説明

動力工具及びアタッチメント

【課題】作業性がよく、扱いやすく疲れにくい動力工具及び動力工具に装着可能なアタッチメントの提供。
【解決手段】被装着部が設けられた本体部1Aと、第二ハンドル7と選択的に被装着部に着脱可能なアタッチメント10とを備えた動力工具であり、アタッチメント10は長尺状に構成され、長尺状の一端に位置する把持部11と、長尺状の他端に位置し被装着部に取り付けられる装着部12と、装着部12と把持部11との間に位置する延長部13とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動力工具及び動力工具に接続されるアタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
樹木の剪定や生垣の整枝等の刈込みに用いる動力工具として、エンジンや電動モータを動力とし、櫛状に形成した上下一組の刈込刃を前後方向に相対的に往復運動させることで、枝葉を切断する刈込機が広く実用化されている。このような刈込機は、通常、エンジンやモータなどの動力源を内蔵した本体部と、本体部下部から前方に突設した刈込刃と、本体部上部から後方に突設した操作グリップとから形成されており、操作グリップ内に設けられたスイッチを操作して作業を行うように構成されている。
【0003】
この刈込機では、刈込刃と動力源の間に位置する重心位置より後方に設けた操作グリップを片手で握って保持しながら刈込み作業を行うために、手にかかる負担が大きく、疲れやすいという問題がある。特に、樹木などの高所の枝葉の刈込み作業を行う際には、腕を伸ばして作業したり、脚立に乗って作業したりと、快適な環境での作業が困難となっていた。
【0004】
そこで、特許文献1に示されるような刈込機が提案されている。この刈込機では、高所に対する刈込作業が容易となるよう長尺のグリップを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−357580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の刈込機では、駆動源及び刈り込みブレードが設けられ本体の重量が集中する重心位置より後方に操作グリップを設けている。この操作グリップを握って刈込機を保持しながら刈込作業を行うと、手にかかる負担が大きく、疲れやすいという問題が依然として残る。また、駆動源と操作グリップとの取付部にかかる負担が大きくなるという問題があった。また、作業者は低所作業用の刈込機と高所作業用の刈込機の2台を所有する必要があり、保管に不便であることに加え、経済的にも負担となっていた。
よって本発明は、低所作業時及び高所作業時において作業性がよく、扱いやすく疲れにくい動力工具及び動力工具に装着可能なアタッチメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、出力軸部を有する駆動源を収容する本体部と、該本体部から延出して着脱可能なブレード部と、該本体部に設けられた被装着部と、を備え、該被装着部は、該本体部に近接した位置で把持可能なハンドルと、長尺状に構成され、該長尺状の一端に位置する把持部と、該長尺状の他端に位置し該被装着部に取り付けられる装着部と、該装着部と該把持部との間に位置する延長部とを有するアタッチメントと、を選択的に着脱可能に構成されている動力工具を提供する。
【0008】
このような構成によると、低所作業時はハンドルを用いて作業し、高所作業時にはアタッチメントを用いて作業を行うことができる。また、本来のサブハンドルの取付部を利用することで、アタッチメント側の取付機構を簡単化しながら取付強度を確保でき信頼性を向上させることができる。また、本体側に特別な加工が不要であることから、汎用性の高いアタッチメントとすることができる。
【0009】
上記構成の動力工具において、該被装着部は該本体部の該出力軸より該ブレードの延出側に配置されていることが好ましい。
【0010】
このような構成によると、アタッチメント及びハンドルを介して本体部を支持する際に
重心位置付近で本体を支承・懸架することができるので、作業者にかかる負担を軽減することができる。また、装着部にかかる負担を軽減することができ、工具の信頼性を向上させることができる。
【0011】
また該延長部には、該被装着部と同形状を成すアタッチメント側被装着部が設けられていることが好ましい。
【0012】
このような構成によると、取り外したハンドルをアタッチメント側被装着部に装着することができる。ハンドルをアタッチメント側被装着部に装着した状態においては、把持部と装着したハンドルとで動力工具を操作することができ、より安定して作業を行うことができる。
【0013】
また該本体部は、該被装着部が設けられているハウジングを更に備え、該ハウジングにおいて一側面及び他側面にそれぞれ該被装着部が装着され、該装着部は、該一側面側の該被装着部に着脱可能な第一腕部と、該他側面側の該被装着部に着脱可能な第二腕部とを備えていることが好ましい。
【0014】
このような構成によると、第一腕部と第二腕部とで挟持するように本体部を保持することができるため、アタッチメントで安定して本体部を保持することができる。
【0015】
また該本体部には、第二被装着領域が規定され、該アタッチメントには、該第二被装着領域に取り付けられる第二装着部が設けられていることが好ましい。
【0016】
このような構成によると、少なくとも三点により本体部を保持することができるため、より安定してアタッチメントにより本体部を保持することができる。また、荷重を分散させることにより、各装着部にかかる負担を軽減させることができる。
【0017】
また該本体部は、動力部と、該動力部に電力を供給する電源供給部とを有し、該アタッチメントには、該電源原コードが接続される延長コードと、該延長コードの電流を制御する制御装置とが設けられていることが好ましい。
【0018】
このような構成によるとアタッチメントで動力部の動作を制御することができる。よって作業時に本体部を操作する必要がなく、アタッチメントのみで動力工具の動作を制御することができる。また本体部から延びる電源供給部をアタッチメントの延長コードに接続するため、電源供給部の仕舞いをよくすることができる。
【0019】
また該本体部は、動力部と、該動力部に電力を供給する電池と、該電池が装着される電池装着部とを有し、該アタッチメントには、該電池が装着されるアタッチメント側電池装着部と、該アタッチメント側電池装着部と導通し該電池装着部に装着されるソケット部とを有し、該アタッチメント側電池装着部は該把持部に配置され、該ソケット部は該装着部に配置されていることが好ましい。
【0020】
このような構成によると、コードレスの動力工具において、重量物である電池を、把持部に装着することができる。よって本体部の重量を低減することができ、より安定して本体部を保持することができる。
【0021】
また該アタッチメントは、該長尺状の軸周りにおいて、該装着部が該把持部に対して回転可能に構成されていることが好ましい。
【0022】
このような構成によると、多様な作業状態を得ることができ、作業性をよくすることができる。
【0023】
また上記課題を解決するために、長尺状に構成され、長尺状の一端に位置する把持部と、長尺状の他端に位置する装着部と、該装着部と該把持部との間に位置する延長部とを有し、該装着部は、電動工具本体に設けられハンドルが着脱可能な被装着部に装着可能に構成されているアタッチメントを提供する。
【0024】
このようなアタッチメントによると、着脱式のハンドルが装着される動力工具にハンドルの代わりとして装着することができる。よって高所作業時にはアタッチメントを用いて作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の動力工具及びアタッチメントによれば、低所作業時及び高所作業時において作業性をよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態に係る刈込機の第二ハンドルが装着された状態の側面断面図。
【図2】本発明の実施の形態に係る刈込機の本体部の側面図。
【図3】本発明の実施の形態に係る刈込機の第二ハンドルが装着された状態の背面部分断面図。
【図4】本発明の実施の形態に係る刈込機の被装着部を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係る刈込機のアタッチメントが装着された状態の側面断面図。
【図6】本発明の実施の形態に係る刈込機のアタッチメントが装着された状態の背面部分断面図。
【図7】本発明の実施の形態の刈込機の第一の変形例に係るアタッチメントが装着された状態の側面断面図。
【図8】本発明の実施の形態の刈込機の第二の変形例に係るアタッチメントが装着された状態の側面断面図。
【図9】本発明の実施の形態の刈込機の第三の変形例に係る被装着部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下本発明の実施の形態に係る動力工具及び動力工具に装着可能なアタッチメントについて図1乃至図6に基づき説明する。図1に示される動力工具である刈込機1は、ハウジング2と、モータ3と、ギヤ4と、カム部5と、ブレード部6とから構成される本体部1Aと、第二ハンドル7及びアタッチメント10(図5)とから主に構成されている。第二ハンドル7とアタッチメント10とは、選択的に本体部1Aに装着可能である。以降の説明においては、ブレード部6の軸方向であってハウジング2からブレード部6が延出される方向を前側として前後方向を規定する。また前後方向と直交する方向であってモータ3の後述の出力軸部3Aが延出される方向を下側として上下方向を規定する。また前後方向、上下方向と直交する方向を左右方向と定義する。
【0028】
ハウジング2は、内部にモータ3や、ギヤ4、カム部5を内蔵しており、後端に位置する第一ハンドル21と、第一ハンドル21の根本に設けられてモータ3の動作を制御するトリガ22と、モータ3を挟んで第一ハンドル21の反対側(前側)に位置する被装着部23(図2)と、モータ3に電力を供給する電源コード24と、を備えている。
【0029】
第一ハンドル21には、トリガ22をオン動作(引いた状態)で固定するロックスイッチ21Aが設けられている。図2及び図3に示されるように、被装着部23、23は、ハウジング2の上下方向及び前後方向と直交する一側面及び他側面にそれぞれ左右方向に突出するように設けられており、それぞれ図4に示されるように略同形状の鍵穴状の凹部23aが形成されている。凹部23a、23aの中心には後述するボルト71A、71Aが挿通される貫通孔23bが形成されている。この一対の凹部23a、23a内には、図3及び図4に示されるようにそれぞれナット23Aが埋設されている。
また一対の被装着部23、23は、一方の被装着部23から他方の被装着部23を結ぶ仮想線上の近傍に本体部1Aの重心が位置するようにハウジング2に配置されている。図1に示されるように電源コード24は、ハウジング2の後端から延出されており、その端部には、ソケット24Aが設けられている。
【0030】
駆動部であるモータ3は、ピニオンギアが設けられた出力軸部3Aを有し、ブレード部6の延出方向と略直交するようにハウジング2内に配置されている。先述の凹部23a、23aは、ハウジング2の前後方向において出力軸部3Aより前方に形成されている。ギヤ4は、回転軸部4Aでハウジング2内に回転可能に配置されると共に、出力軸部3Aと噛合している。
【0031】
カム部5は、後述の第一ブレード61及び第二ブレード62を駆動する駆動部材であり、第一ブレード61に係合する第一カム部51と第二ブレード62に係合する第二カム部52とから構成されている。第一カム部51と第二カム部52とは逆位相になるように構成されている。
【0032】
ブレード部6は、図2に示されるように、上刃である第一ブレード61と、下刃である第二ブレード62と、ブレードホルダ63と、ブレードプレート64とから主に構成されており、ブレードホルダ63がハウジング2に接続されると共に、ブレードホルダ63とブレードプレート64との間に第一ブレード61と第二ブレード62とが挟まれて保持されている。
【0033】
第一ブレード61及び第二ブレード62は、一般の刃物材料であるSK鋼を基材とし、それぞれ図示せぬ貫通孔が形成されている。第一ブレード61及び第二ブレード62の図示せぬ貫通孔に、それぞれ第一カム部51と第二カム部52とが挿入されている。上述のように第一カム部51と第二カム部52とは逆位相であるため、カム部5を回転させることにより、第一ブレード61及び第二ブレード62は前後方向で互いに逆位相に往復動する。
【0034】
図3に示されるように、第二ハンドル7は、略C字状に構成され、略C字状の一端及び他端に、それぞれ鍵穴状の凹部23a、23aに係合すると共に被装着部23、23に装着可能な凸形状の係合部71、71を有している。また係合部71、71には、第二ハンドル7が被装着部23、23に装着された状態で、ナット23A、23Aと同軸的な貫通孔71a、71aがそれぞれ形成されており、貫通孔71a、71a及びハウジング2に形成された貫通孔23b、23bを挿通してナット23A、23Aに螺合するボルト71A、71Aが設けられている。このボルト71A、71Aとナット23A、23Aとの締結・解離に応じて、第二ハンドル7は被装着部23、23に着脱される。また、鍵穴状の凹部23a、23aは、貫通孔23b、23bに対して中心から径方向に延びて非対称に形成されており、第二ハンドル7が上下逆に取付けられるのを規制していると共に、回り止めの役割を果たしている。
【0035】
図5に示されるようにアタッチメント10は、長尺状に構成され、長尺状の一端に位置する把持部11と、長尺状の他端に位置する装着部12と、把持部11と装着部12との間に位置する延長部13と、把持部11から延長部13を介して装着部12までに亘って配置される延長コード14とから主に構成されている。アタッチメント10において一端側と他端側とは、本体部1Aにアタッチメント10が装着された状態で、それぞれ下側と上側とに該当する。
【0036】
把持部11は、作業者が把持できるようにグリップ形状に構成されており、トリガ11Aとロックスイッチ11Bとを備えている。トリガ11Aは制御装置であり、把持部11において上端側に設けられ、トリガ11Aをオンにした状態(引いた状態)でのみ延長コード14の導通を許容するように電流を制御している。ロックスイッチ11Bは、トリガ11Aの近傍に設けられ、ロックスイッチ11Bを押すことによりトリガ11Aをオンにした状態でロックすることができる。
【0037】
装着部12は樹脂モールド製であり、図6に示されるように第一腕部である一方の腕部12Aと第二腕部である他方の腕部12Aとから略C字状に構成され、一方の腕部12A及び他方の腕部12Aのそれぞれの一端及び他端に、それぞれ凹部23a、23aにそれぞれ係合すると共に被装着部23、23に装着可能な凸形状の係合部12B、12Bを有している。また係合部12B、12Bには、装着部12が被装着部23、23に装着された状態で、ナット23A、23Aに到達可能な貫通孔12a、12aがそれぞれ形成されている。貫通孔12a、12aには、ナット23A、23Aに螺合するボルト12C、12Cが挿通している。ボルト12C、12Cを貫通孔12a、12aに挿通してナット23A、23Aに螺合させることにより装着部12を被装着部23、23に固定することができる。このボルト12C、12Cとナット23A、23Aとの締結・解離に応じて、装着部12は被装着部23、23に着脱される。係合部12B、12Bは図4に示す第二ハンドルの係合部71、71と同形状に形成されており、断面形状を示しての再度の説明は省略するものとする。係合部12B、12Bは凹部23a、23aと緩く嵌め合わされ、回り止めの役割を果たしている。
【0038】
図5に示されるように延長部13は、アルミ等の金属パイプから構成され、上端位置に装着部12が一体固定され、下端位置に把持部11が設けられ、中央位置に一対のアタッチメント側被装着部13A、13Aが設けられている。アタッチメント側被装着部13A、13Aは、被装着部23A、23Aと同一形状に構成されており、金属パイプからそれぞれ左右方向に突出するように設けられて、一方の被装着部23Aから他方の被装着部23Aまでの距離と一方のアタッチメント側被装着部13Aから他方のアタッチメント側被装着部13Aまでの距離とが等しく(同配置に)なるように構成されている。またアタッチメント側被装着部13A、13Aには、それぞれ凹部23aと略同形状の鍵穴状の図示せぬ凹部が形成されている。この一対の図示せぬ凹部内には、それぞれナットが埋設されている。
【0039】
上述のようにアタッチメント側被装着部13A、13Aは、被装着部23、23と同形状、同配置に構成されているため、第二ハンドル7をアタッチメント側被装着部13A、13Aに装着することができる。第二ハンドル7をアタッチメント側被装着部13A、13Aに装着することにより、把持部11と共に第二ハンドル7を保持することができ、より安定してアタッチメント10を操作することができる。また、通常時に使用していた第二ハンドル7をアタッチメント10の取付時に使用することができることから、アタッチメント10として第二ハンドル7の分のコスト低減を図れると共に、刈込機と共に収納・保管する際のスペースを省略することができる。
【0040】
延長コード14は、延長部13の金属パイプ内に配置され、一端が把持部11下側から延出されて外部電源と接続可能であり、他端が装着部12位置から延出されており、他端にはソケット24Aと係合するソケット14Aが設けられている。
【0041】
上記構成の刈込機1において、低所作業を行う時は、図1に示されるように第二ハンドル7を被装着部23、23に装着し、第一ハンドル21を把持すると共に第二ハンドル7を懸架するように把持し、作業を行う。また高所作業を行う時は、図5に示されるように、第二ハンドル7を外してアタッチメント10を被装着部23、23に装着し、ソケット14Aとソケット24Aとを接続する。この時に第一ハンドル21のトリガ22をオン動作した状態を保持すべく、ロックスイッチ21Aをオン状態にしておく。また外した第二ハンドル7は、アタッチメント側被装着部13A、13Aにボルト71A、71Aにより装着される。
【0042】
この状態で把持部11と共に第二ハンドル7を把持し、把持部11のトリガ11Aを操作することにより、延長コード14に電流が流れ、本体部1Aに電力が供給される。本体部1Aではトリガ22がオン動作しているので、電力の供給に応じてモータ3が駆動される。よってトリガ11Aの操作により、モータ3のオン/オフ動作を制御することができ、トリガ22により予めモータ3をオン動作させてブレードを駆動させた後に高所作業を行うのに比べ、作業性がよくなると共に安定して作業を行うことができる。
【0043】
また第二ハンドル7及びアタッチメント10は、左右方向の両側からそれぞれ二点(被装着部23、23)で本体部1Aと接続されており、装着箇所は本体部1Aのモータ3の出力軸部3Aの前方であり、ブレード長さにより前後方向に変化するものの、重心付近に位置するよう構成されている。このような構成により、第二ハンドル7及びアタッチメント10で本体部1Aを安定して支持・懸架することができ、作業者に係る負担を低減することができる。
【0044】
また本体部1Aから外部電源までの間のコードは、上述のように延長コード14として、延長部13内に内蔵されている。よって高所作業時に延長コード14や、電源コード24がブレード部6に接触して断線等が発生することはなく、安全に作業を行うことができる。
【0045】
本発明に係る動力工具及びアタッチメントは、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の改良や変形が可能である。例えば本実施の形態では、二点支持によりアタッチメント10で本体部1Aを保持したが、アタッチメント10で更に安定して本体部1Aを保持するならば、第一の変形例として図7に示されるように、三点支持により本体部1Aを保持してもよい。具体的には、アタッチメント10においてアタッチメント側被装着部が設けられていた位置に、後側かつ上方に向けて延出される第二装着部115を設ける。またハウジング2において、第一ハンドル21に、第二被装着領域である第二被装着部125を設ける。第二装着部115の上端を第二被装着部125に係合させることにより、二点保持する装着部12と共に第二装着部115で本体部1Aを保持することができる。このような構成とすることで、本体1Aを保持する箇所が増え、荷重を分散させることが可能となり、各装着部にかかる負担を軽減することが可能となる。また、左右両方向から二点保持する装着部12を結ぶ線を中心として発生するモーメントを第二被装着部125及び第二装着部115により効果的に支持することが可能となり、より信頼性の高いアタッチメントを提供することが可能となる。
【0046】
また本実施の形態では、外部電源によりモータを駆動しているがこれに限らず、図8に示されるように第二の変形例として電池により駆動される刈込機201であってもよい。電池で駆動される刈込機201では、ハウジング102の後端部に、電池225が装着される電池装着部221Bが設けられており、電池装着部221Bにはモータ203と導通可能であると共に電池の電極と接触する端子部221Cが設けられている。また電池装着部221Bには、電池225と略同一形状を成して端子部221Cに接続されると共に、外部電源と接続可能なソケット224Aを備えたケーブル導出部224が装着可能になっている。
【0047】
アタッチメント210においては、把持部211の下端に、延長ケーブル214と導通すると共に電池225を装着可能なアタッチメント側電池装着部211Cが設けられている。また延長ケーブル214の他端(上端)には、ソケット224Aに装着されケーブル導出部224を介して端子部221Cと導通するソケット部214Aが設けられている。このアタッチメント210で本体部201Aを保持する際には、アタッチメント210を被装着部223に装着すると共に電池225を電池装着部221Bから外してアタッチメント側電池装着部221Cに装着する。これと同時に、ケーブル導出部224を電池装着部221Bに装着し、ソケット部214Aをソケット224Aに装着する。このように構成することにより、重量物である電池225を本体部201Aから外した状態で、アタッチメント210により本体部201Aを保持できる。本体部201Aは電池225が無くなった分軽くなるので本体部201Aの取り回しがよくなり、作業性に優れ、より安全に作業を行うことができる。
【0048】
また本実施の形態では、装着部12が把持部11及び延長部13と一体、即ちアタッチメント10の軸周りにおいて、把持部11及び延長部13に対して装着部12が回転不能に構成されている。これに対して図9に示すようにハウジング2の凹部23aに代わり扇状の凹部323aとして、装着部12が把持部11及び延長部13、若しくは把持部11に対して軸周りに回転可能に構成されていても良い。また、凹部323aの係合部71との接触面は凹凸形状により位置決めされるものとし、凹凸形状とボルト71Aの締付により任意の回転位置でアタッチメントを固定することが可能なよう構成されていてもよい。このような構成によると、多様な作業状態を得ることができ、作業性をよくすることができる。
【0049】
尚、本実施の形態では、前後方向にブレードが可動して植木等を切断する、いわゆるヘッジトリマと呼ばれるタイプの電動刈込機について説明したが、これに限らず横方向にブレードが可動することで芝等の刈込みを行うバリカン型の刈込機であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の動力工具及びアタッチメントは、上述の刈込機に限定されず、高所作業、底諸作業の両方の作業を行い、かつハンドル、アタッチメントが装着可能な動力工具に利用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1・・刈込機 1A・・本体部 2・・ハウジング 3・・モータ 3A・・出力軸部
4・・ギヤ 4A・・回転軸部 5・・カム部 6・・ブレード部 7・・第二ハンドル
10・・アタッチメント 11・・把持部 11A・・トリガ
11B・・ロックスイッチ 12・・装着部 12A・・腕部 12B・・係合部
12C・・ボルト 12a・・貫通孔 13・・延長部
13A・・アタッチメント側被装着部 14・・延長コード
14A・・ソケット 21・・第一ハンドル 21A・・ロックスイッチ
22・・トリガ 23・・被装着部 23A・・ナット 23A・・被装着部
23a・・凹部 24・・電源コード 24A・・ソケット 51・・第一カム
52・・第二カム 61・・第一ブレード 62・・第二ブレード
63・・ブレードホルダ 64・・ブレードプレート 71・・係合部
71A・・ボルト 71a・・貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力軸部を有する駆動源を収容する本体部と、
該本体部から延出して着脱可能なブレード部と、
該本体部に設けられた被装着部と、を備え、
該被装着部は、該本体部に近接した位置で把持可能なハンドルと、
長尺状に構成され、該長尺状の一端に位置する把持部と、該長尺状の他端に位置し該被装着部に取り付けられる装着部と、該装着部と該把持部との間に位置する延長部とを有するアタッチメントと、を選択的に着脱可能に構成されていることを特徴とする動力工具。
【請求項2】
該被装着部は該本体部の該出力軸より該ブレードの延出側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の動力工具。
【請求項3】
該延長部には、該被装着部と同形状を成すアタッチメント側被装着部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の動力工具。
【請求項4】
該本体部は、該被装着部が設けられているハウジングを更に備え、
該ハウジングにおいて一側面及び他側面にそれぞれ該被装着部が装着され、
該装着部は、該一側面側の該被装着部に着脱可能な第一腕部と、該他側面側の該被装着部に着脱可能な第二腕部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の動力工具。
【請求項5】
該本体部には、第二被装着領域が規定され、
該アタッチメントには、該第二被装着領域に取り付けられる第二装着部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の動力工具。
【請求項6】
該本体部は、動力部と、該動力部に電力を供給する電源供給部とを有し、
該アタッチメントには、該電源供給部が接続される延長コードと、該延長コードの電流を制御する制御装置とが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の動力工具。
【請求項7】
該本体部は、動力部と、該動力部に電力を供給する電池と、該電池が装着される電池装着部とを有し、
該アタッチメントには、該電池が装着されるアタッチメント側電池装着部と、該アタッチメント側電池装着部と導通し該電池装着部に装着されるソケット部とを有し、
該アタッチメント側電池装着部は該把持部に配置され、該ソケット部は該装着部に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の動力工具。
【請求項8】
該アタッチメントは、該長尺状の軸周りにおいて、該装着部が該把持部に対して回転可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載の動力工具。
【請求項9】
長尺状に構成され、長尺状の一端に位置する把持部と、長尺状の他端に位置する装着部と、該装着部と該把持部との間に位置する延長部とを有し、
該装着部は、電動工具本体に設けられハンドルが着脱可能な被装着部に装着可能に構成されていることを特徴とするアタッチメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−65622(P2012−65622A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214962(P2010−214962)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】