説明

動作玩具

【課題】鍋やその他の容器に入った動物のぬいぐるみに関する玩具を提供すること。
【解決手段】少なくとも頭部および胴体部を有するとともに、目を閉じたり開いたりするように見せる目の動作機構を内蔵したぬいぐるみと、磁石を内蔵した底壁と前記ぬいぐるみの胴体部を収容することができる程度の形状および大きさの収容部を設けた上端開口の収容体を有し、前記目の動作機構は、前記胴体部内の底部付近に配置した磁石の移動にともなって前記目の回動動作を行うようになっており、前記ぬいぐるみを前記収容体に収容した際に、前記胴体部内に配置した磁石を前記底壁に内蔵した磁石と反発若しくは吸着させ、当該反発力若しくは吸着力によって前記目の動作機構を駆動するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目を開閉する動作玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、土鍋の中で寝ている猫の写真が人気を呼んでいる。このように、鍋やその他の容器に入った小さな動物はとても可愛く見えるものである。しかし、動物を飼えない環境では、実際にこのような仕草を見ることはできない。
また、磁石を使用して人形体を動作させる玩具として特許文献1記載の玩具が知られている。しかし、当該特許文献1には、動物を模したぬいぐるみを鍋や他の容器に入れることによって動作するものは記載されていない。また、鍋や他の容器に収容することを前提として、それに適した形状や大きさに形成されたぬいぐるみの形態も開示されていない。
【特許文献1】実開平3−24199号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記課題に鑑み発明されたものであって、鍋やその他の容器に入った動物のぬいぐるみに関する玩具を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は以下の構成を有することを特徴とする。すなわち、
少なくとも頭部および胴体部を有するとともに、目を閉じたり開いたりするように見せる目の動作機構を内蔵したぬいぐるみと、
磁石を内蔵した底壁と前記ぬいぐるみの胴体部を収容することができる程度の形状および大きさの収容部を設けた上端開口の収容体を有し、
前記目の動作機構は、前記胴体部内の底部付近に配置した磁石の移動にともなって前記目の回動動作を行うようになっており、
前記ぬいぐるみを前記収容体に収容した際に、前記胴体部内に配置した磁石を前記底壁に内蔵した磁石と反発若しくは吸着させ、当該反発力若しくは吸着力によって前記目の動作機構を駆動するようにしたことを特徴とする動作玩具。
【0005】
また、請求項2記載の発明は以下の構成を有することを特徴とする。すなわち、
前記ぬいぐるみは、頭部と胴体部の大きさがほぼ等しくなる2等身となるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の動作玩具。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、鍋の中で寝るような子猫や子犬を実際に飼えなくても、ぬいぐるみによって容器の中に入れると寝る子猫や子犬の姿を楽しむことができる。ぬいぐるみの形状を2等身とすることにより、容器から頭だけを出したような形態にすることができる。実際には2等身の犬や猫は存在しないが、このような形態にぬいぐるみを構成することにより、容器への胴体部の収容を可能とし、ぬいぐるみが倒れにくく、さらに可愛らしさをより強調することができるという効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、ぬいぐるみ2を容器体3内に収容した状態を表した動作玩具1の外観写真である。また、図2は、容器体3から取り出したぬいぐるみ2単体を表した写真である。
ぬいぐるみ2は、主として頭部4と当該頭部4以外の部分である胴体部5を有している。当該頭部4と胴体部5の外形寸法は、全長および外周囲ともほぼ同程度の寸法比となるように形成されている。これは、ぬいぐるみ2を容器体3に収容する際に、頭部4が容器体3から突出し、胴体部5が容器体3内に収容されているような形態にするためである。これは、デザイン的に可愛らしく見せることと、倒れたりしないように安定した状態を保つためである。すなわち、既存の容器(カップ、鍋等)の形状に合わせ、デザイン的な観点および技術的な観点からぬいぐるみの全体形状を実物のものと異ならせているわけである。本実施の形態においては、ぬいぐるみ2はプードルの子犬を大凡二等身のぬいぐるみとしてデザインしたものであり、容器体3はティーカップとしてデザインされている。
【0008】
図3は、ぬいぐるみ2の内部に収容した目の動作機構6と容器体3との関係を説明するための説明図である。動作機構6は、下端に磁石7を取り付けた移動部材8を有している。当該移動部材8は、上下方向に長く形成された部材であり、その一部にラック9が設けられている。
また、動作機構6は、回動可能に軸支された2個一対の眼球部10と係合する係合部11を上部に設けた移動部材12を有している。当該移動部材12は、前記移動部材8と平行に移動するようにガイドされており、一部にラック13を設けている。
移動部材8のラック9と移動部材12のラック13は、ともに一つのピニオン14と歯合しており、移動部材8の上昇に伴って移動部材12が下降し、移動部材8の下降に伴って移動部材12が上昇するようになっている。すなわち、両者は相対的に反対方向へ向かって移動するようになっている。
【0009】
移動部材8の下端に設けた磁石7は、ぬいぐるみ2の底面付近に配置されるようになっている。したがって、ぬいぐるみの底面付近に、他の磁石若しくは鉄等の磁性体がある場合、これら磁石若しくは磁性体の影響を受けて上下動するようになっている。
また、移動部材12は、一端を固定した圧縮コイルスプリング15の他端と係合しており、当該圧縮コイルスプリング15によって下方に押圧されている。したがって、移動部材12にピニオン14を介して力が作用していない場合には、移動部材12は下方位置にあり、この際前記眼球部10を上方に向かって回動させている。
眼球部10の表面には瞳に相当する部分が設けられている。ぬいぐるみ2の頭部4に設けた2個の孔から瞳が見えている場合には目が開いており、瞳が見えていない場合には目が閉じているように見えるようになっている。
すなわち、前記移動部材12が圧縮コイルスプリング15の押圧によって下方に位置している場合には、前記眼球部10が上方に向かって回動しているので、ぬいぐるみ2の頭部4に設けた2個の孔から瞳が見えている状態になる。言い換えれば、ぬいぐるみ2に対して外部から磁力を作用させていない場合には、ぬいぐるみ2は目を開けた状態となっている。
【0010】
容器体3の底壁内部には磁石16が設けられている。当該磁石16は、容器体3内にぬいぐるみ2の胴体部5を収容した際に、ぬいぐるみ2の内部に設けた移動部材8の磁石7と引き合うようにその位置および極性が定められている。
容器体3にぬいぐるみ2の胴体部5を収容すると、前述のように容器体3に設けた磁石16が、磁石7を引きつけてぬいぐるみ2の内部の移動部材8を下降させる。そして、移動部材8が下降すると、ピニオン14を介して移動部材12を上昇させる。移動部材12は、常態において圧縮コイルスプリング15によって押され下方に位置しているが、移動部材8が受ける磁力が圧縮コイルスプリング15の押圧力に勝り移動部材12を上昇させる。
【0011】
移動部材12の上昇にともなって、眼球部10が下方に向かって回動すると、頭部4に設けた2個の孔から見えていた瞳が見えなくなり、ぬいぐるみ2は目を閉じた状態になる
。このように、本発明に係る動作玩具1は、ぬいぐるみ2をティーカップを模した容器体3内に入れると目を閉じた常態になり、ぬいぐるみ2をティーカップから取り出すことによって目を開けた常態になるものである。
【0012】
上記の説明は、容器体3としてティーカップを例に説明したが、コップ、スープカップ、鍋等の他の形態のものであっても差し支えがないものである。
また、上記の説明は、ぬいぐるみの磁石と容器体の磁石を吸着させることにより、ぬいぐるみの目を閉じるように構成したが、磁石同士の反発力によって各移動部材を動作させ、目を駆動しても良いものであり、このような形態であっても本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明は、容器内に入れると目を閉じ、容器から取り出すと目を開ける動作を行うぬいぐるみを有した動作玩具に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る動作玩具の外観写真である。
【図2】本発明に係る動作玩具に用いるぬいぐるみの外観写真である。
【図3】本発明に係る動作玩具の説明図である。
【図4】本発明に係る動作玩具の説明図である。
【符号の説明】
【0015】
1 動作玩具
2 ぬいぐるみ
3 容器体
4 頭部
5 胴体部
6 目の動作機構
7 磁石
8 移動部材
9 ラック
10 眼球部
11 係合部
12 移動部材
13 ラック
14 ピニオン
15 圧縮コイルスプリング
16 磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも頭部および胴体部を有するとともに、目を閉じたり開いたりするように見せる目の動作機構を内蔵したぬいぐるみと、
磁石を内蔵した底壁と前記ぬいぐるみの胴体部を収容することができる程度の形状および大きさの収容部を設けた上端開口の収容体を有し、
前記目の動作機構は、前記胴体部内の底部付近に配置した磁石の移動にともなって前記目の回動動作を行うようになっており、
前記ぬいぐるみを前記収容体に収容した際に、前記胴体部内に配置した磁石を前記底壁に内蔵した磁石と反発若しくは吸着させ、当該反発力若しくは吸着力によって前記目の動作機構を駆動するようにしたことを特徴とする動作玩具。
【請求項2】
前記ぬいぐるみは、頭部と胴体部の大きさがほぼ等しくなる2等身となるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の動作玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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