説明

動き検知装置による携帯装置の制御システム、制御方法、データ入力システムおよびデータ入力方法

【課題】動き検知装置を用いて携帯装置を制御するためのシステム及びその方法、携帯装置へデータ入力するためのシステム及びその方法を提供する。
【解決手段】携帯装置に対して複雑なコマンド制御及びデータ入力を行うための動き検知の使用が開示される。動き検知装置は、携帯装置に埋設されるか固定的に取り付けられ、携帯装置がエアーライトするか、ジェスチャをすることに使用されるときに、装置の動き又は傾斜を1,2又は3次元で測定する。機能及びコマンドを行うための全動き情報、例えば動き又は傾斜角の変化率の使用もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互参照]
この出願は、2006年2月1日に出願された仮特許出願第60/764,022号の利益を主張し、この仮特許出願は完全に参照によってここに組み入れられる。
[連邦補助研究または開発に関する表明]
適用なし
【0002】
[発明の分野]
本発明は、携帯装置に対して複雑なコマンド制御及びデータ入力を行うための動き検知の使用、特に機能及びコマンドを行うための全動き情報、例えば動き又は傾斜角の変化率の使用を開示する。
【背景技術】
【0003】
[関連技術の要約]
携帯装置と、特に、排他的ではないが、携帯ワイヤレス装置、例えば移動電話、コードレス電話、テキストメッセージ装置、ポケットベル、トーク無線機、携帯ナビゲーションシステム、携帯音楽プレーヤ、携帯ビデオプレーヤ、携帯マルチメディアプレーヤ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等は、日常的な生活で使用される。従来、携帯装置へのユーザコマンド入力及びデータ入力は、入力装置、例えば、キーボード入力、ボタン押し動作、又はスタイラスやデジタルペンを用いた手書き動作を使用して行われていた。携帯装置が一層複雑化されると、伝統的なボタンや手書き入力は、その装置に対し効率的に命令したり情報入力することに不十分であるか、あるいはデータが厄介過ぎてそのように迅速に行うことができない欠点がある。
【0004】
携帯装置自体を移動させる動きセンサ、例えば動き検知加速度計の開発は、これまでのように装置に情報入力するように容易に、携帯装置に命令し且つ/又はデータ入力することに使用できる。例えば、ゼット等に付与された米国特許第5,864,635号は、スタイラスによって一組のストローク入力を検出し、そのストロークをジェスチャか手書き動作のいずれかにカテゴリー分けするための方法及びシステムを開示している。高橋等に付与された米国特許第5,583,543号は、ジェスチャコマンド判定部を有する処理装置を開示している。ジェスチャコマンド判定部は、線画の軌跡座標を使用してジェスチャコマンドを認識する。データは、ペンと画面との間の位置関係を使用して入力される。キラリー等に付与された米国特許第6,249,606号は、ジェスチャ認識用の方法及びシステムを開示している。この場合、ジェスチャを追跡及び記録することに、カーソル指向装置、例えばマウスが使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらのシステムは、コマンド制御データ入力用に追加的携帯要素を必要とする。更には、これらの装置の動き検知要素は、スタイラス、ペン、マウス等の相対移動にのみ依存する。
従って、携帯装置自体を使用するコマンド制御及びデータ入力用の方法、装置及びシステムを提供することが望ましい。更には、動き又は移動を使用するだけでなく、移動の変化率、例えば傾斜角の変化率、及び/又は移動の量又は大きさも使用するコマンド制御及びデータ入力用の方法、装置及びシステムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[発明の簡単な要約]
携帯装置に対する制御コマンドを起動するための及び/又は携帯装置にデータを入力するための動き検知装置が開示される。この場合、携帯装置は、例えば、ワイヤレス装置、移動電話、コードレス電話、テキストメッセージ装置、デジタルポケットベル、トーク無線機、携帯ナビゲーションシステム、携帯音楽プレーヤ、携帯ビデオプレーヤ、携帯マルチメディアプレーヤ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機である。動き検知装置、例えば少なくとも1つの加速度計は、携帯装置に固定的に取り付けられるか埋設され、更に携帯装置の例えばエアーライティングかジェスチャ動作からの1,2又は3軸の動き又は動作と、携帯装置の移動の大きさ又は量と、携帯装置の動きの変化率、例えば傾斜角の変化率とを検知するか検出するために構造化及び配置されている。
【0007】
動き検知を使用して携帯装置を制御するための又は携帯装置にデータを入力するためのシステムも開示される。このシステムは、3軸にも及ぶ携帯装置の動き又は動作、携帯装置の動きの大きさ又は量、及び携帯装置の動きの変化率を検知するか検出する動き検知装置と、動き検知装置から送信された動きデータ信号を受信するデータ収集ユニットと、予め設定された動きデータを格納するためのメモリと、制御ユニットとを備える。
【0008】
制御ユニットは、データ収集ユニットから送信されたフィルタ処理後の信号を分析し、動き又は動作の特徴を識別し、フィルタ処理後の信号の動き又は動作の特徴を、メモリに格納されている予め設定された動きデータと比較し、フィルタ処理後の信号の動き又は動作の特徴が、予め設定された動きデータと一致したときに、予め設定された動きデータに関連した適切な出力コマンド又は入力動作を自動的に実行する。データ収集ユニットは、動きデータ信号から動き又は動作の特徴を持つ所望の信号を分離するフィルタ処理部を更に有する。
【0009】
携帯装置の動き又は動作を使用して携帯装置を制御するための及び携帯装置にデータを入力するための方法も開示される。この方法は、動き検知装置を携帯装置内に設置又は埋め込む工程と、それぞれが独得に別々の制御動作に関連した複数の予め設定された動作、動き又はジェスチャを与える工程と、携帯装置の動き、動作、及び動き又は動作の変化率を動き検知装置で検出する工程と、検出された動き、動作、及び動き又は動作の変化率を前記複数の予め設定された動きと比較する工程と、検出された動き、動作、及び動き又は動作の変化率に関連した別々の制御動作又はデータ入力を起動する工程とを備える。
【0010】
この発明の前述の及び他の目的、特徴及び利点は、添付図面に描かれているような発明の好ましい実施形態の以下の更に特別な説明から明らかになるであろう。図面では、同様の参照符号は、異なる図を通して同じ部分を指している。図形は必ずしも比例しているのではなく、発明の原理を描くことに重きがおかれている。
更に、この発明は、図面に関連した発明の詳細な説明を参照することによって一層十分に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
[発明の詳細な説明]
動き検知装置又は動きセンサ、例えば、加速度計、歪みゲージ、圧電素子、ピエゾ抵抗素子、容量素子、機械的スイッチ、ボール・チューブ装置、ジャイロスコープ、コンパス、磁気装置、光学装置、及び赤外線装置等は、それらが固定的に取り付けられる物体の動きを検出するための手段として、この技術分野では周知である。図1に示すように、動き検知装置は、移動する物体10の加速度を測定することによって、1,2又は3軸の動作を、各軸毎に時間に対して検出することができ、それから速度及び距離関係が、例えば数学的積分によって求められる。
【0012】
例えば、物体10に加わる重力(特別なタイプの加速度)を測定することによって、加速度の方向に対する物体10の方位及び角度(θ)を求めることができる。よって、加速度計は、加速度(重力加速度を含む)、速度、及び距離だけでなく、傾斜、傾角、自由落下、衝撃、及び振動を検出することにも使用できる。この発明は、動き検知装置として加速度計を使用して説明されているが、この発明は、それに対して構築されたり限定されるべきものではない。
【0013】
例えばエアーライティングやハンドジェスチャ等からの全ての動き又は動作は、それに関連した独得な加速度、速度及び位置データの特徴を有することが知られているので、ユーザ定義入力の信号応答、例えばエアーライティング又はハンドジェスチャからの動きを、信号応答のデータベースと比較することができる。その比較の結果は、携帯装置に対するコマンド又は機能を起動又はトリガすることに使用できる。
【0014】
従来技術は、装置を傾斜させるか、そうでなければ単純な動きで移動させることによって、例えばメニューの次の選択に進むか、あるいはメニューを一定の率でスクロールするように制御可能なワイヤレス装置を説明しているが、この発明は、請求の範囲に記載されているように、動き又は移動の量又は大きさや、動き又は移動の変化率、例えば傾斜角の変化率等によってワイヤレス及び非ワイヤレス(即ち、配線された)携帯装置を制御する。実際に、携帯装置は、動き又は動作を検出することによってだけでなく、携帯装置の動き又は動作の量又は大きさを測定することによって、あるいは動き又は動作の変化率を測定することによって制御される。よって、変化の率と動作の大きさはまた、データ入力を制御することに、また機能の実行を制御することに使用される。
【0015】
従来技術は、単純な動き検出を説明することもできるが、この実施形態は、機能及びコマンドを実行するための全動き情報、例えば変化率の使用を説明する。率の入力がないと、携帯装置の動き検知は、2〜3の単純なジェスチャに限定される。加えて、この実施形態は、携帯装置用の検索基準及びフィルタスキームを入力して、種々のデータ、ファイル及び情報を管理、検索、及び分類するためのエアーライティングの使用を実証する。
【0016】
図2は、動き又は動作の大きさを検知することによって、特に装置の動きの変化率を検知することによって携帯装置25を制御するためのシステム20のブロック図である。このシステム20は、動き検知装置22と、データ収集装置24と、制御器26、例えばマイクロコントロールユニット(コントローラ)と、メモリ28とを備える。メモリ28は、例えば予め設定された動き、動作又はジェスチャ用の一時及び永久データ記憶装置と、アプリケーション又はドライバプログラム用の記憶装置と、アプリケーション又はドライバプログラムを実行するための一時スペース等を与える。メモリ28は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等の1以上であり得る。
【0017】
加速度計22は、手持ちタイプの携帯装置25と操作的に関連するように固定的に取り付けられるか埋設される。この結果、携帯装置25の動き又は動作は、加速度計22の同一の移動、例えば動作又は動きの同じ大きさ及び変化率を持つ動作を生じさせる。加速度計22は、携帯装置25の動き又は動作を検知して、動き又は動作のアナログ又はデジタル信号データ21をデータ収集ユニット24に与える。
【0018】
本発明の1つの形態では、加速度計22は、動き又は動作の大きさ及び動き又は動作の方向を検出して記録するだけでなく、より好ましくは動き又は動作の変化率、例えば携帯装置25が低速又は高速で回転させられているか、携帯装置25が低速又は高速で傾けられているか等も検出して記録するように構造化及び配置されている。
【0019】
データ収集ユニット(DAU)24は、動き検知装置22から送信された信号データ21を収集して、アナログ信号をデジタル信号に又はデジタル信号をアナログ信号に変換するか、あるいはデータ信号21をアナログからデジタルに又はデジタルからアナログに変更することなく単に信号データ21をその元の形態でDAU24を通して制御器26へ通過させる。DAU24は、フィルタ処理部、例えばローパスフィルタを有して、動き特徴を備えた所望の信号データ23をデータ信号21から分離する。DAU24は、これら分離されたデータ23を制御器26に与える。制御器26は、DAU24からの分離された加速度計データ23を分析して、動きの特徴を識別する。
【0020】
それから制御器26は、動き信号の特徴を、例えばジェスチャ又はエアーライティングのルックアップテーブル内のメモリ28に格納されている予め設定された動きデータと比較する。この比較が一致を生じない場合、動き又は移動データ21は動き検知装置22によって再度読み出され、そしてプロセスは繰り返す。しかしながら、動き信号の特徴が一致した場合、携帯装置25に対する適切な出力コマンドが自動的に生成されて送信される。
【0021】
この発明の更なる開示は、その能力の例によって与えられる。例えば、ユーザが携帯装置25のディスプレイ32上のテキストを読んでいる間に、ディスプレイ画面32上にフィットしないテキストのその部分をスクロールすることを望んでいる場合、傾斜角の変化率あるいは傾斜角の量又は大きさは、ディスプレイ32を横切ってテキストのスクロール率を増加又は減少させることができる。事実、図3Aは、PDA25を概ね直立した方位に保持しているユーザを示す。この方位は、第1の率r1でスクロール中のテキストをユーザが読むことを可能にする。図3Bに示すように、PDA25を前方に傾けることによって、テキストのスクロール率は、第1の率r1よりも速い第2の率r2に増加する。この代わりに、テキストのスクロール率は、PDA25を、実際の傾斜角自体によって制御するのではなく、より迅速に(又はより緩慢に)傾けることによって増加できる。説明された例は、スクロール率を逆に減少することにも適用される。
【0022】
携帯装置25は、移動又は傾けられて、種々のコマンド機能をなすことができる。これらの機能又はコマンドは、アプリケーション、例えば電子メール、インターネット、電話、テキストメッセージ通信等に依存して変わることができると共に、使用中の携帯装置25のタイプ、例えば移動電話、MP3プレーヤ等に依存して変わることができる。
【0023】
図4Aは、携帯装置、例えば4つのメニュー項目51a〜51dとダイヤル用パッド52を持つ移動電話50の模式図を示している。従来技術によると、ユーザは、移動電話50を傾斜させるか、そうでなければ移動させて、所望のメニュー項目、例えば電話ダイヤル51aを選択し、また移動電話50を再び移動させるか傾斜させて、次のメニュー項目、例えば電話帳51bを選択する等、しなければならない。その結果、ユーザは、3つの明瞭に区別されるか別々の移動、ジェスチャ又は傾斜を起動して、“電話ダイヤル”51aから“Eメール”51dオプションまでメニュースクロールしなければならない。
【0024】
これに対し、本発明の1つの形態によれば、傾斜、特に傾斜の変化率は、多様な動きジェスチャをすることなく、1つのメニュー項目から他のメニュー項目に高速又は低速にスクロールすることに使用できる。従って、特別な率又は大きさでの単一の移動又は傾斜は、図4Bに示されるように“電話ダイヤル”51aから“Eメール”51dまで連続的にスクロールすることに使用できる。そのような動き検知は、全てのコマンド及び携帯装置25上での項目選択について使用できる。
【0025】
本発明のもう1つの形態によれば、システム20はまた、記憶されているテキスト又は記憶されている画像データに対し携帯装置25が移動されること、即ち、携帯装置25をパンすること、あるいは特にテキストを横切って又はディスプレイ画面32にとって大きすぎるディスプレイ画像を横切って、携帯装置のディスプレイ画面32をパンすることを可能にする。この特徴は、ユーザが携帯装置25を移動させて、“仮想窓”を、携帯装置25に記憶されているテキスト又は画像データの種々の領域へナビゲートすることを可能にする。従って、動き検知は、特別な画像、ドキュメント、スプレッドシート、テキスト、又は他のタイプのファイル内でナビゲートすることに使用できる。
【0026】
図5を参照すると、この特徴は、携帯装置25のディスプレイ32上に完全に表示されるには大きすぎる記憶された電子画像、例えばデジタル写真をナビゲートすることに都合がよい。第1の方位で、ディスプレイ画面32は、画像42の第1ビュー領域44の第1画像43を表示することができる。携帯装置25を1,2又は3次元的に第2の方位に移動させると、ディスプレイ画面32は、同じ画像42の第2ビュー領域46の第2画像45を表示することができる。
【0027】
動きジェスチャ動作を上記の特徴と組み合わせて、他の機能又は特徴、例えばズームイン、ズームアウト、コピー、カット、ペースト等を特別なアプリケーション内で起動することができる。例えば、携帯装置25は、外部入力装置、例えばマウスとして機能して、例えば“ドラッグ・アンド・ドロップ”型の動作を行うように構造化及び配置され得る。
【0028】
図6を参照すると、“ドラッグ・アンド・ドロップ”動作を行うための本発明による携帯装置25の使用が示されている。前述したように、携帯装置25を1,2又は3次元的に移動させることによって、ユーザは第1ビュー領域44の第1画像43から第2ビュー領域46の第2画像45へパンすることができる。しかしながら、携帯装置25を使用して予め指定されたジェスチャを実行した後に、携帯装置25は、外部入力装置、例えばマウスとして使用できる。
【0029】
このモードでは、画像42の2つの異なるビュー領域44及び46を見るのではなく、予め指定されたジェスチャによって、ユーザは、第1ビュー領域44を選択し、そして画像43を同じ画像42の第2ビュー領域46に“ドラッグ・アンド・ドロップ”又は“カット・アンド・ペースト”することができる。
【0030】
1つのアプリケーションでは、加速度計22が動き又は動作を検出するので、予め設定されたものか又は特別なものである動き又はジェスチャが検出されるや否や、所望の機能又はアプリケーションが自動的に実行され得る。例えば、移動又は携帯電話が鳴ると、ユーザがその移動又は携帯電話を取り上げて、それをユーザの耳元に保持したときに、加速度計22は、呼出への応答に関連した予め設定されたものか又は特別なものである動きを検出することができる。この結果、制御器26は、ユーザが送信(SEND)ボタン等を起動する必要なしに、自動的に呼出者に接続することができる。
【0031】
逆に、加速度計22は、移動又は携帯電話が鳴った後の運動の不存在又は欠如を検出するようにも構造化及び配置され得る。例えば、移動又は携帯電話がON状態で鳴ったが、加速度計22が加速度信号データを検出又は記録しない場合、制御器26は、その代わりに、可聴又は可視信号を起動又はトリガして、呼出のユーザに通知又は警告する。オプションで、制御器26は、それから、呼出者との接続を切断し、電源を切り、及び/又は待ち受けモードに入って、電池電力を節約することができる。そのような概念は、全ての携帯装置25に対して適用される。この場合、呼出及び/又は人的動き又はその欠如の検出の結果として、携帯装置25は、“目覚め”、“遮断し”、又は “待ち受け”モードに入る。この特徴は、コードレス電話にとって特に都合がよい。この場合、電話は、コードレス電話が基地局受け台に置き換えられているか否かに関係なく、検出されたか検出されない動き又は移動に依存して、ターンオン又はターンオフされる。
【0032】
別のアプリケーションでは、加速度計22は、頭部搭載型装置(図示せず)、例えば頭部搭載型ビデオカメラ、ディスプレイ、イヤホーン、マイクロホン等の中に配設され得る。頭部搭載型装置は、ユーザ頭部の種々の動き又は移動を検出することに使用できる。この動き又は移動は、コマンドやアクションを開始することに使用できる。例えば、携帯装置25に対しワイヤレスで接続されたイヤホーンは、予め規定されたか予め設定された動きを検出して、例えば携帯装置をターンオン又はターンオフしたり、電話に応答したり、音量を増加又は減少させたりするように構造化及び配置され得る。装置20は、ユーザ頭部の移動が、例えばメニューをスクロールするように、あるいは画像をパン又はナビゲートするように、あるいは頭部搭載型装置によって制御される機器を制御又はプログラムするように構造化及び配置され得る。
【0033】
更に別のアプリケーションでは、動き又はジェスチャ検知は、自動的に英数字を携帯装置25に入力することに使用できる。例えば、携帯装置25を使用して、英数字を空中に書くことによって(即ち、エアーライティングすることによって)、制御器26は、例えばエアーライトされた文字をメモリ28に記憶されている校正されたジェスチャ又は筆跡と比較することによって、書かれている文字を識別するように構造化及び配置され得る。
【0034】
図7を参照すると、数字“6”62をエアーライトするように移動された手持ちサイズの電話60が示されている。加速度計22は、データ収集ユニット24を介して、動きデータ信号21を制御器26に送信する。制御器26が、フィルタ後の加速度計データ信号23を、メモリ28に記憶されている適切な動き、移動又はジェスチャ文字と結びつけたら、制御器26は数字“6”をディスプレイ画面64上に表示する。
【0035】
エアーライトされた文字62がメモリ28内のジェスチャ又は筆跡と結びつけられたら、制御器26は、予め設定されたジェスチャ又は筆跡と一致した動作又は機能を実行する。例えば、この特徴は、ユーザが、電話番号を順次エアーライトするか、メモリ28に記憶されている電話番号に関連した個人名を順次つづることによって、移動電話でダイヤルすることを可能にする。
【0036】
ショートカットされたエアージェスチャ又はエアーシンボルライティングも、機能又は動作をトリガ又は起動することに使用できる。例えば、エアーライトされたハートの輪郭は、家への電話を起動することができる。エアーライティングは、検索基準又はフィルタスキームを入力することにも使用できる。例えば、MP3プレーヤ又はメディアプレーヤを使用して、歌曲の第1文字又は最初の2〜3文字を入力することにより、あるいはアーチストを演じて、データを分離したり分類することによって、英数字をエアーライトすることができる。ユーザは、追加的な文字をエアーライトして、更に情報を分離又は分類することを選択してもよい。この特徴は、何千というデータ、接触情報、歌曲、ファイル、ビデオ等が携帯装置、例えばアップル(登録商標)のiPod(登録商標)内に記憶され且つリストされているときは特に有用である。
【0037】
携帯装置を、その装置自体を使用して制御するための及び/又は携帯装置に、その装置自体を使用してデータを入力するためのシステム及び装置が説明されたが、以下では携帯装置の動き又は移動を使用して、その装置を制御するための及び/又はその装置にデータを入力するため方法が説明される。図8を参照すると、第1のステップにおいて、動き検知装置、例えば加速度計等が、この技術分野で知られている手法で携帯装置内に設置又は埋設される(ステップ1)。第2のステップでは、複数の予め設定された移動、動き又はジェスチャを記憶したメモリが与えられる(ステップ2)。1つの形態において、複数の予め設定された動作、動き又はジェスチャの各々は、例えばポインタと同様に、別々の制御又は入力操作に対し独得に関連付けることができる。この結果、携帯装置の検知された動き又は移動が複数の予め設定された移動、動き又はジェスチャの1つと結びつけられているときに、予め設定された動作、動き又はジェスチャと関連した制御又は入力機能又は操作が自動的に実行される。
【0038】
次のステップでは、動き検知装置は、携帯装置の動き又は移動を監視及び検知し、携帯装置の動き又は移動の変化率を計算及び記録する(ステップ3)。これら加速度信号データは、それから制御器に与えられ、複数の予め設定された動きと比較される(ステップ5)。オプションだが有利に、動き検知装置からの動き、動作、及び動き又は動作の変化率のデータは、分離され(ステップ4)、望ましくない雑音を除去する。その後、動き、動作、及び動き又は動作の変化率を複数の予め設定された動きと比較する(ステップ5)。
【0039】
動き又は動作及び動きの変化率の信号データとメモリに記憶されている複数の予め設定された動きとの比較が一致を与えない場合、動き検知装置は、携帯装置の動き又は移動の監視及び検出を継続し、また携帯装置の移動又は動きの変化率を計算する(ステップ3)。しかしながら、動き又は動作及び動きの変化率と複数の予め設定された動きとの比較が一致を与える場合、制御器は、一致する予め設定された動きに関連した機能、動作、ドライバプログラム、アプリケーション等を実行する(ステップ6)。
【0040】
この発明は上記の例示的実施形態によって説明されたが、図示の実施形態に対する変更及び変形が、ここに開示された発明概念から逸脱することなくなされうるものである点は、当業者によって理解されるであろう。従って、この発明は、添付された請求の範囲の精神及び範囲による以外、制限されるものとみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】加速度又は重力加速度を検出する従来技術による加速度計の説明図を示す。
【図2】携帯装置を使用してデータ入力及び/又はコマンド機能を制御するための本発明による装置のブロック図を示す。
【図3A】第1のテキストスクロール率を与えるように指向された本発明による携帯装置を示す。
【図3B】第2のテキストスクロール率を与えるように指向された本発明による携帯装置を示す。
【図4A】携帯装置、例えば限定されるものではないが、移動電話に関してスクロール又はナビゲートする従来技術による1つの方法の模式図を示す。
【図4B】携帯装置、例えば限定されるものではないが、移動電話に関してスクロール又はナビゲートする本発明によるもう1つの方法の模式図を示す。
【図5】ディスプレイ画面にとって大きすぎるデジタル画像をパンすることに使用されている本発明による携帯装置を示す。
【図6】デジタル画像の第1ビュー領域を同じデジタル画像上の第2ビュー領域に“ドラッグ・アンド・ドロップ”するためのマウスとして使用されている本発明による携帯装置を示す。
【図7】英数字をエアーライトすることに使用されている本発明による携帯装置を示す。
【図8】携帯装置を使用してエアーライティングでデータを入力するか又は装置を制御する方法のフローチャートを与える。
【符号の説明】
【0042】
20 本発明のシステム
22 動き検知装置
24 データ収集装置
26 制御器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯装置を制御するためのシステムで、
前記携帯装置の動きを検知し、検知された動きに相当する動きデータ信号を送信するように構成された動き検知装置;
動き検知装置から動きデータ信号を受信するデータ収集ユニット;
複数の所定の動き、および格納された各所定の動きのために関連する制御操作を表すデータを格納するためのメモリ;および
前記動きデータ信号の特徴の識別を決定するために、前記データ収集ユニットから受信する動きデータ信号を分析し;
前記決定された識別する特徴を格納された複数の所定の動きデータと比較し;
前記比較が格納された所定の動きデータを決定された識別する特徴と一致していると認識したときに、一致した格納された所定の動きデータと関連する制御操作を実行するように構成された制御ユニット
ここで、前記動きデータ信号は動きの変化率を含む、
を備えた前記システム。
【請求項2】
前記携帯装置が、ワイヤレス装置、移動電話、コードレス電話、テキストメッセージ装置、デジタルポケットベル、携帯ナビゲーションシステム、携帯音楽プレーヤ、携帯ビデオプレーヤ、携帯マルチメディアプレーヤ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機からなる群から選択されたものである請求項1に記載されたシステム。
【請求項3】
前記動き検知装置が携帯装置に固定して取り付けられた請求項1に記載されたシステム。
【請求項4】
前記動き検知装置は、動きを熱的に、電気的に、機械的に、又は光学的に検出することができる装置であることを特徴とする請求項1に記載されたシステム。
【請求項5】
前記動き検知装置は、加速度計、歪みゲージ、圧電素子、ピエゾ抵抗素子、容量素子、機械的スイッチ、ボール・チューブ装置、ジャイロスコープ、コンパス、磁気装置、光学装置、及び赤外線装置からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項4に記載されたシステム。
【請求項6】
検知された動きが、前記携帯装置を用いたジェスチャまたはエアーライティングである請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記動きの変化率は、傾斜角の変化率を含む請求項1に記載されたシステム。
【請求項8】
携帯装置へデータ入力するためのシステムで、
前記携帯装置の動きを検知し、検知された動きに相当する動きデータ信号を送信するように構成された動き検知装置で、;
動き検知装置から動きデータ信号を受信するデータ収集ユニット;
複数の所定の動き、および各格納された所定の動きのために関連する入力操作を表すデータを格納するメモリ;および
前記動きデータ信号の特徴の識別を決定するために、前記データ収集ユニットからの受信した動きデータ信号を分析し;
前記決定された識別する特徴を格納された動きデータと比較し;
前記比較が格納された所定の動きデータを決定された識別する特徴と一致していると認識したときに、一致した格納された所定の動きに関連する入力操作を実行するように構成された制御ユニット、
ここで、前記動きデータ信号は動きの変化率を含む
を備えた前記システム。
【請求項9】
検知された動きが、前記携帯装置を用いたジェスチャまたはエアーライティングである請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記動き変化率は、前記携帯装置の傾斜角の変化率を含む請求項8に記載されたシステム。
【請求項11】
携帯装置を制御する方法で、
前記携帯装置の動きを検知し、検知された動きに相当する動きデータ信号を送信し;
複数の所定の動作、および各格納された所定の動きのために関連する制御操作を表すデータを格納し;
前記動きデータ信号を分析し、前記動きデータ信号の特徴を識別するように決定し;
前記決定された識別する特徴を格納された所定の動きデータと比較し;そして
前記比較が格納された所定の動きデータを決定された識別する特徴と一致していると識別したときに、一致した格納された所定の動きデータと関連した制御操作を実行し、
ここで、動き検知は携帯装置の動きの変化率を検知することを含む
ことからなる前記方法。
【請求項12】
検知された動きが、前記携帯装置を用いたジェスチャまたはエアーライティングである請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
動きの変化率を検知することが、前記携帯装置の傾斜角の変化率の検知を含む請求項11に記載された方法。
【請求項14】
携帯装置にデータ入力する方法で、
前記携帯装置の動きを検知し、検知された動きに相当する動きデータ信号を送信し;
複数の所定の動き、および各格納された所定動きのために関連する入力操作を表すデータを格納し;
動きデータ信号を分析し、前記動きデータ信号の特徴を識別するように決定し;
前記決定された識別する特徴を格納された所定の動きデータと比較し;そして
前記比較が格納された所定の動きデータを決定された識別する特徴と一致していると識別したときに、一致する格納された所定の動きデータと関連した入力操作を実行し、
ここで、動き検知は携帯装置の動きの変化率を検知することを含む
ことからなる前記方法。
【請求項15】
検知された動きが、前記携帯装置を用いたジェスチャまたはエアーライティングである請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
動きの変化率を検知することが、前記携帯装置の傾斜角の変化率を検知することを含む請求項14に記載された方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−256378(P2012−256378A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−221135(P2012−221135)
【出願日】平成24年10月3日(2012.10.3)
【分割の表示】特願2007−8678(P2007−8678)の分割
【原出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(508145012)メムシック,インコーポレイテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】Memsic,Inc.
【住所又は居所原語表記】One Technology Drive,Suite 325,Andover,Massachusetts 01810,United States of America
【Fターム(参考)】