、復水して回収する加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の加熱調理器の一つである炊飯器として、水槽を炊飯器本体の内部に設けたもの(例えば、特許文献1参照)や、水槽を炊飯器本体の外部に設けたものが提案されている。
【特許文献1】特開平3−268718号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
水槽内の水温は、蒸気を復水していく過程で徐々に上昇する。このため、水槽内部に貯留しておく冷却水の量が少ないと、本来の目的である蒸気の冷却、復水が困難となるばかりか、水槽自体が高温となり、冷却水の廃棄時にやけどする可能性がある。このため、水槽の容量は大きいことが望ましい。
【0004】
また、一般的な炊飯器の使用形態として、台所等の設置場所に炊飯器を置いた状態のまま、炊飯器から炊きあがったご飯を茶碗等に盛り、食卓に運ぶ場合もあるが、炊飯器自体を食卓に運び、食卓に運んだ炊飯器からご飯を掬う場合もある。このため、炊飯器本体は、持ち運びしやすく軽量であることが望まれる。
【0005】
しかしながら、水槽を炊飯器本体に内蔵した炊飯器では、水槽の容量を大きくしようとすると、炊飯器本体を大きくせざるを得ず、炊飯器が重くなってしまう課題があった。また、水槽を炊飯器本体の外部に設けた炊飯器では、一般的に炊飯器本体と水槽とをチューブのような別部品で接続しているため、炊飯器本体を持ち運ぶ際にはチューブを外さなければならず、手間を要し、容易に持ち上げたり持ち運んだりすることが困難であった。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、加熱調理器本体の持ち運びが容易で、且つ水槽の容量を大きくすることが可能な加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る加熱調理器は、被加熱物を収納する内鍋と、被加熱物を加熱する加熱手段と、内鍋が着脱自在に収容された下部筐体と、下部筐体の上面を開閉自在に覆う上部蓋と、被加熱物から生じる蒸気を内鍋内から誘導する第一蒸気導管と、下部筐体を着脱自在に載置するベース部と、を備え、ベース部は、内部に水を貯留して水を用いて蒸気を復水し回収する水槽と、第一蒸気導管から排出される蒸気を水槽内部に貯留する水へ誘導する第二蒸気導管とで構成されているものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、下部筐体と上部蓋とを有する加熱調理器本体の外部に水槽を別体として設け、また、加熱調理器本体を単に水槽上に載置するだけで互いの蒸気導管が連通する構成としたので、下部筐体の持ち運びが容易で、且つ水槽の容量を大きくすることが可能な加熱調理器を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
実施の形態1は、本発明を加熱調理器の一つである炊飯器に用いた例を示している。図1は、本発明の実施の形態1の炊飯器の斜視図である。図2は、図1の炊飯器の概略縦断面図である。図3は、図1の炊飯器の水槽に、下部筐体を装着する場合の説明図である。図1〜図3を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0010】
炊飯器1は、上部に開口を有した下部筐体10と、下部筐体10の上面を開閉自在に覆う上部蓋20と、下部筐体10を着脱自在に載置し、下部筐体10から排出される蒸気を冷却するための水を貯留し、貯留された水の中に蒸気を流入させることにより蒸気を復水して回収する水槽30とを備えている。なお、蒸気を水の中に流入させることなく、蒸気と水の間で熱交換を行い復水し回収しても良い。
【0011】
下部筐体10の側面には、下部筐体10を持ち運びするための持ち手部材40が回動自在に連結されており、下部筐体10の持ち運びを楽にできるようになっている。なお、持ち手部材40に代えて、下部筐体10の左右側面に、指先を挿入できる凹状の把持部を設けるようにしてもよい。
【0012】
下部筐体10は、下部筐体10の上部の開口に着脱自在に収容される内鍋11と、内鍋11の底部に配置され、内鍋11を電磁誘導加熱する加熱手段としての誘導加熱コイル12と、内鍋11の底部中央部に配置され、内鍋11の温度を検出する温度検出手段13と、温度検出手段13の温度検出信号に基づいて誘導加熱コイル12への供給電力を制御するなど、炊飯器全体を制御する制御装置14とを備えている。
【0013】
上部蓋20は、下部筐体10の後方側に設けたヒンジ部50によって下部筐体10と接続され、このヒンジ部50を支点として上部蓋20の前方側が上下方向に移動するようになっている。そして、上部蓋20の前方側が下部筐体10に対して係脱自在にロックされる。このロックを解除するには、上部蓋20の前面に設けられているロック解除ボタン21を押し込むことにより解除する。なお、上部蓋20は、下部筐体10から取り外せるようになっていてもよく、ヒンジ部50で固定されていてもよい。
【0014】
上部蓋20の上面には、炊飯器の設定状況や運転状態等を表示するLED(light−emitting diode:発光ダイオード)や、液晶ディスプレイ、蛍光管、エレクトロルミネセンス、プラズマディスプレイ等で構成された表示部22と、炊飯スイッチや予約スイッチ等の各種操作スイッチで構成され、ユーザからの指示を受け付ける操作部23とが設けられている。なお、表示部22と操作部23とを一体的に構成して操作表示部としてもよい。
【0015】
また、上部蓋20は、調理時に内鍋11の上部開口を閉塞する内蓋24と、内鍋11内で発生した蒸気が通過する上部蓋側蒸気導管26とを内部に着脱自在に保持している。内蓋24は、下部筐体10の上面に蓋パッキン25を介して密着する構成となっており、上部蓋20と下部筐体10の上面との間から蒸気が外部に漏れないようになっている。上部蓋側蒸気導管26は、内鍋11内で発生した蒸気を下部筐体10へ導くもので、一端は内蓋24に開口し、他端は上部蓋20の下部筐体10との対向面に開口している。
【0016】
下部筐体10は、上部蓋20が閉じた状態で上部蓋側蒸気導管26と連通する下部筐体側蒸気導管15を内部に備えている。下部筐体側蒸気導管15の一端は、上部蓋側蒸気導管26の開口26aと対向する位置で開口し、他端は、下部筐体10の側面(ここでは、特に前面としている)で開口している。下部筐体側蒸気導管15の一端側の開口の周囲にはシール部材としてのパッキン16が固定されており、上部蓋20が閉じられると、上部蓋側蒸気導管26の開口26aとパッキン16を介して密着し、上部蓋20と下部筐体10との間から蒸気が外部に漏れないようになっている。なお、パッキン16は、この例では下部筐体側蒸気導管15の開口周囲に設けているが、上部蓋側蒸気導管26の開口26aの周囲に設けても良く、また、両方に設けても良い。要は、上部蓋側蒸気導管26と下部筐体側蒸気導管15との接続部分に設けられ、両者を気密にシールできるように配置されていれば良い。ここで、下部筐体側蒸気導管15において、水槽30と連結する側の開口(他端側開口)を、以下では蒸気排出口15a(図3参照)という。
【0017】
水槽30は、下部筐体10全体を着脱自在に載置し、水平方向に延びる水平部31と、水平部31の一端部から垂直方向に延びる垂直部32とを備えた構成となっており、水平部31と垂直部32の内部は、互いに連通する空間部を形成しており、その空間部に冷却水が貯留される。ここで、本発明は、水槽30の容量を大きくしたことに一つの特徴を有するものであり、下部筐体10全体を載置可能な大きさに構成したことによって、十分な水量を貯留することが可能となっている。
【0018】
また、水槽30は、下部筐体10から排出される蒸気を受け入れて水中内に流入させる水槽側蒸気導管33を内部に備えている。本発明のベース部は、水槽30と水槽側蒸気導管33とを備えた構成を有している。水槽側蒸気導管33の一端は、垂直部32の下部筐体10側の側面に開口(以下、この開口を蒸気供給口33a(図3参照)という)している。この蒸気供給口33aは、下部筐体10が水槽30の水平部31上の所定の位置に載置された状態で、下部筐体10の蒸気排出口15aに対向する位置に配置されている。これにより、水槽30上の所定の位置に下部筐体10を載置すると、下部筐体10側の蒸気排出口15aと、水槽30側の蒸気供給口33aとが連通する。また、水槽側蒸気導管33の蒸気供給口33aの周囲には、シール部材としてのパッキン34が固定されている。パッキン34は、この例では水槽側蒸気導管33の開口(蒸気供給口33a)周囲に設けているが、下部筐体側蒸気導管15の開口(蒸気排出口15a)の周囲に設けても良く、また、両方に設けても良い。要は、水槽側蒸気導管33と下部筐体側蒸気導管15との接続部分に設けられ、両者を気密にシールできるように配置されていれば良い。
【0019】
水槽30の水平部31は、下部筐体10を水平部31上の所定の位置に着脱自在にロックするためのロック機構60を備えている。ロック機構60の構造は特に限定するものではないが、本例では、水平部31に対して立設された昇降部材61と昇降部材61を上方に弾性付勢する弾性部材(図示せず)と、昇降部材61を弾性力に抗して昇降可能に支持するレバー62とを備えた構成としている。ロック機構60の昇降部材61は、図3に示すように下部筐体10が所定の位置に装着される前の状態において下部筐体10の底面によって下方に押し込められており、図3の矢印方向に下部筐体10が移動して下部筐体10が所定位置に到達すると、下方に押し込められていた昇降部材61が上昇し、昇降部材61の一部が下部筐体10の背面に設けた切り欠き部63に係合して下部筐体10の位置をロックするようになっている。
【0020】
また、下部筐体10が水槽30の垂直部32を押圧し、下部筐体側蒸気導管15と水槽側蒸気導管33とがパッキン34を介して密着した状態でロックが掛かるようになっており、下部筐体10と水槽30との間から蒸気が外部に漏れないようになっている。なお、下部筐体10を横方向に移動させ、パッキン34をその設置面に垂直な方向から押圧するようにしているため、十分なシール性が発揮されている。
【0021】
また、水槽30の内部には、水槽30内の水位を検出する水位検出手段70が設けられている。水位検出手段70の検出信号は制御装置14に出力され、制御装置14は、水位検出手段70からの水位検出信号に基づいて、例えば、水量が所定量よりも少なかったり、逆に水量が多くて溢れるなどを判断し、その旨を外部に報知させる。この報知は、表示部22から表示により行うようにしてもよいし、別途ブザー等を設けて報知するようにしてもよい。
【0022】
また、水槽30の内部には、更に、水槽30と下部筐体10との着脱の有無を検出する着脱検出手段(図示せず)が設けられている。着脱検出手段の検出信号も水位検出手段の検出信号と同様に、下部筐体10側に設けた制御装置14に出力され、制御装置14は、着脱検出手段からの検出信号に基づいて、検出信号に応じた処理を行う。具体的には、水槽30に下部筐体10が装着されている場合には、通常の加熱制御を行い、装着されていない場合には、蒸気や吹きこぼれを少なくするように火力を落として炊飯するなど、通常の加熱制御とは別の制御に変更する。着脱検出手段は、例えば、ロック機構60の動作で下部筐体10が水槽30に対して装着又は取り外しされたことを検出し、オン信号又はオフ信号を出力するタッチセンサー等で構成される。
【0023】
このように構成された炊飯器では、まず、水槽30内に水を入れ、続いて内鍋11内に米などの被加熱物を入れた下部筐体10を水槽30上の所定の位置に載置してロック機構60でその位置をロックする。そして、下部筐体10の操作部23を操作して加熱調理の開始を指示する。これにより、誘導加熱コイル12により内鍋11が加熱され、内鍋11内の被加熱物に含まれる水が沸騰して蒸気が発生する。
【0024】
そして、蒸気量が少ない間は、上部蓋側蒸気導管26の中で蒸気は結露し、内鍋11内へ戻るが、沸騰が激しくなって蒸気量が増すと、内鍋11の中は大気圧よりも圧力が上昇する。すると、内鍋11内で発生した蒸気は、その圧力により押し出されて上部蓋側蒸気導管26から、下部筐体10内の下部筐体側蒸気導管15を介して水槽30の水槽側蒸気導管33に流入する。
【0025】
そして、水槽側蒸気導管33に流入した蒸気は、水槽側蒸気導管33の下端開口から水中へと噴き出され、水と接触して冷却され、水に戻る。
【0026】
このようにして蒸気が処理されることにより、炊飯器1から発生した蒸気が外部に漏れないようになっている。
【0027】
ここで、水槽30内の水温は、蒸気を復水していく過程で徐々に上昇するが、本例の水槽30は、下部筐体10全体を載置できる大きさを有しているため、十分な水量を貯留しておくことができる。このため、蒸気を長期間に渡って安定的に復水することが可能である。
【0028】
また、水槽30内に流れ込んだ蒸気は水槽30内で水に戻るため、調理が進むと次第に水槽30中の水量が増し、水位が徐々に高くなっていく。本例の水槽30は、上述したように十分な水量を貯留可能であるため、貯留量が少ない水槽を用いる場合に比べて水槽が満杯になるまでの時間を長期間化することができる。よって、蒸気を長期間に渡って安定的に復水することが可能である。また、水の廃棄回数を低減することが可能となり、使い勝手がよい。
【0029】
そして、調理が終了すると、必要に応じて炊飯器本体(下部筐体10及び上部蓋20)を食卓等に持ち運ぶべく、ロック機構60によるロックを外す。これにより、下部筐体10と水槽30とが切り離され、炊飯器本体(下部筐体10及び上部蓋20)だけを持ち運ぶことが可能となる。したがって、下部筐体10内に水槽30を内蔵した炊飯器に比べて、下部筐体10が軽く、持ち運びが楽である。また、誘導加熱コイル12を水槽30側に設けるようにすれば、下部筐体10の更なる軽量化が可能である。
【0030】
また、下部筐体10と水槽30との接続に、チューブのような別部品を用いず、単に、下部筐体10を水槽30上の所定の位置に載置するだけで下部筐体10と水槽30との蒸気通過部分が連通する構成としているため、下部筐体10と水槽30との着脱が容易である。
【0031】
また、水槽30全体を透明部材で形成した場合には、現在の水位を把握しやすく、また、汚れの付着状態も確認しやすく、メンテナンスが容易となる。
【0032】
実施の形態2.
実施の形態2の炊飯器は、下部筐体10の外部に水槽を別体として設ける点に関しては実施の形態1と同様であるが、実施の形態1とはまた別の構成例を示すものである。
【0033】
図4は、実施の形態2の炊飯器の斜視図である。図5は、図4の炊飯器の概略縦断面図である。図6は、図4の炊飯器の装着動作の説明図である。図4〜図6において図1及び図2と同一部分には同一符号を付す。実施の形態2の炊飯器は、実施の形態1と水槽部分の構成が異なる以外は略同様であり、以下では、実施の形態2が実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態2の炊飯器100は、実施の形態1と同様の下部筐体10及び上部蓋20と、実施の形態2特有の水槽ユニット130とを備えている。水槽ユニット130は、下部筐体10を着脱自在に載置するベース部110と、ベース部110上において下部筐体10とは別の領域(水槽載置領域)に着脱自在に載置される水槽120とを備えている。
【0034】
ベース部110は、その内部に、下部筐体10の下部筐体側蒸気導管15から排出された蒸気を水槽120に導くベース部側蒸気導管113を備えている。ベース部側蒸気導管113の一端は、ベース部110上の所定位置に下部筐体10が載置された状態で、下部筐体10の蒸気排出口15aに対向する位置に開口(以下、蒸気供給口113a(図6参照)という)しており、その周囲にはシール部材としてのパッキン141が配置されている。また、ベース部側蒸気導管113の他端は、ベース部110上の水槽載置領域内に開口(以下、蒸気排出口113bという)しており、その周囲にもシール部材としてのパッキン142が配置されている。
【0035】
水槽120は、その下面に、蒸気排出口113に対向して蒸気供給口120aが形成されており、蒸気供給口120aには、蒸気供給口120aから上方に延びる水槽側蒸気導管121が接続されている。また、水槽側蒸気導管121には、水槽120内の水を外部に排出させない逆流防止弁122が設けられている。
【0036】
このように構成された水槽ユニット130に下部筐体10を装着する場合には、実施の形態1と同様に、下部筐体10をベース部110の水平部111上を水平方向(図6矢印A方向)に移動させてベース部110の垂直部112に押圧する。下部筐体10が所定の位置に到達すると、その位置でロック機構60によりロックが掛かり、この状態においてパッキン141が押圧され、下部筐体側蒸気導管15とベース部側蒸気導管113とが気密にシールされた状態で連通する。また、ベース部110の上面には、水槽載置用の台座部114が形成されており、この台座部114に矢印B方向から水槽120が載置される。これにより、水槽120の自重によりパッキン142が押圧され、水槽120とベース部110との接続部分が気密にシールされると共に、水槽側蒸気導管121とベース部側蒸気導管113とが連通する。
【0037】
このように構成された実施の形態2の炊飯器100では、実施の形態1と略同様の蒸気回収動作が行われるようになっており、内鍋11内から発生した蒸気は、上部蓋側蒸気導管26、下部筐体側蒸気導管15、ベース部側蒸気導管113及び水槽側蒸気導管121を介して水槽120に流入し、水槽120内の水と接触して冷却され、水に戻る。
【0038】
実施の形態2は、このように構成したことにより、実施の形態1と同様の作用効果が得られると共に、水槽120をベース部110上に着脱自在に載置した構成としたため、実施の形態1に比べて水槽120の着脱が容易である。従って、水槽120内の水の廃棄が楽で、使い勝手が良い。
【0039】
また、水槽120を下部筐体10と離間して配置しているため、内鍋11や誘導加熱コイル12の熱が水槽120に伝達されるのを低減でき、水槽120を下部筐体10に近接して配置した場合に比べて、水槽120の温度上昇を防止できる。
【0040】
実施の形態3.
実施の形態3の炊飯器200は、下部筐体10の更なる軽量化を図るようにしたものである。
【0041】
図7は、実施の形態3の炊飯器の概略縦断面図である。図8は、図7の下部筐体のベース部への装着動作の説明図である。図7及び図8において図1及び図2と同一部分には同一符号を付す。
実施の形態3の炊飯器200は、下部筐体10内に設けていた誘導加熱コイル12を、内鍋11の温度を検出する温度検出手段13とともにベース部110側に設けるようにしたものである。
【0042】
このように構成したことにより、実施の形態1及び実施の形態2の同様の作用効果が得られるとともに、誘導加熱コイル12と温度検出手段13の重量の分だけ、実施の形態1及び実施の形態2に比べて更に下部筐体10の軽量化を図ることが可能となる。
【0043】
また、誘導加熱コイル12と温度検出手段13をベース部110側に設けることに伴い、誘導加熱コイル12に電源を供給する制御を行う制御装置14や、電源コード(図示せず)もベース部110に配置することが可能となるため、更に軽量化を図ることが可能となる。
【0044】
なお、上記実施の形態1及び実施の形態2では、下部筐体10の蒸気排出口15aを下部筐体10の側面(前面)に設けた例を示したが、図7に示すように下部筐体10の下面に設けても良い。この場合、図7に示すようにベース部110を、垂直部112を省略して水平部111のみで構成し、水平部111の上面に蒸気供給口113aを設ける。この構成の場合、図8の矢印に示すように上方から下方に下部筐体10を移動させ、パッキン141を上から押圧した状態でベース部110上の所定の位置に下部筐体10を載置し、ロック機構210でその位置をロックする。この場合も、パッキン141は、その設置面に垂直な方向から押圧されるため、十分なシール性が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態1の炊飯器の斜視図である。
【図2】図1の炊飯器の概略縦断面図である。
【図3】図1の下部筐体を水槽に装着する場合の説明図である。
【図4】実施の形態2の炊飯器の斜視図である。
【図5】図4の炊飯器の概略縦断面図である。
【図6】図4の下部筐体のベース部への装着動作の説明図である。
【図7】実施の形態3の炊飯器の概略縦断面図である。
【図8】図7の下部筐体のベース部への装着動作の説明図である。
【符号の説明】
【0046】
1 炊飯器、10 下部筐体、11 内鍋、12 誘導加熱コイル、13 温度検出手段、14 制御装置、15 下部筐体側蒸気導管、15a 蒸気排出口、16 パッキン、20 上部蓋、21 ロック解除ボタン、22 表示部、23 操作部、24 内蓋、25 蓋パッキン、26 上部蓋側蒸気導管、26a 開口、30 水槽、31 水平部、32 垂直部、33 水槽側蒸気導管、33a 蒸気供給口、34 パッキン、40 手部材、50 ヒンジ部、60 ロック機構、61 昇降部材、62 レバー、63 切り欠き部、70 水位検出手段、100 炊飯器、110 ベース部、111 水平部、112 垂直部、113 ベース部側蒸気導管、113a 蒸気供給口、113b 蒸気排出口、114 台座部、120 水槽、120a 蒸気供給口、121 水槽側蒸気導管、122 逆流防止弁、130 水槽ユニット、141 パッキン、142 パッキン、200 炊飯器、210 ロック機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を収納する内鍋と、
該被加熱物を加熱する加熱手段と、
前記内鍋が着脱自在に収容された下部筐体と、
該下部筐体の上面を開閉自在に覆う上部蓋と、
前記被加熱物から生じる蒸気を前記内鍋内から誘導する第一蒸気導管と、
前記下部筐体を着脱自在に載置するベース部と、を備え、
前記ベース部は、
内部に水を貯留して該水を用いて蒸気を復水し回収する水槽と、
前記第一蒸気導管から排出される蒸気を該水槽内部に貯留する水へ誘導する第二蒸気導管とで構成されていることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記第一蒸気導管は、
前記上部蓋を開放したときに、
前記上部蓋に設けられた上部蓋側蒸気導管と、前記下部筐体に設けられた下部筐体側蒸気導管とに分離することを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記水槽は、前記ベース部と着脱自在に設置され、
前記第二蒸気導管は、前記水槽を着脱するときに、前記水槽内に設けられた水槽側蒸気導管と、前記ベース部に設けられたベース部側蒸気導管とに分離することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記加熱手段は、前記ベース部に設置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記水槽側蒸気導管には逆流防止弁が設けられていることを特徴とする請求項3記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記下部筐体側蒸気導管と前記ベース部側蒸気導管との接続部分に、該接続部分をシールするためのシール部材を設けたことを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記ベース部側蒸気導管と前記水槽側蒸気導管との接続部分に、該接続部分をシールするためのシール部材を設けたことを特徴とする請求項3乃至請求項6の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記下部筐体を前記ベース部上の所定の位置に着脱自在にロックするロック機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記下部筐体と前記ベース部との着脱の有無を検出する着脱検出手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記着脱検出手段により前記下部筐体と前記ベース部とが装着されていないことが検出されたとき、前記加熱手段の加熱制御を通常制御から別の制御に変更するようにしたことを特徴とする請求項9記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記別の制御として、前記加熱手段による加熱量を前記通常制御の場合よりも低減する制御を行うことを特徴とする請求項10記載の加熱調理器。
【請求項12】
前記着脱検出手段の検出結果を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項9乃至請求項11の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項13】
前記下部筐体側蒸気導管の蒸気排出側の一端開口を、前記下部筐体の前面に配置したことを特徴とする請求項2乃至請求項12の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項14】
前記下部筐体に、前記下部筐体を持ち運びするための持ち手部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項15】
前記下部筐体の側面に、指先を差し入れ可能な凹みを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れかに記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−75272(P2010−75272A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244400(P2008−244400)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】