動物用耳標RFIDタグ及びその製造方法
【課題】 汎用的な装置を用いて製造可能、かつ耳標の識別番号とICチップの識別番号の関連付けが誤ることなく、印字が消える可能性の少ない動物用耳標RFIDタグ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 動物の耳を貫通することが可能な雄軸部と、この雄軸部が嵌合される雌軸部と、少なくとも前記雄軸部又は前記雌軸部のいずれか一方に形成された札部と、所定の文字又は図表が印字された面と反対の面が前記札部に貼り付けられ、前記所定の文字又は図表に対応する識別番号が記憶されたメモリから構成されるICチップを有し、面積が前記札部よりも小さいRFIDタグと、このRFIDタグの印字された面を保護する透明又は半透明の保護膜とを備えたことを特徴とする。
【解決手段】 動物の耳を貫通することが可能な雄軸部と、この雄軸部が嵌合される雌軸部と、少なくとも前記雄軸部又は前記雌軸部のいずれか一方に形成された札部と、所定の文字又は図表が印字された面と反対の面が前記札部に貼り付けられ、前記所定の文字又は図表に対応する識別番号が記憶されたメモリから構成されるICチップを有し、面積が前記札部よりも小さいRFIDタグと、このRFIDタグの印字された面を保護する透明又は半透明の保護膜とを備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、Radio Frequency Identification(以下、RFIDと称す)リーダライタから送信されるコマンド信号を受信し、そのコマンド信号の情報に応じてメモリに格納されているタグ情報の更新・書き込み、又はそのタグ情報をRFIDリーダライタへ読み出し信号として送信するUHF帯及びマイクロ波帯などを使用する電波方式のRFIDシステムに使用されるRFIDタグに関する。特に、動物用耳標にRFIDタグを設けて、牛、豚、羊などの家畜や馬などの動物(以下、管理対象の動物と称す)の耳に固定し、管理対象の動物の個体識別や個体管理を行なう動物用耳標RFIDタグに関する。
【背景技術】
【0002】
RFIDシステムは、ICチップを備えたRFIDタグとRFIDリーダライタとの間で無線通信を行なうシステムである。RFIDタグには、バッテリーを搭載し、その電力で駆動するアクティブ型タグと、RFIDリーダライタからの電力を受けて、これを電源とし駆動するパッシブ型タグがある。アクティブ型はパッシブ型に比べ、バッテリーを搭載しているため、通信距離、通信の安定度などのメリットがある反面、構造の複雑化、サイズの大型化、高コストなどのデメリットもある。また、近年の半導体技術の向上により、パッシブ型タグ用ICチップの小型化、高性能化が進み、パッシブ型タグの幅広い分野での使用が期待されている。パッシブ型タグにおいて、周波数帯が長波帯、短波帯のRFIDタグで適用されている電磁誘導方式(HF帯が代表的である)では、RFIDリーダライタの送信アンテナコイルとRFIDタグのアンテナコイルとの間の電磁誘導作用でRFIDタグに電圧が誘起され、この電圧によりICチップを起動して通信を可能としている。したがって、RFIDリーダライタによる誘導電磁界内でしかRFIDタグが動作せず、通信距離は数十cm程度となってしまう。
【0003】
また、UHF帯及びマイクロ波帯などの高い周波数帯のRFIDタグでは、電波方式が適用されており、電波によりRFIDタグのICチップに電力を供給しているため、通信距離は1〜7m程度と大幅に向上している。したがって、通信距離の短い長波帯、短波帯のRFIDシステムでは実現が困難であった複数枚のRFIDタグの同時読み取りや移動しているRFIDタグの読み取りなどが可能となる。したがって、その利用範囲は大幅に広がり、動物用耳標RFIDタグへの適用も有益な利用方法の一つと考えられる。
【0004】
従来、動物用耳標RFIDタグには、動物の耳を貫通する雄軸部とこの雄軸部が嵌合される雌軸部とを有し、雄軸部と雌軸部との両方に札部を形成し、このような札部の一方にRFIDタグ(ICチップ)を内蔵し、他方の表面にIDやバーコードなどの光学読取手段用のコードを印字したものを管理対象の動物の耳に装着して、耳標が装着された動物の個体管理するものがある(例えば、特許文献1参照)。なお、札部の他方の面に印字されたIDやバーコードは、札部にICチップが接続されたアンテナが取り付けられており、RFIDで個体管理をすることが可能であるが、目視や光学読取でも個体識別を可能とするため、札部に識別番号を印字したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−333950号公報(第2図〜第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のような動物用耳標RFIDタグでは、IDやバーコードを印字した面を管理対象の動物の正面から視認可能に取り付けるために、管理対象の動物の耳の裏側にRFIDタグが配置されてしまい、管理対象の動物の正面からRFIDリーダライタ(アンテナ)によるRFIDタグの読み取りが難しくなってしまう場合があるという課題があった。
【0007】
上記のような課題を克服するために、RFIDタグを設けた札部へIDやバーコードを印字した場合でも、RFIDタグ用のラベルプリンタの圧力や熱がICチップに加わり、ICチップが破損する可能性があるという課題がある。
【0008】
また、RFIDタグ用のラベルプリンタを使用せずに、耳標の札部に識別番号を印字した後に、札部にRFIDタグを取り付ける場合では、札部に印字された識別番号とRFIDタグのICチップに書き込まれた識別番号とを関連付け(紐付け)する必要があり、動物用耳標RFIDタグの製造工程が複雑になるという課題がある。特に、識別番号を見ながら関連したRFIDタグを取り付ける作業を人間による手作業で実施する場合では、関連していないRFIDタグを間違って札部に取り付けるおそれがあるという課題がある。もちろん、機械で作業する場合でも専用装置を準備する必要が生じるという課題がある。
【0009】
次に、RFIDタグを札部に取り付けた後で、札部に印字された識別番号をICチップのメモリに書き込む場合では、個別に書き込み作業を行なか、又は、耳標全体の形状に合わせた専用のRFIDタグ書き込み装置が必要となる課題がある。
【0010】
さらに、耳標の札部表面に、IDやバーコードを印字した場合、紫外線、温度、湿度、衝撃などにより印字が消える可能性があるという課題もある。
【0011】
この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、汎用的な装置を用いて製造可能、かつ耳標の識別番号とICチップの識別番号の関連付けが誤ることなく、印字が消える可能性の少ない動物用耳標RFIDタグ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明に係る動物用耳標RFIDタグは、動物の耳を貫通することが可能な雄軸部と、この雄軸部が嵌合される雌軸部と、少なくとも前記雄軸部又は前記雌軸部のいずれか一方に形成された札部と、所定の文字又は図表が印字された面と反対の面が前記札部に貼り付けられ、前記所定の文字又は図表に対応する識別番号が記憶されたメモリから構成されるICチップを有し、面積が前記札部よりも小さいRFIDタグと、このRFIDタグの印字された面を保護する透明又は半透明の保護膜とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項2の発明に係る動物用耳標RFIDタグは、前記札部の前記RFIDタグが貼り付けられている面が、前記RFIDタグが収納可能な形状に窪んでいるものである請求項1に記載のものである。
【0014】
請求項3の発明に係る動物用耳標RFIDタグの製造方法は、動物の耳を貫通することが可能な雄軸部、この雄軸部が嵌合される雌軸部、少なくとも前記雄軸部又は前記雌軸部のいずれか一方に形成された札部を有する動物用耳標RFIDタグの製造方法において、RFIDタグを構成するICチップのメモリに記憶された所定の識別番号に対応する所定の文字又は図表を、前記札部よりも面積が小さいRFIDタグの表面に印字する印字工程と、この印字工程により印字された前記RFIDタグにおける印字された面と反対の面を前記札部へ貼り付ける貼り付け工程と、この貼り付け工程により前記札部に貼り付けられた前記RFIDタグにおける印字された面上に透明又は半透明の保護膜を形成する保護膜形成工程とを備えたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項4の発明に係る動物用耳標RFIDタグの製造方法は、前記貼り付け工程が、前記札部に形成された前記RFIDタグが収納可能な形状に窪んでいる部分に前記RFIDタグを貼り付けるものである請求項3に記載のものである。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、請求項1及び2に係る発明によれば、ICチップのメモリに記憶された所定の識別番号に対応する所定の文字又は図表が印字されたRFIDタグを札部の表面に取り付けているので、印字の識別番号とICチップの識別番号関連付けの誤りが無く、さらに、RFIDタグ表面に透明又は半透明な保護膜が、印字及びRFIDタグの耐環境性を向上させた動物用耳標RFIDタグを得ることができる。
【0017】
請求項3及び4に係る発明によれば、RFIDタグを構成するICチップのメモリに記憶された所定の識別番号に対応する所定の文字又は図表を、前記札部よりも面積が小さいRFIDタグの表面に印字した後に、そのRFIDタグを札部の表面に取り付けることで、印字の識別番号とICチップの識別番号関連付けの誤りが無く行なえ、さらに、RFIDタグ表面に透明又は半透明な保護膜を設けることで印字及びRFIDタグの耐環境性を向上させることが可能な動物用耳標RFIDタグの製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの装着模式図である。
【図4】この発明の実施の形態に係る動物用耳標RFIDタグを装着した管理対象の動物図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグによる管理対象の動物の個体識別や個体管理の実行模式図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの構成図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの構成図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの製造工程図(RFIDタグ)である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグに使用するダイポールアンテナ構成図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの製造工程図(札部)である。
【図11】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの製造工程図(札部)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグについて図1〜7を用いて説明する。図1(a)は動物用耳標RFIDタグの正面図、図1(b)(c)は図1(a)の矢印Aの方向から見た動物用耳標RFIDタグの側面図、図2(a)(b)は図1(a)の矢印Bの方向から見た動物用耳標RFIDタグの側面図であり、図2(a)(b)は、それぞれ図1(b)(c)に対応する。図3(a)は管理対象の動物の耳へ動物用耳標RFIDタグを装着する前の図、図3(b)は管理対象の動物の耳へ動物用耳標RFIDタグを装着した図、図4(a)(b)は札部が一つである動物用耳標RFIDタグの構成図である。
【0020】
図1〜7において、1は管理対象の動物の耳を貫通することが可能な雄軸部、2は雄軸部1が嵌合される雌軸部、3は雌軸部2に形成された第1の札部、4は雄軸部1に形成された第2の札部であり、第1の札部3及び第2の札部4は柔軟な材料からなるものが理想的である。5は所定の文字又は図表が印字された面と反対の面が第1の札部3又は第2の札部4に貼り付けられ、所定の文字又は図表に対応する識別番号が記憶されたメモリから構成される後述のICチップ6を有し、面積が第1の札部3又は第2の札部4よりも小さいRFIDタグ、5aは第1の札部3又は第2の札部4のRFIDタグ5が貼り付けられている面がRFIDタグ5の形状に窪んでいる窪み部であり、図1〜7では、窪み部5aは、図1(c)にのみ表示しているが、他の図における札部(第1の札部3及び第2の札部4)にも適用可能であることはいうまでもない。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0021】
図1〜7において、16はRFIDタグを構成するICチップ、6aはICチップ6と接続され、RFIDタグ5を構成するアンテナ、7はRFIDタグ5の印字された面を保護する透明又は半透明の保護膜であり、本願における動物用耳標RFIDタグの正面図に相当する図面では、保護層7に覆われ、透視状態のRFIDタグ5の符号を省略し、表示していない。さらに、窪み部5aを形成した第1の札部3又は第2の札部4(例えば、図1(c))と、そうでない第1の札部3又は第2の札部(例えば、図1(b))とでは、動物用耳標RFIDタグの正面図の違いがあまりないので、簡略化のために動物用耳標RFIDタグの正面図は共通とする(例えば、図1(a))。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0022】
図1〜7において、8は動物用耳標RFIDタグを用いたRFIDシステムにより管理される管理対象の動物、9は管理対象の動物8の耳であり、本願では牛を例にする。10は動物用耳標RFIDタグにおいて、耳9が配置される空間、11は雄軸部1に形成された雄軸基部、12は雌軸部2に形成された雌軸基部、13は自身の送受信エリア内にRFIDタグ5(動物用耳標RFIDタグ)が管理対象の動物8に貼り付けられて、存在又は移動しているときにタグ情報の更新・書き込み、又は読み取りを行なうことができるRFIDリーダライタ、14はRFIDリーダライタから質問波(送信波)を送信し、RFIDタグ5からの返信波を受信するアンテナである。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0023】
実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグは、図1に示すような構成となっている。図1(a)に示すように、第1の札部3のRFIDタグ5が添付された面が正面を向き、保護層7からRFIDタグ5のラベル面に印字された識別番号を意味するIDやバーコードが透けて見えている。なお、識別番号は、管理対象の動物8ごとに設定される固有の番号である。RFIDタグ5の第1の札部3への添付方法は、接着剤など用いてもよいが、熱融着など接着方法で保護層7ごと第1の札部3へ固定してもよい。
【0024】
第1の札部3におけるRFIDタグ5の設置面の形状は、図1(b)に示すように平らな面でもよいが、図1(c)に示すように窪んでいる窪み部5でもよい。この場合は、RFIDタグ5が第1の札部3から突起しないので、RFIDタグ5が破壊される可能性を減じることができる。このため、図2(a)では、RFIDタグ5が見えているが、図2(b)では、RFIDタグ5が窪み部5aに入っているために、RFIDタグ5が見えない状態となっている。なお、窪み部5にRFIDタグ5を形成(設置)する場合の窪み部5の形状は、RFIDタグ5が収納可能な形状に窪んでおれば、必ずしも、RFIDタグ5の形状に窪んでいなくてもよい。
【0025】
図1に示すように、第1の札部3及び第2の札部4は上部が細くなっており、第1の札部3の上部に形成された雄軸部1が管理対象の動物8の耳9を貫通することが可能なものとなっている。図1及び2に示すように、第2の札部4の上部に形成され、雄軸部1が嵌合される雌軸部2が管理対象の動物8の耳9を貫通することが可能なものとなっている。なお、本願では、雌軸部2は雄軸部1の大部分を覆うような形状をしているものを用いて説明を行っているが、雌軸部2は、雄軸部1の先端に形成された先鋭部分のみ若しくは先鋭部分の周辺を嵌合する形状、つまり、雄軸部1の大部分を覆うような形状でなくてもよい。
【0026】
図1に示すように、RFIDタグ5は、第1の札部3の下部、つまり、第1の札部3の上部に形成された雄軸部1とは反対側に形成することにより、管理対象の動物8の耳9に第1の札部2が密着する雄軸部1と雌軸部2との嵌合部分から、RFIDタグ5を遠ざけることができるので、管理対象の動物8の耳9(生体)がRFIDタグ5に与える影響を少なくすることができる。図3(b)に示すように、管理対象の動物8の耳9がRFIDタグ5の裏面に位置しないようにすればよりよいが、空間12の大部分に耳9が存在しても、雄軸部1と雌軸部2との嵌合部分から、RFIDタグ5を遠ざけるだけで、耳9がRFIDタグ5に与える影響を少なくすることができる。
【0027】
図3(a)に示すように、第1の札部3と第2の札部4との間に耳9を配置し、雌軸部2に雄軸部1を挿入して互いを嵌合することにより、実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの耳9への装着が完了する。図3(b)が装着後を示す図面である。雌軸部2と雄軸部1との嵌合は、耳標装着器を使用することにより簡便に行なうことができる。さらに、図4に示すように、第2の札部4に雄軸部1を形成し、第1の札部3に雌軸部2を形成して第2の札部4と第1の札部3とを嵌合させてもよい。
【0028】
図3及び4に示すように、雄軸部1は、耳9を貫通することが可能なものであり、雌軸部2は雄軸部1が嵌合されているものだが、雄軸部1と雌軸部2との形状によっては、雌軸部2のみが耳9を貫通している場合もある。具体的には、前述のように、「雄軸部1が、雄軸部1の先端に形成された先鋭部分のみで形成される」又は「雄軸部1の主要部分が軸部3の先端に形成された先鋭部分」である場合などが考えられる。このような場合でも、便宜上、雄軸部1と雌軸部2とが嵌合して成す軸が耳9を貫通しておれば、その状態も、本願では「雄軸部1が耳9を貫通している」又は「雄軸部1は耳9を貫通することが可能」とする。
【0029】
図1〜4では、嵌合された雄軸部1と雌軸部2の両方に札部(第1の札部3及び第2の札部4)が形成されていたが、RFIDタグ5を設けない側の札部では、雄軸部1又は雌軸部2の機能だけを有する構成にしてもよい。その場合は、第1の札部3と第2の札部4という関係ではなく、第1の札部3と雄軸部1及び雌軸部2、若しくは、第2の札部4と雌軸部2及び雄軸部1という関係になる。図5(a)に示すように、雄軸部1には第1の札部3を設けない場合は、雄軸部1単体で管理対象の動物の耳9から脱落しない形状の軸基部11を有する必要がある。図5(b)に示すように、雌軸部2には第2の札部4を設けない場合は、雌軸部2単体で管理対象の動物の耳9から脱落しない形状の軸基部12を有する必要がある。なお、軸基部11及び軸基部12の形状にはボタン型などが挙げられる。
【0030】
図6及び7を用いて、実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグによる管理対象の動物8の個体識別や個体管理の実行に関して詳細を説明する。図6は、管理対象の動物8の耳9に実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグが装着した状態である。図7は、RFIDリーダライタ13を用いて、実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグを装着した管理対象の動物8からその識別番号を得る様子を示したものである。
【0031】
RFIDタグ5には、RFIDシステムを利用する用途(個体識別や個体管理など)に合わせて、それらのタグ情報(識別番号)がICチップ6のメモリに格納されており、RFIDリーダライタ13は、自身の送受信エリア内にRFIDタグ5が(管理対象の動物8に貼り付けられて)存在又は移動しているときにタグ情報の更新・書き込み、又は読み取りを行なうことができる。RFIDリーダライタ13は、更新・書き込み、又は読み取り等をRFIDタグ5に命令するコマンド信号を送信波としてRFIDリーダライタ13のアンテナ14からRFIDタグ5へ送信する。RFIDタグ5のアンテナ6aが送信波を受信し、送信波はRFIDタグ5又はICチップ6内の電源制御回路により検波・蓄電(平滑化)され、RFIDタグ5の動作電源を生成し、RFIDタグ5及びICチップ6の各回路に動作電源を供給する。また、送信波はRFIDタグ5又はICチップ6内の復調部によりコマンド信号が復調される。復調されたコマンド信号の命令内容からRFIDタグ5又はICチップ6内の制御部がデータ処理し、ICチップ6のメモリへタグ情報の更新・書き込みと読み取りとのいずれか一方、又は両方の指示を行い、この制御部の指示によりICチップ6のメモリが出力した読み取り信号が変調部により変調された返信波がRFIDタグ5のアナログ部を経由してアンテナ6aからRFIDリーダライタ13のアンテナ14に送信され、RFIDリーダライタ13が読み取り信号を受信して、所望の情報を得る。
【0032】
このようにして、管理対象の動物8から、その識別番号を容易に得ることができる。さらに、実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグ(RFIDタグ5)には、識別番号を意味するIDやバーコードが印字されているので、バーコードリーダなどの光学読取手段によって、RFIDタグ5上の印字からも識別番号を得ることができる。この際は、光学読取手段とRFIDリーダライタ13とが一体となっているハンディターミナル(ハンディタイプのRFIDリーダライタ及び光学読取手段)を用いてもよい。したがって、実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグは、RFIDタグ5が製造後に故障したとしても、管理対象の動物8の識別番号を得ることができ、RFIDタグ5の印字が汚れても、管理対象の動物8の識別番号を得ることができる。なお、RFIDタグ5の印字は、保護層7によりコーティングされている。つまり、RFIDタグ5の印字の汚れは、保護層7上の汚れなので、拭き取るなどの清掃が容易に可能である。これは、拭き取る際に洗剤を使用する場合に、印字が消える、汚損するなどの問題からRFIDタグ5の印字面に使用できない洗剤でも、保護層7に対して使用できる洗剤であれば使用できることも意味している。
【0033】
次に、この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの製造方法について図8〜11を用いて説明する。なお、製造方法に関しては、図1にて説明した雌軸部2側の第1の札部3にRFIDタグ5が形成された動物用耳標RFIDタグを使用して説明するが、他の構成の動物用耳標RFIDタグでも同様の製造方法である。図8(a)はRFIDタグ5のインレイの正面図、図8(b)はRFIDタグ5のインレイにラベル面を形成した状態の正面図(印字前)、図8(c)はRFIDタグ5のインレイにラベル面を形成した状態の正面図(印字後)、図9(a)はダイポールアンテナによるアンテナ6aの構成図、図9(b)はダイポールアンテナ(ミアンダ)によるアンテナ6aの構成図、図10(a)及び図11(a)はRFIDタグ5を設ける前の第1の札部3正面図、図10(b)及び図11(b)はRFIDタグ5を設ける前の第1の札部3側面図、図10(c)及び図11(c)はRFIDタグ5を設けた後の第1の札部3正面図、図10(d)及び図11(d)はRFIDタグ5を設けた後の第1の札部3側面図、図10(e)及び図11(e)はRFIDタグ5に保護層7を設けた後の第1の札部3正面図、図10(f)及び図11(f)はRFIDタグ5に保護層7を設けた後の第1の札部3側面図である。なお、図10における側面図は、図1における矢印Aの方向から見た側面である。
【0034】
図8〜11において、15はICチップ6やアンテナ6aなどのRFIDタグ5の構成要素が実装された樹脂製のインレイ、16はインレイ15の表面に形成された印字可能なラベル面であり、インレイ15の表面がラベル面16そのものでもよいし、インレイ15とラベル面16とが別体でもよい。17はアンテナ6aのアンテナ素子、18はアンテナ6aのメアンダラインで形成されたアンテナ素子、19ははICチップ6及びアンテナ素子17(アンテナ素子18)に接続され、ICチップ6とアンテナ素子17(アンテナ素子18)インピーダンス整合を取る整合線路(整合回路)、20はアンテナ素子17(アンテナ素子18)同士を短絡する短絡線路(回路)である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0035】
実施の形態1に係る動物の耳9を貫通することが可能な雄軸部1、雄軸部1が嵌合される雌軸部2、少なくとも雄軸部1又は雌軸部2のいずれか一方に形成された札部(第1の札部3又は第2の札部4)を有する動物用耳標RFIDタグの製造方法は、大別するとRFIDタグ製造工程とRFIDタグ貼付工程からなる。まず、RFIDタグ製造工程は、図8(a)に示すRFIDタグ用のインレイ15にアンテナ6aを形成する(インレイ製造工程)。次に、図8(a)に形成するアンテナ6aはダイポールアンテナである。次に、インレイ15にラベル面16を形成する(ラベル面製造工程)。最後に、RFIDタグを構成するICチップ6のメモリに記憶された所定の識別番号(つまり、耳標をつける管理対象の動物8ごとに付与される個体識別番号・管理番号)に対応する所定の文字又は図表を、札部(第1の札部3又は第2の札部4)よりも面積が小さいRFIDタグ5(インレイ15)の表面に汎用的な装置であるラベルプリンタなどで印字する(印字工程)。市販のラベル面16付きのインレイ15を準備しておけば、RFIDタグ製造工程は印字工程だけよい。
【0036】
ここで、図9を用いて、RFIDタグ5のアンテナ6aの詳細を説明する。実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグに使用するRFIDタグアンテナには、特に、指定はないが、ダイポールアンテナを用いる場合、「所定の識別番号に対応する所定の文字又は図表」の寸法により、インレイ16のサイズが小さくてもよい場合であって、図9(a)のようなアンテナ素子17が直線的なダイポールアンテナの寸法が「所定の識別番号に対応する所定の文字又は図表」の寸法よりも大きい場合は、図9(b)に示すミアンダラインによるアンテナ素子18のダイポールアンテナを用いて、ダイポールアンテナの寸法を小さくすればよい。また、図8及び9では、アンテナ6a(ダイポールアンテナ)を横向きに配置しているが、縦向きや斜め向きに配置してもよいし、複数のアンテナやそれらのアンテナごとに対応したICチップ(給電線路などの線路も含む)を形成してもよい。
【0037】
RFIDタグ製造工程によりRFIDタグ5が準備できた後に、RFIDタグ貼付工程を行なう。まず、雌軸部2を有する第1の札部3を樹脂などによる金型による一体成形(射出成形)で製造する(札部製造工程)。そして、図10(a)に示す第1の札部3に、印字工程により印字されたRFIDタグ5における印字された面と反対の面を第1の札部3へ貼り付ける(貼付工程)。図10(b)は、貼付工程により第1の札部3に貼り付けられたRFIDタグ5である。最後に、図10(c)に示すように、貼付工程により第1の札部3に貼り付けられたRFIDタグ5における印字された面上に透明又は半透明の保護膜7を形成する(保護膜形成工程)。このような一連の工程(RFIDタグ貼付工程)を経て実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグは完成する。
【0038】
第1の札部3が窪み部を有する場合のRFIDタグ貼付工程は、まず、雌軸部2を有する第1の札部3を樹脂などによる金型による一体成形(射出成形)で製造する(札部製造工程)。この際に、札部製造工程に使用する金型は、窪み部5aに対応する突起があれば、一体成形(射出成形)により、窪み部5aが成形できるが、一体成形(射出成形)とは別に窪み部5aを成形してもよい。そして、図11(a)に示す第1の札部3に、印字工程により印字されたRFIDタグ5における印字された面と反対の面を第1の札部3の窪み部5aへ貼り付ける(貼付工程)。図11(b)は、貼付工程により第1の札部3の窪み部5aに貼り付けられたRFIDタグ5である。最後に、図11(c)に示すように、貼付工程により第1の札部3の窪み部5aに貼り付けられたRFIDタグ5における印字された面上に透明又は半透明の保護膜7を形成する(保護膜形成工程)。このような一連の工程(RFIDタグ貼付工程)を経て、実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの札部(雌軸部2を有する第1の札部3)が製造できるので、雌軸部2と雄軸部1とを嵌合させることにより、実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグが完成する。但し、RFIDタグが形成された札部だけでも動物用耳標RFIDタグと称してもよい。
【符号の説明】
【0039】
1・・雄軸部、2・・雌軸部、3・・第1の札部、4・・第2の札部、5・・RFIDタグ、5a・・窪み部、6・・ICチップ、6a・・・アンテナ、7・・保護膜、8・・管理対象の動物、9・・耳、10・・空間、11・・雄軸基部、12・・雌軸基部、13・・RFIDリーダライタ、14・・アンテナ、15・・インレイ、16・・ラベル面、17・・アンテナ素子、18・・アンテナ素子、19・・整合線路、20・・短絡線路。
【技術分野】
【0001】
この発明は、Radio Frequency Identification(以下、RFIDと称す)リーダライタから送信されるコマンド信号を受信し、そのコマンド信号の情報に応じてメモリに格納されているタグ情報の更新・書き込み、又はそのタグ情報をRFIDリーダライタへ読み出し信号として送信するUHF帯及びマイクロ波帯などを使用する電波方式のRFIDシステムに使用されるRFIDタグに関する。特に、動物用耳標にRFIDタグを設けて、牛、豚、羊などの家畜や馬などの動物(以下、管理対象の動物と称す)の耳に固定し、管理対象の動物の個体識別や個体管理を行なう動物用耳標RFIDタグに関する。
【背景技術】
【0002】
RFIDシステムは、ICチップを備えたRFIDタグとRFIDリーダライタとの間で無線通信を行なうシステムである。RFIDタグには、バッテリーを搭載し、その電力で駆動するアクティブ型タグと、RFIDリーダライタからの電力を受けて、これを電源とし駆動するパッシブ型タグがある。アクティブ型はパッシブ型に比べ、バッテリーを搭載しているため、通信距離、通信の安定度などのメリットがある反面、構造の複雑化、サイズの大型化、高コストなどのデメリットもある。また、近年の半導体技術の向上により、パッシブ型タグ用ICチップの小型化、高性能化が進み、パッシブ型タグの幅広い分野での使用が期待されている。パッシブ型タグにおいて、周波数帯が長波帯、短波帯のRFIDタグで適用されている電磁誘導方式(HF帯が代表的である)では、RFIDリーダライタの送信アンテナコイルとRFIDタグのアンテナコイルとの間の電磁誘導作用でRFIDタグに電圧が誘起され、この電圧によりICチップを起動して通信を可能としている。したがって、RFIDリーダライタによる誘導電磁界内でしかRFIDタグが動作せず、通信距離は数十cm程度となってしまう。
【0003】
また、UHF帯及びマイクロ波帯などの高い周波数帯のRFIDタグでは、電波方式が適用されており、電波によりRFIDタグのICチップに電力を供給しているため、通信距離は1〜7m程度と大幅に向上している。したがって、通信距離の短い長波帯、短波帯のRFIDシステムでは実現が困難であった複数枚のRFIDタグの同時読み取りや移動しているRFIDタグの読み取りなどが可能となる。したがって、その利用範囲は大幅に広がり、動物用耳標RFIDタグへの適用も有益な利用方法の一つと考えられる。
【0004】
従来、動物用耳標RFIDタグには、動物の耳を貫通する雄軸部とこの雄軸部が嵌合される雌軸部とを有し、雄軸部と雌軸部との両方に札部を形成し、このような札部の一方にRFIDタグ(ICチップ)を内蔵し、他方の表面にIDやバーコードなどの光学読取手段用のコードを印字したものを管理対象の動物の耳に装着して、耳標が装着された動物の個体管理するものがある(例えば、特許文献1参照)。なお、札部の他方の面に印字されたIDやバーコードは、札部にICチップが接続されたアンテナが取り付けられており、RFIDで個体管理をすることが可能であるが、目視や光学読取でも個体識別を可能とするため、札部に識別番号を印字したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−333950号公報(第2図〜第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のような動物用耳標RFIDタグでは、IDやバーコードを印字した面を管理対象の動物の正面から視認可能に取り付けるために、管理対象の動物の耳の裏側にRFIDタグが配置されてしまい、管理対象の動物の正面からRFIDリーダライタ(アンテナ)によるRFIDタグの読み取りが難しくなってしまう場合があるという課題があった。
【0007】
上記のような課題を克服するために、RFIDタグを設けた札部へIDやバーコードを印字した場合でも、RFIDタグ用のラベルプリンタの圧力や熱がICチップに加わり、ICチップが破損する可能性があるという課題がある。
【0008】
また、RFIDタグ用のラベルプリンタを使用せずに、耳標の札部に識別番号を印字した後に、札部にRFIDタグを取り付ける場合では、札部に印字された識別番号とRFIDタグのICチップに書き込まれた識別番号とを関連付け(紐付け)する必要があり、動物用耳標RFIDタグの製造工程が複雑になるという課題がある。特に、識別番号を見ながら関連したRFIDタグを取り付ける作業を人間による手作業で実施する場合では、関連していないRFIDタグを間違って札部に取り付けるおそれがあるという課題がある。もちろん、機械で作業する場合でも専用装置を準備する必要が生じるという課題がある。
【0009】
次に、RFIDタグを札部に取り付けた後で、札部に印字された識別番号をICチップのメモリに書き込む場合では、個別に書き込み作業を行なか、又は、耳標全体の形状に合わせた専用のRFIDタグ書き込み装置が必要となる課題がある。
【0010】
さらに、耳標の札部表面に、IDやバーコードを印字した場合、紫外線、温度、湿度、衝撃などにより印字が消える可能性があるという課題もある。
【0011】
この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、汎用的な装置を用いて製造可能、かつ耳標の識別番号とICチップの識別番号の関連付けが誤ることなく、印字が消える可能性の少ない動物用耳標RFIDタグ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明に係る動物用耳標RFIDタグは、動物の耳を貫通することが可能な雄軸部と、この雄軸部が嵌合される雌軸部と、少なくとも前記雄軸部又は前記雌軸部のいずれか一方に形成された札部と、所定の文字又は図表が印字された面と反対の面が前記札部に貼り付けられ、前記所定の文字又は図表に対応する識別番号が記憶されたメモリから構成されるICチップを有し、面積が前記札部よりも小さいRFIDタグと、このRFIDタグの印字された面を保護する透明又は半透明の保護膜とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項2の発明に係る動物用耳標RFIDタグは、前記札部の前記RFIDタグが貼り付けられている面が、前記RFIDタグが収納可能な形状に窪んでいるものである請求項1に記載のものである。
【0014】
請求項3の発明に係る動物用耳標RFIDタグの製造方法は、動物の耳を貫通することが可能な雄軸部、この雄軸部が嵌合される雌軸部、少なくとも前記雄軸部又は前記雌軸部のいずれか一方に形成された札部を有する動物用耳標RFIDタグの製造方法において、RFIDタグを構成するICチップのメモリに記憶された所定の識別番号に対応する所定の文字又は図表を、前記札部よりも面積が小さいRFIDタグの表面に印字する印字工程と、この印字工程により印字された前記RFIDタグにおける印字された面と反対の面を前記札部へ貼り付ける貼り付け工程と、この貼り付け工程により前記札部に貼り付けられた前記RFIDタグにおける印字された面上に透明又は半透明の保護膜を形成する保護膜形成工程とを備えたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項4の発明に係る動物用耳標RFIDタグの製造方法は、前記貼り付け工程が、前記札部に形成された前記RFIDタグが収納可能な形状に窪んでいる部分に前記RFIDタグを貼り付けるものである請求項3に記載のものである。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、請求項1及び2に係る発明によれば、ICチップのメモリに記憶された所定の識別番号に対応する所定の文字又は図表が印字されたRFIDタグを札部の表面に取り付けているので、印字の識別番号とICチップの識別番号関連付けの誤りが無く、さらに、RFIDタグ表面に透明又は半透明な保護膜が、印字及びRFIDタグの耐環境性を向上させた動物用耳標RFIDタグを得ることができる。
【0017】
請求項3及び4に係る発明によれば、RFIDタグを構成するICチップのメモリに記憶された所定の識別番号に対応する所定の文字又は図表を、前記札部よりも面積が小さいRFIDタグの表面に印字した後に、そのRFIDタグを札部の表面に取り付けることで、印字の識別番号とICチップの識別番号関連付けの誤りが無く行なえ、さらに、RFIDタグ表面に透明又は半透明な保護膜を設けることで印字及びRFIDタグの耐環境性を向上させることが可能な動物用耳標RFIDタグの製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの装着模式図である。
【図4】この発明の実施の形態に係る動物用耳標RFIDタグを装着した管理対象の動物図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグによる管理対象の動物の個体識別や個体管理の実行模式図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの構成図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの構成図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの製造工程図(RFIDタグ)である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグに使用するダイポールアンテナ構成図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの製造工程図(札部)である。
【図11】この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの製造工程図(札部)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグについて図1〜7を用いて説明する。図1(a)は動物用耳標RFIDタグの正面図、図1(b)(c)は図1(a)の矢印Aの方向から見た動物用耳標RFIDタグの側面図、図2(a)(b)は図1(a)の矢印Bの方向から見た動物用耳標RFIDタグの側面図であり、図2(a)(b)は、それぞれ図1(b)(c)に対応する。図3(a)は管理対象の動物の耳へ動物用耳標RFIDタグを装着する前の図、図3(b)は管理対象の動物の耳へ動物用耳標RFIDタグを装着した図、図4(a)(b)は札部が一つである動物用耳標RFIDタグの構成図である。
【0020】
図1〜7において、1は管理対象の動物の耳を貫通することが可能な雄軸部、2は雄軸部1が嵌合される雌軸部、3は雌軸部2に形成された第1の札部、4は雄軸部1に形成された第2の札部であり、第1の札部3及び第2の札部4は柔軟な材料からなるものが理想的である。5は所定の文字又は図表が印字された面と反対の面が第1の札部3又は第2の札部4に貼り付けられ、所定の文字又は図表に対応する識別番号が記憶されたメモリから構成される後述のICチップ6を有し、面積が第1の札部3又は第2の札部4よりも小さいRFIDタグ、5aは第1の札部3又は第2の札部4のRFIDタグ5が貼り付けられている面がRFIDタグ5の形状に窪んでいる窪み部であり、図1〜7では、窪み部5aは、図1(c)にのみ表示しているが、他の図における札部(第1の札部3及び第2の札部4)にも適用可能であることはいうまでもない。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0021】
図1〜7において、16はRFIDタグを構成するICチップ、6aはICチップ6と接続され、RFIDタグ5を構成するアンテナ、7はRFIDタグ5の印字された面を保護する透明又は半透明の保護膜であり、本願における動物用耳標RFIDタグの正面図に相当する図面では、保護層7に覆われ、透視状態のRFIDタグ5の符号を省略し、表示していない。さらに、窪み部5aを形成した第1の札部3又は第2の札部4(例えば、図1(c))と、そうでない第1の札部3又は第2の札部(例えば、図1(b))とでは、動物用耳標RFIDタグの正面図の違いがあまりないので、簡略化のために動物用耳標RFIDタグの正面図は共通とする(例えば、図1(a))。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0022】
図1〜7において、8は動物用耳標RFIDタグを用いたRFIDシステムにより管理される管理対象の動物、9は管理対象の動物8の耳であり、本願では牛を例にする。10は動物用耳標RFIDタグにおいて、耳9が配置される空間、11は雄軸部1に形成された雄軸基部、12は雌軸部2に形成された雌軸基部、13は自身の送受信エリア内にRFIDタグ5(動物用耳標RFIDタグ)が管理対象の動物8に貼り付けられて、存在又は移動しているときにタグ情報の更新・書き込み、又は読み取りを行なうことができるRFIDリーダライタ、14はRFIDリーダライタから質問波(送信波)を送信し、RFIDタグ5からの返信波を受信するアンテナである。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0023】
実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグは、図1に示すような構成となっている。図1(a)に示すように、第1の札部3のRFIDタグ5が添付された面が正面を向き、保護層7からRFIDタグ5のラベル面に印字された識別番号を意味するIDやバーコードが透けて見えている。なお、識別番号は、管理対象の動物8ごとに設定される固有の番号である。RFIDタグ5の第1の札部3への添付方法は、接着剤など用いてもよいが、熱融着など接着方法で保護層7ごと第1の札部3へ固定してもよい。
【0024】
第1の札部3におけるRFIDタグ5の設置面の形状は、図1(b)に示すように平らな面でもよいが、図1(c)に示すように窪んでいる窪み部5でもよい。この場合は、RFIDタグ5が第1の札部3から突起しないので、RFIDタグ5が破壊される可能性を減じることができる。このため、図2(a)では、RFIDタグ5が見えているが、図2(b)では、RFIDタグ5が窪み部5aに入っているために、RFIDタグ5が見えない状態となっている。なお、窪み部5にRFIDタグ5を形成(設置)する場合の窪み部5の形状は、RFIDタグ5が収納可能な形状に窪んでおれば、必ずしも、RFIDタグ5の形状に窪んでいなくてもよい。
【0025】
図1に示すように、第1の札部3及び第2の札部4は上部が細くなっており、第1の札部3の上部に形成された雄軸部1が管理対象の動物8の耳9を貫通することが可能なものとなっている。図1及び2に示すように、第2の札部4の上部に形成され、雄軸部1が嵌合される雌軸部2が管理対象の動物8の耳9を貫通することが可能なものとなっている。なお、本願では、雌軸部2は雄軸部1の大部分を覆うような形状をしているものを用いて説明を行っているが、雌軸部2は、雄軸部1の先端に形成された先鋭部分のみ若しくは先鋭部分の周辺を嵌合する形状、つまり、雄軸部1の大部分を覆うような形状でなくてもよい。
【0026】
図1に示すように、RFIDタグ5は、第1の札部3の下部、つまり、第1の札部3の上部に形成された雄軸部1とは反対側に形成することにより、管理対象の動物8の耳9に第1の札部2が密着する雄軸部1と雌軸部2との嵌合部分から、RFIDタグ5を遠ざけることができるので、管理対象の動物8の耳9(生体)がRFIDタグ5に与える影響を少なくすることができる。図3(b)に示すように、管理対象の動物8の耳9がRFIDタグ5の裏面に位置しないようにすればよりよいが、空間12の大部分に耳9が存在しても、雄軸部1と雌軸部2との嵌合部分から、RFIDタグ5を遠ざけるだけで、耳9がRFIDタグ5に与える影響を少なくすることができる。
【0027】
図3(a)に示すように、第1の札部3と第2の札部4との間に耳9を配置し、雌軸部2に雄軸部1を挿入して互いを嵌合することにより、実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの耳9への装着が完了する。図3(b)が装着後を示す図面である。雌軸部2と雄軸部1との嵌合は、耳標装着器を使用することにより簡便に行なうことができる。さらに、図4に示すように、第2の札部4に雄軸部1を形成し、第1の札部3に雌軸部2を形成して第2の札部4と第1の札部3とを嵌合させてもよい。
【0028】
図3及び4に示すように、雄軸部1は、耳9を貫通することが可能なものであり、雌軸部2は雄軸部1が嵌合されているものだが、雄軸部1と雌軸部2との形状によっては、雌軸部2のみが耳9を貫通している場合もある。具体的には、前述のように、「雄軸部1が、雄軸部1の先端に形成された先鋭部分のみで形成される」又は「雄軸部1の主要部分が軸部3の先端に形成された先鋭部分」である場合などが考えられる。このような場合でも、便宜上、雄軸部1と雌軸部2とが嵌合して成す軸が耳9を貫通しておれば、その状態も、本願では「雄軸部1が耳9を貫通している」又は「雄軸部1は耳9を貫通することが可能」とする。
【0029】
図1〜4では、嵌合された雄軸部1と雌軸部2の両方に札部(第1の札部3及び第2の札部4)が形成されていたが、RFIDタグ5を設けない側の札部では、雄軸部1又は雌軸部2の機能だけを有する構成にしてもよい。その場合は、第1の札部3と第2の札部4という関係ではなく、第1の札部3と雄軸部1及び雌軸部2、若しくは、第2の札部4と雌軸部2及び雄軸部1という関係になる。図5(a)に示すように、雄軸部1には第1の札部3を設けない場合は、雄軸部1単体で管理対象の動物の耳9から脱落しない形状の軸基部11を有する必要がある。図5(b)に示すように、雌軸部2には第2の札部4を設けない場合は、雌軸部2単体で管理対象の動物の耳9から脱落しない形状の軸基部12を有する必要がある。なお、軸基部11及び軸基部12の形状にはボタン型などが挙げられる。
【0030】
図6及び7を用いて、実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグによる管理対象の動物8の個体識別や個体管理の実行に関して詳細を説明する。図6は、管理対象の動物8の耳9に実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグが装着した状態である。図7は、RFIDリーダライタ13を用いて、実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグを装着した管理対象の動物8からその識別番号を得る様子を示したものである。
【0031】
RFIDタグ5には、RFIDシステムを利用する用途(個体識別や個体管理など)に合わせて、それらのタグ情報(識別番号)がICチップ6のメモリに格納されており、RFIDリーダライタ13は、自身の送受信エリア内にRFIDタグ5が(管理対象の動物8に貼り付けられて)存在又は移動しているときにタグ情報の更新・書き込み、又は読み取りを行なうことができる。RFIDリーダライタ13は、更新・書き込み、又は読み取り等をRFIDタグ5に命令するコマンド信号を送信波としてRFIDリーダライタ13のアンテナ14からRFIDタグ5へ送信する。RFIDタグ5のアンテナ6aが送信波を受信し、送信波はRFIDタグ5又はICチップ6内の電源制御回路により検波・蓄電(平滑化)され、RFIDタグ5の動作電源を生成し、RFIDタグ5及びICチップ6の各回路に動作電源を供給する。また、送信波はRFIDタグ5又はICチップ6内の復調部によりコマンド信号が復調される。復調されたコマンド信号の命令内容からRFIDタグ5又はICチップ6内の制御部がデータ処理し、ICチップ6のメモリへタグ情報の更新・書き込みと読み取りとのいずれか一方、又は両方の指示を行い、この制御部の指示によりICチップ6のメモリが出力した読み取り信号が変調部により変調された返信波がRFIDタグ5のアナログ部を経由してアンテナ6aからRFIDリーダライタ13のアンテナ14に送信され、RFIDリーダライタ13が読み取り信号を受信して、所望の情報を得る。
【0032】
このようにして、管理対象の動物8から、その識別番号を容易に得ることができる。さらに、実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグ(RFIDタグ5)には、識別番号を意味するIDやバーコードが印字されているので、バーコードリーダなどの光学読取手段によって、RFIDタグ5上の印字からも識別番号を得ることができる。この際は、光学読取手段とRFIDリーダライタ13とが一体となっているハンディターミナル(ハンディタイプのRFIDリーダライタ及び光学読取手段)を用いてもよい。したがって、実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグは、RFIDタグ5が製造後に故障したとしても、管理対象の動物8の識別番号を得ることができ、RFIDタグ5の印字が汚れても、管理対象の動物8の識別番号を得ることができる。なお、RFIDタグ5の印字は、保護層7によりコーティングされている。つまり、RFIDタグ5の印字の汚れは、保護層7上の汚れなので、拭き取るなどの清掃が容易に可能である。これは、拭き取る際に洗剤を使用する場合に、印字が消える、汚損するなどの問題からRFIDタグ5の印字面に使用できない洗剤でも、保護層7に対して使用できる洗剤であれば使用できることも意味している。
【0033】
次に、この発明の実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの製造方法について図8〜11を用いて説明する。なお、製造方法に関しては、図1にて説明した雌軸部2側の第1の札部3にRFIDタグ5が形成された動物用耳標RFIDタグを使用して説明するが、他の構成の動物用耳標RFIDタグでも同様の製造方法である。図8(a)はRFIDタグ5のインレイの正面図、図8(b)はRFIDタグ5のインレイにラベル面を形成した状態の正面図(印字前)、図8(c)はRFIDタグ5のインレイにラベル面を形成した状態の正面図(印字後)、図9(a)はダイポールアンテナによるアンテナ6aの構成図、図9(b)はダイポールアンテナ(ミアンダ)によるアンテナ6aの構成図、図10(a)及び図11(a)はRFIDタグ5を設ける前の第1の札部3正面図、図10(b)及び図11(b)はRFIDタグ5を設ける前の第1の札部3側面図、図10(c)及び図11(c)はRFIDタグ5を設けた後の第1の札部3正面図、図10(d)及び図11(d)はRFIDタグ5を設けた後の第1の札部3側面図、図10(e)及び図11(e)はRFIDタグ5に保護層7を設けた後の第1の札部3正面図、図10(f)及び図11(f)はRFIDタグ5に保護層7を設けた後の第1の札部3側面図である。なお、図10における側面図は、図1における矢印Aの方向から見た側面である。
【0034】
図8〜11において、15はICチップ6やアンテナ6aなどのRFIDタグ5の構成要素が実装された樹脂製のインレイ、16はインレイ15の表面に形成された印字可能なラベル面であり、インレイ15の表面がラベル面16そのものでもよいし、インレイ15とラベル面16とが別体でもよい。17はアンテナ6aのアンテナ素子、18はアンテナ6aのメアンダラインで形成されたアンテナ素子、19ははICチップ6及びアンテナ素子17(アンテナ素子18)に接続され、ICチップ6とアンテナ素子17(アンテナ素子18)インピーダンス整合を取る整合線路(整合回路)、20はアンテナ素子17(アンテナ素子18)同士を短絡する短絡線路(回路)である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0035】
実施の形態1に係る動物の耳9を貫通することが可能な雄軸部1、雄軸部1が嵌合される雌軸部2、少なくとも雄軸部1又は雌軸部2のいずれか一方に形成された札部(第1の札部3又は第2の札部4)を有する動物用耳標RFIDタグの製造方法は、大別するとRFIDタグ製造工程とRFIDタグ貼付工程からなる。まず、RFIDタグ製造工程は、図8(a)に示すRFIDタグ用のインレイ15にアンテナ6aを形成する(インレイ製造工程)。次に、図8(a)に形成するアンテナ6aはダイポールアンテナである。次に、インレイ15にラベル面16を形成する(ラベル面製造工程)。最後に、RFIDタグを構成するICチップ6のメモリに記憶された所定の識別番号(つまり、耳標をつける管理対象の動物8ごとに付与される個体識別番号・管理番号)に対応する所定の文字又は図表を、札部(第1の札部3又は第2の札部4)よりも面積が小さいRFIDタグ5(インレイ15)の表面に汎用的な装置であるラベルプリンタなどで印字する(印字工程)。市販のラベル面16付きのインレイ15を準備しておけば、RFIDタグ製造工程は印字工程だけよい。
【0036】
ここで、図9を用いて、RFIDタグ5のアンテナ6aの詳細を説明する。実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグに使用するRFIDタグアンテナには、特に、指定はないが、ダイポールアンテナを用いる場合、「所定の識別番号に対応する所定の文字又は図表」の寸法により、インレイ16のサイズが小さくてもよい場合であって、図9(a)のようなアンテナ素子17が直線的なダイポールアンテナの寸法が「所定の識別番号に対応する所定の文字又は図表」の寸法よりも大きい場合は、図9(b)に示すミアンダラインによるアンテナ素子18のダイポールアンテナを用いて、ダイポールアンテナの寸法を小さくすればよい。また、図8及び9では、アンテナ6a(ダイポールアンテナ)を横向きに配置しているが、縦向きや斜め向きに配置してもよいし、複数のアンテナやそれらのアンテナごとに対応したICチップ(給電線路などの線路も含む)を形成してもよい。
【0037】
RFIDタグ製造工程によりRFIDタグ5が準備できた後に、RFIDタグ貼付工程を行なう。まず、雌軸部2を有する第1の札部3を樹脂などによる金型による一体成形(射出成形)で製造する(札部製造工程)。そして、図10(a)に示す第1の札部3に、印字工程により印字されたRFIDタグ5における印字された面と反対の面を第1の札部3へ貼り付ける(貼付工程)。図10(b)は、貼付工程により第1の札部3に貼り付けられたRFIDタグ5である。最後に、図10(c)に示すように、貼付工程により第1の札部3に貼り付けられたRFIDタグ5における印字された面上に透明又は半透明の保護膜7を形成する(保護膜形成工程)。このような一連の工程(RFIDタグ貼付工程)を経て実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグは完成する。
【0038】
第1の札部3が窪み部を有する場合のRFIDタグ貼付工程は、まず、雌軸部2を有する第1の札部3を樹脂などによる金型による一体成形(射出成形)で製造する(札部製造工程)。この際に、札部製造工程に使用する金型は、窪み部5aに対応する突起があれば、一体成形(射出成形)により、窪み部5aが成形できるが、一体成形(射出成形)とは別に窪み部5aを成形してもよい。そして、図11(a)に示す第1の札部3に、印字工程により印字されたRFIDタグ5における印字された面と反対の面を第1の札部3の窪み部5aへ貼り付ける(貼付工程)。図11(b)は、貼付工程により第1の札部3の窪み部5aに貼り付けられたRFIDタグ5である。最後に、図11(c)に示すように、貼付工程により第1の札部3の窪み部5aに貼り付けられたRFIDタグ5における印字された面上に透明又は半透明の保護膜7を形成する(保護膜形成工程)。このような一連の工程(RFIDタグ貼付工程)を経て、実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグの札部(雌軸部2を有する第1の札部3)が製造できるので、雌軸部2と雄軸部1とを嵌合させることにより、実施の形態1に係る動物用耳標RFIDタグが完成する。但し、RFIDタグが形成された札部だけでも動物用耳標RFIDタグと称してもよい。
【符号の説明】
【0039】
1・・雄軸部、2・・雌軸部、3・・第1の札部、4・・第2の札部、5・・RFIDタグ、5a・・窪み部、6・・ICチップ、6a・・・アンテナ、7・・保護膜、8・・管理対象の動物、9・・耳、10・・空間、11・・雄軸基部、12・・雌軸基部、13・・RFIDリーダライタ、14・・アンテナ、15・・インレイ、16・・ラベル面、17・・アンテナ素子、18・・アンテナ素子、19・・整合線路、20・・短絡線路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の耳を貫通することが可能な雄軸部と、この雄軸部が嵌合される雌軸部と、少なくとも前記雄軸部又は前記雌軸部のいずれか一方に形成された札部と、所定の文字又は図表が印字された面と反対の面が前記札部に貼り付けられ、前記所定の文字又は図表に対応する識別番号が記憶されたメモリから構成されるICチップを有し、面積が前記札部よりも小さいRFIDタグと、このRFIDタグの印字された面を保護する透明又は半透明の保護膜とを備えた動物用耳標RFIDタグ。
【請求項2】
前記札部の前記RFIDタグが貼り付けられている面は、前記RFIDタグが収納可能な形状に窪んでいるものである請求項1に記載の動物用耳標RFIDタグ。
【請求項3】
動物の耳を貫通することが可能な雄軸部、この雄軸部が嵌合される雌軸部、少なくとも前記雄軸部又は前記雌軸部のいずれか一方に形成された札部を有する動物用耳標RFIDタグの製造方法において、RFIDタグを構成するICチップのメモリに記憶された所定の識別番号に対応する所定の文字又は図表を、前記札部よりも面積が小さいRFIDタグの表面に印字する印字工程と、この印字工程により印字された前記RFIDタグにおける印字された面と反対の面を前記札部へ貼り付ける貼り付け工程と、この貼り付け工程により前記札部に貼り付けられた前記RFIDタグにおける印字された面上に透明又は半透明の保護膜を形成する保護膜形成工程とを備えた動物用耳標RFIDタグの製造方法。
【請求項4】
前記貼り付け工程は、前記札部に形成された前記RFIDタグが収納可能な形状に窪んでいる部分に前記RFIDタグを貼り付けるものである請求項3に記載の動物用耳標RFIDタグの製造方法。
【請求項1】
動物の耳を貫通することが可能な雄軸部と、この雄軸部が嵌合される雌軸部と、少なくとも前記雄軸部又は前記雌軸部のいずれか一方に形成された札部と、所定の文字又は図表が印字された面と反対の面が前記札部に貼り付けられ、前記所定の文字又は図表に対応する識別番号が記憶されたメモリから構成されるICチップを有し、面積が前記札部よりも小さいRFIDタグと、このRFIDタグの印字された面を保護する透明又は半透明の保護膜とを備えた動物用耳標RFIDタグ。
【請求項2】
前記札部の前記RFIDタグが貼り付けられている面は、前記RFIDタグが収納可能な形状に窪んでいるものである請求項1に記載の動物用耳標RFIDタグ。
【請求項3】
動物の耳を貫通することが可能な雄軸部、この雄軸部が嵌合される雌軸部、少なくとも前記雄軸部又は前記雌軸部のいずれか一方に形成された札部を有する動物用耳標RFIDタグの製造方法において、RFIDタグを構成するICチップのメモリに記憶された所定の識別番号に対応する所定の文字又は図表を、前記札部よりも面積が小さいRFIDタグの表面に印字する印字工程と、この印字工程により印字された前記RFIDタグにおける印字された面と反対の面を前記札部へ貼り付ける貼り付け工程と、この貼り付け工程により前記札部に貼り付けられた前記RFIDタグにおける印字された面上に透明又は半透明の保護膜を形成する保護膜形成工程とを備えた動物用耳標RFIDタグの製造方法。
【請求項4】
前記貼り付け工程は、前記札部に形成された前記RFIDタグが収納可能な形状に窪んでいる部分に前記RFIDタグを貼り付けるものである請求項3に記載の動物用耳標RFIDタグの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−177116(P2011−177116A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45241(P2010−45241)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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