説明

動物による消費のための組成物及びMAPキナーゼ活性を低減する方法

【課題】動物におけるマイトジェン活性化タンパク質(“MAP”)キナーゼ活性を低減するのを助ける傾向がある組成物および癌または組織過形成を治療する組成物の使用方法および製造方法の提供。
【解決手段】脂肪、タンパク質および炭水化物と共にオメガ−3及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含有させる含む組成物を動物に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願に対する優先権の請求
本特許は、米国仮特許出願第60/524,981号(2003年11月25日に出願された)に対する優先権を請求する。上記に参照した特許出願の原文全体を、参考のために本特許中に引用する。
【0002】
本発明は一般に、動物による消費のための組成物(フード栄養補助剤、トリート、及びトイを含む)、特にオメガ−3及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含む組成物、特に動物におけるマイトジェン活性化タンパク質(mitogen-activated-protein)(“MAP”)キナーゼ活性を低減するのを助ける傾向がある組成物に関する。本発明はまた一般に、このような組成物を使用する方法、特に動物におけるMAPキナーゼ活性を低減するためにこのような組成物を使用する方法、特に癌または組織過形成を治療するためにこのような組成物を使用する方法に関する。本発明はさらに一般に、このような組成物を製造するプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
MAPキナーゼの活性化は、細胞増殖及び発癌を増強すると考えられている。増大したMAPキナーゼ活性は、正常な相対物に対して癌性組織において観察されている。また腫瘍MAPキナーゼ活性レベルは、乳癌の患者における生存期間を予測するという報告された証拠が存在し、特に、乳房組織におけるより低いMAPK活性は、より長い生存期間と相関すると報告されている。
【0004】
MAPキナーゼの活性化を低減することは、一般に、細胞増殖、細胞成長、細胞分化、細胞移動、及び細胞侵襲の異常を含む状態を治療するために有益であると考えられている。このような状態は例えば、胃腸管、免疫系、前立腺、腎臓、乳腺、及び心臓の癌並びに組織過形成を含む。多数の特許公開が、MAPキナーゼの調節を検討している。例えば、米国特許第5,905,089号を参照されたい。また、米国特許第5,945,418号を参照されたい。また、米国特許第6,074,862号を参照されたい。また、米国特許第6,235,524号を参照されたい。また、米国特許第6,316,464号を参照されたい。また、国際特許出願公開WO 01/58448を参照されたい。また、国際特許出願公開WO 00/26634を参照されたい。また、国際特許出願公開WO 99/53927を参照されたい。
【0005】
カヘキシーを治療すると報告されている動物用配合物は、米国特許第6,015,798号(“’798特許”)において検討されている。また、第5,776,913号を参照されたい。両方の特許は、下記の表1に示す配合物を検討している。
【0006】
【表1】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,905,089号
【特許文献2】米国特許第5,945,418号
【特許文献3】米国特許第6,235,524号
【特許文献4】米国特許第6,074,862号
【特許文献5】米国特許第6,316,464号
【特許文献6】WO 01/58448
【特許文献7】WO 00/26634
【特許文献8】WO 99/53927
【特許文献9】米国特許第6,015,798号
【特許文献10】米国特許第5,776,913号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のことにもかかわらず、動物による消費のための組成物、特にMAPキナーゼ活性を低減するのを助けるもの、特に癌及び組織過形成を治療するのを助けるものに対する必要が引き続き存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、組成物、特に動物におけるMAPキナーゼ活性を低減するのを助ける傾向がある、動物による消費のための組成物に関する。本発明は特に、飼い猫または飼い犬による消費のための組成物を予測している。しかしながら、本組成物はまた一般に、例えば、ヒト以外の哺乳類の例えばヒト以外の霊長類(例えばサル、チンパンジー等)、コンパニオン動物(例えば、馬等)、家畜(例えば、山羊、羊、豚、牛等)、実験動物(例えば、マウス、ラット等)、並びに野生の及び動物園の動物(例えば、狼、熊、鹿等)を含む他の哺乳類に関して使用するのに適していると予測されている。また、このような組成物は、哺乳類以外の動物の例えばコンパニオンの、農場の、動物園の、及び野生の鳥(例えば、鳴禽、オウム、アヒル、ガチョウ、鶏、七面鳥、駝鳥等を含む)に関して使用するのに適していると予測されている。
【0010】
簡潔に述べると、従って、本発明は部分的には組成物に関する。本組成物は一般に、乾物ベースで少なくとも約35重量%のタンパク質含量、乾物ベースで約30重量%未満の炭水化物含量、並びにオメガ−3多価不飽和脂肪酸及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を有する。オメガ−6多価不飽和脂肪酸対オメガ−3多価不飽和脂肪酸の重量比は、約0.3:1〜約5:1である。幾つかの具体例においては、脂肪含量は乾物ベースで少なくとも約8重量%である。他の具体例においては、脂肪含量は乾物ベースで約27重量%未満である。
【0011】
本発明はまた部分的には、上記に説明した組成物を含む治療用組成物に関する。このような治療用組成物は、MAPキナーゼ活性を低減するための組成物を含む。このような治療用組成物はまた、癌を治療するための組成物を含む。このような治療用組成物はまた、組織過形成を治療するための組成物を含む。
【0012】
本発明はまた部分的には、栄養補助剤において、該栄養補助剤はオメガ−3多価不飽和脂肪酸及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含む栄養補助剤に関する。オメガ−6多価不飽和脂肪酸対オメガ−3多価不飽和脂肪酸の重量比は、約0.3:1〜約5:1である。
【0013】
本発明はまた部分的には、トリートにおいて、該トリートはオメガ−3多価不飽和脂肪酸及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含むトリートに関する。オメガ−6多価不飽和脂肪酸対オメガ−3多価不飽和脂肪酸の重量比は、約0.3:1〜約5:1に関する。
【0014】
本発明はまた部分的には、トイにおいて、該トイはオメガ−3多価不飽和脂肪酸及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含むトイに関する。オメガ−6多価不飽和脂肪酸対オメガ−3多価不飽和脂肪酸の重量比は、約0.3:1〜約5:1である。
【0015】
本発明はまた部分的には、上記に説明した組成物、栄養補助剤、トリート、及びトイを製造するプロセスに関する。
【0016】
本発明はまた部分的には、MAPキナーゼ活性を低減するのを助けるために、上記に説明した組成物、栄養補助剤、トリート、及びトイを使用する方法に関する。
【0017】
本発明はまた部分的には、癌、特にMAPキナーゼ活性に関連するか若しくは依存する癌、またはMAPキナーゼ活性の発生を低減するか、阻害するか、若しくは遅らせることによって治療可能な癌を治療するために、上記に説明した組成物、栄養補助剤、トリート、及びトイを使用する方法に関する。
【0018】
本発明はまた部分的には、組織過形成、特にMAPキナーゼ活性に関連するか若しくは依存する過形成、またはMAPキナーゼ活性の発生を低減するか、阻害するか、若しくは遅らせることによって治療可能な過形成を治療するために、上記に説明した組成物、栄養補助剤、トリート、及びトイを使用する方法に関する。
【0019】
本願発明者らの発明のさらなる利益は、本明細書を読むことによって当業者に明瞭になろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】脂肪組織における多価不飽和脂肪酸(PUFA)のベースラインからの観察された変化を、食餌におけるオメガ−6対オメガ−3(n6:n3)脂肪酸の比の関数として示す。この実験において、試験した食餌は、以下のn6:n3の比を有した:食餌1:約4.5〜約5;食餌2:約2.3〜約2.5;食餌3:約1〜約1.2;及び食餌4:約0.4〜約0.5。
【図2】脂肪組織におけるマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)活性に及ぼす観察された増分の影響を、食餌におけるオメガ−6対オメガ−3脂肪酸の比の関数として示す。この実験において、試験した食餌は以下のn6:n3の比を有した:食餌1:約4.5〜約5;食餌2:約2.3〜約2.5;食餌3:約1〜約1.2;及び食餌4:約0.4〜約0.5。
【図3】白血球におけるマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ活性のベースラインからの観察された変化を、食餌におけるオメガ−6対オメガ−3脂肪酸の比の関数として示す。この実験において、試験した食餌は、以下のn6:n3の比を有した:食餌1:約4.5〜約5;食餌2:約2.3〜約2.5;食餌3:約1〜約1.2;及び食餌4:約0.4〜約0.5。
【発明を実施するための形態】
【0021】
好適な具体例のこの詳細な説明は、当分野において熟練した他の人が、特定の使用の要件に最も適することができる多数の形態で本発明を適合させ、利用できるように、当分野において熟練した他の人に、出願人の発明、その原理、及びその実際的な利用を知らせることのみを意図されている。この詳細な説明及びその具体的な例は、本発明の好適な具体例を示すが、説明するためのみのものである。本発明は、従って、本明細書に説明されている好適な具体例に限定されず、様々に修正してよい。
【0022】
上記に言及したように、本発明は部分的には、動物による消費のための組成物、特に動物におけるMAPキナーゼ活性を低減するのを助ける傾向がある組成物に関する。本発明の組成物を、例えば、癌及び組織過形成、特にMAPキナーゼ活性に関連するか若しくは依存する癌及び組織過形成、またはMAPキナーゼ活性の発生を低減するか、阻害するか、若しくは遅らせることによって治療可能な癌を治療するために使用してよいと予測されている。このような治療は、癌の程度を改善すること、抑制すること、根絶すること、低減すること、癌の発生の頻度を減少させること、癌の危険を予防すること、低減すること、及び/または癌の発生を遅らせることを含んでよい。
【0023】
任意の特定の理論によって束縛されるものではないが、出願人は、1つ以上のMAPキナーゼ酵素活性化経路を減少させることによって、本発明の組成物はMAPキナーゼ活性を低減できると考えている。活性のこのような低減は、しかしながら、他に(または加えて)、活性化されたMAPキナーゼ自体の不活性化の結果としてよいと予測されている。
【0024】
本発明の組成物は一般に、乾物ベースで少なくとも約35重量%のタンパク質含量を有する。幾つかの具体例においては、タンパク質含量は乾物ベースで少なくとも約48重量%である。幾つかの具体例においては、タンパク質含量は乾物ベースで少なくとも約49重量%である。幾つかの具体例においては、タンパク質含量は乾物ベースで約35〜約75重量%である。幾つかの具体例においては、タンパク質含量は乾物ベースで約48〜約75重量%である。幾つかの具体例においては、タンパク質含量は乾物ベースで約50〜約75重量%である。幾つかの具体例においては、タンパク質含量は乾物ベースで約50〜約70重量%である。幾つかの具体例においては、タンパク質含量は乾物ベースで約55〜約65重量%である。
【0025】
本発明の組成物は一般に、乾物ベースで約30重量%未満の炭水化物含量を有する。幾つかの具体例においては、炭水化物含量は乾物ベースで約3〜約30重量%である。幾つかの具体例においては、炭水化物含量は乾物ベースで約3〜約15重量%未満である。幾つかの具体例においては、炭水化物含量は乾物ベースで約5〜約27重量%である。幾つかの具体例においては、炭水化物含量は乾物ベースで約15重量%未満である。幾つかの具体例においては、炭水化物含量は乾物ベースで約14重量%未満である。幾つかの具体例においては、炭水化物含量は乾物ベースで約13重量%未満である。幾つかの具体例においては、炭水化物含量は乾物ベースで約12重量%未満である。幾つかの具体例においては、炭水化物含量は乾物ベースで約11重量%未満である。幾つかの具体例においては、炭水化物含量は乾物ベースで約6〜約11重量%である。
【0026】
幾つかの具体例においては、本発明の組成物の脂肪含量は、乾物ベースで少なくとも約8重量%である。幾つかの具体例においては、脂肪含量は乾物ベースで約8〜約35重量%である。幾つかの具体例においては、脂肪含量は乾物ベースで約8〜約27重量%である。幾つかの具体例においては、脂肪含量は乾物ベースで約8〜約25重量%である。幾つかの具体例においては、脂肪含量は乾物ベースで約10〜約25重量%である。幾つかのこのような具体例においては、脂肪含量は乾物ベースで約13〜約20重量%である。幾つかの具体例においては、脂肪含量は乾物ベースで約10〜約35重量%である。幾つかの具体例においては、脂肪含量は乾物ベースで約24〜約35重量%である。幾つかの具体例においては、脂肪含量は乾物ベースで約25〜約35重量%である。幾つかの具体例においては、脂肪含量は乾物ベースで約30〜約35重量%である。
【0027】
他の具体例においては、本発明の組成物の脂肪含量は、乾物ベースで約27重量%未満である。幾つかの具体例においては、脂肪含量は乾物ベースで約25重量%未満である。幾つかの具体例においては、脂肪含量は乾物ベースで約8〜約20重量%である。
【0028】
本発明の組成物は一般に、オメガ−3多価不飽和脂肪酸及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含む。幾つかの具体例においては、オメガ−3多価不飽和脂肪酸含量は乾物ベースで約2.5〜約7.5重量%である。幾つかの具体例においては、オメガ−3多価不飽和脂肪酸含量は乾物ベースで約7.0〜約7.5重量%である。幾つかの具体例においては、オメガ−6多価不飽和脂肪酸含量は乾物ベースで約2.0〜約6.0重量%である。幾つかの具体例においては、オメガ−6多価不飽和脂肪酸含量は乾物ベースで約2.0〜約2.5重量%である。オメガ−6多価不飽和脂肪酸対オメガ−3多価不飽和脂肪酸の重量比は一般に、約0.3:1〜約5:1である。幾つかの具体例においては、比は、約0.4:1〜約0.5:1である。幾つかの具体例においては、比は、約1:1〜約1.2:1である。幾つかの具体例においては、比は、約2.3:1〜約2.5:1である。幾つかの具体例においては、比は、約4.5:1〜約5:1である。
【0029】
本発明の組成物は、20個未満の炭素原子を含むオメガ−3多価不飽和脂肪酸、少なくとも20個の炭素原子を含むオメガ−3多価不飽和脂肪酸、20個未満の炭素原子を含むオメガ−6多価不飽和脂肪酸、及び少なくとも20個の炭素原子を含むオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含むだろうと予測されている。好ましくは20個を超えない炭素原子を有するオメガ−3及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸は、C18〜C20多価不飽和脂肪酸であり、好ましくは少なくとも20個の炭素原子を有するオメガ−3及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸は、C20〜C22多価不飽和脂肪酸である。
【0030】
幾つかの具体例においては、20個未満の炭素原子を有するオメガ−3多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約0.9〜約1.2重量%である。幾つかの具体例においては、20個を超える炭素原子を有するオメガ−3多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約4.2〜約6.0重量%である。幾つかの具体例においては、20個未満の炭素原子を有するオメガ−6多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約1.9〜約4.8重量%である。幾つかの具体例においては、20個を超える炭素原子を有するオメガ−6多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約1.0〜約1.3重量%である。
【0031】
幾つかの具体例においては、20個未満の炭素原子を有するオメガ−3多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約0.9〜約1.2重量%であり、20個未満の炭素原子を有するメガ−6多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約1.9〜約4.8重量%である。
【0032】
幾つかの具体例においては、20個未満の炭素原子を有するオメガ−3多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約0.9〜約1.2重量%であり、20個を超える炭素原子を有するオメガ−3多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約4.2〜約6.0重量%であり、20個未満の炭素原子を有するオメガ−6多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約1.9〜約4.8重量%である。
【0033】
幾つかの具体例においては、20個未満の炭素原子を有するオメガ−3多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約0.9〜約1.2重量%であり、20個を超える炭素原子を有するオメガ−3多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約4.2〜約6.0重量%であり、20個未満の炭素原子を有するオメガ−6多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約1.9〜約4.8重量%であり、20個を超える炭素原子を有するオメガ−6多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約1.0〜約1.3重量%である。
【0034】
幾つかの具体例においては、20個を超えない炭素原子を有するオメガ−3多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約0.9〜約1.2重量%である。幾つかの具体例においては、少なくとも20個の炭素原子を有するオメガ−3多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約4.2〜約6.0重量%である。幾つかの具体例においては、20個を超えない炭素原子を有するオメガ−6多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約1.9〜約4.8重量%である。幾つかの具体例においては、少なくとも20個の炭素原子を有するオメガ−6多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約1.0〜約1.3重量%である。
【0035】
幾つかの具体例においては、本組成物はアルギニンを実質的に含まない。幾つかの具体例においては、例えば、本組成物は、乾物ベースで、重量で2%未満のアルギニンを含む。他の具体例においては、例えば、本組成物は、乾物ベースで、重量で1%未満のアルギニンを含む。他の具体例においては、例えば、本組成物は、乾物ベースで、重量で0%の(または事実上無い)アルギニンを含む。
【0036】
幾つかの予測される具体例は、高タンパク組成物に関する。幾つかのこのような予測される具体例においては、例えば、本組成物は、乾物ベースで約8〜約35重量%の脂肪含量;乾物ベースで少なくとも約48重量%のタンパク質含量;乾物ベースで約3〜約30重量%の炭水化物含量;並びにオメガ−3多価不飽和脂肪酸及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含み、この結果、(a)オメガ−6多価不飽和脂肪酸対オメガ−3多価不飽和脂肪酸の重量比は、約0.3:1〜約5:1であり、(b)組成物中のオメガ−3多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで約2.5〜約7.5重量%であり、(c)組成物中のオメガ−6多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで約2.0〜約6.0重量%である。幾つかのこのような具体例においては、タンパク質濃度は乾物ベースで組成物の約50〜約75重量%である。こうした高タンパク組成物の特に好適な具体例を下記の表2〜4に示す(各々のこのような具体例において、オメガ−6対オメガ−3脂肪酸の重量比は約0.3:1〜約5:1である)。
【0037】
【表2】

【0038】
【表3】

【0039】
【表4】

【0040】
幾つかの予測される具体例は、低脂肪組成物に関する。説明のために、幾つかのこのような組成物は、乾物ベースで約8〜約27重量%の脂肪含量;乾物ベースで約35〜約75重量%のタンパク質含量;乾物ベースで約3〜約30重量%の炭水化物含量;並びにオメガ−3多価不飽和脂肪酸及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含み、この結果、(a)オメガ−6多価不飽和脂肪酸対オメガ−3多価不飽和脂肪酸の重量比は、約0.3:1〜約5:1であり、(b)組成物中のオメガ−3多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで約2.5〜約7.5重量%であり、(c)組成物中のオメガ−6多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで約2.0〜約6.0重量%である。幾つかのこのような具体例においては、脂肪含量は乾物ベースで約10〜約25重量%である。こうした低脂肪組成物の特に好適な具体例を下記の表5〜7に示す(各々のこのような具体例において、オメガ−6対オメガ−3脂肪酸の重量比は約0.3:1〜約5:1である)。
【0041】
【表5】

【0042】
【表6】

【0043】
【表7】

【0044】
【表8】

【0045】
幾つかの予測される具体例は、低炭水化物組成物に関する。説明のために、幾つかのこのような組成物は、乾物ベースで少なくとも約8重量%の脂肪含量;乾物ベースで少なくとも約35重量%のタンパク質含量;乾物ベースで約15重量%未満の炭水化物含量;並びにオメガ−3多価不飽和脂肪酸及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含んでよく、この結果、(a)オメガ−6多価不飽和脂肪酸対オメガ−3多価不飽和脂肪酸の重量比は、約0.3:1〜約5:1であり、(b)組成物中のオメガ−3多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで約2.5〜約7.5重量%であり、(c)組成物中のオメガ−6多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで約2.0〜約6.0重量%である。こうした低炭水化物組成物の特に好適な具体例を下記の表8〜10に示す(各々のこのような具体例において、オメガ−6対オメガ−3脂肪酸の重量比は約0.3:1〜約5:1である)。
【0046】
【表9】

【0047】
【表10】

【0048】
【表11】

【0049】
【表12】

【0050】
幾つかの予測される具体例においては、本組成物は、乾物ベースで少なくとも約8重量%の脂肪含量、乾物ベースで少なくとも約35重量%のタンパク質含量、乾物ベースで約11重量%未満の炭水化物含量、並びにオメガ−3多価不飽和脂肪酸及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含み、この結果、オメガ−6多価不飽和脂肪酸対オメガ−3多価不飽和脂肪酸の重量比は、約0.3:1〜約5:1である。幾つかのこのような予測される具体例においては、脂肪含量は乾物ベースで約30〜約35重量%である。他のこのような予測される具体例においては、脂肪含量は乾物ベースで約13〜約20重量%である。他のこのような予測される具体例においては、タンパク質含量は乾物ベースで約50〜約70重量%である。他のこのような予測される具体例においては、脂肪含量は乾物ベースで約13〜約20重量%であり;タンパク質含量は乾物ベースで約55〜約65重量%である。
【0051】
幾つかの予測される具体例においては、本組成物は、乾物ベースで約13〜約20重量%の脂肪含量、乾物ベースで約55〜約65重量%のタンパク質含量、乾物ベースで約11重量%未満の炭水化物含量、オメガ−3多価不飽和脂肪酸及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含み、この結果、オメガ−6多価不飽和脂肪酸対オメガ−3多価不飽和脂肪酸の重量比は、約0.3:1〜約5:1であり、20個未満の炭素原子を有するオメガ−3多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約0.9〜約1.2重量%であり、20個を超える炭素原子を有するオメガ−3多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約4.2〜約6.0重量%であり、20個未満の炭素原子を有するオメガ−6多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約1.9〜約4.8重量%であり、20個を超える炭素原子を有するオメガ−6多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで組成物の約1.0〜約1.3重量%である。
【0052】
幾つかの予測される具体例においては、本組成物は、乾物ベースで少なくとも約8重量%の脂肪含量、乾物ベースで少なくとも約49重量%のタンパク質含量、乾物ベースで約30重量%未満の炭水化物含量、並びにオメガ−3多価不飽和脂肪酸及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含み、この結果、オメガ−6多価不飽和脂肪酸対オメガ−3多価不飽和脂肪酸の重量比は、約0.3:1〜約5:1である。幾つかのこのような予測される具体例においては、本組成物は乾物ベースで約50〜約75重量%のタンパク質含量を含む。
【0053】
幾つかの予測される具体例においては、本組成物は、乾物ベースで約27重量%未満の脂肪含量、乾物ベースで少なくとも約35重量%のタンパク質含量、乾物ベースで約30重量%未満の炭水化物含量、並びにオメガ−3多価不飽和脂肪酸及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含み、この結果、オメガ−6多価不飽和脂肪酸対オメガ−3多価不飽和脂肪酸の重量比は、約0.3:1〜約5:1である。幾つかのこのような予測される具体例においては、本組成物は乾物ベースで約25重量%未満の脂肪含量を含む。
【0054】
幾つかの予測される具体例においては、本組成物は、乾物ベースで約27重量%未満の脂肪含量、乾物ベースで約50〜約75重量%のタンパク質含量、乾物ベースで約6〜約11重量%の炭水化物含量、並びにオメガ−3多価不飽和脂肪酸及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含み、この結果、オメガ−6多価不飽和脂肪酸対オメガ−3多価不飽和脂肪酸の重量比は、約0.3:1〜約5:1である。
【0055】
本組成物中の各成分のための特定の好ましい量は、例えば、本組成物を消費する動物の種;本組成物中に含まれる特定の成分;動物の年齢、体重、全般的な健康、性別、及び食餌;動物の消費率;治療される単数または複数の状態のタイプ;並びにその他同様なものを含む様々なファクターに依存しよう。従って、成分量は大きく変化してよく、本特許において述べる好ましい比率から逸脱していてさえよい。しかしながら、一般に、本組成物(特に本組成物がフードである場合)は、栄養的にバランスがとれていよう。
【0056】
本発明の組成物中の脂肪及び炭水化物を、例えば、肉、肉副産物、他の動物性または植物性タンパク質源、穀物、及びこれらの混合物を含む様々な源によって供給してよい。肉は、例えば、家禽の肉;魚;及び哺乳類(例えば牛、豚、羊、山羊、及びその他同様なもの)を含む。肉副産物は、例えば、肺、腎臓、脳、肝臓、並びにその内容物を取り除いた胃及び腸を含む。穀物は、例えば、小麦、トウモロコシ、大麦及び米を含む。
【0057】
オメガ−3及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を様々な源から得てよい。1つの便利な源は、例えば、メンヘーデン、マカレル、ヘリング、アンチョビー、及びさけから得た魚油である。オメガ−3多価不飽和脂肪酸、C20:5エイコサペンタエン酸及びC22:6ドコサヘキサエン酸、は、このような魚油中に存在する典型的な脂肪酸であり、一緒にしばしば、油のかなりの部分、例えば油の約25〜約38%を構成する。オメガ−6多価不飽和脂肪酸は例えば、リノール酸及びアラキドン酸を含む。こうした脂肪酸に適した源は、例えば、動物脂肪及び植物油(例えば大豆油(soy oil)、カノーラ油、及びトウモロコシ油)を含む。
【0058】
本発明の組成物中の繊維を、例えば、植物繊維源の例えばセルロース、ビートパルプ、落花生殻、及び大豆繊維を含む様々な源から供給してよい。
【0059】
特に本組成物が動物用のフードである場合、好ましくはビタミン及びミネラルは欠乏を避け、健康を維持するのに必要な量含まれる。こうした量は、当分野において容易に入手可能である。米国学術研究会議(NRC)は、例えば、家畜用のこのような成分の推奨される量を提供している。例えば、Nutrient Requirements of Swine (10th Rev. Ed., Nat'l Academy Press, Wash D.C., 1998), Nutrient Requirements of Poultry (9th Rev. Ed., Nat'l Academy Press, Wash D.C., 1994), Nutrient Requirements of Horses (Fifth Rev. Ed., Nat'l Academy Press, Wash D.C., 1989)等を参照されたい。また、the American Feed Control Officials (AAFCO)は、例えば、犬及び猫用のこのような成分の推奨される量を提供している。American Feed Control Officials, Incorp., Official publication, pp. 126-140 (2003)を参照されたい。食品添加物として有用なビタミンの例は、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、K、H(ビオチン)、K、葉酸、イノシトール、ナイアシン、及びパントテン酸を含む。食品添加物として有用なミネラル及び微量元素の例は、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、銅、亜鉛、塩化物、及び鉄塩を含む。
【0060】
本発明の組成物は、当分野において周知の他の添加剤をさらに含んでよい。好ましくは、このような添加剤は、本発明によって提供される目的及び効果を損なわない量で存在する。予測される添加剤の例は、例えば、体重管理にとって機能上有益な物質、安定化効果を有する物質、加工助剤、おいしさを増強する物質、着色物質、及び栄養上の利益を提供する物質を含む。
【0061】
予測される安定化物質は、例えば、本組成物の貯蔵寿命を増大させる傾向がある物質を含む。このような物質の潜在的に適切な例は、例えば、保存剤、抗酸化剤、協力剤及び金属イオン封鎖剤、パッケージングガス、安定剤、乳化剤、増粘剤、ゲル化剤、及び湿潤剤を含む。乳化剤及び/または増粘剤の例は、例えば、ゼラチン、セルロースエーテル、デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、及び加工デンプンを含む。
【0062】
着色、おいしさ、及び栄養目的で予測される添加剤は例えば、着色剤(例えば、酸化鉄の例えば赤色、黄色、または茶色の形態);塩化ナトリウム、クエン酸カリウム、塩化カリウム、及び他の食用塩;タウリン;コリン;ビタミン;ミネラル;並びに香味料を含む。このような添加剤は、当分野において周知である。米国特許第3,202,514号を参照されたい。また、米国特許第4,997,671号を参照されたい。フラボラントは例えば、乳製品フラボラント(例えば乳またはチーズ)、肉フラボラント(例えばベーコン、肝臓、牛肉、家禽、または魚)、含油樹脂、ピナコール、及びFEMA(Flavor Extract Manufacturers Association)番号によって取り引きにおいて識別される様々なフラボラントを含む。フラボラント補助剤(flavorants help)は追加のおいしさを提供し、当分野において周知である。例えば、米国特許第4,997,672号を参照されたい。また、米国特許第5,004,624号を参照されたい。また、米国特許第5,114,704号を参照されたい。また、米国特許第5,532,010号を参照されたい。また、米国特許第6,379,727号を参照されたい。
【0063】
本組成物中のこのような添加剤の濃度は、典型的に乾物ベースで最高約5重量%までである。幾つかの具体例においては、このような添加剤(特にこのような添加剤が主に栄養バランス剤の例えばビタミン及びミネラルである場合)の濃度は、乾物ベースで約0〜約2.0重量%である。幾つかの具体例においては、このような添加剤(再度、特にこのような添加剤が主に栄養バランス剤である場合)の濃度は、乾物ベースで約0〜約1.0重量%である。
【0064】
“フード”は、目的とする受容動物(例えば、飼い猫または飼い犬)のための栄養的に完全な食餌である。“栄養的に完全な食餌”は、食餌を摂取する健康な動物の通常の健康を維持するための十分な栄養素を含む食餌である。
【0065】
“栄養補助剤”は例えば、全体の栄養バランスまたは性能を改良するために、別の供給物と共に使用される供給物を含む。予測される栄養補助剤は、栄養補助剤として他の供給物に未希釈で供給されるか、別個に入手可能な動物用飼料の他の部分と共に自由に選択できるか、または希釈され、動物の通常の供給物と混合されて完全な供給物を製造する組成物を含む。AAFCOは、例えば、the American Feed Control Officials, Incorp., Official Publication, p. 220 (2003)において栄養補助剤に関する検討を提供している。
栄養補助剤は、例えば、粉末、液体、シロップ、丸剤等を含む様々な形態としてよい。
【0066】
“トリート”は例えば、動物(例えば、飼い猫または飼い犬)に与えられて、動物が非食事時間に食するように誘う組成物を含む。犬のための予測されるトリートは例えば、ドッグボーンを含む。トリートは栄養があるものとしてよく、ここで組成物は1つ以上の栄養素を含み、例えば、フードに関して上記に説明した組成物を有してよい。非栄養トリートは、無毒の任意の他のトリートを包含する。本発明の組成物は、それ自体がトリートを形成することができるか、既存のトリートの上にコーティングすることができるか、または両方である。
【0067】
トイは例えば、咀嚼可能なトイを含む。犬のための予測されるトイは例えば、人工の骨状物(artificial bone)を含む。本発明の組成物は、トイの表面に若しくはトイの構成要素の表面にコーティングを形成できるか、部分的に若しくは完全にトイ全体にわたって取り入れることができるか、または両方である。予測される具体例においては、本発明の組成物は、目的とする使用者によって経口で利用可能である。この点で、広い範囲の適切なトイが現在販売されている。例えば、米国特許第5,339,771号を参照されたい。また、例えば、米国特許第5,419,283号を参照されたい。本発明は、部分的に消費可能なトイ(例えば、プラスチック成分を含むトイ)及び完全に消費可能なトイ(例えば、ローハイド及び様々な人工の骨状物)の両方を予測していると認識されるはずである。さらに、本発明は、ヒト及びヒト以外による使用の両方のための、特にコンパニオン動物、家畜、及び動物園の動物による使用のための、特に犬、猫、または鳥による使用のためのトイを予測していると認識されるはずである。
【0068】
本発明の組成物は、タンパク性、脂肪、若しくは炭水化物成分または製品形態の任意の特定の一覧によって制限されることを意図したものではない。本組成物(特にフード)は、従来のペットフード加工を使用して、例えば、ドライ、缶入り、ウエット、または中間水分形態で製造できる。幾つかの具体例においては、含水率は、組成物の総重量の約10〜約90%である。他の具体例においては、含水率は、組成物の総重量の約65〜約75%である。
【0069】
本発明の組成物を製造する際に、任意の成分(例えば、魚油)を一般に、配合物の加工の最中に、例えば組成物の他の成分の混合の最中及び/または後に組成物中に取り入れてよい。組成物中へのこうした成分の分布は、従来の手段によって成し遂げることができる。1つの予測される具体例においては、挽いた動物及び家禽のタンパク性組織を、魚油、穀物、他の栄養バランス剤、特殊目的の添加剤(例えばビタミン及びミネラル混合物、無機塩、セルロース及びビートパルプ、充填剤、及びその他同様なもの)を含む他の成分と混合し;加工に十分な水も加える。こうした成分を好ましくは、成分をブレンドしながら加熱するのに適した容器中で混合する。混合物の加熱を、任意の適切な仕方を使用して、例えば、直接蒸気インジェクションによってかまたは熱交換器を備えた容器を使用することによって達成してよい。最後の成分を加えることに続いて、混合物を約50°F〜約212°Fの温度範囲に加熱する。幾つかの具体例においては、混合物を約70°F〜約140°Fの温度範囲に加熱する。こうした範囲の外側の温度は一般に許容可能であるが、他の加工助剤を使用しない場合、工業的に実際的でないことがある。適切な温度に加熱した場合、材料は典型的には濃厚な液体の形態であろう。濃厚な液体を缶に充填する。蓋をし、容器を気密封止する。封止した缶を次に、内容物を滅菌するように設計された従来の装置中に置く。これは通常、例えば使用する温度及び組成物に依存して適切な時間、約230°Fを超える温度に加熱することによって成し遂げられる。
【0070】
本発明の組成物(特にフード)を、従来の加工を使用して乾燥形態で製造できる。1つの予測される具体例においては、例えば、動物性タンパク質源、植物性タンパク質源、穀物等を含む乾燥成分を挽き、一緒に混合する。脂肪、油、動物性タンパク質源、水等を含む湿ったまたは液体の成分を次に乾燥混合物に加え、これと混合する。混合物を次にキブルまたは同様の乾燥部片に加工する。キブルはしばしば、乾燥及び湿潤成分の混合物に高圧及び高温で機械仕事を施し、小さな開口部を通して押し、回転ナイフによって切り取ってキブルにする押し出し法を使用して形成される。湿潤したキブルを次に乾燥させ、例えば香味料、脂肪、油、粉末、及びその他同様なものを含んでよい1つ以上の局所コーティングで所望によりコーティングする。キブルはまた、押し出しではなくベーキング法を使用して生地から製造でき、ここで乾熱処理の前に生地を型に入れる。
【0071】
本発明のトリートを、例えば、ドライフードに関して上記に説明したものと同様の押し出しまたはベーキング法によって製造できる。他の方法も使用して、本発明の組成物を既存のトリート形態の外面にコーティングするか、または既存のトリート形態中に注入してよい。
【0072】
本発明の動物用トイは典型的に、既存のトイを本発明の組成物でコーティングすることによって製造される。
【0073】
先に言及したように、本発明は部分的には、動物におけるMAPキナーゼ活性を低減する方法に関する。本方法は、本発明の組成物を動物に供給することを含む。本組成物は、例えば、動物のフード、トリート、栄養補助剤、及び/またはトイを含んでよい。好適な具体例においては、本組成物は動物のフードを含む。その場合、本組成物は、健康な状態にある同一の動物の通常の健康を維持するための十分な(または少なくとも実質的に十分な)栄養素を含む。別の具体例においては、本組成物は栄養補助剤を含む。本組成物の形態にかかわらず、本組成物(または本発明の組成物の組合せ)を好ましくは、動物におけるMAPキナーゼ活性の発生を低減するか、阻害するか、または遅らせるために有効な量で動物に与える。MAPキナーゼ活性を、実施例において下記に説明するもののような当分野において周知の様々な技術によって評価してよい。
【0074】
本発明はまた部分的には、癌、特にMAPキナーゼ活性に関連するか若しくは依存する癌、またはMAPキナーゼ活性の発生を低減するか、阻害するか、若しくは遅らせることによって治療可能な癌を治療する方法に関する。本方法は、本発明の組成物を、癌を有するかまたは癌を有する素因を与えられた動物に供給することを含む。本組成物は、例えば、動物のフード、トリート、栄養補助剤、及び/またはトイを含んでよい。好適な具体例においては、本組成物は動物のフードを含む。その場合、本組成物は、健康な状態にある同一の動物(すなわち、癌にも苦しまず、癌の素因を与えられたことにも苦しまない以外は同一の動物)の通常の健康を維持するための十分な(または少なくとも実質的に十分な)栄養素を含む。別の具体例においては、本組成物は栄養補助剤を含む。本組成物の形態にかかわらず、本組成物(または本発明の組成物の組合せ)を好ましくは、動物におけるMAPキナーゼ活性の発生を低減するか、阻害するか、または遅らせるために有効な量で動物に与える。上記に言及したように、MAPキナーゼ活性を当分野において周知の様々な技術によって評価してよい。
【0075】
本発明はまた部分的には、組織過形成、特にMAPキナーゼ活性に関連するか若しくは依存する過形成、またはMAPキナーゼ活性の発生を低減するか、阻害するか、若しくは遅らせることによって治療可能な過形成を治療する方法に関する。予測される過形成は例えば、胃腸管、免疫系、前立腺、腎臓、乳腺、及び心臓の過形成を含む。本方法は、本発明の組成物を、癌を有するかまたは過形成を有する素因を与えられた動物に供給することを含む。本組成物は、例えば、動物のフード、トリート、栄養補助剤、及び/またはトイを含んでよい。好適な具体例においては、本組成物は動物のフードを含む。その場合、本組成物は、健康な状態にある同一の動物(すなわち、過形成にも苦しまず、過形成の素因を与えられたことにも苦しまない以外は同一の動物)の通常の健康を維持するための十分な(または少なくとも実質的に十分な)栄養素を含む。別の具体例においては、本組成物は栄養補助剤を含む。本組成物の形態にかかわらず、本組成物(または本発明の組成物の組合せ)を好ましくは、動物におけるMAPキナーゼ活性の発生を低減するか、阻害するか、または遅らせるために有効な量で動物に与える。上記に言及したように、MAPキナーゼ活性を当分野において周知の様々な技術によって評価してよい。
【実施例】
【0076】
以下の実施例は単に例示とし、いかなる点でも本開示に限らない。
【0077】
本願発明者らは、下記の表11に説明するように高タンパク、低炭水化物、及び高脂肪である4つの缶入りの猫用の食餌を配合した:
【0078】
【表13】

【0079】
各食餌中の総脂肪の約10%は多価不飽和脂肪酸だった。オメガ−6対オメガ−3脂肪酸の比は0.4:1〜約5:1の範囲にわたった。特に、食餌は以下の比を有した:食餌1:約0.4:1〜約0.5:1、食餌2:約1.0:1〜約1.2:1、食餌3:約2.3:1〜約2.5:1、及び食餌4:約4.5:1〜約5:1。食餌を各々、健康な猫の別個の群に24週間供給した。血液及び脂肪組織を、ベースラインで並びに6、12、及び24週間後に採取した。
【0080】
図1は、脂肪組織における多価不飽和脂肪酸のベースラインからの観察された変化を、食餌におけるオメガ−6対オメガ−3脂肪酸の比の関数として示す。
【0081】
図2は、脂肪組織におけるマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ活性に及ぼす観察された増分の影響を、食餌におけるオメガ−6対オメガ−3脂肪酸の比の関数として示す。了解されるように、食餌1、2、及び3は、脂肪組織におけるマイトジェン活性化タンパク質キナーゼの活性を低減した。
【0082】
図3は、白血球におけるマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ活性のベースラインからの観察された変化を、食餌におけるオメガ−6対オメガ−3脂肪酸の比の関数として示す。了解されるように、4つの食餌の全ては、白血球におけるマイトジェン活性化タンパク質キナーゼの活性を低減した。
【0083】
上記に引用した全ての参考文献を、参考のために本特許中に引用する。
【0084】
“含む(comprise)”、“含む(comprises)”、及び“含むこと(comprising)”という語は、排他的にではなく包含的に解釈すべきである。
【0085】
特に断らない限り、本明細書において使用する全てのパーセントは、乾物ベースでの重量%である。“乾物ベース”という句は、組成物中の任意の水分を除去した後の組成物中の成分濃度を意味する。
【0086】
好適な具体例の上記の詳細な説明は、当分野において熟練した他の人が、特定の使用の要件に最も適することができる多数の形態で本発明を適合させ、利用できるように、当分野において熟練した他の人に、本発明、その原理、及びその実際的な利用を知らせることのみを意図されている。本発明は、従って、上記の具体例に限定されず、様々に修正してよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物において:
該組成物は:
乾物ベースで少なくとも約8重量%の脂肪含量、
乾物ベースで少なくとも約35重量%のタンパク質含量、
乾物ベースで約15重量%未満の炭水化物含量、並びに、
オメガ−3多価不飽和脂肪酸及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含み;
該オメガ−6多価不飽和脂肪酸対前記オメガ−3多価不飽和脂肪酸の重量比は、約0.3:1〜約5:1である、組成物。
【請求項2】
前記炭水化物含量は乾物ベースで約14重量%未満である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記炭水化物含量は乾物ベースで約13重量%未満である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記炭水化物含量は乾物ベースで約12重量%未満である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記炭水化物含量は乾物ベースで約11重量%未満である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記脂肪含量は乾物ベースで約30〜約35重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記脂肪含量は乾物ベースで約13〜約20重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記タンパク質含量は乾物ベースで約55〜約65重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記オメガ−3多価不飽和脂肪酸は、20個未満の炭素原子を有する脂肪酸を含み、前記組成物中に存在し20個未満の炭素原子を有する前記オメガ−3多価不飽和脂肪酸は、乾物ベースで約0.9〜約1.2重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記オメガ−6多価不飽和脂肪酸は、20個未満の炭素原子を有する脂肪酸を含み、前記組成物中に存在し20個未満の炭素原子を有する前記オメガ−6多価不飽和脂肪酸は、乾物ベースで約1.9〜約4.8重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記オメガ−3多価不飽和脂肪酸は、20個を超える炭素原子を有する脂肪酸を含み、前記組成物中に存在し20個を超える炭素原子を有する前記オメガ−3多価不飽和脂肪酸は、乾物ベースで約4.2〜約6.0重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記オメガ−6多価不飽和脂肪酸は、20個を超える炭素原子を有する脂肪酸を含み、前記組成物中に存在し20個を超える炭素原子を有する前記オメガ−6多価不飽和脂肪酸は、乾物ベースで約1.0〜約1.3重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物は、ビタミン、ミネラル、フラボラント、及び繊維からなる群から選択される成分をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記オメガ−3多価不飽和脂肪酸含量は乾物ベースで約2.5〜約7.5重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記オメガ−6多価不飽和脂肪酸含量は乾物ベースで約2.0〜約6.0重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
アルギニンは実質的に存在しない、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物は:
乾物ベースで約13〜約20重量%の脂肪含量、
乾物ベースで約55〜約65重量%のタンパク質含量、
乾物ベースで約11重量%未満の炭水化物含量を含み;
前記オメガ−3多価不飽和脂肪酸は、20個未満の炭素原子を有する脂肪酸、及び20個を超える炭素原子を有する脂肪酸を含み;
前記オメガ−6多価不飽和脂肪酸は、20個未満の炭素原子を有する脂肪酸、及び20個を超える炭素原子を有する脂肪酸を含み;
20個未満の炭素原子を有するオメガ−3多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで前記組成物の約0.9〜約1.2重量%であり;
20個を超える炭素原子を有するオメガ−3多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで前記組成物の約4.2〜約6.0重量%であり;
20個未満の炭素原子を有するオメガ−6多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで前記組成物の約1.9〜約4.8重量%であり;
20個を超える炭素原子を有するオメガ−6多価不飽和脂肪酸の濃度は、乾物ベースで前記組成物の約1.0〜約1.3重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
組成物において:
該組成物は:
乾物ベースで少なくとも約8重量%の脂肪含量、
乾物ベースで少なくとも約49重量%のタンパク質含量、
乾物ベースで約30重量%未満の炭水化物含量、並びに
オメガ−3多価不飽和脂肪酸及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含み;
該オメガ−6多価不飽和脂肪酸対前記オメガ−3多価不飽和脂肪酸の重量比は、約0.3:1〜約5:1である、組成物。
【請求項19】
前記タンパク質含量は乾物ベースで約50〜約75重量%である、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記タンパク質含量は乾物ベースで約55〜約65重量%である、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記脂肪含量は乾物ベースで約8〜約25重量%である、請求項18に記載の組成物。
【請求項22】
前記脂肪含量は乾物ベースで約25〜約35重量%である、請求項18に記載の組成物。
【請求項23】
前記炭水化物含量は乾物ベースで約6〜約11重量%である、請求項18に記載の組成物。
【請求項24】
アルギニンは実質的に存在しない、請求項18に記載の組成物。
【請求項25】
組成物において:
該組成物は:
乾物ベースで約27重量%未満の脂肪含量、
乾物ベースで少なくとも約35重量%のタンパク質含量、
乾物ベースで約30重量%未満の炭水化物含量、並びに
オメガ−3多価不飽和脂肪酸及びオメガ−6多価不飽和脂肪酸を含み;
該オメガ−6多価不飽和脂肪酸対前記オメガ−3多価不飽和脂肪酸の重量比は、約0.3:1〜約5:1である、組成物。
【請求項26】
前記脂肪含量は乾物ベースで約25重量%未満である、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記脂肪含量は乾物ベースで約8〜約20重量%である、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記炭水化物含量は乾物ベースで約6〜約11重量%である、請求項25に記載の組成物。
【請求項29】
前記タンパク質含量は乾物ベースで約50〜約75重量%である、請求項25に記載の組成物。
【請求項30】
アルギニンは実質的に存在しない、請求項25に記載の組成物。
【請求項31】
動物用トリート、トイ、または栄養補助剤において、トリート、トイ、または栄養補助剤は請求項1に記載の組成物を含む、動物用トリート、トイ、または栄養補助剤。
【請求項32】
動物用トリート、トイ、または栄養補助剤において、トリート、トイ、または栄養補助剤は請求項17に記載の組成物を含む、動物用トリート、トイ、または栄養補助剤。
【請求項33】
動物用トリート、トイ、または栄養補助剤において、トリート、トイ、または栄養補助剤は請求項18に記載の組成物を含む、動物用トリート、トイ、または栄養補助剤。
【請求項34】
動物用トリート、トイ、または栄養補助剤において、トリート、トイ、または栄養補助剤は請求項25に記載の組成物を含む、動物用トリート、トイ、または栄養補助剤。
【請求項35】
動物におけるマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ活性を低減する方法において、該方法は前記動物に請求項1に記載の組成物を供給することを含む、方法。
【請求項36】
動物におけるマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ活性を低減する方法において、該方法は前記動物に請求項17に記載の組成物を供給することを含む、方法。
【請求項37】
動物におけるマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ活性を低減する方法において、該方法は前記動物に請求項18に記載の組成物を供給することを含む、方法。
【請求項38】
動物におけるマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ活性を低減する方法において、該方法は前記動物に請求項25に記載の組成物を供給することを含む、方法。
【請求項39】
動物における癌または組織過形成を治療する方法において、該方法は前記動物に請求項1に記載の組成物を供給することを含む、方法。
【請求項40】
前記動物は猫または犬である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
動物における癌または組織過形成を治療する方法において、該方法は前記動物に請求項17に記載の組成物を供給することを含む、方法。
【請求項42】
前記動物は猫または犬である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
動物における癌または組織過形成を治療する方法において、該方法は前記動物に請求項18に記載の組成物を供給することを含む、方法。
【請求項44】
前記動物は猫または犬である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
動物における癌または組織過形成を治療する方法において、該方法は前記動物に請求項25に記載の組成物を供給することを含む、方法。
【請求項46】
前記動物は猫または犬である、請求項45に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−10705(P2012−10705A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172230(P2011−172230)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【分割の表示】特願2006−541482(P2006−541482)の分割
【原出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(508148884)ヴァージニア テック インテレクチュアル プロパティーズ,インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】