説明

加熱調理器

【課題】グリル庫内の被調理物の重量を求めることができる加熱調理器を得る。
【解決手段】調理容器10が載置されるトッププレート2を有する本体1と、本体1に設けられ、被調理物32を出し入れ可能に前面が開口したグリル庫17と、グリル庫17内に設けられ、被調理物32を加熱するグリル加熱手段と、複数の重量センサ5を有し、本体1の重量を検出する重量検知手段と、グリル加熱手段を制御する制御手段とを備え、重量検知手段の検出値の変化に基づき、グリル庫17内の被調理物32の重量を求め、該被調理物32の重量に応じて、グリル加熱手段による加熱時間、加熱電力、および加熱パターンの少なくとも1つを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術では、被加熱物を載置するトッププレートの重量を検出する複数(3個もしくは4個)の重量検出手段を本体ケースとトッププレートとの間に設け、トッププレート上へ設置された被加熱物の重量、載置位置、出来上がりを検知するものがあった(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
また、重量検知を用いない場合は、温度変化から被加熱物の量を推定して加熱制御を行うものがあった(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−073347号公報
【特許文献2】特開2006−253007号公報
【特許文献3】特開平7−301426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1、2に記載の技術では、トッププレートに載置された調理容器(調理物を含む)の重量と、本体に設けられたグリル庫内の被調理物の重量とを識別することができない、という問題点があった。
このため、グリル庫内の被調理物の重量に応じたグリル加熱制御を行うことができない、という問題点があった。
【0006】
上記特許文献3に記載の技術では、グリル庫内温度の変化率から負荷の量を推定して加熱制御を行う。しかし、温度変化率は、被調理物の重量や、グリル庫内の初期温度、投入電力などにより影響を受けるので、負荷量を正しく推定することができず、被調理物が焼けすぎたり、焼き不足による調理の失敗が発生する、という問題点があった。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、グリル庫内の被調理物の重量を求めることができる加熱調理器を得るものである。
また、トッププレートに載置された調理容器の重量とグリル庫内の被調理物の重量とを識別することができる加熱調理器を得るものである。
また、グリル庫内の被調理物の重量に応じた加熱制御を行うことができる加熱調理器を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る加熱調理器は、調理容器が載置されるトッププレートを有する本体と、前記本体に設けられ、被調理物を出し入れ可能に前面が開口したグリル庫と、前記グリル庫内に設けられ、前記被調理物を加熱するグリル加熱手段と、複数の重量センサを有し、前記本体の重量を検出する重量検知手段と、前記グリル加熱手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記重量検知手段の検出値の変化に基づき、前記グリル庫内の前記被調理物の重量を求め、該被調理物の重量に応じて、前記グリル加熱手段による加熱時間、加熱電力、および加熱パターンの少なくとも1つを制御するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、重量検知手段の検出値の変化に基づき、前記被調理物の重量を求め、該被調理物の重量に応じて、前記グリル加熱手段による加熱時間、加熱電力、および加熱パターンの少なくとも1つを制御する。このため、グリル庫内の被調理物の重量を求めることができる。また、グリル庫内の被調理物の重量に応じた加熱制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1に係る誘導加熱調理器を模式的に示す斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る誘導加熱調理器を模式的に示す正面図である。
【図3】実施の形態1に係る誘導加熱調理器を模式的に示す斜視分解図である。
【図4】実施の形態1に係る誘導加熱調理器の設置例を示す図である。
【図5】実施の形態1に係る重量センサ5の構造を模式的に示す断面図である。
【図6】実施の形態1に係る誘導加熱調理器のグリル構造を説明する横断面図である。
【図7】実施の形態1に係る誘導加熱調理器のグリル構造を説明する側断面図である。
【図8】実施の形態1に係る重量検知動作を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1に係る載置位置の計算例を説明する図である。
【図10】実施の形態1に係る載置物の識別判定を説明する図である。
【図11】実施の形態1に係る被調理物32の重量と加熱時間との関係を示す図である。
【図12】実施の形態2に係る誘導加熱調理器のグリル構造を説明する側断面図である。
【図13】実施の形態3に係るグリル扉23の開状態を示す側断面図である。
【図14】実施の形態3に係る載置物の識別判定を説明する図である。
【図15】実施の形態5に係る誘導加熱調理器を模式的に示す斜視分解図である。
【図16】実施の形態5に係る誘導加熱調理器のグリル構造を説明する横断面図である。
【図17】実施の形態6に係る誘導加熱調理器のグリル構造を説明する横断面図である。
【図18】実施の形態6に係る被調理物32の重量と加熱終了までの時間との関係を示す図である。
【図19】実施の形態7に係る冷凍判定しきい値を示す図である。
【図20】実施の形態9に係る誘導加熱調理器を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の加熱調理器を誘導加熱調理器に適用した実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、本発明はこれに限るものではなく、例えばガスを熱源とする加熱調理器でも良いし、電気抵抗体等の加熱体を熱源とする加熱調理器でも良い。
【0012】
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る誘導加熱調理器を模式的に示す斜視図である。
図2は実施の形態1に係る誘導加熱調理器を模式的に示す正面図である。
図3は実施の形態1に係る誘導加熱調理器を模式的に示す斜視分解図である。
図4は実施の形態1に係る誘導加熱調理器の設置例を示す図である。
図1〜図4において、誘導加熱調理器の本体1は、被加熱物9が投入された調理容器10が載置されるトッププレート2と、上縁に沿ってフランジ3が形成された筐体4と、を有し、トッププレート2とフランジ3とが当接している。筐体4の内部には、トッププレート2の直下にトッププレート2上に載置された調理容器10を加熱するための加熱コイル7a、7b、7c(以下、区別しないときは「加熱コイル7」という)と、加熱コイル7を制御する制御手段(図示なし)とが、配置されている。トッププレート2の表面には、本体1内の加熱コイル7が配設される位置を示す目的で円形の設置位置標識20が印刷されている。また、トッププレート2の上部手前側には、調理メニューなどの入力操作や設定火力の状態などの情報を表示する表示部12と、加熱制御に関する操作の入力を行う操作部11とが設けられている。
【0013】
図2および図4に示すように、筐体4はキッチン台6の開口部に挿入され、これを封止するようにフランジ3が開口部の周囲に係止している。そして、重量検知手段を構成する重量センサ5a、5b、5c、5d(以下、まとめてまたはそれぞれを「重量センサ5」という)は、前記開口部の四隅に正対するように配置されている。そのため、フランジ3(本体1に同じ)は、重量センサ5によって支持されている。すなわち、重量センサ5は、本体1をキッチン台6の開口部に設置する際、フランジ3の下面とキッチン台6の棚板との間に挟まれ、本体1全体(トッププレート2や筐体4等を含む)を上方へ予圧支持している。したがって、重量検知機能として作用すると共に、設置が容易であって、本体1がキッチン台から突出しないため、キッチン台の意匠性が担保され、使用勝手も良好である。このとき、重量センサ5は、予めフランジ3に固定しても良いし、あるいは、キッチン台6の開口部の四隅に正対するようにキッチン台に載置したりしても良い。したがって、重量センサ5を配置する自由度が増す。
【0014】
図5は実施の形態1に係る重量センサ5の構造を模式的に示す断面図である。
図5に基づいて、重量センサ5として歪みゲージを用いたものについて、その構造を簡単に説明するが、本発明は、重量検知手段を構成する重量センサ5の構造を以下の一例に限定するものではない。
図5において、トッププレート2の側端面とフランジ3(本体1全体を下面より囲う筐体4に形成されている)の側端面とは、シール部材25によって空隙が封止されている。そして、重量センサ5(歪みセンサに同じ)は、かかる空隙が封止された本体1の全体重量を支えて(上方へ支持して)いる。重量センサ5は、キッチン台6の棚板に当接するゴムなどの弾性を持った弾性脚30を有し、脚底面全体で圧力を受けている。
【0015】
したがって、重量センサ5の上部に荷重を与えた場合には、重量センサ5の上部に設けられた荷重受け部31が下方に押し下げられ、弾性変形する起歪体26が歪む。そうすると、起歪体26に生じた歪みにより、起歪体26の下面に添付されている歪みゲージ28の電気抵抗値が変化し、歪みゲージ28より出力される電流値が変化するから、かかる電流値の変化を「荷重(重量に相当する)」に変換した出力信号が、基板29から出力される。また、重量センサ5の上面に与えられる荷重が軽減した(荷重を撤去した)場合、荷重受け部31が基準位置に戻って起歪体26の歪みが少なくなる(無くなる)ように、板バネ27が荷重受け部31を押し上げている。
【0016】
本体1をキッチン台6へ設置した後、本体1に物体を何ら載置することなく、また、トッププレート2を押し下げたり反対に持ち上げたりしないで、所定の時間が経過すると、重量センサ5a〜5dからの出力信号は安定する。すなわち、重量センサ5a〜5dから出力された出力信号(荷重に相当する)を、本体1の内部に設けた制御手段(図示しない)において総和をとる(合計する)と、かかる総和が、本体1の全重量であるから、かかる重量が、本体1の重量の初期値である「ゼロ点」として、本体1の内部に設けられた記憶部(図示しない)に記憶させる。そして、後述する動作により、前記「ゼロ点」を基準にして、本体1の重量が増加した場合、重量センサ5a〜5dの出力信号の変化量に基づいて、トッププレート2上の調理容器10の重量、および、後述するグリル庫17内の被調理物の重量の少なくとも一方の重量を求めることが可能となる。つまり、本実施の形態1では、本体1全体を筐体4のフランジ3の下部に重量センサ5を備え、上方へ予圧支持しているため、本体1の内部の下部に具備しているグリル庫17内の重量も検知することが可能である。詳細は後述する。
【0017】
図6は実施の形態1に係る誘導加熱調理器のグリル構造を説明する横断面図である。
図7は実施の形態1に係る誘導加熱調理器のグリル構造を説明する側断面図である。
図1〜図3、図6および図7に示すように、本体1には、魚などの被調理物32を出し入れ可能に前面が開口したグリル庫17が設けられている。グリル庫17の下部には水や油受けとなる受け皿18が備えられ、受け皿18の上部には被調理物32を載置する棚網19が配置されている。この受け皿18および棚網19は、本発明における「グリル皿」を構成する。また、棚網19に載置された被調理物32を加熱するために、グリル庫17の上部には上面ヒーター15、下部には下面ヒーター16などの熱源が備えられている。この上面ヒーター15、下面ヒーター16は例えばシーズヒーター等からなり、本発明における「グリル加熱手段」を構成する。また、グリル庫17の両側面には、受け皿18をグリル庫17内に出し入れ可能に支持するガイドレール14が設けられており、受け皿18はガイドレール14上に設置され、使用者が被調理物32を取り出し易くなっている。また、グリル庫17の前面にはグリル扉23が設けられ、グリル扉23にはグリル庫17の内部を視認出来るよう視認窓24が設けられている。また、グリル扉23の最前面には使い勝手の良いようにグリル把持部22が設けられている。また、グリル庫17の内部において加熱時に排出される煙等の排気風は、本体1の奥部に設けた排気口13より排気される。
【0018】
以上のような構成により、制御手段は、重量センサ5の検出値の変化に基づき、グリル庫17内の被調理物32の重量を求める。そして、被調理物32の重量に応じて、グリル加熱制御における加熱時間、加熱電力、および加熱パターンの少なくとも1つを制御する。以下、本実施の形態1の動作を、重量検知動作とグリル加熱制御動作とに分けて図を用いて説明する。
【0019】
(重量検知動作)
図8は実施の形態1に係る重量検知動作を示すフローチャートである。
以下、図8の各ステップについて説明する。
【0020】
(S101)
まず、制御手段は、各重量センサ5の検出値を読み込む。
【0021】
(S102)
制御手段は、読み込んだ検出値に変動があるか否かを判断する。この変動は、上述した本体1の重量の初期値である「ゼロ点」を基準にして、各重量センサ5の合計値が、ゼロ点より増加したか否かにより判断する。
検出値に変動がないと判断した場合は、上記ステップS101へ戻り、検出値の読み込みを繰り返す。
【0022】
ここで、例えばトッププレート2上に被加熱物9が投入された調理容器10が載置された場合、または、グリル庫17内に被調理物32が載置された場合、これら何れか一方(以下「載置物50」という)の重量により、本体1の重量は増加する。これにより、制御手段は、検出値に変動があると判断してステップS103に進む。
【0023】
(S103)
制御手段は、複数の重量センサ5の本体1に対する相対位置と、各重量センサ5の検出値とに基づき、変化した重量(載置物50の重量)の重心位置を算出する。
この重心位置の算出例について図9により説明する。
【0024】
図9は実施の形態1に係る載置位置の計算例を説明する図である。
図9において水平方向をX軸方向、上下方向をY軸方向として、重量センサ5aは原点(0、0)に、正面から奥行方向へ設置している重量センサ5bは位置B(0、Yb)に、重量センサ5aより幅方向に設置している重量センサ5cは位置C(Xc、0)に、重量センサ5aに対して対角の位置に設置している重量センサ5dは位置D(Xc、Yb)に、それぞれ配置されているものとする。
また、図9において、Ma、Mb、Mc、Mdは、それぞれ重量センサ5a、5b、5c、5dの検出値の変化量から求めた検知重量(増加分)である。
【0025】
載置物50の重量Mは、各重量センサ5から検出された重量の変化量の合計となるので、以下の式により求めることができる。
載置物50の総重量:M=Ma+Mb+Mc+Md …(式1)
【0026】
このとき、載置物50の重心位置W1(X1、Y1)での軸回りモーメントは、以下となる。
載置物50のY軸回りのモーメント:X1・M=Xc・Mc+Xc・Md …(式2)
載置物50のX軸回りのモーメント:Y1・M=Yb・Mb+Yb・Md …(式3)
【0027】
したがって、上記(式2)、(式3)より、載置物50の重心位置W1(X1,Y1)は、以下により求めることができる。
載置物50の幅方向位置 :X1=Xc・(Mc+Md)/M ・・・(式4)
載置物50の奥行方向位置:Y1=Yb・(Mb+Md)/M ・・・(式5)
【0028】
以上の(式1)〜(式5)より、載置物50の総重量Mと、重心位置W1とが算出できる。なお、(式1)〜(式5)における単位系は、出力(重量)が[g]、位置を示す距離が[mm]であるが、本発明はこれに限定するものではない。
【0029】
(S104)
次に、制御手段は、載置物50の重心位置に基づいて、載置物50が、トッププレート2上に載置された調理容器10と、グリル庫17内の被調理物32との何れであるかを判定する。本実施の形態では、載置物50の重心位置が、予め設定した、グリル庫17に対応する所定範囲内にあるか否かを判断する。
この所定範囲について、図10により説明する。
【0030】
図10は実施の形態1に係る載置物の識別判定を説明する図である。
図10においては、上記図9と同様に水平方向をX軸方向、上下方向をY軸方向として、重量センサ5aを原点位置にとる。所定範囲100は、例えばグリル庫17に対応する範囲またはグリル庫17より若干狭い範囲に設定する。図10の例では、所定範囲100は、X軸方向をX2〜X3の範囲、Y軸方向を0〜Y3の範囲に設定する。
【0031】
ここで、トッププレート2上の調理容器10は、加熱コイル7に対応してトッププレート2上に表示された設置位置標識20の近傍に載置される。つまり、調理容器10の重心位置は、加熱コイル7a〜7cの中心の周辺位置となる。このため、所定範囲100を、グリル庫17に対応する範囲に設定することで、載置物50がトッププレート2上の設置位置標識20に載置されたものであるか、または、グリル庫17内に載置されたものであるかを識別することが可能となる。なお、ワイドグリルの場合など、グリル庫17の範囲と、設置位置標識20の範囲とが重なる場合であっても、所定範囲100を加熱コイル7の中心およびその近傍を含まないように設定することで、載置物50の識別が可能である。
【0032】
(S105)
上記ステップS104において、変化重量(載置物50の重量)の重心位置が、所定範囲100内であると判断した場合、制御手段は、当該載置物50は、グリル庫17内に載置された被調理物32であると判断し、その総重量Mを、被調理物32の重量とし、重量検知動作を終了する。
【0033】
(S106)
上記ステップS104において、変化重量(載置物50の重量)の重心位置が、所定範囲100内でないと判断した場合、制御手段は、当該載置物50は、トッププレート2上に載置された調理容器10(被加熱物9を含む)であると判断し、その総重量Mを、調理容器10(被加熱物9を含む)の重量とし、この重量をあらたな基準としてS101に戻り重量変化をチェックする。
【0034】
以上の例は、変化重量(載置物50の重量)の重心位置によりトッププレート2上に載置された調理容器10かグリル庫17内に載置された被加熱物32かを判定していたが、設置位置標識20とグリル庫17に対応する範囲が重なっている場合について述べる。
【0035】
変化重量が観測された場合、変化後に使用者により、重なった部分の加熱コイルに対応する駆動(加熱)指令がなされた場合、または、重なった部分の加熱コイルに微弱電流を流し、その電流量や電圧により調理容器10の有無を調べる負荷判定により、調理容器10が有りと判定した場合は、重量変化をトッププレート2上に載置された調理容器10(被加熱物9を含む)であると判断する。また、変化重量が観測された場合、変化後に使用者により、グリル操作がなされた場合は、変化重量をグリル庫17内に載置された被加熱物32かを判定する。
【0036】
(グリル加熱制御)
次に、被調理物32の重量に応じたグリル加熱制御について説明する。
図11は実施の形態1に係る被調理物32の重量と加熱時間との関係を示す図である。
図11(a)は、グリル調理メニューの一例として、魚焼きメニュー選択時の被調理物32の重量と加熱時間との関係を示し、図11(b)は、グリル調理メニューの一例として、あたためメニュー選択時の被調理物32の重量と加熱時間との関係を示している。制御手段には、例えば図11に示すような、調理メニュー毎の被調理物32の重量に対応する加熱時間の情報が、予め記憶されている。なお、図示しない記憶部に当該情報を記憶するようにしても良い。
【0037】
使用者は、例えば魚などの被調理物32をグリル庫17内に載置したあと、操作部11を操作して、グリル加熱制御を開始させる。制御手段は、操作部11から入力されたグリル調理メニューに従い、上面ヒーター15および下面ヒーター16による加熱を開始する。
【0038】
このとき、操作部11により魚焼きメニューが選択された場合、制御手段は、上記重量検知動作により、被調理物32の重量を検知する。そして、グリル庫17に被調理物32があると判定された場合は、その被調理物32の重量に応じて、あらかじめ制御手段内に記憶された図11(a)の魚焼きメニューのグラフを検索し、加熱時間を決定する。一方、操作部11により、あたためメニューが選択された場合、制御手段は、同様に、図11(b)のあたためメニューのグラフを検索し、加熱時間を決定する。そして、制御手段は、上記のように決定した加熱時間だけ、グリル庫17の上面ヒーター15および下面ヒーター16を動作させてグリル庫17内の被調理物32を加熱する。
【0039】
以上のように本実施の形態においては、重量センサ5の検出値の変化に基づき被調理物32の重量を求め、該被調理物32の重量に応じて、グリル加熱制御における加熱時間を制御する。グリル庫17内の被調理物32の重量を求めることができ、グリル庫17内の被調理物32の重量に応じた加熱制御を行うことができる。よって、被調理物32の重量に応じた加熱時間を設定でき、被調理物32が焼けすぎたり、焼き不足による調理の失敗を軽減することができる。
【0040】
また、本体1の重量が変化した場合、複数の重量センサ5の本体1に対する相対位置と、各重量センサ5の検出値とに基づき、変化した重量の重心位置を求め、該重心位置が本体1の所定範囲100内にあるとき、当該変化した重量を、グリル庫17内の被調理物32の重量とする。このため、トッププレート2に載置された調理容器10の重量と、グリル庫17内の被調理物32の重量とを識別することができる。
【0041】
また、重心位置として、本体1における幅方向位置および奥行き方向位置を求め、重心位置が本体1の所定範囲100内にあるとき、当該変化した重量を、グリル庫17内の被調理物32の重量とし、重心位置が本体1の所定範囲100内にないとき、当該変化した重量を、トッププレート2に載置された調理容器10(被加熱物9を含む)の重量とする。このため、トッププレート2に載置された調理容器10の重量と、グリル庫17内の被調理物32の重量とを識別することができる。
【0042】
なお、図11の例では、被調理物32の重量に応じて加熱時間を決定する場合を説明したが、本発明はこれに限るものではなく、被調理物32の重量に応じて、グリル加熱における加熱時間、加熱電力、および加熱パターンの少なくとも1つを制御するようにしても良い。このような制御によっても、上記と同様の効果を奏することができる。
例えば、加熱時間は一定で、上面ヒーター15および下面ヒーター16への投入電力(加熱電力)を変えても、同様の効果が得られる。また、加熱時間、投入電力の両方を変えても良い。また、調理メニューに応じた加熱パターンを制御するようにしても良い。ここで、加熱パターンとは、調理メニューなどにより設定する上面ヒーター15および下面ヒーター16のON/OFFのタイミングや、時間経過に応じた加熱電力の増減などの制御をいう。
【0043】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、載置物50の位置があらかじめ記憶された所定範囲100にある場合は、載置物50がグリル庫17内に被調理物32であると判定した。本実施の形態2では、グリル扉23の開状態の検知から閉状態の検知までの、本体1の重量の変化量を、グリル庫17内の被調理物32の重量として求める形態について説明する。
【0044】
図12は実施の形態2に係る誘導加熱調理器のグリル構造を説明する側断面図である。
図12に示すように、本実施の形態2におけるグリル庫17内には、グリル扉23の開状態および閉状態を検知するスイッチ41が設けられている。このスイッチ41は、ガイドレール14の奥側に配置され、グリル扉23を閉めるとガイドレール14によりスイッチ41が押されてオン状態となり、グリル扉23を開けるとスイッチ41がオフ状態となる。制御手段は、スイッチ41のオン状態またはオフ状態を検知してグリル扉23の開状態と閉状態とを検知する。
なお、その他の構成は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
【0045】
このような構成により、本実施の形態2においては、上記実施の形態1の重量検知動作(図8)に代えて、制御手段は、グリル扉23の開状態を検知した後、グリル扉23の閉状態を検知した場合、グリル扉23の開状態の検知から閉状態の検知までの、本体1の重量の変化量を、グリル庫17内の被調理物32の重量として求める。
以降、被調理物32の重量に応じたグリル加熱制御は、上記実施の形態1の動作(図11)と同様である。
【0046】
以上のように本実施の形態においては、グリル扉23の開状態の検知から閉状態の検知までの、本体1の重量の変化量を、グリル庫17内の被調理物32の重量とする。このため、トッププレート2上の調理容器10(被加熱物9を含む)の位置が、設置位置標識20より外れて置かれた場合でも、グリル庫17内の被調理物32の重量との判定が困難になることは無く、トッププレート2に載置された調理容器10の重量と、グリル庫17内の被調理物32の重量とを識別することができる。
【0047】
実施の形態3.
上記実施の形態1では、載置物50の位置があらかじめ記憶された所定範囲100にある場合は、載置物50がグリル庫17内に被調理物32であると判定した。本実施の形態3では、載置物50の位置が本体1の外にあるとき、載置物50が被調理物32であると判定する。
なお、本実施の形態3の構成は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
以下、上記実施の形態1との動作の相違点を中心に説明する。
【0048】
図13は実施の形態3に係るグリル扉23の開状態を示す側断面図である。
図14は実施の形態3に係る載置物の識別判定を説明する図である。
図13に示すように、グリル庫17内に被調理物32を載置する場合、使用者はグリル扉23のグリル把持部22を握り手前に引き出すことで、ガイドレール14に支持された受け皿18および棚網19(以下、総称して「グリル皿」という)を、本体1の外に引き出す。そして使用者はこの状態でグリル皿上に被調理物32を載置する。このようにグリル皿が本体1外に引き出された状態で、被調理物32が載置されると、載置物50の位置は、例えば図14に示すように、Y軸方向の位置がマイナスとして算出される。
【0049】
本実施の形態3においては、上記実施の形態1の重量検知動作(図8)のステップS104において、載置物50の重心位置が所定範囲100内である場合、または、載置物50の重心位置が本体1外である場合には、載置物50が被調理物32であるとしてステップS105に進む。また、載置物50の重心位置が所定範囲100外であって、かつ、載置物50の重心位置が本体1内である場合には、載置物50が調理容器10であるとしてステップS106に進む。その他の動作は上記実施の形態1(図8)と同様である。
また、被調理物32の重量に応じたグリル加熱制御も、上記実施の形態1の動作(図11)と同様である。
【0050】
以上のように本実施の形態においては、重心位置が本体1外にあるとき、当該変化した重量を、グリル皿に載置された被調理物32の重量とする。このため、トッププレート2上の調理容器10(被加熱物9を含む)の位置が、設置位置標識20より外れて置かれた場合でも、グリル庫17内の被調理物32の重量との判定が困難になることは無く、グリル庫17内の被調理物32の重量を得ることができる。
また、グリル庫17内にスイッチ41を設ける必要が無いので、コストの安い加熱調理器を提供できる。
【0051】
実施の形態4.
本実施の形態4では、操作部11からの操作指示により、変化した重量をグリル庫17内の被調理物32の重量として得る形態について説明する。
なお、本実施の形態4の構成は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
以下、上記実施の形態1との動作の相違点を中心に説明する。
【0052】
本実施の形態4においては、上記実施の形態1の重量検知動作(図8)のステップS103において、(式1)により載置物50の総重量Mのみを求める。
そして、ステップS104の動作に代え、制御手段は、操作部11からグリル加熱の加熱指示の操作の有無を判断する。そして、使用者により操作部11が操作されグリル加熱が指示された場合、当該加熱指示の操作の直前における本体1の重量の変化量(載置物50の総重量M)を、グリル庫17内の被調理物32の重量とする。なお、加熱コイル7に関する操作指示がされた場合、載置物50の重量をトッププレート2上の調理容器10(被加熱物9を含む)の重量としても良い。その他の動作は上記実施の形態1(図8)と同様である。
また、被調理物32の重量に応じたグリル加熱制御も、上記実施の形態1の動作(図11)と同様である。
【0053】
以上のように本実施の形態においては、本体1の重量が変化した後、グリル加熱の加熱指示の操作がされたとき、当該加熱指示の操作の直前における本体1の重量の変化量を、グリル庫17内の被調理物の重量とする。このため、トッププレート2上の調理容器10(被加熱物9を含む)の位置が、設置位置標識20より外れて置かれた場合でも、グリル庫17内の被調理物32の重量との判定が困難になることは無く、グリル庫17内の被調理物32の重量を得ることができる。
また、グリル庫17内にスイッチ41を設ける必要が無いので、コストの安い加熱調理器を提供できる。
【0054】
実施の形態5.
本実施の形態5では、グリル加熱手段として、複数の加熱部を、グリル庫17内の上方および下方の少なくとも一方に設け、グリル庫17内の被調理物32の位置に応じた加熱制御を行う形態について説明する。
【0055】
図15は実施の形態5に係る誘導加熱調理器を模式的に示す斜視分解図である。
図16は実施の形態5に係る誘導加熱調理器のグリル構造を説明する横断面図である。
図15および図16に示すように、本実施の形態5においては、グリル庫17内の上部には、加熱部としての上面ヒーター15aと、上面ヒーター15bとが、幅方向に並んで配置されている。また、グリル庫17内の下部には、加熱部としての下面ヒーター16aと、下面ヒーター16bとが、幅方向に並んで配置されている。上面ヒーター15a、15b、下面ヒーター16a、16b(以下、総称して「各ヒーター」ともいう)は、それぞれ例えばシーズヒーター等からなり、本発明における「グリル加熱手段」を構成する。制御手段は、上面ヒーター15a、15b、下面ヒーター16a、16bをそれぞれ独立して制御可能である。なお、本実施の形態5では、上面と下面とにそれぞれ2つのヒーターを設ける場合を説明するが、本発明はこれに限るものではなく、上面または下面の何れか一方だけでも良いし、2つ以上設けても良い。
なお、その他の構成は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
また、本実施の形態5においては、上記実施の形態1の重量検知動作(図8)と同様に、グリル庫17内の被調理物32の重心位置とその重量とを求める。
【0056】
(グリル加熱制御)
本実施の形態5における制御手段は、被調理物32の重心位置と、各ヒーターとの相対位置に基づき、各ヒーターの加熱時間、加熱電力、および加熱パターンの少なくとも1つを制御し、被調理物32に近いヒーターの加熱量が、被調理物32に遠いヒーターの加熱量より大きくする。
例えば、制御手段は、各ヒーターの座標位置の情報を予め記憶し、上記重量検知動作(図8)で求めた被調理物32の重心位置の座標と比較することで、各ヒーターと被調理物32との位置関係を得る。
図16に示す例では、被調理物32の位置が、上面ヒーター15b、下面ヒーター16bの方向に偏って置かれていると判定する。この場合は、上面ヒーター15a、下面ヒーター16aの投入電力は、上面ヒーター15b、下面ヒーター16bに対して少なくするか、または停止する。これにより、被調理物32に近いヒーターの加熱量が、被調理物32に遠いヒーターの加熱量より大きくすることができる。
【0057】
以上のように本実施の形態においては、被調理物32に近いヒーターの加熱量が、被調理物32に遠いヒーターの加熱量より大きくする。このため、被調理物32の加熱に関与しない無駄な電力を削減でき、省エネルギー性を向上することができる。
【0058】
実施の形態6.
上記実施の形態1〜5では、被調理物32の重量に応じて加熱時間を設定する形態について説明した。本実施の形態6では、グリル庫17内の温度と被調理物32の重量とに応じて、グリル加熱制御を行う形態について説明する。
【0059】
図17は実施の形態6に係る誘導加熱調理器のグリル構造を説明する横断面図である。
図17に示すように、本実施の形態6におけるグリル庫17には、グリル庫17内の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ33を設けている。制御手段は、温度センサ33の検知信号を取得する。
【0060】
図18は実施の形態6に係る被調理物32の重量と加熱終了までの時間との関係を示す図である。
図18(a)は、グリル調理メニューの一例として、魚焼きメニュー選択時の被調理物32の重量と加熱終了までの時間との関係を示し、図18(b)は、グリル調理メニューの一例として、あたためメニュー選択時の被調理物32の重量と加熱終了までの時間との関係を示している。制御手段には、例えば図18に示すような、調理メニュー毎の被調理物32の重量に対応する加熱終了までの時間の情報が、予め記憶されている。
なお、その他の構成は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。また、本実施の形態6においては、上記実施の形態1〜4の何れかの動作により、グリル庫17内の被調理物32の重量を求める。
【0061】
(グリル加熱制御)
本実施の形態6における制御手段は、操作部11によりグリル加熱に関する操作がされると、上面ヒーター15および下面ヒーター16による加熱を開始する。次に、制御手段は、温度センサ33によりグリル庫17内の温度が所定の温度に達するか否かを判断する。グリル庫17内の温度が所定温度(例えば300度)に到達すると、例えば図18のように予め記憶したグラフを参照し、調理メニューと被調理物32の重量に応じて加熱終了までの時間を決定する。そして、制御手段は、上記のように決定した加熱終了までの時間を経過すると、グリル庫17の上面ヒーター15および下面ヒーター16を停止させて、グリル庫17内の加熱を終了する。
【0062】
グリル庫17内の加熱を開始してから、庫内温度が所定値に達するまでは、上面ヒーター15および下面ヒーター16による熱は、主に庫内雰囲気温度を上げるために費やされて、被加熱物の調理には寄与していない。本実施の形態6では、グリル庫17内の温度が調理に寄与する温度に達してから、被調理物32の重量に応じて加熱終了までの時間を決定するので、より最適な調理が行え、加熱不足や加熱しすぎが防止できる。
【0063】
実施の形態7.
本実施の形態7では、被調理物32が冷凍状態である場合には、グリル庫17内の加熱量を増加させる制御を行う形態について説明する。
【0064】
図19は実施の形態7に係る冷凍判定しきい値を示す図である。
制御手段には、例えば図19に示すような、被調理物32の重量に対応するグリル内温度上昇率の冷凍判定しきい値の情報が、予め記憶されている。また、制御手段には、被調理物32が冷凍状態であるか否かを判断する所定の判定温度が、予め設定されている。
なお、その他の構成は、上記実施の形態6と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。また、本実施の形態7においては、上記実施の形態1〜4の何れかの動作により、グリル庫17内の被調理物32の重量を求める。
【0065】
(グリル加熱制御)
本実施の形態7における制御手段は、操作部11によりグリル加熱に関する操作がされると、温度センサ33により、加熱開始時のグリル庫17内の温度、または、加熱開始から所定時間経過までの単位時間当たりの温度上昇値を測定する。制御手段は、加熱開始時のグリル庫17内の温度が所定の判定温度以下の場合、または、図19のように予め記憶したグラフを参照し、単位時間当たりの温度上昇値が冷凍判定しきい値以下の場合、被調理物32が冷凍状態(冷凍食材)であると判断する。そして、冷凍状態であると判断したときの上面ヒーター15および下面ヒーター16の加熱量を、冷凍状態でないときの加熱量より増加させる。例えば、冷凍食材であると判定した場合は、重量に応じて加熱時間または投入電力積算値を増加させる。
【0066】
このように、冷凍食材であると判定した場合は、加熱量を増加させるので、被調理物32の加熱不足を防止でき、最適な調理を行うことができる。
【0067】
実施の形態8.
本実施の形態8では、被調理物32のカロリーを求めてカロリー値の情報を表示する形態について説明する。
【0068】
本実施の形態8における制御手段は、操作部11で選択できる調理メニュー毎に、単位重量当たりの標準カロリー値の情報が、予め記憶されている。なお、図示しない記憶部に当該情報を記憶するようにしても良い。
なお、その他の構成は、上記実施の形態1〜7の何れかと同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
【0069】
制御手段は、上記実施の形態1〜7の何れかの動作により、グリル庫17内の被調理物32の重量を求める。そして、操作部11から入力されたグリル調理メニューに従い、予め記憶した単位重量当たりの標準カロリー値の情報を参照し、標準カロリー値と被調理物32の重量とを乗算することで、被調理物32のカロリー値を求める。そして、当該カロリー値を表示部12に表示させる。
【0070】
以上のように本実施の形態においては、選択された調理メニューと被調理物の重量とに基づき、被加熱物のカロリー値を求め、当該カロリー値の情報を表示手段に表示させるので、使用者が被調理物32のカロリー値を認識することができる。
【0071】
実施の形態9.
図20は実施の形態9に係る誘導加熱調理器を模式的に示す斜視図である。
上記実施の形態1〜8では、キッチン台6の開口部に組み込んで使用するビルトインタイプの誘導加熱調理器を説明した。本発明はこれに限るものではなく、コンロ台に配置する据え置き型の誘導加熱調理器であっても良い。
図20に示すように、重量検知手段を構成する重量センサ5a〜5dを、本体1の筐体下面の四隅に配置することで、上記実施の形態1〜8と同様に、本体1の総重量、トッププレート2上に載置された調理容器10の重量、およびグリル庫17内に載置された被調理物32の重量を検知することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 本体、2 トッププレート、3 フランジ、4 筐体、5a 重量センサ、5b 重量センサ、5c 重量センサ、5d 重量センサ、6 キッチン台、7a 加熱コイル、7b 加熱コイル、7c 加熱コイル、9 被加熱物、10 調理容器、11 操作部、12 表示部、13 排気口、14 ガイドレール、15 上面ヒーター、15a 上面ヒーター、15b 上面ヒーター、16 下面ヒーター、16a 下面ヒーター、16b 下面ヒーター、17 グリル庫、18 受け皿、19 棚網、20 設置位置標識、22 グリル把持部、23 グリル扉、24 視認窓、25 シール部材、26 起歪体、27 板バネ、28 歪みゲージ、29 基板、30 弾性脚、31 荷重受け部、32 被調理物、33 温度センサ、41 スイッチ、50 載置物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理容器が載置されるトッププレートを有する本体と、
前記本体に設けられ、被調理物を出し入れ可能に前面が開口したグリル庫と、
前記グリル庫内に設けられ、前記被調理物を加熱するグリル加熱手段と、
複数の重量センサを有し、前記本体の重量を検出する重量検知手段と、
前記グリル加熱手段を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記重量検知手段の検出値の変化に基づき、前記グリル庫内の前記被調理物の重量を求め、
該被調理物の重量に応じて、前記グリル加熱手段による加熱時間、加熱電力、および加熱パターンの少なくとも1つを制御する
ことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記本体の重量が変化した場合、前記複数の重量センサの前記本体に対する相対位置と、各重量センサの検出値とに基づき、変化した重量の重心位置を求め、
該重心位置が前記本体の所定範囲内にあるとき、当該変化した重量を、前記グリル庫内の前記被調理物の重量とする
ことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記重心位置として、前記本体における幅方向位置および奥行き方向位置を求め、
前記重心位置が前記本体の所定範囲内にあるとき、当該変化した重量を、前記グリル庫内の前記被調理物の重量とし、
前記重心位置が前記本体の所定範囲内にないとき、当該変化した重量を、前記トッププレートに載置された前記調理容器の重量とする
ことを特徴とする請求項2記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記被調理物が載置されるグリル皿と、
前記グリル皿を前記グリル庫内に出し入れ可能に支持するガイドレールと
を備え、
前記制御手段は、
前記重心位置が前記本体外にあるとき、当該変化した重量を、前記グリル皿に載置された前記被調理物の重量とする
ことを特徴とする請求項2または3記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記グリル加熱手段は、
前記グリル庫内の上方および下方の少なくとも一方に、複数の加熱部を有し、
前記制御手段は、
前記本体の重量が変化した場合、前記複数の重量センサの前記本体に対する相対位置と、各重量センサの検出値とに基づき、変化した重量の重心位置を求め、
該重心位置と前記複数の加熱部との相対位置に基づき、前記複数の加熱部の加熱時間、加熱電力、および加熱パターンの少なくとも1つを制御し、
前記被調理物に近い前記加熱部の加熱量が、前記被調理物に遠い前記加熱部の加熱量より大きくする
ことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記グリル庫の開口を開閉するグリル扉と、
前記グリル扉の開状態および閉状態を検知する開閉検知手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記グリル扉の開状態の検知から閉状態の検知までの、前記本体の重量の変化量を、前記グリル庫内の前記被調理物の重量とする
ことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項7】
加熱制御に関する操作の入力を行う操作部を備え、
前記制御手段は、
前記本体の重量が変化した後、前記グリル加熱手段への加熱指示の操作がされたとき、
当該加熱指示の操作の直前における前記本体の重量の変化量を、前記グリル庫内の前記被調理物の重量とする
ことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記グリル庫内の温度を検知する温度検知手段を備え、
前記制御手段は、
前記グリル庫内の温度が所定温度に到達したときから、前記加熱手段による加熱を終了するまでの時間を、前記被調理物の重量に応じて設定する
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記グリル庫内の温度を検知する温度検知手段を備え、
前記制御手段は、
加熱開始時の前記グリル庫内の温度が所定の判定温度以下の場合、または、加熱開始から所定時間経過までの単位時間当たりの温度上昇値が、前記被調理物の重量に応じて設定したしきい値以下の場合、前記被調理物が冷凍状態であると判断し、
冷凍状態であると判断したときの前記グリル加熱手段の加熱量を、冷凍状態でないときの加熱量より増加させる
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項10】
調理メニュー毎に、単位重量当たりの標準カロリー値の情報が記憶される記憶手段と、
表示手段と
を備え、
前記制御手段は、
選択された調理メニューと前記被調理物の重量とに基づき、前記被加熱物のカロリー値を求め、当該カロリー値の情報を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−229(P2012−229A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137113(P2010−137113)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】