説明

動物撃退装置

少なくとも2つのワイヤブランチ(11、12、13、14)が設けられ、その間に電圧を印加することができる支持部材(02)を備えた、動物、特に虫を撃退するための装置であって、ワイヤブランチ(11、12、13、14)は導電性プラスチック材で形成されていることを特徴とする装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物特に虫を撃退するための装置に関する。装置は、その上に電圧が印加される少なくとも2つのワイヤブランチが設けられた支持部材を備えている。
【背景技術】
【0002】
動物の用語は、人間および広い意味で経済に悪影響を及ぼす、主として動物害虫を含む。これらの動物害虫は、それに限らないが主として虫である。例えば、シロアリおよび蟻が動物害虫の1つのグループであり、建物および建物の部分に深刻な脅威を及ぼす。主として、木で作られた建物または木造建造物は、これら害虫によって脅威を受ける。なぜなら、例えば、シロアリは支持建造物の部材を数日で破壊することが出来るからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
建造物をシロアリまたは他の害虫から化学的手段特に毒素を使用して防護することは知られている。環境に及ぼす悪影響、毒素が人間の食物連鎖に侵入すること、これらと関連して起きる健康悲哀の故に、化学/毒素によってシロアリおよび類似の動物害虫を駆除することは、例えば成長著しい場所では、非常に問題がある。この方法は、このように憂慮すべき生態上の不利益を引き起こし、また、高価な殺虫剤のゆえに高コストである。更には、ある期間の経過後、虫はもとの環境に戻ってくるので、再び殺虫剤を撒かなければならないという不利点がある。
【0004】
上述した従来技術を考慮して、この発明は、動物特に虫を撃退する装置を創造するという目的に基づいており、その装置によると、相対的に少ない労力、高い効果で、少なくとも2つのワイヤブランチを使用して、特別な動物の駆除が可能である。
この発明によると、この目的は請求項1のプレアンブル部によって解決される。
この発明の有利な態様は、従属請求項の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
首尾よく動物特に虫を撃退するために、この発明による装置は、導電性のプラスチック材で作製された少なくとも2つのワイヤブランチを有している。これらの導電性ワイヤブランチによって、化学/毒素の使用による駆除手段を使用することなく、動物を撃退する装置を作ることができる。この装置の他の利点は、非常に簡単な手段によってできるという事実に基づいており、装置の信頼性の高い機能が確保できる。
【0006】
この装置の操作の信頼性をより高めるために、ワイヤブランチ内に少なくとも1つの電気ワイヤ本体が備えられており、ワイヤブランチがワイヤ本体を実質的に気密に囲んでいる。これによって、ワイヤ本体が完全にワイヤブランチの中に埋め込まれているので、ワイヤ本体の酸化が防止される。
【0007】
ワイヤ本体はワイヤブランチの中に鋳込むことによって成形することができ、または、類似の方法によって、ワイヤブランチの中に設けられる。このような埋め込みの利点は、ワイヤブランチの表面によって、導電性のワイヤ本体の位置を正確に認識することができないことである。
【0008】
ワイヤブランチまたはワイヤ本体への電源供給を確保するために、ワイヤブランチおよび/またはワイヤ本体が直接的および/または間接的に電源に接続される。ワイヤブランチおよび/またはワイヤ本体の最適の電圧は、1000から3000ボルトの間である。
【0009】
ワイヤブランチおよび/またはワイヤ本体の電源への接続は、クリップ接続を介して行われる。クリップは、例えば、少なくとも2つ、特に4つの接続ピンを備えている。
クリップを、相互に接続される2つのワイヤブランチ間の接続部材として使用することが出来る。
【0010】
クリップによる接続の利点は、クリップが非常に簡単に操作できること、または、クリップ操作の高い信頼性にある。
電気ワイヤ本体は、ワイヤストランドおよび/または金属箔からなっている。電気ワイヤ本体が金属箔からなっているとき、ニッケル被覆銅箔が好ましい。このようなニッケル被覆銅箔の利点は、銅箔等の非常に高い導電性にある。
【0011】
金属箔が0.1mmから0.5mmの間、好ましくは、0.1mmから0.2mmの間である。金属箔の幅が1cmから10cmの間、好ましくは、1cmから3cmの間である。
【0012】
ワイヤブランチの態様、または、それを流れる電圧によって、金属箔は他の寸法で作製される。この発明によると、金属箔が作製される方法は重要ではない。
【0013】
この発明の装置の支持部材は、柔軟性のあるプラスチック材、特に、ポリ塩化ビニル(PVC)で作製される。この利点は、支持部材は、角部または屈曲部を簡単に成形することができることにある。特にポリ塩化ビニルによると、上述した支持部材を簡単に製造することができ、高い耐候性を備えている。
【0014】
この装置の好ましい態様においては、支持部材に少なくとも1つのグルーブを形成し、その中にワイヤブランチを配置することができる。グルーブはワイヤブランチの形状を実質的に補完することができる。支持部材にグルーブを設けることによって、または、ワイヤブランチをグルーブ内に設けることによって、装置は完全に平らな面を備え、虫が装置の上面にしがみつくことができない。ワイヤブランチをグルーブの中に配置する、または、装置に設けられた、電源に接続することは、ファスナ等によって行うことができる。他の固定方法も用いてもよい。
【0015】
動物が通過するのを容易にし、装置に乗るのを容易にするために、支持部材の少なくとも一部が少し傾き、斜面を備えている。これによって装置または支持部材を簡単に地面に配置することができ、装置の高い機能性が確保される。
【0016】
この発明の装置の特に好ましい態様において、支持部材およびワイヤブランチによって形成される外装が平らな面を形成する。これによって、グルーブの間の空間に泥または虫が堆積しない。装置は、本質的に修理が不要である。
以下に、態様を例示的にのみ示す図を参照してこの発明をより詳細に説明する。
【発明の効果】
【0017】
導電性ワイヤブランチによって、化学/毒素の使用による駆除手段を使用することなく、動物を撃退する装置を作ることができる。ワイヤ本体が完全にワイヤブランチの中に埋め込まれているので、ワイヤ本体の酸化が防止される。装置は完全に平らな面を備え、虫が装置の上面にしがみつくことができない。
【0018】
動物が通過するのを容易にし、装置に乗るのを容易にするために、支持部材の少なくとも一部が少し傾き、斜面を備えている。これによって装置または支持部材を簡単に地面に配置することができ、装置の高い機能性が確保される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
支持部材02の横断面を図2に示す。支持部材02を実質的に完全に通る4つのグルーブ03、04、05、06が、支持部材02に設けられている。更に、支持部材02は少し傾斜した部分07、08を備えており、傾斜した部分には斜面09、10が設けられている。傾斜した部分07、08に搭載された斜面09、10は、動物が支持部材を通過するのを容易にする。
【0020】
図2は、支持部材02を備えた装置の横断面図である。グルーブ03、04、05、06に実質的に形状を補完するやり方で示されたワイヤブランチ11、12、13、14は、支持部材内、または、グルーブ03、04、05、06内に設けられている。支持部材02の平らな表面は、上述したようにワイヤブランチ11、12、13、14をグルーブ内に配置することによって得られている。その結果、動物が支持部材02の上、または、ワイヤブランチ11、12、13、14の上にしがみつくことはできない。更に、装置01は不純物に対してよりよく防護されている。
【0021】
ワイヤブランチ11、12、13、14内に完全に埋め込まれて、ワイヤ本体15、16、17、18が設けられている。ワイヤ本体15、16、17、18は、ここでは金属箔からなっている。ワイヤブランチ11、12、13、14は、簡単なクリップファスナによって、支持部材02に接続することができる。このように、ワイヤブランチ11、12、13、14またはワイヤ本体15、16、17、18の拡張接続操作の必要は全く無い。
【0022】
図3はクリップ19の横断面図である。接続導体によって電源に接続される接続ピン20、21、22、23がクリップ19に備えられている。クリップ19はクリック接続レバーによってロックされる。他の手段として、ネジ式接続が提供される。
【0023】
図2に示すように、支持部材02がクリップ19の中に配置される。クリップ19はクリック接続レバー26によってロックされると、接続ピン20、21、22、23は、支持部材02に設けられたワイヤブランチ11、12、13、14および/またはワイヤ本体15、16、17、18と接触し、支持部材02に電流が供給される。接続ピン20、21、22、23の自由端の形状を適切にすることによって、例えば、先端を形成することによって、接続ピン20、21、22、23がワイヤブランチ内に侵入して、ワイヤブランチ内に埋め込まれているワイヤ本体15、16、17、18と接触する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、支持部材の横断面図である。
【図2】図2は、図1に示す支持部材を備えた装置の横断面図である。
【図3】図3は、クリップの横断面図である。
【符号の説明】
【0025】
1:虫を撃退する装置
2:支持部材
3、4、5、6:グルーブ
7、8:支持部材の一部領域
9、10:傾斜面
11、12、13、14:ワイヤブランチ
15、16、17、18:ワイヤ本体
19:クリップ
20、21、22、23:コンタクトピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのワイヤブランチ(11、12、13、14)が設けられ、その間に電圧を印加することができる支持部材(02)を備えた、動物、特に虫を撃退するための装置であって、
前記ワイヤブランチ(11、12、13、14)は導電性プラスチック材で形成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
少なくとも1つの電気ワイヤ本体(15、16、17、18)が前記ワイヤブランチ(11、12、13、14)内に設けられて、実質的に前記ワイヤブランチ(11、12、13、14)が前記ワイヤ本体(15、16、17、18)を囲むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ワイヤ本体(15、16、17、18)が前記ワイヤブランチ(11、12、13、14)内に鋳込まれて成形されていることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ワイヤブランチ(11、12、13、14)および/または前記ワイヤ本体(15、16、17、18)は、直接的または間接的に電源に接続することができることを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記ワイヤブランチ(11、12、13、14)および/または前記ワイヤ本体(15、16、17、18)の電源への接続は、少なくとも2つのコンタクトピン(20、21、22、23)を有するクリップ(19)によって接続を行うことができることを特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記クリップ(19)は、相互に接続される少なくとも2つのワイヤブランチ(11、12、13、14)の間の接続部材として使用することができることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記電気ワイヤ本体(15、16、17、18)が、ワイヤ束および/または金属箔からなっていることを特徴とする請求項2から6の何れか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記金属箔がニッケル被覆銅箔からなっていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記金属箔が0.1mmから0.5mmの間、好ましくは、0.1mmから0.2mmの間であることを特徴とする請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記金属箔の幅が1cmから10cmの間、好ましくは、1cmから3cmの間であることを特徴とする請求項7または8に記載の装置。
【請求項11】
前記支持部材(02)が柔軟性のあるプラスチック材、特にポリ塩化ビニルで形成されていることを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記支持部材(02)に、前記ワイヤブランチ(11、12、13、14)が配置される少なくとも1つのグルーブ(03、04、05、06)が設けられ、前記グルーブ(03、04、05、06)が前記ワイヤブランチ(11、12、13、14)の形状を実質的に補完することができることを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記支持部材(02)の少なくとも一部領域(07、08)は、少し斜めになっており、傾斜面(09、10)を設けることができることを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記支持部材(02)および前記ワイヤブランチ(11、12、13、14)を備えた外装は、平ら面を形成することができることを特徴とする請求項1から13の何れか1項に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2007−534327(P2007−534327A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509898(P2007−509898)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【国際出願番号】PCT/EP2005/002475
【国際公開番号】WO2005/107452
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(505077286)
【氏名又は名称原語表記】POLLMANN,  Walter
【Fターム(参考)】