説明

加熱調理器

【課題】機器の上面に設けられた加熱部の操作を容易にし、かつ誤操作を防止することができる加熱調理器を提供すること。
【解決手段】トッププレート2に形成された加熱部と、電極部及び光が透過する抜き形状が形成された抜き形状部を有し、割り当てられた機能の実行を指示する静電式タッチキーと5、抜き形状部に向けトッププレートと反対の方向から光を照射する操作部発光体7と、を備え、操作部発光体7を点灯した場合に抜き形状が見えるように、かつ消灯した場合に見えにくくなるようにし、操作可能な静電式タッチキー5の操作部発光体7を点灯し、操作部発光体7が不点灯の場合にはその旨ユーザーに知らせるので、操作を容易にし、かつ異常時には不用意に加熱動作を開始するのを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部を発光させる加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の電子機器100のブロック構成図を、図8に示す。図8に示すように、電子機器100はデータバス101を有している。このデータバス101には記憶部102が接続され、当該電子機器100の仕様書内容に匹敵する操作案内情報が記憶される。操作案内情報は当該電子機器100の操作手順を予め決めて作成したものである。
【0003】
記憶部102には読み出し専用メモリ(ROM)が使用される。この記憶部102にはデータバス101を通して表示部103が接続され、記憶部102から読み出された操作案内情報が表示される。
【0004】
この表示部103にはデータバス101を通して選択部104が接続され、モード選択部109により、ユーザーが操作案内モードを選択すると、当該電子機器100の所望の機能を選択させるための被選択項目が表示部103に表示され、表示された被選択項目の中から一つを選択して複数の機能の中から所望の機能を選択するために、選択部104がユーザーによって操作される。
【0005】
この選択部104には、データバス101及びI/Oインターフェース部105を通して機能を動作させるための操作がされる発光操作体106が接続され、この選択部104の操作によって特定の発光操作体106が点滅されるようになっている。
【0006】
従って、この点滅によって発光操作体106の取り付け位置をユーザーに知らしめることができる。しかも、表示部103にその発光操作体106の名称を表示することにより、マニュアルを読まなくても、その発光操作体106の名称と取り付け位置を認知することができる。
【0007】
このデータバス101には音発生部107が接続され、点滅された部位の発光操作体106を操作することにより、例えば、「ピッ」というような確認音を鳴らす。
【0008】
この確認音「ピッ」は、ユーザーに対して「確かに指定された押しボタン等が押下された」ことを確認させるためである。この押しボタンの押下操作は、次の操作案内情報を記憶部102から表示部103へ読み出すためのトリガとなっている。
【0009】
なお、点滅されていない部位の発光操作体106を操作したときに、「ピッ、ピッ・・・」というような警告音を鳴らすようにしてもよい。音発生部107は「ピッ」という確認音や、「ピッ、ピッ・・・」という警告音を発生する音声処理回路107A及びこれらの確認音や警告音を発生するスピーカー107Bを有している。オーディオ機器では音声処理回路107A及びスピーカー107Bを具備しているので、これを共用してもよい。
【0010】
この音発生部107にはデータバス101を通して制御部108が接続される。制御部108によって、発光操作体106の操作を確認するように音発生部107が発生制御される。制御部108にはCPU(中央演算装置)などが使用される。また、制御部108によって次の操作手順を表示するように表示部103が制御されると共に、次の操作を示す発光操作体106を光らせるように発光制御する。発光操作体106を光らせる順序は操作手順に合うように、予め記憶部102に記憶されている。
【0011】
このデータバス101には、記憶部102、表示部103、選択部104、I/Oインターフェース部105、音発生部107及び制御部108の他に、モード選択部109が接続され、操作案内モード又は非操作案内モードを選択させるために操作される。ここで操作案内モードとは電子機器100の機能動作の実行に至る操作を誘導するモードをいい、非操作案内モードとは操作案内誘導を実行しないモードをいう。
【0012】
この電子機器100は、通常動作時には非操作案内モードになっている。操作案内機能を使用したい時のみ、モード選択部109により操作案内モードを選択する。従って、モード選択部109により、非操作案内モードを選択する必要はない。
【0013】
また、頻繁に使用しない機能を動作させるときに、電子機器100の操作方法を忘れる場合がある。また、仕様書を紛失してしまう場合がある。このような場合には、その仕様書を読み返さなくても、モード選択部109によって操作案内モードを選択することにより、操作案内機能を利用することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2001−51777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、従来の構成では、発光操作体は、プッシュ式の押しボタン、ジョグダイアルのような回転体などで構成されており、発光操作体が発光しない状態で常にユーザーが視認できる状態にある。色付きの光源で操作可能な操作部発光体のみを発光させても、その意図に気づかないユーザーは、発光していないが視認可能な発光操作体を操作してしまうという課題を有していた。
【0016】
本発明は、従来の課題を解決するもので、機器の上面に設けられた加熱部の操作を容易にし、かつ誤操作を防止することができる加熱調理器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、機器上面に設けられ光透過性を有するトッププレートと、トッププレートに形成された加熱部と、電極部及び光が透過する抜き形状が形成された抜き形状部を有し、割り当てられた機能の実行を指示する静電式タッチキーと、電極部に交流信号を加え電極部に対向する前記トッププレートの部分に触れることにより生じる電極部の大地に対する静電容量の変化を検知する操作検知部と、抜き形状部に向けトッププレートと反対の方向から光を照射する操作部発光体と、操作部発光体を点灯させて抜き形状がトッププレート越しに見えるようにし、操作部発光体を消灯させて抜き形状が見えにくくなるよう発光制御をする発光制御部と、を備え、発光制御部は、操作可能な静電式タッチキーの操作部発光体を点灯させるとともに、操作部発光体の光源の断線を検知する不点灯検知部と表示部を備え、不点灯検知部が操作部発光体が点灯していないことを検知すると、表示部にエラーを表示して、不点灯をユーザーに知らせる加熱調理器とした。
【0018】
これにより、操作可能な静電式タッチキーの抜き形状のみがトッププレート越しに見え、一方、操作不可能な静電式タッチキーの抜き形状が見えにくくなるので、操作が容易になり操作性が向上する。さらに、静電タッチスイッチが見えにくい構成であるため、故障により操作部発光体が発光していない場合は、ユーザーにとっては混乱が生じる可能性があるが、この場合には、その旨をユーザーに伝え、不用意に加熱動作を開始するのを防止
し、修理を促す事ができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の加熱調理器は、操作を容易にし、かつ異常時には不用意に加熱動作を開始するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1、2における加熱調理器を示す外観図
【図2】本発明の実施の形態1、2における加熱調理器のトッププレートを示す上面図
【図3】本発明の実施の形態1における天面操作部を機能させる回路部を示すブロック図
【図4A】導光板消灯時の操作部を示す上面図
【図4B】導光板消灯時の操作部を示す斜視図
【図4C】導光板点灯時の操作部を示す上面図
【図4D】導光板点灯時の操作部を示す斜視図
【図5A】天面操作部の一部において全ての導光板が発光した状態を示す上面図
【図5B】天面操作部の一部において1つの導光板が発光した状態を示す上面図
【図5C】天面操作部の一部において2つの導光板が発光した状態を示す上面図
【図6A】実施の形態2の天面操作部の一部において、全ての導光板が発光した状態を示す上面図
【図6B】1つの導光板が点滅した状態を示す上面図
【図6C】2つの導光板が異なる周期で点滅した状態を示す上面図
【図7A】実施の形態2の加熱調理器における天面操作部を機能させる回路部を示すブロック図
【図7B】実施の形態2の加熱調理器における不点灯検知部を備えた発光制御部を示すブロック図
【図8】従来例にあげる加熱調理器である電子機器を示すブロック構成図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、機器上面に設けられ光透過性を有するトッププレートと、トッププレートに形成された加熱部と、電極部及び光が透過する抜き形状が形成された抜き形状部を有し、割り当てられた機能の実行を指示する静電式タッチキーと、電極部に交流信号を加え電極部に対向する前記トッププレートの部分に触れることにより生じる電極部の大地に対する静電容量の変化を検知する操作検知部と、抜き形状部に向けトッププレートと反対の方向から光を照射する操作部発光体と、操作部発光体を点灯させて抜き形状がトッププレート越しに見えるようにし、操作部発光体を消灯させて抜き形状が見えにくくなるよう発光制御をする発光制御部と、を備え、発光制御部は、操作可能な静電式タッチキーの操作部発光体を点灯させるとともに、操作部発光体の光源の断線を検知する不点灯検知部と表示部を備え、不点灯検知部が操作部発光体が点灯していないことを検知すると、表示部にエラーを表示して、不点灯をユーザーに知らせる加熱調理器である。
【0022】
操作可能な静電式タッチキーの抜き形状のみがトッププレート越しに見え、一方、操作不可能な静電式タッチキーの抜き形状が見えにくくなるので、操作が容易になり操作性が向上する。さらに、故障により操作部発光体が発光していない場合は、その旨をユーザーに伝え、不用意に加熱動作を開始するのを防止し、修理を促す事ができる。
【0023】
また、本発明は、不点灯検知部が前記操作部発光体が点灯していないことを検知すると、加熱部の加熱を停止する、もしくは加熱出力を小さくするよう制限する。これにより、ユーザーが意図しないで静電式タッチキーに触れ、加熱動作を開始させる又は不用意な加
熱動作で危険な状況が生じることを防止することができる。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって、本発明が限定されるものではない。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の外観図である。
【0026】
図1において、この加熱調理器の主たる構成要素は、被加熱物(図示せず)を載置するため機器上面に設けられ、光透過性を有する結晶化セラミックからなる耐熱ガラスなど、耐熱性が高い電気絶縁物で板状に形成されたトッププレート2、トッププレート2に形成された加熱部1、加熱部1の手前側のトッププレート2に形成された天面操作部3、加熱調理器の機器前面に配置された出没可能なカンガルー操作部4である。
【0027】
天面操作部3の領域内において、割り当てられた機能の実行を指示するための静電式タッチキー5が形成される。静電式タッチキー5はトッププレート2裏面に遮光性を有する導電性皮膜で形成された電極部5bを有する。電極部5bには、導電性皮膜のない部分、すなわち光が透過する領域が所定の形状(図形、文字、記号などの抜き形状)となるように形成されている(図4D参照)。加熱部1はトッププレート2に形成され、トッププレート2下面に形成された印刷膜で加熱コイルの平面形状にほぼ合致する大きさの円状の領域が、加熱部1の加熱可能領域として表示される。誘導加熱調理器の場合、高周波磁界を発生する誘導加熱コイル(図示せず)がこの加熱可能領域に対向して設けられ加熱部1の構成要素となる。
【0028】
なお、本発明の加熱部1はこのような誘導加熱式のものに限定されない。電熱線又はシーズヒーターなどのヒーターが構成要素となる電気ヒーター加熱式、あるいはガスバーナーを加熱源とするガス加熱式の加熱調理器であってもよい。ガス加熱式の場合には、例えばトッププレート2に開口部を設け当該開口部にバーナーの構成部品を配置してもよく、機器上面に設けられたトッププレート2に加熱部1と静電式タッチキー5が形成される加熱調理器を対象とすることができる。
【0029】
実施の形態1のトッププレート2に関しては、少なくとも天面操作部3は黒色に着色され他は略全体が銀色に着色されている。天面操作部3を着色するため光透過性の低い色の印刷膜がトッププレート2の裏面に形成されて着色されている。天面操作部3の下にある発光体が発光している時は導電性皮膜が取り除かれ遮光性のない部分を透過した光が見える。発光体が点灯中は電極部5bの形状(抜き形状、図4Dのキー表示部5c、5d参照)をトッププレート2越しに視認すことができるが、消灯している時はその形状が見えにくい構造になっている。
【0030】
なお、天面操作部3を着色する方法は上記構成に限定されない。印刷膜を形成する代わりに、例えばハーフミラー効果を有する蒸着膜を形成しても良い。着色膜を形成する代わりにトッププレート2の材料、例えば結晶化セラミック自身が黒色に着色されていてもよい。この場合は、天面操作部3に、電極部5bの形状(キー表示部5c、5d、図4C参照)を見えにくくするための着色用の印刷膜を形成する必要がない。また、トッププレート2と電極部5bの消灯時を同色にすることにより、操作できない静電式タッチキー5の導光板7が消灯した時、電極部5bの形状がユーザーに見えにくくなるようにしてもよく、上記と同様の効果を得ることができる。
【0031】
天面操作部3は図1のように窓を形成してトッププレート2の他の部分と色が異なっていてもよいし、色が同一で窓が形成されていなくてもよい。例えばトッププレート2全体
が濃い茶色でその一部を天面操作部3としてもよい。この場合には、天面操作部3を明るい線の枠を印刷して囲って窓を表示してもよい。天面操作部3を示す窓の表示はなくても良い。天面操作部3を示す窓が存在する場合には、ユーザーは静電式タッチキー5が配設された範囲を容易に識別することができる。
【0032】
図2は、本発明の実施の形態1における加熱調理器のトッププレート2を上から見た図であり、図3は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の操作部の断面構成及び当該操作部を機能させる回路部を示すブロック図である。
【0033】
トッププレート2は、耐熱ガラスなどで構成され、その上面に被加熱物が載置され、その下面には加熱部1を表示する模様が形成される。加熱部1は、例えば、被加熱物を誘導加熱する誘導加熱調理器であれば高周波電流を流し磁界を発生する誘導加熱コイルを構成要素とする。このトッププレート2の一部の区域を印刷色が周囲と異なるように色分けし、あるいは線で区切って、あるいは必ずしも区切ることはなく、ユーザーが操作を行う操作領域である、天面操作部3が設けられている。
【0034】
図3において、天面操作部3及びそれを機能させるための回路部の主な構成要素は、指5aで触れて押圧操作される静電式タッチキー5、操作検知部6、電極部5bに向けトッププレート2と反対の方向から(この場合、下方から上方に向け)光を照射する操作部発光体を構成する導光板7、発光制御部8である。導光板7は操作部発光体の他の構成要素である光源(図示せず、例えばLED)から入射した光を導き電極5b方向に放射する。なお、導光板7を省略してLED等の光源自身で操作部発光体を構成してもよい。
【0035】
操作検知部6は、表示部17と加熱制御部16に対して検知結果を出力する。表示部17は、静電タッチキー5に割り当てられ押圧操作により実行指示された機能に対応する表示をおこなう。加熱制御部16は、静電タッチキー5に割り当てられ押圧操作により実行指示された機能に対応する制御を行う。
【0036】
静電式タッチキー5は、トッププレート2の裏面にある電極部5bと、トッププレート2の上面にある指5aとで、コンデンサを形成する。電極部5bには、操作検知部6内の発振回路(図示せず)により高周波電圧が印加されている。
【0037】
操作検知部6は、指5aが電極部5b上方のトッププレート2上面に触れたときに、高周波電圧が加えられた電極部5bをトッププレート2、指5aを通して大地にバイパスし、電極部5bに現れる電圧が所定以上低下することを検知して、静電式タッチキー5に対する操作が行われたことを検知している。つまり、操作検知部6は、電極部5bに交流信号を加え電極部5bに対向するトッププレート2の表面部分に触れることにより生じる電極部5bの大地に対する静電容量の変化を検知して、指による静電式タッチキー5に対する入力操作を検知する。なお、電極部5bに対向した電極部(図示せず)をトッププレート2の上面に設けても良く、これにより静電式タッチキー5の入力感度を安定化させることができる。
【0038】
さらに、記憶部12を有し、加熱調理器の仕様書内容に匹敵する操作手順の情報である操作案内情報が記憶されている。それぞれの状態で、どのキーが操作可能であり、複数のキーが操作可能な場合は、どのキーの使用頻度が高くその操作がより期待され、どのキー操作への誘導を優先的に行うかといった情報は、記憶部12に予め記憶されている。この発光制御部8は記憶部12に記憶されている情報に従って、導光板7を発光制御する。
【0039】
図4Aは導光板7消灯時の天面操作部3を示す上面図、図4Bは導光板7消灯時の天面操作部3を示す斜視図、図4Cは導光板7点灯時の天面操作部3を示す上面図、図4Dは
導光板7点灯時の天面操作部3を示す斜視図である。
【0040】
電極部5bは銅箔などの光透過性の低い金属膜や黒色の導電性を有する導電性塗料など所定の遮光性を有する導電性皮膜で形成されているため、導光板7が発光してもトッププレート2上面に光が透過する事がないまたは透過しにくくなるようにすることができる。そこで、図4B、4Dの電極部5bに示すように、トッププレート2上に発光させて表示したい図形や文字の発光させたい部分のみ金属膜などの導電性皮膜を取り除いてキー表示部5c、5dを形成し、キー表示部5c、5dを光が透過できるようにしている。なお、図4B、4Dで電極部5bのハッチングを付した部分はキー表示部5c、5dであり、その部分の金属膜などの導電性皮膜が取り除かれていることを示す。
【0041】
天面操作部3は、トッププレート2の裏面に光透過性の低い色(例えば、黒色、濃い茶色、濃い赤色等)で印刷膜を形成してあるので、図4Bに示すように導光板7が消灯している場合は、図4Aに示すようにトッププレート2の上面には何も見えない。図4Dに示すように導光板7が発光すると、電極部5bの導電性皮膜部分は、光が透過せずトッププレート2の色のままであるが、キー表示部5c、5dは、導光板7の照射する光が透過して天面操作部3を構成する光透過性を有するトッププレート2と印刷膜をさらに透過するので、図4Cのようにキーの模様が浮かび上がり視認できる。なお、図4C、4Dでトッププレート2のハッチングを付した部分は、その部分が光っていることを示す。
【0042】
このように、発光制御部8は、電極部5bの下に配置する導光板7(操作部発光体)を点灯することで、電極部5bの形状がトッププレート2越しに見えるようにし、導光板7を消灯することで電極部5bの形状が見えにくくなるよう発光制御をすることで、静電式タッチキー5自体が発光し、そして消灯したように見せている。
【0043】
なお、図4A〜4Dを使った説明では、電極部5bから導電性皮膜を取り除いた部分であるキー表示部5c、5dを仮にそれぞれ三角、枠形状とし、このような形がトッププレート2の上面に見えるとした。しかしこれは、説明を分かりやすくするための一例であって、実際には図5A〜5C、6A〜6Cに示すように、キー表示部5c、5dは、枠の形状に導電性皮膜を取り除いた領域表示部5dと、様々な文字、記号または図形の形に金属を取り除いて形成した機能表示部5cとで構成されている。したがって、このような静電式タッチキー5に割り当てられた機能を表示する機能表示部5cと静電式タッチキー5の操作範囲を示す領域表示部5dがトッププレート2の上面に見えるようにする。
【0044】
そして、トッププレート2の一部の区域に配設された天面操作部3には、図4A〜4Dで説明したような静電式タッチキー5が複数(図2に示す例では14個)横に並んでそれぞれ同数の導光板7と組み合わされて設けられている。
【0045】
従って、この天面操作部3を構成する静電式タッチキー5に含まれる導光板7が発光すると、天面操作部3であるトッププレート2の上面には、図2に示すような機能表示部5cの文字や記号と領域表示部5dの枠が発光して見える。また、この天面操作部3が形成されているトッププレート2の部分は、光透過性の低い色で印刷されているので、導光板7が点灯しない時には、天面操作板3が形成されたトッププレート2の部分の上面にはその色の平面が見えるだけで、文字や記号は何も見えない。なお、導光板7が点灯しない時には、天面操作板3が形成されたトッププレート2の部分の上面には何も見えないようにする代わりにキー表示部5c、5dが見えにくくなるようにしてもよい。
【0046】
図5Aは天面操作部3の一部において全ての導光板7が何らかの色で発光した状態を示す上面図、図5Bは同じく天面操作部3の一部において1つの導光板7が赤色で発光した状態を示す上面図、図5Cは同じく天面操作部3の一部において2つの導光板7が発光(
1つの導光板7は赤色で発光し、他の1つの導光板7は白色で発光)した状態を示す上面図である。
【0047】
静電式タッチキー5aa〜5ggは、各機能に対応した静電式タッチキー5を示している。
【0048】
特に、静電式タッチキー5ggはロック解除キー(以後、「ロック解除キー5gg」ともいう)であり、ロック状態にあり他のキーの操作が不可となっている機器のロック状態を解除するために使われる。静電式タッチキー5ccは、揚物スタートキー(以後、「揚物スタートキー5cc」ともいう)であり、ロック解除状態の時、被加熱物(図示せず)である鍋内の油温を所定の温度に保つように加熱出力を制御する揚物調理を開始する場合に用いる。静電式タッチキー5ffは加熱スタートキー(以後、「加熱スタートキー5ff」ともいう)であり、ロック解除状態の時、揚物以外の加熱を開始する場合に用いる。
【0049】
なお、揚物スタートキー5ccは、揚物調理動作中に操作されるとその動作を停止する停止キーを兼用させてもよい。また、加熱スタートキー5ffは、加熱動作中に加熱動作を停止する加熱停止キーを兼用させてもよい。
【0050】
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
【0051】
まず、電源スイッチ4aにより電源の投入または遮断が行われる。電源投入がされない状態においては、機器の全ての表示が消され機器の操作が全て禁止されている。電源スイッチ4a遮断後において、機器の操作が禁止されるが、例えば高温の注意ランプを所定時間点灯する、余熱を低下させるまで冷却ファンを動作させるなどの制御動作を行うことは必要に応じて行なわれる。電源スイッチ4aは信頼性を高めるため例えば機械式接点のものが用いられ、図1に示すように機器前面に設けるか、機器上面、あるいはカンガルー操作部4等に配設される。なお、電源の投入・遮断は、リレーを用いてもよい。また、電源スイッチ4aは、メイン電源供給線を遮断してもよいし、制御電源を遮断するものであってもよい。電源スイッチ4aにより電源オフの状態となると、全ての静電式タッチキー5aa〜5ggは操作不可能状態となる。
【0052】
電源スイッチ4aによる電源投入後の所低時間(例えば数秒間)は、機器がどういう機能を持っているかをユーザーに知らせるために、図5Aのように全ての静電式タッチキー5aa〜5ggが何らかの色で点灯する(実際には静電式タッチキー5aa〜5ggの下の導光板7が点灯しているが、静電式タッチキー5aa〜5gg自身が点灯しているように見え、このように説明する)。この時の静電式タッチキー5aa〜5ggの発光色は何色であってもよいし、全て同一色であってもよいし異なる色であってもよいが、例えば全て赤色で発光させる。
【0053】
上記所定時間後、加熱調理器はロック状態に移行し、発光制御部8は、図5Bに示すようにロック解除キー5ggのみを点灯(連続点灯または点滅)させる。この時、使用可能なキーはロック解除キー5ggのみである。この時の静電式タッチキー5ggの発光色は何色であってもよいが、例えば赤色で発光させる。
【0054】
この時、ロック解除キー5ggのみが発光しており、ユーザーはロック解除キー5ggのみを見ることができる。従って、ユーザーはロック解除キー5ggのみが操作可能であることを知ると同時に、それ以外のキーは見ることができず、存在も知ることができず、その当然の結果として操作することもできず、ロック解除キー5gg以外のキーを誤って操作する可能性も無い。
【0055】
なお、操作可能な操作部であるロック解除キー5ggのみを発光し操作可能でない他のキーを消灯する代わりに、操作可能な操作部であるロック解除キー5ggを第1の発光色(例えば赤色)で発光させ、操作可能でない他のキーを他の発光色である第2の発光色(例えば緑色)で発光させ操作可能な操作部が目立つようにしてもよい。操作可能であるキーが操作可能でないキーと視覚的に区別されるので、操作可能でないキーを誤って操作してしまうことを防止することができる。
【0056】
ユーザーがロック解除キー5ggを操作すると、操作検知部6は、ロック解除キー5ggの操作を検知し、ロック解除キー5ggが操作された事を、発光制御部8に知らせる。
【0057】
発光制御部8は、ロック状態からロック解除キー5ggが押された場合はロック解除状態となり、記憶部12に記憶されている操作案内情報に従って、揚物スタートキー5ccと加熱スタートキー5ffのみが操作可能であることを判定する。そして、発光制御部8は、ロック解除キー5ggを消灯し、揚物スタートキー5ccと加熱スタートキー5ffの導光板7を点灯(連続点灯または点滅)させた、図5Cの状態になるように導光板7を制御する。そして、揚物開始キー5ccと加熱開始キー5ffのいずれかを操作すると、それぞれに割り当てられた機能を発揮するように、加熱コイルによる加熱部1での加熱動作が開始される。例えば、加熱開始キー5ffを操作すると、次に操作可能とする静電式タッチキー5、すなわち加熱機能の詳細設定(出力設定、タイマー設定など)に必要な静電式タッチキー5として、タイマー取消キー5aa、タイマー設定キー5bb、火力ダウンキー5dd、火力アップキー5eeの導光板7を選択して点灯させ、加熱機能選択後の詳細設定に不要であり操作不可能とする加熱開始キー5ff、揚物スタートキー5ccの導光板7を消灯させる。
【0058】
このように、発光制御部8は、操作可能な静電式タッチキー5が操作されたことを検知すると、操作可能でなくなった静電式タッチキー5の導光板7を消灯させるとともに、次に操作可能となった静電式タッチキー5の導光板7を発光させることにより、静電式タッチキー5を操作するごとに、次の操作に必要な静電式タッチキー5のみが表示されるので操作に必要な静電式タッチキー5を容易に発見することができる。
【0059】
なお、ロック解除後に、導光板7を点灯させる静電式タッチキー5の数は上記のように2個に限定されず、少なくとも一つ以上あればよい。
【0060】
静電式タッチキー5の発光するキー表示部5c、5dを押し下げ操作することにより、操作命令を受け付けるので、受け付けたときにキー表示部5c、5dを点滅させるとよい。操作を受け付けたことをユーザーは視覚的に確認することができるので、入力操作が受け付けられたことを確認できずに、同じ操作を何度も行うという無駄な操作を防ぐことができる。
【0061】
このとき、操作可能な2つのキー(揚物スタートキー5ccと加熱スタートキー5ff)のうち、加熱スタートキー5ffの方が使用頻度が高く、優先順位が高い。そこで、優先順位の高い加熱スタートキー5ffはより目立つ色である赤色で発光させ、優先順位の低い揚物スタートキー5cは比較的目立ちにくい色である白色で発光させる。
【0062】
すると、ユーザーは、はじめのロック状態では、点灯しているロック解除キー5ggを操作し、次にロックが解除されると、現れた揚物スタートキー5ccと加熱スタートキー5ffを操作するといったように、操作可能なキーが天面操作部3を見るだけで理解できるので、操作仕様書を見ながら操作をする必要がなくなる。また、操作可能な静電式タッチキー5のみが点灯するので、その他の無効なキーを操作する誤操作がなくなる。
【0063】
更に、優先順位の高い静電式タッチキー5の発光色を優先順位の低い静電式タッチキー5の発光色と異なるより目立つ色で発光することで、操作の誘導をより分かりやすく便利に行い、ユーザーによりスムーズな操作を行わせることができる。
【0064】
また、キー表示部のうち枠状に形成され静電式タッチキーの操作範囲を示す領域表示部5dを有するので、導光体7が発光した時、静電式タッチキー5の操作範囲が浮かび上がり、ユーザーはその範囲を明確に認識できる。また、領域表示部5dの内側の電極部5bは領域表示部5dの外側の電極部5bと容量結合により電気的に接続するので、操作検知部6から高周波電圧を領域表示部5dの外側の電極部5bに加えても、領域表示部5dの内側の電極部5bも電極部としての作用を発揮させることができる。また、導電性被膜を印刷により形成すれば、領域表示部5dを見栄え良く形成することができる。領域表示部5dの形状は、枠状に限定されない。例えば環状に形成しても良いし、連続的な線で形成する必要はなく破線のような形状にしても良い。
【0065】
キー表示部のうち静電式タッチキー5に割り当てられた機能を表示する機能表示部5cを有するので、導光体7が発光したとき、静電式タッチキー5の機能を表示する機能表示部5cが浮かび上がるのでユーザーはその機能を明確に認識できる。また、機能表示部5cの上のトッププレート2に触れるとその外側の電極部5bと指が容量結合により電気的に接続するので機能表示部5cの上に触れても静電式タッチキー5としての機能を得ることができる。また、電極部5bの導電性被膜を印刷により形成すれば、機能表示部5cを見栄え良く形成することができる。
【0066】
また、ユーザーの目に触れるキー表示部5c、5dは電極部5bにその抜き形状で形成されるので、ユーザーは見えるキー表示部自身5c、5dを押し下げ操作すればよく誤動作の可能性も少なくなる。また、電極部5bの周囲に静電式タッチキー5を光らせるための表示専用の平面的スペースを必要としない。これにより、複数の静電式タッチキー5の中から必要なものを選択して操作する場合、または静電式タッチキー5の数を減らすため1つの静電式タッチキー5を共用操作して複数の機能が実行できるようにした場合、ユーザーは、容易に必要な静電式タッチキー5を選択して誤動作なく操作を行う事が可能になり使い勝手を向上させることができる。
【0067】
なお、電源スイッチ4aによる電源投入後の所低時間、上記のように全ての静電式タッチキー5aa〜5ggが点灯するように構成する代わりに、所定の静電式タッチキー、例えば、使用頻度の高い機能あるいは重要な機能に関係する静電式タッチキーを選択して表示しても良い。
【0068】
なお、電源スイッチ4aによる電源投入後の所低時間、上記のように全ての静電式タッチキー5aa〜5ggが点灯する構成を省略して、電源投入後、他の表示をしてからロック状態に移行してもよく、即ロック状態に移行するように構成してもよい。
【0069】
なお、本発明の実施の形態1において、加熱調理器の一種である高周波電流を誘導加熱コイルに供給して被加熱物を高周波磁界により誘導加熱する誘導加熱調理器により説明したが、トッププレートを上面に配置し、ガス、ハロゲン、ニクロム線、またはシーズヒーターなど他の熱源を利用して加熱調理を行う加熱調理器にも同様に適用できる。
【0070】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の加熱調理器の主要な外観と構成は、図1〜3と同様であり、図1〜3を兼用して詳細な説明を省略する。
【0071】
図6Aは、実施の形態2の加熱調理器の天面操作部3の一部において、全ての導光板7
が発光した状態を示す上面図、図6Bは1つの導光板7が所定の比較的早い周期(0.5秒周期)で点滅した状態を示す上面図、図6Cは1つの導光板7が所定の比較的早い周期(0.5秒周期)で点滅し、他の1つの導光板7が所定の比較的遅い周期(1.0秒周期)で点滅した状態を示す上面図である。
【0072】
静電式タッチキー11aa〜11ggは、各機能に対応した静電式タッチキー5を示している。
【0073】
特に、静電式タッチキー11ggはロック解除キー(以後、「ロック解除キー11gg」ともいう)であり、ロック状態にあり、他のキーの操作が不可となっている機器のロックを解除するために使われる。静電式タッチキー11ccは、揚物スタートキー(以後、「揚物スタートキー11cc」ともいう)であり、ロック解除状態の時、揚物調理を開始する場合に用いる。静電式タッチキー11ffは加熱スタートキー(以後、「加熱スタートキー11ff」ともいう)であり、ロック解除状態の時、揚物以外の加熱を開始する場合に用いる。なお、揚物スタートキー11ccは、揚物調理動作中に操作されるとその動作を停止する停止キーを兼用させてもよい。また、加熱スタートキー11ffは、加熱動作中に加熱動作を停止する加熱停止キーを兼用させてもよい。
【0074】
図7Aは本発明の加熱調理器の実施の形態2の操作部のブロック図である。
【0075】
図7Aにおいて、操作部の主な構成要素は、加熱調理器の操作手順を記憶する記憶部12、音声発生部13、指14aによって押下操作される電極部14bを有する操作部である静電式タッチキー14、誘導操作切替部15、加熱制御部16、表示部17である。
【0076】
静電式タッチキー14は、トッププレート2上の被加熱物(図示せず)を載置する面と対向する面にある電極部14bと、トッププレート2を挟んで被加熱物(図示せず)載置面にある指14aとで、コンデンサを形成している。電極部14bには、高周波電圧が印加されている。
【0077】
操作検知部6は、指14aが電極部14b上方のトッププレート2上面に触れたときに、発振回路(図示せず)により高周波電流をトッププレート2、指14aを通して大地にバイパスし、電極部14bと上記発振回路の共通電位間のインピーダンスが減少することにより電極部14bに現れる電圧が所定以上低下することを検知して、操作が行われたことを検知している。
【0078】
揚物スタートキー11ccと加熱スタートキー11ffでは、使用頻度は加熱スタートキー11ffの方が高く、操作の誘導は加熱スタートキー11ffを優先する。それぞれの状態でどのキーが操作可能であり、複数のキーが操作可能な場合はどのキーが使用頻度が高く、誘導を優先的に行うかといった情報は、記憶部12に予め記憶されている。
【0079】
加熱調理器において、図6Bに示すロック状態の場合、発光制御部8は、操作可能なキーがロック解除キー11ggである事を記憶部12より受け取り、ロック解除キー11ggのみが0.5s周期で点滅するよう、導光板7の発光を制御する。更に、発光制御部8は、音声発生部13にユーザーに操作を促すメッセージの発生指令を出し、音声発生部13からメッセージが発生される。
【0080】
なおこの時、図6Aに示すように、機器がどういう機能を持っているかをユーザーに知らせるために一定時間全ての静電式タッチキーが点灯する。しかしながら、このような実施の形態に限るものではなく、必ずしも全ての静電式タッチキーが点灯しなくても構わない。
【0081】
ユーザーがロック解除キー11ggを操作すると、操作検知部6はロック解除キー11ggの操作を検知し、ロック解除キー11ggが操作された事を、発光制御部8に知らせる。発光制御部8は、ロック状態からロック解除キー11ggが押された場合は、ロック解除状態となり、揚物スタートキー11ccと加熱スタートキー11ffのみが操作可能であることを判定し、ロック解除キー11ggの点滅状態を解除して消灯状態に戻す。その後、発光制御部8は操作可能なキーが揚物スタートキー11ccと加熱スタートキー11ffであること、その中でも加熱スタートキー11ffを優先的に誘導することを記憶部12より受け取る。そして、図6Cに示すように揚物スタートキー11ccは比較的目立ちにくい1.0s周期、加熱スタートキー11ffはより目立つ0.5s周期というように、周期を変えて点滅するように、導光板7の発光を制御する。
【0082】
更に、発光制御部8は、音声発生部13にユーザーに操作を促すメッセージの発生指令を出し、音声発生部13からメッセージが発生される。なお、音声発生部13は、本実施の形態に限定されず、実施の形態1における導光板7の発光制御と組み合せてメッセージを発生させるようにしてもよい。
【0083】
ユーザーの視線はより目立つ点滅周期の早いキーに優先的に導かれる。使用頻度の高い静電式タッチキーを点滅周期を早くすることで天面操作部3を見たとき使用頻度の高い静電式タッチキーに視線を優先的に導き操作を簡単に行うようにすることができる。また、操作可能な静電式タッチキー11のみが点灯あるいは点滅するので、その他の無効なキーを操作する誤操作がなくなる。
【0084】
また、ユーザーは、誘導操作切替部15を操作して、静電式タッチキー5が操作可能か操作不可能であるかに応じて導光板7の点灯・消灯動作を行う誘導操作機能を無効にすることができる。この場合は、図6Aに示すように、全ての静電式タッチキー5は機器の状態に関わらず点灯したままとなり、誘導操作を行わない。ユーザーがキーの機能、配置、又は操作方法を習得した場合は、誘導操作を行わない事で、静電式タッチキー5の点滅のわずらわしさを解消できる。
【0085】
以上の実施の形態では、トッププレート2には結晶化セラミックなどで形成された耐熱ガラスを用いたが、透明樹脂を用いても良い。トッププレート2に印刷膜を形成して着色することに代え、トッププレー2トにハーフミラー加工の印刷膜や蒸着膜を形成することにより、または電極部5bのトッププレート2側の色と導光板7の消灯時の色を同色としても、同様に導光板7の消灯時にキー表示部が見えにくくなるようにすることができる。
【0086】
また、図7Bに示すように、不点灯検知部18を設けてもよい。発光制御部8には、直流電圧VDを供給する直流電源(図示せず)と、共通電位にエミッタが接続されたトランジスタ8cと、トランジスタ8cのコレクタに直列接続される抵抗8bと、トランジスタ8cのベースに接続されトランジスタ8bを駆動する駆動部8aが設けられている。操作部発光体7cは、導光板7bに光源としてLED7aが付設され構成されている。導光板7bは、LED7aの発光する光を入射して電極部14bの方向に導き照射する。LED7aのアノードに発光制御部8の直流電圧VDが接続され、LED7aのカソードに抵抗8bとトランジスタ8cの直列回路を接続して、LED7a、抵抗8b及びトランジスタ8cの直列回路に直流電圧VDを加える。不点灯検知部18は、LED7aのカソードと抵抗8bの接続点の電圧と、駆動部8aからトランジスタ8cの駆動信号を入力する。不点灯検知部18は、LCD又はLEDで構成された表示部17に信号を出力して、検知結果を表示部17に表示させる。また、不点灯検知部18は、加熱制御部16に信号を出力して、加熱部1の加熱動作を制御する。
【0087】
上記構成において、不点灯検知部18は、駆動部8aがトランジスタ8cを駆動しているかどうかを監視する。駆動部8aが駆動中にLED7aのエミッタの電位がLoレベル(略共通電位)であるか、Hiレベル(直流電圧VDの電位からLED7aの順方向電圧を差し引いた電位)であるかを判別する。不点灯検知部18は、LED7aが断線し不点灯であることを、駆動部8aが駆動中にLED7aのエミッタの電位がLoレベル(略共通電位)であることを検知することにより判別することができる。また、不点灯検知部18は、LED7aが短絡して不点灯であることを、駆動部8aが駆動中にLED7aのエミッタの電位が直流電圧VDの電位であることを検知することにより判別することができる。
【0088】
以上のように、不点灯検知部18を備え、操作部発光体8を構成するLED7aが断線して又は短絡してLED7a、導光体7bが点灯していないことを不点灯検知部18が検知した場合は、表示部17にエラーの発生を表示して、静電式タッチキー5の断線、又は不点灯をユーザーに知らせるので、ユーザーを戸惑わせることを防止することができる。また、LED7aが断線してLED7a、導光体7bが不点灯である場合に、加熱部1の加熱動作を制御する加熱制御部16に停止信号を出力して加熱を停止するか加熱出力を小さくするよう制限すれば、ユーザーが意図しないで静電式タッチキー5に触れ、加熱動作を開始させる又は不用意な加熱動作で危険な状況が生じることを防止することも可能である。
【0089】
なお、実施の形態1及び実施の形態2に記載の構成を必要に応じて適宜組み合せて使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明の加熱調理器の操作部は、上面にトッププレートを備えた誘導加熱調理器に特に有用であるが、その他のガスやハロゲンなどの熱源を備えた加熱調理器の操作部として利用できる。複雑な操作を必要とする機器、または、スイッチの数量が限られる機器に利用すると、ユーザーは製品の仕様書を見なくとも次にどの操作をすればいいのかがわかるので、スムーズな操作が可能になる。また、使用可能なスイッチはそれ以外の使用可能でないスイッチとその発光色で区別されるので、誤操作を減らす事ができる。さらに、通常はスイッチが見えず、使用時のみスイッチが現れるので、操作部分のデザイン性が改善する。
【符号の説明】
【0091】
2 トッププレート
3 天面操作部
4a 電源スイッチ
5 静電式タッチキー
5b 電極部
6 操作検知部
7 導光板(操作部発光体)
7a LED(操作部発光体)
7b 導光板(操作部発光体)
7c 操作部発光体
8 発光制御部
12 記憶部
13 音声発生部
14 誘導操作切替部
17 表示部
18 不点灯検知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器上面に設けられ光透過性を有するトッププレートと、
前記トッププレートに形成された加熱部と、
電極部及び、光が透過する抜き形状が形成された抜き形状部を有し、割り当てられた機能の実行を指示する静電式タッチキーと、
前記電極部に交流信号を加え前記電極部に対向する前記トッププレートの部分に触れることにより生じる前記電極部の大地に対する静電容量の変化を検知する操作検知部と、
前記抜き形状部に向け前記トッププレートと反対の方向から光を照射する操作部発光体と、
前記操作部発光体を点灯させて前記抜き形状が前記トッププレート越しに見えるようにし、前記操作部発光体を消灯させて前記抜き形状が見えにくくなるよう発光制御をする発光制御部と、
を備え、
前記発光制御部は、
操作可能な前記静電式タッチキーの前記操作部発光体を点灯させるとともに、
前記操作部発光体の光源の断線を検知する不点灯検知部と表示部を備え、前記不点灯検知部が前記操作部発光体が点灯していないことを検知すると、前記表示部にエラーを表示して、不点灯をユーザーに知らせる加熱調理器。
【請求項2】
前記不点灯検知部が前記操作部発光体が点灯していないことを検知すると、前記加熱部の加熱を停止する、もしくは加熱出力を小さくするよう制限する、請求項1に記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−40766(P2013−40766A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−235305(P2012−235305)
【出願日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【分割の表示】特願2008−545363(P2008−545363)の分割
【原出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】