説明

動きアーティファクト画像についてのアーティファクト補正

診断撮影システム(8)は、1つ又はそれ以上の連続的な肺周期において存在する所定の位相点において対象物を撮影する。呼吸モニタ(44)は、肺周期における周期的な生理学的パラメータをモニタし、周期的な肺位相を表す信号を生成する。CTスキャナ(12)は、トランスミッション放射線データを生成するように検査領域(28)に隣接して位置付けられる。データプロセッサ(60)は、肺位相の各々が減衰マップに対して実質的に等しく寄与するように、トランスミッション放射線データを重み付けすることによりトランスミッション撮影データから減衰マップ(96)を再構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断撮影技術に関する。本発明は、特に、減衰補償によるSPECT(Single Photon Emission Tomography)システムに関連するアプリケーションに関し、下でそれに対する特定の関連について説明する。本発明は、陽電子放出断層撮影(PET)システム等の他の撮影システムに適用可能である。そのようなシステムは放出断層撮影システムと称せられている。
【背景技術】
【0002】
放射線放出撮影においては、患者を撮影するように放射能源を用いる。代表的には、放射性薬剤が患者に注入される。放射性薬剤化合物は、予測可能な速度及び特性エネルギーにおけるガンマ線減衰を受ける放射性同位体を有する。1つ又はそれ以上の放射線検出器が、放出される放射線をモニタ及び記録するように、患者に隣接して位置付けられる。ときどき、その検出器は、複数方向から放出される放射線をモニタするように、患者の周囲を回転される又はインデックス化される。検出された位置及びエネルギー等の情報に基づいて、体内の放射性薬剤分布が決定され、その分布画像が、循環系、選択された器官又は組織における放射性薬剤の取り込み等を調べるように再構成される。
【0003】
医学的調査においては、一般に、放出データは、通常、患者の解剖学的組織の吸収特性を変えることによりもたらされる不正確さを有するため、トランスミッション線源か又はCT画像のどちらかにより生成される減衰マップ(トランスミッションマップ)が、放出データを補正するように付加減衰情報を提供するように用いられる。
【0004】
典型的には、放出断層撮影スキャンが、収集されたデータが呼吸周期における平均運動状態に対応することを意味する予備ゲーティングを伴わずに実行される。従って、一方法においては、減衰マップを得るように、患者は、CTスキャン中、呼吸を止めるように、又は、浅い呼吸をするように要求される。放出断層撮影における自由な呼吸状態は、CT撮影における息こらえ状態と異なるため、CT画像は、放出データと正確に位置合わせされない。放出画像における腫瘍の不正確な診断及び数量化をもたらす可能性がある。
【0005】
他の方法においては、CTスキャン中、放出断層撮影スキャンのデータ取得プロトコルと平行するように、患者は呼吸を続ける。少なくとも1つの完全な呼吸周期において全てのボクセルがコーンビームにより照明されることを確実にするように、短い間隔が用いられる。しかしながら、CTスキャンは、磁気共鳴撮影スキャンよりかなり高速である。典型的には、1つ又は2つの呼吸周期のみが、各々の対象点について捕捉される。標準的な再構成は、矢状断面又は冠状断面におけるマッシュルーム状にみえるアーティファクトをもたらす運動状態において悪い平均のみを与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の課題及び他の課題を克服する新しい且つ改善された方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一特徴に従って、1つ又はそれ以上の連続的な肺周期において生じる所定の肺の領域を撮影する撮影システムについて開示している。呼吸モニタは、肺の周期における周期的な生理学的パラメータをモニタリングし、周期的な肺の位相を表す信号を生成する。データプロセッサは、肺の位相の各々が実質的に等しく、減衰マップに寄与するように、トランスミッション放射データを重み付けすることにより、トランスミッションデータから減衰マップを再構成する。
【0008】
他の特徴に従って、1つ又はそれ以上の連続的な肺周期において生じる所定の肺の領域を撮影する撮影方法について開示している。肺周期における周期的な生理学的パラメータがモニタリングされる。周期的な肺位相を表す信号が生成される。トランスミッション放射データが生成される。減衰マップは、複数の肺位相の各々におけるトランスミッションデータを等しく重み付けすることにより、トランスミッションデータから再構成される。
【0009】
他の特徴に従って、放出撮影方法について開示している。トランスミッション撮影データが、肺周期の周期的に繰り返される肺の領域において収集される。減衰マップが、各々の位相ポイントからの実質的に等しい寄与を用いて生成される。放出データは、減衰マップにより補正される。減衰により補正された放出データは、診断画像に再構成される。
【0010】
一有利点は、アーティファクトが、減衰により補正された放射線放出画像において低減されることである。
【0011】
当業者は、以下の詳細説明を読んで理解することにより、本発明の更なる有利点について認識することができるであろう。
【0012】
本発明において、種々の構成要素及びそれらの構成要素の組み合わせ、及び種々のステップ及びステップの組み合わせについて具現化される。添付図は、単に例示目的で好適な実施形態を示し、本発明を限定するとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】撮影システムを示す図である。
【図2】サンプリングウィンドウについての非正規化重み付けプロファイルを示す図である。
【図3】詳細な撮影システムの部分を示す図である。
【図4】他の詳細な撮影システムの部分を示す図である。
【図5】複数のサンプリングウィンドウについての非正規化重み付けプロファイルを示す図である。
【図6】図5の非正規化重み付けプロファイルの平均を表すグラフを示す図である。
【図7】放射線放出撮影方法の複数のステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照するに、撮影システム8は、SPECTスキャナ、PETスキャナ及びCTスキャナ12等の放出撮影システム10を有する。より具体的には、1つ又はそれ以上の核磁気検出ヘッド14は、対象領域又は検査領域18から発せられる放射イベントを検出するように回転可能ガントリ16により支えられている。各々の検出ヘッド14は、シンチレータ等の検出器要素の二次元アレイと、例えば、光電子倍増管、フォトダイオード等の光感応性要素のアレイとを有する。CZT要素等の電気変換器への直接のX線についても、検討することができる。代替として、特にPETスキャナにおいて、検査領域は、典型的には、静止検出器ヘッドのリングにより囲まれている。各々のヘッド14は、検出器面、放射線エネルギー(z)、ヘッドの角度位置及び検出時間に関して、放射線の位置(x,y)を表すディジタル信号に各々の放射線応答を変換する回路を有する。検出器におけるイベントの位置は、通常、x及びy座標を有する二次元(2D)直交座標系において処理される及び/又は決定される。しかしながら、他の座標系も検討されることが可能である。SPECTスキャナにおいては、コリメータは、方向及び角度広がりを制御し、そのことから、検出器の各々の要素は放射線を受け入れ、即ち、検出器は、既知の光線のみに沿って放射線を受け入れることが可能である。従って、放射線が検出された検出器において決定された位置及びヘッド14の角度位置は、各々の放射線イベントが基準光線を規定し、その基準光線に沿って、各々の放射線イベントが生じる。
【0015】
放出データは、通常、患者の解剖学的構造の吸収特性を変えることによりもたらされる不正確さを有するため、一実施形態においては、CTスキャナ12が、放出データを補正するように付加減衰情報を提供するように用いられる。CTスキャナ12は非回転式ガントリ20を有する。ボア26は、CTスキャナ12の検査領域28を規定する。L字形状、アーク形状等の非ボアシステムをまた、検討することができる。放射線検出器30又は放射線検出器のアレイは、X線が検査領域28を横断した後に、X線管22から放射線を受け入れるように、回転可能ガントリ24に備えられている。トラック32は、対象物支持部又はカウチ34の長手方向軸に対して平行に延びていて、それ故、放出撮影スキャナ10及びCTスキャナ12が密閉システムを構成している。モーター及びドライブ等の移動手段36が、密閉位置の内側及び外側にPETスキャナ10を移動させるように備えられている。モーター及びドライブ等のカウチ移動手段38は、検査領域18、28において、カウチ34を長手方向に移動させ、鉛直方向に調節する。
【0016】
一実施形態においては、放出撮影システム10及びCTスキャナ12は共通のガントリを用いている。そのようなシステムにおいては、検出は同時に実行される、又はインテーリーブされる。他の実施形態においては、CT撮影及び放出撮影は、異なる撮影セッションにおいて実行される。
【0017】
図1を継続して参照するに、CTスキャナ12の回転可能ガントリ24は一定速度で回転するために、カウチ34において位置付けられている対象物又は患者は、CT画像が撮られる場合、検査領域28に移動される。ドライブ38は、検査領域28内で対象物が好ましく位置決めされるように、対象物支持部34を前進させる及び/又は後退させる。典型的には、スキャン中、各々の投影に沿って進む放射線のある部分は、一般に空間的に変化する放射線の減衰をもたらすように、撮影している対象物により吸収される。放射線検出器アレイ30の検出器要素は、放射線吸収投影データを生成するように、放射線ビームにおける放射線強度をサンプリングする。放射線源22が検査領域28の周囲を回転するように、ガントリ24が回転するため、投影データの複数の角度ビューが取得され、第1又はCTデータメモリ42に記憶される投影データ集合を集合的に規定する。各々の検出器要素が、放射線源から検出器要素に達するライン投影、光線投影、狭コーン投影又は他の実質的に線状の投影に沿ってとられる減衰線積分に対応する信号を検出するために、取得されたデータは、投影データと称せられている。放射線検出器30は、図1に回転可能なガントリ24において備えられて示されているが、静止ガントリ20の周りに備えられたX線検出器要素の二次元バンドで検出器アレイ30を置き換えるようにまた、検討することが可能である。一実施形態においては、放射線検出器30はフラットパネル検出器を有する。
【0018】
他の実施形態においては、螺旋状投影データ集合が、カウチ34に備えられた撮影している対象物の周りの放射線源22の螺旋状軌道を生成するように、カウチ34の連続的な直線状運動と同時にガントリ34を回転させることにより、得られる。
【0019】
マルチスライススキャナにおけるX線源フォーカシング取得ガントリのために、CTデータメモリ42に記憶されている投影データ集合の減衰線積分又は投影は、P(α,β,n)としてパラメータ化されることが可能であり、ここで、αは回転可能ガントリ24の位置により決定される放射線源22のソース角度であり、βはファンにおける角度(β∈P[−Φ/2,Φ/2]、ここで、Φはファン角度である)であり、nは検出器列数である。
【0020】
継続して図1を参照し、更に図2を参照するに、周期モニタ44は、患者の所定の生物学的周期をモニタリングする。一実施形態においては、周期モニタ44は、患者の呼吸周期をモニタリングし、位相点46を検出する。例えば、呼吸検知ベルトは、呼吸周期により振幅において変わる電気信号を生成する平衡ブリッジ型圧力トランスジューサに接続されている。位相点46の位置は、肺の運動特性及び必要な診断情報に従って、医師により選択される。
【0021】
一実施形態においては、撮影されている対象物の呼吸と結び付けられた呼吸マーカーが、呼吸と共に動く。そのマーカーは、スキャナ軸に沿って、異なる時間及び異なる位置において取得される複数の画像を横断するように備えられ、画像におけるマーカー特徴として検出可能であり、それ故、画像におけるマーカー特徴の位置が検出される。このようにして、呼吸モニタリングデータが、撮影データに直接、組み込まれている。
【0022】
他の実施形態においては、CTスキャナ自体が、検査中の対象物の画像からゲーティング信号を生成するように用いられる。同じデータが、ゲーティング信号及び画像を生成するように用いられる。例えば、スキャナは、対象物の最大周期運動又は対象物の最小周期運動に基づいて肺ゲーティング信号を生成する。
【0023】
ソーティング用の装置、プロセッサ、機構手段又は他の手段48は、選択された呼吸位相の各々の間に収集されたデータ集合50,50,...,50、即ち、呼吸位相に特定のデータ集合に減衰データをソーティングする。一実施形態においては、リビニングプロセッサ52は、平行ビューの集合に対して、円錐状ビーム形状から平行ビーム形状に呼吸位相に特定のデータをリビニングする。平行ビューは、軸方向面に、即ち、回転軸に対して垂直に投影される。特に、短時間ウィンドウにより規定される呼吸位相については、一呼吸位相についてのデータは、1つ又はそれ以上の回転及び呼吸周期において短い弧状セグメントにおいて収集されたデータに対応する。データの弧状セグメントは、個別には、フルデータ集合であるには小さ過ぎる。フルデータ集合を生成するように、データは、複数の呼吸周期に亘って収集され、必要に応じて、補間される。呼吸位相に特定のデータ集合は、対応する位相メモリ54に記憶される。
【0024】
図1及び2を継続して参照し、更に図3を参照するに、データプロセッサ60は、各々の個別の選択された呼吸位相について、3Dトランスミッション放射線画像又は減衰マップを再構成する。特に、サンプリングウィンドウ決定用のプロセッサ、装置、機構、アルゴリズム又は他の手段62は、対応する位相点46の周りのサンプリングウィンドウ64を決定又は選択する。一実施形態においては、鉛直方向の線で表される各々の位相点46は、関連ウィンドウにおける実質的に中心にある。重み付けプロファイル決定用のプロセッサ、装置、機構、アルゴリズム又は他の手段70は、そのウィンドウ内にあるボクセル全てについての非正規化重み付けプロファイル72を決定する。非正規化重みは、非正規化重みメモリ74に記憶される。
【0025】
逆投影用のプロセッサ、装置、機構、アルゴリズム又は他の手段80は、3D画像表現又は減衰マップに対して受け入れられた投影において正規化重み付け逆投影を実行する。一実施形態においては、重み付け用のプロセッサ、装置、機構、アルゴリズム又は他の手段82は、正規化重み又は正規化重み付けプロファイル84を生成するように再構成処理において典型的に用いられる他の重みと各々のサンプリングウィンドウ64について決定される非正規化重みを組み合わせて、対応するウィンドウの各々のボクセルに対して正規化重みを適用する。
【0026】
例えば、2つ又はそれ以上のπパートナー(partner)が同じ角度θでボクセルνと交わるとき、重複光線が、分解能を向上させるように補間されることが可能である。重複光線は、反対方向からボクセルを横断し、互いから僅かなオフセットを有することが可能である。重み付けプロセッサ82は、進行中に、複数のπパートナーを正規化する。再構成中に与えられる他の重みの例は、開口重みを増加させる。読み出しのための各々のボクセルに対して与えられる開口重みは、既知の技術のうちの1つにより計算され、典型的には、取得システムに対するボクセルの相対位置に依存する。逆投影器90は、対応する再構成画像メモリ92に記憶されている3D画像に正規化投影を逆投影する。平均化用のプロセッサ、装置、機構、アルゴリズム又は他の手段94は、呼吸平均を表す画像を受け入れるように、記憶されている再構成画像を平均化する。減衰マップメモリ96に記憶されている各々のボクセル値は、呼吸周期の位相において用いられるようになっている対応するボリュームにおける組織による放射線の減衰を表す。予備位相の各々からの画像を等しく平均化することにより、各々の肺位相は減衰マップに等しく寄与する。
【0027】
図4乃至6を参照するに、重み付けプロファイル決定プロセッサ70は、選択されたサンプリングウィンドウ70について非正規化重み付けプロファイルを決定する。データが、複数の肺位相について収集されるとき、連続的なサンプリングウィンドウの重複において、正規化重み付けプロファイルの重複が連続して適用される。図5は、複数の連続的重み付けプロファイルを示している。例えば、20個の肺位相が存在する場合、重み付けプロファイルが周期的に繰り返される。平均化装置94は、図6に示す平均重み付けプロファイル98を生成するように、選択されたウィンドウについて非正規化重みを平均化する。重み付け装置82は、非正規化重みを受け入れるように、選択されたウィンドウについて決定された非正規化重みを、再構成処理において典型的に用いられる他の重みと組み合わせる。逆投影器90は、正規化平均化投影を減衰マップメモリ96に逆投影する。肺位相において生成されるビューの数に反比例する各々の逆投影ビューの寄与を低減させることにより、各々の肺位相は減衰マップ96に対して等しく寄与する。
【0028】
肺位相において等しく重み付けされる減衰マップを生成する他のデータ処理技術もまた、検討することができる。
【0029】
継続して図1を参照するに、対象物を伴う対象物支持テーブル34は、放出画像を撮影するように対象物を位置付けるように放出検査領域18に移動される。典型的には、検査に先立ち、撮影されるようになっている対象物は、1つ又はそれ以上の放射性薬剤又は放射性同位体が注入される。そのような同位体の例としては、Tc−99m、Ga−67及びIn−111がある。対象内の放射性薬剤の存在は、対象から放射線を放出させる。データ収集中、放出放射線検出器ヘッド14は、典型的には、重複した投影方向において投影放出データを収集するように検査領域18の周りを連続的に又はステップを刻んで回転される。一実施形態においては、ヘッドは、ヘッドの数により360°が分割された弧において回転される。投影放出データ、例えば、検出器ヘッドにおける位置(x,y)、エネルギー(z)及び検査領域18の周りの各々の検出ヘッド14の角度位置(θ)(例えば、角度位置リゾルバ100)が、第2又は放出データメモリ102に記憶される。
【0030】
画像用のプロセッサ、装置、機構、アルゴリズム又は他の手段104は、画像メモリ106における3D画像表現を繰り返して再構成する。各々の光線に沿って、放出データが受け入れられる、その各々の光線について、画像プロセッサ104は、位相減衰マップメモリ96に記憶されている対応する減衰マップアレイを介して、対応する光線を計算する。放出データの各々の光線は、減衰係数に従って重み付け又は補正される。
【0031】
ビデオプロセッサ108は、画像メモリから、スライス、投影、3Dレンダリング及び他の情報を検索し、モニタ110における表示についての画像表現を適切にフォーマットする。勿論、プリンタ又は他の装置もまた、都合よくデータをフォーマットするように用いられることが可能である。
【0032】
一実施形態においては、ユーザは、例えば、モニタ110、又は何れかの他の適切なパーソナルコンピュータ、PDA等と統合されたグラフィカルユーザインタフェースを介して上記位相を選択することができる。
【0033】
図7を参照するに、ここで、減衰補正放出画像を生成する方法であって、例えば、CTスキャナ12によりトランスミッション画像データが収集される120、方法を示している。減衰マップは、トランスミッション画像データから生成される。減衰マップを生成する第1方法において、複数の肺周期に亘って、複数の肺領域の各々において収集されたトランスミッション画像データが再構成される124。それらの画像は、その場合、肺領域の各々からのトランスミッション画像データが等しく寄与する減衰マップ128を生成するように平均化される126。代替として、トランスミッション画像データの各々のビューは、プロファイル98のような位相範囲依存性重み付けプロファイルにより重み付けされる。それらのビューは、例えば、フィルタリングされた又は重畳重み付け及び逆投影を用いることにより再構成される132。勿論、位相領域依存性重み付けプロファイル、及びフィルタ又は重畳機能が組み合わされ、単独の重み付けステップが実行されることが可能である。
【0034】
放出データは収集される140。放出データは、減衰マップ128により補正される142。減衰補正放出データは、その場合、減衰補正放出画像146を生成するように再構成される。
【0035】
本発明については、上で好適な実施形態に関連付けて説明されている。上記の詳細説明を読んで理解することにより、修正及び変形を案出することが可能である。本発明は、同時提出の特許請求の範囲における範囲及びそれと同等の範囲から逸脱することなく、それらの修正及び変形を包含するように意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又はそれ以上の連続的な肺周期が存在する肺周期の所定領域において撮影する撮影システムであって:
前記肺周期の周期的な生理学的パラメータをモニタし、周期的な肺位相を表す信号を生成する呼吸モニタ;
トランスミッション放射線データのソース;及び
肺位相の各々が前記減衰マップに実質的に等しく寄与するように、前記トランスミッション放射線データを重み付けすることにより、前記トランスミッション放射線データから減衰マップを再構成するデータプロセッサ;
を有する撮影システム。
【請求項2】
請求項1に記載の撮影システムであって:
各々の所定の位相点に対応するサンプリングウィンドウを選択するウィンドウ選択装置;
を更に有する、撮影システム。
【請求項3】
請求項1に記載の撮影システムであって:
複数の周期的な肺位相の各々に対応する放射線データ集合に前記トランスミッション放射線データをソーティングするソーティング装置;及び
再構成画像メモリにおける、対応する肺位相画像に前記肺位相の各々からの前記トランスミッションデータを逆投影する逆投影装置;
を更に有する、撮影システム。
【請求項4】
請求項3に記載の撮影システムであって:
呼吸平均を表す減衰マップに対して、前記再構成された肺位相を平均化する平均化装置;
を更に有する、撮影システム。
【請求項5】
請求項2に記載の撮影システムであって:
複数の所定のウィンドウについて非正規化重み付けプロファイルを決定する重み付けプロファイル決定プロセッサ;
を更に有する、撮影システム。
【請求項6】
請求項5に記載の撮影システムであって:
前記複数の所定のウィンドウについて、前記決定された非正規化重み付けプロファイルを平均化する平均化装置;
を更に有する、撮影システム。
【請求項7】
請求項6に記載の撮影システムであって:
少なくとも前記平均化された非正規化重み付けプロファイルに基づいて、前記複数の所定のウィンドウについて正規化重みを決定し、前記減衰マップに前記正規化投影を逆投影する逆投影装置;
を更に有する、撮影システム。
【請求項8】
請求項1に記載の撮影システムであって、前記データプロセッサは:
前記トランスミッション放射線データを前記減衰マップメモリに逆投影する逆投影器;及び
前記周期的な肺位相の各々からの前記トランスミッション放射線データが前記減衰マップに実質的に等しく寄与するようなビューイング角度により、同じ肺位相において生成された送信放射線データ量に反比例する前記トランスミッション放射線データを重み付けする重み付け装置;
を有する、撮影システム。
【請求項9】
請求項1に記載の撮影システムであって:
放出放射線データを生成する放出撮影スキャナ;及び
前記減衰マップにより前記放出放射線データを補正し、前記減衰補正された放出放射線データを画像表現に再構成する画像プロセッサ
を更に有する、撮影システム。
【請求項10】
1つ又はそれ以上の連続的な肺周期が存在する肺周期の所定領域において撮影する撮影方法であって:
前記肺周期における周期的な生理学的パラメータをモニタする段階;
周期的な肺位相を表す信号を生成する段階;
トランスミッション放射線データを生成する段階;及び
複数の肺位相の各々における前記トランスミッション放射線データを等しく重み付けすることにより、前記トランスミッション放射線データから減衰マップを再構成する段階;
を有する撮影方法。
【請求項11】
請求項10に記載の撮影方法であって:
前記肺周期における複数の所定の位相点の各々に対応するサンプリングウィンドウを選択する段階;
を更に有する、撮影方法。
【請求項12】
請求項10に記載の撮影方法であって:
複数の肺位相点の各々に対応する放射線データ集合に前記トランスミッション放射線データをソーティングする段階;及び
再構成画像メモリにおける、対応する肺位相画像に各々の前記肺位相点について前記トランスミッション放射線データを逆投影する段階;
を更に有する、撮影方法。
【請求項13】
請求項12に記載の撮影方法であって:
前記再構成された画像を、呼吸平均を表す前記減衰マップに組み合わせる段階;
を更に有する、撮影方法。
【請求項14】
請求項11に記載の撮影方法であって:
複数の所定のウィンドウについて非正規化重み付けプロファイルを決定する段階;
を更に有する、撮影方法。
【請求項15】
請求項14に記載の撮影方法であって:
前記複数の所定のウィンドウについて、前記決定された非正規化重み付けプロファイルを平均化する段階;
を更に有する、撮影方法。
【請求項16】
請求項15に記載の撮影方法であって:
少なくとも前記平均化された非正規化重み付けプロファイルに基づいて、前記複数の所定のウィンドウについて正規化重みを決定する段階;
前記減衰マップに前記正規化投影を逆投影する段階;
を更に有する、撮影方法。
【請求項17】
請求項10に記載の撮影方法であって、前記減衰マップを再構成する段階は:
他の肺周期に対して前記肺周期において収集された相対的なトランスミッションデータ量及びビュー角度に従って、前記トランスミッション放射線データを重み付けする段階;及び
各々の肺位相から実質的に等しい寄与を有する減衰マップを生成するように前記重み付けされた前記トランスミッション放射線データを逆投影する段階;
を有する、撮影方法。
【請求項18】
肺周期の周期的に繰り返される位相領域に亘ってトランスミッション撮影データを受け入れる段階;
各々の位相領域の間に収集された前記トランスミッション撮影データから実質的に等しい寄与を有する減衰マップを生成する段階;
放出データを収集する段階;
前記減衰マップにより前記放出データを補正する段階;及び
前記減衰補正された放出データを診断画像に再構成する段階;
を有する放出撮影方法。
【請求項19】
請求項18に記載の放出撮影方法であって、前記の減衰マップを生成する段階は:
(a)前記位相領域の各々において前記収集されたトランスミッション撮影データから再構成された画像を平均化し、前記減衰マップを生成するように前記再構成された画像を平均化する段階;及び
(b)位相領域依存性重み付け関数により前記収集されたトランスミッション撮影データを重み付けし、前記減衰マップを生成するように前記重み付けされたデータを逆投影する段階;
のうちの1つを有する、放出撮影方法。
【請求項20】
複数の肺周期に亘って複数の周期的に繰り返す領域の各々においてトランスミッション撮影データから実質的に等しい寄与を有する減衰マップを生成し;
前記減衰マップにより放出撮影データを補正し;そして
前記減衰補正された放出撮影データを画像に再構成する;
ようにプログラムされたコンピュータ又はコンピュータソフトウェア。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2010−501856(P2010−501856A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525672(P2009−525672)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/074203
【国際公開番号】WO2008/024584
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】