説明

動画データ鑑賞装置

【課題】ユーザが使いやすくより生活を豊かにすることができる動画データ鑑賞装置を提供する
【課題を解決するための手段】
選択可能なテレビ局の放送番組を複数同時的に受信し、再生の対象となるか否かにかかわらずそれぞれの放送番組についてその開始から終了まで時間的に重複しても複数並行して録画するとともにそれぞれの放送番組について少なくともその放送終了までは録画を保持する。録画開始時点において既に開始されている放送番組は録画の対象から除外する。番組終了まで録画できなかった放送番組については保持の対象から除外する。再生開始操作対象番組はすくなくとも再生終了まで保持する。録画指示操作対象番組は番組開始から終了までの保持を行う。保持しない録画済の放送番組を新たな放送番組の録画で上書きする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ等の動画データ鑑賞装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ等の動画データ鑑賞装置においては、テレビ局からの放送番組をリアルタイムで鑑賞する場合の他、ビデオレコーダ等によりこれを録画した後に鑑賞することも従来から広く行われている。また、録画装置については、従来からのビデオテープレコーダだけでなくDVDなどのディスクタイプのデジタル記憶媒体への録画や大容量のハードディスクへの録画など多種多様な録画手段が一般化している。
【0003】
一方、近年、いわゆるサーバ型放送の実用化も進み、インターネット経由で番組配信サーバからダウンロードした番組動画データを解凍再生することにより動画番組を鑑賞することも可能となっている。
【0004】
このように、動画データの鑑賞装置においては従来のテレビやビデオレコーダの枠を超えた種々の機器やシステムがユーザに提案されてきた。
さらに、機器やシステムの提案だけでなく、録画のための記憶容量の増加や機能の多様化により従来は不可能であった動画データ鑑賞の楽しみ方も提案されている。例えば、録画中に再生をおこなうことができるいわゆる「追っかけ再生」などもその例のひとつである。
【0005】
しかしながら、機能の多様化は装置の使用法を複雑にするだけで、必ずしもユーザにとって使いやすいものとはならず、特に装置に慣れないユーザにとっては逆に使用に戸惑う装置となってしまっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−319955号広報
【特許文献2】特開2001−285743号広報
【特許文献3】特開2001−285830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、上記に鑑み、真にユーザが使いやすくより生活を豊かにすることができる動画データ鑑賞装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため本発明は、テレビ局の選択手段と、選択手段によって選択可能なテレビ局の放送番組を複数同時的に受信可能な受信手段と、受信手段が受信する放送番組を再生の対象となるか否かにかかわらずそれぞれの放送番組についてその開始から終了まで時間的に重複しても複数並行して録画するとともにそれぞれの放送番組について少なくともその放送終了までは録画を保持する録画手段と、放送番組を表示する表示手段と、操作手段と、操作手段による操作に基づき放送番組の一つを録画手段から読み出して放送番組の開始部分から表示手段に再生表示させる再生制御手段とを有し、録画手段は操作手段の操作によって録画した放送番組の再生が開始されたときは少なくとも再生終了まで録画した放送番組を保持することを特徴とする動画データ鑑賞装置を提供する。
【0009】
上記のような本発明の特徴によれば、再生の対象となるか否かにかかわらず、すくなくともその放送が終了するまでは録画した放送番組が保持されるので、ユーザが関心をもった時点で番組の放送済みの部分に遡ってその番組の開始部分から鑑賞を行うことが可能となるとともに、操作手段の操作によって再生が開始されたときは少なくとも再生終了するまで必要な録画が適切に確保される。これによって、放送時間に縛られることなく番組を放送開始から終了部分まで機会を失うことなく鑑賞することが可能となる。さらに、このような録画の保持管理により、ユーザによる再生可能性が低い番組によって録画容量が塞がるのを防止する。
【0010】
本発明の具体的な特徴によれば、録画手段は、上記のような録画の保持管理のもとにおいて、保持しない録画済の放送番組を新たな放送番組の録画で上書きする。これによって、次の再生の候補となる新たな放送番組の録画が可能となるとともに、上書きの実施までは録画済み画像が維持される。
【0011】
本発明の他の具体的な特徴によれば、録画手段は、録画開始時点において既に開始されている放送番組については録画の対象から除外する。このようにして、番組の開始部分から再生できる完全な番組の自動録画を実現し、再生価値の低い画像によって録画容量が塞がるのを防止するような録画の保持管理が可能となる。
【0012】
本発明の他の具体的な特徴によれば、録画手段は、番組終了まで録画できなかった放送番組については保持の対象から除外する。このようにして、番組の終了部分まで再生できる完全な番組の自動録画を実現し、再生価値の低い画像によって録画容量が塞がるのを防止するような録画の保持管理が可能となる。
【0013】
本発明の他の特徴によれば、テレビ局の選択手段と、選択手段によって選択可能なテレビ局の放送番組を複数同時的に受信可能な受信手段と、受信手段が受信する放送番組を再生の対象となるか否かにかかわらずそれぞれの放送番組についてその開始から終了まで時間的に重複しても複数並行して録画するとともにそれぞれの放送番組について少なくともその放送終了までは録画を保持する録画手段と、放送番組を表示する表示手段と、操作手段と、操作手段による操作に基づき録画済の放送番組の少なくとも一つについて番組開始から終了までの保持を指示する保持指示手段とを有し、録画手段は録画開始時点において既に開始されている放送番組については録画の対象から除外することを特徴とする動画データ鑑賞装置が提供される。
【0014】
上記のような本発明の特徴によれば、再生の対象となるか否かにかかわらず、すくなくともその放送が終了するまでは録画した放送番組が保持されるので、ユーザが関心をもった時点で番組の放送済みの部分に遡ってその番組の開始部分から終了部分までの保持を確保し、その後随時鑑賞を行うことが可能となるとともに、録画開始時点において既に開始されている放送番組については録画の対象から除外されるので、完全な番組の自動録画を実現し、活用価値の低い画像によって録画容量が塞がるのを防止するような録画の保持管理が可能となる。
【0015】
上記本発明の具体的な特徴によれば、録画手段は、上記のような録画の保持管理のもとにおいて、保持しない録画済の放送番組を新たな放送番組の録画で上書きする。これによって、次の録画保持の候補となる新たな放送番組の録画が可能となるとともに、上書きの実施までは録画済み画像が維持される。
【0016】
上記本発明の他の具体的な特徴によれば、録画手段は、番組終了まで録画できなかった放送番組については保持の対象から除外する。このようにして、番組の終了部分まで保持できる完全な番組の自動録画を実現し、保持価値の低い画像によって録画容量が塞がるのを防止するような録画の保持管理が可能となる。
【0017】
本発明の他の特徴によれば、テレビ局の選択手段と、選択手段によって選択可能なテレビ局の放送番組を全て受信する受信手段と、受信する放送番組を全て録画する録画手段と、選択手段が選択するテレビ局が放送中の放送番組を表示する表示手段と、操作手段と、操作手段による操作に基づき前記表示手段にされている放送番組の録画済部分を録画手段から読み出して放送中部分に換えて再生する録画中再生制御手段とを有することを特徴とする動画データ鑑賞装置が提供される。
【0018】
上記の特徴によれば、特に予定なしにテレビをオンしたユーザが放送途中の番組に関心を持ったとき、その番組について放送済みの部分にまで遡って鑑賞することが可能となる。またこれを可能とするための複雑な操作も不要であり、関心を持ったときに機会を失うことなく鑑賞することができる。
【0019】
本発明の他の特徴によれば、テレビ局の選択手段と、選択手段によって選択可能なテレビ局の放送番組を全て受信する受信手段と、受信する放送番組を全て録画する録画手段と、表示手段に現在放送中の放送番組のリストを表示する前記表示手段と、表示手段に表示される現在放送中の放送番組のひとつを選択する操作手段と、選択された放送番組の録画済部分を前記録画手段から読み出して再生する録画中再生制御手段とを有することを特徴とする動画データ鑑賞装置が提供される。
【0020】
上記の特徴によれば、厳密な放送開始時間を気にすることなく番組の鑑賞が可能となる。通常の録画の場合は後日等に鑑賞する時間を確保することができずに未鑑賞の録画が溜まってしまうことも考えられるが、上記特徴によれば鑑賞は基本的には現実の放送時間とほぼ同じ時間帯において確保できる。そして、短時間の急用が入ったときなどの個人の都合などにあわせ、鑑賞時間を気軽に調節でき、テレビの放送時間に縛られない自由な生活が可能となる。
【0021】
上記のような本発明の具体的な特徴によれば、録画中再生制御手段は操作手段の操作に基づき放送中の放送番組の開始部分から再生する。これによって、関心のある番組を厳密な放送時間に縛られることなくその開始部分から機会を失うことなく鑑賞することが可能となる。
【0022】
本発明の他の具体的な特徴によれば、録画手段は、録画中再生の対象となるか否かにかかわらず、全ての放送番組について少なくともその放送終了するまでは録画した放送番組を保持する。これによって、ユーザがどの番組に関心をもったとしてもその番組の放送済みの部分に遡って鑑賞することができるとともに、ユーザがこれを再生する可能性が著しく低くなる放送終了後まで録画容量が塞がるのを防止する。
【0023】
本発明の他の具体的な特徴によれば、録画手段は、録画した放送番組が録画中再生されたときは少なくとも再生終了するまで録画した放送番組を保持する。これによって必要な画像を適切に確保するとともに、ユーザがこれを再生する可能性が著しく低くなる再生終了後まで録画容量が塞がるのを防止する。
【0024】
本発明のさらに具体的な特徴によれば、録画手段は、保持しない録画済の放送番組を新たな放送番組の録画で上書きする。これによって、次の録画中再生に必要な新たな放送番組の録画が可能となるとともに、上書きの実施までは録画済み画像が維持される。
【0025】
本発明の他の具体的な特徴によれば、録画手段は、録画開始時点において既に開始されている放送番組については録画の対象から除外する。このようにして、番組の開始部分から再生できる完全な番組の自動録画を実現し、活用できない画像によって録画容量が塞がるのを防止する。
【0026】
本発明の他の具体的な特徴によれば、録画手段は、終了まで録画できなかった放送番組については保持の対象から除外する。このようにして、番組の開始部分から終了部分まで再生できる完全な番組の自動録画を実現し、活用できない画像によって録画容量が塞がるのを防止する。
【0027】
本発明の他の具体的な特徴によれば、録画手段は、保持しない録画済の放送番組を新たな放送番組の録画で上書きする。これによって、次の録画中再生に必要な新たな放送番組の録画が可能となる。上書きの実施までは部分的にせよ録画済み画像が維持される。
【0028】
本発明の他の特徴によれば、テレビ局の選択手段と、選択手段によって選択可能なテレビ局の放送番組を全て受信する受信手段と、受信手段が受信する放送番組を全て録画する録画手段と、選択手段が選択するテレビ局が放送中の放送番組を表示する表示手段と、録画操作手段と、録画操作手段による操作に基づき前記表示手段にされている放送番組の録画済部分以降番組終了までを録画として保存する録画制御手段とを有することを特徴とする動画データ鑑賞装置が提供される。
【0029】
上記の特徴によれば、特に予定なしにテレビをオンしたユーザが放送途中の番組に関心を持ったとき、その番組について放送済みの部分にまで遡って録画することが可能となる。またこれを可能とするための複雑な操作も不要であり、関心を持ったときに機会を失うことなく即座に録画を行うことができる。
【0030】
上記本発明の具体的な特徴によれば、録画制御手段は、録画操作手段の操作に基づき放送中の放送番組の開始部分以降番組終了までを録画として保存する。これによって、関心のある番組については放送中である限り思い立った時にいつでその開始部分から機会を失うことなく録画することが可能となる
【0031】
本発明の他の特徴によれば、主電源がオンのときのみ機能するテレビ番組鑑賞機能部と、主電源のオンオフにかかわらず選択可能なテレビ局の放送番組を全て受信するとともに録画する受信録画手段と、テレビ局の放送番組の有無を検知して前記受信録画手段を制御する受信録画制御手段とを有することを特徴とする動画データ鑑賞装置が提供される。
【0032】
上記の特徴によれば、テレビ局から番組が放送されていないときに受信録画装置が無駄に機能することを防止できるとともに、テレビ番組鑑賞機能部のオンオフにかかわらず放送番組を自動録画するので、ユーザがいつ主電源をオンしてもユーザが関心を持った番組をその開始部分から再生するかまたは録画として保存することができる。
【0033】
本発明の他の特徴によれば、動画データ鑑賞開始操作を検知する操作検知手段と、番組動画データおよび広告動画データを外部から入力する入力手段と、操作検知部によって動画データ鑑賞開始操作が検知されたとき入力手段によって入力された複数の広告動画データの連続再生を自動的に開始する広告動画データ自動再生手段と、広告動画データ自動再生中に番組動画データ鑑賞のための操作を可能にする制御手段とを有する動画データ鑑賞装置が提供される。
【0034】
上記の構成によれば、サーバ型放送を鑑賞するための操作をするだけで、広告動画データの連続再生が自動的に開始されるので、例えば従来のテレビにおいて電源スイッチを入れた場合などと同様、ユーザには動画の再生を開始させるためのそれ以上の格別の操作の負担はない。このようにして、広告動画データを自然にユーザの目に触れさせることができる。さらに、ユーザは広告動画データに関心がなければいつの時点でも、自らの意思で広告動画データの連続自動再を中断し、番組動画データ鑑賞のための操作を行うことができる。
【0035】
本発明の他の特徴によれば、動画データ鑑賞開始操作を検知する操作検知手段と、番組動画データおよび広告動画データを外部から入力する入力手段と、操作検知部によって動画データ鑑賞開始操作が検知されたとき入力手段によって入力された複数の広告動画データの連続再生を自動的に開始する広告動画データ自動再生手段と、広告動画データ自動再生中に番組動画データ鑑賞権獲得のための操作を可能にする制御手段とを有する動画データ鑑賞装置が提供される。
【0036】
上記の構成においても、サーバ型放送を鑑賞するための操作をするだけで、広告動画データの連続再生が自動的に開始されるので、ユーザには動画の再生を開始させるためのそれ以上の格別の操作の負担なしに、まずは、広告動画データを自然に触れることができる。さらに、ユーザは広告動画データに関心があればいつの時点でも、自らの意思で広告動画データの連続自動再を中断し、番組動画データ鑑賞権獲得のための操作を行うことができる。
【0037】
本発明の他の特徴によれば、番組動画データおよび広告動画データを外部から入力する入力手段と、広告動画データを検索するための検索手段とを有することを特徴とする動画データ鑑賞装置が提供される。この検索手段は、具体的には、番組動画データ鑑賞権を発行する広告動画データを検索可能である。また、動画データ鑑賞装置には、具体的にはさらに検索結果に基づいて番組動画データ鑑賞権獲得のための操作を行う操作手段が設けられる。
【0038】
上記の構成によって、ユーザは自分が関心を持つ広告動画データの閲覧によってより主体的に番組動画鑑賞権を獲得することができ、無理に広告動画データを見せられる不快感から開放される。本発明のより具体的な特徴によれば、検索手段は、広告されている商品に関係する情報に基づいて広告動画データを検索するだけでなく、広告されている商品自体には関係のない情報、例えば広告動画データの出演者などに基づいて広告動画データを検索することも可能である。
【0039】
本発明の他の特徴によれば、番組動画データおよび番組動画データ鑑賞権を発行する広告動画データを外部から入力する入力手段と、広告動画データで広告されている商品に関するブログを検索するための検索手段と、広告動画データおよびブログを表示するための表示手段を有することを特徴とする動画データ鑑賞装置が提供される。上記の構成によれば、広告主の情報だけでなく、他のユーザからの情報も得ることができるので、広告動画データの閲覧動機がさらに高まる。
【発明の効果】
【0040】
上記のように、本発明によれば、再生や録画保持の候補となる複数の放送番組をそれぞれその開始から終了まで時間的に重複しても複数並行して録画しておくことによって、テレビの放送時間に縛られない自由な生活を可能とするとともに、録画と保持の管理を適切に行うことによって、不完全な再生や録画保持が生じることによる不快感を回避できるとともに、活用価値の低い画像によって録画容量が塞がるのを防止することができ、真にユーザが使いやすくより生活を豊かにすることができる動画データ鑑賞装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明における動画データ配信・鑑賞システムの実施例における全体構成のブロック図を示した図面代用写真である。
【図2】図1の実施例における各コンピュータの間での情報および価値交換のブロック図を示した図面代用写真である。
【図3】図1の実施例における各コンピュータの間での情報および価値交換において広告配信局が複数ある場合のブロック図を示した図面代用写真である。
【図4】本発明の実施例におけるユーザテレビにおいてテレビの電源がオンされたときのテレビ画面図を示した図面代用写真である。
【図5】図4においてネットモードボタン35が操作されたとき場合のテレビ画面図を示した図面代用写真である。
【図6】図4又は図5において番組表ボタン37を操作されたときのテレビ画面図を示した図面代用写真である。
【図7】図5において広告サーチボタン44が操作されたときのテレビ画面図を示した図面代用写真である。
【図8】ポイント対象広告動画データの再生が行われた時のポイント発行に関するテレビ画面図を示した図面代用写真である。
【図9】図1から図3における本発明の実施例におけるユーザコンピュータの動作を示すフローチャートを示した図面代用写真である。
【図10】図9のステップS8におけるネットモード処理の詳細のフローチャート示した図面代用写真である。
【図11】図9のステップS12および図10のステップS60における番組表処理の詳細のフローチャートを示した図面代用写真である。
【図12】図11のステップS102における指定広告処理の詳細のフローチャートを示した図面代用写真である。
【図13】図11のステップS108における録画処理の詳細のフローチャートを示した図面代用写真である。
【図14】図9のステップS26および図11のステップS104における再生モード処理の詳細のフローチャートを示した図面代用写真である。
【図15】図11のステップS98および図13のステップS148におけるダウンロード処理の詳細のフローチャートを示した図面代用写真である。
【図16】図10のステップS54における広告サーチ処理の詳細のフローチャートを示した図面代用写真である。
【図17】図10のステップS46、図12のステップS118、図15のステップS186、および図16のステップS234におけるポイント獲得処理の詳細のフローチャートを示した図面代用写真である。
【図18】図14のステップS164、および図15のステップS198におけるポイント決済処理の詳細のフローチャートを示した図面代用写真である。
【図19】図14のステップS166、および図15のステップS200における番組動画データの解凍・再生処理の詳細のフローチャートを示した図面代用写真である。
【図20】図1から図3における本発明の実施例における広告配信局コンピュータの基本動作のフローチャートを示した図面代用写真である。
【図21】図20のステップS360およびステップS374で実行される自動広告管理処理の詳細のフローチャートを示した図面代用写真である。
【図22】図20のステップS352およびステップS376で実行される番組指定広告管理処理の詳細のフローチャートを示した図面代用写真である。
【図23】図1から図3における本発明の実施例におけるテレビ局コンピュータの基本動作のフローチャートを示した図面代用写真である。
【図24】図1におけるユーザテレビの詳細のブロック図を示した図面代用写真である。
【図25】図24におけるユーザコンピュータの制御部における録画動作のフローチャートを示した図面代用写真である。
【図26】図24におけるユーザコンピュータの制御部における録画中再生動作のフローチャートを示した図面代用写真である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、本発明における動画データ配信・鑑賞システムの実施例の全体構成を示すブロック図である。実施例は、広告主の提供する広告動画(いわゆるCMまたはテレビコマーシャル)の広告料によって番組配信が賄われるテレビシステムとして構成されており、基本的にユーザは無料で番組を鑑賞することができる。
本発明の実施例におけるテレビシステムは番組動画データ配信機能を持つ複数のテレビ局を含むが、最も単純化した場合として、図1ではAテレビ局1およびBテレビ局2を図示している。しかしながら、第三又はそれ以上のテレビ局がテレビシステムに含まれていてよい。
Aテレビ局1は、複数の番組動画データを保持するとともに、番組およびその配信等を管理するAテレビ局コンピュータ3を有する。図1では番組動画データの代表としてA1番組動画データ4およびB番組動画データ5を図示しているが、当然ながら番組動画データはこれ以外にも存在する。同様に、Bテレビ局2も、B1番組動画データ、B2番組動画データおよびBテレビ局コンピュータ6を有する。
Aテレビ局1およびBテレビ局2の番組は、通常のテレビ放送としてデジタル放送電波によっても配信可能であるが、デジタル動画圧縮データとしてインターネット経由の通信によっても配信される。
【0043】
本発明の実施例におけるテレビシステムは動画データ鑑賞装置としての複数のユーザテレビを含むが、その代表として、図1ではCユーザテレビ9およびDユーザテレビ10を図示している。当然ながら、ユーザテレビはこれら以外に不特定多数存在するが、その図示は省略する。Cユーザテレビ9およびDユーザテレビ10はそれぞれ、テレビ機能および番組受信を管理するCユーザコンピュータ11およびDユーザコンピュータ12を有する。これらのコンピュータはインターネットに接続されている。
Cユーザテレビ9およびDユーザテレビ10は、通常のデジタル放送電波によってテレビ放送としての番組を受信できるが、デジタル動画圧縮データとしてインターネット経由の通信によって番組データの配信を受けることも可能である。図1では、Cユーザテレビ9がインターネット経由の通信によってA1番組動画データ4とB1番組動画データ7の配信を受けている様子を図示している。一方、Dユーザテレビ10はインターネット経由の通信によってB2番組動画データ8の配信を受けている。
インターネット経由で番組データの配信を受けたCユーザテレビ9又はDユーザテレビ10は、ダウンロードしたデジタル圧縮動画データをそれぞれCユーザコンピュータ11又はDユーザコンピュータ12の記憶部に保存する。従って、放送受信の場合と異なり、Cユーザテレビ9又はDユーザテレビ10のユーザは、ダウンロードした番組データをダウンロード直後だけでなく任意の時間に解凍して観賞することが可能となる。
【0044】
広告動画データ配信装置として機能する広告配信局13は、インターネットを介した通信により、広告配信局コンピュータ14の管理に基づいてCユーザテレビ9又はDユーザテレビ10にE広告動画データ15又はF広告動画データ16を配信する。そして広告配信局コンピュータ14からの指示またはCユーザコンピュータ又はDユーザコンピュータ自身の操作に基づき、Cユーザコンピュータ又はDユーザコンピュータにおいてその解凍および再生が行われる。広告配信局13が配信可能な広告動画データは他にも多数存在するが図示を省略する。
図1では、例として、Cユーザテレビ9がE広告動画データ15の配信を受けるとともに、Dユーザテレビ10がおよびE広告動画データ15およびF広告動画データ16の配信を受けている状態を図示している。なお、番組動画データとは異なり、広告動画データの場合は選択した広告動画データを後で見ることはできず、選択に連動したタイミングでCユーザテレビ9又はDユーザテレビ10において動画再生が自動的に始まる。
また、広告動画データの再生はユーザの選択によるものだけでなく、予め決められた手順によって自動的に広告動画データをユーザテレビで再生することもできる。また、ユーザテレビ側では再生される広告動画データの再生を任意にカット(いわゆるCMカット)することもできる。これらについては、広告動画データの配信や選択と併せて後述する。
【0045】
広告配信局13は、Cユーザテレビ9又はDユーザテレビ10によって人間が広告動画データの内容を閲覧したことを確認すると、ポイントが発行される。このようにして発行されたポイントはCユーザテレビ9又はDユーザテレビ10がAテレビ局1またはBテレビ局2の番組動画データを鑑賞するための番組動画データ鑑賞権となる。つまり、ポイントの発行を受けたCユーザテレビ9又はDユーザテレビは、そのポイントを使用することによって、Aテレビ局1又はBテレビ局2から番組動画データをダウンロードして無料で鑑賞することができる。
上記のポイントには、汎用ポイントと番組指定ポイントがあり、番組指定のない汎用ポイントの場合、Cユーザテレビ9又はDユーザテレビ10では、どの広告動画データを見て得たポイントであるかに係わらず、Aテレビ局1およびBテレビ局2のいずれのテレビ局についても、またどの番組動画データについても、ポイントを使用できる。一方、番組指定ポイントの場合、原則として発行の際に指定される番組にしかポイントを使用できない。なお、番組指定ポイントは所定の交換レートで汎用ポイントに交換することも可能である。ポイントの発行およびその使用の詳細について後述する。
【0046】
なお、図1では、簡単のため広告配信局を一つとしたが、本発明の実施例は複数の広告配信局が競合している場合も含む。そのような場合であっても、どの広告配信局が発行したかに係わらず、ユーザは獲得したポイントをどのテレビ局のどの番組でも使用することができる。
また、異なる実施形態として、特定の広告配信局と特定のテレビ局とが排他的な系列を成し、系列外の広告配信局が発行したポイントは系列内のテレビ局の番組動画データのダウンロードには使えないようにすることもできる。
【0047】
広告配信局13が管理しているE広告動画データ15およびF広告動画データ16は、それぞれE広告主17およびF広告主18から提供を受けたものである。具体的には、広告主の依頼を受けた広告動画作成業者が広告動画データを提供する。
E広告主17およびF広告主18は、広告料支払いの管理を行うために、それぞれE広告主コンピュータ19およびF広告主コンピュータ20を有する。E広告主コンピュータ19およびF広告主コンピュータ20はそれぞれ広告配信局コンピュータ14と連携しており、Cユーザテレビ9又はDユーザテレビ10によるE広告動画データ15又はF広告データ16の閲覧実績に応じて、E広告主17又はF広告主18から広告配信局14への広告料支払いを実行する。
上記のようにして広告配信局13が得た広告料は、広告配信局13の事業を維持するための手数料を差し引いた後、ポイントを使用するCユーザテレビ9又はDユーザテレビ10の番組動画データ閲覧実績に応じてAテレビ局1又はBテレビ局2に分配される。
【0048】
図2は、図1の実施例において、Aテレビ局コンピュータ3、Bテレビ局コンピュータ6、Cユーザコンピュータ11、広告配信局コンピュータ14、E広告主コンピュータ19、およびF広告主コンピュータ20によりインターネット経由で交換される情報および価値の流れを図示したブロック図である。Dユーザコンピュータ12と他のコンピュータとの関係については、Cユーザコンピュータ11と同様なので、簡単のため図2ではその図示と説明を省略している。具体的には、図2において、Cユーザコンピュータ11をDユーザコンピュータ12と読み代えて理解すればよい。
なお、図2では、各コンピュータ間の価値の交換が直接行われるように図示しているが、各コンピュータの間に銀行又はカード信販会社のコンピュータが介在していてもよい。
【0049】
図2において、広告配信局コンピュータ14とE広告主コンピュータ19の間では、E広告主コンピュータ19から広告配信局コンピュータ14に向けての広告料支払い処理が行われる。この広告料は定額部分と従量部分から成っており、定額部分はE広告動画データ15の配信管理契約の成立に基づくデータアップより支払われるが、従量部分については、広告配信局コンピュータ14からE広告主コンピュータ19に対して行われるE広告動画データ15の閲覧実績の報告に基づいて支払い処理が行われる。この閲覧実績はE広告動画データを閲覧した不特定多数の全ユーザテレビの閲覧実績が定期間分集計されたものであり、Dユーザテレビ10によるE広告データ15の閲覧実績もその中に含まれる。
配信局コンピュータ14とF広告主コンピュータ20の間でもF広告動画データについて同様の広告料支払い処理と閲覧実績の実績報告処理が行われるが、E広告主17の場合と同様なので説明は繰り返さない。
【0050】
Cユーザコンピュータ11と広告配信局コンピュータ14の間では、広告配信局コンピュータ14からCユーザコンピュータ11へのポイント発行処理が行われる。ポイント発行処理は、Cユーザコンピュータ11から広告配信局コンピュータ14に対して行われる広告動画データ閲覧実績に基づいてその都度行われる。
図1では、E広告動画データ15の配信を受けているのでその閲覧が確認されると、E広告動画データ16に応じたポイントが広告配信局コンピュータ14からCユーザコンピュータ11に発行される。また、F広告動画データ16の配信を受けたなら、その閲覧の確認に基づいてF広告動画データ16に応じたポイントが広告配信局コンピュータ14からCユーザコンピュータ11に発行される。Cユーザコンピュータ11には、このようにして種々の広告動画データを閲覧することによって獲得されたポイントが蓄積される。
【0051】
Cユーザコンピュータ11とAテレビ局コンピュータ3の間では、番組鑑賞に伴うポイント使用処理が行われる。例えば、Cユーザコンピュータ11からA1番組動画データ4の配信を要求すると、配信に必要なポイントの有無がコンピュータ間で確認され、充分なポイントがあれば使用ポイントがCユーザコンピュータ11の蓄積ポイントから差し引かれるとともに、これと引き換えにA1番組動画データ4がCユーザコンピュータ11に配信される。
なお、ポイントがないか又は不足する場合でも、ポイントのクレジットによってA1番組動画データ4のダウンロードができる。これについては後述する。
Cユーザコンピュータ11はBテレビ局コンピュータ6とも連携して番組鑑賞に伴うポイント使用処理を行うが、Aテレビ局コンピュータ3との連携の場合と同様なので、説明は省略する。
【0052】
Aテレビ局コンピュータ3と広告配信局コンピュータ14の間では、広告料分配処理が行われる。広告配信局コンピュータ14は、Aテレビ局コンピュータ3から行われるポイント使用実績の通知に基づいてAテレビ局コンピュータ3に広告料の分配を行う。このポイント使用実績は、不特定多数のユーザテレビからの要求に従ってAテレビ局が配信した種々の番組についてそれぞれ使用されたポイントを所定期間合計したものである。従って図示はしていないが、この合計の中には、Cユーザコンピュータ11からの使用ポイントだけでなく、Dユーザコンピュータ12からの使用ポイントも含まれている。
広告配信局コンピュータ14はBテレビ局コンピュータ6と間でも広告料分配処理を行うが、Aテレビ局コンピュータ3との場合と同様なので説明は省略する。
【0053】
図3は、図2と同様、本発明の実施例のコンピュータ間においてインターネット経由で交換される価値の流れを図示したブロック図である。図2と異なり、広告配信局が複数ある場合を図示していて、広告配信局コンピュータ14に加え、第二広告配信局コンピュータ21が追加されている。なお、Bテレビ局の機能はAテレビ局とまったく同様にして理解できるので、簡単のため図3ではBテレビ局コンピュータ6を図示から省略している。具体的には、図3においてAテレビ局コンピュータ3をBテレビ局コンピュータ6に読みかえて理解すればよい。
図3のように広告配信局が複数ある場合、これらの広告配信局は互いに独立の事業体として競合し、それぞれ独自に広告主との間で広告管理の契約を結ぶとともに、テレビ局とも独自に広告料分配の契約を結んでいる。
【0054】
第二広告配信局コンピュータ21は、G広告主コンピュータ22およびH広告主コンピュータ23と連携し、G広告主およびH広告主がそれぞれ提供した広告動画データを管理している。その連携のしかたは、広告配信局コンピュータ14とE広告主コンピュータ19およびF広告主コンピュータ20との連携と同様なので、説明は省略する。
また、Cユーザコンピュータ11と第二広告配信局コンピュータ21との連携についても、広告配信局コンピュータ14との連携と同様なので説明は省略する。但し、Cユーザコンピュータには広告配信局コンピュータ14が発行するポイントと第二広告配信局コンピュータの発行するポイントが混在して蓄積される。そして、これらのポイントはいずれの広告配信局で発行されたものか識別可能となっている。さらにCユーザコンピュータにはいずれの広告配信局でいつ何ポイント発行されたからの発行日の情報も記録されている。これは、後述するように、早い発行日付のポイントから使用する管理を行うためである。
【0055】
Cユーザコンピュータ11に蓄積された広告配信局コンピュータ14および第二広告配信局コンピュータ21が発行したポイントは、一つの番組、例えばA1番組動画データの配信のためにAテレビ局コンピュータ3に対し合算して使用することが可能である。
但し、Aテレビ局コンピュータ3は、使用されたポイントをコンピュータ14が発行したポイントと第二広告配信局コンピュータ21が発行したポイントとを区別して集計している。従って、広告配信局コンピュータ14へのポイント使用実績の通知は広告配信局コンピュータ14が発行したポイントだけについて行われ、広告配信局コンピュータ14が得た広告料からAテレビ局コンピュータ3に対して、広告料の配分が行われる。第二広告配信局コンピュータ21の発行したポイントについても同様である。
【0056】
以上のようにして、広告動画データの閲覧実績に基づいて支払われた広告料が、閲覧実績に基づいて発行されるポイントの使用実績に応じてテレビ局に配分される。従って、広告配信局単位では全広告主から得た広告料の合計と全テレビ局に配分した広告料の合計は全体として対応しており、どの広告主の広告を閲覧して得たポイントがどのテレビ局のどの番組の配信を受けるために使われたかは必ずしも問題にはならない。また、個々の広告主としても既に広告閲覧の実績を確保し、これに満足して広告料を支払っているので、その後のポイントの使途は必ずしも関心事ではない。さらに、個々のテレビ局としても配信した番組の鑑賞に伴うポイントの使用実績に基づいて広告料の配分を受けることができるので、使用されたポイントがどの広告の閲覧に基づいて発行されたかは必ずしも問題ではない。汎用ポイントはこのような考え方に基づいて発行され使用されるものである。
これに対し、番組指定ポイントでは、広告主、ユーザテレビおよびテレビ局のすべてにおいて、特定の番組を前提として広告の提供およびポイントの発行と使用が行われる。ポイントの詳細については後述する。
【0057】
なお、図2または図3において、テレビ局と広告配信局が一体の事業体となり、同一事業体内部において、広告配信局コンピュータ機能部分がポイント発行に伴って得た広告料が、番組鑑賞に伴うポイント使用の実績に基づいてテレビ局コンピュータ部分に分配される形の実施例も可能である。
さらに、図2又は図3において、Aテレビ局コンピュータ3のブロックと広告配信局コンピュータ14のブロックを一体としてポイント使用実績通知と広告料分配のプロセスを省略し、ポイント発行に伴って得た広告料がポイント使用を待たずにそのまま事業体の収入となるような実施例も可能である。この場合は、ポイント使用が一見広告料収入獲得と無関係のように見えるが、元々ポイントはテレビ番組に対するユーザの鑑賞動機に基づいて発行されるものであり、ポイント使用がなければポイント発行も広告料収入もない。従って、本発明のシステムでは、あくまで魅力的な番組の存在とその鑑賞のためのポイント使用が前提となる。
【0058】
図4は、本発明の実施例におけるCユーザテレビ9又はDユーザテレビ10のテレビ画面図であり、リモコンの操作によりテレビの電源をオンした状態を示している。この状態では、テレビ画面31には放送電波を利用した通常デジタル放送動画32が表示される。併せて、放送の録画操作を行うための録画ボタン33、デジタル放送録画又はダウンロードした番組動画データを再生するモードに入る操作を行うための再生モードボタン34、インターネット経由で配信される番組動画データの鑑賞を開始するときに操作するネットモードボタン35が表示される。さらに、テレビ局の選択操作を行うための選局ボタン36および番組表を表示するために操作する番組表ボタン37も表示される。上記各ボタンおよび後出の各ボタンその他の操作は、すべてリモコンによって行われる。
上記において、再生モードボタン34を操作したときは、デジタル放送を録画して得た動画データであるかダウンロードにより得た番組動画データであるかに係わらず、再生可能な番組の両者がリストとして表示される。両者は混在していてもよい。また番組表ボタン37を操作したときも、デジタル放送番組およびネットからダウンロードする番組動画データのいずれの選択も可能な画面が表示される。これらの詳細については後述する。
【0059】
図5は、図4においてネットモードボタン35を操作した場合の表示状態を示すテレビ画面図である。この場合、テレビ画面31には自動広告動画41が表示される。自動広告動画41は広告配信局コンピュータ14から配信されたデータがCユーザコンピュータにより所定の順序で自動的に再生されるものである。なお、自動広告の動画データの解凍処理は、別の広告動画の再生と並行して進められるので、一つの広告動画の再生終了と同時に次の広告動画の再生が可能となる。
なお、自動広告動画については、個々の広告毎の閲覧実績ではなく、合計閲覧時間の長さに応じてポイントが発行される。但し、獲得できるポイントは最低レベルに抑えられており、テレビをつけている時間に消費する電気代程度でしかないので、自動広告動画を見ずに図5の状態でテレビをつけっぱなしにして時間によるポイントを稼ごうとしても、割が合わないようになっている。自動広告動画データを提供する広告主への広告料請求も、上記を前提に、閲覧実績ではなく個々の広告動画にそれぞれ配分される放映予定時間に応じて行われる。
【0060】
自動広告動画データは、それ単独として配信することもできるが、選択によって閲覧されるE広告動画データ15やF広告動画データ16のダイジェスト版又はインデックス版としてのより短時間の広告動画データとして配信することもできる。この場合はその旨のリンク表示が自動広告動画41の中で行われているので、自動広告再生中に広告ポイントボタン42を操作すれば、本編としてのE広告動画データが閲覧できるとともに、その閲覧確認によって正規のポイントが発行される。
一方、再生中の自動広告に関心がない場合は、広告カットボタン43を操作することにより、その広告の再生は即時中断され、次の広告の再生に移行する。また、広告カットボタン43の操作は広告配信局コンピュータ14に報告され、以後、同一のユーザコンピュータにおいては同一広告の再生が所定のルールの下に控えられる。さらに、広告配信局コンピュータ14では各ユーザコンピュータからの広告カットボタン操作の報告を集計することにより、広告カット操作が多くて広告効率の悪い広告の配信継続については広告主にフィードバックをかける。また、自動広告については、広告カット実績に応じて広告主への広告料請求を割り引く措置をとってもよい。
【0061】
図5の状態では、さらに広告の検索を行う時に操作する広告サーチボタン44、および自動広告の傾向が気に入らない時に広告配信局の選択を行うための広告選局ボタン45が表示されている。なお番組表ボタン37は、図4の状態で表示されているものと同じ機能を持つ。
なお、図5に示すように、自動広告動画放映中にはユーザが獲得している現ポイント46、クレジットポイント47およびクレジット金額48が表示常時表示されている。クレジットポイント47がなくならないかぎり、現ポイント46の表示はゼロである。ユーザはこれらの表示によりポイント稼ぎの必要性を認識することができるので、広告ポイントボタン42を操作する動機が高まる。これらの表示の意味については後に補足する。
【0062】
図6は、図4又は図5において番組表ボタン37が操作された場合の表示状態を示すテレビ画面図である。番組表51には、現時点で鑑賞可能な番組のリストが表示される。番組表51にはまずジャンルなど大分類が表示され、これを選択ボタン53の操作により細分類に絞り込んでいくことによって、ヒットした番組のリストが表示される。また、検索条件ボックス52に検索条件を入れて検索することによりヒットした番組のリストを表示することもできる。番組リストに表示される番組は、現在放送中の放送番組と現時点でダウンロード可能な番組動画データの両者が混在して表示されるのでそのいずれでも選択が可能である。このようにして表示された番組リストの中から、選択ボタン53の操作により番組を選択することができる。
なお、番組表51に上記のように現時点で鑑賞可能な番組のリストが表示される状態において、録画済のデジタル放送番組およびダウンロード済みの番組動画データも含めてリストアップされるよう設定しておくこともできる。この場合、これらの表示は他の、「録画」済みでない番組とは識別可能としておく。
また、現在/予定切換ボタン54を操作することによって、番組表の表示は、まだ放送時間の来ていない放送予定番組だけのリストとなる。これは曜日と時間別に番組を表にした在来型の番組表と同じものである。
【0063】
在来型の番組表を現時点で配信可能な番組のリストに戻すには、現在/予定切換ボタン54を再操作すればよい。なお、番組表51に現時点で配信可能な番組のリストが表示されている状態において、選択ボタン53によりデジタル放送番組を選択すると、図4の表示状態となり、その放送が表示される。
一方、番組表51の中からインターネット経由でダウンロード可能な番組動画データを選択した場合には、ユーザコンピュータが蓄積している現ポイント55、および選択された番組のダウンロードのための必要ポイント56が表示される。現ポイント55が必要ポイント56を上回っている場合はこの表示は所定時間で消え、番組動画データのダウンロードに入る。
なお、ダウンロードの待ち時間中は図5の自動広告動画41が順次表示される。このとき関心のある広告があれば、広告ポイントボタン42を操作して本編の広告動画データを選択し、ポイント稼ぎを行ってもよい。その操作は番組動画データのダウンロードと並行して可能である。番組動画データのダウンロードが完了して番組の鑑賞が可能になるとテレビ画面31は番組表示に変る。なお、このとき広告再生の途中で自動的に番組に移行することも考えられるが、その場合、その広告は広告カット扱いとはされない。
【0064】
一方、現ポイント55が、選択された番組のダウンロードのための必要ポイント56に満たない場合はダウンロードが保留され、不足ポイント57が表示される。現ポイントがゼロの時は必要ポイント56と不足ポイント57は同数となる。併せて、リアリティのために不足ポイント57を金額に換算した換算料金58も表示される。
ここで、番組が有料となって換算料金58に表示された金額が後日指定口座から引き落とされる可能性に同意なら、選択ボタン53を再度操作することによって、上記と同様にして番組動画データのダウンロードを行うことができる。なお、このようなポイント不足状態でダウンロードを行うためには、誤操作防止のため、選択ボタン53を再操作する代わりに専用の有料ダウンロード操作ボタンを操作するようにしておいてもよい。
また、上記のように選択ボタン53を再度操作した場合、必要ポイント56の表示がリセットされるとともに、不足ポイント57の表示は今までのクレジットポイントと加算されたクレジットポイントの表示に切換る。また、これに対応して、換算料金58も換算クレジット料金の表示に切換る。これらの表示は、図5における新たなクレジットポイント47およびクレジット金額48となる。その後ポイントの獲得がなくて期日が過ぎた場合、クレジット金額48に表示されている金額は指定口座から引き落とされるが、期日までに新たなポイントを獲得することによってクレジットポイントをゼロにすれば料金の引き落としが行われることはない。
【0065】
現ポイントが不足しているときは、選択ボタン53を再度操作することに代えて広告動画データを閲覧することによってその不足を解消することもできる。これを可能とするため、番組指定広告一覧50に番組指定ポイントの獲得が可能な広告動画データのインデックスが静止画又は簡易動画にて一覧表示される。このインデックスは広告内容の概略がわかるよう工夫されており、インターネットのウエブサイトにおけるバナー広告に準じたものである。各インデックスには獲得可能なポイントが併記されているので、不足ポイント57と対比しながら、関心度とポイントの高さを念頭に広告選択ボタン59により一覧の中から広告動画データの一つを選択する。これによって広告ポイントボタン42を操作したのと同じ結果となり、その広告動画の閲覧確認によってポイントが発行される。発行ポイントによっても不足が解消されない場合は図6に戻るので、次の広告動画データを選択し、これを閲覧する。このようにして、獲得ポイントの追加によって不足ポイント57が解消されると番組動画データのダウンロード始まる。以下の動作は不足ポイントがなかった時と同様である。
上記インデックスは広告主の工夫により、必ずしもメーカー名や商品名とは限らないようにすることができる。たとえば敢えてメーカー名や商品名を伏せ、出演者名やその他ユーザの興味を引きそうな映像などとすることができる。
なお、ポイント不足の際の追加ポイント獲得は、必ずしも番組指定広告一覧50の中から選択した広告動画の閲覧によらなくてもよい。つまり、番組指定広告一覧50の中にどうしても関心のあるものがなければリモコン操作により一旦番組選択を中止して図5の画面に戻り、広告サーチボタン44を押すことによって後述するように汎用ポイントを獲得してもよい。
【0066】
なお、番組をすぐに見るのではなく「録画」したい場合は、番組表からの選択を選択ボタン53に代えて、録画ボタン60で行う。これによって、選択された番組に応じて自動的に「録画」処理が行われる。
具体的には、録画ボタン60により通常デジタル放送番組が選択された場合、その番組が現に放送中であれば従来どおりの録画が行われる。また、まだ放送時間の来ていない通常デジタル放送予定番組が選択された場合、在来型の録画予約が行われ、放送時間が来ると自動的に録画の開始と終了が行われるとともに録画データがCユーザコンピュータ11に保存される。
一方、現時点でインターネット経由により配信可能な番組が選択された場合は、その番組のダウンロードが行われるとともに、Cユーザコンピュータ11に保存される。これらの保存された番組は、上記のように、設定によって、番組表51に「録画」済みの番組とは識別可能に一覧表示に加えて表示するようにすることもできる。
【0067】
図7は、図5において広告サーチボタン44が操作された場合の表示状態を示すテレビ画面図である。広告サーチボタン44は、商品情報が欲しい時、又は広告自体の面白さを楽しみたい時などに、ポイント獲得を兼ねて操作されるものである。
図7の状態において、商品情報が欲しいときに商品ボタン63を操作すると、検索条件61には、商品ジャンルの大分類が表示され、これを細分類に絞り込んでいくことによりヒットした検索結果広告一覧62が表示される。なお、図7の画面になった初期状態では、何も操作しなくても検索条件は商品となる。検索結果広告一覧62は、図6の番組指定広告一覧50と同様のものであり、インターネットのウエブサイトにおけるバナー広告に準じた静止画又は簡易動画のインデックスとなっている。
検索結果広告一覧62にインデックスが表示されている広告動画データを一回閲覧することによって獲得できるポイントは、原則として商品単価と販売個数の積が同程度となるよう設定されている。また、大量消費商品ではポイントが低く、ユーザの認知度の低い商品、ユーザの人口が少ない高額商品、マニア向けの商品などではポイントが高くなっている。
但し、関心がないのに単に高ポイント狙いで広告動画データ配信が要求されるのを防止するため、図6の番組指定広告一覧50とは異なり、検索結果広告一覧62では獲得できるポイントの付記表示は行われず、実際に広告動画を閲覧してみるまでは獲得できるポイントがわからないようになっている。また、同様の理由から、ポイント自体を検索条件にすることも禁止されている。さらに、高ポイントであることがわかった広告動画データが単にポイント稼ぎのためだけに繰り返し閲覧されることを防止するため、同一広告動画データについては二回目以降の配信で獲得できるポイントが最低レベルに抑えられている。広告主はポイント発行実績に応じて広告配信局に広告料を支払わなければならないので、上記の措置によりユーザの関心の実態に合わない広告料の支払いを避けることができる。
【0068】
一般に広告は、元々商品に関心のあるユーザだけでなく、当初商品に全く関心がなかったユーザを新たに掘り起こすことも狙って、出演者やロケ地に工夫を凝らすとともに、ストーリーや画像として興味を引くように作られている。このような観点からユーザとの出会いを実現するため、検索条件は商品だけでなく種々のものが用意されている。出演者ボタン64を操作すると、検索条件61には、大分類としてまず50音表が表示され、ここから氏名を絞り込んでいくことにより所望の出演者が出ている広告が検索結果広告一覧62に表示される。
また、ロケ地ボタン65を操作すると、50音表又は地域の大分類や地図が表示され、ここから地名や名所旧跡名を絞り込んでいくことによりヒットしたロケ地の広告が検索結果広告一覧62に表示される。季節ボタン66を操作してさらにロケ地にアンド条件をかけることも可能である。商品、出演者、ロケ地、季節などは、絞込みの段階で順次検索条件61に表示されるメニューや一覧から選んでもよいが、検索条件61にフリーキーワードを書き込んでもよい。
【0069】
広告の対象となる商品へのユーザの注目はその商品自体だけでなく、その商品への評価および類似商品との間の相対情報などの関連情報も大きな注目要素となる。例えば、商品へのユーザコメント、割引率、価格の比較、売り上げランキングなどがその例である。関連情報を検索条件とする場合は、関連情報ボタン67を操作する。
また、フリーボタン68を操作すると、商品、出演者、ロケ地、季節、関連情報などの既存の検索カテゴリーにとらわれないフリーの検索カテゴリーを検索条件61に書き込んで設定することが可能となる。一度設定したフリー検索カテゴリーは保存しておいて次回から呼び出して使用することもできる。また、既存であるかフリーであるかに係わらずこれらの検索カテゴリーは複数のものを組み合わせることも可能である。
以上によって得られた検索結果広告一覧の中から所定のインデックスを選択すると対応する広告動画データの配信要求が行われ、これによって広告ポイントボタン42を操作したのと同じ結果となって、その閲覧確認によってポイントが発行される。
このように、当面鑑賞したい番組がない場合でも、商品情報を得るための広告サーチ又は単なる好奇心による広告サーチにより、日ごろから番組鑑賞に必要なポイントを蓄積していくこともできる。また、好奇心による広告サーチを期待して広告作家は作品として魅力のある広告動画データの製作に励むことになる。
【0070】
上記の図6の番組指定広告一覧50および図7の検索結果広告一覧のように複数の広告がテレビ画面31に同時表示される場合、その組合せは予め決まっていないので、一覧表示全体に個々の広告の音声を採用することはできない。このため、これらの一覧表示の音声部分には個々の広告からは独立した何らかのバックグラウンドミュージック等が割り当てられる。
本発明の実施例では、このバックグラウンドミュージックとして、音楽ソフト商品のダイジェスト版又は試聴版が割り当てられる。Cユーザコンピュータ11には広告配信局コンピュータ14から予め音楽ソフト商品のダイジェスト版又は試聴版のデータが配信されており、Cユーザコンピュータ11からの命令コードに応じて、Cユーザコンピュータは図6又は図7の画面を表示している間、所定の順序でこれらの音楽ソフト商品のダイジェスト版又は試聴版を再生する。また、テレビ画面31にはその曲名やアーチストなどのデータが参考表示される。
【0071】
図8は、図5における広告ポイントサーチボタン42の操作、図6における番組指定広告一覧50からの選択操作、図7における検索結果広告一覧62からの選択操作などによってポイント対象広告動画データの再生が行われた時のポイント発行に関するテレビ画面図である。
テレビ画面31におけるポイント対象広告動画71の閲覧が終わると、ランダムなタイミングで人間の目と脳でしか認識できないパターンが所定時間の間、繰り返しテレビ画面31に表示される。ユーザはこれを見てパターンの表示タイミングに同期して所定回数だけ完了ボタン72を操作する。この操作が正しく行われたことが確認できない限りポイントは発行されない。これは、テレビ画面の前に人間がいない状態で広告動画データの再生だけを自動的に行ったり、人間がいないのに自動的に完了ボタン操作に相当する擬似信号を発生させたりするなどの不正な手段で大量にポイント獲得が行われないようにするためである。
【0072】
なお、完了ボタン72の所定回数の操作の間に、アンケートに答える操作を行うとポイントが倍になる。具体的には、「好き」ボタン73と「嫌い」ボタン74のいずれか、および「有益」ボタン7と「無益」ボタン76のいずれか操作してから最終回の完了ボタン操作を行うと、獲得ポイントが倍になる。これらのアンケートボタンの操作は広告配信局に報告されて広告動画の製作にフィードバックされる。
なお、これらのボタンは、ポイント対象広告動画71がユーザテレビのテレビ画面31で初めて再生されるときのみ表示され、同じポイント対象広告動画71が二回目以降に再生されるときは煩雑を避けるため表示されない。従って獲得ポイント倍加の処置もない。このようなボタン表示制御は、広告配信局コンピュータ14との連携により行われる。
図8の状態においても、アンケートに対するユーザの回答動機を高めるため、ユーザが獲得している現ポイント46、クレジットポイント47およびクレジット金額48が図5と同様にして常時表示されている。
【0073】
なお、テレビ画面31に表示されるポイント対象広告動画71に音楽が採用されていれば、その曲名やアーチストなどのコード情報が広告動画データに付随して配信される。Cユーザコンピュータ11は、これらのコード情報があれば、それに基づいて曲名やアーチストなどの文字情報をポイント対象広告動画71に重畳してテレビ画面31に表示する。
ユーザはこれらの文字情報を図8の画面上でリモコンによるGUIカーソルにより指定するか、又は図7の広告サーチ画面において検索条件として入力することによって、その曲名やアーチストなどの情報を検索条件として、その曲が使われている他の広告動画又はそのアーチストが出演している他の広告動画を検索することができる。
【0074】
図9は、図1から図3における本発明の実施例のCユーザコンピュータ11の動作を示すフローチャートであり、Cユーザコンピュータがオン状態となって立ち上がる際の機能を示している。なお、この図9以下に示すCユーザコンピュータ11の動作に関する各フローチャートは、図1のDユーザコンピュータ12および、その他の不特定多数のユーザテレビのユーザコンピュータについても共通に適用可能のものである。
Cユーザコンピュータ11の電源がオンされるとフローがスタートし、ステップS2において通常デジタル放送モードが自動設定される。次いで、ステップS2において通常デジタル放送モードが設定され、前回ユーザテレビの電源がオフされた時のチャンネルでの通常デジタル放送の表示が開始される。
次にステップS6でネットモードボタン35が操作されたかどうかがチェックされ、操作されていればステップS8のネットモード処理に移行する。その詳細は後述する。また、ステップS6でネットモードボタン35の操作が検出されなかった時はステップS10に進む。
ステップS10では、番組表ボタン37が操作されたかどうかがチェックされ、操作されていればステップS12の番組表処理に移行する。その詳細は後述する。また、ステップS10で番組表ボタン37の操作が検出されなかった時はステップS14に進む。
【0075】
ステップS14では、選局ボタン36が操作されたかどうかがチェックされ、操作されていればステップS16において選局に従った放送チャンネルへの切換を行ってステップS18に移行する。また、ステップS14で選局ボタン36の操作が検出されなかった時は直接ステップS18に進む。
ステップS18では、録画ボタン33が操作されたかどうかがチェックされ、操作されていればステップS20において操作に従った録画の開始又は停止を行う。なお、録画とともに放送の表示も並行して継続される。そして録画データが発生したときはステップS22でこれを保存してステップS24に移行する。また、ステップS18で録画ボタン33の操作が検出されなかった時は直接ステップS24に進む。
【0076】
ステップS24では、再生モードボタン37が操作されたかどうかがチェックされ、操作されていればステップS26の再生モード処理に移行する。その詳細は後述する。また、ステップS24で番組表ボタン37の操作が検出されなかった時はステップS28に進む。
ステップS28ではCユーザコンピュータ11の電源がオンされたかどうかがチェックされ、オフされていればフローを終了する。一方、電源がオフされていなければステップS6に戻り、以下、ステップS28で電源がオフされるか、又は、ステップS6、ステップS10、ステップS24での各ボタン操作が検出されない限り、ステップS6からステップS28を繰り返す。
【0077】
図10は、図9のステップS8におけるネットモード処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートするとまずステップS32で最新のポイント獲得状況の表示が開始される。具体的には、図5の現ポイント表示46、クレジットポイント47およびクレジット金額48が表示される。該当するポイントや金額がない項目はゼロ表示がされる。
なお、変形の実施例として、現在残存ポイントが所定ポイントを下回るかまたはクレジットポイントが発生していることを検出するステップをステップS32の前に設け、該当する場合だけステップS32に進むとともに、該当しない場合はステップS32をスキップして次のステップに進むよう構成することもできる。ステップS32の目的はポイント獲得動機を高めることにあるので、このような変形実施例では、充分なポイントが獲得されている場合にはステップS32の表示を省略することで画面をシンプルにする。また、通常はポイント表示を行わず、現在残存ポイントが所定ポイントを下回るかまたはクレジットポイントが発生している場合にだけステップS32の表示を行うことによって、ポイント獲得の必要性への警告効果を高めることもできる。
【0078】
次のステップS34では、自動広告閲覧開始の通知がCユーザコンピュータ11から広告配信局コンピュータ14に行われ、ポイント発行の基礎になる閲覧時間のカウントが開始される。
次いでステップS36で広告配信局コンピュータ14とCユーザコンピュータとの間でダウンロード済の自動広告動画データの確認メンテナンスのための通信が行われる。広告配信局コンピュータ14からCユーザコンピュータ11に対しては、定期的に自動広告動画データが自動的に送り込まれており、Cユーザコンピュータ11にはダウンロードした自動広告動画データが保存されている。その再生順も予め指定されている。但し、前回の定期自動ダウンロードから今回ネットモードボタンが操作されるまでの間に広告配信局コンピュータ14側でなんらかの変化がある可能性があるので、ステップS36でこの変化に対応するためのCユーザコンピュータ11側でのデータの更新を行う。具体的には、Cユーザコンピュータは、自動広告動画の再生順の変更、広告配信局コンピュータ14側で廃止された自動広告動画データの削除および新たに追加された広告動画データの受信などを行う。
【0079】
以上の前処理のあと、ステップS38に至り、待機している一つの自動広告動画の再生を開始する。なお、Cユーザコンピュータに保存されている自動広告動画データは所定のルールに従って少なくとも一つの自動広告動画データが解凍済みとなっている。この予め解凍済としておく自動広告動画データの数は広告カットが行われることも見越した相当数としておくこともできる。いずれにしても、この解凍済みの自動広告動画データが少なくとも一つあることにより、ステップS38では即座に再生を始めることができる。
なお、広告配信局14は、図10のフローが開始されてステップS38で最初に再生される自動広告動画データを広告主との契約に基づいて予め指定しておくことができる。この場合、指定された自動広告データの広告主は、このようにして再生機会が格段に増えることに対し、所定の追加広告料を広告配信局に支払うのが契約の条件である。但し、広告カットボタン43が操作されてときは、次回からこの指定は外される。
一つの自動広告動画の再生が開始されるとステップS40に移行し、並行して次の自動広告動画データの解凍を開始して、ステップS42に移行する。なお、ステップS40で開始された次自動広告動画解凍は、ステップS38で開始された自動広告動画の再生よりも早く終了する。
【0080】
ステップS42では、広告ポイントボタン42の操作があったかどうかチェックし、操作があればステップS44で自動広告閲覧終了の通知がCユーザコンピュータ11から広告配信局コンピュータ14に行われ、ポイント発行の基礎になる閲覧時間のカウントを終了させる。このステップS44の意義は、以下のステップにおける自動広告閲覧終了通知でも同様である。そしてこの通知の後、ステップS46のポイント獲得処理に移行する。その詳細は後述する。
一方、ステップS42で広告ポイントボタン42の操作が検出されなかった場合はステップS48に移行し、広告カットボタン43の操作があったかどうかチェックする。そして、操作が検出されなかった場合はステップS50に移行する。
【0081】
ステップS50では、広告サーチボタン44の操作があったかどうかチェックし、操作があればステップS52で自動広告閲覧終了の通知を広告配信局コンピュータ14に行うとともに、ステップS54での広告サーチ処理に入る。その詳細は後述する。一方、ステップS50で広告サーチボタン44の操作が検出されなかった場合はステップS56に移行する。
ステップS56では、番組表ボタン37の操作があったかどうかチェックし、操作があればステップS58で自動広告閲覧終了の通知を広告配信局コンピュータ14に行うとともに、ステップS60で番組表処理を行う。その詳細は後述する。一方、ステップS56で広告サーチボタン44の操作が検出されなかった場合はステップS62に移行する。
【0082】
ステップS62では、現在再生中の自動広告動画の終了をチェックする。そして終了していなければ、ステップS42に戻り、ステップS42、ステップS48、ステップS50、およびステップS56のいずれかにおける操作が検出されず、またステップS62で現在再生中の自動広告動画の終了が検出されない限り、ステップS42からステップS62を繰り返す。
ステップS62で現在再生中の自動広告動画の終了が検出されたときはステップS64に進み、広告選局ボタン45の操作があったかどうかチェックし、操作がなければステップS38に戻る。これによって、ステップS38において待機中の次の自動広告動画の再生が開始される。以下、ステップS42、ステップS48、ステップS50、ステップS56およびステップS64のいずれかにおける操作が検出されない限り、広告配信局コンピュータ14からダウンロードした自動広告動画が次々と自動的に再生される。
【0083】
ステップS64において広告選局ボタン45の操作があったときは、その操作の指定に基づき、広告配信局変更処理が行われる。その処理の内容は、新たに指定された広告配信局コンピュータ(例えば図3の第二広告局配信局コンピュータ21)への通信先のジャンプ、および、元の広告配信局コンピュータ14への自動広告動画閲覧終了通知である。
そしてCユーザコンピュータ11としてはステップS34に戻り、自動広告閲覧開始通知から始まるフローの各ステップを第二広告局配信局コンピュータ21との間で実施する。その内容は、広告配信局コンピュータ14との間での処理と同様なので説明は繰り返さない。なお、ステップS64で広告選局ボタンの操作が検出されるたびに、広告配信局コンピュータの変更が行われることは言うまでもない。
【0084】
ステップS48で広告カットボタン43の操作が検出されたときは、ステップS68に移行し、広告カット処理およびその通知を行う。具体的には、現在再生中の自動広告動画を即座に中断する。そしてその旨をCユーザコンピュータ11自身で記録するとともに、広告配信局コンピュータ14に通知する。そしてこの処理を行ってステップS38に移行する。これによってステップS38では待機中だった次の自動広告動画の再生が開始される。
また、ステップS68の処理があるたびに、Cユーザコンピュータ11と広告配信局コンピュータ14は、対象の自動広告動画の再生優先順位を下げ、さらに同一の自動広告動画に対する広告カット操作が所定回以上になると、その自動広告動画データをCユーザコンピュータ11で再生しないようにする。
【0085】
以上の図10のネットモードにおいて、ステップS36において自動再生の有無およびその順序が決定される自動広告動画データの中には、テレビ局が提供する番組自身の予告編やダイジェスト版の動画データも混在している。すなわち、テレビ局は番組動画データの配信元であると当時に広告配信局に対する広告主でもある。
このようなテレビ局からの番組自体の広告が自動広告動画に含まれることによって、その番組を見る動機およびそのために他の広告を見てポイントを獲得する動機が有機的に結び付き、システムが活性化される。また、図10のネットモード処理のフローの繰り返しの中で、番組自体の広告に関心を持ったユーザはステップS56で番組表操作を行い、ポイント獲得に効率のよい番組指定広告の確認をすることができる。
【0086】
さらに、上記の場合の操作を容易にするため、広告ポイント操作が検出された時点で再生されていたのが通常の広告動画であるか番組自体の広告動画であるかを識別するステップをステップS44の後に追加し、番組自体の広告動画であることを検出した場合は、ステップS46ではなくステップS58に移行するように構成するもできる。図10のフローをこのように構成した場合は、番組自体の広告動画再生中にステップS42の広告ポイント操作を行うことによって自動的に番組表処理に進むことができる。
また、上記の追加識別ステップにおいて、広告ポイント操作が検出された時点で再生されていたのが番組自体の広告動画であることを検出した場合、ステップS46ではなく、後述の図11のステップS88にジャンプするよう構成することもできる。図10のフローをこのように構成した場合は、番組自体の広告動画再生中にステップS42の広告ポイント操作を行うことによって、自動的にその番組動画データの獲得にまで進むことができる。
【0087】
図11は、図9のステップS12および図10のステップS60における番組表処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートするとステップS72で番組のジャンルなど大分類を番組表51に表示する。次いで、ステップS74で、現在/予定切換ボタン54により放送予定番組だけのリストを選択する操作があったかどうかをチェックし、なければステップS76に進む。
【0088】
ステップS76では、選択ボタン53の操作による細分類から番組リストへの絞込み操作が行われたかどうかをチェックする。この操作が検出できなければステップS78に進み、検索条件ボックス52に検索条件を入れて番組リストを検索する条件検索操作が行われたかどうかをチェックする。そしてこの操作あったことが検出された場合は、条件検索によって得られた番組リストをステップS80で表示する。なお、ステップS76で絞込み操作が検出できた場合もステップS80に移行して得られた番組リストを表示する。
【0089】
ステップS80で表示されるこの番組リストには、現在放送中のデジタル放送番組、現時点でダウンロード可能な番組データ、録画済のデジタル放送番組およびダウンロード済みで未鑑賞の番組動画データも含めてリストアップされる。但し、このいずれであるかは番組毎にそれぞれ識別可能に表示される。
一方、ステップS78で条件検索操作が検出できなかった場合はステップS72に戻り、以下、ステップS74、ステップS76およびステップS78でいずれかの操作が検出されない限りステップS72からステップS78を繰り返して、番組ジャンル表示を継続する。
以上の番組リスト表示にいたるまでのステップは、各方向局コンピュータとの更新を適宜行い、最新の放送又は配信可能な番組の情報を入手しながら実行される。
【0090】
なお、ステップS78における条件検索操作では、検索条件ボックス52に特定の広告名などを入力することもできる。この場合、その特定の広告が複数の番組を指定していればステップS80においてそれらが全て番組表51に一覧表示される。これによって、ユーザは、番組指定ポイントとしてのポイント数を維持したまま使用できる別の番組の存在を知ることができる。
この操作のためには、図6において検索条件ボックス52に広告名などを入力する代わりに、番組指定広告一覧ボックス50の中から特定の広告を指定する操作をリモコンによって行い、このようにして指定された特定の広告から逆引きする形で、その特定の広告が指定している番組の一覧を番組表51に表示させることもできる。
【0091】
ステップS80で番組リストが表示されるとステップS82に進み、録画ボタン60の番組録画操作によって番組の選択が行われたかどうかをチェックし、操作が検出されなければステップS84に進んで番組選択ボタン53の操作によって番組の選択が行われたかどうかチェックする。
ステップS84で番組選択操作が検出できない場合は、ステップS86で番組リストのリセット操作が行われたかどうかをチェックする。番組リストリセット操作はリモコンによって行われる。ステップS84で番組リストのリセット操作が検出できない時はステップS82に戻り、以下、ステップS82、ステップS84およびステップS86で何らかの操作が検出されない限り、ステップS82からステップS86を繰り返し、番組の選択を待つ。
ステップS86で番組リストのリセットが検出されるとフローはステップS72に戻り、番組表51の表示は番組ジャンルにリセットされる。以下、ステップS74、ステップS82およびステップS84のいずれかで操作が検出されない限り、ステップS72からステップS86が繰り返され、番組の選択を待つ。
【0092】
ステップS84で番組の選択操作が検出されると、ステップS88に進み、その番組を選択した旨を表示してステップS90に移行する。ステップS90では、選択された番組が録画番組に該当するかどうかがチェックされる。録画番組とは、録画済のデジタル放送番組およびダウンロード済みで未鑑賞の番組動画データの両者を含む。ステップS90で録画番組に該当しない場合はステップS92に進み、現在放送中のデジタル放送番組に該当するかどうかがチェックされる。
以上において、ステップS90およびステップS92のいずれにも該当しなかった場合は、選択された番組が現時点でダウンロード可能な番組データであることを意味するので、ステップS94に進み、選択された番組のダウンロードに必要なポイント及び現ポイントを比較してポイントが不足しないかどうかチェックする。そしてポイントに不足がなければステップS96に進み、現ポイント55と必要ポイント56を一時的に表示してステップS98のダウンロード処理に移行し、フローを終了する。なお、ステップS96で行うポイント表示はダウンロード処理に移行した後、短時間で消される。ステップS98のダウンロード処理の詳細は後述する。
【0093】
一方、ステップS94でポイントが不足していた場合はステップS100に進み、現ポイント55、必要ポイント56、不足ポイント57および換算料金58を表示し、ステップS102の指定広告処理に進む。指定広告処理は、番組指定広告一覧50に番組指定ポイントの獲得が可能な広告のインデックスを表示することを含む処理であり、不足ポイントがある場合への対応に関するものであるがその詳細は後述する。
ステップS102の指定広告処理が完了するとステップS98のダウンロード処理に移行し、フローを終了する。
【0094】
選択された番組が録画番組に該当することがステップS90で検出されたときは、ステップS104に移行し、再生モード処理を行う。その詳細は後述する。また、選択された番組が現在放送中のデジタル放送番組に該当することがステップS92において検出されたときは、ステップS106に移行して選択された番組の放送を放送電波により受信する。
ステップS82において 録画ボタン60による番組の選択が行われたことが検出された場合はステップS108に移行して録画処理を行う。その詳細は後述する。また、ステップS74において、現在/予定切換ボタン54により放送予定番組だけのリストを選択する操作があったことが検出されたときはステップS110に移行して通常の放送番組表を表示する。この表示を行う際も、も各テレビ局コンピュータと適宜通信を行いながら最新の情報を得る。なお、通常放送番組表示状態からのフロー本体への復帰は、現在/予定切換ボタン54の操作によって可能であるが、煩雑を避けるためフローでの図示は省略する。
【0095】
なお、上記の図11のフローにおいて、ステップS80を番組リストの一覧表示ではなく、リストされた番組の短時間ダイジェスト版を動画としてリスト順に順次再生するステップとしてもよい。また、ステップS80で表示される番組リストの一部又は全部の番組について、リモコンによる手動操作に応答して短時間ダイジェスト版を動画として再生するステップを追加してもよい。
上記のようにして番組の短時間ダイジェスト版が動画として順次再生される場合、リストからの選択ではなく、希望する番組のダイジェスト版再生中にその番組を録画する旨またはその番組を選択する旨の操作をすれば、以下、リスト中から番組が選択された場合と同様にしてフローが進む。
【0096】
図12は、図11のステップS102における指定広告処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートするとステップS112で番組指定広告一覧50が表示されるとともに、ステップS113で各指定広告について獲得できるポイントが付記表示される。このポイント付記表示は、同じ広告であっても、広告主と広告配信局とテレビ局の間の契約関係に応じて、番組が異なればポイントも異なる。また、番組の配信実績や番組についての他の広告主の加入や撤退に応じて常時ポイントが変更される。従って、ステップS112およびステップS113は、広告配信局およびテレビ局と適宜通信を行いながら、最新の情報に基づいて実行される。
次にステップS114で選択ボタン53が再操作されたかどうかチェックし、再操作が検出されないとステップS116に移行する。ステップS116では、広告選択ボタン59によって番組指定広告一覧50の中から一つの広告動画データが選択されたかどうかチェックする。選択が検出されない場合はステップS112に戻り、以下、ステップS114又はステップS116の操作がない限り、ステップS112からステップS116を繰り返す。
【0097】
ステップS116で広告動画データの一つが選択されるとステップS118に移行してポイント獲得処理が行われる。そして、この処理の終了後、ステップS120でポイント不足が解消されたかどうかチェックする。依然としてポイント不足である場合は図6の表示に戻り、ステップS122で、現ポイント55、必要ポイント56、不足ポイント57および換算料金58を表示し、ステップS112に戻る。この場合、先に選択された広告動画データは、その閲覧が確認されていれば、ステップS112の一覧表示から除かれる。
以下、ステップS114の操作が検出されず、かつステップS120でポイントが不足している限り、ステップS112からステップS122が繰り返され、新たに選択された広告動画データについて順次ステップS118でのポイント獲得処理が進められる。
ステップS120においてポイント不足が解消された場合はステップS124で現ポイント55を一時表示する処理をしてフローを終了する。
また、ステップS114において選択ボタン53の再操作が検出された時は、ステップS126においてクレジット警告を行った後フローを終了する。このようにして、不足ポイントがあっても随時番組動画データのダウンロードに進むことができる。但し、不足ポイントが解消できないままダウンロード処理に進んだ場合、後述のクレジット処理により換算料金の引き落としが発生する可能性がある。ステップS126のクレジット警告では、これについて注意を喚起する。
【0098】
図13は、図11のステップS108における録画処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS132で特定の番組が録画対象として選択されている旨の表示を行い、ステップS134に移行する。ステップS134では選択された番組が現在放送中の通常デジタル放送番組であるかどうかチェックし、該当すればステップS136に進んで従来どおりの放送録画処理を行う。
一方、ステップS134において該当がなかった場合はステップS138に進み、選択された番組が、まだ放送時間の来ていない通常デジタル放送予定番組であるかどうかがチェックされる。そして該当すればステップS140において、在来型の録画予約が行われ、放送時間が来ると自動的に録画の開始と終了が行われるとともに録画データがCユーザコンピュータ11に保存されるようになる。
【0099】
ステップS136およびステップS138でともに該当がなかった場合は、選択された番組が現時点でインターネット経由により配信可能な番組であることを意味する。従ってステップS142に進み、選択された番組のダウンロードに必要なポイント及び現ポイントを比較してポイントが不足しないかどうかチェックする。そしてポイントに不足があればステップS144でその旨の警告表示を行ってステップS146に進む。なお、ステップS142でポイントに不足がなければ直接ステップS146に進む。ダウンロードデータの「録画」の場合、本当に閲覧が行われるかどうかわからないのでこの時点ではまだポイントを使用したものと看做さず、番組を実際に「再生」した時点でポイントの清算を行う。このため、ステップS144では単なるポイント不足の警告に留め、自動的にステップS146以下に進んでいる。
ステップS146では、解凍保留処置を行う。この処理はダウンロード処理において番組動画データの自動解凍を保留させる処置である。この処理を行った上でステップS148のダウンロード処理に進む。そして、ステップS150でダウンロードデータをCユーザコンピュータ11に保存してフローを終了する。なお解凍保留処置がなされていることによって、番組表51における番組一覧表示の際に、保存データが「録画」番組であることが識別表示可能となるとともに、図11のステップS90のチェックにおいて「録画」番組であるとの判断がなされる。
【0100】
なお、上記のステップS146の解凍保留処置は後述のポイント決済処理と関連しており、解凍保留処置をしてダウンロードした番組動画データは再生のための操作を改めて行わない限り鑑賞することができない代わりに、ポイントの決済も保留される。このようにポイントの決済と解凍保留処置は一対一に対応しており、ダウンロードした番組動画データを鑑賞してもいない時点でポイント決済が行われることがない代わり、ポイント決済を伴わない鑑賞も不可能な動画データ配信・鑑賞管理システムとなっている。
【0101】
図14は、図9のステップS26および図11のステップS104における再生モード処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS152で再生対象の番組が選択されているかどうかをチェックする。図9のステップS26の場合はフローのスタート時において番組の選択はまだ行われていないのでステップS154で番組選択処理を行った上でステップS156に移行する。ステップS154の番組選択処理の内容は、図6の表示を行って番組表51に「録画」番組リストを出すとともに、この一つを選択ボタン53によって選択する処理である。一方、図11のステップ104の場合は既に番組の選択が行われているので直接ステップS156に移行する。
ステップS156では、選択された番組が放送録画であるかどうかチェックし、該当すればステップS156に進んで通常の放送再生処理をする。一方、ステップS156で該当がなければ選択された番組がダウンロードされた放送番組データであることを意味するのでステップS160に進む。
【0102】
ステップS160では、選択された番組の解凍に必要なポイント及び現ポイントを比較してポイントが不足しないかどうかチェックする。「録画」データの場合、その解凍は保留されており、データのダウンロード自体は済んでいるが必要ポイントの使用はこれからなので、図11のステップS94に準じ、このようなチェックが必要となる。
ステップS160でポイントに不足がなければステップS162に進み、現ポイント55と必要ポイント56を一時的に表示する。そして、ステップS164のポイント決済処理に入る。これは、番組動画データの配信に対応するポイント使用の清算に関する処理であるがその詳細は後述する。ポイント決済処理が終了すると、ステップS166で番組動画データの解凍・再生処理に入り、フローを終了する。解凍・再生処理の詳細は後述する。なお、ステップS162で行うポイント表示はポイント決済処理以降に進んだ後、短時間で消される。
【0103】
一方、ステップS160でポイントが不足していた場合は、図6のテレビ画面表示となり、ステップS168で、現ポイント55、必要ポイント56、不足ポイント57および換算料金58を表示し、ステップS170の指定広告処理に進む。この指定広告処理は、図12で説明したのと同じものである。ステップS170の処理が完了するとステップS164のポイント決済処理に移行する。以下はステップS160でポイントが不足していなかった場合と同様である。
【0104】
図15は、図11のステップS98および図13のステップS148におけるダウンロード処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS172でテレビ局コンピュータからの番組動画データのダウンロードを開始する。開始されたダウンロードは以下のステップの実行中も並行して継続される。
ステップS174からステップS194は、ダウンロードの待ち時間中を利用した自動広告表示のための処理であり、基本的には図10のフローチャートと共通である。まず、ステップS174で自動広告閲覧開始の通知が広告配信局コンピュータ14に行われ、ポイント発行の基礎になる閲覧時間のカウントが開始される。
次いでステップS176で広告配信局コンピュータ14とCユーザコンピュータとの間でダウンロード済の自動広告動画データの確認メンテナンスのための通信を行った後、ステップS178で、待機している一つの自動広告動画の再生を開始する。そして、ステップS180に移行し、並行して次の自動広告動画データの解凍を開始して、ステップS182に移行する。
【0105】
ステップS182では、広告ポイントボタン42の操作があったかどうかチェックし、操作があればステップS184で自動広告閲覧終了の通知を行った後、ステップS186のポイント獲得処理に移行する。このように番組動画データのダウンロード中であっても、関心のある広告があれば、広告ポイントボタン42を操作してポイント稼ぎが可能である。
一方、ステップS182で広告ポイントボタン42の操作が検出されなかった場合はステップS188に移行し、番組動画データのダウンロードが終了したかどうかチェックする。そして終了していなければステップS190で、現在再生中の自動広告動画の終了をチェックする。まだ再生中であれば、ステップS182に戻り、ステップS182の操作が検出されず、かつステップS188およびステップS190のいずれでも終了検出がなければ、ステップS182からステップS190を繰り返す。
【0106】
ステップS190で現在再生中の自動広告動画の終了が検出されたときはステップS178に戻り、待機中の次の自動広告動画の再生を開始する。以下、ステップS42、ステップS182における操作の検出又はステップS188における番組動画データのダウンロード終了の検出がない限り、広告配信局コンピュータ14からダウンロードした自動広告動画が次々と自動的に再生される。
【0107】
ステップS188で番組動画データのダウンロード終了が検出されるとステップS192に移行し、広告カット処理およびその非通知処理が行われる。つまり、現在再生中の自動広告は即座に中断される。しかし、この場合の広告カット処理はユーザに関心がなかったから生じたものではないので、この広告カットがCユーザコンピュータ11に記録されることも広告配信局コンピュータ14に通知されることもない。従って、この場合に中断された自動広告は次の機会の自動再生対象から除かれたり優先度が下げられたりすることはない。
【0108】
次に、ステップS194で、自動広告閲覧終了の通知を広告配信局コンピュータ14に行った後、ダウンロードした番組動画データに対して解凍保留処置がなされているかどうかをステップS196でチェックする。そして解凍保留処置がなされていなければ、ステップS198に進み、テレビ局コンピュータとの間でポイント決済処理を行う。ポイントの清算が終わると、ステップS200で番組動画データの解凍・再生処理に入り、フローを終了する。
【0109】
一方、ステップS196において、ダウンロード番組動画データに解凍保留処置がなされていることが検出されるとステップS202に進み、このデータを解凍することなくそのままCユーザコンピュータに保存する。このような番組動画データについてのポイント決済処理および解凍処理は、図14のステップS164およびステップS166が実行されるまで保留される。
【0110】
図16は、図10のステップS54における広告サーチ処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS212で検索条件を「商品」に自動設定するとともにステップS214の大分類表示に進む。この場合、ステップS214では商品ジャンルの大分類が図7の検索条件61に表示される。
次にステップS216で検索条件を変更する操作の有無をチェックする。これは、図7の出演者ボタン64、ロケ地ボタン65、季節ボタン66、関連情報ボタン67およびフリーボタン68のいずれかが操作されたかどうかのチェックに該当する。いずれの操作も検出されないとステップS218に進み、絞込み検索操作の有無をチェックする。これはリモコンなどにより、検索条件61の大分類の一つを選択することにより細分類に絞り込むか、又は検索条件61にフリーでキーワードを書き込むかした上で、検索を実行させる操作に該当する。なおこの操作においては、絞込み条件にアンドやオアを取る組合せを設定することも可能である。
【0111】
ステップ218で上記のような絞込み検索操作があるとステップS220に進み、図7の検索結果広告一覧62が表示される。次いでステップS222に進み、広告一覧に表示される広告とリンクしている情報である獲得可能ポイントの付記表示を禁止する。
なお、以上の検索における検索対象は、テレビシステムに加入しているすべての広告配信局コンピュータが配信可能なすべての広告動画データとなる。
【0112】
次いでステップS224では、ステップS220における検索結果およびこれを得るために設定された検索条件などの検索実績が広告配信局コンピュータに通知される。この通知は、テレビシステムに加入している全ての広告配信局コンピュータが受け取る可能性を持つ。但し、検索結果に自身の提供している広告動画データ全く含まれていない広告配信局に対してはこの通知は行われない。各広告配信局はこの検索実績通知を、今後の広告作成およびその効率のよい配信への参考にすることができる。さらに、各広告配信局は、各ユーザテレビコンピュータからのこのような検索実績通知に基づき、自動広告動画の自動再生やその優先順をそのユーザ毎の関心にあわせたきめ細かいものに調整することもできる。
同様に、ステップS226で検索においてフリー付与条件があることが検出されるとステップS228でこれも広告配信局コンピュータに通知する。このフリー付与条件には、ユーザが検索条件61に書き込んだフリーキーワードや、フリーボタン68の操作により設定したフリー検索カテゴリーなどが該当する。各広告配信局は、このフリー付与条件についても今後の参考とすることができる。
【0113】
以上の通知が済むとステップS230で、検索結果広告一覧表示からの広告選択操作がリモコンにより行われたかどうかチェックする。そして広告選択操作がなければステップS232に進み、表示されている検索結果広告一覧62へのリセット操作がリモコンによって行われたかどうかチェックする。リセットが検出されなければステップS230に戻り、広告選択操作又は広告一覧リセットがない限り、ステップS230からステップS232を繰り返して広告選択を待つ。
ステップS232で広告一覧リセットが検出されるとステップS214に戻り、リセットされた広告一覧を導いた最新のカテゴリーにおける大分類表示に戻る。以下、ステップS230で広告選択操作がなされない限り、ステップS214とステップS232が繰り返される。なお、他のフローでも共通であるが、リモコン等により他の操作への割り込みをかけることによって、このような繰り返し状態から随時抜けることが可能である。
ステップS230で広告選択操作が検出された時はステップS234に移行し、ポイント獲得処理を行ってフローを終了する。
【0114】
図17は、図10のステップS46、図12のステップS118、図15のステップS186、および図16のステップS234におけるポイント獲得処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS242で広告配信局コンピュータから広告動画データをダウンロードする。選択して閲覧する広告動画データについては、自動広告動画データのように予めダウンロードせず、広告データ選択に応答してステップS242でダウンロードする。
なお、選択して閲覧する広告動画データについても、自動広告動画データと同様、広告配信局コンピュータ14からCユーザコンピュータ11に対して定期的に広告動画データを送り込み、Cユーザコンピュータ11では送られて来る広告動画データを自動的にダウンロードして予め保存しておくよう構成することもできる。この場合、選択した広告動画データが既にダウンロード済みであることが検出されれば、ステップS242はスキップする。但し、広告動画データを予め定期的に自動ダウンロードしておく構成の場合であっても、新規にアップしたばかりの広告動画データでは、一覧表示はされても実際の広告動画データのダウンロードがまだ行われていない可能性もあるので、ステップS242自体は設けておく。
【0115】
次いで、ステップS244で直ちに選択された広告動画データの解凍を行い、その再生を開始する。次に、ステップS246で、広告動画データの再生が終了したかどうかをチェックし、終了していなければステップS248で広告カット操作が行われたかどうかチェックする。そして広告カット操作が検出されない時はステップS246に戻り、以下、再生が終了するか広告カット操作が検出されない限りステップS246とステップS248を繰り返し、再生の終了を待つ。
【0116】
ステップS246で再生終了が検出されたときは、ステップS250に移行し、再生終了後所定時間経過したかどうかチェックする。新たにステップS250に至ったときは当然時間経過がないのでステップS252に移行する。ステップS252では、図8のようにテレビ画面31に表示されている「好き」ボタン73と「嫌い」ボタン74のいずれか、および「有益」ボタン7と「無益」ボタン76のいずれかが操作された場合にその旨を記録に残しておく。
次いでステップS254において、人間の目と脳でしか認識できないパターンがランダムなタイミングでテレビ画面31に表示される。ステップS256では、これに応答したタイミングで完了ボタン72が操作されたかどうかチェックする。パターン表示に応答したタイミングでの完了ボタンの操作が検出されるとステップS258に進み、操作の検出回数が所定回数(例えば3回)に達したかどうかチェックされる。1回目にステップS258に至ったときは当然所定回数には満たないのでステップS250に戻る。なお、ステップS256においてパターン表示に応答したタイミングでの完了ボタンの操作が検出されないときもステップS250に戻る。
以下、ステップS250において所定時間が経過するか、又はステップS258において操作の検出回数が所定回数に達したことが検出されない限り、ステップS250からステップS258が繰り返され、所定時間内に所定回数の完了操作が検出されるのを待つ。
なお、アンケート操作有無を記録に残すチャンスは上記の繰り返しの度にステップS252において毎回与えられるので、「好き」ボタン73と「嫌い」ボタン74のいずれか、および「有益」ボタン7と「無益」ボタン76のいずれかの操作は所定時間が経過しない限り、完了ボタン72を最後に操作するまでの任意のタイミングで行ってよい。
【0117】
ステップS258において完了操作回数が所定回数に達したことが検出されたときはステップS260に進み、対象広告動画にリンクしている基礎ポイントを獲得する。なお、ステップS252においてアンケート操作があったことが記録されていない場合でも、ステップS258において完了操作回数が所定回数に達したことが検出されたときはステップS260に至って基礎ポイントを獲得することができる。
次いでステップS262で対象広告動画の閲覧が初回かどうかチェックされ、初回であればステップS264に進んでアンケート操作の記録が残されているかどうかチェックする。記録が残っていればステップS266に進み、ステップS260で獲得したポイントを倍加してステップS268に進む。なお、ステップS264でアンケート操作の記録が残っていなければ獲得ポイントを変更することなく直接ステップS268に移行する。
また、ステップS262において対象広告動画の閲覧が2回目以降であったときは、ステップS270に移行し、ステップS260で獲得されたポイントを最低レベルまで削減してステップS268に至る。なお、対象広告動画の閲覧が初回でない場合は、もともと「好き」ボタン73、「嫌い」ボタン74、「有益」ボタン7、「無益」ボタン76などのアンケート操作ボタンが図8において表示されておらず、これらの操作記録が残っている可能性はないので、ステップS264のアンケート操作記録チェックもスキップする。
【0118】
一方、ステップS250において所定回数の完了操作が検出されないまま所定時間が経過してしまったときは、直ちにステップS268に至る。このときはポイントの獲得がない。
また、ステップS248において広告カット操作が検出された時はステップS272に移行し、図10のステップS68と同様の広告カット処理およびその通知を行う。そしてステップS268に移行する。この場合もポイントの獲得はない。
【0119】
ステップS268では、番組動画データのダウンロード処理実行中であるかどうかのチェックを行う。還元すれば、図17のポイント獲得処理が図15のステップS186として実行されたのかどうかをチェックする。そして該当していればステップS中274でダウンロード処理への復帰処置をしてフローを終了する。また、番組ダウンロード処理実行中でなければ直ちにフローを終了する。
なお、図17のフローが終了したら、このフローに入る前の元のフローに復帰する。例えば、図17のポイント獲得処理が図10のステップS46として実行された場合は、図10のフローのスタートに戻る。同様に、図17のポイント獲得処理が図16のステップS234として実行された場合は、図16のフローのステップS214に戻る。そして、元のフローへの復帰後、ポイント獲得の必要が生じれば、再度ポイント獲得処理フローを実行することができる。
【0120】
上記において、ステップS252において「好き」ボタン73又は「有益」ボタン7を操作したことが記録されていたときは、その広告についてのユーザの関心が高いと見て、関連する広告動画への導入を行うことができる。
即ち、ステップS252に上記の記録があった場合、図16の広告サーチフローにおけるステップS220に進み、このステップS220で関連広告の一覧を自動的に表示するように設定しておくことができる。この一覧には、例えば、ポイント獲得処理においてアンケート操作の対象になった広告動画が車の広告であった場合、同業他社の同クラスの車の広告を自動検索して一覧表示するよう予め設定しておくことができる。また、ポイント獲得処理においてアンケート操作の対象になった広告の出演者が出演している広告を自動検索して一覧表示するよう予め設定しておくこともできる。
【0121】
以上のようにユーザの関心のある広告から芋づる式にユーザに広告を紹介する機能は、上記のように広告サーチを自動的に行って検索結果広告一覧表示を行うものに限るものではない。例えば、ステップS252において「好き」ボタン73又は「有益」ボタン7を操作したことが記録されていたときは、この広告に関連する広告を自動検索してその順序を自動決定するとともに、ステップS17を順々に繰り返すよう設定しておくこともできる。この場合は、関連する広告動画データが次々を自動再生される。
【0122】
なお、変形実施例として、図17のフローにおいてステップS254からステップS262およびステップS270を省略するとともにステップS266を「ポイント獲得」に置き換えたものも可能である。この場合、所定時間内にアンケートに答えたときのみポイントが獲得できるようになる。
図17のフローであっても、上記のような変形実施例のフローであっても、ポイントを発行する際にユーザの広告動画データ閲覧を確認する手段を設ける点では考え方は同じである。つまり、アンケートへの回答を求めるステップは、ユーザの情報を得る手段であるとともにユーザによる広告動画データ閲覧の確認手段としての機能も持っている。
【0123】
図18は、図14のステップS164、および図15のステップS198におけるポイント決済処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS282でその番組動画データの再生に必要なポイントの確認が行われる。そしてステップS284でその番組を指定している番組指定ポイントを保有しているかどうかチェックする。
番組指定ポイントの保有があればステップS286においてその使用処置を行う。番組指定ポイント使用処置では、その番組に使用可能な番組指定ポイントがすべて抽出される。この場合、通常は複数の番組指定広告の閲覧によって得たポイントを足し合わせないと必要ポイントには達しない。但し、ポイント決済までにその番組指定広告で広告されていた商品を実際に購入し、購入の際に知らされた暗号コードを入力した場合、獲得していたポイントが3倍の価値として取り扱われるようになる。従って、このような場合には、単独の番組指定の閲覧によって得たポイントだけで必要ポイントに達する場合もある。
次に、ステップS288では、番組指定ポイント使用処置によって抽出された番組指定ポイントの和によって必要ポイントが充足されたかどうかチェックする。そして充足されていなければ、不足分を補うためステップS290において汎用ポイントを保有しているかチェックする。なお、ステップS284において番組指定ポイントを全く保有していなかった場合は、必要ポイントの充足はありえないので、直接ステップS290に至る。
【0124】
そして、汎用ポイントを保有していればステップS292に進み、汎用ポイントを獲得時間順に使用する処置を行う。これは、図3のように広告配信局が複数あるとき、Aテレビ局コンピュータ3への広告配信局コンピュータ14および第二広告配信局コンピュータ21からの広告料分配に不合理が生じないようにするためのものである。
例えば、Cユーザコンピュータ11に対し、広告配信局コンピュータ14から古い日付でポイントが発行されるとともに、第二広告配信局21から新しい日付でポイントが発行されていたとする。ここで仮にCユーザコンピュータ11が、Aテレビ局コンピュータ3から配信される番組について第二広告配信局21からの新しい日付のポイントを先に使用してしまうとすると、Aテレビ局コンピュータ3への広告料分配が行われず、広告主からの広告料が広告配信局コンピュータ14に滞留してしまう。これはで、ポイントの獲得と使用の実態に合った広告料分配が行われない。ステップS292はこのような事態を防ぐためのものである。
【0125】
次いでステップS294において、上記のような汎用ポイントの使用によって必要ポイントが充足されたかどうかチェックする。そして充足されていればステップS296に移行し、残っているポイントの計算と表示を行ってフローを終了する。
一方、ステップS288において番組指定ポイントの使用だけで必要ポイントが充足された場合はステップS298に移行し、番組指定ポイントの余剰の有無をチェックする。そして余剰があればステップS300でこれを汎用ポイントに換算してステップS296に移行する。
【0126】
なお、ステップS300の換算においてはポイント数の削減が行われる。これは、一般に、一つの広告動画の閲覧により図17のステップS260で獲得できるポイント単価は、図12の指定広告処理経由の場合の方が、図16の広告サーチ処理経由の場合よりも大きくなるよう設定されているからである。
このような設定の理由は、まず図6においてユーザの最大関心事である番組の指定に伴って表示される広告一覧の方が、広告サーチの検索結果としての広告一覧よりもユーザの目に触れる可能性が高いため広告主に高い広告料を要求することができるからである。
また、テレビ局にとっても、適切な広告主を得て番組指定ポイントの単価を高く設定できることは、少数のユーザの根強い支持がある専門性の高い番組や野心的な自主制作番組からもそれなりの広告料分配を期待できることを意味し、広告料の分配を受けるために不特定多数の人気を狙った「高視聴率」番組の製作にのみ汲々とする経営からの脱皮を図ることができる。これに対し、汎用ポイントだけでは、使用ポイント総数の少ない専門番組などの制作が不可能となる。
【0127】
ステップS290において汎用ポイントを保有していないことが検出された場合、又はステップS294において汎用ポイントを使用しても必要ポイントの充足ができないことが検出された場合は、ステップS302に移行し、他の番組を指定している番組指定ポイントがあるかどうかチェックする。そしてそのような他の番組を指定しているポイントがあればステップS304に移行し削減使用処理を行う。
削減使用処理の詳細としては、まず他の番組を指定しているポイントを使用してよいかどうかユーザに確認するステップを置く。そしてユーザが使用してよい旨の操作をすればポイント使用を実行する。但し、そのポイントの価値は汎用ポイントレベルに削減されて使用される。
ステップS306では、以上の削減使用処理のポイントを加えたことによってポイントが充足されたかどうかがチェックされる。そしてポイントが充足されればステップS296に移行する。
【0128】
なお、削減使用処理のポイントを加えてもポイントが充足されない場合は、ステップS308に移行する。なお、ステップS304の削減使用処理においてユーザが他の番組を指定しているポイントの使用に同意しなかった場合もステップS304内の該当ステップから直接にステップS308に移行する。
ステップS308では、クレジット処理およびクレジットポイントの表示を行う。そして、ステップS310でクレジットポイントを換算したクレジット金額の表示を行ってフローを終了する。
【0129】
図19は、図14のステップS166、および図15のステップS200における番組動画データの解凍・再生処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS312でその番組動画データの解凍が開始される。次いでステップS314で番組動画データの再生が開始される。番組動画データは複数のデータに分割されているので、ステップS312で最初のデータの解凍が終わるとステップS314で次のデータの解凍と並行して解凍済みのデータの再生を開始することができる。従って、長時間番組であってもステップS312からステップS314への移行はユーザにストレスを与えない時間で実行され、実質的に待ち時間をそれほど意識させずに再生が開始される。
【0130】
ついでステップS316で、リモコンにより休憩操作が行われたかどうかがチェックされる。休憩操作は、ユーザが番組鑑賞中に疲れた時など休憩を取りたいときに操作するものである。
ステップS316で休憩操操作が行われたことが検出されると、番組の再生が中断され、ステップS318に移行して自動広告処理が行われる。自動広告処理の詳細は、図10のフローからステップS56からステップS60を除いてステップS50からステップSステップS62に移行するようにしたものと同じである。これによって、休憩操作をすると図5の自動広告動画41がテレビ画面31に表示されるとともに、広告ポイントボタン42、広告カットボタン43、広告サーチボタン44および広告選局ボタンが表示されてこれらの操作が可能となる。そして、広告への関心に応じ、これらのボタンの操作により任意に広告ポイントの獲得を行うことも可能となる。
なお、これらのボタンの操作によって広告ポイントの獲得のためのフローに移行したときは、リモコンで広告処理中止のための割り込み操作を行えば、いつでも番組再生の続きに戻ることができる。
【0131】
ステップS316で休憩操作が検出されなかった場合はステップS320に進み、広告アーカイブス操作の有無をチェックする。この操作は、休憩操作と似たものであるが、番組の鑑賞を中断して広告のアーカイブスを閲覧することによって意識的に気分転換を図りたい時に行われるものである。
ステップS316で広告アーカイブス操作が行われたことが検出されたときも番組の再生が中断され、ステップS322に移行して広告期限切れの広告動画データの検索画面に入る。これらのデータは広告期限が終わっても広告主からの低額の維持広告料に基づいて広告配信局又はユーザコンピュータにアーカイブスとして保存されており、ポイント発行およびそれに伴う広告料とは関係なしにステップS322の中で再生することができる。広告アーカイブスの検索画面は図7と同様のレイアウトであり、ユーザは過去の商品名や出演者などの記憶をたどって懐かしい広告を遊び感覚で検索することができる。また、検索結果にもとづいて特定の広告動画データを選択し、これを閲覧することができる。
ステップS322における特定のアーカイブス広告動画データの閲覧が終わるか又は中止されるとステップS324に移行し、そのデータと関連のある現広告動画データの一覧が表示される。この一覧表示は特定のアーカイブス広告動画データとの間で広告主が設定した直接リンクによっても可能であるが、アーカイブス広告動画データの出演者などを媒介したユーザの自発的な検索による間接リンクによっても可能である。
【0132】
そしてステップS326で一覧表示された現広告動画データの一つが所定時間内に選択されたかどうかがチェックされ、操作が検出されるとステップS328のポイント獲得処理に入る。このように、既に期限の切れた広告からの直接又は間接のリンクにより、現在生きている広告動画データの閲覧およびそれによるポイント稼ぎの機会が設けられている。
なお、広告アーカイブス操作によりステップS322に移行した後は、リモコンで中止の割り込み操作を行えば、いつでも番組再生の続きに戻ることができる。
また、ステップS320で広告アーカイブス操作が検出されなかった場合、又は関連現広告一覧表示から所定時間内にステップS326で広告選択操作が検出されなかった場合はステップS330に進む。
なお、上記の広告アーカイブス操作は、図19の解凍・再生処理の中だけでなく、リモコンの操作によりどのフローからも割り込んで実行可能とすることができる。
【0133】
ステップS330では番組の再生が終了したかどうかがチェックされている。そして、終了していなければステップS316に戻り、以下、ステップS316又はステップS320での操作の検出がない限り、ステップS316とステップS330の間を繰り返して番組再生終了を待つ。
ステップS330で番組再生終了が検出されたときはステップS332に移行し、クレジットポイントの有無をチェックする。そしてクレジットポイントがあれば、見終わった番組についての番組指定広告でまだ閲覧していないものが残っているかどうかステップS334でチェックし、番組指定広告が残っていればステップS336の指定広告処理に入る。この処置により、番組鑑賞後においてクレジットがあったときにこれを解消するための最も効率のよいポイント稼ぎが可能となる。
一方、ステップS334において見終わった番組に関する番組指定広告が全て閲覧済みで、もう残っているものがないことが検出されたときはステップS338のネットモード処理に移行する。これによって、自動広告閲覧又は広告サーチなどによるポイント稼ぎが可能となる。
以上のように番組を見終わった直後にステップS332でクレジットがあることが検出された時は自動的にポイント獲得が可能な画面に移行し、クレジットの早期解消を促す。但し、このような画面がわずらわしい場合は、リモコン操作の割込みによっていつでもステップS336又はステップS338を中断してフローを終了することができる。なお、ステップS332においてクレジットがなかった時は、ポイント獲得画面への移行を行わず、ステップS339に移行する。
【0134】
ステップS339では、再生が終了した番組に続編があるかどうかチェックする。そして続編があればステップS340の続編番組紹介処理に入る。この処理は番組が連続ドラマやシリーズもの等である場合にユーザにとって有益である。またここでいう「続編」とは、狭義に時間的な鑑賞順序のあるものだけに限定されるのではなく、自由に順序を変えて鑑賞することが可能な関連番組をも含むものとする。
続編番組紹介処理の内容は、図11の番組表処理におけるステップS80以降と同じである。但し、ステップS80では続編番組のリストを表示する。また、続編番組紹介処理としては、上記に代え、続編番組を紹介した後は図10のネットモード処理をスタートさせ種々のポイント獲得が可能なようにしてもよい。なお、このような続編紹介画面がわずらわしい場合は、リモコン操作の割込みによっていつでもステップS340を中断してフローを終了することができる。なお、ステップS339において続編番組がなかった時は、直ちにフローを終了する。
【0135】
なお、図19のフローの変形実施例として、ステップS330とステップS332の間に図13のステップS146と同様の解凍保留処置のステップを追加することができる。これによって、鑑賞を終了した番組動画データは解凍保留状態となり、再度再生操作をするとポイントの決済が行われる。このように攻勢すれば、同一の番組動画データについては鑑賞の都度ポイントの決済が行われる。この場合、二度目以降の使用ポイント数を少なくする措置、および所定回数目以降はポイントを使用することなく再生できるようにする等の措置を行うこともできる。
【0136】
図20は、図1から図3における本発明の実施例の広告配信局コンピュータ14の基本動作を示すフローチャートである。このフローは、広告配信局コンピュータ14がオン状態となって立ち上がった場合、又はいずれかの広告主コンピュータから広告動画データのアップがあった場合、又はいずれかのユーザコンピュータからポイント獲得処理又は広告カットの通知があった場合、又はいずれかのテレビ局コンピュータからポイント使用実績の通知を受領した場合において、いずれも場合についてもその都度、それぞれスタートから実行される。なお、この図20のフローは第二広告配信局21およびその他の広告配信局コンピュータに共通である。
フローがスタートすると、ステップS342で、いずれかの広告主からの広告動画データップがあったかどうかがチェックされる。アップがあればステップS344で広告料の定額部分を広告主コンピュータより電子受領する。この定額部分は、主に広告配信局運営費に充てられる。続いて、ステップS346において、アップされた広告動画データおよびその属性データの登録が行われる。
【0137】
次に、ステップS348で、ブログリンク処理が行われる。この処理は、アップされた広告動画データに対して不特定多数のユーザがブログを作成してリンクを張ることを可能にする処理である。この処理により次のことが可能となる。
すなわち、閲覧した広告動画データについてブログを書きたいユーザは、図6の番組指定広告一覧50、又は図7の検索結果広告一覧によって、対応する広告動画データを指定し、リモコンの操作でブログを作成する。
一方、広告動画データに関連するブログを見たいユーザは、ユーザコンピュータにおいて図5又は図8のように特定の広告動画がテレビ画面31で再生されているときにブログ閲覧の操作をリモコンによって行う。これによってテレビ画面31に関連ブログの一覧が表示され、その一つをテレビリモコンで選ぶことによって選択されたブログの詳細をテレビ画面31上で読むことができる。これによって、ユーザは広告動画データによって広告主から提供される商品情報だけでなく、ブログに書かれた一般ユーザのコメントを見ることができる。なお、書かれるブログには悪意のものが含まれる可能性があるが、原則としてブログを読むユーザ自身の取捨選択に委ねられる。但し、広告主からの苦情があれば審査の上、広告配信局にて悪質なブログを削除することもある。
なお、ユーザがブログを見る操作が可能なタイミングは、上記のように広告動画の再生中に限られるものではない。例えば、図6の番組指定広告一覧50、又は図7の検索結果広告一覧62における番組の一つをリモコンで選ぶことによって、選ばれた番組に関するブログ一覧を表示することも可能であり、この場合は、広告動画の再生を経由せずにリンクの張られたブログに直接飛ぶことができる。
【0138】
また、ステップS348のブログリンク処理の中に、ブログを書いたユーザに対してポイントを発行するステップを設けてもよい。上記からも明らかなように、ブログを書く操作はそのユーザのテレビに備えられたユーザコンピュータによって行われるので、広告配信局はブログを書いたユーザコンピュータを特定するとともにこのユーザコンピュータに所定のポイントを発行する。ポイントが発行されたときは、ブログの対象となった広告動画データの広告主コンピュータに閲覧実績に準じた情報を発信し、広告料従量部分を電子受領する。なお、悪意のブログに対しては、広告主コンピュータから広告配信局コンピュータに対し、ブログのリンク解除および広告料受領部分の返還を求めることができる。
【0139】
さらに、ステップS348のブログリンク処理の中に、ブログ作成支援機能として、ブログに関連する広告情報のアイコンやクリップアートをブログに貼り付けるための補助メニューが開くように構成しておくこともできる。このような補助メニューによって得られる広告情報は、ブログを書こうとし直接の広告動画データだけではなく、関連するものや同一ジャンルまたは競合商品も検索されて自動的に表示されるようにする。
上記のようなブログ作成支援機能によってブログに貼り付けられた広告情報のアイコンやクリップアートは、ブログ画面を見るユーザの選択に応答して直接その広告動画データにジャンプし、図17のポイント獲得処理をスタートさせる機能を持つ。
従って、以上のようなブログ作成支援機能によってブログを書くユーザが適宜広告情報のアイコンやクリップアートをブログに貼り付けるならば、作成されたブログ画面の一部が図6の番組指定広告一覧50または図7の検索結果広告一覧62に準じた機能を持つことになる。つまり、ブログ画面の一覧からアイコンやクリップアートを選択することにより、ブログ画面から直接に関心のある広告動画データの閲覧に進むことができる。
【0140】
ブログリンク処理が終わると、ステップS350で、アップされた広告動画データが番組指定広告かどうかをチェックする。そして番組指定広告であればステップS352で番組指定広告管理処理を行う。これは新たな番組指定広告の追加により番組指定広告全体の再生制御を変更する必要が生じるからである。番組指定広告管理処理の詳細は後述する。次いで、ステップS354で広告料の割増定額部分を広告主コンピュータより電子受領する。つまり、番組指定広告の場合は広告料の定額部分の合計金額が高くなる。次にステップS356で、この割増定額部分の大半を指定された番組を制作しているテレビ局に番組制作費の先払いとして分配し、ステップS358に移行する。
ステップS350で番組指定広告でなかったときは、アップされた広告動画データが通常の広告動画データであることを意味するので、ステップS360で自動広告管理処理を行ってステップS358に移行する。これは、新たな広告動画データの追加により自動広告動画データ全体の再生制御を変更する必要が生じるからである。自動広告管理処理の詳細は後述する。また、ステップS342で新たな広告動画データのアップロードがなかった時も、直接ステップS358に移行する。
【0141】
ステップS358では、ユーザコンピュータにおいてポイント獲得処理が行われたかどうかチェックする。ポイント獲得処理があればこれに応答し、ステップS362において、広告配信局コンピュータ14が発行元である旨をおよび日付を明示したポイントが該当ユーザコンピュータに対して発行される。
また、ステップS364では、上記に連動して、ポイント獲得処理の対象になった広告動画データの広告主コンピュータに対し、広告動画データの閲覧実績を発信する。そして、これと引き換えに、ステップS366で広告料の従量部分を広告主コンピュータより電子受領してステップS368に移行する。なお、ステップS358で、どのユーザコンピュータにおけるポイント獲得処理もなければ、直接ステップS368に移行する。
【0142】
ステップS368では、いずれかのテレビ局コンピュータからポイント使用実績を受信したかどうかがチェックされ、受信があればステップS370にてそのテレビ局コンピュータに対応する広告料を分配してステップS372に移行する。また、ステップS368でポイント使用実績受信がなければ直接ステップS372に移行する。
【0143】
ステップS372では、ステップS358におけるポイントの発行又はステップS368におけるポイントの使用による広告配信局にとってのポイント変動の有無、又はいずれかのユーザコンピュータからの広告カット処理の通知があったかどうかがチェックされる。そして該当があれば、それに対応して自動広告動画データおよび番組指定広告の両者について再生制御を変更する必要が生じるので、ステップS374で自動広告管理処理を行うとともにステップS376で番組指定広告管理処理を行ってフローを終了する。なお、該当がなければ直ちにフローを終了する。
【0144】
図21は、図20のステップS360およびステップS374で実行される自動広告管理処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS382において処理の対象となる相手側のユーザコンピュータの特定が行われる。そしてステップS384でそのユーザコンピュータに配信済みの広告動画データを確認する通信を行う。なお、広告動画データを再生管理するための処理は図21で行われるが、新しい広告動画データ又は広告動画データの更新版の配信自体は広告配信局から各ユーザコンピュータに対し予め定められたタイミングで図21の処理とは独立に適宜実行されている。
次いでステップS386でそのユーザの属性に不適な広告動画データの有無をチェックする。そして該当するものがあれば、ステップS388でこれを除外してステップS390に移行する。例えば、ユーザテレビが男性ユーザにのみによって見られている属性である場合、女性を対象とした広告動画データは再生対象から除外される。なお、ステップS386で該当する広告動画データがなければ直接ステップS390に移行する。
【0145】
ステップS390では、これまでのユーザの広告カット操作履歴の蓄積を元に、広告カットの対象となった広告動画データの属性を統計処理し、ユーザが再生を望まない広告の傾向を分析する。また、ステップS392では、逆に、これまでのユーザの広告ポイント操作履歴の蓄積を元に、広告ポイント操作の対象となった広告動画データの属性を統計処理し、ユーザが再生を望む広告の傾向を分析する。
そして、ステップS390とステップS392の分析結果に基づき、ステップS394では、自動広告動画再生における優先順位および頻度を決定する。具体的には、ユーザの関心が高い傾向にある広告については優先順位を上げるとともに、ユーザの関心が低い傾向にある広告については優先順位や再生頻度を低くする。
なお、ステップS394では粗決定までが行われ、優先順や頻度が同程度のものについての具体的な順序は、次のステップS396において同程度の広告の範囲内でランダムシャッフルを行って決定する。これによって自動広告動画の再生が同じ順序で繰り返される不快感を軽減する。
なお、ステップS360において図21のフローを実行する場合は、結果が変動することが予想されないのでステップS390とステップS392を省略してもよい。また、新規にアップされた広告動画データなので、ステップS394における決定では、再生順を最優先とする。
【0146】
次いで、ステップS398において新たに広告カット操作の対象になった広告動画データの有無をチェックする。ステップS390およびこれを受けたステップS394の処理は、異なる複数の広告に共通する傾向に基づき、同傾向にあるまだ広告カット操作の対象となっていない他の広告の優先度や頻度をコントロールするものであるが、ステップS398以下は、あくまで広告カット操作の対象になった広告そのものの取り扱いに関するものである。
ステップS398において該当するものがあればステップS400に進み、広告カット操作が初回かどうかチェックされる。初回でなければステップS402で2回目かどうかチェックされ、2回目でなければ3回目なのでステップS404で該当する自動広告を再生対象から除外してステップS406に移行する。
一方、ステップS400において広告カット操作が初回であることが検出されたときはステップS408で該当広告再生の優先順を降下させてステップS406に移行する。ここにおける優先順の降下とは、所定時間が経過するまで次回の再生を控えることを意味するが、長期的な平均頻度まで低下させるものではなく、繰り返し広告効果は狙う。これに対し、ステップS402において広告カット操作が2回目であることが検出されたときは、ステップS410において再生頻度そのものを低下させ、繰り返し広告効果に固執するよりも不快感の緩和に重点を移す。しかしながら完全に再生対象から除外するわけではない。
【0147】
以上の各処理は、ステップS406で生管理情報としてまとめられ、ステップS382で特定したユーザコンピュータに送信される。そしてこの送信が終了すると、フローを終了する。
【0148】
図22は、図20のステップS352およびステップS376で実行される番組指定広告管理処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS412において対象の広告動画データが新規にアップされたものかどうかチェックする。
そして新規広告動画データであった場合、ステップS414で指定番組お任せ契約のものであるかどうかチェックされる。番組指定広告は原則として広告主自身が番組を指定して契約するが、広告配信局における過去の広告効果分析データを信頼して番組の指定を任せることも可能であり、そのような契約の場合はステップS416に進む。
【0149】
ステップS416では、ユーザコンピュータの一つを匿名で無作為にサンプル抽出する。ステップS416では抽出したユーザコンピュータにおけるユーザ属性もチェックする。そしてステップS418以下で、ユーザ属性と操作履歴等との関係を分析する。
まず、ステップS418では、ポイント獲得傾向分析により、ユーザの広告に対する関心又は好き嫌いの傾向を調べる。具体的には、広告ポイント操作、広告選択操作、広告サーチ処理、アンケート操作等の履歴とユーザ属性との関係を分析する。次に、ステップS420では、上記の補助として広告カット傾向分析により、ユーザの関心を繋ぎ止めることができない広告の傾向を調べる。具体的には、各場面における広告カット操作の履歴とユーザ属性との関係を分析する。
次に、ステップS422でポイント使用傾向分析を行い、ユーザの番組に対する関心の傾向を調べる。具体的には、番組録画操作や番組選択操作等の履歴と、ステップS416で得られるユーザ属性、およびステップS418およびステップS520で得られるユーザの広告への関心又は好き嫌いとの関係を分析し、抽出したユーザにおける広告への関心と番組への関心との相関を分析する。
【0150】
ステップS424では、以上の分析結果に基づいて統計処理が可能かどうかをチェックする。当然ながら一つ目のサンプル抽出では統計処理ができないので、ステップS414に戻り、次のユーザコンピュータの無作為サンプル抽出を行い、以下、ステップS424で統計処理が可能なサンプル数が集まるまでステップS414からステップS424を繰り返す。
そして、ステップS424で統計処理が可能と判断された時は、ステップS426で最適の指定番組を決定し、広告配信局コンピュータ自身でその決定に従った処理を開始するとともに、指定番組を広告主コンピュータに通知する。
一方、ステップS414で指定番組お任せ契約でなかった時は、直接ステップS426に移行し、広告主の希望通りの指定番組を決定する。また、結果の決定は単なる確認報告となる。
【0151】
次いで、ステップS428に進み、対象の新規広告の初期一覧序列を自動決定する。そして、広告配信局コンピュータ自身でその決定に従った処理を開始するとともに、一覧序列を広告主コンピュータに通知する。通常、新規広告の場合序列は上位に決定される。
さらに、ステップS430では以上の広告条件に基づいて番組指定広告に関する初期割増定額部分を決定し、これを広告主コンピュータに通知してステップS432に移行する。なお、ステップS412において対象広告が新規のものでなかったときは直接ステップS432に移行する。
【0152】
ステップS432では、対象広告がデータアップ後、所定日数を経過したものかどうかチェックする。そして所定日数が経過していた場合は、ステップS434に進み、序列を所定ルールに従ってダウンさせるとともにこれを広告主コンピュータに通知し、日数カウントをリセットしてステップS436に移行する。
従って、次回以降も、所定日数が経過してステップS434に至るたびに、一覧序列はダウンする。この結果、図5の番組指定広告一覧50において表示は下位のより目立たない位置に移動し、場合によってはスクロールしないと見えない位置に移動する。
なお、ステップS432において所定日数が経過していなかった場合は、序列ダウンは行わず、直接ステップS436に移行する。
【0153】
ステップS436では、対象広告がデータアップ後、所定の閲覧実績目標に達しているかどうかチェックする。そして目標未達の場合は、ステップS438に進み、序列を所定ルールに従ってダウンさせるとともにこれを広告主コンピュータに通知し、目標カウントをリセットしてステップS440に移行する。次回以降も目標未達の場合、ステップS438に至るたびに、一覧序列がダウンすることは、ステップS434の場合と同様である。なお、ステップS436において目標が達成されていた場合は、序列ダウンは行わず、直接ステップS440に移行する。
【0154】
ステップS440では、対象広告に対して広告主コンピュータから割増定額部分積増しの電子受領が行われているかどうかをチェックする。そして、割増受領があれば、ステップS442に進み、序列を所定ルールに従ってアップさせるとともにこれを広告主コンピュータに通知し、割増受領をリセットしてフローを終了する。
このように、割増定額部分の積増しを行えば、仮に、ステップS434又はステップS438において序列ダウンがあったとしても、ステップS442でこれを復活し、結果的に序列ダウンを免れることができる。このような処置は次回以降もステップS442に至るたびに可能である。
なお、ステップS436において割増定額部分の積増しがあったことが検出されない合は、序列アップを行うことなくフローを終了する。
【0155】
図23は、図1から図3における本発明の実施例のAテレビ局コンピュータ3の基本動作を示すフローチャートである。このフローは、Aテレビ局コンピュータ3がオン状態となって立ち上がった場合、又はいずれかのユーザコンピュータから番組のダウンロード処理又はポイント決済処理が要求された場合において、いずれも場合についてもその都度、それぞれスタートから実行される。なお、この図23のフローはBテレビ局コンピュータ6およびその他のテレビ局コンピュータに共通である。
フローがスタートすると、ステップS452で広告料定額部分分配の電子受領を行う。これは、図20のステップS356における広告配信局コンピュータからの分配が行われていた場合に対応するものであって、このような分配がない場合はステップS452は省略される。
【0156】
次いで、ユーザが使用したポイントで広告配信局コンピュータに未通知のものがあるかどうかをステップS454でチェックする。そして未通知使用ポイントがあればステップS456でこれを発行元の広告配信局別に集計し、それぞれの広告配信局に通知する。そしてこれと引き換えにステップS458で広告料の従量部分についての分配を電子受領し、ステップS460に移行する。なお、ステップS454で未主計使用ポイントがなければ直接ステップS460に移行する。
【0157】
ステップS460では、各ユーザコンピュータについて期限を超過しているクレジットポイントがあるかどうかチェックする。そして期限超過クレジットがあればステップS462で換算した番組料金をそれぞれのユーザの口座から引き落としてステップS464に移行する。なお、いずれのユーザコンピュータにも期限超過クレジットがなければ直接ステップS464に移行する。
【0158】
ステップS464では、いずれかのユーザコンピュータからダウンロード処理が要求されたかどうかをチェックする。そしてステップS466において、ダウンロード要求があったユーザコンピュータに対して番組動画データの送信を開始する。
次に、ステップS468では、その番組についての過去の日時付ダウンロード履歴に今回のダウンロード実績を加え、「視聴率」を新たに更新計算する。ここで「視聴率」とは、所定期間内におけるダウンロード累積数をジャンル別に決められている所定のダウンロード数で割ったものである。そして「視聴率」がジャンル別に決められている所定の率を上回った場合はこれを「人気番組」と認定し、番組表用人気番組コード信号を各ユーザコンピュータに送信してステップS472に移行する。このコードは視聴率そのものであってもよい。各ユーザコンピュータにおける番組表処理においてこのコードを持つ番組があれば、その番組が人気番組である旨の表示または視聴率の表示が番組表51に付記される。なお、いずれのユーザコンピュータからもダウンロード処理の要求がない場合は、直接ステップS472に移行する。
【0159】
ステップS472では、いずれかのユーザコンピュータからポイント決済処理が要求されたかどうかをチェックする。そして要求のあったユーザコンピュータについてはステップS474で決済に必要なポイントが充足されているかどうかをチェックし、不足があればステップS476でクレジット処理をしてステップS478に進む。また、ステップS474で必要ポイントが充足されていれば直接ステップS478に移行する。
ステップS478では、集計のための使用ポイントを記録し、フローを終了するが、この際、クレジット処理したポイントは集計から除外される。なお、ステップS472においていずれのユーザコンピュータからもポイント決済処理の要求がない場合は、直ちにフローを終了する。
本発明の実施例では、上記のようにステップS464のダウンロード処理のチェックとステップS472におけるポイント決済処理のチェックとを分けており、ステップS466で番組動画データの送信に入っても直ちにポイントの決済は行わない。つまり、ステップS466の実行によって番組動画データがダウンロードされても、実際に番組の鑑賞が行われてポイント決済が要求されるまではポイント使用の決済が保留される。つまり、本発明の実施例では、単なる番組動画データの「録画」段階ではポイント使用の決済は行われない。これは、ユーザコンピュータにおける図15のダウンロード処理のステップSステップS196からステップS202の機能に対応している。
【0160】
なお、上記の図23においては、ダウンロード処理があった場合だけステップS468における視聴率計算とステップS470における番組表用人気番組コード送信が実行されている。しかしながら、これらのステップS468とステップS470の実行は、これに限るものではなく、例えば、図23のフローの所定の部分において無条件に定期的に実行されるよう構成してもよい。
【0161】
ここで、図23のステップS456に関連した変形実施例について説明する。この変形実施例の前提としては、図20のステップS362において、ポイント発行の際に発行元および日付だけでなく閲覧した広告の識別コードも明示する。そして、ステップS456においては、発行元の広告配信局別に留まらず、個々の広告識別コード別にさらに詳細に集計し、広告配信局に通知する。
上記の広告識別コード別の集計情報は、以下のステップS458における広告配信局との間での広告料従量部分分配に必要なものではない。しかしながら、通知を受けた広告配信局において次のような情報管理または広告主との広告料支払い特別契約に利用される。
【0162】
まず、情報管理の観点から、広告識別コード別集計情報の意義を説明する。この情報は、広告配信局にとって同一ユーザによる広告閲覧傾向と番組鑑賞傾向との相関関係を示しているので、広告主に対してその広告主の属性や商品に合った指定番組を推薦するための情報となる。したがって、広告識別コード別集計情報の通知を受けた広告配信局では、図22のステップS416とステップS424の間の適当なところに「番組閲覧傾向分析」のステップを追加し、ステップS426における指定番組決定に役立てる。
次に広告主との特別契約の観点から広告識別コード別集計情報の意義を説明する。既に説明してきたように、広告主としては広告閲覧という実績に対して広告料を支払っており、その後のポイントの使途は必ずしも関心事ではない。しかしながら、広告配信局は、希望する広告主との間で、広告動画データ閲覧によるポイントの発行だけでなくポイントの使用による番組動画データ鑑賞までを確認した上で広告料を支払うという形の特別契約を締結することも可能である。このような特別契約の場合、広告主はポイント獲得の最終目的に至る全プロセスを直接確認した上で広告効果を納得することができる。そしてこのような特別契約に対応するためには、上記のような広告識別コード別集計情報が必要となる。
【0163】
さらに、上記の広告識別コード別集計情報の意義は次のような変形実施例の場合にも意義を持つ。すなわち、本発明の実施においては、広告主自身が広告配信局を兼ねることも可能であり、この場合、広告配信局コンピュータと広告主コンピュータは一体となり、広告主自身がユーザコンピュータに対してポイントを発行する。このような場合、広告主にとっては広告別にポイント使用を管理する必要も生じ、また最も単純な場合、一つの広告主が一つの広告動画データしか発信しない場合もある。広告識別コード別集計情報はこのような広告主や広告配信局側の種々のケースに対応できるものである。
【0164】
以上のように、Aテレビ局コンピュータ3フローチャートにおけるステップS456の段階での集計は、広義にはポイント発行履歴に基づいてポイント使用を集計するという意義をもつ。従って、本発明において、「ポイント発行履歴に基づく集計」と称する場合、図23のとおりの広告配信局別集計だけでなく、変形実施例で説明したような閲覧広告別集計の両者を含むものとする。
【0165】
なお、上記のように広告配信局コンピュータと広告主コンピュータが一体となる変形実施例の場合、広告主はポイント使用が可能な番組動画データを提供するテレビ局との間で次のような契約を行うことができる。すなわち、番組動画データ自身に関する広告動画データである番組予告編や番組ダイジェスト版の動画データをテレビ局から無償で提供させ、これを自身の広告動画データとともにユーザコンピュータに配信する。その手法は先に実施例において広告配信局コンピュータの機能として説明したものと同じである。
この契約によれば、ポイントが獲得可能な広告動画データとそのポイント獲得の目的である番組動画データの情報がセットでユーザに提供されるので、テレビ局としては番組の広告機会が広がるとともに、広告主としても自身の広告動画データ閲覧の動機付けを強化することができる。
また、このような変形実施例の場合、通常のウェッブにおける企業のホームページ上において、自社の広告動画データと放送局の広告動画データを紹介しながら番組動画データを鑑賞できるポイントを発行するシステムを構築することも可能であり、格別の広告配信局設立の投資も不要となる。
【0166】
図24は、図1におけるCユーザテレビ9の詳細を示すブロック図であり、Cユーザコンピュータ11は、制御部100、記憶部102、および入出力部104を有している。記憶部102は制御部100を動作させるためのプログラムを記憶するとともに、テレビ局からダウンロードされた番組動画データおよび広告配信局からダウンロードされた広告動画データなどのデータ記憶も行う。テレビ局および広告配信局とのやり取りは、制御部100の制御に基づき、入出力部104からインターネット106経由で行われる。
入出力部104は、さらにリモコン108からの赤外線信号110を受信するリモコン受信部112からも操作信号を入力し、制御部110に所定のコンピュータ動作を行わせる。リモコン108はテレビの電源オンオフ、放送チャンネル切換操作、音量調節操作、テレビ画面に表示される各種ボタンの操作やテレビ画面に表示される一覧からの選択操作などを行う。
リモコン受信部112が受信する操作信号は必要に応じて放送受信部114にも直接伝えられる。放送受信部114は通常のテレビと同様にしてデジタル放送電波116を受信しているが、リモコン受信部112からの操作信号に基づいて放送チャンネルの選局等を行う。
【0167】
表示制御部118は放送受信部114からの信号に基づいて、図4のように通常デジタル放送動画32をテレビ画面31に表示する。表示制御部118はさらにCユーザコンピュータの制御部100の制御を受け、入出力部104を経由して表示記憶部120から出力されるコンピュータ表示信号をテレビ画面31に表示する。
このコンピュータ表示信号は、図4の各種ボタン33から37のように、通常デジタル放送動画32の表示に重畳してテレビ画面に表示される場合もあるが、図5から図8のように、テレビ画面31に表示されるものがすべて表示記憶部120からのコンピュータ表示信号である場合もある。
なお、放送受信部114が受信したデジタル放送動画はCユーザコンピュータ11の入出力部104にも送られ、リモコン108の操作により「録画」として記憶部102に記憶することが可能である
【0168】
図24では、Cユーザコンピュータ11についてのブロック図を示したが、Aテレビ局コンピュータ3、Bテレビ局コンピュータ6、広告配信局コンピュータ14、第二広告配信局コンピュータ21、E広告主コンピュータ19、F広告主コンピュータ20、G広告主コンピュータ22、およびH広告主コンピュータなどもCユーザコンピュータの制御部100、記憶部102および入出力部104と同様の構成をもつことは言うまでもない。
さらに、これらのコンピュータの入出力部を介してインターネット経由でシステム内の他のコンピュータと通信可能である。また、必要に応じ、入出力部を介してキーボードやマウスなどの操作部、およびモニタなどの表示手段にも接続されている。
【0169】
図25、図26は、図24におけるCユーザコンピュータ11における制御部100の動作を示すフローチャートであり、放送受信部114が受信したデジタル放送動画の記憶部102への録画およびその再生に関するものである。
図24における記憶部102はハードディスクを有しており、放送受信部114が受信したデジタル放送動画を録画しながら録画済の画像データにアクセスしてこれを再生することが可能である。これによって放送時間帯をシフトし、例えば午後8時から午後9時までの放送番組を午後8時15分から午後9時15分に鑑賞するようなことが可能である。また、再生速度を速めたりCM部分をカットしたりすることにより途中で再生が放送番組に追いつき、以降はリアルタイムの放送番組鑑賞に切換えるようなことも可能である。
このような録画中再生の技術自体は、いわゆる「追っかけ再生」として既に実用化されており、例えば特開2006−319955号公報等多数の文献に開示されているのでその詳細の説明は省略する。
【0170】
次に、図24から図26に基づいて、上記本発明の実施例の特徴について説明する。図24の放送受信部114はCユーザテレビ9が受信可能な全てのテレビ局の放送を同時に受信するのに充分な数のチューナーを備えており、それぞれ受信した放送データを記憶部102に記憶することができる。
図25、図26は、上記のような放送受信部114の構成および記憶部102に基づく録画中再生機能を前提として構成されたもので、テレビをつけた時点で放送されている番組を、既に開始済みであるか否かにかかわらず、番組冒頭より鑑賞することを可能にするものである。これを「放送時間シフトモード」と呼ぶ
【0171】
Cユーザテレビ9が「放送時間シフトモード」にセットされると図25のフローがスタートし、ステップS482でいずれかの放送局から放送中の番組があるかどうかチェックする。例えば深夜などでどの局からも放送がないときはステップS482を繰返し、いずれかの放送局からの翌朝の放送開始を待つ。ステップS482の機能は、Cユーザテレビの主電源がオフであっても常に機能する。放送中の番組があればステップS484に移行し、全放送番組録画開始指示を行う。この指示によってCユーザテレビの主電源のオンオフに関わらず放送受信と録画に関する機能が起動し、全放送局からの放送受信と録画を開始する。
次いでステップS486では、既に放送開始済みの番組があるかどうかチェックし、あればステップS488に進んでその番組を録画対象から除去してステップS490に移行する。これは、図25のフローの機能が番組の頭から再生できる完全な番組の自動録画を意図しているからである。なお、ステップS484とステップS486は極短時間に続けておこなわれるので、既に放送が始まってしまった番組がステップS484の指示に従って録画されることはない。一方、ステップS486で放送開始済みの番組がなければ直接ステップS490に移行する。
【0172】
ステップS490では、放送が開始された番組があるかどうかチェックし、あればステップS492でその番組の録画を開始し、ステップS494に移行する。一方ステップS490で放送開始番組がなければ直接ステップS494に移行する。
ステップS494では、放送終了番組があるかどうかチェックする。あればステップS496に移行し、その番組の録画データを他の録画データで上書きすることを可能とする処理を行い、ステップS498に移行する。これは、図25のフローが番組放送中にその番組を再生することを可能にするための機能であり、番組終了後まで録画データを保存して記憶容量を塞ぐことを避けているためである。
なお、ステップS496の処理は、放送終了後であってもその放送の録画データが再生中であれば、再生終了まで上書き可能処理が保留される。また、後述するように、放送終了番組に対して録画処理が行われた時はその録画データは保存され、上書き可能処理の対象外となる。一方、ステップS494で放送終了番組がなければ直接ステップS498に移行する。
【0173】
ステップS498では、「放送時間シフトモード」を解除する操作が行われたかどうかチェックする。操作がなければステップS500に進み、放送中の番組があるかどうかチェックする。そして、放送中の番組があればステップS490に戻り、以下、「放送時間シフトモード」の解除操作または全ての放送局の番組の終了がないかぎり、ステップS490からステップS500を繰り返す。これによって、全ての放送局について現在放送中の番組がその番組の頭から録画開始され、少なくともその番組が終了するまで保存されることになる。
【0174】
一方、ステップS498で「放送時間シフトモード」の解除操作が検出されるか、ステップS500で全ての放送局の番組の終了が検出されたときはステップS502に移行し、全放送番組録画終了指示を行う。この指示によってCユーザテレビの主電源のオンオフに関わらず放送受信と録画に関する機能が停止する。次いでステップS504において放送終了前に録画停止してしまった番組があるかチェックする。そしてそのような番組があれば該当する録画データを他の録画データで上書きすることを可能とする処理を行い、ステップS508に移行する。これは、図15が番組の頭から最後まで再生できる完全な番組の自動録画を意図しているからである。一方、ステップS504で放送終了前録画停止番組がなかった時は直接ステップS508に移行する。
ステップS508では、ステップS498の放送時間シフトモード解除操作を経由してステップS508に至ったのかどうかをチェックし、該当すればフローを終了する。一方該当しない場合は、ステップS500で全ての放送局の番組の終了が検出された結果ステップS508に至っていることになるのでステップS482に戻り、放送時間シフトモードのまま次の放送開始を待つ。
【0175】
図26は、「放送時間シフトモード」が設定されている状態でCユーザテレビの電源がオンされた時又はチャンネル変更等のテレビ局選局操作が行われた時にスタートするフローである。フローがスタートするとステップS512において、その時点で放送中の全テレビ局の放送番組一覧が表示される。この表示は、チャンネルと番組タイトルだけのリストまたはこれに簡単な番組紹介情報が付加されたものである。またリストに代えて番組画像のサムネイルを一覧表示してもよい。
次いで、ステップS514において一覧表示された番組を頭から鑑賞するための番組開始選択操作がなされたかどうかチェックする。この選択操作は通常のチャンネル選択と同様の簡単な操作である。そして、操作があればステップS514において選択された番組について番組頭からの録画中再生処理に入る。図25のフローの機能により一覧表示された全ての番組は頭から録画中であるので、このような鑑賞が可能となる。以上のようにして、放送時間シフトモードであれば、厳密な放送開始時間を気にすることなく番組の鑑賞が可能となる。通常の録画の場合は後日等に鑑賞する時間を確保することができずに未鑑賞の録画が溜まってしまうことも考えられるが、上記実施例における放送時間シフトモードであれば鑑賞は基本的には現実の放送時間とほぼ同じ時間帯において確保できる。そして、短時間の急用が入ったときなどの個人の都合などにあわせ、鑑賞時間を気軽に調節でき、テレビの放送時間に縛られない自由な生活が可能となる。
【0176】
ステップS514において、番組開始選択操作が検出されなかった時はステップS518に進み、ステップS512における放送中番組一覧の表示開始から所定時間が経過したがどうかチェックする。そして経過していなければステップS520において、通常の放送選択操作が行われたかどうかチェックする。この操作は番組を頭から見るのではなく現に放送中の画像を鑑賞するための操作であり、通常のチャンネル合せに該当する。そして、この放送選択操作が検出できなければフローはステップS512に戻る。この時、時間の経過により放送番組が次の番組に変わっていれば一覧表示も変化している。以下、ステップS518で所定時間の経過が検出されるまでは、ステップS512からステップS520が繰り返され、ステップS514における番組開始選択操作またはステップS520における放送選択操作を待つ。
ステップS520で放送選択操作がなされた時はステップS522に移行し、選択された放送中の番組が表示される。一方、ステップS518において所定時間の経過が検出されたときはステップS524に移行し、図26のフローに入る前にCユーザテレビで選択されていたチャンネル等の既定のチャンネルを自動選択してステップS522に至る。このようにステップS512の表示の後ユーザが何もしなくてもステップS522に至り、その結果は通常にテレビをつけた時と同じなので、「放送時間シフトモード」のことを知らないユーザであっても通常と同様にテレビが鑑賞できる。
【0177】
次いで、ステップS526では、放送中の番組を頭から見たいと思ったユーザが番組開始選択操作を行ったかどうかチェックし、操作があればステップS528の番組頭からの録画中再生処理に移行する。これは、ステップS516と同様の処理である。この機能は、特に予定なしにテレビをオンし放送途中の番組に関心を持ったユーザがその番組を頭から見たい時に対応するものである。図25のフローの機能により放送中の全ての番組は頭から録画中であるので、このようなユーザのニーズに応えることが可能となる。
【0178】
一方、ステップS526で番組開始選択操作が検出されなかったときはステップS530に移行し、放送中の番組を頭から録画したいと思ったユーザが録画操作を行ったかどうかチェックする。そして、録画操作があればステップS532の当該番組保存処理に移行する。図25のフローの機能により放送中の全ての番組は頭から録画中であるので、ステップS532の処理は、当該番組が終了後に上書き可能処理されないようこれを保存する処理である。このようなユーザのニーズに応えることが可能となる。この機能も、特に予定なしにテレビをオンし放送途中の番組に関心を持ったユーザがその番組を頭から録画したいと思った時に対応できる有用なものである。
【0179】
一方、ステップS530で録画操作が検出されなかったときはステップS534に移行し、チャンネル変更操作が行われたかどうかチェックする。そしてチャンネル変更があれば新たなチャンネルについて同様の処理を行うべくフローはステップS522に戻る。
一方チャンネル変更が検出されなかったときは、ステップS536に進み、鑑賞中の番組が終了したかどうかチェックする。そして終了していればフローを終わる。一方、ステップS534で番組終了が検出されない時、フローはステップS522に戻り、以下、ステップS526、ステップS530での操作が検出されず、またステップS536で番組の終了が検出されない限り、ステップS522からステップS536が繰り返される。
このように、何も操作をしなければ、通常通りのテレビ番組の鑑賞が可能であるとともに、鑑賞中の番組が終了するまでの任意の時点で、その番組を頭から鑑賞するかまたは番組全体を完全な形で録画するための操作を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0180】
本発明は、例えばテレビなどの動画データ鑑賞装置に適用できる。
【符号の説明】
【0181】
108 テレビ局の選択手段
114 受信手段
102 録画手段
108 操作手段
100 再生制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ局の選択手段と、前記選択手段によって選択可能なテレビ局の放送番組を複数同時的に受信可能な受信手段と、前記受信手段が受信する放送番組を再生の対象となるか否かにかかわらずそれぞれの放送番組についてその開始から終了まで時間的に重複しても複数並行して録画するとともにそれぞれの放送番組について少なくともその放送終了までは録画を保持する録画手段と、放送番組を表示する表示手段と、操作手段と、前記操作手段による操作に基づき放送番組の一つを前記録画手段から読み出して放送番組の開始部分から前記表示手段に再生表示させる再生制御手段とを有し、前記録画手段は前記操作手段の操作によって録画した放送番組の再生が開始されたときは少なくとも再生終了まで録画した放送番組を保持することを特徴とする動画データ鑑賞装置。
【請求項2】
前記録画手段は、保持しない録画済の放送番組を新たな放送番組の録画で上書きすることを特徴とする請求項1記載の動画データ鑑賞装置。
【請求項3】
前記録画手段は、録画開始時点において既に開始されている放送番組については録画の対象から除外することを特徴とする請求項1空3のいずれかに記載の動画データ鑑賞装置。
【請求項4】
前記録画手段は、番組終了まで録画できなかった放送番組については保持の対象から除外することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の動画データ鑑賞装置。
【請求項5】
テレビ局の選択手段と、前記選択手段によって選択可能なテレビ局の放送番組を複数同時的に受信可能な受信手段と、前記受信手段が受信する放送番組を再生の対象となるか否かにかかわらずそれぞれの放送番組についてその開始から終了まで時間的に重複しても複数並行して録画するとともにそれぞれの放送番組について少なくともその放送終了までは録画を保持する録画手段と、放送番組を表示する表示手段と、操作手段と、前記操作手段による操作に基づき録画済の放送番組の少なくとも一つについて番組開始から終了までの保持を指示する保持手段とを有し、前記録画手段は録画開始時点において既に開始されている放送番組については録画の対象から除外することを特徴とする動画データ鑑賞装置。
【請求項6】
前記録画手段は、保持しない録画済の放送番組を新たな放送番組の録画で上書きすることを特徴とする請求項1記載の動画データ鑑賞装置。
【請求項7】
前記録画手段は、番組終了まで録画できなかった放送番組については前記操作手段による保持指示の対象から除外することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の動画データ鑑賞装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−142605(P2011−142605A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145708(P2010−145708)
【出願日】平成22年6月26日(2010.6.26)
【分割の表示】特願2007−153430(P2007−153430)の分割
【原出願日】平成19年6月9日(2007.6.9)
【出願人】(508278745)NL技研株式会社 (21)
【出願人】(706000296)
【Fターム(参考)】