説明

効果音重畳装置

【課題】どのような携帯電話機にも外付けをすることが可能であり、通話中の音声に音楽や合の手や環境音などの効果音を重畳して通話の場を大いに盛り上げることが出来る効果音重畳装置を提供する。
【解決手段】携帯電話機の外部接続端子に接続する入出力接続具を備え、通話に必要な音声入力具と音声出力具と、通話に重畳させるための音楽や音声などの効果音を少なくとも一つ記録するための記憶部とまたはこの記憶部を着脱するための記憶部接続具と、これらを管理する重畳制御部とから成り、この重畳制御部は、前記記憶部から所要の効果音を読み出して、この効果音を音声入力具からの音声に重畳して、これを前記入出力接続具を介して携帯電話機に出力するものとした。なお記憶部の効果音を使用するのではなく、録音・再生部を設けて再生音を効果音としたり、外部入力具に接続した音楽プレーヤの出力を効果音として使用するように設計することも可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯通信端末装置いわゆる携帯電話機に外付けするアクセサリーに係り、特に通話中の音声に音楽や音声や環境音などの効果音を重畳したものを通話者同士で聞くことが出来るような、効果音重畳装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より通話中の音声に音楽などの効果音を重畳したものを通話者同士で聞くことを可能にする携帯電話機や通信システムが提案されている。例えば特開2004−274464の通話転送システムは、携帯電話ネットワークにコンテンツサーバを接続し、コンテンツサーバは携帯電話機間の通話を中継するが、この際にBGMや効果音声などを合成して通話を盛り上げようとするものである。また特開2002−218019の携帯電話型装置は、オーディオデータの再生中に着信があった時には、オーディオ用コーデックから出力されたオーディオデータとD/Aコンバータより出力された(通話相手の)音声データをミキサで混合してイヤホンやスピーカから出力する。またオーディオ用コーデックから出力されたオーディオデータをA/Dコンバータの前段に入力することによって、相手方にも再生中のオーディオデータを聞かせることが出来る。
【特許文献1】特開2004−274464
【特許文献2】特開2002−218019
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これ等によれば確かに通話者同士で通話しながら音楽や合の手などの効果音を聞くことが出来て、会話を盛り上げることが出来るのではあるが、特開2004−274464では携帯電話ネットワークに、BGMや効果音声などを合成して携帯電話機間の通話を中継するためのコンテンツサーバを、新たに設ける必要がある。またこのサービスの利用者は月極めなどの形態で使用料金を負担しなければならない。特開2002−218019では上述したようなミキサ回りの回路を備えることが必須であるため、このような合成機能を使わせるためには、この機能を備えた携帯電話機に買い代えてもらう必要がある。また携帯電話機のメーカーにとっては多くの機種でこの機能に対応させなくてはならないなどの問題がある。なおユーザー側から見ればこの機能の提供は、携帯電話の通信キャリアか携帯電話機メーカーが独占することになり、例えばおもちゃ業界からおもちゃとして提供を受けるなどの選択肢が全くない。
【0004】
そこでこの発明は上述したような問題を解決して、どのような携帯電話機であってもこれに外付けすることが可能であり、通話中の音声に音楽や合の手や環境音などの効果音を重畳したものを通話者同士で聞くことが出来て通話の場を大いに盛り上げることが出来るような、一般市販が可能なアクセサリーのような効果音重畳装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、請求項1の発明によれば、携帯電話機の外部接続端子に接続するための入出力接続具を備えた通話重畳装置であって、通話に必要な音声入力具と音声出力具と、通話に重畳させるための音楽や音声などの効果音を少なくとも一つ記録するための記憶部とまたはこの記憶部を着脱するための記憶部接続具と、これらを管理する重畳制御部とから成り、この重畳制御部は前記記憶部から所要の効果音を読み出して、この効果音を音声入力具からの音声に重畳して、これを前記入出力接続具を介して携帯電話機に出力することを特徴とする、効果音重畳装置とすることにより達成される。
【0006】
この発明の要点は、効果音重畳装置が携帯電話ネットワークの側に設置されるものではなく、携帯電話機の内部に備えられるものでもなく、携帯電話機に外付けされるアクセサリーの側に有ることである。従ってどの通信キャリアにもどのメーカーの携帯電話機にもそのまま対応することが出来る。
【0007】
入出力接続具を携帯電話機の外部接続端子に接続すると、携帯電話機が備えているマイクとスピーカとが、この効果音重畳装置が備えている音声入力具と音声出力具に各々切り代わる。音声入力具にはマイクや骨伝導マイク等が、音声出力具にはスピーカやイヤホンや骨伝導スピーカ等が用いられるが、効果音が重畳された通話を聞くにはイヤホンや骨伝導スピーカが好適である。この効果音重畳装置の、例えばケーシングの中央部に設けた押しボタンスイッチを押すこと、などをトリガーとして、重畳制御部は記憶部から効果音データを読み出して、これを音声入力具からの音声データに重畳して出力する。また複数の効果音から任意の一を選択して使用するようにしたいのであれば、効果音の数に応じた押しボタンスイッチを設けるなどとすれば良い。このようにして音声入力具に向かって話すと効果音を背景にした音声データが入出力接続具を介して携帯電話機の外部接続端子に入力され、携帯電話機を介して通話相手に送信されると共に携帯電話機により外部接続端子から出力され、入出力接続具を介して本効果音重畳装置に入力されて音声出力具から効果音を背景にした音声が聞こえる。そしてこの効果音を背景にした音声は、通話相手の携帯電話機のスピーカから通話相手の耳に聞かれることになる。なお記憶部は固定的に内蔵されるものであっても、記憶部接続具を介して着脱自在に内蔵されるものであっても良い。後者は記憶部をICカードメモリなどとして効果音を適宜交換することが可能になる。なお電源部は本効果音重畳装置の内部にボタン電池をセットするのが好適な設計であるが、携帯電話機側から電源を取るような設計もまた可能である。なお上述したように、入出力接続具を携帯電話機の外部接続端子に接続すると携帯電話機が備えているマイクとスピーカとがこの効果音重畳装置が備えている音声入力具と音声出力具に各々切り代わるようにしているが、この際に携帯電話機側のマイクまたはスピーカをOFFにする処理を行うかONのままとするかは任意設計事項である。すなわち少なくとも何れか一をONのままとする構成も、この発明の権利範囲内のものである。
【0008】
本効果音重畳装置によれば、入出力接続具を携帯電話機の外部接続端子(外部入出力接続端子)に接続するだけで良いから、どのようなタイプの携帯電話機でも外付けが可能であり、内蔵する記憶部から効果音データを読み出して通話中の音声に効果音を重畳したものを通話者同士で聞くことが出来て、通話の場を大いに盛り上げることが出来るのである。
【0009】
次に上記課題は、請求項2の発明によれば、携帯電話機の外部接続端子に接続するための入出力接続具を備えた通話重畳装置であって、通話に必要な音声入力具と音声出力具と、通話に重畳するための音楽や音声などの効果音を録音・再生するための録音・再生部と、これらを管理する重畳制御部とから成り、この重畳制御部は前記録音・再生部にて所要の効果音を再生して、この効果音を音声入力具からの音声に重畳し、これを前記入出力接続具を介して携帯電話機に出力することを特徴とする、効果音重畳装置とすることにより達成される。
【0010】
この発明の要点は、通話に重畳させるための音楽や音声などの効果音を録音・再生するための録音・再生部を備えていることにある。重畳制御部は音声入力具からの音声や音声出力具に出力される通話相手の音声を前記録音・再生部に録音する。そして例えば再生ボタンが押されるなどしたら、重畳制御部は録音・再生部に効果音を再生させて、この効果音を音声に重畳して携帯電話機に出力する。こうして通話中の音声に効果音を重畳したものを通話者同士で聞くことが出来るのである。なお複数の効果音を録音しておき、任意の一を選択して再生する設計も可能である。
【0011】
次に上記課題は、請求項3の発明によれば、携帯電話機の外部接続端子に接続するための入出力接続具を備えた通話重畳装置であって、通話に必要な音声入力具と音声出力具と、通話に重畳させるための外部の音楽プレーヤなどからの出力を利用するための外部入力具と、これらを管理する重畳制御部とから成り、この重畳制御部は前記外部入力具からの入力を受け付けて音声入力具からの音声に重畳し、これを前記入出力接続具を介して携帯電話機に出力することを特徴とする、効果音重畳装置とすることにより達成される。
【0012】
この発明の要点は、通話に重畳させるための効果音を得るために、外部の音楽プレーヤなどからの出力を利用するための外部入力具を備えていることにある。音楽プレーヤからの音声出力以外にもラジオやテレビやパソコンなどからの音声出力を外部入力具から得ることが出来る。従ってこの発明の通話重畳装置の外部入力具に例えばiPod(登録商標)などの音楽プレーヤの出力端子を接続して音楽プレーヤを再生させると、重畳制御部は音楽プレーヤからの出力を取り込み、これを効果音として音声に重畳して携帯電話機に出力するので、通話中の音声に効果音を重畳したものを通話者同士で聞くことが可能となるのである。
【0013】
次に請求項4の発明によれば、請求項1、請求項2、請求項3の効果音重畳装置に於いて、前記重畳制御部は所要の時間だけ前記重畳処理を行うようにしたので、音声と効果音との重畳を止めたければ重畳制御部に重畳処理を止めさせることで、通話中の音声から効果音が消えて、音声だけが通話者間で聞かれるようになる。従って重畳処理の時間を自由に制御することが出来る。例えば押しボタンスイッチをONにすることをトリガーとして重畳制御部が音声と効果音との重畳を行い、押しボタンスイッチをOFFにすることをトリガーとして重畳制御部が音声と効果音との重畳を止める設計のものでは、前記重畳制御部は前記スイッチがONにされている間だけ前記重畳処理を行い、スイッチをOFFにすれば重畳処理を止めることになる。従ってユーザーは好きな時にスイッチをON/OFFすれば良い。
【0014】
また請求項5の発明によれば、請求項1、請求項2、請求項3の効果音重畳装置に於いて、前記重畳制御部は所定の時間だけ前記重畳処理を行うようにしたので、前記重畳制御部が重畳処理を開始した後は、所定の時間が経過するまではこの重畳処理を継続し、所定の時間が経過したら重畳処理を終了することになる。一例として押しボタンスイッチをONにすることをトリガーとして重畳制御部が音声と効果音との重畳を行う設計のものでは、前記重畳制御部は前記スイッチが一旦ONにされたならば所定の時間だけ前記重畳処理を行う。従って重畳処理を止めるためにスイッチをOFFにする操作が不要である。所定の時間とはこれより通話が終了するまでとか、一曲演奏が終わるまでとか、合の手を3回までなどのように設定された時間のことである。これは重畳制御部にて予め設定しておくようにする。
【0015】
また請求項6の発明によれば、請求項1の効果音重畳装置に於いて、前記記憶部は複数の効果音を記録するものであり、これ等の効果音から一を選択し得るようにしたものとすることが出来る。この一実施例として、この効果音重畳装置に複数のスイッチを設けておき、これ等のスイッチの中から一を選択してON状態にすると、このスイッチに割り当てられた効果音を通話に重畳させる設計が可能である。従って次に別のスイッチを選択してON状態にすると別の効果音を背景にした通話音声が聞こえることになる。なお請求項2や請求項3の効果音重畳装置に関しても記憶部やこの記憶部を着脱するための記憶部接続具を備えるようにすれば、この請求項6の構成を適用することが可能となるのは言うまでもない。
【0016】
次に請求項7の発明によれば、請求項1、請求項2、請求項3の効果音重畳装置に於いて、前記音声出力具のリード線を(前記音声入力具がリード線を備える場合には音声入力具のリード線と音声出力具のリード線とを)巻いたり畳むなどして収納するための収納部を備えているものとしたので、不要の際にはこれ等のリード線を収納部の中に収納してしまうことが可能であり長いリード線が邪魔にならない。特に収納部としてリールを用いるとこれ等のリード線をリールで巻いて収納することが出来るようになる。
【0017】
次に請求項8の発明によれば、請求項1、請求項2、請求項3の効果音重畳装置に於いて、更にキーホルダーの金具を備えたものとすることが出来る。本効果音重畳装置をキーホルダーとして利用することが可能であり便利である。
【0018】
次に請求項9の発明によれば、請求項1、請求項2、請求項3の効果音重畳装置に於いて、更に携帯電話機に接続するためのストラップを備えたものとすることが出来る。本効果音重畳装置をストラップを介して携帯電話機に接続しておくことが出来るため、必要な時には何時でも直ぐに使用可能である。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、携帯電話機に外付けされるアクセサリーとして効果音重畳装置を構成しているため、どの通信キャリアにもどのメーカーの携帯電話機にもそのまま対応することが出来る。BGMで雰囲気を作り出したり、ジョーク的に通話の場を盛り上げたりと、効果音を適時に用いることが可能となっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1実施形態)
図1は第1実施形態の使用状態説明図である。この実施形態の効果音重畳装置1は、携帯電話機9のジャック92にプラグ12を以て電気的に接続されるものである。ここで例に上げた携帯電話機9は2つ折りタイプのものであって本体側の下部にマイク93を内蔵しており、蓋側には液晶ディスプレイ90と共に上部にスピーカ94が設けられている。なお符号91は液晶ディスプレイ90の表示画面である。
【0021】
効果音重畳装置1は図1及び図2で示すように、後述する回路の全体に電力を供給する際のON/OFFを司る電源スイッチ10と、効果音を通話相手に聞かせたいとする時に押すための指定スイッチ11と、本体に内蔵されたマイク13と、イヤホン14とから構成されている。またその内部は通話に重畳させるための音楽や音声などの効果音を一つ記録するための効果音記憶部20と、この効果音記憶部20から効果音を読み出してデコードするコーデック21と、このコーデック21から出力されるアナログ情報としての効果音とマイク13から入力されたアナログ情報としての通話データをミキシング(重畳)するミキサ22と、これらの各部を制御する重畳制御部2とから構成されている。また図2で携帯電話機9側のジャック92に接続される効果音重畳装置1側のプラグ12には3つの端子が設けられており、ミキサ22からの出力が接続されたマイク端子15とイヤホン14へ直接入力するためのイヤホン端子16との他に、この実施形態では用いないものの携帯電話機9側から重畳制御部2を直接制御する場合に備えた制御端子17を有する。
【0022】
効果音重畳装置1をプラグ12を以て携帯電話機9のジャック92に接続すると、携帯電話機9側ではマイク93とスピーカ94とをOFFにして、ジャック92(すなわち効果音重畳装置1側のマイク13とイヤホン14と)をONにするようにジャック92が設計されている。従って効果音重畳装置1を携帯電話機9に繋げるだけでマイク13とイヤホン14とが使用可能になる。
【0023】
電源スイッチ10をONにすると図示しない電源から回路の各部に電力が供給される。この状態ではマイクに向かって話すと、アナログの音声データがマイク端子15を介して出力され携帯電話機9のマイク93と同等の処理が行われる。またこの音声データは携帯電話機9のスピーカ94に出力されるのと同等の処理が行われてイヤホン端子16に出力されてイヤホン14を動作させる。ここまでは通話に効果音を重畳させない場合の使用法である。
【0024】
次に通話中に効果音を重畳させたくなった場合には、効果音重畳装置1の指定スイッチ11を押すように操作する。すると図3のフローチャートで示すように重畳制御部11が効果音記憶部20からデジタルの効果音データを読み出し(S10)、コーデック21にデコードさせて(S11)、この出力であるアナログの効果音データをマイク13から入力されたアナログの通話データと共にミキサ22でミキシング処理を行う(S12)。この効果音が重畳された通話データはマイク端子15に出力される(S13)。またこの効果音が重畳されたアナログの通話データは携帯電話機9から効果音重畳装置1のイヤホン端子16に入力されてイヤホン14から聞かれる。なお携帯電話機9内の処理として、この効果音が重畳されたアナログの通話データはエンコーダによりエンコードされて通話相手の携帯電話機に向けて送信されるため、通話相手には効果音を背景とした通話が聞かれることになる。
【0025】
なお通話相手が自己の携帯電話機9に効果音重畳装置1を接続して使用していれば、こちらにも、通話相手が話した通話の背景に通話相手側の効果音重畳装置1で重畳された効果音が聞かれるようになる。
【0026】
なお前記プラグ12は一例であって、ここにどのようなタイプのものを用いるかは携帯電話機側の構成による。一例としてパソコンなどとの連係を強化するためのUSBタイプのプラグを上げる。このような複数のタイプのものに対応させるべく変換アダプターを用いるようにしても良い。また前記USBプラグなどのような高機能のプラグを用い、前記制御端子17相当のラインを利用して、携帯電話機9側の液晶ディスプレイ90の表示画面91に効果音の選択画面を表示させ、これを携帯電話機9側のコントローラで選択し得るように、携帯電話機9側を構成することが可能である。
【0027】
(第2実施形態)
この実施形態を図4のフローチャートを用いて説明する。この実施形態は効果音指定スイッチがONの状態にある時だけ効果音の重畳処理を行うと言うものである。すなわち効果音を使用したければずっと効果音指定スイッチをONの状態にし続けなくてはならないと言うものである。
【0028】
このため効果音指定スイッチがONになったら(S20)、重畳制御部が効果音記憶部からデジタルの効果音データを読み出してコーデックにデコードさせ、これをマイクから入力されたアナログの通話データにミキシングする。すなわち効果音の重畳処理を実行する(S21)。また重畳制御部はS22に於いて指定スイッチがONの状態のままかOFFにされたかを監視して、ONの状態であれば(Yes)重畳処理を継続し、OFFの状態になったのであれば(No)重畳処理を終了する。すなわち音声信号データのみをマイク端子に出力して携帯電話機のマイク端末に入力するのである(S23)。
【0029】
このような使い方に良く適合する効果音としては、拍手、合の手、擬音などを上げる。
【0030】
(第3実施形態)
この実施形態を図5のフローチャートを用いて説明する。この実施形態は効果音指定スイッチがONの状態になったら効果音の重畳処理を開始し、設定された時間が経過したら効果音の重畳処理を終了すると言うものである。
【0031】
効果音指定スイッチがONになったら(S30)、タイマによる計時を開始し(S31)、重畳制御部が効果音記憶部からデジタルの効果音データを読み出してコーデックにデコードさせこれをマイクから入力されたアナログの通話データにミキシングする(S32)。重畳制御部はS33に於いてタイマが設定時間が経過したことを通知して来たか否かを監視して、設定時間が経過していないのであれば(No)重畳処理を継続し、設定時間が経過したのであれば(Yes)重畳処理を終了して、音声信号データのみをマイク端子に出力する(S34)。
【0032】
このような使い方に良く適合する効果音として拍手、合の手、擬音などの他に音楽やコマーシャルを上げる。
【0033】
(第4実施形態)
図6は第4実施形態の正面図である。この実施形態の効果音重畳装置3は携帯電話機のジャックにプラグ34を以て電気的に接続されるものである。この効果音重畳装置3は図6及び図7で示すように、後述する回路の動作をON/OFFする電源スイッチ30と、効果音を通話相手に聞かせたいとする時に3つの内から1つを選んで押すための選択スイッチ31,32,33と、本体に内蔵されたマイク35と、イヤホン36,36とから構成されている。またこの効果音重畳装置3は通話に重畳させる音楽や音声などの効果音を記録するための効果音記憶部としてカードメモリ53を用いるため、本体にメモリスロット37を備えている(カードメモリ53は着脱自在であるため効果音を他のものに変更することが可能である)。その内部は前記メモリスロット37にカードI/F50を備え、カードメモリ53から効果音を読み出してデコードするコーデック51と、このコーデック51から出力されるアナログ情報である効果音とマイク35から入力されたアナログ情報である通話データをミキシングするミキサ52と、これらの各部を制御する重畳制御部5とから構成されている。また前記プラグ34に3つの端子が設けられており、ミキサ52からの出力が接続されたマイク端子38とイヤホン36へ直接入力するためのイヤホン端子39との他に、この実施形態では用いないものの携帯電話機の側から重畳制御部5を直接制御する場合に備えた制御端子300を有する。
【0034】
この効果音重畳装置3をプラグ34を以て携帯電話機に接続すると、携帯電話機側のマイクとスピーカとがOFFにされて、プラグ34への入出力(すなわち効果音重畳装置3側のマイク35とイヤホン36,36と)がONとなる。従って効果音重畳装置3を携帯電話機に繋げるとそのままマイク35とイヤホン36とが使用可能になる。
【0035】
電源スイッチ30をONにすると図示しない電源から回路の各部に電力が供給される。通話に効果音を重畳させない場合にはこの状態でマイク35に向かって話すことで、アナログの音声データがマイク端子38を介して携帯電話機へ入力される。そしてまたこの音声データは携帯電話機からイヤホン端子39を介してイヤホン36から出力される。通話中に効果音を重畳させたくなったら、3つの中のどの効果音を使用するかを決めて、効果音重畳装置3の3つの選択スイッチ31,32,33の中から該当するものを押すように操作すれば良い。この用例としては、通話中の感情の変化に応じた効果音を選択的に用いることで、例えば自分や通話相手が恰もドラマの登場人物としてドラマのワンシーンを演じているかのような演出を行うことが可能である。
【0036】
なお図中符号4はストラップを指すが、このストラップ4によって取り扱いを楽なものとしている。更にこのストラップ4に効果音重畳装置3を携帯電話機に接続しておくための接続紐を取り付けるようにしても良い。
【0037】
(第5実施形態)
図8は第5実施形態の正面図である。この実施形態の効果音重畳装置6はその殆どの部分を上述した第4実施形態の効果音重畳装置3に倣うものであり、外見的には携帯電話機に電気的に接続するためのプラグ64と電源スイッチ60と、3つの効果音の内から1の効果音を選んで押すための選択スイッチ61,62,63と、カードメモリ53を着脱するためのメモリスロット68と、マイク65一体型のイヤホン66とを備え、内部的には効果音重畳装置3とほぼ同一の構成であるが、リール7を備えている点で異なる。
【0038】
すなわちミキサからの及びプラグ64のイヤホン端子からのリード線67が、効果音重畳装置6の本体に取り付けられたリール7を介して外部に引き出されている。従ってこの効果音重畳装置6を使用しない時にはリード線67を捲回してリール7に収納しておくことが出来るため実に便利である。なおイヤホン66とマイク65は一体に設けられているため、イヤホン66を耳に装着するとマイク65は自然に頬の辺りに位置することになり、雑音の少ないクリアな音声を拾うことが可能である。従って重畳処理後の音声データも比較的にクリアである。
【0039】
(第6実施形態)
図9は第6実施形態のブロック図であって、請求項2の効果音重畳装置に係る実施形態である。このものは携帯電話機のジャックにプラグ34を以て電気的に接続されるものであって、通話に重畳させるための音楽や音声などの効果音を一つ記録するための効果音記憶部80と、この効果音記憶部80から効果音を読み出してデコードするコーデック81と、このコーデック81から出力されるアナログ情報としての効果音とマイク35から入力されたアナログ情報としての通話データをミキシング(重畳)するミキサ82と、これらの各部を制御する重畳制御部8とから構成される他に、マイク35から入力されたユーザーの声を録音したり、前記プラグ34のイヤホン端子39から入力された通話相手の声を録音したり、これ等の録音された声を再生して前記ミキサ82に提供するための録音・再生部83を備えている。また携帯電話機側のジャック92に接続される効果音重畳装置側のプラグ34には3つの端子が設けられており、ミキサ82からの出力が接続されたマイク端子38と、イヤホン36及び録音・再生部83へ入力するためのイヤホン端子39との他に、この実施形態では用いないものの携帯電話機側から重畳制御部8を直接制御する場合に備えた制御端子300とを有する。また効果音を通話相手に聞かせたいとする時に押すために前記重畳制御部8には指定スイッチ303が設けられており、且つ録音・再生部83には録音スイッチ301と再生スイッチ302とが設けられている。
【0040】
図示しない電源スイッチをONにすると図示しない電源から回路の各部に電力が供給される。通話に効果音を重畳させない場合には、この状態でマイク35に向かって話すことで、アナログの音声データがマイク端子38を介して携帯電話機へ入力される。そしてまたこの音声データは携帯電話機からイヤホン端子39を介してイヤホン36から出力される。
【0041】
さて通話中に効果音を重畳させたくなったら、効果音記憶部80からの場合には重畳制御部8の指定スイッチ303を押すが、録音・再生部83からの場合にはここに設けられた再生スイッチ302を押すことになる。後者の場合には録音・再生部83を用いて予め効果音を録音しておく必要があり、録音・再生部83の録音スイッチ301を操作することになる。例えばユーザーが自分の声を効果音として使用したい場合には、前記録音スイッチ301を押しつつマイク35に向かって話すと、この音声が録音・再生部83に録音される。もしも通話相手の声を録音して効果音に使用したいのであれば、通話相手が話している最中に録音スイッチ301を押すことで、前記プラグ34のイヤホン端子39から入力された通話相手の声がイヤホン36に流れるのと同時に録音・再生部83に入力されて録音されることになる。
【0042】
(第7実施形態)
図10は第7実施形態のブロック図であり、請求項3の効果音重畳装置に係る実施形態である。このものは携帯電話機のジャックにプラグ34を以て電気的に接続されるものであって、外部入力端子304を備えており、ここからの入力はミキサ52に伝えられて、マイク35からの音声入力に重畳されるようになっている。また通話に重畳させる音楽や音声などの効果音を記録するための効果音記憶部としてカードメモリ53を用いるため、本体にメモリスロット37を備えている(カードメモリ53は着脱自在であるため効果音を他のものに変更することが可能である)。その内部は前記メモリスロット37にカードI/F50を備えており、カードメモリ53から効果音を読み出してデコードするコーデック51と、コーデック51から出力されるアナログ情報である効果音とまたは前記外部入力端子304から入力された一例iPod(登録商標)などの音楽プレーヤの再生出力と、マイク35から入力されたアナログ情報である通話データとをミキシングするミキサ52と、これらの各部を制御する重畳制御部5とから構成されている。またこの重畳制御部5にはテンキー305が接続されている。なお前記プラグ34には3つの端子が設けられており、前記ミキサ52からの出力が接続されたマイク端子38と、イヤホン36へ直接入力するためのイヤホン端子39との他に、この実施形態では用いないものの携帯電話機の側から重畳制御部5を直接制御する場合に備えた制御端子300を有する。
【0043】
電源スイッチ30をONにすると図示しない電源から回路の各部に電力が供給される。通話に効果音を重畳させない場合にはこの状態でマイク35に向かって話すことで、アナログの音声データがマイク端子38を介して携帯電話機へ入力される。そしてまたこの音声データは携帯電話機からイヤホン端子39を介してイヤホン36から出力される。そこで通話中に効果音を重畳させたくなったら、前記テンキーを操作して所定の数字セットを押すようにする。これによってある数字セットの場合には前記外部入力端子304からの入力を効果音として、これをミキサ52で通話データとミキシングする。また別の特定の数字セットの場合にはこれに対応する効果音を、カードI/F50を介してカードメモリ53から読み出し、コーデック51でデコードして、このコーデック51から出力されるアナログ情報である効果音とマイク35から入力されたアナログ情報である通話データをミキサ52でミキシングする。上記何れの場合にも、これ等の効果音が重畳された通話データはマイク端子38に出力される。またこの効果音が重畳されたアナログの通話データは携帯電話機から効果音重畳装置のイヤホン端子39に入力されてイヤホン36から聞かれる。
【0044】
(この他の実施形態)
上述した第5実施形態の効果音重畳装置6には、図8で表したように左上隅に小孔が開孔されているが、ここにストラップを取り付けたりキーホルダーの金具を取り付けたりすることが可能である。またこの発明の効果音重畳装置の外観を根付けのような具象体とすることが出来る。また効果音重畳装置を携帯電話機の背面に粘着剤で一体的に止めるなども可能である。なお記憶部に記憶させる効果音の種類に限定はなく、BGM、アニメのキャラクターの声、駅などの環境音、自分の声を録音したものなど全く自由である。またこの発明の効果音重畳装置を通話相手が自己の携帯電話機に接続していない場合であっても、通話相手が話した通話の背景にこちらの効果音重畳装置の効果音を重畳して聞くことが出来るように設計することが可能である。
【0045】
なお、第1実施形態の電源スイッチ10、第4実施形態の電源スイッチ30、第5実施形態の電源スイッチ60、第6及び第7実施形態の電源スイッチ(何れも図示せず)を設けない設計も可能である。実際にミキサ等に入力があるまではその電力の消費量は極く僅かなものであるから、これを無視するのであれば電源スイッチは不要として良い。従って例えば第7実施形態に於いては外部入力端子304に入力があるだけで、すなわちユーザーはiPod(登録商標)等の音楽プレーヤ側で再生操作を行なうだけでこれ以外の操作を行わずとも上述したような重畳処理が開始されるように設計することが出来るのである。
【産業上の利用可能性】
【0046】
この他、携帯電話機のデータ通信機能を利用して、サーバから効果音をダウンロードして記憶部に記憶させるような設計も可能である。また別途ミュージックプレーヤとしての機能を持たせることも可能である。なおこの際にはイヤホンのリード線に再生や停止を操作するための操作部を備えると良い。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】 第1実施形態の使用状態説明図である。
【図2】 同実施形態のブロック図である。
【図3】 同実施形態のフローチャートである。
【図4】 第2実施形態のフローチャートである。
【図5】 第3実施形態のフローチャートである。
【図6】 第4実施形態の正面図である。
【図7】 同実施形態のブロック図である。
【図8】 第5実施形態の正面図である。
【図9】 第6実施形態のブロック図である。
【図10】 第7実施形態のブロック図である。
【符号の説明】
【0048】
1 効果音重畳装置
10 電源スイッチ
11 指定スイッチ
12 プラグ
13 マイク
14 イヤホン
15 マイク端子
16 イヤホン端子
17 制御端子
2 重畳制御部
20 効果音記憶部
21 コーデック
22 ミキサ
3 効果音重畳装置
30 電源スイッチ
31 選択スイッチ
32 選択スイッチ
33 選択スイッチ
34 プラグ
35 マイク
36 イヤホン
37 メモリスロット
38 マイク端子
39 イヤホン端子
300制御端子
301録音スイッチ
302再生スイッチ
303指定スイッチ
304外部入力端子
305テンキー
4 ストラップ
5 重畳制御部
50 カードI/F
51 コーデック
52 ミキサ
53 カードメモリ
54 重畳制御部
6 効果音重畳装置
60 電源スイッチ
61 選択スイッチ
62 選択スイッチ
63 選択スイッチ
64 プラグ
65 マイク
66 イヤホン
67 リード線
68 メモリスロット
7 リール
8 重畳制御部
80 効果音記憶部
81 コーデック
82 ミキサ
83 録音・再生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話機の外部接続端子に接続するための入出力接続具を備えた通話重畳装置であって、通話に必要な音声入力具と音声出力具と、通話に重畳させるための音楽や音声などの効果音を少なくとも一つ記録するための記憶部とまたはこの記憶部を着脱するための記憶部接続具と、これらを管理する重畳制御部とから成り、この重畳制御部は前記記憶部から所要の効果音を読み出して、この効果音を音声入力具からの音声に重畳して、これを前記入出力接続具を介して携帯電話機に出力することを特徴とする、効果音重畳装置。
【請求項2】
携帯電話機の外部接続端子に接続するための入出力接続具を備えた通話重畳装置であって、通話に必要な音声入力具と音声出力具と、通話に重畳させるための音楽や音声などの効果音を録音・再生するための録音・再生部と、これらを管理する重畳制御部とから成り、この重畳制御部は前記録音・再生部にて所要の効果音を再生して、この効果音を音声入力具からの音声に重畳し、これを前記入出力接続具を介して携帯電話機に出力することを特徴とする、効果音重畳装置。
【請求項3】
携帯電話機の外部接続端子に接続するための入出力接続具を備えた通話重畳装置であって、通話に必要な音声入力具と音声出力具と、通話に重畳させるための外部の音楽プレーヤなどからの出力を利用するための外部入力具と、これらを管理する重畳制御部とから成り、この重畳制御部は前記外部入力具からの入力を受け付けて音声入力具からの音声に重畳し、これを前記入出力接続具を介して携帯電話機に出力することを特徴とする、効果音重畳装置。
【請求項4】
前記重畳制御部は所要の時間だけ前記重畳処理を行うようにするものである、請求項1または請求項2または請求項3に記載の効果音重畳装置。
【請求項5】
前記重畳制御部は所定の時間だけ前記重畳処理を行うようにするものである、請求項1または請求項2または請求項3に記載の効果音重畳装置。
【請求項6】
前記記憶部は複数の効果音を記録するものであり、これ等の効果音から一を選択し得るようにした、請求項1に記載の効果音重畳装置。
【請求項7】
音声出力具のリード線を巻いたり畳むなどして収納するための収納部を備えている、請求項1または請求項2または請求項3に記載の効果音重畳装置。
【請求項8】
更にキーホルダーの金具を備える、請求項1または請求項2または請求項3に記載の効果音重畳装置。
【請求項9】
更に携帯電話機に接続するためのストラップを備える、請求項1または請求項2または請求項3に記載の効果音重畳装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−148081(P2010−148081A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−336150(P2008−336150)
【出願日】平成20年12月21日(2008.12.21)
【出願人】(391004609)三共理研株式会社 (21)
【Fターム(参考)】